説明

3Dビデオを表示するためのシステム及び方法

【課題】1以上のディスプレイ上で、3Dビデオを同時に表示するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】各々のディスプレイデバイスが、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオフィードを受信するように構成される複数のディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスの各々に共通同期信号を送信するように構成される同期装置とを含み、各々のディスプレイデバイスは同期信号を受信し、同期信号に基づいて他のディスプレイデバイスと同期してインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するように構成される複数の3Dビデオフィードを表示するシステムである。

【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本出願は、ビデオを表示するためのシステム及び方法に関し、特に、1以上のディスプレイ上で3Dビデオ(立体映像)を同時に表示することに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
制御室のオペレータは、表示される様々なコンテンツを監視するために、複数のディスプレイデバイスを同時に見なければならない。複数のディスプレイデバイスは、他のコンテキスト(民生用電子機器のショールーム、テレビの販売フロア、又はエンターテイメントのイベントなど)でも使用することができる。本明細書内で開示される実施形態は、複数のディスプレイデバイス上の3Dビデオの表示を可能にする。
【概要】
【0003】
開発したシステム及び方法の各々は、いくつかの態様を有しており、その望ましい属性に対して重要であるだけのものは、そのうちのただの1つもない。提示される特許請求の範囲によって表されるように、本開示の範囲を限定することなく、より顕著な構成を本明細書内で簡単に説明する。この議論を考慮した後に、特に「詳細な説明」と題するセクションを読んだ後に、1以上のディスプレイ上で3Dビデオの同時表示を含む利点を本開発の構成例がどのように提供するかについて理解されるであろう。
【0004】
一態様は、各々のディスプレイデバイスが、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオフィードを受信するように構成される複数のディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスの各々に共通同期信号を送信するように構成される同期装置とを含み、各々のディスプレイデバイスは同期信号を受信し、同期信号に基づいて他のディスプレイデバイスと同期してインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するように構成される複数の3Dビデオフィードを表示するシステムである。
【0005】
別の一態様は、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信するステップと、同期信号を受信するステップと、同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップとを含む3Dビデオの表示方法である。
【0006】
別の一態様は、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信し、同期信号を受信するように構成された受信機と、同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するように構成されたディスプレイとを含む3Dビデオの表示システムである。
【0007】
更なる別の一態様は、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信するための手段と、同期信号を受信するための手段と、同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するための手段とを含む3Dビデオの表示システムである。
【0008】
更なる別の一態様は、プロセッサによって実行されると、3Dビデオを表示する方法を装置に実行させる命令を内部に格納するコンピュータ可読媒体であって、方法は、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信するステップと、同期信号を受信するステップと、同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップとを含むコンピュータ可読媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】制御室の一部の機能ブロック図である。
【図2】異なるディスプレイデバイス上で多くの異なる3Dビデオフィードを表示するシステムの機能ブロック図である。
【図3】図2のシステムのディスプレイデバイスとしての使用に適したディスプレイデバイスの機能ブロック図である。
【図4】図2のコントローラとしての使用に適したコントローラの機能ブロック図である。
【図5】図2の眼鏡としての使用に適した眼鏡の機能ブロック図である。
【図6】3Dビデオの表示方法を示すフローチャートである。
【図7】典型的な同期信号のプロットである。
【詳細な説明】
【0010】
