説明

DC−DCコンバーター

【課題】スイッチング方式の降圧タイプ、昇降圧タイプ、又は昇圧タイプのDC−DCコンバーターにおいて、DC−DCコンバーター動作させることなく、出力ノードVOUTもしくは出力ノードVOUTにつながる付加回路のGND短絡を検出可能とする。
【解決手段】入力直流電圧VINを所望の直流電圧に変換して出力ノードに出力するDC−DCコンバーター10aにおいて該出力ノードVOUTに接続された平滑コンデンサCONTと、該入力直流電圧を電源電圧とし、該平滑コンデンサを、該平滑コンデンサが該所望の電位を発生するよう充電するDC−DCコンバーター部1000と、該DC−DCコンバーター部の電流駆動能力より小さい電流駆動能力を有し、該出力ノードを充電する充電回路100とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC−DCコンバーターに関し、直流電圧をスイッチ素子のオンオフ動作により降圧、昇降圧、又は昇圧する降圧タイプ、又は昇降圧タイプ、又は昇圧タイプのスイッチング方式のDC−DCコンバーターにおける、出力側でのGND短絡を保護する保護機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から携帯電話などのバッテリー駆動の電気機器では、バッテリーの電圧を電気機器を構成する各種回路部で必要な電圧に変換する必要があり、このような直流電圧の変換には例えばスイッチング方式のDC−DCコンバーターが用いられており、また、バッテリ駆動以外の電気機器においても、効率のよい電圧変換を行うためにDC−DCコンバーターが用いられている。
【0003】
このようなDC−DCコンバーターにおいては、出力ノードもしくは出力ノードにつながる部品がGND短絡した状態でDC−DCコンバーターが動作した場合、入力電源からGND短絡した経路につながる部品に過電流が流れ、その電流値が部品の定格以上であった場合、この過電流により部品が破損したり、過熱により発煙あるいは発火したりする可能性がある。
【0004】
そこで、これらのDC−DCコンバーターでは、その出力ノード、もしくは出力ノードにつながる部品(例えば、トランジスタ、コイル、ショットキーダイオード、出力容量等)がGNDと短絡した場合にこれらの部品を保護する保護機能を搭載している。
【0005】
図9は、このような保護機能を搭載した従来の昇降圧タイプのDC−DCコンバーターを説明するブロック図である。
【0006】
このDC−DCコンバーター10は、第一電源電圧VINを所望の目標電圧に変換するDC−DCコンバーター部1000と、該DC−DCコンバーター部1000の出力ノードVOUTの電圧を、参照電源21aの基準電圧Vref2aと比較する比較器(COMP2)22aと、上記目標電圧を設定する抵抗分割回路30とを有している。
【0007】
また、DC−DCコンバーター10は、該比較器22aの出力と該抵抗分割回路30の出力とに基づいて、上記DC−DCコンバーター部1000を制御するDC−DCコンバーター制御回路(以下、単に制御回路ともいう。)200と、該制御回路200からの第一の制御電圧をレベルシフトして昇圧するレベルシフタ400と、上記第一電源電圧VINから、これより電圧の低い第二電源電圧VDDを生成するシリーズレギュレーター300とを有している。
【0008】
ここで、レベルシフタ400は、第一電源電圧VIN及び第二電源電圧VDDの両方が供給され、これらの電源電圧から上記DC−DCコンバーター部1000を構成するトランジスタQ1を制御するゲート電圧を出力するよう構成されている。また、このDC−DCコンバーター10の出力ノードVOUTには、負荷回路3000が接続されている。
【0009】
ここで、DC−DCコンバーター部1000は、第一電源電圧VINと接地電位との間に直列に接続された、抵抗Rs1、第一スイッチングトランジスタQ1及び第一ダイオードD1を有し、この抵抗Rs1が電源VIN側に接続され、第一ダイオードD1が接地側に接続され、第一スイッチングトランジスタQ1がこれらの間に接続されている。また、DC−DCコンバーター部1000は、これらのトランジスタQ1と第一ダイオードD1との接続ノード(第一内部ノード)LX1と、上記出力ノードVOUTとの間には直列に接続されたコイルL1及び第二ダイオードD2を有し、該コイルL1が上記接続ノードLX1側に接続され、第二ダイオードD2が出力ノードVOUT側に接続されている。また、DC−DCコンバーター部1000は、コイルL1と第二のダイオードD2との接続ノード(第二内部ノード)LX2と接地との間に接続された第二スイッチングトランジスタQ2と、該出力ノードVOUTと接地との間に接続された出力コンデンサCOUTとを有している。ここで、第一スイッチングトランジスタQ1はPMOSトランジスタであり、第二スイッチングトランジスタQ2はNMOSトランジスタであり、第一スイッチトランジスタQ1は、そのノードLX1側端子が高耐圧になるよう形成され、第二スイッチトランジスタQ2は、そのノードLX2側端子が高耐圧になるよう形成されている。
【0010】
また、上記抵抗分割回路30は上記接地と出力ノードVOUTとの間に直列に接続された第一及び第二分圧抵抗RFB1及びRFB2を有し、これらの分圧抵抗の接続点FBの電位が上記DC−DCコンバーター制御回路200にフィードバック電圧として出力されるようになっている。ここで、第二分圧抵抗RFB2は出力ノード側に接続され、第一分圧抵抗RFB1は接地側に接続されている。また、上記出力ノードVOUTには負荷回路3000が接続されている。
【0011】
このような構成のスイッチング方式のDC−DCコンバーター10では、第一電源電圧VINが供給されると、第一電源電圧VINがシリーズレギュレーター300及びDC−DCコンバーター1000に供給され、該レギュレータ300では第一電源電圧VINが第二電源電圧VDDに変換され、この第二電源電圧VDDがDC−DCコンバーター制御回路200及びレベルスシフタ400に供給される。
【0012】
降圧動作モードでは、第一スイッチングトランジスタQ1のゲートに、DC−DCコンバーター制御回路200からの制御信号(一定周期でDuty(デューティ)制御された駆動パルス)がレベルシフタ400を介して印加され、第一スイッチングトランジスタQ1がオンオフすることで、出力コンデンサCOUTには、抵抗分割回路30で設定した所望の電圧が出力される。つまり、DC−DCコンバーター制御回路200では、この抵抗分割回路30からフィードバック電圧VFBに基づいて、上記第一スイッチングトランジスタQ1の駆動パルスのDuty(デューティ)が調整される。なお、降圧動作モードでは、第二スイッチングトランジスタQ2はDC−DCコンバーター制御回路200からの制御電圧によりオフ状態に保持される。
【0013】
また、昇圧動作モードでは、第二スイッチングトランジスタQ2のゲートに、DC−DCコンバーター制御回路200からの制御電圧(一定周期でDuty制御された駆動パルス)が印加され、第二スイッチングトランジスタQ2がオンオフすることで、出力コンデンサCOUTには、抵抗分割回路30で設定した所望の電圧が出力される。つまり、DC−DCコンバーター制御回路200では、この抵抗分割回路30からフィードバック電圧VFBに基づいて、上記第二スイッチングトランジスタQ2の駆動パルスのDuty(デューティ)が調整される。なお、昇圧動作モードでは、第一スイッチングトランジスタQ1はDC−DCコンバーター制御回路200からの制御電圧によりオン状態に保持される。
【0014】
また、このようなDC−DCコンバーター1000の動作開始時には、DC−DCコンバーター制御回路200は、比較器22aからの比較出力に基づいて、動作開始から予め設定されている設定時間が経過するまでに、出力ノードVOUTの電圧が参照電圧Vref2aよりも大きくなるか否かを判定している。また、DC−DCコンバーター制御回路200は、設定時間が経過しても、出力ノードVOUTの電圧が参照電圧Vref2aよりも大きくならない場合は、GND短絡は生じていると判断し、一方、設定時間が経過するまでに、出力ノードVOUTの電圧が参照電圧Vref2よりも大きくなったときは、GND短絡が生じていないと判定する。GND短絡が生じていると判定したときは、DC−DCコンバーター制御回路200は、例えば、DC−DCコンバーター部への電源電圧の供給を停止する(トランジスタQ1をOFFする)。
