説明

LEDコネクタ

【課題】
複数個のLEDモジュールをデイジーチェーン接続させることが可能なLEDコネクタを提供する。
【解決手段】
LEDコネクタ2は、発光部を有するとともに、一対の接触パッドを有するLEDモジュールをヒートシンクの上に固定する。LEDコネクタ2は、LEDモジュールの一対の接触パッドの各一方に接触する接触アーム233を有する一対のコンタクト22,23を有する。各コンタクト22,23は、2本の電線にそれぞれ接続する一対の接続部220a,220b,230a,230bを接触アーム223,233と一体に有する。一対の接続部230a,230bは、一対のコンタクト22,23が並ぶ方向Xとは交わる方向Yの両端に、2本の電線が互いに反対向きに挿入される一対の電線挿入口231a,231bを有する。接続部230a,230bは、一対の電線挿入口231a,231bから挿入された2本の電線にそれぞれ接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDモジュールと接続するLEDコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の白熱電球や蛍光管に比べ低消費電力で長寿命であるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を有するLEDモジュールが、例えば照明装置や表示装置に使われ始めている。特許文献1には、このようなLEDモジュールと接続するLEDコネクタが開示されている。このLEDコネクタは、いわゆるポークインコンタクトを一対備えており、ポークインコンタクトには、端部で心線が露出した一対の電線が互いに逆向きに挿入され無半田、無圧着で接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すLEDコネクタは、正極および負極についてそれぞれ1本の電線のみと接続するため、複数のLEDモジュールを並べて配置し、電気的に並列(デイジーチェーン)接続する構成が構築できない。
【0005】
本発明は上記問題点を解決し、複数個のLEDモジュールをデイジーチェーン接続させることが可能なLEDコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のLEDコネクタは、発光部を有するとともに、この発光部に電力を供給するための一対の接触パッドを有するLEDモジュールを台の上に固定するLEDコネクタであって、
上記発光部が露出する穴が形成された、上記台との間に上記LEDモジュールを収容するハウジングと、
上記ハウジングに収容された、上記一対の接触パッドの各一方に接触する接触アームを有する一対のコンタクトとを有し、
上記一対のコンタクトそれぞれは、この一対のコンタクトが並ぶ方向とは交わる方向の両端に、2本の電線が互いに反対向きに挿入される一対の電線挿入口を有するとともに、この一対の電線挿入口から挿入された2本の電線それぞれと接続する一対の接続部を上記接触アームと一体に有することを特徴とする。
【0007】
本発明のLEDコネクタでは、各コンタクトに2本の電線が接続される。電線が挿入される一対の電線挿入口は、一対のコンタクトが並ぶ方向とは交わる方向の両端に設けられており、上記2本の電線は互いに反対向きに挿入される。このため、一対のコンタクトに接続される合計4本の電線は、略平行な2列に配置される。したがって、複数のLEDコネクタを介して2列に配置された電線を延長するように継ぎ足すことが可能であり、複数個のLEDモジュールをデイジーチェーン接続することが可能となる。
【0008】
ここで、上記本発明のLEDコネクタにおいて、上記一対の接触パッドが、上記発光部を中心とした対称の位置に配置されたものであり、
上記一対のコンタクトが、互いに同一形状を有し、上記発光部を中心とした対称の位置に配置されたものであることが好ましい。
【0009】
一対のコンタクトの双方が同一の工程で製造されるため、コンタクトの製造コスト、管理コストが低減する。
【0010】
ここで、上記本発明のLEDコネクタにおいて、上記一対のコンタクトそれぞれが、上記一対の電線挿入口からそれぞれ挿入された2本の電線をそれぞれ抜け止めする一対の抜止片を有するものであることが好ましい。
【0011】
