説明

ICモジュール、ICカード、及び通信装置

【課題】 カード基材の表面側のみならず、裏面側にも別機能のための接触端子を設けることにより、さらなる多機能化に対応できるようにする。
【解決手段】 カード基材Kと、このカード基材Kの一面側に設けられた収納用凹部2と、基板9と、この基板9の一面側に設けられた表面側接触端子C1〜C8と、基板9の他面側に設けられ表面側接触端子C1〜C8と電気的に接続するIC10、及びこのIC10に電気的に接続される端子12,13とを有して構成され、IC10側からカード基材Kの収納用凹部2内に収納されるICモジュールMと、カード基材Kの他面側に収納用凹部2の反対側に位置して設けられ、ICモジュールMの基板9の他面側の端子12,13に電気的に接続される裏面側接触端子3,4とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、接触式、非接触式、或いはこれら両方式でのデータ通信を可能とするICカードに用いられるICモジュール、ICカード、及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードには、接触式のもの、非接触式(無線)のもの、また、接触式と非接触式(無線)の機能を有するもの(コンビカード)、さらに、接触式の機能とICモジュールの空き端子C4,C8に無線機能を搭載して外部アンテナに接続するもの(C4,C8対応カード)、また、SUB接続されるもの(空き端子C4,C8を使用予定)等がある。
【0003】
ICカードはそのカード基材の表面側に収納用凹部を設け、この収納用凹部内にICモジュールを収納している。ICモジュールは、通常、その基板の表面側に8個の接触用端子C1〜C8を有し、基板の裏面側にはICを実装している。
【0004】
例えば、C4,C8対応カードでは、ICモジュールの基板の裏面側に設けた非接触機能用端子と空き端子C4,C8とを金属ワイヤで接続し、この端子C4,C8と外部アンテナとを接続している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2004−537816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来おいては、ICモジュールが8個の接触用端子(C1〜C8)しか備えていないため、上記したようにICカードが接触式、無線式、USB接続、さらに、これらを組み合わせたものなどと多機能化し、今後、さらに、多機能化が進んだ場合には、従来のインターフェースの個数では、対応しきれなくなる虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、カード基材の表面側のみならず、裏面側にも別機能のための裏面側接触端子を設けることにより、さらなる多機能化に対応できるようにしたICカードを提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、基板と、この基板の一面側に設けられた接触端子と、前記基板の他面側に設けられ、前記接触端子に電気的に接続されるIC、及びこのICに電気的に接続される端子とを具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載のものは、カード基材と、このカード基材の一面側に設けられた収納用凹部と、基板と、この基板の一面側に設けられた表面側接触端子と、前記基板の他面側に設けられ前記表面側接触端子に電気的に接続するICと、このICに電気的に接続される端子とを有して構成され、前記IC側から前記カード基材の収納用凹部内に収納されるICモジュールと、前記カード基材の他面側に前記収納用凹部の反対側に位置して設けられ、前記ICモジュールの基板の他面側の端子に電気的に接続される裏面側接触端子とを具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載のものは、カード基材と、このカード基材の一面側に設けられた収納用凹部と、基板と、この基板の一面側に設けられた表面側接触端子と、前記基板の他面側に設けられ前記表面側接触端子に電気的に接続するICと、このICに電気的に接続される端子とを有して構成され、前記IC側から前記カード基材の収納用凹部内に収納されるICモジュールと、前記カード基材の他面側に前記収納用凹部の反対側とは異なる位置に設けられ、前記ICモジュールの基板の他面側の端子に導電経路を介して電気的に接続される裏面側接触端子とを具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載のものは、カード基材と、このカード基材の一面側に設けられた収納用凹部と、基板と、この基板の一面側に設けられた表面側接触端子と、前記基板の他面側に設けられ前記表面側接触端子に電気的に接続されるICと、この前記ICに電気的に接続される裏面側接触端子とを有して構成され、前記IC側から前記カード基材の収納用凹部内に収納されるICモジュールと、前記カード基材に設けられ、前記ICモジュールの裏面側接触端子を前記カード基材の裏面側に連通させる貫通孔とを具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