説明

ICカード、携帯端末機及び携帯端末機の制御方法

【課題】端末機に応じた高速プロトコルモードでの動作をサポートできるICカードを提供する。
【解決手段】制御部を含む端末機と通信するように形成されたICカードにおいて、
複数の電気接点と、情報を保存し、前記複数の電気接点を介して前記制御部と通信し得るメモリと、を備え、前記制御部によって利用可能な高速プロトコルモードのタイプが検知され、検知された高速プロトコルモードでの動作をサポートするように前記複数の電気接点の少なくとも1セットが前記制御部によって割り当てられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)などの規格に準拠した、または、そのような規格と互換性を有するICカード(スマートカード)及び該ICカードを収容する携帯端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、論理回路であるICチップを内蔵し、通常、このICチップが物理的インタフェースと接続されて外部装置との通信を可能とし、該ICカードが多様な機能を実現する。ここで、外部装置としては、携帯端末機、PC、ICカードアダプター、ICカードリーダー/ライターなどがある。
【0003】
ほとんどのICカード(UICC)は、従来のISO(International Standard Organization)プロトコル(例えば、ISO 7816)だけではなく、マルチメディアカード(MMC:Multi Media Card)、USB_IC(USB protocol for Inter Chip use)、USB(Universal Serial Bus)のうちの1つに基づく高速プロトコルをサポートすることができる。
【0004】
ICカードが、ICカードインタフェースを有するICカードリーダー/ライターや端末機に接続され、例えばUSB規格に基づく高速プロトコルインタフェースを介してコンピュータと接続されると、ICカードは、コンピュータと通信し、使用しやすく低コストの高速シリアルインタフェースをユーザーに提供し、かつコンピュータの外部装置に「plug and play」機能をサポートするために、USBプロトコルによって自身を設定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のICカードは、同一のプロトコルモードを採用しないホストや外部装置では使用することができなかった。例えば、MMCプロトコルモードで動作するICカードは、コンピュータがフラッシュメモリのMMCモードを含むICカードのためのインタフェースや通信プロトコルを有しない場合には、該コンピュータと直接通信することができなかった。
【0006】
携帯用装置がますます小さく、薄くなるように、それぞれの異なるプロトコルモードに対して個別のカードを利用したり、複数のプロトコルモードにおいて端末機の動作を対応させるためにハードウェアを追加したりするよりは、複数のプロトコルモードで動作し得る1つのICカード装置を使用する方が好ましい。
【0007】
今のところ、携帯端末機で重いプロシージャ(a heavy procedure)を多重化しまたは実施することなく、USBとMMCとの両方で動作し得るICカード(UICC)は開発されていない。また、端末機(又はコンピュータ)で実現される特定のプロシージャは、これを実現する新しい端末機のみにその市場が限定される。
【0008】
ICカード(UICC)と携帯端末機との間の物理的インタフェースは8つの接点モジュール(eight contacts module)に基づいており、それより多くの電気接点は実現されそうにない。
従って、全ての拡張は、前記従来の電気接点に対応できること、最小限の下位互換性を有すること、及び、セッションはISO 7816シリーズに定められたISO T=0プロトコルで常にオープンされ得ることを考慮しなければならない。
【0009】
また、ICカード(UICC)において、使用可能な電気接点が一般的に8つに限定されるという点も問題である。無線通信装置の機能及び性能の向上し続けるにつれて、電気接点の総数を増加させることは、そのような機能及び性能の向上をサポートする1つの方法にはなる。
しかし、ICカード(UICC)に新たな物理的電気接点を追加すると、ICカード(UICC)及びこれとの通信を必要とする外部装置の双方に大きな変形が必要となってしまう。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものである。すなわち、本発明は、ICカードの電気接点の総数(例えば、8端子)を維持しつつ、このように限られた電気接点を適切な方法で動的(ダイナミック)に割り当てることにより、多様な機能及びインタフェースに対応して適切にサポートすること、特に、高速データ通信の処理を適切に行うことを目的とする。
【0011】
