説明

AB級増幅器

【課題】広い帯域に亘って高線形性でかつ高効率なAB級増幅器を提供することにある。
【解決手段】本実施の形態に係るAB級増幅器は、電源電圧がVdc、最大電流がImaxの増幅素子の流通角θoがπ(rad)を超えて2・π(rad)未満のAB増幅器において、増幅素子の等価回路の従属電流源から見た基本波の負荷インピーダンスをZ1=R1+j・X1、2倍波の負荷インピーダンスをZ2=R2+j・X2、3倍波の負荷インピーダンスをZ3=R3+j・X3とし、X1とR1の関係を−0.5・R1≦X1≦0.5・R1、R1をR1=Vdc/Imax・{1−cos(θo/2)}・π/{θo/2−sin(θo)/2}、X2/X1をX2/X1=−2・{θo−sin(θo)}/{sin(θo/2)−sin(1.5・θo)/3}に、X3/X1をX3/X1={θo−sin(θo)}/{sin(θo)/3−sin(2・θo)/6}に、あるいはそれぞれの近傍にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、AB級増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
高線形性を要求される通信用電力増幅器は、従来、A級増幅器を用いて構成されていた。しかしながら、昨今のリニアライザの進歩により、A級増幅器より線形性は悪いが、高効率なB級増幅器を用いて通信用電力増幅器を構成する事例が増えてきた。
【0003】
しかし、増幅素子の非線形特性により小信号時の利得が下がるとか、温度変動でC級動作になる等により、歪が増大してリニアライザの歪補償量が不足するために、実際はA級増幅器とB級増幅器の間のAB級増幅器とすることが多い。
【0004】
A級動作は基本波だけを電力整合すれば理論効率50%に近付くが、AB級動作を高効率にするためには理論通りに、高調波の負荷インピーダンスを短絡にしなければならない。このため、AB級動作は、広帯域化の難易度が高い。
【0005】
一方、B級動作も理論効率78.5%に近付けるためには理論通りに、高調波の負荷インピーダンスを短絡にしなければならなため、広帯域化の難易度が高かった。
【0006】
これに対して、昨今注目を集めているJ3級動作は、B級動作と同じ効率を、広帯域に亘って実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−94805号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ピーター・ライト、ジョナサン・リース、ヨハネス・ベネディクト、ポール・ジェイ・タスカーおよびスティーブ・シー・クリップス(Peter Wright, Jonathan Lees, Johannes Benedikt, Paul J. Tasker, and Steve C. Cripps)、“リニア広帯域電力増幅器において、高効率J級動作を実現するための方法(A Methodology for Realizing High Efficiency Class-J in a Linear and Broadband PA)”、米国電気電子協会、マイクロ波理論および技術誌、第57巻、ナンバー12、12月号、3196−3204ページ(IEEE Trans. Microw. Theory Tech.,no.12, Dec. 2009, pp.3196-3204)
【非特許文献2】スティーブ・シー・クリップスおよびポール・ジェイ・タスカー(Steve C. Cripps, Paul J. Tasker)、“新しい電力増幅技術による新しい電力増幅器(New PA Modes for a New PA Technology)”、米国電気電子協会、マイクロ波理論および技術シンポジウムワークショップ (IEEEMTT-S Workshop(WSF)、2010年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
B級増幅器は広帯域化可能であるが、AB級増幅器よりも線形性が悪い。AB級増幅器は、B級増幅器よりも線形性は良いが、帯域が狭い。
【0010】
本実施の形態が解決しようとする課題は、広い帯域に亘って高線形性でかつ高効率なAB級増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施の形態に係るAB級増幅器は、電源電圧がVdc、最大電流がImaxの増幅素子の流通角θoがπ(rad)を超えて2・π(rad)未満のAB増幅器において、増幅素子の等価回路の従属電流源から見た基本波の負荷インピーダンスをZ1=R1+j・X1、2倍波の負荷インピーダンスをZ2=R2+j・X2、3倍波の負荷インピーダンスをZ3=R3+j・X3とし、X1とR1の関係を−0.5・R1≦X1≦0.5・R1、R1をR1=Vdc/Imax・{1−cos(θo/2)}・π/{θo/2−sin(θo)/2}、X2/X1をX2/X1=−2・{θo−sin(θo)}/{sin(θo/2)−sin(1.5・θo)/3}に、X3/X1をX3/X1={θo−sin(θo)}/{sin(θo)/3−sin(2・θo)/6}に、あるいはそれぞれの近傍にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態に係るAB級増幅器において、バイアス回路などを省略して単純化した等価回路の一例を示す図。