【0015】
このように従来のDC−DCコンバーター10では、DC−DCコンバーターの出力ノードVOUTがGND短絡したことを検出するためには、一度DC−DCコンバーターを起動した後、一定時間経過したときに、出力ノードVOUTの電圧が所定電圧を超えたか超えてないかでGND短絡を確認するというものが一般的である。
【0016】
このような出力短絡保護機能を実現する保護回路としては、特許文献1〜3にも上記図9で説明したDC−DCコンバーターの保護機能と同様、一旦、スイッチング電源を動作させることで、出力端子の状態を確認し、GND短絡があった場合、スイッチング(出力への電流供給)を止めるという保護回路の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開昭63−274363号公報
【特許文献2】特開昭62−16019号公報
【特許文献3】特開平11−136853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来の保護回路の方式では、DC−DCコンバーターの起動後、出力ノードVOUTの電圧が所定電圧を超える(所定電圧まで出力ノードを充電する)までの時間、DC−DCコンバーターを動作させる必要があり、この時、出力ノードVOUTがGNDに短絡していた場合、その期間中は短絡経路に向けて過電流が流れ続けるため、DC−DCコンバーターの構成部品がダメージを受ける可能性がある。
【0019】
また、回路動作中に、出力ノードVOUTがGNDに短絡した場合、GND短絡の判定結果を確認するため、出力ノードVOUTの電圧が判定電圧以下になってから一定期間の間、判定電圧以下の状態が継続することを、DC−DCコンバーターを動作させた状態で確認する必要がある。このため、その期間中、短絡経路に向けて過電流が流れ続け、DC−DCコンバーターの構成部品がダメージを受ける可能性がある。
【0020】
また、DC−DCコンバーターの動作を継続する時間は回路条件(入力電圧、発振周波数、DC−DCコンバーター部の回路定数)によって変更が必要であり、その値が適正値に対し短い場合は誤判定を起こし、適正値に対して長い場合は部品がダメージを受ける時間が延びるという問題がある。
【0021】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、DC−DCコンバーター部を動作させることなく、出力ノード、もしくは出力ノードにつながる部品のGND短絡を検出することができ、DC−DCコンバーター部の構成部品がダメージを受けることを回避することができるDC−DCコンバーターを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係るDC−DCコンバーターは、入力直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力ノードに出力するDC−DCコンバーターであって、該出力ノードに接続された平滑コンデンサと、該入力直流電圧を電源電圧とし、該平滑コンデンサを、該平滑コンデンサが該所望の電位を発生するよう充電するDC−DCコンバーター部と、該DC−DCコンバーター部の電流駆動能力より小さい電流駆動能力を有し、該出力ノードを充電する充電回路とを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記出力ノードの電圧と第一基準電圧とを比較する第一比較器を有し、該出力ノードの電圧が、該第一基準電圧以下である場合、前記DC−DCコンバーター部を停止させ、該出力ノードの電圧が該第一基準電圧より高い場合、該DC−DCコンバーター部を動作させることが好ましい。
【0024】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記出力ノードの電圧が、前記第一基準電圧以下である場合、前記充電回路による前記出力ノードの充電を行い、該第一基準電圧より高い場合、前記充電回路による該出力ノードの充電を停止させることが好ましい。
【0025】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記出力ノードの電圧に拘わらず、前記充電回路による該出力ノードの充電を常に行うことが好ましい。
【0026】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記出力ノードの電圧と第二基準電圧とを比較する第二比較器を有し、前記出力ノードの電圧が第二基準電圧以下であるときは第一エラー信号を出力することが好ましい。
【0027】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記第一基準電圧と第二基準電圧とを同電圧としたことが好ましい。
【0028】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記第一エラー信号を該DC−DCコンバーターの外部に出力するための第一エラー出力端子を有することが好ましい。
【0029】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記充電回路の電源と前記DC−DCコンバーター部の電源とを共通とする回路構成を用いていることが好ましい。
【0030】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記入力電源電圧を調整するシリーズレギュレーターを備え、前記充電回路の電源電圧は、該シリーズレギュレーターから供給する回路構成を用いていることが好ましい。
【0031】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記充電回路は定電流源回路により構成されていることが好ましい。
【0032】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記充電回路は、抵抗素子により構成されていることが好ましい。
【0033】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記充電回路は、該充電回路による前記出力ノードの充電を開始あるいは停止するスイッチを有し、該スイッチはNMOSトランジスタのみで構成されていることが好ましい。
【0034】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記DC−DCコンバーター部を、前記入力電源電圧と第一内部ノードとの間に直列に接続された、該入力電源電圧側の抵抗素子及び該第一内部ノード側の第一スイッチと、該第一内部ノードから前記出力コンデンサへの充電経路に設けられたコイルとを有する回路構成とし、該抵抗素子と該第一スイッチとの接続ノードの電圧を第三基準電圧と比較する第三比較回路をさらに備え、該第三比較回路の比較結果に基づいて該抵抗素子の両端の短絡を判定することが好ましい。
【0035】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、該第一の内部ノードの電圧を第四基準電圧と比較する第四比較回路をさらに備え、前記充電回路の充電により、該第一内部ノードである前記第一スイッチのコイル接続側の端子に発生した電圧に応じて、該第一スイッチの両端の短絡を判定することが好ましい。
【0036】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記DC−DCコンバーター部の動作開始条件を、前記出力ノードの電圧が前記第一基準電圧より高く、かつ、前記第一内部ノード電圧が、前記第四基準電圧より低い場合とし、DC−DCコンバーター部の動作停止条件を、前記出力ノードの電圧が前記第一基準電圧より低い場合とすることが好ましい。
