説明

IPネットワークを通じてブロードキャストされるマルチメディア・プログラムを個別化するための方法、システム、およびコンピュータ・プログラム

【課題】 メイン・マルチメディア第1プログラムを、TVチャネルのメイン・プログラムに挿入される広告プログラムなどの個別化された置換第2プログラムに自動的に置き換えるための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】 第1のマルチメディア・プログラムは第1のマルチキャスト・アドレス上に発信され、複数の置換マルチメディア・プログラムは、第1のマルチキャスト・アドレスとは異なる複数のマルチキャスト置換アドレス上に発信される。各ユーザ・ホストは、第1のマルチキャスト・アドレスから、および他のマルチキャスト・アドレスのうちの1つから、データ・フレームを受信する。このユーザ・ホストでは、プログラム・データを、両方のアドレスから再生手段に向けて、スイッチング手段によって通信手段から伝送することができる。したがって、各ユーザ・ホストは、置換マルチキャスト・アドレスのうちの1つにリンクされた個別化されたスイッチ・データを解して選択された、個別化された置換プログラムを再生できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIPネットワークを通じてブロードキャストされるマルチメディア・プログラムの分野に関し、具体的には、インターネットを通じたテレビジョン(IP TV)に関する。より精密には、これは、メイン・マルチメディア・プログラムを、TVチャネルのメイン・プログラムに挿入される広告プログラムなどの個別化された置換プログラムに置き換えるための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットベース通信における最近の技術の進歩に伴い、テレビジョン放送は、ケーブルまたはヘルツの地上波ネットワークを使用して、通信インフラストラクチャがますますアナログ方式に基づかなくなるという、新しい時代に突入した。現在では、IPベースのデジタル・ビデオが、衛星ベース、ケーブル・ベース、またはxDSL(すなわちADSL、SDSLなど)、あるいは無線ベース(3G)のインフラストラクチャなどの、新しいデジタル・ネットワークのブロードバンド通信機能を強化した、標準となりつつある。
【0003】
マルチチャネル・パッケージは、ますます増加を続ける加入者に対してTVオペレータが提案する、しばしばインターネット・サービス・プロバイダを介した一般的な提供品となりつつある。加入者はこうしたパッケージを利用して、自分のインターネット接続を介して100を超える様々なチャネルを受信できることが、一般的になってきている。
【0004】
現在、インターネットを介したTVの実現は、インターネット・プロトコル(IP)を使用する任意の他のネットワークでも使用可能な、「マルチキャスト」プロトコルに基づいて行われる傾向がある。
【0005】
マルチキャストは、以下の図1で示されるように、1つのホスト(以下、サーバと呼ぶ)が、マルチキャスト・グループに属するすべてのユーザ・ホストに接続できるようにする技術である。ストリームがネットワークを介して送信された後、ユーザは、インターネット・グループ管理プロトコル(IGMP)コマンドを介して、マルチキャスト・グループの一員となるために加入することができる。こうしたケースでは、1つのストリームが1つのサーバから発信され、いくつかのユーザ・ホストによって受信される。
【0006】
広告は、デジタルIP TVの分野を含むTVチャネル・オペレータにとって、かなりの収益をもたらすものであり、今後も同様であろう。TVプログラムにおける広告の効率性およびその価値は、こうした広告の目的に一致する可能性のある視聴者を正確にターゲットとする機能にかなり依存している。
【0007】
数年前から、広告クリップが、第1にブロードキャストされているチャネルに基づいて、さらにはタイミングにも基づいて、所与の視聴者に届くようにブロードキャストされている。一例として、K−12の視聴者をターゲットとするクリップは、一般に、漫画がブロードキャストされている場合に利用可能であり、自動車業界のクリップは、一般に、フォーミュラ1グランプリのブロードキャスト中に利用可能である。この手法は、ターゲットとする視聴者に届くようにすることはできるが、TV視聴者の個人のプロファイル、たとえば購買プロファイルに、実際に対処することはできない。
【0008】
一般的なメイン・チャネルのプログラム内で、あるプログラムの一部をカスタマイズすることは、これらのプログラムを受信するユーザの希望またはニーズにより正確に合わせるため、または、ユーザとの対話型プログラムを構築するために、いくぶん興味深いものとなる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、インターネットまたは任意の特定IPネットワークなどのIPネットワーク上でブロードキャストされる一般的なプログラムの一部を、カスタマイズできるようにすることである。
【0010】
他の目的は、ユーザまたはユーザ・ホストのいくつかのグループまたはカテゴリに従って、こうしたメイン・プログラム内にカスタマイズされた広告プログラムを挿入できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
こうした目的は、一方ではメイン・プログラムを伝送するために、および他方では1つまたはいくつかの置換または挿入プログラムを伝送するために、異なるマルチキャスト・アドレスを使用して達成される。
【0012】
本発明は、視聴者またはユーザ・ホストに対して、第1のマルチキャスト・アドレス上でマルチキャストIPネットワークを介して受信され、ユーザ・ホストによって再生される第1のマルチメディア・プログラムを、第2のマルチメディア・プログラムに自動的に置き換えるための、システムあるいは方法またはその両方を提案する。本発明によれば、こうした方法は、
−第1のマルチキャスト・アドレスとは異なる第2のマルチキャスト・アドレス上で、当該マルチキャストIPネットワークを介して、少なくとも1つの第2のマルチメディア・プログラムを受信するステップと、
−当該少なくとも1つのユーザ・ホストの再生を、当該第1のマルチキャスト・アドレス上で受信された第1のマルチメディア・プログラムから、第2のマルチキャスト・アドレス上で受信された当該少なくとも1つの第2のプログラムへと、スイッチするステップであって、当該第2のマルチキャスト・アドレスは、スイッチ・データを介して当該第1のマルチキャスト・アドレスにリンクされている、スイッチするステップと、
を含む。
【0013】
より精密に言えば、これは、当該第1のマルチキャスト・アドレスを有する第1の複数のユーザ・ホストの第1のマルチキャスト・グループと、当該第2のマルチキャスト・アドレスを有する第2の複数のユーザ・ホストの第2のマルチキャスト・グループとに、同時に属する、少なくとも1つのユーザ・ホストを介して、到達可能である。
【0014】
好ましくは、スイッチ・データはユーザ・ホストに格納される。
【0015】
好ましい実施形態では、ユーザ側で、本発明は、当該第1および第2の両方のマルチキャスト・アドレス上で受信されるプログラム・データを、当該少なくとも1つのユーザ・ホストの通信手段によって、当該少なくとも1つのユーザ・ホストの再生手段に向けて伝送するステップをさらに含む。
【0016】
したがって、発信者側で、本発明は、
−当該第1のマルチキャスト・アドレス上で受信されるプログラム・データの流れを中断するステップと、
−当該第2のマルチキャスト・アドレス上で受信されるプログラム・データの流れを送信開始するステップと、
をさらに含む。
【0017】
より具体的に言えば、本発明は、再生手段に伝送される場合に、当該第2のマルチキャスト・アドレス上で受信されるプログラム・データを、当該第1のマルチキャスト・アドレスから着信するように見えるように修正するステップを、さらに含む。
【0018】
代替実施形態では、ユーザ側で、スイッチング・ステップは、
−当該ユーザ・ホストに格納された少なくとも1つの選択データを修正するステップと、
−どのマルチキャスト・アドレスから受信したプログラム・データを当該再生手段に伝送するかを選択するために、当該選択データを使用するステップと、
