IVカテーテル導入器
【解決手段】IVカテーテル導入器は、ハウジングとIVカテーテルアセンブリの間に配置される弾性グロメットを有し、弾性グロメットは、使用前の搬送と取り扱いの間、ハウジングからIVカテーテルアセンブリの不意の分離を防ぐことを助ける。さらに、弾性グロメットは、針のガイドとしての役割を果たし、ハウジングとIVカテーテルアセンブリを同軸上に整列させることを助け、IVカテーテル導入器の上側を特定し、グロメットとハウジング間の適切な回転アライメントを提供する。更に、弾性グロメットは、カテーテルアセンブリとグロメットから針を引き抜くの間、針から流れた血液を拭い、針の引抜き後、カテーテルハブの外側に血液が流れることを防げ、カテーテルの挿入と針の引抜き後、使用者がIVカテーテルアセンブリからハウジングを分離することを手助けする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年4月18日に出願された米国特許出願第12/148,440号の一部継続出願である。米国特許出願第12/148,440号は、2005年1月25日に出願され、放棄された米国特許出願第11/042,941号の継続出願である。米国特許出願第11/042,941号は、2001年10月26日に出願され、2005年3月29日に米国特許第6,872,193号として発行された米国特許出願第10/047,662号の継続出願である。
【0002】
本発明は、カテーテルを患者の体内に挿入するのに用いられる引込み可能な針を有する医療器具に関し、特に流体を静脈内に搬送することに関する。本発明は、針の引抜き時に血液がこぼれる可能性を減らし、医療従事などが針刺しで傷つく可能性や病原性感染を被る可能性を減らす。
【背景技術】
【0003】
静脈内(“IV”)カテーテル挿入器具は周知である。流体を静脈内へ搬送するために、カテーテルが患者に挿入される場合、カテーテルを通る使い捨ての針が血管を刺すのに用いられて、カテーテルが血管に入る。次に針が引き抜かれると、カテーテルは所定の場所に残されて、IVバッグ又はボトルと接続し、又は後の使用のために封がなされる。
【0004】
近年、HIVや肝炎のような血液感染性の病原体が蔓延している為、ごみ、洗濯物、又は使用された針を含むその他の廃棄物を取り扱う医療関係者や他の従業者の偶発的な針刺しの怪我を防止する要求が、カテーテル導入器に対して大きくなっている。その結果、使用後に針を引き込む特殊な針カバー又は機構を組み合わせた新製品が設計されている。そのような器具は、例えば、米国特許第4,747,831号、4,828,548号、5,129,884号、5,501,675号、5,746,215号、5,817,058号、5,989,220号、6,083,202号、6,090,078号、及び6,096,005号に開示されている。幾つかの従来技術である器具は、多数の複雑な部品を有しているので、製造コストを大幅に増加させ、針が患者内に適切に挿入されたときに、使用者がそれを感じる能力を妨げている。他の装置は両手での操作を必要とし、又は配送、収納及び取扱い時に、針を時期尚早に引き込み易い。
【0005】
更に最近、本件出願が優先権を主張する米国特許第6,872,193号が、本願の出願人に対して発行された。この特許された装置に対する多くの利益や利点が開示されているにもかかわらず、出願人は、米国特許第6,872,193号で特許されている共通の特徴を有する新しい装置を発明しただけでなく、更なる構造的構成要素を具体化した。新しく加えられた構成要素は、以前の発明の装置を用いて達成される利点を超えた更なる機能上の利点を実現可能とする。
【0006】
既に開示されているIVカテーテル導入器と同様に、ここで開示される新しい機能を備えた装置は、経済的に且つ素早く確実に製造でき、針を時期尚早に引き込まず、片手で取り扱うことができ、利用者などを、事故による突き刺しや血液感染性病原体から防ぐことができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施例によれば、ここで新たに開示されたIVカテーテル導入器は、ハウジングと、一端がハウジング内に摺動自在に挿入可能なプランジャと、該プランジャの前方に延びる部分に取付け可能な筒状針ホルダを有する針アセンブリと、IVカテーテルアセンブリと、ハウジングとIVカテーテルアセンブリとの間に配置される弾性グロメット(elastomeric grommet)とを備えることが好ましい。弾性グロメットは、ゴム製が好ましく、使用前の搬送や取り扱いの間、IVカテーテルアセンブリのハブがハウジングから分離しないように維持し、上方に延びるタブを提供することが好ましい。タブは、針の先端面に対して装置の上側を特定し、静脈にカテーテルを挿入する際やグロメットとハブからハウジングを分離する際に、指の圧力を加えるために用いられる。弾性グロメットは、組立時に針によって貫通される薄いウェブを有している。該ウェブは、針の引き抜き中に針の外側表面から血液を拭い、針の引抜き後やハブを他の装置に接続する前に、カテーテルハブやグロメットの外側への血液の流れを妨げる。
【0008】
本発明の他の実施例では、本発明のIVカテーテル導入器は、上述の特徴を備えており、それら特徴は、使用後にハウジングとプランジャアセンブリに針を引き戻す引戻しバネと組み合わされる。引込み可能な針に使用される場合、弾性グロメットの薄いウェブは、引戻す力を緩和するので、引き込みの間、前方への飛び跳ねの可能性が減る。
【0009】
本発明の他の実施例では、後方に向いた突部が、弾性グロメットの背面に設けられており、ハウジングの前方に向いたフランジの縁にあるノッチに対して、グロメットを回転方向に所望の位置決めするのを容易にする。
【0010】
本発明の他の実施例では、IVカテーテル導入器は、好ましくは対向する位置で側方に延びる一組のウィングを備えており、更に好ましくは、ウィングが隆起したフィンガーパッドを有している。
【0011】
本発明のIVカテーテル導入器は、少ない部品で構成され、早く容易に製造され、保管及び取扱い時にて、時期尚早に針を引き込む虞れを著しく減らし、片手で容易に使用でき、[針をハブから取り除かれる時とラインがハブに接続される時の間に血液がこぼれることによって]、偶発的な針刺しや血行性病原体による合成感染の虞れから医療関係者や補助者を保護する。本発明を使用することにより、また、テスト及び追加のコストを減ずることにより、医療介護提供者及び保険業者にかなりの経済的な利益を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の装置を、更に以下の図面を参照しながら説明する。
【図1】図1は、米国特許第6,872,193号に記載されている発明の好ましいIVカテーテル導入器の簡略化した斜視図であって、カテーテル針が使用可能状態である。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿った拡大断面図である。
【図3】図3は、図2と同様な図であるが、針が使用後に引き込まれている。
【図4】図4は、図2の拡大詳細図であり、引込み前の引込み可能な針ホルダに対する所望する位置に、捉えたプランジャチューブの前側開口を保持する戻止め構造を記載している。
【図5】図5は、開口したプランジャ端部キャップの拡大平面図である。
【図6】図6は、図5の線6−6に沿った断面図である。
【図7】図7は、本明細書で新しく開示された好ましいIVカテーテル導入器を簡略化した斜視図である。
【図8】図8は、図7のIVカテーテル導入器の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図7のIVカテーテル導入器を一部破断した正面図である。
【図10】図10は、図9のIVカテーテル導入器の左側面図である。
【図11】図11は、図9のIVカテーテル導入器の右側面図である。
【図12】図12は、図9のIVカテーテル導入器の上面図である。
【図13】図13は、図10の線13−13に沿った断面図である。
【図14】図14は、図13のIVカテーテル導入器の一部拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図2を参照すると、IVカテーテル導入器(10)は、管状のプラスチックハウジング(12)、針ホルダアセンブリ(14)、引戻し機構(16)、プランジャアセンブリ(18)及びIVカテーテル(20)を備えるのが好ましい。プラスチックハウジング(12)は、内部ボア(22)を備えている。下記の如く、内部ボア(22)は、内向き突出している環状リング(102)の下側の短い距離を除いて、開口端部(24)と縮径先端部(26)との間で徐々に狭くなる。プラスチックハウジング(12)は、側壁(28)を通して容易に見えるように、ポリカーボネートのような略透明な高分子樹脂から射出成形されるのが好ましい。ハウジング(12)の外径は、テーパがついて狭くなる内部ボア(22)にほぼ沿っており、側壁(28)は外向きに広がる(flare)箇所以外は略一定の厚みを有し、外向きに広がる箇所は、側方に延びるウィング(30)と、先端部(26)に近づき長手方向に間隔を開けた一連の環状隆起部(31)とを形成し、環状隆起部(31)は、使用者の指の把持領域にざら付き感を与える。
【0014】
針ホルダアセンブリ(14)は、ハウジング(12)の下部内に引込み可能に取り付けられ、テーパが付き長く延びた管状の本体(32)と、針(34)と、多孔性のプラグ(36)とを備えているのが好ましい。針ホルダアセンブリ(14)の本体(32)は、ポリカーボネートのような略透明な高分子樹脂から射出成形されるのが好ましく、略一定の厚みを有するテーパ付きの側壁を備え、該側壁はフラッシュ室(42)、バネ案内部(44)及び針支持部(46)を形成し、それらは直径が徐々に小さくなる。針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)は、以下に更に詳細に記載するように、組立時に針ホルダアセンブリ(14)がハウジング(12)に挿入されてスライドして係合できるように形成されるのが好ましい。管状本体(32)の上端部は、以下に図4について説明するように、プランジャアセンブリ(18)の下端部(56)に着脱自在に係合するように構成されている。図2に示すように、引戻し機構(16)(バネが好ましい)は、ハウジング(12)と管状本体(32)のバネ案内部(44)との間の環状空間(90)に閉じこめられており、管状本体(32)の下向き肩部(92)とハウジング(12)の上向き肩部(94)との間で圧縮した状態で保持されている。本実施例では、延びることにより引込み力を発揮する圧縮バネを用いるが、引張りバネのような他の同様に有効な手段も、針を引き込むのに利用できる。
【0015】
針(34)は、中空であり、使用時に患者に挿入される傾斜端部(48)と、フラッシュ室(42)内に延在する平坦端部(50)とを有する。縦方向に延びた孔は、傾斜端部(48)と平坦端部(50)の間に、針(34)を通る流路を形成する。針(34)は、管状本体(32)の針支持部(46)内にインサート成形され、インサート成形針が生成されるのが好ましい。しかしながら、所望であれば、針(34)は、管状本体(32)内に接着され、又は超音波溶着されてもよい。針支持部(46)を形成した後に針(34)が挿入されるならば、針支持部(46)の下端部に、テーパ付きの針挿入用開口(47)が設けられるのが好ましい。フラッシュ室(42)内に延びるのに十分に長い針(34)を用いることにより、針(34)の孔はインサート成形時に塞がれない。また、針(34)が患者の血管内に導入されたときは常に、少量の血液が針を通ってフラッシュ室(42)内に上向きに流れるから、フラッシュ室(42)の平坦端部(50)が見えるようにすることにより、使用者は、血液がフラッシュ室(42)内に入ると即座に血液を見ることができ、針(34)が適切に血管内に位置したことを確認できる。
【0016】
針ホルダアセンブリ(14)のフラッシュ室(42)の頂部にて、管状本体(32)の端部(52)が、多孔性のプラグ(36)によって塞がれ、該プラグ(36)が本体(32)の環状凹部(55)の壁に摩擦係合する。端部(52)に隣接する側壁(54)をテーパ付けることにより、管状本体(32)に多孔性のプラグ(36)を挿入することをより容易にするのが好ましい。多孔性のプラグ(36)は任意の適切な材料から作られてよく、当該材料は、針が血管内に挿入した後に針(34)を通って上昇する血液によって、針(34)及びフラッシュ室(42)から空気が出ることを許すが、どのような少量の血液であってもフラッシュ室(42)から出ることを阻止する。ここで開示されるIVカテーテル導入器(10)の重要な利点は、フラッシュ室(42)が透明なプラスチックの僅か2つの層を通して見えることである。この2つの層は、フラッシュ室(42)周りの管状本体(32)の透明壁とハウジング(12)の透明壁である。従来技術で開示された多くの器具については、使用者はフラッシュ室を見るのに3又は4以上のプラスチック層を通して見なければならず、何時血液がフラッシュ室に入り始めた時点を観測するのが困難であった。
【0017】
