説明

IL−21アンタゴニスト

【課題】新規なIL-21アンタゴニストポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチドの提供。
【解決手段】受容体結合研究において特異的に結合し、そして検出できないEC50を示すIL-21アンタゴニストである、特定のアミノ酸配列を有するポリペプチド、並びにそれらをコードするポリヌクレオチド。それらの分子は、IL-21分子のDへリックスに突然変異を有し、そしてその同起源受容体によるIL-21の活性を示すために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IL-21アンタゴニストに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
インターロイキンは、免疫学的応答、例えば炎症を仲介するサイトカインのファミリーである。インターロイキンは、広範囲の種類の炎症病理学を仲介する。免疫応答の中枢は、多くのサイトカイン及び抗原に対する適合できる免疫性を生成するT細胞である。T細胞により生成されるサイトカインは、タイプ1及びタイプ2として分類されて来た(Kelso, A. Immun. Cell Biol. 76: 300-317, 1998)。タイプ1サイトカインは、IL−2、IFN−γ、LT−αを包含し、そして炎症応答、ウィルス免疫性、細胞内寄生体免疫性及び同種移植拒絶に包含される。タイプ2サイトカインは、IL-4, IL-5, IL-6, IL-10及びIL-13を包含し、そして体液性応答、寄生虫免疫性及びアレルギー応答に関与する。タイプ1とタイプ2との間の共有されるサイトカインは、IL-3, GM-CSF及びTNF−αを包含する。T細胞集団を生成するタイプ1及びタイプ2が異なった型の炎症組織中に選択的に移動することを示すある証拠が存在する。
【0003】
成熟T細胞は、例えばサイトカイン、生化学的シグナル分子、又はT細胞集団の運命にさらに影響を及ぼす受容体を生成するために、抗原又は他の刺激物により活性化され得る。B細胞は、補助細胞機能、例えばサイトカインの生成を行うために、それらの細胞表面上の受容体、例えばB細胞受容体及び他の補助分子を通して活性化され得る。
炎症及び自己免疫疾患におけるサイトカインファミリーの例示されるインビボ活性は、サイトカインアンタゴニストの莫大な臨床学的可能性及びそれらの必要性を説明する。本発明は、IL−2サイトカインのアンタゴニスト、並びに関連する組成物及び方法を提供することにより、それらの必要性と取り組む。
本発明は、当業者に明らかであるそれらの及び他の使用のために、そのようなポリペプチドを提供する。
【発明の概要】
【0004】
1つの観点においては、本発明は、配列番号3又は配列番号5で示されるようなヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。もう1つの観点においては、本発明は、配列番号4又は配列番号6で示されるようなアミノ酸配列を含んで成るIL−21アンタゴニストポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。それらの配列は、IL−21のDへリックスにおける突然変異を包含する。
【0005】
1つの態様においては、本発明は、残基147(Met)の後にIL−21ポリペプチドの切断を有し、そして残基Gln145(配列番号2)がAsp145(配列番号4で示されるような)に突然変異されているアンタゴニスト分子を提供する。それらの突然変異は、10のIC50及び検出できなかったEC50を有するタンパク質をもたらした。zalphaIIリガンドI156ST/Q153D(STは、この場合、アミノ酸残基156での切断についての表示である)と称するその得られるポリペプチドは、特異性を有し、そしていずれの検出できるシグナル化も有さない同起源の受容体に結合することが示されている。
【0006】
もう1つの態様においては、本発明は、Gln145(配列番号2で示される)がAsp145(配列番号6で示される)に突然変異誘発され、そしてIle148(配列番号2で示される)がAsp148(配列番号6で示される)に突然変異誘発されているアンタゴニスト分子を提供する。それらの突然変異は、10のIC50及び検出できないEC50を有するタンパク質をもたらした。zalphaIIリガンドI156D/Q153Dと称するその得られるポリペプチドは、特異性を有し、そしていずれの検出できるシグナル化も有さない同起源の受容体に結合することが示されている。
【0007】
本発明の1つの観点は、配列番号4又は配列番号6で示されているようなアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチドを包含する。
もう1つの観点においては、本発明は、少なくとも2種のポリペプチドを含んで成り、そのポリペプチドの少なくとも1つが、配列番号4又は配列番号6で示されるようなアミノ酸配列、及び第2ポリペプチド配列から成る群から選択されたポリペプチドを含んで成る融合タンパク質を提供する。
【0008】
本発明のもう1つの観点は、請求項1記載の単離された核酸分子、転写プロモーター及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供し、ここで前記プロモーターは前記核酸分子と作用可能に連結され、そして前記核酸分子は前記転写ターミネーターと作用可能に連結されている。
本発明のもう1つの観点は、請求項5記載の発現ベクターを含んで成る、細菌、酵母細胞、菌類細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞及び植物細胞から成る群から選択された組換え宿主細胞を提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、請求項5記載の発現ベクターを含んで成り、そしてポリペプチドを生成する組換え宿主細胞を培養する段階を含んで、ポリペプチドの生成方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を詳細に記載する前、次の用語を定義することで本発明の理解を助けることができる:
“親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質への第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタンパク質が親和性標識として使用され得る。
【0010】
親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など., EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991), グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 1988), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1210, 1988)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメインを包含する。一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107, 1991を参照のこと。親和性標識をコードするDNAは、商品供給者(例えばPharmacia Biotech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New England Biolabs, Beverly, MA)から入手できる。
【0011】
用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために、本明細書において使用される。対立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされたポリペプチドにおいて変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使用される。
【0012】
用語“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の位置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それらの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末端側に位置する一定の配列は、その対象配列のカルボキシル末端に隣接して位置するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではない。
【0013】
用語“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有的に会合される安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプテン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
【0014】
用語“ポリヌクレオチド分子の相補体”とは、相補的塩基配列、及び対照配列に比較して逆の配向を有するポリペプチド分子である。例えば、配列5’ ATGCACGGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。
用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオチドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAspをコードする)。
【0015】
用語“発現ベクター”とは、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に連結される興味あるポリペプチドをコードするセグメントを含んで成る線状又は環状DNA分子を示すために使用される。そのような追加のセグメントは、プロモーター及びターミネーター配列及び複製の1又は複数の起点、1又は複数の選択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、及び同様のものを包含する。発現ベクターは一般的に、プラスミド又はウィルスDNAから誘導され、又は両者の要素を含むことができる。
【0016】
用語“単離された”とは、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオチドがその天然の遺伝的環境から除去され、そして従って、他の無関係な又は所望しないコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在することを示す。そのような単離された分子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノム クローンを含む分子である。本発明の単離されたDNA分子は、通常関係しない他の遺伝子を含まないが、しかし天然において存在する5’及び3’ 未翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は、当業者に明らかであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774―78, 1985を参照のこと)。
【0017】
“単離された”ポリペプチド又はタンパク質は、その生来の環境以外の条件、例えば血液及び動物組織とは別の条件下で見出されるポリペプチド又はタンパク質である。好ましい形においては、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に含まない。高く精製された形、すなわち95%以上の純度、より好ましくは99%以上の純度でポリペプチドを供給することが好ましい。この情況下で使用される場合、用語“単離された”とは、他の物理的形、例えばダイマー形又は他のグリコシル化された又は誘導体化された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0018】
用語“腫瘍性”とは、細胞を言及する場合、新規で且つ異常な増殖を受ける細胞、特に増殖において、制御できなく、且つ前進性であり、特に新形成をもたらす組織を示す。腫瘍性細胞は、悪性、すなわち侵襲性で且つ転移性であるか、又は良性であり得る。
“作用可能に連結された”とは、DNAセグメントに適用される場合、前記セグメントが、それらの意図された目的のために協力して機能し、例えば転写がプロモーターにおいて開始し、そしてコードセグメントを通してターミネーターに進行するよう配列されることを示す。
【0019】
用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。
“パラ体(paralogs)”とは、生物によって製造される、異なっているが,しかし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じると思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互いパラ体である。
【0020】
“ポリヌクレオチド”は、5’末端から3’末端に読み取られるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーである。ポリヌクレオチドは、RNA及びDNAを包含し、そして天然源から単離され、インビトロで合成され、又は天然及び合成分子の組み合わせから調製され得る。ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(略語“bp”)、ヌクレオチド(“nt”)、又はキロ塩基(“kb”)として表される。ここで、後者の2つの用語は、一本鎖又は二本鎖であるポリヌクレオチドを記載する。この用語が二本鎖分子に適用される場合、それは全体の長さを示すために使用され、そして用語、“塩基対”に等しいことが理解されるであろう。二本鎖ポリヌクレオチドの二本の鎖は長さにおいてわずかに異なり、そしてその末端が酵素分解の結果として異なることは、当業者により理解されており;従って、二本鎖ポリヌクレオチド分子内のすべてのヌクレオチドは一対に成り得ない。
【0021】
“ポリペプチド”は、天然において生成されても又は合成的に生成されてもいずれにせよ、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約 10個以下のアミノ酸残基のポリペプチドが、通常“ポリペプチド”として言及される。
用語“プロモーター”とは、RNA ポリメラーゼの結合及び転写の開始を提供するDNA配列を含む遺伝子の部分を示すために本明細書において使用される。プロモーター配列は通常、遺伝子の5’ 非コード領域に見出されるが、しかし必ずしもそうではない。
【0022】
用語“タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子である。タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付加され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ酸主鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
【0023】
用語“受容体”は、生物活性分子(すなわち“リガンド”)に結合し、そして細胞上のリガンドの効果を仲介する細胞関連タンパク質を示す。膜結合受容体は、細胞外リガンド結合ドメイン、及び典型的には、シグナルトランスダクションに関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多ペプチド構造により特徴づけられる。受容体へのリガンドの結合は、細胞におけるエフェクタードメインと他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体におけるコンホメーション変化をもたらす。
【0024】
この相互作用は、細胞の代謝の変更を誘導する。受容体−リガンド相互作用に連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、AMP生成の上昇、細胞カルシュウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付着、イノシトール脂質の加水分解、及びリン脂質の加水分解を包含する。一般的に、受容体は、膜結合され、シトソール性又は核性であり;モノマー(例えば甲状腺刺激ホルモン受容体、β−アドレナリン性受容体)、又はマルチマー(例えばPDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL−3受容体、GM―CSF受容体、G−CSF受容体、エリトロポイエチン受容体及びIL―6受容体)であり得る。
【0025】
用語“分泌シグナル配列”とは、それが合成される細胞の分泌路を通してより大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向ずけるポリペプチド(“分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポリペプチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常分解される。
【0026】
用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライシング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写されるいくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使用される。
【0027】
不正確な分析方法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されるポリマーの分子量及び長さは、おおよその値であることが理解されるであろう。そのような値が“約”X又は“おおよそ”Xとして表される場合、その言及されたXの値は、正確には±10%であることが理解されるであろう。
【0028】
本明細書に引用されるすべての文献はそれらのすべてを引用により組み込まれる。