【0037】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記第二比較器及び前記第四比較器の出力結果に応じて、前記第一スイッチの両端の短絡状態を示す第二エラー信号を外部に伝達する第二エラー出力端子を有することが好ましい。
【0038】
本発明は、上記DC−DCコンバーターにおいて、前記DC−DCコンバーター部を起動する前に、前記充電回路により前記出力ノードに接続されている平滑コンデンサを充電することで、該DC−DCコンバーター部を起動した時に該平滑コンデンサに向けて流れる突入電流を抑制することが好ましい。
【0039】
本発明に係る制御システムは、述した本発明に係るDC−DCコンバーターを制御する制御システムであって、前記第一あるいは第二エラー出力信号を入力信号とするマイクロコンピュータを備え、該マイクロコンピュータが、一定時間以上、前記第一あるいは第二エラー信号が継続したことを検出したとき、該マイクロコンピュータからの制御信号により、前記DC−DCコンバーターの電源をシャットダウンするものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0040】
本発明に係る制御システムは、本発明に係る制御信号ステップは、上述した本発明に係るDC−DCコンバーターを制御する制御システムであって、タイマー回路を有し、該タイマー回路によって、一定時間以上、前記第一あるいは第二のエラー出力が継続したことを検出したとき、前記DC−DCコンバーターの電源をシャットダウンするものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0041】
本発明の作用について説明する。
【0042】
本発明においては、DC−DCコンバーターの出力ノードを充電する充電経路として、DC−DCコンバーターによる従来の充電経路とは別に、充電回路による充電経路を有することとなり、回路起動時は、出力ノードの電圧が所定電圧を超えるまで、DC−DCコンバーターではなく、別途設けた充電回路により出力ノード、つまりこの出力ノードに接続されている平滑コンデンサを充電し、出力ノードの電圧が所定電圧を超えると、充電回路からの充電を停止し、DC−DCコンバーターを動作させる。
【0043】
但し、充電回路の充電電流がDC−DCコンバーターの制御に影響を与えない程度に少ない場合、もしくは、出力ノードの電圧に影響を及ぼさないレベルで充電回路による充電電圧に電圧リミッタがかかる場合は、充電回路を停止する必要はない。
【0044】
また、出力VOUTが所定電圧以下になるとDC−DCコンバーターを停止し、充電回路からの充電を始める。
【0045】
このような構成では、DC−DCコンバーターの起動時、既に出力ノードVがGNDに短絡していた場合、出力ノードの電圧が上昇しないため、DC−DCコンバーター部は動作せず、電源から出力ノードに至る経路に過電流が流れるのを回避できる。
【0046】
また、DC−DCコンバーターの動作中に出力ノードVOUTがGND短絡した場合でも、従来は、GND短絡の判定結果を確認するために、GND短絡の検出後も一定期間の間、DC−DCコンバーター部の動作を継続する必要があったが、本発明では、判定直後にDC−DCコンバーター部の動作を停止し、別途設けた、DC−DCコンバーター部より駆動能力の小さい充電回路100により、出力ノードを充電する状態にし、この状態で判定結果の確認を行うため、過電流が流れる時間を少なくできる。
【0047】
また、回路起動時にGND短絡判定を開始するまでの時間の設計、およびDC−DCコンバーター動作中にGND短絡判定結果を確認するための時間の設計をする必要もなくなる。この結果、従来、判定時間のカウントを行うためにタイマー回路を制御回路などに内蔵していた場合は、そのタイマー回路を削減することも可能となる。
【0048】
また、従来回路では、GND短絡検出状態をラッチする、つまりDC−DCコンバーターの動作を停止することでしか、過電流を止めることができなかったが、本発明では、DC−DCコンバーターにおいて、DC−DCコンバーター部の他にDC−DCコンバーター部より駆動能力の小さい充電回路を設けているので、DC−DCコンバーターが停止するようGND短絡検出状態をラッチする設計と、DC−DCコンバーターが通常動作に復帰できるようGND短絡検出状態をラッチしない設計の両方で過電流を止めることができるようになる。
【0049】
つまり、具体的には、GND短絡検出状態をラッチしない設計は、GND短絡判定によりGND短絡が生じていると判定された場合には、DC−DCコンバーター部の動作は停止するが、充電回路の動作は停止せずにこの充電回路により出力ノードVOUTの充電を行う設計であり、GND短絡が検出された場合にも、DC−DCコンバーターの動作を完全に停止させないものである。
【0050】
一方、GND短絡検出状態をラッチする設計は、GND短絡判定によりGND短絡が生じていると判定された場合には、DC−DCコンバーター部の動作は停止し、さらに、充電回路の動作をも所定時間後に停止させるようにする設計であり、GND短絡が検出された場合には、DC−DCコンバーターの動作を完全に停止させるものである。
【0051】
そして、GND短絡検出状態をラッチしない設計にすることで、GND短絡が解消された場合や、ノイズによりGND短絡を誤判定してしまった場合、DC−DCコンバーターを構成するLSIチップにその外部からリセット信号を入力せずとも、自動で、DC−DCコンバーターの回路動作を通常状態に復帰させることが可能となる。
【0052】
また、本発明のDC−DCコンバーターでは、あらかじめ充電回路から所定電圧を超える電荷を出力平滑コンデンサに充電してから、DC−DCコンバーターの動作が開始されることとなり、この所定電圧の充電によりDC−DCコンバーターの動作開始時に、出力平滑コンデンサに向けて流れ込む突入電流量を低減することができる。
【発明の効果】
【0053】
以上のように、本発明に係るDC−DCコンバーターによれば、DC−DCコンバーター部を動作させることなく、出力ノードもしくは出力ノードにつながる負荷のGND短絡を検出することができ、DC−DCコンバーター部の構成部品がダメージを受けるのを回避することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明の実施形態1によるDC−DCコンバーターを説明する図であり、図1(a)は、該DC−DCコンバーターの回路構成を示し、図1(b)は充電回路にアナログスイッチを用いた例を示し、図1(c)は充電回路にカレントミラー回路を用いた例を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態2によるDC−DCコンバーターを説明する図であり、図2(a)は、該DC−DCコンバーターの回路構成を示し、図2(b)は第二比較器の構成例を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態3によるDC−DCコンバーターを説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターを説明する図であり、図4(a)は、該DC−DCコンバーターの回路構成を示し、図4(b)は第二比較器の詳細な構成を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターにおける、短絡がない場合の起動波形を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターにおける、安定動作中にGND短絡が発生した場合の波形を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターにおける、GND短絡時の起動波形を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターにおける、VIN−LX1短絡時の起動波形を示す図である。