以下の詳細な説明は、開発のある特定の態様に指向される。しかしながら、例えば、提示される特許請求の範囲の何れかによって定義され含められるように、開発は複数の異なる方法で実施することができる。本明細書内の態様は、多様な形態で実施可能であり、本明細書内で開示される任意の特定の構造、機能、又はその両方が、単なる典型であることは明らかである。本明細書内の開示に基づいて、本明細書内で開示される一態様は、他の何れの態様とも独立して実施可能であり、これらの態様のうちの2以上を様々な方法で組み合わせることができることを当業者は理解するだろう。例えば、本明細書内に記載された任意の数の態様を用いて、装置を実装し、又は方法を実施することができる。更に、本明細書内に記載の1以上の態様に加えて、又はそれ以外に、他の構造、機能、又は構造及び機能を用いて、そのような装置を実装可能であり、又はそのような方法を実施可能である。同様に、本明細書内で開示される方法は、コンピュータ可読記憶媒体から取得された命令を実行するように構成された1以上のコンピュータプロセッサによって実行可能である。コンピュータ可読記憶媒体は、ある時間間隔の間の情報(データ又は命令など)を記憶し、これによって情報はその時間間隔の間にコンピュータによって読み取ることができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、メモリ(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)及びストレージ(ハードディスクドライブ、光ディスク、フラッシュメモリ、フロッピー(商標名)ディスク、磁気テープ、紙テープ、パンチカード、Zipドライブなど)である。
【0011】
図1は、制御室100の一部の機能ブロック図である。制御室100は、ビデオフィードを表示するための110の複数のディスプレイデバイスを含む。各ディスプレイデバイスは、別々の筐体112及びビデオが表示されるモニタ114を含む。1以上のディスプレイデバイス110は、モニタ114の複数の部分120a、120b上で複数のビデオフィードを夫々表示するように構成可能である。
【0012】
テレビ番組制作では、制作管理室は、発信番組を構成している管理室である。「ギャラリー」又はスタジオ管理室としても知られる制作管理室は、多くの異なるディスプレイデバイス110の各々が異なるビデオを表示しているビデオモニタの壁を含むことができる。制作管理室は、放送中に見られるビデオソースを選択するために使用されるコントロールパネル、オーディオ処理及びミキシングコンソール、ビデオにグラフィックス及びデジタルビデオ効果を挿入するための映像処理及びミキシングコンソール、及びグラフィックス及びビデオを格納するストレージを含めることもできる。
【0013】
テレビ放送では、マスターコントロールは、放送事業を一元化して運用する制作室である。いくつかのケースでは、マスターコントロールは、信号が無線で送信される、又は番組用にケーブルテレビ事業者又は衛星プロバイダに送信される前の最終ポイントである。テレビのマスターコントロール室は、ビデオモニタ又は他のディスプレイデバイス110、衛星受信機、ビデオテープマシン、送信装置、及び放送中の番組の録画や再生のためのコンピュータ放送自動化機器のバンクを含むことができる。
【0014】
マスターコントロールは、一般に連続運用を保証するために24時間オペレータが常駐している。マスターコントロールオペレーターは、放送中のプロダクトの品質及び正確さを監視し、送信が政府の規制を満たすことを保証し、機器の誤動作のトラブルシューティングを行い、将来の再生用にプログラミングを準備する責任がある。規制は、過変調及びデッドエアに対する規制のみならず、わいせつ及びステーションIDを含むコンテンツの規制に対する規制の両方の技術的規制を含む。本明細書内で開示される実施形態は、制御室の多くの異なるディスプレイデバイス110上で3Dビデオの表示を可能にする。
【0015】
上述のように、複数のディスプレイデバイスは、他のコンテキストで用いることもできる。例えば、民生用電子機器のショールームでは、多くの異なるテレビが展示されている可能性がある。他の一例として、電子店舗での販売フロアは、多くの異なるテレビが見込み客に表示される可能性がある。別の一例では、エンターテイメントのイベントは、イベントの様々な光景を表示する多くの異なるテレビを有する可能性がある。本明細書内で開示される実施形態は、複数のディスプレイデバイスが同時に視聴されるすべてのコンテキストで使用することができる。
【0016】
図2は、別のディスプレイデバイス220a、220b、220c上で多くの異なる3Dビデオフィードを表示するシステム200の機能ブロック図である。システム200は、通信リンク212a、212b、212cを経由して複数のディスプレイデバイス220a、220b、220cの各々に共通同期信号を出力するコントローラ210を含む。同期信号及び同期信号に基づいてビデオを表示する方法についての詳細は、図6及び7に関して以下で説明される。一実施形態では、コントローラ210はまた、ディスプレイデバイス220a、220b、220cを見ているユーザが着用できる眼鏡230にスイッチング信号を送信する。別の一実施形態では、ディスプレイデバイス220a、220b、220cのうちの1以上は、受信した同期信号に基づいて眼鏡230にスイッチング信号を生成して送信する。一実施形態では、1つのディスプレイデバイス220a、220b、220cのみが眼鏡230にスイッチング信号を送信し、これによって複数の信号からの干渉の可能性を避ける。一実施形態では、コントローラ210は、ディスプレイデバイス220a、220b、220cがスイッチング信号を送信すべきであるかどうかを示す指示をディスプレイデバイス220a、220b、220cに送信する。