本発明は、インターロイキン21(IL-21)をコードするDNAにおける一定の突然変異がIL-21受容体を結合できるポリペプチド分子をもたらす発現に一部、基づかれている。特に、DへリックスIL-21における突然変異が構築され得、そして結合特異性はIL-21受容体に関して保持されている。IL-21は本来、zalha11リガンドと呼ばれ、そして受容体は本来、zalpha11と呼ばれた。IL-21は、共通して所有されているアメリカ特許第6,307,024号に記載されている。
【0029】
一般的に、4−αヘリックス構造を有することが予測され、ここでヘリックスA, C及びDがリガンド−受容体相互作用において最も重要である。配列番号2に示されるヒトIL-21アミノ酸配列においては、ヘリックスAはアミノ酸残基41−56により定義され;ヘリックスBはアミノ酸残基69−84により定義され;ヘリックスCはアミノ酸残基92−105により定義され;そしてヘリックスDはアミノ酸残基135−148により定義される。構造分析は、A/Bループが長く、B/Cループが短く、そしてC/Dループが平行して長いことを示す。このループ構造は、アップ−アップ−ダウン−ダウンヘリカル構成をもたらす。
【0030】
システイン残基が、IL-21とIL−15との間に絶対的に保存される。IL-15とIL-21との間に保存されるシステイン残基は、配列番号2のアミノ酸残基71, 78, 122及び125に対応する。システイン残基のいくつかの保存がまた、配列番号2のアミノ酸残基78及び125に対応する、IL-2, IL-4, GM-CSF及びIL-21に見出される。一致したシステイン配置は、4−ヘリカル−束構造のさらなる確認である。残基136−138での配列番号2に示されるようなGlu−Phe−Leu配列がまた、IL-15, IL-2, IL-4, GM-CSF及びIL-21を含んで成るファミリーに高く保存される。
【0031】
IL-21の分析は、アミノ酸残基44, 47及び135(配列番号2に示されるような)が、その同起源の受容体へのIL-21結合において重要な役割を演じることを予測した。さらに、ネズミIL-21の予測されるアミノ酸配列は、その予測されるヒトタンパク質に対して57%の同一性を示す。ヒト及びネズミIL-21の配列間の比較に基づけば、良く保存された残基が、αヘリックスA及びDをコードすることが予測される領域に見出された。本明細書に記載されるIL-21ポリペプチド領域、ドメイン、モチーフ、残基及び配列をコードするその対応するポリヌクレオチドは、配列番号1に示される通りである。
【0032】
詳細な突然変異分析が、IL-21に高く関係しているIL-4及びIL-2の両者について行われた。ネズミIL-2の分析(Zurawskiなど., EMBO J. 12: 5113-5119,1993)は、ヘリックスA及びCにおける残基がIL-2Rβへの結合のために重要であり;決定的な残基がAsp34,Asn99及びAsn103であることを示す。ネズミIL-2ループA/B及びヘリックスルB内の複数の残基は、IL-2Rα結合のために重要であり、そしてヘリックスDにおける単一の残基、すなわちGln141のみが、IL-2Rαとの結合のために活動的である。
【0033】
同様に、ヘリックスA及びCは、IL-4及びIL-4Rα(IL-2Rαに構造的に類似する)間の相互作用の部位であり、そしてヘリックスD内の残基は、IL-2Rα相互作用のために活動的である(Wangなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 1657-1662, 1997; Kruseなど., EMBO J. 11:3237-3244, 1992)。特に、ヒトIL-4における突然変異(Tyr121→Asp)は、IL−4Rαと結合するが、しかしIL-2Rαとは結合せず、そして従って、シグナルであり得ないアンタゴニストを創造する(Kruseなど., 前記、1992)。
【0034】
ヘリックスAはヒト及びネズミIL-21間に比較的良く保存されるが、ヘリックスルCとはより異なる。両種は、この領域において卓越した酸性アミノ酸を有するが、その差異はzalpha11リガンドと、その“β”型受容体、すなわちzalpha11との間の相互作用における種特異性を説明することができる。IL-21のプールA/B及びヘリックスBは、種間で良く保存され;IL-2Rαに対応する受容体サブユニットはまだ同定されていないが、この領域を通しての保存は、それが機能的に有意であることを示す。ヒト及びネズミIL-21のDヘリックスもまた、高く保存される。IL-21アンタゴニストは、IL-21ヘリックスD内の突然変異を通して企画され得る。IL-21ヘリカル構造を破壊するいずれかの突然変異誘発は、その受容体との結合を破壊し、そして従ってシグナル化を阻害する。
【0035】
本発明の1つの態様は、残基147(Met)の後にIL-21ポリペプチドの切断を有し、そして残基Gln145(配列番号2)がAsp145(配列番号4に示されるような)に突然変異誘発されているアンタゴニスト分子を提供する。それらの突然変異は、10のIC50及び検出できないEC50を有するタンパク質をもたらした。IL-21 I156ST/Q153D (STは、この場合、アミノ酸残基156での切断についての表示である)と称する、その得られるポリペプチドは、特異性を有し、そしていずれの検出できるシグナル化も有さない同起源受容体に結合することが示された。
【0036】
もう1つの態様においては、本発明は、Gln145(配列番号2に示される)がAsp145(配列番号6に示される)に突然変異誘発され、そしてIL148(配列番号2に示される)がAsp148(配列番号6に示される)に突然変異誘発されているアンタゴニスト分子を提供する。それらの突然変異は、10のIC50及び検出できないEC50を有するタンパク質をもたらした。IL-21 I156/Q153Dと称する、その得られるポリペプチドは、特異性を有し、そしていずれの検出できるシグナル化も有さない同起源の受容体に結合することが示された。
【0037】
4−ヘリカルサイトカインの機能的ドメインが配列同一性に関係なく、構造的相同性に基づいて決定され、そしてキメラにおいて機能的に組み込みを維持することができる(Kallenなど., J. Biol. Chem. 274: 11859-11867, 1999)。従って、IL-21アンタゴニストのヘリカルドメインは、受容体結合特異性を決定し、そして調節するために他の短い−ヘリックス形のサイトカインを有するキメラ融合分子を調製するために有用であろう。ヘリックスA及び/又はヘリックスDにより構築された融合タンパク質、及び他の短い形のサイトカイン、IL-2, IL-4, IL-15及びGM-CSFからのヘリカル及びループドメインを結合する融合タンパク質が特に興味の対象である。IL-21、Il-2, IL-4, IL-15及びGM-CSFのためのA, B, C及びD, 並びにループA/B, B/C及びC/Dを含んで成るアミノ酸残基が表1に示される。
【0038】
【表1】

【0039】
IL-21受容体は、IL-2, IL-4, IL-7, IL-15, EPO, TPO, GM-CSF及びG-CSFについての受容体を包含するクラスIサイトカイン受容体サブファミリーのメンバーである(再考のためには、Cosman, “The Hematopoietin Receptor Superfamily” in Cytokine 5 (2): 95-106, 1993 を参照のこと)。z IL-21受容体は、共通して所有されているPCT特許出願US99/21149号に十分に記載されている。IL-21受容体は、リンパ節、末梢血液リンパ球(PBL)、脾臓、骨髄及び胸腺にいて発現される。受容体の組織分布は、予測されるIL-21についての標的が造血系細胞、特にリンパ球前駆体細胞及びリンパ球細胞であることを示す。リンパ球細胞に対して作用する他の既知の4−ヘリカル−束のサイトカインは、IL-2, IL-4, IL-7及びIL-15を包含する。4−ヘリカル−束のサイトカインの再考については、Nicolaなど.,Advances in Protein Chemistry 52: 1-65, 1999及びKeiso, A., Immunol. Cell Biol. 76:300-317,1998を参照のこと。
【0040】
本発明はまた、ポリヌクレオチド分子、例えば本明細書に開示されるIL-21アンタゴニストポリペプチドをコードするDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コードの縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能であることを容易に認識するであろう。配列番号3は、配列番号2のIL-21ポリペプチドをコードするすべてのDNAを包含する縮重DNA配列である。当業者はまた、配列番号3の変性配列がUとTとを置換することによって、配列番号2をコードするすべてのRNA配列も供給することを理解するであろう。
【0041】
従って、配列番号3のヌクレオチド1又は97−486を含んで成るIL-21ポリペプチド−コードのポリヌクレオチド及びそれらのRNA相当物は、本発明により包含される。表2は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号3内に使用される1文字コードを示す。“決定”は、コード文字により示されるヌクレオチドである。“補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。例えば、コードYはC又はTのいずれかを示し、そしてその補体RはA又はGを示し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
【0042】
【表2】

【0043】
与えられたアミノ酸のためのすべての可能なコドンを包含する配列番号3に使用される縮重コドンが表3に示される。
【0044】
【表3】

【0045】
当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するであろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ酸配列への参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
【0046】
DNA及びRNAを含む本発明の単離されたポリヌクレオチドを用いて、IL-21の生来の配列が、変異体を同定するための鋳型のために単離される。DNA及びRNAを調製するための方法は、当業界において良く知られている。
本発明はまた、配列番号4又は6のポリペプチドに対して実質的に類似する配列同一性を有するIL-21アンタゴニストポリペプチドも提供する。用語“実質的に類似する配列同一性”とは、配列番号2叉はに示される配列に対して少なくとも95%以上の配列同一性を有するポリペプチドを示すために本明細書において使用される。本発明はさらに、そのようなポリペプチドをコードする核酸分子も包含する。%同一性を決定するための方法は、下記に記載される。
【0047】
本発明はまた、2種の次の基準を用いて同定され得る変異体IL-21核酸分子も企画する:配列番号4又は6のアミノ酸配列とコードされたポリペプチドとの間の類似性の決定、及びハイブリダイゼーションアッセイ。そのようなIL-21変異体は、(1)55〜65℃での0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液に等しい緊縮洗浄条件下で、配列番号3又は5のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号4又は6のアミノ酸配列に対して少なくとも95%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。他方では、IL-21アンタゴニストは、(1)50〜65℃での0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶液に等しい、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号3又は5のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号4又は6のアミノ酸配列に対して少なくとも95%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子として特徴づけられ得る。
【0048】
%配列同一性は、従来の方法により決定される。例えば、Altschulなど., Bull. Math. Bio. 48 : 603−616, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. Acad. Sci. USA 89 :10915−10919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルティー、及び表4(アミノ酸は標準の1文字コードにより示される)に示されるようなHenikoff and Henikoff (前記)の“blosum 62”評点マトリックスを用いて、その整合評点を最適化するために整合される。次に、%同一性が次のようにして計算される:
【0049】
【数1】

【0050】
【表4】

【0051】
当業者は、2種のアミノ酸配列を整列するために多くの確立されたアルゴリズムが存在することを理解している。Pearson and Lipmanの“FASTA”類似性調査アルゴリズムは、本明細書に開示されるアミノ酸配列及び推定上の変異体IL-21のアミノ酸配列により共有される同一性のレベルを試験するための適切なタンパク質整列方法である。前記FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 85: 2444 (1988), 及びPearson, Meth. Enzymol. 183: 63 (1990) により記載される。
【0052】
手短には、FASTAがまず、問題の配列(例えば、配列番号4又は6)及び保存性アミノ酸置換、挿入又は欠失を考慮しないで、最高密度の同一性(ktup変数が1である場合)又は対の同一性(ktup=2である場合)のいずれかを有する試験配列により共有される領域を同定することによって配列を特徴づける。次に、最高密度の同一性を有する10の領域が、アミノ酸置換マトリックスを用いて、すべての対合されたアミノ酸の類似性を比較することによって再評価され、そして前記領域の末端が、最高の評点に寄与するそれらの残基のみを含むよう“整えられる”。“カットオフ”値(配列の長さ及びktup値に基づいて予定された式により計算される)よりも高い評点を有するいくつかの領域が存在する場合、その整えられた初期領域が、その領域がギャップとのおおよその一列配列を形成するために結合され得るかどうかを決定するために試験される。
【0053】
最終的に、2種のアミノ酸配列の最高評点領域が、アミノ酸挿入及び欠失を可能にする、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and winsch, J. Mol. Biol. 48: 444, 1970; Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26: 787, 1974)の変法を用いて整列される。FASTA 分析のための例示的なパラメーターは次のものである:ktup=1、ギャップ開始ペナルティー=10、ギャップ拡張ペナルティー=1及び置換マトリックス=BLOSUM62。それらのパラメーターは、Appendix 2 of Pearson, 1990 (前記)に説明されるように、評点マトリックスを調節することによってFASTAプログラム中に導入され得る。
【0054】
FASTAはまた、上記に開示されるような割合を用いて、核酸分子の配列同一性を決定するためにも使用され得る。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値は、誤りとして設定される他のパラメーターを伴って、1〜6、好ましくは4〜6であり得る。
【0055】
変異体IL-21ポリペプチド及び実質的に類似する配列同一性は、1又は複数のアミノ酸置換、欠失又は付加を有するものとして特徴づけられる。それらの変化は、好ましくは、保存性アミノ酸置換(表5を参照のこと)及びタンパク質及びポリペプチドの折りたたみ又は活性に実質的に影響を及ぼさない他の置換;小さな欠失、典型的には1〜約30個のアミノ酸の欠失;及び小さなアミノ−又はカルボキシル−末端の延長、例えばアミノ−末端メチオニン残基、約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長、又は親和性標識の延長である。従って、本発明は、配列番号4又は6のその対応する領域に対して、少なくとも95%又はそれ以上の同一性を有する配列を含んでなる、約108〜216個のアミノ酸残基のポリペプチドを包含する。親和性標識を含んで成るポリペプチドはさらに、IL-21ポリペプチドと親和性標識との間にタンパク質分解部位を含む。好ましいそのような部位は、トロンビン分解部位及び第Xa因子分解部位を含む。
【0056】
【表5】

【0057】
構造統合性の維持に対して決定的である領域又はドメインを含んで成るアミノ酸残基の決定が行われ得る。それらの領域内で、多かれ少なかれ、変化に耐性であり、そして分子の全体的な三次構造を維持するであろう特定の残基を決定することができる。配列構造を分析するための方法は、高いアミノ酸又はヌクレオチド同一性を有する複数配列の一列整列、二次構造性質、二元パターン、相補的パッケージング及び埋もれた極性相互作用を包含するが、但しそれらだけには限定されない(Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:372-376, 1995及びCordesなど., Current Opin. Struct. Biol. 6: 3-10, 1996)。一般的に、分子への修飾を企画するか又は特定のフラグメントを同定する場合、構造の決定は、修飾された分子の活性を評価することによって付随されるであろう。
【0058】
