説明

CB2受容体介在疼痛を処置する方法

本発明はCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体に有効量の式(I):
【化1】


[式中、X、X、X、XおよびXはここで定義されている通りである]の化合物またはその形態を投与することを含んでなる被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法に関する。より特に、該方法は被験体に有効量の本発明のヘキサヒドロ−シクロオクタピラゾールCB2アゴニスト化合物を投与することを含んでなる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
PCT出願である特許文献1はCB1またはCB2受容体アゴニストとしてピラゾール誘導体を記述している。
【0003】
CB2−選択的アゴニストは炎症性疼痛のカラゲーナン足モデルにおいて有効であることが示されそしてその結果として急性および慢性の炎症性疼痛の処置において有効でありうる(非特許文献1、非特許文献2および非特許文献3)。
【0004】
CB2−選択的アゴニストはトランスジェニックマウスにおける熱侵害受容性の有効な抑制剤でありそして急性疼痛の処置のために潜在的に有用であることも示された(非特許文献4)。
【0005】
CB2受容体の活性化は外科切開後の抗侵害受容性を生じ、選択的カンナビノイドCB2受容体アゴニストが手術後疼痛の処置において有用でありうることを示唆している(非特許文献5)。
【0006】
末梢カンナビノイドCB2受容体の活性化は侵害受容しきい値を正常化するのに充分でありそして持続的疼痛症状において抗侵害受容性を生ずる(非特許文献6)。
【0007】
選択的CB2受容体アゴニストは動物モデルにおいて急性、慢性、炎症性および神経障害性の疼痛応答を抑制しそして、その結果として、急性および慢性の疼痛の処置の可能性を示す(非特許文献7、非特許文献8および非特許文献9)。
【0008】
CB2受容体−選択的アゴニストAM1241は熱刺激に対する抗侵害受容性を生ずる(非特許文献10)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2006/030124号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Gutierrez T,Farthing JN,Zvonok AM,Makriyannis A and Hohmann AG,Activation of peripheral cannabinoid CB1 and CB2 receptors suppresses the maintenance of inflammatory nociception:A comparative analysis,British Journal of Pharmacology,(2007),150(2),153−163
【非特許文献2】Quartilho A,Mata HP,Ibrahim MM,Vanderah TW,Porreca F,Makriyannis A and Malan TP,Jr.,Inhibition of Inflammatory Hyperalgesia by Activation of Peripheral CB2 Cannabinoid Receptors,Anesthesiology,(2003),99(4),955−960
【非特許文献3】Nackley AG,Makriyannis A and Hohmann AG,Selective activation of cannabinoid CB2 receptors suppresses spinal Fos protein expression and pain behavior in a rat model of inflammation,Neuroscience(Oxford,United Kingdom)(2003),119(3),747−757
【非特許文献4】Ibrahim MM,Rude ML,Stagg NJ,Mata HP,Lai J,Vanderah TW,Porreca F,Buckley NE,Makriyannis A and Malan TP,Jr.,CB2 cannabinoid receptor mediation of antinociception,Pain,(2006),122(1−2),36−42
【非特許文献5】LaBuda CJ,Koblish M and Little PJ,Cannabinoid CB2 receptor agonist activity in the hindpaw incision,European Journal of Pharmacology,(2005),527(1−3),172−174
【非特許文献6】Hohmann AG,Farthing JN,Zvonok AM and Makriyannis A,Selective activation of cannabinoid CB2 receptors suppresses hyperalgesia evoked by intradermal capsaicin,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,(2004),308(2),446−453
【非特許文献7】Malan TP,Jr.,Ibrahim MM,Lai J,Vanderah TW,Makriyannis A and Porreca F,CB2 cannabinoid receptor agonists:pain relief without psychoactive effects?,Current Opinion in Pharmacology,(2003),3(1),62−67
【非特許文献8】Ibrahim MM,Deng H,Zvonok A,Cockayne DA,Kwan J,Mata HP,Vanderah TW,Lai J,Porreca F,Makriyannis A and Malan TP,Jr.,Activation of CB2 cannabinoid receptors by AM1241 inhibits experimental neuropathic pain:Pain inhibition by receptors not present in the CNS,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,(2003),100(18),10529−10533
【非特許文献9】Burns TL and Ineck JR,Cannabinoid analgesia as a potential new therapeutic option in the treatment of chronic pain,Annals of Pharmacotherapy,(2006),40(2),251−260
【非特許文献10】Malan TP,Jr.,Ibrahim MM,Deng H,Liu Q,Mata HP,Vanderah T,Porreca F and Makriyannis A,CB2 cannabinoid receptor−mediated peripheral antinociception,Pain,(2001),93(3),239−245
【発明の概要】
【0011】
発明の詳細な記述
本発明はCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体に有効量の式(I):
【0012】
【化1】

【0013】
[式中、
式(I)における位置2−3および位置3a−9aの間の点線はXが存在する時の存在する2つの二重結合の各々に関する位置を表し、
式(I)における位置3−3aおよび位置9a−1の間の点線はXが存在する時の存在する2つの二重結合の各々に関する位置を表し、
式(I)における位置9およびXの間の点線は二重結合に関する位置を表し、
は不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
は不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
ここでXおよびXの1つだけが存在し、
は不存在であるか、低級アルキレン、低級アルキリデンまたは−NH−であり、
位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xは不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
位置9およびXの間の点線が存在する時には、Xは不存在であり、
は不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
は水素、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、低級アルキル−スルホニル、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシにより置換されていてもよい)、ヒドロキシまたはアルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)により置換されていてもよく、
は水素、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、低級アルキル−スルホニル、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそ
れ以上の位置でハロゲン、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシにより置換されていてもよい)、ヒドロキシまたはアルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)により置換されていてもよく、
は−C(O)−Z(R)、−SO−NR−Z(R)または−C(O)−NR−Z(R10)であり、
位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xは不存在であるかまたは低級アルキレンでありそしてRは水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でヒドロキシ、オキソ、低級アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、低級アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)またはハロゲンにより置換されていてもよく、
