説明

3,3’−スピロインドリノン誘導体及び癌へのその使用

X、Y、W、W'、V、V'、V''、R、R及びRがここに記載の通りである式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩又はエステルが提供される。該化合物は、抗増殖剤として、特に抗癌剤としての有用性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)

[上式中、X、Y、W、W'、V、V'、V''、R、R及びRはここに記載の通りである]を有するスピロインドリノンのアナログ又はその薬学的に許容可能な塩又はエステル又はエナンチオマーに関する。
該化合物は、抗増殖剤として、特に抗癌剤としての、有用性を有している。
【背景技術】
【0002】
p53は、癌発症に対する保護において中心的な役割を担っている腫瘍抑制タンパク質である。それは細胞統合性を保護し、増殖停止又はアポトーシスの誘導により、永続的に損傷を受けた細胞クローンの増殖を防止する。分子レベルでは、p53は、細胞周期及びアポトーシスの調節に関与した遺伝子パネルを活性化させることができる転写因子である。p53は、細胞レベルでMDM2により厳重に調節される強力な細胞周期阻害剤である。MDM2とp53はフィードバック制御ループを形成する。MDM2はp53に結合し、そのp53調節遺伝子をトランス活性化させる能力を阻害しうる。また、MDM2はp53のユビキチン依存性分解を媒介する。p53はMDM2遺伝子の発現を活性化させることができ、よってMDM2タンパク質の細胞レベルを上昇させる。このフィードバック制御ループは、MDM2とp53の双方が、正常に増殖している細胞において低レベルに維持されることを担保する。MDM2はまた細胞周期の調節において中心的な役割を担うE2Fの補因子である。
【0003】
p53(E2F)に対するMDM2の比は、多くの癌において調節されていない。例えば、p16INK4/p19ARF座位において頻繁に生じる分子欠損は、MDM2タンパク質分解に影響を及ぼすことが示されている。野生型p53を有する腫瘍細胞におけるMDM2-p53相互作用の阻害は、p53の蓄積、細胞周期停止及び/又はアポトーシスを生じせしめるはずである。よって、MDM2アンタゴニストは、単剤としての、又は広範囲の他の抗腫瘍治療剤と併用した場合の、癌治療に対する新規なアプローチ法を提供しうる。この方策の実行可能性は、MDM2-p53相互作用の阻害のための異なる巨大分子ツール(例えば抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド)を使用することによって示されている。MDM2はまたp53のように保存結合領域を通してE2Fに結合し、サイクリンAのE2F依存性転写を活性化させており、MDM2アンタゴニストがp53変異細胞において効果を有しているかもしれないことが示唆される。
【0004】
MDM2のアンタゴニストとしての一連のスピロインドリノンは、過去にJ. Am Chem. Soc., 2005, 127, 10130と2007年9月13日に公開された米国特許出願公開第2007-0213341-A1号にもまた開示されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、MDM2-p53相互作用の小分子阻害剤であるスピロインドリノン誘導体を提供する。無細胞及び細胞ベースアッセイにおいて、本発明の化合物は、p53様ペプチドとのMDM2タンパク質の相互作用を阻害することが示されている。細胞ベースアッセイにおいて、これらの化合物は機構的活性を示す。野生型p53と共に癌細胞をインキュベーションすると、p53タンパク質の蓄積、p53調節p21遺伝子の誘導、及びG1期及びG2期における細胞周期停止に至り、インビトロにおいて野生型p53細胞に対する強力な抗増殖活性を生じる。これに対して、これらの活性は、比較できる化合物濃度で、変異型p53を有する癌細胞では観察されなかった。よって、MDM2アンタゴニストの活性は、その作用機序に関連していると思われる。これらの化合物は強力で選択的な抗癌剤となる蓋然性がある。
【0006】
本発明は、式(I)

