説明

CCDカメラ用標識体

【課題】汚損が進行しても、CCDカメラでの濃淡の判別に支障が生じることを抑制することが可能で、CCDカメラで取得する撮像データの信頼性を高めることができ、システムの誤動作や不良品の発生を防止できると共に、メンテナンスも軽減することができ、位置検出対象である装置の稼働率の低下を防止して生産性を向上することができるCCDカメラ用標識体を提供する。
【解決手段】位置検出対象の位置情報を取得するためにCCDカメラで撮像されるCCDカメラ用標識体1であって、位置検出対象に設置される標識体本体8と、標識体本体にその表面部8aから内奥へ向かって形成される真直穴9と、標識体本体に真直穴と連接して形成され、CCDカメラの光軸Xに対して傾斜する傾斜反射面10aを有して、真直穴に進入した光x1を減衰させるテーパ状凹部10と、標識体本体の表面部に、真直穴の開口部を取り囲んで形成された光反射面12とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚損が進行しても、CCDカメラでの濃淡の判別に支障が生じることを抑制することが可能で、CCDカメラで取得する撮像データの信頼性を高めることができ、システムの誤動作や不良品の発生を防止できると共に、メンテナンスも軽減することができ、位置検出対象である装置の稼働率の低下を防止して生産性を向上することができるCCDカメラ用標識体に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の工場設備や生産設備では、移動して位置が変わる種々の装置を位置検出対象とし、当該位置検出対象の位置情報をCCDカメラで取得することが行われている。位置検出対象には、CCDカメラ用の標識体が搭載され、このCCDカメラ用標識体をCCDカメラで撮像することで、位置検出対象の位置情報を取得する。
【0003】
例えば特許文献1では、撮像手段としてCCDカメラを使用し、位置検出対象に設けられたマーカを撮像する撮像手段と、この撮像手段の画像データに基づいて、前記マーカの中心位置を算出する算出手段とを備える位置検出装置であって、前記マーカは、半径の異なる2以上の同心円を同一の平面上に表示して構成され、前記算出手段は、前記各同心円画像の重心位置を夫々算出し、それら複数の重心位置から前記マーカの中心位置を求めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3754340号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位置検出対象である各種の装置の中には、例えばプラズマディスプレイパネル製造設備に備えられる排気封着装置のように、CCDカメラ用標識体が汚れ易い環境に晒されるものがある。この排気封着装置の場合は、繰り返し熱処理炉内を走行移動し、熱処理炉内へ送り込まれる前や、熱処理炉から送り出された後に、CCDカメラで位置情報の取得が行われる。従って、排気封着装置に設置されるCCDカメラ用標識体は、繰り返し炉内の高温雰囲気に晒され、次第に汚損されていく。具体的には、この種のCCDカメラ用標識体は金属製であるが、その金属表面が酸化し変色していく。
【0006】
CCDカメラでは、取得した撮像画像で濃淡を判別することができれば、少なくとも二値化データとしての認識が可能で、このデータを制御に使用することができる。しかしながら、特許文献1のように、マーカ等の表示を付したCCDカメラ用標識体などでは、汚損が進行すると、表示の判別が難しくなる。判別が曖昧になると、システムに誤動作を生じたり、不良品の発生につながってしまうという課題があった。
【0007】
また、CCDカメラ用標識体に対し、頻繁に清掃などのメンテナンスを行う必要があって煩雑であると共に、そのために装置の稼働率が低下して、生産性が低下するという問題もあった。
【0008】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、汚損が進行しても、CCDカメラでの濃淡の判別に支障が生じることを抑制することが可能で、CCDカメラで取得する撮像データの信頼性を高めることができ、システムの誤動作や不良品の発生を防止できると共に、メンテナンスも軽減することができ、位置検出対象である装置の稼働率の低下を防止して生産性を向上することができるCCDカメラ用標識体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるCCDカメラ用標識体は、位置検出対象の位置情報を取得するためにCCDカメラで撮像されるCCDカメラ用標識体であって、上記位置検出対象に設置される標識体本体と、該標識体本体にその表面部から内奥へ向かって形成される真直穴と、上記標識体本体に上記真直穴と連接して形成され、上記CCDカメラの光軸に対して傾斜する傾斜反射面を有して、該真直穴に進入した光を減衰させるテーパ状凹部と、上記標識体本体の上記表面部に、上記真直穴の開口部を取り囲んで形成された光反射面とを備えたことを特徴とする。