アミノ酸配列の変更の効果は、例えば上記に開示されるようなコンピューターモデルにより予測され得、又は結晶構造の分析により決定され得る(例えば、Lapthornなど., Nat. Struct. Biol. 2: 266-268, 1995)。当業界において良く知られている他の技法は、標準の分子(例えば、生来のタンパク質)と変異体タンパク質の折りたたみを比較する。例えば、変異体及び標準の分子におけるシステインパターンの比較が行われ得る。質量分光及び還元及びアルキル化を用いての化学的修飾は、ジスルフィド結合に関連するか又はそのような関連を有さないシステイン残基を決定するための方法を提供する(Beanなど., Anal. Biochem. 201: 216-226, 1992; Gray, Protein Sci. 2: 1732-1748, 1993: 及びPattersonなど., Anal. Chem. 66: 3727-3732, 1994)。
【0059】
一般的に、修飾された分子が標準の分子と同じシステインパターンを有さない場合、折りたたみが影響を及ぼされると思われる。折りたたみを測定するためのもう1つの良く知られており、且つ許容できる方法は、円ニ色性(CD)である。修飾された分子及び標準の分子により生成されるCDスペクトルの測定及び比較は、通常のことである(Johnson, Protein 7:205-214, 1990)。結晶学は、折りたたみ及び構造を分析するためのもう1つの良く知られた方法である。核磁気共鳴(NMR)、消化ペプチドマッピング及びエピトープマッピングはまた、タンパク質とポリペプチドとの間の折りたたみ及び構造的類似性を分析するための既知方法でもある(Schaananなど., Science 257: 961-964, 1992)。
【0060】
核酸分子の通常の欠失分析は、IL-21ポリペプチドをコードする核酸分子の機能的フラグメントを得るために行われ得る。例示されるように、配列番号3又は5のヌクレオチド配列又はそのフラグメントを有するDNA分子は、一連の欠失を得るためにBal3 Tヌクレアーゼにより消化され得る。次に、それらのDNAフラグメントが正しい読み取り枠を整合して発現ベクター中に挿入され、そして発現されたポリペプチドが単離され、そしてIL-21活性について、又は抗−IL-21抗体又はIL-21受容体を結合する能力について試験される。エキソヌクレアーゼ消化のための1つの方法は、欠失を導入するためにオリゴヌクレオチド−指図された突然変異誘発を使用し、又は所望するIL-21フラグメントの生成を特定するために停止コドンを使用することである。他方では、IL-21遺伝子の特定のフラグメントは、ポリメラーゼ鎖反応を用いて合成され得る。
【0061】
機能的ドメインを同定するための標準の方法は、当業者に良く知られている。例えば、インターフェロンのいずれかの又は両末端での切断に対する研究が、Horisberger and Di Marco, pharmac. Ther. 66: 507 (1995) により要約されている。さらに、タンパク質の機能的分析のための標準技法は、例えばTreulterなど., Molec. Gen. Genet. 240: 113 (1993), Content など., “Expression and preliminary deletion analysisi of the 42 kDa 2-5A synthetase induced by human interferon”, in Biological Interferon Systems, Proceedings of ISIR-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell (ed.), Pages 65-72 (Nijhoff 1987), Herschman, “The EGF Enzyme”, in Cortrol of Animal Cell Proliferation, Vol. 1, Boynton など., (eds.) pages 169-199 (Academic Press 1985), Counailleau など., J. Biol. Chem. 270: 29270 (1995); Fukunaga など., J. Biol. Chem. 270: 25291 (1995); Yamaguchi など., Biochem. Pharmacol. 50: 1295 (1995); 及びMeiselなど., Plant Molec. Biol. 30: 1 (1996)により記載される。
【0062】
複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばReidhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペプチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリーンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。使用され得る他の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
【0063】
開示されるIL-21ヌクレオチド及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer, Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10747−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダムに導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いてのアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、前記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異なった種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の選択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が、有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択することによって、配列の急速な“進化”を提供する。
【0064】
本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン化された突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。生物学的に活性のポリペプチド又は抗−IL-21抗体又は可溶性IL-21受容体と結合するポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装置を用いて配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプチドに適用され得る。
【0065】
さらに、本発明のタンパク質(又はそのポリペプチドフラグメント)は、多機能分子を供給するために、他の生物活性分子、特に他のサイトカインに連結され得る。例えば,IL-21からの1又は複数のヘリックスが、それらの生物学的性質又は生成の効率を高めるために、他のサイトカインに連結され得る。
【0066】
従って、本発明は、IL-21の1又は複数のヘリックスを含んで成るセグメントが他のポリペプチドに融合されている一連の新規ハイブリッド分子を提供する。融合は好ましくは、組換え生成システムにおけるキメラ分子の発現を可能にするためにDNAレベルをスプライシングすることにより行われる。次に、その得られる分子は、改良された溶解性、改良された安定性、延長されたクリアランス半減期、改良された発現及び分泌レベル、及び薬物力学についてアッセイされる。そのようなハイブリッド分子はさらに、成分タンパク質又はポリペプチド間に追加のアミノ酸残基(例えば、ポリペプチドリンカー)を含んで成る。
【0067】
天然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタプロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方法が当業界において知られている。
【0068】
例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用され得る。アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。例えば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman など., Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 1993; 及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照のこと。
【0069】
第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノアミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271: 1991−98, 1996 )。 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定である天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。
【0070】
天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導入される。Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。天然に存在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403, 1993)。 分子の半減期を延長するために、特に、活性状態で代謝持続性を延長するために、IL-21を安定化することは好都合である。
【0071】
延長された半減期を達成するためには、IL-21分子は、本明細書に記載される方法を用いて、化学的に修飾され得る。PEG化は、血漿半減期、高められた安定性、及び低められた抗原性及び免疫原性を高めるために示されて来た、通常使用される1つの方法である(Nucciなど., Advantage Drug Dilivery Reviews 6: 133-155, 1991及びLuなど., Int. J. Peptide Protein Res. 43: 127-138, 1994)。限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、IL-21アミノ酸により置換され得る。
【0072】
本発明はまた、本明細書に記載されるIL-21ポリペプチドのエピトープ−担持の部分を含んで成るポリペプチドフラグメント又はペプチドも提供する。そのようなフラグメント又はペプチドは、完全なタンパク質が免疫原として使用される場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部である“免疫原性エピトープを含んで成る。免疫原性エピトープ−担持のペプチドは、標準方法を用いて同定され得る。(例えば、Geysenなど., Proc. Natl. Acad Sci. USA81: 3988, 1983を参照のこと)。
【0073】
IL-21アンタゴニストポリヌクレオチドの特定のヌクレオチド配列にもかかわらず、そのポリヌクレオチドは、特殊化された細胞機能を誘発するか又は阻害する能力、又は抗−IL-21抗体又はIL-21受容体に対して特異的に結合する能力に特徴づけられるポリペプチドをコードする。より特定には、IL-21アンタゴニストは、少なくとも100nMのIC50を有するその同起源抗体を結合し、そして100nM又はそれ以上のEC50を示すであろう。
変異体及び融合タンパク質を包含するいずれかのIL-21ポリペプチドに関しては、当業者は、上記表1及び2に示される情報を用いて、その変異体をコードする、十分な縮重ポリヌクレオチド配列を容易に生成することができる。
【0074】
本発明はさらに、種々の他のポリペプチド融合体(及びい又は複数のポリペプチド融合体を含んで成る関連するマルチマータンパク質)を提供する。例えば、z IL-21ポリペプチドは、アメリカ特許第5,155,027号及び第5,567,584号に開示されるようなダイマータンパク質への融合として調製され得る。それに関しての好ましいダイマータンパク質は、免疫グロブリン不変領域ドメインを包含する。免疫グロブリン−IL-21ポリペプチド融合体は、(種々のマルチマーIL-21類似体を生成するために)、遺伝子的に構築された細胞において発現され得る。
【0075】
補助ドメインは、特定の細胞、組織又は高分子に対してそれらを標的化するためにIL-21ポリペプチドに融合され得る。例えば、IL-21ポリペプチド又はタンパク質が、標的細胞の表面上の受容体又は受容体に特異的に結合するリガンドにzalpha11リガンドポリペプチドを融合せしめることによって、予定された細胞型に標的化され得る。この場合、ポリペプチド及びタンパク質は、治療又は診断目的のために標的化され得る。IL-21ポリペプチドは、複数の成分、例えば精製のための親和性標識及び標的化ドメインに融合され得る。ポリペプチド融合はまた、特にドメイン間に、1又は複数の切断部位を含むことができる。Tuanなど., Connective Tissue Research 34: 1-9, 1996を参照のこと。
【0076】
本明細書において論じられた方法を用いて、当業者は、配列番号4又は6の残基1-162又は33-162に対して実質的に類似する配列同一性を有する種々のポリペプチドを同定し、そして/又は調製することができ、ここでそのようなポリペプチド、又は融合体は100nM又はそれ以下のIC50を有するzalpha11リガンド受容体又はIL-21抗体を結合し、そして100nM又はそれ以上のEC50を示す。
【0077】
本発明のIL-21ポリペプチド、例えば十分な長さのポリペプチド、機能的フラグメント及び融合ポリペプチドは、従来の技法に従って、遺伝的に構築された宿主細胞において生成され得る。適切な宿主細胞は、外因性DNAにより形質転換又はトランスフェクトされ得、そして培養において増殖され得るそれらの細胞型であり、そして細菌、菌類細胞、及び培養された高等真核細胞を包含する。真核細胞、特に多細胞生物の培養された細胞が好ましい。クローン化されたDNA分子を操作し、そして種々の宿主細胞中に外因性DNAを導入するための技法は次の文献に開示される:Sambrool など., Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989, 及びAusubel など., eds., Current Protocol in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Ins., NY, 1987。
【0078】
一般的に、本発明のIL-21ポリペプチドをコードするDNA配列は、その発現のために必要とされる他の遺伝子的要素、例えば一般的に、発現ベクター内の転写プロモーター及びターミネーターに作用可能に連結される。ベクターはまた、通常、1又は複数の選択マーカー及び1又は複数の複製の起点を含むであろうが、しかし当業者は、一定のシステム内で、選択マーカーが別のベクター上に供給され得、そして外因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への組み込みにより供給され得ることを認識するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター及び要素の選択は、当業者のレベルの範囲内の通常のことである。多くのそのような要素は文献に記載されており、そして商業的供給者を通して入手できる。
【0079】
IL-21ポリペプチドを、宿主細胞の分泌路中に方向づけるためには、分泌シグナル配列(又は、シグナル配列、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている)が、発現ベクターに供給される。分泌シグナル配列は、zalpha11リガンドの配列であり得、又はもう1つの分泌されたタンパク質(例えばt−PA )に由来し、又は新たに合成され得る。分泌シグナル配列は、IL-21 DNA配列に作用可能に連結され、すなわち2つの配列は正しく読み取り枠を整合して連結され、そして宿主細胞の分泌経路中に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づけるように配置される。分泌シグナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコードするDNA配列の5’ 側に位置するが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あるDNA配列の他の場所に位置することもできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,743号;Hollandなど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
【0080】
他方では、本発明のポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は、分泌路中に他のポリペプチドを方向づけるために使用される。本発明はそのような融合ポリペプチドを提供する。シグナル融合ポリペプチドが製造され得、ここで配列番号2のアミノ酸残基1−31に由来する分泌シグナル配列が当業界において知られている方法及び本明細書に開示される方法を用いて、もう1つのポリペプチドをコードするDNA配列に作用可能に連結されている。
【0081】
本発明の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は好ましくは、分泌路中い追加のペプチドを方向づけるためにその追加のペプチドにアミノ末端的に融合される。そのような構造体は、当業界において知られている多くの用途を有する。例えば、それらの新規の分泌シグナル配列融合構造体は通常分泌されないタンパク質の活性成分、例えば受容体の分泌を方向づけることができる。そのような融合は、分泌路を通してペプチドを方向づけるためにインビボ又はインビトロで使用され得る。
【0082】