−当該第1および第2のマルチキャスト・アドレスのうちの1つで受信されるプログラム・データのみを、当該少なくとも1つのユーザ・ホストの通信手段によって、当該少なくとも1つのユーザ・ホストの再生手段に向けて伝送するステップと、
をさらに含む。
【0019】
こうしたスイッチングは、一例として、2つのマルチキャスト・アドレスのうちの1つをフィルタリングするステップ、またはデータの受信元として他のアドレスを選択するステップを含むことができる。
【0020】
この代替実施形態では、選択データを修正するステップは、ユーザ・ホストの状態、あるいは第1または第2のマルチキャスト・アドレス上で受信されるデータの状態を分析する、ローカル・プロセスの結果によってトリガすることができる。一例として、スイッチングは、以前はサイレントであったマルチキャスト・アドレスからの着信を検出することによっても、トリガ可能である。また、選択データを修正するステップは、信号データの受信によってもトリガ可能である。
【0021】
両方の実施形態を、異なる方法で組み合わせることができる。一例として、一方の実施形態を何らかのコンテキストで(たとえば、映画またはある種の特定時間中の広告用)使用し、他方の実施形態を、何らかの他のコンテキストで(たとえば、映画の合い間または他の特定時間に)使用することができる。
【0022】
異なるユーザ・ホストの互換性に従って、これらのユーザ・ホストが異なる実施形態を同時に使用することもできる。
【0023】
両方の実施形態において、本発明は、ユーザのアカウント識別子または認証プロセスを介し、おそらくインターネット・サービス・プロバイダまたはTVオペレータによって認識および分類されたユーザのプロファイルに従って、ユーザをグループ化することを提案する。
【0024】
したがって本発明は、第1のマルチキャスト・アドレス上でマルチキャストIPネットワークを介して受信され、複数のユーザ・ホストによって再生される、メイン・マルチメディア・プログラムを、自動的に置換プログラムに置き換えるための方法を含む。
【0025】
したがって、当該方法は、
−ユーザ・ホストの第1のグループの少なくとも1つのユーザ・ホストについて、当該メイン・マルチメディア・プログラムを、第1のスイッチング・データに従って、第1の置換プログラムに置き換えるための、請求項1から11のいずれか一項に従った方法を実行するステップと、
−ユーザ・ホストの第2のグループの少なくとも1つのユーザ・ホストについて、当該メイン・マルチメディア・プログラムを、第2のスイッチング・データに従って、第2の置換プログラムに置き換えるための、請求項1から11のいずれか一項に従った方法を実行するステップと、
を含む。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明は、第1のマルチキャスト・アドレス上でマルチキャストIPネットワークを介して受信され、好ましい実施形態に従った方法を使用するために構成された複数のユーザ・ホストによって再生される、メイン・マルチメディア・プログラムに、ターゲットとされるプログラムを挿入するための方法も含む。この方法に従い、当該個々のユーザ・ホストのユーザの少なくとも1つの特徴に従って、個々のユーザ・ホストそれぞれについて、このターゲットとされるプログラムが選択される。次に、当該挿入方法は、当該ユーザそれぞれについて、
−少なくとも1つの特徴に従ってスイッチング・データを定義し、当該ユーザを、複数のユーザ・グループのうちの少なくとも1つのユーザ・グループに分類するステップと、
−当該スイッチング・データを、当該ユーザに対応するホストに格納するステップと、
を含む。
【0027】
したがって、当該ターゲットとされるプログラムを当該メイン・プログラムに挿入するために選択された所与のインスタントで、当該挿入方法は、発信者側で、
−当該メイン・マルチメディア・プログラムの発信を中断するステップと、
−当該ターゲットとされるプログラムを受信するためのユーザ・グループのスイッチング・データに対応するマルチキャスト・アドレス上で、それぞれの選択されたターゲットとされるプログラムを発信するステップと、
を含む。
【0028】
代替実施形態では、本発明は、第1のマルチキャスト・アドレス上でマルチキャストIPネットワークを介して受信され、こうしたプログラム置換方法を使用するために構成された複数のユーザ・ホストによって再生される、メイン・マルチメディア・プログラムに、ターゲットとされるプログラムを挿入するための方法も含む。この方法に従い、当該個々のユーザ・ホストのユーザの少なくとも1つの特徴に従って、個々のユーザ・ホストそれぞれについて、このターゲットとされるプログラムが選択される。次に、当該挿入方法は、当該ユーザそれぞれについて、
−少なくとも1つの特徴に従ってスイッチング・データを定義し、当該ユーザを、複数のユーザ・グループのうちの少なくとも1つのユーザ・グループに分類するステップと、
−当該スイッチング・データを、当該ユーザに対応するホストに格納するステップと、
を含む。
【0029】
したがって、当該ターゲットとなるプログラムを当該メイン・プログラムに挿入するために選択された所与のインスタントで、当該挿入方法は、発信者側で、
−受信されることになる当該ターゲットとなるプログラムによってターゲットとされるユーザ・グループのホストに格納されたスイッチング・データに対応するマルチキャスト・アドレス上で、それぞれの選択されたターゲットとされるプログラムを発信するステップと、
−当該ユーザ・ホスト内の当該ターゲットとされるプログラムによって当該メイン・プログラムの置き換えをトリガするように構成された信号を発信するステップと、
を含む。
【0030】
したがってこの代替実施形態は、デフォルトの広告プログラムなどのデフォルトの第2プログラムを含むメイン・マルチメディア・プログラムを、連続して発信することができる。次に、このデフォルトの第2プログラムは、特定のユーザ・グループに属していない、すなわち個別化されたスイッチ・データを有していない、すべてのユーザ・ホストによって受信および再生される。
【0031】
一方で、個別化されたスイッチ・データを備えるいずれのユーザ・ホストも、それが属するユーザ・グループに従って、個別化された挿入済みプログラムを受信および再生することになる。フィルタリング機能は、こうした個別化されたユーザ・ホストが、第1のマルチキャスト・アドレス上で発信されたプログラムからの干渉を受けることなく、個別化された第2のプログラムのみを再生できるようにするものである。
【0032】
したがって本発明は、IP TV環境において個別化された広告の受信を可能にするものである。これは、以下の特徴のうちのすべてまたは一部を示唆するものである。
−各ユーザ・ホストにおいて、少なくとも1組のアドレスが、一方はメイン・サービス(TVチャネル)用、他方は広告用である。
−同じ興味の中心(interestcentre)または同様のプロファイルを有するユーザは、1つまたはいくつかのグループにまとめられる。
−ユーザは、いずれかのIP TVチャネルに接続された場合に認証され、これを使用して1つのグループまたは他のグループに指定することができる。
−広告アドレスはそれぞれのユーザ・グループに関連付けられる。
−ユーザ機器は加入し、アドレスの組に関するパケットを受信することを受け入れ、広告アドレスをメイン・サービス・アドレスに変換する。
−ユーザ・ホストにおいて、データはメイン・サービス(TVチャネル)または広告に関して独占的に伝送される。
【0033】
さらに本発明は、IPマルチキャスト・アドレスの構造内で、
−第1のプログラムのマルチキャスト・アドレスおよび第2のプログラムのマルチキャスト・アドレスは、それらの下位ビットでのみ異なること、あるいは
−第1のプログラムに関するマルチキャスト・アドレスは偶数タイプであり、1つまたは複数の第2のプログラムのマルチキャストは奇数タイプであること、またはその両方の、
新しい特徴を定義することを提案する。
【0034】
定義されたチャネルに関連する広告グループに対応する広告プログラムを伝送するために使用されるアドレスの場合、本発明は、マルチキャスト広告グループ・アドレスの区分化を以下のように定義することを提案する。
−メイン・チャネル・アドレスの最下位7ビットはゼロである、あるいは、
−アドレスの最終ビットは広告アドレスを示すために示される、またはその両方、ならびに、
−前の6ビットは広告グループを示す
