説明

ALCパネルの加工方法

【課題】ALCパネルの表面に光沢を有する高い平滑状態にすることで、ALCパネルに新規な意匠性を与えると共に、塗装仕上げに必要とされる塗料等を低減できるALCパネルの加工方法を提供する。
【解決手段】ALCパネルを切断するに際し、該ALCパネルの含水率を20〜60%とするとともに、乾式切断するようにする。また、前記ALCパネルは、その平均セル径が0.5mm以下にされていると好ましい。さらに、前記ALCパネルは、メチルセルロースが全固形分に対して0.003〜0.6質量部の範囲で添加されて製造されているとなお好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ALC(軽量気泡コンクリート)パネルの表面を平滑にする加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ALCパネルを切断する手段としては、例えば特許文献1、2に記載されるように、互いに平行に並べられるとともに夫々長さ方向に往復駆動された切断線とならし線とを設け、切断線により半硬化状モルタルブロックを切断した後、切断線によって形成された隙間にならし線を進入させ、切断線によって切断面に形成された縞模様をならし線で擦ることによって消去し、切断面を平滑にするようにしたものが知られている。
【0003】
さらに、切断線によって切断面に形成された前記縞模様を完全に除去することを目的として、例えば特許文献3に記載されるように、前記ならし線を、前記切断面上における前記切断線の軌跡に対し逆位相となる軌跡で移動させる構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭40−28107号公報
【特許文献2】特開2001−277233号公報
【特許文献3】特開2003−205513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の切断方法等の場合、切断線によって切断面に形成されるいわゆるケバ立ちや、縞模様をなくすことは可能であった。しかし、上記切断方法等では、最終的に完成するALCパネルの表面に開口しているセル(以下、開口セルという)が残ってしまうため、パネル表面が光沢を有する平滑状態にはならなかった。さらに、ALCパネルの表面には開口セルが残るので、該表面に塗装仕上げをする場合には、多量の塗料(特に下塗り)を塗布しなければならない等の問題もあった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、ALCパネルの表面に光沢を有する高い平滑状態にすることで、ALCパネルに新規な意匠性を与えると共に、塗装仕上げに必要とされる塗料等を低減できるALCパネルの加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明のALCパネルの加工方法は、以下の構成としたものである。すなわち、
ALCパネルを切断するに際し、該ALCパネルの含水率を20〜60%とするとともに、乾式切断するようにしたことを特徴とする。
また、前記ALCパネルは、その平均セル径が0.5mm以下にされている。
さらに、前記ALCパネルは、メチルセルロースが全固形分に対して0.003〜0.6質量部の範囲で添加・混合されて製造されている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように、ALCパネルを切断するに際し、該ALCパネルの含水率を20〜60%とするとともに、乾式切断するようにすることで、ALCパネルの表面を光沢のある平滑状態にすることで、ALCパネルに品位が高く、かつ新規な意匠性を与えることができる。また、ALCパネルの表面が平滑なので、塗装仕上げに用いる塗料も少なくて済み、経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のALCパネルの加工方法は、その含水率を20〜60%にするとともに、乾式切断することで、切断によって生じるALCパネル(母材)の切削微粉(以下、単に切削粉という)によって、前記開口セルを充填して、ALCパネルの表面を光沢のある平滑状態にするALCパネルの加工方法である。
