説明

L型薄板の応力低減構造

【課題】応力の高くなる部分の剛性を下げて、変形を容易にすることで、応力集中を避け耐振強度を向上させることにより、コスト低減及び信頼性の向上を図ったVGターボのアクチュエータの断熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】L字状の屈曲部を有した板部材の一面52が振源部材4に取付けられ、一面52に連続した他面51には幅方向の一辺側にフランジ部55を有し、フランジ部55の屈曲側近傍と、一面52のフランジ部55側端縁とを連結した補強片53を配置すると共に、他面が振源部材4に対し間隔を有して配置されたL型薄板の応力低減構造において、他面51の屈曲部から他面51の端縁までの突出量Lのうち、屈曲部から突出量Lの3/1以内の範囲に他の部分より剛性が低下した剛性低減部56を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに搭載される機器類をエンジンの輻射熱から守るためL型薄板の断熱部材の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン出力の過渡応答性をよくするため、ターボチャージャのタービンロータへ噴出させる排気ガスの圧力をノズルブレードによって調整して、ターボチャージャの過給圧力をすばやく変化させて、エンジン性能を十分に引出す可変容量ターボチャージャ(Variable Geometry Turbocharger;以下VGターボと称す)が採用されている。VGターボはエンジンの出力制御装置からの指示に従い、エンジンの燃焼室から排出された排気ガスを、電子制御式のアクチュエータによりリンク機構を介して、ノズルブレードの開度を調整しながら、タービンロータを回転させ、タービンロータと同軸的に連結されたコンプッレサでエアクリーナからの吸気を圧縮して、インタークーラを経てエンジンの燃焼室へ送気している。
VGターボの排気ガスが入るスクロール側はエンジン燃焼室から出てきた高温の排気ガスが入るため、VGターボの周囲に輻射熱を発散している。
ところが、電子制御式のアクチュエータ及び、電子制御式のアクチュエータを収納している容器は耐熱性に乏しい。そのために、VGターボと電子制御式のアクチュエータを収納している容器との間に輻射熱を遮る断面形状がL字形の遮蔽板を介装させている。
【0003】
L字形の遮蔽板は一面がエンジンに装着されたVGターボに取付けられ、他面がVGターボと電子制御式のアクチュエータとの間で、VGターボ及び電子制御式のアクチュエータ共に間隔を有して配置されている。所謂片持ち状態で取付けられている。
両持ち状態で固定すると、固定部から熱伝導により電子制御式のアクチュエータに熱が伝わり、アクチュエータの性能維持が難しくなる。
そのため、VGターボは自身の駆動振動及び、エンジン振動を受けて、他面が3方向に、特に面と直角方向にL字形の屈曲部を支点として振動して、断面形状がL字形の屈曲部に大きな応力が発生していることが判明し、最悪の場合には亀裂が入る可能性がある不具合を有している。
このような不具合を解決するための技術が示された特許文献として、特開平8−218837号公報(特許文献1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−218837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の従来技術(部品の符号は部品を明確にするため、特許文献1に記載の符号をそのまま使用する)ではエンジンのオイルパン内部にオイルの揺動を抑制するバッフルプレート2端縁の任意の位置に切欠き部3,4が形成されている。この切欠き部3,4によりバッフルプレート2の上下間が連通することになっている。そして、バッフルプレート2の面外方向の剛性を向上させるため、バッフルプレート2の外周縁及び切欠き部3,4の縁部をバッフルプレート2の面に直交する折り曲げ部5を形成して剛性を向上させている。