[上式中、
Xは、Cl、F又はBrであり、
Yは、水素又はFであり、
Vは、F又はClであり、
V'は、水素又はFであり、
V''は、水素又はFであり、
Wは、F、Cl又はBrであり、
W'は、水素又はFであり、
及びRは、水素、メチル、エチル又はプロピルであり、
あるいはR及びRは結合して、置換又は未置換シクロアルキルから選択される環状構造を形成可能であり、
は、OH、OR'、NH、NHR'、NR'R''、NHOR'、又はNHS(=O)R''から選択され、
R'、R''は、低級アルキル、置換アルキル、シクロアルキル及び置換シクロアルキルからなる群から独立して選択される]
のスピロインドリノン類及びその薬学的に許容可能な塩及びエステル及びエナンチオマーに関する。
【0007】
好ましいものは、XがClであり、Yが水素であり、VがF又はClであり、V'が水素であり、V''が水素であり、WがClであり、W'が水素であり、R、Rがメチル又はエチルであり、RがOH又はNHS(=O)Meである式(I)の化合物である。
【0008】
最も好ましい化合物は、式:
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-シクロプロパンスルホニルアミノ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メトキシカルボニル-メトキシ)-フェニル]-2'-[5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル]-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5,6−ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、及び
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
のものである。
【0009】
明細書において示される様々な基は、低級アルキル、低級-アルケニル、低級-アルキニル、ジオキソ-低級-アルキレン(例えば、ベンゾジオキシル基を形成)、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF、NH、N(H、低級-アルキル)、N(低級-アルキル)、アミノカルボニル、カルボキシ、NO、低級-アルコキシ、チオ-低級-アルコキシ、低級-アルキルスルホニル、アミノスルホニル、低級-アルキルカルボニル、低級-アルキルカルボニルオキシ、低級-アルコキシカルボニル、低級-アルキル-カルボニル-NH、フルオロ-低級-アルキル、フルオロ-低級-アルコキシ、低級-アルコキシ-カルボニル-低級-アルコキシ、カルボキシ-低級-アルコキシ、カルバモイル-低級-アルコキシ、ヒドロキシ-低級-アルコキシ、NH-低級-アルコキシ、N(H、低級-アルキル)-低級-アルコキシ、N(低級-アルキル)-低級-アルコキシ、ベンジルオキシ-低級-アルコキシ、モノ-又はジ-低級アルキル置換アミノ-スルホニル及び低級-アルキルであって、場合によってはハロゲン、ヒドロキシ、NH、N(H、低級-アルキル)又はN(低級-アルキル)で置換されうるものからなる群から独立して選択される1〜5、又は好ましくは1〜3の置換基で置換されてもよい。アリール、ヘテロアリール及び複素環のための好ましい置換基は、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキル及びアミノである。
【0010】
アルキル、アルケニル、アルキニル又は類似の基が同じ部分の両端に連結している場合、該部分の2つの水素が、アルキル、アルケニル、アルキニル又は類似の基の2つの末端に置き換えられている環状構造が生じ得、よって例えばテトラリン、大環状分子又はスピロ化合物のような環状構造をつくり出す。
【0011】
「アルキル」なる用語は、1から約20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖の飽和炭化水素基を意味する。ある実施態様では、アルキル置換基は低級アルキル置換基でありうる。「低級アルキル」なる用語は、1から8の炭素原子、ある実施態様では1から4の炭素原子を有するアルキル基を意味する。アルキル基の例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、及びs-ペンチルが含まれる。
【0012】
ここで使用される場合、「シクロアルキル」とは、炭素原子のみからなる任意の安定した単環又は多環系で、その任意の環が飽和しているものを意味し、「シクロアルケニル」なる用語は、炭素原子のみからなる任意の安定した単環又は多環系で、その少なくとも一の環が部分的に不飽和であるものを意味するものである。シクロアルキルの例には、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、ビシクロアルキル、例えばビシクロオクタン、例えば[2.2.2]ビシクロオクタン又は[3.3.0]ビシクロオクタン、ビシクロノナン、例えば[4.3.0]ビシクロノナン、及びビシクロデカン、例えば[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、又はスピロ化合物が含まれる。シクロアルケニルの例には、限定されるものではないが、シクロペンテニル又はシクロヘキセニルが含まれる。
【0013】
ここで使用される「アルケニル」なる用語は、一つの二重結合を含み、2から8、好ましくは2から6の炭素原子を有する不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素基を意味する。このような「アルケニル基」の例は、ビニル(エテニル)、アリル、イソプロペニル、1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル及び5-ヘキセニルである。
【0014】
ここで使用される「アルキニル」なる用語は、一つの三重結合を含み、2から6、好ましくは2から4の炭素原子を有する不飽和で直鎖状鎖又は分枝状の脂肪族炭化水素基を意味する。このような「アルキニル基」の例は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル及び5-ヘキシニルである。
【0015】
定義において使用される「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、ヨウ素又は臭素、好ましくはフッ素及び塩素を意味する。
【0016】
「アリール」なる用語は、一価、単環又は二環の芳香族炭素環式の炭化水素基、好ましくは6〜10員の芳香環系を意味する。好ましいアリール基には、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、トリル、及びキシリルが含まれる。
【0017】
「ヘテロアリール」なる用語は、2つまでの環を含む芳香族複素環系を意味する。好ましいヘテロアリール基には、限定されるものではないが、チエニル、フリル、インドリル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアキソリル、キノリニル、ピリミジニル、イミダゾール及びテトラゾリルが含まれる。
【0018】
二環式であるアリール又はヘテロアリールの場合、一方の環はアリールであり得、他方の環はヘテロアリールであり、双方が置換又は未置換であることが理解されるべきである。
【0019】
「複素環(ヘテロ環)」なる用語は、1から3の炭素原子が、窒素、酸素又は硫黄原子から選択されるヘテロ原子で置き換えられている、飽和又は不飽和で、5から8員の、単環又は二環式の芳香族又は非芳香族炭化水素を意味する。具体例には、ピロリジン-2-イル;ピロリジン-3-イル;ピペリジニル;モルホリン-4-イル等が含まれる。
【0020】
「ヘテロ原子」なる用語は、N、O及びSから選択される原子を意味する。
【0021】
「アルコキシ」、「アルコキシル」又は「低級アルコキシ」なる用語は、酸素原子に結合した上記低級アルキル基の任意のものを意味する。典型的な低級アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ又はプロポキシ、ブチルオキシ等が含まれる。アルコキシの意味に更に含まれるものは、複数のアルコキシ側鎖、例えばエトキシエトキシ、メトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ等、及び置換アルコキシ側鎖、例えばジメチルアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、ジメトキシ-ホスホリルメトキシ等である。
【0022】
例えば薬学的に許容可能な担体、賦形剤等のような「薬学的に許容可能」なる用語は、薬理学的に許容可能で、特定の化合物が投与される被験者(対象)に対して実質的に無毒性であることを意味する。
【0023】
「薬学的に許容可能な塩」なる用語は、本発明の化合物の生物学的効能及び性質を保持し、適切な無毒性の有機又は無機酸あるいは有機又は無機塩基から形成される一般的な酸付加塩又は塩基付加塩を意味する。実例となる酸付加塩には、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及び硝酸から誘導されるもの、及び有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸等から誘導されるものが含まれる。実例となる塩基付加塩には、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化第4級アンモニウム、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムから誘導されるものが含まれる。薬学的化合物(つまり、薬剤)の塩への化学的修飾は、化合物の改善された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性を得るために薬化学者によく知られている技術である。例えば、Ansel等, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (第6版 1995) 196 及び456-457頁を参照。
【0024】
式Iの化合物並びにその塩は、少なくとも一の不斉炭素原子を有し、よってラセミ混合物又は異なる立体異性体として存在する場合がある。様々な異性体は、既知の分離法、例えばクロマトグラフィーにより、単離することができる。本発明には全ての立体異性体が含まれる。
【0025】
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患、特に腫瘍性疾患の治療又は抑制に有用である。これらの化合物及び該化合物を含む製剤は、固形腫瘍、例えば乳腺腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍及び前立腺腫瘍の治療又は抑制に有用でありうる。
【0026】
この発明に係る化合物の治療的有効量は、疾患の症状を防止、軽減又は寛解し、あるいは処置されている被験者の生存期間を延長させるのに有効な化合物の量を意味する。治療的有効量の決定は、当業者の技量の範囲内である。
【0027】
この発明に係る化合物の治療的有効量又は投与量は幅広い制限内で変わり得、当該分野で知られた方法で決定されうる。かかる投与量は、投与される特定の化合物(群)、投与経路、処置される病状、並びに処置される患者を含む、各々の特定の症例において、個々の必要性に応じて調節されるであろう。一般的に、およそ70kgの体重の成人への経口又は非経口投与の場合、約10mgから約10000mg、好ましくは約200mgから約1000mgの一日投与量が適切であるはずであるが、上限は指示された場合には越えてもよい。一日投与量は、単回投与として又は分割された投与量で投与され得、あるいは非経口投与に対しては連続注入として投与されうる。
【0028】
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所的(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣内及び/又は非経口投与に適したものを含む。該製剤は、簡便には単位投与形態で提供され得、薬学の分野でよく知られている任意の方法により調製することができる。単一投薬形態を製造するために担体物質と組合わされうる活性成分の量は、処置される宿主、並びに特定の投与態様に応じて変化するであろう。単一投薬形態を製造するために担体物質と組合わされうる活性成分の量は、一般的には、治療効果を生じせしめる式I又はII又はIIIの化合物の量であろう。一般的に、100パーセントの内、この量は、約1パーセントから約99パーセント、好ましくは約5パーセントから約70パーセント、最も好ましくは約10パーセントから約30パーセントの活性成分の範囲であろう。
【0029】
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、担体と、及び場合によっては一又は複数の副成分と一緒にさせる工程を含む。一般的に、該製剤は、本発明の化合物を液体担体、又は微粉化された固形担体、あるいは双方と均一かつ密に一緒にさせ、ついで必要ならばその生成物を成形することによって、調製される。
【0030】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル、カシェ(cachets)、サシェ(sachets)、丸薬、錠剤、ロゼンジ剤(香味基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカントを使用)、粉剤、顆粒の形態で、又は水性もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液として、又は水中油型もしくは油中水型液状エマルションとして、又はエリキシル剤もしくはシロップとして、又はトローチ(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアを使用)として、及び/又は口腔洗浄剤等であり得、活性成分として予め決定された量の本発明の化合物をそれぞれ含む。また本発明の化合物はボーラス、舐剤又はペースト剤として投与することもできる。
【0031】
「有効量」なる用語は、疾患の病状を予防、軽減又は寛解し、又は処置される被験者の生存期間を延長させるのに有効な量を意味する。
【0032】
「IC50」なる用語は、特定の測定された活性の50%を阻害するのに必要とされる特定の化合物の濃度を意味する。IC50は、とりわけ、以下に記載されるようにして測定されうる。
【0033】
「薬学的に許容可能なエステル」なる用語は、常套的にエステル化された、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有する式Iの化合物を意味し、該エステルは、式Iの化合物の生物学的効能及び性質を保持しており、それぞれ対応する活性なカルボン酸又はアルコールにインビボ(生物中)で切断される。
【0034】
式I又はIIのこの発明の化合物は、次の一般的スキームに従って合成することができる。式Iの化合物は、一般的合成経路において試薬又は薬剤を置換することにより調製されうることは、当業者には明白であろう。出発材料は市販されているか、又は当業者に知られている十分に確立された文献の方法により合成することができる。キラルクロマトグラフィーによる精製を使用することで、式IIの化合物は、光学的に純粋な又は濃縮されたエナンチオマーとして得ることができる。
【0035】