【0017】
一実施形態では、コントローラはまた、入力201を経由して複数の3Dビデオフィードを受信し、通信リンク212a、212b、212cを経由して別の3Dビデオフィードをディスプレイデバイス220a、220b、220cに出力する。各3Dビデオフィードは、一連の第1フレーム(ユーザの一方の目で見られる)と一連の第2フレーム(ユーザの他方の目で見られる)を含む。別の一実施形態では、ディスプレイデバイス220a、220b、220cは、別のソースからの3Dビデオを受信する。コントローラ210は、ディスプレイデバイス220a、220b、220cとは別のものとして図2には示されているが、別の一実施形態では、コントローラ210は、それ自身がディスプレイデバイスであるか、又はディスプレイデバイス220a、220b、220cの1つの中に統合されている。このような実施形態では、コントローラを含むディスプレイデバイスは、スレーブディスプレイデバイスと呼ばれる他のディスプレイデバイスへ同期信号を生成して送信するマスターディスプレイデバイスとして動作する。各ディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイスがマスタ又はスレーブとして設定されているかどうかを示す表示をメモリ内に格納することができる。
【0018】
上述のように、一実施形態では、1台のディスプレイデバイス220a、220b、220cのみが眼鏡230にスイッチング信号を送信し、これによって複数の信号からの干渉の可能性を避ける。一実施形態では、マスターディスプレイデバイスは、スイッチング信号を送信する。
【0019】
図3は、図2のシステム200のディスプレイデバイス220a、220b、220cとしての使用に適したディスプレイデバイス300の機能ブロック図である。ディスプレイデバイス300は、メモリ320、受信機330、送信機335、及びディスプレイ340とデータ通信を行うプロセッサ310を含む。
【0020】
プロセッサ310は、本明細書内に記述される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、個別のゲート又はトランジスタロジック、個別のハードウェアコンポーネント、又はこれらの任意の適切な組み合わせが可能である。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のこのような構成)として実装することもできる。
【0021】
プロセッサ310は、メモリ320から情報を読み取ったり、又はメモリ320に情報を書き込むために、1以上のバスを経由して結合することができる。プロセッサは、追加的に又は代替的に、メモリ(プロセッサレジスタなど)を含むことができる。メモリ320は、異なるレベルが異なる容量及びアクセス速度を持つマルチレベルの階層的なキャッシュを含むプロセッサキャッシュを含むことができる。メモリ320は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性の記憶装置、又は非揮発性の記憶装置を含むこともできる。記憶装置は、ハードディスクドライブ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD)など)、フラッシュメモリ、フロッピー(商標名)ディスク、磁気テープ、及びZipドライブを含むことができる。
【0022】
プロセッサ310はまた、受信機330、送信機335、及びディスプレイ340に結合される。受信機330は、3Dビデオを受信し、プロセッサ310にビデオを提供する。受信機330は、例えば、図2のコントローラ210から3Dビデオを受信できる。受信機330はまた、同期信号を受信し、プロセッサ310に同期信号を提供する。ディスプレイ340は、受信したビデオ及び同期信号に基づいて、プロセッサ310から画像データを受信し、視聴者に画像データを表示する。
【0023】
一実施形態において、プロセッサ310はスイッチング信号を生成し、送信機335は、ディスプレイデバイスを見ているユーザが着用する眼鏡にスイッチング信号を送信する。別の一実施形態では、受信機330は、ディスプレイデバイス330がスイッチング信号を送信すべきかどうかの指示を受信し、送信機335は、この指示に基づいてスイッチング信号を送信する(又は送信しない)。
【0024】
図4は、図2のコントローラ210としての使用に適したコントローラ400の機能ブロック図である。コントローラ400は、メモリ420、受信機430、及び送信機440とデータ通信を行うプロセッサ410を含む。
【0025】
プロセッサ410は、本明細書内に記述される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、個別のゲート又はトランジスタロジック、個別のハードウェアコンポーネント、又はこれらの任意の適切な組み合わせが可能である。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のこのような構成)として実装することもできる。
【0026】