本発明は、ICカード(特にUICC)でより向上したサービスと応用とを提供するために、USBプロトコルモード、MMCプロトコルモード及びUSB_ICプロトコルモードでの動作をサポートするための解決方法を提供することを目的とする。これにより、UICC{SIM(Subscriber Identity Module)、USIM(Universal Subscriber ICentity Module)、ISIM又はIMS SIMなどの応用を含む)は、新しいインタフェースが使用されることを要求する。
【0012】
従来のISO 7816プロトコルは、高速通信用に設計されていないプロトコル(T=0、T=1)であるため、限られた通信チャネルしか提供できない。この解決方法として、本発明は、高速プロトコルモードのための新たなインタフェースとプロトコルとを提供する。
【0013】
本発明は、ICカード(UICC)が携帯端末機に挿入される場合にはMMCプロトコルモードが使用され、コンピュータと通信する場合にはUSBプロトコルモードが使用されることを可能とする。
【0014】
本発明は、例えば、ICカードリーダー/ライターの種類(タイプ)を検知し、検知したプロトコル(例えば、MMCやUSB)に対してセッションを開始し、全てのプロトコルモードが同一の物理的インタフェースで使用されるICカードベースのメカニズム(ICカードシステム)を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、MMCプロトコルモード又はUSBプロトコルモードを使用し、そのようなプロトコルでICカードを設定するホストと通信するか否かを判断することのできるICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、制御部を含む端末機と通信するように形成されたICカードにおいて、複数の電気接点と、情報を保存し、前記複数の電気接点を介して前記制御部と通信し得るメモリと、を備え、前記制御部によって高速プロトコルモードのタイプが検知され、検知された高速プロトコルモードでの動作をサポートするように前記複数の電気接点の少なくとも1セットが前記制御部によって割り当てられることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、ICカードが接続される携帯端末機の制御方法であって、接続されたICカードの高速プロトコルモードのタイプを検知する段階と、前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを前記検知された高速プロトコルモードに割り当てる段階と、前記検知された高速プロトコルモードで動作する段階と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、携帯端末機であって、ICカードが接続された物理的インタフェースと、前記ICカードのプロトコルモードのタイプを検知し、前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを前記検知したプロトコルモードに割り当てると共に、該プロトコルモードで動作するように制御する制御部と、を含んで構成されことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、端末機の制御部によってICカードの高速プロトコルモードのタイプが検知され、該検知された高速プロトコルモードの動作をサポートするように前記ICカードの複数の電気接点が割り当てられるので、ICカードは、端末機で検知された高速プロトコルモード、例えば、端末機に応じた高速プロトコルモードで動作することができるという効果がある。
【0020】
また、本発明に係るICカード(UICC)は、ネゴシエーション段階あるいは新しいネゴシエーション段階(negotiation phase)を追加することなく、USB又はMMCを実行する如何なる端末機にも使用可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
概要として、新たなネゴシエーション段階を追加することなく、USBやMMCを実現する如何なる端末機においても使用することができ、最適な相互接続のためのプロトコル選択及びそのプロシージャの両方を実現し得るICカード(UICC)を有することが好ましい。
本発明では、USBやMMC等の高速プロトコルモードで動作する端末機に、少なくとも1つの高速プロトコルモードでの動作が可能なICカードが接続されると、端末機によって利用可能な高速プロトコルモードのタイプが検知され、該検知された高速プロトコルをインタフェースでイネーブルとされ、該高速プロトコルモードでの動作をサポートするようにICカードの電気接点の1セットが割り当てられて該高速プロトコルモードに切り替わる。ここで、前記利用可能な高速プロトコルモードのタイプとは、ICカードが前記端末機との間で利用することのできる高速プロトコルモードのタイプや前記端末機によって動作を要求される高速プロトコルモードのタイプなどを意味する。
【0022】
図1は、本実施形態に係るUICC(a)及び該UICCの電気接点の割り当てテーブル(b)を示している。図1に示すように、UICC(ICカード)10は8つの電気接点C1〜C8を有している。ここで、8つの電気接点が全てプロセッサと電気的に接続されるのではなく、それらのうち一部は使用されない。このような未使用接点は特定プロトコルの存在によって特定技術に割り当てることができる。
