説明

6価クロムの除去方法とその除去装置

【課題】
有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロムの除去処理を行なうことができる6価クロムの除去装置を提供する。
【解決手段】
0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界を接続管24(外部管体24Aと内部管体24B)に垂直に印加させることにより生じる磁界による起電力と、外部管体24Aと内部管体24Bとの間の、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)を有する磁気処理装置Aを備え、硫酸イオンを含む酸性水を電解液としてステンレス製品43,44の酸化被膜除去処理を実施することにより生じる6価クロム化合物溶液42−1を、磁気処理装置Aの内、外部管体24B,24Aが形成する内、外部流路32,31に毎秒1mから2mの流速にて流動循環させ、電位差及び起電力により6価クロム化合物溶液42−1の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステンレス製品の溶接時の溶接線及び溶接による熱影響部表面の黒色及び褐色酸化被膜(スケール)、更にはもらい錆や汚れ等を除去し、且つ酸化被膜除去処理を実施することにより電解液に溶出した6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させる6価クロムの除去方法とその除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にステンレス製品を溶接すると、溶接線およびその周囲に見栄えの悪い溶接焼け部を生じることが多い。この溶接焼け部を除去するには、溶接されたステンレス製品を強酸性で洗い流す酸洗い法又は中性電解液や弱酸性電解液を利用した電気分解法が利用されている。この中性電解液や弱酸性電解液を利用してステンレス製品の「スケール」を除去する電気分解法では、電解液中に6価クロム化合物が溶出する。
【0003】
水質汚濁防止法で特定施設を有する工場・事業場の排水に対して、6価クロム化合物0.5m/Lという許容限度が設けられている。また、各県の条例ではこれより厳しい排水基準が定められている。クロム廃水を排出する工場ではクロム廃水処理装置を設置し、薬品を使用してこれ以下に処理を行って排水しなければならない。
【0004】
この廃水処理としては、クロム廃水処理用還元剤として商品名「ソ一ビス」(NAHSO)を用いた廃水処理が、以下のようにして行なわれている(非特許文献1参照)。
【0005】
1) 6価クロム廃水を貯槽から還元槽に移し、まず硫酸でPH2〜3になるようにPHを調整する。
2)商品名「ソ一ビス」(NaHSo)を添加し撹伴溶解させて、黄褐色の排水中の6価クロムを還元し、3価クロムに変化させる。この場合、還元が終わると廃水の色が青色に変わる。酸化還元電位計を取り付ければ、還元の終了の判断が明確になる。
3)還元終了後、中和槽へ移し、苛性ソーダ等で排水のPHを7.5〜8.0に中和する。
4)中和槽から沈降槽へ移し、中和を行うと3価のクロムが不溶性の水酸化クロムに変化して浮遊し、時間を経て沈殿する。
5)沈殿終了後、上澄み液を排水する。
6)沈殿物は適時槽から取り出し、脱水処理を行うなどして廃棄物として処分する。
【非特許文献1】大東化学株式会社:製品豆知識1〜2頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の6価クロム廃棄処理では、6価クロム廃水を貯蔵する貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が必要になり、各槽ごとの処理工程が必要となって、6価クロムの除去処理に多くの工程を必要とし、容易にクロム廃棄処理を行なうことができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するものであり、その第1の目的とするところは、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことのない安全な6価クロム化合物の除去方法を提供することである。
【0008】
また、本発明の第2の目的とするところは、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロム廃棄処理を行なうことができる6価クロムの除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の第1の目的を達成するために、本発明に係る6価クロムの除去方法は、非鉄金属製の外部管体内に非鉄金属製の内部管体を収容した二重管構成にして、内、外部管体で流路を形成し、外部管体と内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)を存在させ、かつ内、外部管体に対して0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界を直交させて磁界による起電力を生じさせた磁気処理装置を備え、硫酸イオンを含む電解液中に、酸化被膜が発生した一方及び他方のステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を正電極に接続し、他方のステンレス製品を負電極に接続して直流電流を印加して、溶接やけや酸化被膜除去処理を実施することで、ステンレス製品から6価クロムを前記電解液に溶出させて6価クロム化合物溶液とし、流路に6価クロム化合物溶液を毎秒1mから2mの流速にて流動循環させることによって、6価クロム化合物溶液中の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
