説明

ICカードリーダ及びICカードリーダの通信特性補正方法

【課題】 動作環境が変化した場合でも、ICカードとの通信可能距離の変化を極力抑制することができるICカードリーダを提供する。
【解決手段】 リーダライタ1を構成するCPU2は、温度センサ12,19を介して送信アンプ9,受信アンプ16の温度を検出し、その検出温度の変化に応じて切替え回路10,17を制御することで送信アンプ9,受信アンプ16の増幅率を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ICカードとの通信を行うための通信手段を備えてなるICカードリーダ、及びそのICカードリーダの通信特性補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、非接触型ICカードのリーダライタが開示されている。このようなリーダライタについてICカードとの通信可能距離をより長くするためには、例えば、送信出力を高めることが考えられる。送信出力を高めるためには、送信回路において増幅器を構成するトランジスタなどの能動素子や、抵抗及びコイルのような受動素子により多くの電流を流すことで、アンテナにより多くの電力を供給すればよい。一方、受信回路についても受信信号のゲインを高めるようにすれば、より遠方に位置するICカードより送信された信号を受信することが可能となる。
【特許文献1】特開2002−109495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のように通信回路を構成する素子は、周囲環境の温度変化や自己発熱などにより、例えば増幅率などの特性値が変化する。具体的には、昼間と夜間との温度差や、電源投入直後の状態と電源投入によって発熱する素子の発熱が飽和した状態との温度差などが影響する。そして、リーダライタの通信特性が変化すると、ICカードとの通信可能距離が変化することになる。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、動作環境が変化した場合でも、ICカードとの通信可能距離の変化を極力抑制することができるICカードリーダ、及びそのICカードリーダの通信特性補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のICカードリーダによれば、動作環境検出手段は、通信手段の動作環境を検出し、制御手段は、検出される動作環境に応じて特性補正値を決定し、その補正値に基づいて、通信手段の特性を変更するための特性変更手段を制御する。従って、動作環境が変化した場合でも通信手段の特性は略一定となるように補正することができ、非接触ICカードとの通信可能距離も略一定となるように維持され、常に安定した通信を行うことができる。
【0006】
請求項2記載のICカードリーダによれば、動作環境検出手段を、通信手段の温度を検出する温度検出手段として構成する。即ち、温度は通信手段の特性に大きな影響を及ぼすので、その温度に応じて特性を変更することで、安定した通信を行うことが可能となる。
請求項3記載のICカードリーダによれば、温度検出手段は、通信手段を構成する送信回路又は受信回路の温度を検出するので、それらの温度を直接検出することで温度検出を最適な箇所で行なうことができる。
【0007】
請求項4記載のICカードリーダによれば、特性変更手段は、通信手段の送信電力を変更するので、温度が変化した場合でも送信電力が略一定となるように維持することができる。
請求項5記載のICカードリーダによれば、特性変更手段は、通信手段の受信感度を変更するので、温度が変化した場合でも、受信感度が略一定となるように維持することができる。
【0008】
請求項6記載のICカードリーダによれば、制御手段は、温度検出手段によって検出された温度に応じて、予め記憶している補正率を特性変更手段に適用して制御するので、温度に応じた補正をより高精度で行なうことができる。
請求項7記載のICカードリーダによれば、制御手段は、温度検出手段によって検出された温度を周期的に参照して特性変更手段を制御するので、通信特性の変更が周期的に実行されるようになり、補正精度を向上させることができる。
【0009】
請求項8記載のICカードリーダによれば、制御手段は、上位装置によって送信される指示タイミングに基づき、検出された温度を参照して特性変更手段を制御するので、カードリーダ側で特性変更を行うタイミングを管理する必要がなくなる。