デイジーチェーン接続のための配線作業が、電線をLEDコネクタの電線挿入口に挿入するだけで完了するので、デイジーチェーン接続の構造を構築する労力が低減する。
【0012】
また、上記本発明のLEDコネクタにおいて、上記一対のコンタクトそれぞれが、上記一対の電線挿入口のうちの一方の電線挿入口近傍にこのコンタクトを上記ハウジングに圧入するための圧入部を有し、上記接触アームが、この圧入部から上記一対のコンタクトのうちの相手側コンタクトに向かって延び、さらに上記一対の電線挿入口どうしを結ぶ方向かつ上記LEDモジュールに近づく方向に延びた形状を有し、先端部が上記接触パッドに弾性的に接触するものであるあることが好ましい。
【0013】
一対の電線挿入口に加え、ハウジングに圧入するための圧入部、および接触パッドに接触する接触アームが、コンタクトに一体に形成されているため、LEDコネクタの部品点数が低減される。
【0014】
また、上記本発明のLEDコネクタにおいて、上記一対のコンタクトそれぞれは、上記一対の電線挿入口どうしの中央部分にこの一対の電線挿入口からそれぞれ挿入された2本の電線の先端を露出させる開口部を有し、
上記ハウジングは、上記一対のコンタクトそれぞれの上記開口部に連通する、この一対のコンタクトそれぞれに挿入された電線の先端部を視認する視認窓を有するものであることが好ましい。
【0015】
ハウジングの視認窓を通じて、各コンタクトに接続される2本の電線が、電線挿入口から完全に奥まで挿入されたか否かを確認することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、複数個のLEDモジュールをデイジーチェーン接続させることが可能なLEDコネクタが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態であるLEDコネクタを備えたLEDコネクタ組立体を示す斜視図である。
【図2】図1に示すLEDコネクタ組立体の一部の分解斜視図である。
【図3】図2に示すLEDコネクタの分解斜視図である。
【図4】図3に示すコンタクトの一部を切断して示した部分断面図である。
【図5】LEDコネクタに電線が接続された状態を示す平面図である。
【図6】図5に示すLEDコネクタの6−6線における断面を示す断面図である。
【図7】図5に示すLEDコネクタの7−7線における断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態であるLEDコネクタを備えたLEDコネクタ組立体を示す斜視図である。
【0020】
LEDコネクタ組立体Sは、例えば照明装置である。LEDコネクタ組立体Sには、複数のLEDモジュール1が1列に並んで配置されている。図1には、LEDコネクタ組立体Sのうち、2つのLEDモジュール1が配置された部分が示されている。
【0021】
図1に示すLEDコネクタ組立体Sは、上記のLEDモジュール1に加えて、LEDコネクタ2、ヒートシンク3、電線41,42,43,44,45,46、および、ねじ5を備えている。
【0022】
図1に示す2つのLEDモジュール1は互いに同様の構成を有し、2つのLEDコネクタ2は互いに同様の構成を有しているので、ねじ5も含め同じ符号を付している。これに対し、電線については、個々の電線を区別するため別の符号を付している。
【0023】
ヒートシンク3は、例えば、アルミニウムに代表される金属材料やセラミック材料で形成された台であり、LEDモジュール1が取り付けられる。ヒートシンク3は、LEDコネクタ組立体S全体の構造を支持している。ヒートシンク3の取付面3aすなわち図における上面には、LEDコネクタ2およびLEDモジュール1が配置されている。ヒートシンク3は、LEDモジュール1からの熱を伝え外部に放熱する。図1に示すヒートシンク3は、長く延びた直方体状である。ヒートシンク3の形状としては、直方体以外のものも採用可能である。例えば、LEDモジュール1が取り付けられた面の反対側に、放熱性能を高めるための冷却フィンが設けられた形状も採用可能である。
【0024】
LEDコネクタ2は、LEDモジュール1をヒートシンク3の上に固定するとともに、電線41〜46とLEDモジュール1とを電気的に結合する部材である。LEDコネクタ2は、ヒートシンク3との間にLEDモジュール1を挟むように収容しており、ねじ5によって、ヒートシンク3の取付面3aすなわち図1の上面に固定されている。