一般的に、適切に選択されたアルデヒドIを、ワンポット多工程方式で、リチウムヘキサメチルジシラミド、クロロトリアルキルシラン及び塩化アセチルと反応させ、2-アザ-1,3-ブタジエンIIを生成させ得(スキームI)、これを粗生成物として使用することができる。Ghosez, L.等は、2-アザ-1,3-ブタジエンの調製及び複素環形成のためのアザ・ディールズ-アルダー反応におけるそれらの使用について報告している(参考文献: Tetrahedron 1995, 11021;J. Am. Chem. Soc. 1999, 2617;及びそこに引用された文献)。適切に選択されたアルデヒドIは市販されているか、又は確立された複数の文献記載の方法により合成することができる。
【0036】

オキシインドールIIIを、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒中か又はトルエン、o-キシレン等の非プロトン性溶媒中の何れかにおいて、加熱条件下、塩基の存在中で、適切に置換されたアルデヒドVIと反応させ、中間体IVを得ることができる。一般的に使用される塩基は、ピロリジン又はピペリジンの何れかである。中間体IVを保護することで、中間体Vを得ることができる。保護基は、確立された文献記載の手順に従い、クロロギ酸エチル、二炭酸ジ-tert-ブチル、SEM-Cl、臭化ベンジル、及び塩基、例えば4-(ジメチルアミン)ピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、NaH、又はLiHを使用することにより、結合させることができる。保護基の形成及び及びそれらの脱保護の例は、Greene, T. W等, 「Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版 John Wiley & Sons Incに記載され、包括的に概説されている。
【0037】

中間体Vを、110℃〜160℃で加熱しながら無水条件下で、スキームIで調製され、選択された2-アザ-ブタジエンIIとトルエン又はo-キシレン中で反応させることで、2つのエナンチオマーのラセミ混合物として示される主要生成物として、中間体VII及びVII'を形成することができる。保護基(Pg)を除去するための後続の反応により、様々なR、R誘導体化化合物VIII及びVIII'が得られる(スキーム3)。PgがBoc基である場合、Boc基は、トリフルオロ酢酸により、又はVとIIとの間のアザディールズ-アルダー反応中、110℃〜116℃の温度での加熱を延長することにより除去することができる。VIIとVII'、又はVIIIとVIII'のラセミ混合物は、キラル超流体クロマトグラフィー(SFC)、又はキラルHPLCもしくはキラルカラムクロマトグラフィーにより、2つのキラルエナンチオマーに、容易に分割することができる。
【0038】

R1、R2が、双方ともメチルであるか又は結合してシクロアルキル基を形成する場合、スキーム2の中間体VIは、加熱条件下、無水N,N-ジメチルホルムアミド中において、置換ベンズアルデヒドX、及び容易に入手可能な試薬IX、塩基、例えばKCO又はCsCOを処理することにより調製することができる(スキーム4)。R1又はR2がエチル又はn-プロピルである場合、スキーム2の中間体VIは、スキーム5において例証される合成経路で調製することができる。アルデヒドXは市販されているか又は文献記載の手順から容易に入手できる。
【0039】

化合物VIIIを酸XIVに加水分解した後、よく知られている方法を使用してカップリング反応させて、スルホニルアミドアナログXVを得る。化合物VIII、XIV、XVは、加熱下又は周囲温度で、トルエンのような非プロトン性溶媒中、ローソン試薬又はPの何れかを用いた処理により、対応する6-チオカルボニルアナログXIX、XVIII又はXVIに転換させることができる。別法では、酸XIVを、HATU又は他のよく知られているカップリング試薬と塩基を使用し、R'NH、R'R''NH、又はR''ONHと反応させてその対応するアミドアナログを生じせしめ、続いて加熱下又は周囲温度で、トルエンのような非プロトン性溶媒中、ローソン試薬又はPの何れかを用いた処理により、アナログXVIIを得ることができる(スキーム6)。R、R'、R''は、低級アルキル、置換アルキル、シクロアルキル及び置換シクロアルキルから独立して選択される。

【0040】
本発明の更なる実施態様は、これまでに記載され、一般スキーム1−6に従う式(I)の化合物の合成方法に関する。
次の実施例及び参考例は、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の理解を補助するために記載される。
【実施例】
【0041】
実施例1
中間体2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-メチル-プロピオン酸メチルエステルの調製

DMF(20mL)中の5-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(7g、45mmol)、2-ブロモ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(10.4g、58mmol)、KCO(18.6g、135mmol)及びKI(0.97g、5.8mmol)の混合物を110℃で3時間加熱した。ついで、混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を更なる精製をしないで次工程の反応に使用した(7g)。
【0042】
実施例2
中間体E/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-2-メチル-プロピオン酸メチルエステルの調製

メタノール(700mL)中の6-クロロ-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン(43g、0.26mol)及び2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-メチル-プロピオン酸メチルエステル(66g、0.26mol)の混合物にピロリジン(22g、0.31mol)を滴下して加えた。ついで、混合物を70℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、得られた沈殿物を収集し、乾燥させて、黄色固形物(76g)として表題化合物を得た。
【0043】
実施例3
中間体E/Z-6-クロロ-3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製

室温で、ジクロロメタン(700mL)中のE/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-2-メチル-プロピオン酸メチルエステル(73g、0.18mol)の溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(40g、0.18mol)を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(4g、0.036mol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。ついで、混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製し、オレンジ色の固形物(86g)として表題化合物を得た。
【0044】
実施例4
中間体1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンの調製

