説明

AAI動作モードを備えた能動植込み型医療装置における改良された心室性頻拍検出

【課題】心室性頻拍の検出を備えた、ペースメーカ、電気除細動器および/または細動除去器等の能動植込み型医療装置を提供する。
【解決手段】本装置は、自発的心室及び心房事象を検出して心房ペーシングパルスを供給し、その後心室検出手段と併発して、不応期PR及び設定された持続時間からなるセーフティウィンドウFSを付加することができる。セーフティウィンドウ外の心室事象検出R0,R1,R2,R3に応答して自発的な心室サイクルの開始を判定する。更にセーフティウィンドウ中及び外の両方で発生した心室事象の検出に応答して心室性頻拍を検出することを含み、これは特に連続する2つの心房ペーシングパルスA1,A2、A2、A3の間におけるセーフティウィンドウ中に発生した1つの心室事象r1、r2とセーフティウィンドウ外に発生した後続する1つの心室事象R1、R2を含む一連の事象の検出によって条件付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は1990年6月20日付EC評議会指令第90/385/CEE号によって定義された“能動植込み型医療機器”に係り、より具体的には心臓活動を監視して診断されたリズム障害に応じてペーシング、再同期化、細動除去および/または電気除細動を達成するための心臓電気パルスを伝送することができる、シングルチャンバ、デュアルチャンバ、または“多数部位”(3あるいは4チャンバ)ペースメーカ、細動除去装置および/または電気除細動装置等の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心房および心室と結合されたペーシングおよび検出回路を備え既知の2つの動作モード、DDDまたはAAI(AAIモードは延長された心房−心室遅延を有するDDDモードである)に従って動作することができる各装置が知られている。これらの装置は、DDDからAAIへあるいはその逆の自動モード転換(切換)を保証するための“DDD−AMC”あるいは“AAISafeR”と呼ばれるモードを備えることができる。
【0003】
DDD/AAIペースメーカの基礎的な動作モードはAAIモード、あるいはより正確には“擬似AAIモード”であり、シングルチャンバ心房ペーシング(狭義でAAIモード)を有し、心室活動を監視している。この動作モードは心房−心室状態が正常である限り維持され、すなわち各心房事象(自発的な活動に相応する心房検波、あるいはペーシングされた事象に相応する心房刺激のいずれか)に対して対応する心室事象が後続する限り維持される。
【0004】
しかしながら、特定の環境においては、房室ブロック(“AVブロック”あるいは“AVB”)が生じる可能性があり、これは一時的な心室消極障害に通じる。この場合、いくつかの条件を満たしている限り、ペースメーカはこの一時AVブロック状態に対して最適化されたパラメータを有する自動DDDモードに自動的に切換わる。AVBが解消した後、心房−心室状態の回復が成され、その他のいくつかの条件を満たしている限りペースメーカは自動的にAAIモードに再切換えされる。
【0005】
後述するように、当業者においては、本発明は自動モード切換を有する装置のみに適用されるものではなく、自動モード切換を備えておらず自動モード切換を防止する必要がないAAIモード動作に本発明を適用することが提案される場合は、AAIモードのみによって動作する装置にも適用可能であることが理解される。
【0006】
この種のAAIまたはDDD/AAI型ペースメーカは、欧州特許出願公開第1470836号明細書およびその対応米国特許出願公開第2005/0240235号明細書(通常通り処理されELAメディカル社に付与)に記載されている。
【0007】
本発明は、前述した既知の自動モード切換機能を有するDDD/AAIペースメーカが植え込まれた患者の治療に際しての観察に基づいている。心房ペーシング速度の2倍に近い比較的安定した速度を有する特定の種類の心室性頻拍(VT)が発生した際にこの種の装置は最適な方式で応答しないことが観察された。従って、図1の説明に関連して詳細に後述するように、各心房ペーシングパルスに後続している“セーフティウィンドウ”が2つのうちの1つの心室事象を隠蔽する。結果として、装置は実際の半分である心室速度を検出してしまう。従って、この頻拍に関連している心室リズムが検出されていないという事実から離れて、装置の動作が誤ったものとなり、それが誤った診断につながり、その結果DDDモードへの不要なモード切換が生じる。DDDモード動作は通常患者に対して有害な影響は及ぼさないが、この種の切換は不要であるとともに自発的な房室間伝導を妨害し、これは例えば他の心室リズム障害等の診断を妨害する可能性があり、従って不要である場合はいずれにしても防止すべきである。
