説明

4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タキサ−11−エンの製造方法

本発明は、4−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−タキサ−11−エンを、スルホラン中でモレキュラーシーブと反応させることによって、4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タキサ−11−エンを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式
【化1】

(式中、Arはアリール基を表し、
Rは、水素原子またはアセチル、(C3−C6)アルコキシアセチル若しくは(C1−C4)アルキル基を表し、
1は、ベンゾイル基またはR2−O−CO−基を表し、ここでR2は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す)のタキソイドの新規な製造方法に関する。
【0002】
好ましくはArは、場合によりハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、並びにアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ及びトリフルオロメチル基のうちの一つまたはそれ以上の原子または基で置換されたフェニル基を表し、ここでアルキル基、および基のアルキル部分は1〜4個の炭素原子からなることが解されるか、またはそうでない場合、Arは窒素、酸素若しくは硫黄原子のうちから選択される同一若しくは異なる一つまたはそれ以上の原子を含む5員環の芳香族ヘテロ環基を表す。
【0003】
より特定的には、Arは、フェニル基、2−若しくは3−チエニル基または2−若しくは3−フリル基を表す。
【0004】
更により特定的には、Arは、場合により塩素若しくはフッ素原子で、またはアルキル(メチル)、アルコキシ(メトキシ)で置換されたフェニル基、または2−若しくは3−チエニル、または2−若しくは3−フリル基を表す。
【0005】
一般式(I)において、Arがフェニル基、R1が第三級ブトキシカルボニル基、Rがアセチル基を表す場合、この製品には更なる特別な利点が存在する。
【背景技術】
【0006】
現在までに公知の式(I)の化合物の製造工程の中から、欧州特許第0673372号について言及することができる。同明細書には、10−デアセチルバッカチンIIIを出発物質として、第一の段階で10−デアセチルバッカチンIIIの7位を保護し、第二の段階で10位をアセチル化し、第三の段階で7位を脱保護し、第四の段階で7位のトリフルオロメタンスルホニル化(またはトリフレート化)を行い、第五の段階で7、8位のシクロプロピル化を行い、次いで、最後から2番目の段階で13位に側鎖を結合させ、最終的には、最後の段階で側鎖を脱保護することからなる工程が開示されている。7、8位のシクロプロピル化の段階は、アルカリ金属ハロゲン化物(ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム)、アルカリ金属アジ化物(アジ化ナトリウム)、第四級アンモニウム塩、またはアルカリ金属リン酸塩の存在下で実行されている。
【0007】
その後、国際特許出願WO95/33736号、WO95/33737号、及びWO96/32387号に開示されているように、アルカリ金属アジ化物またはハロゲン化物(ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム)の存在は欠くことの出来ないものではなく、塩化ナトリウムの存在下での例えばモレキュラーシーブ等の添加剤が有効であることが明らかになった。これら3つの特許出願で使用されている溶媒は、アセトニトリル混合物およびテトラヒドロフラン混合物からなる。
【0008】
また、Tetrahedrom Letters, Vol. 35, No.43, pp 7893-7896,1994に記載されているJohnson、Nidy、Dobrowolski、Gebhard、Qualls、Wicnienski及びKellyによる論文から、工業的には使用しえないものであるが、7−O−トリフレートは、7−O−トリフレート誘導体の重量の60倍の過剰量のシリカゲルの存在下で、7β,8β−メタノタキサンに変換され得ることも公知である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上述した3特許に開示されている方法は、スルホランを使用することにより改良された。
【0010】
次の式(I):
【化2】

(式中、
Arは、アリール基を表し、
Rは、水素原子、またはアセチル、アルコキシアセチル若しくはアルキル基を表し、
1は、ベンゾイル基またはR2−O−CO−基を表し、ここでR2は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す)の化合物は、式(II):
【化3】

(式中、R’は、式(I)においてRが水素を表す場合、ヒドロキシル官能基の保護基であるか、またはRについて述べられた基のうちの一つである)の化合物を、モレキュラーシーブから選択された弱塩基と接触させ、次いで、引き続いてか、またはその前に、側鎖の前駆体をカップリングし、最後に、この場合により保護されたヒドロキシル官能基を脱保護することからなり、シクロプロパン化反応をスルホラン中で行うことを含む方法で製造される。
【0011】
本発明はまた、一般式(II)の誘導体をモレキュラーシーブと接触させることにより一般式(III)
【化4】