無水テトラヒドロフラン(400mL)にLiHMDS(420mmol、420mL)の1M THF溶液を、アルゴン下、室温で添加した後、5-フルオロ-2-メチル-ベンズアルデヒド(58g、420mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した後、塩化トリメチルシリル(53.2mL、420mmol)を滴下して加えた。ついで、冷却氷浴で混合物の温度を0℃まで低下させた。この混合物にトリエチルアミン(76mL、544mmol)を1回で添加した後、ジエチルエーテル(500mL)中の塩化アセチル(38.8mL、544mmol)溶液を滴下して加えた。冷却浴を取り除き、混合物を室温で一晩攪拌した。窒素下、混合物をセライトで素早く濾過し、減圧下で濾液を濃縮して、黄色ガムとして粗1-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンを得、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。
【0045】
実施例5
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(248mL)中のE/Z-6-クロロ−3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(86g、166mmol)及び1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(248mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(300mL)とTFA(50mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで真空で濃縮し、酢酸エチル間に分配させ、NaOH水溶液で希釈した。有機層を水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(33g)として表題化合物を得た。
【0046】
実施例6
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(14g)からの2つのエナンチオマーの分離を、キラルSFCにより実施して、キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを白色固形物(4.8g)として、またキラル(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを白色固形物(4.7g)として得た。
【0047】
実施例7
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(4.8g、8.03mmol)、NaOH(1.6g、40mmol)、HO(30mL)及びメタノール(50mL)の混合物を、80℃で1時間加熱した。ついで、減圧下でメタノールを除去し、水溶液を濃塩酸により「pH」1−2に酸性化した。白色沈殿物を濾過により収集し、乾燥させて、白色固形物(4g)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):571
【0048】
実施例8
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(1mL)中のキラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(30mg、0.052mmol)及びローソン試薬(40g、0.09mmol)の混合物を室温で3時間攪拌し、ついでフラッシュカラムにより精製して、白色固形物(7mg)として表題化合物を得た。
【0049】
実施例9
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン

THF(5mL)中の実施例5で調製したラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(200mg、0.34mmol)及びローソン試薬(270mg、0.61mmol)の混合物を、室温で1時間攪拌し、ついでフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(130mg)として表題化合物を得た。
【0050】
実施例10
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(3mL)中の実施例6で調製したキラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(300mg、0.52mmol)及びP(227mg、1.02mmol)の混合物を、40℃で2時間加熱し、ついでトルエン(20mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を収集し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(260mg)として表題化合物を得た。
【0051】
実施例11
中間体2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-酪酸メチルエステルの調製

DMF(500mL)中の5-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(156g、1mol)、2-ブロモ-酪酸メチルエステル(271g、1.5mol)、KI(2g、0.012mol)及びKCO(276g、2mol)の混合物を130℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濃縮した。残留物をEtOAcと水の間で分配した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、表題化合物(240g)を得た。
【0052】
実施例12
2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-酪酸メチル中間体の調製

トルエン(400mL)中の2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-酪酸メチルエステル(50g、0.195mol)、エチレングリコール(89mL、1.56mol)、及びp−トルエンスルホン酸(2.8g、16.5mmol)の混合物を、取り付けられたディーン・スタークトラップを用いて還流させ、水を除去した。3時間後、反応物を冷却し、水、飽和NaHCO及び水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、淡黄色の油(40g)として表題化合物を得た。
【0053】
実施例13
2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-2-エチル-酪酸メチルエステル中間体の調製

リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(60mL、60mmol、THF中1M)を、−78℃で、無水THF(150mL)中の2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-酪酸メチルエステル(15g、50mmol)の溶液にゆっくりと添加した。混合物を15分間攪拌した後に、ヨードエタン(9.3g、60mmol)を添加した。混合物を室温まで温め、2時間攪拌した。ついで、混合物を酢酸エチルで希釈し、NHClの飽和水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、油(16g)として粗生成物を得た。
【0054】
実施例14
2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-エチル-酪酸メチルエステル中間体の調製

トリフルオロ酢酸(20mL)中の2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-2-エチル-酪酸メチルエステル(16g、48.8mmol)の溶液を室温で3時間攪拌した。ついで、混合物を濃縮し、残留物をEtOAcと水の間で分配した。有機層を1NのNaOH溶液、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、表題化合物(13g)を得た。
【0055】
実施例15
中間体E/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-2-エチル-酪酸メチルエステルの調製

メタノール(200mL)中の6−クロロオキシインドール(8.3g、49.7mmol)と2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-エチル-酪酸メチルエステル(13g、45.8mmol)の混合物にピロリジン(4.1mL、49.7mmol)を滴下して加えた。ついで、混合物を70℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、沈殿物を収集し、乾燥させ、黄色固形物(15.5g)として表題化合物を得た。
【0056】
実施例16
中間体E/Z-3-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メトキシカルボニル-プロポキシ)-ベンジリデン]-6-クロロ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製

ジクロロメタン(200mL)中のE/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-2-エチル-酪酸メチルエステル(15.5g、36mmol)の溶液に室温で二炭酸ジ-tert-ブチル(8.6g、39mmol)を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(0.4g、3.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、溶液を1MのHCl及びブラインで2回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、黄色固形物(15g)として表題化合物を得た。
【0057】
実施例17
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メトキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(60mL)中のE/Z-3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-エチル-プロポキシ)-ベンジリデン]-6-クロロ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(7.6g、15mmol)及び実施例4で調製した1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(60mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(50mL)とTFA(20mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで真空で濃縮し、酢酸エチルと希NaOH水溶液間で分配した。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(2.2g)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):613
【0058】
実施例18
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-ヒドロキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メトキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(200mg、0.33mmol)、LiOH.HO(69mg、1.16mmol)、HO(2mL)及びメタノール(20mL)の混合物を、2時間還流した。室温まで冷却した後、溶液を濃縮し、残留物を濃HCl溶液を添加することにより、「pH」2−3まで酸性化させた。沈殿物を濾過により収集し、白色固形物(57mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):599
【0059】
実施例19
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

DMF(1mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-ヒドロキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(30mg、0.05mmol)及びCDI(20mg、0.12mmol)の溶液を60℃で2時間加熱した。ついで、この溶液にDMF(1mL)中のメタンスルホンアミド(28mg、0.3mmol)及びNaH(12mg、60%、0.3mmol)の混合物を添加し、これを室温で2時間攪拌した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、これを水に注ぎ、水溶液を濃HCl水溶液の添加により「pH」1−2まで酸性化させた。水性相をEtOAcで2回抽出した。組合せた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、残留物をフラッシュカラムにより精製し、白色固形物(10mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):676
【0060】
実施例20
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

室温で、DCM(20mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(540mg、0.8mmol)及び無水酢酸(98mg、0.96mmol)の混合物にDMAP(10mg、0.08mmol)をゆっくりと添加した。混合物を2時間攪拌した後、溶液を0.5NのHCl溶液で2回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(450mg)として表題化合物を得た。
【0061】
実施例21
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(50mg)からの2つのエナンチオマーの分離を、キラルSFCにより実施し、白色固形物(15mg)としてキラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを得た。
m/z(M+H):718
【0062】
実施例22
中間体キラル(2'R,3R,4'S)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