【0010】
前記傾斜反射面が前記CCDカメラの光軸となす角度θは75°以下であり、かつ前記真直穴の深さLと該真直穴の直径Dの比(L/D)が1.5以上であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるCCDカメラ用標識体は、位置検出対象の位置情報を取得するためにCCDカメラで撮像されるCCDカメラ用標識体であって、上記位置検出対象に設置される標識体本体と、該標識体本体にその表面部から背面部に亘って貫通して形成される真直な貫通穴と、上記標識体本体の上記背面部に、上記貫通穴の開口部に面して設けられ、上記CCDカメラの光軸に対して傾斜する傾斜反射面を有して、該貫通穴に進入した光を該貫通穴外方へ反射させる反射部材と、上記標識体本体の上記表面部に、上記貫通穴の開口部を取り囲んで形成された光反射面とを備えたことを特徴とする。
【0012】
前記標識体本体には、前記反射部材を取り囲んで暗幕部材が設けられることを特徴とする。
【0013】
前記傾斜反射面が前記CCDカメラの光軸となす角度θは75°以下であることを特徴とする。
【0014】
前記標識体本体の前記表面部における前記穴の輪郭が円形であることを特徴とする。
【0015】
前記位置検出対象がプラズマディスプレイパネル製造用の排気封着装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるCCDカメラ用標識体にあっては、汚損が進行しても、CCDカメラでの濃淡の判別に支障が生じることを抑制することができ、CCDカメラで取得する撮像データの信頼性を高めることができて、システムの誤動作や不良品の発生を防止できると共に、メンテナンスも軽減することができ、位置検出対象である装置の稼働率の低下を防止して生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るCCDカメラ用標識体をプラズマディスプレイパネル製造用の排気カートへ設置した場合の例を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明に係るCCDカメラ用標識体の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図4】図3に示したCCDカメラ用標識体の平面図である。
【図5】図3に示したCCDカメラ用標識体の一部破断側面図である。
【図6】図3のCCDカメラ用標識体の変形例を示す一部破断側面図である。
【図7】本発明に係るCCDカメラ用標識体の他の実施形態を示す側断面図である。
【図8】本発明に係るCCDカメラ用標識体をプラズマディスプレイパネル製造用の他の形式の排気ヘッド近傍へ設置した場合の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係るCCDカメラ用標識体の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係るCCDカメラ用標識体1は図1及び図2に示すように、例えばプラズマディスプレイ製造設備の排気カート2に搭載される。従って、この排気カート2が位置検出対象となる。排気カート2は、熱処理炉内を移動し、当該熱処理炉内で、ラック3に搭載した二枚一組のガラスパネル4の接合や排気ヘッド5に装着したチップ管6のガラスパネル4への接合、ガラスパネル4間からの真空排気など、各種の処理を行うのに使用される。
【0019】
排気カート2では、排気ヘッド5に装着したチップ管6の位置が、ガラスパネル4をラック3に搭載するときの基準として重要である。排気ヘッド5のすぐ近くに、CCDカメラ用標識体1が設置される。チップ管6の位置を知るために、CCDカメラ用標識体1がCCDカメラ7によって撮像され、これにより位置検出対象である排気カート2におけるチップ管6の位置情報が間接的に取得される。CCDカメラ7によって撮影された画像は、画像処理により二値化データ化するなどして、ガラスパネル4をラック3に搭載する際の制御データとして使用される。
【0020】
図3〜図5に示すように、CCDカメラ用標識体1は、排気カート2に設置される金属製ブロック状の標識体本体8を有する。標識体本体8は図示例にあっては、上下方向に長い直方体状に形成され、排気カート2には、横向きに寝かせて設置される。標識体本体8には、CCDカメラ7に面して位置づけられる表面部8aから内奥へ向かって、真っ直ぐに真直穴9が形成される。