【0023】
図1に示すように、UICCの電気接点のうち5つの電気接点は従来のISOプロトコル(ISO 7816)に割り当てられているが、残りの3つの未使用接点(C4、C6、C8)はMMCやUSBのためのUICC接点割り当てなどのさらなる発展のために使用可能である。
【0024】
UICCの各接点の割り当ては次のとおりである。
I/O:カード内のIC回路に対するシリアルデータの入出力:(C7)
VPP:プログラミング電圧入力(定義されているが未使用):(C6)
GND:グランド(基準電圧):(C5)
CLK:clocking or timing signal:(C3)
RST:単独で使用されるか(インタフェース装置から供給されるリセット信号)又は内部リセット調節回路と組み合わせて使用される(カードによる選択的使用)。内部リセットが実現される場合には、VCCへの電圧供給が必須となる。:(C2)
VCC:電力供給(電源電圧)入力:(C1)
【0025】
ETSI SCP TS 102 221(UICC特性)は、ICカード利用のための一般のプラットフォームを定義し、無線通信ネットワーク(例えば、2Gや3G)での動作のためにUICC(又はICカード)と携帯端末機との間のインタフェースを指定する。ETSIはUICC規定を担当している欧州電気通信標準化機構を示す。UICC及びETSI SCP TS 102 221(2005−06)に基づく規格などに関する詳細な追加事項が考慮される。
【0026】
本発明の実施形態によれば、UICC10は、複数の電気接点と、情報を保存し、前記接点を介してプロセッサと通信するメモリと、を含んで構成され、前記プロセッサによって高速プロトコル(又は非接触プロトコル)の存在が検知され、前記プロセッサが少なくとも1セットの電気接点を割り当てることで、高速プロトコルが存在するか否かに応じてnon−ISOモード(高速プロトコルモード)又はISOモード(ISO 7816プロトコルモード)での動作をサポートすることができる。
【0027】
ここではメモリやプロセッサのような特定の要素について説明するが、これらに限定されるものではない。本発明の範囲は、ICカードやスマートカードのある特定の種類に限定されるものではなく、他の様々なICカードやスマートカードも本明細書に記載された本発明の本質的な特徴を含むように構成することが可能であることも考慮されるべきである。本発明は、(UICCに限定されるものではなく)スマートカードの同一の物理的インタフェースにおける複数のプロトコルの実現にも適用することができる。
【0028】
また、UICC10は、SIM機能、USIM機能、ISIM機能及びIMS SIM機能のうちの少なくとも1つと互換性を有することができる。しかし、他の種類のSIMカードや類似したオペレーションも本発明の特徴によりサポートすることができる。
【0029】
図2は、MMCプロトコルモードのために割り当てられる電気接点を有するUICC10を示している。
【0030】
UICC10は、複数の電気接点と、情報(高速プロトコル(ここでは、MMCプロトコル)に関する情報等)を保存し、前記複数の電気接点を介してプロセッサ(図示せず)と通信する前記メモリ(図示せず)と、を含んで構成され、前記プロセッサが少なくとも1セットの電気接点を割り当てることで、特定プロトコルモードでの動作をサポートすることができる。
ここで、複数の電気接点は、前記ISO 7816に基づくC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8の8つの電気接点から構成されており、C4、C6、C8の電気接点がMMCプロトコルを実現するために割り当てられる。
【0031】
このようなUICC10が携帯端末機に位置する場合、該端末機はUICC10のMMCプロトコルの存在を検知してMMCプロトコルモードでの動作に自動的に切り替えることができる。また、このようなUICC10がカメラに挿入された場合には、該カメラはUICC10のMMCプロトコルの存在を検知し、データを保存するために自動的にMMCプロトコルモードでの動作に自動的に切り替えることができる。この場合、端末機又はカメラはUICC10に3Vを供給し、UICC10は3Vが供給されてMMCプロトコルモードで動作する。
【0032】
図3は、USBプロトコルモードのために割り当てられる電気接点を有するUICC10を示している。
【0033】
図3においても、複数の電気接点は、図1、2に示したUICCと同様に、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、及びC8の8つの電気接点から構成され、C4、C8の電気接点がUSBプロトコルを実現するために割り当てられるようになっており、UICC10は携帯端末機に位置する。
このとき、携帯端末機は、UICCのUSBプロトコルの存在を検知し、自身がUSBプロトコルモードで動作すると共にUICC10に5Vを供給する。そして、UICC10は、この5Vが供給されることにより、外部装置との接続サービスのためにUSBプロトコルに自動的に切り替わる。
