L型外装材
【課題】 本発明は、壁面用建材として使用される外装材に関し、比較的安価で、容易に製造でき、従来の外装材に比べて断熱効果を一層向上させた外装材を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のL型外装材10は、背面12を壁面取り付け側とする外装材基部20と、外装材基部20の下部から正面14側に突出し、且つ外装材基部20の横手方向に伸びる突出部22と、を含んで構成され、縦方向断面形状が略L字形状をなすことを特徴とする。
【解決手段】 本発明のL型外装材10は、背面12を壁面取り付け側とする外装材基部20と、外装材基部20の下部から正面14側に突出し、且つ外装材基部20の横手方向に伸びる突出部22と、を含んで構成され、縦方向断面形状が略L字形状をなすことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面用建材として使用される、縦方向断面形状が略L字形状をなすL型外装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の壁面用建材として使用されるタイル等の外装材は薄板状のものが殆どであり、このような従来の薄板状外装材は、建物の美観を向上するために用いられるのが一般的である。つまり、従来の薄板状外装材には断熱効果が殆ど期待できず、建物の断熱性を向上するために、薄板状外装材が貼着される壁面内部に断熱材を別途施工して、断熱効果を高めている。
【0003】
また、従来の薄板状外装材に代えて、断熱効果を高めた外装材も種々開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。特許文献1に開示された外装材は、発泡ガラスからなる断熱層を備えた外断熱タイルであって、セラミックタイルの裏面に断熱層が一体成形されており、当該外断熱タイルを壁面に貼着することによって、断熱効果が得られる。特許文献2に開示された外装材は、断熱材を充填した断熱材複合タイルであって、タイル本体内部の空洞部に発泡断熱材を充填することによって、タイル自体の断熱性向上が図られている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−227221号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2006−124213号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、従来の薄板状外装材には断熱効果が殆どなく、壁面に施工された断熱材による断熱効果しか得られず、断熱効率が非常に悪い。
【0006】
一方、上記外断熱タイルや断熱材複合タイルによると、壁面に施工された断熱材による断熱効果と共に、タイル自体の断熱効果も得られるため、建物の断熱性は非常に向上される。しかし、これらの外装材(タイル)は、製造コストが高くつき、建築コストの高騰を招くおそれがある。
【0007】
更に、従来の薄板状外装材や外断熱タイル、断熱材複合タイルは、何れも外装材表面が平面をなしているため、これらの外装材が貼着された外壁も平面をなすこととなる。従って、一年を通して外壁には太陽光が直接当たることとなるが、特に夏場の太陽光が直接当たり続けると、外装材表面が猛烈に熱せられ、外装材自体の温度も上昇するため、断熱効果を十分に発揮することが困難となる。
【0008】
そこで本発明者は、上記の問題点に鑑み、比較的安価で、容易に製造でき、従来の外装材に比べて断熱効果を一層向上させた外装材を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明のL型外装材の要旨とするところは、壁面用建材として使用される外装材であって、背面を壁面取り付け側とする外装材基部と、該外装材基部の下部から正面側に突出し、且つ該外装材基部の横手方向に伸びる突出部と、を含んで構成され、縦方向断面形状が略L字形状をなすことにある。
【0010】
また、かかるL型外装材において、前記突出部の上面は湾曲、或いは前記外装材基部の正面から該突出部の先端部に向かって斜め下方向に傾斜していることにある。
【0011】
また、かかるL型外装材において、前記外装材基部及び/又は前記突出部には、各々の横手方向に貫通する中空部が形成され得る。
【0012】
更に、かかるL型外装材において、前記突出部の下面には、前記突出部の横手方向に伸びる凹溝又は凸条が形成され得る。
【0013】
また、かかるL型外装材において、前記突出部の上面及び前記突出部の前面には、光沢釉が施釉され得る。
【0014】
更にまた、かかるL型外装材において、前記外装材基部の上部正面には、凹凸が形成され得る。
【0015】
また、かかるL型外装材において、前記外装材基部の上部正面には、黒色系の彩色が施され得る。
【0016】
更に、かかるL型外装材において、前記外装材基部の上部正面には凹部が形成され、該凹部に、植栽を施すための多孔質セラミックスが充填され得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明のL型外装材によると、当該L型外装材に係る突出部によって、太陽光の照射角度に応じて太陽光を遮ることができる。つまり、夏場の比較的照射角度が大きい時期の太陽光は、当該上部正面に直接当たることがないため、当該L型外装材に係る外装材基部及び当該L型外装材が貼着された壁面の温度上昇を抑制することができる。一方、冬場の比較的照射角度が小さい時期には、太陽光を当該上部正面にも直接当てて、当該外装材基部及び当該壁面を暖めることができる。従って、本発明のL型外装材を外壁に適用することによって、壁面に特殊な断熱材を用いたり、高価な断熱外装材を用いたりしなくても、外壁の断熱効果を容易に向上することができ、夏は涼しく、冬は暖かい外壁を備えた建物を提供することができる。
【0018】
また、本発明に係る突出部には太陽光が直接当たることとなるが、当該突出部は、本発明のL型外装材に係る外装材基部を挟んで、当該L型外装材が貼着された壁面の反対側に位置しているため、当該突出部が熱くなった場合でも、当該突出部の熱は壁面まで伝達され難く、断熱効果が非常に高い。更に当該突出部は、外装材基部から突出して当該L型外装材の冷却フィンとしての機能も兼ね備えており、熱くなった当該L型外装材の放熱効果も高まる。
【0019】
また、本発明のL型外装材に係る突出部の上面を湾曲或いは傾斜させることによって、当該上面によって太陽光が反射、拡散されることとなり、断熱効果を更に向上することができると共に、本発明のL型外装材のデザイン性も向上される。
【0020】
また、本発明のL型外装材の内部には中空部が形成されているため、断熱効果を一層向上することができる。
【0021】
更に、本発明に係る突出部の下面に、凹溝或いは凸条を形成することによって、当該凹溝等が導水手段としての機能を果たし、本発明のL型外装材の表面を流下する雨水等を、当該突出部の下面へと伝わせた後、凹溝或いは凸条を介してスムーズに下側に位置するL型外装材に係る外装材基部の上部正面へと、均一に、且つスムーズに流下させることができ、雨水等の流水による当該L型外装材の表面の洗浄効果、L型外装材自体の冷却効果も得られる。
【0022】
また、本発明に係る突出部の上面及び前面に光沢釉を施釉することによって、当該上面等に直接当たる太陽光の反射、拡散機能が更に向上され、断熱効果を一層向上することができる。
【0023】
また、本発明に係る外装材基部の上部正面に凹凸を形成することによって、当該上部正面の表面積が増大し、断熱効果、冷却効果の更なる向上が図られると共に、本発明のL型外装材のデザイン性も向上される。
【0024】
更にまた、本発明に係る外装材基部の上部正面に黒色系の彩色を施しておくことによって、当該上部正面に直接当たる太陽光を積極的に吸収し、当該外装材基部及び外装材基部を介して本発明のL型外装材が貼着された壁面を効率よく暖めることができる。
【0025】
