説明

4,4′−ジ置換4H−シクロペンタジチオフェンおよびその新規合成方法

【課題】4、4’ジ置換4H-シクロペンタジチオフェンの新規合成方法の提供。
【解決手段】次の一般式:


を有する化合物の合成方法に関し、該方法は、負のpKaを有する二塩基酸の存在下に一般式:


[式中、R1およびR2は有機基であり、XおよびYは独立に、水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から選ばれる。]を有する化合物を反応させる工程を含んでなる。この方法はさらに、原料となる化合物(II)および、その閉環の結果得られる化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4,4’-ジ置換-4H-シクロペンタジチオフェンを得るための製造方法および新規な4,4’-ジ置換-4H-シクロペンタジチオフェンに関する。
【背景技術】
【0002】
4,4-ビス(アルキル)-4H-シクロペンタ[2,1-b:3,4-b:]ジチオフェン類の調製および精製は近年、その様な分子が、例えば、有機エレクトロニクスにおいて有用なビルディングブロックであるとして多くの注目を集めてきた。
ブレジンスキーらは、4H-シクロペンタ[2,1-b:3,4-b']ジチオフェン-4-オンへの3段階法を提案している(Brzezinski et al、Synthesis 2002、8、1053-1056)。
コッポらは、4H-シクロペンタ[2,1-b:3,4-b']ジチオフェン-4-オンをボルフ・キシナー(Wolf-Kischner)反応のハング・ミンロン(Huang-Minlon)変法に従ってヒドラジンで還元し、4H-シクロペンタジチオフェンを得ている(Coppo et al、Macromolecules、2003、36、2705-2711)。 彼らは次いで塩基性条件下、ハロゲン化アルキルでジアルキル化を行い、4,4-ビス(アルキル)-4H-シクロペンタ[2,1-b:3,4-b']ジチオフェンを得た。
ゾッティらは(Zotti et al、Macromolecule、2001、34、3889-3895)、4H-シクロペンタジチオフェンに対して2つの異なるハロゲン化アルキルによる塩基性条件下での別々の2つのアルキル化を行うことによって、4,4'-非対称ジ置換4H-シクロペンタジチオフェンを合成した。
R1がR2と異なる4,4-R1R2-4H-シクロペンタ[2,1-b:3,4-b']ジチオフェン類へ向けてのこの全操作は6合成工程を必要とし、ならびに、モノおよびジ置換4H-シクロペンタジチオフェンの難しい分離を必要とする。また、モノ置換4H-シクロペンタジチオフェンの不純物としての存在は、例え少量であっても、4位の水素は酸化され易いと予測されるため、そのオプト・エレクトロニック用途に対しては有害となり易い。更に、この6工程の合成は非常に毒性の強いヒドラジンの使用を含んでいる。
そのために、当分野では、4,4'ジ置換4H-シクロペンタジチオフェンおよび特に非対称ジ置換4H-シクロペンタジチオフェンへ向けての新規合成経路に対するニーズがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Brzezinski et al、Synthesis 2002、8、1053-1056.
【非特許文献2】Coppo et al、Macromolecules、2003、36、2705-2711.
【非特許文献3】Zotti et al、Macromolecule、2001、34、3889-3895.
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、4,4'ジ置換4H-シクロペンタジチオフェン、特に非対称ジ置換4H-シクロペンタジチオフェンの合成に対する代替法を提供することである。
【0005】
該方法は非常に汎用性があり及び4H-シクロペンタジチオフェンの4位への多様な置換基の導入を可能とする点が本発明の実施態様の利点である。
非常に毒性の強いヒドラジンの使用を必要としない点が、本発明の実施態様のさらなる利点である。
該方法が減少した工程数で進行する点が本発明の実施態様のさらなる利点である。もし商業的に入手し得るケトンを使用すると、合成は3工程で進行し得る。
製造されたジ置換4H-シクロペンタジチオフェン中に不純物としてモノ置換4H-シクロペンタジチオフェンが存在しない点が本発明の実施態様のさらなる利点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の様相において、本発明は次の一般式:
【0007】
【化1】

(I)、
を有する化合物の合成方法であって、
該方法は一般式:
【0008】
【化2】

(II)
で表される化合物[式中、R1およびR2は有機基であり、ならびにXおよびYは水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から独立に選ばれる。X=Y=Hの場合が好ましい。]を、負のpKaを有する二塩基酸と接触させる工程を含んでなる方法である。
【0009】
第二の様相において、本発明は一般式:
【0010】
【化3】

(II)
を有する化合物に関する[式中、R1およびR2は、C1-20アルキル、C1-20ハロアルキル、C4-10シクロアルキル、C1-3アルキルC1-10アルカノエート、C1-3アルキルC1-10アルカンアミド、C2-10アルケニル、C3-10シクロアルケニル、アリールC1-5アルキル、ジアリールC1-5アルキル、トリ-C1-20アリールC1-5アルキル、アリールC2-5アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルカノール、C1-10 アルカンチオール、アリール、ヘテロ環基(例えば、ヘテロアリール)、C1-3アルコキシC1-3アルキル、ジ-C1-3アルコキシC1-3アルキル、C1-3 アルキルオキシアリールC1-3アルキル、C1-3アルキルアリール、C1-3 アルキルスルファニルC1-3アルキル、C1-3アルキルアリールスルファニルC1-3アルキル、アリールオキシC1-3アルキル、N,N-C1-3ジアルキルC1-3アルキルアミン、N-C1-3アルキルC1-3アルキルアミン、アリールスルホニルC1-3アルキル、または、R1およびR2は一緒になってシクロアルキル基もしくはヘテロシクロアルキル基を形成し、ならびにXおよびYは水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から独立に選ばれる。X=Y=Hの場合が好ましい。]。
【0011】
第三の様相において、本発明は一般式:
【0012】
【化4】

