説明

5−ケトグルコン酸の高度生産方法

【課題】酢酸菌に属する野生株を用いて、工業的規模で5KGAを高度に生産する方法を提供する。
【解決手段】酢酸菌に属する菌株の菌体中に5KGAを生産する菌株を、以下の工程、1)酢酸菌が生育しうる培地で、酢酸菌を培養する工程、2)培養液を平板培地に塗布しコロニーを形成させる工程、3)平板培地から形態別にコロニーを単離する工程、4)単離したコロニーを、pH6.0〜6.5に調整したG−GA培地で、30℃、3日間培養する工程、5)培養液から5KGAを抽出し、5KGAの蓄積量を測定する工程、を経て選抜し、上記工程により選抜された菌株を、グルコースを含む培地で、pHを3.2〜4.0に維持して培養することにより5KGAを高度に生産する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−ケトグルコン酸(5KGA)を効率よく生産する菌株の選抜方法、および選抜された菌株を用いた5KGAの高度な生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5KGAは、容易に酒石酸やキシラリン酸に転換することができ、それら自身有用な化学物質であるが、さらに、アスコルビン酸(ASA、ビタミンC)やキシリトールなどの医薬品や食品などのほか、ポリマーの原料など、種々の工業的な用途があげられている。キシラリン酸は、ポリアミンと反応することによって、生分解性のポリマーであるポリハイドロキシ型ポリアミドポリマーを生成することができる。また、ビタミンCについては、従来のソルボソンや、2,5−ジケトグルコン酸(2,5DKGA)など化学的に不安定な中間体から製造する方法に比べ、5KGAは安定であり優れた中間体としてビタミンCの製造に利用することが可能である。
【0003】
5KGAの製法は、良く知られているとおり、酢酸菌の1種であるグルコノバクター・サブオキシダンスを用いてグルコースを発酵させて行うことが一般的である。しかしながら、一般的な発酵法では常に不要な副生成物である2−ケトグルコン酸(2KGA)や、2,5DKGAが生成することが知られている(非特許文献1、2)。そのため、非特許文献3では、グルコースから5KGAへの酸化を行う酵素であるグルコン酸5−デヒドロゲナーゼ(GA 5−DH)の遺伝子を、グルコノバクター・サブオキシダンスからクローニングして、エシュリヒア・コリに導入し、2KGAや2,5DKGAの生成を行わず、5KGAのみ生産するような遺伝子組み換え体の菌株を作製している。しかしながら、副生成物として酒石酸が多く存在することが明らかになっている。また、非特許文献4では、副生成物の2KGA生産を触媒するグルコン酸2−デヒドロゲナーゼ(GA 2−DH)を不活性化したグルコノバクター・オキシダンスの変異株から、効率よく5KGAを生産させる方法を明らかにしているが、その生産量は十分なものとは言えない。非特許文献5では、上記変異株に、グルコン酸5−デヒドロゲナーゼ(GA 5−DH)をコードする遺伝子を改変して組込み、さらに効率よく5KGAを生産させる方法を明らかにしている。しかしながら、5KGAに変換されず残っているグルコン酸の蓄積量が多いことが問題である。
【0004】
野生株を用いた5KGAの生産法として、特許文献1には、グルコノバクター・サブオキシダンスを用いて、その対数増殖期以降に、280〜800nmの波長域の光線を照射して培養することにより、照射しなかった場合の1.5倍の生産量を得る方法が開示されているが、基質からの変換率が低く、高度な生産法とは言えない。
【非特許文献1】Shinagawa,E.,Matsushita,K.,Adachi,O.,Ameyama,M.,J.Ferment.Technol.61:359−363,1983
【非特許文献2】Weenk,G.,Olijve,W.,Harder,W.,Appl.Microbiol.Biotechnol.20:400−405,1984
【非特許文献3】Salusjarvi,T.,Povelainen,M.,Hvorslev,N.et al,Appl.Microbiol.Biotechnol.65:306−314,2004
【非特許文献4】Mustafa,E.,Seung−Wook,H.,Christoph,B.,Marcel,M.,et al,Appl.Microbiol.Biotechnol.66:668−674,2005
【非特許文献5】Marcel,M.,et al,Appl.Microbiol.Biotechnol.73:443−451,2006
【特許文献1】特公平4−36675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、工業生産を行う場合には、野生株をそのまま利用することが望ましく、これまでの発酵法では、副生成物の少ない方法で、5KGAを効率よく、高度に生産する方法が無かった。本発明は、酢酸菌に属する野生株を用いて、工業的規模で5KGAを高度に生産する方法を提供することをその主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、発酵過程の培養pHを制御することにより、酢酸菌に属する微生物培養液中に、5KGAを高度に蓄積できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)を提供する。
【0008】
(1)酢酸菌に属する菌株の培養液中に5KGAを生産する菌株の選抜方法であって、以下の工程からなることを特徴とする、5KGA生産菌の選抜方法。1)酢酸菌が生育しうる培地で、酢酸菌を培養する工程、2)培養液を平板培地に塗布しコロニーを形成させる工程、3)平板培地から形態別にコロニーを単離する工程、4)単離したコロニーを、G−GA培地(グルコース-グルコン酸培地)で、25〜35℃、2〜5日間培養する工程、5)培養液中の5KGAの蓄積量を測定する工程。
【0009】
(2)上記、工程4)が、単離したコロニーを、G−GA培地で、30℃、3日間培養する工程、である上記(1)に記載の5KGA生産菌の選抜方法。
【0010】