【図2】比較例のB級動作のVds/VdcとIds/Idcの波形例を示す図。
【図3】比較例のJ3級動作の一例のVds/VdcとIds/Idcの波形例を示す図。
【図4】比較例のJ3級動作の他の例のVds/VdcとIds/Idcの波形例を示す図。
【図5】実施の形態に係るAB級増幅器において、流通角θo/(2・π)に対するR1・Imax/ Vdc、X2/X1、Po、Lo、ηdの各パラメータの特性を示す図。
【図6】実施の形態に係るAB級増幅器において、流通角θo/(2・π)に対するX2/X1,X3/X1、および拡大されたX2/X1,X3/X1((X2/X1)*、(X3/X1)*で表示)の特性を示す図。
【図7】比較例のAB級動作のVds/VdcとIds/Idcの波形例を示す図。
【図8】実施の形態に係るAB級増幅器において、Vds/VdcとIds/Idcの波形例を示す図。
【図9】実施の形態に係るAB級増幅器において、Vds/VdcとIds/Idcの別の波形例を示す図。
【図10】実施の形態に係るAB級増幅器において、基本波fと2倍波2・fと3倍波3・fの負荷インピーダンス(スミスチャート)の範囲の一例を示す図。
【図11】実施の形態に係るAB級増幅器において、外囲器内部の概観の一例を示す模式的平面パターン構成図。
【図12】実施の形態に係るAB級増幅器において、出力側整合回路の一実施例を説明する模式的回路構成図。
【図13】実施の形態に係るAB級増幅器において、高調波処理集中定数回路の一実施例を説明する模式的回路構成図。
【図14】実施の形態に係るAB級増幅器において、高調波処理集中定数回路の他の実施例を説明する模式的回路構成図。
【図15】実施の形態に係るAB級増幅器において、高調波処理集中定数回路の他の実施例を説明する模式的回路構成図。
【図16】実施の形態に係るAB級増幅器において、出力側整合回路の他の実施例を説明する模式的回路構成図。
【図17】実施の形態に係るAB級増幅器において、基本波と2倍波と3倍波の負荷インピーダンス(スミスチャート)の一例を示す図。
【図18】実施の形態に係るAB級増幅器において、出力側整合回路の概観図の一実施例を示す模式的平面パターン構成図。
【図19】実施の形態に係るAB級増幅器において、FETチップ近傍の概観図の一実施例を示す模式的平面パターン構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下において、同じ要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
実施の形態に係るAB級増幅器において、バイアス回路などを省略して単純化した等価回路の一例は、図1に示すように表される。
【0016】
増幅素子は半導体に限らず真空管などでも良いが、ここでは増幅素子として、ソース接地の電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)108を用いて説明する。
【0017】
実施の形態に係るAB級増幅器の等価回路は、図1に示すように、ゲート端子電極Gとソース端子電極S間に直列接続されたゲート抵抗Rgおよびゲート・ソース間キャパシタCgsと、ドレイン端子電極Dとソース端子電極S間に並列接続された電流源Idsおよび出力容量Coと、ゲート端子電極Gに接続された入力側整合回路102と、ドレイン端子電極Dに接続された出力側整合回路104とを備える。
【0018】
入力側整合回路102には、信号源100が接続され、出力側整合回路104には、負荷106が接続される。
【0019】
比較例に係るB級動作の等価回路も図1と回路構成は同じである。AB級動作とB級動作の違いは、流通角の違いである。流通角の違いは、ゲートバイアスの違いにより生じる。
【0020】
流通角がθo=π(rad)のB級動作の理論では、ドレイン−ソース間電圧VdsのDC成分の電源電圧をVdc、従属電流源の電流Idsの最大電流をImax、従属電流源から見た基本波の負荷インピーダンスをZ1=R1+j・X1=2・Vdc/Imax、高調波の負荷インピーダンスをZi=Ri+j・Xi=0(i=2,3,…)とすると、線形での最大出力電力Po=Vdc・Imax/4を得る。
【0021】
この時、電流IdsのDC成分の電源電流はIdc=Imax/π、消費電力はPdc=Vdc・Imax/π、ドレイン効率(以下、効率と略す)はηd=Po/Pdc=π/4=78.5%である。