【0021】
また、標識体本体8には、真直穴9の奥に、当該真直穴9と連接して、テーパ状凹部10が形成される。このテーパ状凹部10により、標識体本体8には、全体として有底の穴11が形成される。本実施形態にあっては、真直穴9は、標識体本体8の表面部8aにおける輪郭が円形に形成され、その内面は円筒面となる。もちろん、円形以外の各種の輪郭で形成することができ、例えば角形で形成した場合には、真直穴9の内面は角筒面となる。
【0022】
テーパ状凹部10は、標識体本体8を撮像する、すなわち穴11を撮像するCCDカメラ7の光軸Xに対して傾斜する傾斜反射面10aを有する。図示例にあっては、テーパ状凹部10は、真直穴9から一連に連続する錐体の錐体面で形成される。真直穴9の輪郭が円形の場合、傾斜反射面10aは、円錐体面となる。
【0023】
この傾斜反射面10aは、標識体本体8の外部から真直穴9内に進入してテーパ状凹部10に達した光x1を、CCDカメラ7の光軸X方向とは異なる方向へ反射散乱させ、この有底の穴11内部で減衰させ吸収する。これにより、CCDカメラ7で撮像した場合、真直穴9からテーパ状凹部10に亘る標識体本体8の穴11の部分は、「暗部」となる。
【0024】
真直穴9に進入した光x1を効果的に効率良く減衰し、真直穴9から標識体本体8外部へ漏れ出ないようにするためには、傾斜反射面10aがCCDカメラ7の光軸Xとなす角度θは75°以下とし、かつ真直穴9の深さL(標識体本体8の穴11の深さと異なる)と当該真直穴9の直径D(内径)の比(L/D)が1.5以上であるように設定することが望ましい。
【0025】
角度θが75°よりも大きい場合や、比(L/D)が1.5よりも小さい場合には、傾斜反射面10aで反射した光x1が真直穴9から標識体本体8外部へ漏れ出やすい。他方、比(L/D)を1.5よりも過度に大きく設定すると、標識体本体8内部に形成する有底の穴11全体の深さが深くなり、標識体本体8のサイズ及び重量が増加する。穴11を貫通させ、反射部材を取り付けた構造にすることが好ましい。
【0026】
また、真直穴9からテーパ状凹部10に亘って、穴11内面を黒色などの暗色で塗装する(図中、Cで示す)ことが好ましく、これによりさらに、真直穴9内に進入した光x1を減衰することができる。
【0027】
標識体本体8の表面部8aには、上記「暗部」に対する「明部」とするために、真直穴9の開口部を取り囲んで、周囲の光x2を反射させる光反射面12が形成される。光反射面12は、標識体本体8そのものの無垢な平坦面で形成しても良いが、表面部8aにアルミナ溶射(図中、Aで示す)を施すことが好ましい。
【0028】
アルミナ溶射Aを施すと、金属製ブロックである標識体本体8表面が酸化されることによる汚損を防止でき、またこれにより光反射面12を白色化することができて、画像処理時に明部をより鮮明に際立たせることができる。また、明部が鮮明になることにより、真直穴9周りの光反射面12の面積を狭めることができ、標識体本体8の平面外形寸法をサイズダウンして、標識体本体8をコンパクト化することができる。
【0029】
次に、本実施形態に係るCCDカメラ用標識体1の作用について説明する。本実施形態に係るCCDカメラ用標識体1では、周囲に散乱する光のうち、光反射面12で反射する光x2は、CCDカメラ7が受光し、標識体本体8の表面部8aを「明部」として撮像する。他方、周囲に散乱する光のうち、真直穴9に進入した光x1は、テーパ状凹部10の傾斜反射面10aにより、CCDカメラ7の光軸X方向とは異なる方向へ反射散乱され、標識体本体8の真直穴9からテーパ状凹部10に亘る穴11全体で減衰され吸収されて、真直穴9から標識体本体8外部へ漏れ出すことを抑制できる。従って、CCDカメラ7は、真直穴9から受光することがないか、受光してもきわめて僅かな受光量であって、標識体本体8の真直穴9の部分を「暗部」として撮像する。
【0030】
このようなCCDカメラ用標識体1を、熱処理炉内に繰り返し移動される排気カート2に設置した場合、標識体本体8の真直穴9やその奥のテーパ状凹部10は、酸化し変色しても、構造上、進入した光x1を減衰させる作用を維持することができ、CCDカメラ7により、光反射面12に対して常に、絶対的な暗部として撮像される。他方、光反射面12が徐々に汚れたり変色していっても、当該光反射面12に対し、標識体本体8の穴11の部分が際立つ「暗部」を維持するので、濃淡であれば判別し得るCCDカメラ7を使用する場合、本実施形態に係るCCDカメラ用標識体1を撮像することで、長期にわたり確実に明部と暗部の差が保たれて撮像が行われ、これにより排気カート2のチップ管6位置の位置情報を、誤認なく的確に取得することができる。