【0034】
また、C4、C8の電気接点は、USBプロトコル実現のために前記プロセッサにより割り当てられる。なお、同時にコンタクトレス(非接触)通信プロトコルが存在する場合には、C6の電気接点が非接触プロトコル実現のために割り当てられる。
【0035】
上記した電気接点C4、C6、C8又はC4、C8の割り当ては、単に説明のためのものであり、当業者であればこのような接点以外の他の接点も使用し得るということを理解できるであろう。
【0036】
次に、端末機においてプロトコルモードのタイプを検知して実現する方法について図4〜図7を用いて説明する。
【0037】
図4は、本実施形態に係るUICCを含む携帯端末機20の概略構成を示している。
図4に示すように、携帯端末機20は、UICC等のICカード22と接続された物理的カードインタフェース21と、情報を保存するメモリ23と、端末機20の電源がオンされたときにICカード22にアクセスして該ICカード22から情報を読み出すモードセンシングモジュール(a mode sensing module)24と、ICカード22のために特定プロトコルモードの存在を検知するモード識別モジュール(a mode distinguishing module)25と、ICカード22との電気接点の少なくとも1セットを割り当てる割り当てモジュール(an allocating module)26と、プロセッサ(制御部)27と、を含んで構成される。図4では、各モジュールが分離されて別々に示されているが、プロセッサ27の一部分となる場合もある。また、携帯端末機20は、情報を出力(表示)する出力部28と、ユーザーが情報等を入力する入力部29と、RF信号を送受信する送受信部30とをさらに含んでいる。
【0038】
プロセッサ27は、携帯端末機20及びICカード22の本質的なオペレーションを制御し、送受信器30を介して無線ネットワークに接続される。なお、携帯端末機20は上記各構成要素を含むものに限定されるものではなく、他の要素を含むことができる。
【0039】
プロセッサ27は、携帯端末機20に配置され、SIM機能、USIM機能、ISIM機能及びIMS SIM機能のうちの少なくとも1つと互換性のあるプロシージャを実現する。プロセッサ27は、カードインタフェース21、メモリ23、モードセンシングモジュール24、モード識別モジュール25、及び、割り当てモジュール26と協働し、ホスト(携帯端末機)及びICカード22の少なくとも1つに電源が供給されると、ICカード22からの入力信号によって該ICカード22のプロトコルモードタイプを検知し、この検知したプロトコルモードのタイプに応じてICカード22の複数の電気接点の少なくとも1つのセットを割り当てると共に、前記検知されたプロトコルモードのタイプで動作する。
【0040】
本発明が適用される範囲には、WI−FI、WLAN、WIBRO、WIMAX、BREW、3Gネットワークなどの複数の無線ネットワークが含まれる。それは、これらの概念及び特徴が本発明と共通し、多様な通信方式における実現を可能にするからである。
【0041】
また、UICCに関し、本発明はテレコミュニケーション分野に関連して説明されているが、本発明が提供する解決方法は、このようなテレコミュニケーション分野だけではなく、これを超えてUICCの使用可能な多様な分野をカバーできる。また、本発明の範囲には、特定の種類のPDA、ノート型パソコン、UMPC(Ultra Portable Mobile Compute)などの携帯端末機又は携帯装置も含まれる。
【0042】
次に、図5を参照して本発明の第1実施形態によるプロトコルモードの選択方法について説明する。
図5に示すように、ICカード(UICC)のプロトコルを動的に選択する方法は、UICCがホストに接続され、ホスト及びUICCの少なくとも1つに電力が供給されるとUICCから受信される入力信号に基づいてUICCのプロトコルモードのタイプを検知することから始まる(ステップ50)。ここで、入力信号に基づいてプロトコルモードのタイプを検知することには、UICCに供給される電圧クラスを検知することが含まれる。これは互いに異なるプロトコルの電気的特性(仕様)が異なるためである。例えば、USBプロトコルは(PCのように)5Vで動作する反面、MMCプロトコルは3Vで動作する。但し、例えば1.8Vのように、今後実施されるより低い電圧クラスを排除するものではない。
【0043】
次に、5Vが検知されたかを判断する(ステップ51)。5Vが検知された場合には、UICCのプロトコルモードのタイプがUSBプロトコルであると判断し、USBプロトコルが前記インタフェースでイネーブルとなり、UICCの電気接点もそれに応じて割り当てられる(例えば、図3に示すように、C4、C8の電気接点がUSBに割り当てられる)(ステップ52)。
【0044】
5Vが検知されない場合(例えば、3Vが検知された場合)には、UICCのプロトコルモードのタイプがMMCプロトコルであると判断し、MMCプロトコルが前記インタフェースでイネーブルとなって、UICCの電気接点はそれに応じて割り当てられる(例えば、図2に示すように、C4、C6、C8の電気接点がMMCに割り当てられる)(ステップ53)。