また、本発明に係る外装材基部の上部正面に凹部を形成し、当該凹部に、植栽を施すための多孔質セラミックスを充填することによって、当該多孔質セラミックスに植栽が施された本発明のL型外装材を壁面に貼着した場合には、当該壁面の緑化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明のL型外装材の実施形態について、図面に基づき説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0027】
本実施の形態に係るL型外装材10は、壁面用建材として使用される外装材であって、図1に示すように、背面12を壁面取り付け側とする外装材基部20と、外装材基部20の下部から正面14側に突出し、且つ外装材基部20の横手方向に伸びる突出部22と、を含んで構成されている。そして、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の上面24は下方に向かって凹状に湾曲しており、これら外装材基部20と突出部22とが一体に成形されて、縦方向断面形状が略L字形状をなしている。
【0028】
また、図1に示した本実施形態のL型外装材10において、外装材基部20及び突出部22の内部には、横手方向に貫通する中空部30が形成されている。より具体的には、L型外装材10に係る外装材基部20の下部と突出部22とに跨る、縦方向断面形状が略矩形状をなす中空部30であり、L型外装材10の左側面16aから右側面16bまで、L型外装材10の横手方向に、L型外装材10内を貫通した状態で形成されている。
【0029】
更に、本実施形態に係る突出部22の下面28には、突出部22の横手方向、すなわちL型外装材10の横手方向に伸びる凹溝32が形成されている。
【0030】
図2に、図1に示した本実施形態に係るL型外装材10を壁面Wに貼着した状態の一施工例を示す。同図に示したように、複数のL型外装材10、10、・・・は、横方向に隣接するL型外装材10同士の中空部30及び凹溝32をそれぞれ連通させた状態で、接着剤やモルタル等の貼着材31により壁面Wに貼着される。なお、同図中の符号33は目地材を表している。
【0031】
この時、縦方向に隣接するL型外装材10同士において、上側に位置するL型外装材10が備える凹溝32は、突出部22の下面28に形成されているため、下側に位置するL型外装材10の上面18より前方(正面14側)に露出した状態となる。言い換えれば、L型外装材10に係る凹溝32は、複数のL型外装材10を壁面Wに貼着した際に、下側に位置するL型外装材10の上面18より前方(正面14側)に露出する位置、即ち突出部22の下面28に形成しておく必要がある。なお、同図には、芋目地の施工例が図示されているが、馬踏み目地により複数のL型外装材が貼着されてもよい。馬踏み目地による場合であっても、上記と同様、横方向に隣接するL型外装材10同士の中空部30及び凹溝32を連通させた状態で、且つ上側に位置するL型外装材10に係る凹溝32を、下側に位置するL型外装材10の上面18より前方(正面14側)に露出させた態で貼着することができる。
【0032】
図3(a)(b)に、図2に示した施工例の側面図を示す。同図中、符号Sは太陽光を表している。まず図3(a)に示したように、太陽光Sの照射角度が大きい場合には、壁面Wに貼着された本実施形態に係るL型外装材10に対して太陽光Sが照射されると、各L型外装材10に係る突出部22の上面24及び前面26に太陽光Sが直接当たる。しかし、下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14には、上側に位置するL型外装材10が備える突出部22によって太陽光Sが遮られるため、太陽光Sが直接当たることはない。
【0033】
一方、図3(b)に示したように、太陽光Sの照射角度が小さい場合には、各L型外装材10に係る突出部22の上面24及び前面26に太陽光Sが直接当たると共に、上側に位置するL型外装材10が備える突出部22によって太陽光Sが殆ど遮られないため、下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14にも太陽光Sが直接当たることとなる。
【0034】
従って、本実施形態に係るL型外装材10を壁面Wに貼着することによって、夏場の比較的南中高度が高い(=照射角度が大きい)時期の太陽光Sは、L型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14に直接当たることがないため、L型外装材10に係る外装材基部20及び壁面Wの温度上昇を抑制することができる(図3(a)参照)。一方、冬場の比較的南中高度が低い(=照射角度が小さい)時期には、太陽光Sを外装材基部20の上部正面14にも直接当てて、L型外装材10に係る外装材基部20及び壁面Wを暖めることができる(図3(b)参照)。つまり、本実施形態に係るL型外装材10を外壁に適用することによって、壁面Wに特殊な断熱材を用いたり、高価な断熱外装材を用いたりしなくても、外壁の断熱効果を容易に向上することができ、夏は涼しく、冬は暖かい外壁を備えた建物を提供することができる。
【0035】
また、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の上面24及び前面26には、照射角度に関係なく、一年を通して太陽光Sが直接当たる。しかし、この太陽光Sが当たる突出部22は、L型外装材10に係る外装材基部20を挟んで壁面Wの反対側(外装材基部20の正面14側)に位置している。従って、特に夏場の太陽光Sがこの突出部22に直接当たって突出部22が熱くなった場合でも、突出部22の熱は壁面Wまで伝達され難いため、断熱効果が非常に高い。更に突出部22は、外装材基部20から突出してL型外装材10の冷却フィンとしての機能も兼ね備えており、熱くなったL型外装材10の放熱効果も高まる。
【0036】
また、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の上面24は、下方に向かって凹状に湾曲している。従って、突出部22の上面24に当たった太陽光Sは、この上面24によって反射、或いは拡散されることとなり、断熱効果を更に向上することができる。
【0037】
また更に、突出部22を含むL型外装材10の内部には中空部30が形成されているため、断熱効果を一層向上することができる。
【0038】
また、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の下面28には、上記の通り凹溝32が形成されている。従って、雨が降った場合や、別途灌水設備を設けて、L型外装材10の表面に灌水した場合等に、上側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14、突出部22の上面24及び前面26を流下する雨水等を、突出部22の下面28へと伝わせた後、凹溝32を介してスムーズに下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14へと流下させることができる。つまり、凹溝32が導水溝としての機能を果たし、凹溝32が形成されていない場合に比べて、均一に、且つスムーズに下側のL型外装材10へと流下させることができ、雨水等によるL型外装材10表面の洗浄効果、灌水によるL型外装材10自体の冷却効果も得られる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態に係るL型外装材10について詳述したが、本発明のL型外装材は上記の実施形態に限定されない。特に、本発明のL型外装材に係る突出部の奥行き方向の長さや外装材基部の上部正面の高さ、外装材基部の厚み(奥行き方向の長さ)、突出部の前面幅(縦方向の長さ)等は何れも設計事項に過ぎず、特に限定されない。
【0040】
日本では、南中高度が最も高くなる夏至を過ぎると日中の気温も上昇し、7〜9月にかけては、一年の内で最も暑い時期となる。南中高度は観測地の緯度によって異なり、日本の主要都市における2006年の南中高度は[表1]の通りである。
【0041】
【表1】
【0042】