実施例21のラセミ(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(50mg)からの2つのエナンチオマーのSFCキラル分離で、キラル(2'R,3R,4'S)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを白色固形物(17mg)として得た。
m/z(M+H):718
【0063】
実施例23
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

トルエン(5mL)中のキラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(50mg、0.07mmol)及びローソン試薬(56mg、0.126mmol)の混合物を125℃で1.5時間加熱した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(15mg)として表題化合物を得た。
【0064】
実施例24
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

メタノール(2mL)中のキラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン(45mg)及びKCO(30mg)の混合物を室温で15分攪拌し、ついで、混合物を酢酸エチルと希HCl水溶液間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、白色固形物(35mg)として表題化合物を得た。
【0065】
実施例25
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(12g)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCにより実施し、白色固形物(5g)としてキラル(2'S,3S,4'R)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを得た。
m/z(M+H):676
【0066】
実施例26
中間体キラル(2'R,3R,4'S)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

実施例25のラセミ(2'S,3S,4'R)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(12g)からの2つのエナンチオマーのSFCキラル分離で、白色固形物(5g)として、キラル(2'R,3R,4'S)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを得た。
【0067】
実施例27
キラル(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

キラル(2'R,3R,4'S)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(200mg、0.3mmol)、及びP(130mg、0.6mmol)の混合物を60℃で1時間加熱し、ついでトルエン(20mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を収集し、フラッシュカラムにより精製し、白色固形物(121mg)として表題化合物を得た。
【0068】
実施例28
中間体1-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンの調製

無水テトラヒドロフラン(100mL)に、LiHMDS(97mmol、97mL)の1M THF溶液を、アルゴン下、室温で添加し、続いて5-クロロ-2-メチル-ベンズアルデヒド(15g、97mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した後、塩化トリメチルシリル(12.3mL、97mmol)を滴下して加えた。ついで、冷却氷浴において、混合物の温度を0℃まで低下させた。この混合物にトリエチルアミン(17.6mL、126mmol)を1回で添加し、ついでジエチルエーテル(200mL)中の塩化アセチル(9mL、126mmol)の溶液を滴下して加えた。冷却浴を取り除き、混合物を室温で一晩攪拌した。窒素下、混合物をセライトで素早く濾過し、減圧下で濾液を濃縮し、黄色ガムとして粗1-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンを得、更なる精製なしに次工程に使用した。
【0069】
実施例29
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メトキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(20mL)中の実施例16で調製したE/Z-3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-エチル-プロポキシ)-ベンジリデン]-6-クロロ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.63g、4.9mmol)及び1-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(20mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(20mL)とTFA(10mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで濃縮し、酢酸エチルと希NaOH水溶液間で分配した。有機層を分離させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(600mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):629
【0070】
実施例30
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-ヒドロキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メトキシカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(100mg、0.159mmol)、LiOH(19.87mg、0.8mmol)、HO(2mL)及びメタノール(3mL)の混合物を40℃で4時間加熱した。ついで、メタノールを減圧下で除去した。水溶液を、濃塩酸を添加することにより、「pH」1−2まで酸性化させた。沈殿物を濾過により収集し、Prep-HPLCにより精製し、白色固形物(50mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):615
【0071】
実施例31
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

DMF(2mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(150mg、0.244mmol)及びCDI(80mg、0.49mmol)の溶液を60℃で2時間加熱した。ついで、この溶液に、DMF(3mL)中のメタンスルホンアミド(231mg、2.44mmol)及びNaH(78mg、60%、1.95mmol)の混合物を添加し、室温で2時間攪拌した。室温で1時間攪拌した後、反応混合物を水に注ぎ、濃HCl水溶液を添加することにより「pH」2−3まで酸性化させた。混合物を酢酸エチルと水の間で分配した。有機層を分離させ、水性層を酢酸エチルで2回抽出した。組合せた有機抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(10mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):692
【0072】
実施例32
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

室温で、DCM(20mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(400mg、0.58mmol)及び無水酢酸(71mg、0.69mmol)の混合物をDMAP(7mg、0.06mmol)にゆっくりと添加した。混合物を2時間攪拌した後、溶液を0.5NのHCl溶液で2回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をPrep-HPLCにより精製し、白色固形物(100mg)として表題化合物を得た。
【0073】
実施例33
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(50mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCにより実施し、白色固形物(15mg)としてキラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを得た。
m/z(M+H):734
【0074】
実施例34
中間体キラル(2'R,3R,4'S)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

実施例33のラセミ(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(50mg)からの2つのエナンチオマーのSFCキラル分離で、白色固形物(15mg)として、キラル(2'R,3R,4'S)-1-アセチル-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エチル-1-メタンスルホニルアミノカルボニル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンを得た。
m/z(M+H):734
【0075】
実施例35
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(2mL)中のキラル(2'S,3S,4'R)-1-アセチル-6-クロロ-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]−スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(30mg、0.04mmol)及びP(26mg、0.12mmol)の混合物を室温で一晩攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。得られた混合物を濃縮し、DCMで2回洗浄した。DCM溶液を収集し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。ついで、生成物を、MeOH中のKCO(20mg)と共に15分間攪拌し、ついで酢酸エチルと希HCl溶液との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、白色固形物(25mg)として表題生成物を得た。
【0076】
実施例36
中間体2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-ペンタン酸エチルエステルの調製

DMF(100mL)中の5-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(15g、0.1mol)、2-ブロモ-ペンタン酸エチルエステル(27g、0.13mol)、及びKCO(27g、0.2mol)の混合物を140℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水に注ぎ、水性相をEtOAcで2回抽出した。組合せた有機相を水とブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムにより精製し、無色の油(24g)として表題化合物を得た。
【0077】
実施例37
中間体2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-ペンタン酸エチルエステルの調製

トルエン(150mL)中の2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-ペンタン酸エチルエステル(15g、53mmol)、エチレングリコール(25mL、440mmol)、及びp-トルエンスルホン酸(0.8g、4.65mmol)の混合物を、取り付けられたディーン-スタークトラップで還流させ、水を除去した。3時間後、反応体を冷却し、水、NaHCO飽和水溶液及び水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、淡黄色油(16g)として表題化合物を得た。
【0078】
実施例38
中間体2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-2-プロピル-ペンタン酸エチルエステルの調製

リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(26mL、26mmol、THF中1M)を、−78℃で、60mLの無水THF中の2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-ペンタン酸エチルエステル(6.6g、20mmol)の溶液にゆっくりと添加した。−78℃で混合物を30分攪拌した後に、1-ヨードプロパン(4mL、40mmol)を添加した。混合物を室温まで温め、2時間攪拌した。ついで、混合物を酢酸エチルで希釈し、NHClの飽和水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、黄色の油(5g)として表題化合物を得た。
【0079】
実施例39
中間体2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-プロピル-ペンタン酸エチルエステルの調製