【0022】
比較例のB級動作のVds/VdcとIds/Idcの波形例は、図2に示すように表される。すなわち、横軸を1周期で基準化した位相θ/(2・π)、縦軸をIdcで基準化したIdsのIds/IdcおよびVdcで基準化したVdsのVds/Vdcとした波形は、図2に示すように、Idsに奇数の高調波成分は無く、Idsの基本波成分I1に対する2倍波成分I2はI2/I1=0.42、3倍波成分I3はI3/I1=0である。そして、Vdsに高調波成分は無い。
【0023】
しかし、実際の出力側整合回路では、4倍波以上は無視しても、広帯域に亘りZ1=2・Vdc/Imax、Z2=Z3=0を実現できない。
【0024】
一方、比較例のJ3級動作の一例のVds/VdcとIds/Idcの波形例は、図3に示すように表され、比較例のJ3級動作の他の例のVds/VdcとIds/Idcの波形例は、図4に示すように表される。
【0025】
図2に示された比較例のB級動作に対して、R1やR2やR3は変わらずに、例えばX1=0.25・R1やX1=0.5・R1になった時でもX2=−3・π/2・X1=−4.71・X1、X3=±∞を満足すれば、図3や図4の様にηdもPoも変わらない。これは−0.5・R1≦X1≦0.5・R1で成立する。なお、Idsは図3も図4も図2と同じであるが、図3と図4のVdsの基本波成分V1は図2のV1の1.03∠0.08・π(rad)倍と1.12∠0.15・π(rad)倍になり、2倍波成分V2は図2のV1の0.25∠−0.5π(rad)倍と0.5∠−0.5・π(rad)倍になり、3倍波成分V3は図2のV1の0.125∠0.5π(rad)倍と0.25∠0.5・π(rad)倍になる。
【0026】
以上から、出力側整合回路でX1とR1の関係を−0.5・R1≦X1≦0.5・R1、R1をR1=2・Vdc/Imax、X2/X1をX2/X1=−4.71、X3/X1をX3/X1=±∞に、あるいはそれぞれの近傍にすれば、B級動作と同じηdやPoを広帯域に亘って実現できる。
【0027】
しかし、J3級動作は流通角θoがπ(rad)の場合なので、θoがπ(rad)を超えるAB級動作には適用できない。
【0028】
また、J級動作の効率改善を狙ったEJ級動作も流通角θoがπ(rad)の場合である。
【0029】
流通角θoがπ(rad)を超えるAB級動作の基本波と2倍波と3倍波の負荷インピーダンスをθoの関数とすることにより、広い帯域に亘って高線形性で高効率な増幅器が提供される。
【0030】
IdsのDC成分は、
Idc=Imax・{sin(θo/2)−θo/2・cos(θo/2)}/[π・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はIdc=0で、θo=πの時はIdc=Imax/πになり、θo=2・πの時はIdc=Imax/2になる。
【0031】
Idsの基本波成分は、
I1=Imax・{θo/2−sin(θo)/2}/[π・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はI1=0で、θo=πの時はI1=Imax/2になり、θo=2・πの時はI1=Imax/2になる。
【0032】
Idsの2倍波成分は、
I2=Imax・{sin(θo/2)/2−sin(1.5・θo)/6}/[π・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はI2=0で、θo=0.667・πの時に最大のI3=0.276・Imaxになり、θo=πの時はI2= 0.212・Imaxになり、θo=2・πの時はI2=0になる。
【0033】
Idsの3倍波成分は
I3=Imax・{sin(θo)/6−sin(2・θo)/12}/[π・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はI3=0で、θo=0.443・πの時に最大のI3=0.185・Imaxになり、θo=πの時はI3=0になり、θo=1.286・πの時に最小のI3=−0.047・Imaxになり、θo=2・πの時はI3=0になる。
【0034】
Idsの実効値は、
Irms=Imax・[θo/2−3・cos(θo/2)・sin(θo/2)+θo・{cos(θo/2)}2]0.5
/[(2・π)0.5・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はIrms=0で、θo=πの時はIrms=Imax/2になり、θo=2・πの時はIrms=0.612・Imaxになる。
【0035】
Vdsは
Vds =Vdc−[I1・{R1・cos(θ)−X1・sin(θ)}
+I2・{R2・cos(2・θ)−X2・sin(2・θ)}
+I3・{R3・cos(3・θ)−X3・sin(3・θ)}]