【0031】
従って、CCDカメラ用標識体1の汚損、特に表面部8aの汚損が進行しても、標識体本体8に形成した穴11の構造上、CCDカメラ7での濃淡の判別に支障が生じることを抑制でき、CCDカメラ7で取得する撮像データの信頼性を高めることができて、システムの誤動作や不良品の発生を防止できると共に、表面部8aが少々汚損されても継続使用ができて、清掃などのメンテナンスも軽減することができ、位置検出対象である装置(排気カート)2の稼働率の低下を防止して、従来よりも生産性を向上することができる。
【0032】
テーパ状凹部10の傾斜反射面10aがCCDカメラ7の光軸Xとなす角度θを75°以下とし、かつ真直穴9の深さLと当該真直穴9の直径Dの比(L/D)を1.5以上に設定したので、真直穴9に進入した光x1を効果的に効率良く減衰でき、真直穴9から標識体本体8外部へ漏れ出すことを抑制することができる。
【0033】
CCDカメラ7により暗部として撮像される穴11(真直穴9)の輪郭を円形としたので、標識体本体8周辺に、角形状に撮像される部材が多用されている場合には、CCDカメラ7が容易かつ迅速に暗部、すなわち位置情報のターゲットを発見することができる。
【0034】
CCDカメラ用標識体1を搭載する位置検出対象を、プラズマディスプレイパネル製造用の排気カート2とした場合、汚れやすい環境に晒されても、継続的にCCDカメラ7で暗部を撮像できて、排気ヘッド5に装着したチップ管6の位置情報を適切に取得することができ、システムの誤動作や不良品の発生を防止できると共に、メンテナンスも軽減することができ、排気カート2の稼働率を上げて、プラズマディスプレイパネルの生産性を向上することができる。
【0035】
特に、加熱により標識体本体8が熱変形を受ける場合でも、光反射面12として、真直穴9の開口部回りに当該真直穴9から外方へ、少なくとも1.5mm程度の寸法を設定するようにすれば、CCDカメラ7により適切に明部として撮像することができる。また、アルミナ溶射Aを施せば、1.0mm程度の寸法で十分であり、標識体本体8をコンパクト化できて、排気ヘッド5のすぐ近くの狭いスペースにも適切に設置することができる。
【0036】
図6には、上記実施形態の変形例が示されている。この変形例では、テーパ状凹部10の傾斜反射面10aが一方向に傾斜する傾斜面で形成されている。このような変形例にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0037】
図7には、本発明に係るCCDカメラ用標識体の他の実施形態が示されている。本実施形態のCCDカメラ用標識体21にあっては、標識体本体22には、CCDカメラ7に面して位置づけられる表面部22aから背面部22bに亘って貫通して、真っ直ぐに貫通穴23が形成される。また、標識体本体22の背面部22bには、貫通穴23の開口部に面して、反射部材24が設けられる。貫通穴23も、上記実施形態の真直穴9同様、標識体本体22の表面部22aにおける輪郭は、円形やその他、角形などに形成される。
【0038】
反射部材24は、貫通穴23の開口部に面して、CCDカメラ用標識体21を撮像する、すなわち貫通穴23を撮像するCCDカメラ7の光軸Xに対して傾斜する傾斜反射面24aを有する。この傾斜反射面24aは、標識体本体22の外部から貫通穴23内に進入した光x1を、CCDカメラ7の光軸X方向とは異なる方向であって、貫通穴23の開口部を避けて当該貫通穴23外方へ反射させる。これにより、CCDカメラ7で撮像した場合、貫通穴23の部分は、「暗部」となる。
【0039】
貫通穴23に進入した光x1が、標識体本体22の表面部22a側から外部へ漏れ出ないようにするためには、傾斜反射面24aがCCDカメラ7の光軸Xとなす角度θは75°以下に設定することが望ましい。角度θが75°よりも大きい場合は、傾斜反射面24aで反射した光x1が標識体本体22の表面部22a側から外部へ漏れ出やすい。
【0040】
また、標識体本体22周囲に散乱する光が傾斜反射面24aから貫通穴23内に進入し、標識体本体22の表面部22a側から漏れ出ないように、標識体本体22には、反射部材24を取り囲んで暗幕部材25を設けることが好ましい。さらに、貫通穴23についても、内面を黒色などの暗色で塗装する(図中、Cで示す)ことが好ましく、これにより、貫通穴23内で効率良く光x1を減衰させることができる。
【0041】
また、本実施形態にあっても、上記実施形態と同様に、標識体本体22の表面部22aには、貫通穴23の開口部を取り囲んで、CCDカメラ7で「明部」として撮像される光反射面12が形成される。