【0045】
図6は、本発明の第2実施形態によるプロトコルモードの選択方法を示している。
ここで、ステップ60は、図5のステップ50と実質的に同じである。次に、UICCの電圧クラスを検知する(ステップ61)。ここで、互いに異なるプロトコルに割り当てられた複数の電圧クラスを検知することを含み、そこには、例えば、USB(5V)、MMC(3V)、及び、USB IC(1.8V)が含まれる。なお、USB ICは、1.8V、1.2V、又は、1.0Vのように異なる電圧クラスで動作することができる。
【0046】
5Vの電圧クラスが検知された場合には、UICCのプロトコルモードのタイプがUSBプロトコルであると判断し、USBプロトコルが前記インタフェースでイネーブルとなって、UICCの電気接点はそれに応じて割り当てられる(例えば、図3に示すように、C4、C8の電気接点がUSBに割り当てられる)(ステップ62)。
【0047】
また、3Vの電圧クラスが検知された場合には、MMCプロトコルを前記インタフェースでイネーブルとしUICCの電気接点はそれに応じて割り当てられる(例えば、UICCでは、図2に示すように、C4、C6、C8の電気接点がMMCに割り当てられる)(ステップ63)。
【0048】
さらに、1.8V又はそれより低い電圧クラスが検知されると、USB ICプロトコルを前記インタフェースでイネーブルとし、UICCの電気接点はそれに応じて割り当てられる(ステップ64)。
【0049】
図7は、本発明の第3実施形態によるプロトコルモードの選択方法を示している。この実施形態では、所定のセッション・オープニングの初期段階(ネゴシエーション段階)において、プロトコルモードを検知することを含む。
【0050】
ステップ70〜72は、図5のステップ50〜52と同様である。すなわち、UICCがホストに接続され、ホスト及びUICCの少なくとも1つに電力が供給され、UICCから受信される入力信号に基づいてUIICのプロトコルモードのタイプを検知することから始まる(ステップ70)。そして、入力信号に基づいてプロトコルモードのタイプを検知することには、UICCに供給される電圧クラスを検知することが含まれ、UICCに供給される電圧クラスとして5Vが検知されたか否かを判断する(ステップ71)。5Vが検知された場合には、USBプロトコルをインタフェースでイネーブルとしUICCの電気接点はそれに応じて割り当てられる(例えば、図3に示すように、C4、C8の電気接点がUSBに割り当てられる)(ステップ72)。
【0051】
一方、5Vが検知されなかった場合(例えば、5Vより小さい電圧クラスが検知された場合)には、所定のセッションを開始し、該セッション・オープニングの初期段階/ネゴシエーション段階にて高速プロトコルモードに関する情報を検知し始める(ステップ73)。ここで、オープンセッション後、プロトコルの検知/ネゴシエーションを開始した後に高速プロトコルモードに関する情報を検知するモードには少なくとも2種類がある。
【0052】
高速プロトコルモードに関する情報を検知する第1の検知モードは、UICCに保存され、ISO 7816によるATR(Answer To Reset)に含まれる高速プロトコルモードに関する情報を検知することを含む。
【0053】
高速プロトコルモードに関する情報を検知する第2のモードは、UICCに保存され、ETSI SCP TS 102 221によるサービステーブルにおいてイネーブルになったプロトコルモードのリストを検知することをさらに含む。
【0054】
ステップ74でMMCプロトコルモードが検知された場合には、UICCの複数の電気接点の少なくとも1つのセットがMMCプロトコルモードに応じて割り当てられ、MMCプロトコルモードで動作する(ステップ75)。一方、ステップ74でUSB ICプロトコルモードが検知された場合には、UICCの複数の電気接点の少なくとも1つのセットがUSB ICプロトコルモードに応じて割り当てられ、USB ICプロトコルモードで動作する(段階76)。
【0055】
ここでは、5Vが検知されなかった場合に高速プロトコルモードに関する情報を検知するようにしているが、最初に当該情報を検知するようにしてもよい。この場合、検出された高速プロトコルモードに応じてUICCの複数の電気接点の少なくとも1つが割り当てられる。また、この方法には、MMCプロトコルモード及びUSBプロトコルモードと共にUSB ICプロトコルモードの実現を含むことができる。ここで、USB ICプロトコルモードは、1.8V、1.2V、又は、1.0Vのように異なる電圧クラスでも動作することができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変形が可能である。
【0057】
例えば、ICカードリーダーの種類を検出することで存在する高速プロトコルモードを識別することができる。この場合において、識別された高速プロトコルモードでセッションを開始するようにする。