更に、従来技術の対策として、バッフルプレート2の面に直交する折り曲げ部5の断面形状をU字状の凸状に形成させて、バッフルプレート2の面に直交する力が作用したときに、凸状の上端が部材の端部にならないようにして、バッフルプレート2剛性を上げると共に端部の応力低減を図っている。
【0006】
しかし、作用力に対して、剛性を向上させたり、端縁に作用する応力を下げるために、U字状の凸状に形成させることは、部材の形状を複雑に形成するため製造金型が複雑となり製造コストが高くなる不具合を有している。
また、凸状に形成させた部分は剛性が向上するので、特に部材の端縁に凸状部を形成させた部分の周囲には応力集中が発生しやすく、その対応としては剛性を維持するために板厚を上げる必要があり、重量が重くなると共に、材料のコストも上昇する不具合を有している。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、応力の高くなる部分の剛性を下げて、変形を容易にすることで、応力集中を避け耐振強度を向上させることにより、コスト低減及び信頼性の向上を図ったVGターボのアクチュエータを保護するL形薄板の断熱材構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる目的を達成するもので、L字状の屈曲部を有した板部材の一面が振源部材に取付けられ、前記一面に連続した他面には幅方向の一辺側の端縁が前記屈曲部の屈曲側へ延出したフランジ部を有し、前記フランジ部の前記屈曲部と、前記一面の前記フランジ部側端縁とを連結する補強片を配置すると共に、他辺側の端縁が平面状に形成され、前記他面が前記振源部材に対し間隔を有して配置されたL型薄板の応力低減構造において、前記他面の前記屈曲部から前記他面の端縁までの突出量のうち、前記屈曲部を越え、且つ前記突出量の3/1以内の範囲に他の部分より前記他面の面に対し垂直方向の剛性を低下させた剛性低減部を形成したことを特徴とする。
【0009】
かかる発明によれば、振源部材の振動により、他面は面方向に屈曲部を支点として振動するが、振動により発生する曲げモーメントが大きくなる部分に他面の面に対し垂直方向の剛性を低下させた剛性低減部を配設することにより、当該部を変形させて応力集中を緩和させ、耐振強度の向上を図ることができる。
【0010】
また、本願発明において好ましくは、前記剛性低減部は前記他辺側の前記端縁に前記一辺側に向け底部がU字状、又は円形状に形成された切欠き部を設けると共に、前記切欠き部の前記幅方向の長さは前記幅方向の長さの20%以内で、且つ前記切欠き部の前記端縁方向の長さは前記突出量の10%以内とするとよい。
【0011】
このような構成により、切欠き部の底部をU字状、又は円形状にしたので、他辺側に他面に対し直角方向の振動が発生しても、底部全域で変形するので、応力集中が緩和される。
【0012】
また、本願発明において好ましくは、前記剛性低減部は前記他面の前記幅方向に円または楕円もしくは長円の曲率形状の孔を設けると共に、前記孔による切欠き部の前記幅方向の長さは前記幅方向の長さの20%以内で、且つ、前記切欠き部の前記屈曲部から前記端縁方向の長さは前記突出量の10%以内とするとよい。
【0013】
このような構成により、剛性低減部の切欠き孔を円または楕円(長円)形状としたので、切欠き部内周縁全体で曲げモーメントに対する変形を吸収して、変形による応力緩和を図ることができる。
【0014】
また、本願発明において好ましくは、前記剛性低減部は前記他面に前記屈曲部に沿うと共に、幅方向に凹部又は、凸部が前記他面の片面側に条状に連なり、且つ前記端縁方向に複数条設けるとよい。
【0015】
このような構成により、他面の片面側に条状に前記他面の幅方向略全域にわたり複数個の凹部又は、凸部を設けることにより、他面に対し直角方向の振動が発生しても、複数の条と条の境界において、曲げモーメントに対する変形を吸収して、変形による応力緩和を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、応力の高くなる部分の剛性を下げて、変形を容易にすることで、応力集中を避け耐振強度を向上させることにより、コスト低減及び信頼性の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のL型薄板の応力低減構造が使用されるVGターボへの取付状態を示す概略構成図を示す。
