説明

ICカードリーダー取付部及びそれを備えた画像形成装置

【課題】簡単な作業で複数種のICカードリーダーを取り付け可能なICカードリーダー取付部及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】ICカードリーダー取付部31は、ハウジング本体32aと、ヒンジ部35a、35bにおいてハウジング本体32aに開閉可能に取り付けられるカバー部31bとで構成されるハウジング32と、ハウジング32内に配置される取付ベース37及び取付アタッチメント40とで構成されている。取付アタッチメント40の表面側(凸側)は第1取付面41、裏面側(凹側)は第2取付面43となっている。ICカードリーダー50の厚みに応じて第1取付面41または第2取付面43のいずれかを選択して使用することで、薄型のICカードリーダー50、厚型のICカードリーダー50の両方を取り付け可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に画像形成装置へのICカードリーダーの取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に対するセキュリティ強化等の要求により、個人情報、セキュリティ認証情報等のICカード情報を読み取るICカードリーダーを備えた画像形成装置が知られている。そして、ICカードから読み取られた情報が適正であれば画像形成装置が作動し、読み取られた情報が適正でない場合は画像形成装置の作動を停止することで、画像形成装置の不正使用を防止する。
【0003】
このような画像形成装置として、例えば特許文献1には、ICカードリーダーと取付部との間に弾性体を設けることにより、ICカードをICカードリーダーに接触させたときの衝撃を吸収するようにした画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−271671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の構成では、ICカードリーダーは予め画像形成装置の操作パネルに固定されているか、或いはオプションで取り付けられており、特定のICカードリーダーのみが取り付け可能であった。
【0006】
しかしながら、一般に使用されているICカードリーダーは多種多様であり、ICカードリーダーの仕様によってカードリーダー本体の厚みやUSBケーブルの長さ等もまちまちである。また、ユーザーが既に使用しているICカードリーダーの取り付けを希望する場合も考えられる。上記の要望により、多種多様のICカードリーダーを搭載可能な画像形成装置が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な作業で複数種のICカードリーダーを取り付け可能なICカードリーダー取付部及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、ICカードリーダーを収納するハウジング本体と、該ハウジング本体に開閉可能に装着されるカバー部と、を有するハウジングと、該ハウジング内に配置される取付ベースと、該取付ベースの収納部に配置され、表面及び裏面にICカードリーダーの載置高さが異なる第1取付面と第2取付面とが形成された取付アタッチメントと、を備え、前記取付アタッチメントを表裏方向に反転させて前記収納部に配置することにより、前記第1取付面または前記第2取付面のいずれかを選択してICカードリーダーを取り付け可能としたICカードリーダー取付部である。
【0009】
また本発明は、上記構成のICカードリーダー取付部において、前記取付ベースは、ICカードリーダーのUSBケーブルを巻き取るケーブル巻取り部を有することを特徴としている。
【0010】
また本発明は、上記構成のICカードリーダー取付部において、前記ケーブル巻き取り部は、前記取付ベースの複数の箇所に選択的に配置されることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成のICカードリーダー取付部において、前記ケーブル巻き取り部は、前記収納部に回動可能に支持されることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成のICカードリーダー取付部において、前記ケーブル巻き取り部は、前記収納部の複数の箇所に着脱可能に支持されることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成のICカードリーダー取付部において、前記カバー部の少なくとも一部が透明材料で形成されていることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成のICカードリーダー取付部を備えた画像形成装置である。