そして、電解液は、植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩から溶出される硫酸イオン物質を含む液体を電気分解することにより生成される、硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水であることが好ましい。
【0011】
したがって、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水)中に、酸化被膜が発生した一方及び他方のステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を正電極に接続し、他方のステンレス製品を負電極に接続して直流電流を印加し、溶接やけや酸化被膜除去処理を実施することで、ステンレス製品から6価クロムを電解液に溶出させて6価クロム化合物溶液とし、6価クロム化合物溶液を磁気処理装置の流路に毎秒1mから2mの流速にて流動循環させる。
【0012】
磁気処理装置においては、0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界が接続管に垂直に印加されているために、接続管内には、静電気(流速毎秒1.2mでは0.06mA、流速毎秒1.6mでは0.08mAの静電電流)が発生するように、磁界による起電力が生じており、また、磁気処理装置では、外部管体と内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が発生している。この電位差及び磁界による起電力は、流路を流れる6価クロム化合物溶液の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるように働く。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、容易にかつ安価に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【0013】
また、上記の第2の目的を達成するために、本発明に係る6価クロムの除去装置は、硫酸イオンを含む電解液が満たされた処理槽と、電解液に浸漬された一方及び他方のステンレス製品に電気的に接続される正電極及び負電極と、これらの正電極及び負電極に対して直流電流を供給する直流電流電源と、電解液を循環させる電解液循環系と、非鉄金属製の外部管体内に非鉄金属製の内部管体を収容した二重管構成にして、内、外部管体で電解液が流動する流路を形成し、外部管体と内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)を存在させ、かつ内、外部管体に対して0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界を直交させて磁界による起電力を生じさせた磁気処理装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、電解液は、植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩から溶出される硫酸イオン物質を含む液体を電気分解することにより生成される、硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水であることが好ましい。
【0015】
かかる構成により、磁気処理装置においては、0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界が接続管に垂直に印加されているために、接続管内には、静電気(流速毎秒1.2mでは0.06mA、流速毎秒1.6mでは0.08mAの静電電流)が発生するように、磁界による起電力が生じており、また、外部管体と内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が発生している。
【0016】
また、外部管体と内部管体との間には、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が存在している。つまり、外部管体と内部管体との間に電池が形成される。例えば、外部管体を、単極電位がプラス電位の一価および二価の物理化学的性質を有する金(Au)(金の単極電位は1.7)により形成し、内部管体を、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有するチタン(Ti)(チタンの単極電位は1.75)により形成した場合、外部管体と内部管体との間には、3.45Vの電位差が発生する。この電位差及び磁界による起電力は、流路を流れる6価クロム化合物溶液の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるように働く。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、簡単な設備で容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【0017】