プランジャアセンブリ(18)は、略円筒形の側壁を備えた高分子材料製プランジャチューブ(40)を備えるのが好ましく、このチューブは、針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)の端部(52)に接近した下端部(56)と、ハウジング(12)の開口端部(24)から縦方向に外向きに突出する上端部(58)とを備える。プランジャチューブ(40)は、高分子樹脂から射出成形されるのが好ましく、ポリカーボネートのような略透明な高分子材料から射出成形されるのが最も好ましい。プランジャアセンブリ(18)の下端部(56)は、針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)に着脱自在に係合し、針ホルダアセンブリ(14)と協動し、図4でより詳細に記載する本発明の戻止め構造を形成する。プランジャチューブ(40)の上端部(58)は、小さく半径方向に延びる環状フランジ(60)を備えるのが好ましく、該環状フランジ(60)は、面(64)にあって、端部キャップ(66)を支持して摩擦係合するテーパ付き環状凹部(62)を囲む。これについて図5及び図6で更に記載し説明する。使用するためにIVカテーテル導入器(10)を準備する際には、プランジャアセンブリ(18)の上端部(58)は、ハウジング(12)から約1.5インチから3インチ延びているのが好ましく、それによって使用者の指がハウジング(12)のウィング(30)又は環状隆起部(31)を握りながら、上端部(58)が掌内に入り、片手操作を容易にする。図3について、以下に説明するように、指でハウジング(12)を引くと、針ホルダアセンブリ(14)の引き込みが開始する。
【0018】
図5及び図6を参照すると、端部キャップ(66)は、高分子樹脂から成形されるのが好ましく、さらに、図1乃至図2に示す針(34)の口径に応じて選択される色に着色された樹脂から形成されるのが最も好ましく、異なるサイズの針を有するIVカテーテル導入器(10)の中から、使用者が容易に区別することを手助けする。端部キャップ(66)は更に、縦に延びた環状スカート(70)に接続される連続した環状端壁(68)を備えるのが好ましく、環状スカート(70)は内向きにテーパ付けられて、上記の如く、プランジャチューブ(40)の環状凹部(62)と接して摩擦係合する。端部キャップ(66)をプランジャチューブ(40)の上端部(58)に係合させるのに多くの方法があることは理解されるだろう。端部キャップ(66)は、接着され、弾性で留められ、超音波溶着され、二段ショット成形され、又は他の同様の如何なる有効な手段によって係合されてよい。二段ショット形成は、異なる材料又は異なる色の材料を一緒に成形する場合の如何なる成形工程を言及している。端壁(68)の中央部に排気孔(72)が配備されているのが好ましく、この孔は表面(68)を横切って延びる複数の外向きに延びたリブ(74)のような表面凹凸構造に囲まれているのが好ましい。IVカテーテル導入器(10)の動作時に、手の一部が端部キャップ(66)に被さるときでも、排気孔(72)が使用者の手によって塞がれないように、リブ(74)は十分な数、間隔、高さがあるのが好ましい。カテーテルの挿入後に、針ホルダアセンブリ(14)がプランジャチューブ(40)内に引き込まれたときに、引込み空間(76)から排出される空気量を素早く排出するために、排気孔(72)は十分に大きいことが好ましい。
【0019】
再び図1乃至図2を参照すると、IVカテーテル(20)は、可撓性ゴム又はプラスチックのカニューレ(78)及びハブ(80)を備えている。ハブ(80)は、開口(88)を規定する環状フランジ(86)に加えて、針通路(82)及び管状部(84)を有しており、開口(88)は、ハウジング(12)の先端部(26)を受けて摩擦係合するような径を有する。カニューレ(78)の一端では、内向きにテーパ付けられた端部(81)が、針(34)の傾斜端部(48)の近傍で締まり嵌めされている。ハブ(80)を先端部(26)に取り付ける際には、針(34)は可撓性カニューレ(78)及び内向きにテーパ付けられた端部(81)を通って挿入され、傾斜端部(48)は内向きにテーパ付けられた端部(81)を僅かに超えて延びる。カニューレ(78)の内径は、針(34)の外径よりも若干大きく、針(34)の挿入後に針(34)がカニューレ(78)を通って容易に引き込まれ得るのが好ましい。ハブ(80)は、針(34)の引込み後及びハブ(80)の管状部(84)から先端部(26)を取り外した後に、通常のIVチュービングコネクタと容易に接続されるのに適しているのが好ましい。
【0020】
図2を参照すると、本発明のIVカテーテル導入器(10)は、戻しバネ(16)を開口(22)を通ってハウジング(12)内に落として組み立てられるのが好ましい。戻しバネ(16)は、圧縮に抗して付勢するコイルバネであって、ハウジング(12)内側の傾いた環状肩部(94)の丁度上に置かれるような直径を有するのが好ましく、側壁(28)の部分(33)によって略垂直に支持される。次に、予め製造された針ホルダアセンブリ(14)が、ハウジング(12)の開口端部(22)を通って下向きに挿入され、針(34)の傾斜端部(48)は、管状本体(32)の傾いた環状肩部(96)がハウジング(12)の肩部(94)に接するまで、戻しバネ(16)及びハウジング(12)の先端部(26)を下向きに通る。或いは、針ホルダアセンブリ(14)をハウジング(12)に挿入する前に、バネ(16)は針ホルダアセンブリ(14)上に置かれる。また、所望ならば、針ホルダアセンブリ(14)がハウジング(12)内に挿入された後に、針(34)は針ホルダアセンブリ(14)に接着され、又は超音波溶着され得る。管状本体(32)の傾いた環状肩部(92)は、傾斜した環状肩部(98)に接触せず、それによって肩部(96)が肩部(94)に適度に座るようにするのが好ましい。
【0021】
図2及び図4を参照すると、その後、予め製造されたプランジャアセンブリ(18)の下端部(56)は、開口(22)を通ってハウジング(12)内に挿入される。プランジャチューブ(40)がハウジング(12)内を下向きに移動すると、プランジャチューブ(40)のノーズ(104)が針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)の端部(52)に達して、端部(52)上をスライドする。ノーズ(104)が端部(52)に達すると、プランジャチューブ(40)の半径方向に延びた環状ボス(100)は、ハウジング(12)の内向きに突出した環状リング(102)の上方にまだ位置している。ノーズ(104)におけるプランジャチューブ(40)の内径は、端部(52)の外径よりも十分に大きく、プランジャチューブ(40)の下端部(56)が、端部(52)に隣接する管状本体(32)の部分に摺動自在に係合できる。プランジャアセンブリ(18)が更にハウジング(12)内に挿入されると、環状ボス(100)は環状リング(102)に係合して、環状リング(102)を乗り越える。そして、針が使用に備えて延びた状態で、プランジャアセンブリ(18)と針ホルダアセンブリ(14)が、ハウジングに一旦取り付けられると、環状リング(102)は、プランジャアセンブリ(18)及び結合された針ホルダアセンブリ(14)の後方移動に抵抗する。ハウジング(12)からプランジャアセンブリ(18)を引き抜こうと試みれば、環状ボス(100)の肩部は環状リング(102)の肩部に接して、かなりの力が発揮されない限り、引抜きを阻止する。しかし、環状リング(102)は、十分小さく作られて、製造工程時に成形具を引き抜くことができるようになっているのが好ましいことが理解されるだろう。図2の詳細図である図4を参照すると、プランジャチューブ(40)は、下端部(56)の内表面にある内向きの環状ボスが、協動するサイズと配置にあって外向きの管状本体(32)の環状凹部(108)に到達して嵌まるまで、針ホルダアセンブリの管状本体(32)の上をスライドし続ける。図2及び図4について、環状ボス(106)と環状凹部(108)の形状及び寸法により、ボス(106)は環状凹部(108)内にて半径方向内向きに付勢される。
【0022】
プランジャチューブ(40)内側のボス(106)は、管状本体(32)の環状凹部(108)の凹みと同様に周囲に広がりをもつことは必要でないことが理解されるだろう。故に、例えば、ボス(106)は、凹部(108)に係合するように付勢されている、周方向に間隔を明けた個別の内向きに延びる隆起列に置き換えられてよい。しかしながら、凹部(108)が環状本体の周囲全体に延び、プランジャチューブ(40)と管状本体(32)との間で摺動自在に係合するのに2つの部品の間に特定の回転位置が要求されないことが好ましい。プランジャチューブ(40)を更にハウジング(12)内に挿入する力によって、凹部(108)からボス(106)を摺動自在に解除するために必要な力が、カテーテルを挿入する際の、圧縮された引戻しバネ(16)と、針(34)を上方に引き上げる更なる力とによって、針ホルダアセンブリ(14)に対して発揮される付勢力よりも大きいように、ボス(106)と凹部(108)の形状と寸法が定められることが好ましい。IVカテーテル(20)は、針ホルダアセンブリ(14)とプランジャアセンブリ(18)をハウジング(12)に挿入する前に、ハウジング(12)の先端部(26)に取り付けられる。或いは、ハウジング(12)内に挿入する以前に、プランジャアセンブリ(18)と針ホルダアセンブリ(14)(ときどき、針支持アセンブリとして言及される)が、互いに組み合わされてもよい。ボス(106)と凹部(108)が互いに係合したときのボス(106)と凹部(108)との摩擦係合は、針ホルダアセンブリ(14)とプランジャアセンブリ(18)を共にハウジング(12)内に挿入するのに十分であることが好ましい。
【0023】
針の傾斜端部(48)とカニューレ(78)の一部は、親指と他の指でハウジング(12)の環状隆起部(31)を把持しながら、患者の血管内に挿入されるのが好ましい。カテーテルを患者に挿入した後で、ウィング(30)又は環状隆起部(31)を指、若しくは親指と指で把持し、次に、掌又は手首で端部キャップ(66)を押して、プランジャチューブ(40)を更にハウジング(12)内に押し下げることにより、針ホルダアセンブリ(14)が引き戻される。引戻しが起こると、図4に示すボス(106)と凹部(108)の摩擦係合には、過剰に圧力が掛けられて、ボス(106)が管状本体(32)の面(112)に乗り上げる。ハウジング(12)にしっかりと取り付けられた管状本体(32)に対して、プランジャチューブ(40)が引き続いて押し下げられると、管状本体(32)の傾いた肩部(114)からボス(106)が外れる。これが起こると、圧縮された戻しバネ(16)に加えられる有効な摩擦力がなくなり、バネ(16)が素早く延び、針ホルダアセンブリ(14)を引込み空間(76)内へ上向きに進ませると同時に、針(34)を、少なくとも傾斜端部(48)がハウジング(12)内に引き込まれる位置まで引き戻す。
【0024】
図3を参照すると、戻しバネ(16)が完全に伸びて、針ホルダアセンブリ(14)の上端部(52)が、少なくとも部分的に引込み空間(76)内に引き込まれている。戻しバネ(16)の伸びに応じて、針ホルダアセンブリ(14)が空間内を上向きに移動すると、プランジャチューブ(40)の引込み空間(76)内に予め存在した空気は、排気孔(72)を通じて排出される。針ホルダアセンブリ(14)の上端部(52)が、引込み空間(76)内へ上向きに移動すると、針(34)の傾斜端部(48)が、ハウジング(12)内に十分に引き込まれる。針(34)が図3に示す位置にあるときは、ハウジング(12)の先端部(26)は、IVハブ(80)から安全に取り外すことができる。
【0025】
本発明の改良されたIVカテーテル導入器は、自動製造及び組立てに好適である。カテーテル、針及びバネを別にして、ハウジング、引込み可能な針ホルダ、及びキャップされた通気式のプランジャチューブのみが必要である。ハウジング(12)は真直な内壁を備えた真っ直ぐな構成で作ることは可能であるが、環状リング(102)の下側肩部は別として、頂部から底部に向けて内向きにテーパ付けられた段付き構成で作られるのが好ましい。このテーパにより、成形工程にて用いられるコアマンドレルを引き抜くことが容易になる。図示していないが、針(34)の傾斜端部(48)は、製造工程時、発送時及び収納時に、カニューレ(78)の外側を上向きにスライドする管状カバーによって保護されることにより、針が傷つくことを防ぐのが好ましいことは理解されるだろう。
【0026】
本発明のIVカテーテル導入器の重要な特徴は、導入器の引込み可能な構造を作業者が片手で容易に操作できることにある。片手操作が可能な理由は、プランジャチューブが、好ましくは、ハウジングのウィングが位置する箇所を約1.5インチから3インチ超えて延びるからである。これにより、掌の肉厚部にてプランジャチューブに力を加えることができる一方で、ハウジングのウィング又は環状隆起部の後方に指を使ってその力に抗しつつ、引き込みをスムーズに開始することができる。もう片方の手は、カテーテルのハブを握るために、フリーな状態にある。導入器具からハブを取り外すタイミングとIVチューブをハブに取り付けるタイミングは、完全に作業者の制御下にある。1つの動作で、カテーテルのハブが、挿入器具から外されて、その傍に安全に置かれる一方で、患者に繋がるIVチューブ又は他の器具が接続される。カテーテル導入器は、何ら危惧することなくベッド又はトレイ上に安全に置かれる。なぜなら、カテーテルアセンブリがハウジングから外される前に、針は既に安全に引き込まれているからである。指がハウジングのウイング又は環状の隆起部を引いて引き込みを開始すると、作業者は針が安全に引き込んだことを目と耳の両方で知ることができ、直ちに器具を離して安全に取り外し、患者から流体のロスが起こる前に、必要なIV接続を行うべく手をフリーな状態にしておく。
