説明

G−CSFを精製する方法

本発明は、少なくとも1回の陽イオン交換クロマトグラフィと、少なくとも1回の疎水性相互作用クロマトグラフィとを含み、前記2回のクロマトグラフィステップが、任意の順序で直ちに連続して行われる、組換え顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を得る方法に関する。特に本発明は、それぞれ疎水性相互作用クロマトグラフィの前および後に実施される2回の陽イオン交換クロマトグラフィステップを含む、G−CSFと他の蛋白質との混合物からG−CSFを精製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1回の陽イオン交換クロマトグラフィと、少なくとも1回の疎水性相互作用クロマトグラフィとを含み、この2種のクロマトグラフィが任意の順序で互いに直ちに連続して行われる、組換え顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の製造方法に関する。特に本発明は、それぞれ疎水性相互作用クロマトグラフィの前および後に実施される2回の陽イオン交換クロマトグラフィステップを含む、G−CSFと他の蛋白質との混合物からG−CSFを精製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)は、天然由来の成長因子であり、広義ではサイトカイン類に属し、本明細書ではコロニー刺激因子の群に属する。G−CSFは、造血において決定的な役割を担い、造血前駆体細胞の増殖および分化、ならびに好中球の活性化を高める。そのような性質により、G−CSFは種々の医療分野、例えば化学療法もしくは照射に続く正常な血液細胞集団の再生に、または感染性病原への免疫応答を刺激するために用いられるようになっている。つまり臨床的に述べると、G−CSFは、主として抗腫瘍療法、特に化学療法の結果起こる好中球減少症の処置に用いられ、更に骨髄移植および感染疾患の処置に用いられる。
【0003】
天然由来のヒトG−CSFは分子量約20,000ダルトンで5個のシステイン残基を有する糖蛋白質である。これらの残基のうち4個は、当該蛋白質の活性に本質的に重要な2個の分子内ジスルフィド架橋を形成する。G−CSFは天然の供給源から少量しか入手できないため、例えばCHO(チャイニーズハムスター卵巣(Chinese Hamster Ovary))細胞などのほ乳類細胞内または大腸菌(E.coli)などの原核細胞内での発現によって得ることができる組換え形態のG−CSFが、主として医薬品の製造に用いられている。ほ乳類細胞内で発現される組換え蛋白質は、天然由来のG−CSFとは異なり、別の糖鎖形成パターンを有するが、大腸菌内で発現される蛋白質では、細菌での発現の結果として追加のN末端メチオニン残基を有することができ、糖鎖形成が全てに存在するわけではない。
【0004】
G−CSFの組換え体生成は、1987年に初めて特許文献に記載された(特許文献1参照)。組換えG−CSFを基にした最初の市販G−CSF製剤は、1991年にドイツで認められ、商品名ニューポジェン(Neupogen)(登録商標)としてアムジェン(Amgen)により製造および販売されている。
【0005】
原核細胞内でのG−CSFの産生は、簡単な発現系および培養条件を利用できるため、ほ乳類細胞内での産生に比較して好ましいが、原核細胞での組換え蛋白質の産生において多く生じる問題は、発現される蛋白質の変性形態が、難溶性の細胞内凝集体の形態、いわゆる封入体を形成することであり、それは部分的に二次構造を有し、細菌細胞の細胞質内に見出される可能性がある。
【0006】
上記封入体が形成されるため、活性構造を保持するには、封入体を適切な手段により適度な速度で遠心分離して単離した後、蛋白質を可溶化および復元する必要がある。この場合、変性蛋白質から正しいフォールディング中間体への転換と複数のタンパク質分子の凝集との競合反応が、復元蛋白質の収率を限定する主要因子となる。
【0007】
当該技術分野では、複数の特許文書が、封入体から得られた蛋白質を可溶化および復元する態様を扱っている。例えば特許文献2に、可溶化およびリフォールディングをはじめ
とするG−CSFの単離および精製が記載されている。変性蛋白質の可溶化および復元に関する一般的技術は、特許文献3、4、5および6に記載されており、更に科学文献から、そして蛋白質化学の標準作業から取り入れることができる。
【0008】
続いて、リフォールディングされた蛋白質は、クロマトグラフィ法により精製され、即ち、それを可溶化および復元後に存在する他の蛋白質および更なる不純物から分離される。
【0009】
大腸菌宿主細胞内でのG−CSFの産生が最初に記載された既に先に述べた特許文献1でも、クロマトグラフィ精製を扱っている。特許文献1の実施例7には組換えG−CSFの精製の範囲内で、CMセルロースカラムを用いた陽イオン交換クロマトグラフィが記載されている。
【0010】
特許文献7では、可溶化と、可溶化剤を除去するためのダウエックス(Dowex)による酸化に続いて、陰イオン交換クロマトグラフィおよび陽イオン交換クロマトグラフィによりG−CSFが精製される。特許文献7では陽イオン交換クロマトグラフィにCMセファロースも用いられる。
【0011】