(式中、R’は、上記の式(II)におけるR’と同一の意味を有する)の中間体を製造する方法であって、同方法はスルホラン中で行われる上記の方法にも関する。
【0012】
シクロプロピル化反応は、2〜5質量%の水を含むスルホラン中で行うことが極めて好ましい。水が存在することにより、シクロプロパン化工程中に生成される副生物である以下の式(IV)の誘導体の、式(V)の誘導体への転換が可能になる。式(III)の誘導体と式(IV)の誘導体との分離は困難であるが、式(III)の誘導体からの式(V)の誘導体の分離は比較的容易である。
【化5】

【0013】
本発明をより有利に実行するために、スルホランに対する水の量を、約4質量%にすることが好ましい。反応温度は詳細には20℃と反応混合物の沸点との間である。
【0014】
付加反応は、基体に対してモレキュラーシーブを好ましくは25〜100%使用して行うことが好ましい。反応条件に関しては、反応は一般に、約20℃と溶媒の沸点との間の温度で、1時間から数時間の間行われる。
【0015】
本発明を実行するにより有利な工程によれば、活性化粉末としての4Åのモレキュラーシーブが、基体に対して100質量%存在する下で、スルホラン水和物(水約4質量%)を反応溶媒として用いる。この場合、基体が完全に転換される迄、反応は60℃前後の温度で行われるであろう。
【0016】
R’がヒドロキシル基の保護基、またはアセチル基、アルコキシアセチル基、若しくはアルキル基を表す式(II)の生成物は、トリフルオロメタンスルホン酸の無水物または塩化物等の誘導体を、特にトリクロロエトキシカルボニル等の保護基によってその10位が保護されたバッカチンIII、または10−デアセチルバッカチンIIIと反応させることによって得ることができる。
【0017】
一般に、トリフルオロメタンスルホン酸の誘導体の反応は、例えば第三級脂肪族アミン(トリエチルアミン)またはピリジン等の有機塩基の存在下、不活性有機溶媒(場合によりハロゲン化された脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素)中で−50〜20℃の間の温度にて行われる。
【0018】
本発明を実行するにより良好な工程であって、Rがアセチル基を表す好ましい式(III)の化合物の一つが、Rが同一の意味を有する式(II)の化合物から製造される工程によれば、式(II)の化合物をモレキュラーシーブと反応させた後、
− 粗生成物を一連の処理、例えば、酢酸エチル等の溶媒の場合によってなされる添加、濾過による不溶物質の除去、反応媒体の濃縮、及びその後の、特に水またはトルエン等から選択される、不溶化を誘発する溶媒の添加による結晶化によって単離する、
− その後、粗生成物を、溶媒または溶媒混合物、例えばメタノール、ジイソプロピルエーテル若しくはトルエンとの混合物としてのメタノール、トルエンとの混合物としてのスルホラン、ジイソプロピルエーテルとの混合物としての塩化メチレン、またはジイソプロピルエーテルとの混合物としての酢酸エチルから再結晶化させることによって精製するか、
− または粗成生物を、クロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製する。酢酸エチル、メタノール若しくはアセトニトリルとの混合物としての塩化メチレンで溶出される。
【0019】
反応媒体は、好ましくは酢酸エチルの添加、モレキュラーシーブの濾過、減圧下での濃縮、シーディングと水の添加による析出によって処理される。
【0020】
粗生物は、好ましくは50/50v/v〜10/90v/v、好ましくは25/75v/vの比率を有する酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルの混合物から結晶化することによって精製される。
【0021】
得られた式(III)の生成物は、次いで、またはその前に、当業者により公知の方法に従って、例えば欧州特許第336,840号に開示されている2’位が保護されたβ−フェニルイソセリン、例えば欧州特許第595,370号、欧州特許第663,906号、欧州特許第663,907号、欧州特許第663,908号、欧州特許第666,857号および欧州特許第669,915号に特に開示されているオキサゾリジン、または例えば欧州特許第400,971号、米国特許第5,254,580号および米国特許第5,466,834号に特に開示されているβ−ラクタムのうちから選択された側鎖の前駆体と結合される。
以下の実施例は本発明の例証であり、本発明を限定するものとして考慮されるべきではない。
【実施例】
【0022】
実施例1
92%純度の4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β−(トリフルオロメチルスルフォニルオキシ)タクサ−11−エン2.0g、活性化粉末としての4Åモレキュラーシーブ2.02g、および塩化ナトリウム1.0gを、50mlの三口フラスコ内のスルホラン14mlに加え、混合物を60℃で約4時間加熱した。反応媒体を周囲温度に冷却した後、濾過した。不溶物質を50mlの酢酸エチルで3回洗浄して、有機相を一緒にした。このようにして得られた4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン(I)溶液を、HPLCにより標準に関して定量した(1.29g、収率88%)。
【0023】
異なる溶媒を用いた比較例
結果を以下の表に示す。
【表1】

