説明

ACDシステム

【課題】外線着信呼に対してオペレータを適切に配置するとともに、外線着信呼の統計データを取得するACDシステムを提供する。
【解決手段】外線着信呼が提供される外線の着番号に応じて複数のACDグループを形成し、内線電話機(受付台)のID番号に対応して複数のACDグループにログオンさせるためのACDグループ別テーブルと、内線電話機のID番号に対応して全ての着番号を包含する1つのACDグループにログオンさせるための着番号グループ別テーブルとを有するACD装置3を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顧客からの外線着信呼を管理し、内線電話機(受付台)に外線着信呼を均等に分配するACDシステムに係り、特に外線着信呼を着番号別に集計して着番号別稼動状態などを一覧表示可能なACDシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のACDシステムにおいて、複数の内線電話機(受付台)が着信拒否中や外線着信呼応答中で全塞がり状態の場合、待ち外線着信呼数をACD装置からの指令に基づいて構内交換機を介して内線電話機に表示させ、内線電話機が着信拒否中や外線着信呼応答中でも、ACDログオン登録した全ての内線電話機(受付台)に待ち外線着信呼数を表示させてオペレータに着信拒否状態から受付け業務への復帰を促がすことができ、顧客へのサービス向上を図るように構成されたものが「特許文献1」に開示されている。
【特許文献1】特開2004−266611号公報(発明の効果を参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のACDシステムは、内線電話機(受付台)が着信拒否中や外線着信呼応答中で全塞がり状態の場合にも、待ち外線着信呼数をACD装置からの指令に基づいて構内交換機を介して内線電話機に表示させることができるが、予め内線電話機(受付台)毎に複数の局線への外線着信呼を割り当て、オペレータの熟練度や能力に応じて外線着信呼を扱わせ、受付業務の効率化を図ることができない課題がある。
【0004】
また、従来のACDシステムは、オペレータが扱う多数の外線着信呼毎の統計的なデータを収集できなく、季節、時間帯などの外線着信毎の呼数が把握できないために、オペレータの人数や必要とされる能力を含めた人員計画の適正化が図れず、顧客へのサービス低下や、オペレータ業務の非効率化を招く虞がある。
【0005】
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は外線着信呼に対してオペレータを適切に配置するとともに、外線着信呼の統計データを取得するACDシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するためこの発明に係るACDシステムは、コールセンタに設置された構内交換機と、前記構内交換機に接続されたACD装置と、前記構内交換機に収容された複数の内線電話機と、からなり、外線着信呼を前記複数の内線電話機に分配着信させて受付け業務を遂行するACDシステムであって、前記ACD装置は、外線着信呼によって得られる番号情報に応じて複数のACDグループを形成し、前記内線電話機のID番号に対応して前記複数のACDグループにログオンさせるためのACDグループ別テーブルと、前記内線電話機のID番号に対応して全ての前記番号情報を包含する1つの番号情報グループにログオンさせるための番号情報グループ別テーブルと、を備え、
前記ACDグループ別テーブルに基づいて着信呼をログオン登録された前記内線電話機に転送して受け付けさせるとともに、前記番号情報グループ別テーブルに基づいて全ての外線着信呼の統計データを生成し、管理することを特徴とする。
【0007】
この発明に係るACDシステムのACD装置は、外線着信呼の着番号(番号情報)に応じて複数のACDグループを形成し、内線電話機(受付台)のID番号に対応して複数のACDグループにログオンさせるためのACDグループ別テーブルと、内線電話機のID番号に対応して全ての着番号を包含する1つの着番号グループにログオンさせるための着番号(番号情報)グループ別テーブルとを備え、ACDグループ別テーブルに基づいて着信呼をログオン登録された内線電話機に転送して受け付けさせるとともに、着番号(番号情報)グループ別テーブルに基づいて全ての着信呼の統計データを生成し、管理するので、オペレータにID番号を付与し、オペレータの能力に応じた受付業務を実行させるとともに、外線着信呼の統計データを取得することができる。