培養された哺乳類細胞または、本発明内の適切な宿主である。外因性DNAを 、哺乳類宿主細胞中に導入するための方法は、リン酸カルシュウム−仲介トランスフェクション(Wiglerなど., Cell 14 : 725, 1978; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7 :603, 1981; Graham など., Virology 52; 456, 1973),エレクトロポレーション( Neumann など., EMBO J. 1: 841−845, 1982 ); DEAE−デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel など., 前記)、及びリポソーム−仲介トランスフェクション(Hawley −Nelson など., Focus 15: 73, 1993; Ciccarone など.,Focus 15: 80, 1993 )を包含する。培養された哺乳類細胞における組換えポリペプチドの生成は、例えばlevinson など., アメリカ特許第4,713,339 号; Hagen など., アメリカ特許第4,784,950 号; Palmiter など., アメリカ特許第 4,579,821 号; 及びRingold, アメリカ特許第 4,656,134 号により開示される。
【0083】
培養された適切な哺乳類細胞は、COS−1(ATCC No. CRL 165)、COS−7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 1632)、BHK 570 (ATCC No. CRL 10314 )、293(ATCC No. CRL 1573 ; Graham など., J. Gen. Viro. 36: 59−72, 1977 )、及びチャイニーズ ハムスター卵巣(例えば CHO−K1; ATCC No. CCL61 )細胞系を包含する。追加の適切な細胞系は当業界において知られており、そして公的な寄託所、例えば American Type Culture Collection,Manassas,VAから入手できる。一般的に、強い転写プロモーター、例えばSV−40 又はサイトメガロウィルスからのプロモーターが好ましい。例えば、アメリカ特許第4,956,288 号を参照のこと。他の適切なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からのプロモーター(アメリカ特許 4,579,821 号及び第 4,601,978 号)、アデノウィルス主要後期プロモーターを包含する。
【0084】
薬物選択は一般的に、外来性DNAが挿入されている、培養された哺乳類細胞を選択するために使用される。そのような細胞は通常、“トランスフェクタント”として言及される。選択剤の存在下で培養され、そしてそれらの子孫に興味ある遺伝子を伝達することができる細胞は、“適切なトランスフェクタント”として言及される。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418又は同様のもの存在下で実施される。“増幅”として言及される方法である選択システムは、興味ある遺伝子の発現レベルを高めるためにも使用される。
【0085】
増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、そして次に、導入された遺伝子の生成物を高レベルで生成する細胞を選択するために選択剤の量を高めることによって実施される。好ましい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、複数薬物耐性、ピューロマイシン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、使用され得る。変更された表現型を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパク質、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼが、FACS分類又は磁気ビース分離技法のような手段により、トランスフェクトされていない細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類するために使用され得る。
【0086】
他の高等真核細胞、例えば植物細胞、昆虫細胞、及び鳥類細胞もまた、宿主として使用され得る。植物細胞において遺伝子を発現するためのベクターとしてのアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes )の使用は、Sinkarなど.、J. Biosci. ( Bangalore ) 11: 47−58, 1987 により再考されている。昆虫細胞の形質転換、及びそこにおける外来性ポリペプチドの生成は、Guarino など.,アメリカ特許第5,162,222号;及びWIPO公開WO94/06463号により公開される。
【0087】
昆虫細胞は、オートグラファ・カリホルニカ( Autographa californica )核多角体病ウィルス(AcNPV)に通常由来する組換えバキュロウィルスにより感染され得る。King, L. A. and Possee, R.D., The Baculovirus Exprossion System: A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O’Reilly, D. R. ., Baculovirus Expression Vector: A Laboratory Manual, New York, Oxford University Press., 1994; 及びRichardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Protocols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照のこと。
【0088】
組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, VA, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに基づくシステムを利用する。このシステムは、Bac−to−BacTMキット(Life Technologies, Rockville, MD)として市販されている。このシステムは、“bacmid”と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに維持されるバキュロウィルスゲノム中に、IL-21ポリペプチドをコードするDNAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、pFastBacI TM (Life Technologies )を利用する。pFastBaclTM トランスファーベクターは、興味ある遺伝子、この場合、IL-21の発現を誘導するためにAcNPVポリヒドリンプロモーターを使用する。しかしながら、pFastBaclTMは相当の程度まで修飾され得る。
【0089】
前記ポリヒドリンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早めに発現され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であることが知られているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor, p6.9又はMPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロモーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。
【0090】
さらに、昆虫タンパク質に由来する分泌シグナル配列により天然のIL-21分泌シグナル配列を置換しているトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロイド・グルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen, Carlsbad, CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)は、生来のIL-21分泌シグナル配列を置換するために、構造体に使用され得る。さらに、トランスファーベクターは発現されたIL-21ポリペプチドのC−又はN−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識をコードするDNAとのイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など., Peoc. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)。
【0091】
当業界において知られている技法を用いて、IL-21を含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換され、そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida についてスクリーンされる。組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が、通常の技法を用いて単離され、そしてスポドプテラ・フルギペルダ( Spodoptera frugiperda )細胞、例えばSf9 細胞をトランスフェクトするために使用される。IL-21を発現する組換えウィルスが結果的に生成される。組換えウィルス ストックは、当業者において通常使用される方法により製造される。
【0092】
組換えウィルスは、宿主細胞、典型的には、アワヨトウの幼虫、スポドプテラ・フルギペルダに由来する細胞系を感染せしめるために使用される。一般的には、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Application of Recombinant DNA, ASM Prss, Washington, D.C., 1994を参照のこと。もう1つの適切な細胞系は、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するHigh FiveOTM細胞系(Invitrogen)である(アメリカ特許第5,300,435号)。
【0093】
菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本発明内で使用され得る。これに関して、特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pichia methanolica) を包含する。外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,743号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物(例えばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選択される。
【0094】
サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシステムは、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT1ベクターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びターミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第4,977,092 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び第4,661,454号を参照のこと。
【0095】
他の酵素、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces pombe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermondii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システムは、当業界において知られている。例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCregg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。
【0096】
アスペルギラス細胞は、Mcknight など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,533号により開示される。
【0097】
組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、WIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される。P.メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好ましくは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.メタノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモーター及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコール利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。
【0098】
他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有するプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタノリカへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主細胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。メタノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、両メタノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用することが好ましい。
【0099】
分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーションが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kV/cm,好ましくは約3.75kV/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数(Ω)を有する、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレーションによりP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
【0100】
原核宿主細胞、例えば細菌E.コリ、バシラス及び他の属の菌株はまた、本発明において有用な宿主細胞である。それらの宿主を形質転換し、そしてそこにクローン化される外来性DNA配列を発現するための技法は、当業界において良く知られている(例えば、Sambrookなど., 前記を参照のこと)。細菌、例えばE.コリにおいてIL-21ポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型的には不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周辺腔に向けられ得る。
【0101】
前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そして例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変性される。次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア、及び還元された及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収することによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変性及び再生のための必要性を回避することができる。
【0102】
形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞は、選択された宿主細胞の増殖のために必要とされる栄養物及び他の成分を含む培養培地において、従来の方法に従って培養される。種々の適切な培地、例えば定義された培地及び複合培地は、当業界において知られており、そして一般的には、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン及び鉱物を含む。培地はまた、必要とされる場合、成長因子又は血清のような成分も含むことができる。増殖培地は一般的に、外因的に付加されたDNAを含む細胞を、例えば発現ベクター上に担持される選択マーカーにより補足され、又は宿主細胞中に同時トランスフェクトされる必須栄養物における薬物選択又は栄養欠乏により選択するであろう。
【0103】
P.メタノリカ細胞は適切な炭素源、窒素源及び微量栄養物を含んでなる培地において、約25℃〜35℃の温度で培養される。液体培養物は、従来の手段、例えば小さなフラスコの振盪又は発酵器のスパージングにより十分なエアレーションを提供される。P.メタノリカのための好ましい培養培地は、YEPD(2%D−グルコース、2%のBactoTMペプトン(Difco Laboratories, Detroit, MI), 1%のBactoTM 酵母抽出物(Difco Laboratories), 0.004%のアデニン及び0.006%のL−ロイシン)である。
【0104】
