説明

ICタグ付き携帯電話の自動料金徴収システム車載器とその据え付け装置

【課題】 高価でいつ使うかわからない車載器を常時ダッシュボード上に据え付けておくことに多くのユーザーが拒否反応を示し、それが普及を阻む原因になっていた。そこで、誰もが常時携帯している携帯電話に自動料金徴収システム車載器の機能を付加しようとしたが、路側器と携帯電話の使用電波の違いが障害になって実現しなかった。
【解決手段】 路側器の5.8GHzで交信できるICタグを携帯電話に内蔵し、路側器による車両の識別と車載器による料金告知情報の記録をできるようにして、在来のクレジットカードによる決済方式を止め、料金告知情報を携帯電話に組み込んだ複数のプログラムが自動的に読み取って電子メールで料金徴収会社専用のメールサーバーへ転送するようにし、その情報に基づいて料金を徴収し一括して公団へ支払う新しい自動料金徴収システムの構築に道を拓いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話にICタグを内蔵し、複数のプログラムを組み込んで携帯電話の電子メール機能を活用した自動料金徴収システム車載器で、路側器と交信して車両情報を認識させ、料金告知情報を受けてインターネット上の料金徴収会社専用のメールサーバーへ転送するタイプのもの。
【背景技術】
【0002】
狭域通信技術を使用し、路側器が車載器と交信して車両情報を読み取り、利用区間に応じた料金告知情報を車載器に送り、車載器はクレジットカードで決済していた。
【特許文献1】特開2002−269604号 公報
【特許文献2】特願2002−341751号 公報
【特許文献3】特願2002−73319号 公報
【特許文献4】特願2001−228760号 公報
【特許文献5】特願2001−225194号 公報
【特許文献6】特許第3243755号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動料金徴収システム車載器は全車が搭載することによって効果を発揮するもので、普及は100%を目標にしなければならない。
【0004】
携帯電話に自動料金徴収システム車載器の機能を付加する場合、従来の方式では路側器と使用電波が異なるためクレジットカードによる決済は不可能であった。
【0005】
自動料金徴収システムのレーンを通過する車両中に複数の携帯電話が存在する場合に起こる複数の同時交信を回避しなければならない。
【0006】
路側器の使用電波は指向性が強いので、路側器と相対する車載器の位置を最適状態に保たなければならない。
【0007】
据え付け装置は車載器がほぼワンタッチで据え付けられる簡便なもので、しかも、安定的に保持されるものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
高価でいつ使うかわからない車載器を常時ダッシュボード上に据え付けておくことに多くのユーザーが拒絶反応を示し、それが普及を阻む原因になっていた。そこで誰もが常時携帯している携帯電話に自動料金徴収システム車載器の機能を付加することにした。
【0009】
ICタグで路側器からの料金告知情報を受信し、電子メールでメールサーバーへ転送できる車載器を開発し、新しい自動料金徴収システムを構築する道を拓いた。
【0010】
ICタグと電源との間の回路をスイッチによる開閉式にし、据え付け装置に突起を設け、携帯端末を据えるとスイッチがその突起に当たって通電するようにした。
【0011】
ダッシュボード上面の傾斜角度や曲面に合わせて自在に適切な位置を確保できる脚部を持つ据え付け装置を用いる。
【0012】
据え付け装置台部の内側を携帯電話と密着する形状にし、ばねの力で補強して保持する方式の台部か、または、車載器を右側へ押して左側へスライドさせるだけで据え付けられるダブルストッパー方式の台部を持つ据え付け装置を用いる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ドライバーの殆どが持っている携帯電話に自動料金徴収システム車載器の機能を付加するもので、コストも低く100%に近い普及が可能である。また、普及のスピードも速く携帯電話の買い替えが一巡する2〜3年が目標達成の目安となり、在来の車載器のように一定以上の普及が困難といわれているものとの比較において圧倒的な強みを持つ。更に、二輪車にも応用できるし、必要なときに何時何処ででも据え付け装置に据えて使用することができるので、正月・盆の帰省ラッシュや日曜祭日の混雑時に威力を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ICタグが料金告知情報を受信してメモリーに入れると、その情報を自動的に読み取るプログラムが作動し、次に、読み取った情報を電子メール用の情報に変換するプログラムが作動し、最後にメールサーバーへ転送するプログラムが作動する。図1はそのプロセスをあらわしたものである。
【0015】
