説明

6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミドおよびそれの合成中間体を調製するための方法

式(I)
【化1】


の化合物6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、およびそれの薬学的に許容される塩を、高い収率および純度で調製するための方法を開示する。本方法は以前に記載されたものと比べて様々な利点を有し、特にそれはアシルアジド中間体およびそれらのクルチウス転位を回避する。また、化合物(I)の調製に有用な新規中間体も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は式(I)の6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、およびそれの薬学的に許容される塩を調製するための方法に関する。本発明のさらなる目的は、化合物(I)の調製において有用な新規中間体にある。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2008/112408号 A1および米国特許出願公開第2008/0227812号 A1は、新生組織形成の治療に有用なキノリン構造を有する血管新生阻害物質を開示している。
【0003】
1つの開示生成物は、式(I)の6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミドであり、上述の特許出願の実施例3において記載されている。
【0004】
【化1】

【0005】
前記文献によると、化合物(I)は、酸性媒体中で、または水素化分解によって、ベンジル1−((6−メトキシ−4−(5−(メチルカルバモイル)−ナフタレン−2−イルオキシ)キノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート(II)の化合物からベンジルオキシカルボニル保護基を除去して調製することで、化合物(I)が生成される。
【0006】
【化2】

【0007】
化合物(II)は様々な工程を有する多数の段階を経て得られる。ベンジルオキシカルボニル保護の1−アミノ−1−シクロプロピルメチル部分は、式(III)
【0008】
【化3】

【0009】
の1−((6−メトキシ−4−(5−(メチルカルバモイル)ナフタレン−2−イルオキシ)キノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロパンカルボン酸から得られるアシルアジドを、ベンジルアルコール存在下でクルチウス転位させることによって、または式(IV)
【0010】
【化4】

【0011】
の6−(7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミドを、式(V)
【0012】
【化5】

【0013】
の1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−メチルソルホニルオキシメチル−シクロプロパンと共にアルキル化することによって導入される。
【0014】
上述の応用は、2つの上述した反応による化合物(II)の調製、および化合物(II)から(I)への変換の両方に関して、収量をもたらさない。
【0015】
化合物(III)は、1−カルボキシ−1−シクロプロピルメチル部分をエチルエステルの形で4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノンに導入し、その後4−ヒドロキシキノリン環を形成し、最後に1−ナフチルカルボキシアミド部を導入する工程によって調製される。
【0016】
後半のアシルアジドの形成などのアジドの使用、またはクルチウス転位を必要とする反応は、爆発のリスクを含むため危険である可能性があり、大量調製における使用に適していないことがよく知られている。
【0017】
国際公開第2008/112408号および米国特許出願公開2008/0227812号において報告された合成方法には、生成物のシクロアルキル−アルキル部分がシクロアルキル−アルキルメシレートとヒドロキシまたはアミノアセトフェノンとの間の反応によって導入された後、ニトロ化によってニトロアセトフェノンが生成され、ニトロ基をアミノ基へ還元し、4−ヒドロキシキノリン環を形成し、さらに最終生成までの後半部分を実施する、とりわけ一般的な合成スキームが含まれる。上述の応用においては、化合物(I)またはその他の記載された生成物のために本方法を使用することにおいて、例示が提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2008/112408号
【特許文献2】米国特許出願公開2008/0227812号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、化合物(I)およびそれの薬学的に許容される塩を、高い収率および純度で調製するための方法に関する。本方法は上述したものと比べて様々な利点を有し、特にそれは生成物(II)を生成するための、生成物(III)において相当するアシルアジドの形成、およびそのクルチウス転位を回避する。さらに、本発明は化合物(I)の調製に有用な新規中間体を提供する。
【0020】
本発明の一態様は、式(I)の化合物6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、またはそれの薬学的に許容される塩を調製するための方法であり、それは以下の段階を含む。
a)式(VI)
【0021】
【化6】

【0022】
のアミノ基が保護された1−アミノ−1−ヒドロキシメチルシクロプロパン(ここで、RおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共に、保護された第1級アミノ基を成している)と、式(VII)
【0023】
【化7】

【0024】
の4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノンとの光延反応条件下における反応により、式(VIII)の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである)が生成される。
b)式(VIII)
【0025】
【化8】