【0008】
また、この発明に係るACD装置は、前記ACDグループ別テーブルおよび前記番号情報グループ別テーブルを記憶するACD記憶手段と、前記内線電話機からのログオン登録要求およびID番号が提供されると、前記記憶手段の前記ACDグループ別テーブルに格納されたID番号を比較し、一致する場合には対応したACDグループをマルチログオンする判定手段及び同時に番号情報グループへもログオンする判定手段と、外線着信呼および待ち外線着信呼数を管理する着信呼管理手段と、外線着信呼の番号情報情報に演算、集計などを施し、所定のデータを作成する統計手段、装置の全体動作を制御するACD制御手段と、前記統計手段が作成したデータ表を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明に係るACD装置は、ACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルを記憶するACD記憶手段と、内線電話機からのログオン登録要求およびID番号が提供されると、記憶手段のACDグループ別テーブルに格納されたID番号を比較し、一致する場合には対応したACDグループをマルチログオンする判定手段と、外線着信呼および待ち外線着信呼数を管理する着信呼管理手段と、外線着信呼の着番号情報(番号情報)に演算、集計などを施し、所定のデータを作成する統計手段、装置の全体動作を制御するACD制御手段と、統計手段が作成したデータ表を表示する表示手段とを備えたので、ACDグループ別テーブルにオペレータのID番号をログオン登録させ、ID番号に対応した外線着信呼にオペレータを応答させるとともに、この外線着信呼の着番号(番号情報)から着番号グループ別テーブルに登録された全ての着番号の外線着信呼の統計データを取得することができる。
【0010】
さらに、この発明に係る着信呼管理手段は、一定時間間隔で待ち外線着信呼数の表示を指令することを特徴とする。
【0011】
この発明に係る着信呼管理手段は、一定時間間隔で待ち外線着信呼数の表示を指令するので、一定時間間隔で待ち外線着信呼数を担当するオペレータの内線電話機に表示で通知することができる。
【0012】
また、この発明に係る統計手段は、外線着信呼の前記番号情報に基づいて着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成することを特徴とする。
【0013】
この発明に係る統計手段は、外線着信呼の着番号情報(番号情報)に基づいて着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成するので、季節、曜日、時間帯などの着信呼数などを正確に把握することができる。
【0014】
さらに、この発明に係る統計手段は、ID番号に基づいて内線電話機(受付台)の受け付けた外線着信呼数のデータを作成することを特徴とする。
【0015】
この発明に係る統計手段は、ID番号に基づいて内線電話機(受付台)の受け付けた外線着信呼数のデータを作成するので、オペレータの業務量の過多や過少を正確に判断することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るACDシステムのACD装置は、外線着信呼の着番号(番号情報)に応じて複数のACDグループを形成し、内線電話機(受付台)のID番号に対応して複数のACDグループにログオンさせるためのACDグループ別テーブルと、内線電話機のID番号に対応して全ての着番号を包含する1つの着番号グループにも同時にログオンさせるための着番号(番号情報)グループ別テーブルとを備え、ACDグループ別テーブルに基づいて着信呼をログオン登録された内線電話機に転送して受け付けさせるとともに、着番号(番号情報)グループ別テーブルに基づいて全ての着信呼の統計データを生成し、管理するので、オペレータにID番号を付与し、オペレータの能力に応じた受付業務を実行させるとともに、外線着信呼の統計データを取得することができ、受付業務の効率化を図るとともに、オペレータの人員計画を適正に立案することができる。
【0017】