ここで、図4に示したL型外装材10aにおいて、突出部22の奥行き方向の長さをX、外装材基部の上部正面14の高さをY、外装材基部20の厚み(奥行き方向の長さ)をZ、突出部22の前面26の幅(縦方向の長さ)をT、太陽光S1の照射角度(南中高度)をθとした場合、当該XとYには次式の関係が成り立つ。
X=Y/tanθ・・・・(式1)
【0043】
例えば、札幌に関してみると、夏場の南中高度は約70度〜45度で推移している。そこで、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tとを同一とし、θ=45度とした場合、外装材基部20の上部正面14の高さYを任意の長さに設定することによって、突出部22の奥行き方向の長さXを決定することができる。図4に示したL型外装材10aでは、突出部22の奥行き方向の長さXが、太陽光S1の照射角度θを45度として設定されている。従って、照射角度θが45度以上の太陽光S1は、上側に位置するL型外装材10aに係る突出部22によって遮られるため、下側に位置するL型外装材10aに係る上部正面14に直接当たることはなく、断熱効果を高めることができる。一方、冬場の太陽光S1の照射角度θは約45度を下回るため(表1参照)、上側に位置するL型外装材10aに係る突出部22によって太陽光S1が遮られることがなく、外装材基部20の上部正面14にも太陽光S1が直接当たることとなり、外装材基部20及び壁面Wを暖めることができる。
【0044】
また、本実施形態のL型外装材10aに係る突出部22についても、上記L型外装材10に係る突出部22と同様、冷却フィンとしての放熱機能、太陽光S1の反射、拡散機能を備えている。
【0045】
以上、本実施形態のL型外装材10aに係る突出部22の奥行き方向の長さXを決定する設計例について詳述した。L型外装材10aによると、太陽光S1の照射角度θが45度以上であれば太陽光S1を突出部22によって遮ることができる。しかし、[表1]に示した通り、東京や大阪等の地域では秋分の時期でも照射角度(南中高度)θは50度を超えている。L型外装材10aをこれらの地域で使用した場合には、太陽光S1が突出部22によって遮られる期間が長くなり、寒くなり始める時期の太陽光S1を積極的に外装材基部20の上部正面14に直接当てることができない。
【0046】
つまり、本発明のL型外装材において、特に突出部の奥行き方向の長さXは、使用地域やL型外装材が貼着される壁面Wの方角、何階部分の壁面Wに貼着するか等を考慮して設定され得る。そして、実際に建物の壁面Wに本発明のL型外装材を貼着する際には、例えば、南側の壁面Wには突出部の奥行き方向の長さXが短いL型外装材を貼着し、西側の壁面Wには当該Xが長いL型外装材を貼着することによって、日中の照射角度θが大きい太陽光、夕方の照射角度θが小さい太陽光をそれぞれ突出部によって遮ることができ、断熱効果を一層高めることも可能である。
【0047】
また、本実施形態のL型外装材10aでは、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tとを同一にして設計されているが、例えば図5に示したL型外装材10bのように、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tが異なった態様であってもよい。本実施形態のL型外装材10bでは、照射角度(南中高度)θを60度に設定しているが、外装材基部20の厚みZより突出部22の前面26の幅Tを小さくすることによって、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tとが同一のL型外装材(不図示)に比べて、湾曲した突出部22の上面24の曲率半径を小さくすることができ、太陽光S2の反射、拡散機能を向上することができる。
【0048】
更に、本発明のL型外装材に係る突出部の形状は特に限定されず、図6(a)に示したL型外装材10cのように、突出部22に係る前面26の上縁部27a及び下縁部27bが湾曲した態様であってもよく、或いは面取りされた態様(不図示)であってもよい。更には、図6(b)に示したL型外装材10dのように、突出部22に係る前面26の上縁部27a(=突出部22の先端部)が湾曲し、且つ前面26及び下面28が連続的に湾曲した態様であってもよい。特に、本発明に係る突出部の形状を、当該L型外装材10dに係る突出部22の形状とすることによって、他の実施形態に係る突出部22に比べて、雨水を凹溝32にスムーズに導くことができる。
【0049】
また、上記種々の実施形態に係る突出部22の上面24は、何れも下方に向かって凹状に湾曲しているが、上方に向かって凸状に湾曲させてもよい(不図示)。或いは、図7に示したL型外装材10eのように、突出部22の上面24が、外装材基部20の正面14から突出部22の先端部(=突出部22に係る前面26の上縁部27a)に向かって斜め下方向に傾斜した態様であってもよい。何れの態様であっても、突出部22に係る上面24に直接当たる太陽光を反射、拡散させることができ、L型外装材10eが備える断熱機能を向上することができる。なお、図7に示したL型外装材10eのように、突出部22の上面24を傾斜させた態様が、太陽光の反射、拡散機能を高める上で、より好ましい。
【0050】
また更に、図8に示したL型外装材10fのように、突出部22の上面24が平面をなした態様であってもよい。つまり、同図に示したL型外装材10fに係る突出部22の上面24と、外装材基部20の正面14とが直角をなして、L型外装材10fの縦方向断面形状がL字形状をなす態様であってもよい。当該L型外装材10fを壁面Wに貼着することによっても、夏場の比較的南中高度が高い(=照射角度が大きい)時期の太陽光Sは、L型外装材10fに係る外装材基部20の上部正面14に直接当たることがないため、外装材基部20及び壁面Wの温度上昇を抑制することができる。一方、冬場の比較的南中高度が低い(=照射角度が小さい)時期には、太陽光Sを外装材基部20の上部正面14に直接当てて、外装材基部20及び壁面Wを暖めることができる。
【0051】
また、L型外装材10fに係る突出部22も、上記実施形態に係るL型外装材10と同様、冷却フィンとしての機能も兼ね備えており、更に、突出部22の上面24に当たった太陽光Sを反射、或いは拡散させて、断熱効果を向上することも可能である。
【0052】
以上、本発明のL型外装材の種々の実施形態について詳述したが、本発明のL型外装材は、その他の実施形態でも実施し得る。
【0053】
上記実施形態に係るL型外装材10、10a〜10fには、断熱効果を高めるために中空部30が形成されているが、このように本発明のL型外装材には中空部が形成されている方がより好ましい。なお、本発明のL型外装材に形成される中空部の形成位置や縦方向断面形状等は、上記実施形態に係る中空部30に限定されず、図9(a)〜(c)に示したような種々の態様の中空部を形成することもできる。具体的には、同図(a)に示したように、外装材基部20の下部及び突出部22にそれぞれ、縦方向断面形状が円形をなす中空部30aが、L型外装材10の横手方向に貫通した状態で形成されてもよい。或いは、同図(b)に示したように、外装材基部20にのみ、縦方向断面形状が略矩形状をなす中空部30bが、L型外装材10の横手方向に貫通した状態で形成されてもよい。更には、同図(c)に示したように、外装材基部20の下部と突出部22とに跨る位置、及び外装材基部20の上部にそれぞれ、縦方向断面形状が略矩形状をなす中空部30、30bが、L型外装材10の横手方向に貫通した状態で形成されてもよい。また更に、これら中空部30、30a、30bは何れもL型外装材10内を横手方向に貫通した状態で形成されているが、中空部30等の両端開口、すなわちL型外装材10の左右側面16a、16bに形成される開口が塞がれていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態に係るL型外装材10等に形成される凹溝32の位置は、突出部22の下面28であれば特に限定されず、図10(a)に示したように、突出部22の下面28において、突出部22に係る前面26側に偏った位置に形成されてもよい。更に、突出部22の下面28に形成されるのは凹溝32に限定されない。例えば、図10(b)に示したように、突出部22の横手方向、すなわちL型外装材10の横手方向に伸びる凸条34が、突出部22の下面28に形成されてもよい。このような凸条34を形成することによって、L型外装材10の表面を流下する雨水等を、上側のL型外装材10に係る突出部22の下面28から、下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14へとスムーズに流下させることができる。更には、壁面WへL型外装材10を貼着する際に、凸条34を下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14に当接させて貼着することにより、L型外装材10の位置決めが容易となり、貼着作業の効率化を図ることができる。