特許文献8には金属アフィニティクロマトグラフィ、より厳密には固定化金属でのクロマトグラフィ(固定化金属アフィニティクロマトグラフィ、IMAC)を実施する、G−CSFの精製方法が記載されている。特許文献9によれば、金属アフィニティクロマトグラフィに続いて、陽イオン交換クロマトグラフィおよび/またはゲルろ過が実施されてもよい。
【0012】
特許文献10では、最初に疎水性相互作用クロマトグラフィ、続いてヒドロキシアパタイトクロマトグラフィが実施される、G−CSFの精製方法が記載されている。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィに続いて、陽イオン交換クロマトグラフィが実施される。
【特許文献1】PCT国際公開第87/01132A1号
【特許文献2】欧州特許出願出願公開第0719860号
【特許文献3】欧州特許出願出願公開第0512097号
【特許文献4】欧州特許出願出願公開第0364926号
【特許文献5】欧州特許出願出願公開第0219874号
【特許文献6】PCT国際公開第01/87925号
【特許文献7】欧州特許出願出願公開第0719860号
【特許文献8】PCT国際公開第03/051922号
【特許文献9】PCT国際公開第03/051922号
【特許文献10】PCT国際公開第01/04154号(発明の開示) 本発明の基礎をなす問題は、G−CSFを十分な純度および収率で得ることが可能な、生物活性の組換えヒトG−CSFの精製方法を開示することにある。この場合、該方法は、実施が可能な限り単純かつ簡単でなければならない。技術の複雑さおよび経費を低く保ち、蛋白質の多量の損失を避けるために、可能な限り少ないクロマトグラフィ工程数により実施し得る精製方法が望ましい。
【0013】
上記のおよび更なる問題は、請求項1に記載の方法により解決される。好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
陽イオン交換クロマトグラフィおよび疎水性相互作用クロマトグラフィによる復元されたG−CSFのクロマトグラフィ精製では、組換え体の生物活性G−CSFの許容され得る純度および十分な収率を実現し得ることが見出された。第2の陽イオン交換クロマトグ
ラフィステップによって、純度を更に上昇させることができる。
【0015】
つまり本発明は、少なくとも1回の陽イオン交換クロマトグラフィと、少なくとも1回の疎水性相互作用クロマトグラフィとを実施し、前記ステップの間に他のクロマトグラフィステップおよび他の精製ステップが実施されないことを条件として、前記2種のクロマトグラフィステップが任意の順序で実施される、組換え生成された生物活性ヒトG−CSFの精製方法に関する。つまり陽イオン交換クロマトグラフィと、疎水性相互作用クロマトグラフィとが、直ちに連続して行われる。
【0016】
本発明によれば、用語「生物活性ヒトG−CSF」は、本発明による方法で精製されたG−CSFが、造血前駆細胞の分化および増殖を高めることができ、かつ造血系の成熟細胞を活性化させることができることを示す。つまり本発明の方法で得られたG−CSFは、G−CSFの投与が有利な症例の適応症を処置するのに適している。用語「生物活性ヒトG−CSF」は、アミノ酸配列が野生型の配列と比較して変化していながら野生型G−CSFと類似の生物活性を有するG−CSFの突然変異型および修飾型、例えばPCT国際公開第01/87925号および欧州特許第0456200号に記載されたものも包含する。それはG−CSF共役体にもあてはまる。好ましくは精製されるG−CSFは、大腸菌細胞内で産生されたヒトMet−G−CSFである。
【0017】
本発明の一つの実施形態において、G−CSFを精製する方法は、それぞれ疎水性相互作用クロマトグラフィの前および後に実施される2回の陽イオン交換クロマトグラフィステップを含む。
【0018】
本発明の更なる実施形態において、該方法は、一回のみの陽イオン交換クロマトグラフィ(2回以上の陽イオン交換クロマトグラフィステップを実施する場合には最後の陽イオン交換クロマトグラフィ)の後に、接線流ろ過を含む。
【0019】
更なる実施形態において、G−CSFを精製する方法で、陰イオン交換クロマトグラフィの実施が省略される。
更なる実施形態において、本発明による精製方法は、ゲルろ過クロマトグラフィを行わなくても十分である。
【0020】
本発明の更なる実施形態において、分取HPLCの実施が省略される。同じことが逆相クロマトグラフィにもあてはまり、これは本発明による疎水性相互作用クロマトグラフィと区別され調製時に同様に省略され得る。逆相HPLCは分析目的のみに用いられる。
【0021】
更なる実施形態において、アフィニティクロマトグラフィ、特に染色剤、金属または免疫グロブリンアフィニティクロマトグラフィは該方法の範囲内では実施されない。
更なる実施形態において、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィの実施は、精製方法の範囲内で省略される。
【0022】
つまり好ましい実施形態において、本発明による精製方法は、2種の異なるクロマトグラフィ分離法、即ち、電荷イオンの競合的相互作用に基づくイオン交換の方法、および蛋白質の非極性表面領域が塩濃度の高い固定相の弱疎水性リガンドに吸着されることを特徴とする疎水性相互作用の方法のみを利用する。
【0023】