プロセッサ410は、メモリ420から情報を読み取ったり、又はメモリ420に情報を書き込むために、1以上のバスを経由して結合することができる。プロセッサは、追加的に又は代替的に、メモリ(プロセッサレジスタなど)を含むことができる。メモリ420は、異なるレベルが異なる容量及びアクセス速度を持つマルチレベルの階層的なキャッシュを含むプロセッサキャッシュを含むことができる。メモリ420は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性の記憶装置、又は非揮発性の記憶装置を含むこともできる。記憶装置は、ハードディスクドライブ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD)など)、フラッシュメモリ、フロッピー(商標名)ディスク、磁気テープ、及びZipドライブを含むことができる。
【0027】
プロセッサ410はまた、受信機430及び送信機440に結合される。送信機440は、ディスプレイデバイスの各々にプロセッサ410によって生成された共通同期信号を送信する。一実施形態において、送信機はまた、ディスプレイデバイスを見ているユーザが着用する眼鏡にスイッチング信号を送信する。別の一実施形態では、送信機は、デバイスがスイッチング信号を送信すべきかどうかを示す指示を1以上のディスプレイデバイスへ送信する。
【0028】
一実施形態では、受信機430は、複数の3Dビデオフィードを受信し、ビデオフィードをプロセッサ410に提供する。受信機430は、例えば、記憶装置から、又はケーブル又はアンテナを経由して、3Dビデオを受信することができる。一実施形態では、プロセッサ410は、受信したビデオから同期信号を生成する。
【0029】
一実施形態では、送信機440は、異なるディスプレイデバイス番号の各々に受信した3Dビデオフィードの少なくとも一部を送信する。しかしながら、別の一実施形態では、ディスプレイデバイスは、別のソースからの3Dビデオを受信する。一実施形態では、ディスプレイデバイスは、コントローラ400がビデオを受信したのと同じソースからの3Dビデオを受信する。
【0030】
図5は、図2の眼鏡240としての使用に適した眼鏡500の機能ブロック図である。眼鏡500は、第1レンズ520a及び第2レンズ520bを収容するフレーム510を含む。眼鏡500は、スイッチング信号を受信する受信機530も含む。眼鏡は、受信したスイッチング信号に基づいて、第1レンズ520a又は第2レンズ520bのいずれかを通した視界を選択的に塞ぐように構成される。
【0031】
図6は、3Dビデオを表示する方法600を示すフローチャートである。方法600は、3Dビデオを受信するブロック610から始まる。ビデオの受信は、例えば、図3の受信機330によって実行できる。一実施形態では、3Dビデオは、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む。第1ビデオがユーザの第1の目で見られ、第2ビデオがユーザの第2の目で見られると、ユーザは、奥行きを知覚したシーンを見る。一実施形態では、第1及び第2ビデオは、第1フレームを第2フレームと分けた又は重ねた一連のビデオフレームとして同時に受信される。別の一実施形態では、第1ビデオ及び第2ビデオは、連続して又はインターリーブされて受信される。
【0032】
次に、ブロック620で、同期信号が受信される。同期信号は、例えば、図3の受信機330によって受信できる。同期信号は、ケーブル又はアンテナを経由して受信できる。例えば、同期信号は、図2のコントローラ210から受信できる。一実施形態では、同期信号は、第1ビデオフレーム及び第2ビデオフレームの表示のための時間を示す。一実施形態では、同期信号は、複数の周期的な指示を含む周期信号である。
【0033】
ブロック610及び620は連続して記載されているが、ブロック610及び620に関して説明されるステップは、同時に又は時間的にオーバーラップして実行可能である。
【0034】
方法600は、同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するブロック630で継続する。表示は、例えば、図3のディスプレイ340によって実行できる。一実施形態では、ディスプレイ340は、同期信号に基づいて画像データを提供する図3のプロセッサ310によって提供された画像データに応答する。一実施形態では、インターリーブされた第1フレーム及び第2フレームを表示することは、1つの第1フレーム、次に1つの第2フレームだけを反復表示することを含む。
【0035】
図7は、典型的な同期信号700のプロットである。同期信号700は、複数の周期的なパルス710を含む。同期信号の周期は、例えば、480Hz、240Hz、120Hz、60Hz、40Hz、30Hz、15Hz、12Hz、10Hz、6Hz、5Hz、3Hz、2Hz、1Hz、又はこれらの任意の倍数が可能である。一実施形態では、各パルスは、ディスプレイデバイスが第1フレームから対応する第2フレームに、又は第2フレームから次の第1フレームに表示を切り換えることを示す。別の一実施形態では、各パルスは、ディスプレイデバイスが所定時間ごとに、インターリーブされた第1及び第2フレームの所定数を表示することを示す。
【0036】
図7の同期信号700は、複数の周期的なパルスを含むが、他の同期信号が用いられることも可能である。例えば、一実施形態では、同期信号は、各周期の間に変調された既知のデータシーケンスである周期的な波形である。このような波形を受信するとすぐに、ディスプレイデバイスは、波形を既知のデータシーケンスと相関させ、これによって第1及び第2フレームを表示すべき時間を決定することができる。このように、同期信号は、周期的なデータパターンを含むことができる。同期信号は、データネットワークを通じて供給されるバイナリ又は他のプロトコルのドライバデータ信号であることが可能である。例えば、一実施形態では、コントローラではなく別のディスプレイデバイスから、同期信号がディスプレイデバイスで受信される。同期信号は、イーサネットインターフェイス、HDMIインタフェース、又は他の高速インタフェースを通じて送受信可能である。