【0015】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ICカードリーダー取付部は、画像形成装置本体から側方に突出するように配置されており、画像形成装置本体に対して上下に回動可能であることを特徴としている。
【0016】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ICカードリーダー取付部は、画像形成装置本体に対して左右に回動可能であることを特徴としている。
【0017】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ICカードリーダー取付部に隣接して画像形成装置本体から側方に突出する操作パネルを備え、前記ICカードリーダー取付部及び前記操作パネルは、それぞれ画像形成装置本体に対して独立して上下に回動可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の構成によれば、取付アタッチメントの表面及び裏面に形成されたICカードリーダーの載置高さが異なる第1取付面または第2取付面のいずれかを選択して使用することにより、厚みの異なるICカードリーダーを簡単に取り付け可能となる。また、ICカードリーダーの厚みに係わらずICカードリーダーの上面(読取面)からハウジング上面(ICカード接触面)までの距離がほぼ一定となるため、ICカードの読み取り性も維持することができる。
【0019】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成のICカードリーダー取付部において、取付ベースにICカードリーダーのUSBケーブルを巻き取るケーブル巻取り部を設けることにより、ICカードリーダーのUSBケーブルをコンパクトに収納することができる。また、USBケーブルの巻取り量を変えることによりUSBケーブルの長さを簡単に調節することができる。
【0020】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成のICカードリーダー取付部において、ICカードリーダーからのUSBケーブルの突出方向や突出位置、ICカードリーダー本体の厚み等に応じて、ケーブル巻き取り部を取付ベースの複数の箇所に選択的に配置可能とすることにより、USBケーブルを過度に折り曲げたり湾曲させたりすることなく、ケーブル巻取り部にコンパクトに巻き取ることができる。また、USBケーブルの劣化や破損も防止することができる。
【0021】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成のICカードリーダー取付部において、ケーブル巻き取り部を収納部に回動可能に支持することにより、簡単な構成でケーブル巻き取り部を取付ベースの複数の箇所に選択的に配置することができる。
【0022】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第3の構成のICカードリーダー取付部において、ケーブル巻き取り部を収納部の複数の箇所に着脱可能に支持することにより、簡単な構成でケーブル巻き取り部を取付ベースの複数の箇所に選択的に配置することができる。
【0023】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成のICカードリーダー取付部において、カバー部の少なくとも一部を透明材料で形成することにより、ハウジング内に取り付けられたICカードリーダーの種類を目視により確認することができる。
【0024】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1乃至第6のいずれかの構成のICカードリーダー取付部を備えることにより、ICカードリーダーを用いて不正使用を防止可能であり、且つ、ユーザーの要望に応じた多種多様のICカードリーダーを搭載可能な画像形成装置となる。
【0025】
また、本発明の第8の構成によれば、上記第7の構成の画像形成装置において、ICカードリーダー取付部が画像形成装置本体から側方に突出するように配置されており、ICカードリーダー取付部を画像形成装置本体に対して上下に回動可能とすることにより、背の低いユーザーである場合やユーザーが車椅子利用者である場合、或いは椅子に座った状態で装置を使用する場合にICカードリーダーの操作性が向上する。
【0026】
また、本発明の第9の構成によれば、上記第8の構成の画像形成装置において、ICカードリーダー取付部を画像形成装置本体に対して左右に回動可能とすることにより、画像形成装置の横からでもICカードリーダー取付部にICカードを接触させることができ、ICカードリーダーの操作性がさらに向上する。
【0027】