【図2】本発明の第1実施形態に係るL型薄板の応力低減構造を示す。
【図3】本発明の第2実施形態に係るL型薄板の応力低減構造を示す。
【図4】本発明の第3実施形態に係るL型薄板の応力低減構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本実施形態におけるVGターボに本発明のL型薄板の断熱材に応力低減構造を取付けた場合の斜視図を示す。
1はVGターボ全体の斜視図を示し、エンジン(図示省略)からの排気ガスが流入する排気タービン2と、該排気タービン2による駆動でエアクリーナ(図示省略)からの吸気を圧縮する吸気コンプレッサ3と、排気タービン2内に内蔵され排気ガスのタービンロータ(図示省略)への噴出速度(圧力)を変化させるノズルブレード(図示省略)を駆動するアクチュエータ4とを備えている。
また、排気タービン2の輻射熱からアクチュエータ4を保護するL形断熱部材5がVGターボ1のアクチュエータ4に取付けられている。
【0020】
排気タービン2にはエンジンの燃焼室からの排気ガスが排気ガス入口22へ導入される。
導入された排気ガスは内部のノズルブレードによって速度が変化されタービンロータを駆動して排気ガス出口21から排出される。
ノズルブレードはエンジン制御装置(図示省略)からの信号により、アクチュエータ4のリンクレバー41によって、ノズルブレード先端部の開閉動作を行っている。
吸気コンプレッサ3はタービンロータと同軸的に配置されたコンプレッサ(図示省略)によって、エアクリーナ(図示省略)から吸気口32へ導入された吸気を圧縮して、吐出口31からインタークーラ(図示省略)を経てエンジンの燃焼室へ導入される。
尚、アクチュエータ4はエンジンに取付けられたVGターボ1に固着されているので、エンジンの振動(3方向の振動)を受ける構造になっており、L形断熱材5に対しては振源部材となっている。
【0021】
図2に示すように、L形断熱材5は一面である断熱面B52が振源部材であるアクチュエータ4にボルトで締結されている。また、断熱面B52に連続し、略直角に屈曲した屈曲部を介して他面である断熱面A51が振源部材であるアクチュエータ4に間隔を有して配置されている。
断熱面A51の円柱状の突出部はアクチュエータ4を駆動するステップモータの外周部を覆っているカバー部である。
また、断熱面A51は断熱面A51の幅M方向の一辺側には前記略直角に屈曲した側に延出したフランジ部55が設けられている。
尚、フランジ部55の屈曲部側近傍には断熱面B52の屈曲部近傍の端縁から、フランジ部55側に屈曲した補強部53がフランジ部55に溶着されている。
従って、当該コーナ部は断熱面A51、断熱面B52及びフランジ部55によって、三面が一体的に形成さた高剛性部となっている。
断熱面A51の幅M方向の一辺側と反対側の他辺側には一辺側に向けU字状の切欠き部56と、フランジ部55と反対方向に延出したケーブルステー58が配置されている。ケーブルステー58は貫通孔59にエンジンコントロール用のケーブルを貫通させてケーブルを支持している。
剛性低減部である切欠き部56の位置は、断熱面A51の屈曲部を越え、屈曲部から端縁側に突出した突出量Lの1/3以下の部分で、且つ他辺側から一辺側への切欠き量Nが20%以下で、更に、切欠きの幅は突出量Lの10%以下に設けられている。
そして、切欠き部56は断熱面A51の面に対し垂直方向の剛性を低減している。
尚、切欠き部56の底部57を本実施形態ではU字状に形成したが、円形状にしても同様の効果を得られる。
更に、切欠き部56が複数の場合には、切欠き部56の幅の合計が突出量Lの10%以下になるように形成される。また、底部57が円形の場合には円の直径の合計とする。
【0022】