【0008】
さらに、臨床観察によっていくつかの心室事象の隠蔽によるこの種の“予期しない”動作は、房室ブロックが存在している場合、あるいは房室間混信状態(以下“AVCT”と呼ぶ)が生じている場合にも発生可能であることが示された。このAVCT状態は、装置が心室内において実際心房内の遠方電気刺激から伝送された信号を検出する際に生じる。この状態は、現実の房室ブロックの発生を診断することが可能であるように、適正に検出して特徴判断する必要がある。
【発明の対象と概要】
【0009】
従って、本発明の対象は、装置の制御アルゴリズムを誤認させやすい特定の種類のVTを明らかにし、また同様な信号を誘発し易いAVCTと区別することによってこのVTを特徴判断することを可能にする装置を提案することによって前述した問題点を克服することである。
【0010】
本発明が適用される装置の種類は既知のAAIまたはAAI/DDD型装置であり、例えば、欧州特許出願公開第1470836号明細書およびその対応米国特許出願公開第2005/0200235号明細書に記載されているものであり:自発的な心室および心房事象を検出する手段と;心房ペーシングパルスを供給する手段と;心室検出手段と併発して、心房ペーシングパルスに後続して不応期および予め設定された持続時間からなるセーフティウィンドウを付加することが可能な手段と;セーフティウィンドウ外の心室事象検出に応答して自発的な心室サイクルの開始を判定する手段を有している。
【0011】
本発明の一実施形態において、装置はさらにセーフティウィンドウ中あるいはセーフティウィンドウ外で発生した心室事象の検出に応答して心室性頻拍を検出する手段を備えている。
【0012】
本発明は、特に“自動モード切換付DDD”機能として一般に知られている装置に適応しており;すなわち:DDDモードで動作することができ、AAIモードからDDDモードへあるいはその逆の条件付切換をスケジュールすることができる手段を備えている。この場合、心室性頻拍を検出する手段は心室性頻拍を検出した場合にAAIモードからDDDモードへの切換を禁止することができる。
【0013】
さらに好適には、心室性頻拍を検出する手段は:(a)連続する2つの心房ペーシングパルスの間におけるセーフティウィンドウ中に発生した心室事象とセーフティウィンドウ外に発生した後続する心室事象を含む一連の事象の検出、によって条件付けられた固定的な心室頻拍を予見的に疑う手段を備えている。
【0014】
以下は、予見的な疑惑を検出する手段からなる実施形態の種々の利点である:
− 連続する心室事象間の連結間隔を測定する手段を有し、固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段は:(b)測定された連結間隔の固定性の証明によって条件付けられ;
− 心室性頻拍を検出する手段は確認された固定的な心室性頻拍の疑惑の場合に心房ペーシングパルスを供給する手段に付加される心房補充収縮間隔を延長し、セーフティウィンドウ中に発生した連続する心室事象が存在しない場合に心室性頻拍の発生を確認することができ;心室性頻拍の発生の確認後に心房補充収縮間隔が以前の数値に回帰し;
− 固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段は:(c)予め設定された数の先行するサイクル、あるいは予め設定された先行する時間間隔にわたって心房補充収縮間隔の延長が不在であることによって条件付けられ;
− 連続する心室事象間の連結間隔を測定する手段と、測定された連結間隔が心室性頻拍を検出するために所定の閾値と比較される心室性不整脈の分析手段を有し、固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段は:(d)測定された連結間隔が前記心室性頻拍の閾値よりも短い時間間隔を有することの確認によって条件付けられる。
【0015】
本発明のその他の構成、利点および特徴は、添付図面を参照しながら以下に記す好適な実施例の詳細な説明によって当業者において理解される。
【発明の詳細】
【0016】
本発明は、フランス国モンルージュ所在のELAメディカル社からシンフォニーおよびラプソディの商品名で販売されている植込み型装置等の既知の装置の内部ソフトウェアを適正にプログラミングすることによって実施することができる。これらの装置は、プログラム可能なマイクロプロセッサを備えていて、植え込まれた電極によって収集された電気信号を受信、フォーマット、および処理し、それらの電極にペーシングパルスを送信する回路を有している。さらに、内部メモリ内に記憶されたソフトウェアの断片を遠隔操作によってこれらの装置にアップロードして本発明の機能を実施するように動作させることも可能であり、それについて以下に詳細に記述する。本発明の機能をこれらの装置内に装備装させることは当業者においては容易であり、従って本明細書においてはこれ以上詳細に説明しない。