また、この発明に係るACD装置は、ACDグループ別テーブルおよび着番号(番号情報)グループ別テーブルを記憶するACD記憶手段と、内線電話機からのログオン登録要求およびID番号が提供されると、記憶手段のACDグループ別テーブルに格納されたID番号を比較し、一致する場合には対応したACDグループをマルチログオンする判定手段と、外線着信呼および待ち外線着信呼数を管理する着信呼管理手段と、外線着信呼の着番号情報に演算、集計などを施し、所定のデータを作成する統計手段、装置の全体動作を制御するACD制御手段と、統計手段が作成したデータ表を表示する表示手段とを備えたので、ACDグループ別テーブルにオペレータのID番号をログオン登録させ、ID番号に対応した着番号の外線着信呼にオペレータを応答させるとともに、着番号グループ別テーブルに登録された全ての着番号の外線着信呼の統計データを取得することができ、ACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルを作成し、オペレータのID番号をログオン登録するだけの単純な構成で、システム運用を可能にすることができる。
【0018】
さらに、この発明に係る着信呼管理手段は、一定時間間隔で待ち外線着信呼数の表示を指令するので、一定時間間隔で待ち外線着信呼数を担当するオペレータの内線電話機に表示で通知することができ、オペレータに一目で待ち外線着信呼数を認識させることができる。
【0019】
また、この発明に係る統計手段は、外線着信呼の着番号情報に基づいて着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成するので、季節、曜日、時間帯などの着信呼数などを正確に把握することができ、オペレータの人員計画や教育に活用することができる。
【0020】
さらに、この発明に係る統計手段は、ID番号に基づいて内線電話機(受付台)の受け付けた外線着信呼数のデータを作成するので、オペレータの業務量の過多や過少を正確に判断することができ、オペレータの増員や減員に正確に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係るACDシステムの一実施の形態システム構成図である。図1において、ACDシステム1は、事業体のコールセンタに設置され、例えば同一事業体のAAA支店(着番号:0xx−111−1111)〜OOO支店(着番号:0xx−111−1125)、nnn支店(着番号:0xx−111−nnn)のn店に対する顧客からの商品問い合わせやクレームに対応するもので、構内交換機2と、構内交換機2の内線トランクTI1〜TInを介して内線LI1〜LInに接続された受付け業務用の受付台を形成する内線電話機TEL1〜TELnと、構内交換機2のLANインタフェースIFを介してランLANに接続されたACD装置3とから構築されている。また、構内交換機2の外線トランクTR1〜TRnには、外線L1〜Lnを介して顧客の加入電話機が収容される公衆網NTが接続されている。
【0022】
このように構築されたACDシステム1は、通常、顧客からの外線着信呼を管理し、複数の内線電話機(受付台)TEL1〜TELnに分配着信させて受付業務が遂行されている。
【0023】
また、ACDシステム1は、外線L1〜Lnに割り付けられた外線着信呼を対応するACDグループ別に形成し、内線電話機(受付台)TEL1〜TELn(のオペレータ)のID番号のそれぞれに、1から複数のACDグループを割り付け、ACDグループの外線着信呼がある場合、該当するID番号の内線電話機TEL1〜TELnに外線着信呼を転送する制御を行う。
【0024】
ID番号と対応するACDグループの割付には、ACDグループ別テーブルを導入し、オペレータが内線電話機TEL1〜TELnにログオン登録+ID番号を入力操作することにより実現される。
【0025】
さらに、ACDシステム1は、内線電話機TEL1〜TELn(のオペレータ)の全てのID番号を1つの着番号(番号情報)グループに割り付け、全てのACDグループに含まれる外線L1〜Lnへの外線着信呼の着番号(例えば、ダイヤルイン番号)に基づいて着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成する。
【0026】
ID番号の1つの着番号グループへの割付には、着番号グループ別テーブルを導入し、オペレータが内線電話機TEL1〜TELnにログオン登録+ID番号を入力操作するACDグループテーブルの操作と兼用して実現される。
【0027】
なお、ID番号は、例えば4桁数字とし、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnを扱うオペレータに付与することを基本にするが、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnに付与してもよい。
【0028】
構内交換機2は、制御バスBUSに接続される制御装置4、記憶装置5、通話路スイッチ6およびLANインタフェースIFと、通話路スイッチ6に接続される内線トランクTI1〜TInおよび外線トランクTR1〜TRnを備える。