また、本発明に係る6価クロムの除去装置は、上記した本発明に係る6価クロムの除去装置において、磁気処理装置は、一方の異方性磁気体を収容する磁性体製の一方の磁石保持ケースと、他方の異方性磁気体を収容する磁性体製の他方の磁石保持ケースとを有し、他方の磁石保持ケースと一方の磁石保持ケースが、それぞれの合せ目において磁気誘導回路の一部を構成するように互いに磁気吸着していて、かつ電解液が流動する非磁性体製の接続管を挟み込み、一方の異方性磁気体と他方の異方性磁気体とにより形成される磁界が接続管に対して直交しており、接続管が、非鉄金属からなる外部管体と、外部管体の内部に収容された、外部管体のそれとは異なる非鉄金属からなる内部管体とを有し、かつ内部管体の内部及び内部管体と外部管体の内壁部との間に、接続管の入口側から出口側に抜ける流路を有し、かつ磁界が0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)であって、磁界による起電力を生じさせ、かつ外部管体と内部管体との間には、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が存在していることを特徴とする。
【0018】
かかる構成により、磁気処理装置においては、0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界が接続管に垂直に印加されているために、接続管内には、静電気(流速毎秒1.2mでは0.06mA、流速毎秒1.6mでは0.08mAの静電電流)が発生するように、磁界による起電力が生じており、また、外部管体と内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が発生している。つまり、外部管体と内部管体との間に電池が形成される。
【0019】
例えば、外部管体を、単極電位がプラス電位の一価および二価の物理化学的性質を有する金(Au)(金の単極電位は1.7)により形成し、内部管体を、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有するチタン(Ti)(チタンの単極電位は1.75)により形成した場合、外部管体と内部管体との間には、3.45Vの電位差が発生する。この電位差及び磁界による起電力は、流路を流れる6価クロム化合物溶液の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるように働く。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【0020】
また、本発明に係る6価クロムの除去装置は、上記した本発明に係る6価クロムの除去装置において、磁気処理装置は、外部管体が、単極電位がプラス電位の一価と二価の物理化学的性質を有する非鉄金属管で構成されており、内部管体が、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有する非鉄金属管で構成されていることを特徴とする。
【0021】
そして、2種類の非鉄金属が、プラスの単極電位を有する非鉄金属とマイナスの単極電位を有する非鉄金属であり、プラスの単極電位を有する非鉄金属が金(Au)、銀(AG)、銅(Cu)、白金(Pt)の何れか一つであり、マイナスの単極電位を有する非鉄金属がチタン(Ti)、アルミニウム(AL)、タングステン(W)の何れか一つであって、内、外管体の組合せが、金(Au)とチタン(Ti)の場合、金(Au)とアルミニウム(AL)の場合、プラチナ(Pt)とチタン(Ti)の場合、プラチナ(Pt)とアルミニウム(AL)の場合、銀(Ag)とチタン(Ti)銅(Cu)とチタン(Ti)の場合のいずれか一つであることが好ましい。
【0022】
かかる構成により、例えば、外部管体を、単極電位がプラス電位の一価および二価の物理化学的性質を有する金(Au)(金の単極電位は1.7)により形成し、内部管体を、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有するチタン(Ti)(チタンの単極電位は1.75)により形成した場合、外部管体と内部管体との間には、3.45Vの電位差が発生する。この電位差も、磁界による起電力と同様に、流路を流れる6価クロム化合物溶液の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるように働く。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る6価クロムの除去方法によれば、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水)を電解してステンレス製品の酸化被膜除去処理を実施することで、ステンレス製品から6価クロムを電解液に溶出させて6価クロム化合物溶液とし、この6価クロム化合物溶液を磁気処理装置の流路に毎秒1mから2mの流速にて流動循環させることで、6価クロム化合物溶液に、磁界による起電力及び二種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位差を作用させて、6価クロム化合物溶液の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させることができる。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【0024】
