説明

IHクッキングヒータ

【課題】飽和蒸気をそのまま被加熱物に供給せずに、上ヒータを駆動して飽和蒸気をさらに加熱させ、加熱室内に過熱蒸気を噴出させて被加熱物に供給することにより、食品中の塩分や油脂分を低減できるIHクッキングヒータを提供する。
【解決手段】キャビネットと、上記キャビネットの上面に設けられる複数のIHヒータと、上記キャビネット内に設けられ、蒸気を発生させる蒸気発生部と、上記キャビネット内に設けられ、前面側に開口部と上部に上ヒータ20と下部に下ヒータ21を有し、上記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される加熱室10とを備え、上記蒸気発生部の蒸気出口は、上記上ヒータ20に向けて被加熱物を載置する面よりも上方に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IHクッキングヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
被加熱食材から発生する臭いを脱臭できる加熱調理器として、特開平8‐336465号公報に開示された焼物調理器(特許文献1)がある。
【0003】
この特許文献1に開示された焼物調理器においては、調理が開始されると上ヒータおよび下ヒータに通電されて、網上の調理物が上下両面から加熱される。さらに、触媒を加熱するためのヒータに通電され、上記ヒータが所定の温度に到達すると排気ファンが駆動され、吸引された外気が庫内で発生した煙や臭いと共に脱臭装置に導かれる。そして、加熱された上記触媒によって、導かれた煙や臭いが水蒸気と二酸化炭素とに分解される。こうして清浄化された空気を排気口から機外に排気するようにしている。
【0004】
ところで、最近、上記上ヒータおよび下ヒータとしての電気ヒータに加えて、蒸気発生装置によって発生された飽和蒸気や過熱蒸気による加熱も行える複合加熱調理が出回っている。このような加熱調理においては、上記飽和蒸気や過熱蒸気による加熱を行う場合には、上述のような脱臭装置に対して空気と共に煙や臭いが混じった多量の蒸気が供給されることになる。そのため、上記脱臭装置の触媒は、蒸気と言う余分な気体をも処理する必要が生ずる。上記触媒の温度としては300℃以上必要である。ところが、200℃程度の蒸気が供給されると、触媒温度が低下するため触媒の能力が低下してしまう。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の焼物調理器においては、上記脱臭装置に多量の蒸気が導かれた場合における上記触媒の能力が低下については何ら考慮されてはいない。したがって、上記従来の焼物調理器を、上記飽和蒸気や過熱蒸気による加熱も行える複合加熱調理に適用した場合には、被加熱食材から発生する煙や臭いを確実に脱臭することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8‐336465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明の課題は、飽和蒸気をそのまま被加熱物に供給せずに、上ヒータを駆動して飽和蒸気をさらに加熱させ、加熱室内に過熱蒸気を噴出させて被加熱物に供給することにより、食品中の塩分や油脂分を低減できるIHクッキングヒータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明のIHクッキングヒータは、
キャビネットと、
上記キャビネットの上面に設けられる複数のIHヒータと、
上記キャビネット内に設けられ、蒸気を発生させる蒸気発生部と、
上記キャビネット内に設けられ、前面側に開口部と上部に上ヒータと下部に下ヒータを有し、上記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される加熱室とを備え、
上記蒸気発生部の蒸気出口は、上記上ヒータに向けて被加熱物を載置する面よりも上方に設けられることを特徴としている。
【0009】
また、1実施の形態のIHクッキングヒータでは、
上記上ヒータは、上記蒸気発生部で発生させた蒸気を加熱して過熱蒸気とし、
上記過熱蒸気は被加熱物に供給される。
【発明の効果】
【0010】