【0055】
以上、本発明のL型外装材に係る種々の実施形態について詳述したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、本発明のL型外装材に係る突出部の上面及び前面には光沢釉が施釉されることが好ましい。図11(a)に示したL型外装材10gのように、突出部22に係る上面24及び前面26に、光沢釉29が施釉されることによって、突出部22の上面24等に直接当たる太陽光の反射、拡散機能が更に向上され、断熱効果を一層向上することができる。
【0056】
また、上記種々の実施形態に係る外装材基部20の上部正面14は何れも平面をなしているが、図11(b)に示したL型外装材10hのように、外装材基部20の上部正面14には、凹凸15が形成されてもよい。同図に示した凹凸15は、上部正面14に複数の凹溝35を設けることによって形成されている。このような凹凸15を形成することによって、上部正面14の表面積が増大し、断熱効果、冷却効果の更なる向上が図られると共に、L型外装材のデザイン性も向上される。なお、上部正面14に凹凸15を形成する方法としては特に限定されず、例えばスクラッチ等で凹凸15が形成されてもよい。また、凹凸15の形成方向も限定されず、図示した横方向以外に、縦方向や斜め方向であってもよい。更にまた、上部正面14を波面や筋面とすることによって凹凸15が形成されてもよい。
【0057】
また、上記種々の実施形態に係る外装材基部20の上部正面14には、黒色系の彩色が施されることが好ましい(不図示)。本発明のL型外装材において、外装材基部の上部正面に太陽光が直接当たるのは、太陽光の照射角度が小さくなる(=南中高度が低くなる)冬場となる。そこで、例えば図1に示したL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14に、黒色系の彩色を施しておくことによって、上部正面14に直接当たる太陽光を積極的に吸収し、外装材基部20及び外装材基部20を介して壁面Wを効率よく暖めることができる。
【0058】
更にまた、本発明のL型外装材の他の実施形態として、図11(c)に示したL型外装材10iのように、外装材基部20の上部正面14に凹部40を形成し、この凹部40に、植栽を施すための多孔質セラミックス44が充填されてもよい。植栽には苔類が好ましいが、特に限定されない。同図に示したように、多孔質セラミックス44に苔類42が植栽された多孔質セラミックス44を充填したL型外装材10hを壁面に貼着することによって、壁面の緑化を図ることができる。更に、夏場の太陽光は、植栽が施された多孔質セラミックス44に直接当たることがない。従って、特に苔類を植栽した場合には、苔類にとって好ましい生育環境を提供することも可能となる。
【0059】
以上に例示した本発明の実施形態に係るL型外装材は、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、各図に示したL型外装材10等に係る外装材基部20の背面12は、何れも平面をなしているが、この背面12には、あり溝(不図示)が形成されてもよい。あり溝を形成し、壁面Wに取り付けたフック等に係着することによって、施工性の向上が図られる。
【0060】
また、本発明のL型外装材を壁面へ貼着する方法としては、接着剤やモルタル等を使用して貼着する方法の他、ビスや釘等を使用して壁面へ取り付けることも可能であり、本発明のL型外装材の貼着方法は特に限定されない。
【0061】
更に、本発明の種々の実施形態に係るL型外装材10等において、外装材基部20の背面12と、突出部22の下面28とは直角をなす態様に限定されず、例えば、突出部22自体が、外装材基部20の正面14側から斜め下方に傾斜した態様であってもよい。
【0062】
また更に、本発明のL型外装材の材質についても、例えば陶器、磁器、せっ器、セメント、発泡セメント、木質セメント、ガラス、ステンレスやアルミニウム等の金属、木材等が挙げられ、特に限定されない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態に係るL型外装材を示した斜視模式図である。
【図2】図1に示したL型外装材の施工例を示した斜視図である。
【図3】(a)(b)は図1に示したL型外装材の施工例を示した側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図6】(a)(b)は本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した斜視図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明に係る中空部の他の実施形態を示した側面図である。
【図10】(a)は本発明に係る凹溝の他の実施形態を示した側面図、(b)は本発明に係る凸条の実施形態を示した側面図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
10、10a〜10i:L型外装材
12:(外装材基部の)背面
14:(外装材基部の上部)正面
15:縞模様
18:(外装材基部の)上面
20:外装材基部
22:突出部
24:(突出部の)上面
26:(突出部の)前面
28:(突出部の)下面
29:光沢釉
30、30a、30b:中空部
32、35:凹溝
34:凸条
40:凹部
42:植栽
44:多孔質セラミックス
S、S1:太陽光
W:壁面
X:突出部の奥行き方向の長さ
Y:外装材基部の上部正面の高さ
Z:外装材基部の厚み(奥行き方向の長さ)
T:突出部の前面の幅(縦方向の長さ)
θ:照射角度(南中高度)
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面用建材として使用される、縦方向断面形状が略L字形状をなすL型外装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の壁面用建材として使用されるタイル等の外装材は薄板状のものが殆どであり、このような従来の薄板状外装材は、建物の美観を向上するために用いられるのが一般的である。つまり、従来の薄板状外装材には断熱効果が殆ど期待できず、建物の断熱性を向上するために、薄板状外装材が貼着される壁面内部に断熱材を別途施工して、断熱効果を高めている。
【0003】
また、従来の薄板状外装材に代えて、断熱効果を高めた外装材も種々開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。特許文献1に開示された外装材は、発泡ガラスからなる断熱層を備えた外断熱タイルであって、セラミックタイルの裏面に断熱層が一体成形されており、当該外断熱タイルを壁面に貼着することによって、断熱効果が得られる。特許文献2に開示された外装材は、断熱材を充填した断熱材複合タイルであって、タイル本体内部の空洞部に発泡断熱材を充填することによって、タイル自体の断熱性向上が図られている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−227221号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2006−124213号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、従来の薄板状外装材には断熱効果が殆どなく、壁面に施工された断熱材による断熱効果しか得られず、断熱効率が非常に悪い。