また、本発明の第10の構成によれば、上記第8又は第9の構成の画像形成装置において、ICカードリーダー取付部及びICカードリーダー取付部に隣接して画像形成装置本体から側方に突出する操作パネルを、それぞれ画像形成装置本体に対して独立して上下に回動可能とすることにより、背の低いユーザーである場合やユーザーが車椅子利用者である場合、或いは椅子に座った状態で装置を使用する場合にICカードリーダー取付部と操作パネルの両方の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のICカードリーダー取付部を備えたカラー複合機の外観構成を示す斜視図
【図2】図1に示したカラー複合機の操作部1周辺の部分拡大図
【図3】本発明の第1実施形態に係るICカードリーダー取付部31の外観斜視図
【図4】第1実施形態のICカードリーダー取付部31の内部構造を示す斜視図
【図5】第1実施形態のICカードリーダー取付部31に用いられる取付ベース37の斜視図
【図6】第1実施形態のICカードリーダー取付部31に用いられる取付アタッチメント40を表面側(第1取付面41側)から見た斜視図
【図7】第1実施形態のICカードリーダー取付部31に用いられる取付アタッチメント40を裏面側(第2取付面43側)から見た斜視図
【図8】ICカードリーダー50を取付アタッチメント40の第1取付面41上に載置した状態を示す斜視図
【図9】第2取付面43を上向きにして取付アタッチメント40を取付ベース37の収納部37aに収納した状態を示す斜視図
【図10】ICカードリーダー50を取付アタッチメント40の第2取付面43上に載置した状態を示す斜視図
【図11】ICカードリーダー50のUSBケーブル51を取付ベース37のケーブル巻取り部37bに巻き付けた状態を示す斜視図
【図12】本発明の第2実施形態に係るICカードリーダー取付部31に用いられる取付ベース37のケーブル巻取り部37bに、ICカードリーダー50のUSBケーブル51を巻き付けた状態を示す斜視図
【図13】第2実施形態のICカードリーダー取付部31に用いられる取付ベース37のケーブル巻取り部37bが収納部37aに回動可能に支持される構成を示す側面図
【図14】第2実施形態のICカードリーダー取付部31に用いられる取付ベース37のケーブル巻取り部37bが収納部37aの複数の位置に着脱可能である構成を示す側面図
【図15】本発明の第3実施形態に係るICカードリーダー取付部31を有する操作部1の平面図
【図16】第3実施形態のICカードリーダー取付部31の側面図
【図17】第3実施形態のICカードリーダー取付部31の斜視図
【図18】第3実施形態のICカードリーダー取付部31を下方向に回動させた状態を示す操作部1の斜視図
【図19】操作パネル30を下方向に回動させた状態を示す操作部1の斜視図
【図20】第3実施形態のICカードリーダー取付部31を右方向に回動させた状態を示す操作部1の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明のICカードリーダー取付部を備えた画像形成装置の外観構成を示す斜視図である。図1において、カラー複合機100は、本体ハウジング20と、本体ハウジング20の上部に配設された上ハウジング21とから成る。上ハウジング21内には、原稿の画像を電気信号として読み取るための画像読取部が設けられ、他方、本体ハウジング20内には、読み取った原稿画像の電気信号に基づいて用紙に画像を形成するための各種機構が設けられる。
【0030】
本体ハウジング20は、下ハウジング20aと、その上方且つ装置奥側に沿って位置し上ハウジング21に連結される連結ハウジング20bとから構成され、下ハウジング20aの内部には、用紙を給紙する給紙機構や、用紙上にトナー画像を形成する画像形成部や、用紙上のトナー画像を定着するための定着部等が設けられ、他方、連結ハウジング20bの内部には、定着後の用紙を搬送して排出するための用紙排出部が設けられている。
【0031】
また、上ハウジング21の直下における連結ハウジング20bの側方には、装置の正面側に向けて大きく開放された胴内排紙空間が形成されており、この胴内排紙空間には、連結ハウジング20bの正面側に設けられた用紙排出口(図示せず)から水平方向に排出される用紙を受け取って積載するための用紙排出トレイ23が設けられている。下ハウジング20aの下部には、種々のサイズの用紙を収納し、正面から出し入れ可能な給紙カセット25が配設されている。
【0032】
上ハウジング21の上面には、透明なガラス板からなる原稿載置台(図示せず)や、装置前面側に突出した操作部1が配設されている。更に、上ハウジング21の上方には、原稿載置台における画像読取位置に原稿を搬送するための原稿搬送装置27を搭載した原稿押さえ28が、上ハウジング21の背面のヒンジ部(図示せず)によって開閉自在に支持されている。
【0033】