【0010】
(乾式切断について)
本発明においてALCパネルの切断は、乾式切断によってなされる。この乾式切断は、ALCパネルの切断に際して冷却水等を使用しないで切断する方法を指す。また、この乾式切断に際しては、切断装置においてALCパネルを切断する、切断刃の側面(以下、摺接面という)が、ALCパネルの切断面(切断後のALCパネルにおいては表面(以下、切断後の表面という)となる)に対して摺接することが必要とされる。
従って、ALCパネルの切断に使用される装置としては、摺接面を有する切断装置であれば、公知の如何なるものも採用可能である。
【0011】
なお、前述の回転方式の丸鋸刃を備える切断装置は、オートクレーブ養生された後のALCパネルの小口面切断等で使用されているものがそのまま流用可能であるので、好適である。この場合、本発明に係るALCパネルの加工方法を行うために新しい設備を導入する必要がないので、経済的である。また、前述の小口面切断加工工程で同時に本発明に係るALCパネルの加工方法の実施も可能であるので、煩雑さがなく、かつ製造時間が長くなることもない。
【0012】
(摺接の度合いについて)
また前述した摺接は、その度合いが以下の場合に好適であることが確認されている。
すなわち、ALCパネルの切断面における所要の点と切断刃とが摺接した距離(以下、摺接距離という)が、5cm以上であると好適である。この摺接距離が下限値である5cm以上の場合、乾式切断時の切断刃とALCパネルの切断面との摺接によって、前記切削粉が開口セル内に充分に充填される。
【0013】
この摺接距離は、ALCパネルの切断装置が、例えば丸鋸である場合には、(A)丸鋸の回転数、ALCパネルを切断するためのALCパネルと切断装置との(B)相対移動速度等で決定される。そして、前述の(A)回転数が早い程、(B)相対移動速度が遅い程、前記摺接距離は大きくなり、ALCパネルの切断面(切断後の表面)を好適に平滑にできる。
一方、前記摺接距離が長くなり過ぎて、100cmを超えると前記切断面(切断後の表面)に対して、ALCパネルと切断刃との摩擦熱にいわゆる焼け色が付いてしまい、ALCパネルの商品価値が下がるため、好適に利用できない。
【0014】
例えば、ALCパネルの小口面の切断加工工程に一般的に使用される回転方式の丸鋸刃を備える切断装置の場合、(A)回転数が100〜10000回転/分、(B)相対移動速度が100cm/min、その回転刃直径が30〜150cm程度の数値範囲である。このような装置であれば、前記摺接距離を5〜100cmの範囲に容易に設定可能であり好ましい。
【0015】
このように前記摺接面がALCパネルの切断面に対して摺接することで、切断によって生じる切削粉が、開口セルに充填されることになる。そして、前記開口セルに対して切削粉が充填されることで、切断によって形成されたALCパネルの切断面(切断後の表面)が平滑になる。
ここで、前記開口セルに充填される切削粉の組成は、切削粉が充填されるALCパネルの組成と全く同じである。従って、例えば加熱によって開口セル内に充填された切削粉が、ALCパネルよりも大きく膨張して、開口セルから亀裂が発生したり、該切削粉が開口セル内で体積収縮して陥没することもないため、好ましい。
【0016】
なお、本発明は前記切削粉を開口セル内に充填することで、最終的に得られるALCパネルの表面を平滑にする方法である。従って、切断部位に対して冷却水を供給する、いわゆる湿式切断方法は、前記開口セルを充填する切削粉が流れ出てしまうため採用できない。
【0017】
(含水率について)
前記含水率は、ALCパネルが乾式切断される切断箇所におけるALCパネルの含水率を指す。なお、オートクレーブ養生後のALCパネルは、その表面から数センチの表層部においては、短時間のうちに水分が蒸発する一方で、該表層部の内部は50%程度の含水率となっている。したがって、通常のALCパネルに対して本発明の加工方法を施す場合には、前記表層部における含水率を20〜60%の範囲とすればよい。
【0018】