を有する化合物に関する[式中、R1およびR2は、C1-20アルキル、C1-20ハロアルキル、C4-10シクロアルキル、C1-3アルキルC1-10アルカノエート、C1-3アルキルC1-10アルカンアミド、C2-10アルケニル、C3-10シクロアルケニル、アリールC1-5アルキル、ジアリールC1-5アルキル、トリ-C1-20アリールC1-5アルキル、アリールC2-5アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルカノール、C1-10 アルカンチオール、アリール、ヘテロ環基(例えば、ヘテロアリール)、C1-3アルコキシC1-3アルキル、ジ-C1-3アルコキシC1-3アルキル、C1-3 アルキルオキシアリールC1-3アルキル、C1-3アルキルアリール、C1-3 アルキルスルファニルC1-3アルキル、C1-3アルキルアリールスルファニルC1-3アルキル、アリールオキシC1-3アルキル、N,N-C1-3ジアルキルC1-3アルキルアミン、N-C1-3アルキルC1-3アルキルアミン、アリールスルホニルC1-3アルキル、または、R1およびR2は一緒になってシクロアルキル基もしくはヘテロシクロアルキル基を形成し、ならびに、XおよびYは水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から独立に選ばれる。]。
【0013】
上記目的は、本発明に従った方法によって達成される。
本発明の特有な、および好ましい様相は、随伴する独立および従属請求項中に提示される。従属請求項からの特徴は従属請求項の特徴および適切な場合には他の独立請求項の特徴と結合されてよく、明確なものとして単に該請求項中に提示されているだけではない。
本発明の上記およびその他の特徴、要旨および利点は、本発明の原理を、実施例の方法で例証している以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。この詳細な説明は例示目的でのみ提示され、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明が特有な実施態様に関して記述されるが、本発明はそれらに限定されるものではなく、請求項によってのみ限定されるものである。
さらに、詳細な説明および請求項の中の第一、第二、第三などの用語は、同様の要素間の識別のために用いられるのであって、必ずしも、序列もしくは他の如何なる意味においても、時間的、空間的な順序を記述するために用いられるのではない。その様に用いられた用語は適切な状況下においては相互に交換可能であり、およびここに記述される発明の実施態様は、ここで記述され、もしくは説明された以外の他の順序で操作可能であると理解されるべきである。
【0015】
さらに、詳細な説明および請求項中の用語、頂(top)、底(bottom)、上(over)、下(under)等は相対的な位置を記述するために用いられる。その様に用いられた用語は適切な状況下で相互に交換可能であり、およびここに記載された発明の実施態様は、ここで記述されもしくは説明された以外の他の方向での実施が可能であると理解されるべきである。
クレーム中で用いられる用語「含んでなる」は、その後に記載された意味に限定されると解釈されるべきではないことに留意すべきである;その用語は他の要素または工程を除外していない。この様に、その用語は記述された特徴、整数、工程もしくは成分の言及された様な存在を特定すると解釈されるべきであるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程もしくは成分もしくはそれらの群の存在を排除するものではない。かくして、表現「手段AおよびBを含んでなるデバイス」の範囲は、成分AおよびBのみからなるデバイスに限定されるべきではない。その表現は、本発明に関して、デバイスに特有の成分はAおよびBであることを意味する。
【0016】
本明細書を通じて「1つの実施態様」もしくは「実施態様」への言及は、その実施態様との関係で記述された特有の特徴、構造もしくは特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれると云うことを意味する。かくして、本明細書を通じて種々の箇所での句「一つの実施態様において」もしくは「実施態様において」の出現は、必ずしも全てが同一の実施態様への全ての言及ではなくて、可能性を示す。さらに、本明細書の開示内容から当業者にとって明らかな様に、特定の特徴、構造もしくは特性が適切ないかなる方法によって1つ以上の実施態様で結合されてよい。
【0017】
同様に、発明の例示的実施態様の記述において、発明の開示を簡素化し及び1以上の多様な発明の様相の理解を助けるために、発明の種々の特徴が、時には、それらの単一の実施態様、図または記述中に一緒にグループ化されると云うことが認識されるべきである。しかしながら、この開示の方法は、クレームされた発明が各クレームに明白に記載されたより多くの特徴を要求すると云う意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、以下に続くクレームが反映しているように、創作的様相は、クレームに先行して開示されている実施態様の全ての特徴より少なく存在する。この様に、詳細な説明に続くクレームは、この結果、この詳細な説明中に明白に取り込まれ、各クレームはこの発明の分離した実施態様としてそのクレーム自身に立脚している。
【0018】
さらに、ここに記載された幾つかの実施態様が、他の実施態様に含まれる幾つかの、しかし異ならない特徴を含む一方、当業者には理解できる様に、異なる実施態様の組合せは本発明の範囲内であって、異なる実施態様を形成している、と云うことを意味している。例えば、以下に続くクレームにおいて、クレームされた実施態様のいずれも如何なる組合せでも用いられ得る。
ここで提供される明細書において、多くの具体的な細部が提示される。しかしながら、発明の実施態様は、これらの具体的な細部なしに実施され得ることが理解される。他の例においては、本明細書の理解が曖昧にならない様に、周知の方法、構造及び技法が詳細には示されない。
【0019】
用語の以下の定義は発明の理解を助けるためのみに提供される。
本明細書では、置換基に関して、及び他に説明しない限り、用語「C1-nアルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、1-メチル-エチル(イソプロピル)、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル(ターシャリーブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びドデシルなどの様な、1〜n個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の飽和非環式炭化水素基を表す。
本明細書では、置換基に関して、及び他に説明しない限り、用語「ハロC1-nアルキル」は、例えば、限定的ではないが、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、オクタフルオロペンチル、ドデカフルオロヘプチル、ジクロロメチル、クロロメチル等の様な、1以上の水素原子が独立に1以上のハロゲン(好ましくは、フッ素、塩素または臭素)によって独立に置換されているC1-nアルキル基(上記で定義された様な)を意味する。
本明細書では、置換基に関して、及び他に説明しない限り、用語「C1-mアルキルC1-nアルカノエートは、「エーテル」酸素に結合した鎖中に1〜m個の炭素原子を有し、カルボキシル基を含む鎖中に1〜n個の炭素原子を有するエステル基を表す。
本明細書では、置換基に関して、及び他に説明しない限り、用語「C2-nアルケニル」は、例えば、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、1-ブテニル、2-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-2-ブテニル、3-ヘキセニル、2-ヘキセニル、2-ヘプテニル、1,3-ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、ヘプタトリエニル等、及びそれら全ての可能な異性体を含む様な、1個以上のエチレン性不飽和を有し、2〜n個の炭素原子を有する鎖状もしくは分岐状の非環式炭化水素の1価の基を指す。
本明細書では、置換基に関して、及び他に説明しない限り、用語「C2-nアルキニル」は、例えば、アセチレニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、2-ペンチニル、1-ペンチニル、3-メチル-2-ブチニル、3-ヘキシニル、2-ヘキシニル、1-ペンテン-4-イニル、3-ペンテン-1-イニル、1,3-ヘキサジエン-1-イニル等の様な、1以上の3重結合及び随意に少なくとも1つの2重結合を有し、並びに、2〜n個の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状の鎖状炭化水素の1価の基を定義する。
【0020】
本明細書では、置換基に関して、及び他に説明しない限り、用語「シクロアルキル」は、4〜10個の炭素原子を有する単環もしくは多環式の1価の基を意味する。例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等、または、例えば、ノルボルニル、フェンチル、トリメチルトリシクロヘプチルもしくはアダマンチル等の様な、7〜10個の炭素原子を有するC7-10多環式飽和炭化水素の1価の基、ここで、該シクロアルキルは、ハロゲン、ニトロ、C1-7アルキル(随意に、カルボニル(オキソ)、アルコール(ヒドロキシル)、エーテル(アルコキシ)、アセタール、アミノ、イミノ、オキシイミノ、アルキルオキシイミノ、アミノ酸、シアノ、カルボン酸エステルもしくはアミド、ニトロ、チオC1-7アルキル、チオC3-10シクロアルキル、C1-7アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アルケニルアミノ、シクロアルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキル-アミノ、ヒドロキシルアルキルアミノ、メルカプトアルキルアミノ、ヘテロ環置換アルキルアミノ、ヘテロ環アミノ、ヘテロ環置換アリールアミノ、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノ、フェニルヒドラジノ、スルホニル、スルホンアミドおよび ハロゲンから成る群から選ばれた1以上の官能基もしくは基を含む)、C3-7アルケニル、C2-7アルキニル、ハロC1-7アルキル、C3-10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルアシル、アリールアシル、ヒドロキシル、アミノ、C1-7アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アルケニルアミノ、シクロアルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、メルカプトアルキルアミノ、ヘテロ環置換アルキルアミノ、ヘテロ環アミノ、ヘテロ環置換アリールアミノ、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノ、フェニルヒドラジノ、スルフヒドリル、C1-7アルコキシ、C3-10シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、オキシヘテロ環、ヘテロ環置換アルキルオキシ、チオC1-7アルキル、チオC3-10シクロアルキル、チオアリール、チオヘテロ環、アリールアルキルチオ、ヘテロ環置換アルキルチオ、ホルミル、ヒドロキシルアミノ、シアノ、カルボン酸、またはそれらのエステル類もしくはチオエステル類もしくはアミド類、チオカルボン酸もしくはそのエステル類もしくはチオエステル類もしくはアミド類からなる群から選ばれた置換基で独立に更に置換されてよい。
【0021】
ここで用いられる置換基に関しては、他に明示されない限り、用語「アシル」は有機モノカルボン酸、炭酸、カルバミン酸(カルバモイル置換基となる)または前記酸類に対応するチオ酸もしくはイミド酸(カルバミド置換基となる)の様な酸から誘導された置換基を広く指す。上記定義の範囲に入る更に特別な種類の「アシル基」は、C1-7アルキル、C3-10シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはヘテロ環基に隣接したカルボニル(オキソ)基を指し、それらの全てはここで定義されたと同じである。アシル基の適当な例を以下に示す。
脂肪族またはシクロ脂肪族モノカルボン酸類に由来するアシル基がここでは脂肪族またはシクロ脂肪族アシル基と称され、および、限定されるものではないが、以下を含む:
・アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなど);
・シクロアルカノイル(例えば、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、1-アダマンタンカルボニルなど);
・シクロアルキル-アルカノイル(例えば、シクロヘキシルアセチル、シクロペンチルアセチルなど);
・アルケノイル(例えば、アクリロイル、メタアクリロイル、クロトニルなど);
・アルキルチオアルカノイル(例えば、メチルチオアセチル、エチルチオアセチルなど);
・アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソオキシカルボニルなど);
・アルキルカルバモイル(例えば、メチルカルバモイルなど);
・(N-アルキル)-チオカルバモイル(例えば、(N-メチル)-チオカルバモイルなど);
・アルキルカルバミドイル、例えば、メチルカルバミドイルなど);ならびに
・アルコキシアルキル(例えば、メトキシアルキル、エトキシアルキル、プロポキシアルキルなど);
【0022】
アシル基は芳香族モノカルボン酸類に由来してよく、限定的ではないが、以下のものが含まれる:
・アロイル(例えば、ベンゾイル、トルオイル、キシロイル、1-ナフトイル、2-ナフトイルなど);
・アリールアルカノイル(例えば、フェニルアセチルなど);
・アリールアルケノイル(例えば、シンナモイルなど);
・アリールオキシアルカノイル(例えば、フェノキシアセチルなど);
・アリールチオアルカノイル(例えば、フェニルチオアセチルなど);
・アリールアミノアルカノイル(例えば、N-フェニルグリシルなど);
・アリールオキシカルボニル(例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニルなど);
・アリールアルコキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど);
・アリールカルバモイル(例えば、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイルなど);
・アリールグリオキシロイル(例えば、フェニルグリオキシロイルなど);
・アリールチオカルバモイル(例えば、フェニルチオカルバモイルなど);
および
・アリールカルバミドイル(例えば、フェニルカルバミドイルなど)。
【0023】
アシル基はヘテロ環モノカルボン酸類に由来してよく、限定的ではないが、以下のものが含まれる:
・ヘテロ環カルボニルであって、前記ヘテロ環基はここで定義され、好ましくは、芳香族または非芳香族の5〜7員環で窒素、酸素および硫黄から選ばれた1個以上のヘテロ原子を前記環に有するヘテロ環(例えば、チオフェノイル、フロイル、ピロールカルボニル、ニコチノイルなど);ならびに
・ヘテロ環-アルカノイルであって、前記ヘテロ環基はここで定義され、好ましくは、芳香族または非芳香族の5〜7員環で窒素、酸素および硫黄から選ばれた1個以上のヘテロ原子を前記環に有するヘテロ環(例えば、チオフェニルアセチル、フリルアセチル、イミダゾリルプロピオニル、テトラゾリルアセチル、2-(2-アミノ-4-チアゾリル)-2-メトキシイミノアセチルなど)。
【0024】
置換基(例えば、R1 およびR2が一緒になって形成されたもの)に関してここで用いられ、および他に記述されない限り、用語「ヘテロ環」は、2〜15個までの炭素原子を有し及び1個以上のヘテロ原子を1個以上のヘテロ環中に含む単環式もしくは多環式、飽和またはモノ不飽和もしくはポリ不飽和の1価の炭化水素基を意味し、前記環のそれぞれは3〜10個の原子を有し(及び場合によっては更に、前記環の1個以上の炭素原子に結合した1個以上のヘテロ原子を、例えば、カルボニルまたはチオカルボニルまたはセレノカルボニル基の形で含み、および/または1個以上の前記環のヘテロ原子を、例えば、スルホン、スルホキシド、N-オキシド、ホスフェート、ホスホネートまたはセレニウムオキシド基の形で含み)、前記ヘテロ原子の各々は窒素、酸素、硫黄、セレンおよびリンから成る群から独立に選ばれ、また、ヘテロ環が1個以上の芳香族炭化水素環と縮合して、例えばベンゾ-縮合、ジベンゾ-縮合およびナフト-縮合ヘテロ環基の形にある基を含んでいる;
【0025】
この定義には、限定的ではないものとして、以下のようなヘテロ環基が含まれる:ジアゼピニル、オキサジアジニル、チアジアジニル、ジチアジニル、トリアゾロニル、ジアゼピノニル、トリアゼピニル、トリアゼピノニル、テトラゼピノニル、ベンゾキノリニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアジノニル、ベンズオキサ-チイニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジチイニル、ベンゾクサゼピニル、ベンゾチアゼピニル、ベンゾジアゼピニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジチエピニル、ベンゾクソシニル、ベンゾ-チアゾシニル、ベンゾジアゾシニル、ベンゾクサチオシニル、ベンゾジオクソシニル、ベンゾトリオキセピニル、ベンゾクサチアゼピニル、ベンゾクサジアゼピニル、ベンゾチア-ジアゼピニル、ベンゾトリアゼピニル、ベンゾクサチエピニル、ベンゾトリアジノニル、ベンゾクサゾリノニル、アゼチジノニル、アザスピロウンデシル、ジチアスピロデシル、セレナジニル、セレナゾリル、セレノフェニル、ハイポキサンチニル、アザハイポ-キサンテニル、ビピラジニル、ビピリジニル、オキサゾリジニル、ジセレノピリミジニル、ベンゾジオキソニル、ベンゾピレニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフェナジニル、ベンゾキノリジニル、ジベンゾ-カルバゾリル、ジベンゾアクリジニル、ジベンゾフェナジニル、ジベンゾチエピニル、ジベンゾキセピニル、ジベンゾピラノニル、ジベンゾキノキサリニル、ジベンゾチアゼピニル、ジベンズイソキノリニル、
【0026】
テトラアザアダマンチル、チアテトラアザアダマンチル、オキサウラシル、オキサジニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾフラニル、オキサゾリニル、オキサゾロニル、アザインドリル、アゾロニル、チアゾリニル、チアゾロニル、チアゾリジニル、チアザニル、ピリミドニル、チオピリミドニル、チアモルホリニル、アズラクトニル、ナフトインダゾリル、ナフトインドリル、ナフトチアゾリル、ナフトチオキソリル、ナフトキシインドリル、ナフト-トリアゾリル、ナフトピラニル、オキサビシクロヘプチル、アザベンズイミダゾリル、アザシクロヘプチル、アザシクロオクチル、アザシクロノニル、アザビシクロノニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロ-ピロニル、テトラヒドロキノレイニル、テトラヒドロチエニル及びそれらのジオキシド、ジヒドロチエニル ジオキシド、ジオキソインドリル、ジオキシニル、ジオキセニル、ジオキサジニル、チオキサニル、チオキソリル、チオウラゾリル、チオトリアゾリル、チオピラニル、チオピロニル、クマリニル、キノレイニル、オキシキノレイニル、キノクリジニル、キサンテニル、ジヒドロピラニル、ベンゾジヒドロフリル、ベンゾチオピロニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾゾキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、フェノチオキシニル、フェノチアゾリル、フェノチエニル (ベンゾチオフラニル)、フェノピロニル、フェノキサゾリル、
【0027】
ピリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、フリル、ジヒドロフリル、フロイル、ヒダントイニル、ジオキソラニル、ジジオキソリル、ジチアニル、ジチエニル、ジチイニル、チエニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、キノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、キサンテニル、プリニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、チアントレニル、ピラニル、ピロニル、ベンゾピロニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、フェノキサチイニル、インドリジニル、キノリジニル、イソキノリル、ナフタラジニル、ナフチリジニル、シノリニル、プテリジニル、カルボリニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ウリジニル、チミジジニル、シチジニル、アジリニル、アジリジニル、ジアジリニル、ジアジリジニル、オキシラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、チイラニル、アゼチル、ジヒドロアゼチル、アゼチジニル、オキセチル、オキセタニル、オキセタノニル、
【0028】
ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、チエチル、チエタニル、ジアザビシクロオクチル、ジアゼチル、ジアジリジノニル、ジアジリジンチオニル、クロマニル、クロマノニル、チオクロマニル、チオクロマノニル、チオクロメニル、ベンゾフラニル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾカルバゾリル、ベンゾクロマニル、ベンズイソアロキサジニル、ベンゾクマリニル、チオクマリニル、フェノ-メトキサジニル、フェノパロキサジニル、フェントリアジニル、チオジアジニル、チオジアゾリル、インドキシル、チオインドキシル、ベンゾジアジニル (例えば、フタラジニル)、フタリジル、フタリミジニル、フタラゾニル、アロキサジニル、ジベンゾピロニル (すなわち、キサントニル)、キサンチオニル、イサチル、イソピラゾリル、イソピラゾロニル、ウラゾリル、ウラジニル、ウレチニル、ウレチジニル、サクシニル、サクシニミド、ベンジルサルチミル、ベンジルサルタミルなど、およびそれらの全ての可能な異性体を含む。
【0029】
ここで前記それぞれのヘテロ環基は更に以下から成る群から選ばれた置換基によって独立に置換されてよい:ハロゲン、ニトロ、C1-7アルキル(随意に、カルボニル (オキソ)、アルコール (ヒドロキシル)、エーテル (アルコキシ)、アセタール、アミノ、イミノ、オキシイミノ、アルキルオキシイミノ、アミノ酸、シアノ、カルボン酸 エステルもしくはアミド、ニトロ、チオ C1-7 アルキル、チオ C3-10 シクロアルキル、C1-7 アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アルケニルアミノ、シクロアルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキル-アミノ、ヒドロキシルアルキルアミノ、メルカプトアルキルアミノ、ヘテロ環置換 アルキルアミノ、ヘテロ環アミノ、ヘテロ環置換 アリールアミノ、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノ、フェニルヒドラジノ、スルホニル、スルホンアミドおよびハロゲンから成る群から選ばれた1以上の官能基または基を含む)、C3-7 アルケニル、C2-7 アルキニル、ハロ C1-7 アルキル、C3-10 シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルアシル、アリールアシル、ヒドロキシル、アミノ、C1-7 アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アルケニルアミノ、シクロアルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、メルカプトアルキルアミノ、ヘテロ環置換 アルキルアミノ、ヘテロ環 アミノ、ヘテロ環置換 アリールアミノ、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノ、フェニルヒドラジノ、スルフヒドリル、C1-7 アルコキシ、C3-10 シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、オキシヘテロ環、ヘテロ環置換 アルキルオキシ、チオ C1-7 アルキル、チオ C3-10 シクロアルキル、チオアリール、チオヘテロ環、アリールアルキルチオ、ヘテロ環置換 アルキルチオ、ホルミル、ヒドロキシルアミノ、シアノ、カルボン酸 または それらのエステルもしくはチオエステルもしくはアミド、チオカルボン酸 またはそれらのエステルもしくはチオエステルもしくはアミド; 3〜10 員環の不飽和数に依存して、ヘテロ環基はヘテロ芳香環 (または“ヘテロアリール”)基および非芳香族性ヘテロ環基に細分化されてよい;前記非芳香族性ヘテロ環基のヘテロ原子が窒素のとき、後者は、C1-7 アルキル、C3-10 シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびアルキルアリールから成る群から選ばれた置換基で置換されてよい。
【0030】
ここで用いられる置換基に関して、他に規定していないときは、用語“C3-10 シクロアルケニル”は、3〜8の炭素原子を有する1価の単環性モノ-もしくはポリ不飽和炭化水素基を意味し、例えば、シクロ-プロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル など、または、7〜10の炭素原子を有する1価のC7-10 多環式モノもしくはポリ不飽和炭化水素基、例えばジシクロペンタジエニル、フェンチェニル(α-ピノレニルの様な、その全ての異性体を含む)、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジニル、シクロ-フェンチェニルなどである。
【0031】
ここで用いられる用語“アリール”は、他に記述がないときは、6〜30までの炭素原子を有するいかなるモノ-もしくは多環式芳香族性炭化水素基を指し、限定的ではないが以下のような基を指す:フェニル、ナフチル、アンスラセニル、フェナンスラシル、フルオランテニル、クリセニル、ピレニル、ビフェニリル、ターフェニル、ピセニル、インデニル、ビフェニル、インダセニル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロオクテニルなどであり、縮合ベンゾ-C4-8シクロアルキル基 、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インデノフルオレニル などを含み、全ての前記基は随意に、ハロゲン、アミノ(随意に、1または2のアルキルまたはアリール基で置換される)、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルキル、アリールおよびニトロ、例えば、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、4-シアノフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル などから成る群から独立に選ばれた1以上の置換基で置換される。
置換基に関してここで用いられる用語“アリーレン”は、他に規定されない限り、2価のアリール基を指す。
【0032】
置換基に関してここで用いられる用語“アリールアルキル”(例えば、C5-6アリールC1-5アルキル)および“アリールアルケニル”(例えば、C5-6アリールC2-5アルケニル)は、他に記述されない限り、それぞれ、アリール基(上記で定義される)が炭素原子を介して結合している1価の脂肪族飽和またはエチレン性不飽和炭化水素基(それぞれ、上記で定義される様なC1-nアルキルおよびC2-nアルケニル基)を指し、ここで前記脂肪族基および/または前記アリール基は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、トリフルオロメチルおよびニトロから成る群から独立に選ばれた1以上で随意に置換されてよく、例えば、限定的ではないが、ベンジル、4-クロロベンジル、4-フルオロベンジル、2-フルオロベンジル、3,4-ジクロロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、3-メチルベンジル、4-メチルベンジル、4-ターシャリーブチルベンジル、フェニルプロピル、1-ナフチルメチル、フェニルエチル、1-アミノ-2-フェニルエチル、1-アミノ-2-[4-ヒドロキシ-フェニル]エチル、スチリルなどである。
【0033】
置換基に関してここで用いられる用語“ジ-アリールアルキル”(例えば、ジ-C5-6アリールC1-5 アルキル)および“トリ-アリールアルキル”(例えば、トリ-C5-6アリールC1-5 アルキル)は、他に記述されない限り、1個または2個のアリール基(上記で定義された様な)がそれぞれ、炭素原子を介して結合している1価の飽和炭化水素基を指し、および、該脂肪族基および/または該アリール基が、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、トリフルオロメチルおよびニトロから成る群から独立に選ばれた1以上の置換基で随意に置換されてよく、例えば、限定的ではなく、ジフェニルメチル、トリフェニルメチルなどである。
【0034】
置換基に関してここで用いられる用語“アルキルアリール”および“アルキル-置換ヘテロ環”は、他に記述されない限りそれぞれ、好ましくは1以上の上記で定義されたC1-7アルキル、C2-7アルケニルもしくはC3-10シクロアルキル基の様な1価の脂肪族飽和もしくは不飽和炭化水素基が結合したアリールまたはヘテロ環基(上記で定義された)を指し、例えば、限定的ではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、3,4-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、o-シメニル、m-シメニル、p-シメニル、メシチル、ターシャリーブチルフェニル、ルチジニル (すなわち、ジメチルピリジル)、2-メチルアジリジニル、メチル-ベンズイミダゾリル、メチルベンゾフラニル、メチルベンゾチアゾリル、メチルベンゾトリアゾリル、メチルベンゾキサゾリル及びメチルベンズセレナゾリルである。
【0035】
置換基に関してここで用いられる用語“C1-nアルカノール”は、他に記述されない限り、上記で定義されたC1-nアルキルの炭素原子がヒドロキシル基に結合している置換基を指す。
置換基に関してここで用いられる用語“C1-nアルカンチオール”は、他に記述されない限り、上記で定義されたC1-nアルキルの炭素原子がチオール基に結合している置換基を指す。
置換基に関してここで用いられる用語“C1-nアルキルスルファニルC1-mアルキル”は、他に記述されない限り、硫黄(チオエーテル)原子が結合している1〜mの炭素原子を有するアルキル基を指し、前記硫黄原子は更に1〜nの炭素原子を有する第2のアルキル基に結合している。
【0036】
置換基に関してここで用いられる用語“C1-nアルキルアリールスルファニルC1-mアルキル”は、他に記述されない限り、硫黄(チオエーテル)原子が結合している1〜mの炭素原子を有するアルキル基を指し、該硫黄原子は更にアリール基に結合し、該アリール基自身は1〜nの炭素原子を有する第2のアルキル基に結合している。
【0037】
置換基に関してここで用いられる用語“C1-7アルコキシ”、“C3-10シクロアルコキシ”、“アリールオキシ”、“アリールアルコキシ”、“オキシヘテロ環”、“ヘテロ環置換アルコキシ”、“チオ C1-7アルキル”、“チオC3-10シクロアルキル”、“アリールチオ”、“アリールアルキルチオ”および“チオヘテロ環”は、他に記述されない限り、C1-7アルキル、それぞれがC3-10のシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環基もしくはヘテロ環置換アルキル(その各々はここで定義されているような)の炭素原子が酸素原子または2価の硫黄原子に単結合で結合している置換基を指し、例えば、限定的ではなく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシキシ、tert-ブトキシキシ、イソペントキシキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオブチル、チオペンチル、チオシクロプロピル、チオシクロブチル、チオシクロペンチル、チオフェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、メルカプトベンジルおよびクレゾキシ、およびピペリジンオキシの多様な異性体、1-メチルピペリジンオキシ、ピロリジンオキシ、ピリジンオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、モルホリノエトキシ、ピペラジノエトキシ、ピペリジノエトキシ、ピリジノエトキシ、ピロリジノエトキシ、ピペリジノメトキシ、メチルピリジノキシ、メチルキノリノオキシ、ピリジノプロポキシ などである。
置換基に関してここで用いられる用語“アルコキシアルキル”および“ジアルコキシアルキル”は、他に示されない限り、それぞれ1または2のアルコキシ基が結合しているアルキル基を指す。
【0038】
置換基に関してここで用いられる用語“アリールオキシアルキル”は、他に示されない限り、エーテル酸素原子が結合しているアルキル基を指し、該酸素原子はさらにアリール基に結合している.
置換基に関してここで用いられる用語“アルコキシアリールアルキル”は、他に示されない限り、アリール基 (上記で定義されたような)が該アリール基の炭素原子を介して結合している1価の脂肪族飽和炭化水素基(上記で定義されたようなC1-nアルキル基)に関連し、ここで該アリール基はさらにC1-7アルコキシ基に結合している。
【0039】
置換基に関してここで用いられる用語“N,N−ジアルキルアルキルアミン”は、他に示されない限り、単結合を介してアミノ原子に結合しているアルキル基を有する1価の基を指し、該アミノ原子自身は更に2つのアルキル基に結合している。
置換基に関してここで用いられる用語“N-アルキルアルキルアミン”は、他に示されない限り、単結合を介してアミノ原子に結合しているアルキル基を有する1価の基を指し、該アミノ原子自身は更にアルキル基に結合している。
置換基に関してここで用いられる用語“アリールスルホニルアルキル”は、他に示されない限り、単結合を介してスルホン基の硫黄原子に結合したアルキル基を有する1価の基に関連し、該硫黄原子はさらにアリール基に結合している。
置換基に関してここで用いられる用語“C1-mアルコキシC1-nアルキル”は、他に示されない限り、単結合を介してエーテル酸素に結合している1〜nの炭素原子を有する1価のアルキル基に関し、該酸素原子自身は1〜mの炭素原子を有する第2のアルキル鎖に結合している。
【0040】
置換基に関してここで用いられる用語“有機錫”は、他に述べられない限り、構造式SnR9R10R11で表される基を指し、ここで、R9、R10およびR11の各々は独立に、R9、R10およびR11が同時にハロゲンで無い限り、ハロゲン、C1-20アルキル、C3-10シクロアルキル、アリール、ベンジルおよびC2-7アルケニルから成る群から選ばれる;
【0041】
その様な有機錫基は、限定的ではないが、以下に含まれる錫化合物から誘導され得る:ジ-n-ブチル錫ジブロミド、ジ-n-ブチル錫ジクロリド、ジ-tert-ブチル錫ジクロリド、ジメチル錫ジブロミド、ジメチル錫ジクロリド、ジメチル錫ジフルオリド、ジメチル錫ジヨージド、ジフェニル錫ジクロリド、ジフェニル錫ジブロミド、ジフェニル錫ジフルオリド、ジフェニル錫ジヨージド、トリブチル錫フルオリド、トリブチル錫クロリド、トリブチル錫ブロミド、トリブチル錫ヨージド、フェニル錫トリブロミド、フェニル錫トリクロリド、トリシクロヘキシル錫クロリド、トリエチル錫ブロミド、トリエチル錫クロリド、トリエチル錫ヨージド、ビニルトリブチル錫、テトラブチル錫、ブチル錫トリクロリド、n-ブチルビニル錫ジクロリド、ジアリルジブチル錫、ジアリルジフェニル錫、ジブチルビニル錫ブロミド、ジブチルビニル錫クロリド、ジクロロジ-m-トリルスタナン、ジエチルジイソアミル錫、ジエチルジイソブチル錫、ジエチルジフェニル錫、ジエチルイソアミル錫ブロミド、ジエチルイソアミル錫クロリド、ジエチルイソブチル錫ブロミド、ジエチル-n-プロピル錫ブロミド、ジエチル-n-プロピル錫クロリド、ジエチル-n-プロピル錫フルオリド、ジエチル錫ジブロミド、ジエチル錫ジクロリド、ジエチル錫ジフルオリド、ジエチル錫ジヨージド、ジイソアミル錫ジブロミド、ジイソアミル錫ジクロリド、ジイソアミル錫ジヨージド、ジイソブチル錫ジクロリド、ジイソブチル錫ジヨージド、ジイソプロピル錫ジクロリド、ジイソプロピル錫ジブロミド、ジメチルジエチル錫、ジメチルジイソブチル錫、ジメチルジオクチル錫、ジメチルジビニル錫、ジメチルエチルプロピル錫、ジメチルエチル錫ヨージド、ジメチルジビニル錫、
【0042】
ジメチルビニル錫ブロミド、ジメチルビニル錫ヨージド、ジフェニルジビニル錫、ジプロピル錫ジフルオリド、ジプロピル錫ジヨージド、ジプロピル錫ジクロリド、ジプロピル錫ジブロミド、ジ-o-トリル錫ジクロリド、ジ-p-トリル錫ジクロリド、ジトリフェニル-スタニルメタン、ジビニルブチル錫クロリド、ジビニル錫ジクロリド、エチルジイソアミル錫ブロミド、エチルジイソブチル錫ブロミド、エチルメチルプロピル錫ヨージド、エチル-n-プロピルジイソアミル錫、エチルプロピル錫ジクロリド、エチル錫トリブロミド、エチル錫トリヨージド、エチルトリ-n-ブチル錫、エチルトリ-n-プロピル錫、メチル錫トリブロミド、メチル錫トリクロリド、メチル錫トリヨージド、メチルトリ-n-ブチル錫、メチルトリ-n-プロピル錫、フェニルベンジル錫ジクロリド、フェニルトリベンジル錫、プロピル錫トリヨージド、プロピルトリ-n-アミル錫、テトラ-n-アミル錫、テトラ-n-ブチル錫、テトラベンジル錫、テトラシクロヘキシル錫、テトラエチル錫、テトラ-n-ヘプチル錫、テトラ-n-ヘキシル錫、テトライソアミル錫、テトライソブチル錫、テトララウリル錫、テトラメチル錫、テトラ-n-オクチル錫、テトラフェニル錫、テトラプロピル錫、テトラ-o-トリル錫、テトラ-m-トリル錫、テトラ-p-トリル錫、テトラビニル錫、テトラ-m-キシリル錫、テトラ-p-キシリル錫、o-トリル錫トリクロリド、p-トリル錫トリクロリド、m-トリルトリクロロスタナン、トリアリルブチル錫、トリ-n-アミル錫ブロミド、トリベンジルエチル錫、トリベンジル錫クロリド、トリベンジル錫ヨージド、トリ-n-ブチル錫ブロミド、トリ-n-ブチルビニル錫、トリエチル-n-アミル錫、トリエチルイソアミル錫、トリエチルイソブチル錫、トリエチルフェニル錫、トリエチル-n-プロピル錫、トリイソアミル錫ブロミド、トリイソアミル錫クロリド、トリイソアミル錫フルオリド,トリイソアミル錫ヨージド、トリイソブチルエチル錫、トリイソブチルイソアミル錫、トリイソブチル錫ブロミド、トリイソブチル錫クロリド、トリイソブチル錫フルオリド、トリイソブチル錫ヨージド、トリイソプロピル錫ブロミド、トリイソプロピル錫ヨージド、トリメチルデシル錫、トリメチルドデシル錫、トリメチルエチル錫、トリメチル錫ブロミド、トリメチル錫クロリド、トリメチル錫フルオリド、トリメチル錫ヨージド、
【0043】
トリフェニルアリル錫、トリフェニルベンジル錫、トリフェニルブチル錫、トリフェニルエチル錫、トリフェニルメチル錫、トリフェニル-α-ナフチル錫、トリフェニル錫ブロミド、トリフェニル錫クロリド、トリフェニル錫フルオリド、トリフェニル錫ヨージド、トリフェニル-p-トリル錫、トリフェニル-p-キシリル錫、トリ-n-プロピル-n-ブチル錫、トリ-n-プロピルエチル錫、トリ-n-プロピルイソブチル錫、トリ-n-プロピル錫クロリド、トリ-n-プロピル錫フルオリド、トリ-n-プロピル錫ヨージド、トリ-o-トリル錫ブロミド、トリ-p-トリル錫ブロミド、トリ-o-トリル錫クロリド、トリ-m-トリル錫クロリド、トリ-p-トリル錫クロリド、トリ-p-トリル錫フルオリド、トリ-o-トリル錫ヨージド、トリ-p-トリル錫ヨージド、トリフェニルスタニルメタン、トリビニルデシル錫、トリビニルヘキシル錫、トリビニルオクチル錫、トリビニル錫クロリド、ビニル錫トリクロリド、トリ-p-キシリル錫ブロミド、トリ-p-キシリル錫クロリド、トリ-p-キシリル錫フルオリド、トリ-p-キシリル錫ヨージド および トリ-m-キシリル錫フルオリド。
【0044】
置換基に関してここで用いられる用語“ボロン酸エステル”は、他に述べられない限り、ボロン酸誘導体を指し、ここで、水素は他のいかなる有機残基、好ましくは、炭化水素基で置換され、およびアルコールもしくはジオールとの縮合によって得ることができ、非限定的には、ジオキサボランおよびジオキサボリナンを含む。
置換基に関してここで用いられる用語“擬-ハロゲン”は、他に述べられない限り、還元的カップリング反応においてハロゲンの様に挙動する化学基を指す。例えば、擬ハロゲンはトリフルオロメチルフェニルメタンスルホニル、パラ-トルエンスルホニル、トリフレートおよびメタンスルホニルから成る群から選択することができる。
【0045】
本発明を、発明の幾つかの実施態様の詳細な記述によって説明する。
第1の様相において、本発明は次の一般式(I):
【化5】