図2は、図1に示したカラー複合機100の操作部1周辺の部分拡大図である。操作部1は、液晶表示部30a、操作キー30b等が設けられた操作パネル30と、操作パネル30の右側に隣接して配置され、ICカードリーダーが取り付けられるICカードリーダー取付部31とで構成されている。液晶表示部30aは、カラー複合機100の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したりするようになっている。操作キー30bは、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタンや、各種設定を行う際に使用する設定キー等から成る。
【0034】
図3は、本発明の第1実施形態に係るICカードリーダー取付部31の外観斜視図であり、図4は、第1実施形態のICカードリーダー取付部31の内部構造を示す斜視図である。ICカードリーダー取付部31は、操作パネル30と一体形成されたハウジング本体32aと、ヒンジ部35a、35bにおいてハウジング本体32aに開閉可能に取り付けられるカバー部32bとで構成されるハウジング32と、ハウジング32内に配置される取付ベース37及び取付アタッチメント40とで構成されている。
【0035】
カバー部32bは中央部に開口を有する額縁状であり、開口には内部のICカードリーダーを視認可能とするために透明カバー33が嵌め込まれている。また、カバー部32bの回動側端部(図3の右端部)には開閉用の指掛け部34が形成されている。
【0036】
図5は、取付ベース37の斜視図であり、図6及び図7は、それぞれ取付アタッチメント40を表面側及び裏面側から見た斜視図である。取付ベース37は樹脂製であり、図5に示すように、取付アタッチメント40が収納される収納部37aと、ICカードリーダー50のUSBケーブル51(図11参照)が巻き付けられるケーブル巻取り部37bとが一体形成されている。
【0037】
取付アタッチメント40はICカードリーダー50(図8参照)を支持する樹脂製の平板状部材であり、取付アタッチメント40の表面側(凸側)は第1取付面41、裏面側(凹側)は第2取付面43となっている。第1取付面41、第2取付面43は、取付アタッチメント40上に載置されるICカードリーダー50の厚みに応じて選択的に使用される。なお、第1取付面41及び第2取付面43は、一般に使用されているICカードリーダーのうち最大サイズのものを載置可能な大きさに設計されている。
【0038】
次に、ICカードリーダー取付部31へのICカードリーダー50の取り付け手順について説明する。薄型のICカードリーダー50を取り付ける場合は、図4に示すように、第1取付面41を上向きにして取付アタッチメント40を取付ベース37の収納部37aに収納する。そして、図8に示すように、ICカードリーダー50を取付アタッチメント40の第1取付面41上に載置する。
【0039】
一方、厚型のICカードリーダー50を取り付ける場合は、図9に示すように、第2取付面43を上向きにして取付アタッチメント40を取付ベース37の収納部37aに収納する。そして、図10に示すように、ICカードリーダー50を取付アタッチメント40の第2取付面43上に載置する。
【0040】
次いで、図11に示すように、ICカードリーダー50のUSBケーブル51を取付ベース37のケーブル巻取り部37bに巻き付けて所定の長さに調節する。その後、USBコネクター53をハウジング32内のコネクター差込口(図示せず)に差し込み、取付ベース37をハウジング本体32aに収納した後、カバー部32bを閉じてICカードリーダー50の取り付けを完了する。
【0041】
本実施形態によれば、取付アタッチメント40に高さの異なる第1取付面41及び第2取付面43が形成されており、ICカードリーダー50の厚みに応じて第1取付面41または第2取付面43のいずれかを選択して使用することで、図8のような薄型のICカードリーダー50、図10のような厚型のICカードリーダー50の両方を取り付け可能となる。また、ICカードリーダー50の厚みに係わらずICカードリーダー50の上面(読取面)から透明カバー33(ICカード接触面)までの距離がほぼ一定となるため、ICカードの読み取り性も維持することができる。
【0042】
また、取付ベース37にケーブル巻取り部37bを設けたので、ICカードリーダー50のUSBケーブル51をコンパクトに収納することができる。また、USBケーブル51の巻取り量を変えるだけでUSBケーブル51の長さを簡単に調節することができる。
【0043】
図12は、本発明の第2実施形態に係るICカードリーダー取付部31の取付ベース37にICカードリーダー50を取り付けた状態を示す斜視図である。本実施形態のICカードリーダー取付部31に用いる取付ベース37は、USBケーブル51を巻き付けるケーブル巻取り部37bを収納部37aの側面と裏面とに選択配置可能となっており、図12ではケーブル巻取り部37bを収納部37aの裏面に配置した状態を示している。