【図9】図9は、保護機能を搭載した従来の昇降圧タイプのDC−DCコンバーターを説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0056】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1によるDC−DCコンバーターを説明する図であり、図1(a)は、該DC−DCコンバーターの回路構成を示し、図1(b)は充電回路にアナログスイッチを用いた例を示し、図1(c)は充電回路にカレントミラー回路を用いた例を示している。
【0057】
この実施形態1のDC−DCコンバーター10aは、図9に示す従来のDC−DCコンバーター10の構成に加えて、出力ノードVOUTを充電する充電回路100を備えたものであり、この充電回路100は、シリーズレギュレーター300の出力と第一内部ノードLX1との間に直列に接続された抵抗Rc及びスイッチQ3を有し、抵抗Rcはシリーズレギュレーター300の出力側に接続され、スイッチQ3は接続ノードLX1側に接続されている。このスイッチQ3は、内部ノードLX1側端子を高耐圧化したNMOSトランジスタで構成されている。また、この実施形態1のDC−DCコンバーター10aでは、従来のDC−DCコンバーター10における比較器22に代わる第一比較器12を有しており、この実施形態1のDC−DCコンバーター制御回路200aは、従来のDC−DCコンバーター10におけるDC−DCコンバーター制御回路200の機能に加えて、第一比較器12での参照電源11の第一基準電圧Vref1と出力ノードの電圧VOUTとの比較結果に応じて、充電回路100による充電モードと、DC−DCコンバーター部1000による電圧変換モードとを切り替えるよう構成されている。
【0058】
なお、ここでは、上記充電回路100はスイッチQ3をNMOSトランジスタで構成しているが、スイッチQ3は、図1(b)に示すように、PMOSトランジスタQ3aとNMOSトランジスタQ3bとを並列接続してなるアナログスイッチとしてもよい。この場合、スイッチQ3を単一のNMOSトランジスタで構成した場合に比べて、スイッチのオンオフ特性を改善することができる。
【0059】
また、上記充電回路100は、図1(c)に示すようにカレントミラー回路100aで構成してもよい。つまり、このカレントミラー回路100aは、シリーズレギュレーター300の出力と接地との間に直列に接続された、レギュレータ側のPMOSトランジスタQ31と接地側の定電流源Aと、シリーズレギュレーター300の出力と上記第一内部ノードLX1との間に直列に接続された、レギュレータ側のPMOSトランジスタQ32と内部ノードLX1側のNMOSトランジスタQ33とから構成されている。このNMOSトランジスタは、内部ノードLX1側端子を高耐圧化したものである。
【0060】
以下、本実施形態1のDC−DCコンバーター10aについて詳述する。
【0061】
本実施形態1のDC−DCコンバーター10aは、短絡保護回路を備えたスイッチング方式のDC−DCコンバーターであり、このDC−DCコンバーター10aを構成するDC−DCコンバーター部1000は、降圧、昇降圧、昇圧のすべてのモードに対して対応可能な回路構成としている。
【0062】
このDC−DCコンバーター1000は、図1(a)に示すように、電流検出抵抗Rs1、PMOSトランジスタからなる第一スイッチQ1、NMOSトランジスタからなる第二スイッチQ2、コイルL1、第一ショットキーダイオードD1、第二ショットキーダイオードD2、出力ノードVOUTの平滑コンデンサ(平滑容量)COUTを有している。電流検出抵抗Rs1はDC−DCコンバーターの電源VINと第一スイッチQ1との間に接続されており、第一スイッチQ1の電流検出抵抗Rs1に接続されていない方の端子は、コイルL1と第一ショットキーダイオードD1のカソードの接続ノード(第一内部ノードLX1)に接続されている。第一ショットキーダイオードD1のアノード側はGNDに接続されている。コイルL1のノードLX1と反対側の端子をノード(第二内部ノード)LX2とする。ノードLX2には第二スイッチQ2と第二ショットキーダイオードD2のアノード側が接続されている。第二スイッチQ2のノードLX2と反対側の端子はGNDに接続されている。第二ショットキーダイオードD2のカソード側の端子はDC−DCコンバーター部1000の出力ノードVOUTであり、この出力ノードVOUTとGNDの間には、平滑コンデンサCOUTが接続されている。
【0063】
このDC−DCコンバーター部1000は、DC−DCコンバーター制御回路200からの制御信号によりスイッチQ1及びQ2をスイッチングさせることで、出力ノードVOUTの電圧を制御する。
【0064】
降圧モードでは、スイッチQ1のみをスイッチングさせる。このモードでは、スイッチQ2を常時OFF状態にしておく。また、昇降圧モードではスイッチQ1及びQ2をスイッチングさせる。昇圧モードでは、スイッチQ2のみをスイッチングさせる。この昇圧モードでは、スイッチQ1は、DC−DCコンバーター動作時には常時ON状態にしておく。
【0065】
また、図1に示すDC−DCコンバーター10aでは、DC−DCコンバーター制御回路200の出力が電源電圧VDDであるのに対し、第一スイッチQ1はソース端子の接続先の最高電圧が電源電圧VINであるPMOSトランジスタで構成されているため、このPMOSトランジスタを完全にOFFさせるための制御信号を作る必要がある。このため、このDC−DCコンバーター10aでは、DC−DCコンバーター制御回路200からの制御信号のレベルを、電源電圧VDDレベルから電源電圧VINレベルに変換するレベルシフタ400を通して、スイッチQ1を制御するようにしている。
【0066】
このような構成の本実施形態1のDC−DCコンバーター10aでは、DC−DCコンバーター部1000の代わりに出力ノードVOUTを充電する充電回路100と、出力ノードVOUTの電圧をモニターし、基準電圧11(Vref1)と比較する比較器12(COMP1)とを備え、比較器12(COMP1)の出力をDC−DCコンバーター制御回路200に入力することで、充電回路100とDC−DC回路1000の動作を制御するようにしている。
【0067】
このため、本実施形態1のDC−DCコンバーター10aでは、出力ノードVOUTの電圧が基準電圧11(Vref1)以下であれば、DC−DCコンバーター部1000を停止させ、充電回路100より出力ノードVOUTの充電を行い、出力ノードVOUTの電圧が基準電圧11(Vref1)より高くなれば、充電回路100による出力ノードVOUTの充電を停止し、DC−DCコンバーター回路1000の動作を開始する。
【0068】
なお、上記実施形態では、出力ノードVOUTの電圧が基準電圧11(Vref1)より高ければ、充電回路100による出力ノードVOUTの充電を停止しているが、これに限るものではない。
【0069】
例えば、上記充電回路100の充電電流がDC−DCコンバーター部による電圧変換動作に影響を与えないぐらい少ない場合、または、充電回路100による出力コンデンサの充電電圧が、DC−DCコンバーターの出力電圧以下で電圧リミットがかかっている場合に限り、充電回路100による充電を制御する必要がなく、このため、充電回路は常時充電状態にするようにしてもよい。これにより、充電回路を制御する機構と制御信号線を削減できるという効果がある。
【0070】
なお、出力ノードVOUTがGNDに短絡し、出力ノードの電圧VOUTが上昇しなかった場合、上記DC−DCコンバーター10aの回路システムでは、DC−DCコンバーター部1000の動作による過電流が発生しなくなる代わりに、上記充電回路100の電流が、GND短絡状態が解消されるまで流れ続けることとなる。そこで、GND短絡した場合の、上記消費電流を停止する対策を講じた実施形態を以下に実施形態2として説明する。
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2によるDC−DCコンバーターを説明する図であり、図2(a)は、該DC−DCコンバーターの回路構成を示し、図2(b)は第二比較器の詳細な構成を示している。
【0071】