位置9およびXの間の点線が存在する時には、Xは不存在でありそしてRはCH−アリールまたはCH−ヘテロシクリルであり、ここでアリールまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でヒドロキシ、オキソ、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンにより置換されていてもよく、
は不存在であるか、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルであり、
はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよく、
は水素または低級アルキルであり、
はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよく、
は水素または低級アルキルであり、
10はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノ
スルホニル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよく、
およびZは各々不存在であるかまたはアルキルであり、そして
は不存在であるか、−NH−、−SO−またはアルキル(ここでアルキルは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)である]
の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相を投与することを含んでなる、被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の例は、Xが不存在であるかまたは低級アルキレンであり、そして、Rが水素、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルが各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、ヒドロキシまたはアルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)により置換されていてもよい、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0015】
本発明の例は、Xが不存在であり、そして、RがアリールまたはC−C12シクロアルキルから選択され、ここでアリールが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよい、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0016】
本発明の例は、Xが不存在であり、そして、Rが水素である、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0017】
本発明の例は、Rが−C(O)−Z(R)、−SO−NH−Z(R)または−C(O)−NH−Z(R10)である、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0018】
本発明の例は、Rが−C(O)−Z(R)であり、Xが不存在であるか、低級アルキレン、低級アルキリデンまたは−NH−であり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、Rがアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルが各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよい、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0019】
本発明の例は、Rが−C(O)−Z(R)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であり、そして、Rがヘテロシクリルである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0020】
本発明の例は、Rが−SO−NR−Z(R)であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、Rが水素または低級アルキルであり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、Rが場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0021】
本発明の例は、Rが−SO−NH−Z(R)であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、Rが場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0022】
本発明の例は、Rが−C(O)−NR−Z(R10)であり、Xが不存在であるか、低級アルキレン、低級アルキリデンまたは−NH−であり、Rが水素または低級アルキルであり、Zが不存在であるか、−NH−、−SO−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0023】
本発明の例は、Rが−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、アリールまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0024】
本発明の例は、Rが−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、アリールまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいC−C12シクロアルキルである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0025】
本発明の例は、Rが−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のアルキルまたはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよいC−C
12シクロアルキルである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0026】
本発明の例は、Rが−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、アリールまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいアリールである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0027】
本発明の例は、Rが−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルキルにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のハロゲンにより置換されていてもよいアリールである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0028】
本発明の例は、Rが−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるかまたはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のアルキルにより置換されていてもよいヘテロシクリルである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0029】
本発明の例は、位置9およびXの間の点線が不存在であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキレンであり、そして、Rが水素または場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいアリールである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0030】
本発明の例は、位置9およびXの間の点線が存在し、Xが不存在でありそしてRが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいCH−アリールである、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0031】
本発明の例は、Xが不存在でありそしてRが不存在である、式(I)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0032】
本発明の例は、式(Ia):
【0033】
【化2】

【0034】
[式中、Xは不存在であり、Xは不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xは不存在であるかまたは低級アルキレンでありそしてRは水素または場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいアリールであり、位置9およびXの間の点線が存在する時にはXは不存在でありそしてRはCH−アリールであり、ここでアリールは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rは水素、アリールまたはC−C12シクロアルキルから選択され、ここでアリールは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rは−C(O)−Z(R)、−SO−NH−Z(R)または−C(O)−NH−Z(R10)であり、Rはヘテロシクリルであり、Rは場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールであり、R10はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリールまたはC−C12シクロアルキルは各々場合により1個もしくはそれ以上のハロゲン、アルキルまたはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよく、Zは不存在であり、Zはアルキルであり、そして、Zは不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)である]