【0037】
このように、図6のブロック630の同期信号に基づいて表示することは、一実施形態では、同期信号の標識を受信するとすぐに、第1フレームから対応する第2フレームに、又は第2フレームから次の第1フレームに表示を切り換えることを含む。別の一実施形態では、同期信号に基づいて表示することは、同期信号の標識を受信するとすぐに、所定時間の間、インターリーブされた第1及び第2フレームの所定数を表示することを含む。
【0038】
一実施形態では、同期信号は、基準時間への参照を示すデータを含むことができる。例えば、一実施形態では、ディスプレイデバイスは、標準基準時刻を保持する内部クロックを有する。標準基準時刻の精度は、シグナリングを介して維持することができる。同期信号は、標準基準時刻を参照して決定されるような特定の時刻に、ディスプレイデバイスが第1フレームから対応する第2フレームに、又は第2フレームから次の第1フレームに表示を切り換えることを示すことができる。別の一実施形態では、同期信号は、ディスプレイデバイスが、標準の基準時間を参照して決定されるような特定の時刻に各々所定時間の間、インターリーブされた第1及び第2フレームの所定数を表示することを示すことができる。
【0039】
一実施形態では、同期信号に基づいて表示することは、表示を所定量遅延させることを含む。例えば、同期信号のパルスを受信するとすぐに、第1及び第2フレームの間で切り換えるのではなく、ディスプレイデバイスは、同期信号のパルスを受信して所定時間後に第1及び第2フレームの間で切り換えてもよい。異なるディスプレイデバイスは、異なる遅延時間を有するように較正することができ、これによって異なるデバイス間で伝播時間及び処理時間が異なるデバイスでさえ同期することを保証する。
【0040】
方法600は、複数のディスプレイデバイスによって実行可能であり、これによってディスプレイデバイスの各々は、共通同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示し、これによって任意の時刻に、各ディスプレイデバイスが第1フレームを表示するか、又は各ディスプレイデバイスが第2フレームを表示する。
【0041】
図2に関して上述したように、一実施形態では、コントローラ210又はディスプレイデバイス220a、220b、220cのうちの1以上は、眼鏡250にスイッチング信号を送信する。眼鏡250は、受信したスイッチング信号に基づいて、第1レンズ又は第2レンズのいずれかを通した視界を選択的に塞ぐように構成できる。例えば、一実施形態では、スイッチング信号は、複数のパルスを含む周期信号である。第1パルスを受信するとすぐに、眼鏡250は、第1レンズを塞ぎ、第2レンズを通して見ることができ、第2パルスを受信するとすぐに、眼鏡250は、第2レンズを塞ぎ、第1レンズを通して見ることができる。
【0042】
一実施形態では、スイッチング信号は同期信号に基づいており、これによって1以上のディスプレイデバイスが第1フレームを表示しているときは、第2レンズが塞がれ、ディスプレイデバイスが第2フレームを表示しているときは、第1レンズが塞がれる。一実施形態では、同期信号及びスイッチング信号は同じ周期をもつ周期的な信号である。
【0043】
実質的には、図6の方法600を実行する多くのディスプレイデバイスを眺め、スイッチング信号に基づいて視界を選択的に塞ぐ同期信号に基づくスイッチング信号を受信する眼鏡を着用する制御室のオペレータは、任意の特定の時刻において、オペレータがどのディスプレイデバイスを見ているかに関わらず、第1の目で第1フレームを、又は第2の目で第2フレームのいずれかを見るだろう。したがって、オペレータは、制御室で複数の3Dビデオフィードを監視することができる。
【0044】
本明細書は、本発明の特定の例を説明するが、当業者は、本発明の概念から逸脱することなく、本発明の変形形態を創作することができる。情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法の何れかを用いて表すことができることを当業者は理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通して参照される可能性のあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル(符号)、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁性粒子、光場又は光学粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表すことができる。信号及び閾値という用語は、信号の変調方式に依存する可能性がある。パルス振幅変調(PAM)が使用される場合には、信号の電圧振幅又は電力は、その値を表す。その場合、閾値は、単に電力値である。位相シフトキーイングが使用される場合には、受信信号の電圧の符号に変換できる信号の位相は、信号値を表すことができる。この場合、信号が複数のシンボルに亘って統合されるならば、受信信号の符号及び振幅は両方で、信号値を示す。
【0045】