載のものは、請求項2記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、前記ICカードを挿入させる装置本体と、この装置本体内に設けられ、前記ICカードが前記装置本体内に挿入されるのに基いて前記ICカードの表面側接触端子に接触する第1の端子部、及び前記ICカードの裏面側接触端子に接触する第2の端子部とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項10記載のものは、請求項5記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、前記ICカードを挿入させる装置本体と、この装置本体の一内壁面部に設けられた端子部とを具備し、前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子を前記端子部に接触させ、前記ICカードがその裏側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記裏側接触端子を前記端子部に接触させることを特徴とする。
【0013】
請求項11記載のものは、請求項6記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、前記ICカードを挿入させる装置本体と、この装置本体内の一内壁面部に前記ICカードの挿入方向と直交する方向に沿って配設された第1の端子部、及び第2の端子部とを具備し、前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子を前記第1の端子部に接触させ、前記ICカードがその裏側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記第2の端子部をカード基材の貫通孔を介して前記裏側接触端子に接触させることを特徴とする。
【0014】
請求項12記載のものは、請求項6記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、前記ICカードを挿入させる装置本体と、この装置本体内の一内壁面部に設けられた第1の端子部、及びこの第1の端子部と離間対向する位置に設けられた第2の端子部とを具備し、前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体内の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子に前記第1の端子部を接触させるとともに、前記第2の端子部をカード基材の貫通孔を介して前記裏側接触端子に接触させることることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カード基材の裏面側に設けた裏面側接触端子の個数だけ、通信のためのインターフェースを増大させることができ、多機能化に対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態である接触式のICカード1を示す平面図である。
【0017】
このICカード1は、カード基材KとICモジュールMとによって構成されている。
【0018】
図2は、図1中A−A線に沿って示す断面図で、図3は図1中B−B線に沿って示す断面図である。
【0019】
カード基材Kの表面側には収納用凹部2が設けられ、この収納用凹部2内にICモジュールMが収納される。また、カード基材Kの裏面側には、収納用凹部2の反対側に位置して裏面側接触端子3,4が配設されている。さらに、カード基材Kには、裏面側接触端子3,4と後述するICモジュールMの基板9の裏面側の端子12,13とを連通させる貫通孔6,7が穿設されている。貫通孔6,7内には導電性の接着剤16が充填され、この導電性の接着剤16を介してICモジュールMの裏面側の端子12,13とカード基材Kの裏面側接触端子3,4とが電気的に接続される。
【0020】
ICモジュールMは厚さ100pmのガラスエポキシ製の基板9を有し、この基板9の表面側には、図4に示すように通信用の外部コンタクト端子(以下、表面側接触端子という)C1〜C3、C5、C7、及び通常の接触方式では使用しない予備用の端子C4と端子C8が配設されている。
【0021】
端子C1はVCC(供給電圧)、C2はRST(リセット信号)、C3はCLK(クロック信号)、C5はGND(接地)、C6はVPP(可変供給電圧)、C7はI/O(データ入出力)用の端子である。端子C4とC8はRFU(予備端子)となっている。
【0022】
また、基板3の裏面側には図5に示すように厚さ250μmのIC10が実装され、このIC10と表面側接触端子C1〜C3、C5、C7とは金ワイヤ11を介して電気的に接続されている。表面側接触端子C4、C6、C8は、IC10には接続されていない。
【0023】
基板3の裏面側には2個の端子12、13が配設され、これら端子12,13も金ワイヤ11を介してIC10に電気的に接続されている。この端子12,13には、上記したようにカード基材Kの裏面側接触端子3,4が電気的に接続されるため、裏面側接触端子3,4は、端子12,13を介してIC10に電気的に接続され、追加の端子として機能するようになっている。