請求項9記載のICカードリーダによれば、ノイズ検出手段は、通信手段を構成する受信アンプの出力信号に含まれているノイズ成分を検出し、特性変更手段は、前記ノイズ成分の検出状態に基づいて受信アンプの受信感度を変更する。即ち、周囲環境に存在するノイズが優勢な状態になると、ICカードより信号が送信されていない場合でも受信回路がノイズを受信してしまう場合がある。そこで、ノイズレベルが高いと判定される場合には、受信アンプの受信感度を低下させるように変更することで、ICカードの通信距離が遠い状態における誤受信を防止し、ICカードの通信距離が近い状態になりS/N比が向上した時点でその送信信号を適切に受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図5を参照して説明する。図1は、非接触型ICカードと通信処理を行うリーダライタの電気的構成を示す機能ブロック図である。リーダライタ1は、大別して、CPU(マイクロコンピュータ)2,送信回路部(通信手段)3,受信回路部(通信手段)4,アンテナ(通信手段)5などで構成されている。
【0011】
送信回路部3は、送信符号生成部6,送信信号増幅部7,送信フィルタ8で構成されている。送信符号生成部6は、CPU(制御手段)2によって与えられるデジタルデータに応じて搬送波を変調することで送信符号(送信信号)を生成する。送信信号増幅部7は、送信信号を増幅して送信フィルタ8に出力し、アンテナ5を介して外部に磁気信号若しくは電波信号として送信する。
【0012】
送信信号増幅部7は、送信アンプ9と、この送信アンプ9の入出力端子間に切替え回路(特性変更手段)10を介して並列接続される複数の抵抗素子からなる帰還抵抗部(特性変更手段)11とで構成されている。また、送信アンプ9には、例えばサーミスタなどからなる温度センサ(動作環境検出手段,温度検出手段)12が取り付けられており、そのセンサ信号はCPU2に与えられている。CPU2は、温度センサ12のセンサ信号を参照した結果に応じて切替え回路10に制御信号を出力し、帰還抵抗部11における複数の抵抗素子の接続状態を切替えることで、送信アンプ9のゲインを調整するようになっている。
【0013】
一方、受信回路部4は、受信フィルタ13,受信信号増幅部14,受信信号復調部15で構成されている。受信フィルタ13は、ICカードによって送信され、アンテナ5を介して受信した信号をフィルタリングして受信信号増幅部14に出力する。受信信号増幅部14は、受信フィルタ13より与えられた信号を増幅して受信信号復調部15出力し、受信信号復調部15は、与えられた信号を復調してCPU2に出力する。
【0014】
受信信号増幅部14は、受信アンプ16と、この受信アンプ16の入出力端子間に切替え回路(特性変更手段)17を介して並列接続される複数の抵抗素子からなる帰還抵抗部(特性変更手段)18とで構成されている。また、受信アンプ16には、やはりサーミスタなどからなる温度センサ(動作環境検出手段,温度検出手段)19が取り付けられており、そのセンサ信号もCPU2に与えられている。CPU2は、温度センサ19のセンサ信号を参照した結果に応じて切替え回路17に制御信号を出力し、帰還抵抗部18における複数の抵抗素子の接続状態を切替えることで、受信アンプ16のゲインを調整するようになっている。
【0015】
また、CPU2は、図示しない通信インターフェイスを介して外部の上位装置20と接続されており、ICカードより読取ったデータを上位装置20側に送信したり、必要に応じて上位装置20側より送信されたデータを、ICカード側に送信して書き込ませるなどの処理を行なう。また、CPU2は、内蔵しているメモリに、温度センサ12,19のセンサ出力値に応じて送信,受信特性を補正するための補正率を、補正テーブル21として記憶している。
【0016】
次に、本実施例の作用について図2乃至図5も参照して説明する。図2は、リーダライタ1のCPU2によって実行される制御内容について、本発明の要旨に係る部分を示すフローチャートである。CPU2は、先ず、周期的に計時される補正間隔時間(例えば10分)が経過したか否かを判断し(ステップS1)、経過していなければ(「NO」)ICカードとの通信処理を行なう(ステップS2)。
【0017】
尚、ステップS2における通信処理は、基本的には送信信号を間歇的に送信する処理であり、リーダライタ1にICカードが接近することでカード側より応答があった場合には、両者間で双方向の通信処理が実行されることになる。また、CPU2がICカードのデータを読取った場合は、そのデータを上述したように上位装置20側に送信する処理も行なう。ステップS2の実行後は、ステップS1に戻る。
そして、ステップS1において補正間隔時間が経過すると(「YES」)、CPU2は、送信出力補正処理(ステップS3)と、受信ゲイン補正処理(ステップS4)とを順次行なった後、ステップS1に戻る。
【0018】
図3は、ステップS3における送信出力補正処理(特性変更処理)の内容を示すフローチャートである。CPU2は、送信アンプ9に配置されている温度センサ12の出力信号を読み込む(センシング,ステップS31)。そして、前記出力信号から、送信アンプ9の温度を算出(推定)すると(ステップS32)、その温度に応じて補正テーブル21より補正率を得る。
【0019】