この実施形態2によるDC−DCコンバーター10bは、実施形態1のDC−DCコンバーター10aにおいて、出力ノードVOUTの電圧を第二基準電源21の電圧(Vref2)と比較する第二比較器22を備え、さらに、実施形態1のDC−DCコンバーター制御回路200aに代えて、この制御回路200aの機能に加えて、該第二比較器22の出力に基づいてエラー信号(ERROR)を出力するDC−DCコンバーター制御回路200bを備えたものである。また、このDC−DCコンバーター10bでは、上記エラー信号を、LSIチップとして構成されたDC−DCコンバーターの外部に出力するためのエラー出力端子が設けられている。ここで、エラー信号は、GND短絡異常を示すものであり、エラー出力端子から出力されたエラー信号は、マイクロコンピュータなどの外部の制御部に伝達される。そして、この実施形態では、DC−DCコンバーター10bは、マイクロコンピュータが、このエラー信号が定時間以上継続することを検出したとき、上記マイクロコンピュータによりDC−DCコンバーターの電源がシャットダウンされるよう構成されている。これにより、充電回路100の充電動作が止まることとなる。
【0072】
なお、DC−DCコンバーターの電源のシャットダウンは、制御回路200bのエラー出力端子から出力されたエラー信号に基づいて外部のマイクロコンピュータで行う場合に限定されるものではなく、例えば、上記DC−DCコンバーター制御回路200b内にタイマーを内蔵し、一定期間以上、出力ノードの電圧VOUTの上昇が確認できなければ、上記第二比較器22からのエラー信号を受けた制御回路200bにより、DC−DCコンバーターの電源をシャットダウン状態にするようにしてよい。これにより、充電回路100の充電動作が止まることとなる。
【0073】
上記のように、出力ノードの電圧の上昇が一定期間以上の間確認できない場合には、DC−DCコンバーターの電源をシャットダウンする機能を追加することにより、GND短絡時に充電回路100が短絡状態の出力ノードに流す充電電流すら停止することが可能になるという効果がある。
【0074】
なお、上記基準電源22の電圧(Vref2)は、誤シャットダウンを防止するために、基準電源21の電圧、つまりモード切替え判定用の基準電圧(Vref1)以上とする。
【0075】
また、上記実施形態では詳しく述べていないが、この実施形態1及び2のDC−DCコンバーター制御回路200aおよび200bは、その入力端子FBに入力される電圧レベルに応じてDC−DCコンバーターのスイッチングDuty(周期固定の場合)、又は周期(ON時間固定の場合)の制御を行う機能を有しており、この入力端子FBからの信号(FB信号ともいう。)として、出力ノードVOUTの電圧を抵抗RFB1及び抵抗RFB2により分圧した電圧を使用することで、RFB1:RFB1+RFB2の比によって、出力ノードVOUTの出力電圧の設定ができる。この出力ノードVOUTの電圧をモニターするためのノード(つまり、電源電圧低下検出電圧用ノードUVP、及びフィードバック電圧用ノードFB)を出力ノードVOUTの抵抗分圧で作製することにより、第二比較器22(COMP2)や制御回路200を低耐圧部品で構成できるというさらなる効果が得られる。
【0076】
図2(b)は、出力ノードVOUTの電圧を抵抗分割してモニター信号(UVP信号)を作成するための構成を、第二比較器を例に挙げて示している。なお、図中222は、第二比較器の出力を反転してエラー信号(ERROR)を出力するインバータである。
【0077】
このような回路構成を用いることにより、抵抗分圧比(RUVP1:RUVP1+RUVP2、RFB1:RFB1+RFB2)を調整することで、容易に出力ノードVOUTの電圧の設定電圧や、第二比較器22がエラー出力信号ERRORを出力するための参照電位(設定電圧)を調整できるというさらなる効果が得られる。
【0078】
また、上記、ERROR出力判定するための基準電圧21(Vref2)を、モードの切替え判定電圧11(Vref1)と同じ電圧値にすることで、GND短絡判定用比較器22(COMP2)とRUVP1とRUVP2を削減した回路構成にすることが可能になる。
【0079】
また、実施形態1及び2では、DC−DCコンバーター制御回路200と充電回路100は、電源電圧を電源電圧VINとするシリーズレギュレーター300の出力電圧VDDを電源電圧として使用する構成としており、充電回路100は、電源電圧(VDD)を電流チャージ用の抵抗Rcにつなぎ、この抵抗Rcのもう一方の端子は、充電回路100の接続スイッチQ3を介してノードLX1につなぐ構成となっている。
【0080】
上記実施形態1及び2のDC−DCコンバーターでは、充電回路100の接続スイッチQ3として、そのLX1側の端子を高耐圧化した高耐圧のNMOSトランジスタを使用しており、このNMOSトランジスタQ3の耐圧を、その接続先の最高電位以上とすることで充電回路100の停止時(つまりDC−DCコンバーター部の動作時)に、充電回路100に向けて電流が逆流しない回路を実現している。
【0081】
上記実施形態1及び2では、NMOSトランジスタQ3の接続先をノードLX1としているため、上記NMOSトランジスタQ3の耐圧は、ノードLX1の最高電位となる電源電圧VIN以上の耐圧が必要となるが、NMOSトランジスタQ3の接続先をノードLX2とする場合は、ノードLX2の最高電位(つまり、出力ノードVOUTの最大出力電圧+ショットキーダイオードD2の閾値電圧Vf)以上の耐圧が必要となる。但し、実施形態1及び2のDC−DCコンバーターでは、DC−DCコンバーター制御回路200の電源電圧を電圧VDDとしているため、NMOSトランジスタQ3をONするためのゲート電圧も電圧VDDであることから、出力ノードVOUTを充電できる最大電圧値は、[電圧VDD−NMOSトランジスタのスレッショルド電圧Vt−ショットキーダイオードD2の閾値Vf]で示される電圧でリミットがかかっている状態となり、参照電源11の基準電圧(Vref1)は最高でも、上記電圧値以下に設定しなければならない。
【0082】
また、上記参照電源11の基準電圧(Vref1)の電圧設定値の制限を[VIN−NMOSトランジスタのスレッショルド電圧Vt−ショットキーダイオードD2のVf]まで広げるための手法として、充電回路100の接続スイッチQ3をアナログスイッチ(図1(b)参照)で構成するという方法がある。ただし、この場合は、スイッチQ3がOFFした時に、スイッチQ3の接続先のノードLX1から充電回路100へ向けての電流の逆流を防止するための条件として、スイッチQ3の接続先であるノードLX1の最高電位(電源電位VIN)以上の電圧が、スイッチQ3のOFF信号として要求されるため、スイッチQ3の制御信号(ゲート信号)の電圧レベルを電源電圧VDDから電源電圧VINに変換するレベルシフタ回路の追加が必要となる。
【0083】
本発明の実施形態2の回路システムにおいては、この充電回路100の電流能力と、基準電圧(Vref1)と、出力コンデンサCOUTの容量値が、DC−DCコンバーターの電源投入からDC−DCコンバーター部の起動が開始されるまでの時間を設計する主な設計要素となる。
【0084】
実施形態2のように、充電回路100を電流制限抵抗Rcを用いて設計した場合、DC−DCコンバーターの電源投入からDC−DCコンバーター部の動作開始までの時間Tは、電流制限抵抗Rcの接続先の電源電圧と基準電圧(Vref1)の比と、CRの時定数の式から計算できる。(但し、モード切替えスイッチ(トランジスタQ3)のON抵抗と、負荷回路2000等の負荷電流を考慮していない。)
例1:電圧比が10%ならT=0.1τ=0.1×V(COUT)×V(Rcharge)
例2:電圧比が63%ならT=τ= V(COUT)×V(Rcharge)
例3:電圧比が90%ならT=2.3τ=2.3× V(COUT)×V(Rcharge)
ここで、V(COUT)は出力コンデンサCOUTの容量を示し、V(Rcharge)は電流制限抵抗Rcの抵抗値を示している。
【0085】
また、上記充電回路100を図1(c)に示すように、定電流源回路で設計した場合、DC−DCコンバーターの電源投入からDC−DCコンバーター部の動作開始までの時間Tは、V(COUT)×Vref1÷V(Icharge)の式で設計できる。(但し、V(Icharge)は充電回路の定電流値とし、計算条件は負荷回路2000等の負荷電流を考慮していない。)