本発明に係る6価クロムの除去装置によれば、酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水)を電解してステンレス製品の酸化被膜除去処理を実施することで、ステンレス製品から6価クロムを電解液に溶出させて6価クロム化合物溶液とし、この6価クロム化合物溶液を磁気処理装置の流路に毎秒1mから2mの流速にて流動循環させることで、6価クロム化合物溶液に、磁界による起電力及び二種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位差を作用させて、6価クロム化合物溶液の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させることができる。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0026】
図1は本発明の6価クロムの除去装置の構成説明図、図2は本発明の6価クロムの除去装置における磁気処理装置の斜視図、図3は同磁気処理装置における磁気保持ケースの正面図、図4は同磁気処理装置を磁気保持ケースの中央部で断面した場合の断面図、図5は磁気保持ケースの一部を省略した斜視図、図6は磁気処理装置における接続管と循環系の吐出ホースとの接続の説明図である。
【0027】
図1に示す本発明の6価クロムの除去装置40は、処理槽41と、この処理槽41に満たされた硫酸イオンを含む電解液42と、第一処理対象としての、酸化被膜が形成されている一方のステンレス製品43及び第二処理対象としての、酸化被膜が形成されている他方のステンレス製品44と、一方及び他方のステンレス製品43、44に電気的に接続される正電極45及び負電極46と、正電極45及び負電極46に対して直流電流を供給する直流電流電源47と、電解液循環系48と、この電解液循環系48に設置された磁気処理装置Aとを備えている。
【0028】
ここで、硫酸イオンを含む電解液42とは、既に、本出願人が所有する特許(特許第3535451号)における硫酸イオンを含む酸性水、硫酸イオンを含むアルカリ水である。詳しくは、原水中に電解剤として珪藻類、藍藻類の化石の堆積土が固化してなる植物性の化石土類であって1%の硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩を投入することにより原水中に化石土類及び凝灰岩からイオン物質を溶出させて電解液を生成し、この電解液を電気分解することにより生成された硫酸イオンを含む酸性水、硫酸イオンを含むアルカリ水である。
【0029】
酸性水の 試験検査の内容及び成績は以下の通りである。
PH値:2.6
電気伝導率(−μS/cm):1100
酸化還元電位 (ORP):450
溶存酸素 (DO): 19
硝酸性窒素及び亜塩素酸性窒素 (mg/L) :1.6
塩化物イオン(mg/L) : 31
硫酸イオン (mg/L):140
硬度 (mg/L):3 9
有機物(過マンガン酸力リウム消費量)(mg/L):5.9
燐(mg/L):0.2
銅 (mg/L):0.14
亜鉛 (mg/L):0.10
鉄(mg/L):5.6
マンガン (mg/L):0.25
力ルシウム (mg/L):10
マダネシウム(mg/L): 3.6
ナトリウム (mg/L):13
クロロホルム(mg/L):0.005
ジプロモクロロメタン(mg/L):0.001未満
プロモジクロロメタン(mg/L) :0.002
クロモホルム (mg/L):0.017
総トリハロメタン(mg/L):0.024
【0030】
また、アルカリ水の試験検査の内容及び成績は以下の通りである。
PH値:9.4
電気伝導率(−μS/cm):550
酸化還元電位 (ORP):150
溶存酸素 (DO): 7.9
硝酸性窒素及び亜塩素酸性窒素 (mg/L) :1.7
塩化物イオン(mg/L) : 26
硫酸イオン (mg/L):81
硬度 (mg/L):19
有機物(過マンガン酸力リウム消費量)(mg/L):7.6
燐(mg/L):0.1未満
銅 (mg/L):0.03
亜鉛 (mg/L):0.038
鉄(mg/L):0.86
マンガン (mg/L):0.070
力ルシウム (mg/L):6
マグネシウム(mg/L): 1.8
ナトリウム (mg/L):93
クロロホルム(mg/L):0.001
ジプロモクロロメタン(mg/L):0.001未満
プロモジクロロメタン(mg/L):0.001未満
プロモホルム (mg/L):0.002
総トリハロメタン(mg/L):0.003
【0031】
第一処理対象としての、酸化被膜が形成されている一方のステンレス製品43及び第二処理対象としての、酸化被膜が形成されている一方のステンレス製品44とは、溶接時の溶接線及び溶接による熱影響部表面の黒色及び褐色酸化被膜(スケール)、更にはもらい錆や汚れ等が形成されたステンレス製品のことである。
【0032】
そして、一方のステンレス製品43は直流電流電源47の正電極45に接続してあり、また、他方のステンレス製品44は直流電流電源47の負電極46に接続してあって、一方及び他方のステンレス製品43、44は硫酸イオンを含む電解液42としての硫酸イオンを含む酸性水中に漬けてある。