【0027】
本発明のIVカテーテル導入器は、バイアルに一般に使われているゴムシールを穿刺するのに従来のシリンジに必要とされるような大きさの、針が引き込み機構に加える力に抗する必要はない。従って、引き込み可能な部品は、引込み動作をすることなく、通常の臨床使用時に受ける力にのみ抵抗できるだけでよい。ここで開示された器具に関しては、寸法公差及び熱膨張率の差は、滑らかに対向している面の間で面と面とが接することによって摩擦係合だけが生じる器具に比べて重要でない。
【0028】
ここで開示されたIVカテーテル導入器は、使用前の搬送及び格納時に、手粗い取り扱い、大きく変化する温度差及び湿度差を受けても、従来の器具よりも針を時期尚早に引き込む可能性は少ない。本発明は、シンプルで、流線形の形状と、従来使われていたものよりも容易に作動し、より信頼性の高い戻しバネとを有する。本装置は、ウィングをアクセスできるあらゆる回転位置にて片手で操作できる。なぜなら装置を特定の向きに置くことを要求する外部ラッチがないためである。更に、ウィングは、カテーテル導入器が傾斜面におかれたときに、カテーテル導入器が転がることを防止する。装置を片手で保持した状態で、引込み力が長手方向の主軸に沿って直線的に加えられる。引き込みを開始するには、非常に短いストロークで十分である。引き込みの成功が、視覚的及び聴覚的に認識される。なぜなら作業者はハウジング内に引き込まれた部品を容易に見ることができ、引き込みは控えめな音を発生するからである。
【0029】
本発明の他の好ましい実施例を、図7乃至14を参照して、記載し説明する。特に断りのない限り、本発明のこの実施例の構成、材料及び用途は、従前の好ましい実施例として上述したものとほぼ同様である。この新しく開示された実施例は、既に開示された他の実施例に適用でき、特定の状況下で、この開示に含まれる教示を考慮して、当業者が望むと認識される他の変更が行われることが理解されるであろう。
【0030】
図7乃至12を参照すると、本発明のIVカテーテル導入器(210)は、プランジャアセンブリ(212)、ハウジング(214)、ハウジング(214)内に挿入される引込み可能な針アセンブリ(218)(プラグ(238)と引込みバネ(280)を更に含む)、ハウジング(214)の前側に取り付けられるIVカテーテルアセンブリ(216)、ハウジング(214)とIVカテーテルアセンブリ(216)の間に配置される弾性グロメット(258)、及び着脱自在なカバー(276)を含むことが好ましい。しかしながら、引込みバネと引込み可能な針の使用は、本発明の弾性グロメット(258)を用いるために必要とされていないことが理解されるべきである。プランジャアセンブリ(18)、ハウジング(214)、引込み可能な針アセンブリ(218)の本体部、IVカテーテルアセンブリ(216)、及びカバー(276)は全て、FDAで承認された成形用高分子材料で作られることが好ましいが、種々の部品が、様々な材料を含んでよいことが理解されるべきである。弾性グロメット(258)は、ゴムで作られることが好ましく、以下に詳細に説明する。
【0031】
プランジャアセンブリ(212)は、ハウジング(214)の後側の開口に挿入される、前方に延びた端部を有する。プランジャの本体(230)は中空であり、カラー(222)によって囲まれる後側開口を有している。エンドキャップ(220)は、カラー(222)の内部に摩擦接触して挿入可能(図13で見ることができる)であることが好ましいが、先行技術を参照して既に説明したように、他の同様に効果的なキャップの形状を用いることができる。環状リブ(226)と、周方向に離間しており、径方向に延びた細長のキー(228)とが備えられることが望ましく、組立ての間、プランジャアセンブリ(212)がハウジング(214)内を前方に進む際に、それを案内する。キー(228)は、ハウジング(214)の内壁の長手方向に方向付けられたキー溝に位置合わせされることが好ましく、ハウジング(214)内のプランジャアセンブリ(212)と引込み可能な針アセンブリ(218)の間の好ましい回転アライメントを維持する。この回転アライメントは、患者の血管内に針(246)を挿入している間、プランジャアセンブリ(212)が前方に進んでいるときに、針(246)の斜面が常に上方に向いていることを確実にする。
【0032】
プランジャアセンブリ(212)の前方に延びる小径前部(234)には、図13を参照して以下に詳細に説明するように、針アセンブリの後方に向く端部カラー(240)を受けるのに十分な長さと内径とを有する開口(236)を備えることが望ましい。図8及び図13を参照すると、本体部(234)の後部には、前方へ向いており、ほぼ直角の肩を有する傾斜ランプ(232)が設けられている。ランプ(232)は、プランジャアセンブリ(212)がハウジング(214)内へ挿入される際、ハウジング(214)内の戻り止め(252)を超えてスライドするが、その後、ランプは後方に向いた肩部と戻り止め(252)が当接係合し、その後、引込み前にて、圧縮バネ(280)を伸ばすバネ力を抑えるのに十分に、ハウジング(214)に対するプランジャ本体(231)の後方移動に抵抗する。排気孔(231)が、本体(230)内に備えられることが好ましく、引き込みの間、IVカテーテル導入器(210)の前方に血液が飛び散る可能性を減らす。
【0033】
針アセンブリ(218)は、端部カラー(240)と、前方に延びており、環状肩部(243)で分けられた小径本体部(242)(244)とを含むことが好ましく、それら全てが、略透明なプラスチックによって作られるのが好ましい。本体部(242)は、フラッシュチャンバ(284)の壁面を規定し(図13)、本体部(244)は針保持部であるのが好ましい(図13及び図14)。本体部(244)は、圧縮引込みバネ(280)内に挿入可能な程度に十分小さな外径を有する。環状肩部(243)は、ハウジング(214)内に装着されると、引込みバネの上部が当接するのに十分な幅を有しており、引き込み前にて、バネ(280)の後方への伸びを制限する。針(246)は、傾斜した前端部と平坦な後端部とを有しているのが好ましく、既に開示された任意の適切な方法によって、本体部に装着されて、それに対して一定の位置に保持される。針(246)は、十分な長さを備えることが好ましく、IVカテーテルアセンブリ(216)を介した挿入について臨床的に効果があるように、本体部(242)から十分な距離で前方に突出し、本体部(244)(242)の内部とカラー(240)を通って後方に突出する。平坦端部(282)は、本体部(242)内のフラッシュチャンバ(284)内に延びる(図14)。プラグ(238)は、上述したように多孔性材料で作製されることが好ましい。プラグ(238)は、カラー(240)の内壁に摩擦係合し、針(246)の引込み前にフラッシュチャンバ(284)内に血液を閉じ込める。
【0034】
ハウジング(214)は、プランジャ(212)の中を通る中心ボアに対して同軸上に配置される中心ボアと、引き込み可能な針アセンブリ(218)と、IVカテーテルアセンブリ(218)とを備えることが好ましい。ボアの径には、フランジ(286)(図8)と前フランジ(256)の間で内向きに段があり、ハウジング(214)内にて、引込み可能な針アセンブリ(216)の環状肩部(243)の座面を提供する(図13参照)。後フランジ(248)、フランジ(286)及び前フランジ(256)は、全て変形した矩形形状に成形されることが望ましく、支持面に横たわる際に、ハウジング(214)にほぼフラットなベースを提供する。図8及び図13を参照すると、前フランジ(256)は、更に、引込み可能な針アセンブリ(218)の本体部(244)の外径よりも僅かに大きい内径を有する開口(288)を有するのが好ましく、前方に延びる本体部(244)の先端が開口(288)を通って、グロメット(258)の後側の凹部(294)に挿入されることを可能にする。成形されたリッヂ(ridges)(254)が、フィンガーグリップとして使用するために与えられており、略平坦な壁部(255)が、その下にある、引込み可能な針アセンブリ(218)のフラッシュチャンバ(284)を見る覗き窓として提供されることが好ましい。ハウジング(214)と引込み可能な針アセンブリ(218)の本体とは、透明なプラスチックから成形されることが好ましく、針(246)の平坦端部からフラッシュチャンバ(284)を流れる血液の観察を容易にする。環状戻り止め(252)は、後フランジ(248)とフランジ(286)間の壁部(250)に備えられ、プランジャアセンブリ(212)のランプ(232)と協動して、引込み前にて、引込み可能な針アセンブリ(218)が環状肩部(243)に作用するバネ力に抵抗する。
【0035】
図8及び図14に最も良く示されているように、弾性グロメット(258)は、ゴムで作られることが好ましい。さらに、弾性グロメット(258)は、くぼんだ円弧状の凹部(290)を有しており、ほぼ円筒形で前方に向いた突部(262)と、望ましくは円筒形であって、引込み式針アセンブリ(218)の本体部(244)の前方へ延びる先端を受けるように構成されており、後方に向いた凹部(294)と、上向きに延びて、カテーテル導入器の上側を(針の傾斜面が上向くように)決めるタブ(260)と、ハウジング(214)の前フランジ(256)中のノッチ(287)またはその他の同様な効果の凹部へ挿入されて、ハウジング(214)に対してグロメット(258)を回転方向に位置決めする、後方へ突出した位置決めタブ(261)とを備えている。静脈内にカテーテル(274)を挿入している間、指の圧力が上方に延びるタブ(260)に作用していることが望ましく、また針(246)の引込み前に、カテーテルアセンブリ(216)からハウジング(214)分離するときも、指圧が加えられることが望ましい。前向きの突部(262)は、カテーテルアセンブリ(216)のハブ(266)の内壁と摩擦係合する大きさの外径を有することが好ましい。グロメット(258)は、凹部(290)(294)の間に配置される薄い弾性ウェブ(例えば厚さ0.020インチ)を備えることが好ましい。凹部(290)(294)には、IVカテーテル導入器(210)の組立ての間に、ウェブを通る針の取付けによって開口(292)が形成される。開口(292)は、針(246)を圧迫することなく、しかしカテーテルの挿入に続いてバネ(280)により針が完全に引き込むのを防ぐには十分な強さで、針(246)の外径に軽く係合する。
【0036】
グロメット(258)は、本発明のIVカテーテル導入器(210)の一部として組み込まれたときに、有意義な様々な機能を発揮する。最初に、グロメット(258)は、使用前の搬送や取扱い時に、ハウジングからIVカテーテルアセンブリが不意に分離する可能性を減らす。第2に、開口(292)が、針(246)のガイドとして機能する。第3に、後方に向く凹部(294)は、針アセンブリ(218)の本体部(244)の前方に延びる先端に対して、開口(292)が同軸上に適切に配置されることを確実にする。第4に、後方に突出する位置決め用タブ(261)が、グロメット(258)とハウジング(214)の間の適切な回転アライメントを確実にし、それによりタブ(260)は、上方に突出して、ハウジング(214)に対して他の回転位置には存在しない。第5に、針(246)を挿入する間、ハウジング(214)のリブ(254)を握りながら、指圧をタブ(260)に対して加えることができる。第6に、グロメット(258)のタブ(260)は、針の引込み前にハブ(266)からハウジング(214)を引き離すときに使用者の補助をする。第7に、針(246)の引抜きと引込みの間、グロメット(258)の薄いウェブと針(246)の外側との僅かな接触が、針(246)の外側に出た血液をぬぐう。第8に、引き込みの間、グロメット(258)の薄いウェブと針(246)の外側との接触が、引込み力を弱め、針を遅くし、それによって引き込みにより前方へ跳ねる可能性を減らす。第9に、グロメット(258)は、ハブ(266)とグロメット(258)から針を引き抜いた後、カテーテルのハブの外側へ血液がこぼれることを妨ぐ。
【0037】