即ち、図5に示すように、送信アンプ9の増幅率は、例えば温度が上昇するのに伴って上昇する傾向を示す(但し、アンプの種類によっては逆の傾向を示すものもある)。従って、例えば、20度を基準温度とした場合の増幅率を「1.0」に正規化し、検出される温度に応じて変動する増幅率を補正するように補正率(特性補正値)を設定し、その補正率を補正テーブル21として予め記憶しておく。そして、その補正率に応じた増幅率となるように、CPU2は、切替え回路10に制御信号を与えて送信アンプ9の帰還抵抗値を調整し、送信回路部3の特性を変更する(ステップS33)。
【0020】
また、図4は、ステップS4における受信ゲイン補正処理の内容を示すフローチャートである。CPU2は、受信アンプ16に配置されている温度センサ19の出力信号を読み込む(ステップS41)。そして、前記出力信号から、受信アンプ16の温度を算出すると(ステップS42)、その温度に応じて補正テーブル21より補正率(特性補正値)を得る。尚、受信アンプ16の温度特性は、送信アンプ9と同様に、図5に示す特性、若しくはその逆傾向の特性となる。
【0021】
続いて、CPU2は、検出される温度に応じて変動する受信アンプ16の増幅率(即ち、リーダライタ1の受信感度)を変更するように、切替え回路17に制御信号を与えて、受信アンプ16の帰還抵抗値を調整し、受信回路部4の特性を変更する(ステップS43)。
【0022】
以上のように本実施例によれば、リーダライタ1を構成するCPU2は、温度センサ12,19を介して送信アンプ9,受信アンプ16の温度を検出し、その検出温度の変化に応じて切替え回路10,17を制御することで送信アンプ9,受信アンプ16の増幅率を調整し、送信回路部3、受信回路部4の特性変更して補正を行うようにした。
【0023】
従って、リーダライタ1が設置されている動作環境の温度が変化した場合でも、送信回路部3の送信電力,受信回路部4の受信感度は略一定となるように補正されるので、非接触型ICカードとの通信可能距離も略一定となるように維持される。そして、リーダライタ1の温度は通信特性に大きな影響を及ぼすので、その温度に応じて特性を補正することで、常に安定した通信を行うことができる。また、温度センサ12,19によって送信アンプ9,受信アンプ16の温度を直接検出することで、高精度の補正を行なうことができる。
【0024】
更に、CPU2は、検出された温度に応じて、予め補正テーブル21として記憶している補正率に基づいて特性を変更するので、温度に応じた補正をより高精度で行なうことができる。また、検出された温度を周期的に参照して特性を変更を行なうので、通信特性の補正が周期的に実行されるようになり、補正精度を向上させることができる。
【0025】
(第2実施例)
図6乃至図8は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図6に示すように、第2実施例では、リーダライタ1側の構成は基本的に第1実施例と同様であり、CPU2Aによる処理内容が若干異なっている。また、上位装置20に代わる上位装置22は、時計(例えば、リアルタイムクロックIC)23と、周辺温度を検出するための温度計(例えばサーミスタ)24とを備えている。
【0026】
そして、CPU2Aは、上位装置22によって補正指令が与えられた場合に、第1実施例と同様の特性変更処理を実行するようになっている。即ち、図7は図2相当図であるが、ステップS1に替えて「補正指令受信?」のステップS5が配置されており、上位装置22によって補正指令が与えられると(「YES」)ステップS3,S4を実行するようになっている。
【0027】
図8は、上位装置22により実行される制御内容のうち、本発明の要旨に係る部分を示すフローチャートである。上位装置22は、時計23を参照して、温度検出間隔時間が経過するまでは(ステップM1,「NO」)必要に応じてリーダライタ1との通信処理を行う(ステップM2)。そして、補正間隔時間が経過すると(ステップM1,「YES」)温度計24によって温度を検出し(ステップM3)、その検出温度を図示しないメモリに記憶させる(ステップM4)。
【0028】
続いて、上位装置22は、メモリに記憶されている前回の検出温度を読み出し、今回の検出結果との差を演算する(ステップM5)。そして、その差が所定値以上か否かによって、特性変更処理をリーダライタ1に実行させるか否かを判断する(ステップM6)。温度差が所定値未満であれば(「NO」)ステップM1に移行し、温度差が所定値以上であれば(「YES」)補正指令をリーダライタ1に出力する(ステップM7)。
【0029】
以上のように第2実施例によれば、リーダライタ1のCPU2Aは、上位装置22によって補正指令が送信されるタイミングで通信特性の変更を行うようにした。従って、リーダライタ1側で補正を行うタイミングを管理する必要がなくなる。
【0030】
(第3実施例)
図9は本発明の第3実施例を示すものである。第3実施例の構成は、例えば第1実施例と同様であり、CPU2によって行われるソフトウエア的な処理内容が追加されている。図9に示すフローチャートは、CPU(ノイズ検出手段)2が受信回路部4側について行う処理内容である。CPU2は、受信符号復調部(ノイズ検出手段)15により出力される受信信号があるか否かを判断し(ステップS6)、受信信号がなければ(「NO」)必要に応じて送信処理などのその他の処理を実行する(ステップS7)。