TFA(30mL)中の2-(4-クロロ-2-[1,3]ジオキソラン-2-イル-フェノキシ)-2-プロピル-ペンタン酸エチルエステル(15g、42mmol)の溶液を室温で一晩攪拌した。ついで、混合物を濃縮し、残留物をEtOAcと水の間で分配した。有機相を1NのNaOH溶液、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、表題化合物(14g)を得た。
【0080】
実施例40
中間体E/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-2-プロピル-ペンタン酸エチルエステルの調製

メタノール(100mL)中の6-クロロオキシインドール(9.3g、55.7mmol)及び2-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-プロピル-ペンタン酸エチルエステル(14g、42.9mmol)の混合物に、ピロリジン(3.3g、47.2mmol)を滴下して加えた。ついで、混合物を80℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濃縮した。残留物をフラッシュカラムにより精製し、表題化合物(4.2g)を得た。
【0081】
実施例41
中間体E/Z-6-クロロ-3-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製

室温で、ジクロロメタン(100mL)中のE/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-2-プロピル-ペンタン酸エチルエステル(4.2g、8.8mmol)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(2.2g、9.68mmol)を添加し、続いて4−ジメチルアミノピリジン(0.5g、4.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、溶液を濃縮した。残留物をフラッシュカラムにより精製し、黄色固形物(2.6g)として表題化合物を得た。
【0082】
実施例42
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(10mL)中のE/Z-6-クロロ−3-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.3g、2.3mmol)及び実施例28で調製した1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(10mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(20mL)とTFA(5mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで真空で濃縮し、酢酸エチル間と希NaOH溶液との間で分配した。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(150mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):655
【0083】
実施例43
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(100mg、0.15mmol)及びP(70mg、0.31mmol)の混合物を60℃で2時間加熱し、ついで、トルエン(10mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムにより精製し、白色固形物(65mg)として表題化合物を得た。
【0084】
実施例44
中間体キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-シクロプロパンスルホニルアミノ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

DMF(0.5mL)中の実施例7で調製したキラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(45mg、0.079mmol)及びCDI(26mg、0.16mmol)の溶液を、60℃で2時間加熱した。ついで、この溶液に、DMF(1mL)中のシクロプロパンスルホンアミド(48mg、0.4mmol)及びNaH(13mg、60%、0.3mmol)の混合物を添加し、室温で1時間攪拌した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、水(5mL)に注ぎ、水溶液を濃塩酸水を添加することにより、「pH」2−3まで酸性化させた。水性相をEtOAcで2回抽出した後、組合せた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、残留物をフラッシュカラムにより精製し、白色固形物(38mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):674
【0085】
実施例45
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-シクロプロパンスルホニルアミノ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(1mL)中のキラル(2'S,3S,4'R)-4'-[5-クロロ-2-(2-シクロプロパンスルホニルアミノ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-6-クロロ-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(12mg、0.018mmol)及びP(12mg、0.054mmol)の混合物を50℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM層を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(11mg)として表題化合物を得た。
【0086】
実施例46
中間体1-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-シクロブタンカルボン酸メチルエステルの調製

DMF(100mL)中の5-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(10g、64mmol)、1-ブロモ-シクロブタンカルボン酸メチルエステル(15g、77mmol)、KCO(13g、94mmol)の混合物を140℃で1.5時間加熱した。ついで、混合物を酢酸エチルと水の間で分配し、有機層を水で4回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、暗色の油(18g)として粗生成物を得た。
【0087】
実施例47
中間体E/Z-1-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-シクロブタンカルボン酸メチルエステルの調製

メタノール(100mL)中の6-クロロオキシインドール(10g、60mmol)及び1-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-シクロブタンカルボン酸メチルエステル(18g、67mmol)の混合物にピロリジン(4.5mg、63mmol)を滴下して加えた。ついで、混合物を80℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、沈殿物を収集し、乾燥させ、表題化合物(6g)を得た。
【0088】
実施例48
中間体E/Z-6-クロロ−3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

室温で、ジクロロメタン(100mL)中のE/Z-1-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル(6g、14mmol)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(3.7g、16.9mmol)を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(0.17g、1.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。ついで、混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製し、オレンジ色の固形物(5g)として表題化合物を得た。
【0089】
実施例49
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(10mL)中のE/Z-6-クロロ−3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.5g、2.9mmol)、及び実施例4で調製した1-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(10mmol)の混合物を60℃で3時間加熱した。混合物にTFA(5mL)を添加し、得られた溶液を室温で20分攪拌し、ついで真空で濃縮した。残留物を酢酸エチルと希NaOH水溶液との間で分配した。有機層を分離させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(200mg)として表題化合物を得た。
【0090】
実施例50
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(1mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(30mg、0.05mmol)及びP(44mg、0.2mmol)の混合物を室温で一晩攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を収集し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(12mg)として表題化合物を得た。
【0091】
実施例51
中間体(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-酢酸メチルエステルの調製

DMF(300mL)中の5-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(35g、220mmol)、ブロモ−酢酸メチルエステル(43g、282mmol)、KCO(60g、434mmol)の混合物を140℃で10分加熱した。ついで、混合物を酢酸エチルと水の間で分配した。有機層を分離させ、水で4回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、黄色固形物(50g)として粗生成物を得た。
【0092】
実施例52
中間体E/Z-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-酢酸メチルエステルの調製

メタノール(100mL)中の6-クロロ-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン(10g、60mmol)と(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-酢酸メチルエステル(15.2g、67mmol)の混合物にピロリジン(4.5g、63mmol)を滴下して加えた。ついで、混合物を80℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、得られた沈殿物を収集し、乾燥させ、黄色固形物(12g)として表題化合物を得た。
【0093】
実施例53
中間体E/Z-6-クロロ−3-(5-クロロ-2-メトキシカルボニルメトキシ-ベンジリデン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製

室温で、ジクロロメタン(100mL)中のE/Z-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-酢酸メチルエステル(5.3g、14mmol)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(3.7g、16.9mmol)を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(0.17g、1.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。ついで、混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製し、黄色固形物(5.1g)として表題化合物を得た。
【0094】
実施例54
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メトキシカルボニル-メトキシ)-フェニル]-2'-[5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル]スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(18mL)中のE/Z-6-クロロ−3-(5-クロロ-2-メトキシカルボニルメトキシ-ベンジリデン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(3g、6.2mmol)、及び実施例4で調製した1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(18mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(30mL)とTFA(10mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで真空で濃縮した。残留物を酢酸エチルと希NaOH水溶液との間で分配した。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(700mg)として表題化合物を得た。
【0095】
実施例55
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メトキシカルボニル-メトキシ)-フェニル]-2'-[5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル]-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(2mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メトキシカルボニル-メトキシ)-フェニル]-2'-[5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル]スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(40mg、0.07mmol)及びP(50mg、0.23mmol)の混合物を50℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(25mg)として表題化合物を得た。
【0096】
実施例56
中間体1-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンの調製