このように起動時間に関するパラメーターである、電流制限抵抗Rcの接続先の電源電圧を、電源電圧VINやシリーズレギュレーター300の出力電圧VDDから選ぶこと、また、充電回路100の回路構成を、抵抗を含む回路構成や定電流源回路から選ぶことで、起動時間の設計を容易にできるという効果が得られる。
【0086】
また、出力ノードの電圧VOUTが低下している状態から、出力ノードVOUTの電圧を上昇(自動復帰)させるためには、充電回路100は、出力ノードVOUTに接続される負荷回路2000、フィードバック入力端子FB、抵抗分割回路を構成する抵抗(例えば、抵抗RFB1、RFB2、RUVP1、RUVP2)が電流を引いても、基準電圧(Vref1)以上の電圧を発生させる必要があるが、負荷回路2000の消費電流によっては実現が困難となる可能性もある。
【0087】
例えば、充電回路100の充電電流に対し、負荷回路2000の消費電流が多く、自動復帰設計が不可能な場合が考えられるが、この場合の対策案として、負荷回路2000にスタンバイ端子がある場合に限り、出力ノードVOUTの電圧の低下を外部に伝達するためのエラー信号ERRORを、負荷回路2000のスタンバイ入力端子に入力することによって、出力ノードVOUTの電圧の低下時には、負荷回路2000がシャットダウンされ、負荷電流をほぼゼロにすることで、出力ノードVOUTの電圧の自動復帰設計が可能となる。
【0088】
また、負荷回路2000が発光ダイオードLEDである場合は、[LEDの閾値Vf×直列数]で示される電圧以上に出力ノードVOUTの電圧が上昇するまで、負荷電流が流れないため、モード切替え電圧、つまり参照電圧(Vref1)を、上記[LEDの閾値Vf×直列数]の値の半分以下程度にしておけば、負荷電流を停止する機構は不要と考えられる。
【0089】
また、負荷回路2000が発光ダイオード(LED)である場合、フィードバック電圧としては以下の電圧を用いる。通常、発光ダイオードの駆動回路には、発光ダイオードと直列に接続された定電流回路を有するものと、発光ダイオードと直列に接続された電流設定用抵抗を有するものとがある。そこで、定電流源を有する駆動回路では、発光ダイオードのカソード側の、定電流源に接続された端子の電圧をフィードバック電圧として用いる。また、抵抗素子を有する駆動回路では、発光ダイオードの、電流設定用抵抗との接続ノードの電圧をフィードバック電圧として用いる。このようなフィードバック電圧をDC−DCコンバーター制御回路に帰還として返すことで、消費電力を最適な状態に自動調整することが可能となる。
【0090】
フィードバック電圧VFBをつくるための抵抗(RFB1、RFB2)の抵抗値の設計に関しては、充電電流設計値に対して、抵抗分割の経路に流れる電流値は十分小さい方がよいため、抵抗の値は大きくすることが望ましい。
【0091】
また、出力ノードVOUTの電圧が低下している状態から、通常のDC−DCコンバーター動作状態にするための条件として、上記充電回路100が出力できる最大電圧よりも、基準電圧(Vref1)を低く設定する必要があることは言うまでもない。
(実施形態3)
図3は、本発明の実施形態3によるDC−DCコンバーターを説明する図である。
【0092】
この実施形態3のDC−DCコンバーター10cは、実施形態2のDC−DCコンバーター10bにおいて、抵抗Rs1とスイッチQ1との接続ノードの電圧を第三基準電源31の電圧(Vref3)と比較する第三比較器32を備え、さらに、実施形態2のDC−DCコンバーター制御回路200bに代えて、この制御回路200bの機能に加えて、該第三比較器32の出力に基づいて、スイッチQ1を制御するDC−DCコンバーター制御回路300cを備えたものである。
【0093】
つまり、この実施形態3のDC−DCコンバーター10cでは、DC−DCコンバーター部1000における、電流検出抵抗Rs1と第一スイッチQ1との接続ノードの電圧と、第三参照電源31の基準電圧(Vref3)とが、比較器32(COMP3)によって比較され、その判定結果がDC−DCコンバーター制御回路200cに入力されるようになっている。
【0094】
このようなDC−DCコンバーター10cでは、DC−DCコンバーター部1000に流れる電流値を電圧値に変換する抵抗素子Rs1により発生する端子電圧値が、設定した基準電圧31(Vref3)より低かった場合、設定値以上の電流がDC−DCコンバーター部1000に流れたと判定され、その判定結果がDC−DCコンバーター制御回路200cに通知されると、この制御回路200cからのDC−DCコンバーター部内のスイッチQ1をオンオフさせるパルス信号を、即座にオフにする。つまり、設定電流以上の過電流が流れた周期内では、パルス信号がオンであるか、オフであるかに拘わらず、過電流が検出された時点でオフにする。
【0095】
これにより、DC−DCコンバーターに過電流が流れるのを回避することができる。
【0096】
なお、このような実施形態3のDC−DCコンバーター10では、ノードLX1が電源電圧VINと短絡した場合、内蔵している過電流検出機能が働かなくなるという問題があり、このような問題を解決したものを実施形態4として以下に説明する。
(実施形態4)
図4は本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターを説明する図である。
【0097】
この実施形態4のDC−DCコンバーター10dは、実施形態3のDC−DCコンバーター10cにおいて、内部ノードLX1の電圧を第四基準電源41の電圧(Vref4)と比較する第四比較器42を備え、さらに、実施形態3のDC−DCコンバーター制御回路200cに代えて、この制御回路200cの機能に加えて、該第四比較器42の出力に基づいて、充電モードからDC−DC動作モードへのモード切替えを行うDC−DCコンバーター制御回路200dを備えたものである。
【0098】
つまり、この実施形態4のDC−DCコンバーター10dでは、上記電源電圧VINと内部ノードLX1との間の短絡に対する対策として、内部ノードLX1の電圧(もしくはLX2端子電圧)と基準電圧41(Vref4)が比較器42(COMP4)により比較され、その比較結果が、DC−DCコンバーター制御回路200dに入力される。
【0099】
DC−DCコンバーター制御回路200dでは、充電回路100からの充電モードからDC−DC動作モードへのモード切替え条件に、上記内部ノードLX1の電圧が、上記第四基準電源41の電圧(Vref4)以下であるという条件を追加することで、過電流検出がかからない状態で、DC−DCコンバーター部1000が動作することを回避できる。但し、参照電源41の基準電圧41(Vref4)は、上記内部ノードLX1の電圧の電圧出力可能範囲に設定する必要があるため、電源電圧VINより低く、充電モードで発生可能な最大電圧値より高い値に設定する必要がある。
【0100】
次に、この実施形態4のDC−DCコンバーターの動作について説明する。
【0101】
まず、短絡がない場合のDC−DCコンバーターの起動動作について説明する。
【0102】
図5は、本発明の実施形態4によるDC−DCコンバーターにおける、短絡がない場合の起動波形を示す図である。
【0103】
システム動作開始信号XSTBYが立ち上がり、DC−DCコンバーターに電源電圧が供給されると(タイミングTa1)、充電回路100により出力コンデンサCOUTが充電され、出力ノードVOUTの電圧が立ち上がる。このとき、DC−DCコンバーター部1000のスイッチQ1はオフ状態であるが、その内部ノードLX1の電圧は出力ノードVOUTの電圧上昇に伴って上昇する。
【0104】
その後、出力ノードVOUTが第一基準電圧Vref1に達すると、第一比較器12の出力が反転し、その反転結果が制御回路200dに通知される。またこのとき、内部ノードLX1の電圧と第四基準電圧Vref4との比較結果が制御回路200dに通知される。制御回路200dでは、内部ノードLX1の電圧が第四基準電圧Vref4以下であることを条件として、DC−DCコンバーター部1000のスイッチQ1に駆動パルスを供給し、これにより充電モードからDCDD動作モードに移行する(タイミングTa2)。
