説明

IPM搭載の太陽光インバータとその製造方法

【課題】製造の工程と工程の間に品質チェックが出来る工程区切りが可能である製品構造で,パワー半導体素子が放熱良好に接続されたIPM搭載の太陽光インバータの構造と製造方法。
【解決手段】隔壁で区切られ端子接続手段および太陽電池モジュールの出力リード線用端子手段を具備しパワー半導体素子が直付け搭載の放熱板が,絶縁枠体に絶縁間隔を空けて固着され、該絶縁枠体に絶縁物を充填してIPMが形成され、太陽電池モジュールの出力リード線を端子手段に接続した後に該接続部を絶縁物で充填して完成する太陽光インバータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,太陽光インバータの構造に関し,取り付け配線工事が容易な構造で高信頼性を確保して提供できる太陽光インバータとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,太陽電池セルを直列に接続した太陽電池モジュールを,所望の電圧を得るために直列接続し、さらにこの直流を交流に変換する太陽光インバータ設置工事現場において,工数を減らして工事時間が短縮でき,しかも信頼性が確保できる簡易な太陽光発電システムの具現化が望まれていた。
特許文献1の(段落0003)には次の記述がある。「従来の太陽光発電システムには構成機器が多く、設置に手間がかかり、小容量システムの場合にはコストも高くなる問題がある。太陽電池モジュールを増設する場合、インバータを出力の大きいものに交換する必要がある。このために、増設が容易に出来ない問題がある。」
【0003】
このため、軽量小型のインバータが渇望されていた。小型のインバータを実現する根本技術となるIPM(インテリジェントパワーモジュール)技術に関して、従来の「インテリジェントパワーモジュール」についての技術を開示した特許文献2がある。
特許文献2の図1を各部の記号も替えず其のままに図8としてこの明細書に示して説明すると、(段落0006)に、「まず金属板にセラミック板を設けた従来例の場合、前記セラミック板上に設けた金属膜厚みが約300〜500μmと非常に厚く、金属膜で制御部の回路配線を形成する場合、配線の微細化が困難であった」と記述されていて、同一金属板にインバータ部のパワーデバイスチップと制御部を搭載していた。
【0004】
特許文献2の(段落0013)に発明の内容として次の記載がある。「本実施例のインテリジェントパワーモジュールは、裏面に配線用の銅材よりなる金属膜3を300〜500μm厚で形成したセラミック板4が、銅板よりなる金属板1上の目的とする領域に、共晶半田などの低温半田2で固着され、前記セラミック板4上の目的とする領域に部分的に銅材よりなる金属膜5が300〜500μm厚で形成されている。金属膜3,5は微細配線を目的とせず、大電流対応を目的としているので、厚膜で形成されている。」さらに続けて「また、セラミック板4は600μm厚で形成されている。そして、金属膜5上にパワーデバイスチップ7a,7bが高温半田6で接合されている。パワーデバイスチップ7a,7bと他の金属膜5とがアルミニウムよりなる金属細線9で接続されている。セラミック板4上に搭載されたパワーデバイスチップ7a,7bにより、インバータ部10が形成されている。」の記載がある。
(段落0017)には、「なお、本実施例では、セラミック板4を形成している領域は、半分の領域としているが、領域はパワーデバイスチップ7a,7bの大きさ、数等により調整することが可能である。また、配線用の銅材よりなる金属膜3,5はセラミック板4に対してエポキシ系接着剤により接合されている。そして、金属細線9はアルミニウム線に限定するものではなく、金線でも適用できる。」と記述されている。
(段落0019)には、「本実施例のインテリジェントパワーモジュールのインバータ部10領域はセラミック板4を用いて厚膜の金属膜3,5を形成しているので、100A以上の大電流で動作しても対応でき、制御部11領域は樹脂基板14に金属膜を微細配線させているので、実装面積の縮小が図れる。」と記述されている。
以上の記載があるが、インバータ部10は、このセラミック板4が、金属板1上の目的とする領域に固着され、セラミック板4上の領域に金属膜5が300〜500μm厚で形成されてこの上にパワーデバイスチップが搭載されていて、インバータ部の電流が10アンペア級の場合はパワーデバイスチップの発熱量が大であるから,制御部11のデバイス8に悪影響を及ぼすので信頼性に欠ける危惧があった。セラミック板4は厚さ600μmと非常に厚く熱抵抗を引き下げる事が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】「特開平9−201061」公報。「発明の名称:太陽光発電システム」