それから区別されるのが、それぞれのマトリクスに結合した結合パートナーへの分子の特異的かつ可逆的な吸着に基づくアフィニティクロマトグラフィの分離原理である。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィは、無機ヒドロキシアパタイト結晶の使用に基づくもので、陽イオン交換クロマトグラフィとしてのイオン交換クロマトグラフィおよび疎水性
相互作用クロマトグラフィとは異なる更なる分離法である。
【0024】
上記のクロマトグラフィの原理は、専門家の間でも相応に区別される(例えば、ドイツ、ベルリン、ハイデルベルグの、バイオアナリティック、F.ロッツピーチ、H.ゾルバス(編集)著「スペクトラム・アカデミック・バーラグ」1998年(Bioanalytik, F. Lottspeich, H. Zorbas (ed), Heidelberg, Berlin, Germany, Spektrum Akad. Verlag 1998)参照)。
【0025】
好ましい実施形態において、クロマトグラフィ精製は、3回を超えるクロマトグラフィステップを含まず、2回のみの異なるクロマトグラフィ分離法を用いる。
復元G−CSFは、医薬製剤の形態で使用され得る純度を実現するよう転換されていることになっており、クロマトグラフィ精製用の出発材料として用いられる。
【0026】
この場合、蛋白質の可溶化およびリフォールディングは、例えば欧州特許出願出願公開第1630173号に記載されたような当業者に公知の方法により実施することができる。
【0027】
リフォールディングの後、そして最初のクロマトグラフィステップの前に、例えばろ過、濃縮、沈殿、酸性化および/または透析により、リフォールディングG−CSFを調製することができる。
【0028】
多くの場合、最初のクロマトグラフィステップの前にフォールディング準備物を精製すること、即ち、ほとんどがフォールディングで形成された蛋白質凝集体である高分子量粒子を除去することが有利となろう。前記精製は、粒状化バルク材料がろ過手段として働く深層ろ過により実施することができる。そのような固体粒子は、フィルタ手段の孔径よりも大きいか、またはバルクの内部表面で吸着されることにより保持される。
【0029】
深層ろ過では、フィルタ手段としてセルロースエステル繊維が使用されるのが好ましい。適切なろ過手段および対応する使用機器は、例えば、商品名ミリスタック・プラスC0HC(Millistak Plus C0HC)およびミリスタック+B1HC(Milistak+B1HC)としてミリポア(Millipore)から入手できる。
【0030】
好ましくはフォールディング準備物は、深層ろ過の前に酸性化されるため、ろ液を特に効率的な手法で、陽イオン交換クロマトグラフィに直ちに使用することができる。この場合、フォールディング準備物のpH値は、好ましくは4.0未満、特に好ましくは3.2に設定される。
【0031】
陽イオン交換クロマトグラフィでは、従来の市販マトリックスを用いることができる。この場合G−CSFは、総電荷が正であるため特異的なpH範囲内で陽イオン交換マトリックスに結合するが、宿主細胞に由来する核酸、リポ多糖および蛋白質、ならびにG−CSFのイオン性同位体、およびpH値が異なるG−CSFの変性形態などの混入物質のほとんどは、結合することができないか、または洗浄により除去することができる。
【0032】
適切な陽イオン交換マトリックスとしては、非限定的に、カルボキシメチル(CM)セルロース、AG50W、バイオ・レックス70(Bio−Rex 70)、カルボキシメチル(CM)セファデックス(carboxymethyl(CM) Sephadex)、スルホプロピル(SP)セファデックス、カルボキシメチル(CM)セファロースCL−6B(carboxymethyl(CM) Sepharose CL−6B)、CMセファロースHP、ハイパーD−Sセラミック(バイオセプラ(Biosepra)
)およびスルホナート(S)セファロース、SPセファロースFF、SPセファロースHP、SPセファロースXL、CMセファロースFF、TSKゲルSP 5PW、TSKゲルSP−5PW−HR、トーヨーパールSP−650M(Toyopearl SP−650M)、トーヨーパールSP−650S、トーヨーパールSP−650C、トーヨーパールCM−650M、トーヨーパールCM−650S、マクロ・プレップ・ハイSサポート(Macro−Prep High S Support)、マクロ・プレップ・Sサポート、マクロ・プレップ・CMサポートなどが挙げられる。
【0033】
陽イオン交換クロマトグラフィを実施するための適切なマトリックスおよびプロトコルは、当業者によりアマシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosciences)(http://www.amershambiosciences.com、現在のGEヘルスケア(GE Healthcare))またはバイオラッド(Bio−Rad)(http://www.bio−rad.com)のような供給業者の製品情報から入手できる。
【0034】