例えば、UICCは(USB物理的手動アダプターと共に)PCに挿入することができる。この場合、UICCはスレーブモード(slave mode)にあり、PCはファイルの読み込み、書き込み又は動作の実行のためにUICCにアクセスする。セッション・オープニング時に、PCはUSBモードで動作を続けるUICCによって検知される5V(の電源電圧)を供給する。また、UICCは適切なカードリーダー(correct card format reader)を有するカメラに挿入することができる。この場合、カメラは3V(の電源電圧)をUICに供給し、UICCはインタフェースでMMCプロトコルモードに自動的に切り換わり、カメラはUICCに写真等を保存することができる。
【0058】
他の例においては、UICCは(例えば、大容量記憶のために)MMCプロトコルを使用するように要求する携帯端末機に挿入することができる。この場合、端末機が3Vで入力信号を供給すると、UICCはインタフェースでMMCプロトコルモードに自動的に切り替わる。そして、UICCは、その複数の電気接点の1セットが該MMCプロトコルに割り当てられることになる。同様に、UICCは(例えば、接続サービスのために)USBプロトコルを使用するように要求する携帯端末機に挿入することができる。この場合、端末機が5Vで入力信号を供給すると、UICCはインタフェースでUSBプロトコルモードに自動的に切り替わる。そして、UICCは、その複数の電気接点の1セットが該USBプロトコルに割り当てられることになる。
【0059】
本発明を応用したさらに他の例においては、UICCが非接触プロトコル(on one wire implementation)と高速プロトコルとの両方を使用することを要求する携帯端末機に挿入された場合についても説明される。携帯端末機は、(C4、C8電気接点でイネーブルになった)高速プロトコルと(C6接点でイネーブルになった)非接触プロトコルのためにUSBの使用を選択することができる。この場合、入力信号が5Vで供給されると、C6の電気接点は非接触プロトコルの使用が自由であり、かつUICCはインタフェースでUSBプロトコルに自動的に切り換えることができる。
さらに、高速プロトコルモードが存在し使用される場合には、ISO7816プロトコルに割り当てられた電気接点の少なくとも1つをディセーブルとしてもよい。ISO 7816プロトコルの扱う各タスクは高速プロトコルによっても容易に達成し得るからである。この場合において、非接触プロトコルが存在する場合には、該非接触プロトコルのために前記ディセーブルとした電気接点を再割り当てするのが好ましい。
【0060】
添付図面を参照して、本発明の実施形態を当業者が容易に実施することができるように詳細に説明した。しかし、本発明は、多様な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係るUICC(ICカード)及び該UICCの電気接点の割り当てテーブルを示す図である。
【図2】MMCプロトコルモードのために割り当てられた電気接点を有するUICCを示す図である。
【図3】USBプロトコルモードのために割り当てられた電気接点を有するUICCを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るUICCを含む携帯端末機の構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるプロトコルモードの選択方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態によるプロトコルモードの選択方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態によるプロトコルモードの選択方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10 UICC(ICカード)
20 携帯端末機
21 カードインタフェース
22 UICC(ICカード)
23 メモリ
24 モードセンシングモジュール
25 モード識別モジュール
26 割り当てモジュール
27 プロセッサ
28 出力部
29 入力部
30 送受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を含む端末機と通信するように形成されたICカードにおいて、
複数の電気接点と、
情報を保存し、前記複数の電気接点を介して前記制御部と通信し得るメモリと、
を備え、
前記制御部によって利用可能な高速プロトコルモードのタイプが検知され、検知された高速プロトコルモードでの動作をサポートするように前記複数の電気接点の少なくとも1セットが前記制御部によって割り当てられることを特徴とするICカード。
【請求項2】
前記高速プロトコルモードには、USB(Universal Serial Bus)プロトコルモード、MMC(Multi Media Card)プロトコルモード及びUSB_IC(Universal Inter Chip)プロトコルモードの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記制御部は、ICカードの電圧クラスに基づいて前記ICカードの高速プロトコルモードのタイプを検知し、