【0033】
電解液循環系48は、処理槽41に満たされた硫酸イオンを含む電解液42、すなわち、硫酸イオンを含む酸性水を循環させるものであり、循環ポンプ50と、この循環ポンプ50の吸込み側に接続された吸込み側ホース51と、循環ポンプ50の吐出側に接続された吐出側ホース52とを備えており、吸込み側ホース51及び吐出側ホース52は、それぞれの開放端部が硫酸イオンを含む電解液42中に挿入してある。
【0034】
電解液循環系48に設置された磁気処理装置Aは、既に、本出願人が所有する特許(特許第4076084号、特許第400054号、特許第4162202号、特許第4165740号)であり、この磁気処理装置Aは、図2に示されるように、一方の磁気保持ケース3と、他方の磁気保持ケース3’と、一方の永久磁石7と、他方の永久磁石7’ と、接続管24とから構成してある。
【0035】
一方の磁気保持ケース3と他方の磁気保持ケース3’とは、構成が全く同一であるので、一方の磁気保持ケース3についてのみ説明する。この磁気保持ケース3は軟鉄材料から成り、ボックス状の形状をしている。図2における磁気保持ケース3, 3’の長さlは40mmである。この磁石保持ケース3は、図5に示すように、底面部3Aと、左、右面部3B,3Cと、前、後面部3D, 3Eとを有している。
【0036】
前、後面部3D, 3Eの辺縁部には半円状の溝部6が形成してある。磁石保持ケース3の底面部3Aの内面には、上面が長方形(20mm× 25mm)である角形直方体(厚み:10mm)の永久磁石7が固着してある。この永久磁石7は異方性磁気体である。磁石保持ケース3内には、非磁性材料である合成樹脂、例えば、エポキシ樹脂から成る充填材8が、磁石固定のために充填してある。この充填材8の中央には永久磁石7が表出している。そして、磁気漏れを防ぐために、磁石保持ケース3の角部には56度以上の曲げ角度のアールが設けてある。
【0037】
図3に示されるように、磁気保持ケース3と磁気保持ケース3’とは相互の磁力により合体し、溝部6,6’により、接続管24が挿入される開口を形成している。接続管24は、図2に示すように、非磁性体により成る外部管体24Aと、非磁性体により成る内部管体24Bとから構成してある。接続管24の外部管体24Aは、その内径が6mm〜10mm程度であり、外径は8mm〜12mm程度であり、また、内部管体24Bは、その内径が3mm〜5mm程度であり、外径は4mm〜6mm程度である。外部管体24Aの長さは115mm程度で、内部管体24Bの長さは115mm程度で、両者の合計重量は250gである。外部管体24Aは、酸化および腐食しにくいイオン化傾向の小さい非鉄金属により形成してある。イオン化傾向の小さい非鉄金属には、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)等が挙げられる。
【0038】
この外部管体24Aの両側部には、8ミリホース用ジョイント部9と、9ミリホース用ジョイント部10とがそれぞれ設けてある。8ミリホース用ジョイント部9は膨出部11と抜止め引掛り部12を有し、9ミリホース用ジョイント部10は膨出部13と抜止め引掛り部14を有している。
【0039】
内部管体24Bの材料には、イオン化傾向が大きく、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有するチタン(Ti)、タングステン(W)、およびアルミニウム(AL)等が使用される。
【0040】
図4に示されるように、押潰部30が、外部管体24A内に内部管体24Bを同心的に収容した状態で、外部管体24Aの中央部において、互いに対向する部位を押し潰すことにより形成してある。内部管体24Bは、押潰部30により外部管体24Aと同心的に外部管体24Aに収容固定してある。内部管体24B内は内部流路32にしてあり、内部管体24Bと外部管体24Aの間には、押潰部30を除いて外部流路31が形成してある。
【0041】
磁気保持ケース3と磁気保持ケース3’とは、図4に示されるように、それぞれの合せ目(縁部)3A,3A’で合わされ、半円状の溝部6,6’(図5参照)により形成される円形孔を、接続管24が貫通している。永久磁石7と永久磁石7’は、接続管24を挟んで対向している。永久磁石7の対向端部7AはS極で、永久磁石7’の対向端部7A’はN極である。
【0042】
図4に示されるように、磁石保持ケース3,3’は合体して連続する枠体を構成する。この枠体は、磁気誘導閉回路を構成する。図示されている断面の大きさは、40mm ×40mmで、磁石保持ケース3,3’の重量は200gである。この枠体は、いわゆる磁気回路の一部を形成する。磁気保持ケース3の永久磁石7の対向端部(S極)7Aから永久磁石7’の対向端部(N極)7A’に向かって0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁束密度の高い磁場が形成してある。
【0043】
したがって、磁力線Fは接続管24を貫き、枠体の中心部10を通過して永久磁石7に収束する。この磁力線Fにより磁気回路(誘導磁気回路)が構成される。磁石保持ケース3,3’の角部に、曲げ角度が56度以上のアールを形成することにより、磁気漏れの無い磁気誘導閉回路が実現している。