また、本発明において前記含水率は、ALCパネルの絶乾重量を100質量部としたときの含有水分の質量部で表される。そしてこの含水率が20〜60%の範囲内であると、ALCパネルを切断した際に発生する切削粉が、切断箇所に存在する水分によって切断面に付着し、この付着した切削粉が、切断刃の切断面に対する摺接によって前記開口セル内に充填される。
一方、含水率が20%未満であると、前記切削粉が切断面に付着できずに周辺に拡散してしまい、開口セル内に充填されない。60%を超えるとALCパネル内に含有されている水が、切断箇所に液体として発生してしまい、開口セル内に一度入った切削粉が流し出してしまう。
【0019】
また前記含水率が、乾式切断時に20〜60%の範囲外であるときは、該切断の前に、浸漬やスプレー等の公知の手段によって水分を与えることや、単に乾燥させることで、20〜60%の範囲に設定し得る。なお、オートクレーブ養生後に長時間放置されて、内部の水分まで蒸発しているおそれのあるALCパネルであって、内部まで切断する場合には、本発明に係る加工方法を施す前に、該ALCパネルを水に対して長時間浸漬する等の処置を施して内部の含水率を20〜60%とする必要がある。
【0020】
(平均セル径について)
前記ALCパネルは、その平均セル径が0.5mm以下にされていると好適である。本発明に係るALCパネルの加工方法は、乾式切断によって発生した前記切削粉を開口セル内に充填することで、ALCパネルの切断面(切断後の表面)を平滑にするものである。このため、前記開口セルに対して切削粉が充填されやすい程、その平滑状態は向上する(高くなる)。そして、前記開口セルの平均セル径が0.5mm以下であれば、0.5mmを超える場合に比べて、ALCパネルの切断面(切断後の表面)がより平滑になり、かつ光沢が増すことを見い出した。
【0021】
ところで、ALCパネルは、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とし、気泡が混入されたスラリーを半硬化体とした後、これをオートクレーブ養生することで製造される。前記気泡の生成方法として、発泡剤として作用するアルミニウム粉末を前記スラリーに混合する、いわゆるアルミ発泡法が知られているが、前述の平均セル径が0.5mm以下となるALCパネルは、この方法では製造が困難である(平均セル径が0.5mmを超えてしまうため)。
【0022】
このため、本発明においては、いわゆるミックスフォームやプレフォーム(アルミニウム粉末を使用せずに界面活性剤の如き起泡剤と水とから、気泡の元となる泡を別途作製する)法を単独で、またはアルミ発泡法と併せて実施して半硬化体を製造することで、平均セル径が0.5mm以下となるALCパネルを好適に製造している。
【0023】
(メチルセルロースについて)
また、前記ALCパネルは、ALCパネルの元となる半硬化体製造時の原料に対して、メチルセルロースが添加・混合されていると、経年変化等に起因するALCパネル表面の劣化を抑制できるため好適である。これは、メチルセルロース内に含有される、例えば有機成分が切削粉同士の接着剤として作用し、乾燥した後には、開口セル内に充填された切削粉同士や、該開口セルと切削粉との間の結合を強固なものするためと考えられる。
このほか、乾式切断されるALCパネルの含水率が40%以上と高い場合に、開口セル内に充填された切削粉の水分蒸発による体積収縮も抑制し得る。この体積収縮が抑制されると、開口セル内に充填された切削粉の体積収縮に起因する充填部分の陥没が発生しなくなるため、乾燥等によってALCパネルの平滑状態が悪くなることはない。
【0024】
前記メチルセルロースの添加量は、珪酸質原料および石灰質原料等の全固形分に対して0.003〜0.6質量部の範囲となるようにされる。
前記添加量が0.003質量部以上の場合、一度開口セル内に充填された切削粉同士が強固に接着されるため、該開口セル外にでることはない。従って、経年変化や、ALCパネル運搬時の振動等によって、ALCパネル表面の平滑状態が悪くなることはない。
一方、0.6質量部以下の場合、切削粉が充填され易く、その表面の平滑状態を向上(高く)し易い開口セルを備えるALCパネルが得られるため好適である。これは、メチルセルロースの添加量が0.6質量部を超えると、前記半硬化体の製造時における気泡形成が阻害されて該気泡の形状が歪になったり、大きさが不揃いになったりするのに対して、0.6質量部以下では、気泡形成が阻害されず該気泡の形状・大きさが均質になるためである。