【0042】
そして本実施形態に係るCCDカメラ用標識体21にあっても、プラズマディスプレイパネル製造用の排気カート2に搭載して使用することができる。本実施形態にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0043】
特に、貫通穴23を備えた本実施形態のCCDカメラ用標識体21にあっては、傾斜反射面24aにより、貫通穴23に進入した光x1を貫通穴23外方へ反射させるようにしたので、上記実施形態のように穴11の内部で光x1を減衰させる場合に比べて、貫通穴23の深さを浅くすることができ、例えば標識体本体22を、ブロック状形態よりも薄い板状部材で構成することができ、標識体本体22のサイズを小型ができると共に、軽量化することができる。
【0044】
図8は、上記各実施形態に係るCCDカメラ用標識体1,21の設置位置を、ガラスパネル4にクランプ26で直接吊り下げた排気ヘッド5のすぐ近くに設定した場合を示している。いずれの実施形態の標識体本体8,22も軽量・小型であるため、吊り下げ形式であって狭隘なスペースであっても、適切に設置することができる。
【0045】
本実施形態にあっては、位置検出対象として、プラズマディスプレイパネル製造用の排気カート2を例示して説明したが、その他どのような装置であっても、上記各実施形態のCCDカメラ用標識体1,21を適用することができることはもちろんである。
【符号の説明】
【0046】
1,21 CCDカメラ用標識体
2 プラズマディスプレイパネル製造用の排気カート
7 CCDカメラ
8,22 標識体本体
8a,22a 標識体本体の表面部
9 真直穴
10 テーパ状凹部
10a,24a 傾斜反射面
12 光反射面
22b 標識体本体の背面部
23 貫通穴
24 反射部材
25 暗幕部材
D 真直穴の直径
L 真直穴の深さ
X CCDカメラの光軸
θ 傾斜反射面がCCDカメラの光軸となす角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出対象の位置情報を取得するためにCCDカメラで撮像されるCCDカメラ用標識体であって、
上記位置検出対象に設置される標識体本体と、
該標識体本体にその表面部から内奥へ向かって形成される真直穴と、
上記標識体本体に上記真直穴と連接して形成され、上記CCDカメラの光軸に対して傾斜する傾斜反射面を有して、該真直穴に進入した光を減衰させるテーパ状凹部と、
上記標識体本体の上記表面部に、上記真直穴の開口部を取り囲んで形成された光反射面とを備えたことを特徴とするCCDカメラ用標識体。
【請求項2】
前記傾斜反射面が前記CCDカメラの光軸となす角度θは75°以下であり、かつ前記真直穴の深さLと該真直穴の直径Dの比(L/D)が1.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のCCDカメラ用標識体。
【請求項3】
位置検出対象の位置情報を取得するためにCCDカメラで撮像されるCCDカメラ用標識体であって、
上記位置検出対象に設置される標識体本体と、
該標識体本体にその表面部から背面部に亘って貫通して形成される真直な貫通穴と、
上記標識体本体の上記背面部に、上記貫通穴の開口部に面して設けられ、上記CCDカメラの光軸に対して傾斜する傾斜反射面を有して、該貫通穴に進入した光を該貫通穴外方へ反射させる反射部材と、
上記標識体本体の上記表面部に、上記貫通穴の開口部を取り囲んで形成された光反射面とを備えたことを特徴とするCCDカメラ用標識体。
【請求項4】
前記標識体本体には、前記反射部材を取り囲んで暗幕部材が設けられることを特徴とする請求項3に記載のCCDカメラ用標識体。
【請求項5】
前記傾斜反射面が前記CCDカメラの光軸となす角度θは75°以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のCCDカメラ用標識体。
【請求項6】
前記標識体本体の前記表面部における前記穴の輪郭が円形であることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載のCCDカメラ用標識体。
【請求項7】
前記位置検出対象がプラズマディスプレイパネル製造用の排気封着装置であることを特徴とする請求項1〜6いずれかの項に記載のCCDカメラ用標識体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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