図7乃至12を参照すると、IVカテーテルアセンブリ(216)は、テーパ付きの筒状ハブ(266)を備えており、筒状ハブ(266)は、後方に向いた端部上にコネクタ用カラー(264)を備えているのが好ましい。コネクタ用カラー(264)は、それと協動するように構成された、商業的に入手できる従来のIV導入セット、血液採集バッグなどの端部コネクタに容易に取り付けることができるように構成されることが好ましい。一組のウィング(268)が、径方向について対向して配置され、横に延びている。これらウィング(268)は、ハブ(266)に取り付けられるか、又はハブ(266)の一部として一体成形されることが好ましく、使用中に患者の体の上に置かれる場合に、IVカテーテルアセンブリ(216)を横方向に支持する。隆起しており、凹凸を付けたフィンガーパッド(270)は、ウィング(268)の端部、又は端部近傍に備えられることが望ましく、針(246)の引込みの後、IVカテーテル導入器(210)のハウジング(214)からハブ(266)を分離する間に、IVカテーテルアセンブリ(216)を安定させるために使用される。カテーテル(274)は、ゴム又は可撓性プラスチック製の鞘であって、針(246)の外径よりも僅かに大きい内径を有し、針(246)がカテーテル内を通って挿入するときに、針(246)の傾斜端部を除く全ての部分を保護するのに十分な長さを有することが望ましい。カテーテル(274)は、任意の適切な手段によって、テーパ付きで前方に延びた、IVカテーテルアセンブリ(216)の先端部(272)の内部に固定されることが好ましい。例えば、その手段として、前述した実施形態について先に説明された手段が挙げられる。図8及び図13を参照すると、カバー(276)は、好ましくは成形されたプラスチックで作られており、使用前に針の傾斜した先端を保護するのに十分な長さと、先端部(272)の外径と摩擦係合する内径とを有する。
【0038】
図13及び図14を参照すると、IVカテーテルアセンブリ(210)が組み立てられると、針(246)は、カテーテル(274)から前方に突出しており、IVカテーテルアセンブリ(216)の前方に延びる先端部(272)と摩擦係合する取外し可能なカバー(276)とによって、使用前の搬送や取扱いの間、保護されている。ハブ(266)の内側は、グロメット(258)の円筒形突部(262)の外側表面と摩擦係合する。引込み可能な針アセンブリ(218)の本体部(244)の前方に延びる端部(図8)は、グロメット(258)の周方向に延びる側壁の凹部(294)に延びて、摩擦係合することが望ましい。針(246)は、グロメット(258)の薄いウェブに開口(292)を形成して、そこを通り、さらに本体部(244)に対して長手方向に固定されて配置される。針(246)の平坦端部(282)は、ハウジング(214)を通して目で見ることができるように、フラッシュチャンバ(284)内に延びることが好ましい。針ホルダの後側カラー(240)は、本体部(234)の内側表面と摩擦係合し、フラッシュチャンバ(284)の後部は、摩擦係合されたプラグ(238)によって塞がれる。引込みバネ(280)は、ハウジング(214)のフランジ(256)の背面と針ホルダの環状肩部(243)との間にて長手方向に延びた環状空間内で圧縮される。引込みバネ(280)は、プランジャアセンブリ(212)の環状肩部(232)(図8)とハウジング(214)の内側に向いた戻り止め(253)との間の接触係合と、プランジャアセンブリ内部の内側に向いたリッジ(296)とカラー(240)の後方に延びる端部との間の接触係合とによって、引込み前に圧縮状態で保持される。図13及び図14では、引込みバネ(280)は完全に圧縮させた状態で記載されているが、環状空間内で圧縮されるバネ(280)は、完全に圧縮されたバネ(280)の長さよりも僅かに長いことが好ましく、製造と組立ての間における僅かな公差を与え、それにより、環状空間内に嵌入するバネに対して完全な圧縮が要求されないことは理解されるであろう。
【0039】
カバー(276)を取り外した後で、針(246)と前方に延びたカテーテル(274)の先端部とは、ハウジング(214)のリブ(254)を握った状態で静脈内に挿入され、グロメット(258)のタブ(260)の背面に指圧が加えられる。針(246)が静脈内に穿刺され、カテーテル(274)が、静脈内に適切に位置されると、ウィング(268)のフィンガーパッド(270)(図8)に一方の手で指圧を加えて、適当な位置でハブ(266)を保持する一方で、他方の手で、タブ(260)に再び指圧を加えて、グロメット(258)からハウジング(214)を分離する。ハブ(266)とグロメット(258)に対して後方にハウジング(214)を引くことによって、分離が起こって、例えば1/4インチから1/2インチの短い距離、針(246)を引き抜いた後、ハウジング(214)に対してプランジャ(212)を引き抜くことによって、針(246)をカテーテル(274)から完全に引き抜くことができる。ハウジング(214)の内向きの壁面とプランジャアセンブリ(212)とによって針ホルダアセンブリ(218)の後部が摩擦保持されない軸方向の位置に、プランジャアセンブリ(212)が引き戻されると、バネ(280)が伸びて、カラー(240)がプランジャアセンブリ(212)内に配置されて、グロメット(258)の背後で針(246)がハウジング(214)内に引き込まれる位置まで、針ホルダアセンブリ(218)を後方に押し出す。引戻しバネが用いられない場合、針(246)は、ハブ(266)とグロメット(258)に対して、ハウジング(214)を更に後方に引くことによって完全に引き戻される。
【0040】
医療従事者が、IV注入装置、血液採集バッグ、又はメディカルデバイスにハブ(266)を接続することを望むまで、グロメット(258)は、ハブ(266)の後方に向く端部と摩擦係合する場所に残しておくことが望ましい。そのような接続をする前にて、針(246)の取除き、又は引込みの後、弾性グロメット(258)の開口(292)はほとんど閉じられており、グロメット(258)は、ハブ(266)の背面からのアクシデントによる血液の流出をブロックする。
【0041】
上記実施例の他の代替及び変更は、本開示を読めば、当業者にとって同様に明らかとなり、ここに開示された発明の範囲は、発明者が法的に権利を与えられた添付の請求の範囲を最も広く解釈することによってのみ限定されることを意図している。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年4月18日に出願された米国特許出願第12/148,440号の一部継続出願である。米国特許出願第12/148,440号は、2005年1月25日に出願され、放棄された米国特許出願第11/042,941号の継続出願である。米国特許出願第11/042,941号は、2001年10月26日に出願され、2005年3月29日に米国特許第6,872,193号として発行された米国特許出願第10/047,662号の継続出願である。
【0002】
本発明は、カテーテルを患者の体内に挿入するのに用いられる引込み可能な針を有する医療器具に関し、特に流体を静脈内に搬送することに関する。本発明は、針の引抜き時に血液がこぼれる可能性を減らし、医療従事などが針刺しで傷つく可能性や病原性感染を被る可能性を減らす。
【背景技術】
【0003】
静脈内(“IV”)カテーテル挿入器具は周知である。流体を静脈内へ搬送するために、カテーテルが患者に挿入される場合、カテーテルを通る使い捨ての針が血管を刺すのに用いられて、カテーテルが血管に入る。次に針が引き抜かれると、カテーテルは所定の場所に残されて、IVバッグ又はボトルと接続し、又は後の使用のために封がなされる。
【0004】
近年、HIVや肝炎のような血液感染性の病原体が蔓延している為、ごみ、洗濯物、又は使用された針を含むその他の廃棄物を取り扱う医療関係者や他の従業者の偶発的な針刺しの怪我を防止する要求が、カテーテル導入器に対して大きくなっている。その結果、使用後に針を引き込む特殊な針カバー又は機構を組み合わせた新製品が設計されている。そのような器具は、例えば、米国特許第4,747,831号、4,828,548号、5,129,884号、5,501,675号、5,746,215号、5,817,058号、5,989,220号、6,083,202号、6,090,078号、及び6,096,005号に開示されている。幾つかの従来技術である器具は、多数の複雑な部品を有しているので、製造コストを大幅に増加させ、針が患者内に適切に挿入されたときに、使用者がそれを感じる能力を妨げている。他の装置は両手での操作を必要とし、又は配送、収納及び取扱い時に、針を時期尚早に引き込み易い。
【0005】
更に最近、本件出願が優先権を主張する米国特許第6,872,193号が、本願の出願人に対して発行された。この特許された装置に対する多くの利益や利点が開示されているにもかかわらず、出願人は、米国特許第6,872,193号で特許されている共通の特徴を有する新しい装置を発明しただけでなく、更なる構造的構成要素を具体化した。新しく加えられた構成要素は、以前の発明の装置を用いて達成される利点を超えた更なる機能上の利点を実現可能とする。
【0006】
既に開示されているIVカテーテル導入器と同様に、ここで開示される新しい機能を備えた装置は、経済的に且つ素早く確実に製造でき、針を時期尚早に引き込まず、片手で取り扱うことができ、利用者などを、事故による突き刺しや血液感染性病原体から防ぐことができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施例によれば、ここで新たに開示されたIVカテーテル導入器は、ハウジングと、一端がハウジング内に摺動自在に挿入可能なプランジャと、該プランジャの前方に延びる部分に取付け可能な筒状針ホルダを有する針アセンブリと、IVカテーテルアセンブリと、ハウジングとIVカテーテルアセンブリとの間に配置される弾性グロメット(elastomeric grommet)とを備えることが好ましい。弾性グロメットは、ゴム製が好ましく、使用前の搬送や取り扱いの間、IVカテーテルアセンブリのハブがハウジングから分離しないように維持し、上方に延びるタブを提供することが好ましい。タブは、針の先端面に対して装置の上側を特定し、静脈にカテーテルを挿入する際やグロメットとハブからハウジングを分離する際に、指の圧力を加えるために用いられる。弾性グロメットは、組立時に針によって貫通される薄いウェブを有している。該ウェブは、針の引き抜き中に針の外側表面から血液を拭い、針の引抜き後やハブを他の装置に接続する前に、カテーテルハブやグロメットの外側への血液の流れを妨げる。
【0008】
本発明の他の実施例では、本発明のIVカテーテル導入器は、上述の特徴を備えており、それら特徴は、使用後にハウジングとプランジャアセンブリに針を引き戻す引戻しバネと組み合わされる。引込み可能な針に使用される場合、弾性グロメットの薄いウェブは、引戻す力を緩和するので、引き込みの間、前方への飛び跳ねの可能性が減る。
【0009】
本発明の他の実施例では、後方に向いた突部が、弾性グロメットの背面に設けられており、ハウジングの前方に向いたフランジの縁にあるノッチに対して、グロメットを回転方向に所望の位置決めするのを容易にする。
【0010】
本発明の他の実施例では、IVカテーテル導入器は、好ましくは対向する位置で側方に延びる一組のウィングを備えており、更に好ましくは、ウィングが隆起したフィンガーパッドを有している。
【0011】
本発明のIVカテーテル導入器は、少ない部品で構成され、早く容易に製造され、保管及び取扱い時にて、時期尚早に針を引き込む虞れを著しく減らし、片手で容易に使用でき、[針をハブから取り除かれる時とラインがハブに接続される時の間に血液がこぼれることによって]、偶発的な針刺しや血行性病原体による合成感染の虞れから医療関係者や補助者を保護する。本発明を使用することにより、また、テスト及び追加のコストを減ずることにより、医療介護提供者及び保険業者にかなりの経済的な利益を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の装置を、更に以下の図面を参照しながら説明する。
【図1】図1は、米国特許第6,872,193号に記載されている発明の好ましいIVカテーテル導入器の簡略化した斜視図であって、カテーテル針が使用可能状態である。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿った拡大断面図である。
【図3】図3は、図2と同様な図であるが、針が使用後に引き込まれている。
【図4】図4は、図2の拡大詳細図であり、引込み前の引込み可能な針ホルダに対する所望する位置に、捉えたプランジャチューブの前側開口を保持する戻止め構造を記載している。
【図5】図5は、開口したプランジャ端部キャップの拡大平面図である。
【図6】図6は、図5の線6−6に沿った断面図である。
【図7】図7は、本明細書で新しく開示された好ましいIVカテーテル導入器を簡略化した斜視図である。
【図8】図8は、図7のIVカテーテル導入器の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図7のIVカテーテル導入器を一部破断した正面図である。
【図10】図10は、図9のIVカテーテル導入器の左側面図である。
【図11】図11は、図9のIVカテーテル導入器の右側面図である。
【図12】図12は、図9のIVカテーテル導入器の上面図である。
【図13】図13は、図10の線13−13に沿った断面図である。
【図14】図14は、図13のIVカテーテル導入器の一部拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図2を参照すると、IVカテーテル導入器(10)は、管状のプラスチックハウジング(12)、針ホルダアセンブリ(14)、引戻し機構(16)、プランジャアセンブリ(18)及びIVカテーテル(20)を備えるのが好ましい。プラスチックハウジング(12)は、内部ボア(22)を備えている。下記の如く、内部ボア(22)は、内向き突出している環状リング(102)の下側の短い距離を除いて、開口端部(24)と縮径先端部(26)との間で徐々に狭くなる。プラスチックハウジング(12)は、側壁(28)を通して容易に見えるように、ポリカーボネートのような略透明な高分子樹脂から射出成形されるのが好ましい。ハウジング(12)の外径は、テーパがついて狭くなる内部ボア(22)にほぼ沿っており、側壁(28)は外向きに広がる(flare)箇所以外は略一定の厚みを有し、外向きに広がる箇所は、側方に延びるウィング(30)と、先端部(26)に近づき長手方向に間隔を開けた一連の環状隆起部(31)とを形成し、環状隆起部(31)は、使用者の指の把持領域にざら付き感を与える。
