CGジヌクレオチド修飾物を含有するトール様受容体の新規な合成アゴニスト
本発明は、免疫療法用途のための免疫調節剤としてのオリゴヌクレオチドの治療的使用に関する。より詳細には、本発明は、免疫応答を生じさせる方法または免疫調節を必要とする患者を処置する方法における使用のために、免疫調節オリゴヌクレオチド組成物を提供する。本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは好ましくは、新規なピリミジンおよびプリンを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2005年12月20日出願の米国仮出願番号第60/752,335号および2006年8月4日出願の米国仮出願番号第60/821,458号の利益を主張する。上記出願の全体的な教示は、本明細書に参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は概して、オリゴヌクレオチドを免疫調節剤として使用する免疫学および免疫療法用途の分野に関する。さらに具体的には、本発明は、新規な化学組成物およびそれらの使用方法に関する。かかる組成物は、TLR9媒介免疫応答を通じて独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールを生じさせるのに有効である。
【0003】
関連技術の概要
免疫応答は、応答に関与する細胞のサブセットに基づき先天性および適応的応答の両方を伴う。例えば、細胞障害性Tリンパ球(CTL)の遅延型過敏性および活性などの古典的な細胞媒介機能に関与するTヘルパー(Th)細胞は、Th1細胞であるのに対し、B細胞活性のためにヘルパー細胞として関わるTh細胞は、Th2細胞である。免疫応答の種類は、抗原曝露に応答して生成されるサイトカインに影響を受ける。Th1およびTh2細胞により分泌されるサイトカインの差は、これらの2種のサブセットの異なる生物学的機能の結果であり得る。
【0004】
Th1細胞は、抗原への身体の先天性応答に関与する(例えばウィルス感染、細胞内病原体、および腫瘍細胞)。結果は、IL−2およびIFN−γの分泌およびCTLの同時活性である。Th2細胞は、細菌および寄生生物に応答して活性化されることが知られ、IL−4およびIL−5の分泌を通して身体の適応的免疫応答(例えばIgE生成および好酸球活性)を媒介し得る。
【0005】
Th1免疫応答は、哺乳動物において、例えば非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する細菌または合成DNAの導入により誘発することができ、免疫応答は、パターン認識受容体(PRR)として知られるある免疫細胞で受容体への特定のオリゴヌクレオチド配列(例えば非メチル化CpG)の提示に起因する。これらのPRRの一部は、トール様受容体(TLR)である。
【0006】
トール様受容体(TLR)は、先天性免疫応答に密接に関与する。脊椎動物において、トール様受容体と呼ばれる10種のタンパク質のファミリー(TLR1〜TLR10)が、病原体関連分子パターンを認識することが知られている。10種のうち、TLR3、7、8および9は、細胞内のエンドソーム内に限局化し、核酸(DNAおよびRNA)ならびにヌクレオシドおよび核酸代謝産物などの小分子を認識することが知られている。TLR3およびTLR9は、それぞれウィルスおよび細菌ならびに合成DNAに存在するdsRNAおよび非メチル化CpGジヌクレオチドなどの核酸を認識することが知られている。細菌DNAは、免疫システムおよび抗腫瘍活性を活性化することが示されている(Tokunaga T et al., J. Natl. Cancer Inst. (1984) 72:955-962; Shimada S, et al., Jpn. H cancer Res, 1986, 77, 808-816; Yamamoto S, et al., Jpn. J. Cancer Res., 1986, 79, 866-73)。CpGジヌクレオチドを含有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する他の研究では、免疫応答を刺激することが示されてきた(Zhao Q, et al., Biochem.Pharmacol. 1996, 26, 173-82)。続く研究により、TLR9が細菌および合成DNAに存在する非メチル化CpGモチーフを認識することが示された(Hemmi H, Takeuchi O, Kawai T, Kaisho T, Sato S, Sanjo H, Matsumoto M, Hoshino K, Wagner H, Takeda K, Akira S. A Toll-like receptor recognizes bacterial DNA. Nature. (2000); 408:740-5)。
【0007】
CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの他の修飾はまた、TLR9を介する免疫応答のモジュレータとして作用するその能力に影響を及ぼすことができる(例えば、Zhao et al., Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhao et al., Biochem Pharmacol. (1996) 52:1537-1544; Zhao et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. (1997) 7:495-502; Zhao et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (1999) 9:3453-3458; Zhao et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000) 10:1051-1054; Yu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000) 10:2585-2588; Yu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2001) 11:2263-2267; およびKandimalla et al., Bioorg. Med. Chem. (2001) 9:807-813参照)。加えて、構造活性相関研究により、合成モチーフおよび非メチル化CpGジヌクレオチドから生じるものとは明白に異なる、特異的免疫応答プロフィールを誘発する新規のDNAに基づく化合物の同定を可能にしてきた。
【0008】
【表1】
【0009】
加えて、CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの他の修飾もまた、免疫応答のモジュレータとして作用するそれらの能力に影響を及ぼすことができる。例えば、
【表1−2】
【0010】
オリゴヌクレオチドおよびオリゴデオキシヌクレオチドは、様々な分野で使用されており、診断精査、PCRプライミング、遺伝子発現のアンチセンス阻害、siRNA、アプタマー、リボザイム、およびトール様受容体(TLR)をベースとした免疫療法剤が含まれるがこれらに限定されない。より最近では、多くの刊行物は、オリゴデオキシヌクレオチドの免疫調節剤としての使用や、アレルギー、ぜんそく、自己免疫、癌、および感染症などの多くの疾病への免疫療法用途におけるそれらの単独でのまたはアジュバントとしての使用を実証している。
【0011】
これらの報告から、独特の免疫応答を生じさせることができる新しい化学物質を作り出す必要性が残っていることが明らかである。しかしながら、独特のサイトカイン/ケモカイン媒介免疫応答を生じさせ、TLR9のためのリガンドとしても認識される新規な化学物質を生み出すことが課題として残っている。理想的には、この課題は、新しい新しい免疫療法をもたらす、独特の化学塩基を新規な化学物質に組み込むことを通じて達成され、投与の後に独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールを生じさせる。
【発明の開示】
【0012】
発明の概要
本発明は、新規な化学物質および独特のサイトカイン/ケモカイン媒介免疫応答を生じさせるためのそれらの使用を提供する。新規な化学物質は、オリゴヌクレオチド化合物により引き起こされる免疫応答を調節するのに有用である。本発明の方法は、免疫療法用途のために免疫調節オリゴヌクレオチドにより生成したサイトカイン/ケモカインプロフィールを修飾することを可能にする。本発明の発明者は驚くべきことに、免疫調節ジヌクレオチドの修飾によって、生成した免疫応答のプロフィールにおける柔軟性を可能にすることを発見した。
【0013】
第1の面において、本発明は、式CGで表される免疫調節ジヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドであって、式中、Cはシトシン、2’−デオキシシトシン、N3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCであり、Gはグアノシン、2’−デオキシグアノシンまたはN1−メチル−dGであり、ただしCがシトシンまたは2’−デオキシシトシンであるとき、GはN1−メチル−dGであり、さらにGがグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであるとき、CはN3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCである、前記免疫調節オリゴヌクレオチドを提供する。
第2の面において、本発明は、医薬組成物を提供する。これらの組成物は、本発明の第1の面において開示された組成物および薬学的に許容し得る担体を含む。
【0014】
第3の面において、本発明は、脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法を提供し、該方法は、脊椎動物に本発明の第1または第2の面の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
第4の面において、本発明は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に本発明の第1または第2の面の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【0015】
第5の面において、本発明は、脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法を提供し、かかる方法は、脊椎動物に本発明の第1または第2の面の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【0016】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す。
図2は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す。
【0017】
図3は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。
図4は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。
【0018】
図5A〜5Dは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す。図5A〜5Dはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のIL−12およびIL−6プロフィールが生じることを実証する。
図6Aおよび6Bは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のヒトPBMC培養におけるIL−6およびIL−10レベルを示す。図6A〜6Bはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のIL−6およびIL−10プロフィールが生じることを実証する。
【0019】
図7は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のHEK293細胞におけるTLR9活性を、それらのNF−κB活性により測定し、示す。図7はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する。
図8は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの皮下(s.c.)投与後のC57BL/6マウスにおけるIL−12レベルを示す。図8はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特のIL−12プロフィールが生じることを実証する。
【0020】
図9は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウスにおける脾臓重量を示す。図9はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
図10A〜10Dは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のOVA感作マウス脾臓細胞におけるIL−5、IL−12、IL−13およびIFN−γレベルを示す。図10A〜10Dはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、免疫システム活性化因子(例えば卵白アルブミン)が存在しても、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールが生じることを実証する。
【0021】
図11は、免疫調節オリゴヌクレオチドおよび対照化合物10mg/mlの濃度による、マウスTLR9を発現するHEK293細胞の活性を実証する。図11はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する。
図12A〜12Bは、C57BL/6マウス脾臓細胞培養における本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによるサイトカイン分泌の誘発を実証する。図12A〜12Bはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のIL−6およびIL−12プロフィールが生じることを実証する。
【0022】
図13Aおよび13Bは、動物が免疫調節オリゴヌクレオチド、対照化合物、またはPBSをs.c.投与で受けた72時間後の脾腫(図13A)、およびs.c.投与後に免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたIL−12分泌(図13B)を実証する。図13A〜13Bはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
図14は、免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたヒトB細胞増殖を実証する。図14はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特の細胞増殖プロフィールが生じることを実証する。
【0023】
様々な態様の詳細な説明
本発明は、免疫療法用途のための免疫調節剤としてのオリゴヌクレオチドの治療的使用に関する。本明細書中に引用される交付済み特許、特許出願および参考文献は、各々が参照として組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ範囲で本明細書中に参照として組み込まれる。引用される参考文献および本明細書の教示の間の不一致は、本発明の目的のために、後者を優先することとする。
【0024】
本発明は、成人および小児科学上のヒトおよび獣医学的用途において、限定することなく、癌、自己免疫疾患、ぜんそく、呼吸器系アレルギー、食物アレルギー、および細菌、寄生虫、およびウィルス感染の処置などの免疫療法用途のために使用することができる、免疫刺激化合物により引き起こされる免疫応答を増強する方法を提供する。したがって、本発明はさらに、免疫療法のための最適レベルの免疫刺激効果を有する化合物ならびにかかる化合物を作るおよび使用するための方法を提供する。加えて、本発明の化合物は、DNAワクチン、抗体、およびアレルゲンとの組み合わせにおいて、および化学療法剤および/またはアンチセンスオリゴヌクレオチドとの組み合わせにおいて、アジュバントとして有用である。
【0025】
第1の面において、本発明は、式CGで表される少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドであって、式中、Cはシトシン、2’−デオキシシトシン、N3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCであり、Gはグアノシン、2’−デオキシグアノシン、2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、アラビノグアノシンまたはN1−メチル−dGであり、ただしCがシトシンまたは2’−デオキシシトシンであるとき、GはN1−メチル−dGであり、さらにGがグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであるとき、CはN3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCである、前記免疫調節オリゴヌクレオチドを提供する。
【0026】
この面の一態様において、本発明は、単独のまたはそれらの3’末端、またはヌクレオシド間結合または官能化核酸塩基または糖において非ヌクレオチドリンカーに結合した少なくとも2種のオリゴヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、免疫調節オリゴヌクレオチドであり、利用できる5’末端を有する。非ヌクレオチドリンカーを通じて互いに結合したオリゴヌクレオチドは、同一のヌクレオチド配列を有し得、または異なるヌクレオチド配列を有し得るが、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、本発明の少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含有する。
【0027】
本明細書中では、用語「利用できる5’末端」は、オリゴヌクレオチドの5’末端が、オリゴヌクレオチドを認識して結合し、免疫システムを刺激する要因がそれを利用できるよう、十分に利用可能であることを意味する。利用できる5’末端を有するオリゴヌクレオチドにおいて、末端の糖の5’OH位は、2より多くのヌクレオシド残基または5’末端との相互作用を妨害するその他の部分と共有結合しない。任意に、5’OHは、リン酸塩、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート部分、芳香族または脂肪族リンカー、コレステロール、または利用可能性を妨害しない別の物質と結合することができる。
【0028】
本発明の目的のために、用語「免疫刺激オリゴヌクレオチド」または「免疫調節オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含む化合物を意味し、免疫調節効果を有しない化合物は含まない。「免疫調節ジヌクレオチド」は、式5’−CpG−3’を有するジヌクレオチドであり、式中、「C」は哺乳動物において天然に存在するピリミジンヌクレオシドまたはその合成誘導体であり、「G」は哺乳動物において天然に存在するプリンヌクレオシドまたはその合成誘導体である。本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、1種の免疫調節ジヌクレオチドまたは数種の免疫調節ジヌクレオチドを有し得る。例えば、各免疫調節オリゴヌクレオチドは、同一であるかまたは本明細書中に記載のように独立して修飾され得る2、3、4または5種以上の免疫調節ジヌクレオチドを有し得る。
【0029】
用語「CpG」および「CpGジヌクレオチド」は、ジヌクレオチド5’−デオキシシチジン−デオキシグアノシン−3’のことであり、ここで、pはヌクレオシド間結合であり、ホスホジエステル、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエート結合が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の目的のために、用語「オリゴヌクレオチド」は、複数の結合したヌクレオシド単位から形成されたポリヌクレオシドのことをいう。かかるオリゴヌクレオチドは、ゲノムまたはcDNAを含む既存の核酸源から得ることができるが、好ましくは合成方法で生成される。いくつかの態様において、各ヌクレオシド単位は、複素環塩基およびペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたは六炭糖類を含む。ヌクレオシド残基は、多数の既知のヌクレオシド間結合のいずれかによって互いに共役させることができる。かかるヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アルキルホスホノチオエート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、シロキサン、カルボネート、カルボアルコキシ、アセトアミデート、カルバメート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミデート、架橋メチレンホスホネート、架橋ホスホロチオエート、およびスルホンヌクレオシド間結合を含むが、これらに限定されない。用語「オリゴヌクレオチド」はまた、1または2以上の立体特異的なヌクレオシド間結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、またはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシドを包含する。本明細書中では、用語「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は、結合がリン酸基を含むかどうかいずれにせよ、あらゆるそのようなヌクレオシド間結合を有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを明確に意図する。ある態様において、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合、またはそれらの組合せであってもよい。
【0031】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは各々、約3から約35までのヌクレオシド残基、または約4から約30までのヌクレオシド残基、または約4から約18までのヌクレオシド残基を有する。いくつかの態様において、免疫調節オリゴヌクレオチドは、約1から約18まで、または約1から約15まで、または約5から約14までのヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドを含む。本明細書中では、用語「約」は、正確な数は重要ではないことを示唆する。したがって、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は、重要ではなく、1個または2個少ないヌクレオシド残基、または1個から数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記の各態様と同等であると考えられる。いくつかの態様において、1または2以上のオリゴヌクレオチドは、11のヌクレオチドまたは18のヌクレオチドを有する。免疫調節オリゴヌクレオチドとの関係で、ある態様は、約13から約35までのヌクレオチド、または約13から約26までのヌクレオチド、または約11から約22までのヌクレオチドを有する。
【0032】
用語「オリゴヌクレオチド」はまた、タンパク質基、親油基、挿入剤、ジアミン、葉酸、コレステロールおよびアダマンタンを含むがこれらに限定されないさらなる置換基を有するポリヌクレオシドを包含する。用語「オリゴヌクレオチド」はまた、ペプチド核酸(PNA)、リン酸基を有するペプチド核酸(PHONA)、モルホリノ骨格オリゴヌクレオチド、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーを伴う骨格部分を有するオリゴヌクレオチドを含むがこれらに限定されないポリマーを含有するその他の核酸塩基を包含する。
【0033】
本発明のオリゴヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオシド、修飾ヌクレオシド、またはそれらの混合物を含むことができる。本明細書中では、用語「修飾ヌクレオシド」は、修飾複素環塩基、修飾糖部分、またはそれらの組合せを含むヌクレオシドである。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、本明細書中に記載のように、非天然のピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−置換リボヌクレオシド、アラビノヌクレオシドまたは2’−デオキシ−2’−置換−アラビノシドである。
【0034】
本発明の目的のために、用語「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」は、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含み、ここで、五炭糖部分の2’位のヒドロキシル基が置換され、2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドが生成される。かかる置換は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含有する低級アルキル基によるもの、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基によるものであり、ここでかかるアルキル、またはアリール基は、置換されていなくても、または、例えば、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、またはアミノ基により置換されていてもよい。2’−O−置換リボヌクレオシドまたは2’−O−置換−アラビノシドの例は、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシドおよび2’−O−メトキシエチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエチルアラビノシドを含むが、これらに限定されない。
【0035】
用語「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」はまた、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含み、ここで、2’−ヒドロキシル基は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含有する低級アルキル基で、またはアミノまたはハロ基で置き換えられる。かかる2’−置換リボヌクレオシドまたは2’−置換アラビノシドの例は、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、および2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシドを含むが、これらに限定されない。