【0026】
の化合物のニトロ化により式(IX)
【0027】
【化9】

【0028】
の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである)が生成される。
c)式(IX)の化合物と式(XV):
HC(OR1)N(Me) (XV)
の化合物(ここで、R1は直鎖もしくは分岐したC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルである)との反応により、式(X)
【0029】
【化10】

【0030】
の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りであり、ライン

【0031】
はβ−エナミノケトン基の二重結合がシスまたはトランス構造を取り得ることを意味する)が生成される。
d)式(X)の化合物のニトロ基の還元およびそれに伴う環化により、式(XI)の化合物が生成される。式(XI)の化合物はそれの互変異性型(XIa)
【0032】
【化11】

【0033】
と平衡であり得る(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである)。
e)式(XI)または(XIa)
【0034】
【化12】

【0035】
の化合物を式(XII)
【0036】
【化13】

【0037】
の化合物(ここで、XはCl、BrまたはIから選択され、ならびにRおよびR’ は上記で定義した通りである)へ変換する。
f)式(XII)の化合物と式(XIII)
【0038】
【化14】

【0039】
の6−ヒドロキシ−N−メチル−1−ナフトアミドとの反応により、式(XIV)
【0040】
【化15】

【0041】
の化合物(ここで、RおよびR’は上記の通りである。)が生成される。
g)式(XIV)の化合物における保護された第1級アミノ基の脱保護により、式(I)の化合物が生成される。
h)化合物(I)からそれの薬学的に許容される塩へ、周知の方法によって選択的に変換する。
【0042】
化合物(VI)および(VIII)−(XII)に存在する第1級アミン官能基は、周知でかつ上述した化合物がさらされる反応条件と適合するあらゆる保護基を用いて保護することが可能である。有利に使用可能な保護基の例として、化合物(VI)および(VIII)−(XII)において、R’は水素であり、Rは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジル;アセチルおよびベンゾイルなどのC−CアシルまたはC−C11アロイル;トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなどのC−CスルホニルまたはC−C10アリールスルホニル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニルなどのC−Cアルコキシカルボニル;ベンジルオキシカルボニルなどの、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから選択される。または、R’はトリ(C−Cアルキル)シリル誘導体であり、RはC−Cアルコキシカルボニル、もしくはハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルであるため、RおよびR’が結合する窒素原子と共に、tert−ブチルN−トリメチルシリルカルバメートなどのN−シリル化カルバメートを形成する(Tetrahedron Lett.,1997,38,191)。または、R’およびRはそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する。
【0043】
化合物(VI)は周知であり、または周知の方法によって調製可能である。例えば、Rがベンジルオキシカルボニルである式(VI)の化合物など、いくつかの化合物も市販されている(China Gateway社)。
【0044】
化合物(VIII)を生成するための化合物(VI)と4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン(VII)との間の反応は、通常光延反応に用いられる条件下で行われる。光延反応は周知の反応であり(Synthesis 1981,1−28;Org.React.1992,42,335−656)、穏和な条件下でアルキルアリールエーテルの調製に使用可能である。化合物(VIII)は、フェノールとアルコールとの間の光延反応において通常使用される任意の試薬を用いて調製可能である。化合物(VIII)の調製は、3−ヒドロキシ−4−メトキシアセトフェノンおよび化合物(VI)に対して、等モル量もしくはわずかにモル過剰で、光延反応において使用可能なホスフィンおよびアゾジカルボキシレートまたはアゾジアミドを用いて通常実行される。
【0045】
後半には、3−ヒドロキシ−4−メトキシアセトフェノンに対して、化合物(VI)が等モル比または最大で30%過剰で通常使用される。反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、またはそれらの混合物などの有機溶媒中で通常実行される。使用可能なホスフィンの例として、トリアルキルホスフィン、例えばトリブチルホスフィンおよびトリ−tert−ブチルホスフィン;ジアルキルアリールホスフィン、例えばジエチルフェニルホスフィン;ジアリールアルキルホスフィン、例えばジフェニルイソプロピルホスフィン;トリアリールホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン、(4−ジメチルアミノフェニル)ジフェニルホスフィンおよびジフェニル(2−ピリジル)ホスフィンが挙げられる。
【0046】