スルホプロピルマトリックス、特にドイツ、フレイバーグのアマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)から入手できる製品SPセファロースXLおよびSPセファロースFF(ファースト・フロー(Fast Flow))が、好ましくは陽イオン交換クロマトグラフィ用のマトリックスとして用いられる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、2種の陽イオン交換クロマトグラフィが、すなわちそれぞれ疎水性相互作用クロマトグラフィの前および後に実施されるが、その両方でスルホプロピルマトリックスが使用され、特に好ましくは最初の陽イオン交換クロマトグラフィでSPセファロースXL、そして2番目の陽イオン交換クロマトグラフィでSPセファロースFFが使用される。
【0036】
陽イオン交換クロマトグラフィ用の適切な緩衝液としては、マレイン酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、リン酸塩、HEPES、およびビシン緩衝液が挙げられる。好ましくは緩衝液の濃度は、10〜100mM、好ましくは20mM〜50mMに含まれる。G−CSFを精製する場合、緩衝液のpH値が可能な限り7.0を超えてはならず、好ましくは6.5を超えてはならない。
【0037】
好ましい実施形態において、平衡化および洗浄で利用される20mM酢酸ナトリウム、pH5.0が、陽イオン交換クロマトグラフィに用いられる。
2番目の陽イオン交換クロマトグラフィを実施する場合、ここでは、50mMリン酸ナトリウム、pH5.4が、好ましくは平衡化および洗浄に用いられる。
【0038】
洗浄に続いて、変化させることにより、つまり陽イオン交換クロマトグラフィの場合にはpH値の上昇またはイオン強度の上昇により、G−CSFをカラムから溶離させることができる。
【0039】
好ましくは溶離はイオン強度の上昇により実施する。20mM酢酸ナトリウム、pH5.0の溶液を緩衝液として用いる場合、例えば20mM酢酸ナトリウム、pH5.0および200mM NaClの溶液が溶離に適している。
【0040】
陽イオン交換クロマトグラフィの更なる適切な条件は、例えば2002年発行のドイツ、フレイバーグのアマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア(GE Healthcare))によるマニュアル「イオン・エクスチェンジ・クロマトグラフィ−プリンシプルズ・アンド・メソッズ(Ion Exchange Chromatography − Principles and Methods)」などの関連文献か
ら入手できる。
【0041】
陽イオン交換クロマトグラフィ用の荷電緩衝液中の塩濃度は、マトリックスに結合させるために十分に低くなければならず、その場合の結合は溶液のpH値にも依存する。
陽イオン交換クロマトグラフィの範囲内では、マトリックスへの荷電および結合のために異なる緩衝液を用いることができ、例えば緩衝液は、酢酸塩、クエン酸塩、トリス/HCl、トリス/酢酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、2−(N−モルホリノエタンスルホナート)(MES)、および他の緩衝液からなる群から選択される。
【0042】
カラムを荷電した後、カラムを洗浄し、次に蛋白質をカラムから溶離させる。この場合の溶離は、イオン強度を上昇させることにより実施することができ、それは、緩衝溶液中の塩濃度を上昇させることにより実施される。あるいはpH値の上昇が適している。この場合、不連続ステップ勾配、直線勾配、またはそのような勾配の適切な組合わせを用いることができる。
【0043】
洗浄および溶離に適した溶離緩衝液は、NaClまたはKClなどの塩を加えた酢酸塩、クエン酸塩、トリス/HCl、トリス/酢酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、MES、および他の適切な緩衝液から選択することができる。溶離を実施するイオン強度および塩濃度は緩衝溶液のpH値に依存する。緩衝液のpH値が高いほど、カラムから蛋白質を溶離させるのに必要なイオン強度が低くなる。
【0044】
疎水性相互作用クロマトグラフィは、従来のマトリックスによっても実施することができる。適切なのは、ブチル、フェニルまたはオクチルセファロース(アマシャム・バイオサイエンシーズ、現在のGEヘルスケア)、マクロ・プレップ・メチルまたはマクロ・プレップ・t−ブチル(バイオラッド)、およびプロピルまたはフェニルリガンドを用いるフラクトゲルEMD(Fractogel EMD)(メルク(Merk))などのマトリックスである。
【0045】
好ましくは疎水性リガンドは、ブチル基、フェニル基またはオクチル基、特に好ましくはフェニル基である。この場合アマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)の製品を用いることができる。
【0046】
疎水性相互作用クロマトグラフィを実施するための適切なマトリックスおよびプロトコルは、当業者によりアマシャム・バイオサイエンシーズ(http://www.amershambiosciences.com.現在のGEヘルスケアまたはバイオラッド(http://www.biorad.com)のような供給業者の製品情報から入手できる。
【0047】
好ましくはマトリックスは、アマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)から入手できるフェニルセファロースHP(ハイパフォーマンス(High Performance))である。