【0105】
その後は、駆動能力の大きいDC−DCコンバーター部1000の動作により、出力ノードVOUTの電圧は急速に立ち上がり、この電圧が第二基準電圧Vref2に達すると(タイミングTa3)、第二比較器22の出力が反転し、出力の反転が制御回路200dに通知され、ここで、GND短絡はないという正常判定が行われる。このとき制御回路200dはエラー出力(ERROR)を異常検出状態から正常判定状態に変化させる。
【0106】
その後、さらに出力ノードVOUTの電圧は第二基準電圧Vref4を超えて立ち上がる(タイミングTa4)。
【0107】
次に、安定動作中にGND短絡が発生した場合の動作を説明する。
【0108】
図6は、本実施形態によるDC−DCコンバーターにおける、安定動作中にGND短絡が発生した場合の動作を説明するための信号波形を示す図である。
【0109】
DC−DCコンバーター10dの安定動作中に、GND短絡が発生すると(タイミングTb1)、出力ノードVOUTの電圧が急激に低下し、第四基準電圧Vref4を超えて(タイミングTb2)、第二基準電圧Vref2まで低下する(タイミングTb3)。
【0110】
このとき、第二比較器22の出力が正常判定レベルからGND短絡判定レベルに変化し、この変化が制御回路200dに通知されると、この制御回路200dはエラー出力(ERROR)のレベルを正常判定レベルから異常検出レベルに変化させ、このエラー出力が負荷回路2000にスタンバイ(STBY)信号として通知される。その後、出力ノードVOUTの電圧が第一基準電圧Vref1以下に低下すると、第一比較器12の出力が、DCDC動作モード判定レベルから充電モード判定レベルに変化し、DC−DCコンバーターの動作モードがDCDC動作モードから充電モードに切り換わる(タイミングTb4)。
【0111】
次に、GND短絡時におけるDC−DCコンバーターの起動動作について説明する。
【0112】
図7は、本実施形態によるDC−DCコンバーターにおける、GND短絡時の起動波形を示す図である。
【0113】
システム動作開始信号XSTBYが立ち上がり、DC−DCコンバーター10dに電源電圧が供給されると(タイミングTs)、充電回路100により出力コンデンサCOUTが充電され、出力ノードVOUTの電圧が立ち上がる。このとき、DC−DCコンバーター部1000のスイッチQ1はオフ状態であるが、その内部ノードLX1の電圧は出力ノードVOUTの電圧上昇に伴って上昇する。
【0114】
ただし、この場合は、GND短絡状態であるので、出力ノードVOUTが第一基準電圧Vref1に達することはない。第一比較器12の出力は充電モード判定レベルのままであり、第二比較器22の出力はGND短絡判定レベルのままである。従って、制御回路200dのエラー出力は異常判定レベルに維持される。
【0115】
次に、電源電圧VINと内部ノードLX1との短絡時(VIN−LX1短絡時)の起動動作について説明する。
【0116】
図8は、本実施形態によるDC−DCコンバーターにおける、VIN−LX1短絡時の起動波形を示す図である。
【0117】
このように電源電圧VINと内部ノードLX1とが短絡した状態では、システム動作開始信号XSTBYが立ち上がり、DC−DCコンバーター10dに電源電圧が供給されると(タイミングTs)、内部ノードLX1の電圧は電源電圧VIN付近まで上昇しており、第四比較器42の出力は、電源電圧VINと内部ノードLX1とが短絡していることを示すVIN−LX1短絡判定レベルとなる。
【0118】
このとき、第一比較器12の出力は、DC−DC動作モード判定レベルであり、第二比較器22の出力は正常判定レベルであるが、制御回路200dは、動作モードを充電モードからDC−DC動作モードに切り替える条件が満たされないため、充電モードを維持し、エラー信号(ERROR)を異常判定出力で維持する。
【0119】
このように本実施形態4によるDC−DCコンバーター10dでは、上記回路構成をとることにより、回路起動時、既に出力ノードVOUTがGNDに短絡していた場合、出力ノードVOUTの電圧が上昇しないため、DC−DCコンバーター部は動作せず、電源から出力ノードに至る経路に過電流が流れるのを回避できる。
【0120】
また、DC−DCコンバーターの動作中に出力ノードVOUTがGND短絡した場合でも、従来は、GND短絡の判定結果を確認するために、GND短絡の検出後も一定期間の間、DC−DCコンバーター部の動作を継続する必要があったが、本発明では、判定直後にDC−DCコンバーター部の動作を停止し、別途設けた、DC−DCコンバーター部より駆動能力の小さい充電回路100により出力ノードを充電する状態にし、この状態で判定結果の確認を行うため、過電流が流れる時間を少なくできる。
【0121】
また、回路起動時にGND短絡判定を開始するまでの時間の設計、およびDC−DCコンバーター動作中にGND短絡判定結果を確認するための時間の設計をする必要もなくなる。この結果、従来、判定時間のカウントを行うためにタイマー回路を制御回路などに内蔵していた場合は、そのタイマー回路を削減することも可能となる。
【0122】
また、従来回路では、GND短絡検出状態をラッチする、つまりDC−DCコンバーターの動作を停止することでしか、過電流を止めることができなかったが、本発明では、DC−DCコンバーターにおいて、DC−DCコンバーター部の他にDC−DCコンバーター部より駆動能力の小さい充電回路を設けているので、DC−DCコンバーターが停止するようGND短絡検出状態をラッチする設計と、DC−DCコンバーターが通常動作に復帰できるようGND短絡検出状態をラッチしない設計の両方で過電流を止めることができるようになる。
【0123】
つまり、具体的には、GND短絡検出状態をラッチしない設計は、GND短絡判定によりGND短絡が生じていると判定された場合には、DC−DCコンバーター部1000の動作は停止するが、充電回路100の動作は停止せずにこの充電回路により出力ノードVOUTの充電を行う設計であり、GND短絡が検出された場合にも、DC−DCコンバーターの動作を完全に停止させないものである。
【0124】
一方、GND短絡検出状態をラッチする設計は、GND短絡判定によりGND短絡が生じていると判定された場合には、DC−DCコンバーター部1000の動作は停止し、さらに、充電回路100の動作をも所定時間後に停止させるようにする設計であり、GND短絡が検出された場合には、DC−DCコンバーターの動作を完全に停止させるものである。
【0125】
そして、GND短絡検出状態をラッチしない設計にすることで、GND短絡が解消された場合や、ノイズによりGND短絡を誤判定してしまった場合、DC−DCコンバーターを構成するLSIチップにその外部からリセット信号を入力せずとも、自動で、DC−DCコンバーターの回路動作を通常状態に復帰させることが可能となる。
【0126】
また、本発明のDC−DCコンバーターでは、あらかじめ充電回路から所定電圧を超える電荷を出力平滑コンデンサCOUTに充電してから、DC−DCコンバーターの動作が開始されることとなり、この所定電圧の充電によりDC−DCコンバーターの動作開始時に、出力平滑コンデンサCOUTに向けての流れ込む突入電流量を低減するという効果もある。
【0127】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、直流電圧をスイッチ素子のオンオフ動作により降圧、昇降圧、又は昇圧する降圧タイプ、又は昇降圧タイプ、又は昇圧タイプのスイッチング方式のDC−DCコンバーターの分野において、DC−DCコンバーター部を動作させることなく、出力ノードもしくは出力ノードにつながる負荷のGND短絡を検出することができ、DC−DCコンバーター部の構成部品がダメージを受けるのを回避することができるDC−DCコンバーターを得ることができる。
【符号の説明】
【0129】
11 第一参照電源
12 第一比較器(GND短絡判定兼モード切替え判定用比較器)COMP1