【0017】
図1において、マーカA0,A1,A2,A3はAAI動作モードの特徴である連続する心房ペーシングパルスの時間位置を示している。正常な房室間状態の場合:すなわちこの場合房室ブロックは存在せず装置は連続する心室消極R0を検出する(領域I)。より具体的には、ペーシングパルスの供給の後に装置は心室検出回路に対して:
− “ブランキング”が付加される不応期PRと(またはペーシングパルスの後のいずれかの増幅器障害を遮断するためにセンシング回路を切断し、この障害は電極および心筋インタフェース上におけるインピーダンス変化によって生じるものである);
− 心房ペーシングパルスから開始して一般的に94msの持続時間を有するいわゆる“セーフティウィンドウ”と呼ばれる期間FS、
を併発的に適用する。
【0018】
この不応期PRは16msの絶対不応期を有することが好適であり、これに16msのノイズ検索周期が後続し、これは2msずつのステップで32msまで再トリガすることが可能であり、すなわちこの不応期は心房ペーシングパルスの後32ないし48ms継続することができる。この不応期が管理される方法は、欧州特許出願公開第0962235号明細書およびその対応米国特許第6337996号明細書(通常通り処理されELAメディカル社に付与)により詳細に記載されており、これらは参照に組み入れられる。
【0019】
不応期PRの終了の直ぐ後心室検出回路が作動しており、すなわち装置はこの期間中に発生した心室消極を検出することができる。しかしながら、セーフティウィンドウFSの終了前に消極が検出された場合これは装置によって無視され、それは、先の心房ペーシングパルスから極めて短い遅延時間が与えられていて擬似的なものあるいは独立した心室期外収縮(“ESV”)であると判断することが適当であり、これを考慮に入れてしまうとリズム分析アルゴリズムの正常な動作を妨害する危険性があるためである。
【0020】
この特定の理由のため、最新の装置において、この種の消極は系統的に無視され、心室サイクルの終了(あるいは開始)とは判断されず、これは特に:
− 補充収縮間隔および房室間遅延の管理と;
− 装置がそのように装備されている場合の心室性不整脈兆候の検出、特に頻拍と心室性細動との間の判別と;
− 可能性のあるAAIモードからDDDモードへの切換の管理
の目的のものである。
【0021】
本発明は、自発的な心室速度がVTと特性判断されるまで加速された際に装置の動作が誤制御される特定の状態に照準を合わせたものであり、前記心室速度の加速は以降“2:1固定的VT”と呼称し、これはいくつかの特定のパラメータを示し;具体的に、VTが:
− 固定的な速度を有し:“固定的速度”または“固定的インタバル”により、所与の基準値からx%またはxmsまたはxbpmで定義される範囲内に維持される連続的な数値を有する速度あるいは持続時間を理解し;この固定性分析は特に、ここで参照に組み入れられている欧州特許出願公開第0838235号明細書およびその対応米国特許第5868793号明細書(通常通り処理されELAメディカル社に付与)に記載されている心室リズム分析アルゴリズムによって実行され;
− 心房ペーシング速度に比べて約2倍である速度を有し;
− 不応期PRの終了とセーフティウィンドウFSの終了との間に含まれる遅延内に発生する2つのうちの1つの消極を有し、これは特に長い結合間隔につながる心室期外収縮上でVTが開始した際に生じるものである。
【0022】
この状況は図1中の領域IIによって示されており、ここで連続する心室事象がr1,R1,r2,R2,r3,R3・・・として示されている。事象R1,R2,R3・・・は装置によって検出されてそのように認識される。事象r1,r2,r3・・・はセーフティウィンドウFSによって隠蔽され、すなわちこれらは装置によって適正に検出される(それらは不応期PRの終了後に位置するものとして)がセーフティウィンドウFS内にあるためそのように認識されない。言い換えると、心房ペーシングパルスA1,A2,A3・・・のセーフティウィンドウは2つの心室事象のうちの1つを隠蔽する。
【0023】
この状況は3つの問題点を有している:
− 第1に、隠蔽された事象に基づいた装置の心室速度の測定に相応する頻拍が検出されず、従って実際の速度の半分である心室速度を判定する。
【0024】
