説明

IRカットフィルタフィルム

【課題】可視光領域において高い透過性を有し、かつ、赤外光領域において高い反射率を有する透明なIRカットフィルタフィルムを提供すること。
【解決手段】本発明のIRカットフィルタフィルム1は、光透過性を有するフレキシブル基板11と、フレキシブル基板11上に配置され、反射性材料で構成されたホールアレイ12と、フレキシブル基板11との間でホールアレイ12を挟み込むように設けられたカバー層13とを備え、フレキシブル基板11の誘電率とカバー層の誘電率とが概略一致することを特徴とする。また、ホールアレイ12は、各ホール14間の間隔Pは250nm<P<400nmの平均間隔を有し、ホール14の直径Dは各ホール14間の間隔Pに対して0.7<D/P<0.85の範囲であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外光を遮蔽するIRカットフィルタフィルムに関し、特に、ホールアレイを用いたIRカットフィルタフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅やビルの室内、自動車の車内に流入する太陽光線の熱線領域を遮蔽して、熱暑感の低減、および冷房機器の負荷の低減を図る熱線遮断ガラスの要求が高まってきている。特に自動車や窓ガラスの壁面占有率が大きい建物では、太陽光線の室内への入射量が大きく、夏の間の室温上昇は著しいものがある。この室温上昇を抑制して適温化するためには、エアコンの出力を高める必要があるため、エネルギー消費量も非常に大きいものとなる。自動車の場合にもエアコンの出力を高めるため、ガソリン消費量や排気ガス放出量が多くなる。さらに、寒冷地では冬季に暖房による熱が窓ガラスを通して室外に散逸してしまい、余分な暖房エネルギーを必要とすることになり、省エネという観点から好ましくない。
【0003】
上記のような問題の解決を図るために、窓ガラスの表面に熱線反射膜を設けて、室内あるいは車内の温度上昇を抑制する試みや寒冷地の冬季の暖房熱を逃がさない試み等がなされている。
【0004】
太陽光は紫外域から赤外域まで幅広いスペクトルを持っており、可視光領域は太陽光の約45%を占める。赤外光については、太陽光の約50%を占める。この領域の光エネルギーは紫外線と比較すると、その強さは約10%以下と小さいが熱的な作用は非常に大きく、物質に吸収されると熱として放出され温度上昇をもたらす。このことから熱線とも呼ばれ、これらの光線を遮蔽することにより、室内の温度上昇を抑制することができる。また、寒冷地の冬季の暖房熱が室外に逃げるのを抑制することもできる。
【0005】
単一の材料で熱線を反射するものとしては、金属や錫をドープしたインジウム(ITO)をはじめとする導電性物質がある。これらの物質では、ある程度以上の自由電子密度を有し、この自由電子によるプラズマ反射により、ある波長以上の長波長の光を反射して、短波長の光を透過するという性質を持っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−179887号公報
【特許文献2】特開平10−120946号公報
【特許文献3】特開2000−314808号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Ebbesen et al, Nature 391, 667, 1998
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最も一般的な熱線反射膜は、主として直接太陽光の遮蔽に的を絞ったものであり、蒸着やスパッタリングでガラス上に金属の薄膜を形成してなるものである。しかしながら、より多くの熱を遮蔽するには金属膜を厚くしなければならず、その結果、必ずしも十分な透明性が得られない問題がある(特許文献1)。
【0009】
また、透明性を重視する場合には、プラズマ反射の立ち上がりが近赤外域にある半導体、例えば錫をドープした酸化インジウム(ITO)を形成したもの(特許文献2)や、屈折率の異なる酸化物薄膜を複数層積層してなる積層膜が開示されている(特許文献3)。しかしながら、これらの熱線反射膜を大面積に形成する場合には、製造コストが高くなるという問題があった。また、用途や顧客の要望に応じて透過・反射特性を自由に設計変更することが難しく、構成材料の制約を受けることが多かった。
【0010】
一方で、金属の薄膜上にナノオーダーの小さい孔を空けると、孔の直径以上の波長の光が回折限界を超えて透過するという表面プラズモンによる異常透過現象が報告されている(非特許文献1)。この異常透過現象を応用したカラーフィルタなども多々報告されている。