【実施例】
【0025】
次に、上記のALCパネルの加工方法によってALCパネルを加工した場合の具体的な実施例について説明する。
【0026】
〔実施例1:アルミ発泡法(平均セル径:1.0mm)〕
ミキサー(商品名:SKミキサー;エスケーミキサー社製)中に、5質量部の石膏と、綴り返し原料(実施例1と同一組成の半硬化体を、ALCパネルの寸法にする際に切り取られる端部分)を水と混合してスラリーとしたもの(固形成分20質量部)と、60質量部の水と、を入れた後3分間攪拌することにより一次スラリーを得た。
この一次スラリーに、珪石粉末45質量部、生石灰粉末10質鼠部、セメント20質量部およびアルミニウム粉末0.0567質量部を加えて1分間混合することにより原料スラリーを得た。
次に、原料スラリーを型枠に打設して、発泡・硬化させて半硬化体を作製した。発泡が完了し高さが変わらくなり、かつ、ハンドリングが可能となったところで、型枠から脱型した半硬化体を、ピアノ線で所定形状に切断した。
次に、半硬化体をオートクレーブで、30分間、0.002MPaの条件で大気圧よりも減圧(以下、真空引きという)した後、1.024MPa(10気圧)、180℃で、4時間の養生を行うことにより、(絶乾状態における)密度が0.50×103kg/m3のALCパネルを得た。
最終的に、前記ALCパネルを使用して縦200mm×横200mm×厚さ50mmの直方体形状とした後、含水率を20%に調整して実施例1に係るALCパネルの試験片とした。
【0027】
〔実施例2〜4、17〜20および33〜36並びに比較例1および5:アルミ発泡法〕
繰り返し原料として、その各実施例・比較例と同一組成の半硬化体を、ALCパネルの寸法にする際に切り取られる端部分を水で溶かして用い、アルミニウム粉末およびメチルセルロース並びに直方体形状とした後に含水率を、表1の該当箇所に記載した量としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4、17〜20および33〜36並びに比較例1および5に係るALCパネルの試験片とした。
なお、含水率は、ALCパネルの絶乾状態における密度(0.50×103kg/m3)と質量とから算出し、後述する切断の前に水道水に試験片全体を浸漬した後、自然乾燥させて表1記載の値となるようにした。
【0028】
〔実施例5:ミックスフォーム法(平均セル径:0.7mm)〕
前記ミキサー中に、5質量部の石膏と、繰り返し原料(実施例5と同一組成の半硬化体を、ALCパネルの寸法にする際に切り取られる端部分)を水と混合してスラリーとしたもの(固形成分20質量部)と、60質量部の水と、を入れた後、起泡剤(ポリオキンエチレンアルキルエーテル硫酸塩)を、有効固形分換算で0.0340質量部添加し、3分間攪拌することにより起泡させ一次スラリーを得た。
この一次スラリーに、珪石粉末45質量部、生石灰粉末10質量部、セメント20質量部およびアルミニウム粉末0.0133質量部を加えて1分間混合することにより原料スラリーを得た。
次に、原料スラリーを型枠に打設して、発泡・硬化させて半硬化体を作製した。発泡が完了し高さが変わらなくなり、かつ、ハンドリングが可能となったところで、型枠から脱型した半硬化体をピアノ線で所定形状に切断した。
次に、半硬化体をオートクレーブで、30分間、0.002MPaの条件で真空引きした後、1.024MPa(10気圧)、180℃で、4時間の養生を行うことにより、密度が0.5×103kg/m3のALCパネルを得た。
最終的に、前記ALCパネルを縦200mm×横200mm×厚さ50mmの直方体形状とした後、含水率を20%に調整して実施例5に係るALCパネルの試験片とした。
【0029】
〔実施例6〜16、21〜32および37〜48並びに比較例2〜4および6〜7:ミックスフォーム法(平均セル径:0.2、0.5および0.7mm)〕