以上より明らかなように、この発明のIHクッキングヒータは、飽和蒸気をそのまま被加熱物に供給せずに、上ヒータを駆動して飽和蒸気をさらに加熱させ、加熱室内に過熱蒸気を噴出させて被加熱物に供給することにより、食品中の塩分や油脂分を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の加熱調理器の一例としてのIHクッキングヒータにおける斜視図である。
【図2】図1において前面パネルを取り除いた状態の正面図である。
【図3】図1における蒸気発生装置からの蒸気経路と触媒ユニットとを模式的に示す図である。
【図4】図3における触媒ヒータの加熱制御系のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態の一例としてのIH(電磁誘導加熱)クッキングヒータにおける正面斜め上方から見た斜視図である。また、図2は、図1において前面パネルを取り除いた状態の正面図である。
【0014】
本IHクッキングヒータは、図1および図2に示すように、キャビネット1の上面に設けられたトッププレート2に、前面側に右IHヒータ3と左IHヒータ4との2つのIHヒータを所定の間隔をあけて配置している。さらに、そのIHヒータ3,4の中間で且つ
後面側に中央IHヒータ5を配置している。トッププレート2の後面側の右側に吸気口6を設け、トッププレート2の後面側の左側に排気口7を設けている。また、トッププレート2の前面側には、IH用操作部8を配置している。ここで、「前面側」とは、ロースター部9の加熱室10の開口側であり、「後面側」とは、加熱室10の開口側と反対の側である。
【0015】
また、上記キャビネット1の前面側には、前面パネル11の中央部に蒸気発生装置12を配置すると共に、前面パネル11の左側には加熱室10を配置している。加熱室10と蒸気発生装置12との前面側には、レールユニット13a,13bによって前後方向に摺動
可能に取り付けられた把手付きドア14を備えている。
【0016】
上記前面パネル11における加熱室10の開口の周囲にはパッキン(図示せず)が取り付けられており、把手付きドア14を閉じた状態で、上記パッキンによって加熱室10の開口の周囲がシールされる。尚、把手付きドア14を閉じた状態では、蒸気発生装置12の前面側と把手付きドア14との間には、通風用の隙間が設けられている。
【0017】
上記蒸気発生装置12は、水ポット15と、この水ポット15を加熱するポットヒータ16とを備えている。このポットヒータ16は、加熱部分が底板から円錐台形状に突出している。ポットヒータ16によって水ポット15を加熱することにより、水ポット15内の水が沸騰して蒸気が発生する。こうして発生した蒸気が加熱室10に供給され、加熱室10では、蒸気発生装置12から供給された蒸気とシーズヒータ等の熱源とによって、食材が加熱調理される。
【0018】
また、上記前面パネル11における蒸気発生装置12の右側には、液晶表示部17および操作キー部18を有するロースター部9用の前面操作部19を配置している。
【0019】
上記ロースター部9は、図2に示すように、加熱室10と、この加熱室10の上部に配置された例えばシーズヒータ等でなる上ヒータ20と、加熱室10の下部に配置された例えばシーズヒータ等でなる下ヒータ21と、上ヒータ20を覆う金属板によって加熱室10との間が仕切られた上ヒータ室22と、下ヒータ21を覆う金属板によって加熱室10との間が仕切られた下ヒータ室23とを備えている。このように、上ヒータ20と下ヒータ21とを上ヒータ室22と下ヒータ室23との中に収納することによって、被加熱食材からの油が両ヒータ20,21に付着することに起因する発煙や発火がなく、両ヒータ2
0,21の汚れを防止することができる。
【0020】
また、上記前面操作部19の後側であって、上記蒸気発生装置12の右側には、右IHヒータ3用の右IHインバータ回路24、中央IHヒータ5用の中央IHインバータ回路25、および、左IHヒータ4用の左IHインバータ回路26が、積層されて配置されている。尚、27は、被加熱食材を載せるためのトレイである。
【0021】
図3は、上記蒸気発生装置12によって発生した蒸気を加熱室10に供給するための蒸気経路と、加熱室10からの蒸気中の臭いを脱臭する触媒ユニットとを、模式的に示したものである。蒸気発生装置12の水ポット15は、その上部が蒸気通路31によって上ヒータ室22に接続されている。そして、蒸気通路31を介して上ヒータ室22に供給された飽和蒸気は、上ヒータ室22の下面に形成された蒸気供給孔32から加熱室10内に噴出される。その際に、上ヒータ20を駆動して飽和蒸気をさらに加熱することによって、加熱室10内に過熱蒸気を噴出することができる。