アゾジカルボキシレートの例としては、ジメチルアゾジカルボキシレート、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、およびジベンジルアゾジカルボキシレートが挙げられる。アゾジアミドの例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルアゾジカルボキシアミドおよび1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンが挙げられる。例えばトリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンがホスフィンとして使用されることが好ましい。ジイソプロピルアゾジカルボキシレートがアゾジカルボキシレートとして使用されることが好ましい。反応は、テトラヒドロフラン中で−10℃から10℃の間、好ましくは0℃の温度で実行され、最初にトリフェニルホスフィンとジイソプロピルアゾジカルボキシレートとを接触させて、その後4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン、最後に化合物(VI)を加えることが好ましい。
【0047】
化合物(IX)を生成するための化合物(VIII)のニトロ化は、芳香族誘導体のニトロ化に対する従来の条件を用いて行うことが可能である。反応はニトロ化試薬として濃硝酸および無水酢酸の混合物を使用して、−5℃から5℃の範囲、好ましくは0℃の温度において通常実行される。
【0048】
化合物(X)を生成するための化合物(IX)と化合物(XV)との間の反応は、モル過剰の化合物(XV)を用いて、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、またはそれらの混合物から選択される有機溶媒中で、50℃から溶媒の沸点までの範囲の温度で、1時間から24時間の間に含まれる時間で通常実行される。化合物(XV)は周知であり市販されている。反応は、化合物(IX)に対して2等量のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを用いて、N,N−ジメチルホルムアミド中で約2時間、約100℃の温度で実行されることが好ましい。
【0049】
化合物(X)の4−ヒドロキシキノリン誘導体(XI)、または4−キノリン構造を有する(XI)の互変異性型(XIa)への変換は、Leimgruber−Batcho反応を修正したものを用いて還元的環化によって実行される。その反応は一般的にインドールの合成のために使用されるが(Organic Syntheses,1985、vol.63,314)、Tetrahedron Letters,2005,Vol.46,735−737において記載されるように、4−ヒドロキシキノリン/4−キノリン誘導体の合成においても有用である。芳香族ニトロ基をアミノ基に還元可能な全ての工程および試薬が使用可能であり、例えば、接触水素化;炭上のパラジウム存在下におけるギ酸アンモニウムなどによる水素移動水素化;例えば酢酸中における亜鉛、酢酸中における鉄、塩化第一スズなどの金属による還元;亜ジチオン酸ナトリウムが挙げられる。本発明のために、粉末状の鉄を還元剤として使用することが好ましく、還元は溶媒としての酢酸存在下において80℃の温度で通常実行される。
【0050】
化合物(XI)/(XIa)は、4−ヒドロキシキノリン/4−キノリン誘導体を4−ハロゲノキノリン誘導体に変換するための周知の反応によって化合物(XII)に変換される。有利に利用可能な反応条件は、式(XI)/(XIa)の化合物に対してモル過剰のPOClまたはPOBrなどのリン酸化ハロゲン化物(phosphorous oxyhalide)を使用し、選択的にクロロホルムまたは塩化メチレンなどの溶媒、およびトリエチルアミンまたはジエチルイソプロピルアミンなどの有機第三級塩基(organic tertiary base)の存在下で行うことを含む。反応は、POClを反応溶媒として使用し、かつ約60℃から約100℃の間、より好ましくは約80℃の温度で操作して実行することが好ましい。
【0051】
化合物(XIV)を生成するための化合物(XII)と6−ヒドロキシ−N−メチル−1−ナフトアミド(XIII)との反応は、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンなどの有機溶媒中で、選択的にアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、もしくはアルカリ金属炭酸塩もしくは重炭酸塩などの無機塩基の存在下で、またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、もしくは4−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基の存在下で、化合物(XII)に対して等モル量またはわずかに過剰の化合物(XIII)を反応させることで実行可能である。反応は、還流温度において、ジオキサンまたは2,6−ジメチルピリジン中で、化合物(XII)に対して10−20%モル過剰の化合物(XIII)の存在下で、化合物(XII)に対して5%モル過剰の4−ジメチルアミノピリジンの存在下において操作することにより通常実行される。
【0052】
化合物(XIII)は周知であり、国際公開第2008/112408号において開示されるような周知の方法に従って調製可能である。
【0053】
化合物(I)を生成するための化合物(XIV)の反応は、存在する保護基に応じて、特有で周知な方法を用いて化合物(XIV)から第1級アミノ基の保護基を除去することから成る。例えば、R’が水素でありR基がメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルであるとき、化合物(XIV)を塩酸または臭化水素酸などの無機酸で処理、またはtert−ブトキシカルボニル基に対してはトリフルオロ酢酸などの有機酸で処理するなど、酸性媒体中で加水分解を使用することが好ましい。また、ベンジルオキシカルボニル基は、接触水素化による、または水素移動水素化による水素化分解条件下で除去可能である。ベンジルオキシカルボニル基は、約20℃から約50℃の範囲、好ましくは約30℃の温度で操作して、酢酸中で臭化水素酸の酸性条件において除去されることが好ましい。
【0054】
化合物(I)は選択的に、従来の方法によってそれの薬学的に許容される塩に変換可能である。
【0055】
本発明のさらなる態様は、式(I)の化合物6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、またはそれの薬学的に許容される塩を調製するための方法であり、それは以下の段階を含む。
i)式(VI)
【0056】
【化16】