【0036】
用語「オリゴヌクレオチド」は、ハイブリッドおよびキメラオリゴヌクレオチドを含む。「キメラオリゴヌクレオチド」は、1種より多くのヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドである。かかるキメラオリゴヌクレオチドの一例は、ホスホロチオエート、ホスホジエステルまたはホスホロジチオエート領域およびアルキルホスホネートまたはアルキルホスホノチオエート結合などの非イオン結合を含むキメラオリゴヌクレオチドである(例えば、Pederson他による、米国特許第5,635,377号および第5,366,878号参照)。
【0037】
「ハイブリッドオリゴヌクレオチド」は、1種より多くのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドである。かかるハイブリッドオリゴヌクレオチドの一例は、リボヌクレオチドまたは2’−置換リボヌクレオチド領域、およびデオキシリボヌクレオチド領域を含む(例えば、MetelevおよびAgrawalによる、米国特許第5,652,355号、第6,346,614号および第6,143,881号参照)。
【0038】
本発明の目的のために、用語「免疫刺激オリゴヌクレオチド」または「免疫調節オリゴヌクレオチド」は、魚、家禽または哺乳動物などの脊椎動物に投与するとき、免疫応答を調節(例えば誘発)する上記のオリゴヌクレオチドのことをいう。本明細書中では、用語「哺乳動物」は、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ(cattle)、ウシ(cows)、ブタ、ウサギ、非ヒト霊長類およびヒトを含むが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の目的のために、「天然」ヌクレオシドは、DNAまたはRNA中に普通に存在する5種の塩基(例えば、アデノシン、グアノシン、チミジン、シトシンおよびウリジン)のうち1種とデオキシリボースまたはリボース糖とを含むものである。本発明の目的のために、「修飾」または「非天然」ヌクレオシドは、修飾された天然に存在する塩基および/または修飾された天然に存在する糖部分を含むものである。修飾された天然に存在する塩基の例には、式Iまたは式IIで表される組成物が含まれるが、これらに限定されない。本発明の目的のために、「ジヌクレオチド類似体」は、上記の免疫刺激ジヌクレオチドであり、ここで、ピリミジンおよびプリンヌクレオシドのいずれかあるいは両方が、非天然のヌクレオシドである。用語「C*pG」および「CpG*」は、シチジン類似体(非天然のピリミジンヌクレオシド)またはグアノシン類似体(非天然のプリンヌクレオシド)をそれぞれ含む免疫刺激ジヌクレオチド類似体のことをいう。
【0040】
さまざまな場所で、ジヌクレオチドは、R’pG、C*pGまたはYZと表され、その場合それぞれ、R’、C*、またはYは、限定することなく、N3−メチル−dC、プソイド−イソ−デオキシシトジン(pseudo-iso-deoxycytodine)(すなわち、Ψ−イソ−dC)およびデオキシフラノシル(deoxyfuranosyl)(すなわち、dF)などの合成または非天然のピリミジンを表す。他の場所で、ジヌクレオチドは、CpR、CpG*またはYZと表され、その場合それぞれ、R、G*、またはZは、限定することなく、N1−メチル−dGまたは7−デアザ−dGなどの合成プリンを表す。本明細書中では、用語「ピリミジンヌクレオシド」は、ヌクレオシドのことであり、ここで、ヌクレオシドの塩基成分は、単環核酸塩基である。同様に、用語「プリンヌクレオシド」は、ヌクレオシドのことであり、ここで、ヌクレオシドの塩基成分は、二環核酸塩基である。本発明の目的のために、「合成」ピリミジンまたはプリンヌクレオシドは、天然に存在しないピリミジンまたはプリン塩基、天然に存在しない糖部分、またはそれらの組合せを含む。
【0041】
本発明のピリミジンヌクレオシドは、構造(I):
【化1】
【0042】
式中、
Dは、水素結合供与体であり、
D’は、水素、水素結合供与体、水素結合受容体、親水性基、疎水性基、電子求引基および電子供与基からなる群から選択され、
DおよびD’は、5員または6員環の一部であってもよく、
Aは、窒素またはヘテロ原子、置換されたまたは置換されていないヘテロ原子であり、
A’は、水素結合受容体、親水性基、疎水性基、電子求引基および電子供与基からなる群から選択され、
A’’は、炭素または窒素であり、
Xは、炭素または窒素であり、および
S’は、五炭糖または六炭糖環、または天然に存在しない糖である、
を有する。
【0043】
いくつかの態様において、糖環は、リン酸塩部分、修飾リン酸塩部分、またはピリミジンヌクレオシドを別のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合させるのに好適な他のリンカー部分により誘導体化されている。
水素結合供与体は、−NH−、−NH2、−SHおよび−OHを含むが、これらに限定されない。水素結合受容体は、C=O、C=S、および芳香族複素環の環窒素原子、例えば、シトシンのN3を含むが、これらに限定されない。
【0044】
いくつかの態様において、(I)の塩基部分は、天然に存在しないピリミジン塩基である。天然に存在しないピリミジン塩基の例は、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N3−メチル−dC、プソイド−イソ−デオキシシトジン(すなわち、Ψ−イソ−dC);デオキシフラノシル(すなわち、dF)、4−チオウラシルおよびN4−エチルシトシンなどのN4−アルキルシトシンを含むが、これらに限定されない。しかしながら、いくつかの態様において、5−ブロモシトシンは、明確に除外されている。
【0045】
いくつかの態様において、(I)の糖部分S’は、修飾された天然に存在する糖部分である。本発明の目的のために、「天然に存在する糖部分」は、核酸の一部として天然に存在する糖部分、例えば、リボースおよび2’−デオキシリボースであり、「修飾された天然に存在する糖部分」は、核酸の一部として天然に存在しないあらゆる糖であるが、オリゴヌクレオチドの骨格に使用することができる、例えば、六炭糖である。アラビノースおよびアラビノース誘導体は、糖部分の例である。
【0046】
本発明のプリンヌクレオシド類似体は、構造(II):
【化2】
【0047】
式中、
Dは、窒素またはヘテロ原子、置換されたまたは置換されていないヘテロ原子であり、
D’は、水素、水素結合供与体、および親水性基からなる群から選択され、
Aは、水素結合受容体または親水性基であり、
Xは、炭素または窒素であり、
それぞれのLは独立して、C、O、NおよびSからなる群から選択される原子であり、および
S’は、五炭糖または六炭糖環、または天然に存在しない糖である、
を有する。
【0048】
いくつかの態様において、糖環は、リン酸塩部分、修飾リン酸塩部分、またはピリミジンヌクレオシドを別のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合させるのに好適な他のリンカー部分により誘導体化されている。
水素結合供与体は、−NH−、−NH2、−SHおよび−OHを含むが、これらに限定されない。水素結合受容体は、C=O、C=S、−NO2および芳香族複素環の環窒素原子、例えば、グアニンのN1を含むが、これらに限定されない。
【0049】
いくつかの態様において、(II)の塩基部分は、天然に存在しないプリン塩基である。天然に存在しないプリン塩基の例は、2−アミノ−6−チオプリン、7−デアザグアノシン、N1−メチル−dGおよび2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリンを含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、(II)の糖部分S’は、構造(I)について記載したように、天然に存在する糖部分または修飾された天然に存在する糖部分である。
【0050】
いくつかの態様において、免疫刺激ジヌクレオチドは、C*pG、CpG*、およびC*pG*からなる群から選択され、ここで、Cの塩基はシトシンであり、C*の塩基はチミン、5−ヒドロキシシトシン、N3−メチル−dC、N4−アルキル−シトシン、プソイド−イソ−デオキシシトジン;デオキシフラノシル、4−チオウラシルまたは他の非天然のピリミジン、または2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンであり、塩基が2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンのとき、それは好ましくは五炭糖の1’−位に塩基の1位を介して共有結合し、Gの塩基はグアノシンであり、G*の塩基は2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリン、2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン、6−チオグアニン、7−デアザグアノシン、イノシン、N1−メチル−dG、6−オキソプリン、または他の非天然のプリンヌクレオシドであり、およびpはホスホジエステル、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエートからなる群から選択されるヌクレオシド間結合であり、ただし、少なくとも1つのCまたはGは、それぞれシトシンまたはグアノシンではない。
【0051】
免疫調節オリゴヌクレオチドは、免疫刺激ジヌクレオチドの片側または両側に免疫刺激部分を含んでもよい。したがって、いくつかの態様において、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、構造(III):
5’−Nn−N1−Y−Z−N1−Nn−3’ (III)
【0052】
式中、
Yの塩基は、シトシン、チミン、5−ヒドロキシシトシン、N4−アルキル−シトシン、N3−メチル−シトシン、Ψ−イソ−dC、dF、4−チオウラシルまたは他の非天然のピリミジンヌクレオシド、または2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンであり、ここで、塩基が2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンのとき、それは好ましくは五炭糖の1’−位に塩基の1位を介して共有結合し、
Zの塩基は、グアニン、2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリン、2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン、2−アミノ−6−チオ−プリン、7−デアザグアノシン、N1−メチル−dG、6−オキソプリンまたは他の非天然のプリンヌクレオシドであり、
【0053】
N1およびNnは、各発生で独立して、好ましくは天然に存在するあるいは非天然または合成ヌクレオシドまたは脱塩基ヌクレオシド、N3−メチル−dC、N1−メチル−dG、アラビノヌクレオシド、2’−デオキシウリジン、α−デオキシリボヌクレオシド、β−L−デオキシリボヌクレオシド、およびホスホジエステルまたは修飾されたヌクレオシド間結合によって3’側に隣接するヌクレオシドに結合したヌクレオシドからなる群から選択される免疫刺激部分であり、修飾されたヌクレオシド間結合は、約2Åから約200Åまでの長さを有するリンカー、C2〜C18アルキルリンカー、ポリ(エチレングリコール)リンカー、2−アミノブチル−1,3−プロパンジオールリンカー、グリセリルリンカー、2’−5’ヌクレオシド間結合、およびホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、またはメチルホスホネートヌクレオシド間結合から選択されるが、これらに限定されず、
ただし、少なくとも1つのN1またはNnは、任意に免疫刺激部分であり、
ただし、さらに少なくとも1つのYまたはZはそれぞれ、シトシンまたはグアノシンではなく、
ここで、nは、0から30までの数字であり、および
ここで、3’末端、ヌクレオシド間リンカー、または誘導体化された核酸塩基または糖は、直接または非ヌクレオチドリンカーを介して、免疫刺激性であってもなくてもよい別のオリゴヌクレオチドに結合する、
の免疫刺激ドメインを含む。
【0054】
いくつかの態様において、YZは、シトシン、Ψ−イソ−dC、dFまたはN3−メチル−dCおよびグアノシンまたはN1−メチル−dGである。免疫刺激部分は、天然ホスホジエステル骨格およびリン酸塩骨格における修飾物を含み、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、ホスホトリエステル、ホスホチオトリエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、トリエステルプロドラッグ、スルホン、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタール、N−メチルヒドロキシルアミン、カルボネート、カルバメート、モルホリノ、ボラノホスホネート、ホスホロアミデート、特に第一アミノ−ホスホロアミデート、N3ホスホロアミデートおよびN5ホスホロアミデート、および立体特異的な結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、またはホスホトリエステル結合)を含むがこれらに限定されない。
【0055】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、糖修飾物を有するヌクレオシドを含み、2’−O−メチルリボース、2’−O−メトキシエチルリボース、2’−O−プロパルギルリボース、および2’−デオキシ−2’−フルオロリボースを含むがこれらに限定されない2’−置換五炭糖類;3’−O−メチルリボース;1’,2’−ジデオキシリボースを含むがこれらに限定されない3’−置換五炭糖類;アラビノース;1’−メチルアラビノース、3’−ヒドロキシメチルアラビノース、4’−ヒドロキシメチルアラビノース、3’−ヒドロキシアラビノースおよび2’−置換アラビノース糖類を含むがこれらに限定されない置換アラビノース糖類;1,5−アンヒドロヘキシトールを含むがこれらに限定されない六炭糖類;およびアルファ−アノマーを含むがこれらに限定されない。修飾糖が3’−デオキシリボヌクレオシドまたは3’−O−置換リボヌクレオシドである態様において、免疫刺激部分は、2’−5’ヌクレオシド間結合によって隣接するヌクレオシドに結合する。
【0056】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ骨格オリゴヌクレオチド、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーを含むがこれらに限定されない約2Åから約200Åまでの長さがある骨格リンカー部分を有するオリゴヌクレオチドを含む他の炭水化物骨格修飾物および置換物を有するオリゴヌクレオチドを含む。アルキルリンカーは、分枝状または非分枝状の、置換されたまたは置換されてない、および単一異性体(chirally pure)またはラセミ混合物であってもよい。いくつかの態様において、かかるアルキルリンカーは、約2〜約18個の炭素原子を有する。いくつかの態様において、かかるアルキルリンカーは、約3〜約9個の炭素原子を有する。いくつかのアルキルリンカーは、ヒドロキシ、アミノ、チオール、チオエーテル、エーテル、アミド、チオアミド、エステル、尿素およびチオエーテルからなる群から選択された1または2以上の官能基を含む。いくつかのかかる官能化アルキルリンカーは、式−O−(CH2−CH2−O−)n(n=1〜9)で表されるポリ(エチレングリコール)リンカーまたはグリセロールである。いくつかの他の官能化アルキルリンカーは、ペプチドまたはアミノ酸である。
【0057】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、β−L−デオキシリボヌクレオシドおよびα−デオキシリボヌクレオシドを含むがこれらに限定されないDNAアイソフォームを含む。いくつかの態様において、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、3’修飾を取り入れ、さらに2’−5’、2’−2’、3’−3’および5’−5’結合を含むがこれらに限定されない不自然なヌクレオシド間結合位置を有するヌクレオシドを含む。
【0058】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、4−チオウラシル、6−チオグアニン、7−デアザグアニン、イノシン、ニトロピロール、C5−プロピニルピリミジン、N4−エチルシトシンなどのN4−アルキルシトシン、および2,6−ジアミノプリンを含むがこれに限定されないジアミノプリンを含むがこれらに限定されない修飾複素環塩基を有するヌクレオシドを含む。
【0059】
特定の説明の目的で、限定の目的ではなく、例えば、構造(III)の免疫刺激ドメインにおいて、N1またはNn位でのメチルホスホネートヌクレオシド間結合は、免疫刺激部分であり、約2Åから約200Åまでの長さを有するリンカー、X1位のC2〜C18アルキルリンカーは免疫刺激部分であり、およびX1位のβ−L−デオキシリボヌクレオシドは、免疫刺激部分である。免疫刺激部分の代表的な位置および構造については、以下の表1を参照のこと。特定の位置での免疫刺激部分としてのリンカーは、その位置のヌクレオシド残基がその3’−ヒドロキシルで指示リンカーと置換され、それにより、そのヌクレオシド残基および隣接するヌクレオシドの間で3’側で修飾ヌクレオシド間結合が作られることを意味すると理解される。同様に、特定の位置での免疫刺激部分としての修飾ヌクレオシド間結合は、その位置のヌクレオシド残基が列挙した結合の手段で3’側で隣接するヌクレオシドに結合することを意味する。
【0060】
【表2】
【0061】
表2は、上流の増強ドメインを有する免疫調節オリゴヌクレオチド内の免疫刺激部分の代表的な位置および構造を示す。本明細書中では、用語「スペーサー9」は、式−O−(CH2CH2−O)n−のポリ(エチレングリコール)リンカーのことであり、式中、nは3である。用語「スペーサー18」は、式−O−(CH2CH2−O)n−のポリ(エチレングリコール)リンカーのことであり、式中、nは6である。本明細書中では、用語「C2〜C18アルキルリンカー」は、式−O−(CH2)q−O−のリンカーのことであり、式中、qは2〜18の整数である。したがって、用語「C3−リンカー」および「C3−アルキルリンカー」は、式−O−(CH2)3−O−のリンカーのことであり、置換されてもまたは置換されなくてもよく、分枝状でもまたは非分枝状でもよい(例えば1,2,3,プロパントリオール)。スペーサー9、スペーサー18、およびC2〜C18アルキルリンカーのそれぞれについて、リンカーは、隣接するヌクレオシドにホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合によりつながっている。
【0062】
【表3】
【0063】
表3は、下流の増強ドメインを有する免疫調節オリゴヌクレオチド内の免疫刺激部分の代表的な位置および構造を示す。
【0064】
【表4】
【0065】
本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、3’末端またはヌクレオシド間結合または官能化核酸塩基または糖において非ヌクレオチドリンカーを介して結合した少なくとも2種のオリゴヌクレオチドを含む。本発明の目的のために、「非ヌクレオチドリンカー」は、共有または非共有結合によりオリゴヌクレオチドに結合することができるあらゆる部分である。かかるリンカーは、長さが約2Åから約200Åまでである。リンカーの数例を以下に示す。非共有結合には、静電相互作用、疎水性相互作用、π−スタッキング相互作用、および水素結合が含まれるが、これらに限定されない。用語「非ヌクレオチドリンカー」は、上記のようにヌクレオシド間結合、例えば、2つのヌクレオシドの3’−ヒドロキシル基に直接つながるホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート官能基のことを意味しない。本発明の目的のために、かかる直接3’−3’結合(リンカーが関与しない)は、「ヌクレオチド結合」であると考えられる。
【0066】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、金粒子を含むがこれに限定されない金属である。いくつかの他の態様において、非ヌクレオチドリンカーは、可溶性または不溶性の生分解性ポリマービーズである。
【0067】
また他の態様において、非ヌクレオチドリンカーは、オリゴヌクレオチドへの結合を可能にする官能基を有する有機部分である。かかる結合は、あらゆる安定した共有結合によるものである。非限定の例として、リンカーは、ヌクレオシドのあらゆる好適な位置に結合してもよい。いくつかの態様において、リンカーは、3’−ヒドロキシルに結合する。かかる態様において、リンカーは、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートまたは非リン酸塩をベースとする結合によって3’−ヒドロキシルに結合するヒドロキシル官能基を含む。
【0068】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、ポリペプチド、抗体、脂質、抗原、アレルゲンおよびオリゴ糖を含むがこれらに限定されない生体分子である。いくつかの他の態様において、非ヌクレオチドリンカーは、小分子である。本発明の目的のために、小分子は、1,000Da未満の分子重量を有する有機部分である。いくつかの態様において、小分子は、750Da未満の分子重量を有する。
【0069】
いくつかの態様において、小分子は、脂肪族または芳香族炭化水素であり、これらのいずれかは任意に、オリゴヌクレオチドにつながるまたは付加される直鎖状の、ヒドロキシ、アミノ、チオール、チオエーテル、エーテル、アミド、チオアミド、エステル、尿素、およびチオ尿素からなる群から選択された1または2以上の官能基を含むことができる。小分子は、環状または非環状であり得る。小分子リンカーの例には、アミノ酸、炭水化物、シクロデキストリン、アダマンタン、コレステロール、ハプテンおよび抗生物質が含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、非ヌクレオチドリンカーを説明する目的のために、用語「小分子」は、ヌクレオシドを含むことを意図しない。
【0070】
いくつかの態様において、小分子リンカーは、グリセロールまたは式HO−(CH2)o−CH(OH)−(CH2)p−OHのグリセロール同族体であり、式中、oおよびpは独立して、1から約6まで、1から約4まで、または1から約3までの整数である。いくつかの他の態様において、小分子リンカーは、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンの誘導体である。いくつかのかかる誘導体は、式HO−(CH2)m−C(O)NH−CH2−CH(OH)−CH2−NHC(O)−(CH2)m−OHを有し、式中、mは、0から約10まで、0から約6まで、2から約6まで、または2から約4までの整数である。
【0071】
本発明のいくつかの非ヌクレオチドリンカーにより、2より多くのオリゴヌクレオチドの結合が可能となる。例えば、小分子リンカーグリセロールは、オリゴヌクレオチドが共有結合してもよい3個のヒドロキシル基を有する。したがって、本発明のいくつかの免疫調節オリゴヌクレオチドは、3’末端が非ヌクレオチドリンカーに結合する2より多くのオリゴヌクレオチドを含む。
【0072】
本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドを、図3および4に図式的に描写し、さらに例に記載した自動合成装置およびホスホロアミダイト法を使って都合よく合成してもよい。いくつかの態様において、免疫調節オリゴヌクレオチドを、直線的合成法により合成する(図3参照)。本明細書中では、用語「直線的合成」は、免疫調節オリゴヌクレオチドの一方の末端で始まり、他方の末端に直線的に進行する合成のことをいう。直線的合成により、同一または非同一(長さ、塩基組成物および/または取り入れられる化学修飾物の点で)のモノマー単位を免疫調節オリゴヌクレオチド内に取り入れることが可能となる。
【0073】
合成の代わりの様式は、「平行合成」であり、合成は、中央のリンカー部分から外側に進む(図4参照)。固体の支持体が結合したリンカーを、米国特許第5,912,332号に記載のように、平行合成に使用することができる。代わりに、一般的な固体の支持体(リン酸塩が結合した多孔性ガラス(controlled pore glass)など)を使用することができる。
【0074】
免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成は、直線的合成よりもいくつか優れた点を有する:(1)平行合成により、同一モノマー単位の取入れが可能となる;(2)直線的合成とは違って、両方の(またはすべての)モノマー単位が同時に合成され、それにより合成ステップの数および合成に必要な時間が1つのモノマー単位のものと同じである;および(3)合成ステップの削減により、最終免疫調節オリゴヌクレオチド生成物の純度および収率が向上する。
【0075】
直線的合成または平行合成手順のいずれかによる合成の最後に、修飾ヌクレオシドを取り入れる場合、免疫調節オリゴヌクレオチドを、濃縮アンモニア溶液を用いてまたはホスホロアミダイト供給元により推奨されたように都合よく脱保護してもよい。生成物である免疫調節オリゴヌクレオチドを、逆相HPLC、脱トリチル化(detritylated)、脱塩および透析により精製することができる。
【0076】
表4は、本発明の代表的な免疫調節オリゴヌクレオチドを示す。
【0077】
【表5】
C1=N3−メチル−dC;C2=dF;C3=Ψ−イソ−dC;C4=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン;G1=N1−メチル−dG;G2=7−デアザ−dG;G3=アラビノグアノシン;X=グリセロールリンカー;Y=C3リンカー
【0078】
本発明のこの面のある態様は、上記の免疫刺激オリゴヌクレオチド、および利用できる5’末端以外の位置で免疫刺激オリゴヌクレオチドに共役した化合物を含む免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を提供する。いくつかの態様において、化合物は、非ヌクレオチドリンカーに共役される。いくつかの他の態様において、化合物は、その5’末端以外の位置でオリゴヌクレオチドに共役される。本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドに共役され得る好適な化合物には、コレステロール、異なる長さのポリエチレングリコール、ペプチド、抗体、タンパク質、ワクチン、脂質、抗原、および、限定することなく、イミキモド、R848、ロキソリビン、イサトルビン(isatorbin)ならびに化学療法剤などのあらゆる免疫刺激小分子が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