の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0035】
本発明の例は、Xが不存在であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xが不存在であるかまたは低級アルキレンでありそしてRが水素または場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいアリールであり、位置9およびXの間の点線が存在する時にはXが不存在でありそしてRがCH−アリールであり、ここでアリールが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rが水素、アリールまたはC−C12シクロアルキルから選択され、ここでアリールが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rが−SO−NH−Z(R)または−C(O)−NH−Z(R10)であり、Rが場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールであり、R10がアリールまたはC−C12シクロアルキルであり、ここでアリールまたはC−C12シクロアルキルが各々場合により1個もしくはそれ以上のハロゲン、アルキルまたはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよく、Zがアルキルであり、そしてZが不存在であるかまたはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)である、式(Ia)の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相である。
【0036】
本発明の例は、
【0037】
【表1】

【0038】
から選択される、式(I)の化合物およびその製薬学的に許容可能な形態を包含する。
【0039】
定義
ここで使用される際には、以下の用語は以下の意味を有する:
用語「アルキル」は炭素数10までの飽和した直鎖状もしくは分枝鎖状の1価炭化水素基を意味する。アルキルは典型的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどを包含するが、それらに限定されない。
【0040】
用語「低級アルキル」は炭素数4までのアルキル基を意味する。結合点はいずれのアルキルまたは低級アルキル炭素原子上にあってもよくそして、さらに置換される時には、置換基変種はいずれの炭素原子上に置かれてもよい。
【0041】
用語「アルキレン」は結合基が2個の炭素原子からのそれぞれ1個の水素原子の除去により誘導される炭素数10までの飽和した直鎖状もしくは分枝鎖状の1価炭化水素結合基を意味する。アルキレンは典型的にはメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレンなどを包含するが、それらに限定されない。用語「低級アルキレン」は炭素数4までのアルキレン結合基を意味する。結合点はいずれのアルキレンまたは低級アルキレン炭素原子上にあってもよくそして、さらに置換される時には、置換基変種はいずれの炭素原子上に置かれてもよい。
【0042】
用語「アルキリデン」は二重結合が2個の炭素原子からのそれぞれ1個の水素原子の除去により誘導される2個の隣接炭素原子間に形成された少なくとも1つの二重結合を有する炭素数1〜10のアルキレン結合基を意味する。原子は二重結合に関してシス(E)またはトランス(Z)立体配置のいずれかに配向しうる。アルキリデンは典型的にはメチリデン、ビニリデン、プロピリデン、イソ−プロピリデン、メタリレン、アリリデン(2−プロペニリデン)、クロチレン(2−ブテニレン)、プレニレン(3−メチル−2−ブテニレン)などを包含するが、それらに限定されない。用語「低級アルキリデン」は炭素数1〜4の基または結合基を意味する。結合点はいずれのアルキリデンまたは低級アルキリデン炭素原子上にあってもよくそして、さらに置換される時には、置換基変種はいずれの炭素原子上に置かれてもよい。
【0043】
用語「アルコキシ」は結合点が親基上のヒドロキシド置換基からの水素原子の除去により誘導される酸素原子を介して結合された炭素数10までのアルキル、アルキレンまたはアルキリデン基を意味する。用語「低級アルコキシ」は炭素数4までのアルキル、アルキレンまたはアルキリデン基を意味する。低級アルコキシは典型的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどを包含するが、それらに限定されない。さらに置換される時には、置換基変種はいずれの炭素原子上に置かれてもよい。
【0044】
用語「シクロアルキル」は飽和もしくは不飽和の単環式、多環式もしくは架橋結合された炭化水素環系基または結合基を意味する。炭素数3〜20の環はC3−20シクロアルキルにより表示することができ、炭素数3〜12の環はC3−12シクロアルキルにより表示することができ、炭素数3〜8の環はC3−8シクロアルキルにより表示することができるなどである。
【0045】
シクロアルキルは典型的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、インダニル、インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ベンゾシクロオクテニル、フルオレニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[3.2.1]オクテニル、アダマンタニル、オク
タヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデニル、オクタヒドロ−2,5−メタノ−ペンタレニル(ヘキサヒドロ−2,5−メタノ−ペンタレニルとも称する)などを包含するが、それらに限定されない。さらに置換される時には、置換基変種はいずれの炭素原子上に置かれてもよい。
【0046】
用語「ヘテロシクリル」は少なくとも1個の環炭素原子がN、OまたはSから独立して選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子で置換された飽和、部分的不飽和もしくは不飽和の単環式、多環式もしくは架橋結合された炭化水素環系基または結合基を意味する。ヘテロシクリル環系は4個までの窒素原子環員を有する環系または0〜3個の窒素原子環員および1個の酸素もしくは硫黄環員を有する環系をさらに包含する。利用可能な原子価により許容される時には、2個までの隣接環員はヘテロ原子であることができ、ここで1個のヘテロ原子は窒素でありそして他方はN、OまたはSから選択される。ヘテロシクリル基は1個の炭素または窒素環原子からの1個の水素原子の除去により誘導される。ヘテロシクリル結合基はいずれかの炭素または窒素環原子からのそれぞれ2個の水素原子の除去により誘導される。
【0047】
ヘテロシクリルは典型的にはフリル、チエニル、2H−ピロール、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、ピロリル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、2−イミダゾリニル(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリルとも称する)、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、2H−ピラン、4H−ピラン、ピリジニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、チオモルホリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼパニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジニル、プテリジニル、キヌクリジニル、ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピニル、1,3−ベンゾジオキソリル(1,3−メチレンジオキシフェニルとも称する)、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル(1,4−エチレンジオキシフェニルとも称する)、ベンゾ−ジヒドロ−フリル、ベンゾ−テトラヒドロ−ピラニル、ベンゾ−ジヒドロ−チエニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ(b)チエニル、5,6,7−トリヒドロ−4H−シクロヘキサ(b)チエニル、5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ(b)チエニル、2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどを包含するが、それらに限定されない。
【0048】
用語「アリール」は炭素数6、9、10または14の不飽和の共役π電子単環式もしくは多環式炭化水素環系基または結合基を意味する。アリール基は1個の炭素環原子からの1個の水素原子の除去により誘導される。アリーレン結合基は2個の炭素環原子からのそれぞれ2個の水素原子の除去により誘導される。アリールは典型的にはフェニル、ナフタレニル、アズレニル、アントラセニルなどを包含するが、それらに限定されない。
【0049】
用語「アミノ」は式−NHの基を意味する。
【0050】
用語「アミノアルキル」は式−NH−アルキルまたは−N(アルキル)の結合基を意味する。
【0051】
用語「アミノスルホニル」は式−SONHの結合基を意味する。
【0052】
用語「アリールアルコキシ」は式−O−アルキル−アリールの基を意味する。
【0053】
用語「アリールオキシ」は式−O−アリールの基を意味する。
【0054】
用語「カルバモイル」は式−C(O)NHの基を意味する。