【0014】
針ホルダアセンブリ(14)は、ハウジング(12)の下部内に引込み可能に取り付けられ、テーパが付き長く延びた管状の本体(32)と、針(34)と、多孔性のプラグ(36)とを備えているのが好ましい。針ホルダアセンブリ(14)の本体(32)は、ポリカーボネートのような略透明な高分子樹脂から射出成形されるのが好ましく、略一定の厚みを有するテーパ付きの側壁を備え、該側壁はフラッシュ室(42)、バネ案内部(44)及び針支持部(46)を形成し、それらは直径が徐々に小さくなる。針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)は、以下に更に詳細に記載するように、組立時に針ホルダアセンブリ(14)がハウジング(12)に挿入されてスライドして係合できるように形成されるのが好ましい。管状本体(32)の上端部は、以下に図4について説明するように、プランジャアセンブリ(18)の下端部(56)に着脱自在に係合するように構成されている。図2に示すように、引戻し機構(16)(バネが好ましい)は、ハウジング(12)と管状本体(32)のバネ案内部(44)との間の環状空間(90)に閉じこめられており、管状本体(32)の下向き肩部(92)とハウジング(12)の上向き肩部(94)との間で圧縮した状態で保持されている。本実施例では、延びることにより引込み力を発揮する圧縮バネを用いるが、引張りバネのような他の同様に有効な手段も、針を引き込むのに利用できる。
【0015】
針(34)は、中空であり、使用時に患者に挿入される傾斜端部(48)と、フラッシュ室(42)内に延在する平坦端部(50)とを有する。縦方向に延びた孔は、傾斜端部(48)と平坦端部(50)の間に、針(34)を通る流路を形成する。針(34)は、管状本体(32)の針支持部(46)内にインサート成形され、インサート成形針が生成されるのが好ましい。しかしながら、所望であれば、針(34)は、管状本体(32)内に接着され、又は超音波溶着されてもよい。針支持部(46)を形成した後に針(34)が挿入されるならば、針支持部(46)の下端部に、テーパ付きの針挿入用開口(47)が設けられるのが好ましい。フラッシュ室(42)内に延びるのに十分に長い針(34)を用いることにより、針(34)の孔はインサート成形時に塞がれない。また、針(34)が患者の血管内に導入されたときは常に、少量の血液が針を通ってフラッシュ室(42)内に上向きに流れるから、フラッシュ室(42)の平坦端部(50)が見えるようにすることにより、使用者は、血液がフラッシュ室(42)内に入ると即座に血液を見ることができ、針(34)が適切に血管内に位置したことを確認できる。
【0016】
針ホルダアセンブリ(14)のフラッシュ室(42)の頂部にて、管状本体(32)の端部(52)が、多孔性のプラグ(36)によって塞がれ、該プラグ(36)が本体(32)の環状凹部(55)の壁に摩擦係合する。端部(52)に隣接する側壁(54)をテーパ付けることにより、管状本体(32)に多孔性のプラグ(36)を挿入することをより容易にするのが好ましい。多孔性のプラグ(36)は任意の適切な材料から作られてよく、当該材料は、針が血管内に挿入した後に針(34)を通って上昇する血液によって、針(34)及びフラッシュ室(42)から空気が出ることを許すが、どのような少量の血液であってもフラッシュ室(42)から出ることを阻止する。ここで開示されるIVカテーテル導入器(10)の重要な利点は、フラッシュ室(42)が透明なプラスチックの僅か2つの層を通して見えることである。この2つの層は、フラッシュ室(42)周りの管状本体(32)の透明壁とハウジング(12)の透明壁である。従来技術で開示された多くの器具については、使用者はフラッシュ室を見るのに3又は4以上のプラスチック層を通して見なければならず、何時血液がフラッシュ室に入り始めた時点を観測するのが困難であった。
【0017】
プランジャアセンブリ(18)は、略円筒形の側壁を備えた高分子材料製プランジャチューブ(40)を備えるのが好ましく、このチューブは、針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)の端部(52)に接近した下端部(56)と、ハウジング(12)の開口端部(24)から縦方向に外向きに突出する上端部(58)とを備える。プランジャチューブ(40)は、高分子樹脂から射出成形されるのが好ましく、ポリカーボネートのような略透明な高分子材料から射出成形されるのが最も好ましい。プランジャアセンブリ(18)の下端部(56)は、針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)に着脱自在に係合し、針ホルダアセンブリ(14)と協動し、図4でより詳細に記載する本発明の戻止め構造を形成する。プランジャチューブ(40)の上端部(58)は、小さく半径方向に延びる環状フランジ(60)を備えるのが好ましく、該環状フランジ(60)は、面(64)にあって、端部キャップ(66)を支持して摩擦係合するテーパ付き環状凹部(62)を囲む。これについて図5及び図6で更に記載し説明する。使用するためにIVカテーテル導入器(10)を準備する際には、プランジャアセンブリ(18)の上端部(58)は、ハウジング(12)から約1.5インチから3インチ延びているのが好ましく、それによって使用者の指がハウジング(12)のウィング(30)又は環状隆起部(31)を握りながら、上端部(58)が掌内に入り、片手操作を容易にする。図3について、以下に説明するように、指でハウジング(12)を引くと、針ホルダアセンブリ(14)の引き込みが開始する。
【0018】
図5及び図6を参照すると、端部キャップ(66)は、高分子樹脂から成形されるのが好ましく、さらに、図1乃至図2に示す針(34)の口径に応じて選択される色に着色された樹脂から形成されるのが最も好ましく、異なるサイズの針を有するIVカテーテル導入器(10)の中から、使用者が容易に区別することを手助けする。端部キャップ(66)は更に、縦に延びた環状スカート(70)に接続される連続した環状端壁(68)を備えるのが好ましく、環状スカート(70)は内向きにテーパ付けられて、上記の如く、プランジャチューブ(40)の環状凹部(62)と接して摩擦係合する。端部キャップ(66)をプランジャチューブ(40)の上端部(58)に係合させるのに多くの方法があることは理解されるだろう。端部キャップ(66)は、接着され、弾性で留められ、超音波溶着され、二段ショット成形され、又は他の同様の如何なる有効な手段によって係合されてよい。二段ショット形成は、異なる材料又は異なる色の材料を一緒に成形する場合の如何なる成形工程を言及している。端壁(68)の中央部に排気孔(72)が配備されているのが好ましく、この孔は表面(68)を横切って延びる複数の外向きに延びたリブ(74)のような表面凹凸構造に囲まれているのが好ましい。IVカテーテル導入器(10)の動作時に、手の一部が端部キャップ(66)に被さるときでも、排気孔(72)が使用者の手によって塞がれないように、リブ(74)は十分な数、間隔、高さがあるのが好ましい。カテーテルの挿入後に、針ホルダアセンブリ(14)がプランジャチューブ(40)内に引き込まれたときに、引込み空間(76)から排出される空気量を素早く排出するために、排気孔(72)は十分に大きいことが好ましい。
【0019】
再び図1乃至図2を参照すると、IVカテーテル(20)は、可撓性ゴム又はプラスチックのカニューレ(78)及びハブ(80)を備えている。ハブ(80)は、開口(88)を規定する環状フランジ(86)に加えて、針通路(82)及び管状部(84)を有しており、開口(88)は、ハウジング(12)の先端部(26)を受けて摩擦係合するような径を有する。カニューレ(78)の一端では、内向きにテーパ付けられた端部(81)が、針(34)の傾斜端部(48)の近傍で締まり嵌めされている。ハブ(80)を先端部(26)に取り付ける際には、針(34)は可撓性カニューレ(78)及び内向きにテーパ付けられた端部(81)を通って挿入され、傾斜端部(48)は内向きにテーパ付けられた端部(81)を僅かに超えて延びる。カニューレ(78)の内径は、針(34)の外径よりも若干大きく、針(34)の挿入後に針(34)がカニューレ(78)を通って容易に引き込まれ得るのが好ましい。ハブ(80)は、針(34)の引込み後及びハブ(80)の管状部(84)から先端部(26)を取り外した後に、通常のIVチュービングコネクタと容易に接続されるのに適しているのが好ましい。
【0020】
図2を参照すると、本発明のIVカテーテル導入器(10)は、戻しバネ(16)を開口(22)を通ってハウジング(12)内に落として組み立てられるのが好ましい。戻しバネ(16)は、圧縮に抗して付勢するコイルバネであって、ハウジング(12)内側の傾いた環状肩部(94)の丁度上に置かれるような直径を有するのが好ましく、側壁(28)の部分(33)によって略垂直に支持される。次に、予め製造された針ホルダアセンブリ(14)が、ハウジング(12)の開口端部(22)を通って下向きに挿入され、針(34)の傾斜端部(48)は、管状本体(32)の傾いた環状肩部(96)がハウジング(12)の肩部(94)に接するまで、戻しバネ(16)及びハウジング(12)の先端部(26)を下向きに通る。或いは、針ホルダアセンブリ(14)をハウジング(12)に挿入する前に、バネ(16)は針ホルダアセンブリ(14)上に置かれる。また、所望ならば、針ホルダアセンブリ(14)がハウジング(12)内に挿入された後に、針(34)は針ホルダアセンブリ(14)に接着され、又は超音波溶着され得る。管状本体(32)の傾いた環状肩部(92)は、傾斜した環状肩部(98)に接触せず、それによって肩部(96)が肩部(94)に適度に座るようにするのが好ましい。
【0021】
図2及び図4を参照すると、その後、予め製造されたプランジャアセンブリ(18)の下端部(56)は、開口(22)を通ってハウジング(12)内に挿入される。プランジャチューブ(40)がハウジング(12)内を下向きに移動すると、プランジャチューブ(40)のノーズ(104)が針ホルダアセンブリ(14)の管状本体(32)の端部(52)に達して、端部(52)上をスライドする。ノーズ(104)が端部(52)に達すると、プランジャチューブ(40)の半径方向に延びた環状ボス(100)は、ハウジング(12)の内向きに突出した環状リング(102)の上方にまだ位置している。ノーズ(104)におけるプランジャチューブ(40)の内径は、端部(52)の外径よりも十分に大きく、プランジャチューブ(40)の下端部(56)が、端部(52)に隣接する管状本体(32)の部分に摺動自在に係合できる。プランジャアセンブリ(18)が更にハウジング(12)内に挿入されると、環状ボス(100)は環状リング(102)に係合して、環状リング(102)を乗り越える。そして、針が使用に備えて延びた状態で、プランジャアセンブリ(18)と針ホルダアセンブリ(14)が、ハウジングに一旦取り付けられると、環状リング(102)は、プランジャアセンブリ(18)及び結合された針ホルダアセンブリ(14)の後方移動に抵抗する。ハウジング(12)からプランジャアセンブリ(18)を引き抜こうと試みれば、環状ボス(100)の肩部は環状リング(102)の肩部に接して、かなりの力が発揮されない限り、引抜きを阻止する。しかし、環状リング(102)は、十分小さく作られて、製造工程時に成形具を引き抜くことができるようになっているのが好ましいことが理解されるだろう。図2の詳細図である図4を参照すると、プランジャチューブ(40)は、下端部(56)の内表面にある内向きの環状ボスが、協動するサイズと配置にあって外向きの管状本体(32)の環状凹部(108)に到達して嵌まるまで、針ホルダアセンブリの管状本体(32)の上をスライドし続ける。図2及び図4について、環状ボス(106)と環状凹部(108)の形状及び寸法により、ボス(106)は環状凹部(108)内にて半径方向内向きに付勢される。
【0022】