抗原は、病原体と関連する抗原、癌と関連する抗原、自己免疫疾患と関連する抗原、および、限定することなく、獣医学的または小児科学的疾病などの他の疾病と関連する抗原を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、抗原は、ワクチン効果を生み出す。本発明の目的のために、用語「〜と関連する」は、病原体、癌、自己免疫疾患、食物アレルギー、呼吸器系アレルギー、ぜんそくまたは他の疾病が存在するとき、抗原が存在するが、病原体、癌、自己免疫疾患、食物アレルギー、呼吸器系アレルギー、または疾病が存在しないとき、いずれかが存在しないか、または低減された量で存在することを意味する。
【0080】
免疫刺激オリゴヌクレオチドは、抗原に共有結合する、またはそうでなければ作動可能なように(operatively)抗原と関連する。本明細書中では、用語「作動可能なように〜と関連する」は、免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび抗原の両方の活性を維持するあらゆる関連のことをいう。かかる作動的関連の非限定の例は、同じリポソームまたは他のかかる送達ビヒクルまたは試薬の一部であることを含む。免疫刺激オリゴヌクレオチドが抗原に共有結合する態様において、かかる共有結合は、好ましくはオリゴヌクレオチドは、免疫刺激オリゴヌクレオチドの利用できる5’末端以外の免疫刺激のあらゆる位置にある。例えば、抗原は、ヌクレオシド間結合で結合してもよく、または非ヌクレオチドリンカーに結合してもよい。代わりに、抗原自体が非ヌクレオチドリンカーであってもよい。
【0081】
第2の面において、本発明は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体および生理学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を提供する。本明細書中では、用語「生理学的に許容し得る」は、免疫調節オリゴヌクレオチドの効果を妨害せず、細胞、細胞培養、組織または生命体などの生物学的システムに適合する材料のことをいう。好ましくは、生物学的システムは、脊椎動物などの生物である。
【0082】
本明細書中では、用語「担体」は、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、脂質、または医薬製剤において使用される当該技術分野で周知の他の材料を包含する。担体、賦形剤または希釈剤の特徴は、特定の用途のための投与経路に依存することが理解される。これらの材料を含有する薬学的に許容し得る製剤の調製は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990に記載されている。
【0083】
第3の面において、本発明は、脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法を提供し、かかる方法は、脊椎動物に本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を投与することを含む。いくつかの態様において、脊椎動物は、哺乳動物である。本発明の目的のために、用語「哺乳動物」は、ヒトを含むことを明確に意図する。ある態様において、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、免疫刺激を必要とする脊椎動物に投与される。
【0084】
本発明のこの面の方法において、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体の投与は、あらゆる好適な経路によるものであり得、非経口、経口、舌下、経皮、局所、粘膜、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃によるもの、皮膚パッチまたは点眼薬または口腔洗浄薬の形態を含むがこれらに限定されない。免疫調節オリゴヌクレオチドの治療的組成物の投与は、症状または疾病の代替マーカーを軽減させるのに有効な投薬量および時間で、既知の手順を使って行うことができる。全身投与するとき、治療的組成物は、好ましくは免疫調節オリゴヌクレオチドが約0.0001マイクロモルから約10マイクロモルまでの血中濃度に到達するのに十分な投薬量で投与する。限局化投与のために、これよりもさらに低濃度が有効であり得、より高濃度に耐性があり得る。好ましくは、免疫調節オリゴヌクレオチドの総投薬量は、患者あたり1日あたり約0.001mgから体重1kgあたり1日あたり約200mgまでの範囲である。治療効果のある量の1または2以上の本発明の治療的組成物を個人に1回の処置のエピソードとして同時にまたは連続して投与することが望ましいといえる。
【0085】
ある態様において、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、免疫応答の特異性または大きさを増強させるために、ワクチン、抗体、細胞障害性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチンおよび/またはアジュバントと組み合わせて投与される。これらの態様において、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、アジュバントとしてさまざまに作用し、および/または直接の免疫刺激効果を発揮することができる。
【0086】
免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体あるいはワクチンのいずれか、または両方は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニットまたはその他の免疫原性担体タンパク質などの免疫原性タンパク質に任意に結合してもよい。あらゆる多量のアジュバントを使用してもよく、フロイド完全アジュバント、KLH、モノホスホリル脂質A(MPL)、ミョウバン、およびQS−21を含むサポニン、イミキモド、R848、またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
【0087】
本発明のこの面の目的のために、用語「〜と組み合わせて」は、同じ患者における同じ疾病の処置過程中を意味し、同時投与、ならびに一時的に数日まで間隔を空ける順序を含むあらゆる順序で免疫調節オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントを投与することを含む。かかる併用処置はまた、免疫調節オリゴヌクレオチド、および/またはワクチン単独、および/またはアジュバント単独の単回投与より多いものを含んでもよい。免疫調節オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントの投与は、同じまたは異なる経路によるものでもよい。
【0088】
本発明のこの面の方法は、免疫システムのモデル調査に有用である。本方法はまた、ヒトまたは動物の疾病の予防または治療的処置に有用である。例えば、本方法は、小児科学的および獣医学的ワクチン用途に有用である。
【0089】
第4の面において、本発明は、疾病または疾患を有する患者を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を投与することを含む。さまざまな態様において、処置される疾病または疾患は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病である。病原体は、細菌、寄生生物、真菌類、ウィルス類、ウイロイド類およびプリオン類を含む。投与は、本発明の第3の面について記載したように行われる。
【0090】
本発明の目的のために、用語「アレルギー」は、食物アレルギーおよび呼吸器系アレルギーを含むが、これらに限定されない。用語「気道炎症」は、ぜんそくを含むが、これに限定されない。本明細書中では、用語「自己免疫疾患」は、「自己」タンパク質が免疫システムにより攻撃を受ける疾患のことをいう。かかる用語は、自己免疫ぜんそくを含む。
【0091】
第5の面において、本発明は、疾病または疾患を予防する方法を提供し、かかる方法は、患者に本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を投与することを含む。さまざまな態様において、予防される疾病または疾患は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病である。病原体は、細菌、寄生生物、真菌類、ウィルス類、ウイロイド類、およびプリオン類を含む。投与は、本発明の第3の面について記載したように行われる。
【0092】
本発明のこの面の方法のいずれかにおいて、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、免疫調節オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を減少させない疾病または状態を処置するのに有用なその他の剤と組み合わせて投与することができる。本発明の方法のいずれかにおいて、疾病または状態を処置するのに有用な剤は、ワクチン、抗原、抗体、細胞障害性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、免疫応答の特異性または大きさを増強させるためのDNAワクチンおよび/またはアジュバント、またはサイトカイン、ケモカイン、タンパク質リガンド、トランス活性化因子、ペプチドおよび修飾アミノ酸を含むペプチドなどの共刺激性分子を含むが、これらに限定されない。例えば、癌の処置において、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、化学療法化合物またはモノクローナル抗体と組み合わせて投与されてもよいと考えられる。代わりに、剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、アジュバントとしてさまざまに作用し、および/または直接の免疫刺激効果を発揮することができる。
【0093】
本発明の方法において使用される化学療法剤は、以下のものを含むが、これらに限定されない。ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、非糖含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、タキソール、フラジリン(fragyline)、メグラミンGLA、バルルビシン、カルムスタイン(carmustaine)およびポリフェルポサン(poliferposan)、MMI270、BAY 12-9566、RASファルネシル(farnesyl)トランスフェラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメテキソール(Lometexol)、グラモレク(Glamolec)、CI-994、TNP-470、ハイカムチン(Hycamtin)/トポテカン、PKC412、バルスポダール(Valspodar)/PSC833、ノバントロン/ミトキサントロン、メタレット(Metaret)/スラミン、バチマスタット、E7070、BCH-4556、CS-682、9-AC、AG3340、AG3433、Incel/VX-710、VX-853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マルミスタット(Marmistat)、BB2516/マルミスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナールDP 2202、FK 317、ピシバニール/OK-432、AD 32/バルルビシン、メタストロン/ストロンチウム誘導体、テモダール(Temodal)/テモゾロマイド(Temozolomide)、エバセット(Evacet)/リポソームドキソルビシン、ユータキサン(Yewtaxan)/パクリタキセル(Paclitaxel)、タキソール/パクリタキセル、キセロード(Xeload)/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス(Cyclopax)/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU-077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP-358 (774)/EGFR、CP-609 (754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS-182751/経口プラチナ、UFT(テガフール/ウラシル)、エルガミゾール(Ergamisol)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FUエンハンサ、カンプト/レバミゾール、カンプトサール(Camptosar)/イリノテカン、ツモデックス(Tumodex)/ラルチトレキセド(Raltitrexed)、ロイスタチン/クラドリビン、パキセックス(Paxex)/パクリタキセル、ドキシル(Doxil)/リポソームドキソルビシン、カエリックス(Caelyx)/リポソームドキソルビシン、フルダラ(Fludara)/フルダラビン、ファルマルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、デポサイト(DepoCyt)、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタリミド、LU 103793/ドラスタチン、カエチックス(Caetyx)/リポソームドキソルビシン、
【0094】
ジェムザール(Gemzar)/ゲムシタビン、ZD 0473/アノーメッド(Anormed)、YM 116、ヨウ素シード、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォサミド(Dexifosamide)、イフェス(Ifes)/メスネックス(Mesnex)/イホスファミド(Ifosfamide)、ブモン(Vumon)/テニポシド(Teniposide)、パラプラチン/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド(Vepeside)/エトポシド、ZD 9331、タキソテール(Taxotere)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサン類似体、ニトロソ尿素、メルフェランおよびシクロホスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル(Chlorombucil)、シタラビンHCl、ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCl、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド (VP16-213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5-FU)、フルタミド、ヒドロキシ尿素 (ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH-放出因子類似体)、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミンHCl (ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ(Mesna)、ミトーテン(Mitotane)(o.p'-DDD)、ミトキサントロンHCl、オクトレオチド、プリカマイシン、プロカルバジンHCl、ストレプトゾシン、タモキシフェンクエン酸塩、チオグアニン、チオテパ、ビンブラスチン硫酸塩、アムサクリン(Amsacrine)(m-AMSA)、アザシチジン(Azacitidine)、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(Mitoguazone)(メチル-GAG;メチルグリオキサールビスグアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(Pentostatin) (2'デオキシコホルマイシン)、セムスチン(Semustine)(メチル-CCNU)、テニポシド(VM-26)、ビンデシン硫酸塩、ラパチニブ(Lapatinib)(EGFRおよびErbB-2(Her2/neu)二重チロシンキナーゼ阻害剤(GSK))、ゲフィチニブ(Gefitinib)(ZD1839/イレッサ(Iressa)(AstraZeneca))、エルロチニブ(Erlotinib)(タルセバ(Tarceva)−EGFR/HER1阻害剤(Genentech))、サリドマイド((サリドマイド)−抗血管新生剤)、イマチニブ(グリベック(Glivec))およびバタラニブ(Vatalanib)(VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤)、ソラフェニブ(Sorafenib)(Rafキナーゼ阻害剤(Bayer))、VX-680 (オーロラキナーゼ阻害剤)、ステント(Sutent)(受容体型チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤(Pfizer))が含まれるが、これらに限定されないEGFRおよびVEGF阻害剤などのチロシンキナーゼ阻害剤、ボルテゾミブ(Bortezomib)((ベルケード(Velcade))プロテオソーム阻害剤)、テモゾロマイド(Temozolomide)((テモダール(Temodal))アルキル化剤)、およびインターフェロンアルファ(Intron A、Roferon A)。
【0095】
抗体(特にモノクローナル抗体)の形態での受動的免疫療法は、抗癌剤としての多大な研究開発の対象であった。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書中では単一分子組成物の抗体分子のことをいう。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープについて単一の結合特異性および親和性を示す。したがって、用語「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列由来の可変および定常領域を有する単一の結合特異性を示す抗体のことをいう。抗癌剤の例には、パノレックス(Panorex)(Glaxo-Welicome)、リツキサン(Rituxan)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、マイロターグ(Mylotarg)(Wyeth)、キャンパス(Campath)(Millennium)、ゼヴァリン(Zevalin)(IDECおよびSchering AG)、ベキサール(Bexxar)(Corixa/GSK)、エルビタックス(Erbitux)(Imclone/BMS)、アバスチン(Avastin)(Genentech)、ハーセプチン(Herceptin)(Genentech/Hoffman la Roche)、セツキシマブ(Cetuximab)(Imclone)およびパニツムマブ(Panitumumab)(Abgenix/Amgen)が含まれるが、これらに限定されない。抗体はまた、癌抗原を(免疫学的意味で)模倣するように思われる抗イディオタイプ抗体を利用する能動的免疫療法において用いてもよい。モノクローナル抗体は、組み換えDNA技術の当業者に既知の方法により生じさせることができる。
【0096】
以下の例は、本発明のある態様をさらに説明することを意図し、本発明の範囲を限定することは意図しない。
【0097】
例
例1:免疫刺激部分を含有するオリゴヌクレオチドの合成
オリゴヌクレオチドを、1μmol〜0.1mMの規模で自動DNA合成装置(OligoPilot II、AKTA、(Amersham)および/またはExpedite 8909 (Applied Biosystem))を使って、図3および4に概説された直線的合成または平行合成手順に従って合成した。
【0098】
5’−DMT dA、dG、dCおよびTホスホロアミダイトは、Proligo(Boulder, CO)から購入した。5’−DMT 7−デアザ−dGおよびアラGホスホロアミダイトは、Chemgenes(Wilmington, MA)から得た。DiDMT−グリセロールリンカーの固体の支持体は、Chemgenesから得た。1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンアミダイトは、Glen Research(Sterling, VA)から得た。2’−O−メチルリボヌクレオシドアミダイトは、Promega(Obispo, CA)から得た。すべてのオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート骨格修飾された。
【0099】
すべてのヌクレオシドホスホロアミダイトは、31Pおよび1H NMRスペクトルによって特徴付けた。修飾ヌクレオシドは、供給元に推奨される通常の共役サイクルを使って特定の部位で取り入れた。合成後、オリゴヌクレオチドを濃縮水酸化アンモニウムを使って脱保護し、逆相HPLC、脱トリチル化、続いて透析により精製した。ナトリウム塩形態として精製したオリゴヌクレオチドは、使用前に凍結乾燥した。純度をCGEおよびMALDI−TOF MSにより試験した。内毒素レベルをLALテストにより決定したところ、1.0EU/mgを下回った。
【0100】
例2:マウス脾臓細胞培養
4〜8週齢のC57BL/6およびBALB/cマウスは、Taconic Farms(Germantown, NY)から得、IderaのIACUC承認の動物処置に従って維持した。本明細書に報告されたすべての動物実験は、IderaのIACUCガイドラインおよび承認された手順に従って行われた。4〜8週齢のBALB/cまたはC57BL/6マウスからの脾臓細胞を調製し、RPMI完全培地で培養した。マウス脾臓細胞を5×106個の細胞/mlで24ウェルディッシュに蒔いた。TE緩衝剤(10mMのTris−HCL、pH7.5、1mMのEDTA)に溶解したIMOを、最終濃度が0.03、0.1、0.3、1.0、3.0または10μg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートし、上清をELISAアッセイのために収集した。
【0101】
上清中のIL−12およびIL−6レベルを、サンドイッチELISAにより測定した。結果を図5Aから5Dに示す。サイトカイン抗体および標準物質を含む必要な試薬は、BD Pharmingenから購入した。ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼおよび基質は、KPLからであった。
【0102】
例3:ヒトPBMCの単離
新しく採血したばかりの健康なボランティアの血液からの末梢血単核細胞(PBMC)(CBR Laboratories, Boston, MA)を、フィコール密度勾配遠心法(Histopaque-1077、Sigma)により単離した。
【0103】
例4:サイトカインELISA
ヒトPBMCを、5×106個の細胞/mlを使って48ウェルプレートに蒔いた。DPBS(pH7.4;Mediatech)に溶解したIMOを、最終濃度が10.0μg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートし、上清をELISAアッセイのために収集した。実験を、3つ組のウェルで行った。IL−6およびIL−10レベルを、サンドイッチELISAにより測定した。結果を図6Aおよび6Bに示す。サイトカイン抗体および標準物質を含む必要な試薬は、PharMingenから購入した。
【0104】
例5:HEK293細胞培養:
HEK293/mTLR9細胞(Invivogen, San Diego, CA)を、5%CO2インキュベータ内で10%の加熱不活性化したFBSを補充した250μl/ウェルのDMEMを入れた48ウェルプレートで培養した。
【0105】
例6:レポーター遺伝子形質転換
80%コンフルエンスで、培養液を、培地中4μl/mlのリポフェクタミン(Invitrogen, CA)の存在下で400ng/mlのSeapレポータープラスミド(pNifty2-Seap)(San Diego CA)により一過性形質転換した。プラスミドDNAおよびリポフェクタミンを、無血清培地に別々に希釈し、室温で5分間インキュベートした。インキュベート後、希釈したDNAおよびリポフェクタミンを混合し、混合物を室温で20分間インキュベートした。100ngのプラスミドDNAおよび1μlのリポフェクタミンを含有する25μlのDNA/リポフェクタミン混合物を細胞培養プレートの各ウェルに添加し、培養を4時間続けた。
【0106】
例7:免疫調節オリゴヌクレオチド処置
形質転換後、培地を新鮮な培地と交換し、刺激オリゴである、免疫調節オリゴヌクレオチドを個々に培養液に添加し、培養を18時間続けた。
【0107】
例8:SEAPアッセイ
オリゴである、免疫調節オリゴヌクレオチドの処置の最後に、30μlの培養上清を各処置から採取し、SEAPアッセイに使用した。製造元の手順(Invivogen)に従い、アッセイを行った。シグナルが、プレートリーダーにより405nmで検出された。結果を図7に示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する。
【0108】
例9:マウス血清サイトカインレベルの評価
5〜6週齢のメスのC57BL/6マウスは、Taconic Farms、Germantown、NYから得、Idera PharmaceuticalのIACUC承認の動物処置に従って維持した。マウス(n=2〜3)に、個々の免疫調節オリゴヌクレオチドを25または100μgの用量または1mg/kg(単一用量)で皮下注射(s.c)した。血清を、免疫調節オリゴヌクレオチド投与の4時間後に後眼窩出血により収集し、IL−12をサンドイッチELISAにより決定した。結果を図8に示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特のIL−12プロフィールが生じることを実証する。サイトカイン抗体および標準物質を含むすべての試薬は、PharMingen(San Diego, CA)から購入した。
【0109】
例10:マウス脾臓細胞培養:
C57BL/6マウスからの脾臓細胞を調製し、10%のウシ胎仔血清(FCS)が入ったRPMI 1640、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび2mMのL−グルタミン(HyClone, Logan, UT)からなるRPMI完全培地で培養した。マウス脾臓細胞を、5×106個の細胞/mlで24ウェルプレートに蒔いた。TE緩衝剤[10mMのTris−HCl(pH7.5)および1mMのEDTA]に溶解した個々の免疫調節オリゴヌクレオチドを、最終濃度が3または10mg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートし、上清をアッセイ酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によるサイトカイン分析のために収集した。