【0029】
制御装置4は、マイクロプロセッサを基本に構成し、各種処理機能、演算機能を備え、制御バスBUSを介して通話路スイッチ6を制御し、内線トランクTI1〜TInと外線トランクTR1〜TRn間の通話路を形成することによって内線電話機TEL1〜TELnと外線L1〜Ln(例えば、顧客)とを接続する。
【0030】
また、制御装置4は、外線L1〜Lnからの顧客の外線着信呼をLANインタフェースIFからランLANを介してACD装置3に送信し、ACD装置3が顧客の外線着信呼をACDグループ別テーブルに基づいて内線電話機(受付台)TEL1〜TELnに転送するように制御する。
【0031】
さらに、制御装置4は、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnからのACDログオン登録の要求(ACDログオンボタン操作+ID番号)を受信して認識し、ACDログオン登録の要求をLANインタフェースIF、ランLANを介してACD装置3に送信する制御を行う。
【0032】
また、制御装置4は、ACD装置3からACDログオン許可(登録)を受信すると、ACDログオン登録の要求のあった内線電話機(受付台)TEL1〜TELnの表示器に「ACDログオン登録(許可)」を表示させる制御を行う。
【0033】
記憶装置5は、ROM等の固定メモリおよびRAM等の書替え可能なメモリで構成し、各種プログラミング、データを格納する。
【0034】
また、記憶装置5は、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnからのACDログオン登録の要求に対してACD装置3から「ACDログオン登録(許可)」となった内線電話機TEL1〜TELnの内線番号(例えば、「101」番〜「10n」番)を制御装置4の制御により記憶(記憶)する。
【0035】
ACD装置3は、パーソナルコンピュータ等で構成し、構内交換機2から送信されてくる顧客からの外線着信呼を管理し、外線L1〜Lnに応じた着番号(ダイヤルイン番号等の番号情報)に対応したACDグループを作成する。
【0036】
また、ACD装置3は、構内交換機2から送信されてくる顧客からの外線着信呼を管理し、外線着信呼をACDグループ別テーブルに基づいて、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnに接続するよう構内交換機2に指令する。
【0037】
さらに、ACD装置3は、構内交換機2から送信されてくる顧客からの外線着信呼を管理し、外線着信呼を着番号グループ別テーブルに基づいて、演算して項目別に集計し、着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成する。
【0038】
図2はこの発明に係るACDグループの一実施の形態イメージ図である。図2において、ACDグループは、着信呼転送用のACDグループGR1〜GRnと、着信呼データ集計用のACDグループGRzとから構成する。
【0039】
着信呼転送用のACDグループは、例えば外線L1(AAA支店、着番号:「0xx−1xx−1111」番)をACDグループGR1、外線L2(BBB支店、着番号:「0xx−1xx−2222」番)をACDグループGR2、…、外線Ln(nnn支店、着番号:「0xx−1xx−nnnn」番)をACDグループGRnと設定する。
【0040】
着信呼データ集計用のACDグループは、外線L1(AAA支店、着番号:「0xx−1xx−1111」番)〜外線Ln(nnn支店、着番号:「0xx−1xx−nnnn」番)を単一のACDグループGRzとして設定する。
【0041】
次に、ACDグループGR1〜GRnには、外線L1〜Lnから外線着信がある場合、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnのいずれに転送するかを内線電話機TEL1〜TELnの一台または複数台に設定する。
【0042】
例えば、ACDグループGR1には、内線電話機(受付台)TEL1、TEL2、…、TELkの複数台が受付できるように設定し、ACDグループGR3には、内線電話機(受付台)TEL1、TEL5、TEL7の3台が受付できるように設定し、図示しないACDグループGR7には、内線電話機(受付台)TEL1の1台が受付できるように設定する。なお、ACDグループは、受付可能な内線電話機(受付台)を内線電話機TEL1〜TELnで示したが、内線電話機(受付台)TEL1〜TELn(のオペレータ)のID番号で予め設定する。
