説明

IDカード作成装置及びIDカード作成方法

【課題】申請者が提出した証明写真が小さい場合であっても、重要な部分の画質を劣化させることなく、見映えのよいIDカードを作成することができるIDカード作成装置及びIDカード作成方法を提供する。
【解決手段】証明写真を撮影して証明写真画像データを生成する撮影部11と、当該生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像のサイズを検出する証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151と、当該検出された証明写真画像のサイズが規定サイズを満たしていない場合に、撮影部11により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像の縁部付近の伸長領域が伸長された伸長画像データを生成する生成プログラム1533を実行したCPU151と、当該生成された伸長画像データに基づく伸長画像がプリントされたIDカードを作成する作成部14と、を備えるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IDカード作成装置及びIDカード作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、申請者からのIDカードの発行申請に従って、申請者の証明写真画像がプリントされたIDカードを作成するIDカード作成装置が知られている。
このようなIDカード作成装置は、例えば、申請者を直接撮影して生成した証明写真画像データに基づく証明写真画像をIDカードにプリントする場合や、申請者が提出した証明写真を撮影して生成した証明写真画像データに基づく証明写真画像をIDカードにプリントする場合などがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−180159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、申請者が提出した証明写真を撮影して生成した証明写真画像データに基づく証明写真画像をプリントする場合、例えば、図7に示すように、当該提出された証明写真Szのサイズが規定サイズRzよりも小さいと、証明写真画像Pzとともに、証明写真Szを貼り付けていた台紙(例えば、申請書)の画像TzもIDカードWzにプリントされてしまって、IDカードの見映えが悪くなってしまうという問題がある。さらに、この問題に伴い、IDカードの再作成といった資源的なロスが生じることとなる。
【0004】
そこで、証明写真のサイズが規定サイズよりも小さい場合には、当該証明写真の証明写真画像データを全体的に拡大する方法が考えられるが、全体的に拡大すると全体的に画質が劣化してしまうという問題がある。
また、パスポート用の証明写真のように、顔領域の大きさ等が規格化された証明写真もあるが、当該証明写真の証明写真画像データを全体的に拡大すると、顔領域の大きさ等が規格から外れてしまうという問題もある。
【0005】
本発明の課題は、申請者が提出した証明写真が小さい場合であっても、重要な部分の画質を劣化させることなく、見映えのよいIDカードを作成することができるIDカード作成装置及びIDカード作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
申請者からのIDカードの発行申請に従って、当該申請者が提出した証明写真がプリントされたIDカードを作成するIDカード作成装置において、
前記証明写真を撮影して証明写真画像データを生成する撮影手段と、
前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像のサイズを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された証明写真画像のサイズが規定サイズを満たしていない場合に、当該証明写真画像のサイズが当該規定サイズを満たすように、前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像の縁部付近の所定領域が伸長された伸長画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された伸長画像データに基づく伸長画像がプリントされたIDカードを作成する作成手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のIDカード作成装置において、
前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、顔領域を検出する顔領域検出手段を備え、
前記所定領域は、前記顔領域検出手段により検出された顔領域よりも、前記証明写真画像の縁部に近い領域であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のIDカード作成装置において、
前記生成手段は、前記証明写真画像の縁部に近いほど、大きな伸長率で前記所定領域を伸長させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3の何れか一項に記載のIDカード作成装置において、
前記検出手段は、前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像の左右方向及び上下方向の長さを検出し、
前記生成手段は、前記検出手段により検出された証明写真画像の左右方向及び上下方向の長さと、左右方向及び上下方向の規定長さと、をそれぞれ比較し、規定長さを満たしていない方向にのみ、前記所定領域を伸長させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載のIDカード作成装置におけるIDカード作成方法において、
前記撮影手段が、前記証明写真を撮影して証明写真画像データを生成する撮影ステップと、
