説明

3輪自転車用腰かけ

【課題】本発明は、従来の3輪自転車に取りつけられているスイング機構をそのまま使用して高齢者、婦人、肛門、腰部等の疾患のある男女等が安心して乗車や操縦ができるようにした3輪自転車用腰かけを提供する。
また本発明は乗者の身長体格その他の身体的条件に対応して乗車時や走行時の腰かけ高さやペダル踏みが予め調整できるようにした3輪自転車用腰かけを提供する。
【解決手段】3輪自転車のスイング機構が設けられていない後部車体2のリヤフレームIに設けられる腰かけであって、前記リヤフレームIに着脱可能に固着できるようにした下板10と、前記下板10上に上板30を介して着脱可能に固着できるようにした発泡倍率30倍以下の発泡合成樹脂体200からなるシート台20と、前記シート台20上に前記上板30を介して着脱可能に固着できるようにした広巾で長い座面41を有するシート40とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪、ハンドル、シートチューブ、サドル等を設けている前部車体に走行中の旋回のためのスイング機構を設けている3輪自転車の腰かけに関する。
【背景技術】
【0002】
上記スイング機構を設けている3輪自転車は、高齢者や婦人等がサドルに乗る時や走行時にサドルが横揺れするので、操縦が不安定になり、徐行やスイング角度の大きい施回走行時に転倒する恐れがあった。そこで、スイング機構を有する前部車体に設けられたサドルに乗車することなく、スイング機構の設けられていない後部車体のリヤフレームに腰かけを設けて、乗者がこれに腰かければ、安定して操縦できるので、特開2010−52709号、意匠登録第1393870号に示すような3輪自転車の後部車体に腰かけを設けたものが出現したが、腰かけが重くなり、また、腰かけの高さ調節が容易にできない欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−52709号公報
【特許文献2】意匠登録第1393870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の3輪自転車に取りつけられているスイング機構をそのまま使用して、乗車時や走行時の不安定を解消できるようにした3輪自転車用腰かけを提供するものである。
また、本発明は、高齢者、婦人等が安心して乗車や操縦ができるようにした3輪自転車用腰かけを提供するものである。
また、本発明は、乗者の身長、体格、その他の身体的条件に対応して、乗車時や走行時の腰かけ高さやペダル踏みが予め容易に調整できるようにした3輪自転車用腰かけを提供するものである。
また、本発明は、費用が安く、誰でも一部部品を取りはずして新規な本発明部品の取りつけができるようにした3輪自転車用腰かけを提供するものである。
さらに、本発明は、もとの3輪自転車にいつでも迅速容易に復帰できる3輪自転車用腰かけを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明3輪自転車用腰かけは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項1の発明は、3輪自転車のスイング機構が設けられていない後部車体(2)のリヤフレーム(I)に設けられる腰かけであって、前記リヤフレーム(I)に着脱可能に固着できるようにした下板(10)と、前記下板(10)上に上板(30)を介して着脱可能に固着できるようにした発泡倍率30倍以下の発泡合成樹脂体(200)からなるシート台(20)と、前記シート台(20)上に前記上板(30)を介して着脱可能に固着できるようにした広巾で長い座面(41)を有するシート(40)とからなるものである。
また、本発明3輪自転車用腰かけは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記シート(40)の地面からの高さを、前記シート台(20)の前記発泡合成樹脂体(200)の切断により容易に調節できるようにしたものである。
さらに、本発明3輪自転車用腰かけは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記シート(40)の地面からの高さが、前記3輪自転車のシートチューブ(F)の地面からの高さと同じか又はそれ以下の高さにできるようにしたものである。
本発明において、シート台の発泡合成樹脂体は、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等が使用され、これらは、30倍以下の発泡倍率のものが必要で、30倍以上の発泡倍率のものは、構造強度が弱いので使用が困難である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、現在、市販されている3輪自転車を、その一部部品を取り替えるだけで、スイング機構はそのまま利用するが、乗者が本発明3輪自転車用腰かけに腰かければ、広く長い座面を確保できると共に、スイング機構の影響を受けないので、サドルに乗りにくい高齢者や婦人や肛門、腰部等の疾患のある男女に乗りやすく、安定して操縦できる利点がある。
また、本発明3輪自転車用腰かけは、シートチューブと同じ高さかそれ以下の高さに簡単にできるので、特に小柄な高齢者、婦人等に乗りやすい利点がある。
また、本発明3輪自転車用腰かけは、シート台の発泡合成樹脂体が、切断(溶断を含める)が簡単にできるので、乗者の身長、体格等に適合した腰かけ高さに容易に対応できる。さらに、シート座面は巾広く長いので身体的条件に合わせて腰かけた臀部の位置を前後にずらしてペダル踏みを調節することができる。