【0025】
電線41〜46は、LEDモジュール1に電力を供給するためのものであり、負の電圧を供給する負極用電線41〜43と、正の電圧を供給する正極用電線44〜46とを有する。LEDコネクタ組立体Sにおける複数のLEDモジュール1は、電気的に並列接続されている。負極用電線41〜43および正極用電線44〜46のそれぞれは、LEDコネクタ2によって中継されながら、2列に並んで延びるように配置されている。なお、LEDコネクタ組立体Sの全体的な形状としては、図に示すようなLEDモジュール1が直線状に並んだ形状に限られない。LEDコネクタ組立体には、電線が途中で曲がり、複数のLEDモジュールが曲がった経路上に並んで配置される形状も採用可能である。
【0026】
図1に示すLEDコネクタ組立体SおよびLEDコネクタ2において、LEDコネクタ2から電線41〜46が延びる方向を縦方向Xと称し、ヒートシンク3の取付面3aに平行でかつ縦方向Xと垂直の方向を横方向Yと称する。また、取付面3aと垂直な方向、すなわち縦方向Xおよび横方向Yの双方と垂直な方向を高さ方向Zと称する。
【0027】
図2は、図1に示すLEDコネクタ組立体Sにおける一部の分解斜視図である。図2には、図1に示す2つのLEDモジュール1および2つのLEDコネクタ2のうち、図1における左下側に配置されたものを示している。
【0028】
LEDモジュール1は、図2に示すように、発光部11および基板12を備えている。基板12は絶縁性の樹脂又はセラミック、或いは絶縁コーティングされたアルミニウムからなる板である。発光部11は、基板12の上に設けられている。発光部11は、より詳細には、基板12の上に載った図示しないLED素子を光透過性の樹脂で封止したものである。本実施形態の基板12は、矩形の板状であり、発光部11は、中央が膨らんだ円板状である。基板12上には、発光部11に電力を供給するための一対の接触パッド13,14が設けられている。一対の接触パッド13,14は、発光部11を挟んだ両側に設けられており、詳細には、発光部11を中心とした対称の位置に設けられている。より詳細には、一対の接触パッド13,14は、矩形の基板12の対角近傍に配置されている。一方の接触パッド13はLED素子のアノードに繋がり、他方の接触パッド14はカソードに繋がっている。
【0029】
ヒートシンク3の、LEDモジュール1と接する取付面3aは平面状である。ヒートシンク3には、ねじ5がねじ込まれる穴31が形成されている。
【0030】
LEDコネクタ2は、ハウジング21と、一対のコンタクト22,23とを備えている。
【0031】
ハウジング21は、絶縁性の樹脂材料からなる成形品であり、矩形板状の概略形状を有する。ハウジング21の、ヒートシンク3と対向する下面21aには、LEDモジュール1を収容する収容凹部211が形成されている。収容凹部211の中央部分には、LEDモジュール1の発光部11を露出させる露出窓212が形成されている。露出窓212は、ハウジング21の上面21bまで貫通した穴である。収容凹部211は、LEDモジュール1の基板12が挿入される形状に形成されており、露出窓212は、LEDモジュール1の発光部11が入り込む形状に形成されている。より詳細には、露出窓212は略円形であり、収容凹部211は図3に示すように矩形である。LEDコネクタ2がヒートシンク3に取り付けられた状態、すなわち図1に示す状態では、LEDモジュール1が収容凹部211(図2参照)に収容され、LEDモジュール1の発光部11(図2参照)が露出窓212(図2参照)から露出する。
【0032】
図2に示すように、コンタクト22,23はハウジング21内に収容されている。コンタクト22,23は互いに同じ形状を有しているため、同一の工程で製造される。コンタクト22,23は横方向Yに並んでおり、LEDモジュール1の両側に配置されている。より詳細には、一対のコンタクト22,23は、LEDモジュール1の発光部11を中心として対称の位置に配置され、縦方向Xについて逆向きに配置されている。コンタクト22,23は、図1に示す状態で、LEDモジュール1の接触パッド14,13にそれぞれ接触する。一方のコンタクト22は、ハウジング21に対し互いに逆向きに挿入されてくる負極用電線41,42の双方と接続される。他方のコンタクト23は、ハウジング21に対し互いに逆向きに挿入されてくる正極用電線44,45の双方と接続される。負極用電線41,42と正極用電線44,45のそれぞれは、端部で心線411,421,441,451が露出している。コンタクト22,23には、心線411,421,441,451が接続される。