【0035】
本発明の特徴であるとみなされる新規な特徴および発明上の特徴が、添付の特許請求の範囲で示される。しかしながら、発明それ自体ならびにその好ましい使用モード、他の目的、および利点は、添付の図面に関して例示された詳細な実施形態についての以下の詳細な説明を参照することによって、最も良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来技術に従った、インターネットを介したIPデジタルTVのブロードキャスト構造を示す図である。
【図2】IEEE 802マルチキャストMACアドレスに関するマッピング技法を表す図である。
【図3】メイン・プログラムの再生状態にある本発明の実施形態を示す図である。
【図4】2つの別個のユーザ・グループに対する広告プログラムの再生状態にある、本発明の実施形態を示す図である。
【図5】本発明に従った、マルチキャスト・グループ・アドレスの区分化に関する新しい構造定義を表す図である。
【図6】本発明に従った、ユーザ・ホストに関するメイン・プログラム・フレームおよび広告プログラム・フレームの処理を示す図である。
【図7】本発明に従った、ネットワーク・インターフェース・コントローラにおいて代替サブアドレスを管理するためのマルチキャスト・アドレス・テーブルを表す図である。
【図8】本発明に従った、ネットワーク・インターフェース・コントローラにおける着信フレームの処理を示すブロック図である。
【図9】本発明に従った、IPレイヤにおける代替サブアドレスを管理するためのマルチキャスト・アドレス・テーブルを表す図である。
【図10】本発明に従った、IPレイヤにおける着信フレームの処理を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の仕様において、いくつかの図面に共通の要素は共通の識別子で参照される。
【0038】
従来技術
図1は、IPネットワーク、具体的にはインターネットを介したTVチャネルのブロードキャストに関して、現在知られているアーキテクチャを示す。
【0039】
発信者ホスト111aから111dは、サーバとも呼ばれ、それらそれぞれのマルチキャスト・アドレス112aから112dで、それらそれぞれのチャネルCH1からCH4に対してマルチメディア・プログラムを発信している。これらのプログラムは、それらそれぞれのマルチキャスト・アドレスに登録され、ここではユーザ・ホスト115aから115jとして示された、すべてのユーザ・ホストに向けて、マルチキャスト可能ルータ113によってインターネット110を介して伝送される、IPフレームに細分化される。ユーザ・ホストは、IPフレームを受信し、それらをハードウェアまたはソフトウェアのマルチメディア・プレーヤに対して処理可能な、任意のタイプのコンピュータ化デバイスとすることができる。これらは、マイクロ・コンピュータ、またはTVデジタル・セットトップ・ボックス、またはデジタルTVセット、または様々な配置構成の好適な手段およびソフトウェアとすることができる。
【0040】
ユーザ・ホスト115aから115jは、対応するフレームに関する正しいホスト・グループに登録され、マルチキャスト可能ルータ113によってインターネットを介してそれらに転送される。一般に、ユーザ・ホスト115aは、イーサネットLANなどのローカル・エリア・ネットワーク140aから140hを介して、ケーブル・モデムまたはADSLボックスなどのインターネット接続デバイス114aから114hに接続される。この接続デバイス114aは、LAN 140aとインターネット110または外部IPネットワークとの間のブリッジとして動作する。
【0041】
図1では、図示されたユーザは、以下のような異なるTVチャネルを受信および再生している。
−IPマルチキャスト・アドレス224.77.98.128を備えたCH1は、USER1、USER2、USER4、USER6、およびUSER8によって受信される。
−IPマルチキャスト・アドレス224.77.99.128を備えたCH2は、USER3およびUSER7によって受信される。
−IPマルチキャスト・アドレス224.77.100.128を備えたCH3は、USER5およびUSER10によって受信される。
−IPマルチキャスト・アドレス224.77.101.128を備えたCH4は、USER9によって受信される。
【0042】
マルチキャストIP接続
IPマルチキャスティングは、単一のIP宛先アドレス(すなわち登録先のマルチキャスト・アドレス)によって識別される、「ホスト・グループ」というゼロまたはそれ以上のホスト・セットへの、IPデータグラムの伝送である。マルチキャスト・データグラムは、正規のユニキャスト(すなわち固有の宛先を備えた)IPデータグラムと同じ「ベストエフォート(best-effort)」信頼性を備えた、その宛先ホスト・グループのすべてのメンバに送達される。
【0043】
ホスト・グループのメンバシップは動的であり、すなわち、ホストはいつでもグループに参加および離脱することができる。ホスト・グループ内のメンバの位置または数には制約がない。ホストは、ある時点で複数グループのメンバであることが可能である。ホストは、インターネット・グループ管理プロトコル(IGMP)を使用して、動的にグループに参加および離脱する。これは、IGMPv1に関してはRFC1112、およびIGMPv2に関してはRFC2236に定義されている。
【0044】
ここで、IPマルチキャスト動作のいくつかの不可欠な細部を示す。
−すべてのマルチキャスト・トラフィックは、224.0.0.0から239.255.255.255(224.0.0.0/4)の範囲内のクラスDアドレスに送信される。224.0.0.0から224.0.0.255(224.0.0.0/24)の範囲内のすべてのトラフィックはローカル・サブネット向けであり、ルータによって転送されることはない。マルチキャスト可能ルータは、224.0.0.1から239.255.255.255の範囲内のマルチキャスト・トラフィックを転送する。
−特定のマルチキャスト・アドレスはグループ・アドレスと呼ばれる。
−特定のグループ・アドレスのマルチキャスト・トラフィックを聴取するホスト・セットは、マルチキャスト・グループまたはホスト・グループと呼ばれる。マルチキャスト・グループ・メンバは、それらのユニキャスト・アドレスおよびグループ・アドレスへのトラフィックを受信することができる。マルチキャスト・グループは永続的または一時的とすることができる。永続グループには良く知られたグループ・アドレスが割り当てられる。永続グループの例は、224.0.0.1の良く知られたマルチキャスト・アドレス上のトラフィックを聴取する、全ホスト・マルチキャスト・グループである。永続グループのメンバシップは一時的であり、グループ・アドレスのみが永続的である。
−マルチキャスト・グループのサイズに、制限はない。
−マルチキャスト・グループのメンバがマルチキャスト・グループに参加および離脱できるタイミングに、制限はない。
−ホストが属することが可能なマルチキャスト・グループの数に、制限はない。
【0045】
IEEE 802.3マルチキャストMACアドレスへのIPマルチキャスト・アドレスに関するTCP/IPアドレス解決
データグラムは、インターネットまたは任意のタイプの他のIPネットワークを介して、IPプロトコルに従って構築されたフレームとして搬送される。こうしたIPフレームは、主に発信元および宛先のアドレスを備える。マルチキャスト・データグラムの場合、この宛先アドレスは、チャネルCH1のマルチキャスト・アドレス112a(224.77.98.128)などの、IPフォーマット化マルチキャスト・アドレスである。
【0046】
データ移送レイヤ上では、メディア・アクセス制御(MAC)プロトコルが使用される。MACプロトコルは、移動した物理ネットワークのトポロジに従って、ペイロード・データ(IPフレーム)をカプセル化する。一例として、インターネットのATM部分では、IPフレームはATMフォーマット化セル内に埋め込まれ、このセルは、埋め込まれたIPフレームのIPマルチキャスト・アドレスに対応するATMフォーマット化宛先アドレスも含む。
【0047】