本発明のポリペプチドを80%以上の純度、より好ましくは90%以上の純度、さらに好ましくは95%以上の純度に精製することが好ましく、そして汚染性高分子、特に他のタンパク質及び核酸に対して、99.9%以上の純度であり、そして感染性及び発熱性剤を有さない医薬的に純粋な状態が特に好ましい。好ましくは、精製されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に有さない。
【0105】
発現された組換え体IL-21ポリペプチド(又はキメラIL-21ポリペプチド)は、分別及び/又は従来の精製方法及び媒体を用いて精製され得る。硫酸アンモニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出は、サンプルの分別のために使用される。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体は、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特別なシリカ及び同様のものを包含する。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましい。
【0106】
典型的なクロマトグラフィー用媒体は、フェニル、ブチル又はオクチル基により誘導体化されたもの、例えばフェニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl ブチル650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharmacia)及び同様のもの;又はポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso Haas)及び同様のものを包含する。適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基材の樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋されたポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用される条件下で不溶性である同様のものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分によるタンパク質の結合を可能にする反応性基より変性され得る。
【0107】
カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及びカルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そして広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。支持媒体にリガンド又は受容体ポリペプチドを結合するための方法は当業界において良く知られている。特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の性質により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照のこと。
【0108】
本発明のポリペプチドは、アニオン及びカチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除、及び親和性クロマトグラフィーを包含する方法の組み合わせより単離され得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、ヒスチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれらのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski, Trends in Biochem. 3: 1−7, 1985)。ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用される金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され、そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶出されるであろう。
【0109】
他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(Methods in Enzymol., Vol. 182, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, ( ed.), Acad. Press, San Diego, 1990, pp. 529−39)。本発明のさらなる態様においては、興味あるポリペプチド、及び親和性標識(例えばマルトース−結合タンパク質、FLAG標識、Glu-Gku標識、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を促進するために構成され得る。
【0110】
IL-21ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、化学的合成を通して調製され得る。IL-21ポリペプチドはモノマー又はマルチマーであり得;グリコシル化されても又はグリコシル化されなくても良く;ペルギレ−ト化されても又はペルギレ−トされなくても良く;そして開始メチオニンアミノ酸残基を含んでも又は含まなくても良い、例えば、ポリペプチドは、Merrifield, J. Am. Chem. SOC. 85: 2149, 1963により記載されるように、固相ペプチド合成により調製され得る。
【0111】
本発明の分子の活性は、IL-21受容体を発現する細胞の増殖及び/又はその細胞への結合を側定する種々のアッセイを用いて測定され得る。IL-21−依存性細胞における変化が特に興味の対象である。IL-21−依存性である構築され得るべき適切な細胞系は、IL-3−依存性BaF3細胞系(Palacios and Steinmetz, Cell 41: 727-734, 1985; Mathey-Prevot など., Mol. Cell. Biol. 6: 4133-4135, 1986)、FDC−P1(Hapel など., Blood 64: 786-790, 1984)及びMO7e(Kissなど., Leukemia 7: 235-240, 1993)を包含する。成長因子−依存性細胞系は、公開された方法(例えば、Greenbergerなど., Leukemia Res. 8: 363-375, 1984; Dexterなど., in Baum など., Eds., Expermental Hematology Toda, 8th ann. Mtg. Int. Soc. Exp. Hematol. 1979, 145-156, 1980)に従って確立され得る。
【0112】
本発明のタンパク質は、造血系の細胞、例えばT細胞、B細胞、NK細胞、樹状細胞、単球及びマクロファージ、並びに上皮細胞(但し、それらだけには限定されない)の特殊化された細胞機能の誘発又は阻害を刺激するために有用である。IL-21アンタゴニストは、インビトロ及びインビボでIL-21結合及びシグナルトランスダクションを阻止するために使用される。それらの抗−IL-21結合ポリペプチドは、IL-21活性又はタンパク質−結合を阻害するために有用である。細胞増殖又は分化を測定するアッセイは、当業者において良く知られている。
【0113】
たとえば、増殖を測定するアッセイは、次のようなアッセイを包含する:中性赤色素に対する化学感受性(Caranaugh など., Investigational New Drags 8: 347-354, 1990; 引用により本明細書に組み込まれる)、放射性ラベルされたヌクレオチドの組み込み(CooK など., Analytical Biochem. 179: 1-7, 1989; 引用により本明細書に組み込まれる)、増殖する細胞のDNAへの5-ブロモー2’-デオキシウリジン(BrdU)の組み込み(Porstmann など., J. Immunol. Methods 82: 169-179, 1985; 引用により本明細書に組み込まれる)、及びテトラゾリウム塩の使用(Mosmann, J. Immunol. Methods 65: 55-63, 1983; Alley など., Cancer Res. 48: 589-601, 198; Marshall など., Growth Reg. 5: 69-84, 1995; 及びScudiero など., Cancer Res. 48: 4827-4833, 1988; すべては引用により本明書に組み込まれる)。
【0114】
分化を測定するアッセイは、たとえば組織の段階−特異的発現に関連する細胞表面マーカー、酵素活性、官能的活性、又は形態変化の測定を包含する(Watt, FASEB 5: 281-284, 1991; Francis, Differentiation 57 : 63-75, 1994; Raes, Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 1i61-171, 1989; すべては引用により本明細書に組み込まれる)。
【0115】
本発明の分子は、ウィルス供給システムを用いて、インビボでアッセイされる。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV)を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種核酸の供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベクターである(T. C. Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and D.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。
【0116】
IL-21受容体アゴニストに関して観察され組織分布の観点においては、アゴニスト(例えば、天然のIL-21/基質/補因子/等)及びアンタゴニストは、インビトロ及びインビボ用途において莫大な可能性を有する。アンタゴニストはまた、リガンド−受容体相互作用の部位を特徴づけるための研究試薬として有用である。アンタゴニストは、造血機能の調節に関与する細胞の拡張、増殖、活性化、及び/又は分化を阻害するために有用である。
【0117】
リガンド−結合受容体(又は抗体、補体/抗補体対の1つのメンバー)、又はその結合フラグメント、及び市販のバイオセンサー装置(BIAcore, Pharmacia Biosensor, Piscataway, NJ)を用いるアッセイシステムが、好都合には、使用され得る。そのような受容体、抗体、補体/抗補体対のメンバー、又はフラグメントは、受容体チップの表面上に固定される。この装置の使用は、Karlsson, J. Immunol. Methods 145: 229−40, 1991 及びCunningham and Wells, J. Mol.Biol. 234: 554−63,1993により開示される。受容体、抗体、メンバー又はフラグメントは、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて、流動細胞内の金フィルムに結合されるデキストラン繊維に共有結合される。
【0118】
試験サンプルが細胞に通される。リガンド、エピトープ又は補体/抗補体対の反対のメンバーがサンプルに存在する場合、それは、それぞれ固定された受容体、抗体又はメンバーに結合し、金フィルムの表面のプラズモン共鳴の変化として検出される、媒体の屈折率の変化を引き起こす。このシステムは、オン−及びオフ−速度の決定を可能にし、これから、結合親和性が計算され、そして結合の化学量の評価が可能にされる。他方では、リガンド/受容体結合は、SELDITM技術を用いて分析され得る(Ciphergen, Inc., Palo Alto, CA)。
【0119】
リガンド−結合受容体ポリペプチドはまた当業界において知られている他のアッセイシステム内でも使用され得る。そのようなシステムは、結合親和性の決定のためのスカチャード分析(Scatchard, Ann. NY. Acad. Sci. 51:660−72, 1949)及び熱量測定アッセイ(Cunningham など., Science 253: 545−48, 1991;Cunningham など., Science 245: 821−25, 1991)を包含する。
【0120】
IL-21アンタゴニストポリペプチドはまた、IL-21エピトープ、ペプチド又はポリペプチドに特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。IL-21ポリペプチド又はそのフラグメントは、動物を接種し、そして免疫応答を誘発するための剤(免疫原)として作用する。当業者は、抗原性エピトープ担持のポリペプチドがIL-21ポリペプチド(例えば、配列番号4又は6)の少なくとも6、好ましくは少なくとも9及びより好ましくは少なくとも15〜約30個の連続したアミノ酸残基を含むことを認識するであろう。
【0121】
IL-21アンタゴニストポリペプチドの大きな部分、すなわちアミノ酸配列の30〜10個の残基〜その全体の長さの残基を含んでなるポリペプチドが含まれる。抗原又は免疫原エピトープはまた、本明細書に記載されるように、結合された標識、アジュバンド及びキャリヤーを含むことができる。適切な抗原は、本明細書に記載されるように、十分な長さの及び成熟IL-21アンタゴニストポリペプチド、変異体へリックスDを含む。
【0122】
IL-21アンタゴニスト融合タンパク質は、IL-21ポリペプチド又は抗−IL-21抗体が過剰増殖性血液、又は骨髄細胞を標的化する場合、標的組織(例えば、血液、骨髄癌)のインビボ殺害を増強するために使用され得る(一般的には、Hornickなど., Blood 89: 4437-4447, 1997を参照のこと)。記載される融合タンパク質は、作用の所望する部位へのサイトカインの標的化を可能にし、それにより、サイトカインの高められた局部濃度を提供する。適切なIL-21ポリペプチド又は抗−IL-21抗体は、所望しない細胞又は組織(例えば、腫瘍又は白血病)を標的化し、そして融合されたサイトカインはエフェクター細胞による改良された標的細胞溶解を仲介する。例えば、この目的のための適切なサイトカインは、インターロイキン−2及び顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSM)を包含する。
【0123】
IL-21は、重要な免疫学的機能を有することが知られており、そして免疫系において役割を演じる細胞を含む組織から単離される。IL-21は、CD3+選択された、活性化された末梢血液細胞において発現され、そしてIL-21発現は、T細胞活性化の後、上昇することが示されている。さらに、実験の結果は、IL-21ポリペプチドがNK細胞又はNK前駆体の増殖/拡張及び/又は分化された状態に対して効果を有することを示している。追加の証拠は、IL-21がインビボでT細胞及びB細胞の増殖及び/又は分化に影響を及ぼすことを示す。造血前駆体の増殖を刺激し、そして成熟細胞を活性化する因子は一般的に知られている。従って、IL-21アンタゴニストポリペプチドは、それらのIL-21−応答性細胞型の増殖及び分化を阻害するために有用であろう。これは、特定の応答性細胞型の増殖が過−増殖性疾病、例えば癌又は自己免疫疾患に関係する場合、特に有用である。
【0124】
分化を測定するアッセイは、例えば、組織の段階−特異的発現、酸素活性、機能的活性又は形態学的変化に関連する細胞マーカーを測定することを包含する(Watt, FASEB,5:281-284, 1991; Francis, Differentiation 57: 63-75, 1994; Raes, Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 161-171, 1989; すべては、引用により本明細書に組み込まれる)。他方では、IL-21ポリペプチド自体は、組織の段階−特異的発現に関連する追加の細胞表面又は分泌されたマーカーとして作用することができる。それ自体、IL-21ポリペプチドの直接的な測定、又は分化するにつれて、組織における発現のその損失が、組織の分化のためのマーカーとして作用することができる。
【0125】
腫瘍進行及び転移に対するIL-2アンタゴニストの活性及び効果が、インビボで測定され得る。いくつかの同系マウスモデルが、腫瘍進行に対するポリペプチド、化合物又は他の処理の影響を研究するために開発されて来た。それらのモデルにおいては、培養継代された腫瘍細胞が、腫瘍ドナーと同じ株のマウス中に移植される。細胞は、受容体マウスにおいて類似する特徴を有する腫瘍中に増殖し、そして転移がまた、そのモデルのいくつかにおいて生じるであろう。本発明者の研究のための適切な腫瘍モデルは、中でも、Lewis肺癌(ATCC No. CRL-1642)及びB16黒色腫(ATCC No. Crl-6323)を包含する。それらは、インビトロで容易に培養され、そして操作される、C57BL6/Jマウスと同種の通常使用される腫瘍系である。
【0126】
それらの細胞系のいずれかの移植に起因する腫瘍は、C57BL6/Jマウスの肺に転移することができる。Lewis肺癌モデルが最近、脈管形成のインヒビターを同定するためにマウスに使用されている(O’Reilly MS, など. Cell 79: 315-328, 1994)。C57BL6/Jマウスが、組換えタンパク質、アゴニスト又はアンタゴニストの毎日の注入、又は組換えアデノウィルスの1回の注入を通して、実験剤により処理される。この処理に続いて3日で、105〜106個の細胞が背面の皮膚下に移植される。他方では、細胞自体が、タンパク質が全身的によりもむしろ腫瘍部位で又は細胞内で合成されるよう、移植の前、組換えアデノウィルス、例えばIL-21を発現するアデノウィルスにより感染され得る。マウスは、通常5日以内に眼に見える腫瘍を進行する。
【0127】
腫瘍が3週間までの間、増殖され、この間、それらは対照の処理グループにおいて1500−1800mm3のサイズに達することができる。腫瘍サイズ及び体重が、その実験を通して注意してモニターされる。殺害の時点で、腫瘍が、肺及び肝臓と共に除去され、そして計量される。肺の重量が、転移性腫瘍負荷量と相互関係することが示された。さらなる測定として、肺表面転移が計数される。切除された腫瘍、肺及び肝臓が、当業界において知られており、そして本明細書に記載される方法を用いて、組織学的試験、免疫組織化学及び現場ハイブリダイゼーションのために調製される。