【0022】
すなわち、本実施の形態における上記ロースター部9の機能としては、上ヒータ20と下ヒータ21とによるグリル調理およびオーブン調理、蒸気供給孔32からの過熱蒸気によるグリル調理およびオーブン調理、蒸気供給孔32からの飽和蒸気による蒸し調理等がある。
【0023】
さらに、上記加熱室10の側方には、触媒ユニット33を併設している。この触媒ユニット33は、触媒を収納する筒状の本体部34を有しており、本体部34の下部は排気通路35によって加熱室10内におけるトレイ27よりも下部に連結されている。また、本体部34の上部には開口36が設けられており、圧力が高まった加熱室10内の気体が排気通路35を介して本体部34内に導入され、開口36の直下に設置された触媒37によって脱臭が行われて開口36から外部に排出される。本体部34における触媒37の上流側には、触媒37を加熱するための触媒ヒータ38が設置されている。
【0024】
尚、上記触媒37としては、パラジュウムあるいは白金を、セラミックあるいはニッケルに添加したものを用いる。また、触媒ヒータ38を、触媒37よりも少々上流側に設置することによって、触媒37の温度が高くなり過ぎないようにしている。
【0025】
以上のごとく、本実施の形態においては、排気通路35および本体部34で特許請求の範囲における上記排気経路を構成しているのである。
【0026】
上記触媒ヒータ38は、触媒ヒータ制御部39による制御の下に加熱される。図4は、触媒ヒータ38の加熱制御系のブロック図を示す。上述したように、上記飽和蒸気や過熱蒸気による加熱を行う場合には、触媒ユニット33に対して煙や臭いが混じった多量の蒸気が供給され、300℃以上必要である触媒温度が低下して触媒37の脱臭能力が低下してしまう。そこで、触媒ヒータ制御部39は、加熱室10に蒸気がある場合に、触媒ヒータ38への供給電力を増加させるようにしている。
【0027】
より具体的には、上記ポットヒータ16の近傍に、このポットヒータ16の温度を検知することによってポットヒータ16のオン・オフを検知するポットサーミスタ40を設ける。また、水ポット15と上ヒータ室22とを接続する蒸気通路31に、蒸気通路31内の気体温度を検出する蒸気サーミスタ41を設ける。そして、触媒ヒータ制御部39は、ポットサーミスタ40からのポットヒータ16の温度を表す検出信号と、蒸気サーミスタ41からの気体温度を表す検出信号とに基づいて、ポットヒータ16の温度が予め設定された第1の所定値以上である場合にポットヒータ16がオンであると判断し、且つ、蒸気通路31内の気体温度が予め設定された上記第1の所定値とは異なる第2の所定値以上である場合に加熱室10に蒸気が供給されて加熱室10には蒸気があると判断して、触媒ヒータ38への供給電力を増加させるのである。
【0028】
すなわち、本実施の形態においては、上記ポットサーミスタ40で、特許請求の範囲における上記蒸気発生ヒータオン・オフ検知部を構成している。また、蒸気サーミスタ41で、上記蒸気有無検知部を構成しているのである。
【0029】
以上のごとく、本実施の形態においては、上記触媒ヒータ制御部39によって、ポットサーミスタ40および蒸気サーミスタ41からの検出信号に基づいて、ポットヒータ16がオンであり且つ加熱室10に蒸気があると判断した場合には、触媒ヒータ38への供給電力を増加させるようにしている。したがって、触媒ユニット33の本体部34に200℃程度の蒸気が排出されて、触媒37の温度が最適な300℃以上を維持できなくなった場合あっても、触媒ヒータ38の温度が300℃以上に上昇されて脱臭能力が維持されるのである。
【0030】
尚、上記触媒ヒータ制御部39による触媒ヒータ38への供給電力の増加量は、例えば以下のようにして得ることができる。
【0031】
すなわち、上記蒸気サーミスタ41で検出される蒸気通路31内の気体温度は、加熱室10内の蒸気量および蒸気温度とある程度相関を有しており、蒸気通路31内の気体温度から触媒ヒータ38の所望温度からの温度低下量を推定できる。そこで、上記推定の結果に基づいて、蒸気通路31内の気体温度に対応した触媒ヒータ38の電力上昇量を予め設定し、メモリに格納しておく。そして、蒸気通路31内の気体温度に基づいて上記メモリを参照することによって、触媒ヒータ38の電力上昇量を得ることができる。