【0006】
一方、上記外断熱タイルや断熱材複合タイルによると、壁面に施工された断熱材による断熱効果と共に、タイル自体の断熱効果も得られるため、建物の断熱性は非常に向上される。しかし、これらの外装材(タイル)は、製造コストが高くつき、建築コストの高騰を招くおそれがある。
【0007】
更に、従来の薄板状外装材や外断熱タイル、断熱材複合タイルは、何れも外装材表面が平面をなしているため、これらの外装材が貼着された外壁も平面をなすこととなる。従って、一年を通して外壁には太陽光が直接当たることとなるが、特に夏場の太陽光が直接当たり続けると、外装材表面が猛烈に熱せられ、外装材自体の温度も上昇するため、断熱効果を十分に発揮することが困難となる。
【0008】
そこで本発明者は、上記の問題点に鑑み、比較的安価で、容易に製造でき、従来の外装材に比べて断熱効果を一層向上させた外装材を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明のL型外装材の要旨とするところは、壁面用建材として使用される外装材であって、背面を壁面取り付け側とする外装材基部と、該外装材基部の下部から正面側に突出し、且つ該外装材基部の横手方向に伸びる突出部と、を含んで構成され、縦方向断面形状が略L字形状をなすことにある。
【0010】
また、かかるL型外装材において、前記突出部の上面は湾曲、或いは前記外装材基部の正面から該突出部の先端部に向かって斜め下方向に傾斜していることにある。
【0011】
また、かかるL型外装材において、前記外装材基部及び/又は前記突出部には、各々の横手方向に貫通する中空部が形成され得る。
【0012】
更に、かかるL型外装材において、前記突出部の下面には、前記突出部の横手方向に伸びる凹溝又は凸条が形成され得る。
【0013】
また、かかるL型外装材において、前記突出部の上面及び前記突出部の前面には、光沢釉が施釉され得る。
【0014】
更にまた、かかるL型外装材において、前記外装材基部の上部正面には、凹凸が形成され得る。
【0015】
また、かかるL型外装材において、前記外装材基部の上部正面には、黒色系の彩色が施され得る。
【0016】
更に、かかるL型外装材において、前記外装材基部の上部正面には凹部が形成され、該凹部に、植栽を施すための多孔質セラミックスが充填され得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明のL型外装材によると、当該L型外装材に係る突出部によって、太陽光の照射角度に応じて太陽光を遮ることができる。つまり、夏場の比較的照射角度が大きい時期の太陽光は、当該上部正面に直接当たることがないため、当該L型外装材に係る外装材基部及び当該L型外装材が貼着された壁面の温度上昇を抑制することができる。一方、冬場の比較的照射角度が小さい時期には、太陽光を当該上部正面にも直接当てて、当該外装材基部及び当該壁面を暖めることができる。従って、本発明のL型外装材を外壁に適用することによって、壁面に特殊な断熱材を用いたり、高価な断熱外装材を用いたりしなくても、外壁の断熱効果を容易に向上することができ、夏は涼しく、冬は暖かい外壁を備えた建物を提供することができる。
【0018】
また、本発明に係る突出部には太陽光が直接当たることとなるが、当該突出部は、本発明のL型外装材に係る外装材基部を挟んで、当該L型外装材が貼着された壁面の反対側に位置しているため、当該突出部が熱くなった場合でも、当該突出部の熱は壁面まで伝達され難く、断熱効果が非常に高い。更に当該突出部は、外装材基部から突出して当該L型外装材の冷却フィンとしての機能も兼ね備えており、熱くなった当該L型外装材の放熱効果も高まる。
【0019】
また、本発明のL型外装材に係る突出部の上面を湾曲或いは傾斜させることによって、当該上面によって太陽光が反射、拡散されることとなり、断熱効果を更に向上することができると共に、本発明のL型外装材のデザイン性も向上される。
【0020】
また、本発明のL型外装材の内部には中空部が形成されているため、断熱効果を一層向上することができる。
【0021】
更に、本発明に係る突出部の下面に、凹溝或いは凸条を形成することによって、当該凹溝等が導水手段としての機能を果たし、本発明のL型外装材の表面を流下する雨水等を、当該突出部の下面へと伝わせた後、凹溝或いは凸条を介してスムーズに下側に位置するL型外装材に係る外装材基部の上部正面へと、均一に、且つスムーズに流下させることができ、雨水等の流水による当該L型外装材の表面の洗浄効果、L型外装材自体の冷却効果も得られる。
【0022】
また、本発明に係る突出部の上面及び前面に光沢釉を施釉することによって、当該上面等に直接当たる太陽光の反射、拡散機能が更に向上され、断熱効果を一層向上することができる。
【0023】
また、本発明に係る外装材基部の上部正面に凹凸を形成することによって、当該上部正面の表面積が増大し、断熱効果、冷却効果の更なる向上が図られると共に、本発明のL型外装材のデザイン性も向上される。
【0024】
更にまた、本発明に係る外装材基部の上部正面に黒色系の彩色を施しておくことによって、当該上部正面に直接当たる太陽光を積極的に吸収し、当該外装材基部及び外装材基部を介して本発明のL型外装材が貼着された壁面を効率よく暖めることができる。
【0025】
また、本発明に係る外装材基部の上部正面に凹部を形成し、当該凹部に、植栽を施すための多孔質セラミックスを充填することによって、当該多孔質セラミックスに植栽が施された本発明のL型外装材を壁面に貼着した場合には、当該壁面の緑化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明のL型外装材の実施形態について、図面に基づき説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0027】
本実施の形態に係るL型外装材10は、壁面用建材として使用される外装材であって、図1に示すように、背面12を壁面取り付け側とする外装材基部20と、外装材基部20の下部から正面14側に突出し、且つ外装材基部20の横手方向に伸びる突出部22と、を含んで構成されている。そして、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の上面24は下方に向かって凹状に湾曲しており、これら外装材基部20と突出部22とが一体に成形されて、縦方向断面形状が略L字形状をなしている。
【0028】
また、図1に示した本実施形態のL型外装材10において、外装材基部20及び突出部22の内部には、横手方向に貫通する中空部30が形成されている。より具体的には、L型外装材10に係る外装材基部20の下部と突出部22とに跨る、縦方向断面形状が略矩形状をなす中空部30であり、L型外装材10の左側面16aから右側面16bまで、L型外装材10の横手方向に、L型外装材10内を貫通した状態で形成されている。
【0029】
更に、本実施形態に係る突出部22の下面28には、突出部22の横手方向、すなわちL型外装材10の横手方向に伸びる凹溝32が形成されている。
【0030】
図2に、図1に示した本実施形態に係るL型外装材10を壁面Wに貼着した状態の一施工例を示す。同図に示したように、複数のL型外装材10、10、・・・は、横方向に隣接するL型外装材10同士の中空部30及び凹溝32をそれぞれ連通させた状態で、接着剤やモルタル等の貼着材31により壁面Wに貼着される。なお、同図中の符号33は目地材を表している。
【0031】