【0055】
用語「カルバモイルアルキル」は式−C(O)NH−アルキルまたは−C(O)N(アルキル)の基を意味する。
【0056】
用語「カルボニルアルコキシ」は式−C(O)O−アルキルの基を意味する。
【0057】
用語「カルボキシ」は式−COOHまたは−COHの基を意味する。
【0058】
用語「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0059】
用語「低級アルキル−アミノ」は式−NH−アルキルまたは−N(アルキル)の基を意味する。
【0060】
用語「低級アルキル−アミノスルホニル」は式−SONH−アルキルまたは−SON(アルキル)の基を意味する。
【0061】
用語「低級アルキル−スルホニル」は式−SO−アルキルまたは−C(O)N(アルキル)の基を意味する。
【0062】
用語「置換された」は芯分子上の1個もしくはそれ以上の水素原子が1個もしくはそれ以上の基または結合基で置換されたことを意味し、ここで結合基は定義によるとさらに置換されている。特定の基または結合基が水素原子を置換する能力は化学的に安定な芯分子を生ずるように当業者により最適に予測される。
【0063】
用語「独立して選択される」は1個もしくはそれ以上の置換基変種(例えば表リストに普遍的に出現する置換基の群)が特定の組み合わせで存在することを意味する。
【0064】
本発明の開示で使用される置換基命名法は当業者に既知である命名法則(例えば、IUPAC)を用いて誘導された。
【0065】
製薬学的形態
本発明の化合物は製薬学的に許容可能な塩類の形態で存在しうる。薬品中での使用のためには、本発明の化合物の「製薬学的に許容可能な塩類」は無毒の酸性/アニオン性または塩基性/カチオン性形態をさす。
【0066】
本発明の化合物の適当な製薬学的に許容可能な塩類は、例えば、本発明に従う化合物の溶液を製薬学的に許容可能な酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、琥珀酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸、の溶液と混合することにより製造できる酸付加塩類を包含する。
【0067】
さらに、本発明に従う化合物が酸部分を有する時には、それらの適当な製薬学的に許容可能な塩類はアルカリ金属塩類、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩類、アルカリ土類金属塩類、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩類、および適当な有機配位子を用いて
形成される塩類、例えば第四級アンモニウム塩類、を包含しうる。それ故、代表的な製薬学的に許容可能な塩類は以下のものを包含する:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウム、カンシル酸塩(またはカンホスルホン酸塩)、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩。
【0068】
本発明はその範囲内に本発明の化合物のプロドラッグ類および代謝産物を包含する。一般的に、そのようなプロドラッグ類および代謝産物はインビボで活性化合物に容易に転化可能である化合物の官能性誘導体であろう。
【0069】
用語「プロドラッグ」は本発明の化合物(またはその塩)の官能性誘導体の製薬学的に許容可能な形態を意味し、ここでプロドラッグは1)インビボで活性プロドラッグ成分に転化する比較的活性な前駆体、2)インビボで活性プロドラッグ成分に転化する比較的不活性な前駆体、または3)インビボで利用可能になった後に(すなわち、代謝産物として)治療上の生物学的活性に寄与する化合物の比較的活性の小さい成分でありうる。適当なプロドラッグ誘導体の選択および製造に関する普遍的な工程は、例えば、“Design
of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記述されている。
【0070】
用語「代謝産物」は本発明の化合物(またはその塩)の代謝誘導体の製薬学的に許容可能な形態を意味し、ここで誘導体はインビボで利用可能になった後に治療上の生物学的活性に寄与する化合物の比較的活性の小さい成分である。
【0071】
本発明は種々の異性体の化合物およびそれらの混合物を意図する。用語「異性体」は同じ組成および分子量を有するが物理的および/または化学的性質において異なる化合物をさす。そのような物質は同じ数および種類の原子を有するが構造において異なる。構造的な差異は構成において(幾何学的異性体)または偏光面を回転する能力において(立体異性体)ありうる。
【0072】
用語「立体異性体」は空間内のそれらの原子の配置において異なる同一構成の異性体をさす。エナンチオマー類およびジアステレオマー類は非対称的に置換された炭素原子がキラル中心として作用する立体異性体である。用語「キラル」はその鏡像上で重ならない分子をさし、軸および面または対称中心の不存在を意味する。用語「エナンチオマー」は互いに鏡像でありそして重ならない分子種対の1つをさす。用語「ジアステレオマー」は鏡像として関連しない立体異性体をさす。記号「R」および「S」は1つもしくは複数のキラル炭素原子の周りの置換基の立体配置を表す。記号「R」および「S」は1つもしくは複数のキラル炭素原子の周りの置換基の相対的な立体配置を表す。
【0073】
用語「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は等モル量の2つのエナンチオマー種の化合物をさし、ここで化合物は光学活性を欠く。用語「光学活性」はキラル分子またはキラル分子の非ラセミ混合物が偏光面を回転する程度をさす。
【0074】
用語「幾何学的異性体」は炭素−炭素二重結合、シクロアルキル環または架橋結合された二環式系に対する関係において置換基原子の配向で異なる異性体をさす。炭素−炭素二重結合の各側面上の置換基原子(H以外)はEまたはZ立体配置でありうる。「E」(反対側)または「キラル」立体配置では、置換基は炭素−炭素二重結合に対する関係におい
て反対側にあり、「Z」(同じ側)または「ボート」立体配置では、置換基は炭素−炭素二重結合に対する関係において同じ側に配向される。炭素環式環に結合された置換基原子(H以外)はシスまたはトランス立体配置でありうる。「シス」立体配置では、置換基は環の面に対する関係において同じ側にあり、「トランス」立体配置では、置換基は環の面に対する関係において反対側にある。「シス」および「トランス」種の混合物を有する化合物は「シス/トランス」表示される。架橋結合された二環式系に結合された置換基原子(H以外)は「エンド」または「エキソ」立体配置でありうる。「エンド」立体配置では、架橋(橋頭でない)点に結合された置換基は2つの残りの架橋の大きいものに向かい、「エキソ」立体配置では、架橋点に結合された置換基は2つの残りの架橋の小さいものに向かう。
【0075】
本発明の化合物を製造するために使用される種々の置換基立体異性体、幾何学的異性体およびそれらの混合物は市販されているか、市販されている出発物質から合成的に製造できるかまたは異性体混合物として製造しそして次に当業者に既知である技術を用いて分解された異性体として得られうることは理解すべきである。
【0076】
異性体表示「R」、「S」、「S」、「R」、「E」、「Z」、「シス」、「トランス」、「エキソ」および「エンド」は原子立体構造を芯分子に関して示すためにここで記述されるように使用されそして文献(IUPAC Recommendations for Fundamental Stereochemistry(Section E),Pure Appl.Chem.,1976,45:13−30)で定義されているように使用されることが意図される。
【0077】
さらに、本発明の化合物は1種もしくはそれ以上の多形相または非晶質結晶形態を有することができそしてそのままで本発明の範囲内に含まれることが意図される。さらに、化合物のあるものは水との溶媒和物(すなわち、水和物)または普通の有機溶媒との溶媒和物を形成でき、そしてそのままで本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0078】
治療使用
CB2受容体はG−蛋白質−結合された受容体(GCPR)族に属しそしてリンパ様組織(細胞介在および先天性免疫)、末梢神経端部(末梢神経系)、脾臓免疫細胞(免疫系調整)並びに網膜(眼内圧)において主として末梢的に発現されるようである。CB2mRNAは小脳顆粒細胞内のCNS中で見られる(整合運動機能)。
【0079】
アゴニスト化合物によるCB2受容体の活性化は動物モデルにおいて疼痛応答に介在する。
【0080】
本発明はCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体に有効量の式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはその形態を投与することを含んでなる被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法に関する。
【0081】
用語「CB2受容体介在疼痛」はここで使用される際には、慢性もしくは急性であるか、手術後、炎症性もしくは神経障害性であるかまたは損傷もしくは年令の結果である疼痛症状をさしそして別のやり方で特性づけを不可能とし且つCB2受容体アゴニストを用いる処置から利点を受けるであろう中枢および末梢経路介在疼痛を包含するがそれらに限定されない。
【0082】
本方法の範囲は変形性関節症、慢性関節リウマチ、頭痛、片頭痛、歯痛、分娩、月経困難症、間質性膀胱炎、末梢神経炎、粘膜炎、外科疼痛、運動損傷疼痛、外傷、癌疼痛、線維筋痛、膵臓炎、腸炎、蜂巣炎、骨折、手術後腸仙痛、過敏性腸症候群、炎症性腸疾病に
起因する疼痛、クローン病、潰瘍性大腸炎、胆嚢炎、火傷、日焼け、毒性の蛇噛み傷、蜘蛛噛み傷または昆虫刺し傷に起因する疼痛および非毒性の蛇噛み傷、蜘蛛噛み傷または昆虫刺し傷に起因する疼痛よりなる群から選択される炎症関連疼痛を包含することが意図される。
【0083】
本方法の範囲は化学療法性神経障害、エイズ−関連神経障害、糖尿病性神経障害および肝炎後神経痛よりなる群から選択される神経障害疼痛症状を包含することがさらに意図される。
【0084】