(I)、
を有する化合物の合成方法に関し、該方法は一般式(II):
【化6】

(II)
を有する化合物[式中、R1およびR2は独立に有機基から選択され、ならびに、XおよびYは独立に水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫から成る群から選択される。X = Y = H の場合が好ましい。]を、負のpKaを有する二塩基酸と接触させる工程を含んで成る。
実施態様において、R1およびR2は原子の1以上の鎖および/または環を含んで成る有機基から成る群から独立に選択されてよく、該原子は1〜65の炭素原子、および好ましくは、1〜30の炭素原子、および随意に、1〜25のハロゲン原子および/または1〜6の酸素原子および/または1〜2の硫黄原子および/または1〜2の窒素原子を含んで成る。
【0046】
実施態様において、前記有機基は、1〜30の炭素原子、好ましくは、1〜25の炭素原子、および、より好ましくは、1〜21の炭素原子、更により好ましくは、1〜15の炭素原子、更により好ましくは、1〜12の炭素原子から成ってよい。前記有機基は、炭素原子(例えば、アルキル鎖)を含んで成る1以上の直鎖または分岐鎖を随意に含んで成ることができる。前記有機基は、炭素原子を含んで成る1以上の環(例えば、アリール基)を随意に含んで成ることができる。環で分断された原子鎖は2つの原子鎖と1つの環として在るとみなされる。前記環の各々は4〜7の原子、好ましくは、4〜6の原子を含んで成ることができる。前記環の各々は3〜6の炭素原子を含んで成ることができる。各環は窒素、硫黄または酸素の様な1以上のヘテロ原子を含んで成ることができる。前記環は芳香環または非芳香環であることができる。前記有機基(例えば、鎖または環)は1以上の2重または3重結合(例えば、炭素原子を含んで成るアルケン、アルキンまたはアリール基)の様な不飽和を随意に含んで成ることができる。該基中の不飽和数は、例えば、1〜10であることができる。1以上の環が存在するときは、それらは縮合環を形成することができる。
【0047】
実施態様において、前記有機基は、硫黄、酸素または窒素のようなヘテロ原子によって分離されまたは分離されない鎖および環を共に含んで成ってよい。
前記炭素原子に加えて、前記有機基は下記実施態様中に記載された他の原子を含んで成ることができる。
実施態様において、前記有機基はハロゲン化されてよい。ハロゲン原子は例えば、アルキル鎖の様な炭素鎖を置換してよく、または、芳香環の様な環を置換してよい。例えば、前記有機基はパーハロゲン化(例えば、パーフッ素化)されてよい。その様な実施態様において、前記有機基中のハロゲン原子の数はかなり多く、例えば、3〜25とすることができる。
【0048】
実施態様において、前記有機基は随意に、1〜25 のハロゲン、好ましくは、1〜6のハロゲン、好ましくは、1〜3のハロゲンを含んでなる。前記ハロゲンは全てが同一でもよく、または 互いに他から独立して選ばれてよい。前記ハロゲンは、好ましくは、Br、Cl、I および Fから選ばれる。好ましくは、それらはF、Br および Clから選ばれる。
実施態様におい、前記有機基は随意に、1、2または3の塩素原子を含んでなる。
実施態様において、前記有機基は随意に、1、2または3の臭素原子を含んでなる。
実施態様において、前記有機基は随意に、1、2、3、4、5または6のフッ素原子を含んでなる。
【0049】
実施態様において、前記有機基は随意に、1〜6の酸素原子 (例えば、オリゴエチレングリコール鎖中の)、好ましくは、1〜3の酸素原子を含んでなる。前記酸素原子は、例えば、アルコールまたはアルコレート基、エーテルまたはスルホン基に属することができる。酸素原子は、例えば、アルキル鎖の様な炭素鎖に結合してよく、または、芳香環の様な環を置換してよく、または、フラン基に於ける様に環の一部であってよい。酸素原子はエステル基、チオエステル基またはチオノエステル基の一部であってよい。
実施態様において、前記有機基は随意に1、2、3、4、5または6の酸素原子を含んでなる。
実施態様において、前記有機基は随意に、1〜2の硫黄原子を含んでなる。前記硫黄原子は、例えば、チオールまたはチオレート基に属することができ、チオエーテルまたはスルホン基に属することができる。硫黄原子は、例えば、アルキル鎖の様な炭素鎖に結合してよく、または、例えば芳香環の様な環を置換してよく、または、チオフェン基中における様な環の一部であってよい。前記硫黄原子は、例えば、チオエステル基、チオノエステル基またはジフルフィド基に属することができる。
実施態様において、前記有機基は随意に、1〜2の窒素原子を含んで成る。前記窒素原子は、例えば、一級、二級または三級アミノ基の形態で組み込むことが出来る。窒素原子は、例えば、アルキル鎖の様な炭素鎖に結合してよい。前記窒素原子は、例えば、ピリジン基中における様に、飽和または不飽和(例えば、芳香属性)環の一部であってよい。
【0050】
好ましくは、R1およびR2はC1-20アルキル、ハロC1-20アルキル、C4-10シクロアルキル、C1-3アルキルC1-10アルカノエート、C1-3アルキルC1-10アルカンアミド、C2-10アルケニル、C3-10シクロアルケニル、アリールC1-5アルキル、ジ-アリールC1-5アルキル、トリ-C1-20アリールC1-5アルキル、アリールC2-5アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルカノール、C1-10アルカンチオール、アリール、ヘテロ環基(例えば、ヘテロアリール)、C1-3アルコキシC1-3アルキル、ジ-C1-3アルコキシC1-3アルキル、C1-3アルキルオキシアリールC1-3アルキル、C1-3アルキルアリール、C1-3アルキルスルファニルC1-3アルキル、C1-3アルキルアリールスルファニルC1-3アルキル、アリールオキシC1-3アルキル、N,N-C1-3ジアルキルC1-3アルキルアミン、N-C1-3アルキルC1-3アルキルアミン、アリールスルホニルC1-3アルキルからなる群から独立に選ばれ、または、R1およびR2は一緒になってシクロアルキル基もしくはヘテロ環基を形成してよい。
【0051】
二塩基酸は、好ましくは、2〜15当量(化合物(II)に対して)の量で、好ましくは5〜15当量の量で、および、より好ましくは、10〜15当量の量で添加される。BF3の様なルイス酸は閉環生成物に加えて副反応を生起し、およびHClの様な一塩基酸は閉環をすることができないと云うことが観察された(下記の比較例を見よ)一方、負のpKaを持つ二塩基酸の使用は、それが閉環を許容することから有利である。反応はバルク中で(溶媒の添加なしで)または有機溶媒を添加して実施することができる。好ましくは有機溶媒が添加される。化合物(II)は、有機溶媒で希釈されたときに閉環反応が良好な収率で進行することが観察された。有機溶媒の例は、例えば、n-オクタンの様なC5-C12炭化水素である。有機溶媒の存在は、閉環反応の収率を増加させるので、好ましい。
【0052】
閉環反応は0℃から沸点までのどの温度で行ってもよい。例えば、反応は10および50℃の間、または18おおよび27℃の間で行うことができる。典型的には、反応を室温で行ってよい。
閉環反応は異なる反応時間、例えば、30分〜24時間、行ってよい。 例えば、反応は一晩行うことができる。典型的には、反応は1〜2時間反応の後に完了し得る。
【0053】
本発明の第一の様相の実施態様において、R1およびR2は異なる。このことはその分子の結晶化の減少傾向およびそれらの非晶質特性の増加の点で有利である。非対称置換は同一分子中への1以上の官能性の取り込みを許容し、例えば、各R1およびR2は1以上の官能性を持つことができる。例えば、R1およびR2は、分子の溶解度の増加に寄与する基、イオンを与える基、染料を含んでなる基または自己凝集基 (例えば、アルカンチオール)からなる群から選ばれた異なる官能性を持つ基を分子中に取り込み得る。例えば、R2がイオンを与える一方、R1は分子の溶解度増加に寄与し得る。他の可能性は、R1上に染料およびR2上に溶解性基の付与を含み、または自己凝集基(例えば、アルカンチオール) および他の官能性を有する他の基の付与を含む。好ましい実施態様において、R1およびR2の少なくとも1つはアルキル基である。
【0054】
本発明の第1の様相の実施態様において、一般式(II):
【化7】