前記検出手段が、前記撮影ステップで生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像のサイズを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された証明写真画像のサイズが規定サイズを満たしていない場合に、前記生成手段が、当該証明写真画像が当該規定サイズを満たすように、前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像の縁部付近の所定領域が伸長された伸長画像データを生成する生成ステップと、
前記作成手段は、前記生成ステップで生成された伸長画像データに基づく伸長画像がプリントされたIDカードを作成する作成ステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び5に記載の発明によれば、証明写真画像のサイズが規定サイズを満たしていない場合に、当該証明写真画像のサイズが当該規定サイズを満たすように、撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像の縁部付近の所定領域が伸長された伸長画像データを生成することができる。
すなわち、重要な部分である証明写真画像の中央付近の領域は伸長されないため、申請者が提出した証明写真が小さい場合であっても、重要な部分の画質を劣化させることなく、見映えのよいIDカードを作成することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、所定領域は、顔領域検出手段により検出された顔領域よりも、証明写真画像の縁部に近い領域である。
すなわち、最も重要な部分である証明写真画像の顔領域は伸長されないため、より一層、重要な部分の画質を劣化させることなく、見映えのよいIDカードを作成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、証明写真画像の縁部に近いほど、大きな伸長率で所定領域を伸長させることができる。
すなわち、伸長されない領域に近いほど、所定領域の伸長率が小さいため、所定領域が伸長されても、伸長されない領域と伸長される所定領域との境界部分の違和感を抑えることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、証明写真画像の左右方向及び上下方向の長さと、左右方向及び上下方向の規定長さと、をそれぞれ比較し、規定長さを満たしていない方向にのみ、所定領域を伸長させることができる。
すなわち、伸長させる必要のない方向には所定領域は伸長されないため、証明写真画像により近い伸長画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して、本発明にかかるIDカード作成装置及びIDカード作成方法の最良の形態を詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
<IDカード作成装置>
まず、IDカード作成装置1の構成について、図1を参照して説明する。
IDカード作成装置1は、例えば、申請者からのIDカードの発行申請に従って、当該申請者が提出した証明写真がプリントされたIDカードを作成する。
具体的には、IDカード作成装置1は、例えば、図1に示すように、撮影部11と、入力部12と、表示部13と、作成部14と、制御部15と、などを備えて構成される。
【0017】
ここで、申請者は、例えば、申請者の証明写真が貼付され、申請者のID番号や個人情報(住所、氏名、国籍・本籍、生年月日など)などが記入された申請書を提出することによって、IDカードの発行申請を行う。
【0018】
撮影部11は、例えば、撮影手段として、証明写真を撮影して証明写真画像データを生成する。
なお、申請者が提出した証明写真のサイズが、規定サイズRよりも小さい場合には、撮影部11は、当該証明写真とともに、当該証明写真を貼り付けていた申請書も撮影してしまう。したがって、この場合、撮影部11により生成された証明写真画像データに基づく画像には、例えば、図2に示すように、証明写真画像Pとともに、申請書の画像Tが含まれることになる。
【0019】
入力部12は、例えば、カーソルキー、文字/数字キー、各種機能キーなどから構成され、オペレータのキー操作に伴う押下信号を制御部15に出力する。また、入力部12は、必要に応じてマウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスや、バーコードリーダ、ノートパッド、スキャナ、OCR装置など、その他の入力装置を備えるものとしてもよい。
具体的には、入力部12は、例えば、オペレータが申請書に記入されたID番号や個人情報を入力する際等に使用される。
【0020】
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルなどから構成され、制御部15から入力される表示信号に従って所与の表示処理を行う。
【0021】
作成部14は、例えば、作成手段として、制御部15から入力される制御信号に従って、生成プログラム1533を実行したCPU151により生成された伸長画像データに基づく伸長画像Q等がプリントされたIDカードW(例えば、図5)を作成する。
具体的には、作成部14は、例えば、伸長画像Qや、オペレータによる入力部12の操作により入力されたID番号や個人情報、サーバ装置(図示省略)等に記憶されたID番号や個人情報などがプリントされたIDカードWを作成する。
【0022】
制御部15は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)151、RAM(Random Access Memory)152、ROM(Read Only Memory)153などを備えている。
【0023】
CPU151は、ROM153に記憶されたIDカード作成装置1用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0024】
RAM152は、CPU151によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0025】