本明細書内で開示される例と関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、方法(メソッド)、及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はその両方の組み合わせとして実装可能であることを、当業者は更に理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、方法、及びアルゴリズムが、それらの機能の面で一般的に上述されてきた。そのような機能がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかどうかは、特定のアプリケーションやシステム全体に課せられた設計制約に依存する。熟練した職人は、各々の特定のアプリケーション用に様々な方法で記述された機能を実装することができ、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0046】
本明細書内で開示される例と関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、本明細書内に記述される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、個別のゲート又はトランジスタロジック、個別のハードウェアコンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせによって実装又は実行可能である。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的にプロセッサは、従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンの何れであってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のこのような構成)として実装することもできる。
【0047】
本明細書内で開示される例に関連して説明される方法又はアルゴリズムは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、又は2つの組み合わせで具体化できる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当技術分野で公知の他の任意の形態の記憶媒体内に存在させることができる。記憶媒体は、プロセッサと結合し、これによってプロセッサは記憶媒体から情報を読み、及び記憶媒体に情報を書き込むことができる。その代わりに、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。
【0048】
1以上の例示的な実施形態では、本明細書内で説明された機能は、図2のシグマフィルタ220、エッジ検出器230、及びミキサ240によって実行される機能を含むがこれらに限定されず、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせの中に実装することができる。ソフトウェアに実装する場合、1以上の命令又はコードとしてコンピュータ可読媒体内に機能を格納又は送信できる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促進する任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体及び通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。一例としてであり、これらに限定するわけではないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は所望のプログラムコード手段を命令又はデータ構造の形式で伝送又は格納するために使用可能であり、及び、汎用又は専用コンピュータ、又は汎用又は専用プロセッサによってアクセス可能である他の任意の媒体を含む。また、任意の接続が適切にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又はワイヤレス技術(赤外線、電波、マイクロ波など)を使用して、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、ワイヤレス技術(赤外線、電波、マイクロ波など)は、媒体の定義に含まれる。本明細書内で用いられるようなディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(商標名)ディスク及びブルーレイ(商標名)ディスクを含み、ここで、ディスク(disk)は通常磁気的にデータを再現し、一方ディスク(disc)はレーザーによって光学的にデータを再現する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0049】
開示された例の前述の説明は、任意の当業者が本発明を作る又は使用することを可能にするために提供される。これらの例に対する種々の修正は、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書内で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の例に適用してもよい。このように、本発明は、本明細書内に示される例に限定されることを意図しておらず、本明細書内で開示された原理及び新規な構成と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々のディスプレイデバイスが、複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオフィードを受信するように構成される複数のディスプレイデバイスと、