無水テトラヒドロフラン(15mL)に、LiHMDS(24.7mmol、24.7mL)の1M THF溶液を、Ar保護下、室温で添加し、続いて2-メチル-4,5-ジフルオロ-ベンズアルデヒド(3.86g、24.7mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した後、塩化トリメチルシリル(3.1mL、24.7mmol)を滴下して加えた。ついで、冷却氷浴で混合物の温度を0℃まで低下させた。この混合物にトリエチルアミン(4.47mL、32mmol)を1回で添加し、ついで、ジエチルエーテル(50mL)中の塩化アセチル(2.35mL、32mmol)の溶液を滴下して加えた。冷却浴を取り除き、混合物を室温で4時間攪拌した。窒素下、混合物をセライトで素早く濾過し、減圧下で濾液を濃縮し、黄色ガムとして、粗1-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンを得、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。
【0097】
実施例57
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(13mL)中のE/Z-6-クロロ−3-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.5g、2.9mmol)及び1-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(13mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(30mL)とTFA(5mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで、真空で濃縮した。残留物を酢酸エチルと希NaOH水溶液との間で分配した。有機層を中性になるまで水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(60mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):603
【0098】
実施例58
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(2mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(40mg、0.067mmol)及びP(45mg、0.20mmol)の混合物を50℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM抽出物を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(10mg)として表題化合物を得た。
【0099】
実施例59
中間体E/Z-6-クロロ-3-(5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-ベンジリデン)-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オンの調製

メタノール(50mL)中の6-クロロ-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン(3.4g、20.3mmol)及び5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-ベンズアルデヒド(3.2g、17mmol)の混合物にピロリジン(1.2g、17mmol)を滴下して加えた。ついで、混合物を70℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、沈殿物を収集し、更なる精製をすることなく、次の反応工程で使用される粗生成物を得た。
【0100】
実施例60
中間体E/Z-6-クロロ-3-(5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-ベンジリデン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

室温で、ジクロロメタン(50mL)中のE/Z-6-クロロ-3-(5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-ベンジリデン)-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン(4.5g、13.3mmol)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(3.5g、16mmol)を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(1g、8.2mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、溶液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、オレンジ色の固形物(4g)として表題化合物を得た。
【0101】
実施例61
中間体ラセミ(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(30mL)中のE/Z-6-クロロ-3-(5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-ベンジリデン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(3g、6.8mmol)、及び実施例4で調製した1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(30mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、真空で濃縮した。残留物にDCM(30mL)とTFA(5mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで濃縮した。残留物を酢酸エチルと希NaOH水溶液との間で分配した。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(60mg)として表題化合物を得た。
【0102】
実施例62
ラセミ(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの合成

THF(2mL)中のラセミ(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(40mg、0.077mmol)及びP(52mg、0.23mmol)の混合物を50℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM層を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(30mg)として表題化合物を得た。
【0103】
実施例63
中間体1-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンの調製

無水テトラヒドロフラン(15mL)に、LiHMDS(24.7mmol、24.7mL)の1M THF溶液を、Ar保護下、室温で添加し、続いて5,6-ジフルオロ-2-メチル-ベンズアルデヒド(3.86g、24.7mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した後、塩化トリメチルシリル(3.1mL、24.7mmol)を滴下して加えた。ついで、冷却氷浴において混合物の温度を0℃まで低下させた。この混合物にトリエチルアミン(4.47mL、32mmol)を1回で添加し、ついで、ジエチルエーテル(30mL)中の塩化アセチル(2.35mL、32mmol)の溶液を滴下して加えた。冷却浴を取り除き、混合物を室温で4時間攪拌した。窒素下、混合物をセライトで素早く濾過し、減圧下で濾液を濃縮し、黄色ガムとして粗1-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエンを得、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。
【0104】
実施例64
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(18mL)中の実施例3で調製したラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(3g、5.94mmol)及び1-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(18mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、濃縮した。残留物にDCM(30mL)とTFA(10mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで真空で濃縮した。残留物を酢酸エチルと希NaOH水溶液との間で分配した。有機層を分離させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(180mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):603
【0105】
実施例65
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの合成

THF(2mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(40mg、0.067mmol)及びP(45mg、0.20mmol)の混合物を50℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM層を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(38mg)として表題化合物を得た。
【0106】
実施例66
中間体2-(4-クロロ-5-フルオロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-メチル-プロピオン酸メチルエステルの調製

DMF(40mL)中の5-クロロ-4-フルオロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(0.8g、4.6mmol)、2-ブロモ-2-メチル-プロピオン酸メチルエステル(1.6g、9.2mmol)、及びKCO(2g、14.5mmol)の混合物を、密封されたチューブに配し、マイクロ波反応器において照射することにより、140℃で12分加熱した。室温まで冷却した後、混合物をEtOAcと水の間で分配した。有機層を分離させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、褐色固形物(1.08g)として表題の化合物を得た。
【0107】
実施例67
中間体E/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-5-フルオロ-フェノキシ]-2-メチル-プロピオン酸メチルエステルの調製

メタノール(15mL)中の6-クロロ-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン(0.73g、4.4mmol)及び2-(4-クロロ−5-フルオロ-2-ホルミル-フェノキシ)-2-メチル-プロピオン酸メチルエステル(1g、3.65mmol)の混合物にピロリジン(0.26g、4.4mmol)を滴下して加えた。ついで、混合物を70℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濃縮して粗生成物を得、これを更なる精製をすることなく次の工程で使用した。
【0108】
実施例68
中間体E/Z-6-クロロ-3-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

室温で、ジクロロメタン(20mL)中のE/Z-2-[4-クロロ-2-(6-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-5-フルオロ−フェノキシ]-2-メチル-プロピオン酸メチルエステル(1.5g、3.65mmol)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(2.4g、11mmol)を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(0.15g、1.2mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、溶液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、オレンジ色の固形物(1.4g)として表題化合物を得た。
【0109】
実施例69
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

トルエン(13mL)中のE/Z-6-クロロ-3-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-ベンジリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-インドール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.4g、2.6mmol)、及び実施例4で調製した1-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-3-トリメチルシリオキシ-2-アザ-1,3-ブタジエン(13mmol)の混合物を60℃で3時間加熱し、濃縮した。残留物にDCM(30mL)とTFA(5mL)を添加し、得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで濃縮した。残留物を酢酸エチルと希NaOH水溶液との間で分配した。有機層を分離させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(60mg)として表題化合物を得た。
【0110】
実施例70
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(2mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(40mg、0.067mmol)及びP(45mg、0.20mmol)の混合物を50℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムにより精製し、白色固形物(26mg)として表題化合物を得た。
【0111】
実施例71
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

実施例5で調製したラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(2.7g、4.5mmol)を、THF(20mL)に溶解させた。ついで、KOH(0.5g)の水溶液(10mL)を添加した。混合物を1時間還流した。室温まで冷却した後、溶液を濃縮し、ついで、残留物に濃HCl水溶液の添加により「pH」2−3に酸性化させた。白色固形物を濾過により収集し、表題化合物(1.6g)を得た。
m/z(M+H):571
【0112】
実施例72
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの調製