【0024】
IC実装部はエポキシ樹脂15でモールドされて保護され、厚さ630μmのICモジュールMが構成されている。
【0025】
なお、IC10と表面側接触端子C1〜C3、C5、C7との接続を金ワイヤ11を用いたワイヤーボンディング方式としたが、これに限られることなく、他の接続方式でも構わない。
【0026】
ICモジュールMは、図2に示すようにそのIC実装部側からカード基材Kの収納用凹部2内に収納されてICカード1が構成される。
【0027】
上記したICカード1は、図6に示すようにインターフェース(表面側接触端子C1〜C8、及び裏面側接触端子3,4によって構成される)17をリーダライタ18の端子部に接触させることにより、CPU19と外部端末20との間で通信を行なうことができるようになっている。
【0028】
ICカード1は、図7(a)に示すように表向きの状態、即ち、ICモジュール側を表向きにして図8及び図9に示すようにリーダライタ18に挿入され、或いは、図7(b)に示すように、裏向きの状態、即ち、裏面側接触端子3,4を表向きにして図10及び図11に示すようにリーダライタ18に挿入される。
【0029】
リーダ/ライタ18はケーシング23を有し、このケーシング23の前面部には挿入口23aが設けられている。ケーシング23内の一内壁面部としての天井部の一側部側には、複数本(8本)の接触ピン24aからなる第1の端子部24が設けられ、天井部の他側部側には、複数本(8本)の接触ピン25aからなる第2の端子部25が設けられている。
【0030】
ICカード1が図8及び図9に示すように表向きの状態で天井部に沿ってリーダライタ18に挿入された場合には、ICモジュールMの表面側接触端子C1〜C8がケーシング23内の天井部の一側部側の第1の端子部24の接触ピン24aに接触されて通信可能な状態になる。
【0031】
ICカード1が図10及び図11に示すように裏向きの状態で天井部に沿ってリーダライタ18に挿入された場合には、裏面側接触端子3,4がケーシング23内の天井部の他側部側の第2の端子部25の接触ピン25aに接触されて通信可能な状態になる。
【0032】
この実施の形態によれば、カード裏面に裏面側接触端子3,4を配設するため、裏面側からの通信も可能となり、インターフェースを増加させることができ、多機能化に対応することができる。
【0033】
図12及び図13は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。
【0034】
なお、以下に示す各実施の形態において、上記した実施の形態で示した部分と同一部分については、同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0035】
上記した第1の実施の形態では、リーダ/ライタ18のケーシング23内の天井部の一側部側に第1の端子部24、他側部側に第2の端子部25を配設したが、この第2の実施の形態では、リーダ/ライタ30のケーシング31内の天井部の一側部側に第1の端子部32を設け、底面部の一側部側に第1の端子部32と離間対向する状態で第2の端子部33を設けている。
【0036】
ICカード1は、リーダ/ライタ30のケーシング31内に挿入されることにより、表面側接触端子C1〜C8が第1の端子部32の各接触ピン32aに接触され、裏面側接触端子3,4が第2の端子部33の接触ピン33aに接触されて通信可能な状態になる。
【0037】
この実施の形態によれば、リーダ/ライタ30の第1の端子部32と第2の端子部33に対してICカード1の表面側接触端子C1〜C8と裏面側接触端子3,4を同時に接触させることができ、リーダ/ライタ30への挿入時におけるICカード1の表裏反転動作を不要とすることができる。
【0038】
図14乃至図21は本発明の第3の実施の形態を示すものである。
【0039】
図14はICカード1Bを示す平面図で、図15は図14中C−C線に沿って示す断面図で、図16は図14中D−D線に沿って示す断面図である。
【0040】
上記した第1の実施の形態では、裏面側接触端子3,4をカード基材Kの裏面側の一側部側にICモジュールMの反対側に位置して配設したが、この第3の実施の形態では、図14〜図16に示すように裏面側接触端子34,35をICモジュールMの反対側の位置とは異なるICカード1A裏面の他側部側に配設し、これら裏面側接触端子34,35を導電経路36a,36bを介してICモジュールMの基板裏面側の端子12,13に電気的に接続している。
【0041】
ICカード1Aは、図17(a)に示すように、表向の状態で図18及び図19に示すようにリーダライタ37に挿入される。また、ICカード1Aは、図17(b)に示すように、裏向きの状態で図20及び図21に示すようにリーダライタ37に挿入される。
【0042】
リーダ/ライタ37はケーシング38内の天井部の一側部側に、複数本(8本)の接触ピン39aからなる端子部39を設けている。
【0043】
ICカード1Aが図18及び図19に示すように表向きの状態でリーダライタ37に挿入された場合には、表面側接触端子C1〜C8がケーシング38内の天井部の端子部39の接触ピン39aに接触されて通信可能な状態になる。