【0044】
収納部37aに収納されるICカードリーダー50からのUSBケーブル51の突出方向や突出位置、ICカードリーダー50本体の厚み等によって、USBケーブル51を収納部37aの側面側で巻き取る方が円滑に巻き取れる場合と、収納部37aの裏面側で巻き取る方が円滑に巻き取れる場合がある。そこで、本実施形態のようにケーブル巻取り部37bを収納部37aの複数の位置に移動可能な構成とすることにより、ICカードリーダー50の仕様に応じてケーブル巻取り部37bの位置を変更することができる。
【0045】
例えば、USBケーブル51がICカードリーダー50本体の裏面方向に突出している場合や、ICカードリーダー50本体の厚みが比較的厚く、USBケーブル51が本体側面の下方から突出している場合は、図12に示すようにケーブル巻取り部37bを収納部37aの裏面に配置する。これにより、USBケーブル51を過度に折り曲げたり湾曲させたりすることなく、ケーブル巻取り部37bにコンパクトに巻き取ることができる。
【0046】
ケーブル巻取り部37bを収納部37aの複数の位置に配置する方法としては、例えば図13に示すように、収納部37aとケーブル巻取り部37bとの連結部分に回動支点60を設け、回動支点60を中心としてケーブル巻取り部37bを90°回動させて、ケーブル巻取り部37bを収納部37aの側面側(図の実線)と裏面側(図の破線)とに選択配置する構成が挙げられる。
【0047】
また、図14に示すように、収納部37aとケーブル巻取り部37bとを着脱可能とし、ケーブル巻取り部37bの連結部分に設けられた突起61を、収納部37aの複数個所(ここでは側面及び底面)に形成された差し込み穴63a、63bのいずれかに挿入することで、ケーブル巻取り部37bを収納部37aの側面側と裏面側とに選択配置することもできる。
【0048】
なお、本実施形態では、ケーブル巻取り部37bを収納部37aの側面側と裏面側の2箇所に選択配置可能な構成を例に挙げて説明したが、収納部37aの反対側の側面(図13、図14の左側面)や、収納部37aの長手方向と直交する方向(図13、図14の紙面と垂直方向)の側面に配置可能な構成としても良い。また、図14では、ケーブル巻取り部37b側に突起61を設け、収納部37a側に差し込み穴63a、63bを形成したが、ケーブル巻取り部37b側に差し込み穴を形成し、収納部37a側の複数の位置に突起を設けても良い。
【0049】
図15は、本発明の第3実施形態に係るICカードリーダー取付部31を有する操作部1の平面図であり、図16及び図17は、それぞれ第3実施形態のICカードリーダー取付部31の側面図及び斜視図である。本実施形態では、操作部1を構成するICカードリーダー取付部31のハウジング本体32aと操作パネル30とが分割して形成されており、ハウジング本体32aは支持部55を介してカラー複合機100の上ハウジング21に連結されている。
【0050】
また、支持部55は第1回転軸57により上ハウジング21に対して上下方向(図16の矢印AA′方向)に回動可能に支持されている。さらに、ハウジング本体32aは第2回転軸58により支持部55に対し左右方向(図17の矢印BB′方向)に回動可能に支持されている。ICカードリーダー取付部31の内部構成については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0051】
本実施形態の構成によれば、ICカードリーダー取付部31を支持部55と共に操作パネル30とは独立して上下に回動させることができる。従って、図18に示すようにICカードリーダー取付部31を下方向(矢印A方向)に回動させることで、透明カバー33(ICカード接触面)の位置を低くして前方に傾斜させることができ、背の低いユーザーである場合やユーザーが車椅子利用者である場合、或いは椅子に座った状態で装置を使用する場合にICカードリーダー50の操作性が向上する。
【0052】
また、図15に示すように、第1回転軸57は操作パネル30の基端部(図15の上端部)を貫通するように配置されており、操作パネル30も上ハウジング21に対して上下方向に回動可能に支持されている。従って、図19に示すように操作パネル30を下方向(矢印A方向)に回動させることで、背の低いユーザーである場合やユーザーが車椅子利用者である場合、或いは椅子に座った状態で装置を使用する場合に操作パネル30の操作性が向上する。
【0053】
さらに、図20に示すように、ICカードリーダー取付部31を支持部55に対し第2回転軸58周りに右方向(矢印B方向)に回転させることにより、透明カバー33(ICカード接触面)が斜め横向きに傾斜する。これにより、カラー複合機100の横からでもICカードリーダー取付部31にICカードを接触させることができる。即ち、ユーザーの使用態様に応じてICカードリーダー取付部31のICカード接触面の方向や傾きを任意に変更することができる。