【0024】
実施例2
89.8重量%純度の4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β−(トリフルオロメチルスルフォニルオキシ)タクサ−11−エン60.0g、活性化粉末としての4Åモレキュラーシーブ60g、および水9.6mlを、500mlの三口フラスコ内のスルホラン240gに加え、混合物を60℃で約4時間加熱攪拌した。反応媒体を40℃に冷却して酢酸エチル200mlを加えた。Dicaliteベッドで懸濁液を濾過して、不溶物質を50mlの酢酸エチルで4回洗浄した。有機相を一緒にし、このようにして得られた4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン溶液を、HPLCにより標準に関して定量した(37.5g、収率88%)。溶液の一部(152g)を45℃で15mmHg未満の圧力下で約45分間濃縮して、得られた濃縮物(75.2g)を40℃で攪拌した。溶液に、脱塩水59.2mlを1時間に亘り加えた後、40℃で4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン100mgでシーディングを行った。反応媒体を2時間30分かけて周囲温度に冷却した後、脱塩水80.3gを再び1時間に亘り流入した。次いで、懸濁液を約1時間30分かけて0〜4℃に冷却した。生成物を濾過し、脱塩水33mlで3回洗浄して、減圧下45℃で16時間乾燥した。このようにして粗生物12.65gが得られ、この生成物はHPLCにより定量され純度が70.8質量%であった(収率83%)。
【0025】
粗生物12.5gを100mlの丸底フラスコ内に入れ、55℃でメタノール25ml中に溶解した。反応媒体を35℃に冷却した後、4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン数mgでシーディングした。その後、懸濁液を周囲温度に、次いで0〜4℃に約3時間かけて冷却した。濾過した後、生成物を5mlのジイソプロピルエーテルで2回洗浄し、次いで減圧下45℃で16時間乾燥した。このようにして純粋な生成物7.1gが得られ、この生成物はHPLCにより定量され純度が97.7質量%であった(再結晶化収率66%)。
【0026】
実施例3〜5
実施例2を粗生物と様々な量の水とをスフホランに加えて繰り返した。
【表2】