繰り返し原料として、その各実施例・比較例と同一組成の半硬化体を、ALCパネルの寸法にする際に切り取られる端部分を水で溶かして用い、起泡剤、アルミニウム粉末およびメチルセルロース並びに直方体形状とした後に含水率を、表1の該当箇所に記載した量としたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例6〜16、21〜32および37〜48並びに比較例2〜4および6〜7のに係るALCパネルの試験片とした。
なお、含水率は、後述する切断の前に水道水に試験片全体を浸漬した後、自然乾燥させて表1記載の値となるようにした。また、表1記載の起泡剤の量は、有効固形分に換算した量である。
【0030】
【表1】

【0031】
実施例1〜48のALCパネルおよび比較例1〜8のALCパネルについて以下の評価試験を行い、上記表1に併記した。
【0032】
(評価試験:ALCパネルの切断面(切断後の表面)の観察)
実施例1〜48のALCパネルおよび比較例1〜8のALCパネルに係る試験片を、回転丸鋸刃を用いた切断装置((A)回転数:100回転/分、(B)相対移動速度:100cm/min、回転刃直径:50cm)を使用して略中央部から半分になるように切断した。なお、切断時の摺接距離は、5〜100cmの範囲内であった。
そして、その切断面を、
(1)各実施例および比較例に係る試験片において、目視により切断されていない表面(以下、非切断面という:従来のALCパネルと同等)を基準として、光沢感を、×:非切断面と同等、●:非切断面に比較して多少光沢感がある、○:非切断面に比較してかなり光沢感がある、◎:全面に高い光沢感がある、で評価した。
(2)マイクロスコープ(品番:VHV−100;キーエンス製)を用いて観察し、長さが0.5mm以上の空隙の数を計測し、×:空隙数31個以上(非切断面と同等)、●:空隙数11〜30個、○:空隙数4〜10個、◎:3個以下、で評価した。
そして、前記(1)、(2)の個別評価を併せて、総合評価(×:非切断面と同等、●:非切断面に比較して平滑である、○:非切断面に比較してかなり平滑である、◎:全面に凹凸がなく、非常に高い平滑性を備える)を行った。
【0033】
(考察)
含水率が20〜60の範囲内であれば、ALCパネル表面の平滑状態が向上することを確認した。
また、実施例16,実施例24〜32および実施例38〜48のALCパネル、すなわち、(1)含水率が40%以上、平均セル径0.5mm以下のALCパネル、(2)含水率が40%以上、平均セル径0.7〜0.5mm、メチルセルロース添加量0.6質量部のALCパネル、(2)含水率が60%以上、平均セル径0.7〜0.5mm、メチルセルロース添加量0.003〜0.6質量部のALCパネル、(4)含水率が20〜40%、平均セル径0.7〜0.5mm、メチルセルロース添加量0.6質量部のALCパネル、では、何れもその表面が全面にほぼ凹凸がなく、非常に高い平滑性を有していた。
以上より、本発明によれば、表面の平滑状態を向上させたALCパネルを提供することができるということが分かった。
【0034】
この他、本実施例に係るALCパネルの加工方法で得られたALCパネルの表面に(下塗り等の)塗料や、タイル等を貼着するための接着剤を塗布したところ、塗布量を大きく低減し、かつ従来のALCパネルと同等の塗料着色や、接着強度が確保できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ALCパネルを切断するに際し、該ALCパネルの含水率を20〜60%とするとともに、乾式切断するようにしたことを特徴とするALCパネルの加工方法。
【請求項2】
前記ALCパネルは、その平均セル径が0.5mm以下にされている請求項1に記載のALCパネルの加工方法。
【請求項3】
前記ALCパネルは、メチルセルロースが全固形分に対して0.003〜0.6質量部の範囲で添加されて製造されている請求項1または2に記載のALCパネルの加工方法。

【公開番号】特開2011−212864(P2011−212864A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80828(P2010−80828)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000185949)クリオン株式会社 (105)
【Fターム(参考)】