【特許文献2】「特開平7−86497」公報。「発明の名称:インテリジェントパワー モジュール」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開平9−201061号の公報に記載されている従来の太陽光発電システムは構成機器が多く、設置に手間がかり、小容量システムの場合にはコストも高くなる問題がある。また、太陽電池モジュールを増設する場合、太陽電池モジュールの出力合計がインバータ出力よりも大きくなるとインバータを増設又は出力の大きなものに交換する必要がある。このため従来の構成のものでは太陽電池モジュール増設が容易にできない問題もあった。
【0007】
信頼性の不安要素を払拭し,品質が保証できるプロセスで製造できることが重要である。この為,製造の工程と工程の間に品質チェックができる「工程の区切り」が設定できるような製品構造で実現でき,コンパクトな製品であり,取り付け結線工事が容易な構造のインバータを安価に提供できる構造とすることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に関しては,上記課題を解決するために,製造の工程と工程との間に品質チェックができる「工程の区切り」が設定できるような製品構造を実現して,リード線用端子ゾーン,パワーモジュール(IPM)ゾーンが隔壁で区切られた絶縁性のボックス枠体を形成,製造工程の区切り毎に特性試験で完成度をチェックできる製造方法とした。
【0009】
放熱板に入出力接続手段を設ける工程,放熱板にパワー半導体素子を固着する工程,電気絶縁性のボックス枠体に対して,端子接続手段が形成された放熱板が絶縁間隔を保って固着またはインサート成型で取り付けられて放熱板を有する枠体を形成する工程,半導体素子素子間を接続する工程,放熱板のゾーンに絶縁物を充填して製品中間体Aを完成させる工程,該製品中間体Aの特性試験をする工程,太陽電池モジュールパネルに該製品中間体Aを固着する工程,太陽電池モジュール出力リード線を該放熱板のモジュールリード線用端子ゾーン内の端子接続手段に接続して,この製品中間体Bの段階で性能試験した後に,該接続部位を覆うように絶縁物を充填する工程を具備することを特徴とした,入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータの製造方法とした。
【0010】
請求項2に関しては、入出力端子接続手段を具備し,パワー半導体素子が固着された放熱板が,絶縁間隔を保って絶縁性ボックス枠体に固着され,放熱板および導電板に金属導帯で接続され,絶縁物が充填された絶縁性ボックス枠体と該放熱板とでパワーモジュールIPMを形成し、太陽電池モジュールパネルに固着され,太陽電池モジュールリード線が端子接続手段に接続され、該接続部位を覆う部位に絶縁物を充填されることを特徴とした、入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータとした。
【0011】
請求項3に関しては、パワーモジュール(IPM)が、パワー半導体素子が固着され且つ、多層印刷配線板または制御ICで形成された制御部を設けた放熱板と,絶縁性ボックス枠体とによって構成されたパワーモジュール(IPM)であり、前記パワー素子が絶縁物を介しないで直に放熱板に固着された構造を有するパワーモジュール(IPM)ゾーンの放熱板は、絶縁間隔を保って固着またはインサート成型で絶縁性ボックス枠体に取り付けられていて、放熱板にセラミック絶縁板を介せずにパワー半導体素子を直接に固着して熱抵抗を改善したことを特徴とする請求項2記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータとした。
【0012】
請求項4に関しては、太陽電池モジュールパネルの略中央部に熱伝導性の電気絶縁薄板を介して固着された構造である請求項2乃至3記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータとした。
【0013】
請求項5に関しては,リード線が半田付け可能なように端子接続手段が金属片で形成されたリセプタクル端子である,請求項2乃至4記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータとした。
【0014】
請求項6に関しては,放熱板の端部近傍に形成される端子接続手段が,挿入接続できる端子構造を有するリセプタクル端子である請求項2乃至4記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータとした。
【発明の効果】
【0015】