【0044】
ICカード1Aが図20及び図21に示すように裏向きの状態でリーダライタ37に挿入された場合には、裏面側接触端子34,35がケーシング38内の天井部の端子部39の接触ピン39aに接触されて通信可能な状態になる。
【0045】
この実施の形態によれば、リーダライタ37の一箇所に設けた端子部39に表面側接触端子C1〜C8、或いは裏面側接触端子34,35を選択的に接触させて通信することができ、端子部の共用化が可能になる。
【0046】
図22〜図29は本発明の第4の実施の形態を示すものである。
【0047】
図22はICカード1Bを示す平面図で、図23は図22中E−E線に沿って示す断面図で、図24は図22中F−F線に沿って示す断面図である。
【0048】
上記した各実施の形態においては、カード基材Kの裏面側に裏面側接触端子3,4を配設したが、この実施の形態では、ICモジュールMの基板9の裏面側に設けた端子を裏面側接触端子43,44としている。この裏面側接触端子43,44はカード基材Kに穿設された貫通穴46,47を介してカード基材Kの裏面側に連通されている。
【0049】
ICカード1Bは、図25(a)に示すように、表向の状態で図26及び図27に示すようにリーダライタ51に挿入される。また、ICカード1Bは、図25(b)に示すように、裏向の状態で図28及び図29に示すようにリーダライタ51に挿入される。
【0050】
リーダ/ライタ51はケーシング52を有し、このケーシング52の前面部には挿入口52aが設けられている。ケーシング52内の一内壁面部としての天井部の一側部側には、複数本(8本)の接触ピン53aからなる第1の端子部53が設けられ、天井部の他側部側には、複数本(8本)の接触ピン54aからなる第2の端子部54が設けられている。
【0051】
第2の端子部54の接触ピン54aは第1の端子部53の接触ピン53aよりも貫通穴46,47の長さ分だけ長くされており、後述するように貫通穴46,47内に挿入されたときその先端部を裏面側接触端子43,44に接触できるようになっている。
【0052】
ICカード1が図26及び図27に示すように表向きの状態でリーダライタ51に挿入された場合には、表面側接触端子C1〜C8が第1の端子部53の各接触ピン53aに接触されて通信可能な状態になる。また、ICカード1が図28及び図29に示すように裏向きの状態でリーダライタ51に挿入された場合には、第2の端子部54の接触ピン54aがカード基材Kの貫通孔46,47内に挿入されて裏面側接触端子43,44に接触され通信可能な状態になる。
【0053】
図30及び図31は本発明の第5の実施の形態を示すものである。
【0054】
上記した第4の実施の形態では、リーダ/ライタ51のケーシング52内の天井部の一側部側に第1の端子部53、他側部側に第2の端子部54を配設したが、この第5の実施の形態では、リーダ/ライタ56のケーシング57内の天井部の一側部側に第1の端子部58を設け、底面部の一側部側に第1の端子部58と離間対向する状態で第2の端子部59を設けている。
【0055】
第2の端子部59の接触ピン59aは第1の端子部58の接触ピン58aよりもカード基材Kの貫通孔46,47の長さ分だけ長くされており、後述するように貫通孔46,47内に挿入されたときその先端部を裏面側接触端子43,44に接触できるようになっている。
【0056】
ICカード1Bは、表向きの状態でリーダ/ライタ56のケーシング57内に挿入されることにより、表面側接触端子C1〜C8には第1の端子部58の各接触ピン58aが接触され、裏面側接触端子43,44にはカード基材Kの貫通孔46,47内に挿通される第2の端子部59の接触ピン59aが接触されて通信可能な状態になる。
【0057】
この第5の実施の形態によれば、リーダ/ライタ56の第1の端子部58、第2の端子部59に対してICカード1Bの表裏反転動作を必要とすることなく、表裏面側の接触端子C1〜C8、43,44を同時に接触させることができる。
【0058】
図32はICモジュールMの端子12,13とカード基材Kの裏面側接触端子3,4とを電気的に接続する他の接続例を示すものである。
【0059】
上記した第1の実施の形態では、導電性接着剤16によってICモジュールMの端子12,13とカード基材Kの裏面側接触端子3,4とを電気的に接続したが、図32に示す接続例では、カード基材Kの貫通孔6,7の内周面に沿って銅などの導電体61,62を形成し、この導電体61,62を介してICモジュールMの端子12,13とカード基材Kの裏面側接触端子3,4とを電気的に接続する。
【0060】
図33はICモジュールMの他の例を示すものである。
【0061】
図33のICモジュールMは、その基板9の裏面側に端子12,13に加えて非接触機能のための端子65,66を配設し、これら端子65,66を金ワイヤ11を介してIC10に接続している。端子12,13には裏面側接触端子3,4が電気的に接続される。
【0062】
図34は、ICモジュールMのさらなる他の例を示すものである。
【0063】
図34のICモジュールMは、その基板9の裏面側に端子12,13を配設するとともに、他機能のための外部接触端子C4,C8を金ワイヤ11を介してIC10に接続している。端子12,13には、裏面側接触端子3,4が電気的に接続される。