そして、受信信号がある場合は(ステップS6,「YES」)、その信号がICカードによって送信された信号か否かを判断する(ステップS8)。即ち、予め定められた通信シーケンスに応じたデータが受信されていれば、ICカードの送信信号であると判断できる。当該送信信号であれば(「YES」)その受信処理を行なう(ステップS10)。
【0031】
一方、ステップS8において、受信した信号がICカードの送信信号でない場合(「NO」)、その受信信号は受信回路部4が拾ったノイズであると判断される。この場合は、カードリーダ1が置かれている通信環境はノイズの影響を受けやすい状態にあると推定される。従って、CPU2は、切替え回路17に制御信号を与えて受信アンプ16のゲインを低下させる(ステップS9)。
【0032】
即ち、ノイズの影響を受けやすい状態においては、ICカードとの正常な通信が保障されない。従って、リーダライタ1の受信感度を低下させることで、ICカードとの通信は、ICカードがよりリーダライタ1に近付いた状態でなければ行われなくなる。そして、ICカードがリーダライタ1に近付く程、見かけ上のS/N比が向上するので、通信においてノイズの影響は受け難くなるからである。故に、ステップS10において正常な受信処理を行なった後は、CPU2は、受信アンプ16のゲインを標準設定に戻すように処理する(ステップS11)。
尚、以上の処理は、第1実施例において受信回路部4につき行っている処理と並行して行なうことが可能である。
【0033】
以上のように第3実施例によれば、CPU2は、受信アンプ16の出力信号に含まれているノイズ成分を検出した場合は、受信アンプ16の受信感度を低下させるように特性を変更するので、ノイズレベルが高いと判定される場合に、リーダライタ1とICカードとの通信距離が遠い状態における誤受信を防止し、ICカードとの通信距離が近い状態になりS/N比が向上した時点でその送信信号を適切に受信することができるようになる。
【0034】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
第2実施例において、上位装置22は、検出した温度の差が所定値以上になったことを判定することなく、所定の間隔時間が経過した場合に補正指令を送信するようにしても良い。
【0035】
リーダライタ1側における温度検出は、必ずしも送信アンプ9,受信アンプ16の温度を直接検出する必要はなく、それらの回路が配置されている雰囲気の温度を検出しても良い。
温度を検出した結果、アンプの定格に余裕がある場合には、定格上限付近まで出力電流を流すようにして通信可能距離をより長くすることも可能である。
【0036】
制御手段を、コンパレータや論理回路などのハードウエアによって構成しても良い。
リーダライタ1に限ることなく、ICカードのデータを読取る機能だけを有するカードリーダに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施例であり、非接触型ICカードと通信処理を行うリーダライタの電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】リーダライタのCPUによって実行される制御内容について、本発明の要旨に係る部分を示すフローチャート
【図3】図2のステップS3における送信出力補正処理の内容を示すフローチャート
【図4】図2のステップS4における受信ゲイン補正処理の内容を示すフローチャート
【図5】送信アンプの温度特性を示す図
【図6】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図7】図2相当図
【図8】上位装置の制御内容を示すフローチャート
【図9】本発明の第3実施例を示す図2相当図
【符号の説明】
【0038】
図面中、1はリーダライタ、2はCPU(制御手段,ノイズ検出手段,動作環境検出手段)、3は送信回路部(通信手段)、4は受信回路部(通信手段)、5はアンテナ(通信手段)、9は送信アンプ、10は切替え回路(特性変更手段)、11は帰還抵抗部(特性変更手段)、12は温度センサ(動作環境検出手段,温度検出手段)、15は受信符号復調部(ノイズ検出手段)、16は受信アンプ、17は切替え回路(特性変更手段)、18は帰還抵抗部(特性変更手段)、19は温度センサ(動作環境検出手段,温度検出手段)、22は上位装置を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ICカードに対して電磁波の送受信により通信を行う通信手段と、
この通信手段の動作環境を検出するための動作環境検出手段と、
前記通信手段の特性を変更するための特性変更手段と、
前記動作環境検出手段によって検出される動作環境に応じて、前記通信手段の特性補正値を決定し、前記補正値に基づいて前記特性変更手段を制御する制御手段とを備えてなることを特徴とするICカードリーダ。
【請求項2】