で表され、Vdcで規格化して前記I1、I2、I3を代入し、R2=R3=0とすると
Vds/Vdc =1− [{θo/2−sin(θo)/2}・{R1・cos(θ)−X1・sin(θ)}
−{sin(θo/2)/2−sin(1.5・θo)/6}・X2・sin(2・θ)
−{sin(θo)/6−sin(2・θo)/12}・X3・sin(3・θ)]・Imax/Vdc/[π・{1−cos(θo/2)}]…(1)
となる。
【0036】
ここでVds/Vdcが
Vds/Vdc={1−cos(θ)}・{1−β・sin(2・θ)}
と表されて
−1≦β≦+1
ならば、Vdsは1周期に1回か3回はVds=0となり、Vds≧0の範囲で変化する。
【0037】
三角関数の公式のsin(2・θ)・cos(θ)={sin(3・θ)+sin(θ)}/2を使い整理すると
Vds/Vdc=1−cos(θ)+β/2・sin(θ)−β・sin(2・θ)+β/2・sin(3・θ) …(2)
となるので、式(1)と式(2)を比較すると
1={θo/2−sin(θo)/2}・R1・Imax/Vdc/[π・{1−cos(θo/2)}] …(3)
β/2={θo/2−sin(θo)/2}・X1・Imax/Vdc/[π・{1−cos(θo/2)}] …(4)
β=−{sin(θo/2)/2−sin(1.5・θo)/6 }・X2・Imax/Vdc/[π・{1−cos(θo/2)}] …(5)
β/2={sin(θo)/6−sin(2・θo)/12}・X3・Imax/Vdc/[π・{1−cos(θo/2)}] …(6)
となり、式(3)から
R1= Vdc/Imax・π・{1−cos(θo/2)}/{θo/2−sin(θo)/2}
式(3)と式(4)から
−0.5・R1≦X1≦0.5・R1
式(4)と式(5)から
X2/X1=−2・{θo−sin(θo)}/{sin(θo/2)−sin(1.5・θo)/3}
式(4)と式(6)から
X3/X1={θo−sin(θo)}/{sin(θo)/3−sin(2・θo)/6}
となる。θo=0の時はR1=∞、X2/X1=−2、X3/X1=1になり、θo=πの時はR1=2・Vdc/Imax、X2/X1=−3・π/2=−4.71、X3/X1=±∞になり、θo=2・πの時はR1=2・Vdc/Imax、X2/X1=−∞、X3/X1=−∞になる。
【0038】
一方、DCの消費電力Pdcは
Pdc=Vdc・Idc=Vdc・Imax・{sin(θo/2)−θo/2・cos(θo/2)}/[π・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はPdc=0、θo=πの時はPdc=Vdc・Imax/πになり、θo=2・πの時はPdc→Vdc・Imax/2になる。
【0039】
基本波の最大出力電力Poは
Po=0.5・R1・I12=0.25・Vdc・Imax・{θo−sin(θo)}/[π・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はPo=0、θo=πの時はPo=Vdc・Imax/4になり、θo=2・πの時はPo= Vdc・Imax/4になる。
【0040】
ドレイン効率ηdは
ηd=Po/Pdc=0.25・{θo−sin(θo)}/{sin(θo/2)−θo/2・cos(θo/2)}
で表され、θo=0の時はηd=1=100%、θo=πの時はηd=π/4=78.5%、θo=2・πの時はηd=1/2=50%になる。
【0041】
FETのオン抵抗Ronが0Ωでない場合、Ronによる損失Pronは
Pron=Ron・Irms2
=Ron・Imax2・[θo/2−3・cos(θo/2)・sin(θo/2)+θo・{cos(θo/2)}2]
/[2・π・{1−cos(θo/2)}2]
で表され、θo=0の時はPron=0、θo=πの時はPron=Ron・Imax2/4になり、θo=2・πの時はPron=Ron・Imax2・3/8になる。
【0042】
Poに対するPronの比Loは
Lo=Pron/Po=Ron・Imax/Vdc・[θo/2−3・cos(θo/2)・sin(θo/2)+θo・{cos(θo/2)}2]
/[{θo/2−sin(θo)/2}・{1−cos(θo/2)}]
で表され、θo=0の時はLo=Ron・Imax/ Vdc・4/5、θo=πの時はLo=Ron・Imax/ Vdcになり、θo=2・πの時はLo=Ron・Imax/Vdc・3/2になる。
【0043】
以上の関係をグラフを用いて説明する。
【0044】
実施の形態に係るAB級増幅器において、流通角θo/(2・π)に対するR1・Imax/ Vdc、X2/X1、Po、Lo、ηdの各パラメータの特性は、図5に示すように表される。
【0045】