(3)上記、工程5)における5KGAの蓄積量が、グルコースまたはグルコン酸を基質とする時、変換率が80%以上である菌株を選抜することを特徴とする上記(1)に記載の5KGA生産菌の選抜方法。
【0011】
(4)酢酸菌が、グルコノバクター属に属する菌である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の5KGA生産菌の選抜方法。
【0012】
(5)グルコノバクター属に属する酢酸菌が、グルコノバクター・サブオキシダンス、グルコノバクター・オキシダンス、グルコノバクター・フラテウリの中から選ばれる1種の菌株である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の5KGAの選抜方法。
【0013】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の選抜方法により得られた5KGA生産菌を、グルコースを含む培地で培養して5KGAを生成蓄積させ、これを回収する方法において、発酵過程で低下する培地のpHを3.2〜4.0に制御し、維持することを特徴とする5KGAの生産方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、2KGAをほとんど含まず、5KGAを選択的に高度に培養液中に生産する酢酸菌を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明で用いられる微生物としては、5KGAを生産する酢酸菌に属する微生物であればいかなる微生物でもよく、例えばグルコノバクター・サブオキシダンス(Gluconobacter suboxydans)、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)、グルコノバクター・フラテウリ(Gluconobacter frateurri)などがあげられる。本発明に用いられる微生物の具体的な菌株としては、以下のような菌株が挙げられる。
【0016】
グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528
グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−A
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3271
グルコノバクター・オキシダンス ATCC 621
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3255
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3257
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285−F
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285−TW
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285−TY
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3293
グルコノバクター・オキシダンス IFO 3244
グルコノバクター・フラテウリ IFO 3254
グルコノバクター・フラテウリ IFO 3270
【0017】
グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−A、グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285−F、グルコノバクター・オキシダンス IFO 3255−TW、グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285−TYは、住所:日本国山口県山口市吉田1677‐1国立大学法人山口大学(NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION YAMAGUCHI UNIVERSITY)から入手可能である。
【0018】
本発明において、酢酸菌に属する菌株の中で、5KGAを効率よく生産する菌株を選抜する方法は以下の手順で行うことができる。1)酢酸菌が生育しうる培地で、凍結乾燥した酢酸菌を予備培養する。2)培養液を平板培地に塗布しコロニーを形成させる。3)平板培地から形態別にコロニーを単離する。4)単離したコロニーを、G−GA培地で、25〜35℃、2〜5日間培養する。より好ましくは、30℃、3日間培養する。5)培養液中の5KGAの蓄積量を測定する。
【0019】
培地中に蓄積した5KGAおよび、副生産物の2KGAの定量は酵素法により行うことができる。使用する酵素である、5KGAレダクターゼおよび2KGAレダクターゼの入手が困難な場合は、例えば、薄層クロマトグラフィーなどを用いて、簡便に5KGAおよび2KGAの定性を行うことができる。すなわち、G−GA培地で2〜5日間培養した酢酸菌培養液を、例えば、シリカゲルプレート60(メルク社製)に載せ、展開溶媒(酢酸エチル:酢酸:メタノール:蒸留水=6:1.5:1.5:1)で展開して薄層クロマトグラフィーを行う。シリカゲルプレートは乾燥させ、発色試薬(例えば、0.2gのジフェニルアミンを、2mlのアニリン、10mlのアセトンおよび1.5mlのリン酸に溶解したもの)を噴霧することにより、5KGAおよび、副生産物の2KGAを定性的に確認し、5KGAの蓄積量の比較は、スポットの大きさで視覚的に判断することができる。
【0020】
また、本発明は、上記1)〜5)の工程を経て、選抜された菌株を用いて、5KGAを高度に生産するものである。選抜の基準としては、5KGAの蓄積量が、グルコースまたはグルコン酸を基質とする時、変換率が80%以上である菌株を選抜する。より好ましくは、85%以上の変換率を有する菌株である。得られた菌株は、最終グリセロール濃度が50%となるようにグリセロールを加えて凍結し、−80℃で保存しておくことが望ましい。使用に際しては、保存している菌をそのまま、あるいは保存菌体を再度上記1)〜5)の工程を行い、菌株を選抜して用いることもできる。