前記動作環境検出手段は、前記通信手段の温度を検出する温度検出手段として構成されていることを特徴とする請求項1記載のICカードリーダ。
【請求項3】
前記温度検出手段は、前記通信手段を構成する送信回路又は受信回路の温度を検出するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のICカードリーダ。
【請求項4】
前記特性変更手段は、前記通信手段の送信電力を変更するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載のICカードリーダ。
【請求項5】
前記特性変更手段は、前記通信手段の受信感度を変更するように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載のICカードリーダ。
【請求項6】
前記制御手段は、温度に応じた補正率を予め記憶しており、前記温度検出手段によって検出された温度に応じて前記特性変更手段に前記補正率を適用して制御することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載のICカードリーダ。
【請求項7】
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された温度を周期的に参照して、前記特性変更手段を制御することを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のICカードリーダ。
【請求項8】
前記制御手段は、上位装置によって送信される指示タイミングに基づき前記温度検出手段によって検出された温度を参照し、前記特性変更手段を制御することを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のICカードリーダ。
【請求項9】
前記通信手段を構成する受信アンプの出力信号に含まれているノイズ成分を検出するノイズ検出手段を備え、
前記特性変更手段は、前記ノイズ成分の検出状態に基づいて、前記受信アンプの受信感度を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のICカードリーダ。
【請求項10】
非接触ICカードに対して電磁波の送受信により通信を行う通信手段の動作環境を検出し、
検出される動作環境に応じて前記通信手段の特性補正値を決定し、前記補正値に基づいて前記通信手段の特性を変更することを特徴とするICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項11】
前記動作環境として、前記通信手段の温度を検出することを特徴とする請求項10記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項12】
前記通信手段を構成する送信回路又は受信回路の温度を検出することを特徴とする請求項11記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項13】
前記通信手段の送信電力を変更することを特徴とする請求項11又は12記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項14】
前記通信手段の受信感度を変更するように構成されていることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項15】
温度に応じた補正率を予め記憶し、検出された温度に応じて前記補正率を適用して特性を変更することを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項16】
検出された温度を周期的に参照して、特性を変更することを特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項17】
上位装置によって送信される指示タイミングに基づき検出された温度を参照し、特性を変更することを特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載のICカードリーダの通信特性補正方法。
【請求項18】
前記通信手段を構成する受信アンプの出力信号に含まれているノイズ成分を検出し、
前記ノイズ成分の検出状態に基づいて前記受信アンプの受信感度を変更することを特徴とする請求項10乃至17の何れかに記載のICカードリーダの通信特性補正方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−33701(P2006−33701A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212936(P2004−212936)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【出願人】(399131770)デンソーエレックス株式会社 (10)
【Fターム(参考)】