【0044】
そして、上記のように構成された磁気処理装置Aは、電解液循環系48の吐出側ホース52に設置してある。すなわち、図6に示すように、吐出側ホース52は、吐出側ホース27,28で構成してあり、循環ポンプ50の吐出側には合成樹脂製の8ミリ径の吐出側ホース27が接続してある。この吐出側ホース27の端部27Aには、磁気処理装置Aの接続管24の一方が、その8ミリホース用ジョイント部9を用いて接続してある。磁気処理装置Aの接続管24の他方には、その8ミリホース用ジョイント部9を用いて別の吐出側ホース28の端部28Aが接続してあって、この燃料ホース28の開放端部が硫酸イオンを含む電解液42としての硫酸イオンを含む酸性水中に挿入してある。
【0045】
次に、6価クロムの除去方法について説明する。
上記したように、一方のステンレス製品43は直流電流電源47の正電極45に接続してあり、また、他方のステンレス製品44は直流電流電源47の負電極46に接続してあって、一方及び他方のステンレス製品43、44は硫酸イオンを含む電解液42としての硫酸イオンを含む酸性水中に漬けてある。この状態で、電圧48V、電流値0.9Aの条件で直流電流を印加して、溶接やけや、酸化被膜除去処理を実施すると、この処理作業の開始から2分後、ステンレス製品43,44より6価クロム化合物が溶出し始め、20分後、透明であった酸性水42が黄褐色に変色し6価クロム化合物溶液42−1が生成される。この状態で、通電を遮断して溶接やけや、酸化被膜除去処理を終了し、溶接やけや、酸化被膜が完全に除去されたステンレス製品43,44を処理槽41から取り出す。
【0046】
次に、電解液循環系48の循環ポンプ50を駆動することにより、処理槽41に満たされた6価クロム化合物溶液42−1を毎秒1mから2mの流速にて循環させる。すなわち、図1の矢印に示すように、循環ポンプ50の駆動により、吸込み側ホース51で処理槽41に満たされた6価クロム化合物溶液42−1を吸込み、循環ポンプ50、吐出側ホース27を経て磁気処理装置Aに送り、吐出側ホース28を経て処理槽41に戻す。この動作を連続して繰り返すことで6価クロム化合物溶液42−1を毎秒1mから2mの流速にて循環させる。
【0047】
磁気処理装置Aにおいては、0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界が接続管24に垂直に印加されている。このために、接続管24内には、静電気(流速毎秒1.2mでは0.06mA、流速毎秒1.6mでは0.08mAの静電電流)が発生するように磁界による起電力が生じている。
【0048】
また、外部管体24Aと内部管体24Bとの間には、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が存在している。つまり、外部管体24Aと内部管体24Bとの間に電池が形成される。例えば、外部管体24Aを、単極電位がプラス電位の一価および二価の物理化学的性質を有する金(Au)(金の単極電位は1.7)により形成し、内部管体24Bを、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有するチタン(Ti)(チタンの単極電位は1.75)により形成した場合、外部管体24Aと内部管体24Bとの間には、3.45Vの電位差が発生する。この電位差及び上記磁界による起電力は、内、外流路31.32を流れる6価クロム化合物溶液42−1の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるように働く。
【0049】
6価クロム化合物の除去実験では、6価クロム化合物の含有量が20mg/Lの6価クロム化合物溶液42−1を約24時間循環させて場合、6価クロム化合物の含有量が0.5mg/Lになった。
【0050】
外部管体24Aと内部管体24Bの組合せは、上述した金(Au)とチタン(Ti)に限らない。金(Au)とアルミニウム(AL)、プラチナ(Pt)とチタン(Ti)、プラチナ(Pt)とアルミニウム(AL)、銀(Ag)とチタン(Ti)、銅(Cu)とチタン(Ti)を、それぞれ、外部管体24Aと内部管体24Bに採用した場合にも、両者の間に電位差が発生する。
【0051】
また、硫酸イオンを含む電解液42が硫酸イオンを含むアルカリ水の場合でも、硫酸イオンを含む酸性水の場合と同様に、ステンレス製品の溶接やけや、酸化被膜は完全に除去されたし、6価クロム化合物溶液42−1の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させることができた。すなわち、硫酸イオンを含むアルカリ水中に、酸化被膜が発生した一方及び他方のステンレス製品43,44を漬け、一方のステンレス製品43を正電極45に接続し、他方のステンレス製品44を負電極46に接続し,この状態で、電圧48V、電流値0.9Aの条件で直流電流を印加して、溶接やけや、酸化被膜除去処理を実施すると、この処理作業の開始から2分後、ステンレス製品43,44より6価クロム化合物が溶出し始め、20分後、透明であったアルカリ水が黄褐色に変色し6価クロム化合物溶液42−1が生成される。この6価クロム化合物溶液42−1を磁気処理装置Aの内、外部流路32,31に毎秒1mから2mの流速にて流動循環させることによって、6価クロム化合物溶液中の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させる。