【0011】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、可視光領域において高い透過性を有し、かつ、赤外光領域において高い反射性を有するIRカットフィルタフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のIRカットフィルタフィルムは、光透過性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられ反射材料で構成されたホールアレイと、前記フレキシブル基板との間で前記ホールアレイを挟み込むように設けられたカバー層とを備え、前記フレキシブル基板の誘電率と前記カバー層の誘電率とが概略一致することを特徴とする。
【0013】
本発明のIRカットフィルタフィルムにおいては、前記ホールアレイは、表面プラズモン効果を利用できる反射材料で構成されており、各ホール間の間隔Pが250nm<P<400nmの範囲であることが好ましい。
【0014】
本発明のIRカットフィルタフィルムにおいては、前記ホールアレイは、ホールの直径Dが各ホール間の間隔Pに対して0.7<D/P<0.85の範囲であることが好ましい。
【0015】
本発明のIRカットフィルタフィルムにおいては、前記反射性材料は、表面プラズモン効果を利用できる材料である、Al、Al合金、Ag、およびAg合金の少なくとも1種類を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のIRカットフィルタフィルムは、光透過性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられ反射材料で構成されたホールアレイと、前記フレキシブル基板との間で前記ホールアレイを挟み込むように設けられたカバー層とを備え、前記フレキシブル基板の誘電率と前記カバー層の誘電率とが概略一致するので、可視光領域において高い透過性を有し、かつ、赤外光領域において高い反射性を有するIRカットフィルタフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るIRカットフィルタフィルムの一例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るIRカットフィルタフィルムの一例を示す平面模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るIRカットフィルタフィルムの他の例を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るIRカットフィルタフィルムの一例を示す断面模式図であり、図2は本発明の実施の形態に係るIRカットフィルタフィルムの一例を示す平面模式図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係るIRカットフィルタフィルム1は、透明なフレキシブル基板11と、このフレキシブル基板11上に形成され反射材料で構成されたホールアレイ12と、ホールアレイ12上に設けられたカバー層13とから主に構成されている。
【0020】
図2に示すように、ホールアレイ12は、光を透過する複数の貫通孔(ホール)14を有する。各ホール14は、所定の直径Dで形成されており、所定の間隔P(ピッチ)で設けられている。カバー層13は、ホールアレイ12のホール内部14aを埋めると共に、ホールアレイ12の上面を覆うように、フレキシブル基板11の上面側に形成されている。カバー層13は、フレキシブル基板11と概略同一の誘電率を有する材料で構成される。
【0021】
このように、本実施の形態に係るIRカットフィルタフィルム1は、ホールアレイ12をフレキシブル基板11とカバー層13とで挟み込む構造を有する。このように構成することにより、フレキシブル基板11とホールアレイ12との間の2つの誘電率の組み合わせ(誘電率差)と、ホールアレイ12とカバー層13との間の2つの誘電率の組み合わせ(誘電率差)が概略同一となる。このため、フレキシブル基板11とホールアレイ12との間の界面で生じる表面プラズモンと、ホールアレイ12とカバー層13との間の界面で生じる表面プラズモンと、が可視光領域において同じ波長帯域となるため、2つの界面で生じた表面プラズモンが合成される。したがって、可視光領域において高い透過性を有し、かつ、赤外光領域において高い反射性を有するIRカットフィルタフィルム1を実現することができる。
【0022】
フレキシブル基板11を構成する材料としては、可視光領域で実質的に透明な樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂が挙げられる。特に、複屈折が極めて小さいトリアセチルアセテート樹脂からなる基板が特性上好ましい。また、PET樹脂やポリカーボネート樹脂からなる基板は安価でかつ耐候性も良好であるので好ましい。
【0023】