【0057】
の化合物(ここで、RおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共に、保護された第1級アミノ基を成している)と、式(XVI)
【0058】
【化17】

【0059】
の化合物(ここで、Xは、Cl、BrまたはIから選択される)との間の光延条件下における反応により、式(XII)
【0060】
【化18】

【0061】
の化合物(ここで、X、RおよびR’は上記で定義された通りである)が生成され、続いて、
ii) 式(XII)の化合物を式(I)の化合物へ、周知の方法によって変換する。
【0062】
化合物(VI)と化合物(XVI)との間の光延反応は、化合物(VI)と4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン(VII)との間の反応において上述された条件下で実行可能である。XがClまたはBrである化合物(XVI)を使用することが好ましい。
【0063】
化合物(XVI)は周知の方法によって調製可能である。例えば、XがClである化合物(XVI)は、J.Med.Chem.2008,51,5766−5779において記載されたものに従って調製可能である。また、XがClである化合物(XVI)も市販されている。
【0064】
化合物(VIII)、(IX)、(X)、(XI)および(XII)は新規であり、本発明のさらなる態様である。
【0065】
本発明のさらなる態様は、式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)または(XII)の化合物を、化合物(I)またはそれの薬学的に許容される塩を調製するための工程において使用することである。
【0066】
化合物(VIII)を調製するための光延反応の使用は、国際公開第2008/112408号 A2および米国特許出願公開2008/0227812号に記載された、化合物(VI)から得られたメシレートと共に化合物VIIをアルキル化することと比べて、より穏和な反応条件(例えば、より低い反応温度および反応時間の減少)、収率の向上、得られた中間体(VIII)の容易な精製および純度特性などの利点を有する。さらに、化合物(XII)を調製するための化合物(VI)と化合物(XVI)との間の光延反応の使用により、後の化合物の参加を容易にし、それは化合物(VI)より得られるメシレートから出発する上述の特許出願において開示される複数工程よりも、全体的により便利である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明を以下の実施例によって例示する。
【0068】
実施例
以下において報告される略語を実施例において使用する。全てのその他の略語は式の慣例的表現である。
【0069】
ACN:アセトニトリル、AcOH:酢酸、AcO:無水酢酸、DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル、DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、DCM:ジクロロメタン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMAP:4−ジメチルアミノピリジン、DMSO:ジメチルスルホキシド、AcOEt:酢酸エチル、EtOH:エタノール、MeOH:メタノール、THF:テトラヒドロフラン、TEA:トリエチルアミン、TFA:トリフルオロ酢酸。
【0070】
1H NMRスペクトルを、指示された溶媒において、Bruker A VIII 500分光計(ソフトウェア:TOPSPIN VERSION 2.1;プローブ:5mm PABBO BB−1H/D Z−GRD)、またはVarian Mercuryplus 300分光計(ソフトウェア:Vnmr6.1C;プローブ:ID_PFG)を使用して、それぞれ500MHzおよび300MHzで操作して記録した。以下の略語を使用した。s、一重項;d、二重項;m、多重項。
【0071】
LC−スペクトルMSを以下の条件で記録した。
器機使用:Agilent 1200&6110MS,ELSD Varian 380−LC。
【0072】
カラム:Waters Sunfire C−18 50mm×4.6mm、3.5μm、温度調節(termosthatized)40℃。
【0073】
移動相A:水中で0.05%TFA
移動相B:ACN中で0.05%TFA
勾配:

【0074】
流速:3.0mL/分
検出器: UV@214nm/bw 4nm
UV@254nm/bw 4nm
MS
ELSD
注入:1μl
分析時間:2.7分
【実施例1】
【0075】
1−[(4−アセチル−2−メトキシフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパンの調製
【0076】
【化19】

【0077】
機械式攪拌機を備えた10Lの反応器に、トリフェニルホスフィン(340.0g、1.296mol)およびTHF(2L)を投入し、懸濁液を氷浴で冷却した。その後、撹拌懸濁液にDIAD(264g、1.296mol)を30分かけてゆっくりと加えた。0℃で30分撹拌した後、撹拌懸濁液に、THF(1500mL)中における4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン(180g、1.08mol)およびDIPEA(210g、1.62mol)の溶液を滴下して加えた。懸濁液を0℃で45分間撹拌したまま放置し、その後、THF(1500mL)中における1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−ヒドロキシメチルシクロプロパン(China Gateway社)(240g、1.08mol)の溶液を滴下して加えた。1時間後、反応混合物からの試料のLC−MS分析により、1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−ヒドロキシメチルシクロプロパンが完全に消失したことが示された。反応混合物を濃縮し、粗生成物をEtOH95%(4000mL)で再結晶することで、白色固体の1−[(4−アセチル−2−メトキシフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン(214g、収率:53.5%)が生成された。
【0078】
H−NMR(300MHz、CDCl):δ:7.41−7.45(m、2H)、7.26(s、5H)、6.77(d、1H)、5.43(s、1H)、5.00(s、2H)、4.04(s、2H)、3.82(s、3H)、2.49(s、3H)、0.92(m、4H)。
【0079】
LC−MS:M+H:370.4
【0080】
以下の化合物は類似の方法で調製した。
1−[(4−アセチル−2−メトキシフェノキシ)メチル]−N−エトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−アセチル−2−メトキシフェノキシ)メチル]−N−tert−ブトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン。
【実施例2】
【0081】
1−[(4−アセチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパンの調製
【0082】
【化20】

【0083】
AcO(2mL)中におけるHNO(65%、3mL)の0℃の溶液に、AcO(3mL)中における実施例1の化合物(1.1g、2.9mmol)の懸濁液をゆっくりと加えた。2時間0℃で撹拌した後、反応混合物を50mLの氷/水に注ぎ、沈殿物をろ過によって回収した。得られた黄色固体を95%EtOH(5mL)で再結晶することで、黄色固体の1−[(4−アセチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン(0.69g、収率:56%)が生成された。
【0084】
H−NMR(300MHz、CDCl):δ:7.52(s、1H)、7.26(s、5H)、6.67(s、1H)、5.36(s、1H)、5.02(s、2H)、4.05(s、2H)、3.86(s、3H)、2.42(s、3H)、0.94(m、4H)。
【0085】
LC−MS:M+H:414.41
【0086】
以下の化合物は類似の方法で調製した。
1−[(4−アセチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−エトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−アセチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−1−アミノシクロプロパン。
【実施例3】
【0087】
1−[(4−(3−ジメチルアミノプロペノイル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパンの調製
【0088】
【化21】

【0089】
実施例2の化合物(1.7g、4.1mmol)およびDMF(6mL)中におけるN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.9g、8.2mmol)の混合物を、2時間100℃で撹拌した。室温に冷却した後に、反応混合物を水(30mL)で希釈し、AcOEt(3×50mL)で抽出した。複合有機相を塩水(2×50mL)で洗浄し、乾燥および濃縮することで、黄色固体の1−[(4−(3−ジメチルアミノプロペノイル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン(1.9g、収率:95%)が生成された。
【0090】
H−NMR(300MHz、CDCl):δ:7.50(s、1H)、7.27(s、5H)、6.75(s、1H)、5.44(s、1H)、5.23(s、1H)、5.11(br、1H)、5.01(s、2H)、4.04(s、2H)、3.83(s、3H)、2.78−3.00(m、6H)、0.94(m、4H)。
【0091】
LC−MS:M+H:470.49
【0092】
以下の化合物は類似の方法で調製した。
1−[(4−(3−ジメチルアミノプロペノイル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−エトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−(3−ジメチルアミノプロペノイル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−tert−ブトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン。
【実施例4】
【0093】
1−[(4−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパンの調製
【0094】
【化22】