太陽電池モジュールパネルにこのIPM搭載インバータが固着され,太陽電池モジュールパネルがパワー半導体素子の放熱フィンとして作用するのでパワー半導体素子の温度上昇値を抑える効果がありIPMの信頼性が向上する。製作の中間製品段階で,品質チェックされやすい構造になっている。設置の際の外部接続端子へのケーブル接続工事が容易な構造になったので、工事完成度が向上し総合的な製品完成度が高まる,しかも据付工事費が格段に安くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明による実施の形態を図1に構造図で示して説明する。図1は一実施形態の回路と構造関連づけ説明図、図2は一実施形態の構造説明の平面図である。図1,図2によって説明する。絶縁性ボックス枠体17は例えばエポキシ系樹脂など絶縁体で形成され,太陽電池モジュールリード線用端子ゾーンDC1は,パワー半導体素子Q1,Q2をコレクタ電極C1,C2側で固着した第3放熱板ゾーン29と同一場所に位置している。太陽電池出力ケーブル用の正極端子ゾーン29と各ゾーンとが隔壁12で区切られて,端子接続手段T3が形成された,例えば厚み3ミリメートル銅板である放熱板AC1,AC2および放熱板DC1がインサート成形又は接着剤で該隔壁12に固着される。これら放熱板と導電板DC2が,約2mmの絶縁間隔20を保って取り付けられて,第1放熱板AC1の略中央部にパワー半導体素子Q3のコレクタ電極C3が半田付けされてパワー半導体素子Q1がQ3と電気的に直列に接続され、この接続点がインバータ出力端子T1につながる。パワー半導体素子の放熱板ゾーン27,28,29と負側導電板ゾーン30にシリコンゴムやエポキシ樹脂などの絶縁物を充填した製品中間体が,電気特性試験や温度・湿度環境試験で品質・信頼性が確認される。製品中間体となって製造工程の区切りとなる。
【0017】
図3は本発明による一実施形態,図2のC−C断面図であり放熱板DC1にパワー半導体素子Q1、Q2のコレクタ電極C1、C2が高温半田で固着されQ1とQ2が電気的に接続されている。ここで放熱板DC1に形成される端子接続手段T3は5アンペア以下の小電流用では,端子が挿入接続できるリセプタブル端子であり,これは電流が例えば6アンペアより大きい場合や接続箇所の接触抵抗を極端に小さくしたい場合は,入力・出力ケーブルの圧着端子がネジ止め可能なネジ穴構造を有するネジ端子台(図3のT3,T4)とすることが有効である。量産する場合には半田付け用の板金端子とすることが好適である。第2放熱板AC2の略中央部にパワー半導体素子Q4のコレクタ電極C4が半田付けされてパワー半導体素子Q2,Q4が電気的に直列に接続され、この接続点がインバータ出力端子T2につながる。
【0018】
パワー半導体スイッチング素子は通電中に発熱するが,信頼性向上の為その温度上昇値を低く抑えるように放熱板ゾーン27,28,29の底部21(C−C断面図)は,(少なくとも放熱板DC1が接する部位だけは)熱抵抗が小さくなるように厚さを薄く,例えば1mm以下に薄板部位を形成するか,または放熱板DC1,AC1が接する底部21の部位をくり貫いた形状に形成して,熱伝導性に優れた熱伝導性絶縁シート(サーマルシート)を放熱板DC1,AC1,負側導電板DC2に接着して水の浸入を防ぎつつ太陽電池モジュールのパネル裏の略中央部に固着する,このように大きい熱伝導手段を確保しているので,セラミックを介してパワー半導体を固着した従来の場合よりも安価であり熱抵抗が小さくなった。
【実施例】
【0019】
本発明による実施例の製造方法を図7に示した工程図よって説明する。第1放熱板AC1(交流リード線端子ゾーン)、第2放熱板AC2(交流リード線端子ゾーン)、第3放熱板DC1(直流リード線正端子ゾーン放熱板)、導電板DC2にそれぞれ端子接続手段T3、T4、T1,T2を設ける工程Step1,次にパワー半導体素子のコレクタ電極が各放熱板に高温半田によって固着される工程Step2,パワー半導体素子のエミッタ電極が各放熱板(または導電板DC2)に半田によって接続される工程Step3、各放熱板および導電板DC2を接着材などによって固着された絶縁性ボックス枠体17を形成する工程Step4,前記枠体17の半導体素子が半田付けされた放熱板ゾーン27、28、29と導電板ゾーン30にエポキシ樹脂などの絶縁物を充填する工程Step5,以上の工程を経て製品中間体Aが完成する。
【0020】
以上のような製品中間体Aは,耐湿度・耐振動など信頼性試験が出来る状態にあるので,ここで「工程に区切り」が設定できる。製品中間体の特性試験工程Step6を経て長期の耐温度変化・耐湿環境に耐えることを保証することが出来る。
【0021】
次に太陽電池パネルの裏面または側面に上記の製品中間体を接着やネジ止めなどの方法で固着して後,端子ゾーン22、23の端子接続手段T3,T4,に太陽電池モジュールリード線を接続して(製品中間体Bの)特性試験を経て接続部位に防湿の絶縁物を充填する。
【0022】