ROM153は、IDカード作成装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU151によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形でROM153に記憶されている。
具体的には、ROM153は、例えば、図1に示すように、証明写真サイズ検出プログラム1531と、顔領域検出プログラム1532と、生成プログラム1533と、などを記憶している。
【0026】
証明写真サイズ検出プログラム1531は、例えば、撮影部11により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像Pのサイズを検出する機能を、CPU151に実現させる。
具体的には、CPU151は、例えば、撮影部11により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像Pの左右方向の長さ及び上下方向の長さを検出する。
なお、証明写真画像Pのサイズの検出方法としては、例えば、撮影部11により生成された証明写真画像データを基に、8ビット(0〜255階調)の赤色の濃淡情報からなる赤色画像データを生成し、証明写真画像Pの縁部Paの濃淡情報と、証明写真画像Pのその他の部位及び申請書の画像Tの濃淡情報とが概ね異なることを利用して、濃度分布ヒストグラムの極大値の濃度が薄い側の峰の極小値を閾値として、それ以上の濃度の領域を証明写真画像Pの縁部Paとして検出する等の公知の方法を適用することができる。
CPU151は、かかる証明写真サイズ検出プログラム1531を実行することによって、検出手段として機能する。
【0027】
顔領域検出プログラム1532は、例えば、撮影部11により生成された証明写真画像データから、顔領域Aを検出する機能を、CPU151に実現させる。
ここで、顔領域Aとは、例えば、図3に示すように、頭髪及び顔を含む領域のことである。
なお、顔領域Aの検出方法としては、例えば、色成分の濃度差や顔の形状モデルに基づいて顔領域Aを検出したり、或いは、クロマキー処理により顔領域Aを検出する等の公知の方法を適用することができる。
CPU151は、かかる顔領域検出プログラム1532を実行することによって、顔領域検出手段として機能する。
【0028】
生成プログラム1533は、例えば、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151により検出された証明写真画像Pのサイズが規定サイズRを満たしていない場合に、証明写真画像Pのサイズが規定サイズRを満たすように、撮影部11により生成された証明写真画像データから、証明写真画像Pの縁部Pa付近の縁部Paよりも内側にある所定領域としての伸長領域Bが伸長された伸長画像データを生成する機能を、CPU151に実現させる。
ここで、所定領域としての伸長領域Bとは、例えば、図3に示す斜線部分のように、顔領域検出プログラム1532を実行したCPU151により検出された顔領域Aよりも、証明写真画像Pの縁部Paに近い領域のことである。
【0029】
具体的には、CPU151は、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151により検出された証明写真画像Pの左右方向の長さ及び上下方向の長さと、左右方向の規定長さR1及び上下方向の規定長さR2と、をそれぞれ比較し、規定長さを満たしていない方向にのみ、伸長領域Bを伸長させる。
より具体的には、例えば、図4(a)に示す証明写真画像Pにおいては、上下方向の長さは上下方向の規定長さR2を満たしているものの、左右方向の長さが、左右方向の規定長さR1を満たしていないので、CPU151は、顔領域Aの左右方向にある伸長領域Bを伸長させて、図4(b)に示す伸長画像Qの伸長画像データを生成する。そして、当該生成された伸長画像データは、作成部14により、例えば、図5に示すようなIDカードWを作成するために使用される。
【0030】
なお、CPU151は、例えば、証明写真画像Pの縁部Paに近いほど、大きな伸長率で伸長領域Bを伸長させるようになっている。
すなわち、例えば、顔領域A近傍の伸長率をほぼ0%とし、そして、証明写真画像Pの縁部Paに近づくに従って伸長率が増加するように、CPU151は、伸長領域Bを伸長させるようになっている。
CPU151は、かかる生成プログラム1533を実行することによって、生成手段として機能する。
【0031】
<IDカード作成方法>
次に、IDカード作成装置1によるIDカード作成方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
ここで、実線で囲んだ処理は、IDカード作成装置1が実行する処理であり、破線で囲んだ処理は、IDカード作成装置1のオペレータが実行する処理である。
【0032】
まず、IDカード作成装置1のオペレータが、申請者からの申請書の提出によって、IDカードの発行申請を受け付けて(ステップS11)、オペレータによる入力部12の操作によって、当該申請書に記入された申請書のID番号や個人情報などが入力され、撮影部11が、当該申請書に貼付された証明写真を撮影して証明写真画像データを生成すると(ステップS12)、CPU151は、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行して、ステップS12で生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像Pのサイズを検出する(ステップS13)。
【0033】
次いで、CPU151は、ステップS13で検出された証明写真画像Pのサイズが、規定サイズRを満たすか否かを判断する(ステップS14)。
【0034】
ステップS14で、証明写真画像Pのサイズが規定サイズRを満たさないと判断すると(ステップS14;No)、CPU151は、顔領域検出プログラム1532を実行して、ステップS12で生成された証明写真画像データから、顔領域Aを検出する(ステップS15)。
【0035】