【0043】
また、内線電話機(受付台)TEL1のようにACDグループGR1、GR2、GR3の複数のACDグループに亘って設定(マルチログオン登録可能)することもできる。さらに、着信呼転送用のACDグループGR1〜GRnは、ID番号に対応させたACDグループ別テーブルとしてACD装置3に格納する。
【0044】
着信呼データ集計用の着番号グループGRzは、外線L1〜Lnから外線着信がある場合、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnのいずれかに着信することになるため、全ての外線着信呼をどの内線電話機(受付台)TEL1〜TELnで受け付けたかの統計データを収集するために利用する。
【0045】
したがって、着番号グループGRzでは、外線L1〜Lnからの外線着信呼を内線電話機(受付台)TEL1〜TELnに転送するためには用いなく、ACDグループにより、TEL1〜TELnに転送する。
【0046】
なお、ACDグループGRzは、ACDグループGR1〜GRnと同様に、内線電話機を内線電話機TEL1〜TELnで示したが、内線電話機(受付台)TEL1〜TELn(のオペレータ)のID番号で予め設定する。また、着信呼データ集計用のACDグループGRzについては、ID番号に対応させた着番号グループ別テーブルとしてACD装置3に格納する。
【0047】
図3はこの発明に係るACD装置の一実施の形態要部機能ブロック構成図である。図3において、ACD装置3は、パーソナルコンピュータ等を基本に構成し、インタフェース手段7、着信呼管理手段8、ACD制御手段9、ACD記憶手段10、判定手段11、統計手段12、表示手段13を備え、ランLANを介して構内交換機2のLANインタフェースIFに接続する。なお、ACD装置3の各構成要件は、内部バスBUを介して相互に接続する。
【0048】
インタフェース手段7は、ランLANとACD装置3との間のプロトコルインタフェース機能(例えば、TCP/IPプロトコル)を備え、ランLANとの整合性を取る。
【0049】
着信呼管理手段8は、管理機能を備え、一定時間間隔で待ち外線着信呼数の表示を構内交換機2に指令するので、一定時間間隔で待ち外線着信呼数を担当するオペレータの内線電話機に表示で通知する。
【0050】
このように、この発明に係る着信呼管理手段8は、一定時間間隔で待ち外線着信呼数の表示を指令するので、一定時間間隔で待ち外線着信呼数を担当するオペレータの内線電話機(受付台)に表示で通知することができ、オペレータに一目で待ち外線着信呼数を認識させることができる。
【0051】
ACD制御手段9は、マイクロプロセッサを基本に各種処理機能を備え、内部バスBUを介してインタフェース手段7、着信呼管理手段8、ACD記憶手段10、判定手段11、統計手段12および表示手段13の動作を制御する。
【0052】
また、ACD制御手段9は、図2に示す複数のACDグループGR1〜GRnと複数の内線電話機(オペレータ)のID番号を対応させたACDグループ別テーブルの作成を制御する。
【0053】
さらに、ACD制御手段9は、図2に示す単一のACDグループGRzと複数の内線電話機(オペレータ)のID番号を対応させた着番号グループ別テーブルの作成を制御する。
【0054】
ACD記憶手段10は、ハードディスク等のメモリで構成し、予め設定したACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルを記憶領域に格納する。
【0055】
ここで、ACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルについて説明する。図5はこの発明に係るACDグループ別テーブルの一実施の形態イメージ図である。図5において、ACDグループ別テーブルは、ID番号と、ID番号に対応した、例えばオペレータの氏名、ログオングループ(マルチログオン可能)を予め設定しておいて形成する。なお、ID番号は、数字4桁(それ以上の桁数も可)、氏名は、便宜上オペレータの頭文字、ログオングループは、図2に示すACDグループGR1〜GRnで表す。なお、ID番号は、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnに対応付けてもよい。
【0056】
ACDグループ別テーブルは、予め設定しておき、例えばオペレータ(氏名:A.H)が内線電話機(受付台)TEL1を、後述するログオン/オフボタンを操作後に、ダイヤルボタンでID番号「1001」を入力すると、ログオングループGR1〜GR16がマルチログオン登録されることになる。