【0095】
AcOH(15mL)中における実施例3の化合物(1.5g,3.2mmol)および粉末状の鉄(1.8g、32mmol)の混合物を、2時間80℃で撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、AcOEt(150mL)で希釈し、ろ過してAcOEtで洗浄した。ろ液を合わせて、水(2×100mL)およびNaHCO飽和溶液(2×100mL)で洗浄し、乾燥および濃縮することで、黄色固体の1−[(4−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン(1.2g、収率:95%)が生成された。
【0096】
H−NMR(300MHz、MeOD):δ:7.75(d、1H)、7.51(s、1H)、7.15(m、5H)、6.80(br、1H)、6.20(d、1H)、4.97(s、2H)、4.05(s、2H)、3.84(s、3H)、0.87(m、4H)。
【0097】
LC−MS:M+H:395.2
【0098】
以下の化合物は類似の方法で調製した。
1−[(4−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−エトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−tert−ブトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン。
【実施例5】
【0099】
1−[(4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパンの調製
【0100】
【化23】

【0101】
a)実施例4の化合物の塩素化による調製
窒素雰囲気下を維持して、磁気撹拌器、温度計、コンデンサーが装備された50mLの丸底フラスコに、3.90g(9.89mmol)の実施例4の化合物と25mlのPOClを20/25℃で投入した。得られた懸濁液は数分撹拌した後に溶液となった。溶液を85℃の内部温度に加熱し、30分後に反応をTLCで観測したところ、出発物質が消失していることを示した。溶液を冷却して温度を10℃未満に保ち、0℃に冷却された250mlのDCMおよび250mlの水の混合物を約30分かけて滴下して加えた。添加が完了した後、0℃−10℃で30分間撹拌を継続した。相は分離して、水相を150mlのDCMで洗浄した。相は分離して、有機相を合わせた。合わせた有機相に150mlの水を加え、15分間20/25℃で撹拌し、pHを重炭酸ナトリウム飽和溶液で7−8に調整した。相は分離して有機相を150mlの水で洗浄した。相は分離して有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して溶媒を真空下で蒸留させて濃縮した。エチルエーテルでストリッピングすることで3.8gの褐色固体をもたらした。固体残留物を20mlのtert−ブチルメチルエーテルに溶解させ、1時間20/25℃で撹拌し、ろ過してtert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、その後乾燥させて、95%の(H−NMR)力価を有する1−[(4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン(3.4g、収率87%)を得た。
【0102】
H−NMR(500MHz、DMSO−d):δppm:8.61(d、1H)、7.91(s、1H)、7.56(s、1H)、7.44(s、1H)、7.38(s、1H)、7.29(m、5H)、4.99(s、2H)、4.23(s、2H)、3.97(s、3H)、0.87(m、4H)。
【0103】
b)4−クロロ−7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリンおよび1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−ヒドロキシメチルシクロプロパンとの間の光延反応による調製
20mlのDCMに、4−クロロ−7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン(300mg、1.43mmol;China Gateway社)、1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−ヒドロキシメチルシクロプロパン(412mg、1.87mmol、1.3等量;China Gateway社)、およびトリフェニルホスフィン(490mg、1.87mmol、1.3等量)を加えた。得られた溶液に3mlのDCM中におけるDEAD(378mg、1.87mmol、1.3等量)の溶液を滴下して加え、2時間温度を0℃に維持した。その後、混合物を10℃で20時間放置し、そしてろ過して未反応の4−クロロ−7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリンを回収した。ろ液を真空下で濃縮し、得られた残留物に20mlの95%EtOHを加え、30分間撹拌しながら放置した。固体をろ過により回収し、5mlの95%EtOHで洗浄し、真空下で乾燥させることで、1−[(4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン(273mg、収率46%)が生成された。
【0104】
LC−MS:M+H:413.1
【0105】
以下の化合物は類似の方法で調製した。
1−[(4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−エトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−tert−ブトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン。
【実施例6】
【0106】
ベンジル1−[(6−メトキシ−4−(5−(メチルカルバモイル)ナフタレン−2−イルオキシ)キノリン−7−イルオキシ)メチル)]シクロプロピルカルバメート(II)の調製
【0107】
【化24】