また、本発明では、シート台に発泡合成樹脂体を使用しているが、上面と下面とを金属板で被覆して圧着できるので軽量にも拘わらず実用強度は更に強くなっている。
さらに、本発明3輪自転車は、本発明3輪自転車用腰かけをそのままにして、もとの状態の3輪自転車にいつでも復帰して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例を示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明3輪自転車の実施の形態が実施例1に記載される。
【実施例1】
【0009】
本発明3輪自転車用腰かけの実施例1が、図1乃至図3に示されている。
本発明実施例の3輪自転車用腰かけを設けた3輪自転車は、前輪(A)1個、後輪(H)2個とペダル(E)を備え、前部車体(1)にスイング機構(図示しない)を設け、前記前部車体(1)にハンドル(図示しない)、ハンドルバーステム(図示しない)、シートチューブ(F)、シートポスト(F1)、サドル(S)及びバッテリー(G)を取りつけ、前記スイング機構を設けていない後部車体(2)にバスケット(図示しない)を着脱可能に取りつけたリアキャリヤフレーム(I)を設け、前記サドル(S)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように形成した市販周知のいわゆる電動アシスト3輪自転車から、前記ハンドル、前記ハンドルバーステムを着脱可能に取りはずし、長い突出部を設けたハンドルバーステム(C)を走行方向と反対向きにすると共に、V又はU字状の長手のいわゆるアップハンドル(50)に嵌着し、前記バスケットを着脱可能に取りはずしたリアキャリヤフレーム(I)に本発明腰かけを取りつけ、ハンドル(50)のグリップ(51)の位置を乗者がシート(40)の座面(41)に腰かけたときグリップ(51)が握れる位置まで延ばした3輪自転車である。
本発明の腰かけは、シート(40)とシート台(20)と上板(30)と下板(10)とからなる。
シート(40)は、サドル(S)に比べて広巾で長い座面(41)を設けたもので、座面(41)が幅約24センチメートル、前端幅約9センチメートル、長さ約41センチメートル、高さ約10センチメートルのクッション体のものである。座面(41)は、サドルに比べて広くかつ長いので、特に、高齢者、婦人のほか痔核、裂肛等の肛門病、腰病、その他の疾患のある男女に大きな利点をもたらす。
シート台(20)は、高さ約16.5センチメートル、幅約16センチメートル、長さ上面約37センチメートル、底面約30センチメートルの箱形の発泡合成樹脂体(200)からなるもので、上面は、シート(40)を着脱可能に取りつける上板(30)が載置される。シート台(20)は、軽量な発泡合成樹脂体(200)からなるので、取りつけ前に乗者の身体的条件に対応させた高さに合わせた切断(溶断を含む)が即座にでき、また、取りつけ後でも高さ調整が簡単にできる。
下板(10)は、リアキャリヤフレーム(I)に着脱可能に固着すると共に、シート台(20)の発泡合成樹脂体(200)の底面を載置する。上板(30)と下板(10)とはボルトナット(21)、(22)により発泡合成樹脂体(200)を両板で圧着するように貫通して着脱可能に取りつけられる。
本発明腰かけの実施例は、シート座面(41)が地面からの高さ約62センチメートルで、通常の3輪車のサドルの地上からの高さが約72センチメートルに比べて、跨いで腰かけた乗者の着用した靴底が地面に踏面して安心して乗車しやすく、また、腰かけたシート座面(41)が平面座面のため、乗者が腰かけた臀部の位置を前後にずらして、乗車時のペダル(E)踏みが体格に応じ調整できるので、乗車及び走行が容易かつ安定することになる。
従って、乗者は、腰かけ装置に腰かけてペダル(E)を踏み、スイングの影響を受けずに安定して走行できると共に、安全に運転することができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明3輪自転車用腰かけは、製作容易で安価に量産できる。
【符号の説明】
【0011】
F シートチューブ
I リアフレーム
10 下板
2 後部車体
20 シート台
200 発泡合成樹脂体
30 上板
40 シート
41 シート座面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3輪自転車のスイング機構が設けられていない後部車体(2)のリヤフレーム(I)に設けられる腰かけであって、前記リヤフレーム(I)に着脱可能に固着できるようにした下板(10)と、前記下板(10)上に上板(30)を介して着脱可能に固着できるようにした発泡倍率30倍以下の発泡合成樹脂体(200)からなるシート台(20)と、前記シート台(20)上に前記上板(30)を介して、着脱可能に固着できるようにした広巾で長い座面(41)を有するシート(40)とからなることを特徴とした3輪自転車用腰かけ。
【請求項2】
前記シート(40)の地面からの高さを、前記シート台(20)の前記発泡合成樹脂体(200)の切断により容易に調節できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の3輪自転車用腰かけ。
【請求項3】
前記シート(40)の地面からの高さが、前記3輪自転車のシートチューブ(F)の地面からの高さと同じか又はそれ以下の高さにできるようにしたことを特徴とした請求項1又は請求項2記載の3輪自転車用腰かけ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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