【0128】
従って血管構造を回復し、そして転移を受ける腫瘍の能力に対する、問題の発現されたポリペプチド、例えばIL-21の影響が評価され得る。さらに、アデノウィルスとは別に、移植された細胞がIL-21により一時的にトランスフェクトされ得る。安定したIL-21トランスフェクタントの使用、及びインビボでのIL-21発現を活性化する誘発性プロモーターの使用は、当業界において知られており、そして転移のIL-21誘発を評価するためにこのシステムに使用され得る。さらに、精製されたIL-21又はIL-21ならし培地が、このマウスモデルに直接的に注入され、そして従って、このシステムに使用される。一般的な文献については、O’Reilly MS, など. Cell 79: 315-328, 1994, 及びRusciano D, など、Murine Models of Liver Metastasis, Invasion Metastasis 14: 349-361,1995を参照のこと。
【0129】
IL-2アンタゴニストは、従来の化学治療剤及び免疫モジュレータ−、例えばインターフェロンαを包含する使用において、他の剤と組合して投与され得る。α/βインターフェロンは、いくつかの白血病及び動物疾病モデルの処理において効果的であることが示されており、そしてインターフェクトα及びIL-2の増殖阻害効果が少なくとも1つのB−細胞腫瘍由来細胞系のために見られる。
【0130】
もう1つの観点においては、本発明は、腫瘍性B又はT細胞の増殖を低めるために十分な量のIL-2アンタゴニストの組成物を、B又はT細胞新生物を有する哺乳類に投与することを含んで成る、腫瘍性B又はT細胞の増殖を低めるための方法を提供する。他の態様においては、前記組成物はまた、IL-2, IL-15, IL-4, GM-CSF, Flt3リガンド及び幹細胞因子から成る群から選択された少なくとも1つの他のサイトカインを含んで成る。さらに、前記IL-2アンタゴニストは、リガンド/毒素融合タンパク質であり得る。
【0131】
所定のサイトカインのための受容体の組織分布は、そのサイトカインの作用の可能性ある部位の強い徴候を付与する。IL-2受容体のノザン分析は、ヒト膵臓、胸腺、リンパ節、骨髄及び末梢血液リンパ球における転写体を示した。特定の細胞型がIL-2受容体を発現する場合、強いシグナルが混合されたリンパ球反応(MLR)及びBurkittリンパ腫Rajiにおいて同定され、そして見られた。2種の単球細胞系、すなわちTHP-1 (Tsuchiyaなど., Int. J. Cancer 26: 171-176, 1980) 及びU937(Sundstramなど., Int. J. Cancer 17: 565-577, 1996)は、陰性であった。
【0132】
IL-2受容体は、2人の個人からの末梢血液単核細胞(PBMNC)が混合されているMLRにおいて比較的高いレベルで発現され、相互活性化がもたらされる。休眠T又はB細胞集団においてではなく、MLRにおける高レベルの転写体の検出は、IL-2受容体発現が、活性化の間、1又は複数の細胞型において誘発され得ることを示す。T及びB細胞の単離された集団の活性化は、PMA及びイノマイシンによる細胞の刺激により人工的に活性化され得る。選別された細胞がそれらの活性化状態にゆだねられる場合、IL-2容体転写体のレベルが、両細胞型において上昇し、免疫応答においては、特に活性化の間、オートクライン及びパラクラインT及びB細胞拡張において、この受容体及びIL-2に関する役割を支持する。IL-2はまた、リンパ球生成に関与するより初期の前駆体の拡張において役割を演じることができる。
【0133】
IL-2受容体は、休止T及びB細胞において低レベルで存在することが見出され、そして両細胞型においては、活性化の間、アップレギュレートされた。興味あることには、B細胞はまた、T細胞よりもすばやく、情報をダウンレギュレートし、このことは、シグナルの振幅及びシグナルの消光のタイミングが、B細胞応答の適切な調節のために重要であることを示す。
【0134】
さらに、高い割合の腸固有層細胞が、IL-2受容体による陽性ハイブリダイゼーションシグナルを示す。この組織は、リンパ球細胞、例えば活性化されたCD4+ T細胞及び活性化されたB細胞の混合された集団から成る。免疫不全、特に粘膜免疫応答の慢性活性化が、クローン病の病因に重要な役割を演じており;前炎症性サイトカインに対する異常応答及びそのサイトカインの生成がまた、想定される要因である(Braeggerなど., Annals Allergy 72: 135-141, 1994; Sartor RB, Am. J. Gastroenterol. 92: 5S-11S, 1997)。IL-15に関するIL-2は、骨髄前駆体からNK細胞を拡張し、そしてNK細胞エフェクター機能を増強する。
【0135】
zalpha11リガンドはまた、抗−CD40抗体により刺激される成熟B細胞を同時刺激するが、しかしIgMを通してシグナルへのB細胞増殖を阻害する。IL-2は、T細胞受容体を通してシグナルに関するT細胞を増強し、そしてトランスジェニックマウスにおける過剰発現がリンパ球減少、及び単球及び顆粒球の拡張を導く。IL-2のそれらの多形質発現性効果は、それが免疫系の欠陥から生じる広範囲の種類の疾病、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ様関節炎(RA)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症及び糖尿症(但し、それらだけには限定されない)のために治療有用性を提供することを示唆する。
【0136】
それらの疾病が免疫不全の複雑なネットワークの結果であり(SLEは、T及びB細胞の欠陥の明示である)、そして免疫細胞が、可能性ある免疫応答を誘発するためにお互いとの相互作用に依存することを注目することは重要である。従って、1つのタイプ以上の免疫細胞を操作するために使用され得るIL-2アンタゴニストは、疾病の複数の段階での介入のための魅力ある治療候補体である。
【0137】
医薬使用のためには、本発明のタンパク質は、従来の方法に従って、非経口、特に静脈内又は皮下供給のために配合される。本明細書に記載される生物活性ポリペプチド又は抗体接合体は、静脈内、動脈内又は管内供給され得、又は作用の意図された部位で局部的に導入され得る。静脈内投与は、1〜数時間の典型的な期間、ボーラス注射又は注入により行われるであろう。一般的に、医薬製剤は、IL-2タンパク質を、医薬的に許容できるビークル、例えば塩溶液、緩衝溶液、水中、5%デキストロース、又は同様のものと共にを含むであろう。製剤はさらに、1又は複数の賦形剤、保存剤、溶解剤、緩衝剤、バイアル表面上のタンパク質損失を妨げるためのアルブミン、等を含むことができる。
【0138】
配合方法は、当業界において良く知られており、そして例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Gennaro, ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed., 1995に開示される。治療用量は、一般的に、0.1〜100μg/kg患者の体重/日、好ましくは0.5〜20mg/kg/日の範囲であり、そして正確な用量は処理される病状の性質及び重症度、患者の特徴、等を考慮して、許容できる標準に従って、臨床医により決定される。用量の決定は、当業者のレベル内である。タンパク質は、急性処理のために、1週間又はそれ以下にわたって、しばしば1〜3日間にわたって投与され得、又は慢性処理のためには、数ヶ月〜数年にわたって使用され得る。一般的に、IL-2の治療的有効量は、造血又は免疫機能における臨床的に有意な変化を生成するのに十分な量である。
本発明は、次の非制限的な例によりさらに例示される。
【実施例】
【0139】
例1MPL-IL-21受容体ポリペプチドキメラ、すなわちIL-21受容体細胞内シグナル化ドメインに融合されるMPL細胞外及びTMドメインの構成
ネズミMPL受容体の細胞外及びトランスメンブランドメインを、ネズミMPL受容体を含むプラスミド(PHZ1/MPLプラスミド)から、プライマーZC17,212(配列番号11)及びZC19,914(配列番号12)によるPCRを用いて単離した。反応条件は次の通りであった:95℃で1分;95℃で1分、45℃で1分、72℃で2分(35サイクル);続いて、72℃で10分;次に10℃でのソーキング。PCR生成物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Mannheim,Indianapolis,IN)上に負荷し、そして約1.5kbのMPL受容体フラグメントを、QiaquickTM ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って単離した。
【0140】
ヒトIL-21受容体の細胞内ドメインを、IL-21受容体cDNAを含むプラスミドから、プライマーZC19,913(配列番号13)及びZC20,097(配列番号14)によるPCRを用いて単離した。IL-21受容体コード配列に対応するポリヌクレオチドは、配列番号15に示され、そしてその対応するアミノ酸配列が配列番号16に示される。反応条件は上記の通りであった。PCR生成物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Mannheim)上に負荷し、そして約900bpのIL-21受容体フラグメントを、Qiaquickゲル抽出キットを用いて、製造業者の説明に従って単離した。
【0141】
上記の単離されたフラグメントの個々を、1:1の体積比で混合し、そしてZC17,212(配列番号11)及びZC20,097(配列番号14)を用いてのPCR反応に使用し、MPL−IL-21受容体キメラを創造した。反応条件は次の通りであった;95℃で1分;95℃で1分、55℃で1分、72℃で2分(35サイクル);続いて、72℃で10分;次に10℃でのソーキング。全PCR生成物を、1%低融点アガロース(Boehringer Mannheim)上に負荷し、そして約2.4kbのMPL−IL-21受容体キメラフラグメントを、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って単離した。
【0142】
MPL−IL-21受容体キメラフラグメントを、EcoRI(BRL)及びXbaI (Boerhringer Mannheim) により、製造業者の説明書に従って消化した。全消化物を、1%低融点アガロース(Boehringer Mannheim)上に負荷し、そいて分離されたMPL−IL-21受容体キメラを、QiaquickTM ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って単離した。その得られる分解されたMPL−IL-21受容体キメラを、下記のようにして発現ベクター中に挿入した。
【0143】
受容体発現ベクターpZP−5Nを、EcoRI(BRL)及びHindIII(BRL)により、製造業者の説明書に従って消化し、そして上記のようにしてゲル精製した。このベクターフラグメントを、上記で単離された、EcoRI及びXbaI切断されたMPL−IL-21受容体キメラ及び、XbaI/HindIIIリンカーフラグメントと共に連結反応において組合した。この連結は、T4リガーゼ(BRL)を用いて、15℃で一晩、行われた。連結のサンプルを、DH10B ElectroMAXTM エレクトロコンピテントE.コリ細胞においてエレクトロポレートした(25μF、200Ω、2.3V)。形質転換体を、LB+Ampicillinプレート上にプレートし、そして単一のコロニーを、上記のようなPCRコロニーを用いて、ZC17,212(配列番号11)及びZC20,097(配列番号14)を用いてのPCRによりスクリーンし、MPL−IL-21受容体キメラを調べた。
【0144】
例2Alamar Blueを用いてのBAF3アッセイにおける、MPL−IL-21受容体キメラに基づく増殖
A. BaF3細胞発現のMPL−IL-21受容体キメラの構成
BaF3、すなわちネズミ骨髄に由来するインターロイキン−3 (IL-3) 依存性プレ−リンパ球細胞系(Palacios and Steinmetz, Cell 41: 727-734, 1985; Mathey-Prevot など.,Mol. Cell. Biol. 6:4133-4135, 1986)を、10%熱−不活性化されたウシ胎児血清、2ng/mlのネズミIL-3 (mIL-3) (R&D. Minneapolis, MN)、2mMのL-glutaMax-1TM (Gibco BRL), 1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco BRL)及びPSN抗生物質(Gibco BRL)により補充された完全倍地(RPMI培地(JRH Bioscience Inc., Lenexa, KS))において維持した。
【0145】
エレクトロポレーションの前、pZP-5N/MPL−IL-21受容体プラスミドDNA(例1)を調製し、そしてQiagen Maxi Prepキット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って精製した。エレクトロポレーションのためのBaF3細胞を、RPMI培地により1度洗浄し、そして次に、RPMI培地に107個の細胞/mlの細胞密度で再懸濁した。1mlの再懸濁されたBaF3細胞を、30μgのpZP-5N/MPL−IL-21受容体プラスミドDNAと共に混合し、そして別々の使い捨てエレクトロポレーションチャンバー(GIBCO BRL)に移した。
【0146】
室温での15分間のインキュベーションの後、細胞に、エレクトロポレーション装置(CELL−PORATORTM;GIBCO BRL)により供給される2回の連続したショック(800 1Fad/300V;1180 1Fad/300V)を与えた。5分間の回復時間の後、エレクトロポレートされた細胞を、50mlの完全培地に移し、そしてインキュベーターに、15−24時間(37℃、5%CO2)配置した。次に、細胞を回転沈降せしめ、そしてT−162フラスコにおける、GeneticinTM (Gibco) 選択(500μg/mlのG418)を含む完全培地50mlに再懸濁し、G418−耐性プールを単離した。この後、BaF3/MPL−IL-21受容体細胞と呼ばれる、トランスフェクトされたBaF3細胞のプールを、下記のようにして、シグナル化能力についてアッセイした。
【0147】
例3完全な長さのIL-21受容体を発現する発現ベクターの構成
完全IL-21受容体を、プライマーZC19,905(配列番号19)及びZC19,906(配列番号20)を用いてのPCRにより、IL-21受容体cDNA(配列番号15)を含むプラスミドから単離した。反応条件は次の通りであった:95℃で1分;95℃で1分、55℃で1分、72℃で2分(35サイクル);続い72℃で10分;次に10℃でのソーキング。PCR生成物を、1%の低融点アガロース(Beerhinger Mannheim)ゲル上に負荷し、そしてQiaquickTM 抽出キット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明に従って、約1.5kbのzalpha11 cDNAを単離した。
【0148】
精製されたIL-21受容体cDNAを、BamHI(Boerhinger Mannheim)及びEcoRI(BRL)により、製造業者の説明書に従って、消化した。全消化物を、1%低融点アガロース(Boerhinger Mannheim)ゲル上に負荷し、そして切断されたIL-21受容体フラグメントを、QiaquickTM 抽出キットを用いて、製造業者の説明書に従って精製した。その得られる切断されたIL-21受容体フラグメントを、下記のようにして、発現ベクター中に挿入した。
受容体発現ベクターpZP-5Nを、BamHI(Boerhinger Mannheim)及びEcoRI(BRL)により、製造業者の説明書に従って消化し、そしてゲルを上記のようにして精製した。
【0149】
このベクターフラグメントを、T4リガーゼ(BRL)を用いての連結反応において、上記のようにして単離された、BamHI及びEcoRI切断されたIL-21受容体フラグメントと共に組合した。この連結物を、15℃で一晩インキュベートした。連結物のサンプルを、DH10B electroMAcTM エレクトロコンピテントE.コリ細胞中にエレクトロポレートした(25μF、200Ω、2.3V)。形質転換体を、LB+アンピシリンプレート上にプレートし、そして単一のコロニーを、上記のようなPCR条件を用いて、ZC19,905(配列番号19)及びZC19,906(配列番号20)を用いてのPCRによりスクリーンし、IL-21受容体配列について調べた。
【0150】
例4IL-21はルシフェラーゼアッセイにおいてヒトIL-21受容体を活性化する
A. BaF3/KZ134/IL-21需要体細胞系の構成
KZ134プラスミドを、次の4種の遺伝子からのSTAT転写因子結合要素を含む相補的オリゴヌクレオチドZC12,749(配列番号17)及びZC12,748(配列番号18)により構成した:修飾されたc-fos Sis誘発性要素(m67SIE又はhSIE)(Sadowski, H. など., Science 261: 1739-1744, 1993)、 p21 WAF1遺伝子からのp21 SIE1(Chin,Y. など., Science 272: 719-722, 1996)、β−カゼイン遺伝子の乳腺応答要素(Schmitt-Ney, M. など., Mol. Cell. Biol. 11: 3745-3755, 1991)、及びFcg RI遺伝子のSTAT誘発性要素(Seidel,H. など., Proc. Natl. Acad. Sci. 92: 3041-3045, 1995)。
【0151】
それらのオリゴヌクレオチドは、Asp718−XhoI適合性末端を含み、そして同じ酵素により消化されたc-Fosプロモーター(Poulsen, L.K. など., J. Biol. Chem. 273: 6229-6232, 1998)を有し、そしてネオマイシン選択マーカーを含む受容体ホタルルシフェラーゼレポーターベクター中に、標準の方法を用いて連結された。KZ134プラスミドを用いて、BaF3細胞を標準のトランスフェクション及び選択方法により安定してトランスフェクトしBaF3/KZ134細胞系を製造した。