本発明の例はCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防するための薬品の製造における式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはその形態の使用を包含する。
【0085】
本発明の例はCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体に有効量の式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはその形態および治療剤を含んでなる組み合わせ製品および/または療法を投与することを含んでなる被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法を包含する。
【0086】
式(I)または式(Ia)の化合物は約50μM〜約0.01nMの間、約25μM〜約0.01nMの間、約15μM〜約0.01nMの間、約10μM〜約0.01nMの間、約1μM〜約0.01nMの間、約800nM〜約0.01nMの間、約200nM〜約0.01nMの間、約100nM〜約0.01nMの間、約80nM〜約0.01nMの間、約20nM〜約0.01nMの間、約10nM〜約0.1nMの間、または約0.1nMのCB2アゴニスト結合活性IC50値を有する本発明の方法において有用なCB2アゴニストである。
【0087】
用語「被験体」はここで使用される際には、処置、観察または実験の対象でありそしてCB受容体介在症候群、障害または疾病を進行させる危険性がある(またはその疑いがある)罹患体をさし、それは動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは人間、でありうる。
【0088】
用語「投与する」は本発明の方法に応じて解釈すべきである。そのような方法は有効量の式(I)または式(Ia)の化合物を治療工程中に異なる時機にまたは組み合わせ形態の製品として同時に治療的または予防的に投与することを包含する。それ故、本発明の処置方法では、この用語は具体的に開示された化合物またはある種の本化合物に関しては具体的に開示されていないが本発明の範囲内に明らかに包括されるであろうプロドラッグもしくは代謝産物を用いてここに記述されたCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する手段を包括するであろう。
【0089】
CB2受容体介在疼痛が処置され、緩和され、予防されまたは他のやり方でその進行が遅延されるように予防投与をCB2受容体介在疼痛の徴候特性の発現前に行うことができる。本発明の方法は当業者により使用される全ての治療的または予防的処置処方を包括するとしてさらに理解すべきである。
【0090】
用語「有効量」は、処置される症候群、障害または疾病の徴候の緩和を包含する、研究者、獣医師、医師、または他の臨床士により求められる組織系統、動物または人間における生物学的または医学的応答を誘発する本化合物の量をさす。本発明における使用のためのそのような化合物の有効量は約0.001mg/kg/日〜約300mg/kg/日である。
【0091】
用語「薬品」はカンナビノイド受容体介在症候群、障害または疾病を処置、緩和または予防する際の使用のための製品をさす。
【0092】
用語「組み合わせ製品および/または療法」は式(I)または式(Ia)の化合物を1種もしくはそれ以上の治療剤と組み合わせて含んでなる製薬学的組成物を意味する。式(I)または式(Ia)の化合物および1種もしくはそれ以上の治療剤の薬用量は組み合わされる時に有効量を得るように調節される。
【0093】
本発明が組み合わせ製品の投与に関する場合には、用語「有効量」は一緒にされて組み合わせ効果が所望する生物学的または医学的応答を誘発するような剤の組み合わせの量を意味する。
【0094】
当業者が認識するように、組み合わせ製品を含んでなる成分の有効量は組み合わせ製品の成分が単独で使用される場合にそれが生ずるであろうものより大きく病状が回復する相乗的な結果を得るように独立して最適化されそして組み合わされうる。
【0095】
本発明が組み合わせ製品および/または療法の投与に関する場合には、本化合物および剤はいずれかの適当な手段により、同時に、順次に、交互にまたは単一もしくは分割形態で、治療工程中の同じまたは異なる時間において、共に投与できる。
【0096】
本化合物および剤成分が別個に投与される場合には、1日当たりに与えられる本化合物の薬用量数は必ずしも同じでなくてもよく、例えば1種の化合物がより長い活性期間を有していてもよく、そしてその結果としてより頻度が少なく投与されるであろう。
【0097】
投与方法の適当な例は経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮および局所である。化合物はポンプ装置を用いるかもしくは用いない頭蓋内もしくは椎骨内針および/またはカテーテルによる分配による大脳内、脳室内、大脳室内、鞘内、槽内、脊椎内および/または脊椎周囲を包含するがそれらに限定されない投与経路で神経系統に直接投与することもできる。
【0098】
投与される最適な薬用量は当業者により容易に決めることができ、そして使用される特定の化合物、投与の方式、調剤の強度および疾病症状の進行度に応じて変動するであろう。さらに、患者の性別、年令、体重、食事、投与の時間および合併症を包含する処置する特定罹患体に関係する要素が薬用量調節の必要性を生ずるであろう。
【0099】
本発明は本発明の化合物および任意の製薬学的に許容可能な担体の混合物を含んでなる製薬学的組成物または薬品の投与を包含する。
【0100】
製薬学的組成物
用語「組成物」は特定量の特定成分を含んでなる製品並びに特定量の特定成分の組み合わせから直接的にまたは間接的に生ずるいずれかの製品をさす。
【0101】
本発明の製薬学的組成物は、式(I)または式(Ia)の化合物の代わりにまたはそれに加えて、式(I)もしくは式(Ia)の化合物の製薬学的に許容可能な塩またはそのような化合物もしくは塩のプロドラッグもしくは製薬学的に活性な代謝産物を製薬学的に許容可能な担体と混合して含んでなりうる。
【0102】
「製薬学的に許容可能な担体」は、本発明の組成物の調合物中での使用にとって充分な純度および品質でありそして動物または人間に適切に投与される時に悪性、アレルギー性または他の不適当な反応を生じない分子状物体および組成物を意味する。
【0103】
臨床的および獣医学的使用の両者が本発明の範囲内に同等に包含されるため、製薬学的に許容可能な調合物は臨床的または獣医学的使用のいずれかのための組成物または薬品調合物を包含するであろう。
【0104】
組成物または薬品は投与方法に依存して広範囲の薬用量単位形態で投与することができ、ここでそのような方法は製薬学的投与分野の専門家に既知である適当な薬用量形態を用いる(限定するものではないが)経口、舌下、鼻(吸入もしくは通気)、経皮、直腸、膣、局所(閉塞を用いてもしくは用いない)、静脈内(大型丸剤もしくは注入)または注射用(腹腔内、皮下、筋肉内、腫瘍内もしくは非経口的)を包含する。従って、用語「薬用量単位」または「薬用量形態」は(限定するものではないが)錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁剤、坐剤、散剤、粒剤または殺菌性の液剤、乳剤もしくは懸濁剤(アンプルからもしくは例えば自動注射器の如き装置を用いる注射用またはエーロゾル剤、噴霧剤もしくは滴下剤としての使用のため)をさすために互換的に使用される。さらに、組成物は週毎のまたは月毎の投与に適する形態で(例えば筋肉内注射用のデポ調剤を与えるために適する活性化合物の不溶性塩(例えばデカン酸塩)として)提供することもできる。
【0105】
本発明は徴候緩和を必要とする被験体に緩和に必要な予防的または治療的有効量で存在する本化合物またはそのプロドラッグの組成物を包含する。
【0106】
本化合物またはそのプロドラッグの予防的または治療的有効量は約0.001mg〜約1gの範囲であることができそして被験体に関して選択される投与方法および処方に適するいずれかの形態に構成することができる。
【0107】
処置される被験体および疾病に依存して、1日当たりの約70kgの平均体重の人間に関する予防的または治療的有効量は約0.001mg/kg〜約300mg/kg、約0.01mg/kg〜約200mg/kg、約0.05mg/kg〜約100mg/kg、または、約0.1mg/kg〜約50mg/kg、の範囲でありうる。
【0108】
最適な予防的または治療的有効量並びに投与方法および処方は当業者により容易に決めることができ、そして処置される特定の罹患体に関係する要素(年令、体重、食事および投与の時間)、処置する症状の重篤度、使用する化合物および薬用量単位、投与の方式並びに調剤の強度に依存して変動するであろう。
【0109】
1つもしくは複数の薬用量単位は1日当たり約1回〜1日当たり約5回の処方で予防的または治療的有効量を得るために投与することができる。経口投与に関して好ましい薬用量単位は0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250または500mgの活性成分を含有する錠剤である。
【0110】
生物学的実施例
以下の実施例は本発明の化合物がCB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法において有用であることを説明する。
【実施例1】
【0111】
炎症性疼痛のカラゲーナンモデル
齧歯動物におけるカラゲーナン(Cg)の足底内注射は熱および機械的刺激の両者に対して顕著な感覚過敏を生ずる。カラゲーナンの影響は最大で投与後2−4時間である。
【0112】
工程
試験化合物が熱痛覚過敏を逆転させる能力を評価するために、雄のスプラーグ−ドーリーラット(各々9匹の動物の処置群における250−350g)へのカラゲーナン−λ(200μL)の足底内注射前に放射熱(RH)足刺激剤に関する基線応答潜伏期を得た。急速な後足の動き(後足の舐めありまたはなし)である後退運動だけを記録した。運動または体重移動に伴う後足の動きは後退応答とみなされなかった。
【0113】
各動物の体重が実験日に記録された。各動物は暖かい(ほぼ体温、30℃)ガラス表面上に置かれそして約10−15分間にわたり試験室に順応させた。放射熱刺激(光線)を次に順番に各後足の底に向けそして熱刺激に対する初期(基線)応答時間を各動物に関して記録した。10−15秒間の基線後退潜伏期を生じた刺激強度(5アンペアの設定における放射熱)が使用されそして20秒間の最大遮断が課された。足が動いた時または遮断時間限度に達した時に光刺激は光電気継電器により自動的に中断された。