− 装置によって判定される房室間遅延、すなわち時間間隔[A1 R1],[A2 R2],[A3 R3]・・・は長過ぎる(実際の遅延[A1 r1],[A2 r2],[A3,r3]・・・と比較して)と見られ、これはタイプ1の房室ブロックに相当する伝導障害と混同させることによって装置を誤動作させる可能性があり、この障害は所与の閾値よりも高い房室間伝導遅延によって特性判断される。この場合、自動モード切換を備えた装置は迅速にDDDモードへの切換をトリガし、例えば同様な状態が示されたら6サイクル後に切換される。
【0025】
− 装置が心室性不整脈の検出機能を備えている際(欧州特許出願公開第1400260号明細書およびその対応米国特許出願公開第2004/0093037号明細書、以下に参照する)、装置が誤って“遅い”生理リズムを感知するためVTが認識されないという事実が機能障害に通じる。この状態は、遅延を検出するかあるいは不整脈を検出しない傾向があり、その結果適切な治療(高周波頻拍除去ペーシング“ATP”、細動除去あるいは電気除細動ショック等)の遅延あるいは不実施に通じる。
【0026】
前述した現象は、房室ブロックが存在する際に房室間混信(AVCT)が生じた場合にも発生する可能性があり、装置は実際には心房ペーシングパルスに由来するものを心室信号内に検出した際に心室消極を感知する。
【0027】
本発明は、可能性のある2:1固定的VTを検出するために一連の検出された心室事象を分析し、それによって迅速なVTの検出および処理を保証し、DDDモードへの不要な切換を防止することによって前記の問題点を克服することを提案する。
【0028】
第1のステップは、AAIモードにおいて2:1固定的VTを疑うことである。この疑惑が以下の4つの条件に相当する:
a) A1−r1−R1−A2−r2−R2のタイプの特徴パターンの検出であり、それにおいて単一の心房サイクル中に心房ペーシングパルス(A1;A2)に対して2つの心室事象(r1,R1;r2,R2)の検出が後続し、その一方(r1;r2)はセーフティウィンドウ中、他方はセーフティウィンドウ外(R1;R2)にあり;
b) 選択的に、装置が心室性不整脈の検出機能を有する場合、心室結合間隔(間隔[R1 r2],[r2 R2]・・・)の持続時間がVTを検出するためのプログラムされた数値より短いこと、すなわちVT検出閾値に達していることを確認し、この閾値は従来の技術によって“TDI閾値”(頻拍検出閾値)の名で知られており(その技術の詳細については前述した欧州特許出願公開第1400260号明細書に記載されている);
c) 心室連結間隔[R1 r2],[r2 R2]・・・の固定性であり、例えば±xmsの固定制でありそれによって特性パターンが維持され;
d) AEI(下記参照)の変更が最後のyサイクル間、例えば20サイクル間に発生していないことであり;この要件は前述したAVCTを伴った房室ブロックの状態の存在時に変更の回数を制限することを可能にする。
【0029】
前述した疑惑の条件が満たされている場合、2:1固定的VTの存在を確認するために、装置は心房補充収縮間隔(AEI)を変更し、それによって1つの単一心房サイクル間中に連続する2つの心室消極をセーフティウィンドウ外に検出することを可能にする(心房補充収縮間隔(AEI)は心房内の検波あるいはペーシングパルスの後、自発的事象がその心房内に検出されない場合にその心房にペーシングパルスを伝送するまでの時間間隔である)。このような場合に、2:1固定的VTが装置によって確認される。
【0030】
このAEIの変更は図2に示されており:A2で開始し現状のAEIを有している心房サイクルに対して心房ペーシングパルスがA3時点で供給され、図1に関連して前述したように、A3の事後の心室事象r3がA3ペーシングパルスによってトリガされた不応期によって隠蔽される。AEIがAEI′に延長されている場合、心房ペーシングパルスがA3′の方向に遅延し、それによって事象R2に続く心室事象AEIの終了前すなわちA3′より前かつA2のセーフティウィンドウ外に発生し、従って装置によってそのように判定される。言い換えると、AEIの延長によって通常セーフティウィンドウによってr3内に隠蔽されている心室事象R3が曝露される。
【0031】
AEIの延長は、例えば125msの固定的な持続時間を有している。好適には、この数値は50ないし150msの範囲でプログラム可能である。事象R3はAEIの延長によって曝露されて心室期外収縮であると判断され、このAEIはその事象上に再生される。また、VTが曝露されると同時にAEIは元の数値に復旧され、従って装置が正常動作に回帰する。
【0032】
装置はその後曝露された2:1固定的VTを考慮に入れ、それによって例えば高周波頻拍除去ペーシング等の適切な治療を従来の方法によって適用する。
【0033】
また、自動モード切換を有する装置の場合、VTの検出によってAAIモードからDDDモードへの切換が禁止され、装置は潜在的な房室ブロックを検出するためにリズム分析を継続する。