次いで、CPU151は、生成プログラム1533を実行して、ステップS12で生成された証明写真画像データから、伸長領域Bが伸長された伸長画像データを生成する(ステップS16)。
【0036】
次いで、CPU151は、作成部14に、ステップS16で生成された伸長画像データに基づく伸長画像Qと、ステップS12で入力されたID番号や個人情報と、などがプリントされたIDカードWを作成させて(ステップS17)、本処理を終了する。
【0037】
また、ステップS14で、証明写真画像Pのサイズが規定サイズRを満たすと判断すると(ステップS14;Yes)、CPU151は、ステップS12で生成された証明写真画像データに基づく証明写真画像Pと、ステップS12で入力されたID番号や個人情報と、などがプリントされたIDカードWを作成させて(ステップS17)、本処理を終了する。
【0038】
以上説明した本発明のIDカード作成装置1によれば、申請者からのIDカードWの発行申請に従って、当該申請者が提出した証明写真がプリントされたIDカードWを作成することができ、撮影部11によって、証明写真を撮影して証明写真画像データを生成することができ、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151によって、撮影部11により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像Pのサイズを検出することができ、顔領域検出プログラム1532を実行したCPU151によって、撮影部11により生成された証明写真画像データから、顔領域Aを検出することができ、生成プログラム1533を実行したCPU151によって、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151により検出された証明写真画像Pのサイズが規定サイズRを満たしていない場合に、証明写真画像Pのサイズが規定サイズRを満たすように、撮影部11により生成された証明写真画像データから、証明写真画像Pの縁部Pa付近の、顔領域検出プログラム1532を実行したCPU151により検出された顔領域Aよりも、証明写真画像Pの縁部Paに近い領域である伸長領域Bが伸長された伸長画像データを生成することができ、作成部14によって、生成プログラム1533を実行したCPU151により生成された伸長画像データに基づく伸長画像QがプリントされたIDカードWを作成することができる。
すなわち、最も重要な部分である証明写真画像Pの顔領域Aは伸長されないため、申請者が提出した証明写真が小さい場合であっても、重要な部分の画質を劣化させることなく、見映えのよいIDカードWを作成することができる。
【0039】
また、生成プログラム1533を実行したCPU151は、証明写真画像Pの縁部Paに近いほど、大きな伸長率で伸長領域Bを伸長させることができる。
すなわち、伸長されない領域に近いほど、伸長領域Bの伸長率が小さいため、伸長領域Bが伸長されても、伸長されない領域と伸長される伸長領域Bとの境界部分の違和感を抑えることができる。
【0040】
また、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151は、撮影部11により生成された証明写真画像データから、証明写真画像データに基づく証明写真画像Pの左右方向の長さ及び上下方向の長さを検出し、生成プログラム1533を実行したCPU151は、証明写真サイズ検出プログラム1531を実行したCPU151により検出された証明写真画像Pの左右方向の長さ及び上下方向の長さと、左右方向の規定長さR1及び上下方向の規定長さR2と、をそれぞれ比較し、規定長さを満たしていない方向にのみ、伸長領域Bを伸長させることができる。
すなわち、伸長させる必要のない方向には伸長領域Bは伸長されないため、証明写真画像Pにより近い伸長画像Qを得ることができる。
【0041】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施の形態では、顔領域Aの検出が成功することを前提に説明したが、顔領域Aの検出に失敗した場合は、例えば、撮影部11により生成された証明写真画像データから、予め設定された領域が伸長された伸長画像データを生成するようにするとよい。
ここで、予め設定された領域とは、例えば、証明写真画像Pの縁部Pa付近の縁部Paよりも内側にある領域であり、一般的な顔領域Aにかからない範囲内の領域である。
予め設定された領域においては、例えば、証明写真画像Pの左右方向にある当該領域の幅は、それぞれ証明写真画像Pの左右方向の長さの10%と設定され、証明写真画像Pの上下方向にある当該領域の幅は、それぞれ証明写真画像Pの上下方向の長さの10%と設定されている。
【0042】
証明写真画像Pや、規定サイズR、申請書の画像T、伸長される伸長領域Bなど(すなわち、例えば、図4(a)の画像)を表示部13に表示し、オペレータによる入力部12の操作により了承を得た場合にのみ、伸長領域Bを伸長した伸長画像データを生成するようにしてもよい。
この場合、伸長領域Bの判定に誤りがないか否かを、オペレータに確認させることができるため、ミスを防止することができる。
そして、了承が得られない場合は、例えば、下記の方法(方法1〜4)等によって、オペレータによる入力部12の操作により、伸長する領域又は伸長しない領域を設定させ、それに基づいて、証明写真画像データから伸長画像データを生成するようにしてもよい。
【0043】
[方法1]
伸長する領域又は伸長しない領域を、予め設定した複数の領域パターンから選択可能にする。
具体的には、例えば、表示部13に表示された証明写真画像Pに、当該領域パターンを重ね合わせて表示するようにしておいて、オペレータによる入力部12の操作によりどのパターンがよいか選択させる。
この場合、領域を修正する手間が省ける。
【0044】
[方法2]
伸長する領域又は伸長しない領域を、任意に設定可能にする。
具体的には、例えば、表示部13に表示された証明写真画像Pに、当該領域を重ね合わせて表示するようにしておいて、オペレータによる入力部12の操作により、当該領域の縦横を個々に拡大縮小調整可能にする。