【0114】
1つの処置群(各々8匹の動物)に賦形剤(殺菌性食塩水中の5%のDMSOおよび5%のツイーン−80)を腹腔内注射した。他の処置群(各々8匹の動物)に3、10または30mg/kgの化合物2を腹腔内注射した。
【0115】
1時間後に、賦形剤が投与された動物に関する後退潜伏期が記録された。評価後に、全ての動物に1%のカラゲーナン(殺菌性食塩水中の200μL)を左後足の足底下組織内に皮下投与して急性炎症反応を刺激した。3時間後に、熱刺激に対する動物の応答時間を評価した。結果は表1に秒数±SEMとして示される。
【0116】
【表2】

【0117】
カラゲーナン(Cg)投与から3時間後に、賦形剤で処置した動物における平均潜伏期は有意に減少し、熱痛覚過敏の進行を示した。
【実施例2】
【0118】
動物に最初に1%のカラゲーナン(殺菌性食塩水中の200μL)を左後足の足底下組織内に皮下投与して急性炎症反応を刺激したこと以外は実施例1の実験を繰り返した。
【0119】
2時間半後に、後退潜伏期を評価した(「Cg後」)。1つの処置群に次に賦形剤(殺菌性食塩水中の5%のDMSOおよび5%のツイーン−80)を腹腔内注射した。他の処置群に3、10または30mg/kgの化合物7を腹腔内注射した。試験化合物投与から30分後に、後退潜伏期が記録された。結果は表2に秒数±SEMとして示される。
【0120】
【表3】

【0121】
カラゲーナン(Cg)投与から2時間半後に、賦形剤で処置した動物における平均潜伏期は有意に減少し、熱痛覚過敏の進行を示した。
【実施例3】
【0122】
ホット−プレート侵害受容試験
最初にEddyおよびLeimbach(J.Pharmacol.Exp.Ther.107:385−393,1953)により記述されたホット−プレート試験に小さな変更(例えば、O’Callaghan and Holtzman,J.Pharmacol.Exp.Ther.192:497−505,1975)を加えて使用して試験化合物の鎮痛能力を確認した。これらの試験のために使用されたホットプレート鎮痛計はコロンブス・インスツルメンツ・インターナショナル(Columbus Instruments International)(オハイオ州、コロンブス)により製造された。
【0123】
工程
雄のCD−1マウス(30−35g)を体重測定し、木片と共にプラスチックボックスの中に入れそして試験前に順応させた。個々のマウスを48℃の加熱された表面上に置きそしてプレート上の運動をガラスシリンダーにより拘束した。配置といずれかの後足の震え、舐めまたは折り曲げ(侵害受容応答)との間の時間間隔を基線測定値として記録した。組織損傷を防止するために動物を応答直後または最大40秒後に加熱されたプレートから除去した。各マウスは1回だけ試験した。
【0124】
1つの処置群に賦形剤(殺菌性食塩水中の5%のDMSOおよび5%のツイーン−80)を腹腔内注射した。他の処置群に10または30mg/kgの化合物1を腹腔内注射した。試験化合物投与から30分後に、各動物を90秒の最大遮断で応答に関して評価した。
【0125】
賦形剤または試験化合物で処置した動物に関する反応時間を各動物に対応するそれぞれの基線反応時間と比較した。基線応答時間を処置後応答時間から引き算しそしてその結果を遮断時間(90秒)から引き算された基線応答時間の差により割り算することにより最大効果百分率(%MPE)が得られた。
【実施例4】
【0126】
内臓痛覚過敏モデル
このプロトコルは内臓痛覚過敏症を処置する際の試験化合物の能力および効力を評価するためにラットにおける圧調節器で調節された等圧性結直腸拡張(CRD)を使用する。
【0127】
工程
ラット(雄のスプラーグドウリー(275−350g;CD(SD);チャールス・リバー・ラブス(Charles River Labs))を1ケージ当たり2〜4匹の動物で温度および湿度調節室内で12時間/12時間の明暗サイクルで随時の飼料および水入手可能式で飼育した。
【0128】
検疫期間からの放出から1日後に、動物をプレキシガラス装置(G−3、ラットECU;ブレインツリー・サイエンティフィック(Braintree Scientific);マサチュセッツ州ブレインツリー)内で単純拘束の期間を徐々に長引かせて(30分間およびその後の4時間、45分間)順応させた。動物をそれらのホームケージに一晩戻した。翌朝に、それらを拘束装置内で60分間にわたり順応させた。4時間後に、動物に70%CO:30%Oで軽く麻酔をかけた。K−Yゼリーで潤滑処理された高度に柔軟な4cm長さのポリエチレンバルーンを次に肛門を介して直腸および遠位直腸内に挿入した。バルーンを反対端部が肛門から1cmになるように配置しそしてその場でバルーンカテーテルを尾の基部にテープで留めることにより確保した。カテーテルをバルーンの膨張およびそれにより生ずる結直腸拡張を調節するコンピューター処理された圧調節器に連結した。結腸内圧力を表すバルーン圧力を連続的に記録した。
【0129】
意識のある動物におけるCRDは前腹壁筋肉の収縮よりなる反射内臓運動応答を誘発する(Ness TJ and Gebhart GF,Colorectal distension as a noxious visceral stimulus:physiologic and pharmacologic characterization of pseudaffective reflexes in the rat,Brain Res.,(1988),450:153−169)。これらの筋肉の収縮は腹内圧力を増加させそして引き続き結腸内圧力を増加させる。結腸内圧力における変化はCRDを分配させるために使用されるものと同じバルーンを通して変えられる。圧力計終点はラットにおける前腹壁筋肉から記録された筋電計応答を模することが最近報告された(Tammpere A,Brusberg M,Axenborg J,Hirsch I,Larsson H and Lindstrom E,Evaluation of pseudo−affective responses to noxious colorectal distension in rats by manometric recordings,Pain,(2005),116:220−226)。
【0130】
2シリーズの20秒間ランプ(15、30、45、60、75mmHg)拡張を4分間隔で送りそして圧力計応答を以下の通りにして記録することにより刺激−応答データが得られた:結腸内圧力信号をデジタル1Hzハイパスフィルターを通して送り、調整しそしてCRDの最初の15秒間(バルーン拡張直前の15秒間)の全体を基線引き算にかけ、それぞれの拡張圧力における応答を平均して調節刺激/応答曲線を各動物に関して得た。結直腸バルーンを次に除去しそして動物をそれらのホームケージに戻した。
【0131】
翌朝に、1つの処置群に10mg/kgの化合物7(殺菌性食塩水中の5%のDMSOおよび5%のツイーン−80に溶かした)を腹腔内注射した。
【0132】
1時間後に、30%エタノール中2.5%(w/v)のジモサン(zymosan)A(サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)から;シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス)の1.5mL大型丸剤の結腸内注入により(70%CO:30%Oで軽く麻酔をかけて)急性結腸炎を全ての処置群において誘発した。4時間後に、動物に軽
く麻酔をかけそして結直腸バルーンを前日の通りにして調節拡張用に挿入した。同一のCRD刺激を適用しそして圧力計応答を記録しそして実験の調節段階に関して記述された通りにして分析した。
【0133】
1つの処置群における動物に次に1mg/kgのモルヒネを皮下投薬した。鎮痛応答に関する比較として、他の処置群における動物に3mg/kgのモルヒネを結腸炎開始後4時間にそしてCRDの30分前に皮下投薬した。賦形剤処置群における動物がジモサン投与後に痛覚過敏応答を示さなかった実験からのデータは除外された。データは表4に最初の(対照)圧力計応答の百分率(%±SEM)として表示され、各動物はそれ自体対照として作用した。
【0134】
本発明のこれまでの記述およびその種々の例はある面を強調してきたことを理解すべきである。具体的に詳述されていないかまたは論じられていない多くの他の同等物はそれにもかかわらず本発明の精神および範囲内または以下の特許請求の範囲に入りそして包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体に有効量の式(I):
【化1】

[式中、
式(I)における位置2−3および位置3a−9aの間の点線はXが存在する時の存在する2つの二重結合の各々に関する位置を表し、
式(I)における位置3−3aおよび位置9a−1の間の点線はXが存在する時の存在する2つの二重結合の各々に関する位置を表し、
式(I)における位置9およびXの間の点線は二重結合に関する位置を表し、
は不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
は不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
ここでXおよびXの1つだけが存在し、
は不存在であるか、低級アルキレン、低級アルキリデンまたは−NH−であり、
位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xは不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
位置9およびXの間の点線が存在する時には、Xは不存在であり、
は不存在であるかまたは低級アルキレンであり、
は水素、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、低級アルキル−スルホニル、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシにより置換されていてもよい)、ヒドロキシまたはアルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)により置換されていてもよく、