この時、縦方向に隣接するL型外装材10同士において、上側に位置するL型外装材10が備える凹溝32は、突出部22の下面28に形成されているため、下側に位置するL型外装材10の上面18より前方(正面14側)に露出した状態となる。言い換えれば、L型外装材10に係る凹溝32は、複数のL型外装材10を壁面Wに貼着した際に、下側に位置するL型外装材10の上面18より前方(正面14側)に露出する位置、即ち突出部22の下面28に形成しておく必要がある。なお、同図には、芋目地の施工例が図示されているが、馬踏み目地により複数のL型外装材が貼着されてもよい。馬踏み目地による場合であっても、上記と同様、横方向に隣接するL型外装材10同士の中空部30及び凹溝32を連通させた状態で、且つ上側に位置するL型外装材10に係る凹溝32を、下側に位置するL型外装材10の上面18より前方(正面14側)に露出させた態で貼着することができる。
【0032】
図3(a)(b)に、図2に示した施工例の側面図を示す。同図中、符号Sは太陽光を表している。まず図3(a)に示したように、太陽光Sの照射角度が大きい場合には、壁面Wに貼着された本実施形態に係るL型外装材10に対して太陽光Sが照射されると、各L型外装材10に係る突出部22の上面24及び前面26に太陽光Sが直接当たる。しかし、下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14には、上側に位置するL型外装材10が備える突出部22によって太陽光Sが遮られるため、太陽光Sが直接当たることはない。
【0033】
一方、図3(b)に示したように、太陽光Sの照射角度が小さい場合には、各L型外装材10に係る突出部22の上面24及び前面26に太陽光Sが直接当たると共に、上側に位置するL型外装材10が備える突出部22によって太陽光Sが殆ど遮られないため、下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14にも太陽光Sが直接当たることとなる。
【0034】
従って、本実施形態に係るL型外装材10を壁面Wに貼着することによって、夏場の比較的南中高度が高い(=照射角度が大きい)時期の太陽光Sは、L型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14に直接当たることがないため、L型外装材10に係る外装材基部20及び壁面Wの温度上昇を抑制することができる(図3(a)参照)。一方、冬場の比較的南中高度が低い(=照射角度が小さい)時期には、太陽光Sを外装材基部20の上部正面14にも直接当てて、L型外装材10に係る外装材基部20及び壁面Wを暖めることができる(図3(b)参照)。つまり、本実施形態に係るL型外装材10を外壁に適用することによって、壁面Wに特殊な断熱材を用いたり、高価な断熱外装材を用いたりしなくても、外壁の断熱効果を容易に向上することができ、夏は涼しく、冬は暖かい外壁を備えた建物を提供することができる。
【0035】
また、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の上面24及び前面26には、照射角度に関係なく、一年を通して太陽光Sが直接当たる。しかし、この太陽光Sが当たる突出部22は、L型外装材10に係る外装材基部20を挟んで壁面Wの反対側(外装材基部20の正面14側)に位置している。従って、特に夏場の太陽光Sがこの突出部22に直接当たって突出部22が熱くなった場合でも、突出部22の熱は壁面Wまで伝達され難いため、断熱効果が非常に高い。更に突出部22は、外装材基部20から突出してL型外装材10の冷却フィンとしての機能も兼ね備えており、熱くなったL型外装材10の放熱効果も高まる。
【0036】
また、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の上面24は、下方に向かって凹状に湾曲している。従って、突出部22の上面24に当たった太陽光Sは、この上面24によって反射、或いは拡散されることとなり、断熱効果を更に向上することができる。
【0037】
また更に、突出部22を含むL型外装材10の内部には中空部30が形成されているため、断熱効果を一層向上することができる。
【0038】
また、本実施形態のL型外装材10に係る突出部22の下面28には、上記の通り凹溝32が形成されている。従って、雨が降った場合や、別途灌水設備を設けて、L型外装材10の表面に灌水した場合等に、上側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14、突出部22の上面24及び前面26を流下する雨水等を、突出部22の下面28へと伝わせた後、凹溝32を介してスムーズに下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14へと流下させることができる。つまり、凹溝32が導水溝としての機能を果たし、凹溝32が形成されていない場合に比べて、均一に、且つスムーズに下側のL型外装材10へと流下させることができ、雨水等によるL型外装材10表面の洗浄効果、灌水によるL型外装材10自体の冷却効果も得られる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態に係るL型外装材10について詳述したが、本発明のL型外装材は上記の実施形態に限定されない。特に、本発明のL型外装材に係る突出部の奥行き方向の長さや外装材基部の上部正面の高さ、外装材基部の厚み(奥行き方向の長さ)、突出部の前面幅(縦方向の長さ)等は何れも設計事項に過ぎず、特に限定されない。
【0040】
日本では、南中高度が最も高くなる夏至を過ぎると日中の気温も上昇し、7〜9月にかけては、一年の内で最も暑い時期となる。南中高度は観測地の緯度によって異なり、日本の主要都市における2006年の南中高度は[表1]の通りである。
【0041】
【表1】
【0042】
ここで、図4に示したL型外装材10aにおいて、突出部22の奥行き方向の長さをX、外装材基部の上部正面14の高さをY、外装材基部20の厚み(奥行き方向の長さ)をZ、突出部22の前面26の幅(縦方向の長さ)をT、太陽光S1の照射角度(南中高度)をθとした場合、当該XとYには次式の関係が成り立つ。
X=Y/tanθ・・・・(式1)
【0043】
例えば、札幌に関してみると、夏場の南中高度は約70度〜45度で推移している。そこで、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tとを同一とし、θ=45度とした場合、外装材基部20の上部正面14の高さYを任意の長さに設定することによって、突出部22の奥行き方向の長さXを決定することができる。図4に示したL型外装材10aでは、突出部22の奥行き方向の長さXが、太陽光S1の照射角度θを45度として設定されている。従って、照射角度θが45度以上の太陽光S1は、上側に位置するL型外装材10aに係る突出部22によって遮られるため、下側に位置するL型外装材10aに係る上部正面14に直接当たることはなく、断熱効果を高めることができる。一方、冬場の太陽光S1の照射角度θは約45度を下回るため(表1参照)、上側に位置するL型外装材10aに係る突出部22によって太陽光S1が遮られることがなく、外装材基部20の上部正面14にも太陽光S1が直接当たることとなり、外装材基部20及び壁面Wを暖めることができる。
【0044】
また、本実施形態のL型外装材10aに係る突出部22についても、上記L型外装材10に係る突出部22と同様、冷却フィンとしての放熱機能、太陽光S1の反射、拡散機能を備えている。
【0045】
以上、本実施形態のL型外装材10aに係る突出部22の奥行き方向の長さXを決定する設計例について詳述した。L型外装材10aによると、太陽光S1の照射角度θが45度以上であれば太陽光S1を突出部22によって遮ることができる。しかし、[表1]に示した通り、東京や大阪等の地域では秋分の時期でも照射角度(南中高度)θは50度を超えている。L型外装材10aをこれらの地域で使用した場合には、太陽光S1が突出部22によって遮られる期間が長くなり、寒くなり始める時期の太陽光S1を積極的に外装材基部20の上部正面14に直接当てることができない。
【0046】