【0057】
なお、ID番号をオペレータに付与することで、内線電話機(受付台)を内線電話機TEL1に限定することなく、任意の内線電話機TEL1〜TELnを使用することができる。
【0058】
また、ACDグループ別テーブルのログオングループに設定するACDグループGR1〜GR16をオペレータの熟練度によって増減することもできる。さらに、オペレータの負荷の大小によっても設定で変更することができる。
【0059】
図6はこの発明に係る着番号グループ別テーブルの一実施の形態イメージ図である。図6において、着番号グループ別テーブルは、着番号グループ番号毎に、着番号と着番号名と着番号(表示用)を予め設定しておいて形成する。
【0060】
着番号グループ別テーブルも予め設定しておき、例えばオペレータ(氏名:A.H)が内線電話機(受付台)TEL1を、ACDグループ別テーブルへのログオン登録の操作をするだけで、ログオングループGRzがログオン登録されることになり、同時に着番号グループへもログオン登録されることになる。
【0061】
図3に戻り、判定手段11は、比較機能、判定機能を備え、ACD制御手段9の制御により、構内交換機2から送信されてくる内線電話機(オペレータ)のID番号と、ACD記憶手段10に予め設定されているACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルIのD番号とを比較して、一致または不一致を判定する。
【0062】
統計手段12は、データ収集機能、各種演算機能を備え、構内交換機2から供給される外線L1〜Ln(着番号)の情報を図6に示す着番号グループ別テーブルに基づいて外線着信呼のデータを収集し、演算して、着番号別稼動状態データ、統計データ、着番号別稼動状態一覧データなどを作成し、表示手段13に表示させる。
【0063】
また、統計手段12は、ID番号毎の外線着信呼の処理データを作成する。外線着信呼の処理データにより、オペレータのスキル、適正などを認識することができ、オペレータの適正な配置を考慮することができる。
【0064】
このように、この発明に係る統計手段12は、外線着信呼の着番号情報に基づいて着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成するので、季節、曜日、時間帯などの着信呼数などを正確に把握することができ、オペレータの人員計画や教育に活用することができる。
【0065】
また、この発明に係る統計手段12は、ID番号に基づいて内線電話機(受付台)TEL1〜TELnの受け付けた外線着信呼数のデータを作成するので、オペレータの業務量の過多や過少を正確に判断することができ、オペレータの増員や減員に正確に対応することができる。
【0066】
図7はこの発明に係る着番号別稼動状態の一実施の形態データイメージ図である。図7において、着番号別稼動状態は、着番号グループに対応したAAA支店(着番号:0xx−111−1111)の着信数、応答数、応答率、即答数、即答率などの稼動状態を表す。なお、BBB支店(着番号:0xx−111−2222)〜OOO支店(着番号:0xx−111−1125)、nnn支店(着番号:0xx−111−nnnn)の稼動状態も同様に表す。
【0067】
図8はこの発明に係る着番号別統計レポート(日計)の一実施の形態データイメージ図である。図8において、着番号別統計レポート(日計)は、着番号グループに対応したAAA支店(着番号:0xx−111−1111)の24時間の着信数、応答数、応答率、即答数、即答率などの稼動状態および着信通話時間、着信平均通話時間を1時間単位で表す。なお、着番号別統計レポートは、週計、月計などでも表示可能である。
【0068】
また、着番号別統計レポートは、BBB支店(着番号:0xx−111−2222)〜OOO支店(着番号:0xx−111−1125)、nnn支店(着番号:0xx−111−nnnn)についても日計、週計、月計などで表示する。
【0069】
図9はこの発明に係る着番号別稼動状態一覧の一実施の形態データイメージ図である。図9において、着番号別稼動状態一覧は、AAA支店(着番号:0xx−111−1111)〜OOO支店(着番号:0xx−111−1125)、nnn支店(着番号:0xx−111−nnnn)の着信数、応答数、応答率、即答数、即答率などの稼動状態一覧を表す。
【0070】
図7〜図9の表から、AAA支店(着番号:0xx−111−1111)〜OOO支店(着番号:0xx−111−1125)、nnn支店(着番号:0xx−111−nnnn)の稼動状態を詳細に、かつ一覧で把握することができる。