【0033】
図3は、図2に示すLEDコネクタの分解斜視図である。図3には、ハウジング21からコンタクト22,23が離れた状態が示されている。また、図4は、図3に示すコンタクトの一部を切断して示した部分断面図である。
【0034】
コンタクト22,23は、互いに同じ形状を有しているので、一方のコンタクト23に代表させて説明する。
【0035】
コンタクト23は、一対の電線挿入部230a,230b、圧入部232、および接触アーム233を有している。コンタクト23は、金属製の板を打抜きおよび曲げ加工して形成されたものであり、電線挿入部230a,230b、圧入部232、および接触アーム233は一体に形成されている。このため、LEDコネクタ2(図1参照)の部品点数および製造工程数が抑えられている。
【0036】
電線挿入部230a,230bのそれぞれは縦方向Xに延びた円筒状に形成されている。電線挿入部230a,230bは、縦方向Xにすなわち円筒が延びた方向に並んでいる。円筒状の電線挿入部230a,230bそれぞれの外側の端には、電線が挿入される電線挿入口231a,231bが開口している。なお、図4には、電線挿入部230a,230bを縦方向Xに沿って切断した断面が示されている。電線挿入部230a,230bのそれぞれには、電線挿入口231a,231bから2本の電線44,45(図2参照)が互いに反対向きに挿入されてくる。また、電線挿入部230a,230bの間の部分、つまり、2つの電線挿入口231a,231bの中央には、視認開口部231cが開口している。2つの電線挿入部230a,230bには、電線挿入口231a,231bから2本の電線44,45の心線441,451(図2参照)が互いに反対向きにそれぞれ挿入される。コンタクト23は、2方向についていわゆるポークインコンタクトの機能を有している。具体的には、電線挿入部230a,230bのそれぞれには、抜止片(ランス)234,235がそれぞれ設けられている。抜止片234,235のそれぞれは、電線挿入部230a,230bの一部に形成された切片が、筒状の電線挿入部230a,230bの内部で、電線挿入口231a,231bから見た奥に向かって斜めに突出したものである。抜止片234,235の先端の縁は鋭角に形成されている。抜止片234,235は、電線挿入部230a,230bに挿入された電線44,45の心線441,451(図2参照)に引掛かり、電線44,45を抜け止めする。
【0037】
圧入部232は、一方の電線挿入部230bから続いて延びた部分であり、電線挿入口231b近傍に設けられている。
【0038】
接触アーム233は、圧入部232の、電線挿入部230bとは反対側からさらに延びた部分である。接触アーム233は、第1の部分233aと第2の部分233bとを有する。第1の部分233aは、コンタクト22,23がハウジング21に収容された状態で、圧入部232から、他方のコンタクト22側に向かって延びた部分である。第2の部分233bは、第1の部分233aからさらに、一対の電線挿入口231a,231bどうしを結ぶ縦方向XかつLEDモジュール1(図2参照)に近づく方向に延びた部分である。接触アーム233の第2の部分233bにおける先端部233cは、LEDモジュール1の接触パッド13(図2参照)に接触する。
【0039】
図3に示すハウジング21の、収容凹部211の横方向Yにおける両側には、コンタクト収容穴213a,214aが設けられている。一方のコンタクト収容穴213aは、縦方向Xに延びており、コンタクト収容穴213aの両端からは、上面21bに開口した案内溝213b,213cがさらに続いて延びている。また他方のコンタクト収容穴214aも縦方向Xに延びており、コンタクト収容穴214aの両端からは、上面21bに開口した案内溝214b,214cがさらに続いて延びている。コンタクト収容穴213a,214aには、コンタクト22,23の電線挿入部220a,220b,230a,230bが配置される。案内溝213b,213c,214b,214cは、電線41,42,44,45(図2参照)の取付けの際に、先端をコンタクト収容穴213a,214aに案内する。コンタクト収容穴213a,214aの中央には、ハウジング21の上面21bに開口した視認窓215,216がそれぞれ設けられている。視認窓215,216は、コンタクト22,23がハウジング21に収容された状態で、視認開口部221c,231cとそれぞれ連通する。