つまり、本発明のL型外装材において、特に突出部の奥行き方向の長さXは、使用地域やL型外装材が貼着される壁面Wの方角、何階部分の壁面Wに貼着するか等を考慮して設定され得る。そして、実際に建物の壁面Wに本発明のL型外装材を貼着する際には、例えば、南側の壁面Wには突出部の奥行き方向の長さXが短いL型外装材を貼着し、西側の壁面Wには当該Xが長いL型外装材を貼着することによって、日中の照射角度θが大きい太陽光、夕方の照射角度θが小さい太陽光をそれぞれ突出部によって遮ることができ、断熱効果を一層高めることも可能である。
【0047】
また、本実施形態のL型外装材10aでは、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tとを同一にして設計されているが、例えば図5に示したL型外装材10bのように、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tが異なった態様であってもよい。本実施形態のL型外装材10bでは、照射角度(南中高度)θを60度に設定しているが、外装材基部20の厚みZより突出部22の前面26の幅Tを小さくすることによって、外装材基部20の厚みZと突出部22の前面26の幅Tとが同一のL型外装材(不図示)に比べて、湾曲した突出部22の上面24の曲率半径を小さくすることができ、太陽光S2の反射、拡散機能を向上することができる。
【0048】
更に、本発明のL型外装材に係る突出部の形状は特に限定されず、図6(a)に示したL型外装材10cのように、突出部22に係る前面26の上縁部27a及び下縁部27bが湾曲した態様であってもよく、或いは面取りされた態様(不図示)であってもよい。更には、図6(b)に示したL型外装材10dのように、突出部22に係る前面26の上縁部27a(=突出部22の先端部)が湾曲し、且つ前面26及び下面28が連続的に湾曲した態様であってもよい。特に、本発明に係る突出部の形状を、当該L型外装材10dに係る突出部22の形状とすることによって、他の実施形態に係る突出部22に比べて、雨水を凹溝32にスムーズに導くことができる。
【0049】
また、上記種々の実施形態に係る突出部22の上面24は、何れも下方に向かって凹状に湾曲しているが、上方に向かって凸状に湾曲させてもよい(不図示)。或いは、図7に示したL型外装材10eのように、突出部22の上面24が、外装材基部20の正面14から突出部22の先端部(=突出部22に係る前面26の上縁部27a)に向かって斜め下方向に傾斜した態様であってもよい。何れの態様であっても、突出部22に係る上面24に直接当たる太陽光を反射、拡散させることができ、L型外装材10eが備える断熱機能を向上することができる。なお、図7に示したL型外装材10eのように、突出部22の上面24を傾斜させた態様が、太陽光の反射、拡散機能を高める上で、より好ましい。
【0050】
また更に、図8に示したL型外装材10fのように、突出部22の上面24が平面をなした態様であってもよい。つまり、同図に示したL型外装材10fに係る突出部22の上面24と、外装材基部20の正面14とが直角をなして、L型外装材10fの縦方向断面形状がL字形状をなす態様であってもよい。当該L型外装材10fを壁面Wに貼着することによっても、夏場の比較的南中高度が高い(=照射角度が大きい)時期の太陽光Sは、L型外装材10fに係る外装材基部20の上部正面14に直接当たることがないため、外装材基部20及び壁面Wの温度上昇を抑制することができる。一方、冬場の比較的南中高度が低い(=照射角度が小さい)時期には、太陽光Sを外装材基部20の上部正面14に直接当てて、外装材基部20及び壁面Wを暖めることができる。
【0051】
また、L型外装材10fに係る突出部22も、上記実施形態に係るL型外装材10と同様、冷却フィンとしての機能も兼ね備えており、更に、突出部22の上面24に当たった太陽光Sを反射、或いは拡散させて、断熱効果を向上することも可能である。
【0052】
以上、本発明のL型外装材の種々の実施形態について詳述したが、本発明のL型外装材は、その他の実施形態でも実施し得る。
【0053】
上記実施形態に係るL型外装材10、10a〜10fには、断熱効果を高めるために中空部30が形成されているが、このように本発明のL型外装材には中空部が形成されている方がより好ましい。なお、本発明のL型外装材に形成される中空部の形成位置や縦方向断面形状等は、上記実施形態に係る中空部30に限定されず、図9(a)〜(c)に示したような種々の態様の中空部を形成することもできる。具体的には、同図(a)に示したように、外装材基部20の下部及び突出部22にそれぞれ、縦方向断面形状が円形をなす中空部30aが、L型外装材10の横手方向に貫通した状態で形成されてもよい。或いは、同図(b)に示したように、外装材基部20にのみ、縦方向断面形状が略矩形状をなす中空部30bが、L型外装材10の横手方向に貫通した状態で形成されてもよい。更には、同図(c)に示したように、外装材基部20の下部と突出部22とに跨る位置、及び外装材基部20の上部にそれぞれ、縦方向断面形状が略矩形状をなす中空部30、30bが、L型外装材10の横手方向に貫通した状態で形成されてもよい。また更に、これら中空部30、30a、30bは何れもL型外装材10内を横手方向に貫通した状態で形成されているが、中空部30等の両端開口、すなわちL型外装材10の左右側面16a、16bに形成される開口が塞がれていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態に係るL型外装材10等に形成される凹溝32の位置は、突出部22の下面28であれば特に限定されず、図10(a)に示したように、突出部22の下面28において、突出部22に係る前面26側に偏った位置に形成されてもよい。更に、突出部22の下面28に形成されるのは凹溝32に限定されない。例えば、図10(b)に示したように、突出部22の横手方向、すなわちL型外装材10の横手方向に伸びる凸条34が、突出部22の下面28に形成されてもよい。このような凸条34を形成することによって、L型外装材10の表面を流下する雨水等を、上側のL型外装材10に係る突出部22の下面28から、下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14へとスムーズに流下させることができる。更には、壁面WへL型外装材10を貼着する際に、凸条34を下側に位置するL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14に当接させて貼着することにより、L型外装材10の位置決めが容易となり、貼着作業の効率化を図ることができる。
【0055】
以上、本発明のL型外装材に係る種々の実施形態について詳述したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、本発明のL型外装材に係る突出部の上面及び前面には光沢釉が施釉されることが好ましい。図11(a)に示したL型外装材10gのように、突出部22に係る上面24及び前面26に、光沢釉29が施釉されることによって、突出部22の上面24等に直接当たる太陽光の反射、拡散機能が更に向上され、断熱効果を一層向上することができる。
【0056】
また、上記種々の実施形態に係る外装材基部20の上部正面14は何れも平面をなしているが、図11(b)に示したL型外装材10hのように、外装材基部20の上部正面14には、凹凸15が形成されてもよい。同図に示した凹凸15は、上部正面14に複数の凹溝35を設けることによって形成されている。このような凹凸15を形成することによって、上部正面14の表面積が増大し、断熱効果、冷却効果の更なる向上が図られると共に、L型外装材のデザイン性も向上される。なお、上部正面14に凹凸15を形成する方法としては特に限定されず、例えばスクラッチ等で凹凸15が形成されてもよい。また、凹凸15の形成方向も限定されず、図示した横方向以外に、縦方向や斜め方向であってもよい。更にまた、上部正面14を波面や筋面とすることによって凹凸15が形成されてもよい。
【0057】
また、上記種々の実施形態に係る外装材基部20の上部正面14には、黒色系の彩色が施されることが好ましい(不図示)。本発明のL型外装材において、外装材基部の上部正面に太陽光が直接当たるのは、太陽光の照射角度が小さくなる(=南中高度が低くなる)冬場となる。そこで、例えば図1に示したL型外装材10に係る外装材基部20の上部正面14に、黒色系の彩色を施しておくことによって、上部正面14に直接当たる太陽光を積極的に吸収し、外装材基部20及び外装材基部20を介して壁面Wを効率よく暖めることができる。