据え付け装置の底面または側面に設けた突起が、据え付ける携帯電話の底面の穴の奥または側面の穴の奥に位置するスイッチを押して通電させる仕組みになっており、携帯電話を取り外すとスイッチが切れ、ICタグと路側器は交信できなくなる。図1はスイッチの周辺の状態を示している。
【0016】
図2は、密着式保持タイプの台部を示す。
【0017】
図3は、ダブルストッパー式保持タイプの台部を示す。
【0018】
図4は、多様なダッシュボード上面の曲面に対応する脚部側面の先端部から折れ込むシート状の部分の働きを示す。
【0019】
多様なダッシュボード上面の傾斜角度に対応する脚部側面の前後の高さを決めた複数のパターンを、図5・図6・図7で示している。
【実施例】
【0020】
狭域通信の電波は5.8GHzを使用している。
【0021】
現在の路側器で、新旧の自動料金徴収システム車載器に対応できる。
【0022】
ICタグは独自の電源回路を持つ。
【0023】
ICタグのメモリーで車両の情報を記録しておく。
【0024】
ICタグのメモリーで路側器からの料金告知情報を記録する。
【0025】
二輪車に使用するときは携帯電話を胸ポケットに入れるが、この場合、据え付け装置の突起の代わりに栓を差し込んで通電状態にし、乗用車に相乗りするときはこの栓を抜くか緩めて回路を遮断する。
【0026】
ICタグと路側器の交信中に一般の通信が入った場合、または、一般の交信中にICタグと路側器の通信が入った場合、自動的に一般の通信を遮断するソフトを組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】プログラムの作動するプロセスを示す平面配置図である。
【図2】据え付け装置台部の構造を示す斜視図Aである。
【図3】据え付け装置台部の構造を示す斜視図Bである
【図4】ダッシュボード上面の曲面に対応する脚部先端のシート状の部分の状態を示す断面図である。
【図5】ダッシュボード上面の傾斜角度に対応して脚部側面の前後の高さを決めたパターンを示す側面図Aである。
【図6】ダッシュボード上面の傾斜角度に対応して脚部側面の前後の高さを決めたパターンを示す側面図Bである。
【図7】ダッシュボード上面の傾斜角度に対応して脚部側面の前後の高さを決めたパターンを示す側面図Cである。
【符号の説明】
【0028】
1 ICタグ
2 ICタグのアンテナ
3 ICタグのメモリー
4 情報を自動的に読み取るプログラム
5 電子メール用の情報に変換するプログラム
6 変換情報を転送するプログラム
7 携帯電話のアンテナ
8 電源回路のスイッチ
9 電源
10 台部の底面
11 台部の側面
12 突起
13 ちょうばん式接続部
14 取手
15 ばね
16 ゴム層
17 茸形の栓
18 挿入栓
19 脱落防止装置の凸部
20 ばね式押し出し具
21 脚部
22 脚部の側面
23 脚部の上面
24 脚部側面の先端部
25 シート状の部分
26 両面テープ
27 ダッシュボード上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側器と狭域通信電波で交信できるアンテナと、路側器が車両の識別をするために必要な車両に関する情報を記録しておくメモリーならびに路側器が送信してくる料金告知情報を受信して記録するメモリーを持つICタグを、携帯電話または通信機能を持つ携帯情報端末(以下、携帯電話という)に内蔵し、そのメモリーに入った料金告知情報を自動的に読み取るプログラムと、読み取った情報を電子メール用の情報に変換するプログラムと、変換した情報をインターネット上の料金徴収の業務を担当する会社(以下、料金徴収会社という)専用のメールサーバーへ転送するプログラムを携帯電話の回路に組み込んだ自動料金徴収システム車載器で、料金告知情報を携帯電話によりそのままメールサーバーへ転送することを特徴とする「ICタグ付き携帯電話の自動料金徴収システム車載器」。
【請求項2】
指向性の強い狭域通信の電波で交信するICタグが路側器と適切な位置で安定して向き合えるよう、ダッシュボード上面のさまざまな傾斜角度に対応させるために、据え付け装置の脚部両側面の前後の高さを決めた選択可能な複数のパターンを持ち、また、ダッシュボード上面のさまざまな曲面に対応させるために、脚部両側面の先端から内側に薄くなって折れ込むシート状の接着面を持つ脚部と、据え付け装置の台部の内側を携帯電話と密着する形状にしばねの力で押え付けて保持する台部、または、台部の底面に充電装置と挿入栓と台部両側面の脱落防止装置を設けた台部によって構成される据え付け装置で、多様なダッシュボード上面の形態に対応して据え付けられることを特長とする「ICタグ付き携帯電話の自動料金徴収システム搭載器の据え付け装置」。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2005−38148(P2005−38148A)
【公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−273998(P2003−273998)
【出願日】平成15年7月14日(2003.7.14)
【出願人】(000204642)
【Fターム(参考)】