を有する前記化合物は、一般式(III):
【化8】

を有する化合物[式中、Zはハロゲンまたは擬ハロゲンであって、X およびYは水素、塩素、臭素、要素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫から成る群から独立に選択される。X = Y = H の場合が好ましい。]の反応によって調製することができ、塩基との反応、次いで一般式R1(CO)R2[式中、R1およびR2は上記定義どおりである (下記のIIa〜IIdjの化合物に示されるR1およびR2を含む)。]を有する化合物との反応を経る。
ハロゲンは、 好ましくはBr、ClまたはIから成る群から選ばれ、好ましくは臭素である。
本発明の第一の様相の実施態様において、前記塩基は強塩基 (例えば、少なくとも13のpKaを有する)であってよく、好ましくはアルキルリチウム塩基、より好ましくはn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムまたはtert-ブチルリチウムである。グリニヤール試薬および有機亜鉛の様な有機金属試薬もまた使用可能である。
【0055】
実施態様において、(III)から(II)の調製は、化合物(III)を、例えばそれを塩基と反応させる代わりに、MgまたはZnの様な金属Mと反応させることによる有機金属化合物:
【化9】

の調製を含んでよい。化合物(XVI)は次に塩基の存在下に一般式R1(CO)R2 [式中、R1およびR2は上記の定義どおりである(化合物IIa〜IIdj中に示されるR1およびR2を含む)。]を有する化合物と反応させてよい。
【0056】
本発明の第1の様相の実施態様において、塩基の量は0.7および1.3の間の当量、好ましくは0.9および1.1当量の間、およびより好ましくは0.95および1.05当量の間で含んで成ってよい。最も好ましくは1当量の塩基が使用される。
本発明の第1の様相の実施態様において、R1(CO)R2量は0.7および1.3当量の間、好ましくは0.9および1.1当量の間、より好ましくは0.95および1.05当量の間で含んで成る。最も好ましくはR1(CO)R2の1当量で使用される。ケトンは、どのR1、R2基が生成物(II)および(I)中に存在するかを決定する。可能性のあるケトンの広範な広がりが、シクロペンタジチオフェン類の官能化における幅広い展開の可能性を与える。
【0057】
第2の様相において、本発明は、一般式(II):
【化10】

を有する化合物[式中、R1、R2、XおよびYは第1の様相の実施態様で定義されたものと同義である。]に関する。
【0058】
本発明の第2の様相の実施態様において、本発明の第2の様相に従った化合物は下記式から選ばれてよい(しかし、他のケトンが合成可能であり、次に化合物(III)との反応に使用し得るから、それらに限定されるものではない。):
【化11】


【化12】



【化13】


【化14】


【化15】


【化16】


【化17】


【化18】


【化19】


【化20】


【化21】


【化22】


【化23】


【化24】


【化25】


【化26】

【0059】
第3の様相において、本発明は一般式(I):
【化27】

の分子に関し、ここでR1およびR2は本発明の第1の様相におけるどの実施態様で定義されたものとも同義であり、並びに、X およびYは水素、塩素、臭素、要素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫から成る群から独立に選択される。
本発明の第3の様相における実施態様において、本発明に従って化学的物質は下記式から選択されてよい(しかしそれらに限定されない):

【化28】


【化29】


【化30】


【化31】


【化32】


【化33】








【化34】


【化35】


【化36】


【化37】




【化38】


【化39】



【化40】


【化41】



【化42】

【化43】


【化44】

【0060】
上述のとおり、第3の様相の実施態様において、本発明は下記の一般式:
【化45】

を有する分子[式中、R1およびR2は第3の様相のいかなる実施態様に対しても定義され(Ia〜Idjのいかなる例にも示される様なR1およびR2を含み)、並びに、XおよびYは水素、塩素、臭素、要素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫から成る群から独立に選択される。]に関するものであり、H以外のXおよび/またはYを得ることは、少なくともX=HまたはY=H、好ましくはXおよびY共にHを有する化合物(I)へ下記方法の一つを適用することにより実施することができる。
【0061】
芳香族化合物の塩素化、臭素化またはヨウ素化に導く方法は当該分野ではよく知られている (Advanced Organic Chemistry、part B、5th ed.、p.1008-1014、F. Carey、R.Sundberg)。例えば、臭素化は以下の様にして得らることができる。光を遮断して、適当な溶媒(例えばDMF)中のN-ブロモコハク酸イミド(NBS)溶液を、他のまたは同一の適当な溶媒(例えばDMF)中のシクロペンタジチオフェン誘導体(I)溶液中へ滴下することができる。分子状の臭素、塩素およびヨウ素もまた、シクロペンタジチオフェン誘導体(I)のハロゲン化を達成するために使用することができる。.
ボロン酸、ボロン酸エステルまたはボランによるハライド基の置換を可能にする方法は当該分野ではよく知られている (Advanced Organic Chemistry、part B、5th ed.、p.784-786、F. Carey、R.Sundberg)。
有機錫によるハライド基の置換を可能にする方法は、当該分野ではよく知られている (Advanced Organic Chemistry、part B、5th ed.、p.834、last §、F. Carey、R.Sundberg)。
擬ハロゲンを芳香族基上への導入を可能にする方法は、当該分野では同様によく知られている。例えば、最初はニトロ化(例えば、化合物(I)の)を経由して進み、次いでアミノ基への還元、続いてジアゾ化、続いてアルコールによる置換、続いて、例えば擬ハロゲンのスルホン酸 (例えば、パラ-トルエンスルホン酸)との反応によって進行させることができる。
【0062】
実施例
他に述べない限り、全ての試薬および化学品は市販品を入手し、さらなる精製をせずに使用した。ジエチルエーテルはナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留して乾燥した。NMRスペクトルはVarian社のInova-300スペクトロメーターを用い、1H NMR については300 MHzで、13C NMR については75 MHzで、5 mmプローブを用いて測定した。ケミカルシフト(δ:ppm)は、残余のCHCl3吸収(7.26 ppm) に対して及びCDCl313C共鳴シフト(77.70 ppm)に対して相対的に決定した。
【0063】
比較例1:
【化46】

(XIIIz)+(XIIIe) 3-(ペント-2-エン-3-イル)-2,2’-ビチオフェン + 4,4’-ジエチル-4H-シクロペンタ(1,2-b:5,4-b’)-ジチオフェン.
【0064】
〈標準添加〉
3-(2,2’-ビチオフェン-3-イル)ペンタン-3-オール(0.100 g、0.40 mmol) (IIa)をジクロロメタン(60 mL)中に溶解し、過剰の三フッ化ホウ素エーテラート(4.02 mL、32 mmol)で処理した。その溶液を3時間撹拌し、次にエタノール/水 (2:1) 混合物を添加した。有機溶媒層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下に除去した。残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサン)で精製した(0.051 g、55 %)。極めて近い極性のために、化合物(Ia)を2つの異性体(XIIIz)および(XIIIe)から単離することができない。(XIIIz)および(XIIIe)が、(Ia)に対して80:20の比率で主生成物として生成する。
【0065】
〈逆添加〉
過剰の三フッ化ホウ素エーテラート(4.02 mL、32 mmol)をジクロロメタン(50 mL)中に溶解した。ジクロロメタン(10 mL)中の3-(2,2’-ビチオフェン-3-イル)ペンタン-3-オール(IIa) (0.100 g、0.40 mmol) 溶液を次に反応混合物中へ添加した。溶液を3時間撹拌し、次にエタノール/水 (2:1) 混合物を添加した。有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下に除去した。残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサン)で精製した(0.051 g、55 %)。極めて近い極性のために、化合物(Ia)を2つの異性体(XIIIz)および(XIIIe)から単離することができない。(XIIIz)および(XIIIe)が、(Ia)に対して80:20の比率で主生成物として生成する。
【0066】
この反応を種々の温度および反応時間で実施した。これらの条件を下表にまとめた。それらのいずれも、純粋な生成物としての(Ia)に導びかなかった。
【0067】
【表1】


【化47】

【0068】
【表2】

【0069】
比較例2:
【化48】


(XIIIz)+(XIIIe) 3-(ペント-2-エン-3-イル)-2,2’-ビチオフェン
【0070】
3-(2,2’-ビチオフェン-3-イル)ペンタン-3-オール (IIa) (0.100 g、0.40 mmol)を酢酸(69 mL)中に溶解した。酢酸(15 mL)中の濃HCl (0.28 mL)溶液をシリンジで反応混合物へ添加した。溶液を4 h 沸騰させ、クロロフォルムで抽出し、洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサン)で精製した。(0.070 g、75 %)。