【0110】
上清中のIL−12およびIL−6レベルを、サンドイッチELISAにより測定した。サイトカイン抗体および標準物質を含む必要な試薬は、BD Pharmingen(San Diego, CA)から購入した。ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼおよびTMB基質は、それぞれSigma (St. Louis, MO)およびKPL(Gaithersburg, MD)からであった。
【0111】
例11:ヒトB細胞増殖アッセイ:
ヒトPBMCから精製した約1×105個のB細胞を、異なる濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドにより64時間刺激し、0.75μCiの[3H]−チミジンによりパルスし、8時間後に回収した。[3H]−チミジンの取り込みを、シンチレーションカウンタにより計測し、カウント毎分(c.p.m.)として表した。
【0112】
例12:ヒトマルチプレックスサイトカインELISA:
ヒトPBMCを、5×106個の細胞/mlの濃度で96ウェルプレートに蒔いた。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解した免疫調節オリゴヌクレオチドを、最終濃度が10μg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートした。上清を、Luminex−マルチプレックスELISAシステムを使ってリストにあるサイトカインについて分析をした。ヒトマルチプレックスキットは、invitrogenから得た。
【0113】
例13:マウス脾腫アッセイ
メスのBALB/cマウス(4〜6週、19〜21gm)を、3匹のマウスのグループに分けた。免疫調節オリゴヌクレオチドDNAを滅菌PBSに溶解し、マウスに5mg/kgの用量で皮下投与(SC)した。72時間後、マウスを屠殺し、脾臓を回収し、秤量した。結果を図9に示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
【0114】
例14:OVA感作マウス脾臓細胞培養アッセイ
4〜6週齢のメスのBALB/cマウスは、Taconic(Germantown, NY)から得た。マウスに、100μLのImjectAlumアジュバント(Pierce)と混合した20μgのニワトリ卵白アルブミン(OVA;Sigma)の100μLのPBSの腹腔内注射を0、7日目に与え、10μgのOVAの40μlのPBSは14および21日目に鼻腔内にチャレンジした。マウスを、最後の挑戦の72時間後、CO2吸入により屠殺した。
【0115】
脾臓を摘出し、単細胞の懸濁液を上記のように調製した。脾臓細胞を、異なる濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドで2時間処置し、続いて100μg/mLのOVAで処置した。
【0116】
72時間後、上清を収集し、IL−5、IL−13、IL−12、およびIFN−αレベルを上記のようにELISAにより測定した。結果を図10A〜10Dに示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、免疫システム活性化因子(例えば卵白アルブミン)が存在しても、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールが生じることを実証する。
【0117】
例15:化学療法剤と組み合わせた免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo抗癌活性
PC3細胞を、ヒト前立腺癌モデル(PC3)を確立するために、10%のウシ胎仔血清(FBS)が入った90%のHam's、F12K培地で、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンの存在下で培養することができる。オスの無胸腺マウス、4〜6週齢(Frederick Cancer Research and Development Center, Frederick, MD)を、研究前に環境適応のため、6日間収容することができる。培養したPC3細胞は、単層培養から回収し、Ham's、F12K培地(10%FBS)で洗浄し、FBSフリーのHam's、F12K培地:Matrigel基底膜マトリックス(Becton Dickinson Labware, Bedford, MA)(5:1;V/V)に再懸濁し、各マウスの左鼠径部内に皮下注射(5×106個の細胞、総量0.2ml)することができる。動物は、一般的な臨床的観察、体重、および腫瘍成長により監視することができる。腫瘍成長は、ノギスを用いて、移植片の2つの直交する直径の測定により監視することができる。腫瘍の質量(グラム重量)は、式1/2a×b2により計算することができ、ここで「a」は長径(cm)、「b」は短径(cm)のことである。平均腫瘍サイズがおよそ80mgに達するとき、ヒト癌異種移植片を有する動物を無作為に処置群および対照群に分ける(5匹/群)。対照群は、滅菌生理食塩水(0.9%NaCl)のみを受けることができる。生理食塩水に無菌で溶解した本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、0.5または1.0mg/kg/日、3用量/週の用量で皮下注射により投与することができる。化学療法剤は、腹腔内注射により160mg/kgを0および3日目に2回与えることができる。
【0118】
例16:免疫調節部分を含有するオリゴヌクレオチドの合成
2’−デオキシ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,7(8H)−ジオン(dF)または2’−デオキシプソイドイソシチジン(Ψ−イソ−dC)修飾物を有する免疫調節オリゴヌクレオチドを、PerSeptive Biosystem 8909 Expedite DNA合成装置で、β−シアノエチルホスホロアミダイト化学を用い2μmolの規模で合成した。CPG−固体の支持体に結合したジ−DMT保護されたグリセリルリンカーは、ChemGenes Corporation(Wilmington, MA)から得た。dA、dG、dC、およびTの3’−ホスホロアミダイトは、Applied Biosystemsから得た。一方、dmf−dGホスホロアミダイトは、Glen Research(Sterling, VA)から得た。dFおよびΨ−イソ−dCのホスホロアミダイトは、Berry & Associates(Dexter, MI)から得た。Beaucage試薬は、ホスホロチオエート骨格修飾を得るために、酸化剤として使用した。供給元が推奨する合成手順を、dFおよびΨ−イソ−dCホスホロアミダイトの取り入れおよび脱保護に使用した。合成後、免疫調節オリゴヌクレオチドを脱保護し、「トリチルオン(trityl on)」RP−HPLCにより精製し、脱トリチル化し、洗浄用の米国薬局方(United States Pharmacopeia)品質の滅菌水(Braun, Irvine, CA)に対して透析した。免疫調節オリゴヌクレオチドを凍結乾燥し、再度蒸留水に溶解し、濃度を、UV吸収を260nmで測定することにより決定した。すべての合成した化合物の純度を、PAGEを変性させることにより決定した。配列の完全性を、分子量についてマトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析法により特徴付けた。すべての免疫調節オリゴヌクレオチド(表4A)を合成し、内毒素汚染を最小限に抑えるため、同一条件下で精製した。
【0119】
例17:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、TLR9を活性化する
10μg/mlの濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドおよび対照化合物による、マウスTLR9を発現するHEK293細胞の活性化。dFまたはΨ−イソ−dC修飾を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのTLR9を活性化させる能力を、マウスTLR9を安定に発現するHEK293細胞において研究した。ヒト分泌型胚アルカリホスファターゼ(SEAP)遺伝子は、NF−κBレポーターとして使用される。結果を、PBS対照に対するNF−κB活性の倍数の増加として表す(図11)。dFまたはΨ−イソ−dCを含有した免疫調節オリゴヌクレオチド27および28(配列番号27および28)(表4A)は、NF−κB活性の増加により示されるように、TLR9を活性化した。これらの結果は、dFまたはΨ−イソ−dC修飾は耐性があり、C−位置で機能的であることを実証し、さらに、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する(図11)。
【0120】
例18:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、マウス脾臓細胞培養においてサイトカインの分泌を誘発する
C57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIMOによるサイトカイン分泌の誘発。C57BL/6マウス脾臓細胞を、単独で(M)またはさまざまな濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドの存在下、培地で24時間培養し、培養上清中の分泌されたIL−12(図12A)およびIL−6(図12B)のレベルを、ELISAにより測定した。示したデータは、3および10μg/mlの濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドである(図12Aおよび12B)。dFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)は、対照の免疫調節オリゴヌクレオチド29(配列番号29)と比較して、C57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6の分泌を誘発した(図12Aおよび12B)。これらの結果は、dFまたはΨ−イソ−dC修飾物を有する免疫調節オリゴヌクレオチドは免疫細胞によって耐性がありそこで活性があることを実証する。さらに、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のIL−6およびIL−12プロフィールが生じることを実証する。
【0121】
例19:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、マウスにおいて脾腫およびサイトカインをin vivo誘発する
5mg/kg用量の免疫調節オリゴヌクレオチド、対照化合物、またはPBSのs.c.投与を受けたC57BL/6マウスにおける脾腫(図13A)。脾臓重量の変化を、免疫調節オリゴヌクレオチド投与72時間後に決定した。C57BL/6マウスにおけるIL−12(13.B)の分泌は、1mg/kgの用量でのs.c.投与の後に免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発された。血液を、免疫調節オリゴヌクレオチド投与4時間後に収集し、血清中のIL−12レベルを、ELISAにより決定した。CpGオリゴ投与後のマウスの脾臓重量の増加は、免疫調節活性の指標である。dFまたはΨ−イソ−dCを含有するマウスおよびヒト特異的な免疫調節オリゴヌクレオチドは両方、対照の免疫調節オリゴヌクレオチド4(配列番号4)または5(配列番号5)を受けたマウスと比べて、脾臓の拡大を示した(図13A)。dFまたはΨ−イソ−dC修飾を有する、マウス特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド22(配列番号22)または23(配列番号23)を受けたマウスは、ヒト特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)または28(配列番号28)を注射したマウスよりも大きな脾臓重量の増加をもたらした。これらの結果はまた、dF修飾を有する、免疫調節オリゴヌクレオチド22(配列番号22)または28(配列番号28)を受けたマウスが、それぞれΨ−イソ−dC修飾を有する免疫調節オリゴヌクレオチド23(配列番号23)または27(配列番号27)を注射したマウスよりも大きな脾臓重量の増加をもたらしたことを示す。さらなるin vivoのサイトカイン誘発プロフィールの試験は、dFまたはΨ−イソ−dC修飾物を含有したマウスおよびヒト特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド両方が、免疫調節オリゴヌクレオチド投与4時間後にマウスにおけるIL−12の上昇を誘発したことを明らかにした(図13B)。脾腫アッセイでみられたように、マウス特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド22(配列番号22)は、免疫調節オリゴヌクレオチド23(配列番号23)よりも高いレベルのIL−12を誘発した。これらの結果は、両方の修飾物(dFまたはΨ−イソ−dC)に耐性があり、TLR9を活性化するが、免疫応答のレベルは異なること、また、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
【0122】
例20:免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたヒトB細胞増殖
健康なヒトのボランティアから得られたPBMCから単離されたヒトB細胞を、さまざまな濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドにより刺激し、3H−チミジン取込みを、シンチレーション測定により決定した(図14)。図14は、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特の細胞増殖プロフィールが生じることを実証する。
【0123】
例21:免疫調節オリゴヌクレオチドによるサイトカイン/ケモカイン誘発
IL−2R、IL−6、IL−8、TNF−α、MIP−1α、MIP−βおよびMCP−1の誘発を、ヒトPBMC細胞培養において免疫調節オリゴヌクレオチド26(配列番号26)、27(配列番号27)、28(配列番号28)、または対照免疫調節オリゴヌクレオチド29(配列番号29)により決定した(表5)。
【表6】
【0124】
例22:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、ヒトPBMCおよびB細胞を活性化する
dFまたはΨ−イソ−dC修飾物を有する免疫調節オリゴヌクレオチドのヒトPBMCを活性化させるおよびサイトカイン生成を誘発する能力を、さらに試験した。これらのアッセイにおいて、ヒト特異的なモチーフを含有した免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)を使用した(表4A)。免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)は両方、対照29(配列番号29)よりも、IL−2R、IL−6、IL−8、TNF−α、MIP−1α、MIP−βおよびMCP−1を誘発し(表5)、修飾物は耐性があり、ヒトTLR9を活性化することを実証した。免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)は両方、対照の免疫調節オリゴヌクレオチド29(配列番号29)と比較して用量依存性B細胞増殖を誘発した(図14)。
【0125】
同等物
前述の発明が、明確化および理解を目的として詳細に記載されている一方、当然のことながら、当業者であれば、本発明の開示を読むことにより、形態および詳細のさまざまな変形を、本発明の真の範囲および特許請求の範囲から逸脱することなく想到することができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す図である。
【図2】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す図である。
【図3】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成のための合成スキームを表す図である。
【図4】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成のための合成スキームを表す図である。
【図5A】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図5B】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図5C】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図5D】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図6A】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のヒトPBMC培養におけるIL−6レベルを示す図である。
【図6B】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のヒトPBMC培養におけるIL−10レベルを示す図である。
【0127】
【図7】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のHEK293細胞におけるTLR9活性を、それらのNF−κB活性により測定し、示す図である。
【図8】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの皮下(s.c.)投与後のC57BL/6マウスにおけるIL−12レベルを示す図である。
【図9】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウスにおける脾臓重量を示す図である。
【図10】図10A〜図10Dは本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のOVA感作マウス脾臓細胞におけるIL−5、IL−12、IL−13およびIFN−γレベルを示す図である。
【図11】免疫調節オリゴヌクレオチドおよび対照化合物10mg/mlの濃度による、マウスTLR9を発現するHEK293細胞の活性を実証する図である。
【図12】図12A〜図12BはC57BL/6マウス脾臓細胞培養における本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによるサイトカイン分泌の誘発を実証する図である。
【図13】図13Aは動物がs.c.投与で免疫調節オリゴヌクレオチド、対照化合物、またはPBSを受けた72時間後の脾腫を実証する図である。図13Bは動物がs.c.投与後に免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたIL−12分泌を実証する図である。
【図14】免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたヒトB細胞増殖を実証する図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2005年12月20日出願の米国仮出願番号第60/752,335号および2006年8月4日出願の米国仮出願番号第60/821,458号の利益を主張する。上記出願の全体的な教示は、本明細書に参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は概して、オリゴヌクレオチドを免疫調節剤として使用する免疫学および免疫療法用途の分野に関する。さらに具体的には、本発明は、新規な化学組成物およびそれらの使用方法に関する。かかる組成物は、TLR9媒介免疫応答を通じて独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールを生じさせるのに有効である。
【0003】
関連技術の概要
免疫応答は、応答に関与する細胞のサブセットに基づき先天性および適応的応答の両方を伴う。例えば、細胞障害性Tリンパ球(CTL)の遅延型過敏性および活性などの古典的な細胞媒介機能に関与するTヘルパー(Th)細胞は、Th1細胞であるのに対し、B細胞活性のためにヘルパー細胞として関わるTh細胞は、Th2細胞である。免疫応答の種類は、抗原曝露に応答して生成されるサイトカインに影響を受ける。Th1およびTh2細胞により分泌されるサイトカインの差は、これらの2種のサブセットの異なる生物学的機能の結果であり得る。
【0004】
Th1細胞は、抗原への身体の先天性応答に関与する(例えばウィルス感染、細胞内病原体、および腫瘍細胞)。結果は、IL−2およびIFN−γの分泌およびCTLの同時活性である。Th2細胞は、細菌および寄生生物に応答して活性化されることが知られ、IL−4およびIL−5の分泌を通して身体の適応的免疫応答(例えばIgE生成および好酸球活性)を媒介し得る。
【0005】
Th1免疫応答は、哺乳動物において、例えば非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する細菌または合成DNAの導入により誘発することができ、免疫応答は、パターン認識受容体(PRR)として知られるある免疫細胞で受容体への特定のオリゴヌクレオチド配列(例えば非メチル化CpG)の提示に起因する。これらのPRRの一部は、トール様受容体(TLR)である。
【0006】
トール様受容体(TLR)は、先天性免疫応答に密接に関与する。脊椎動物において、トール様受容体と呼ばれる10種のタンパク質のファミリー(TLR1〜TLR10)が、病原体関連分子パターンを認識することが知られている。10種のうち、TLR3、7、8および9は、細胞内のエンドソーム内に限局化し、核酸(DNAおよびRNA)ならびにヌクレオシドおよび核酸代謝産物などの小分子を認識することが知られている。TLR3およびTLR9は、それぞれウィルスおよび細菌ならびに合成DNAに存在するdsRNAおよび非メチル化CpGジヌクレオチドなどの核酸を認識することが知られている。細菌DNAは、免疫システムおよび抗腫瘍活性を活性化することが示されている(Tokunaga T et al., J. Natl. Cancer Inst. (1984) 72:955-962; Shimada S, et al., Jpn. H cancer Res, 1986, 77, 808-816; Yamamoto S, et al., Jpn. J. Cancer Res., 1986, 79, 866-73)。CpGジヌクレオチドを含有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する他の研究では、免疫応答を刺激することが示されてきた(Zhao Q, et al., Biochem.Pharmacol. 1996, 26, 173-82)。続く研究により、TLR9が細菌および合成DNAに存在する非メチル化CpGモチーフを認識することが示された(Hemmi H, Takeuchi O, Kawai T, Kaisho T, Sato S, Sanjo H, Matsumoto M, Hoshino K, Wagner H, Takeda K, Akira S. A Toll-like receptor recognizes bacterial DNA. Nature. (2000); 408:740-5)。
【0007】
CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの他の修飾はまた、TLR9を介する免疫応答のモジュレータとして作用するその能力に影響を及ぼすことができる(例えば、Zhao et al., Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhao et al., Biochem Pharmacol. (1996) 52:1537-1544; Zhao et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. (1997) 7:495-502; Zhao et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (1999) 9:3453-3458; Zhao et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000) 10:1051-1054; Yu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000) 10:2585-2588; Yu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2001) 11:2263-2267; およびKandimalla et al., Bioorg. Med. Chem. (2001) 9:807-813参照)。加えて、構造活性相関研究により、合成モチーフおよび非メチル化CpGジヌクレオチドから生じるものとは明白に異なる、特異的免疫応答プロフィールを誘発する新規のDNAに基づく化合物の同定を可能にしてきた。
【0008】
【表1】
【0009】
加えて、CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの他の修飾もまた、免疫応答のモジュレータとして作用するそれらの能力に影響を及ぼすことができる。例えば、
【表1−2】
【0010】
オリゴヌクレオチドおよびオリゴデオキシヌクレオチドは、様々な分野で使用されており、診断精査、PCRプライミング、遺伝子発現のアンチセンス阻害、siRNA、アプタマー、リボザイム、およびトール様受容体(TLR)をベースとした免疫療法剤が含まれるがこれらに限定されない。より最近では、多くの刊行物は、オリゴデオキシヌクレオチドの免疫調節剤としての使用や、アレルギー、ぜんそく、自己免疫、癌、および感染症などの多くの疾病への免疫療法用途におけるそれらの単独でのまたはアジュバントとしての使用を実証している。
【0011】
これらの報告から、独特の免疫応答を生じさせることができる新しい化学物質を作り出す必要性が残っていることが明らかである。しかしながら、独特のサイトカイン/ケモカイン媒介免疫応答を生じさせ、TLR9のためのリガンドとしても認識される新規な化学物質を生み出すことが課題として残っている。理想的には、この課題は、新しい新しい免疫療法をもたらす、独特の化学塩基を新規な化学物質に組み込むことを通じて達成され、投与の後に独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールを生じさせる。
【発明の開示】
【0012】
発明の概要
本発明は、新規な化学物質および独特のサイトカイン/ケモカイン媒介免疫応答を生じさせるためのそれらの使用を提供する。新規な化学物質は、オリゴヌクレオチド化合物により引き起こされる免疫応答を調節するのに有用である。本発明の方法は、免疫療法用途のために免疫調節オリゴヌクレオチドにより生成したサイトカイン/ケモカインプロフィールを修飾することを可能にする。本発明の発明者は驚くべきことに、免疫調節ジヌクレオチドの修飾によって、生成した免疫応答のプロフィールにおける柔軟性を可能にすることを発見した。