IPフレームは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)内に到達すると、それらの前の移送フレーム(たとえばATMセル)から抽出され、当該LANのトポロジに従ってフォーマット化された新しい移送フレームに(宛先アドレスと共に)埋め込まれる。この新しい埋め込みの場合、IPフレームのMAC宛先アドレスは、当該LANに適合可能なアドレスへの解決プロセスを介して計算される。
【0048】
ユニキャスト通信では、データグラムは、1つのソース・デバイスから1つの宛先デバイスへと送信される。ネットワーク・レイヤ・アドレスの解決に直接マッピングまたは動的解決のどちらが使用されても、データグラムの所期の受信者が1人しかいない場合、アドレスの解決は比較的簡単である。TCP/IPは、ユニキャスト解決のみを宛先とするその動的解決スキームに、ARPを使用する。
【0049】
インターネット・プロトコルにおけるマルチキャストの場合、データグラムは複数の受信者宛に送信されなければならない。したがって、IPマルチキャスト・アドレスとMACレイヤでの宛先デバイスのアドレスとの間に、関係が確立されなければならない。
【0050】
通常、イーサネットLANセグメント上のネットワーク・インターフェース・カード(NIC)は、それらのバーンイン済み(burned-in)MACアドレスまたはブロードキャストMACアドレス宛に送られたパケットのみを受信することになる。いくつかの手段は、複数のホストが同じパケットを受信可能であり、依然としてマルチキャスト・グループ間で差異化可能であるように、考案されてきた。
【0051】
IEEE LAN仕様は、ブロードキャストあるいはマルチキャストまたはその両方のパケットの伝送に備えるものであった。IEEE 802.3標準では、第1バイトのビット0を使用して、ブロードキャストあるいはマルチキャストまたはその両方のフレームが示される。これは、前述のように、マルチキャスト・アドレスに割り振られるアドレス領域に対応する(224.0.0.0から239.255.255.255)。
【0052】
IPマルチキャスト・グループとデータ・リンク・レイヤ・マルチキャスト・グループとの間のマッピングを定義することにより、物理デバイスは、マルチキャスト・データグラムに注意を払わなければならないタイミングを知ることができる。
【0053】
最も一般的に使用されるマルチキャスト可能データ・リンク・アドレス指定スキームは、イーサネット・ネットワーク内でその仕様が最も良く知られた、IEEE 802アドレス指定システムである。これらのデータ・リンク・レイヤ・アドレスは48ビットを有し、24ビットの2つのブロックに配置構成される。上位24ビットは、個々の組織に異なる値が割り当てられる、組織的固有識別子(OUI)と呼ばれるブロックに配置構成され、下位24ビットは特定のデバイスに使用される。
【0054】
インターネット割り当て番号公社(IANA)自体が、マルチキャスト・アドレスをIEEE 802アドレスにマッピングするために使用するOUIを有する。このOUIは「01:00:5E」である。イーサネット用のマッピングを形成するために、このOUIに対して24ビットが使用され、(48の)25番目は常にゼロである。これにより、オリジナルの48のうち23ビットが、マルチキャスト・アドレスをコード化するために残される。マッピングを実行するために、マルチキャスト・アドレスの下位23ビットが、マルチキャスト・メッセージを送信するための「01:00:5E」で始まるイーサネット・アドレスの最後の23ビットとして使用される。このプロセスが図2に示され、この図は、IANAマルチキャストOUIアドレス250を備えた、IEEE 802.3の48ビット・マルチキャストMACアドレス260への、IPマルチキャスト・アドレス200の解決を示す。
【0055】
IPマルチキャスト・アドレス200は、インターネット・クラスDアドレスを表すビット文字列「1110」210と、それに続く28ビットのマルチキャスト・グループ・アドレス230とからなる。48ビットのマルチキャストIEEE 802(イーサネット)アドレス260を作成するためには、上位24ビットにIANAのマルチキャストOUI(01−00−5E)250が充填され、25番目のビットはゼロであり、マルチキャスト・グループの下位23ビットがMACアドレスの下位23ビットに入れられる。
【0056】
図1の例では、発信されたIPフレームは、インターネットを介して(たとえばATMセル内で)インターネット接続デバイス114aに向けて搬送される。ここでIPフレームはATMセルから抽出され、図2に見られるように、当該イーサネットLAN 140aによって使用されるMACフォーマット(IEE 802.3)に従って、MACフレームに埋め込まれる。
【0057】
発明の原理
図3から図4は、本発明に従った、以前に示したIPマルチキャスト・アドレス112a(224.77.98.128)上のサーバ111aから発信されるCH1 TVチャネルなどの、これらのTVチャネルのうちの1つをブロードキャストするためのアーキテクチャを示す。
【0058】
図3は、ユーザ・ホスト115aから115hがチャネルCH1のメイン・プログラムを再生している状態を表す。
【0059】
ユーザは、各接続で認証された場合、TVサービス・プロバイダによって、またはそれらのISPによって識別されるか、あるいは他の方法で管理される。ユーザは、たとえば、定義済みの社会的な職業カテゴリを含むか、または同じ興味の中心に関係する、広告グループなどの、同じターゲット・グループに関連付けられる際に従う、プロファイルに属してきた。この例では、USER1、USER2、USER4、USER6、およびUSER8は、以下の2つのグループに分配されるものと想定される。
−USER1、USER2、USER8を含むグループSG1、および
−USER2、USER6を含むグループSG2
【0060】
各ユーザ・ホスト115aから115hには、メイン・プログラムMCHマルチキャスト・アドレスで受信されたデータグラムの再生から、それ独自の広告グループに対応する広告プログラムSG1またはSG2マルチキャスト・アドレス121または122で受信されたデータグラムの再生へと、スイッチするための手段25aから25hが提供される。
【0061】
図4は、ユーザ・ホスト115aから115hが、同じメイン・チャネルCH1に関するそれら独自のそれぞれの広告プログラムSG1またはSG2を再生している状態を表す。
【0062】
CH1広告期間には、異なるマルチキャスト・アドレスに対応する異なるチャネルが伝送される。このケースでは、グループSG1はアドレス121(224.77.98.131)に関連付けられ、グループSG2はアドレス122(224.77.98.133)に関連付けられる。
【0063】
メイン・プログラムMCHから広告プログラムSG1またはSG2にスイッチするユーザ・ホスト115aから115hは、ユーザ・ホストに含まれるか、いくつかのデバイスを介して分散される、ソフトウェアあるいはハードウェアまたはその両方のメカニズムとして実装される、スイッチ手段25aから25hによって実現される。
【0064】
発明の詳細な説明
新しいIPマルチキャスト・アドレス構造
図5は、本発明に従った、マルチキャスト・アドレスを割り振るために提案された新しい構造を示す。
【0065】
この構造によれば、個別化された広告を伴うIP TVで使用されるマルチキャスト・アドレス500では、最初の4ビットb「1110」510が、「クラスD」IPアドレス、すなわちIPマルチキャスト・アドレスを定義する。
【0066】
続く5ビット520は、IPマルチキャスト・アドレスから計算される際に、MACフレームの宛先アドレス(MACアドレス)用に失われる。
【0067】
残りの23ビット530が、MACアドレスを構築するためにIPマルチキャスト・アドレスから採用される。これら23ビットにより、標準のIPマルチキャストにおいて223(2の23乗)アドレスが可能となる。これらの23ビット530のうちの一部が、サブグループ・アドレスをコード化するために使用されるものと定義されるため、通常は、メイン・プログラムに関してゼロに設定される。
【0068】
本発明の好ましい実施形態では、216(2の16乗)の異なるメイン・チャネルと、これらメイン・チャネルそれぞれについて2(2の6乗)のサブチャネルとを可能にする、図5に示された最下位7ビットなどのように、最下位ビットはサブグループ・アドレスのコード化用に使用される。
【0069】