この反応を、種々の温度および反応時間で実施した。これらの条件を下表に纏めた。それらのいずれも(Ia)には導いていないことは注目される。
【0071】
【表3】

【0072】
実施例1: 3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (IIIa).
【化49】

【0073】
この化合物は、A. Facchetti et al.、J. Am. Chem. Soc.、126、2004、13480-13501に記載された方法に類似の処方に従って合成された。2-ブロモチオフェン (8.05 mL、83 mmol)およびMg (2.42 g、0.10 mol) の乾燥ジエチルエーテル (150 mL)中のグリニヤール試薬を調製した(最終的に、N2雰囲気下で45分間沸騰させた)。グリニヤール溶液をN2 雰囲気下 1 hにわたって、撹拌しおよび冷却した(約 -5 ℃) Pd(dppf)Cl2 (0.41 g、0.83 mmol)および2,3-ジブロモチオフェン (V) (9.10 mL、83 mmol)のジエチルエーテル (120 mL)中の分散液に滴下した。さらに 0 ℃で3 h 撹拌した後、メタノール (10 mL)を添加し (反応を停止するため) そして 混合物を 2 cmのMgSO4/シリカゲル二重層を通して濾過した。乾燥ジエチルエーテル (30 mL)で二重層をさらに溶出した後、溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣の油状液体を真空蒸留 (125 ℃/ 2 mbar)で精製した。精製された生成物 (IIIa) が淡黄色の油として得られた(8.9 g、44 %)。
【0074】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.44 (dd、J= 3.6 Hz、J =1.2 Hz、1H)、7.35 (dd、J= 5.2 Hz, J= 1.2 Hz、1H)、7.17 (d、J= 5,4 Hz、1H)、7.10 (dd、J= 5.1 Hz, J= 3.6 Hz、1H)、7.02 (d、J= 5.4 Hz、1H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 134.73、132.71、132.21、127.71、126.53、124.82、108.29
【0075】
実施例2: 3-(2,2’-ビチオフェン3-イル)ペンタン-3-オール) (IIa).
【化50】

【0076】
乾燥ジエチルエーテル (100 mL)中の3-ブロモ−2,2’−ビチオフェン (IIIa) (3.00 g、12 mmol)を、乾燥 ジエチルエーテル (100 mL)中のn-ブチルリチウム (1.6 M in ヘキサン、7.50 mL、12 mmol)溶液へ、-78 ℃で 2 h にわたってN2雰囲気下、徐々に添加した。混合物を同一温度で15 分間、撹拌した。新たに蒸留した3-ペンタノン (1.29 mL、12 mmol) をシリンジから混合物へ-78℃で添加し、室温で一晩撹拌を続けた。反応を水性NH4Cl-溶液(2.5 M、50 mL) および水 (50 mL)で 0℃にて停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥しおよび減圧下で濃縮して粗油を得た。油状残渣をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 90:10) で精製し、表題化合物 (IIa) を緑色油として得た(1.7 g、56 %)。
【0077】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.35 (dd、J= 5.2 Hz、J =1.2 Hz、1H)、7.24 (d、J= 5.4 Hz、1H)、7.10 (dd、J= 3.6 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、7.00 (dd、J= 5.2 Hz、J= 3.6 Hz、1H)、6.95 (d、J= 5.4 Hz、1H)、1.75 (q、J= 7.7 Hz、4H)、0.80 (t、J= 7.4 Hz、6H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 145.33、136.11、129.99、129.76、128.97、127.87、127.40、125.54、79.29、35.79、8.80
【0078】
実施例3: 4,4-ジエチル-4H-シクロペンタ[2,1-b:3,4-b’]ジチオフェン (Ia)
【化51】

【0079】
H2SO4 (7.0 mL) を 3-(2,2’-ビチオフェン-3-イル)ペンタン-3-オール (IIa) (2.67 g、11 mmol)へ室温にて撹拌下に滴下した。12 h撹拌後、CH2Cl2 (100 mL)および水 (100 mL) を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和 NaHCO3 および食塩水で順次洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶媒を真空下に除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製して、純粋な暗黄色油(Ia) (1.2 g、47 %)を得た。
【0080】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.21 (d、J= 4.8 Hz、2H)、7.00 (d、J= 4.8 Hz、2H)、1.98 (q、J= 6.8 Hz、4H)、0.70 (t、J=7.0 Hz、6H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 157.89、137.36、125.09、122.16、54.76、30.71、9.74
【0081】
実施例4: 4-(2,2’-ビチオフェン-3-イル)-2,6-ジメチルヘプタン-4-オール (IIb).
【化52】

【0082】
乾燥ジエチルエーテル (100 mL)中の3-ブロモ-2,2’−ビチオフェン (IIIa) (3.00 g、12 mmol) を乾燥ジエチルエーテル (100 mL)中のn-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、7.50 mL、12 mmol)溶液へ-78 ℃で2 h にわたりN2雰囲気下で徐々に添加した。混合物を同一温度で15 分間撹拌した。新たに蒸留した 2,6-ジメチル-4-ヘプタノン (2.17 mL、12 mmol)をシリンジ経由で混合物中へ-78 ℃で添加し、室温で一晩撹拌を継続した。反応を水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、50 mL) および 水 (50 mL)により 0 ℃で停止した。有機相を分離し水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗油を得た。油状の残渣をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 90:10)で精製して、表題の化合物 (IIb) を緑色油として得た(0.67 g、18 %)。
【0083】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.35 (dd、J= 1.1 Hz、J= 5.1 Hz、1H)、7.22 (d、J= 4.7 Hz、1H)、
7.08 (dd、J= 1.1 Hz、J= 3.6 Hz、1H)、6.97 (d、J= 4.7 Hz、1H),
6.92 (dd、J= 3.6 Hz、J= 5.1 Hz、1H),1.85 (d、J= 5.8 Hz、4H)、1.08-0.78 (m、2H)、0.50 (d、J= 7.1 Hz、12H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 146.24、136.18、130.09、129.31、128.92、127.85、127.35、125.48、79.83、53.28、25.10、24.93
【0084】
実施例5: 4,4-ジイソブチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェン (Ib).
【化53】

【0085】
H2SO4 (1.45 mL) を 4-(2,2’-ビチオフェン-3-イル)-2,6-ジメチルヘプタン-4-オール (IIb) (0.688 g、2.23 mmol) 中へ、室温で撹拌下に滴下した。12 h 撹拌後、CH2Cl2 (15 mL)および 水 (15 mL) を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和 NaHCO3 および食塩水で順次洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶媒を真空除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製して、暗黄色油(Ib) (0.240 g、35.0 %)を得た。
【0086】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.12 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.92 (d、J=4.8 Hz、2H)、1.85 (d、J= 5.8 Hz、4H)、1.08-0.78 (m、2H)、0.50 (d、J= 7.1 Hz、12H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 158.45、137.29、124.99、122.66、53.69、49.30、25.46、25.14
【0087】
実施例6: 2-(2,2’-ビチオフェン-3-イル) ウンデカン-2-オール (IIc).
【化54】

【0088】
乾燥ジエチルエーテル (35 mL)中の3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (IIIa) (1.00 g、4.08 mmol)を乾燥ジエチルエーテル (35 mL) 中の n-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、2.50 mL、4.0 mmol)溶液へ、N2雰囲気下、-78 ℃で2 h にわたり徐々に添加した。混合物を同温度で15 分間撹拌した。新たに蒸留した2-ウンデカノン (0.84 mL、4.08 mmol) をシリンジ経由で混合物中へ-78 ℃で添加し、室温で一晩撹拌を続けた。反応を水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、20 mL) および水(20 mL)で0 ℃で停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗油を得た。油状残渣をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 90:10)で精製し、表題化合物 (IIc) を黄色油 (0.86 g、64 %)として得た。
【0089】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.35 (dd、J= 1.2 Hz、J= 5.2 Hz、1H)、7.22 (d、J= 5.4 Hz、1H)、
7.12 (dd、J= 1.2 Hz、J= 3.5 Hz、1H)、7.04 (d、J= 5.4 Hz、1H),
7.01 (dd、J= 3.5 Hz、J= 5.2 Hz、1H),1.49 (s、3H)、1.38-1.15 (m、16H)、0.96-0.80 (m、3H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 147.34、136.12、130.03、129.50、128.64、127.76、127.42、125.40、75.74、44.52、32.50、30.99、30.50、30.29、30.17、29.94、24.83、23.32、14.77
【0090】
実施例7: 4-ノニル-4-メチル4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェン (Ic).
【化55】

【0091】
H2SO4 (1.33 mL) を 2-(2,2’-ビチオフェン-3-イル) ウンデカン-2-オール (IIc) (0.70 g、2.08 mmol) へ、室温にて撹拌下に滴下した。12 h撹拌後、CH2Cl2 (15 mL) および水 (15 mL)を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和 NaHCO3 および食塩で順次洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製して、暗黄色油(Ic) (0.106 g、16.0 %)を得た。
【0092】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.13 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.94 (d、J= 4.9 Hz、2H)、1.82-1.75 (m、2H)、1.41 (s、3H)、1.29-1.07 (m、14H)、0.84 (t、J= 6.6 Hz、3H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 160.04、136.50、125.27、121.95、49.53、39.66、32.50、30.63、30.36、30.20、30.07、29.91、25.65、24.36、23.32、14.77
【0093】
実施例8: 6-([2,2’-ビチオフェン]-3-イル)ウンデカン-6-オール (IIu).
【化56】

【0094】
乾燥ジエチルエーテル (20 mL)中の 3-ブロモ−(2,2’−ビチオフェン (IIIa) (0.500 g、2.04 mmol) を乾燥ジエチルエーテル (20 mL)中のn-ブチルリチウム (1.6 M in ヘキサン、1.25 mL、2.04 mmol)溶液へ N2雰囲気下、-78 ℃で 2 h にわたって徐々に添加した。混合物を同温度で15 分間にわたって撹拌した。新たに蒸留した6-ウンデカノン (0.42 mL、2.04 mmol) をシリンジ経由で、混合物中へ-78 ℃にて添加し、室温で一晩撹拌を継続した。水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、10 mL) および水(10 mL) で 0 ℃にて反応を停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗油を得た。油状残渣をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 90:10) で精製して、表題化合物 (IIu) を黄色油 (0.425 g、62.0 %)として得た。
【0095】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.35 (dd、J= 1.3 Hz、J= 5.3 Hz、1H)、7.23 (d、J= 5.4 Hz、1H)、7.09 (dd、J= 1.3 Hz、J= 3.5 Hz、1H)、7.01 (dd、J= 5.3、J= 3.5 Hz、1H)、6.98 (d、J= 5.4 Hz、1H)、2.02 (s、1H)、1.83-1.60 (m、4H)、1.42-1.05 (m、12H)、0.84 (t、J= 6.7 Hz、6H)

13C-NMR (CDCl3): δ = 146.06、136.07、129.93、129.19、128.92、127.78、127.31、125.41、78.68、43.60、32.75、24.00、23.21、14.70
【0096】
実施例9: 4,4-ジペンチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェン (Iu)
【化57】

【0097】
H2SO4 (0.61 mL) を6-([2,2’-ビチオフェン]-3-イル)ウンデカン-6-オール (IIu) (0.33 g、0.98 mmol)中へ室温にて撹拌下に滴下した。12 h 撹拌後、CH2Cl2 (15 mL) および水 (15 mL)を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和 NaHCO3 および食塩水で順次洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製して、純粋な暗黄色油(Iu) (0.0937 g、30.0 %)を得た。
【0098】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.13 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.92 (d、J= 4.9 Hz、2H)、1.83-1.78 (m、4H)、1.21-1.04 (m、8H)、1.00-0.87 (m、4H)、0.77 (t、J= 6.3 Hz、6H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 158.76、137.09、125.09、122.29、53.87、38.34、32.87、24.82、23.05、14.69
【0099】
実施例10: [2,2’-ビチオフェン]-3-イル(シクロヘキシル)メタノール.
【化58】