は水素、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、低級アルキル−スルホニル、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシにより置換されていてもよい)、ヒドロキシまたは低級アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)により置換されていてもよく、
は−C(O)−Z(R)、−SO−NR−Z(R)または−C(O)−NR−Z(R10)であり、
位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xは不存在であるかまたは低級アルキレンでありそしてRは水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハ
ロゲン、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でヒドロキシ、オキソ、低級アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、低級アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)またはハロゲンにより置換されていてもよく、
位置9およびXの間の点線が存在する時には、Xは不存在でありそしてRはCH−アリールまたはCH−ヘテロシクリルであり、ここでアリールまたはヘテロシクリルは各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でヒドロキシ、オキソ、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンにより置換されていてもよく、
は不存在であるか、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルであり、
はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよく、
は水素または低級アルキルであり、
はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよく、
は水素または低級アルキルであり、
10はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルは各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよく、
およびZは各々不存在であるかまたはアルキルであり、そして
は不存在であるか、−NH−、−SO−またはアルキル(ここでアルキルは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)である]
の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相を投与することを含んでなる、被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防する方法。
【請求項2】
が不存在であるかまたは低級アルキレンであり、そして、Rが水素、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルが各々場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、ヒドロキシまたはアルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)により置換されていてもよい、請求項1の方法。
【請求項3】
が不存在であり、そして、RがアリールまたはC−C12シクロアルキルから選択され、ここでアリールが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよい、請求項1の方法。
【請求項4】
が不存在であり、そして、Rが水素である、請求項1の方法。
【請求項5】
が−C(O)−Z(R)、−SO−NH−Z(R)または−C(O)−NH−Z(R10)である、請求項1の方法。
【請求項6】
が−C(O)−Z(R)であり、Xが不存在であるか、低級アルキレン、低級アルキリデンまたは−NH−であり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、Rがアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルが各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよい、請求項1の方法。
【請求項7】
が−C(O)−Z(R)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であり、そして、Rがヘテロシクリルである、請求項1の方法。
【請求項8】
が−SO−NR−Z(R)であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、Rが水素または低級アルキルであり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、Rが場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールである、請求項1の方法。
【請求項9】
が−SO−NH−Z(R)であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、Rが場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールである、請求項1の方法。
【請求項10】
が−C(O)−NR−Z(R10)であり、Xが不存在であるか、低級アルキレン、低級アルキリデンまたは−NH−であり、Rが水素または低級アルキルであり、Zが不存在であるか、−NH−、−SO−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲ
ン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンもしくはヒドロキシにより置換されていてもよい)、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、カルバモイル、カルバモイルアルキル、アミノスルホニル、低級アルキル−アミノスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、請求項1の方法。
【請求項11】
が−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が各々場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、アリールまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、請求項1の方法。
【請求項12】
が−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、アリールまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいC−C12シクロアルキルである、請求項1の方法。
【請求項13】
が−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるかまたはアルキルであり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のアルキルまたはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよいC−C12シクロアルキルである、請求項1の方法。
【請求項14】
が−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、アミノ、アミノアルキル、アルキル(場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアルコキシ、アリールまたはヘテロシクリルにより置換されていてもよいアリールである、請求項1の方法。
【請求項15】
が−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルキルにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が場合により1個もしくはそれ以上のハロゲンにより置換されていてもよいアリールである、請求項1の方法。
【請求項16】
が−C(O)−NH−Z(R10)であり、Xが不存在であり、Zが不存在であるかまたはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシもしくはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよい)であり、そして、R10が場合により1個もしく
はそれ以上のアルキルにより置換されていてもよいヘテロシクリルである、請求項1の方法。
【請求項17】
位置9およびXの間の点線が不存在であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキレンであり、そして、Rが水素または場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいアリールである、請求項1の方法。
【請求項18】
位置9およびXの間の点線が存在し、Xが不存在でありそしてRが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいCH−アリールである、請求項1の方法。
【請求項19】
が不存在でありそしてRが不存在である、請求項1の方法。
【請求項20】
化合物が式(Ia):
【化2】