プランジャチューブ(40)内側のボス(106)は、管状本体(32)の環状凹部(108)の凹みと同様に周囲に広がりをもつことは必要でないことが理解されるだろう。故に、例えば、ボス(106)は、凹部(108)に係合するように付勢されている、周方向に間隔を明けた個別の内向きに延びる隆起列に置き換えられてよい。しかしながら、凹部(108)が環状本体の周囲全体に延び、プランジャチューブ(40)と管状本体(32)との間で摺動自在に係合するのに2つの部品の間に特定の回転位置が要求されないことが好ましい。プランジャチューブ(40)を更にハウジング(12)内に挿入する力によって、凹部(108)からボス(106)を摺動自在に解除するために必要な力が、カテーテルを挿入する際の、圧縮された引戻しバネ(16)と、針(34)を上方に引き上げる更なる力とによって、針ホルダアセンブリ(14)に対して発揮される付勢力よりも大きいように、ボス(106)と凹部(108)の形状と寸法が定められることが好ましい。IVカテーテル(20)は、針ホルダアセンブリ(14)とプランジャアセンブリ(18)をハウジング(12)に挿入する前に、ハウジング(12)の先端部(26)に取り付けられる。或いは、ハウジング(12)内に挿入する以前に、プランジャアセンブリ(18)と針ホルダアセンブリ(14)(ときどき、針支持アセンブリとして言及される)が、互いに組み合わされてもよい。ボス(106)と凹部(108)が互いに係合したときのボス(106)と凹部(108)との摩擦係合は、針ホルダアセンブリ(14)とプランジャアセンブリ(18)を共にハウジング(12)内に挿入するのに十分であることが好ましい。
【0023】
針の傾斜端部(48)とカニューレ(78)の一部は、親指と他の指でハウジング(12)の環状隆起部(31)を把持しながら、患者の血管内に挿入されるのが好ましい。カテーテルを患者に挿入した後で、ウィング(30)又は環状隆起部(31)を指、若しくは親指と指で把持し、次に、掌又は手首で端部キャップ(66)を押して、プランジャチューブ(40)を更にハウジング(12)内に押し下げることにより、針ホルダアセンブリ(14)が引き戻される。引戻しが起こると、図4に示すボス(106)と凹部(108)の摩擦係合には、過剰に圧力が掛けられて、ボス(106)が管状本体(32)の面(112)に乗り上げる。ハウジング(12)にしっかりと取り付けられた管状本体(32)に対して、プランジャチューブ(40)が引き続いて押し下げられると、管状本体(32)の傾いた肩部(114)からボス(106)が外れる。これが起こると、圧縮された戻しバネ(16)に加えられる有効な摩擦力がなくなり、バネ(16)が素早く延び、針ホルダアセンブリ(14)を引込み空間(76)内へ上向きに進ませると同時に、針(34)を、少なくとも傾斜端部(48)がハウジング(12)内に引き込まれる位置まで引き戻す。
【0024】
図3を参照すると、戻しバネ(16)が完全に伸びて、針ホルダアセンブリ(14)の上端部(52)が、少なくとも部分的に引込み空間(76)内に引き込まれている。戻しバネ(16)の伸びに応じて、針ホルダアセンブリ(14)が空間内を上向きに移動すると、プランジャチューブ(40)の引込み空間(76)内に予め存在した空気は、排気孔(72)を通じて排出される。針ホルダアセンブリ(14)の上端部(52)が、引込み空間(76)内へ上向きに移動すると、針(34)の傾斜端部(48)が、ハウジング(12)内に十分に引き込まれる。針(34)が図3に示す位置にあるときは、ハウジング(12)の先端部(26)は、IVハブ(80)から安全に取り外すことができる。
【0025】
本発明の改良されたIVカテーテル導入器は、自動製造及び組立てに好適である。カテーテル、針及びバネを別にして、ハウジング、引込み可能な針ホルダ、及びキャップされた通気式のプランジャチューブのみが必要である。ハウジング(12)は真直な内壁を備えた真っ直ぐな構成で作ることは可能であるが、環状リング(102)の下側肩部は別として、頂部から底部に向けて内向きにテーパ付けられた段付き構成で作られるのが好ましい。このテーパにより、成形工程にて用いられるコアマンドレルを引き抜くことが容易になる。図示していないが、針(34)の傾斜端部(48)は、製造工程時、発送時及び収納時に、カニューレ(78)の外側を上向きにスライドする管状カバーによって保護されることにより、針が傷つくことを防ぐのが好ましいことは理解されるだろう。
【0026】
本発明のIVカテーテル導入器の重要な特徴は、導入器の引込み可能な構造を作業者が片手で容易に操作できることにある。片手操作が可能な理由は、プランジャチューブが、好ましくは、ハウジングのウィングが位置する箇所を約1.5インチから3インチ超えて延びるからである。これにより、掌の肉厚部にてプランジャチューブに力を加えることができる一方で、ハウジングのウィング又は環状隆起部の後方に指を使ってその力に抗しつつ、引き込みをスムーズに開始することができる。もう片方の手は、カテーテルのハブを握るために、フリーな状態にある。導入器具からハブを取り外すタイミングとIVチューブをハブに取り付けるタイミングは、完全に作業者の制御下にある。1つの動作で、カテーテルのハブが、挿入器具から外されて、その傍に安全に置かれる一方で、患者に繋がるIVチューブ又は他の器具が接続される。カテーテル導入器は、何ら危惧することなくベッド又はトレイ上に安全に置かれる。なぜなら、カテーテルアセンブリがハウジングから外される前に、針は既に安全に引き込まれているからである。指がハウジングのウイング又は環状の隆起部を引いて引き込みを開始すると、作業者は針が安全に引き込んだことを目と耳の両方で知ることができ、直ちに器具を離して安全に取り外し、患者から流体のロスが起こる前に、必要なIV接続を行うべく手をフリーな状態にしておく。
【0027】
本発明のIVカテーテル導入器は、バイアルに一般に使われているゴムシールを穿刺するのに従来のシリンジに必要とされるような大きさの、針が引き込み機構に加える力に抗する必要はない。従って、引き込み可能な部品は、引込み動作をすることなく、通常の臨床使用時に受ける力にのみ抵抗できるだけでよい。ここで開示された器具に関しては、寸法公差及び熱膨張率の差は、滑らかに対向している面の間で面と面とが接することによって摩擦係合だけが生じる器具に比べて重要でない。
【0028】
ここで開示されたIVカテーテル導入器は、使用前の搬送及び格納時に、手粗い取り扱い、大きく変化する温度差及び湿度差を受けても、従来の器具よりも針を時期尚早に引き込む可能性は少ない。本発明は、シンプルで、流線形の形状と、従来使われていたものよりも容易に作動し、より信頼性の高い戻しバネとを有する。本装置は、ウィングをアクセスできるあらゆる回転位置にて片手で操作できる。なぜなら装置を特定の向きに置くことを要求する外部ラッチがないためである。更に、ウィングは、カテーテル導入器が傾斜面におかれたときに、カテーテル導入器が転がることを防止する。装置を片手で保持した状態で、引込み力が長手方向の主軸に沿って直線的に加えられる。引き込みを開始するには、非常に短いストロークで十分である。引き込みの成功が、視覚的及び聴覚的に認識される。なぜなら作業者はハウジング内に引き込まれた部品を容易に見ることができ、引き込みは控えめな音を発生するからである。
【0029】
本発明の他の好ましい実施例を、図7乃至14を参照して、記載し説明する。特に断りのない限り、本発明のこの実施例の構成、材料及び用途は、従前の好ましい実施例として上述したものとほぼ同様である。この新しく開示された実施例は、既に開示された他の実施例に適用でき、特定の状況下で、この開示に含まれる教示を考慮して、当業者が望むと認識される他の変更が行われることが理解されるであろう。
【0030】
図7乃至12を参照すると、本発明のIVカテーテル導入器(210)は、プランジャアセンブリ(212)、ハウジング(214)、ハウジング(214)内に挿入される引込み可能な針アセンブリ(218)(プラグ(238)と引込みバネ(280)を更に含む)、ハウジング(214)の前側に取り付けられるIVカテーテルアセンブリ(216)、ハウジング(214)とIVカテーテルアセンブリ(216)の間に配置される弾性グロメット(258)、及び着脱自在なカバー(276)を含むことが好ましい。しかしながら、引込みバネと引込み可能な針の使用は、本発明の弾性グロメット(258)を用いるために必要とされていないことが理解されるべきである。プランジャアセンブリ(18)、ハウジング(214)、引込み可能な針アセンブリ(218)の本体部、IVカテーテルアセンブリ(216)、及びカバー(276)は全て、FDAで承認された成形用高分子材料で作られることが好ましいが、種々の部品が、様々な材料を含んでよいことが理解されるべきである。弾性グロメット(258)は、ゴムで作られることが好ましく、以下に詳細に説明する。
【0031】
プランジャアセンブリ(212)は、ハウジング(214)の後側の開口に挿入される、前方に延びた端部を有する。プランジャの本体(230)は中空であり、カラー(222)によって囲まれる後側開口を有している。エンドキャップ(220)は、カラー(222)の内部に摩擦接触して挿入可能(図13で見ることができる)であることが好ましいが、先行技術を参照して既に説明したように、他の同様に効果的なキャップの形状を用いることができる。環状リブ(226)と、周方向に離間しており、径方向に延びた細長のキー(228)とが備えられることが望ましく、組立ての間、プランジャアセンブリ(212)がハウジング(214)内を前方に進む際に、それを案内する。キー(228)は、ハウジング(214)の内壁の長手方向に方向付けられたキー溝に位置合わせされることが好ましく、ハウジング(214)内のプランジャアセンブリ(212)と引込み可能な針アセンブリ(218)の間の好ましい回転アライメントを維持する。この回転アライメントは、患者の血管内に針(246)を挿入している間、プランジャアセンブリ(212)が前方に進んでいるときに、針(246)の斜面が常に上方に向いていることを確実にする。
【0032】
プランジャアセンブリ(212)の前方に延びる小径前部(234)には、図13を参照して以下に詳細に説明するように、針アセンブリの後方に向く端部カラー(240)を受けるのに十分な長さと内径とを有する開口(236)を備えることが望ましい。図8及び図13を参照すると、本体部(234)の後部には、前方へ向いており、ほぼ直角の肩を有する傾斜ランプ(232)が設けられている。ランプ(232)は、プランジャアセンブリ(212)がハウジング(214)内へ挿入される際、ハウジング(214)内の戻り止め(252)を超えてスライドするが、その後、ランプは後方に向いた肩部と戻り止め(252)が当接係合し、その後、引込み前にて、圧縮バネ(280)を伸ばすバネ力を抑えるのに十分に、ハウジング(214)に対するプランジャ本体(231)の後方移動に抵抗する。排気孔(231)が、本体(230)内に備えられることが好ましく、引き込みの間、IVカテーテル導入器(210)の前方に血液が飛び散る可能性を減らす。
【0033】
針アセンブリ(218)は、端部カラー(240)と、前方に延びており、環状肩部(243)で分けられた小径本体部(242)(244)とを含むことが好ましく、それら全てが、略透明なプラスチックによって作られるのが好ましい。本体部(242)は、フラッシュチャンバ(284)の壁面を規定し(図13)、本体部(244)は針保持部であるのが好ましい(図13及び図14)。本体部(244)は、圧縮引込みバネ(280)内に挿入可能な程度に十分小さな外径を有する。環状肩部(243)は、ハウジング(214)内に装着されると、引込みバネの上部が当接するのに十分な幅を有しており、引き込み前にて、バネ(280)の後方への伸びを制限する。針(246)は、傾斜した前端部と平坦な後端部とを有しているのが好ましく、既に開示された任意の適切な方法によって、本体部に装着されて、それに対して一定の位置に保持される。針(246)は、十分な長さを備えることが好ましく、IVカテーテルアセンブリ(216)を介した挿入について臨床的に効果があるように、本体部(242)から十分な距離で前方に突出し、本体部(244)(242)の内部とカラー(240)を通って後方に突出する。平坦端部(282)は、本体部(242)内のフラッシュチャンバ(284)内に延びる(図14)。プラグ(238)は、上述したように多孔性材料で作製されることが好ましい。プラグ(238)は、カラー(240)の内壁に摩擦係合し、針(246)の引込み前にフラッシュチャンバ(284)内に血液を閉じ込める。
【0034】
ハウジング(214)は、プランジャ(212)の中を通る中心ボアに対して同軸上に配置される中心ボアと、引き込み可能な針アセンブリ(218)と、IVカテーテルアセンブリ(218)とを備えることが好ましい。ボアの径には、フランジ(286)(図8)と前フランジ(256)の間で内向きに段があり、ハウジング(214)内にて、引込み可能な針アセンブリ(216)の環状肩部(243)の座面を提供する(図13参照)。後フランジ(248)、フランジ(286)及び前フランジ(256)は、全て変形した矩形形状に成形されることが望ましく、支持面に横たわる際に、ハウジング(214)にほぼフラットなベースを提供する。図8及び図13を参照すると、前フランジ(256)は、更に、引込み可能な針アセンブリ(218)の本体部(244)の外径よりも僅かに大きい内径を有する開口(288)を有するのが好ましく、前方に延びる本体部(244)の先端が開口(288)を通って、グロメット(258)の後側の凹部(294)に挿入されることを可能にする。成形されたリッヂ(ridges)(254)が、フィンガーグリップとして使用するために与えられており、略平坦な壁部(255)が、その下にある、引込み可能な針アセンブリ(218)のフラッシュチャンバ(284)を見る覗き窓として提供されることが好ましい。ハウジング(214)と引込み可能な針アセンブリ(218)の本体とは、透明なプラスチックから成形されることが好ましく、針(246)の平坦端部からフラッシュチャンバ(284)を流れる血液の観察を容易にする。環状戻り止め(252)は、後フランジ(248)とフランジ(286)間の壁部(250)に備えられ、プランジャアセンブリ(212)のランプ(232)と協動して、引込み前にて、引込み可能な針アセンブリ(218)が環状肩部(243)に作用するバネ力に抵抗する。