図5はθo/(2・π)を0から1まで変化させたときの、R1・Imax/Vdc、Po、Loおよびηdを示している。X1=X2=X3=0とすればこれらはA級動作からC級動作と同じで、θo/(2・π)=1はA級動作、0.5<θo/(2・π)<1はAB級動作、θo/(2・π)=0.5はB級動作、0<θo/(2・π)<0.5はC級動作である。B級動作のθo/(2・π)=0.5ではηd=78.5%であるが実際はAB級動作より線形性が悪い、B級動作より線形性が良いAB級動作で例えばθo/(2・π)=0.6とするとηd=71.0%でB級動作より7.5%だけ効率が低い。また、B級動作と比べて、R1・Imax/Vdc=1.89は0.94倍で、Po=0.25dBに増え、Lo=Pron/Po1=0.40dBは少し悪い。
【0046】
実施の形態に係るAB級増幅器において、流通角θo/(2・π)に対するX2/X1,X3/X1、および拡大されたX2/X1,X3/X1((X2/X1)*、(X3/X1)*で表示)の特性は、図6に示すように表される。
【0047】
図6はθo/(2・π)を0から1まで変化させたときの、X2/X1とX3/X1およびそれらの拡大図を示している。J3級動作のθo/(2・π)=0.5ではX2/X1=−3・π/2=−4.71、X3/X1=±∞である。そして、実施の形態に係るAB級増幅器において、例えば、θo/(2・π)=0.6ではX2/X1=−7.60、X3/X1=−12.29である。
【0048】
比較例のAB級動作において、Vds/VdcとIds/Idcの波形例は、図7に示すように表される。
【0049】
比較例のAB級動作(Zi=0、i=2,3,…)において、図7に示すθo/(2・π)=0.6のIds/IdcからIdsの基本波成分I1は、図2のB級動作のI1の1.06倍に増え、2倍波成分I2は、図2のI1の0.28倍に減り、3倍波成分I3は、図2のI1の−0.09倍に増える。同図のVds/VdcからVdsの基本波成分V1は図2のV1と同じで、Vdsに高調波成分はない。
【0050】
これに対して、R1やR2やR3は変わらずに、例えばX1=0.25・R1やX1=0.5・R1になった時でもX2/X1=−7.60、X3/X1=−12.29を満足すれば図8や図9の様にηdもPoも図7と変わらない。なお、Idsは図8も図9も図7と同じであるが、図8と図9のVdsの基本波成分V1は図7のV1の1.03∠0.08・π(rad)倍と1.12∠0.15・π(rad)倍になり、2倍波成分V2は図7のV1の0.25∠−0.5π(rad)倍と0.5∠−0.5・π(rad)倍になり、3倍波成分V2は図7のV1の0.125∠0.5π(rad)倍と0.25∠0.5・π(rad)倍になる。これらの関係は図2〜図4と同じである。
【0051】
実施の形態に係るAB級増幅器において、基本波fと2倍波2・fと3倍波3・fの負荷インピーダンス(スミスチャート)の範囲の一例は、図10に示すように表される。
【0052】
実際の出力側整合回路104では広帯域に亘ってR2=R3=0は実現困難であるが、0に近い方がPoやηdを高くできるので、R2<1/3・R1、R2<1/3・R1とする。図10においては、例えば、I2>|I3|の場合にR2<1/6・R1、R3<1/3・R1とした時の、基本波fと2倍波2・fと3倍波3・fの負荷インピーダンス(スミスチャート)の範囲が示されている。周波数帯域内のZ1=R1+j・X1とZ2=R2+j・X2とZ3=R3+j・X3をこの範囲とし、X2/X1=−7.60、X3/X1=−12.29に近付ける様に出力側整合回路を設計することができる。
【0053】
実施の形態に係るAB級増幅器において、外囲器内部の概観の一例を示す模式的平面パターン構成は、図11に示すように表される。
【0054】
実施の形態に係るAB級増幅器は、図11に示すように、外囲器200上において、入力端子Pinと出力端子Poutとの間に配置されたセラミック壁16と、セラミック壁16の内側に配置された半導体装置24a・24bと、半導体装置24a・24bに隣接して配置された入力側整合回路基板26・出力側整合回路基板28とを備える。入力側整合回路基板26・出力側整合回路基板28上には、それぞれ入力側整合回路102・出力側整合回路104が配置される。ここで、入力側整合回路102・出力側整合回路104は、図示は省略されているが、分布定数回路もしくは集中定数回路などを適用して構成される。
【0055】
入力端子Pin・入力側整合回路基板26間はボンディングワイヤ11で接続され、入力側整合回路基板26・半導体装置24a・24b間はボンディングワイヤ12a・12bで接続され、出力側整合回路基板28・半導体装置24a・24b間はボンディングワイヤ14a・14bで接続され、出力側整合回路基板28基板・出力端子Pout間はボンディングワイヤ15で接続される。尚、入力端子Pinと出力端子Poutは、絶縁層22上に配置されたストリップラインで構成される。
【0056】