【0032】
あるいは、上記過熱蒸気によるグリル調理およびオーブン調理や上記飽和蒸気による蒸し調理等の調理カテゴリに応じて、本体部34に排出される蒸気の量および温度がある程度定まる。そこで、調理メニューや調理カテゴリに応じて触媒ヒータ38の電力上昇量を予め設定してメモリに格納しておき、操作部(図示せず)から指示された調理メニューや調理カテゴリに基づいて参照しても良い。
【0033】
尚、上記触媒ヒータ38の近傍に温度センサを設置し、この温度センサの検知温度が目標温度になるように触媒ヒータ38の電力を制御することも可能である。しかしながら、その場合には、触媒ヒータ38の温度を検出するためだけの専用の温度センサを設置しなければならず、コストアップに繋がる。それに対し、上記構成によれば、上記専用の温度センサが無くとも、触媒ヒータ38の温度を所望の温度に維持することが可能になり、コストアップを抑制することができるのである。
【0034】
ところで、上記過熱蒸気によるグリル調理およびオーブン調理等の場合には、加熱室10には多量蒸気が供給され、引いては本体部34に多量の蒸気が排出される。触媒37は酸化触媒であるため、加熱室10に多量の蒸気が供給されると酸素の割合が減って酸化触媒37の能力が落ちる。そこで、本実施の形態においては、触媒ヒータ制御部39によって、例えば蒸気通路31内の気体温度が上記各所定値よりも高い第3の所定値を超える場合には、触媒ヒータ38の目標温度をより高い新たな目標温度とするのである。こうすることによって、蒸気の量が多く排気中の酸素濃度が低下しても、触媒37の温度がより高められて触媒37の能力を向上でき、酸素濃度低下に起因する触媒37の能力低下を補うことができるのである。
【0035】
尚、本実施の形態においては、上記触媒ヒータ制御部39によって、ポットサーミスタ40および蒸気サーミスタ41からの検出信号に基づいて、触媒ヒータ38への供給電力の増加を判断するようにしている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、ポットサーミスタ40と蒸気サーミスタ41との何れか一方の検出信号に基づいて判断しても差し支えない。さらに、特許請求の範囲における上記蒸気有無検知部を蒸気サーミスタ41で構成しているが、例えば、蒸気通路31に設けられて蒸気通路31内の湿度を検知する蒸気通路湿度センサ、排気通路35に設けられて排気通路35内の温度を検知する排気通路温度センサ、排気通路35に設けられて排気通路35内の湿度を検知する排気通路湿度センサ、例えば水ポット15の外周面に設けられて水ポット15の温度を検知する水ポット温度センサで構成することも可能である。また、これらの組み合わせで構成しても差し支えない。何れの場合にも加熱室10に蒸気があるか否かを検知することが可能である。
【0036】
ここで、本実施の形態の上記蒸気発生装置12は、ポットヒータ16によって水ポット15を加熱することによって水ポット15内の水を沸騰させて蒸気を発生させる構造を有している。これに対し、蒸発皿を加熱し、ポンプによって少量ずつ水を上記蒸発皿に滴下し、瞬時に水を蒸発させて蒸気を発生する構造の蒸気発生装置がある。その場合には、上記蒸発皿の外周面に、上記蒸気有無検知部としての温度センサを取り付けることができない。しかしながら、上述のような蒸発皿にポンプで水を滴下する構造の蒸気発生装置においては、上記ポンプが動作している場合には必ず蒸気が発生しており、蒸気通路31を介して加熱室10に供給されている。そこで、上記ポンプのオン・オフを検知することによって、加熱室10に蒸気があるか否かを検知することが可能である。
【0037】
また、上記実施の形態においては、上記触媒ユニット33における本体部34の上部には開口36のみを設け、圧力が高まった加熱室10内の気体が自然に本体部34内に導入されるようにしている。しかしながら、排気通路35から開口36の間に、モータによって駆動される排気ファンを設け、この排気ファンが運転されると、加熱室10内の気体が吸引されて触媒37を通って開口36から外部に排気されるようにしても構わない。そうすることによって、加熱室10内の臭気を強制的に除去することが可能なる。
【0038】