【0034】
以上の実施例は単に説明目的のものであって限定するものではなく、当業者においては前述した実施例以外においても本発明を実現可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】心房ペーシング速度よりも2倍速い固定的VTの場合におけるいくつかの心室事象の隠蔽を示した時系図である。
【図2】心房補充収縮期間の変更がどのようにそうでなければ隠蔽されている消極を曝露し、それによってVTの存在を確認するかを示す説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発的な心室および心房事象を検出する手段と;
心房ペーシングパルスを供給する手段と;
心房ペーシングパルスを供給した後、心室検出手段と併発して、不応期(PR)および予め設定された持続時間からなるセーフティウィンドウ(FS)を付加することが可能な手段と;
セーフティウィンドウ外の心室事象検出(R0,R1,R2,R3)に応答して自発的な心室サイクルの開始を判定する手段と;
心房ペーシングパルス(A1,A2,A3)に応答してセーフティウィンドウ中(r1,r2,r3)およびセーフティウィンドウ外(R0,R1,R2,R3)の両方で発生した心室事象の検出に応答して心室性頻拍を検出する手段と、
からなる心室検出を備えた少なくとも1つのAAI動作モードで動作することができる能動植込み型医療装置。
【請求項2】
さらにDDDモードで動作することができ:
AAIモードからDDDモードへあるいはその逆の条件付切換をスケジュールすることができる手段をさらに備え、前記心室性頻拍を検出する手段がさらに心室性頻拍の検出に応答してAAIモードからDDDモードへの切換を禁止する手段を備える、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
心室性頻拍を検出する手段はさらに:
(a) 連続する2つの心房ペーシングパルス(A1,A2;A2;A3)の間におけるセーフティウィンドウ中に発生した1つの心室事象(r1;r2)とセーフティウィンドウ外に発生した後続する1つの心室事象(R1;R2)を含む一連の事象の検出、
によって条件付けられた固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段を備える請求項1記載の装置。
【請求項4】
心室性頻拍を検出する手段は判定された固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑に応答して:
心房ペーシングパルスを供給する手段に付加される心房補充収縮間隔(AEI′)を延長し、
セーフティウィンドウ中に発生した連続する心室事象が存在しないことに応答して心室性頻拍の発生を確認する、
ことが可能である請求項3記載の装置。
【請求項5】
心室性頻拍を検出する手段は固定的な心室性頻拍の判定に応答して心房補充収縮間隔(AEI)を以前の数値に回帰させることが可能である請求項4記載の装置。
【請求項6】
連続する心室事象間の連結間隔(R1−r2,r2−R2,R2−r3,・・・)を測定する手段と、
(a) 前記測定された連結間隔の固定性の確認、
によって条件付けられた、固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段を備えてなる請求項3記載の装置。
【請求項7】
固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段は:
(a) 予め設定された先行するサイクル数あるいは予め設定された先行する時間間隔にわたって心房補充収縮間隔の延長の欠如の検出、
によって条件付けられる請求項3記載の装置。
【請求項8】
(a) 連続する心室事象間の連結間隔(R1−r2,r2−R2,R2−r3,・・・)を測定する手段と、
(b) 測定された連結間隔が心室性頻拍検出(TDI)閾値と比較される心室性頻拍分析手段をさらに備え、前記固定的な心室性頻拍の予見的な疑惑を検出する手段が:
(a) 検出された連結間隔が前記心室性頻拍検出閾値よりも小さな持続時間を示すことの確認によって条件付けられる、
請求項3記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−14758(P2007−14758A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−161699(P2006−161699)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(594199522)エエルア メディカル ソシエテ アノニム (5)
【Fターム(参考)】