【0100】
乾燥ジエチルエーテル (20 mL)中の3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (IIIa) (0.50 g、2.04 mmol)を、乾燥ジエチルエーテル (20 mL) 中のn-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、1.25 mL、2.04 mmol) 溶液へ N2雰囲気下、-78 ℃で 2 h にわたり徐々に添加した。 混合物を15 分間同温度にて撹拌した。新たに蒸留したシクロヘキサノン (0.21 mL、2.04 mmol) をシリンジ経由で-78 ℃にて混合物中へ添加し、室温で一晩撹拌を継続した。水性NH4Cl-溶液 (2.5 M、10 mL) および水 (10 mL)で 0 ℃にて反応を停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗油を得た。油性残渣をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 90:10)で精製して、表題化合物 (IIk) を黄色油(0.264 g、49.0 %)として得た。
【0101】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.27 (dd、J= 5.2 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、7.14 (d、J= 5.4 Hz、1H)、7.14 (dd、J= 3.8 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、7.07 (d、J= 5.4、1H)、6.95 (dd、J= 5.2 Hz、J= 3.8 Hz 1H)、2.32 (br s、1H)、1.84-1.72 (m、4H)、1.69-1.51 (m、4H)、1.50-1.39 (m、2H)
【0102】
実施例11: [2,2’-ビチオフェン]-3-イルジフェニルメタノール (IIj)
【化59】

【0103】
乾燥ジエチルエーテル (20 mL)中の 3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (IIIa) (0.50 g、2.04 mmol) を、乾燥ジエチルエーテル (20 mL)中の n-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、1.25 mL、2.04 mmol) 溶液へ、N2雰囲気下、-78 ℃にて 2 h にわたり徐々に添加した。混合物を同温度にて15 分間、撹拌した。ベンゾフェノン (0.33 g、1.81 mmol) を-78 ℃で混合物へ添加し、室温で一晩撹拌した。0 ℃にて、水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、10 mL) および水 (10 mL) で反応を停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗油を得た。油性残渣をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 90:10) で精製して、黄色油の表題化合物 (IIj) (0.202 g、29.0 %)を得た。
【0104】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.35-7.26 (m、10H)、7.23 (dd、J= 5.1、J= 1.2 Hz、1H)、7.11 (d、J= 5.4 Hz、1H)、6.85 (dd、J= 5.1、J= 3.5 Hz、1H)、6.66 (dd、J= 3.5 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、6.38 (d、J= 5.4、1H)、3.43 (br s、1H)
【0105】
実施例12: 9-([2,2’-ビチオフェン]-3-イル)ヘプタデカン-9-オール (IIe).
【化60】

【0106】
乾燥ジエチルエーテル (170 mL) 中の 3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (IIIa) (5.00 g、20 mmol)を、N2雰囲気下、乾燥ジエチルエーテル (170 mL)中のn-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、12.5 mL、20 mmol)溶液へ -78 ℃で 2 h にわたり徐々に添加した。混合物を15 分間、同一温度にて撹拌した。ヘプタデカン-9-オン (6.22 g、24 mmol) を-78 ℃で混合物へ添加し、室温で一晩撹拌した。反応を、水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、10 mL) および水 (10 mL) で0 ℃にて停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下に濃縮して、粗油を得た。油性残渣をグラディエント・カラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 95:5) で精製して、黄色油状の表題化合物 (IIe) (6.3 g、75 %)を得た。
【0107】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.34 (dd、J= 5.1 Hz、J= 1.3 Hz、1H)、7.22 (d、J= 5.3 Hz、1H)、7.07 (dd、J= 3.5 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、6.99 (dd、J= 5.1、J= 3.5 Hz、1H)、6.97 (d、J= 5.3 Hz、1H)、2.36 (t、J= 7.7 Hz、4H)、1.39-1.07 (m、20H)、0.91-0.81 (m、6H).
【0108】
実施例13a: 4,4-ジオクチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェン (Ie).
【化61】

【0109】
H2SO4 (9.38 mL) を、9-([2,2’-ビチオフェン]-3-イル)ヘプタデカン-9-オール (IIe) (6.32 g、15 mmol) へ、室温で撹拌下に滴下した。12 h 撹拌後、CH2Cl2 (130 mL) および水 (130 mL) を添加した。 有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和 NaHCO3水よび食塩水で順次洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製し、純粋な暗黄色油 (Ie) (1.81 g、30.0 %)を得た。
【0110】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.14 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.93 (d、J= 5.1 Hz、2H)、1.87-1.79 (m、4H)、1.40-1.06 (m、24H)、0.95-0.82 (m、6H).
【0111】
実施例13b: 4,4-ジオクチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェン (Ie).
【化62】

【0112】
H2SO4 (9.38 mL) を、n-オクタン 200 ml中の 9-([2,2’-ビチオフェン]-3-イル)ヘプタデカン-9-オール (IIe) (6.20 g、15 mmol) へ、室温で撹拌下に滴下した。12 hの撹拌後、CH2Cl2 (130 mL) および水 (130 mL) を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和NaHCO3水および食塩水で順に洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン) で精製して、純粋な暗黄色油(Ie) (3.19 g、52.9 %)を得た。
【0113】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.14 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.93 (d、J= 5.1 Hz、2H)、1.87-1.79 (m、4H)、1.40-1.06 (m、24H)、0.95-0.82 (m、6H)
【0114】
実施例14: 7-([2,2'-ビチオフェン]-3-イル)-5-エチルペンタデカン-7-オール (IId).
【化63】

【0115】
乾燥ジエチルエーテル (35 mL)中の3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (IIIa) (1.00 g、3.94 mmol) を乾燥ジエチルエーテル (35 mL)中のn-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、2.41 mL、3.86 mmol)溶液へ N2.窒素雰囲気下、-78 ℃で2 h にわたり徐々に添加した。混合物を同一温度にて15 分間撹拌した。5-エチルペンタデカン-7-オン (1.00 g、3.94 mmol) を該混合物へ-78 ℃で添加し、室温で一晩撹拌した。反応を、水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、20 mL) および水 (20 mL) で 0 ℃にて停止した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、および減圧下に濃縮して、粗油を得た。油状の残渣をグラディエント・カラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 95:5) で精製して、表題化合物 (IId) を黄色油 (0.583 g、36.0 %)として得た。
【0116】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.35 (dd、J= 5.2 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、7.22 (d、J= 5.4 Hz、1H)、7.08 (dd、J= 3.5 Hz、J= 1.2 Hz、1H)、7.00 (dd、J= 5.2、J= 3.5 Hz、1H)、6.95 (d、J= 5.4 Hz、1H)、1.91 (d、J= 2.5 Hz、2H)、1.83-1.56 (m、3H)、1.42-1.00 (m、20H)、0.88-0.65 (m、9H)
【0117】
実施例15a: 4-(2-エチルヘキシル)-4-オクチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b']ジチオフェン (Id).
【化64】

【0118】
H2SO4 (0.37 mL)を、 7-([2,2'-ビチオフェン]-3-イル)-5-エチルペンタデカン-7-オール (IId) (0.25 g、0.60 mmol)へ 室温で撹拌下に滴下した。12 h 撹拌後、CH2Cl2 (15 mL) および水 (15 mL)を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和 NaHCO3 水および食塩水で順次洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製して、純粋な暗黄色油(Id) (0.040 g、17 %)を得た。
【0119】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.12 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.93 (d、J= 4.8 Hz、2H)、1.90 (t、2H)、1.82 (m、2H)、1.28-1.12 (m、5H)、1.00-0.74 (m、16H)、0.62 (t、9H)
【0120】
実施例15b: 4-(2-エチルヘキシル)-4-オクチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b']ジチオフェン (Id).
【化65】

【0121】
H2SO4 (0.37 mL) を、50 ml n-オクタン中の 7-([2,2'-ビチオフェン]-3-イル)-5-エチルペンタデカン-7-オール (IId) (1.59 g、3.79 mmol) へ、 室温で撹拌下に滴下した。12 hの撹拌後、CH2Cl2 (15 mL) および水 (15 mL) を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水および食塩水で順次洗浄した。MgSO4で乾燥後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製して暗黄色油(Id) (0.852 g、57 %)を得た。
【0122】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.12 (d、J= 4.8 Hz、2H)、6.93 (d、J= 4.8 Hz、2H)、1.90 (t、2H)、1.82 (m、2H)、1.28-1.12 (m、5H)、1.00-0.74 (m、16H)、0.62 (t、9H)
【0123】
実施例16および17は次の反応式に従う:
【化66】

【0124】
実施例16: 5-([2,2'-ビチオフェン]-3-イル)-5-メチルジヒドロフラン-2(3H)-オン.
【化67】

【0125】
乾燥ジエチルエーテル (35 mL)中の3-ブロモ-2,2’-ビチオフェン (1.00 g、4.08 mmol) を、乾燥ジエチルエーテル (35 mL)中のn-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M、2.50 mL、4.08 mmol)溶液へ N2雰囲気下で、-78 ℃にて 2 h にわたり徐々に添加した。混合物を15分間撹拌した。新たに蒸留したエチルレブリネート (0.58 mL、4.08 mmol)を 混合物中へ-78 ℃で添加し、次いで室温で一晩撹拌した。反応を、水性 NH4Cl-溶液 (2.5 M、20 mL) および水 (80 mL) で 0 ℃にて停止した。有機相を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下に溶媒を蒸発して、粗油を得た。油状残渣をグラディエント カラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン/EtOAc 95:5)にて精製し、表題化合物を黄色油(0.35 g、28 %)として得た。
【0126】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.38 (dd、J= 5.1 Hz、J= 1.3 Hz、1H)、7.27 (d、J= 5.3 Hz、1H)、7.15 (d、J= 5.3 Hz、1H)、7.09 (dd、J= 3.7 Hz、J= 1.3 Hz、1H)、7.04 (dd、J= 5.1 Hz、J= 3.7 Hz、1H)、2.59-2.40 (m、2H)、2.19-2.12 (m、2H)、1.69 (s、3H)
【0127】
実施例17:エチル 3-(4-メチル4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b']ジチオフェン-4-イル)プロパノエート. (IIv)
【化68】

【0128】
H2SO4 (0.30 mL)を、エタノール (2 mL)中の 5-([2,2'-ビチオフェン]-3-イル)-5-メチルジヒドロフラン-2(3H)-オン (0.030 g、0.11 mmol)溶液へ、室温で撹拌下に滴下した。12 h の撹拌後に、CH2Cl2 (15 mL) および水 (15 mL) を添加した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和 NaHCO3水および食塩水で順次洗浄した。MgSO4上で乾燥した後、溶媒を真空で除去した。粗油をカラムクロマトグラフィ (溶出液 ジクロロメタン) で精製して、純粋な暗黄色油(IIv) (0.0106 g、31.9 %)を得た。
【0129】
1H-NMR (CDCl3): δ = 7.15 (d、J= 4.9 Hz、2H)、6.93 (d、J= 4.7 Hz、2H)、3.96 (q、J= 7.1 Hz、2H)、2.28-2.21 (m、2H)、1.80-1.74 (m、2H)、1.45 (s、3H)、1.13 (t、J= 7.2 Hz、3H)
【0130】
実施例18: 3-エチルヘプタンニトリル (VI).
【化69】

【0131】
KCN (3.8 g、58 mmol) 溶液をDMF (150 mL)中で室温にて撹拌した。混合物を2h撹拌した後、DMF (250 mL)中の2-エチルヘキシルブロミド (10 g、52 mmol) 溶液を同一温度にて滴下した。室温にて12 h 撹拌した後、混合物を真空下に蒸発させて濃縮した。粗生成物を水 (100 mL) およびジエチル エーテル (100 mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を、NaOH-溶液 (2.5 M)、飽和重炭酸溶液および食塩水で順次洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空で蒸発して濃縮した。得られた褐色油を真空蒸留で精製し(45 ℃、10-2 mbar)、透明黄色油(VI)を得た。 (3.2 g、44 %)。
【0132】
1H-NMR (CDCl3): δ = 2.82-2.69 (m、2H)、2.22-2.15 (m、1H)、1.55-1.00 (m、11H)、0.83-0.68 (m、3H)
【0133】
実施例19: 5,9-ジエチルトリデカン-7-オン (VII).
【化70】