出力側整合回路104は、分布定数回路で構成しても良いし、例えば、図11の外囲器200に内蔵するために、図12に示すように、一部を高調波処理集中定数回路20で構
成しても良い。
【0057】
実施の形態に係るAB級増幅器において、出力側整合回路104は、図12に示すように、高調波処理集中定数回路20とインピーダンス変換回路40とを備える。ここで、高調波処理集中定数回路20については、後述するが、インピーダンス変換回路40は、特性インピーダンスと長さがZt1とLt1=波長/4およびZt2とLt2=波長/4の2段の分布定数線路で表されている。
【0058】
高調波処理集中定数回路20は、中心周波数foの2倍波を短絡するだけでなく、例えばfoにおいて出力容量Coと並列共振する回路として広帯域化を図っても良い。そして、インピーダンス変換回路40は、R1を負荷のRoにインピーダンス変換する。高調波処理集中定数回路20と出力容量Coを並列接続した並列回路をリアクタンス回路30として表し、そのアドミッタンスをYp、foの角周波数をωo=2・π・fo、b≒1、c≒2、e≒3、0<a<b<c<d<e<gとして
【数1】

とすると、a・ωoとc・ωoとe・ωoで短絡、DCとb・ωoとd・ωoとg・ωoで開放になる。このYpは、以下の3種類の回路で実現できる。すなわち、実施の形態に係るAB級増幅器において、高調波処理集中定数回路20の一実施例を説明する模式的回路構成は、図13〜図15に示すように表すことができる。
【0059】
まず、Yp(s)を分部分数展開した
Yp(s)=s・Hp + Yp1(s)
において、Hp=Coとする。Yp1(s)を分部分数展開すると
【数2】

となる。すなわち、高調波処理集中定数回路20は、図13に示すように、インダクタL1p・キャパシタC1pからなる第1直列回路と、インダクタL2p・キャパシタC2pからなる第2直列回路と、インダクタL3p・キャパシタC3pからなる第3直列回路との並列回路で構成される。
【0060】
次にZp1(s)=1/Yp1(s)を分部分数展開すると
【数3】

となる。すなわち、高調波処理集中定数回路20は、図14に示すように、インダクタL1s・キャパシタC1sからなる直列回路と、インダクタL2s・キャパシタC2sからなる並列回路と、インダクタL3s・キャパシタC3sからなる並列回路との直列回路で構成される。
【0061】
最後にZp1(s)を連分数展開すると
【数4】

となる。すなわち、高調波処理集中定数回路20は、図15に示すように、直列インダクタL1l、並列キャパシタC1l、直列インダクタL2l、並列キャパシタC2l、直列インダクタL3l、並列キャパシタC3lからなる梯子型回路で構成される。
【0062】
これら3種類の回路の周波数特性は同じであるが、外囲器200(図11)の中で低損失なチップコンデンサやボンディングワイヤでキャパシタCやインダクタLを作る場合は、図13の回路構成はFET24a・24bのドレインパッドに4種類のボンディングをする必要があり、図14の回路構成はチップコンデンサを3階建てにする必要が有る。一方、図15の回路構成は実装が最も容易である。
【0063】
実施の形態に係るAB級増幅器において、図15に示した高調波処理集中定数回路20を適用した出力側整合回路104の実施例を説明する模式的回路構成は、図16に示すように表される。図16において、高調波処理集中定数回路20は、図15と同様に、直列インダクタL1l、並列キャパシタC1l、直列インダクタL2l、並列キャパシタC2l、直列インダクタL3l、並列キャパシタC3lからなる梯子型回路で構成される。
【0064】
また、多数のセルを並列接続する高出力FET108のインピーダンスは低いので、図12中のインピーダンス変換回路40において、FET側の分布定数線路の特性インピーダンスZt1は低く、比誘電率が約10のアルミナ基板上の分布定数線路では線路幅がFETチップの幅よりも広くなる。一方、比誘電率が高い基板は割れ易く大面積の基板を実装する難易度が高い。そこで、Zt1の分布定数線路を図15では、インダクタL4・キャパシタC4・インダクタL5の集中定数回路に置き換えている。
【0065】
実施の形態に係るAB級増幅器において、基本波と2倍波と3倍波の負荷インピーダンス(スミスチャート)の一例は、図17に示すように表される。
【0066】
短絡とする周波数a・foは低い方が特性が良いが、C3の容量が大きくなるので、例えばa=0.2とし、周波数b・fo、c・fo、d・fo、e・fo、g・foを最適化すると、b=1.05、c=2.53、d=2.76、e=6.50、g=6.51の時に、図17に示す様に、fo−5%でX2/X1=−4.15、X3/X1=−12.7、foでX2/X1=−6.55、X3/X1=−9.97、fo+5%でX2/X1=−9.57、X3/X1=−12.81となり、比帯域幅10%で、X2/X1=−7.60、X3/X1=−12.29に近付く。
【0067】