【0048】
他の種類のクロマトグラフィでも用いられる従来の緩衝液は、疎水性相互作用クロマトグラフィの緩衝液として適している。好ましい実施形態において、クエン酸塩緩衝液が用いられる。有利には溶離は、pH値を上昇させることにより実施する。約pH3.0から約pH6.0へのpH勾配が、特に適していることが立証されている。
【0049】
疎水性相互作用クロマトグラフィに適した更なる条件は、例えば2002年発行のドイツ、フレイバーグのアマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)によるマニュアル「ハイドロフォビック・インタラクション・クロマトグラフィ−プリンシプル
ズ・アンド・メソッズ(Hydrophobic Interaction Chromatography − Principles and Methods)」などの関連文献から入手できる。
【0050】
一般に当業者は、本発明による方法で用いられるクロマトグラフィ原理に通じており、場合によりそれらは、クロマトグラフィマトリックス、カラムおよび他の手段の供給業者による既定のマニュアルまたはプロトコルに詳細に記載されている。
【0051】
接線流ろ過(TFF)は、本発明の一つの実施形態の範囲内で、クロマト精製に続いて、特に唯一のまたは最後の陽イオン交換クロマトグラフィに続いて実施されるが、例えばミリポアおよびポールコーポレーション(Pall Corporation)社により販売される従来のTFF装置およびプロトコルにより実施することができる。TFFは、陽イオン交換クロマトグラフィおよび疎水性相互作用クロマトグラフィという先行の精製ステップとは対照的な追加の精製ステップとしてのろ過である。
【0052】
本発明の範囲内で精製されたG−CSFは、従来の遺伝子工学的方法で宿主細胞内に発現される。好ましくはそれはヒトG−CSFである。大腸菌細胞内で発現される様々な発現系が市販されている。適切なのは、例えば、誘導プロモータ、例えばIPTG誘導プロモータの制御下でのヒトG−CSFの発現であり、例えば、サムブルックおよびラッセル著「モレキュラー・クローニング−ア・ラボラトリー・マニュアル、サードエディション」15章(2001年)、米国ニューヨーク州コールドスプリングハーバーのコールドスプリングハーバー・ラボラトリー・プレス発行(Sambrook and Russell, Molecular Cloning − A Laboratory Manual, 3rd edition 2001、Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, USA, chapter 15)、または例えばプロメガ(Promega)またはストラタジーン(Stratagene)による既定の製造業者のプロトコルを参照されたい。
【0053】
発酵は、特許および科学文献に記載された標準プロトコルに従って、例えばバッチ培養およびフェドバッチ培養からなる2段階工程で実施される。
大腸菌内で過剰発現されたG−CSFを含むいわゆる封入体の採取、およびそのような封入体の溶解は、先に議論された特許文献に一部が記載されている。しかしながら適切なプロトコルを、蛋白質化学での標準的作業、および実験室マニュアルに見出すことができる。同じことが、先に議論したとおり様々な特許文書の目的である可溶化およびリフォールディングにも当てはまる。
【0054】
本発明は、本発明により得られるG−CSFを含む医薬製剤にも関する。得られたG−CSFは、凍結乾燥品の形態または液体形態のいずれでも貯蔵することができる。それは、皮下または静注のいずれかにより投与される。組換え発現G−CSFの配合剤の適切なアジュバントは、例えば、糖および糖アルコールなどの安定化剤、アミノ酸、例えばポリソルバート20/80などの界面活性剤、ならびに適切な緩衝物質である。配合剤の例は、欧州特許第0674525号、欧州特許第0373679号、および欧州特許第0306824号に記載されており、「ロート・リステ2004(ROTE LISTE 2004)」内の商品ニューポジェン(登録商標)およびグラノサイト(Granocyte)も参照されたい。
実施例
以下の実施例は、本発明を例示しており、本発明の範囲を限定するものではない。
【0055】
ヒトG−CSFを、大腸菌細胞内のIPTG誘導プロモータの制御下で発現させた。適
切な発現系の例は、例えば、実験室マニュアルのサムブルックおよびラッセル著「モレキュラー・クローニング−ア・ラボラトリー・マニュアル、サードエディション」15章(2001年)、米国ニューヨーク州コールドスプリングハーバーのコールドスプリングハーバー・ラボラトリー・プレス発行(Sambrook and Russell, Molecular Cloning − A Laboratory Manual, 3rd edition 2001、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, USA, chapter 15)、または例えばプロメガまたはストラタジーンによる既定の製造業者のプロトコルから入手できる。
【0056】