検知された高速プロトコルモードのタイプに応じて前記複数の電気接点の少なくとも1セットが割り当てられて前記検知された高速プロトコルモードに切り替わることを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項4】
前記制御部は、ICカードリーダーの種類に基づいて前記高速プロトコルモードのタイプを検知し、検知した高速プロトコルモードでセッションを開始することを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項5】
前記複数の電気接点の第1のセットはISO 7816プロトコルに割り当てられ、
前記電圧クラスが5Vである場合には、前記複数の電気接点の第2のセットが前記USBプロトコルに割り当てられることを特徴とする請求項3に記載のICカード。
【請求項6】
前記複数の電気接点の第1のセットはISO 7816プロトコルに割り当てられ、
前記電圧クラスが3Vである場合には、前記複数の電気接点の第2セットが前記MMCプロトコルに割り当てられることを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項7】
前記複数の電気接点の第1のセットはISO 7816プロトコルに割り当てられ、
前記電圧クラスが1.8V以下である場合には、前記複数の電気接点の第2セットが前記USB_ICプロトコルに割り当てられることを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項8】
前記複数の電気接点は、ISO 7816に従ってC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8からなる8つの電気接点を含み、
C4及びC8の電気接点が前記USBプロトコルを実現するために割り当てられることを特徴とする請求項5に記載のICカード。
【請求項9】
前記複数の電気接点は、ISO 7816に従ってC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8からなる8つの電気接点を含み、
C4、C6及びC8の電気接点が前記MMCプロトコルを実現するために割り当てられることを特徴とする請求項6に記載のICカード。
【請求項10】
SIM機能、USIM機能、ISIM機能及びIMS SIM機能の少なくとも1つと互換性を有することを特徴とする請求項1に記載のICカード。
【請求項11】
前記制御部は、SIM機能、USIM機能、ISIM及びIMS SIM機能の少なくとも1つと互換性を有する手順を実行するものであることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
【請求項12】
コンピュータに挿入されたときに、スレーブモード(slave mode)で動作して前記コンピュータによってアクセスされ、
初期セッション時に前記コンピュータから5Vが供給されることにより、前記USBプロトコルモードで動作することを特徴とする請求項2記載のICカード。
【請求項13】
対応する高速プロトコルフォーマットリーダ(high speed protocol format reader)を備えて設計されたカメラに装着されると、該カメラによってアクセスされ、
前記カメラから3Vが供給されることにより、前記MMCプロトコルモードに切り替わり、該カメラの情報を保存することを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項14】
携帯端末機に接続され、該携帯端末機から3Vが供給されることにより、前記MMCプロトコルモードに切り替わり、該携帯端末機の情報を保存することを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項15】
携帯端末機に接続され、該携帯端末機から5Vが供給されることにより、外部機器との接続サービスのために前記USBプロトコルモードに自動的に切り替わることを特徴とする請求項2に記載のICカード。
【請求項16】
前記携帯端末機は、前記USBプロトコルモードと非接触プロトコルモードで同時に動作するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載のICカード。
【請求項17】
前記複数の電気接点は、ISO 7816に従ってC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8からなる8つの電気接点を含み、
C4及びC8の電気接点が前記USBプロトコルを実現するために割り当てられると共に、C6の電気接点が前記非接触プロトコルを実現するために割り当てられることを特徴とする請求項16に記載のICカード。
【請求項18】
ICカードが接続される携帯端末機の制御方法であって、
接続されたICカードの利用可能な高速プロトコルモードのタイプを検知する段階と、
前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを前記検知された高速プロトコルモードに割り当てる段階と、