【0064】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すICカードの平面図。
【図2】図1中A−Aに沿って示す断面図。
【図3】図1中B−Bに沿って示す断面図。
【図4】図1のICモジュールを表面側から示す図。
【図5】図1のICモジュールを裏面側から示す図。
【図6】図1のICカードと通信する外部端末を示す図。
【図7】図1のICカードがリーダライタに挿入される際の表裏の向きを示す図。
【図8】図1のICカードが表向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す平面図。
【図9】図1のICカードが表向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す側断面図。
【図10】図1のICカードが裏向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す平面図。
【図11】図1のICカードが裏向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す側断面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示すリーダライタとICカードの平面図。
【図13】図12のリーダライタとICカードを示す側断面図。
【図14】本発明の第3の実施の形態を示すICカードの平面図。
【図15】図14中C−Cに沿って示す断面図。
【図16】図14中D−Dに沿って示す断面図。
【図17】図14のICカードがリーダライタに挿入される際の表裏の向きを示す図。
【図18】図14のICカードが表向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す平面図。
【図19】図18のリーダライタ及びICカードを示す側断面図。
【図20】図14のICカードが裏向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す平面図。
【図21】図20のリーダライダ及びICカードを示す側断面図。
【図22】本発明の第4の実施の形態を示すICカードの平面図。
【図23】図22中E−E線に沿って示す断面図。
【図24】図22中F−F線に沿って示す断面図。
【図25】図22のICカードがリーダライタに挿入される際の表裏の向きを示す図。
【図26】図22のICカードが表向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す平面図。
【図27】図26のリーダライタ及びICカードを示す側断面図。
【図28】図22のICカードが裏向きの状態でリーダライタに挿入された状態を示す平面図。
【図29】図28のリーダライタ及びICカードを示す側断面図。
【図30】本発明の第5の実施の形態を示すリーダライタとICカードの平面図。
【図31】図30のリーダライタ及びICカードを示す側断面図。
【図32】本発明のICモジュールの他の接続例を示す図。
【図33】本発明の他の例であるICモジュールを示す裏面図。
【図34】本発明のさらに他の例であるICモジュールを示す裏面図。
【符号の説明】
【0066】
1…ICカード、K…カード基材、M…ICモジュール、C1〜C8…(表面側接触端子)、2…収納用凹部、9…基板、16…導電性接着剤、10…IC、12,13…端子
3,4、34,35、43,44…裏面側接触端子、6,7、…貫通孔、32,53、58…第1の端子部、33,54,59…第2の端子部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
この基板の一面側に設けられた接触端子と、
前記基板の他面側に設けられ、前記接触端子に電気的に接続されるIC、及びこのICに電気的に接続される端子と
を具備したことを特徴とするICモジュール。
【請求項2】
カード基材と、
このカード基材の一面側に設けられた収納用凹部と、
基板と、この基板の一面側に設けられた表面側接触端子と、前記基板の他面側に設けられ前記表面側接触端子に電気的に接続するICと、このICに電気的に接続される端子とを有して構成され、前記IC側から前記カード基材の収納用凹部内に収納されるICモジュールと、
前記カード基材の他面側に前記収納用凹部の反対側に位置して設けられ、前記ICモジュールの基板の他面側の端子に電気的に接続される裏面側接触端子と
を具備したことを特徴とするICカード。
【請求項3】
前記ICモジュールの端子と前記裏面側接触端子とは、前記カード基材に設けられた貫通孔内に充填された導電性の接着剤を介して接続されたことを特徴とする請求項2記載のICカード。
【請求項4】
前記ICモジュールの端子と前記裏面側接触端子とは、前記カード基材に設けられた貫通孔の内周面に沿って設けられた導電材を介して接続されたことを特徴とする請求項2記載のICカード。
【請求項5】
カード基材と、
このカード基材の一面側に設けられた収納用凹部と、