発酵は、特許および科学文献に記載されたような標準プロトコルに従って、バッチ培養およびフェドバッチ培養を含む2段階工程で実施した。細菌を17〜18時間培養した後、1mM IPTGを添加し細菌を刺激して組換えG−CSFを形成させた。誘導期間は、4.0時間であった。
【0057】
細菌の採取は、5,000g、4℃で20分間ビーカー遠心分離することにより実施した。遠心分離の後、上清を廃棄して、再度、細胞に緩衝液(20mM リン酸ナトリウム、pH7.0;1mM EDTA)を発酵容量まで充填した後、800バールで3回通過させることによりそれらを溶解させた。続いて、溶解物を分離により精製した(CSA1−セパレータ、ドイツ、オエルデのウエストファリア(CSA1−Separator, Westfalia, Oelde Germany))
封入体の濃縮
原則として、採取により得られた封入体の懸濁液は、直ちに次の可溶化に用いることができる。しかしこの場合、可溶化物中の最大の実行可能な蛋白質濃度は、非常に限定され、それがフォールディング時の制約につながる場合がある。つまり封入体の懸濁液は、可溶化物中の蛋白質を高濃度にするために、採取および洗浄に続いて遠心分離により濃縮しなければならない。
【0058】
封入体の懸濁を、ビーカー遠心分離により10,000gで20分間遠心分離した。遠心分離により得られた封入体のペーストは、−20℃で少なくとも12週間貯蔵することができる。
可溶化
より大きなペレットの封入体を比較的短時間で効果的に可溶化するためには、例えばウルトラタラックス(Ultra Turrax)処理による、前記ペレットの機械的破砕が更に必要となる。遠心分離により得られた封入体のペーストを、重量測定し、9.0ml/g封入体 の可溶化緩衝液(30mM トリス、1mM EDTA、6.0M グアニジン−HCl、100mM GSH、pH8.0)と混合し、ウルトラタラックス処理で破砕した。その準備物を完全にボルテックス処理し、その後、ローラーミキサまたは磁器撹拌装置上で室温で約2時間インキュベートした。
リフォールディング
BSAを標準蛋白質として用い、ブラッドフォード(Bradford)による方法で、可溶化物中の蛋白質濃度を測定した。フォールディングでは、所望の量の緩衝液中で蛋白質濃度700μg/mlを達成するのに必要な量を、リフォールディング緩衝液(30mM
トリス、2mM GSSG、2mM GSH、3M 尿素、pH7.5;4℃)に添加した。可溶化物または蛋白質の濃度が部分的に上昇するのを避けるために磁器撹拌装置で撹拌しながら、対応する量の可溶化物を緩やかに、かつ絶え間なく添加した。流入速度および混合様式は、それぞれ用いられる可溶化準備物の容量に適合させてもよい。可溶化物の添加が完了した後、準備物を4℃で少なくとも12時間インキュベートした。この期間は、更なる混合は必要なかった。
深層ろ過
リフォールディングに続いて、最初のクロマトグラフィステップを実施する前に、リフォールディング準備物をろ過する。この場合、例えば深層フィルタ、例えばドイツ、シュワルバッハのミリポアによる適切なフィルタを、ろ過に用いることができる。ろ過の前に、pH値を2Mクエン酸でpH3.2に調整する。
最初の陽イオン交換クロマトグラフィの実施
最初のクロマトグラフィステップは、標的蛋白質を捕捉して尿素、GSH、GSSGなどのリフォールディング剤がフォールディング準備物内に存在するならばそれを標的蛋白質から分離する働きがある。前記ステップでは、フォールディングが正しくない蛋白質および宿主細胞蛋白質も分離される。この場合、陽イオン交換クロマトグラフィを用いる。アマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)によるSPセファロースXLを、マトリクスとして用いる。クロマトグラフィはpH5.0で実施する。
【0059】
SPセファロースXLマトリックスは、カラム容量の1.5倍の20mM 酢酸ナトリウム、pH5.0で平衡化した。ろ過したリフォールディング準備物をカラムに加え、次にカラム容量の1.5倍の洗浄緩衝液(20mM酢酸ナトリウム、pH5.0)で洗浄した。次にG−CSFを、カラム容量の3倍の溶離緩衝液(20mM酢酸ナトリウム、200mM NaCl、pH5.0)でカラムから溶離させた。溶離したG−CSFの純度を逆相HPLCで測定したが、それは80%より高かった。ろ過したフォールディング準備物に関しては、収率も80%より高かった。
疎水性相互作用クロマトグラフィの実施
2番目のクロマトグラフィステップでは、G−CSFの更なる精製を、SPセファロースXLの溶離に基づいて実施する。特に生成物に関連する混入物を実質的に排除する。ここでは、アマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)によるフェニルセファロースHPを用いた疎水性相互作用クロマトグラフィを実施する。
【0060】
フェニルセファロースHPカラムを、最初にカラム容量の2倍の12%緩衝液B、88%緩衝液A(緩衝液B:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.7;緩衝液A:20mMクエン酸ナトリウム、pH2.7、110mM NaCl)で平衡化した。その後、5倍容量の緩衝液A(20mMクエン酸ナトリウム、pH2.7、110mM NaCl)で予め希釈したSPセファロースXLカラムの溶離液をカラムに加えた。次に、カラムをカラム容量の2倍の12%緩衝液B、88%緩衝液Aで洗浄し、12%から90%までの緩衝液Bの直線勾配をカラム容量の5〜8倍で実施した。約pH3.0から約pH6.0までの前記直線pH勾配の範囲内で溶離させた。最後に、カラム容量の3倍の90%緩衝液B、10%緩衝液Aで、カラムをすすいだ。