前記検知された高速プロトコルモードで動作する段階と、
を含んで構成されることを特徴とする携帯端末機の制御方法。
【請求項19】
前記高速プロトコルモードのタイプを検知する段階は、前記ICカードに供給される電圧に基づいて前記高速プロトコルモードのタイプを検知し、
前記ICカードは、前記電圧が供給されることによって前記高速プロトコルモードに切り替わることを特徴とする請求項18に記載の携帯端末機の制御方法。
【請求項20】
前記高速プロトコルモードには、USB(Universal Serial Bus)プロトコルモード、MMC(Multi Media Card)プロトコルモード及びUSB_IC(Universal Inter Chip)プロトコルモードの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項18に記載の携帯端末機の制御方法。
【請求項21】
前記高速プロトコルモードに割り当てる段階は、
5Vが検知されると、前記USBプロトコルモードのために前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを割り当て、
3Vが検知されると、前記MMCプロトコルモードのために前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを割り当て、
1.8V以下が検知されると、前記USB_ICプロトコルモードのために前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを割り当てることを特徴とする請求項20記載の携帯端末機の制御方法。
【請求項22】
前記高速プロトコルモードを検知する段階は、セッション開始の初期段階に、ISO7816に基づく前記ICカードのリセット応答(ATR)に含まれる高速プロトコルモードに関する情報から前記ICカードの高速プロトコルモードのタイプを検知することを特徴とする請求項20に記載の携帯端末機の制御方法。
【請求項23】
前記高速プロトコルモードを検知する段階は、ETSI SCP TS 102 221に基づくサービステーブルに含まれる利用可能なプロトコルモードのリストから前記ICカードの高速プロトコルモードのタイプを検知することを特徴とする請求項20に記載の携帯端末機の制御方法。
【請求項24】
前記USBプロトコルモードが検知されると、該USBプロトコルモードのために前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを割り当てると共に、該USBプロトコルモードで動作し、
前記MMCプロトコルモードが検知されると、該MMCプロトコルモードのために前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを割り当てると共に、該MMCプロトコルモードで動作し、
前記USB_ICプロトコルモードが検知されると、該USB_ICプロトコルモードのために前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを割り当てると共に、該USB_ICプロトコルモードで動作することを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の携帯端末機の制御方法。
【請求項25】
ICカードが接続された物理的インタフェースと、
前記ICカードのプロトコルモードのタイプを検知し、前記ICカードの複数の電気接点の少なくとも1セットを前記検知したプロトコルモードに割り当てると共に、該プロトコルモードで動作するように制御する制御部と、
を含んで構成されことを特徴とする携帯端末機。
【請求項26】
前記プロトコルモードには、高速プロトコルモードと非接触プロトコルモードの少なくとも1つが含まれ、前記高速プロトコルモードには、USBプロトコルモード、MMCプロトコルモード及びUSB_ICプロトコルモードの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項25に記載の携帯端末機。
【請求項27】
前記ICカードは、その複数の電気接点の第1セットがISO 7816プロトコルに割り当てられている一方、前記複数の電気接点の第2セットが前記高速プロトコルモードに割り当てられるように構成され、
前記複数の電気接点の第2セットが前記高速プロトコルモードに割り当てられて該高速プロトコルモードで動作すると、前記ISO 7816プロトコルに割り当てられていた前記第1セットの少なくとも1つのセットがディセーブルされ、このディセーブルされた電気接点が非接触プロトコルモードのために再割り当てされることを特徴とする請求項25に記載の携帯端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−242024(P2007−242024A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62637(P2007−62637)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】