【0071】
そして、取得したデータを参照にして、AAA支店(着番号:0xx−111−1111)〜nnn支店(着番号:0xx−111−nnnn)に対する季節、時間帯、イベント期間などの内線電話機(受付台)TEL1〜TELnのオペレータの要員配置、熟練度などの計画を立案することができる。
【0072】
表示手段13は、統計手段12から提供される着番号別稼動状態データ、統計データ、着番号別稼動状態一覧データなどから着番号別稼動状態表、統計表、着番号別稼動状態一覧表を表示する。
【0073】
このように、この発明に係るACD装置3は、ACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルを記憶するACD記憶手段10と、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnからのログオン登録要求およびID番号が提供されると、ACD制御手段9のACDグループ別テーブルに格納されたID番号を比較し、一致する場合には対応したACDグループをマルチログオンする判定手段11と、外線着信呼および待ち外線着信呼数を管理する着信呼管理手段8と、外線着信呼の着番号情報に演算、集計などを施し、所定のデータを作成する統計手段12、装置の全体動作を制御するACD制御手段9と、統計手段が作成したデータ表を表示する表示手段13とを備えたので、ACDグループ別テーブルにオペレータのID番号をログオン登録させ、ID番号に対応した着番号の外線着信呼にオペレータを応答させるとともに、着番号グループ別テーブルに登録された全ての着番号の外線着信呼の統計データを取得することができ、ACDグループ別テーブルおよび着番号グループ別テーブルを作成し、オペレータのID番号をログオン登録するだけの単純な構成で、システム運用を可能にすることができる。
【0074】
図4はこの発明に係る内線電話機(受付台)の一実施の形態構成図である。なお、内線電話機TEL1〜TELnは同一構成なので、内線電話機TEL1について説明する。図4において、内線電話機TEL1(受付台)は、多機能電話機で構成し、ハンドセット14、表示器15、ダイヤルボタン16、機能ボタン17、ログオン/オフボタン18、スピーカ19および音量切替えボタン、オンフック発信ボタン、短縮ダイヤルボタン、保留ボタン等を備え、コールセンタ内で顧客からの受付け業務を行う。
【0075】
表示器15は、LCD(液晶表示器)等で構成し、ログオン登録時の「ログオン登録(許可)」または「ログオン不許可」を表示する。また、表示器15は、ACD装置3からの指令に基づいて顧客の待ち外線着信個数を表示する。
【0076】
ダイヤルボタン16は、テンキー(0〜9,*.#)で構成し、ダイヤル発信の電話番号、ログオン時のID番号の入力時に操作する。
【0077】
ログオン/オフボタン18は、機能ボタン17のボタンの1つを割り当て、ログオン登録時に操作して、例えばログオン登録の特番を発信する。
【0078】
以上説明したように、この発明に係るACDシステム1のACD装置3は、外線着信呼の着番号に応じて複数のACDグループを形成し、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnのID番号に対応して複数のACDグループGR1〜GRnにログオンさせるためのACDグループ別テーブルと、内線電話機(受付台)TEL1〜TELnのID番号に対応して全ての着番号を包含する1つのACDグループGRzにログオンさせるための着番号グループ別テーブルとを備え、ACDグループ別テーブルに基づいて着信呼をログオン登録された内線電話機に転送して受け付けさせるとともに、着番号グループ別テーブルに基づいて全ての着信呼の統計データを生成し、管理するので、オペレータにID番号を付与し、オペレータの能力に応じた受付業務を実行させるとともに、外線着信呼の統計データを取得することができ、受付業務の効率化を図るとともに、オペレータの人員計画を適正に立案することができる。
【0079】
なお、本実施の形態の着番号とは、網の契約の一つであるダイヤルイン契約におけるダイヤルイン番号、ISDNの呼設定メッセージにおける着番号情報要素、発信元より送信されてくる着信相手先を特定できる所定の識別用のデータ等、網や通信相手先より受信し、相手先が特定できる番号情報であればよい。
【0080】