ホールアレイ12は、赤外光領域に対して反射性を示す材料であり、表面プラズモン効果が利用できる材料で構成されていることが好ましい。このような材料としては、Al、In、Sn、Sb、Bi、Cu、Ag、Au、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Pd、Ptなどの金属や、これらの合金、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、酸化錫、ニオビウム添加酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化イリジウムなどの導電性酸化物を用いることができる。特に、Al、Al合金、Ag、Ag合金は、赤外光領域の反射性および表面プラズモン効果が高いので好ましい。
【0024】
ホールアレイ12は、そのホール14の直径Dおよび各ホール14間の間隔Pを所定の値に設定することによって、赤外光領域は反射し、可視光領域は透過させることができる。好ましい各ホール14間の間隔Pは250nm<P<400nmであり、好ましいホール14の直径Dは、0.7<D/P<0.85の間の値をとることが好ましい。
【0025】
上記のホールアレイ12の形状の場合、可視光である380nm〜780nmの透過率の最大値は75%以上を維持しつつ、1200nm以上の赤外光の反射率の最低値は50%以上を有するIRカットフィルタ機能を有するIRカットフィルタフィルム1が得られる。
【0026】
ホールアレイ12は、真空蒸着やスパッタリングなどの方法で形成することが出来る。ホールアレイ12は、基板の平滑表面にAl膜を形成した後に、Al膜をホールアレイ状にパタニング加工することによって得ることができる。
【0027】
なお、図2に示したIRカットフィルタフィルム1においては、正方格子の格子点上に各ホール14を周期的に配置した例について説明したが、ホールアレイ12の各ホール14の配置はこれに限定されず適時変更可能である。例えば、図3に示すように、平面視において、三角格子の格子点上に各ホール14を周期的に配置してもよい。また、各ホール14は所定の周期で配置されていれば、特に限定されるものではなく、図2および図3に示した例以外の配置でも良い。また、各ホール14の形状についても、円形のみで限定されるものではなく、矩形、台形、方形、半円状などの正弦波上、さらにはこれらを組み合わせた形状でも良い。形状については特に円形が好ましい。
【0028】
カバー層13は、空気中の水分との接触、手で触ったときの油脂や塩分などによる腐食、取扱い中や通常の使用中に受ける傷などから保護する目的でカバー層13がホールアレイ12の内部、およびホールアレイ12のフレキシブル基板11と対向する面側に設置されることが好ましい。
【0029】
本実施の形態に係るIRカットフィルタフィルム1は、表面プラズモン効果を利用するものであり、表面プラズモン効果がより強調されて発揮されるためには、ホールアレイ12の上下面を概略同一の誘電率を有する物性で挟むのがよい。このため、カバー層13は、フレキシブル基板11と概略同一の誘電率を有する物性の材料で構成されることが好ましい。
【0030】
本実施の形態に係るIRカットフィルタフィルム1においては、フレキシブル基板11の誘電率S1と、カバー層13の誘電率S2とが、下記関係式(1)で示す範囲で一致することが好ましい。誘電率S1、S2が、下記関係式(1)に示す範囲であればフレキシブル基板11とホールアレイ12との間で生じる表面プラズモンと、ホールアレイ12とカバー層13の間で生じる表面プラズモンとの波長帯域が重なるため、透過率が向上し、波長帯域を広くすることができる。
−0.1<(S1)1/2−(S2)1/2<0.1…式(1)
【0031】
カバー層13を構成する材料としては、フレキシブル基板11を構成する材料と同様、可視光領域で実質的に透明な樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。特に、複屈折が極めて小さいトリアセチルアセテート樹脂からなる樹脂が特性上好ましい。
【0032】
なお、本実施の形態において、フレキシブル基板11及びカバー層13に用いる材料は、上記誘電率の範囲を満足するものであれば構わないが、各々の材料が同一であることがより好ましい。
【0033】
以上のように、本発明によれば、可視光領域において高い透過性を有し、かつ、赤外光領域において高い反射率を有するIRカットフィルタフィルム1を得ることが可能となる。さらに熱線を反射する機能を有するホールアレイ12は無機物であるので、熱や光に対する耐久性に優れている。
【0034】
次に本発明の効果を明確にするために行った本発明の実施例について説明する。図1に示したIRカットフィルタフィルム1の構成において、フレキシブル基板11として厚さ100μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用い、ホールアレイ12としてアルミニウム(Al)を用いた。カバー層13としては、フレキシブル基板11とほぼ同じ誘電率を持つ樹脂を使用した。また比較のためにカバー層13が有るサンプルと無いサンプルを作製した。なお、ホールアレイ12の配置は、図3に示したような三角格子の配置とし、各ホール14間の間隔は300nmとし、ホールアレイ12の高さ(厚さ)は70nmとした。