【0134】
ジエチルエーテル中の 2-エチルヘキシルマグネシウムブロミド(1.0 M、47 mL、47 mmol)のグリニヤール溶液を、ジエチルエーテル (50 mL)中の3-エチルヘプタンニトリル (VI) (3.3 g、24 mmol)へ0℃にて N2 雰囲気下でシリンジを経由して徐々に添加した。沸点にて12 h の撹拌後、水性 HCl-溶液 (2.0 M、50 mL)で0 ℃にて反応を停止し、引き続き、室温でさらに 3h 激しく撹拌した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を飽和重炭酸溶液および食塩水で順次洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、および減圧下に蒸発して、粗油を得た。得られた褐色油を真空蒸留(95 ℃、10-2 mbar)により精製して、黄色油(VII)を得た。(5.8 g、35 %)
【0135】
1H-NMR (CDCl3): δ = 2.66-2.63 (m、2H)、2.24 (d、J= 6.9 Hz、4H)、1.36-1.04 (m、16H)、0.91-0.63 (m、12H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 211.59、48.32、39.74、35.53、33.57、30.22、26.65、23.59、14.61
【0136】
実施例20: ヘプタデカン-9-オン (VIII).
【化71】

【0137】
ジエチルエーテル (2.0 M、100 mL、0.2 mol)中のn-オクチルマグネシウムブロミドのグリニヤール溶液を、シリンジを経由してN2 雰囲気下0 ℃で、ジエチルエーテル (100 mL)中のn-オクチルシアニド (13.92 g、0.1 mol)の撹拌混合物中に徐々に添加した。沸点で12 h 撹拌後、0℃にて反応を水性HCl-溶液 (2.0 M、50 mL)で停止し、引き続き室温でさらに3h 激しく撹拌した。有機相を分離し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を飽和重曹溶液および食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、黄色固体を得た。得られた固体をメタノールから再結晶して精製し、黄色結晶(VIII) (18.06 g、71 %)を得た。
【0138】
1H-NMR (CDCl3): δ = 2.33 (t、J= 7.4 Hz、4H)、1.58-1.44 (m、4H)、1.30-1.10 (s、20H)、0.82 (t、J= 6.4 Hz、6H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 212.33、43.42、32.44、30.01、29.90、29.78、24.49、23.26、14.70
【0139】
実施例21: 5-エチルペンタデカン-7-オン (IX).
【化72】

【0140】
ジエチルエーテル中の2-エチルヘキシルマグネシウムブロミド(1.0 M、110 mL、0.11 mol)のグリニヤール溶液を、ジエチルエーテル (100 mL)中のn-オクチルシアニド (4.66 g、55 mmol)の撹拌混合物へ、N2 雰囲気下に0 ℃でシリンジを経由して徐々に添加した。沸点で12 h の撹拌後、反応を、水性 HCl-溶液 (2.0 M、50 mL) で0 ℃にて停止し、引き続き室温で3h、激しく撹拌した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を飽和重曹溶液および食塩水で洗浄しMgSO4 上で乾燥し、減圧下に蒸発させて、黄色固体を得た。得られた固体をアセトンから再結晶により精製して、白色結晶(IX) (4.51 g、32 %)を得た。
【0141】
1H-NMR (CDCl3): δ = 2.99-2.79 (m、4H)、2.64-2.50 (m、1H)、1.82-1.55 (m、4H)、1.57-1.03 (m、18H)、0.89-0.71 (m、9H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 164.35、34.89、32.44、30.31、30.09、29.90、29.79、28.48、28.31、25.71、23.26、14.71
【0142】
実施例22: 2,6-ジブロモ-4,4-ジオクチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b']ジチオフェン.
【化73】

【0143】
遮光下、DMF (40 mL)中の NBS (1.13 g、6.37 mmol)溶液を、DMF (40 mL)中の4,4-ジオクチル-4H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェン (Ie) (0.80 g、2.0 mmol)へ滴下し、その後、混合物を48 h 撹拌した。続いて、水性NaOH-溶液 (2.5 M、50 mL)で0 ℃にて反応を停止し、引き続き、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を飽和重曹溶液および食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下蒸発により濃縮した。粗緑色油を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ (溶出液 ヘキサン)で精製した。化合物 XIVeを明黄色油として得た。(0.40 g、50 %)
【0144】
1H-NMR (CDCl3): δ = 6.91 (s、2H)、1.83-1.68 (m、4H)、1.40-1.02 (m、24H)、0.98-0.75 (m、6H)
【0145】
実施例23: ウンデセ-10-ノイルクロリド (X).
【化74】

【0146】
トルエン (12 mL)、SOCl2 (7.75 g、65 mmol) および ウンデセ-10-ノイック酸(1.00 g、5.43 mmol) の混合物を1.5 h 還流(沸騰)させた。溶媒および残留 SOCl2 を留去し、生成物 (X) をさらにチオエステル合成に用いた。
【0147】
1H-NMR (CDCl3): δ = 5.90-5.74 (m、1H)、5.06-4.91 (m、2H)、2.87 (t、J= 7.2 Hz、2H)、2.06 (q、J= 13.7 Hz、J= 6.7 Hz、2H)、1.78-1.61 (m、2H)、1.49-1.23 (m、8H)
【0148】
実施例24: ピリジン-2-イル ウンデセ-10-エンチオエート (XI).
【化75】

【0149】
トリエチルアミン (2.5 mL)、THF (20 mL) および 2-メルカプトピリジン(0.77 g、6.95 mmol) の溶液を0 ℃で15 分間撹拌した。THF (20 mL)中のウンデセ-10-エノイル クロリド (X) (1.17 g、5.79 mmol)溶液を一括して一挙に添加した。次に、水性 HCl-溶液 (2.0 M、50 mL)を 0 ℃で添加して直ちに反応を停止し、引き続きジエチルエーテルで抽出した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を飽和重曹溶液および食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、および減圧下に蒸発して黄色油を得た。粗緑色油を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ (溶出液 CH2Cl2)によって精製した。化合物 (XI)を明黄色油として得た。(0.64 g、40 %)。
【0150】
1H-NMR (CDCl3): δ = 8.60-8.55 (m、1H)、7.73-7.65 (m、1H)、7.60-7.54 (m、1H)、7.27-7.20 (m、1H)、5.84-5.68 (m、1H)、5.01-4.84 (m、2H)、2.65 (t、J= 7.5 Hz、2H)、1.99 (q、J= 13.7 Hz、J= 6.7 Hz、2H)、1.73-1.61 (m、2H)、1.40-1.17 (m; 10H)
【0151】
実施例25: 5-エチルヘプタデセ-16-エン-7-オン (XII).
【化76】

【0152】
ジエチルエーテル中の2-エチルヘキシルマグネシウム-ブロミド(1.0 M、1.96 mL、1.96 mmol)のグリニヤール溶液を、シリンジを経由して、THF (50 mL)中のピリジン-2-イル ウンデセ-10-エンチオエート (0.54 g、1.96 mmol) の撹拌混合物へ、0 ℃でN2 雰囲気下に、徐々に添加した。さらに30 分間、激しく撹拌した後に、水性 HCl-溶液 (2.0 M、50 mL)を添加することにより反応を完結した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を飽和重曹溶液および食塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、および減圧下に蒸発して黄色油を得た。得られた油を10-2 mbar、90-100 ℃で真空蒸留により精製した。
【0153】
1H-NMR (CDCl3): δ = 5.85-5.67 (m、1H)、5.00-4.83 (m、2H)、2.37-2.22 (m、4H)、1.99 (q、J= 14.0 Hz、J= 6.9 Hz、2H)、1.89-1.76 (m、1H)、1.61-1.44 (m; 4H)、1.39-1.09 (m、16H)、0.90-0.74 (m、6H)
【0154】
実施例26: 化合物 IIa の閉環によりシクロペンタジチオフェン Iaを得る酸試験.
下記表は、化合物IIaに対して種々のプロトン酸を作用させて行った閉環反応の結果を要約して示す。試験は室温で12h 行った。
【0155】
【表4】

【0156】
この表から、負のpKaを有する二塩基酸のみが閉環反応の進行を許容することが明らかである。一塩基酸が、そのpKaが低いときでさえも作用しないことが判明したことは驚くべきことである。
本発明に従った発明物(devices)に対して、好ましい実施態様、特別の構成および形態あんらびに物質がここで議論されたが、本発明の範囲と精神から離れることなく形式および詳細における多様な変化または改変が為されてよいことは理解されるべきである。例えば、上記で示された如何なる式も、使用可能な手順の単なる代表例に過ぎない。機能性がブロック図に付加または削除されてよく、および機能性ブロック間で操作が交換されてよい。本発明の範囲内において、記述された方法に対して工程が付加されても削除されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式:
【化1】

を有する化合物の合成方法であって、該方法は一般式:
【化2】

を有する化合物を負のpKaを有する二塩基酸と接触させる工程を含んでなる合成方法[式中、R1およびR2は、C1-20アルキル、ハロC1-20アルキル、C4-10シクロアルキル、C1-3アルキルC1-10アルカノエート、C1-3アルキルC1-10アルカンアミド、C2-10アルケニル、C3-10シクロアルケニル、アリールC1-5アルキル、ジ-アリールC1-5アルキル、トリ-C1-20アリールC1-5アルキル、アリールC2-5アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルカノール、C1-10アルカンチオール、アリール、ヘテロ環基(例えば、ヘテロアリール)、C1-3アルコキシC1-3アルキル、ジ-C1-3アルコキシC1-3アルキル、C1-3アルキルオキシアリールC1-3アルキル、C1-3アルキルアリール、C1-3アルキルスルファニルC1-3アルキル、C1-3アルキルアリールスルファニルC1-3 アルキル、アリールオキシC1-3アルキル、N,N-C1-3ジアルキルC1-3アルキルアミン、N-C1-3アルキルC1-3アルキルアミン、アリールスルホニルC1-3アルキルからなるなる群から独立に選ばれ、またはR1およびR2 は一緒になってシクロアルキル基またはヘテロ環基を形成し、ここでXおよびYは独立に、水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から選ばれる。]。
【請求項2】
R1およびR2が異なるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二塩基酸が化合物(II)に対して2〜15当量の量で存在する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸がpKa最大値-0.5を有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記酸がH2SO4またはH2CrO4である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法であって
一般式:
【化3】

を有する前記化合物が、一般式:
【化4】

を有する化合物[式中、Z がハロゲンまたは擬-ハロゲンであり、XおよびYは独立に、水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から選ばれるものである。]と塩基との反応、次いで一般式R1(CO)R2を有する化合物との反応によって得られる、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記塩基が強塩基である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基がn-ブチルリチウムの様なアルキルリチウムである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ハロゲンが臭素原子である、請求項6〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
一般式(II):
【化5】

[式中、R1およびR2は、C1-20アルキル、ハロC1-20アルキル、C4-10シクロアルキル、C1-3アルキルC1-10アルカノエート、C1-3アルキルC1-10アルカンアミド、C2-10アルケニル、C3-10シクロアルケニル、アリールC1-5アルキル、ジ-アリールC1-5アルキル、トリ-C1-20アリールC1-5アルキル、アリールC2-5アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルカノール、C1-10アルカンチオール、アリール、ヘテロ環基(例えば、ヘテロアリール)、C1-3アルコキシC1-3アルキル、ジ-C1-3アルコキシC1-3アルキル、C1-3 アルキルオキシアリールC1-3アルキル、C1-3アルキルアリール、C1-3アルキルスルファニルC1-3アルキル、C1-3アルキルアリールスルファニルC1-3アルキル、アリールオキシ C1-3 アルキル、N,N-C1-3ジアルキル C1-3 アルキルアミン、N-C1-3アルキル C1-3アルキルアミン、アリール スルホニルC1-3アルキルからなる群から独立に選ばれ、またはR1およびR2は一緒になってシクロアルキル基またはヘテロ環基を形成し、ここでXおよびYは水素、塩素、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、擬ハロゲンおよび有機錫からなる群から独立に選ばれるものである。]を有する化合物。

【公開番号】特開2012−1529(P2012−1529A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−15921(P2011−15921)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【出願人】(508342471)ユニフェルジテイト・ハッセルト (5)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITEIT HASSELT
【Fターム(参考)】