【0013】
第1の面において、本発明は、式CGで表される免疫調節ジヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドであって、式中、Cはシトシン、2’−デオキシシトシン、N3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCであり、Gはグアノシン、2’−デオキシグアノシンまたはN1−メチル−dGであり、ただしCがシトシンまたは2’−デオキシシトシンであるとき、GはN1−メチル−dGであり、さらにGがグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであるとき、CはN3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCである、前記免疫調節オリゴヌクレオチドを提供する。
第2の面において、本発明は、医薬組成物を提供する。これらの組成物は、本発明の第1の面において開示された組成物および薬学的に許容し得る担体を含む。
【0014】
第3の面において、本発明は、脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法を提供し、該方法は、脊椎動物に本発明の第1または第2の面の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
第4の面において、本発明は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に本発明の第1または第2の面の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【0015】
第5の面において、本発明は、脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法を提供し、かかる方法は、脊椎動物に本発明の第1または第2の面の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む。
【0016】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す。
図2は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す。
【0017】
図3は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。
図4は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。
【0018】
図5A〜5Dは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す。図5A〜5Dはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のIL−12およびIL−6プロフィールが生じることを実証する。
図6Aおよび6Bは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のヒトPBMC培養におけるIL−6およびIL−10レベルを示す。図6A〜6Bはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のIL−6およびIL−10プロフィールが生じることを実証する。
【0019】
図7は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のHEK293細胞におけるTLR9活性を、それらのNF−κB活性により測定し、示す。図7はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する。
図8は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの皮下(s.c.)投与後のC57BL/6マウスにおけるIL−12レベルを示す。図8はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特のIL−12プロフィールが生じることを実証する。
【0020】
図9は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウスにおける脾臓重量を示す。図9はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
図10A〜10Dは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のOVA感作マウス脾臓細胞におけるIL−5、IL−12、IL−13およびIFN−γレベルを示す。図10A〜10Dはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、免疫システム活性化因子(例えば卵白アルブミン)が存在しても、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールが生じることを実証する。
【0021】
図11は、免疫調節オリゴヌクレオチドおよび対照化合物10mg/mlの濃度による、マウスTLR9を発現するHEK293細胞の活性を実証する。図11はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する。
図12A〜12Bは、C57BL/6マウス脾臓細胞培養における本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによるサイトカイン分泌の誘発を実証する。図12A〜12Bはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のIL−6およびIL−12プロフィールが生じることを実証する。
【0022】
図13Aおよび13Bは、動物が免疫調節オリゴヌクレオチド、対照化合物、またはPBSをs.c.投与で受けた72時間後の脾腫(図13A)、およびs.c.投与後に免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたIL−12分泌(図13B)を実証する。図13A〜13Bはより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
図14は、免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたヒトB細胞増殖を実証する。図14はより一般的に、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特の細胞増殖プロフィールが生じることを実証する。
【0023】
様々な態様の詳細な説明
本発明は、免疫療法用途のための免疫調節剤としてのオリゴヌクレオチドの治療的使用に関する。本明細書中に引用される交付済み特許、特許出願および参考文献は、各々が参照として組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ範囲で本明細書中に参照として組み込まれる。引用される参考文献および本明細書の教示の間の不一致は、本発明の目的のために、後者を優先することとする。
【0024】
本発明は、成人および小児科学上のヒトおよび獣医学的用途において、限定することなく、癌、自己免疫疾患、ぜんそく、呼吸器系アレルギー、食物アレルギー、および細菌、寄生虫、およびウィルス感染の処置などの免疫療法用途のために使用することができる、免疫刺激化合物により引き起こされる免疫応答を増強する方法を提供する。したがって、本発明はさらに、免疫療法のための最適レベルの免疫刺激効果を有する化合物ならびにかかる化合物を作るおよび使用するための方法を提供する。加えて、本発明の化合物は、DNAワクチン、抗体、およびアレルゲンとの組み合わせにおいて、および化学療法剤および/またはアンチセンスオリゴヌクレオチドとの組み合わせにおいて、アジュバントとして有用である。
【0025】
第1の面において、本発明は、式CGで表される少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドであって、式中、Cはシトシン、2’−デオキシシトシン、N3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCであり、Gはグアノシン、2’−デオキシグアノシン、2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、アラビノグアノシンまたはN1−メチル−dGであり、ただしCがシトシンまたは2’−デオキシシトシンであるとき、GはN1−メチル−dGであり、さらにGがグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであるとき、CはN3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCである、前記免疫調節オリゴヌクレオチドを提供する。
【0026】
この面の一態様において、本発明は、単独のまたはそれらの3’末端、またはヌクレオシド間結合または官能化核酸塩基または糖において非ヌクレオチドリンカーに結合した少なくとも2種のオリゴヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドを提供し、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、免疫調節オリゴヌクレオチドであり、利用できる5’末端を有する。非ヌクレオチドリンカーを通じて互いに結合したオリゴヌクレオチドは、同一のヌクレオチド配列を有し得、または異なるヌクレオチド配列を有し得るが、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、本発明の少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含有する。
【0027】
本明細書中では、用語「利用できる5’末端」は、オリゴヌクレオチドの5’末端が、オリゴヌクレオチドを認識して結合し、免疫システムを刺激する要因がそれを利用できるよう、十分に利用可能であることを意味する。利用できる5’末端を有するオリゴヌクレオチドにおいて、末端の糖の5’OH位は、2より多くのヌクレオシド残基または5’末端との相互作用を妨害するその他の部分と共有結合しない。任意に、5’OHは、リン酸塩、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート部分、芳香族または脂肪族リンカー、コレステロール、または利用可能性を妨害しない別の物質と結合することができる。
【0028】
本発明の目的のために、用語「免疫刺激オリゴヌクレオチド」または「免疫調節オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含む化合物を意味し、免疫調節効果を有しない化合物は含まない。「免疫調節ジヌクレオチド」は、式5’−CpG−3’を有するジヌクレオチドであり、式中、「C」は哺乳動物において天然に存在するピリミジンヌクレオシドまたはその合成誘導体であり、「G」は哺乳動物において天然に存在するプリンヌクレオシドまたはその合成誘導体である。本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、1種の免疫調節ジヌクレオチドまたは数種の免疫調節ジヌクレオチドを有し得る。例えば、各免疫調節オリゴヌクレオチドは、同一であるかまたは本明細書中に記載のように独立して修飾され得る2、3、4または5種以上の免疫調節ジヌクレオチドを有し得る。
【0029】
用語「CpG」および「CpGジヌクレオチド」は、ジヌクレオチド5’−デオキシシチジン−デオキシグアノシン−3’のことであり、ここで、pはヌクレオシド間結合であり、ホスホジエステル、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエート結合が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の目的のために、用語「オリゴヌクレオチド」は、複数の結合したヌクレオシド単位から形成されたポリヌクレオシドのことをいう。かかるオリゴヌクレオチドは、ゲノムまたはcDNAを含む既存の核酸源から得ることができるが、好ましくは合成方法で生成される。いくつかの態様において、各ヌクレオシド単位は、複素環塩基およびペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたは六炭糖類を含む。ヌクレオシド残基は、多数の既知のヌクレオシド間結合のいずれかによって互いに共役させることができる。かかるヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アルキルホスホノチオエート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、シロキサン、カルボネート、カルボアルコキシ、アセトアミデート、カルバメート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミデート、架橋メチレンホスホネート、架橋ホスホロチオエート、およびスルホンヌクレオシド間結合を含むが、これらに限定されない。用語「オリゴヌクレオチド」はまた、1または2以上の立体特異的なヌクレオシド間結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、またはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシドを包含する。本明細書中では、用語「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は、結合がリン酸基を含むかどうかいずれにせよ、あらゆるそのようなヌクレオシド間結合を有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを明確に意図する。ある態様において、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合、またはそれらの組合せであってもよい。
【0031】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは各々、約3から約35までのヌクレオシド残基、または約4から約30までのヌクレオシド残基、または約4から約18までのヌクレオシド残基を有する。いくつかの態様において、免疫調節オリゴヌクレオチドは、約1から約18まで、または約1から約15まで、または約5から約14までのヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドを含む。本明細書中では、用語「約」は、正確な数は重要ではないことを示唆する。したがって、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は、重要ではなく、1個または2個少ないヌクレオシド残基、または1個から数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記の各態様と同等であると考えられる。いくつかの態様において、1または2以上のオリゴヌクレオチドは、11のヌクレオチドまたは18のヌクレオチドを有する。免疫調節オリゴヌクレオチドとの関係で、ある態様は、約13から約35までのヌクレオチド、または約13から約26までのヌクレオチド、または約11から約22までのヌクレオチドを有する。
【0032】
用語「オリゴヌクレオチド」はまた、タンパク質基、親油基、挿入剤、ジアミン、葉酸、コレステロールおよびアダマンタンを含むがこれらに限定されないさらなる置換基を有するポリヌクレオシドを包含する。用語「オリゴヌクレオチド」はまた、ペプチド核酸(PNA)、リン酸基を有するペプチド核酸(PHONA)、モルホリノ骨格オリゴヌクレオチド、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーを伴う骨格部分を有するオリゴヌクレオチドを含むがこれらに限定されないポリマーを含有するその他の核酸塩基を包含する。
【0033】
本発明のオリゴヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオシド、修飾ヌクレオシド、またはそれらの混合物を含むことができる。本明細書中では、用語「修飾ヌクレオシド」は、修飾複素環塩基、修飾糖部分、またはそれらの組合せを含むヌクレオシドである。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、本明細書中に記載のように、非天然のピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−置換リボヌクレオシド、アラビノヌクレオシドまたは2’−デオキシ−2’−置換−アラビノシドである。
【0034】
本発明の目的のために、用語「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」は、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含み、ここで、五炭糖部分の2’位のヒドロキシル基が置換され、2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドが生成される。かかる置換は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含有する低級アルキル基によるもの、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基によるものであり、ここでかかるアルキル、またはアリール基は、置換されていなくても、または、例えば、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、またはアミノ基により置換されていてもよい。2’−O−置換リボヌクレオシドまたは2’−O−置換−アラビノシドの例は、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシドおよび2’−O−メトキシエチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエチルアラビノシドを含むが、これらに限定されない。
【0035】
用語「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」はまた、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含み、ここで、2’−ヒドロキシル基は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含有する低級アルキル基で、またはアミノまたはハロ基で置き換えられる。かかる2’−置換リボヌクレオシドまたは2’−置換アラビノシドの例は、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、および2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシドを含むが、これらに限定されない。
【0036】
用語「オリゴヌクレオチド」は、ハイブリッドおよびキメラオリゴヌクレオチドを含む。「キメラオリゴヌクレオチド」は、1種より多くのヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドである。かかるキメラオリゴヌクレオチドの一例は、ホスホロチオエート、ホスホジエステルまたはホスホロジチオエート領域およびアルキルホスホネートまたはアルキルホスホノチオエート結合などの非イオン結合を含むキメラオリゴヌクレオチドである(例えば、Pederson他による、米国特許第5,635,377号および第5,366,878号参照)。
【0037】
「ハイブリッドオリゴヌクレオチド」は、1種より多くのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドである。かかるハイブリッドオリゴヌクレオチドの一例は、リボヌクレオチドまたは2’−置換リボヌクレオチド領域、およびデオキシリボヌクレオチド領域を含む(例えば、MetelevおよびAgrawalによる、米国特許第5,652,355号、第6,346,614号および第6,143,881号参照)。
【0038】
本発明の目的のために、用語「免疫刺激オリゴヌクレオチド」または「免疫調節オリゴヌクレオチド」は、魚、家禽または哺乳動物などの脊椎動物に投与するとき、免疫応答を調節(例えば誘発)する上記のオリゴヌクレオチドのことをいう。本明細書中では、用語「哺乳動物」は、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ(cattle)、ウシ(cows)、ブタ、ウサギ、非ヒト霊長類およびヒトを含むが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の目的のために、「天然」ヌクレオシドは、DNAまたはRNA中に普通に存在する5種の塩基(例えば、アデノシン、グアノシン、チミジン、シトシンおよびウリジン)のうち1種とデオキシリボースまたはリボース糖とを含むものである。本発明の目的のために、「修飾」または「非天然」ヌクレオシドは、修飾された天然に存在する塩基および/または修飾された天然に存在する糖部分を含むものである。修飾された天然に存在する塩基の例には、式Iまたは式IIで表される組成物が含まれるが、これらに限定されない。本発明の目的のために、「ジヌクレオチド類似体」は、上記の免疫刺激ジヌクレオチドであり、ここで、ピリミジンおよびプリンヌクレオシドのいずれかあるいは両方が、非天然のヌクレオシドである。用語「C*pG」および「CpG*」は、シチジン類似体(非天然のピリミジンヌクレオシド)またはグアノシン類似体(非天然のプリンヌクレオシド)をそれぞれ含む免疫刺激ジヌクレオチド類似体のことをいう。
【0040】
さまざまな場所で、ジヌクレオチドは、R’pG、C*pGまたはYZと表され、その場合それぞれ、R’、C*、またはYは、限定することなく、N3−メチル−dC、プソイド−イソ−デオキシシトジン(pseudo-iso-deoxycytodine)(すなわち、Ψ−イソ−dC)およびデオキシフラノシル(deoxyfuranosyl)(すなわち、dF)などの合成または非天然のピリミジンを表す。他の場所で、ジヌクレオチドは、CpR、CpG*またはYZと表され、その場合それぞれ、R、G*、またはZは、限定することなく、N1−メチル−dGまたは7−デアザ−dGなどの合成プリンを表す。本明細書中では、用語「ピリミジンヌクレオシド」は、ヌクレオシドのことであり、ここで、ヌクレオシドの塩基成分は、単環核酸塩基である。同様に、用語「プリンヌクレオシド」は、ヌクレオシドのことであり、ここで、ヌクレオシドの塩基成分は、二環核酸塩基である。本発明の目的のために、「合成」ピリミジンまたはプリンヌクレオシドは、天然に存在しないピリミジンまたはプリン塩基、天然に存在しない糖部分、またはそれらの組合せを含む。
【0041】
本発明のピリミジンヌクレオシドは、構造(I):
【化1】
【0042】
式中、
Dは、水素結合供与体であり、
D’は、水素、水素結合供与体、水素結合受容体、親水性基、疎水性基、電子求引基および電子供与基からなる群から選択され、
DおよびD’は、5員または6員環の一部であってもよく、
Aは、窒素またはヘテロ原子、置換されたまたは置換されていないヘテロ原子であり、
A’は、水素結合受容体、親水性基、疎水性基、電子求引基および電子供与基からなる群から選択され、
A’’は、炭素または窒素であり、
Xは、炭素または窒素であり、および
S’は、五炭糖または六炭糖環、または天然に存在しない糖である、
を有する。
【0043】
いくつかの態様において、糖環は、リン酸塩部分、修飾リン酸塩部分、またはピリミジンヌクレオシドを別のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合させるのに好適な他のリンカー部分により誘導体化されている。
水素結合供与体は、−NH−、−NH2、−SHおよび−OHを含むが、これらに限定されない。水素結合受容体は、C=O、C=S、および芳香族複素環の環窒素原子、例えば、シトシンのN3を含むが、これらに限定されない。
【0044】
いくつかの態様において、(I)の塩基部分は、天然に存在しないピリミジン塩基である。天然に存在しないピリミジン塩基の例は、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N3−メチル−dC、プソイド−イソ−デオキシシトジン(すなわち、Ψ−イソ−dC);デオキシフラノシル(すなわち、dF)、4−チオウラシルおよびN4−エチルシトシンなどのN4−アルキルシトシンを含むが、これらに限定されない。しかしながら、いくつかの態様において、5−ブロモシトシンは、明確に除外されている。
【0045】
いくつかの態様において、(I)の糖部分S’は、修飾された天然に存在する糖部分である。本発明の目的のために、「天然に存在する糖部分」は、核酸の一部として天然に存在する糖部分、例えば、リボースおよび2’−デオキシリボースであり、「修飾された天然に存在する糖部分」は、核酸の一部として天然に存在しないあらゆる糖であるが、オリゴヌクレオチドの骨格に使用することができる、例えば、六炭糖である。アラビノースおよびアラビノース誘導体は、糖部分の例である。
【0046】
本発明のプリンヌクレオシド類似体は、構造(II):
【化2】
【0047】
式中、
Dは、窒素またはヘテロ原子、置換されたまたは置換されていないヘテロ原子であり、
D’は、水素、水素結合供与体、および親水性基からなる群から選択され、
Aは、水素結合受容体または親水性基であり、
Xは、炭素または窒素であり、
それぞれのLは独立して、C、O、NおよびSからなる群から選択される原子であり、および
S’は、五炭糖または六炭糖環、または天然に存在しない糖である、
を有する。
【0048】
いくつかの態様において、糖環は、リン酸塩部分、修飾リン酸塩部分、またはピリミジンヌクレオシドを別のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合させるのに好適な他のリンカー部分により誘導体化されている。
水素結合供与体は、−NH−、−NH2、−SHおよび−OHを含むが、これらに限定されない。水素結合受容体は、C=O、C=S、−NO2および芳香族複素環の環窒素原子、例えば、グアニンのN1を含むが、これらに限定されない。
【0049】
いくつかの態様において、(II)の塩基部分は、天然に存在しないプリン塩基である。天然に存在しないプリン塩基の例は、2−アミノ−6−チオプリン、7−デアザグアノシン、N1−メチル−dGおよび2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリンを含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、(II)の糖部分S’は、構造(I)について記載したように、天然に存在する糖部分または修飾された天然に存在する糖部分である。
【0050】