【0061】
溶離された分画を、逆相HPLCにより純度についてテストし、95%より純度の高い分画をひとまとめにした。
疎水性相互作用クロマトグラフィの後に得られたG−CSFは、96%を超える純度であった。HICステップからの収率は、ほぼ80%であった。
2番目の陽イオン交換クロマトグラフィの実施
3番目のクロマトグラフィステップでは、G−CSFを99%を超える純度にするための更なる精製を、フェニルセファロースHPの溶離に基づいて実施する。特に生成物に関連する混入物を、実質的に排除する。ここでは、陽イオン交換クロマトグラフィを再度、利用する。この場合、アマシャム・バイオサイエンシーズ(現在のGEヘルスケア)によるSPセファロースFFを用いる。
【0062】
SPセファロースFFカラムを、カラム容量の3倍の100%緩衝液A(50mM リン酸ナトリウム、pH5.4)で平衡化した。続いて疎水性相互作用クロマトグラフィの溶離液をカラムに加え、カラムをカラム容量の2倍の100%緩衝液A(50mM リン酸ナトリウム、pH5.4)ですすいだ。この場合、加えられた試料は、約60mM NaClを含
み、pH値は4.0〜4.2であった。ステップ勾配と直線pH勾配との組合わせにより、溶離を実施した。最初のステップは、最大10%の緩衝液B(50mM リン酸ナトリウム、pH6.4)で実施し、前記濃度をカラム容量の1.5倍保持させた。この後、カラム容量の1倍の緩衝液B(50mM リン酸ナトリウム、pH6.4)で10から15%までの勾配を実施した。カラム容量の12.5倍を超える緩衝液B(50mM リン酸ナトリウム、pH6.4)で15%から35%までの直線勾配でG−CSFを溶離させて、吸光度の高い溶離液の回収を280nmで実施した。最後に1段階の100%緩衝液B(50mM リン酸ナトリウム、pH6.4)でカラムをすすいだ。
【0063】
溶離された分画を、逆相HPLCにより純度についてテストし、99%より高い純度の分画をひとまとめにした。合計収率は80%であった。
上記のクロマトグラフィステップの結果得られたMet−G−CSFは、全てのHPLC分析(逆相、SEC、およびIEX)の後、少なくとも99.5%の純度であった。
【0064】
混入物の測定でも、DNA、エンドトキシン、および宿主細胞蛋白質が非常によく除去されていた。
生物活性の測定
本発明の方法により得られたG−CSFの活性を、バイオアッセイにより測定し、標準的な市販のG−CSF(ニューポジェン(登録商標))の活性と比較した。この目的では、G−CSFに応答性のあるマウス細胞系NFS−60を用いた。前記細胞系を、1.5g/l炭酸ナトリウム、4.5g/lグルコース、10mM ヘペス(Hepes)、および10mMピルビン酸ナトリウムを含むRPMI1640培地(バッケム、ドイツ ハイデルベルグ)に、2mMグルタミン、10%FCS、0.05mM 2−メルカプトエタノールおよび60ng/ml G−CSFを補足して培養した。
【0065】
活性テストのために、G−CSFを含まない培地で細胞を2回洗浄し、96穴プレートに2×10細胞/ウェルの濃度で加え、様々な濃度の精製G−CSFおよび標準物質と共に、37℃、4.5%COで3日間インキュベートした。続いて細胞をXTT試薬で染色し、450nmでの吸光度をマイクロタイタープレートリーダで測定した。本発明により精製されたG−CSFで処理された細胞が、標準物質で処理された細胞と全く同程度に良好に増殖することが示され、その結果、両方のG−CSF試料が同様の生物活性を有するという結論に至った。
【0066】
ゲル電気泳動分析(SDS−PAGE、ウェスタンブロット、等電点電気泳動法)では、クロマトグラフィ精製の後に得られたMet−G−CSFも、標準として用いたニューポジェン(登録商標)と同様に挙動した。
【0067】
フォールディング収率を測定するために、G−CSFを得た後で、蛋白質を変性させる逆相HPLCを実施してもよい。ジスルフィド架橋が保持されるため、異なるジスルフィド架橋のものは、多くの場合、異なる疎水性表面を有し、それを用いて逆相HPLCで分離することができる。つまり上記方法では正しいジスルフィド架橋の検出のみを実施することができる。しかし前者は決定的であり、小さな対応する架橋の蛋白質の多くでは、既に、正しいフォールディングの十分な基準である。サイズ排除(SE)−HPLCも、更なる分析法として実施することができる。
【0068】
逆相HPLCまたはSE−HPLCを実施するための適切な材料およびプロトコルは、当業者によりビダック(Vydac)(http://www.vydac.com)またはトーソーバイオサイエンス(TOSOH Bioscience)(http://www.tosohbiosep.de)などの供給業者による製品情報から入手できる。Met−G−CSFの収率の測定は、ハーマン他著、ファーマシューティカル・バイオ
テクノロジー(1996年)9巻p303〜328(Herman et al. (19