【0052】
本発明に係る6価クロムの除去方法によれば、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水)42を電解してステンレス製品43,44の酸化被膜除去処理を実施することで、ステンレス製品43,44から6価クロムを電解液に溶出させて6価クロム化合物溶液42−1とし、この6価クロム化合物溶液42−1を磁気処理装置Aの内、外部流路32,31に毎秒1mから2mの流速にて流動循環させることで、6価クロム化合物溶液42−1に、磁界による起電力及び二種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位差を作用させて、6価クロム化合物溶液42−1の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させることができる。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【0053】
また、本発明に係る6価クロムの除去装置によれば、磁気処理装置Aにおいて、0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界を接続管24に垂直に印加しているために、接続管24内には、静電気(流速毎秒1.2mでは0.06mA、流速毎秒1.6mでは0.08mAの静電電流)が発生するように磁界による起電力が生じており、また、外部管体24Aと内部管体24Bとの間には、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が存在している。つまり、外部管体24Aと内部管体24Bとの間に電池が形成される。例えば、外部管体24Aを、単極電位がプラス電位の一価および二価の物理化学的性質を有する金(Au)(金の単極電位は1.7)により形成し、内部管体24Bを、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有するチタン(Ti)(チタンの単極電位は1.75)により形成した場合、外部管体24Aと内部管体24Bとの間には、3.45Vの電位差が発生する。この電位差及び上記磁界による起電力は、内、外流路31.32を流れる6価クロム化合物溶液42−1の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるように働く。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロム除去処理を行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る6価クロムの除去装置によれば、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)には、危険な成分が入っていないために、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、上記した従来の6価クロム廃棄処理で用いた貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が不必要になり、簡単な設備で容易に6価クロム除去処理を行なうことができるという効果を有しており、種々のステンレス製品における溶接時の溶接線及び溶接による熱影響部表面の黒色及び褐色酸化被膜、更にはもらい錆や汚れ等の除去処理事業、且つ酸化被膜除去処理を実施することにより電解液に溶出した6価クロム化合物の除去処理事業に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の6価クロムの除去装置の構成説明図である。
【図2】本発明の6価クロムの除去装置における磁気処理装置の斜視図である。
【図3】同磁気処理装置における磁気保持ケースの正面図である。
【図4】同磁気処理装置を磁気保持ケースの中央部で断面した場合の断面図である。
【図5】磁気保持ケースの一部を省略した斜視図である。
【図6】磁気処理装置における接続管と循環系の吐出ホースとの接続の説明図である。
【符号の説明】
【0056】
A 磁気処理装置
3 一方の磁気保持ケース
3’ 他方の磁気保持ケース
6 溝部
6’ 溝部
7,7’ 永久磁石
8 充填材
11 膨出部
24A 外部管体
24B 内部管体
27,28 吐出側ホース
30 押潰部
31 外部流路(流路)
32 内部流路(流路)
40 6価クロムの除去装置
41 処理槽
42 硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水、硫酸イオンを含むアルカリ水)
42−1 6価クロム化合物溶液
43 一方のステンレス製品
44 他方のステンレス製品
45 正電極
46 負電極
47 直流電流電源
48 電解液循環系