この場合、縦横比が固定でないので、申請書の画像Tがプリントされないように、当該領域を任意に設定することができる。
【0045】
[方法3]
伸長する領域又は伸長しない領域を、縦横比固定で変倍可能にする。
具体的には、例えば、表示部13に表示された証明写真画像Pに、当該領域を重ね合わせて表示するようにしておいて、オペレータによる入力部12の操作により、当該領域を拡大縮小調整可能にする。
この場合、縦横比をプリント時の比に固定しておくと、IDカードWにプリントされる領域が正確に反映される。
【0046】
[方法4]
一定の大きさの伸長しない領域の中心を、任意位置に移動可能にする。
具体的には、例えば、表示部13に表示された証明写真画像Pに、当該領域を重ね合わせて表示するようにしておいて、オペレータによる入力部12の操作により、当該領域の位置を移動可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明にかかるIDカード作成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】証明写真画像データに基づく証明写真画像を説明するための図である。
【図3】顔領域と伸長領域を説明するための図である。
【図4】伸長画像データの生成方法を説明するための図である。
【図5】伸長画像がプリントされたIDカードを示す図である。
【図6】本発明にかかるIDカード作成装置によるIDカード作成方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】従来のIDカードを説明するための図である。
【符号の説明】
【0048】
1 IDカード作成装置
11 撮影部(撮影手段)
151 CPU(検出手段、生成手段、顔領域検出手段)
1531 証明写真サイズ検出プログラム(検出手段)
1532 顔領域検出プログラム(顔領域検出手段)
1533 生成プログラム(生成手段)
A 顔領域
B 伸長領域(所定領域)
P 証明写真画像
Pa 縁部
Q 伸長画像
R 規定サイズ
R1 左右方向の規定長さ
R2 上下方向の規定長さ
W IDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請者からのIDカードの発行申請に従って、当該申請者が提出した証明写真がプリントされたIDカードを作成するIDカード作成装置において、
前記証明写真を撮影して証明写真画像データを生成する撮影手段と、
前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像のサイズを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された証明写真画像のサイズが規定サイズを満たしていない場合に、当該証明写真画像のサイズが当該規定サイズを満たすように、前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像の縁部付近の所定領域が伸長された伸長画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された伸長画像データに基づく伸長画像がプリントされたIDカードを作成する作成手段と、
を備えることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のIDカード作成装置において、
前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、顔領域を検出する顔領域検出手段を備え、
前記所定領域は、前記顔領域検出手段により検出された顔領域よりも、前記証明写真画像の縁部に近い領域であることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のIDカード作成装置において、
前記生成手段は、前記証明写真画像の縁部に近いほど、大きな伸長率で前記所定領域を伸長させることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のIDカード作成装置において、
前記検出手段は、前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像の左右方向及び上下方向の長さを検出し、
前記生成手段は、前記検出手段により検出された証明写真画像の左右方向及び上下方向の長さと、左右方向及び上下方向の規定長さと、をそれぞれ比較し、規定長さを満たしていない方向にのみ、前記所定領域を伸長させることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項5】
請求項1に記載のIDカード作成装置におけるIDカード作成方法において、
前記撮影手段が、前記証明写真を撮影して証明写真画像データを生成する撮影ステップと、
前記検出手段が、前記撮影ステップで生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像データに基づく証明写真画像のサイズを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された証明写真画像のサイズが規定サイズを満たしていない場合に、前記生成手段が、当該証明写真画像が当該規定サイズを満たすように、前記撮影手段により生成された証明写真画像データから、当該証明写真画像の縁部付近の所定領域が伸長された伸長画像データを生成する生成ステップと、
前記作成手段は、前記生成ステップで生成された伸長画像データに基づく伸長画像がプリントされたIDカードを作成する作成ステップと、
を備えることを特徴とするIDカード作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−290283(P2007−290283A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122198(P2006−122198)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】