96) Pharm. Biotechnol. 9: 303−328)にも記載されている。この場合、Met−G−CSFの厳密な割合は、ピーク面積の積分と吸光係数を基にした変換率とにより決定される。
【0069】
精製に続いて、G−CSFを量および活性に関して分析することができる。SDS−PAGE分析と、続くクーマシーブリリアントブルー染色または逆相HPLCにより、定量分析を実施することができる。市販のG−CSF製剤を、分析用の標準物質として用いることができる。加えて、ペプチドマップまたは質量分析を実施することができる。精製したG−CSFの活性は、例えば、シラフジ他著(1989年)、エクスペリメンタル・ヘマトロジー17(2):p116〜119;オーエダ他著(1990年)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、265(20):p11432〜11435;スチュート他著(1992年)ブラッド 79(11):p2849〜2854、およびオシマ他著(2000年)バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション、267(3):p924〜927(Shirafuji et al.(1989)Exp. Hematol.17(2):116−110;Oh−Eda et al.(1990) J. Biol. Chem. 265(20:11432−11435;Stute et al.(1992) Blood 79(11):2849−2854、およびOshima et al.(2000)Biochem. Biophys. Res. Commun. 267(3):924−927)に記載されたような生物学的テスト法により測定することができる。
【0070】
ちなみに、クロマトグラフィは全て、マトリックスまたはカラムの供給業者の推奨およびプロトコル(例えば、流速、洗浄または溶離に利用されるカラム容量、カラムの口径およびベッド高などに関するもの)に従って実施される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1回の陽イオン交換クロマトグラフィと、少なくとも1回の疎水性相互作用クロマトグラフィとを含み、前記クロマトグラフィステップが、任意の順序で直ちに連続して行われる、組換え顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を精製する方法。
【請求項2】
それぞれ疎水性相互作用クロマトグラフィの前および後に実施される2回の陽イオン交換クロマトグラフィを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最後の陽イオン交換クロマトグラフィに続いて接線流ろ過を更に含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
陰イオン交換クロマトグラフィが実施されない請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ゲルろ過が実施されない請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
HPLCが実施されない請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
アフィニティクロマトグラフィが実施されない請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィが実施されない請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
スルホプロピルマトリックスが陽イオン交換クロマトグラフィに使用される請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
フェニル基が疎水性相互作用クロマトグラフィ用の疎水性リガンドとして用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
G−CSFと、緩衝液、塩および安定化剤などの医薬として許容され得るアジュバントとを含む医薬製剤を製造するための、請求項1〜10のいずれかに記載の方法により精製されるG−CSFの使用方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の方法により精製されたG−CSFと、緩衝液、塩および安定化剤などの医薬として許容され得るアジュバントとを含む医薬製剤。

【公表番号】特表2009−501195(P2009−501195A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520888(P2008−520888)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064263
【国際公開番号】WO2007/009950
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(506292996)ビオシューティカルズ アールツナイミテル アクチェンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】BIOCEUTICALS ARZNEIMITTEL AG
【Fターム(参考)】