【0040】
また、ハウジング21には、コンタクト収容穴213aおよび案内溝213bと並行するアーム収容穴217が設けられている。また、図には現れないが、反対側のコンタクト収容穴214aおよび案内溝214bについてもこれらと並行するアーム収容穴が設けられている。アーム収容穴217は、コンタクト23の接触アーム233を収容する。アーム収容穴217の奥の部分は、ハウジング21の下面21aに開口しており、アーム収容穴217に収容されたコンタクト23の接触アーム233の先端部233c(図4参照)は、LEDモジュール1(図2参照)と接触するように配置される。
【0041】
図3に示す状態から、LEDコネクタ2を組み立てる場合には、図3に示す姿勢で、コンタクト23の電線挿入部230a,230bをコンタクト収容穴213aに挿入する。電線挿入部230a,230bがコンタクト収容穴213aに完全に挿入された状態では、コンタクト23の視認開口部231cがハウジング21の視認窓215と繋がる。またこのとき、コンタクト23の圧入部232が、ハウジング21の案内溝213b内に圧入されて固定される。また、コンタクト23の接触アーム233はアーム収容穴217に挿入され、接触アーム233の先端部233c(図4参照)がハウジング21の下面21aから突出する。接触アーム233は、圧入部232によって片持ちばね状に支持される。
【0042】
LEDコネクタ2の組立てでは、上記のコンタクト23と同様に、他方のコンタクト22もコンタクト収容穴214aに挿入する。他方のコンタクト22の各部も上述したコンタクト23と同様に配置される。
【0043】
このようにして、図2に示すLEDコネクタ2が完成する。
【0044】
続いて、LEDコネクタ2を用いて図1に示すLEDコネクタ組立体Sを組み立てる場合について説明する。
【0045】
まず、図2に示す姿勢および配置で、ヒートシンク3の上にLEDモジュール1を載せる。次に、LEDモジュール1上にLEDコネクタ2を被せるように配置し、ねじ5で、LEDコネクタ2をヒートシンク3の上に固定する。このとき、LEDモジュール1は、LEDコネクタ2のハウジング21の収容凹部211に収容され、ハウジング21の露出窓212から発光部11が露出する。またこのとき、コンタクト23の接触アーム233(図3)が、LEDモジュール1の接触パッド13に弾性的に接触する。接触アーム233は、LEDモジュール1の基板12を、接触パッド13の部分でヒートシンク3に向かって押し付ける。これによって、LEDモジュール1はヒートシンク3に密着する。これらのことは、他方のコンタクト22についても同様である。
【0046】
次に、負極用電線41,42および正極用電線44、45を、LEDコネクタ2に接続する。
【0047】
具体的には、まず、2本の正極用電線44、45を、コンタクト23の電線挿入口231b,231a(図3参照)から、縦方向Xにおける互いに反対向きに挿入する。より詳細には、一方の正極用電線44の心線441(図2参照)を、図3に示すハウジング21の案内溝213bを経由して、電線挿入口231bから電線挿入部230bに挿入する。また、他方の正極用電線45の心線451(図2参照)を、図3に示すハウジング21の案内溝213cを経由して、電線挿入口231aから電線挿入部230aに挿入する。このことによって、コンタクト23を介して、2本の正極用電線44,45とLEDモジュール1の接触パッド13(図2参照)、さらに、発光部11(図2参照)の図示しないLED素子におけるアノードが電気的に結合される。
【0048】
次に、2本の負極用電線41,42についても、残りのコンタクト22に対し、正極用電線44、45の場合と同様に、縦方向Xにおける互いに反対向きに挿入する。このことによって、コンタクト22を介して、2本の負極用電線41,42とLEDモジュール1の接触パッド14(図2参照)、さらに、図示しないLED素子におけるカソードが電気的に結合される。