【0108】
国際公開第2008/112408号に従って調製される、0.51g(2.53mmol)の6−ヒドロキシ−N−メチル−1−ナフトアミド、2,7mlの2,6−ルチジンおよび0.3g(2.42mmol)のDMAPの溶液に、窒素雰囲気下で20℃/25℃を維持して、実施例5の化合物(1.0g、NMR力価95%、2.30mmol)を加えた。懸濁液を140℃の内部温度まで6時間加熱して、その後、20°/25℃まで冷却し、80mlの水を加えて20°/25℃で1時間撹拌を継続した。懸濁液をろ過して水で洗浄することで、0.88g(収率:66%)のベンジル1−[(6−メトキシ−4−(5−(メチルカルバモイル)ナフタレン−2−イルオキシ)キノリン−7−イルオキシ)メチル)]シクロプロピルカルバメート(II)が生成された。
【0109】
H−NMR(500MHz、DMSO−d)δppm:δ:8.56(d、1H)、8.50(d、1H)、8.39(d、1H)、8.04(d、1H)、7.94(s、1H)、7.87(s、1H)、7.59(m、4H)、7.41(s、1H)、7.44(s、1H)、7.30(m、5H)、6.56(d、1H)、5.01(s、2H)、4.48(s、2H)、4.23(s、2H)、3.95(s、3H)、0.87(m、4H)。
【0110】
LC−MS:M+H:578.3
【0111】
以下の化合物は類似の方法で調製した。
エチル1−[(6−メトキシ−4−(5−(メチルカルバモイル)ナフタレン−2−イルオキシ)キノリン−7−イルオキシ)メチル)]シクロプロピルカルバメート、
tert−ブチル1−[(6−メトキシ−4−(5−(メチルカルバモイル)ナフタレン−2−イルオキシ)キノリン−7−イルオキシ)メチル)]シクロプロピルカルバメート。
【実施例7】
【0112】
6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド(I)の調製
【0113】
【化25】

【0114】
2mlの酢酸中で40%のHBr溶液中における実施例6の化合物(0.24g、0.42mmol)の混合物を30℃で3時間撹拌し、その後10mlの水を加え、反応混合物をAcOEt(2×10mL)で抽出した。有機相を除去した。pH10に到達するまで水溶液に50%NaOHの溶液を滴下して加えた。混合物をDCM(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥および濃縮することで、LC−MS分析により>94%を超える純度を有する6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド(I)を含む粗製生物が生成された。この粗製生物をDCM/MeOH 10:1)で溶出させるシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーでさらに精製することで、LC−MS分析によって98%を超える純度を有する6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド(I)(140mg、収率:76%)をもたらした。
【0115】
H−NMR(500MHz、DMSO−d)δppm:8.47(d、2H)、7.87(d、1H)、7.53(m、3H)、7.51(m、1H)、7.44(d、1H)、7.38(s、1H)、6.50(d、1H)、6.16(d、1H)、5.01(s、2H)、4.05(s、2H)、4.03(s、3H)、3.12(d、3H)、2.09(m、2H)、0.80(m、4H)。
【0116】
LC−MS:M+H:444.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、またはそれの薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、それは以下の段階、
a)式(VI)
【化2】

のアミノ基が保護された1−アミノ−1−ヒドロキシメチルシクロプロパン(ここで、RおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共になって、保護された第1級アミノ基を表している)と、式(VII)
【化3】

の4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノンとの光延反応条件における反応により、式(VIII)
【化4】

の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである)が生成される;
b)式(VIII)の化合物のニトロ化により、式(IX)
【化5】

の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである)が生成される;
c)式(IX)の化合物と式(XV):
HC(OR1)N(Me) (XV)
の化合物(ここで、R1は直鎖もしくは分岐したC−Cアルキル、またはC−Cシクロアルキルである)との反応により、式(X)
【化6】

の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りであり、ライン

はβ−エナミノケトン基の二重結合がシスまたはトランス構造を取り得ることを意味する)が生成される;
d)式(X)の化合物のニトロ基の還元およびそれに伴う環化により、式(XI)の化合物が生成され、式(XI)の化合物はそれの互変異性型(XIa)
【化7】

【化8】

と平衡であり得る(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである);
e)式(XI)または(XIa)の化合物を式(XII)

の化合物(ここで、XはCl、BrまたはIから選択され、ならびにRおよびR’ は上記で定義した通りである)へ変換する;
f)式(XII)の化合物と式(XIII)
【化9】