【0152】
十分な長さのIL-21受容体を発現する安定したBaF3/KZ134インジケーター細胞を、例3に記載される、約30μgのIL-21受容体発現ベクターを用いて、例2におけるようにして構成した。クローンを希釈し、プレートし、そして標準技法を用いて選択した。クローンを、インジケーターとしてヒトIL-21ならし培地を用いて、ルシフェラーゼアッセイによりスクリーンした。最高のルシフェラーゼ応答(STATルシフェラーゼを通して)及び最低のバックグラウンドを有する細胞を選択した。安定したトランスフェクタント細胞系を選択した。その細胞系を、BaF3/KZ134/IL-21受容体を称す。
【0153】
B. ヒト及びマウスIL−21はBaF3/KZ134/Il-21受容体ルシフェラーゼアッセイにおいてIL-21受容体を活性化する
BaF3/KZ134/IL-21受容体細胞を、回転沈降し、そしてマウスIL-3を含まない媒体により洗浄した。前記細胞を回転し、そして3度、洗浄し、マウスIL-3の除去を確保した。次に、細胞を血球計により係数した。細胞を、マウスIL-3を含まない媒体を用いて、ウェル当たり100μlの体積でウェル当たり約30,000個の細胞で96−ウェル型にプレートした。同じ方法を、続くアッセイにおける対照としての使用のためにトランスフェクトされていないBaF3/KZ134細胞について使用した。
【0154】
BaF3/KZ134/IL-21受容体細胞のSTAT活性化を、次のものからのならし培地を用いて評価した:(1)ヒトIL−21受容体によりトランスフェクトされたBHK570細胞、又は(2)マウスIL-21受容体によりトランスフェクトされたBHK570細胞、又は(3)培地のみの対照応答を測定するためのmIL-3を有さない培地。ならし培地を、RPMI mIL-3を有さない培地により、50%、25%、12.5%、6.25%、3.125%、1.5%、0.75%及び0.375%の濃度に希釈した。その希釈されたならし培地100μlを、BaF3/KZ134/IL-21受容体細胞に添加した。ならし培地を用いてのアッセイを、対照としてのトランスフェクトされていないBaF3/KZ134細胞に対して同時に行った。
【0155】
合計のアッセイ体積は200μlであった。アッセイプレートを、37℃、5%CO2下で24時間インキュベートし、この時点で、細胞を、2000rpmでの10分間の遠心分離によりペレット化し、そして培地を吸引し、そして25μlの溶解緩衝液(Promega)を添加した。室温での10分後、プレートを、5秒の統合で40μlのルシフェラーゼアッセイ基質(Promega)を添加した発光計(Labsystems Luminuskan, モデルRS)上で読み取ることによってSTAT受容体構造体の活性化について測定した。
【0156】
結果は、ヒトIL-21に対するBaF3/KZ134/IL-21受容体細胞のSTATレポーター応答を確かめた。測定される場合、その応答は、50%濃度での培地のみの対照の約50倍以上であった。ヒトIL-21に対する応答におけるSTAT活性化は、トランスフェクトされていないBaF3/KZ134対照細胞に不在であり、このことは、応答がIL-21受容体を通して介在されることを示す。
【0157】
結果はまた、マウスIL-21に対するBaF3/KZ134/IL-21受容体細胞のSTATレポーター応答を確かめた。測定される場合、その応答は、50%の濃度での培地のみの対照の約40倍以上であった。さらに、マウスIL-21に対する応答におけるSTAT活性化は、トランスフェクトされていないBaF/KZ134対照細胞に対して明白であり(約5倍)、このことは、ネズミBaF3細胞が内因性マウス受容体を有することを示す。
【0158】
例5バキュロウィルスからの標識されていないヒト及びネズミIL-21の発現ベクター構成、発現及び精製
A. バキュロウィルスにおけるヒトIL-21の発現のための構造体
発現ベクターpzalpha11Lを調製し、昆虫細胞においてヒトIL-21ポリペプチドを発現した。それぞれ5’及び3’末端上でヒトIL-21及びコードされるBamHI及びXhoI制限部位のための配列を含む517bpフラグメントを、プライマーZC23,444(配列番号21)及びZC23,445(配列番号22)を用いて、ヒトIL-21 cDNAを含むプラスミドから、PCR増幅により生成した。PCR反応条件は次の通りであった:94℃で4分(1サイクル)、続いて94℃で45秒、50℃で45秒、及び72℃で2分(25サイクル)、72℃で10分(1サイクル)、続いて4℃でのソーキング。
【0159】
フラグメントを、ゲル電気泳動(1% SeaPlaque/1%NuSieve)により可視化した。バンドを切除し、2mlのMgCl2により0.5%アガロースに希釈し、65℃で溶融し、BamHI及びXhoI(Boerhinger Mannheim)により消化し、そしてBamHI/XhoIにより消化されたバキュロウィルス発現ベクターpZBV3L中に連結した。そのpZBV3Lベクターは、pFastBac1TM (Life Technologies) 発現ベクターの修飾体であり、ここで六面体プロモーターが除去され、そして後期活性塩基性タンパク質プロモーターにより置換されている。約14ngの制限消化されたIL-21挿入体及び約40ngのその対応するベクターを16℃で一晩、連結した。
【0160】
前記連結混合物を、TE(10mMのトリス−HCl、pH7.5及び1mMのEDTA)において3倍に希釈し、そして約4fモルの希釈された連結混合物を用いて、DH5α Library Efficiencyコンピテント細胞(Life Technologies)を、42℃での水浴における45秒間の熱ショックにより、前記製造業者の説明書に従って形質転換した。形質転換されたDNA及び細胞を、450μlのSOC培地(2% BactoTM トリプトン、0.5%Bacto酵母抽出物、10mlの1MのNaCl、1.5mMのKCl、10mMのMgCl2、10mMのMgSO4及び20mMのグルコース)により希釈し、そして100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にプレートした。クローンを、制限消化物により分析し、そして1μlの陽性クローンを用いて、上記のような熱ショックにより、DH10Bac Max Efficiencyコンピテント細胞(GIBCO-BRL, Gaithersburg, MD)を、その製造業者の説明書に従って形質転換した。
【0161】
形質転換された細胞を、98 0μlのSOC培地(2% BactoTM Tryptone, 0.5% BactoTM Yeast Extract, 10mlの1MのNaCl、1.5mMのKCl、10mMのMgCl2、10mMのMgSO4及び20mMのグルコース)により希釈し、37℃で4時間、振盪インキュベーターにおいて増殖し、そして50μg/mlのカナマイシン、7μg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)、10μg/mlのテトラサイクリン、IPTG(Pharmacia Biotech)及BLUO−GAL(Life Technologies)を含むLuria寒天プレート上にプレートした。プレートを37℃で48時間インキュベートした。色彩選択を用いて、プラスミド中に組み込まれたヒトIL-21コードのドナー挿入体(“bacmid”として言及される)を有するそれらの細胞を同定した。白色のそれらのコロニーを分析のために採取した。
【0162】
ヒトIL-21 Bacmid DNAを、陽性コロニーから、QiaVac Miniprep8 システム(Qiagen)を用いて、その製造業者に説明書にしたがって単離した。クローンを、bacmidにおける転移因子に対する次のプライマー:ZC447(配列番号23)及びZC976(配列番号24)を用いて、DNAのPCR増幅により正しい分子量の挿入体についてスクリーンした。PCR反応条件は次通りであった:94℃で45秒、 50℃で45秒及び72℃で5分(35サイクル);72℃で10分(1サイクル);続いて4℃でのソーキング。PCR生成物を、1%アガロースゲル上で展開し、挿入体サイズを確かめた。正しいサイズの挿入体を有するそれらを用いて、スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9)細胞をトランスフェクトした。
【0163】
B. バキュロウィルスからのヒトIl-21の精製のための材料の発現及び生成
Sf9細胞を、35mmのプレート当たり5×106個の細胞で接種し、そして27℃で1時間、結合せしめた。5μlのヒトIL-21 bacmid DNA(上記)を、100μlのSf−900II SFM (Life Technologies) により希釈した。6μlのCellFFCTIN試薬(Life Technologies)を、100μlのSf-900II SFMにより希釈した。bacmid DNA及び脂質溶液を軽く混合し、そして室温で30〜45分間インキュベートした。1つの細胞プレートからの培地を吸引し、細胞を2mlの新鮮なSf−900IISFM培地により1度、洗浄した。800μlのSf−900IISFMを、前記脂質−DNA混合物に添加した。洗浄培地を吸引し、そしてDNA−脂質混合物を細胞に添加した。細胞を27℃で4〜5時間インキュベートした。DNA−脂質混合物を吸引し、そして2mlのSf−900II培地を個々のプレートに添加した。プレートを27℃、90%温度で96時間インキュベート、その後、ウィルスを収穫した。
【0164】
一次増幅のために、Sf9細胞を、125mlの振盪フラスコにおける50mlのSf−900IISFMにおいて0.41−0.52×105個の細胞/mlの密度まで増殖した。次に、それらを、上記からの150μlのウィルスストックにより感染せしめ、そして27℃で3日間インキュベートし、その後、ウィルスを、当業界において知られている標準方法に従って収穫した。BaF3アッセイにおける活性について提出された500μlのサンプルは、それが生物学的活性であることを示した。
【0165】
二次増幅のために、Sf9細胞を、2800mlの振盪フラスコにおけるILのSf−900IISFMにおいて、0.5×105個の細胞/mlの密度で増殖した。それを、上記からの500μlの一次ウィルスストックにより感染せしめ、そして27℃で4日間インキュベートし、その後、ウィルスを当業界において知られている標準方法に従って、収穫した。ウィルスを力価し、そしてバキュロウィルス−生成されたヒトIL-21(huzalphllL-Bv)の精製のために大規模に増殖せしめた。
【0166】
C. バキュロウィルス発現されたヒト/ネズミIL-21の大規模精製
特にことわらない限り、すべての操作は4℃で行われた。次の方法を、BVならし培地からのヒトIL-21(huzalphallL-Bv)の精製のために使用した。ならし培地(CM)を、0.45〜0.22ミクロンのフィルターを通して減菌濾過し、次に0.01MのMES(Fluka BioChemika, Switzerland)により緩衝し、そしてpHを6.0に調節した。次に、CMを、POROS 50カラム上に充填し、そして運転し、画分を集め、そして分析した。
上記ピーク画分をプールし、濃縮し、高解像度サイズ排除カラム上で進行せしめ、そして分析した。
【0167】
サイズ排除カラムからの興味ある画分をプールし、そして5kDのMWCO Millipore遠心分離回転濃縮機により、最少体積まで濃縮した。次に、最終生成物を、例29Aに記載されるように、タンパク質純度及び濃度について、SDS-PAGE Coomassie(Sigma, St. Louis, MO), ウエスターン 免疫学的ブロット, N-末端配列決定, アミノ酸分析, 及び CB (Pierce, Rockford, Illinois)により分析した。多量のタンパク質を、−80℃で貯蔵した。
【0168】
D. バキュロウィルス−発現されたヒト/ネズミIL-21の小規模(2mg以下)精製
特にことわらない限り、すべての操作は4℃で行われた。次の方法を、BVならし培地からの2mg以下のヒト又はネズミIL-21を精製するために使用した。CMを濾過し、緩衝し、そして例30Cにおけるようにして、pHを調節した。次に、CMを充填し、溶出し、そしてPOROS 50HSクロマトグラフィーを、例30Cにおけるようにして分析した。
【0169】
画分をプールし、次にYM10膜(10kD MWCO)(Millipore/Amicon, Bedford, MA)上での攪拌された細胞濃縮機におけるダイアフィルトレーションを通して公称体積(20〜30ml)まで濃縮した。pHを7.0に調節し、次にサンプルを、約3mgのzalphall CFLAG可溶性受容体を有した0.8mlのPoros AL カラム、又は樹脂上に固定された約10mgのIL-21、−Fc4可溶性融合受容体を有するカラムのいずれか上に、1ml/分で充填した。次に、カラムを、少なくとも20CVの0.3MのNaCl/PBS(Gibco BRL)/0.01MのMESにより10ml/分で洗浄した。
【0170】
次に、カラムを、BioCAD SPRINT上にPBSと共に10ml/分の流速で、0.1Mのグリシン(Aminoacetic Acid; Glycocol. Spectrum, Gardena, CA)(pH2.5)600μlの注入により溶出した。1mlの画分を、それぞれ6秒間、集め、そしてすぐに、pHを55μlの2MのTRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、EM Science, Gibbston, NJ)(ph8.8)により中性にした。280及び215nmでの吸光度を、全クロマトグラフィー処理にわたってモニターした。画分を上記のようにして分析した。
【0171】
ピーク画分をプールし、次にYM10膜(10kDのMWCO)(Millipore/Amicon, Bedford, MA)上での攪拌された細胞濃縮機におけるダイアフィルとレーションにより、1〜2mlに濃縮した。次に、サンプルを、PBS(Gibco BRL)により平衡化された適切なSephacryl S-200 (Pharmacia, Uppsala, Sweden) 高解像度サイズ排除カラム上に最適流速で充填し;画分を、完全なクロマトグラフィー上で集め;そして280及び215nmでの吸光度をモニターした。画分を上記のようにして分析した。
【0172】
興味ある画分をプールし、そして5Kd MWCO Millipore遠心分離回転濃縮機により、呼称体積に濃縮した。次に、最終生成物を、SDS−PAGE Coomassie (Sigma, St. Louis, MO), ウェスターン免疫学的ブロット、N−末端配列決定、アミノ酸分析、及びタンパク質純度及び濃度についてのBCA(Pierce, Rockford, Illinois)により分析した。
【0173】
例6B-細胞のIL−21−依存性増殖を抗−CD40又は抗−IgMを刺激した
A. ヒトB細胞の精製
1×108個の凍結され、アフェレーシス化されたヒト末梢血液単核細胞(PBMC)を含むバイアルを、すばやく、37℃の水浴において融解し、そして50mlの管(Falcon VWR, Seattle, WA)における25mlのB細胞培地(RPMI培地1640(JRH Biosciences, Lenexa, KS)、10%熱不活性化されたウシ胎児血清、5%L−グルタミン、5%Pen/Strep(Gibco BRL))に再懸濁した。細胞を、トリパンブルー(Gibco BRL)を用いて、生存性について試験した。
【0174】
10mlのFicall/Hypaque Plus (Pharmacia LKB Biotechnology Inc., Piscataway, NJ) を、前記細胞懸濁液下に積層し、そして1800rpmで30分間、回転せしめ、そして停止した。次に、界面を除去し、そして新しい50mlのFalcon管に移し、PBSにより40mlの最終体積にし、そして1200rpmで10分間、回転せしめた。単離された細胞の生存性をトリパンブルーを用いて再び試験した。他方では、新たに採血されたヒト血液をPBS(Gibco BRL)により1:1に希釈し、そしてFicoll/Hypaque plus (Pharmacia)上の積層し、回転せしめ、そして洗浄した。新鮮又は凍結源のいずれかから単離された細胞は、同等の結果を付与した。
【0175】
B細胞を、正常なヒトドナーのFicoll浮遊抹消血液細胞(上記)から、抗−CD19磁気ビーズ(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)により、その製造業者の説明書に従って精製した。得られる調製物の純度を、抗−CD22 FTTC Ab (Pharmingen, San Diego, CA)による流動細胞計分析によりモニターした。B細胞調製物は典型的には、90%以上の純度であった。
【0176】
B. ネズミB細胞の精製
ネズミ脾臓細胞の懸濁液を、B細胞媒体に成人C57B1/6マウス(Charles River Laboratories, Wilmington, MA)脾臓を、曲がった針により細かく切り取ることによって調製した。RBCを、低張溶解により除去した。CD43陽性細胞を、CD43磁気ビーズ(Miltenyi Biotec)により、その製造業者の説明者に従って除去した。得られる調製物の純度を、抗−CD45R FTTC Ab (Pharmingen) による流動細胞計測分析によりモニターした。B細胞調製物は典型的には、90%以上の純度であった。
【0177】
C. ヒト又はネズミIL-21の存在下での抗−CD40−刺激さえれたB−細胞の増殖
ヒト又はマウス源のいずれかからのB細胞を、B細胞媒体に、1×106個の細胞/mlの最終濃度で再懸濁し、そして200μl/ウェルの最終体積にするための種々の刺激条件を包含する96ウェルU底プレート(Falcon, VWR)に、100μl/ウェルでプレートした。抗−CD40刺激のために、ヒト培養物を、1μg/mlの抗−ヒトCD40(Genzyme, Cambridge, MA)により補充し、そしてマウス培養物を、1μg/mlの抗−ネズミCD40(Serotec, UK)により補充した。ヒト又はネズミIL-21を、1pg/ml〜100mg/mlの範囲の希釈度で添加した。IL-20の効果の特異性を、25mg/mlの可溶性ヒトIL-21 CEEによるIL-21の阻害により確かめた。すべての処理は三重反復して行われた。