交流端子ゾーン27,28の端子接続手段T1、T2に,インバータ出力ケーブルを接続して(製品中間体Bの)特性試験を経て接続部位に防湿の絶縁物を充填する。
【0023】
このようにして製品中間体を得る毎に工程の区切りが設けられて試験工程で品質の確認が出来るから,最終工程によって試験結果が不良になっていた従来に比べて工程のロスがなくなるから総合コストが安価になる。
【0024】
図4は本発明による一実施形態の端子の引き出し方法と放熱板,DC1,AC1,AC2の絶縁配置の説明図であり,図1の回路図を実体配線図にしたもので図1のパワー半導体素子Q1,Q2,Q3,Q4を,それぞれ接続された側の電極がコレクタ側であるC1,C2とエミッタ側であるE3,E4に区別して図示してある。放熱板AC1,AC2,DC1や導電板DC2の先端部近傍にリセプタクル端子を固着したり該先端部近傍を穴加工して端子接続手段T1,T2,T3,T4を形成するのも有効である。
【0025】
第二の実施形態の構造図である図5,図6の場合は,端子T1乃至T4の端子形状として図のように放熱板を曲げた先端近傍をネジ穴式の端子とした,この方式は端子部分の投影下方に空間が出来るから,ここに制御部11を設ける空間が確保出来る利点がある。制御部11からパワー半導体素子の制御極G1,G3に金属細線9で接続する場合に配線が短く出来て輻射妨害が軽減できる効果がある。制御ICなどの制御部11を配置するには好適な空間が端子部分の投影下方空間である。
【0026】
図5,図6は本発明による第二の実施形態の説明の為の構造図である。絶縁性ボックス枠体17は例えばエポキシ系樹脂など絶縁体で形成され,太陽電池モジュールリード線の正極用端子接続手段T3は第3放熱板を上方に屈曲して伸ばし更に略直角に屈曲し水平面に伸ばしてこの部位に正極側端子T3を設ける。正極側端子T3の下部投影面はパワー半導体素子Q1,Q2を固着した第3放熱板であるが空間ができるので、この部分に制御部11が多層基板で占有面積を小さくして形成される,例えば厚み3ミリメートル銅板である放熱板DC1およびAC1、AC2の略中央部にパワー半導体素子Q1、Q2、Q3、Q4のコレクタ電極が半田付けされてパワー半導が搭載された近傍には40mm×30mm程度の多層印刷配線板の層内に微細部品が配置されて形成される制御部11が絶縁層を介して搭載され半導体素子Q1、Q2、Q3、Q4の制御極(ゲート電極)と制御部11の駆動パルス出力端子とが金属細線9で接続される。底面積40mm×30mm程度の多層の印刷配線板には駆動パルス出力信号を制御する回路やインバータ異常検出制御回路も搭載できる。制御部11を内蔵したパワー半導体素子のブリッジ回路を放熱板DC1およびAC1、AC2に搭載してインバータIPMとし,この端子手段T1,T2からインバータ出力電流10A程度の交流が太陽電池モジュールから取り出せる。太陽電池モジュールのパネル下面の有効な空間がインバータ設置場所として利用できるので、従来の据付型インバータの筐体設置の空間が確保困難の場合に設備費・工事費総合のコストが削減できて小規模設備の場合に有効である。制御ICを上記制御部11とすることも有効である。
【0027】
図6は本発明による第二の実施形態の説明の為の構造図である。絶縁性ボックス枠体17は絶縁体で形成され,太陽電池モジュールリード線の正極用端子接続手段T3は第3放熱板を上方に屈曲して伸ばし更に略直角に屈曲し水平面に伸ばしてこの部位に正極側端子T3を設ける。負極側端子T4は,金属導帯13aでエミッタ側から接続された負側導電板DC2を上方に屈曲し更に略直角に屈曲した水平面に設けたネジ穴端子とした構成の端子T4を形成した。負側導電板DC2の上面に制御部11を搭載しパワー半導体素子Q3,Q4の制御極G3,G4に制御部を金属細線)で配線した。パワー半導体素子Q1,Q2のエミッタ側と,パワー半導体素子Q3,Q4をコレクタ側で固着した放熱板AC1,AC2を夫々金属導帯13b,13cで接続しインバータ部10を形成した。隔壁12で放熱板DC1とAC1及びAC2とが絶縁された構造としたので,各放熱板にはパワー半導体素子が直付け可能となって熱抵抗が激減する効果が出た。図8の厚さ600μmのセラミック板の両面に金属膜を付ける高価な部材と工程が不要となった。
【0028】
図2のインバータIPMの放熱板ゾーン27,28,29,30にシリコンゴムやエポキシ樹脂などの絶縁物を充填した製品中間体が,電気特性試験や温度・湿度環境試験で品質・信頼性が確認される。図7の工程図ステップ5の製品中間体Aとなって製造工程の区切りとなる。図3の端子ゾーン22の底部21には太陽電池モジュールのリード線や外部配線のケーブルが導入できる寸法の貫通孔を設けることも有効である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