このように、最終ビット550は、マルチキャスト・グループ・サブ・アドレスを示すために使用され、その先行6ビット540は、メイン・プログラム・アドレスに関連付けられるものとして使用されることになるサブ・アドレスを定義する。したがって、所与のチャネルおよび1つのメイン・プログラムについて、たとえば、興味の中心、対話性、または個別化された広告プログラム用に、2までのサブ・アドレス(64グループ)が使用可能である。
【0070】
この構造は、とりわけ、以下で提示するように、本発明で実施される多数の動作を簡略化または高速化することが可能であるため、興味深いものである。一例として、グループ・サブ・アドレスからのメイン・プログラム・アドレスの計算は、アドレスの最終の7ビットをゼロに設定するだけでよいため、かなり容易になる。
【0071】
本発明の好ましい実施形態によれば、図6は、前述のような、メイン・プログラムMCHからのデータグラム、ならびに、USER1のユーザ・ホスト115aで受信および再生される場合のTVチャネルCH1の広告プログラムSG1用のデータグラムの、コースおよび処理を概略的に示す。
【0072】
メイン・プログラムMCHの場合、データグラムは、IPフォーマット224.77.98.128の下での宛先アドレス112aを含むIPフレームとして、インターネットを介して搬送される。
【0073】
これらは、たとえば、ADSLモデムまたはルータ、あるいはケーブル・モデムまたはアドオン・カードなどの、インターネット接続デバイス114aによって受信される。ここで、IPフレームはMACフレームに埋め込まれ、それらの宛先アドレス112aは、MACフレームに挿入されたMACアドレス112am(01 00 5E 4D 62 80)に解決される。
【0074】
広告プログラムSG1の場合、データグラムは、IPフォーマット224.77.98.131の下での宛先アドレス121を含むIPフレームとして、インターネットを介して搬送される。
【0075】
SG1プログラム用のIPフレームは、同じインターネット接続デバイスによって受信される。ここでSG1 IPフレームはMACフレームに埋め込まれ、それらの宛先アドレス121は、対応するSG1 MACフレームに挿入されたMACアドレス121m(01 00 5E 4D 62 83)に解決される。
【0076】
ネットワーク・インターフェース・コントローラ
次にデータグラムは、MACフレームとしてネットワーク・インターフェース・コントローラまたはNICカードに伝送される。このNICは、それが属するデバイスによって受信されることになるデータグラムを識別して受け入れる。
【0077】
この実施形態では、MCHおよびSG1の両方のプログラムからのデータグラムがNICによって受け入れられ、IPレイヤに伝送される。
【0078】
データグラムは、ユーザ・ホスト115aに格納されたスイッチング・データを使用する論理動作を介して識別される。このユーザ・ホストは広告グループSG1に属するため、メイン・プログラム・マルチキャスト・アドレス112aから受信するデータグラムに加えて、広告グループSG1のマルチキャスト・アドレス121mからデータグラムを受信するように構成されたスイッチング・データを格納する。
【0079】
NIC処理の場合、スイッチング・データは、好ましくは、そのビットがXOR(排他的論理和)演算によって広告プログラム・アドレス121mの対応ビットに適用された場合、メイン・プログラム・アドレス112amを取得するように配置構成された、論理マスクを構成する一連のビットを備える。
【0080】
図6に示されたように、NICでこのスイッチング・データを使用することにより、MACフレームの宛先アドレス121m(01 00 5E 4D 62 83)は、この論理マスク(00 00 00 00 00 03)を介して、メイン・プログラムに関するMACフレームに対応する計算済み宛先アドレス(01 00 5E 4D 62 80)へと算出される。以下の図8に示されるように(ステップ865を参照のこと)、その後この計算済みアドレスはメイン・プログラム・アドレス112amと比較され、肯定の比較により、このフレームもIPレイヤに伝送可能であることが誘導される。
【0081】
AMCフレーム処理は非常に高速でなければならないため、ハードワイヤード論理回路を含むハードウェア・モジュールは、計算済みの宛先テスト・アドレスを取得するための好ましいソリューションである。
【0082】
NICは、データ・リンク制御レイヤ・レベルで受け入れたMACフレームを処理し、それらのペイロードを、宛先アドレス112aまたは121を伴うIPフレームとしてIPレイヤに向けて転送する。
【0083】
NIC:マルチキャスト処理の処理
図7に示されるように、NICスイッチング・データは「NIC_MulticastAddrTable」と呼ばれるデータ・テーブル770内に格納される。
【0084】
このテーブル770は、CH1(773)およびCH2からCH4(775)などの、異なるチャネルのメイン・プログラム(MCHなど)に対応する、マルチキャストMACアドレス771のリストを格納する。
【0085】
これらメイン・プログラム・アドレスはそれぞれ、関連付けられたチャネル(CH1など)に関するその個別化された広告グループ(SG1またはSG2など)のマルチキャスト・アドレス774aに対応する、関連付けられたマルチキャスト・サブ・グループ・アドレス・データ772を有することができる。これらの列では、わかりやすくするために関係IPアドレス773a、774aが注釈に示されているが、テーブルには格納されていない。
【0086】
テーブル770の各行(またはエントリ)について、第2の列772内のデータは、関係TVチャネルCH1のメイン・プログラムMCHに関連付けられたMACアドレス(112am;図6)を取り出すために、受信した宛先MACアドレス(121m;図6)でXORされることになるマスクを表す。
【0087】
前述の特定の区分化を使用する場合(図5を参照のこと)、当該マスクが、マルチキャスト・サブ・グループ・アドレスの最下位ビット、たとえば最下位7ビットである、最下位ビットを除き、ゼロに等しいすべてのビットを有することを意味する。
【0088】
テーブル内で、第1のエントリ773は、以前の例でCH1のアドレスである、アドレス224.77.98.128に対応する。関連付けられたマルチキャスト・グループ・サブ・アドレス224.77.98.131(グループSG1に関する広告アドレスである)に対応するマスクは、x「00.00.00.00.00.03」774である。このマスクは、MACアドレス01.00.5E.4D.62.83でXORされた場合、IPアドレス224.77.98.128に対応する01.00.5E.4D.62.80を与える。この方法により、異なるが関連付けられたアドレス(112amおよび121m)を有するフレームを受信すること、およびあたかも実際に同じアドレス(112am)を有するかのようにそれらを処理することが可能である。
【0089】
図8は、好ましい実施形態における本発明に関するように、それぞれの着信MACフレームに関するネットワーク・インターフェース・コントローラの受信器部分アルゴリズムを示す。
●ステップ805で、プロセスは搬送波検出が開始されるのを待つ。
●ステップ815で、搬送波検出が検出された場合、プロセスは、処理を開始し、バッファ内にデータを格納するために、フレームの開始を待つ。
●ステップ820で、データ部分ならびにヘッダを使用してCRCが計算される。当該計算済みCRCは、フレームに付加されていた受信されたCRCと比較される。両方のCRCが一致した場合、プロセスはステップ825へと続行され、一致しない場合、エラー・カウントが増分され(890)、フレームは廃棄される(895)。
●ステップ825で、フレーム・サイズに関するチェックが実行される。受信され、64バイト未満(46バイトのデータ)であるいずれのフレームも違法であり、「runt」と呼ばれる。ほとんどの場合、こうしたフレームは衝突に起因し、これらは不正な受信を示すが、正しく機能しているネットワーク上でも見られる場合がある。同様に、受信され、1518バイト(1500バイトのデータ)の最大フレーム・サイズを超えるいずれのフレームも、「giant」と呼ばれる。すべてのケース(runtフレームまたはgiantフレーム)においてサイズが有効でない場合、エラー・カウントが増分され(890)、フレームは廃棄される(895)。フレームのサイズが有効である場合、制御はステップ830に与えられる。