エンジンに取付けられたVGターボ1、VGターボ1に取付けられた振源部材であるアクチュエータ4にはエンジンの振動が直接伝わってくる。従って、断熱面A51はあらゆる方向の振動を受けるが、取分け断熱面A51の面に垂直の方向に屈曲部を支点として振動する。振動により発生する曲げモーメントが大きくなる部分に剛性を低下させたU字状又は円形状の剛性低減部となる切欠き部を配設することにより、断熱面A51の他辺側に他面に対し直角方向の振動が発生しても、底部57全域で変形するので、応力集中が発生し難く、発生応力が分散される。
【0023】
(第2実施形態)
本発明のL形断熱部材は第1実施形態と使用目的、取付部形状が同じなので、アクチュエータ4への取付説明は省略する。
尚、第1実施形態と同じ部品は同一の符号を付す。
図3に本発明第2実施形態のL形断熱部材6の斜視図を示す。
L形断熱部材6は一面である断熱面B62はアクチュエータ4(図示省略)にボルトで締結されている。また、断熱面B62に連続し、略直角に屈曲した屈曲部を介して他面である断熱面A61が配置されている。
また、断熱面A61は断熱面A61の幅M方向の一辺側には前記略直角に屈曲した側に延出したフランジ部63が設けられている。断熱面A61の幅M方向の一辺側と反対側の他辺側にはケーブルステー64がフランジ部63と反対方向に延出している。ケーブルステー64は貫通孔65にエンジンコントロール用のケーブルを貫通させてケーブルを支持している。
【0024】
断熱面A61の幅方向に沿って、剛性低減部となる複数の円形状の切欠き孔66が幅方向Mに沿って形成されている。
切欠き孔66の位置は、断熱面A61の屈曲部を越え、屈曲部から端縁側に突出した突出量Lの1/3以下の部分で、切欠き孔66の端縁側方向の寸法は突出量Lの10%以下に設けられている。また、切欠き孔66の幅方向Mの切欠き長さは幅Mの20%以下にされている。
尚、切欠き孔66を本実施形態では一列に形成したが、複数列形成してもよいが、切欠き孔66の端縁側方向の寸法の合計が突出量Lの10%以下に設けられるようにする。
更に、切欠き孔は1つでも、突出量Lの1/3以下であると共に、突出量Lの10%以下で切欠き孔の幅方向Mの切欠き長さは幅Mの20%以下にされていれば同様の効果を得られる。
本実施形態では円形状にしたが、長円形もしくは長円の曲率形状を有した孔なら同様の効果を得ることができる。
また、図3に示すように、切欠き孔66は他辺側にオフセットした位置に配置されている。断熱面A61の幅M方向の一辺側にはフランジ部63が配置されており、剛性が高いので、一辺側に切欠き孔66を設けるよりも、他辺側に配置した方が効果大である。
【0025】
本実施形態では、剛性低減部の切欠き孔を円または楕円もしくは長円の曲率形状としたので、切欠き孔66の内周縁全体で曲げモーメントに対する変形を吸収するので、変形による応力緩和範囲が長くなり、その分応力が分散して、応力集中を防止することができる。
【0026】
(第3実施形態)
本発明のL形断熱部材は第1実施形態と使用目的、取付部形状が同じなので、アクチュエータ4への取付説明は省略する。
尚、第1実施形態と同じ部品は同一の符号を付す。
図3に本発明第2実施形態のL形断熱部材7の斜視図を示す。
L形断熱部材7は一面である断熱面B72はアクチュエータ4(図示省略)にボルトで締結されている。また、断熱面B72に連続し、略直角に屈曲した屈曲部を介して他面である断熱面A71が配置されている。
また、断熱面A71は断熱面A71の幅M方向の一辺側には前記略直角に屈曲した側に延出したフランジ部73が設けられている。断熱面A71の幅M方向の一辺側と反対側の他辺側にはケーブルステー74がフランジ部73と反対方向に延出している。ケーブルステー74は貫通孔75にエンジンコントロール用のケーブルを貫通させてケーブルを支持している。
【0027】
断熱面A71の幅方向に沿って、剛性低減部となる複数の凸部(又は凹部)である波目状突起が断熱面A71の片側面に条状に連なり幅方向Mの全幅に沿って形成されと共に、断熱面A71の屈曲部から端縁側に突出した方向に複数条配置されている。
本形状は幅方向Mに対する剛性は高いが、凸部(又は凹部)の条に沿った複数条の各条間部分は断熱面A71の垂直方向に対して剛性低減部となっている。