【0021】
本発明に使用する酢酸菌の生育培地は、酢酸菌を培養する通常の培地を使用することができるが、炭素源、窒素源、無機イオン、有機栄養源を適切に含む培地を用いることが好ましい。炭素源として、例えば、D−グルコース、D−マンニトール、D−フラクトース、L−ソルボースあるいはグリセロールなどの1種又は2種以上を用い、有機栄養源として、ポリペプトン、イーストエキス、麦芽エキス、肉エキス、カゼイン分解物などから選んで用いることができる。特に、グルコノバクター属菌の培養による5KGAの生産には、G−GA培地(1%グルコース、1%グルコン酸ナトリウム、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)が望ましく、G−GA培地の組成を適切に変更した培地で、例えば、2%グルコース培地(2%グルコース、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)、10%グルコース培地(10%グルコース、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)などで、5KGAの生産を良好に行うことができる。上記発酵培地は、5KGA生産菌の選抜にも使用することができる。
【0022】
本発明の5KGAを蓄積させる培養温度は、酢酸菌の培養に通常使用される温度、例えば20〜35℃、好ましくは25〜35℃で、30℃が望ましい。反応が進むに伴い、生成物による培養液のpH低下が起ることから、培養液に炭酸カルシウムや水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどを添加して、培養液のpH制御をすることにより、5KGAの収率を高めることができる。培地のpHは、pH2.5〜7.0、好ましくはpH3.0〜6.5で行う。副生成物の2KGAや2,5DKGなどの生産を減少させ、5KGAを選択的に生産させるためには、pH制御をpH3.2〜4.0に行うことが望ましい。
【0023】
培養は、静置しても、撹伴して行っても良く、5KGAの生産が高まる方法であればいずれの方法を採用しても良いが、振盪もしくは攪拌することが望ましい。培養時間は、使用する菌体の活性、基質の濃度や種類などの条件によって異なるが、48〜200時間が望ましい。5KGA生産菌を選抜する際は、2〜5日培養を行うことにより、形態別の単離が可能となる。より好ましい培養期間は3日間である。工業生産においては、菌体の生育曲線と、5KGAの生産曲線の関連をあらかじめ把握しておくと、生育状況から5KGAを最も高度に生産する時期に培養を終了することが可能である。
【0024】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、実施例を挙げるが本発明はこれに限定されない。
【実施例1】
【0025】
<菌体の選抜方法>
IFO (NBRC)から譲渡されたグルコノバクター属酢酸菌(グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528、グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285)の凍結乾燥菌体を、5mlのG−GA培地(1%グルコース、1%グルコン酸ナトリウム、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)に懸濁・接種し、30℃で3日間程度の振盪培養を行った。その培養液を滅菌水で稀釈し、G−GA平板培地に塗布しコロニーを観察した(図1)。得られたコロニーが均一の形態であったものは、そのコロニーを再び5mlのG−GA培地に移して培養し、不均一であった菌株のものは、形態ごとに分別して採取し、再びG−GA培地で培養を行い、培養液中に蓄積した5KGAを定量した。
【実施例2】
【0026】
<グルコノバクター属菌の5KGAの生産>
実施例1で選抜した菌株および保存株について、培養液中の5KGAの蓄積量を測定した。すなわち、グルコノバクター属酢酸菌16株を各々100mlのG−GA培地(1%グルコース、1%グルコン酸ナトリウム、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)で30℃、200回転/分で回転振盪を行いながら2日間または5日間培養した。培養液中の5KGAおよび2KGAの蓄積量は、それぞれ5KGAレダクターゼ、2KGAレダクターゼを用いた酵素法によって測定した。結果を表1に示した。表から、実施例1で選抜したグルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−A(グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528から選抜した菌株)と、グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285−TY(グルコノバクター・オキシダンス IFO 3285から選抜した菌株)が、5KGAを選択的に高度に生産することが分かった。
【0027】
【表1】

【0028】
5KGAの蓄積が確かめられ、5KGAの生産が優れていると選抜された菌株は、培養液ごとグリセロールに懸濁し(0.5mlの培養液に対し0.5mlのグリセロール)、よく攪拌した後に液体窒素で瞬時に凍結し、−80℃に保存した。
【実施例3】
【0029】
<5KGA生産のための培養条件の検討>
【0030】
1.培地組成