いくつかの態様において、免疫刺激ジヌクレオチドは、C*pG、CpG*、およびC*pG*からなる群から選択され、ここで、Cの塩基はシトシンであり、C*の塩基はチミン、5−ヒドロキシシトシン、N3−メチル−dC、N4−アルキル−シトシン、プソイド−イソ−デオキシシトジン;デオキシフラノシル、4−チオウラシルまたは他の非天然のピリミジン、または2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンであり、塩基が2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンのとき、それは好ましくは五炭糖の1’−位に塩基の1位を介して共有結合し、Gの塩基はグアノシンであり、G*の塩基は2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリン、2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン、6−チオグアニン、7−デアザグアノシン、イノシン、N1−メチル−dG、6−オキソプリン、または他の非天然のプリンヌクレオシドであり、およびpはホスホジエステル、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエートからなる群から選択されるヌクレオシド間結合であり、ただし、少なくとも1つのCまたはGは、それぞれシトシンまたはグアノシンではない。
【0051】
免疫調節オリゴヌクレオチドは、免疫刺激ジヌクレオチドの片側または両側に免疫刺激部分を含んでもよい。したがって、いくつかの態様において、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、構造(III):
5’−Nn−N1−Y−Z−N1−Nn−3’ (III)
【0052】
式中、
Yの塩基は、シトシン、チミン、5−ヒドロキシシトシン、N4−アルキル−シトシン、N3−メチル−シトシン、Ψ−イソ−dC、dF、4−チオウラシルまたは他の非天然のピリミジンヌクレオシド、または2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンであり、ここで、塩基が2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリンのとき、それは好ましくは五炭糖の1’−位に塩基の1位を介して共有結合し、
Zの塩基は、グアニン、2−アミノ−6−オキソ−7−デアザプリン、2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン、2−アミノ−6−チオ−プリン、7−デアザグアノシン、N1−メチル−dG、6−オキソプリンまたは他の非天然のプリンヌクレオシドであり、
【0053】
N1およびNnは、各発生で独立して、好ましくは天然に存在するあるいは非天然または合成ヌクレオシドまたは脱塩基ヌクレオシド、N3−メチル−dC、N1−メチル−dG、アラビノヌクレオシド、2’−デオキシウリジン、α−デオキシリボヌクレオシド、β−L−デオキシリボヌクレオシド、およびホスホジエステルまたは修飾されたヌクレオシド間結合によって3’側に隣接するヌクレオシドに結合したヌクレオシドからなる群から選択される免疫刺激部分であり、修飾されたヌクレオシド間結合は、約2Åから約200Åまでの長さを有するリンカー、C2〜C18アルキルリンカー、ポリ(エチレングリコール)リンカー、2−アミノブチル−1,3−プロパンジオールリンカー、グリセリルリンカー、2’−5’ヌクレオシド間結合、およびホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、またはメチルホスホネートヌクレオシド間結合から選択されるが、これらに限定されず、
ただし、少なくとも1つのN1またはNnは、任意に免疫刺激部分であり、
ただし、さらに少なくとも1つのYまたはZはそれぞれ、シトシンまたはグアノシンではなく、
ここで、nは、0から30までの数字であり、および
ここで、3’末端、ヌクレオシド間リンカー、または誘導体化された核酸塩基または糖は、直接または非ヌクレオチドリンカーを介して、免疫刺激性であってもなくてもよい別のオリゴヌクレオチドに結合する、
の免疫刺激ドメインを含む。
【0054】
いくつかの態様において、YZは、シトシン、Ψ−イソ−dC、dFまたはN3−メチル−dCおよびグアノシンまたはN1−メチル−dGである。免疫刺激部分は、天然ホスホジエステル骨格およびリン酸塩骨格における修飾物を含み、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、ホスホトリエステル、ホスホチオトリエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、トリエステルプロドラッグ、スルホン、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタール、N−メチルヒドロキシルアミン、カルボネート、カルバメート、モルホリノ、ボラノホスホネート、ホスホロアミデート、特に第一アミノ−ホスホロアミデート、N3ホスホロアミデートおよびN5ホスホロアミデート、および立体特異的な結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、またはホスホトリエステル結合)を含むがこれらに限定されない。
【0055】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、糖修飾物を有するヌクレオシドを含み、2’−O−メチルリボース、2’−O−メトキシエチルリボース、2’−O−プロパルギルリボース、および2’−デオキシ−2’−フルオロリボースを含むがこれらに限定されない2’−置換五炭糖類;3’−O−メチルリボース;1’,2’−ジデオキシリボースを含むがこれらに限定されない3’−置換五炭糖類;アラビノース;1’−メチルアラビノース、3’−ヒドロキシメチルアラビノース、4’−ヒドロキシメチルアラビノース、3’−ヒドロキシアラビノースおよび2’−置換アラビノース糖類を含むがこれらに限定されない置換アラビノース糖類;1,5−アンヒドロヘキシトールを含むがこれらに限定されない六炭糖類;およびアルファ−アノマーを含むがこれらに限定されない。修飾糖が3’−デオキシリボヌクレオシドまたは3’−O−置換リボヌクレオシドである態様において、免疫刺激部分は、2’−5’ヌクレオシド間結合によって隣接するヌクレオシドに結合する。
【0056】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ骨格オリゴヌクレオチド、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーを含むがこれらに限定されない約2Åから約200Åまでの長さがある骨格リンカー部分を有するオリゴヌクレオチドを含む他の炭水化物骨格修飾物および置換物を有するオリゴヌクレオチドを含む。アルキルリンカーは、分枝状または非分枝状の、置換されたまたは置換されてない、および単一異性体(chirally pure)またはラセミ混合物であってもよい。いくつかの態様において、かかるアルキルリンカーは、約2〜約18個の炭素原子を有する。いくつかの態様において、かかるアルキルリンカーは、約3〜約9個の炭素原子を有する。いくつかのアルキルリンカーは、ヒドロキシ、アミノ、チオール、チオエーテル、エーテル、アミド、チオアミド、エステル、尿素およびチオエーテルからなる群から選択された1または2以上の官能基を含む。いくつかのかかる官能化アルキルリンカーは、式−O−(CH2−CH2−O−)n(n=1〜9)で表されるポリ(エチレングリコール)リンカーまたはグリセロールである。いくつかの他の官能化アルキルリンカーは、ペプチドまたはアミノ酸である。
【0057】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、β−L−デオキシリボヌクレオシドおよびα−デオキシリボヌクレオシドを含むがこれらに限定されないDNAアイソフォームを含む。いくつかの態様において、本発明の免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、3’修飾を取り入れ、さらに2’−5’、2’−2’、3’−3’および5’−5’結合を含むがこれらに限定されない不自然なヌクレオシド間結合位置を有するヌクレオシドを含む。
【0058】
いくつかの態様において、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドはさらに、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、4−チオウラシル、6−チオグアニン、7−デアザグアニン、イノシン、ニトロピロール、C5−プロピニルピリミジン、N4−エチルシトシンなどのN4−アルキルシトシン、および2,6−ジアミノプリンを含むがこれに限定されないジアミノプリンを含むがこれらに限定されない修飾複素環塩基を有するヌクレオシドを含む。
【0059】
特定の説明の目的で、限定の目的ではなく、例えば、構造(III)の免疫刺激ドメインにおいて、N1またはNn位でのメチルホスホネートヌクレオシド間結合は、免疫刺激部分であり、約2Åから約200Åまでの長さを有するリンカー、X1位のC2〜C18アルキルリンカーは免疫刺激部分であり、およびX1位のβ−L−デオキシリボヌクレオシドは、免疫刺激部分である。免疫刺激部分の代表的な位置および構造については、以下の表1を参照のこと。特定の位置での免疫刺激部分としてのリンカーは、その位置のヌクレオシド残基がその3’−ヒドロキシルで指示リンカーと置換され、それにより、そのヌクレオシド残基および隣接するヌクレオシドの間で3’側で修飾ヌクレオシド間結合が作られることを意味すると理解される。同様に、特定の位置での免疫刺激部分としての修飾ヌクレオシド間結合は、その位置のヌクレオシド残基が列挙した結合の手段で3’側で隣接するヌクレオシドに結合することを意味する。
【0060】
【表2】
【0061】
表2は、上流の増強ドメインを有する免疫調節オリゴヌクレオチド内の免疫刺激部分の代表的な位置および構造を示す。本明細書中では、用語「スペーサー9」は、式−O−(CH2CH2−O)n−のポリ(エチレングリコール)リンカーのことであり、式中、nは3である。用語「スペーサー18」は、式−O−(CH2CH2−O)n−のポリ(エチレングリコール)リンカーのことであり、式中、nは6である。本明細書中では、用語「C2〜C18アルキルリンカー」は、式−O−(CH2)q−O−のリンカーのことであり、式中、qは2〜18の整数である。したがって、用語「C3−リンカー」および「C3−アルキルリンカー」は、式−O−(CH2)3−O−のリンカーのことであり、置換されてもまたは置換されなくてもよく、分枝状でもまたは非分枝状でもよい(例えば1,2,3,プロパントリオール)。スペーサー9、スペーサー18、およびC2〜C18アルキルリンカーのそれぞれについて、リンカーは、隣接するヌクレオシドにホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合によりつながっている。
【0062】
【表3】
【0063】
表3は、下流の増強ドメインを有する免疫調節オリゴヌクレオチド内の免疫刺激部分の代表的な位置および構造を示す。
【0064】
【表4】
【0065】
本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、3’末端またはヌクレオシド間結合または官能化核酸塩基または糖において非ヌクレオチドリンカーを介して結合した少なくとも2種のオリゴヌクレオチドを含む。本発明の目的のために、「非ヌクレオチドリンカー」は、共有または非共有結合によりオリゴヌクレオチドに結合することができるあらゆる部分である。かかるリンカーは、長さが約2Åから約200Åまでである。リンカーの数例を以下に示す。非共有結合には、静電相互作用、疎水性相互作用、π−スタッキング相互作用、および水素結合が含まれるが、これらに限定されない。用語「非ヌクレオチドリンカー」は、上記のようにヌクレオシド間結合、例えば、2つのヌクレオシドの3’−ヒドロキシル基に直接つながるホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート官能基のことを意味しない。本発明の目的のために、かかる直接3’−3’結合(リンカーが関与しない)は、「ヌクレオチド結合」であると考えられる。
【0066】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、金粒子を含むがこれに限定されない金属である。いくつかの他の態様において、非ヌクレオチドリンカーは、可溶性または不溶性の生分解性ポリマービーズである。
【0067】
また他の態様において、非ヌクレオチドリンカーは、オリゴヌクレオチドへの結合を可能にする官能基を有する有機部分である。かかる結合は、あらゆる安定した共有結合によるものである。非限定の例として、リンカーは、ヌクレオシドのあらゆる好適な位置に結合してもよい。いくつかの態様において、リンカーは、3’−ヒドロキシルに結合する。かかる態様において、リンカーは、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートまたは非リン酸塩をベースとする結合によって3’−ヒドロキシルに結合するヒドロキシル官能基を含む。
【0068】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、ポリペプチド、抗体、脂質、抗原、アレルゲンおよびオリゴ糖を含むがこれらに限定されない生体分子である。いくつかの他の態様において、非ヌクレオチドリンカーは、小分子である。本発明の目的のために、小分子は、1,000Da未満の分子重量を有する有機部分である。いくつかの態様において、小分子は、750Da未満の分子重量を有する。
【0069】
いくつかの態様において、小分子は、脂肪族または芳香族炭化水素であり、これらのいずれかは任意に、オリゴヌクレオチドにつながるまたは付加される直鎖状の、ヒドロキシ、アミノ、チオール、チオエーテル、エーテル、アミド、チオアミド、エステル、尿素、およびチオ尿素からなる群から選択された1または2以上の官能基を含むことができる。小分子は、環状または非環状であり得る。小分子リンカーの例には、アミノ酸、炭水化物、シクロデキストリン、アダマンタン、コレステロール、ハプテンおよび抗生物質が含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、非ヌクレオチドリンカーを説明する目的のために、用語「小分子」は、ヌクレオシドを含むことを意図しない。
【0070】
いくつかの態様において、小分子リンカーは、グリセロールまたは式HO−(CH2)o−CH(OH)−(CH2)p−OHのグリセロール同族体であり、式中、oおよびpは独立して、1から約6まで、1から約4まで、または1から約3までの整数である。いくつかの他の態様において、小分子リンカーは、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンの誘導体である。いくつかのかかる誘導体は、式HO−(CH2)m−C(O)NH−CH2−CH(OH)−CH2−NHC(O)−(CH2)m−OHを有し、式中、mは、0から約10まで、0から約6まで、2から約6まで、または2から約4までの整数である。
【0071】
本発明のいくつかの非ヌクレオチドリンカーにより、2より多くのオリゴヌクレオチドの結合が可能となる。例えば、小分子リンカーグリセロールは、オリゴヌクレオチドが共有結合してもよい3個のヒドロキシル基を有する。したがって、本発明のいくつかの免疫調節オリゴヌクレオチドは、3’末端が非ヌクレオチドリンカーに結合する2より多くのオリゴヌクレオチドを含む。
【0072】
本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドを、図3および4に図式的に描写し、さらに例に記載した自動合成装置およびホスホロアミダイト法を使って都合よく合成してもよい。いくつかの態様において、免疫調節オリゴヌクレオチドを、直線的合成法により合成する(図3参照)。本明細書中では、用語「直線的合成」は、免疫調節オリゴヌクレオチドの一方の末端で始まり、他方の末端に直線的に進行する合成のことをいう。直線的合成により、同一または非同一(長さ、塩基組成物および/または取り入れられる化学修飾物の点で)のモノマー単位を免疫調節オリゴヌクレオチド内に取り入れることが可能となる。
【0073】
合成の代わりの様式は、「平行合成」であり、合成は、中央のリンカー部分から外側に進む(図4参照)。固体の支持体が結合したリンカーを、米国特許第5,912,332号に記載のように、平行合成に使用することができる。代わりに、一般的な固体の支持体(リン酸塩が結合した多孔性ガラス(controlled pore glass)など)を使用することができる。
【0074】
免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成は、直線的合成よりもいくつか優れた点を有する:(1)平行合成により、同一モノマー単位の取入れが可能となる;(2)直線的合成とは違って、両方の(またはすべての)モノマー単位が同時に合成され、それにより合成ステップの数および合成に必要な時間が1つのモノマー単位のものと同じである;および(3)合成ステップの削減により、最終免疫調節オリゴヌクレオチド生成物の純度および収率が向上する。
【0075】
直線的合成または平行合成手順のいずれかによる合成の最後に、修飾ヌクレオシドを取り入れる場合、免疫調節オリゴヌクレオチドを、濃縮アンモニア溶液を用いてまたはホスホロアミダイト供給元により推奨されたように都合よく脱保護してもよい。生成物である免疫調節オリゴヌクレオチドを、逆相HPLC、脱トリチル化(detritylated)、脱塩および透析により精製することができる。
【0076】
表4は、本発明の代表的な免疫調節オリゴヌクレオチドを示す。
【0077】
【表5】
C1=N3−メチル−dC;C2=dF;C3=Ψ−イソ−dC;C4=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン;G1=N1−メチル−dG;G2=7−デアザ−dG;G3=アラビノグアノシン;X=グリセロールリンカー;Y=C3リンカー
【0078】
本発明のこの面のある態様は、上記の免疫刺激オリゴヌクレオチド、および利用できる5’末端以外の位置で免疫刺激オリゴヌクレオチドに共役した化合物を含む免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を提供する。いくつかの態様において、化合物は、非ヌクレオチドリンカーに共役される。いくつかの他の態様において、化合物は、その5’末端以外の位置でオリゴヌクレオチドに共役される。本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドに共役され得る好適な化合物には、コレステロール、異なる長さのポリエチレングリコール、ペプチド、抗体、タンパク質、ワクチン、脂質、抗原、および、限定することなく、イミキモド、R848、ロキソリビン、イサトルビン(isatorbin)ならびに化学療法剤などのあらゆる免疫刺激小分子が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
抗原は、病原体と関連する抗原、癌と関連する抗原、自己免疫疾患と関連する抗原、および、限定することなく、獣医学的または小児科学的疾病などの他の疾病と関連する抗原を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、抗原は、ワクチン効果を生み出す。本発明の目的のために、用語「〜と関連する」は、病原体、癌、自己免疫疾患、食物アレルギー、呼吸器系アレルギー、ぜんそくまたは他の疾病が存在するとき、抗原が存在するが、病原体、癌、自己免疫疾患、食物アレルギー、呼吸器系アレルギー、または疾病が存在しないとき、いずれかが存在しないか、または低減された量で存在することを意味する。
【0080】
免疫刺激オリゴヌクレオチドは、抗原に共有結合する、またはそうでなければ作動可能なように(operatively)抗原と関連する。本明細書中では、用語「作動可能なように〜と関連する」は、免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび抗原の両方の活性を維持するあらゆる関連のことをいう。かかる作動的関連の非限定の例は、同じリポソームまたは他のかかる送達ビヒクルまたは試薬の一部であることを含む。免疫刺激オリゴヌクレオチドが抗原に共有結合する態様において、かかる共有結合は、好ましくはオリゴヌクレオチドは、免疫刺激オリゴヌクレオチドの利用できる5’末端以外の免疫刺激のあらゆる位置にある。例えば、抗原は、ヌクレオシド間結合で結合してもよく、または非ヌクレオチドリンカーに結合してもよい。代わりに、抗原自体が非ヌクレオチドリンカーであってもよい。
【0081】
第2の面において、本発明は、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体および生理学的に許容し得る担体を含む医薬製剤を提供する。本明細書中では、用語「生理学的に許容し得る」は、免疫調節オリゴヌクレオチドの効果を妨害せず、細胞、細胞培養、組織または生命体などの生物学的システムに適合する材料のことをいう。好ましくは、生物学的システムは、脊椎動物などの生物である。
【0082】
本明細書中では、用語「担体」は、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、脂質、または医薬製剤において使用される当該技術分野で周知の他の材料を包含する。担体、賦形剤または希釈剤の特徴は、特定の用途のための投与経路に依存することが理解される。これらの材料を含有する薬学的に許容し得る製剤の調製は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990に記載されている。
【0083】
第3の面において、本発明は、脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法を提供し、かかる方法は、脊椎動物に本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を投与することを含む。いくつかの態様において、脊椎動物は、哺乳動物である。本発明の目的のために、用語「哺乳動物」は、ヒトを含むことを明確に意図する。ある態様において、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、免疫刺激を必要とする脊椎動物に投与される。
【0084】
本発明のこの面の方法において、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体の投与は、あらゆる好適な経路によるものであり得、非経口、経口、舌下、経皮、局所、粘膜、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃によるもの、皮膚パッチまたは点眼薬または口腔洗浄薬の形態を含むがこれらに限定されない。免疫調節オリゴヌクレオチドの治療的組成物の投与は、症状または疾病の代替マーカーを軽減させるのに有効な投薬量および時間で、既知の手順を使って行うことができる。全身投与するとき、治療的組成物は、好ましくは免疫調節オリゴヌクレオチドが約0.0001マイクロモルから約10マイクロモルまでの血中濃度に到達するのに十分な投薬量で投与する。限局化投与のために、これよりもさらに低濃度が有効であり得、より高濃度に耐性があり得る。好ましくは、免疫調節オリゴヌクレオチドの総投薬量は、患者あたり1日あたり約0.001mgから体重1kgあたり1日あたり約200mgまでの範囲である。治療効果のある量の1または2以上の本発明の治療的組成物を個人に1回の処置のエピソードとして同時にまたは連続して投与することが望ましいといえる。
【0085】
ある態様において、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、免疫応答の特異性または大きさを増強させるために、ワクチン、抗体、細胞障害性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチンおよび/またはアジュバントと組み合わせて投与される。これらの態様において、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、アジュバントとしてさまざまに作用し、および/または直接の免疫刺激効果を発揮することができる。
【0086】
免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体あるいはワクチンのいずれか、または両方は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニットまたはその他の免疫原性担体タンパク質などの免疫原性タンパク質に任意に結合してもよい。あらゆる多量のアジュバントを使用してもよく、フロイド完全アジュバント、KLH、モノホスホリル脂質A(MPL)、ミョウバン、およびQS−21を含むサポニン、イミキモド、R848、またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
【0087】
本発明のこの面の目的のために、用語「〜と組み合わせて」は、同じ患者における同じ疾病の処置過程中を意味し、同時投与、ならびに一時的に数日まで間隔を空ける順序を含むあらゆる順序で免疫調節オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントを投与することを含む。かかる併用処置はまた、免疫調節オリゴヌクレオチド、および/またはワクチン単独、および/またはアジュバント単独の単回投与より多いものを含んでもよい。免疫調節オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントの投与は、同じまたは異なる経路によるものでもよい。
【0088】
本発明のこの面の方法は、免疫システムのモデル調査に有用である。本方法はまた、ヒトまたは動物の疾病の予防または治療的処置に有用である。例えば、本方法は、小児科学的および獣医学的ワクチン用途に有用である。
【0089】
第4の面において、本発明は、疾病または疾患を有する患者を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を投与することを含む。さまざまな態様において、処置される疾病または疾患は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病である。病原体は、細菌、寄生生物、真菌類、ウィルス類、ウイロイド類およびプリオン類を含む。投与は、本発明の第3の面について記載したように行われる。
【0090】
本発明の目的のために、用語「アレルギー」は、食物アレルギーおよび呼吸器系アレルギーを含むが、これらに限定されない。用語「気道炎症」は、ぜんそくを含むが、これに限定されない。本明細書中では、用語「自己免疫疾患」は、「自己」タンパク質が免疫システムにより攻撃を受ける疾患のことをいう。かかる用語は、自己免疫ぜんそくを含む。
【0091】
第5の面において、本発明は、疾病または疾患を予防する方法を提供し、かかる方法は、患者に本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体を投与することを含む。さまざまな態様において、予防される疾病または疾患は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病である。病原体は、細菌、寄生生物、真菌類、ウィルス類、ウイロイド類、およびプリオン類を含む。投与は、本発明の第3の面について記載したように行われる。