THF(1mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(30mg、0.05mmol)、EDCI(20mg、0.1mmol)、HOBt(16mg、0.1mmol)及びDIPEA(40mg、0.3mmol)の混合物にo-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(22mg、0.25mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、prep-HPLCにより精製し、白色固形物(11mg)として表題化合物を得た。
m/z(M+H):600
【0113】
実施例73
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(1mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(25mg、0.042mmol)及びローソン試薬(33mg、0.084mmol)の混合物を、室温で1時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を組合せ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムにより精製し、白色固形物(10mg)として表題化合物を得た。
【0114】
実施例74
中間体ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオンの合成

THF(1mL)中の実施例18で調製したラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(50mg、0.084mmol)、HATU(65mg、0.17mmol)、及びDIPEA(66mg、0.54mmol)の混合物にo-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(22mg、0.25mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、prep-HPLCにより精製し、白色固形物(12mg)として表題化合物を得た。
【0115】
実施例75
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オンの調製

THF(0.5mL)中のラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)スピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2,6'(1H)-ジオン(12mg、0.02mmol)及びP(18mg、0.08mmol)の混合物を60℃で2時間攪拌し、ついでトルエン(10mL)で希釈した。混合物を濃縮し、残留物をDCMで2回洗浄した。DCM溶液を組合せ、濃縮した。残留物をprep-TLCにより精製し、白色固形物(10mg)として表題化合物を得た。
【0116】
インビトロ活性アッセイ
p53とMDM2タンパク質との相互作用を阻害する化合物の能力を、組換えGST-タグMDM2が、p53のMDMW相互作用領域に類似したペプチドに結合する、HTRF(均一時間−分割蛍光)アッセイにより測定した(Lane等)。GST-MDM2タンパク質とp53-ペプチド(そのN末端でビオチン化される)の結合は、ユーロピウム(Eu)標識化抗GST抗体とストレプトアビジンコンジュゲートアロフィコシアニン(APC)との間のFRET(蛍光共鳴エネルギー転移)により記録される。
【0117】
黒色平底384ウェルプレート(Costar)において、90nMのビオチン化ペプチド、160ng/mlのGST-MDM2、20nMのストレプトアビジン-APC(PerkinElmerWallac)、2nMのEu標識化抗GST抗体(PerkinElmerWallac)、0.2%のウシ血清アルブミン(BSA)、1mMのジチオスレイトール(DTT)及び20mMのトリス-ボレート生理食塩水(TBS)バッファーを含む全容量40μL中で、次のようにして試験が実施される:反応バッファー中の10uLのGST-MDM2(640ng/mlのワーキング溶液)を各ウェルに添加する。10uLの希釈化合物(反応バッファー中に1:5希釈)を各ウェルに添加し、振揺して混合する。反応バッファー中の20uLのビオチン化p53ペプチド(180nMのワーキング溶液)を各ウェルに添加し、振揺機で混合する。37℃で1時間インキュベートする。0.2%のBSAを含むTBSバッファー中の20uLのストレプトアビジン-APC及びEu-抗GST抗体混合物(6nMのEu-抗GST及び60nMのストレプトアビジン-APCワーキング溶液)を添加し、室温で30分振揺させ、665及び615nmでTRF可能なプレートリーダーを使用して読み取る(Victor 5, Perkin ElmerWallac)。特定されない場合は、試薬はSigma Chemical Coから購入した。
【0118】
この発明の生物学的活性を示すIC50は、約10μM未満の活性を示している。例えば、代表値は次の通りである:
実施例 IC50(μM、0.02%のBSA)
8 0.05
24 0.022
50 4.331
62 1.093
73 0.607

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

[上式中、
Xは、Cl、F又はBrであり、
Yは、水素又はFであり、
Vは、F又はClであり、
V'は、水素又はFであり、
V''は、水素又はFであり、
Wは、F、Cl又はBrであり、
W'は、水素又はFであり、
及びRは、水素、メチル、エチル又はプロピルであり、
あるいはR及びRは結合して、置換又は未置換シクロアルキルから選択される環状構造を形成可能であり、
は、OH、OR'、NH、NHR'、NR'R''、NHOR'、又はNHS(=O)R''から選択され、
R'、R''は、低級アルキル、置換アルキル、シクロアルキル及び置換シクロアルキルからなる群から独立して選択される]
の化合物及びその薬学的に許容可能な塩及びエステル及びエナンチオマー。
【請求項2】
XがClであり、
Yが水素であり、
VがF又はClであり、
V'が水素であり、
V''が水素であり、
WがClであり、
W'が水素であり、
、Rがメチル又はエチルであり、
がOH又はNHS(=O)Meである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-ヒドロキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メタンスルホニルアミノ-1,1-ジエチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-クロロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-エトキシカルボニル-1-プロピル-ブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
キラル(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-シクロプロパンスルホニルアミノ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、及び
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-シクロブトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(2-メトキシカルボニル-メトキシ)-フェニル]-2'-[5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル]-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(4,5-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'R,3R,4'S)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5,6-ジフルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-4-フルオロ-2-(1-メトキシカルボニル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン、及び
ラセミ(2'S,3S,4'R)-6-クロロ-4'-[5-クロロ-2-(1-メトキシルカルバモイル-1-エチル-プロポキシ)-フェニル]-2'-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6'-チオキソスピロ[3H-インドール-3,3'-ピペリジン]-2(1H)-オン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
次の式(I):

[上式中、
Xは、Cl、F又はBrであり、
Yは、水素又はFであり、
Vは、F又はClであり、
V'は、水素又はFであり、
V''は、水素又はFであり、
Wは、F、Cl又はBrであり、
W'は、水素又はFであり、
及びRは、水素、メチル、エチル又はプロピルであり、
あるいはR及びRは結合して、置換又は未置換シクロアルキルから選択される環状構造を形成可能であり、
は、OH、OR'、NH、NHR'、NR'R''、NHOR'、又はNHS(=O)R''から選択され、
R'、R''は、低級アルキル、置換アルキル、シクロアルキル及び置換シクロアルキルからなる群から独立して選択される]
の化合物及びその薬学的に許容可能な塩及びエステル及びエナンチオマーを、薬学的に許容可能な賦形剤又は担体と共に含有する薬学的組成物。
【請求項6】
癌、特に固形腫瘍、より特定的には乳腺腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍及び前立腺腫瘍の治療又は抑制のための、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
医薬として使用される請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
癌、特に固形腫瘍、より特定的には乳腺腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍及び前立腺腫瘍の治療又は抑制のための請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
癌、特に固形腫瘍、より特定的には乳腺腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍及び前立腺腫瘍の治療又は抑制のための医薬の製造のための、請求項1から4の何れか一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−524745(P2012−524745A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506457(P2012−506457)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055139
【国際公開番号】WO2010/121995
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(306021192)エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト (58)
【Fターム(参考)】