基板と、この基板の一面側に設けられた表面側接触端子と、前記基板の他面側に設けられ前記表面側接触端子に電気的に接続するICと、このICに電気的に接続される端子とを有して構成され、前記IC側から前記カード基材の収納用凹部内に収納されるICモジュールと、
前記カード基材の他面側に前記収納用凹部の反対側とは異なる位置に設けられ、前記ICモジュールの基板の他面側の端子に導電経路を介して電気的に接続される裏面側接触端子と
を具備したことを特徴とするICカード。
【請求項6】
カード基材と、
このカード基材の一面側に設けられた収納用凹部と、
基板と、この基板の一面側に設けられた表面側接触端子と、前記基板の他面側に設けられ前記表面側接触端子に電気的に接続されるICと、この前記ICに電気的に接続される裏面側接触端子とを有して構成され、前記IC側から前記カード基材の収納用凹部内に収納されるICモジュールと、
前記カード基材に設けられ、前記ICモジュールの裏面側接触端子を前記カード基材の裏面側に連通させる貫通孔と、
を具備したことを特徴とするICカード。
【請求項7】
請求項2記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、
前記ICカードを挿入させる装置本体と、
この装置本体内に設けられ、前記ICカードが前記装置本体内に挿入されるのに基いて前記ICカードの表面側接触端子に接触する第1の端子部、及び前記ICカードの裏面側接触端子に接触する第2の端子部と
を具備することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記第1の端子部と前記第2の端子部は、前記装置本体の一内壁面に前記ICカードの挿入方向と直交する方向に沿って配設され、前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子を前記第1の端子部に接触させ、前記ICカードがその裏側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記裏側接触端子を前記第2の端子部に接触させることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
前記第1の端子部は前記装置本体内の一内壁面部に設けられ、前記第2の端子部は前記第1の端子部に離間対向する状態で設けられ、前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体内の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子を前記第1の端子部に接触させるとともに、前記裏側接触端子を前記第2の端子部に接触させることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項10】
請求項5記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、
前記ICカードを挿入させる装置本体と、
この装置本体の一内壁面部に設けられた端子部とを具備し、
前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子を前記端子部に接触させ、前記ICカードがその裏側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記裏側接触端子を前記端子部に接触させることを特徴とする通信装置。
【請求項11】
請求項6記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、
前記ICカードを挿入させる装置本体と、
この装置本体内の一内壁面部に前記ICカードの挿入方向と直交する方向に沿って配設された第1の端子部、及び第2の端子部とを具備し、
前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子を前記第1の端子部に接触させ、前記ICカードがその裏側接触端子を前記装置本体の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記第2の端子部をカード基材の貫通孔を介して前記裏側接触端子に接触させることを特徴とする通信装置。
【請求項12】
請求項6記載のICカードを挿入させてデータ通信する通信装置で、
前記ICカードを挿入させる装置本体と、
この装置本体内の一内壁面部に設けられた第1の端子部、及びこの第1の端子部と離間対向する位置に設けられた第2の端子部とを具備し、
前記ICカードがその表側接触端子を前記装置本体内の一内壁面部に沿う状態で挿入されるのに基づいて前記表側接触端子に前記第1の端子部を接触させるとともに、前記第2の端子部をカード基材の貫通孔を介して前記裏側接触端子に接触させることを特徴とする通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2008−250484(P2008−250484A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88832(P2007−88832)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】