【0092】
本発明のこの面の方法のいずれかにおいて、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、免疫調節オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を減少させない疾病または状態を処置するのに有用なその他の剤と組み合わせて投与することができる。本発明の方法のいずれかにおいて、疾病または状態を処置するのに有用な剤は、ワクチン、抗原、抗体、細胞障害性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、免疫応答の特異性または大きさを増強させるためのDNAワクチンおよび/またはアジュバント、またはサイトカイン、ケモカイン、タンパク質リガンド、トランス活性化因子、ペプチドおよび修飾アミノ酸を含むペプチドなどの共刺激性分子を含むが、これらに限定されない。例えば、癌の処置において、免疫調節オリゴヌクレオチドまたは免疫調節オリゴヌクレオチド共役体は、化学療法化合物またはモノクローナル抗体と組み合わせて投与されてもよいと考えられる。代わりに、剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、アジュバントとしてさまざまに作用し、および/または直接の免疫刺激効果を発揮することができる。
【0093】
本発明の方法において使用される化学療法剤は、以下のものを含むが、これらに限定されない。ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、非糖含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、タキソール、フラジリン(fragyline)、メグラミンGLA、バルルビシン、カルムスタイン(carmustaine)およびポリフェルポサン(poliferposan)、MMI270、BAY 12-9566、RASファルネシル(farnesyl)トランスフェラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメテキソール(Lometexol)、グラモレク(Glamolec)、CI-994、TNP-470、ハイカムチン(Hycamtin)/トポテカン、PKC412、バルスポダール(Valspodar)/PSC833、ノバントロン/ミトキサントロン、メタレット(Metaret)/スラミン、バチマスタット、E7070、BCH-4556、CS-682、9-AC、AG3340、AG3433、Incel/VX-710、VX-853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マルミスタット(Marmistat)、BB2516/マルミスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナールDP 2202、FK 317、ピシバニール/OK-432、AD 32/バルルビシン、メタストロン/ストロンチウム誘導体、テモダール(Temodal)/テモゾロマイド(Temozolomide)、エバセット(Evacet)/リポソームドキソルビシン、ユータキサン(Yewtaxan)/パクリタキセル(Paclitaxel)、タキソール/パクリタキセル、キセロード(Xeload)/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス(Cyclopax)/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU-077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP-358 (774)/EGFR、CP-609 (754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS-182751/経口プラチナ、UFT(テガフール/ウラシル)、エルガミゾール(Ergamisol)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FUエンハンサ、カンプト/レバミゾール、カンプトサール(Camptosar)/イリノテカン、ツモデックス(Tumodex)/ラルチトレキセド(Raltitrexed)、ロイスタチン/クラドリビン、パキセックス(Paxex)/パクリタキセル、ドキシル(Doxil)/リポソームドキソルビシン、カエリックス(Caelyx)/リポソームドキソルビシン、フルダラ(Fludara)/フルダラビン、ファルマルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、デポサイト(DepoCyt)、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタリミド、LU 103793/ドラスタチン、カエチックス(Caetyx)/リポソームドキソルビシン、
【0094】
ジェムザール(Gemzar)/ゲムシタビン、ZD 0473/アノーメッド(Anormed)、YM 116、ヨウ素シード、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォサミド(Dexifosamide)、イフェス(Ifes)/メスネックス(Mesnex)/イホスファミド(Ifosfamide)、ブモン(Vumon)/テニポシド(Teniposide)、パラプラチン/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド(Vepeside)/エトポシド、ZD 9331、タキソテール(Taxotere)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサン類似体、ニトロソ尿素、メルフェランおよびシクロホスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル(Chlorombucil)、シタラビンHCl、ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCl、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド (VP16-213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5-FU)、フルタミド、ヒドロキシ尿素 (ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH-放出因子類似体)、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミンHCl (ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ(Mesna)、ミトーテン(Mitotane)(o.p'-DDD)、ミトキサントロンHCl、オクトレオチド、プリカマイシン、プロカルバジンHCl、ストレプトゾシン、タモキシフェンクエン酸塩、チオグアニン、チオテパ、ビンブラスチン硫酸塩、アムサクリン(Amsacrine)(m-AMSA)、アザシチジン(Azacitidine)、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(Mitoguazone)(メチル-GAG;メチルグリオキサールビスグアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(Pentostatin) (2'デオキシコホルマイシン)、セムスチン(Semustine)(メチル-CCNU)、テニポシド(VM-26)、ビンデシン硫酸塩、ラパチニブ(Lapatinib)(EGFRおよびErbB-2(Her2/neu)二重チロシンキナーゼ阻害剤(GSK))、ゲフィチニブ(Gefitinib)(ZD1839/イレッサ(Iressa)(AstraZeneca))、エルロチニブ(Erlotinib)(タルセバ(Tarceva)−EGFR/HER1阻害剤(Genentech))、サリドマイド((サリドマイド)−抗血管新生剤)、イマチニブ(グリベック(Glivec))およびバタラニブ(Vatalanib)(VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤)、ソラフェニブ(Sorafenib)(Rafキナーゼ阻害剤(Bayer))、VX-680 (オーロラキナーゼ阻害剤)、ステント(Sutent)(受容体型チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤(Pfizer))が含まれるが、これらに限定されないEGFRおよびVEGF阻害剤などのチロシンキナーゼ阻害剤、ボルテゾミブ(Bortezomib)((ベルケード(Velcade))プロテオソーム阻害剤)、テモゾロマイド(Temozolomide)((テモダール(Temodal))アルキル化剤)、およびインターフェロンアルファ(Intron A、Roferon A)。
【0095】
抗体(特にモノクローナル抗体)の形態での受動的免疫療法は、抗癌剤としての多大な研究開発の対象であった。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書中では単一分子組成物の抗体分子のことをいう。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープについて単一の結合特異性および親和性を示す。したがって、用語「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列由来の可変および定常領域を有する単一の結合特異性を示す抗体のことをいう。抗癌剤の例には、パノレックス(Panorex)(Glaxo-Welicome)、リツキサン(Rituxan)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、マイロターグ(Mylotarg)(Wyeth)、キャンパス(Campath)(Millennium)、ゼヴァリン(Zevalin)(IDECおよびSchering AG)、ベキサール(Bexxar)(Corixa/GSK)、エルビタックス(Erbitux)(Imclone/BMS)、アバスチン(Avastin)(Genentech)、ハーセプチン(Herceptin)(Genentech/Hoffman la Roche)、セツキシマブ(Cetuximab)(Imclone)およびパニツムマブ(Panitumumab)(Abgenix/Amgen)が含まれるが、これらに限定されない。抗体はまた、癌抗原を(免疫学的意味で)模倣するように思われる抗イディオタイプ抗体を利用する能動的免疫療法において用いてもよい。モノクローナル抗体は、組み換えDNA技術の当業者に既知の方法により生じさせることができる。
【0096】
以下の例は、本発明のある態様をさらに説明することを意図し、本発明の範囲を限定することは意図しない。
【0097】
例
例1:免疫刺激部分を含有するオリゴヌクレオチドの合成
オリゴヌクレオチドを、1μmol〜0.1mMの規模で自動DNA合成装置(OligoPilot II、AKTA、(Amersham)および/またはExpedite 8909 (Applied Biosystem))を使って、図3および4に概説された直線的合成または平行合成手順に従って合成した。
【0098】
5’−DMT dA、dG、dCおよびTホスホロアミダイトは、Proligo(Boulder, CO)から購入した。5’−DMT 7−デアザ−dGおよびアラGホスホロアミダイトは、Chemgenes(Wilmington, MA)から得た。DiDMT−グリセロールリンカーの固体の支持体は、Chemgenesから得た。1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンアミダイトは、Glen Research(Sterling, VA)から得た。2’−O−メチルリボヌクレオシドアミダイトは、Promega(Obispo, CA)から得た。すべてのオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート骨格修飾された。
【0099】
すべてのヌクレオシドホスホロアミダイトは、31Pおよび1H NMRスペクトルによって特徴付けた。修飾ヌクレオシドは、供給元に推奨される通常の共役サイクルを使って特定の部位で取り入れた。合成後、オリゴヌクレオチドを濃縮水酸化アンモニウムを使って脱保護し、逆相HPLC、脱トリチル化、続いて透析により精製した。ナトリウム塩形態として精製したオリゴヌクレオチドは、使用前に凍結乾燥した。純度をCGEおよびMALDI−TOF MSにより試験した。内毒素レベルをLALテストにより決定したところ、1.0EU/mgを下回った。
【0100】
例2:マウス脾臓細胞培養
4〜8週齢のC57BL/6およびBALB/cマウスは、Taconic Farms(Germantown, NY)から得、IderaのIACUC承認の動物処置に従って維持した。本明細書に報告されたすべての動物実験は、IderaのIACUCガイドラインおよび承認された手順に従って行われた。4〜8週齢のBALB/cまたはC57BL/6マウスからの脾臓細胞を調製し、RPMI完全培地で培養した。マウス脾臓細胞を5×106個の細胞/mlで24ウェルディッシュに蒔いた。TE緩衝剤(10mMのTris−HCL、pH7.5、1mMのEDTA)に溶解したIMOを、最終濃度が0.03、0.1、0.3、1.0、3.0または10μg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートし、上清をELISAアッセイのために収集した。
【0101】
上清中のIL−12およびIL−6レベルを、サンドイッチELISAにより測定した。結果を図5Aから5Dに示す。サイトカイン抗体および標準物質を含む必要な試薬は、BD Pharmingenから購入した。ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼおよび基質は、KPLからであった。
【0102】
例3:ヒトPBMCの単離
新しく採血したばかりの健康なボランティアの血液からの末梢血単核細胞(PBMC)(CBR Laboratories, Boston, MA)を、フィコール密度勾配遠心法(Histopaque-1077、Sigma)により単離した。
【0103】
例4:サイトカインELISA
ヒトPBMCを、5×106個の細胞/mlを使って48ウェルプレートに蒔いた。DPBS(pH7.4;Mediatech)に溶解したIMOを、最終濃度が10.0μg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートし、上清をELISAアッセイのために収集した。実験を、3つ組のウェルで行った。IL−6およびIL−10レベルを、サンドイッチELISAにより測定した。結果を図6Aおよび6Bに示す。サイトカイン抗体および標準物質を含む必要な試薬は、PharMingenから購入した。
【0104】
例5:HEK293細胞培養:
HEK293/mTLR9細胞(Invivogen, San Diego, CA)を、5%CO2インキュベータ内で10%の加熱不活性化したFBSを補充した250μl/ウェルのDMEMを入れた48ウェルプレートで培養した。
【0105】
例6:レポーター遺伝子形質転換
80%コンフルエンスで、培養液を、培地中4μl/mlのリポフェクタミン(Invitrogen, CA)の存在下で400ng/mlのSeapレポータープラスミド(pNifty2-Seap)(San Diego CA)により一過性形質転換した。プラスミドDNAおよびリポフェクタミンを、無血清培地に別々に希釈し、室温で5分間インキュベートした。インキュベート後、希釈したDNAおよびリポフェクタミンを混合し、混合物を室温で20分間インキュベートした。100ngのプラスミドDNAおよび1μlのリポフェクタミンを含有する25μlのDNA/リポフェクタミン混合物を細胞培養プレートの各ウェルに添加し、培養を4時間続けた。
【0106】
例7:免疫調節オリゴヌクレオチド処置
形質転換後、培地を新鮮な培地と交換し、刺激オリゴである、免疫調節オリゴヌクレオチドを個々に培養液に添加し、培養を18時間続けた。
【0107】
例8:SEAPアッセイ
オリゴである、免疫調節オリゴヌクレオチドの処置の最後に、30μlの培養上清を各処置から採取し、SEAPアッセイに使用した。製造元の手順(Invivogen)に従い、アッセイを行った。シグナルが、プレートリーダーにより405nmで検出された。結果を図7に示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する。
【0108】
例9:マウス血清サイトカインレベルの評価
5〜6週齢のメスのC57BL/6マウスは、Taconic Farms、Germantown、NYから得、Idera PharmaceuticalのIACUC承認の動物処置に従って維持した。マウス(n=2〜3)に、個々の免疫調節オリゴヌクレオチドを25または100μgの用量または1mg/kg(単一用量)で皮下注射(s.c)した。血清を、免疫調節オリゴヌクレオチド投与の4時間後に後眼窩出血により収集し、IL−12をサンドイッチELISAにより決定した。結果を図8に示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特のIL−12プロフィールが生じることを実証する。サイトカイン抗体および標準物質を含むすべての試薬は、PharMingen(San Diego, CA)から購入した。
【0109】
例10:マウス脾臓細胞培養:
C57BL/6マウスからの脾臓細胞を調製し、10%のウシ胎仔血清(FCS)が入ったRPMI 1640、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび2mMのL−グルタミン(HyClone, Logan, UT)からなるRPMI完全培地で培養した。マウス脾臓細胞を、5×106個の細胞/mlで24ウェルプレートに蒔いた。TE緩衝剤[10mMのTris−HCl(pH7.5)および1mMのEDTA]に溶解した個々の免疫調節オリゴヌクレオチドを、最終濃度が3または10mg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートし、上清をアッセイ酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によるサイトカイン分析のために収集した。
【0110】
上清中のIL−12およびIL−6レベルを、サンドイッチELISAにより測定した。サイトカイン抗体および標準物質を含む必要な試薬は、BD Pharmingen(San Diego, CA)から購入した。ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼおよびTMB基質は、それぞれSigma (St. Louis, MO)およびKPL(Gaithersburg, MD)からであった。
【0111】
例11:ヒトB細胞増殖アッセイ:
ヒトPBMCから精製した約1×105個のB細胞を、異なる濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドにより64時間刺激し、0.75μCiの[3H]−チミジンによりパルスし、8時間後に回収した。[3H]−チミジンの取り込みを、シンチレーションカウンタにより計測し、カウント毎分(c.p.m.)として表した。
【0112】
例12:ヒトマルチプレックスサイトカインELISA:
ヒトPBMCを、5×106個の細胞/mlの濃度で96ウェルプレートに蒔いた。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解した免疫調節オリゴヌクレオチドを、最終濃度が10μg/mlとなるよう細胞培養液に添加した。そして、細胞を37℃で24時間インキュベートした。上清を、Luminex−マルチプレックスELISAシステムを使ってリストにあるサイトカインについて分析をした。ヒトマルチプレックスキットは、invitrogenから得た。
【0113】
例13:マウス脾腫アッセイ
メスのBALB/cマウス(4〜6週、19〜21gm)を、3匹のマウスのグループに分けた。免疫調節オリゴヌクレオチドDNAを滅菌PBSに溶解し、マウスに5mg/kgの用量で皮下投与(SC)した。72時間後、マウスを屠殺し、脾臓を回収し、秤量した。結果を図9に示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
【0114】
例14:OVA感作マウス脾臓細胞培養アッセイ
4〜6週齢のメスのBALB/cマウスは、Taconic(Germantown, NY)から得た。マウスに、100μLのImjectAlumアジュバント(Pierce)と混合した20μgのニワトリ卵白アルブミン(OVA;Sigma)の100μLのPBSの腹腔内注射を0、7日目に与え、10μgのOVAの40μlのPBSは14および21日目に鼻腔内にチャレンジした。マウスを、最後の挑戦の72時間後、CO2吸入により屠殺した。
【0115】
脾臓を摘出し、単細胞の懸濁液を上記のように調製した。脾臓細胞を、異なる濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドで2時間処置し、続いて100μg/mLのOVAで処置した。
【0116】
72時間後、上清を収集し、IL−5、IL−13、IL−12、およびIFN−αレベルを上記のようにELISAにより測定した。結果を図10A〜10Dに示し、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、免疫システム活性化因子(例えば卵白アルブミン)が存在しても、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のサイトカイン/ケモカインプロフィールが生じることを実証する。
【0117】
例15:化学療法剤と組み合わせた免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo抗癌活性
PC3細胞を、ヒト前立腺癌モデル(PC3)を確立するために、10%のウシ胎仔血清(FBS)が入った90%のHam's、F12K培地で、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンの存在下で培養することができる。オスの無胸腺マウス、4〜6週齢(Frederick Cancer Research and Development Center, Frederick, MD)を、研究前に環境適応のため、6日間収容することができる。培養したPC3細胞は、単層培養から回収し、Ham's、F12K培地(10%FBS)で洗浄し、FBSフリーのHam's、F12K培地:Matrigel基底膜マトリックス(Becton Dickinson Labware, Bedford, MA)(5:1;V/V)に再懸濁し、各マウスの左鼠径部内に皮下注射(5×106個の細胞、総量0.2ml)することができる。動物は、一般的な臨床的観察、体重、および腫瘍成長により監視することができる。腫瘍成長は、ノギスを用いて、移植片の2つの直交する直径の測定により監視することができる。腫瘍の質量(グラム重量)は、式1/2a×b2により計算することができ、ここで「a」は長径(cm)、「b」は短径(cm)のことである。平均腫瘍サイズがおよそ80mgに達するとき、ヒト癌異種移植片を有する動物を無作為に処置群および対照群に分ける(5匹/群)。対照群は、滅菌生理食塩水(0.9%NaCl)のみを受けることができる。生理食塩水に無菌で溶解した本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドは、0.5または1.0mg/kg/日、3用量/週の用量で皮下注射により投与することができる。化学療法剤は、腹腔内注射により160mg/kgを0および3日目に2回与えることができる。
【0118】
例16:免疫調節部分を含有するオリゴヌクレオチドの合成
2’−デオキシ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,7(8H)−ジオン(dF)または2’−デオキシプソイドイソシチジン(Ψ−イソ−dC)修飾物を有する免疫調節オリゴヌクレオチドを、PerSeptive Biosystem 8909 Expedite DNA合成装置で、β−シアノエチルホスホロアミダイト化学を用い2μmolの規模で合成した。CPG−固体の支持体に結合したジ−DMT保護されたグリセリルリンカーは、ChemGenes Corporation(Wilmington, MA)から得た。dA、dG、dC、およびTの3’−ホスホロアミダイトは、Applied Biosystemsから得た。一方、dmf−dGホスホロアミダイトは、Glen Research(Sterling, VA)から得た。dFおよびΨ−イソ−dCのホスホロアミダイトは、Berry & Associates(Dexter, MI)から得た。Beaucage試薬は、ホスホロチオエート骨格修飾を得るために、酸化剤として使用した。供給元が推奨する合成手順を、dFおよびΨ−イソ−dCホスホロアミダイトの取り入れおよび脱保護に使用した。合成後、免疫調節オリゴヌクレオチドを脱保護し、「トリチルオン(trityl on)」RP−HPLCにより精製し、脱トリチル化し、洗浄用の米国薬局方(United States Pharmacopeia)品質の滅菌水(Braun, Irvine, CA)に対して透析した。免疫調節オリゴヌクレオチドを凍結乾燥し、再度蒸留水に溶解し、濃度を、UV吸収を260nmで測定することにより決定した。すべての合成した化合物の純度を、PAGEを変性させることにより決定した。配列の完全性を、分子量についてマトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析法により特徴付けた。すべての免疫調節オリゴヌクレオチド(表4A)を合成し、内毒素汚染を最小限に抑えるため、同一条件下で精製した。
【0119】
例17:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、TLR9を活性化する
10μg/mlの濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドおよび対照化合物による、マウスTLR9を発現するHEK293細胞の活性化。dFまたはΨ−イソ−dC修飾を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのTLR9を活性化させる能力を、マウスTLR9を安定に発現するHEK293細胞において研究した。ヒト分泌型胚アルカリホスファターゼ(SEAP)遺伝子は、NF−κBレポーターとして使用される。結果を、PBS対照に対するNF−κB活性の倍数の増加として表す(図11)。dFまたはΨ−イソ−dCを含有した免疫調節オリゴヌクレオチド27および28(配列番号27および28)(表4A)は、NF−κB活性の増加により示されるように、TLR9を活性化した。これらの結果は、dFまたはΨ−イソ−dC修飾は耐性があり、C−位置で機能的であることを実証し、さらに、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、独特のTLR9活性プロフィールが生じることを実証する(図11)。