波目状突起76の位置は、断熱面A71の屈曲部を越え、屈曲部から端縁側に突出した突出量Lの1/3以下の部分に設けられている。
尚、波目状突起76は一つの条が断熱面A71の片面側に連続して突出していれば良い。例えば、1条目が断熱面A71の一面側に突出し、2条目が断熱面A71の他面側に突出するように、条によって突出方向が交互に変化しても同様な効果がえられる。
また、本実施形態では波目状突起を断熱面A71の幅方向Mの全幅に実施したが、状況により他辺側から一辺側に向け中途までにしても同様の効果が得られる。状況とは板厚、エンジンから伝わる振動状況、波目状の大きさ等が影響する。
また、本実施例では形状を波目としたが、ディンプル形状にしても同様の効果を得ることができる。
【0028】
本実施形態では、剛性低減部となる複数の波目状突起が断熱面A71の片側面に条状に連なり幅方向Mに沿って複数条形成されるので、断熱面A71の振動に伴う曲げモーメントに対する曲げを波形状の頂部と谷部にて吸収するので、曲げ変形をする部分が屈曲部に対して平行になるので、曲げ変形部に発生する応力が幅M方向で略均等に近い値が発生するので、発生応力の分散が行われ変形による応力緩和範囲が長くなり、その分応力が分散して、応力集中を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、VGターボを駆動するアクチュエータへの熱害を防止するため、断熱部材を取付けるが、断熱部材には断面がL字形で、片持ち支持の自由端を有する片に振動により発生する曲げモーメントの応力軽減を図るために、曲げモーメントの応力が高いところに剛性低減部を設けることにより、断熱部材の信頼性向上、発生応力分散による部品の板厚減少等によるコスト低減等が可能となり、VGターボを搭載したエンジンに用いることに適している。
【符号の説明】
【0030】
1 VGターボ
2 排気タービン
3 吸気コンプレッサ
4 アクチュエータ
5、6、7 L形断熱部材
51、61、71 断熱面A
52、62、72 断熱面B
56 切欠き部負荷・回転センサ
57 底部
66 円形切欠き
76 波目状突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
L字状の屈曲部を有した板部材の一面が振源部材に取付けられ、前記一面に連続した他面には幅方向の一辺側の端縁が前記屈曲部の屈曲側へ延出したフランジ部を有し、前記フランジ部の前記屈曲部と、前記一面の前記フランジ部側端縁とを連結する補強片を配置すると共に、他辺側の端縁が平面状に形成され、前記他面が前記振源部材に対し間隔を有して配置されたL型薄板の応力低減構造において、前記他面の前記屈曲部から前記他面の端縁までの突出量のうち、前記屈曲部を越え、且つ前記突出量の3/1以内の範囲に他の部分より前記他面の面に対し垂直方向の剛性を低下させた剛性低減部を形成したことを特徴とするL型薄板の応力低減構造。
【請求項2】
前記剛性低減部は前記他辺側の前記端縁に前記一辺側に向け底部がU字状、又は円形状に形成された切欠き部を設けると共に、前記切欠き部の前記幅方向の長さは前記幅方向の長さの20%以内で、且つ前記切欠き部の前記端縁方向の長さは前記突出量の10%以内としたことを特徴とする請求項1記載のL型薄板の応力低減構造。
【請求項3】
前記剛性低減部は前記他面の前記幅方向に円または楕円もしくは長円の曲率形状の孔を設けると共に、前記孔による切欠き部の前記幅方向の長さは前記幅方向の長さの20%以内で、且つ、前記切欠き部の前記屈曲部から前記端縁方向の長さは前記突出量の10%以内としたことを特徴とする請求項1記載のL型薄板の応力低減構造。
【請求項4】
前記剛性低減部は前記他面に前記屈曲部に沿うと共に、幅方向に凹部又は、凸部が前記他面の片面側に条状に連なり、且つ前記端縁方向に複数条設けたことを特徴とする請求項1記載のL型薄板の応力低減構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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