●ステップ830で、「DestAddr」と名付けられたローカル変数が、受信されたフレーム宛先アドレス(MACアドレス)で初期設定される。
●ステップ835で、宛先アドレスが、製造業者によって永続的にNIC製品に付加されるMACアドレスである「Burned−In Address(バーンイン済みアドレス)」(BIA)に等しいかどうかを検証するためのテストが実行される。宛先アドレスがBIAと一致する場合、受信したフレームはユニキャスト・データグラムとみなされ、レイヤ3(IPレイヤ)に転送され(845)、プロセスは、ステップ815で新しいフレームの受信を待つためにループする。
●ステップ840で、宛先アドレスがブロードキャスト・アドレスに等しいかどうかを検証するためのテストが実行される。宛先アドレスがブロードキャスト・アドレスと一致する場合、受信したフレームはレイヤ3(IPレイヤ)に転送され(845)、プロセスは、ステップ815で新しいフレームの受信を待つためにループする。一致しない場合、プロセスはステップ850へと続行される。
●ステップ850で、マルチキャスト・アドレスはより具体的に処理される。変数は、すべてのマルチキャスト・アドレスをスキャンするために初期設定される。ローカル変数「MulticastAddrCount」がテーブル「NIC_MulticastAddrTable」(770;図7)のサイズで初期設定され、インデックス「AddrIndx」がローカル変数としてゼロに等しく設定される。
●ステップ855で、少なくとも1つのマルチキャスト・アドレスがテーブル770に定義されているかどうかを判別するためのテストが実行される。マルチキャスト・アドレスが定義されていない場合、フレームは廃棄され(885)、プロセスは、新しいフレームの受信を待つためにループする(815)。一致しない場合、プロセスはステップ860へと続行される。
●ステップ860で、フレーム宛先アドレスの下位ビットが1に設定されているかどうかを判別するためのテストが実行される。設定されている場合、受信したフレームはマルチキャスト・グループ・サブ・アドレスを含み、制御はステップ865に与えられる。設定されていない場合、制御はステップ870に与えられる。
●ステップ865で、ローカル変数「DestAddr」は、受信したフレーム宛先アドレスとMulticastAddrTableの処理済エントリに対応するマスクとの間の排他的論理和(XOR)の結果である、計算済みアドレスに設定される。
【0090】
たとえば、グループSG1に属するユーザがCH1を視聴している場合、以下のようになる。
【表1】

【0091】
このケースでは、マルチキャスト・グループ・サブ・アドレス121m(または広告アドレス)に関連付けられたマスク774はx「00 00 00 00 00 03」である。このマスクを広告アドレス121mに適用することで、メイン・プログラムMCHに関するマルチキャスト・アドレス112amを与える。これらの手段により、ネットワーク・インターフェース・カードは、両方のMACアドレス(メイン112amおよび広告121m)を遮断することができる。宛先アドレスの下位ビットが1に設定されていない場合、プロセスはステップ870で続行される。
【0092】
●ステップ870で、おそらくはマルチキャスト・グループ・サブ・アドレスに関連付けられたマスクでXORされた受信したフレーム宛先アドレスが、マルチキャスト・アドレスと一致するかどうかを判別するために、「AddrIndx」カウンタ変数と「DestAddr」変数とを比較することによって、テストが実行される。一致する場合、受信したMACフレームはIPフレームに処理され、レイヤ3モジュール(IPレイヤ)に転送され(845)、プロセスは、ステップ815で新しいフレームの受信を待つためにループする。一致しない場合、変数AddrIndxは、テーブル770「NIC_MulticastAddrTable」の次のエントリを指示するように、1つだけ増分される(875)。
【0093】
●ステップ880で、テーブル770「NIC_MulticastAddrTable」の終わりに達しているかどうかを判別するために、「AddrIndx」カウンタ変数とテーブルのサイズ(MulticastAddrCount)とを比較することによって、テストが実行される。終わりに達している場合、着信するMACフレームは廃棄され(885)、プロセスは、新しいフレームの受信を待つためにループする(815)。終わりに達していない場合、テーブル・スキャン・プロセスは、ステップ860で新しい反復を続行する。
【0094】
このアルゴリズムを通じて、ネットワーク・インターフェース・コントローラでは、
LANに着信するMACフレームが受け入れられ、以下のいずれかと共に、IPレイヤへと処理される。
−メイン・プログラムMCHの場合は112am、または
−関係する個別化された広告プログラムSG1の場合は宛先MACアドレス121m
【0095】
したがって、NICは、メイン・プログラムと、ユーザ・ホスト115aが登録された(すなわちオンにした)チャネル専用の広告プログラムとのどちらの場合も、データグラムを受け入れ、処理して、IPレイヤへ伝送することになる。
【0096】
IPレイヤ
メイン・プログラムMCHの場合、データグラムは、IPフォーマットの下で宛先アドレス112a(224.77.98.128)と共に、IPフレームとしてIPレイヤに受信される。
【0097】
広告プログラムSG1の場合、データグラムは、IPフォーマットの下で宛先アドレス121(224.77.98.131)と共に、IPフレームとしてIPレイヤに受信される。
【0098】
次に、広告プログラムに対応する宛先アドレス、すなわち121(224.77.98.131)と共にIPレイヤに到達するフレームは、ユーザ・ホスト115aに格納されたスイッチング・データに従って修正される。このユーザ・ホスト115aは広告グループSG1に属するため、そのスイッチング・データは、広告グループSG1のマルチキャスト・アドレス121からデータグラムを受信するように構成される。
【0099】
IP処理の場合、スイッチング・データは、ユーザ・ホスト115aが属する広告グループSG1のIPマルチキャスト・アドレス121を表すIPフォーマット済みアドレスとして格納することができる。しかしながら、ソフトウェアまたはハードワイヤード回路で使用される論理マスクを、前述のようにNIC処理に使用することもできる。
【0100】
このスイッチング・データを使用して、IPレイヤ・モジュールで、フレームの宛先アドレス121m(01 00 5E 4D 62 83)が、メモリに格納されたスイッチ・データに照らしてチェックされる。フレーム内に見られる宛先アドレスがスイッチング・データによって識別されたグループ広告アドレスと同じである場合、フレームの宛先アドレスが、メイン・プログラムに対応する宛先アドレス112am(01 00 5E 4D 62 80)に置き換えられる。次に、修正されたデータグラムがIPレベルに関して処理され、たとえば、コンピュータのプレーヤ・ソフトウェアまたはデジタル・セットのプレーヤ・モジュールなどの、アプリケーション・レベルに伝送される。
【0101】
したがって、広告プログラムのデータグラムは、あたかもメイン・プログラム・マルチキャスト・アドレスから着信しているかのように、ユーザ・ホスト115aのプレーヤによって完全に受信および再生される。
【0102】
好ましい実施形態では、広告プログラムをメイン・プログラムに挿入するために、サーバ111aは、メイン・プログラムMCHに対応するメイン・プログラムMCHマルチキャスト・アドレス112aでのその発信を中断する。同時に、個別化された広告プログラムSG1、SG2の発信が同時に開始される。
【0103】
したがって、すべてのユーザ・ホスト115aから115hは、メイン・プログラムと広告プログラムとの間の干渉なしに、以前に再生していたメイン・プログラムMCHを、それらのグループ個別化広告SG1またはSG2に置き換える。
【0104】
マルチキャスト・アドレスのIP処理
図9に示されるように、スイッチング・データは「IP_MulticastAddrTable」と呼ばれるデータ・テーブル内に格納される。
【0105】