【0058】
更にまた、本発明のL型外装材の他の実施形態として、図11(c)に示したL型外装材10iのように、外装材基部20の上部正面14に凹部40を形成し、この凹部40に、植栽を施すための多孔質セラミックス44が充填されてもよい。植栽には苔類が好ましいが、特に限定されない。同図に示したように、多孔質セラミックス44に苔類42が植栽された多孔質セラミックス44を充填したL型外装材10hを壁面に貼着することによって、壁面の緑化を図ることができる。更に、夏場の太陽光は、植栽が施された多孔質セラミックス44に直接当たることがない。従って、特に苔類を植栽した場合には、苔類にとって好ましい生育環境を提供することも可能となる。
【0059】
以上に例示した本発明の実施形態に係るL型外装材は、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、各図に示したL型外装材10等に係る外装材基部20の背面12は、何れも平面をなしているが、この背面12には、あり溝(不図示)が形成されてもよい。あり溝を形成し、壁面Wに取り付けたフック等に係着することによって、施工性の向上が図られる。
【0060】
また、本発明のL型外装材を壁面へ貼着する方法としては、接着剤やモルタル等を使用して貼着する方法の他、ビスや釘等を使用して壁面へ取り付けることも可能であり、本発明のL型外装材の貼着方法は特に限定されない。
【0061】
更に、本発明の種々の実施形態に係るL型外装材10等において、外装材基部20の背面12と、突出部22の下面28とは直角をなす態様に限定されず、例えば、突出部22自体が、外装材基部20の正面14側から斜め下方に傾斜した態様であってもよい。
【0062】
また更に、本発明のL型外装材の材質についても、例えば陶器、磁器、せっ器、セメント、発泡セメント、木質セメント、ガラス、ステンレスやアルミニウム等の金属、木材等が挙げられ、特に限定されない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態に係るL型外装材を示した斜視模式図である。
【図2】図1に示したL型外装材の施工例を示した斜視図である。
【図3】(a)(b)は図1に示したL型外装材の施工例を示した側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図6】(a)(b)は本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した斜視図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明に係る中空部の他の実施形態を示した側面図である。
【図10】(a)は本発明に係る凹溝の他の実施形態を示した側面図、(b)は本発明に係る凸条の実施形態を示した側面図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の他の実施形態に係るL型外装材を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
10、10a〜10i:L型外装材
12:(外装材基部の)背面
14:(外装材基部の上部)正面
15:縞模様
18:(外装材基部の)上面
20:外装材基部
22:突出部
24:(突出部の)上面
26:(突出部の)前面
28:(突出部の)下面
29:光沢釉
30、30a、30b:中空部
32、35:凹溝
34:凸条
40:凹部
42:植栽
44:多孔質セラミックス
S、S1:太陽光
W:壁面
X:突出部の奥行き方向の長さ
Y:外装材基部の上部正面の高さ
Z:外装材基部の厚み(奥行き方向の長さ)
T:突出部の前面の幅(縦方向の長さ)
θ:照射角度(南中高度)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面用建材として使用される外装材であって、
背面を壁面取り付け側とする外装材基部と、該外装材基部の下部から正面側に突出し、且つ該外装材基部の横手方向に伸びる突出部と、を含んで構成され、
縦方向断面形状が略L字形状をなすことを特徴とする、L型外装材。
【請求項2】
前記突出部の上面が湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載のL型外装材。
【請求項3】
前記突出部の上面が、前記外装材基部の正面から該突出部の先端部に向かって斜め下方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のL型外装材。
【請求項4】
前記外装材基部及び/又は前記突出部に、各々の横手方向に貫通する中空部が形成された、請求項1から請求項3の何れかに記載のL型外装材。
【請求項5】
前記突出部の下面に、前記突出部の横手方向に伸びる凹溝又は凸条が形成された、請求項1から請求項4の何れかに記載のL型外装材。
【請求項6】
前記突出部の上面及び前記突出部の前面に光沢釉が施釉された、請求項1から請求項5の何れかに記載のL型外装材。
【請求項7】
前記外装材基部の上部正面に凹凸が形成された、請求項1から請求項6の何れかに記載のL型外装材。
【請求項8】
前記外装材基部の上部正面に黒色系の彩色が施された、請求項1から請求項7の何れかに記載のL型外装材。
【請求項9】
前記外装材基部の上部正面に凹部が形成され、該凹部に、植栽を施すための多孔質セラミックスが充填された、請求項1から請求項6の何れかに記載のL型外装材。
【請求項1】
壁面用建材として使用される外装材であって、
背面を壁面取り付け側とする外装材基部と、該外装材基部の下部から正面側に突出し、且つ該外装材基部の横手方向に伸びる突出部と、を含んで構成され、
縦方向断面形状が略L字形状をなすことを特徴とする、L型外装材。
【請求項2】
前記突出部の上面が湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載のL型外装材。
【請求項3】
前記突出部の上面が、前記外装材基部の正面から該突出部の先端部に向かって斜め下方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のL型外装材。
【請求項4】
前記外装材基部及び/又は前記突出部に、各々の横手方向に貫通する中空部が形成された、請求項1から請求項3の何れかに記載のL型外装材。
【請求項5】
前記突出部の下面に、前記突出部の横手方向に伸びる凹溝又は凸条が形成された、請求項1から請求項4の何れかに記載のL型外装材。
【請求項6】
前記突出部の上面及び前記突出部の前面に光沢釉が施釉された、請求項1から請求項5の何れかに記載のL型外装材。
【請求項7】
前記外装材基部の上部正面に凹凸が形成された、請求項1から請求項6の何れかに記載のL型外装材。
【請求項8】
前記外装材基部の上部正面に黒色系の彩色が施された、請求項1から請求項7の何れかに記載のL型外装材。
【請求項9】
前記外装材基部の上部正面に凹部が形成され、該凹部に、植栽を施すための多孔質セラミックスが充填された、請求項1から請求項6の何れかに記載のL型外装材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−196214(P2008−196214A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33027(P2007−33027)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(591225095)近江化学陶器株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(591225095)近江化学陶器株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]