の6−ヒドロキシ−N−メチル−1−ナフトアミドとの反応により、式(XIV)
【化10】

の化合物(ここで、RおよびR’は上記で定義した通りである)が生成される;
g)式(XIV)の化合物の保護された第1級アミノ基の脱保護により、式(I)の化合物が生成される;
h)化合物(I)をそれの薬学的に許容される塩へ、周知の方法によって選択的に変換する;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、R’は水素であり、Rは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジル、C−Cアシル、C−C11アロイル、C−Cアルキルスルホニル、C−C10アリールスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから成る群より選択される方法。
【請求項3】
請求項2の方法であって、Rは、ベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルから成る群より選択される方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、R’はトリ(C−Cアルキル)シリルであり、RはC−Cアルコキシカルボニル、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルである方法。
【請求項5】
請求項4の方法であって、R’はトリメチルシリルであり、Rはtert−ブトキシカルボニルである方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、RおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する方法。
【請求項7】
式(VIII)の化合物であって、
【化11】

R’は水素であり、Rはベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、およびハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから選択され、またはR’はトリメチルシリルでありRはtert−ブトキシカルボニルである、またはRおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する化合物。
【請求項8】
式(IX)の化合物であって、
【化12】

R’は水素であり、Rはベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、およびハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから選択され、またはR’はトリメチルシリルでありRはtert−ブトキシカルボニルである、またはRおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する化合物。
【請求項9】
式(X)の化合物であって、
【化13】

R’は水素であり、Rはベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、およびハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから選択され、またはR’はトリメチルシリルでありRはtert−ブトキシカルボニルである、またはRおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する化合物。
【請求項10】
式(XI)または(XIa)の化合物であって、
【化14】

【化15】

R’は水素であり、Rはベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、およびハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから選択され、またはR’はトリメチルシリルでありRはtert−ブトキシカルボニルである、またはRおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する化合物。
【請求項11】
式(XII)の化合物であって、
【化16】

R’は水素であり、Rはベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、およびハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから選択され、またはR’はトリメチルシリルでありRはtert−ブトキシカルボニルである、またはRおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する化合物。
【請求項12】
請求項7−11のいずれかの請求項に記載の化合物であって、
1−[(4−アセチル−2−メトキシフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−アセチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−(3−ジメチルアミノプロペノイル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、
1−[(4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル]−N−ベンジルオキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン、から選択される化合物。
【請求項13】
6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド(I)、またはそれの薬学的に許容される塩の合成における中間体として、請求項7−12に記載の化合物の使用。
【請求項14】
式(I)
【化17】

の化合物6−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、またはそれの薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
式(VI)
【化18】

の化合物(ここで、RおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共になって、保護された第1級アミノ基を表している)と、式(XVI)の化合物(ここで、XはCl、BrまたはIから選択される)との間での光延反応条件下における反応により、式(XII)
【化19】

の化合物(ここで、X,RおよびR’は上記で定義した通りである)が生成されることを含む方法。
【請求項15】
請求項14の方法であって、式(VI)の化合物において、R’は水素であり、Rは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジル、C−Cアシル、C−C11アロイル、C−Cアルキルスルホニル、C−C10アリールスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルから成る群より選択される方法。
【請求項16】
請求項15の方法であって、Rは、ベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルから成る群より選択される方法。
【請求項17】
請求項14の方法であって、式(VI)の化合物において、R’はトリ(C−Cアルキル)シリルであり、RはC−Cアルコキシカルボニルまたはハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルから成る群より選択される最大で3つの置換基を有する芳香族環によって選択的に置換されるベンジルオキシカルボニルである方法。
【請求項18】
請求項17の方法であって、Rはtert−ブトキシカルボニルである方法。
【請求項19】
請求項14の方法であって、式(VI)の化合物において、RおよびR’はそれらが結合する窒素原子と共にフタルイミド基を形成する方法。
【請求項20】
請求項14の方法であって、式(XVI)の化合物において、Xは塩素である方法。

【公表番号】特表2012−520332(P2012−520332A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500115(P2012−500115)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001519
【国際公開番号】WO2010/105761
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(511225620)イーオーエス エシカル オンコロジー サイエンス エス.ピー.エー. イン アブリヴィエイテッド フォーム イーオーエス エス.ピー.エー. (1)
【Fターム(参考)】