【0035】
以下に、このIRカットフィルタフィルム1の製造方法を説明する。
まず、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(フレキシブル基板11)の表面にアルミニウム膜を70nmの膜厚になるようにスパッタリングで形成する。次いで、このアルミニウム膜の表面にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法を用いてホールアレイ12のレジストパタンを形成する。次に、アルカリ性水溶液を用いたウエットエッチングにより、レジストパタンから露出している部分のアルミニウムを除去し、残存するレジストは薬液によって溶解除去してホール14を形成する。最後に、フレキシブル基板11と同じ誘電率を有する樹脂で塗布してカバー層13を約100nm程度の厚さで形成し、各ホール14間の間隔が300nmのホールアレイ12を有するIRカットフィルタフィルム1を得た。
【0036】
まず、各ホール14間の間隔が300nmであり、ホール14の直径DがD/P=0.7の値を満たすようなIRカットフィルタフィルム1を作製し、カバー層13が有るサンプルと無いサンプルとの比較を行った。カバー層13有りのサンプルに対して、カバー層13無しのサンプルは最大透過率が約20%減少し、またスペクトルの半値幅も約50%狭くなることが確認された。この結果より、カバー層13無しの構成では本発明に係るIRカットフィルタフィルム1の特性である可視光領域において広い高い透過性を有することができないことが分かる。これはカバー層13が無いことによる、空気層とホールアレイ12との間で生じた表面プラズモンの波長帯域と、フレキシブル基板11とホールアレイ12との間で生じた表面プラズモンの波長帯域とが異なるためである。
【0037】
表1は、各ホール14間の間隔Pを固定して、ホール14の直径Dを変化させた際の可視光領域での透過率の最大値と赤外光領域での反射率の最小値を表したものである。
【0038】
【表1】

【0039】
同様に、各ホール14間の間隔Pを200nm〜500nmまで約50nm刻みで変化させたフィルムを作製した。この際のホール14の直径Dは、D/Pが約0.7の値を満たすようにしてフィルムを作製した。また、ホールアレイ12の高さは70nmとした。なお、ホールアレイ12の配置は図3のような三角格子の配置とした。
【0040】
表2は、各ホール14間の間隔Pを200nm〜500nmまで変化させた際の可視光領域での透過率の最大値と赤外光領域での反射率の最小値を表したものである。このように本発明に係るIRカットフィルタフィルムは、可視光領域において高い透過性を有し、かつ、赤外光領域において高い反射性を有する。
【0041】
【表2】

【0042】
本発明は上記実施の形態に限定されず、寸法、材質は例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のIRカットフィルタフィルムは、可視光透過率が高く、かつ、赤外光反射率が高いため、熱線遮断用途に適する。
【符号の説明】
【0044】
1 IRカットフィルタフィルム
11 フレキシブル基板
12 ホールアレイ
13 カバー層
14 ホール
14a ホール内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられ反射材料で構成されたホールアレイと、前記フレキシブル基板との間で前記ホールアレイを挟み込むように設けられたカバー層とを備え、前記フレキシブル基板の誘電率と前記カバー層の誘電率とが概略一致することを特徴とするIRカットフィルタフィルム。
【請求項2】
前記ホールアレイは、表面プラズモン効果を利用できる反射材料で構成されており、各ホール間の間隔Pが250nm<P<400nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載のIRカットフィルタフィルム。
【請求項3】
前記ホールアレイは、ホールの直径Dが各ホール間の間隔Pに対して0.7<D/P<0.85の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIRカットフィルタフィルム。
【請求項4】
前記反射性材料は、表面プラズモン効果を利用できる材料である、Al、Al合金、Ag、およびAg合金の少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のIRカットフィルタフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−232384(P2011−232384A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99861(P2010−99861)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】