また、上記実施の形態においては、上記触媒37としてパラジュウムあるいは白金等の酸化触媒を例に上げて説明しているが、この発明は触媒の種類を特定するものではない。また、触媒37の加熱温度も上述の温度に限定されるものではなく、触媒37の種類に応じて適宜設定すればよい。また、触媒ユニット33における本体部34への触媒37の取り付け方法や触媒ヒータ38の種類や形状にも、何ら限定を加えるものではない。
【0039】
また、上記実施の形態においては、上記過熱蒸気および飽和蒸気を使った調理のみについて説明しているが、上ヒータ室サーミスタ42,下ヒータ室サーミスタ43および庫内
サーミスタ44の検知温度に従って、上ヒータ20および下ヒータ21を駆動制御して、加熱室10内の被加熱食材を調理することが可能である。その場合には、加熱室10内に蒸気は供給されないので、触媒37の温度は300℃以上の適温に保たれて、触媒37の脱臭能力は低下しない。
【0040】
また、上記実施の形態においては、この発明の加熱調理器をIHクッキングヒータに適用した場合を例に説明したが、これに限らずオーブンレンジ等に適用しても一向に構わない。
【0041】
この発明の加熱調理器によれば、クッキングヒータ(IHヒータや電気ヒータ等の電気
コンロあるいはガスコンロを用いたものを含む)やオーブンレンジ等において、スチーム
あるいは過熱蒸気を用いることにより、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、この発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱蒸気あるいは飽和蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱蒸気あるいは飽和蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができ、食品表面がパリッと焼き上がり、仕上がり状態の良い調理を行うことができる。また、凝縮水が食品の表面に付着して余分な塩分や油脂分と共に滴下することによって、食品中の塩分や油脂分を低減できる。さらに、加熱室10内は過熱蒸気あるいは飽和蒸気が充満して無酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。
【符号の説明】
【0042】
3,4,5…IHヒータ、
9…ロースター部、
10…加熱室、
12…蒸気発生装置、
15…水ポット、
16…ポットヒータ、
20…上ヒータ、
21…下ヒータ、
22…上ヒータ室、
23…下ヒータ室、
31…蒸気通路、
32…蒸気供給孔、
33…触媒ユニット、
34…本体部、
35…排気通路、
36…開口、
37…触媒、
38…触媒ヒータ、
39…触媒ヒータ制御部、
40…ポットサーミスタ、
41…蒸気サーミスタ、
42…上ヒータ室サーミスタ、
43…下ヒータ室サーミスタ、
44…庫内サーミスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、
上記キャビネットの上面に設けられる複数のIHヒータと、
上記キャビネット内に設けられ、蒸気を発生させる蒸気発生部と、
上記キャビネット内に設けられ、前面側に開口部と上部に上ヒータと下部に下ヒータを有し、上記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される加熱室とを備え、
上記蒸気発生部の蒸気出口は、上記上ヒータに向けて被加熱物を載置する面よりも上方に設けられることを特徴とするIHクッキングヒータ。
【請求項2】
請求項1に記載のIHクッキングヒータにおいて、
上記上ヒータは、上記蒸気発生部で発生させた蒸気を加熱して過熱蒸気とし、
上記過熱蒸気は被加熱物に供給されることを特徴とするIHクッキングヒータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−79803(P2013−79803A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−283953(P2012−283953)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2009−48006(P2009−48006)の分割
【原出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】