21 第二参照電源
22 第二比較器(GND短絡判定兼ERROR出力判定用比較器)COMP2
31 第三参照電源
32 第三比較器(過電流検出用比較器)COMP3
41 第四参照電源
42 第四比較器(VIN−LX1短絡判定用比較器)COMP4
100 充電回路
200a〜200d DC−DCコンバーター制御回路
300 シリーズレギュレーター
400 レベルシフタ
1000 DC−DCコンバーター部
2000 負荷回路用スタンバイ回路
3000 負荷回路
Vref1 第一基準電圧(GND短絡判定兼モード切替え判定用基準電圧)
Vref2 第二基準電圧(GND短絡判定兼ERROR出力判定用基準電圧)
Vref3 第三基準電圧(過電流検出用基準電圧)
Vref4 第四基準電圧(VIN−LX1短絡判定用基準電圧)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力ノードに出力するDC−DCコンバーターであって、
該出力ノードに接続された平滑コンデンサと、
該入力直流電圧を電源電圧とし、該平滑コンデンサを、該平滑コンデンサが該所望の電位を発生するよう充電するDC−DCコンバーター部と、
該DC−DCコンバーター部の電流駆動能力より小さい電流駆動能力を有し、該出力ノードを充電する充電回路とを備えた、DC−DCコンバーター。
【請求項2】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記出力ノードの電圧と第一基準電圧とを比較する第一比較器を有し、
該出力ノードの電圧が、該第一基準電圧以下である場合、前記DC−DCコンバーター部を停止させ、該出力ノードの電圧が該第一基準電圧より高い場合、該DC−DCコンバーター部を動作させるDC−DCコンバーター。
【請求項3】
請求項2に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記出力ノードの電圧が、前記第一基準電圧以下である場合、前記充電回路による前記出力ノードの充電を行い、該第一基準電圧より高い場合、前記充電回路による該出力ノードの充電を停止させるDC−DCコンバーター。
【請求項4】
請求項2に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記出力ノードの電圧に拘わらず、前記充電回路による該出力ノードの充電を常に行うDC−DCコンバーター。
【請求項5】
請求項2に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記出力ノードの電圧と第二基準電圧とを比較する第二比較器を有し、前記出力ノードの電圧が第二基準電圧以下であるときは第一エラー信号を出力するDC−DCコンバーター。
【請求項6】
請求項5に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記第一基準電圧と第二基準電圧とを同電圧としたDC−DCコンバーター。
【請求項7】
請求項5に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記第一エラー信号を該DC−DCコンバーターの外部に出力するための第一エラー出力端子を有するDC−DCコンバーター。
【請求項8】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記充電回路の電源と前記DC−DCコンバーター部の電源とを共通とする回路構成を用いているDC−DCコンバーター。
【請求項9】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記入力電源電圧を調整するシリーズレギュレーターを備え、
前記充電回路の電源電圧は、該シリーズレギュレーターから供給する回路構成を用いているDC−DCコンバーター。
【請求項10】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記充電回路は定電流源回路により構成されているDC−DCコンバーター。
【請求項11】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記充電回路は、抵抗素子により構成されているDC−DCコンバーター。
【請求項12】
請求項1あるいは3記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記充電回路は、該充電回路による前記出力ノードの充電を開始あるいは停止するスイッチを有し、該スイッチはNMOSトランジスタのみで構成されている、DC−DCコンバーター。
【請求項13】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記DC−DCコンバーター部を、
前記入力電源電圧と第一内部ノードとの間に直列に接続された、該入力電源電圧側の抵抗素子及び該第一内部ノード側の第一スイッチと、
該第一内部ノードから前記出力コンデンサへの充電経路に設けられたコイルとを有する回路構成とし、
該抵抗素子と該第一スイッチとの接続ノードの電圧を第三基準電圧と比較する第三比較回路をさらに備え、
該第三比較回路の比較結果に基づいて該抵抗素子の両端の短絡を判定する、DC−DCコンバーター。
【請求項14】
請求項13に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
該第一の内部ノードの電圧を第四基準電圧と比較する第四比較回路をさらに備え、
前記充電回路の充電により、該第一内部ノードである前記第一スイッチのコイル接続側の端子に発生した電圧に応じて、該第一スイッチの両端の短絡を判定する、DC−DCコンバーター。
【請求項15】
請求項14に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記DC−DCコンバーター部の動作開始条件を、前記出力ノードの電圧が前記第一基準電圧より高く、かつ、前記第一内部ノード電圧が、前記第四基準電圧より低い場合とし、
DC−DCコンバーター部の動作停止条件を、前記出力ノードの電圧が前記第一基準電圧より低い場合とする、DC−DCコンバーター。
【請求項16】
請求項15に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記第二比較器及び前記第四比較器の出力結果に応じて、前記第一スイッチの両端の短絡状態を示す第二のエラー信号を外部に伝達する第二のエラー出力端子を有するDC−DCコンバーター。
【請求項17】
請求項1に記載のDC−DCコンバーターにおいて、
前記DC−DCコンバーター部を起動する前に、前記充電回路により前記出力ノードに接続されている平滑コンデンサを充電することで、該DC−DCコンバーター部を起動した時に該平滑コンデンサに向けて流れる突入電流を抑制するDC−DCコンバーター。
【請求項18】
請求項7あるいは16記載のDC−DCコンバーターを制御する制御システムであって、
前記第一あるいは第二エラー出力信号を入力信号とするマイクロコンピュータを備え、
該マイクロコンピュータが、一定時間以上、前記第一あるいは第二のエラー信号が継続したことを検出したとき、該マイクロコンピュータからの制御信号により、前記DC−DCコンバーターの電源をシャットダウンする、制御システム。
【請求項19】
請求項7あるいは16記載のDC−DCコンバーターを制御する制御システムであって、
タイマー回路を有し、
該タイマー回路によって、一定時間以上、前記第一あるいは第二のエラー出力が継続したことを検出したとき、前記DC−DCコンバーターの電源をシャットダウンする、制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−75207(P2012−75207A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216237(P2010−216237)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】