このテーブル900は、CH1(930)およびCH2からCH4(950)などの異なるチャネルのメイン・プログラム(MCHなど)に対応する、マルチキャスト・アドレス910のリストを格納する。
【0106】
これらメイン・プログラムのアドレスは、それぞれ、関連付けられたチャネル(CH1など)に関するその個別化された広告グループ(SG1またはSG2など)のマルチキャスト・アドレスに対応する、関連付けられたマルチキャスト・サブ・グループ・アドレス920を有することができる。
【0107】
図10は、好ましい実施形態における本発明に関するような、IPパケット処理(部分的)に関するアルゴリズムを示す。
●ステップ1000で、MACレイヤによる中断が生じた後に、プロセスに入る。
●ステップ1005で、受信したIPフレームのIP宛先アドレスがマルチキャスト・アドレス(b「1110」に等しい最初の4つの高位ビット)であるかどうかを判別するためのテストが実行される。マルチキャスト・アドレスでない場合、プロセスは再開される1060。
●IP宛先アドレスがマルチキャスト・アドレスである場合、受信したIPフレームのIP宛先アドレスがマルチキャスト・グループ・サブ・アドレス(すなわち、広告アドレス)であるかどうかを判別するために、他のテスト1010が実行される。これは、アドレスが偶数である(ゼロでの最終ビット)かどうかをチェックすることによって実行される。マルチキャスト・グループ・サブ・アドレスでない場合、プロセスは再開される(1060)。IP宛先アドレスがマルチキャスト・グループ・サブ・アドレス(図6の121など)である場合、プロセスはステップ1015で、IPマルチキャスト・アドレス・テーブル(900;図9)をスキャンするために続行される。
●ステップ1015で、すべてのIPマルチキャスト・グループ・サブ・アドレスをスキャンするために、変数が初期設定される。ローカル変数「IP_MulticastAddrTable」は、テーブル「IP_MulticastAddrTable」のサイズで初期設定され、インデックス「AddrIndx」がローカル変数としてゼロに等しく設定される。
●ステップ1020で、少なくとも1つのIPマルチキャスト・アドレス910が定義されているかどうかを判別するためにテストが実行される。IPマルチキャスト・アドレスが定義されていない場合、プロセスは再開される(1060)。定義されている場合、プロセスは1025へと続行される。
●ステップ1025の各反復で、IPフレームのIP宛先アドレス121が、テーブルIP_MulticastAddrTable900内のインデックスAddrIndxによって定義されたエントリに対応するIPマルチキャスト・グループ・サブ・アドレス940と一致するかどうかを判別するために、テストが実行される。
●アドレスが一致しない場合、変数AddrIndxは、次のIP_MulticastAddrTableエントリ950、960を指示するように、1つだけ増分され1030、ステップ1035に制御が与えられる。
●アドレスが一致する場合、処理済みフレームのIP宛先アドレス121は、テーブル900内のこのエントリに対応するIPマルチキャスト・アドレス930(すなわち、メイン・プログラムMCHのアドレス112a)によって置き換えられる(1040)。(図5に示された特定の区分化を使用する場合、IP宛先アドレスの下位7ビットがゼロに設定されることを意味する。)その後、プロセスは再開される(1060)。
●ステップ1035で、テーブル「IP_MulticastAddrTable」の終わりに達しているかどうかを判別するために、「AddrIndx」カウンタ変数とテーブルのサイズ(IP_MulticastAddrCount)とを比較することによって、テストが実行される。終わりに達している場合、プロセスは再開される(1060)。終わりに達していない場合、テーブル・スキャン・プロセスは、ステップ1025で新しい反復を続行する。
●ステップ1060で、IPパケットの処理が再開される。
【0108】
このアルゴリズムを通じて、IPレイヤ・モジュールでは、
−メイン・プログラム用の宛先アドレスで受信された任意のIPフレームが通常通り処理され、さらに
−テーブル900(IP_MulticastAddrTable)に格納された宛先アドレスで受信された任意のIPフレームが、その関係するメイン・プログラムMCHに対応する宛先アドレス112aでさらに処理されるように修正される。
【0109】
したがって、ユーザ・ホスト115aが、マルチキャスト・アドレス112a上に着信するすべてのデータグラムを再生するように構成された場合、マルチキャスト・アドレス112a(メイン・プログラムMCH用)および121(広告プログラムSG1用)の両方から着信するすべてのデータグラムが、このユーザ・ホストによって再生される。
【0110】
代替実施形態
代替実施形態では、スイッチング手段25aは、それぞれ関係ユーザ・ホスト115a、115bに特有のスイッチング・データに従って、メイン・プログラムMCHのアドレス112a、あるいは、広告プログラムSG1またはSG2のアドレス121または122のいずれかである、1つのマルチキャスト・アドレスからのみ、アプリケーション・レイヤにデータグラムを伝送する。このスイッチングは、一例として、NIC内またはIPレイヤ・モジュール内の望ましくないアドレスからのデータグラムをフィルタリングすることによって、実行可能である。
【0111】
スイッチングは、メイン・プログラムMCHのマルチキャスト・アドレス112a上で発信される特定の信号によって、トリガすることができる。スイッチングは、たとえばタイマから、またはユーザが視聴することからの、ユーザ・ホストの状態の分析によって、あるいは、マルチキャスト・アドレスのうちの1つから伝送されるデータの分析によっても、トリガすることができる。一例として、ユーザ・ホストがその個別化された広告マルチキャスト・アドレス121から着信するプログラム・データを検出した場合、スイッチングがトリガされ、メイン・プログラム・データは停止される。
【0112】
これにより、デフォルトの広告プログラムをメイン・プログラムのマルチキャスト・アドレス112a上で発信しながら、個別化された広告グループに分類されたユーザ・ホストに対してのみ、いくつかの異なる個別化された広告プログラムSG1、SG2を発信することが可能となる。
【0113】
さらに、スイッチング・データは、ユーザ・ホストの状態または条件に従って、たとえば時間または視聴者に従って、変更することができる。
【0114】
アプリケーション・レイヤ
IP TV視聴可能化アプリケーションは、通常、コンピュータまたはデジタルTVセット内で、あるいはアナログ方式のTVセットに接続された「セット・トップ・ボックス」(STB)と呼ばれるスタンドアロン型デバイス内で実行する、インターネット・ブラウザとすることができる。TVチャネルへの接続は、コマンドによって実行される。このインターネット・ブラウザは、以前のIGMPグループを「離脱」させ、次のIGMPグループに「参加」させる、「IGMP://url:port」などのコマンド、すなわちコマンドに指定されたチャネルをサポートする。
【0115】
好ましい実施形態では、このコマンドはマルチキャスト・グループ・サブ・アドレスをパラメータとして渡すように修正されるため、コマンドは以下のようになる。
「IGMP://TV_Channel_address/!Advertising_address」
【0116】
このコマンドの実行により、2つのIGMP「離脱」コマンドおよび2つのIGMP「参加」コマンドが生成されることになる。1つはメインTVチャネル・アドレス用であり、他方は広告チャネルに対応するマルチキャスト・グループ・サブ・アドレス用である。
【0117】
以上、本発明について、主に好ましい実施形態を参照しながら、具体的に図示および説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、形式および細部における様々な変更が可能であることを理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマルチキャスト・アドレス(112a)上でマルチキャストIPネットワーク(110)を介して受信され、少なくとも1つのユーザ・ホスト(115a)によって再生される、第1のマルチメディア・プログラムを、少なくとも1つの第2のマルチメディア・プログラムに自動的に置き換えるための方法であって、