前記ディスプレイデバイスの各々に共通同期信号を送信するように構成される同期装置とを含み、
各々のディスプレイデバイスは前記同期信号を受信し、前記同期信号に基づいて他のディスプレイデバイスと同期してインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するように構成される複数の3Dビデオフィードを表示するシステム。
【請求項2】
第1ディスプレイデバイスで受信される前記3Dビデオフィードは、第2ディスプレイデバイスで受信される3Dビデオフィードとは異なる請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記共通同期信号に基づいてスイッチング信号を送信するように構成される送信機を更に含む請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記スイッチング信号を受信し、前記スイッチング信号に基づいて第1レンズ又は第2レンズを通した前記ディスプレイデバイスの視界を選択的に塞ぐ少なくとも1つの眼鏡を更に含む請求項3記載のシステム。
【請求項5】
複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信するステップと、
同期信号を受信するステップと、
前記同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップとを含む3Dビデオの表示方法。
【請求項6】
同期信号を受信するステップは、ケーブル又はアンテナを経由して同期信号を受信するステップを含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
同期信号を受信するステップは、複数の周期的指示を有する同期信号を受信するステップを含み、インターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップは、前記周期的指示に従ってインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップを含む請求項5記載の方法。
【請求項8】
インターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップは、1つの第1フレームだけを、次に1つの第2フレームだけを反復表示するステップを含む請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記同期信号に基づいてスイッチング信号を送信するステップを更に含み、前記スイッチング信号は複数の周期的スイッチング指示を含む請求項5記載の方法。
【請求項10】
第1レンズ及び第2レンズを含み、前記受信したスイッチング信号に基づき前記第1又は第2レンズを選択的に塞ぐ眼鏡で前記スイッチング信号を受信するステップを更に含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信し、同期信号を受信するように構成された受信機と、
前記同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するように構成されたディスプレイとを含む3Dビデオ表示システム。
【請求項12】
前記受信機は、複数の周期的指示を有する同期信号を受信するように構成され、前記ディスプレイは、前記周期的指示に従ってインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するように構成された請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記ディスプレイは、1つの第1フレームだけを、次に1つの第2フレームだけを反復表示するように構成された請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記同期信号に基づいてスイッチング信号を送信するように構成された送信機を更に含み、前記スイッチング信号は、複数の周期的スイッチング指示を含む請求項11記載のシステム。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、3Dビデオを表示する方法を装置に実行させる命令を内部に格納するコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
複数の第1フレームを含む第1ビデオと、複数の第2フレームを含む第2ビデオとを含む3Dビデオを受信するステップと、
同期信号を受信するステップと、
前記同期信号に基づいてインターリーブされた第1及び第2フレームを表示するステップとを含むコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−54916(P2012−54916A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−170032(P2011−170032)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.レーザーディスク
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】