実施例2で、5KGAの生産が優れていたグルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−Aを用いて、培養条件の検討を行った。培地は、これまで5KGA生産に最適とされているG−GA培地(1%グルコース、1%グルコン酸ナトリウム、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)を対照としてグルコース単独培地(2%グルコース、0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス)とした。さらに、グルコース単独培地を、1M塩酸と4MのNaOHでpH5に調整した培地での5KGAの生産も行った。本実験の培養は、卓上型培養装置(MDL500型5L,4連、丸菱バイオレンジ社製)を用いた。培養液は3Lとした。
【0031】
結果を図2に示した。グルコース単独培地では、グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−Aの生育がpHの著しい低下によって抑えられ、5KGAの生産量は、対照のG−GA培地での生産量よりも低い値であった。一方、pHの低下を抑えるために行ったpH5調整培地では、グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−Aは良好に生育したが、5KGA生成が更に抑えられ、副生成物の2KGAが生成していた。結果として、グルコース単独培地ではグルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−Aの生育と5KGAの生成がともに抑えられ、また、生育を改善する為に行ったpH5の維持は、副生成物の形成をもたらした。また、pHの著しい低下(pH3.0以下)はグルコン酸を培地へ蓄積し、良好な5KGAへの変換を抑制していた。
【0032】
2.培地のpH
実施例2で、5KGAの生産が優れていたグルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−Aを用いて、培養液のpH制御の検討を行った。設定したpHは、3.5、4.0、4.5、5.0である。培地はグルコース単独培地を用い、培養液は3Lとした。卓上型培養装置(MDL500型5L,4連、丸菱バイオレンジ社製)を用いて、各pHを維持するために、各pH以下になると4MNaOHが自動的に滴下されるように制御した。
【0033】
結果を図3に示した。pH4およびpH3.5では培地中のグルコースが効率よく5KGAへと変換され、最終的に111mMのグルコースから96mMの5KGA(変換率:86.5%)を生産した。さらにこのpH制御はpHが低下することに伴って、副生成物2KGAの生産を抑えることも明らかとなった。本実験により発酵過程のpH低下をpH3.2〜pH4.0の領域に制御することで副生成物の生成を抑えた効率のよい5KGA生産が可能になることが分かった。一方で、制御するpH領域が高い場合(pH4.2−pH5.0)、グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−Aは、蓄積している5KGAを資化することにより再び増殖を始め、5KGA収量の著しい低下をもたらした。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明による5KGAの発酵生産法は、遺伝子組み換えに頼らない、野生株を用いた5KGAの高度生産法であり、環境汚染の問題も無く、生産した5KGAの使用に関しても安全であることから、食品などの有用な原料となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】凍結乾燥菌体から形態の異なるコロニーを単離する方法を示した図である。
【図2】グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−A株によるグルコース単独培地での培養状況を示す図である。
【図3】グルコノバクター・サブオキシダンス IFO 12528−A株によるpH制御下での培養状況を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸菌に属する菌株の菌体中に5KGAを生産する菌株の選抜方法であって、以下の工程からなることを特徴とする、5KGA生産菌の選抜方法。1)酢酸菌が生育しうる培地で、酢酸菌を培養する工程、2)培養液を平板培地に塗布しコロニーを形成させる工程、3)平板培地から形態別にコロニーを単離する工程、4)単離したコロニーを、G−GA培地(グルコース-グルコン酸培地)で、25〜35℃、2〜5日間培養する工程、5)培養液中の5KGAの蓄積量を測定する工程。
【請求項2】
上記、工程4)が、単離したコロニーを、G−GA培地で、30℃、3日間培養する工程、である請求項1に記載の5KGA生産菌の選抜方法。
【請求項3】
上記、工程5)における5KGAの蓄積量が、グルコースまたはグルコン酸を基質とする時、変換率が80%以上である菌株を選抜することを特徴とする請求項1に記載の5KGA生産菌の選抜方法。
【請求項4】
酢酸菌が、グルコノバクター属に属する菌である、請求項1〜3のいずれかに記載の5KGA生産菌の選抜方法。
【請求項5】
グルコノバクター属に属する酢酸菌が、グルコノバクター・サブオキシダンス、グルコノバクター・オキシダンス、グルコノバクター・フラテウリの中から選ばれる1種の菌株である、請求項1〜4のいずれかに記載の5KGAの選抜方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の選抜方法により得られた5KGA生産菌を、グルコースを含む培地で培養して5KGAを生成蓄積させ、これを回収する方法において、発酵過程で低下する培地のpHを3.2〜4.0に制御し、維持することを特徴とする5KGAの生産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−237191(P2008−237191A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86592(P2007−86592)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(304020177)国立大学法人山口大学 (579)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】