実施の形態に係るAB級増幅器において、出力側整合回路104の概観の一実施例を示す模式的平面パターン構成は、図18に示すように表される。また、FETチップ近傍の高調波処理集中定数回路部50(50a・50b)の概観の一実施例を示す模式的平面パターン構成は、図19に示すように表される。
【0068】
図18においては、2チップのFET24a・24bを電力合成する一実施例が示されている。並列接続するために、出力側整合回路基板28上に形成された片側の分布定数線路の特性インピーダンスは、Zt2の2倍の2・Zt2にする。
【0069】
基本波の電力整合と高調波処理を均一にするために、キャパシタC4を4分割して、夫々を1/4・C4とし、FETチップを8セルに分割する。FET24a・24bのドレイン端子電極は8分割され、D1a・D2a・…・D8a・D1b・D2b・…・D8bで表されている。そして、並列接続なので夫々のインダクタL5は4倍、夫々のインダクタL4は16倍にする。図18ではボンディングワイヤを夫々1本で表現しているが、実際は電流容量を検討して必要な本数に増やす。
【0070】
ここで省略した高調波処理集中定数回路部50a・50bには、図18に示すように、キャパシタC1, キャパシタC2, キャパシタC3, インダクタL1, インダクタL2, インダクタL3が配置される。すなわち、実装バラツキを減らすためにキャパシタC1とキャパシタC2とキャパシタC3は同じコンデンサ基板上に作り、キャパシタC1とキャパシタC2は32分割、キャパシタC3は16分割とし、小面積のキャパシタC1とキャパシタC2のボンディング回数を1回にするためにステッチボンディングとする。従って、インダクタL1とインダクタL2とインダクタL3のボンディング位置を直線上にするために傾けてハの字にボンディングする。また、インダクタL3とインダクタL4が交差するので、インダクタL3を低くボンディング形成し、インダクタL4を高くボンディング形成する。
【0071】
一方、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)などでは、多層構造にできるので配線の引き回しの自由度が高く、また3階建てのコンデンサも可能なので、図15だけでなく図13や図14を実現する難易度も高くない。なお、接地用のビア(VIA)ホールの寄生インダクタンスが無視できない場合、図13の3箇所の接地の寄生インダクタンスは、インダクタL1pやインダクタL2pやインダクタL3pの一部と扱い設計で吸収できる。また、図14の1箇所の接地の寄生インダクタンスは、インダクタL1sの一部と扱い設計で吸収できる。一方、図15のキャパシタC1lやキャパシタC2lの接地の寄生インダクタンスは設計で吸収できないので周波数特性が悪くなる。
【0072】
そして、MMICなどでは集中定数素子のLやCを準集中定数素子として形成しても良い。
【0073】
以上から、出力側整合回路104でX1とR1の関係を−0.5・R1≦X1≦0.5・R1、R1をR1=Vdc/Imax・{1−cos(θo/2)}・π/{θo/2−sin(θo)/2}、X2/X1をX2/X1=−2・{θo−sin(θo)}/{sin(θo/2)−sin(1.5・θo)/3}に、X3/X1をX3/X1={θo−sin(θo)}/{sin(θo)/3−sin(2・θo)/6}に、あるいはそれぞれの近傍にすれば、B級動作よりも線形性が良いAB級動作と同じ線形性や、効率ηdや、最大出力電力Poを広帯域に亘って実現することができる。
【0074】
本実施の形態によれば、流通角θoがπ(rad)を超えるAB級動作の基本波と2倍波と3倍波の負荷インピーダンスをθoの関数とすることにより、広い帯域に亘って高線形性で高効率なAB級増幅器を提供することができる。
【0075】
本実施の形態によれば、広い帯域に亘って高線形性でかつ高効率なAB級増幅器を提供することができる。
【0076】
[その他の実施の形態]
実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0077】
なお、実施の形態に係るC級増幅器に搭載される増幅素子としては、FETに限らず、バイポーラトランジスタ(BJT: Bipolar Junction Transistor)、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)、LDMOS(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Hetero-junction Bipolar Transistor)、真空管なども適用できることは言うまでもない。
【0078】
このように、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【符号の説明】
【0079】
11、12a、12b、14a、14b、15…ボンディングワイヤ