【0178】
次に、細胞を、保湿されたインキュベーターにおいて37℃で120時間(ヒト)又は72時間(マウス)インキュベートした。収穫の16時間前、1μCiの3H−チミジン(Amersham, Piscataway, NJ)をすべてのウェルに添加し、B細胞が増殖したかどうかを評価した。細胞を、細胞収穫機(Packard)を用いて、96ウェルフィルタープレート(UniFilter GF/C, Packard, Meriden, CT)中に収穫し、そして製造業者の説明書に従って集めた。プレートを55℃で20〜30分間、乾燥し、そしてウェルの底を、不透明なプレートシーラーにより密封した。個々のウェルに、0.25mlのシンチレーション流体(Microscint-O, Packard)を添加し、そしてプレートを、TopCount Microplate Scintillation Counter (Packard) を用いて読み取った。
【0179】
3ng/ml又はそれ以上の濃度でのIL-21とのインキュベーションは、ネズミ及びヒトB細胞の両者において、用量依存性態様で可溶性抗−CD40により誘発された増殖を、30倍ほど増強した。ネズミ及びヒトB細胞は、それらのそれぞれのIL-21種に対して平等に応答した。両種においては、刺激は、培養物における可溶性IL-21受容体の存在により示されるように、IL-21に対して特異的であった。
【0180】
D. ヒト又はネズミIL-21の存在下での抗−IgM−刺激されたB−細胞の増殖
上記に記載されるようなヒト又はマウス源からのB細胞を、上記のようにしてプレートした。ヒト細胞の抗−IgM刺激のために、プレートを、10mg/mlのF(ab’)2抗−ヒトIgM Abs (Southern Biotech Associates, Birmingham, Alabama) により一晩、被覆し、そして使用の直前、無菌培地により洗浄した。培養物を、0〜10ng/mlのhu rIL-4 (R&D Systems, Minneapolis, MN) により補充した。
【0181】
ネズミ細胞の抗−IgM刺激のために、可溶性抗−IgM(Biosource, Camarillo, CA)を、培養物に10mg/mlで添加した。前記抗−IgM/IL-4状態の個々に、ヒト又はネズミIL-21を、上記のように1pg/ml〜100ng/mlの範囲の希釈度で添加した。IL-21の効果の特異性を、可溶性ヒトIL-21受容体による阻害により確かめた。すべての処理を三重反復して行った。細胞を、インキュベートし、3H−チミジンによりラベルし、収穫し、そして分析した。
【0182】
0.3ng/ml又はそれ以上の濃度でのIL-21とのインキュベーションは、不溶性抗−IgM(マウス)又は抗−IgM及びIL-4(ヒト)により誘発された増殖を用量依存性態様で阻害した。この阻害は、培養物における可溶性IL-21受容体の存在により表されるので、IL-21に対して特異的であった。
【0183】
例7細胞系における125I-ラベルされたヒトIL-21結合研究
25μgの精製されたヒトIL-21を、IODO−BEADS(商標)(Pierce, Rockford Illinois) を用いて、その製造者の説明書に従って、2mCIの125Iによりラベルした。このラベルされたタンパク質を、野生型ネズミBaF3細胞、及び対照としてのIL-21受容体によりトランスフェクトされたBaF3細胞(BaF3/hIL-21細胞)への結合を用いて、ヒトRaji細胞(ATCC No. CCL-86)へのヒトIL-21結合を評価するために使用した。増殖アッセイに基づいて、BaF3/hIL-21細胞へのIL-21結合が予測されたが(正の対照)、しかし野生型BaF3細胞への結合は予測されなかった(負の対照)。
【0184】
5×105個のRaji細胞/ウェル、1×106個のBaF3/hIL-21及び1×106個のBaF3細胞/ウェルを、96ウェルプレートにそれぞれプレートした。10ng/mlのラベルされたヒトIL-21を、ウェルに、250倍モル過剰から0.061倍モル過剰まで1:4の希釈度で添加されるラベルされていないヒトIL-21競争体の一連の希釈度を伴って、ウェルに二重反復して添加した。個々の点は二重反復して実施された。ラベルされたヒトIL-21がウェルに添加された後、4℃で2時間インキュベートし、細胞へのIL-21の結合を可能にした。次に、細胞を、結合緩衝液(1%BSA(Sigma))を含むRPMI−1710(JRH Bioscience))により3度洗浄し、そしてCOBRA II AUTO-GAMMAガンマカウンター(Packard Instrument Company, Meriden, CT)上で計数した。
【0185】
細胞へのラベルされたIL-21の結合は、Raj及びBaF3/hIL-21受容体細胞において明らかであった。さらに、Raj細胞に関しては、平均250倍モル過剰のラベルされていないIL-21が、非特異的なレベルされていない競争体(R&D Systems, Minneapolis, MNからのInterferon Gamma)の存在下で結合を3倍、低め、そして競争体の不在下で3.7倍、低めた。競争は、特定のラベルされていない競争体、すなわちヒトIL-21に関して、用量依存性態様で観察された。
【0186】
従って、Raji細胞へのIL-21結合は特異的であった。同様に、陽性対照BaF3/IL-21受容体細胞に関しては、250倍モル追加のラベルされていないIL-21が非特異的競争体に対して2倍、結合を低め、そして競争体が存在しない場合、3.06倍、低めた。従って、BaF3/IL-21受容体細胞へのIL-21結合はまた特異的であった。競争可能な結合は、野生型BaF3細胞に関しては観察されなかった。IL-21は、Raj細胞及びRaF3/hIL-21細胞に対して特異的に結合するが、しかし負の対照のBaF3細胞に対して結合しないが示された。
【0187】
例8ヒト血液細胞上でのIL-21受容体発現
A. ヒト末梢血液細胞の調製及び培養
採血された新鮮なヒト血液を、PBS(GIBCO BRL)により1:1に希釈し、そしてFicoll/Hypaque Plus (Pharmacia LKB Biotechnology Inc. , Piscataway, NJ)上に積層し、そして1800rpmで30分間、回転せしめ、そして停止せしめた。界面層を除去し、そして新しい50mlのFalcon管(Falcon, VWR, Seattle, WA)に移し、PBSにより40mlの最終体積にし、そして1200rpmで10分間、回転せしめた。単離された細胞の生存性を、トリパンブルー(GIBCO BRL)を用いて試験し、そして細胞を、1×106個の細胞/mlの最終濃度で細胞培地(RPMI Medium 1640, 10%熱不活性化されたウシ胎児血清、5%L−グルタミン、5%Pen/Strep)(GIBCO BRL) に再懸濁した。
【0188】
細胞を、下記に記載される種々の異なった刺激を伴って、6ウェルプレート(Falcon, VWR)において、0、4又は24時間、培養した。抗−IgM、抗−CD40及び抗−CD3刺激を、例42及び44におけるようにして行った。ホルボールミリステートアセテート(PMA)及びイオノマイシン(Sigma, St. Louis, MO)(例5C)を適切なウェルに、それぞれ10ng/ml及び0.5mg/mlで添加した。細胞を、37℃で、保湿されたインキュベーターにおいて、種々の時間インキュベートした。
【0189】
B. 抗体染色及び分析
細胞をプレートから集め、洗浄し、そして氷冷却の染色媒体(HBSS, 1%ウシ胎児血清、0.1%アシ化ナトリウム)に、約106個の細胞/mlの濃度で再懸濁した。Fc受容体及び、細胞に対する抗体の非特異的結合の阻止を、細胞懸濁液に、10%正常ヤギ血清(Gemini Bioproducts, Woodland, CA)及び10%正常ヒト血清(Ultraserum, Gemini)を添加することによって達成した。細胞懸濁液のアリコートを、系統マーカーCD3, CD19又はCD14(PharMingen, La Jolla, CA)の1つに対する、FTTCラベルされたモノクローナル抗体及びヒトIL-21受容体に対するビオチニル化されたモノクローナル抗体と共に混合した。染色特異性を、IL-21CEE可溶性受容体を10倍質量過剰で用いての競争により決定した。
【0190】
氷上での60分間のインキュベーションの後、細胞を氷冷却された染色媒体により2度、洗浄し、そしてストレプタビジン−PE(Caltag, Burlingame, CA)を含む染色媒体50mlに再懸濁した。氷上での30分間インキュベーションの後、細胞を、氷冷却された洗浄緩衝液(PBS、1%ウシ胎児血清、0.1%アジ化ナトリウム)により2度、洗浄し、そして生存性マーカーとして1mg/mlの7−AAD(Molecular Probes, Eugene OR)を含む洗浄緩衝液に再懸濁した。流動データを、FACS Calibur流動細胞計測計(BD Immunocytometry Systems, San Jose, CA) を用いて、生存細胞に対して獲得した。獲得及び分析の両者は、CellQuestソフトフェア(BD Immunocytametry Systems)を用いて行った。
【0191】
抗−IL-21抗体による染色の結果は、ヒトIL-21受容体が、CD3, CD19又はCD14のいずれかを発現するヒト末梢血液細胞上に発現されることを示した。CD3及びCD19細胞に対する染色は、IL-21可溶性受容体との絶対的競争により明らかなように、特異的であった。CD14細胞に対する染色は、可溶性受容体との部分的競争により明らかなように、リガンドに対していくらかの特異性を示した。抗−CD3によるT細胞、又は抗−CD40によるB細胞のいずれかの活性化は、24時間で、高められたレベルの細胞表面IL-21受容体をもたらした。IL-21受容体の発現レベルの上昇は、いずれかの細胞集団に対するいずれの刺激によっても、4時間で見られなかった。IL-21による細胞の処理は、4及び24時間で、CD3陽性及びCD19陽性細胞に対するIL-21受容体染色の低下をもたらしたが、しかしCD14陽性細胞に対してそうではなかった。
【0192】
例9IL-21アンタゴニストの調製
IL21変異体の構成
合計7個の構造体(そのうち3個が本明細書に示されている)を、Stratagene QuikChange Mutagenesisキット(カタログ番号200518)を用いて製造した。100mgの鋳型を、125ngの個々のセンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に使用した。94℃で1分、55℃で1分及び68℃で25分の個々の25サイクルを、個々の別々の反応に関して行った。次のオリゴヌクレオチド及び鋳型対が使用された:
【0193】
突然変異を、特定部位の突然変異誘発を用いて、バキュロウィルス発現ベクターBVpIL-21に含まれるIL-21コード配列中に組み込んだ。100ngの鋳型を、下記表に示されるように、125ngの個々のアンチセンス及びセンスオリゴヌクレオチドと共に組合した。熱安定性のDNAポリメラーゼを添加し、そして所望する突然変異を含むDNAを、94℃で1分、55℃で1分及び68℃で25分の25熱サイクルの間、合成した。
構造体 オリゴ(センス/アンチセンス) 鋳型
I148Stop zc27885/zc27884 (配列番号25 及び 26) BV palphallL
Q145D/I148D zc37198/zc37199 (配列番号27 及び28) BV palphallL-Q145D
Q145D/I148Stop zc37200/zc37203 (配列番号29 及び 30) BV palphallL-Q145D
合成に続いて、突然変異誘発されなかった親DNAを、制限酵素DPN1による消化により除去し、そして突然誘発されたDNAを用いて、ElectroCompetent DH10B (Life Technologies)を形質転換した。形質手間された細胞を、100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上に選択のためにプレートした。クローンを、DNA配列決定により分析し、そして1μgの陽性クローンを用いて、20μlのDH10Bac Max Efficiencyコンピテント細胞(Life Technologies)を、その製造業者の説明書に従って形質転換した。
得られる変異体を、Q153D;I156Dと命名し、そして配列番号5(ヌクレオチド配列)及び配列番号6(アミノ酸配列)として示し、そしてI156ST;Q153Dと命名し、そして配列番号3(ヌクレオチド配列)及び配列番号4(アミノ酸配列)として示した。
【0194】
例10
A. IL-21変異体におけるアンタゴニスト活性の同定
IL-21変異体クローンを、例5に記載のようにして、バキュロウィルスにおいて発現した。野生型ヒトIL-21及びD−ヘリックス変異体の個々を発現する昆虫細胞を、血清フリー条件下で培養した。培養物培地を集め、そしてIL-21又は変異体IL-21の濃度を、検出のために抗−IL-21ウサギポリクローナル抗体、D1048を用いて、ウェスターンブロット分析により決定した。
【0195】
B. 細胞におけるヒトIL-21結合研究
個々の変異体タンパク質を、IL-21受容体及びIL-2RγによりトランスフェクトされたBHK細胞の表面上に発現される受容体への125I−IL-21の結合を阻害するその能力について評価した。125I−IL-21の結合の阻害についてIC50を、個々のタンパク質について決定した。個々のタンパク質による受容体活性化を、IL-21Rα及びIL2Rγを発現する、IL-21依存性BaF3細胞系の増殖を支持する能力により決定されるEC50として表される。
【0196】
ヒトIL-21を、IOPO−BEADS(商標)(Pierce)を用いて、製造業者の説明書に従ってヨー素化した。競争結合アッセイのために、250pMの125I−IL-21を用いて、競争体タンパク質の濃度を高めた。24ウェル組織培養皿における細胞を、125I−IL-21を含む、250μlの結合緩衝液(PRPMI1640(GIBCO−BRL)、20mMのHEPES、pH7.4、1mg/mlのBSA(Sigma))(インヒビターを含むか又は含まない)において、4℃で2時間インキュベートした。末結合のリガンドを、氷冷却された結合緩衝液による3度の洗浄により除去した。次に細胞を、PBS、1%Triton−X100(Sigma)により抽出し、そして抽出物をガンマカウンター(Packard)により計数した。分析をGraphPad PRISM@ (GraphPad software, Inc. , San Diego, CA)を用いて行った。
【0197】
ヒトIL-21受容体を発現する、トランスフェクトされた細胞を、RPMI/10%FBSにより3度、洗浄し、微量のIL-3を除去した。次に、BaF3細胞を、96ウェル皿において7500個の細胞/ウェルでプレートし、そして1ng/ml〜1μg/mlの範囲の濃度でのIL-21又はIL-21変異体の不在又は不在下で3日間、培養した。3日後、培養物を、AlamarBlue(Alamar, Inc.)を用いて、製造業者の説明書に従って、生存細胞についてアッセイした。IL-21又はIL-21変異体についてのEC50を、GraphPad PRISM(商標); (GraphPad software, Inc.)を用いて計算した。
【0198】
【表6】

【0199】
IC50及びEC50はnMとして表され、そしてNDは検出されなかった活性を表す。
前述から、本発明の特定の態様が例示目的のために本明細書に記載されてきたが、種々の修飾が本発明の範囲内で行われ得ることが理解されるであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲を除いて、限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号3又は配列番号5で示されるヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項2】
配列番号4又は配列番号6で示されるアミノ酸配列を含んで成るIL−21アンタゴニストポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項3】
配列番号4又は配列番号6で示されるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
【請求項4】
少なくとも2種のポリペプチド、そのポリペプチドの少なくとも1つは配列番号4又は配列番号6で示されるようなアミノ酸配列から成る群から選択される、及び第2ポリペプチド配列を含んで成る融合タンパク質。
【請求項5】
請求項1記載の単離された核酸分子、転写プロモーター及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターであって、ここで前記プロモーターが前記核酸分子と作用可能に連結され、そして前記核酸分子が前記転写ターミネーターと作用可能に連結されている発現ベクター。
【請求項6】
請求項5記載の発現ベクターを含んで成る、細菌、酵母細胞、菌類細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞及び植物細胞から成る群から選択された組換え宿主細胞。
【請求項7】
ポリペプチドの生成方法であって、請求項5記載の発現ベクターを含んで成り、そして前記ポリペプチドを生成する組換え宿主細胞を培養する段階を含んで成る方法。

【公開番号】特開2010−207238(P2010−207238A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−106705(P2010−106705)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【分割の表示】特願2003−542560(P2003−542560)の分割
【原出願日】平成14年10月28日(2002.10.28)
【出願人】(500049831)ザイモジェネティクス,インコーポレイティド (37)
【Fターム(参考)】