【0054】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、取付ベース37や取付アタッチメント40の形状、サイズ等は、搭載されるICカードリーダー50の仕様に応じて任意に設計することができる。
【0055】
また、上記実施形態では両面に第1取付面41、第2取付面43が形成された1種類の取付アタッチメント40を使用したが、厚みや形状の異なる複数種の取付アタッチメント40を用意しておくことで、さらに多様なICカードリーダー50に対応可能なICカードリーダー取付部31となる。
【0056】
また、本発明のICカードリーダー取付部31は、図1に示したカラー複合機に限らず、カラープリンターやデジタル或いはアナログ方式のモノクロ複合機、モノクロプリンター、インクジェット方式の画像形成部を備えたカラー複合機やカラープリンター等、他の画像形成装置にも適用でき、画像形成装置以外の電子機器のICカードリーダー取付部にも適用できるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、ICカードリーダーが搭載される画像形成装置等の電子機器に利用可能である。本発明の利用により、簡単な作業で複数種のICカードリーダーを取り付け可能なICカードリーダー取付部を提供することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 操作部
30 操作パネル
31 ICカードリーダー取付部
32 ハウジング
32a ハウジング本体
32b カバー部
33 透明カバー
37 取付ベース
37a 収納部
37b ケーブル巻取り部
40 取付アタッチメント
41 第1取付面
43 第2取付面
50 ICカードリーダー
51 USBケーブル
53 USBコネクター
60 回動支点
61 突起
63a、63b 差し込み穴
100 カラー複合機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードリーダーを収納するハウジング本体と、該ハウジング本体に開閉可能に装着されるカバー部と、を有するハウジングと、
該ハウジング内に配置される取付ベースと、
該取付ベースの収納部に配置され、表面及び裏面にICカードリーダーの載置高さが異なる第1取付面と第2取付面とが形成された取付アタッチメントと、
を備え、
前記取付アタッチメントを表裏方向に反転させて前記収納部に配置することにより、前記第1取付面または前記第2取付面のいずれかを選択してICカードリーダーを取り付け可能としたICカードリーダー取付部。
【請求項2】
前記取付ベースは、ICカードリーダーのUSBケーブルを巻き取るケーブル巻取り部を有することを特徴とする請求項1に記載のICカードリーダー取付部。
【請求項3】
前記ケーブル巻き取り部は、前記取付ベースの複数の箇所に選択的に配置されることを特徴とする請求項2に記載のICカードリーダー取付部。
【請求項4】
前記ケーブル巻き取り部は、前記収納部に回動可能に支持されることを特徴とする請求項3に記載のICカードリーダー取付部。
【請求項5】
前記ケーブル巻き取り部は、前記収納部の複数の箇所に着脱可能に支持されることを特徴とする請求項3に記載のICカードリーダー取付部。
【請求項6】
前記カバー部の少なくとも一部が透明材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のICカードリーダー取付部。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のICカードリーダー取付部を備えた画像形成装置。
【請求項8】
前記ICカードリーダー取付部は、画像形成装置本体から側方に突出するように配置されており、画像形成装置本体に対して上下に回動可能であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ICカードリーダー取付部は、画像形成装置本体に対して左右に回動可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ICカードリーダー取付部に隣接して画像形成装置本体から側方に突出する操作パネルを備え、前記ICカードリーダー取付部及び前記操作パネルは、それぞれ画像形成装置本体に対して独立して上下に回動可能であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−210801(P2012−210801A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248477(P2011−248477)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】