[式中、Xは不存在であり、Xは不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xは不存在であるかまたは低級アルキレンでありそしてRは水素または場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいアリールであり、位置9およびXの間の点線が存在する時にはXは不存在でありそしてRはCH−アリールであり、ここでアリールは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rは水素、アリールまたはC−C12シクロアルキルから選択され、ここでアリールは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rは−C(O)−Z(R)、−SO−NH−Z(R)または−C(O)−NH−Z(R10)であり、Rはヘテロシクリルであり、Rは場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールであり、R10はアリール、C−C12シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここでアリールまたはC−C12シクロアルキルは各々場合により1個もしくはそれ以上のハロゲン、アルキルまたはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよく、Zは不存在であり、Zはアルキルであり、そして、Zは不存在であるか、−NH−またはアルキル(ここでアルキルは場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)である]
の化合物またはその塩、異性体、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形相から選択される、請求項1の方法。
【請求項21】
が不存在であり、Xが不存在であるかまたは低級アルキリデンであり、位置9およびXの間の点線が不存在である時には、Xが不存在であるかまたは低級アルキレンでありそしてRが水素または場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよいアリールであり、位置9およびXの間の点線が存在する時にはXが不存在でありそしてRがCH−アリールであり、ここでアリールが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rが水素、アリールまたはC−C12シクロアルキルから選択され、ここでアリールが場合により
1つもしくはそれ以上の位置でハロゲンにより置換されていてもよく、Rが−SO−NH−Z(R)または−C(O)−NH−Z(R10)であり、Rが場合により1つもしくはそれ以上の位置でアルコキシにより置換されていてもよいアリールであり、R10がアリールまたはC−C12シクロアルキルであり、ここでアリールまたはC−C12シクロアルキルが各々場合により1個もしくはそれ以上のハロゲン、アルキルまたはカルボニルアルコキシにより置換されていてもよく、Zがアルキルであり、そしてZが不存在であるかまたはアルキル(ここでアルキルが場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されていてもよい)である、請求項20の方法。
【請求項22】
化合物が
1−シクロヘキシル−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸(1,3,3−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)−アミド、
1−シクロヘキシル−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸(アダマンタン−1−イルメチル)−アミド、
1−シクロペンチル−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸(アダマンタン−1−イルメチル)−アミド、
1−シクロヘキシル−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸(1−アダマンタン−1−イル−エチル)−アミド、
(2E)−[9−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−イル]−エテンスルホン酸[(1S)−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9S)−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1R)−2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9R)−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1R)−2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9R)−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1S)−2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9S)−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1S)−2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9S)−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1R)−2−メトキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9R)−(3−クロロ−ベンジル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1R)−2−メトキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9E)−(3−クロロ−ベンジリデン)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1R)−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9E)−(3−クロロ−ベンジリデン)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1S)−1−フェニル−エチル]−アミド、
(9E)−(3−クロロ−ベンジリデン)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1S)−2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチル]−アミド、または
(9E)−(3−クロロ−ベンジリデン)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸[(1R)−2−ヒドロキシ−1−フェニル−エチル]−アミド
から選択される、請求項1の方法。
【請求項23】
CB2受容体介在疼痛が慢性または急性である、請求項1の方法。
【請求項24】
CB2受容体介在疼痛が手術後、炎症性もしくは神経障害性であるかまたは損傷もしくは年令の結果である、請求項23の方法。
【請求項25】
CB2受容体介在疼痛が別のやり方で特性づけを不可能とし且つCB2受容体アゴニストを用いる処置から利点を受けるであろう中枢または末梢経路介在疼痛症状である、請求項23の方法。
【請求項26】
CB2受容体介在疼痛が変形性関節症、慢性関節リウマチ、頭痛、片頭痛、歯痛、分娩、月経困難症、間質性膀胱炎、末梢神経炎、粘膜炎、外科疼痛、運動損傷疼痛、外傷、癌疼痛、線維筋痛、膵臓炎、腸炎、蜂巣炎、骨折、手術後腸仙痛、過敏性腸症候群、炎症性腸疾病に起因する疼痛、クローン病、潰瘍性大腸炎、胆嚢炎、火傷、日焼け、毒性の蛇噛み傷、蜘蛛噛み傷または昆虫刺し傷に起因する疼痛および非毒の蛇噛み傷、蜘蛛噛み傷または昆虫刺し傷に起因する疼痛よりなる群から選択される炎症性疼痛である、請求項24の方法。
【請求項27】
CB2受容体介在疼痛が化学療法性神経障害、エイズ−関連神経障害、糖尿病性神経障害および肝炎後神経痛よりなる群から選択される神経障害疼痛である、請求項24の方法。
【請求項28】
請求項1の化合物の有効量が約0.001mg/kg/日〜約300mg/kg/日である、請求項1の方法。
【請求項29】
請求項13の化合物の有効量が約0.001mg/kg/日〜約300mg/kg/日である、請求項1の方法。
【請求項30】
請求項14の化合物の有効量が約0.001mg/kg/日〜約300mg/kg/日である、請求項1の方法。
【請求項31】
被験体に有効量の請求項1の化合物および治療剤を含んでなる組み合わせ製品および/または療法を投与することをさらに含んでなる、請求項1の方法。
【請求項32】
CB2受容体介在疼痛の処置、緩和または予防を必要とする被験体においてCB2受容体介在疼痛を処置、緩和または予防するための薬品の製造における請求項1の化合物の使用。
【請求項33】
CB2受容体介在疼痛が慢性または急性である、請求項32の使用。
【請求項34】
CB2受容体介在疼痛が手術後、炎症性もしくは神経障害性であるかまたは損傷もしくは年令の結果である、請求項32の使用。
【請求項35】
CB2受容体介在疼痛が別のやり方で特性づけを不可能とし且つCB2受容体アゴニストを用いる処置から利点を受けるであろう中枢または末梢経路介在疼痛症状である、請求項32の使用。
【請求項36】
CB2受容体介在疼痛が変形性関節症、慢性関節リウマチ、頭痛、片頭痛、歯痛、分娩、月経困難症、間質性膀胱炎、末梢神経炎、粘膜炎、外科疼痛、運動損傷疼痛、外傷、癌疼痛、線維筋痛、膵臓炎、腸炎、蜂巣炎、骨折、手術後腸仙痛、過敏性腸症候群、炎症性腸疾病に起因する疼痛、クローン病、潰瘍性大腸炎、胆嚢炎、火傷、日焼け、毒性の蛇噛み傷、蜘蛛噛み傷または昆虫刺し傷に起因する疼痛および非毒の蛇噛み傷、蜘蛛噛み傷または昆虫刺し傷に起因する疼痛よりなる群から選択される炎症性疼痛である、請求項34の使用。
【請求項37】
CB2受容体介在疼痛が化学療法性神経障害、エイズ−関連神経障害、糖尿病性神経障害および肝炎後神経痛よりなる群から選択される神経障害疼痛である、請求項34の使用。

【公表番号】特表2010−522182(P2010−522182A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554623(P2009−554623)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/055102
【国際公開番号】WO2008/115672
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】