製造の工程と工程との間に品質チェックができる「工程の区切り」が設定できるような製品構造で実現し,取り付け配線工事が容易な構造で高信頼性を確保して安価に提供することが出来、太陽電池モジュールの増設が容易になったので,産業上の貢献度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による一実施形態の回路と構造関連づけ説明図
【図2】本発明による一実施形態の構造図
【図3】本発明による一実施形態の断面図
【図4】本発明による一実施形態の端子引き出し説明図
【図5】本発明による第二の実施形態の構造図
【図6】本発明による第二の実施形態の構造図
【図7】本発明による一実施形態の工程図
【図8】従来のインバータ用IPMの構造図
【符号の説明】
【0031】
1 金属板
2 低温半田
3 金属膜
4 セラミック板
5 金属膜
6 高温半田
7a,7b パワー半導体(スイッチング)素子
8a,8b 制御用デバイス
9 金属細線
10 インバータ部
11 制御部
12 隔壁
13,13a ,13b 13c ,13d 金属導帯
14 樹脂基板
16 外部接続端子
17 絶縁性ボックス枠体
18 第1の充填用絶縁物
19 第2の充填用絶縁物
20 絶縁間隔
21 底部
22,23 端子ゾーン
27 第1放熱板ゾーン(交流端子ゾーン)
28 第2放熱板ゾーン(交流端子ゾーン)
29 第3放熱板ゾーン(正極端子ゾーン)
30 負側導電板ゾーン(負端子ゾーン)
AC1 第1放熱板
AC2 第2放熱板
DC1 第3放熱板
DC2 負側導電板
T1 端子接続手段(インバータ出力、交流側)
T2 端子接続手段(インバータ出力、交流側)
T3 端子接続手段(太陽光パネル出力、直流正極側)
T4 端子接続手段(太陽光パネル出力、直流負極側)
C1〜C4 パワー半導体(スイッチング)素子のコレクタ
G1〜G4 信号端子(制御リード線用端子)
P 制御用デバイス
Q1〜Q4 パワー半導体(スイッチング)素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱板に入出力端子を設ける工程,パワーモジュール(IPM)を構成するパワー半導体素子を放熱板に固定する工程,半田付け接続する工程、隔壁で区切られたゾーンを有する絶縁性ボックス枠体に,端子接続手段が形成された放熱板または導電板が放熱板と絶縁間隔を保って固着されてパワー半導体素子間を接続する工程,各ゾーンに絶縁物を充填して製品中間体を完成させる工程、該製品中間体の特性試験をする工程,太陽電池モジュールパネルに該製品中間体を固着する工程、太陽電池モジュールリード線を端子接続手段に接続して試験する工程,該接続部位を覆う絶縁物を充填する工程を有することを特徴とした、入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータの製造方法。
【請求項2】
入出力端子接続手段を具備し、パワー半導体素子が固着された放熱板が、絶縁間隔を保って絶縁物に固着された放熱板及び導電板に金属導電帯で接続され、絶縁物が充填された絶縁性ボックス枠体とによってパワーモジュール(IPM)が構成され、太陽電池モジュールパネルに固着され,太陽電池モジュール出力線が端子接続手段に接続され、該接続部位を覆う部位に絶縁物が充填されることを特徴とした、入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータ。
【請求項3】
パワーモジュール(IPM)が、パワー素半導体子が固着され且つ、制御部が形成された放熱板及び絶縁物が充填された絶縁性ボックス枠体とによって構成されたパワーモジュール(IPM)であり、前記パワー半導体素子が絶縁物を介しないで直に放熱板に固着され熱抵抗が改善された構造を有することを特徴とした、請求項2記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータ。
【請求項4】
太陽電池モジュールパネルの略中央部に熱伝導性の電気絶縁薄板を介して固着された構造である請求項2乃至3記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータ。
【請求項5】
放熱板に形成される端子接続手段が,半田付け可能な金属片で形成されたリセプタクル端子である請求項2乃至4記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータ。
【請求項6】
放熱板に形成される端子接続手段が,挿入接続できる端子構造を有するリセプタクル端子である請求項2乃至4記載の入出力端子付きIPM搭載の太陽光インバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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