16…セラミック壁
20…高調波処理集中定数回路
22…絶縁層
24、24a、24b、108…半導体装置(FET)
26…入力側整合回路基板
28…出力側整合回路基板
30…高調波処理回路
40…インピーダンス変換回路
50、50a、50b…高調波処理回路部
60…キャパシタ用基板
100…信号源
102…入力側整合回路
104…出力側整合回路
106…負荷
200…外囲器
Pin…入力端子
Pout…出力端子
G…ゲート端子電極
S…ソース端子電極
D、D1a、D2a、…、D8a、D1b、D2b、…、D8b…ドレイン端子電極
θo…流通角
ηd…ドレイン効率
Po…最大出力電力
Vds…ドレイン−ソース間電圧
Vdc…電源電圧
Ids…従属電流源の電流
Idc…電源電流
Imax…最大電流
Z1(=R1+j・X1)…基本波の負荷インピーダンス
Z2(=R2+j・X2)…2倍波の負荷インピーダンス
Z3(=R3+j・X3)…3倍波の負荷インピーダンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧がVdc、最大電流がImaxの増幅素子の流通角θoがπ(rad)を超えて2・π(rad)未満のAB増幅器において、前記増幅素子の等価回路の従属電流源から見た基本波の負荷インピーダンスをZ1=R1+j・X1、2倍波の負荷インピーダンスをZ2=R2+j・X2、3倍波の負荷インピーダンスをZ3=R3+j・X3とし、X1とR1の関係を−0.5・R1≦X1≦0.5・R1、R1をR1=Vdc/Imax・{1−cos(θo/2)}・π/{θo/2−sin(θo)/2}、X2/X1をX2/X1=−2・{θo−sin(θo)}/{sin(θo/2)−sin(1.5・θo)/3}に、X3/X1をX3/X1={θo−sin(θo)}/{sin(θo)/3−sin(2・θo)/6}に、あるいはそれぞれの近傍にする事を特徴とするAB級増幅器。
【請求項2】
R2<1/3・R1とすることを特徴とする請求項1に記載のAB級増幅器。
【請求項3】
R3<1/3・R1とすることを特徴とする請求項1に記載のAB級増幅器。
【請求項4】
前記増幅素子に接続された出力側整合回路は、分布定数回路を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のAB級増幅器。
【請求項5】
前記増幅素子に接続された出力側整合回路は、集中定数回路および分布定数回路を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のAB級増幅器。
【請求項6】
前記増幅素子に接続された出力側整合回路は、高調波処理集中定数回路とインピーダンス変換回路とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のAB級増幅器。
【請求項7】
前記高調波処理集中定数回路と前記増幅素子の出力容量との並列回路からなるリアクタンス回路を備えることを特徴とする請求項6に記載のAB級増幅器。
【請求項8】
前記リアクタンス回路は、第1インダクタおよび第1キャパシタからなる第1直列回路と、第2インダクタおよび第2キャパシタからなる第2直列回路と、第3インダクタおよび第3キャパシタからなる第3直列回路との並列回路であることを特徴とする請求項7に記載のAB級増幅器。
【請求項9】
前記リアクタンス回路は、第4インダクタおよび第4キャパシタからなる直列回路と、第5インダクタおよび第5キャパシタからなる並列回路と、第6インダクタおよび第6キャパシタからなる並列回路との直列回路であることを特徴とする請求項7に記載のAB級増幅器。
【請求項10】
前記リアクタンス回路は、直列接続される第7インダクタ、並列接続される第7キャパシタ、直列接続される第8インダクタ、並列接続される第8キャパシタ、直列接続される第9インダクタ、並列接続される第9キャパシタからなる梯子型回路であることを特徴とする請求項7に記載のAB級増幅器。
【請求項11】
前記増幅素子は、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、高電子移動度トランジスタ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、真空管のいずれかであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のAB級増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−182558(P2012−182558A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42668(P2011−42668)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】