【0120】
例18:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、マウス脾臓細胞培養においてサイトカインの分泌を誘発する
C57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIMOによるサイトカイン分泌の誘発。C57BL/6マウス脾臓細胞を、単独で(M)またはさまざまな濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドの存在下、培地で24時間培養し、培養上清中の分泌されたIL−12(図12A)およびIL−6(図12B)のレベルを、ELISAにより測定した。示したデータは、3および10μg/mlの濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドである(図12Aおよび12B)。dFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)は、対照の免疫調節オリゴヌクレオチド29(配列番号29)と比較して、C57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6の分泌を誘発した(図12Aおよび12B)。これらの結果は、dFまたはΨ−イソ−dC修飾物を有する免疫調節オリゴヌクレオチドは免疫細胞によって耐性がありそこで活性があることを実証する。さらに、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドの投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特のIL−6およびIL−12プロフィールが生じることを実証する。
【0121】
例19:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、マウスにおいて脾腫およびサイトカインをin vivo誘発する
5mg/kg用量の免疫調節オリゴヌクレオチド、対照化合物、またはPBSのs.c.投与を受けたC57BL/6マウスにおける脾腫(図13A)。脾臓重量の変化を、免疫調節オリゴヌクレオチド投与72時間後に決定した。C57BL/6マウスにおけるIL−12(13.B)の分泌は、1mg/kgの用量でのs.c.投与の後に免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発された。血液を、免疫調節オリゴヌクレオチド投与4時間後に収集し、血清中のIL−12レベルを、ELISAにより決定した。CpGオリゴ投与後のマウスの脾臓重量の増加は、免疫調節活性の指標である。dFまたはΨ−イソ−dCを含有するマウスおよびヒト特異的な免疫調節オリゴヌクレオチドは両方、対照の免疫調節オリゴヌクレオチド4(配列番号4)または5(配列番号5)を受けたマウスと比べて、脾臓の拡大を示した(図13A)。dFまたはΨ−イソ−dC修飾を有する、マウス特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド22(配列番号22)または23(配列番号23)を受けたマウスは、ヒト特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)または28(配列番号28)を注射したマウスよりも大きな脾臓重量の増加をもたらした。これらの結果はまた、dF修飾を有する、免疫調節オリゴヌクレオチド22(配列番号22)または28(配列番号28)を受けたマウスが、それぞれΨ−イソ−dC修飾を有する免疫調節オリゴヌクレオチド23(配列番号23)または27(配列番号27)を注射したマウスよりも大きな脾臓重量の増加をもたらしたことを示す。さらなるin vivoのサイトカイン誘発プロフィールの試験は、dFまたはΨ−イソ−dC修飾物を含有したマウスおよびヒト特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド両方が、免疫調節オリゴヌクレオチド投与4時間後にマウスにおけるIL−12の上昇を誘発したことを明らかにした(図13B)。脾腫アッセイでみられたように、マウス特異的な免疫調節オリゴヌクレオチド22(配列番号22)は、免疫調節オリゴヌクレオチド23(配列番号23)よりも高いレベルのIL−12を誘発した。これらの結果は、両方の修飾物(dFまたはΨ−イソ−dC)に耐性があり、TLR9を活性化するが、免疫応答のレベルは異なること、また、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、独特の免疫応答プロフィールが生じることを実証する。
【0122】
例20:免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたヒトB細胞増殖
健康なヒトのボランティアから得られたPBMCから単離されたヒトB細胞を、さまざまな濃度の免疫調節オリゴヌクレオチドにより刺激し、3H−チミジン取込みを、シンチレーション測定により決定した(図14)。図14は、新規な塩基を含有する免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与により、塩基組成物および投与するオリゴヌクレオチドの量により様々である独特の細胞増殖プロフィールが生じることを実証する。
【0123】
例21:免疫調節オリゴヌクレオチドによるサイトカイン/ケモカイン誘発
IL−2R、IL−6、IL−8、TNF−α、MIP−1α、MIP−βおよびMCP−1の誘発を、ヒトPBMC細胞培養において免疫調節オリゴヌクレオチド26(配列番号26)、27(配列番号27)、28(配列番号28)、または対照免疫調節オリゴヌクレオチド29(配列番号29)により決定した(表5)。
【表6】
【0124】
例22:CpGモチーフ中にdFまたはΨ−イソ−dCを含有する免疫調節オリゴヌクレオチドは、ヒトPBMCおよびB細胞を活性化する
dFまたはΨ−イソ−dC修飾物を有する免疫調節オリゴヌクレオチドのヒトPBMCを活性化させるおよびサイトカイン生成を誘発する能力を、さらに試験した。これらのアッセイにおいて、ヒト特異的なモチーフを含有した免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)を使用した(表4A)。免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)は両方、対照29(配列番号29)よりも、IL−2R、IL−6、IL−8、TNF−α、MIP−1α、MIP−βおよびMCP−1を誘発し(表5)、修飾物は耐性があり、ヒトTLR9を活性化することを実証した。免疫調節オリゴヌクレオチド27(配列番号27)および28(配列番号28)は両方、対照の免疫調節オリゴヌクレオチド29(配列番号29)と比較して用量依存性B細胞増殖を誘発した(図14)。
【0125】
同等物
前述の発明が、明確化および理解を目的として詳細に記載されている一方、当然のことながら、当業者であれば、本発明の開示を読むことにより、形態および詳細のさまざまな変形を、本発明の真の範囲および特許請求の範囲から逸脱することなく想到することができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す図である。
【図2】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成に好適な一群の代表的な小分子リンカーを表す図である。
【図3】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの直線的合成のための合成スキームを表す図である。
【図4】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの平行合成のための合成スキームを表す図である。
【図5A】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図5B】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図5C】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図5D】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウス脾臓細胞培養におけるIL−12およびIL−6レベルを示す図である。
【図6A】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のヒトPBMC培養におけるIL−6レベルを示す図である。
【図6B】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のヒトPBMC培養におけるIL−10レベルを示す図である。
【0127】
【図7】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のHEK293細胞におけるTLR9活性を、それらのNF−κB活性により測定し、示す図である。
【図8】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの皮下(s.c.)投与後のC57BL/6マウスにおけるIL−12レベルを示す図である。
【図9】本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のC57BL/6マウスにおける脾臓重量を示す図である。
【図10】図10A〜図10Dは本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与後のOVA感作マウス脾臓細胞におけるIL−5、IL−12、IL−13およびIFN−γレベルを示す図である。
【図11】免疫調節オリゴヌクレオチドおよび対照化合物10mg/mlの濃度による、マウスTLR9を発現するHEK293細胞の活性を実証する図である。
【図12】図12A〜図12BはC57BL/6マウス脾臓細胞培養における本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによるサイトカイン分泌の誘発を実証する図である。
【図13】図13Aは動物がs.c.投与で免疫調節オリゴヌクレオチド、対照化合物、またはPBSを受けた72時間後の脾腫を実証する図である。図13Bは動物がs.c.投与後に免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたIL−12分泌を実証する図である。
【図14】免疫調節オリゴヌクレオチドにより誘発されたヒトB細胞増殖を実証する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式CGで表される少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドであって、式中、Cはシトシン、2’−デオキシシトシン、N3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCであり、Gはグアノシン、2’−デオキシグアノシン 2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、アラビノグアノシンまたはN1−メチル−dGであり、ただしCがシトシンまたは2’−デオキシシトシンであるとき、GはN1−メチル−dGであり、さらにGがグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであるとき、CはN3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCである、前記免疫調節オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
構造
【化1】
を有し、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項1に記載の免疫調節オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
請求項1に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項4】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項1に記載の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、粘膜、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼薬および口腔洗浄薬から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
免疫調節オリゴヌクレオチドが、
【化2】
から選択され、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項1に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項8】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼薬および口腔洗浄薬から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
免疫調節オリゴヌクレオチドが、
【化3】
から選択され、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法であり、脊椎動物に請求項1に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、粘膜、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼薬および口腔洗浄薬から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
免疫調節オリゴヌクレオチドが、
【化4】
から選択され、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項15】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項16】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
式5’−ピリミジン−プリン−3’で表される免疫刺激ジヌクレオチドを含み、式中、ピリミジンがN3−メチル−dCであり、プリンが天然または修飾プリンヌクレオシドである、免疫調節オリゴヌクレオチド化合物。
【請求項19】
式5’−ピリミジン−プリン−3’で表される免疫刺激ジヌクレオチドを含み、式中、ピリミジンが天然または修飾ピリミジンヌクレオシドであり、プリンがN1−メチル−dGである、免疫調節オリゴヌクレオチド化合物。
【請求項20】
請求項18に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項21】
請求項19に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項22】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項18に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項19に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項18に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項19に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法であり、脊椎動物に請求項18に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法であり、脊椎動物に請求項19に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項30】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項19に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項34】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項35】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
式5’−ピリミジン−プリン−3’で表される免疫刺激ジヌクレオチドを含み、式中、ピリミジンがN3−メチル−dCであり、プリンがN1−メチル−dGである、免疫刺激オリゴヌクレオチド化合物。
【請求項39】
請求項38に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項40】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項38に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項38に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項42】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、脊椎動物に請求項38に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項43】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項38に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項44】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項45】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項1】
式CGで表される少なくとも1つの免疫調節ジヌクレオチドを含む免疫調節オリゴヌクレオチドであって、式中、Cはシトシン、2’−デオキシシトシン、N3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCであり、Gはグアノシン、2’−デオキシグアノシン 2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、アラビノグアノシンまたはN1−メチル−dGであり、ただしCがシトシンまたは2’−デオキシシトシンであるとき、GはN1−メチル−dGであり、さらにGがグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであるとき、CはN3−メチル−dC、dFまたはΨ−イソ−dCである、前記免疫調節オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
構造
【化1】
を有し、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項1に記載の免疫調節オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
請求項1に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項4】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項1に記載の免疫調節オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、粘膜、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼薬および口腔洗浄薬から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
免疫調節オリゴヌクレオチドが、
【化2】
から選択され、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項1に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項8】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼薬および口腔洗浄薬から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
免疫調節オリゴヌクレオチドが、
【化3】
から選択され、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法であり、脊椎動物に請求項1に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
投与経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、粘膜、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼薬および口腔洗浄薬から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
免疫調節オリゴヌクレオチドが、
【化4】
から選択され、ここで、C1=N3−メチル−dC、C2=dF、C3=Ψ−イソ−dC、G1=N1−メチル−dGおよびX=グリセロールリンカーである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項15】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項16】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
式5’−ピリミジン−プリン−3’で表される免疫刺激ジヌクレオチドを含み、式中、ピリミジンがN3−メチル−dCであり、プリンが天然または修飾プリンヌクレオシドである、免疫調節オリゴヌクレオチド化合物。
【請求項19】
式5’−ピリミジン−プリン−3’で表される免疫刺激ジヌクレオチドを含み、式中、ピリミジンが天然または修飾ピリミジンヌクレオシドであり、プリンがN1−メチル−dGである、免疫調節オリゴヌクレオチド化合物。
【請求項20】
請求項18に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項21】
請求項19に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項22】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項18に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項19に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項18に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項19に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法であり、脊椎動物に請求項18に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を予防する方法であり、脊椎動物に請求項19に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項30】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項19に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項34】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項35】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
式5’−ピリミジン−プリン−3’で表される免疫刺激ジヌクレオチドを含み、式中、ピリミジンがN3−メチル−dCであり、プリンがN1−メチル−dGである、免疫刺激オリゴヌクレオチド化合物。
【請求項39】
請求項38に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤。
【請求項40】
脊椎動物において免疫応答を生じさせるための方法であり、脊椎動物に請求項38に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、患者に請求項38に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項42】
脊椎動物における癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、ぜんそくまたは病原体により引き起こされる疾病を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であり、脊椎動物に請求項38に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項43】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項38に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項44】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントをさらに含む、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項45】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質、抗原、アレルゲン、化学療法剤またはアジュバントを投与することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−520502(P2009−520502A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547425(P2008−547425)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048362
【国際公開番号】WO2007/084237
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048362
【国際公開番号】WO2007/084237
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】
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