【0035】
図8及び図14に最も良く示されているように、弾性グロメット(258)は、ゴムで作られることが好ましい。さらに、弾性グロメット(258)は、くぼんだ円弧状の凹部(290)を有しており、ほぼ円筒形で前方に向いた突部(262)と、望ましくは円筒形であって、引込み式針アセンブリ(218)の本体部(244)の前方へ延びる先端を受けるように構成されており、後方に向いた凹部(294)と、上向きに延びて、カテーテル導入器の上側を(針の傾斜面が上向くように)決めるタブ(260)と、ハウジング(214)の前フランジ(256)中のノッチ(287)またはその他の同様な効果の凹部へ挿入されて、ハウジング(214)に対してグロメット(258)を回転方向に位置決めする、後方へ突出した位置決めタブ(261)とを備えている。静脈内にカテーテル(274)を挿入している間、指の圧力が上方に延びるタブ(260)に作用していることが望ましく、また針(246)の引込み前に、カテーテルアセンブリ(216)からハウジング(214)分離するときも、指圧が加えられることが望ましい。前向きの突部(262)は、カテーテルアセンブリ(216)のハブ(266)の内壁と摩擦係合する大きさの外径を有することが好ましい。グロメット(258)は、凹部(290)(294)の間に配置される薄い弾性ウェブ(例えば厚さ0.020インチ)を備えることが好ましい。凹部(290)(294)には、IVカテーテル導入器(210)の組立ての間に、ウェブを通る針の取付けによって開口(292)が形成される。開口(292)は、針(246)を圧迫することなく、しかしカテーテルの挿入に続いてバネ(280)により針が完全に引き込むのを防ぐには十分な強さで、針(246)の外径に軽く係合する。
【0036】
グロメット(258)は、本発明のIVカテーテル導入器(210)の一部として組み込まれたときに、有意義な様々な機能を発揮する。最初に、グロメット(258)は、使用前の搬送や取扱い時に、ハウジングからIVカテーテルアセンブリが不意に分離する可能性を減らす。第2に、開口(292)が、針(246)のガイドとして機能する。第3に、後方に向く凹部(294)は、針アセンブリ(218)の本体部(244)の前方に延びる先端に対して、開口(292)が同軸上に適切に配置されることを確実にする。第4に、後方に突出する位置決め用タブ(261)が、グロメット(258)とハウジング(214)の間の適切な回転アライメントを確実にし、それによりタブ(260)は、上方に突出して、ハウジング(214)に対して他の回転位置には存在しない。第5に、針(246)を挿入する間、ハウジング(214)のリブ(254)を握りながら、指圧をタブ(260)に対して加えることができる。第6に、グロメット(258)のタブ(260)は、針の引込み前にハブ(266)からハウジング(214)を引き離すときに使用者の補助をする。第7に、針(246)の引抜きと引込みの間、グロメット(258)の薄いウェブと針(246)の外側との僅かな接触が、針(246)の外側に出た血液をぬぐう。第8に、引き込みの間、グロメット(258)の薄いウェブと針(246)の外側との接触が、引込み力を弱め、針を遅くし、それによって引き込みにより前方へ跳ねる可能性を減らす。第9に、グロメット(258)は、ハブ(266)とグロメット(258)から針を引き抜いた後、カテーテルのハブの外側へ血液がこぼれることを妨ぐ。
【0037】
図7乃至12を参照すると、IVカテーテルアセンブリ(216)は、テーパ付きの筒状ハブ(266)を備えており、筒状ハブ(266)は、後方に向いた端部上にコネクタ用カラー(264)を備えているのが好ましい。コネクタ用カラー(264)は、それと協動するように構成された、商業的に入手できる従来のIV導入セット、血液採集バッグなどの端部コネクタに容易に取り付けることができるように構成されることが好ましい。一組のウィング(268)が、径方向について対向して配置され、横に延びている。これらウィング(268)は、ハブ(266)に取り付けられるか、又はハブ(266)の一部として一体成形されることが好ましく、使用中に患者の体の上に置かれる場合に、IVカテーテルアセンブリ(216)を横方向に支持する。隆起しており、凹凸を付けたフィンガーパッド(270)は、ウィング(268)の端部、又は端部近傍に備えられることが望ましく、針(246)の引込みの後、IVカテーテル導入器(210)のハウジング(214)からハブ(266)を分離する間に、IVカテーテルアセンブリ(216)を安定させるために使用される。カテーテル(274)は、ゴム又は可撓性プラスチック製の鞘であって、針(246)の外径よりも僅かに大きい内径を有し、針(246)がカテーテル内を通って挿入するときに、針(246)の傾斜端部を除く全ての部分を保護するのに十分な長さを有することが望ましい。カテーテル(274)は、任意の適切な手段によって、テーパ付きで前方に延びた、IVカテーテルアセンブリ(216)の先端部(272)の内部に固定されることが好ましい。例えば、その手段として、前述した実施形態について先に説明された手段が挙げられる。図8及び図13を参照すると、カバー(276)は、好ましくは成形されたプラスチックで作られており、使用前に針の傾斜した先端を保護するのに十分な長さと、先端部(272)の外径と摩擦係合する内径とを有する。
【0038】
図13及び図14を参照すると、IVカテーテルアセンブリ(210)が組み立てられると、針(246)は、カテーテル(274)から前方に突出しており、IVカテーテルアセンブリ(216)の前方に延びる先端部(272)と摩擦係合する取外し可能なカバー(276)とによって、使用前の搬送や取扱いの間、保護されている。ハブ(266)の内側は、グロメット(258)の円筒形突部(262)の外側表面と摩擦係合する。引込み可能な針アセンブリ(218)の本体部(244)の前方に延びる端部(図8)は、グロメット(258)の周方向に延びる側壁の凹部(294)に延びて、摩擦係合することが望ましい。針(246)は、グロメット(258)の薄いウェブに開口(292)を形成して、そこを通り、さらに本体部(244)に対して長手方向に固定されて配置される。針(246)の平坦端部(282)は、ハウジング(214)を通して目で見ることができるように、フラッシュチャンバ(284)内に延びることが好ましい。針ホルダの後側カラー(240)は、本体部(234)の内側表面と摩擦係合し、フラッシュチャンバ(284)の後部は、摩擦係合されたプラグ(238)によって塞がれる。引込みバネ(280)は、ハウジング(214)のフランジ(256)の背面と針ホルダの環状肩部(243)との間にて長手方向に延びた環状空間内で圧縮される。引込みバネ(280)は、プランジャアセンブリ(212)の環状肩部(232)(図8)とハウジング(214)の内側に向いた戻り止め(253)との間の接触係合と、プランジャアセンブリ内部の内側に向いたリッジ(296)とカラー(240)の後方に延びる端部との間の接触係合とによって、引込み前に圧縮状態で保持される。図13及び図14では、引込みバネ(280)は完全に圧縮させた状態で記載されているが、環状空間内で圧縮されるバネ(280)は、完全に圧縮されたバネ(280)の長さよりも僅かに長いことが好ましく、製造と組立ての間における僅かな公差を与え、それにより、環状空間内に嵌入するバネに対して完全な圧縮が要求されないことは理解されるであろう。
【0039】
カバー(276)を取り外した後で、針(246)と前方に延びたカテーテル(274)の先端部とは、ハウジング(214)のリブ(254)を握った状態で静脈内に挿入され、グロメット(258)のタブ(260)の背面に指圧が加えられる。針(246)が静脈内に穿刺され、カテーテル(274)が、静脈内に適切に位置されると、ウィング(268)のフィンガーパッド(270)(図8)に一方の手で指圧を加えて、適当な位置でハブ(266)を保持する一方で、他方の手で、タブ(260)に再び指圧を加えて、グロメット(258)からハウジング(214)を分離する。ハブ(266)とグロメット(258)に対して後方にハウジング(214)を引くことによって、分離が起こって、例えば1/4インチから1/2インチの短い距離、針(246)を引き抜いた後、ハウジング(214)に対してプランジャ(212)を引き抜くことによって、針(246)をカテーテル(274)から完全に引き抜くことができる。ハウジング(214)の内向きの壁面とプランジャアセンブリ(212)とによって針ホルダアセンブリ(218)の後部が摩擦保持されない軸方向の位置に、プランジャアセンブリ(212)が引き戻されると、バネ(280)が伸びて、カラー(240)がプランジャアセンブリ(212)内に配置されて、グロメット(258)の背後で針(246)がハウジング(214)内に引き込まれる位置まで、針ホルダアセンブリ(218)を後方に押し出す。引戻しバネが用いられない場合、針(246)は、ハブ(266)とグロメット(258)に対して、ハウジング(214)を更に後方に引くことによって完全に引き戻される。
【0040】
医療従事者が、IV注入装置、血液採集バッグ、又はメディカルデバイスにハブ(266)を接続することを望むまで、グロメット(258)は、ハブ(266)の後方に向く端部と摩擦係合する場所に残しておくことが望ましい。そのような接続をする前にて、針(246)の取除き、又は引込みの後、弾性グロメット(258)の開口(292)はほとんど閉じられており、グロメット(258)は、ハブ(266)の背面からのアクシデントによる血液の流出をブロックする。
【0041】
上記実施例の他の代替及び変更は、本開示を読めば、当業者にとって同様に明らかとなり、ここに開示された発明の範囲は、発明者が法的に権利を与えられた添付の請求の範囲を最も広く解釈することによってのみ限定されることを意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IVカテーテル導入器において、
針ホルダアセンブリを備えるハウジングであって、前記針ホルダアセンブリは、前記ハウジングから前方に突出する針と共に前記ハウジング内に設置されているハウジングと、
前記ハウジング内にスライド挿入可能なプランジャチューブを有するプランジャアセンブリと、
後方に向いた筒状のハブに取り付けられた可撓性カテーテルを有するIVカテーテルアセンブリと、
前記ハウジングと前記ハブの間に配置される弾性グロメットと、
前記IVカテーテル導入器の使用前に、前記針と前記カテーテルの一部を覆うように備えられる着脱自在なカバーとを、
同軸上に配置して備えており、
前記グロメットは、前記ハウジングと前記ハブとに係合可能であり、
前記グロメットは、上方に延びるタブを有しており、前記タブは、前記針の傾斜側に対応している前記カテーテル導入器の上側を特定するIVカテーテル導入器。
【請求項2】
前記ハウジングと前記針ホルダの一部との間の環状空間内に配置される引込みバネを更に備えており、
前記針ホルダが解放されて、前記カテーテルから前記針を引き込むまで、前記プランジャアセンブリと前記ハウジングとが協動して、前記引込みバネを圧縮状態で維持する、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項3】
前記グロメットはゴムで作られている、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項4】
前記グロメットは、前記ハブの後側開口と摩擦係合する前方に向いた突起部を更に備える、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項5】
前記突起部は略円筒状である、請求項3に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項6】
前記グロメットは薄い横断ウェブを有しており、前記針は、組立て中に、前記ウェブを通って軸方向に挿入される、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項7】
前記グロメットは、前記針ホルダの前向き先端部を受け入れる後方に向いた凹部を備える、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項8】
前記ウェブは、使用後に前記IVカテーテルアセンブリと前記グロメットから前記針が引き抜かれる際に、前記針の外面を拭う、請求項6に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記カテーテルの挿入、前記グロメットからの前記ハウジングの分離、及び前記グロメットからの前記針の引抜きの後、前記グロメットは、前記ハブから後方に向かう血液の流出を妨げる、請求項1に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記グロメットは、後方に向いた位置決め用タブを備え、前記タブは、前記ハウジング内のノッチ又は凹みと協動して係合し、前記グロメットと前記ハウジングとを回転方向に位置決めする、請求項1に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