エチレン−2と命名された不純物は、シリカクロマトグラフィーまたは再結晶を用いて(III)から分離することが困難であった。対照的に、エチレン−1と命名された不純物は、同一の技法によって容易に除去された。
【0027】
実施例6 メタノールからの結晶化による精製
92%純度の4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β−(トリフルオロメチルスルフォニルオキシ)タクサ−11−エン58g、活性化粉末としての4Åモレキュラーシーブ58g、および塩化ナトリウム29gを、2リットルのガラス反応器内の酢酸エチル580mlに加え、混合物を55〜65℃で約46時間加熱攪拌した。反応媒体を周囲温度に冷却し
、Clarcelベッドを通して濾過して、不溶物質を116mlの酢酸エチルで2回洗浄した。有機相を一緒にし、このようにして得られた4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン溶液を炭酸水素ナトリウム溶液(水290ml中17.4g)で洗浄した後、290mlの水で2回洗浄した。反応媒体を、減圧下にて40℃未満の温度で約200mlの容積になるまで濃縮し、メタノール825mlを加えた。減圧下にて40℃未満の温度で、メタノール(合計1145ml)を加えることによって溶媒交換を行った後、溶液を周囲温度に冷却した。4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン0.21gで結晶化を開始させた後、懸濁液を約1時間30分かけて0℃に冷却した。懸濁液を濾過して、生成物を116mlのジイソプロピルエーテルで2回洗浄した。一定重量になるまで周囲温度で乾燥した後、生成物25gが得られた(収率55%)。この生成物をHPLCにより定量した結果、94質量%と分析された(99%>面積内部標準化(area internal normalization)による)。
【0028】
実施例7 クロマトグラフィーによる精製
HPLCにより純度93.9%(面積内部標準化(internal normalization of the areas))で65.5質量%と分析された粗4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン4.9gを、シリカゲル250gを用いてクロマトグラフィーにより精製した。溶出は塩化メチレンと酢酸エチルの混合物(v/v:75/25)を用いて行った。生成物を含む分画を一緒にして、減圧下で濃縮した。得られた溶液(241g)は、HPLC定量により1.3%w/wと分析された。HPLCによる純度は99.4%であった(精製収率97%)。
【0029】
実施例8 ジイソプロピルエーテル(DIPE)からの結晶化による精製
HPLCにより純度91%(面積の内部標準化)、77.5質量%と分析された粗4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン23gを酢酸エチル約640ml中に溶解し、得られた有機相を255mlの水で2回洗浄した。次いで、溶液を減圧下約30℃の温度で、残留容積が約74mlになるまで濃縮した。次いで、周囲温度にて溶液にジイソプロピルエーテル222mlを4〜7時間かけて加えた後、得られた懸濁液を2℃に冷却した。懸濁液を冷却し、生成物ケーキを36mlのジイソプロピルエーテルで洗浄した。減圧下にて25℃で乾燥した後、精製4,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1,13α−ジヒドロキシ−9−オキソ−19−ノルシクロプロパ[g]タクサ−11−エン17.6gが得られ、この生成物は約97%の純度を有し、89.3質量%と分析された(収率88%)。
実施例8を異なる再結晶化溶媒を用いて繰り返した。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、Arはアリール基を表し、
Rは、水素原子、またはアセチル、アルコキシアセチル若しくはアルキル基を表し、
1は、ベンゾイル基またはR2−O−CO−基を表し、ここでR2は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す)の化合物の製造方法であって、
式(II):
【化2】

(式中、R’は、式(I)においてRが水素を表す場合、ヒドロキシル官能基の保護基であるか、またはRについて挙げられた基のうちの一つである)の化合物を、モレキュラーシーブから選択された弱塩基と接触させ、次いで、引き続いてか、またはその前に、側鎖の前駆体をカップリングし、最後に、この場合により保護されたヒドロキシル官能基を脱保護することからなり、シクロプロパン化反応をスルホラン中で行うことを含む上記の方法。
【請求項2】
Rはアセチル基であり、R1は第三級ブトキシカルボニル基であり、Arはフェニル基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応は活性化粉末としての4Åモレキュラーシーブの存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
モレキュラーシーブは、式(II)の化合物に対して約100質量%の比率において使用される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項5】
スルホランは2〜5質量%の水を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
スルホランは約4質量%の水を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
反応温度は20℃から溶媒の沸点までの間である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
反応温度は約60℃である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
粗生成物は、反応媒体に酢酸エチルを加え、モレキュラーシーブを濾過し、反応媒体を濃縮した後、水を加えて結晶化させることによって単離される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
単離された後、粗生物はメタノール、ジイソプロピルエーテルとの混合物としてのメタノール、トルエンとの混合物としてのメタノール、トルエンとの混合物としてのスルホラン、ジイソプロピルエーテルとの混合物としての塩化メチレン、またはジイソプロピルエーテルとの混合物としての酢酸エチルから選択される溶媒または溶媒混合物から再結晶化されることによって精製される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
粗生物は、約25/75v/vの比率を有する酢酸エチルとイソプロピルエーテルとの混合物を用いて精製される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
側鎖の前駆体は、2’位が保護されたβ−フェニルイソセリン、オキサゾリジン、またはβ−ラクタムの誘導体のうちから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
一般式(II):
【化3】

の誘導体をモレキュラーシーブと接触させることによって一般式(III):
【化4】

(式中、R’は、請求項1に記載の式(II)のR’と同一の意味を有する)の中間体を製造する方法であって、同方法はスルホラン中で行われる上記の方法。

【公表番号】特表2006−522781(P2006−522781A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505793(P2006−505793)
【出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000901
【国際公開番号】WO2004/092151
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(598006222)アベンティス・ファーマ・ソシエテ・アノニム (30)
【Fターム(参考)】