−前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)とは異なる第2のマルチキャスト・アドレス(121、122)上で、前記マルチキャストIPネットワークを介して、前記少なくとも1つの第2のマルチメディア・プログラムを受信するステップと、
−前記少なくとも1つのユーザ・ホストの再生を、前記第1のマルチキャスト・アドレス上で受信された前記第1のマルチメディア・プログラムから、前記第2のマルチキャスト・アドレス上で受信された前記少なくとも1つの第2のプログラムへと、スイッチするステップであって、前記第2のマルチキャスト・アドレスは、スイッチ・データ(774a、940)を介して前記第1のマルチキャスト・アドレスにリンクされている、スイッチするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記スイッチ・データが前記ユーザ・ホスト(115a)に格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのユーザ・ホスト(115a)が、前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)を有する第1の複数のユーザ・ホストの第1のマルチキャスト・グループと、前記第2のマルチキャスト・アドレス(121、122)を有する第2の複数のユーザ・ホストの第2のマルチキャスト・グループとに、同時に属する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
−ユーザ側で、前記第1(112a)および第2(121)の両方のマルチキャスト・アドレス上で受信されるプログラム・データを、前記少なくとも1つのユーザ・ホスト(115a)の通信手段(NIC)によって、前記少なくとも1つのユーザ・ホストの再生手段に向けて伝送するステップと、
−発信者側で、
・前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)上で受信されるプログラム・データの流れを中断するステップと、
・前記第2のマルチキャスト・アドレス(121)上で受信されるプログラム・データの流れを送信開始するステップと、
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記再生手段に伝送される場合に、前記第2のマルチキャスト・アドレス(121)上で受信される前記プログラム・データを、前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)から着信するように見えるように修正するステップを、さらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
−第1(112a)および第2(121)の両方のマルチキャスト・アドレス上で受信されるIPフレームを、少なくとも1つのネットワーク・コントローラ(NIC)によってMACフレームに処理するステップと、
−前記MACフレームを少なくとも1つのIPレイヤ・モジュール(IP)に向けて転送するステップと、
をさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのIPレイヤ・モジュール(IP)に伝送される前記MACフレームを、それらの宛先アドレスを、前記第2のマルチキャスト・アドレス(121)から前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)へ、またはその逆に、修正するように処理するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スイッチ・データが、前記第2のマルチキャスト・アドレス(121)を前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)から計算するために、またはその逆に使用される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のマルチキャスト・アドレス(121)の計算に、前記第1のマルチキャスト・アドレス(112a)上の論理マスク(774)を適用するか、またはその逆に適用するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記計算するステップが、前記論理マスクのビットと、前記第1のマルチキャスト・アドレスからの対応ビットとを組み合わせるか、またはその逆の、XOR演算を実行するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スイッチ・データ(774)がハードワイヤード論理回路である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1のマルチキャスト・アドレス上でマルチキャストIPネットワークを介して受信され、複数のユーザ・ホスト(115aから115h)によって再生される、メイン・マルチメディア・プログラム(MCH)を、自動的に置換プログラム(SG1、SG2)に置き換えるための方法であって、
−ユーザ・ホスト(115a、115d、115h)の第1のグループの少なくとも1つのユーザ・ホストについて、前記メイン・マルチメディア・プログラム(MCH)を、第1のスイッチング・データに従って、第1の置換プログラム(SG1)に置き換えるための、請求項1から11のいずれか一項に従った方法を実行するステップと、
−ユーザ・ホスト(115b、115f)の第2のグループの少なくとも1つのユーザ・ホストについて、前記メイン・マルチメディア・プログラム(MCH)を、第2のスイッチング・データに従って、第2の置換プログラム(SG2)に置き換えるための、請求項1から11のいずれか一項に従った方法を実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
第1のマルチキャスト・アドレス(112a)上でマルチキャストIPネットワーク(110)を介して受信され、請求項1から11のいずれか一項に従った方法を使用するために構成された複数のユーザ・ホスト(115aから115h)によって再生される、メイン・マルチメディア・プログラム(MCH)に、ターゲットとされるプログラム(SG1、SG2)を挿入するための方法であって、前記ターゲットとされるプログラム(SG1、SG2)が、前記個々のユーザ・ホストのユーザの少なくとも1つの特徴に従って、個々のユーザ・ホストそれぞれについて選択され、前記ユーザそれぞれについて、
−前記少なくとも1つの特徴に従ってスイッチング・データを定義し、前記ユーザを、複数のユーザ・グループのうちの少なくとも1つのユーザ・グループに分類するステップと、
−前記スイッチング・データを、前記ユーザに対応する前記ホストに格納するステップと、
を含み、
発信者側で、前記ターゲットとされるプログラムを前記メイン・プログラムに挿入するために選択された所与のインスタントで、
−前記メイン・マルチメディア・プログラム(MCH)の発信を中断するステップと、
−前記ターゲットとされるプログラムを受信するための前記ユーザ・グループの前記スイッチング・データに対応するマルチキャスト・アドレス(121、122)上で、それぞれの選択されたターゲットとされるプログラム(SG1、SG2)を発信するステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に従った方法のステップを実行するように適合された手段を備える、システム。
【請求項15】
コンピュータ・システム上で実行された場合、請求項1から13のいずれか一項に従った方法のステップを実行するための命令を備える、コンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−527519(P2010−527519A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501450(P2010−501450)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050974
【国際公開番号】WO2008/122451
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】