横方向に伸びる一対のウィングを更に備える、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項12】
前記一対のウィングは、前記ハブに取り付けられる、請求項11に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項13】
前記一対のウィングの各々は、隆起したフィンガーパッドを有する、請求項12に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項14】
引込み可能な針を備えるIVカテーテル導入器であって、
筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に設置される針ホルダと、筒状の本体に対して長手方向に固定して取り付けられる針とを備える針ホルダアセンブリと、
前記ハウジングと前記針ホルダアセンブリの筒状本体との間の環状空間内に配置される引込みバネと、
前記ハウジング内に挿入可能で、前記ハウジング内の前記針ホルダと係合可能なプランジャチューブを有しており、前記ハウジングと協動して、引込み前の前記引込みバネを圧縮状態で維持するプランジャアセンブリと、
ハブに取り付けられる可撓性カテーテルを有するIVカテーテルアセンブリと、
前記ハウジングと前記IVカテーテルアセンブリの間に配置される弾性グロメットと、
前記IVカテーテル導入器の使用前に、前記針と前記カテーテルの一部を覆うように配置される着脱自在なカバーとを備えるIVカテーテル導入器。
【請求項15】
前記グロメットはゴムで作られる、請求項14に記載の前記IVカテーテル導入器。
【請求項16】
前記グロメットは、前方に向いた突部を更に備えており、前記突部は、前記針の一部が軸方向に貫通する凹部を有している、求項14に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項17】
前記突部は、前記IVカテーテルアセンブリの前記ハブと摩擦係合する、請求項16に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項18】
前記突部は略円筒状である、請求項16に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項19】
前記グロメットは、後向き凹部を更に備えており、前記針ホルダアセンブリの前記筒状本体における前方に向いた先端部を受け入れる、請求項16に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項20】
前記グロメットは、引込みの間、前記針をガイドする、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項21】
前記グロメットは、引込みの間、前記針の外面を拭う、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項22】
前記グロメットから前記針を引き込んだ後、前記グロメットは、前記ハブから後方に流れる血液の流出を妨げる、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項23】
前記グロメットは,指圧を加えるのに適した上方に突出するタブを更に備える、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項24】
前記グロメットは、後方に向いた位置決め用タブを更に備えており、前記タブは、前記ハウジング内のノッチ又は凹みと協動して係合し、前記グロメットと前記ハウジングを回転方向に位置決めする、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項25】
前記IVカテーテルアセンブリは、横方向に延びる一対のウィングを更に備える、請求項14に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項26】
横方向に延びる各ウィングは、隆起したフィンガーパッドを備える、請求項25に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項1】
IVカテーテル導入器において、
針ホルダアセンブリを備えるハウジングであって、前記針ホルダアセンブリは、前記ハウジングから前方に突出する針と共に前記ハウジング内に設置されているハウジングと、
前記ハウジング内にスライド挿入可能なプランジャチューブを有するプランジャアセンブリと、
後方に向いた筒状のハブに取り付けられた可撓性カテーテルを有するIVカテーテルアセンブリと、
前記ハウジングと前記ハブの間に配置される弾性グロメットと、
前記IVカテーテル導入器の使用前に、前記針と前記カテーテルの一部を覆うように備えられる着脱自在なカバーとを、
同軸上に配置して備えており、
前記グロメットは、前記ハウジングと前記ハブとに係合可能であり、
前記グロメットは、上方に延びるタブを有しており、前記タブは、前記針の傾斜側に対応している前記カテーテル導入器の上側を特定するIVカテーテル導入器。
【請求項2】
前記ハウジングと前記針ホルダの一部との間の環状空間内に配置される引込みバネを更に備えており、
前記針ホルダが解放されて、前記カテーテルから前記針を引き込むまで、前記プランジャアセンブリと前記ハウジングとが協動して、前記引込みバネを圧縮状態で維持する、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項3】
前記グロメットはゴムで作られている、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項4】
前記グロメットは、前記ハブの後側開口と摩擦係合する前方に向いた突起部を更に備える、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項5】
前記突起部は略円筒状である、請求項3に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項6】
前記グロメットは薄い横断ウェブを有しており、前記針は、組立て中に、前記ウェブを通って軸方向に挿入される、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項7】
前記グロメットは、前記針ホルダの前向き先端部を受け入れる後方に向いた凹部を備える、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項8】
前記ウェブは、使用後に前記IVカテーテルアセンブリと前記グロメットから前記針が引き抜かれる際に、前記針の外面を拭う、請求項6に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記カテーテルの挿入、前記グロメットからの前記ハウジングの分離、及び前記グロメットからの前記針の引抜きの後、前記グロメットは、前記ハブから後方に向かう血液の流出を妨げる、請求項1に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記グロメットは、後方に向いた位置決め用タブを備え、前記タブは、前記ハウジング内のノッチ又は凹みと協動して係合し、前記グロメットと前記ハウジングとを回転方向に位置決めする、請求項1に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
横方向に伸びる一対のウィングを更に備える、請求項1に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項12】
前記一対のウィングは、前記ハブに取り付けられる、請求項11に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項13】
前記一対のウィングの各々は、隆起したフィンガーパッドを有する、請求項12に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項14】
引込み可能な針を備えるIVカテーテル導入器であって、
筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に設置される針ホルダと、筒状の本体に対して長手方向に固定して取り付けられる針とを備える針ホルダアセンブリと、
前記ハウジングと前記針ホルダアセンブリの筒状本体との間の環状空間内に配置される引込みバネと、
前記ハウジング内に挿入可能で、前記ハウジング内の前記針ホルダと係合可能なプランジャチューブを有しており、前記ハウジングと協動して、引込み前の前記引込みバネを圧縮状態で維持するプランジャアセンブリと、
ハブに取り付けられる可撓性カテーテルを有するIVカテーテルアセンブリと、
前記ハウジングと前記IVカテーテルアセンブリの間に配置される弾性グロメットと、
前記IVカテーテル導入器の使用前に、前記針と前記カテーテルの一部を覆うように配置される着脱自在なカバーとを備えるIVカテーテル導入器。
【請求項15】
前記グロメットはゴムで作られる、請求項14に記載の前記IVカテーテル導入器。
【請求項16】
前記グロメットは、前方に向いた突部を更に備えており、前記突部は、前記針の一部が軸方向に貫通する凹部を有している、求項14に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項17】
前記突部は、前記IVカテーテルアセンブリの前記ハブと摩擦係合する、請求項16に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項18】
前記突部は略円筒状である、請求項16に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項19】
前記グロメットは、後向き凹部を更に備えており、前記針ホルダアセンブリの前記筒状本体における前方に向いた先端部を受け入れる、請求項16に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項20】
前記グロメットは、引込みの間、前記針をガイドする、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項21】
前記グロメットは、引込みの間、前記針の外面を拭う、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項22】
前記グロメットから前記針を引き込んだ後、前記グロメットは、前記ハブから後方に流れる血液の流出を妨げる、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項23】
前記グロメットは,指圧を加えるのに適した上方に突出するタブを更に備える、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項24】
前記グロメットは、後方に向いた位置決め用タブを更に備えており、前記タブは、前記ハウジング内のノッチ又は凹みと協動して係合し、前記グロメットと前記ハウジングを回転方向に位置決めする、請求項14に記載のIVカテーテルアセンブリ。
【請求項25】
前記IVカテーテルアセンブリは、横方向に延びる一対のウィングを更に備える、請求項14に記載のIVカテーテル導入器。
【請求項26】
横方向に延びる各ウィングは、隆起したフィンガーパッドを備える、請求項25に記載のIVカテーテル導入器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−526607(P2012−526607A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510824(P2012−510824)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/032474
【国際公開番号】WO2010/132196
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(501383727)リトラクタブル テクノロジーズ,インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】RETRACTABLE TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/032474
【国際公開番号】WO2010/132196
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(501383727)リトラクタブル テクノロジーズ,インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】RETRACTABLE TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】
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