52 吐出側ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非鉄金属製の外部管体内に非鉄金属製の内部管体を収容した二重管構成にして、前記内、外部管体で流路を形成し、前記外部管体と前記内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)を存在させ、かつ前記内、外部管体に対して0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界を直交させて磁界による起電力を生じさせた磁気処理装置を備え、硫酸イオンを含む電解液中に、酸化被膜が発生した一方及び他方のステンレス製品を漬け、前記一方のステンレス製品を正電極に接続し、前記他方のステンレス製品を負電極に接続して直流電流を印加して、溶接やけや酸化被膜除去処理を実施することで、前記ステンレス製品から6価クロムを前記電解液に溶出させて6価クロム化合物溶液とし、前記流路に6価クロム化合物溶液を毎秒1mから2mの流速にて流動循環させることによって、前記6価クロム化合物溶液中の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の6価クロム化合物の除去方法。
【請求項2】
前記電解液は、植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩から溶出される硫酸イオン物質を含む液体を電気分解することにより生成される、硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水であることを特徴とする請求項1に記載の6価クロム化合物の除去方法。
【請求項3】
硫酸イオンを含む電解液が満たされた処理槽と、前記電解液に浸漬された一方及び他方のステンレス製品に電気的に接続される正電極及び負電極と、これらの正電極及び負電極に対して直流電流を供給する直流電流電源と、前記電解液を循環させる電解液循環系と、非鉄金属製の外部管体内に非鉄金属製の内部管体を収容した二重管構成にして、前記内、外部管体で前記電解液が流動する流路を形成し、前記外部管体と前記内部管体との間に、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)を存在させ、かつ前記内、外部管体に対して0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)の磁界を直交させて磁界による起電力を生じさせた磁気処理装置を備えたことを特徴とする6価クロムの除去装置。
【請求項4】
前記電解液は、植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩から溶出される硫酸イオン物質を含む液体を電気分解することにより生成される、硫酸イオンを含む酸性水及び硫酸イオンを含むアルカリ水であることを特徴とする請求項3に記載の6価クロムの除去装置。
【請求項5】
前記磁気処理装置は、一方の異方性磁気体を収容する磁性体製の一方の磁石保持ケースと、他方の異方性磁気体を収容する磁性体製の他方の磁石保持ケースとを有し、前記他方の磁石保持ケースと前記一方の磁石保持ケースが、それぞれの合せ目において磁気誘導回路の一部を構成するように互いに磁気吸着していて、かつ前記電解液が流動する非磁性体製の接続管を挟み込み、前記一方の異方性磁気体と前記他方の異方性磁気体とにより形成される磁界が前記接続管に対して直交しており、前記接続管が、非鉄金属からなる外部管体と、前記外部管体の内部に収容された、前記外部管体のそれとは異なる非鉄金属からなる内部管体とを有し、かつ前記内部管体の内部及び前記内部管体と前記外部管体の内壁部との間に、前記接続管の入口側から出口側に抜ける前記流路を有し、かつ前記磁界が0.7T(テスラ)から1.0T(テスラ)であって、前記磁界による起電力を生じさせ、かつ前記外部管体と前記内部管体との間には、2種類の非鉄金属のそれぞれが有する電位(H=0V基準の標準電位)の差(電位差)が存在していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の6価クロムの除去装置。
【請求項6】
前記外部管体が、単極電位がプラス電位の一価と二価の物理化学的性質を有する前記非鉄金属管で構成されており、前記内部管体が、単極電位がマイナス電位で一価の物理化学的性質を有する前記非鉄金属管で構成されていることを特徴とする請求項5に記載された6価クロムの除去装置。
【請求項7】
2種類の前記非鉄金属が、プラスの単極電位を有する非鉄金属とマイナスの単極電位を有する非鉄金属であり、プラスの単極電位を有する非鉄金属が金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)の何れか一つであり、マイナスの単極電位を有する非鉄金属がチタン(Ti)、アルミニウム(AL)、タングステン(W)の何れか一つであって、前記内、外部管体の組合せが、金(Au)とチタン(Ti)の場合、金(Au)とアルミニウム(AL)の場合、プラチナ(Pt)とチタン(Ti)の場合、プラチナ(Pt)とアルミニウム(AL)の場合、銀(Ag)とチタン(Ti)銅(Cu)とチタン(Ti)の場合のいずれか一つであることを特徴とする請求項6に記載された6価クロムの除去装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−132970(P2010−132970A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309713(P2008−309713)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(395024296)株式会社細田電機 (8)
【Fターム(参考)】