また、本実施の形態では、ACD装置3を構内交換機2と独立して構成したが、ACD装置3と同様な構成を構内交換機2に内蔵してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係るACDシステムは、外線着信呼に対してオペレータを適切に配置するとともに、外線着信呼の統計データを取得して受付業務に適切に対応できるもので、オペレータの能力を適切に活用し、受付業務の効率化を図るあらゆるACDシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明に係るACDシステムの一実施の形態システム構成図
【図2】この発明に係るACDグループの一実施の形態イメージ図
【図3】この発明に係るACD装置の一実施の形態要部機能ブロック構成図
【図4】この発明に係る内線電話機(受付台)の一実施の形態構成図
【図5】この発明に係るACDグループ別テーブルの一実施の形態イメージ図
【図6】この発明に係る着番号グループ別テーブルの一実施の形態イメージ図
【図7】この発明に係る着番号別稼動状態の一実施の形態データイメージ図
【図8】この発明に係る着番号別統計レポート(日計)の一実施の形態データイメージ図
【図9】この発明に係る着番号別稼動状態一覧の一実施の形態データイメージ図
【符号の説明】
【0083】
1 ACDシステム
2 構内交換機
3 ACD装置
4 制御装置
5 記憶装置
6 通話路スイッチ
7 インタフェース手段
8 着信呼管理手段
9 ACD制御手段
10 ACD記憶手段
11 判定手段
12 統計手段
13 表示手段
14 ハンドセット
15 表示器
16 ダイヤルボタン
17 機能ボタン
18 ログオン/オフボタン
19 スピーカ
IF LANインタフェース
BUS 制御バス
TEL1〜TELn 内線電話機
TI1〜TIn 内線トランク
TR1〜TRn 外線トランク
L1〜Ln 外線
GR1〜GR16,GRz ACDグループ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンタに設置された構内交換機と、前記構内交換機に接続されたACD装置と、前記構内交換機に収容された複数の内線電話機と、からなり、外線着信呼を前記複数の内線電話機に分配着信させて受付け業務を遂行するACDシステムであって、
前記ACD装置は、外線着信呼によって得られる番号情報に応じて複数のACDグループを形成し、前記内線電話機のID番号に対応して前記複数のACDグループにログオンさせるためのACDグループ別テーブルと、前記内線電話機のID番号に対応して全ての前記番号情報を包含する1つの番号情報グループにログオンさせるための番号情報グループ別テーブルと、を備え、
前記ACDグループ別テーブルに基づいて着信呼をログオン登録された前記内線電話機に転送して受け付けさせるとともに、前記番号情報グループ別テーブルに基づいて全ての外線着信呼の統計データを生成し、管理することを特徴とするACDシステム。
【請求項2】
前記ACD装置は、前記ACDグループ別テーブルおよび前記番号情報グループ別テーブルを記憶するACD記憶手段と、前記内線電話機からのログオン登録要求およびID番号が提供されると、前記記憶手段の前記ACDグループ別テーブルに格納されたID番号を比較し、一致する場合には対応したACDグループをマルチログオンする判定手段及び同時に番号情報グループへもログオンする判定手段と、外線着信呼および待ち外線着信呼数を管理する着信呼管理手段と、外線着信呼の番号情報情報に演算、集計などを施し、所定のデータを作成する統計手段、装置の全体動作を制御するACD制御手段と、前記統計手段が作成したデータ表を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のACDシステム。
【請求項3】
前記着信呼管理手段は、一定時間間隔で待ち外線着信呼数の表示を指令することを特徴とする請求項2記載のACDシステム。
【請求項4】
前記統計手段は、外線着信呼の前記番号情報に基づいて着番号別稼動状態、着番号別稼動状態一覧、着番号別統計などのデータを作成することを特徴とする請求項2記載のACDシステム。
【請求項5】
統計手段は、ID番号に基づいて前記内線電話機の受け付けた外線着信呼数のデータを作成することを特徴とする請求項2記載のACDシステム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−318456(P2007−318456A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146002(P2006−146002)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】