【0049】
図1に示すように、正極用電線45および負極用電線42は、ヒートシンク3上において、隣に配置されるLEDコネクタ2にも接続される。
【0050】
図5は、LEDコネクタに電線が接続された状態を示す平面図である。また、図6は、図5に示すLEDコネクタの6−6線における断面を示す断面図である。
【0051】
電線41,42,44,45の接続時において、各電線の先端部分は、LEDコネクタ2の中に挿入される。LEDコネクタ2のハウジング21には、視認窓215,216が設けられている。また、この視認窓215,216は、図3に示すコンタクト22,23の視認開口部221c,231cと連通している。このため、各電線41,42,44,45の先端部分の心線411,421,441,451が、電線挿入部230a,230b,220a,220b(図3参照)の中央すなわち視認開口部221c,231cまで挿入されたか否かを視認することができる。したがって、各電線41,42,44,45の接続が確実に行なわれる。
【0052】
また、図6に示すように、各電線44,45の先端部分の心線441,451が電線挿入部230a,230bに挿入された状態では、抜止片234,235が心線441,451にそれぞれ係止する。このため、電線44,45に不用意な力が加えられても、電線44,45がLEDコネクタ2から外れない。このように、LEDコネクタ2と電線44,45との確実な接続が、圧入や半田を用いることなく、電線44,45の先端部分をLEDコネクタ2に挿入するだけで完了する。
【0053】
図7は、図5に示すLEDコネクタの7−7線における断面を示す断面図である。
【0054】
図7には、LEDモジュール1がハウジング21の収容凹部211とヒートシンク3との間に収容された状態が示されている。また、図7には、LEDコネクタ2のコンタクト23のうち接触アーム233が示されている。図7には、特に接触アーム233の、縦方向XかつLEDモジュール1に近づく方向に延びた形状を有する部分が示されている。ハウジング21はねじ5によってヒートシンク3に固定されており、コンタクト23の圧入部232(図3)は、ハウジング21に支持されている。このため、片持ちばね状に、圧入部232(図3)に支持された接触アーム233は、LEDモジュール1の基板12に弾性的に接触し、弾性力によって、基板12をヒートシンク3に向かって押している。したがって、コンタクト23がLEDモジュール1に確実に接触し、LEDモジュール1がヒートシンク3に密着する。
【0055】
本実施形態のLEDコネクタ2では、図2に示すように、一対のコンタクト22,23がLEDモジュール1を挟んで両側に配置されている。そして、一方のコンタクト23には、2本の正極用電線44,45が、一対のコンタクト22,23が並んだ横方向Yと直角な縦方向Xにおける、互いに反対向きに挿入されている。また、他方のコンタクト22にも、2本の負極用電線41,42が、縦方向Xにおける、互いに反対向きに挿入されている。したがって、4本の電線41,42,44,45は、略平行な2列に並んで延びる。このため、図1に示すようにLEDコネクタ2を介して、2列に配置された電線を延長するように継ぎ足すことが可能である。また、デイジーチェーン接続によって、LEDモジュール1に掛かる電圧は、LEDモジュール1の接続数によらず一定となる。LEDコネクタ2を用いることで、電線を分岐するための圧着接続子や端子台等の部品、あるいは半田接続を用いることなく、多数のLEDモジュール1をデイジーチェーン接続することが可能となる。
【0056】
なお、上述した実施形態では、本発明にいうハウジングの例として、矩形の板状のハウジング21が示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、ハウジングは、例えば円板状であってもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、LEDモジュールが固定される台はヒートシンク3自体である。しかし、この台は、LEDモジュールが当接するヒートシンクを内蔵する樹脂製の台等であってもよい。
【0058】
さらに、LEDモジュールの接触パッドは、発光部を挟んだ両側ではなく、LEDモジュールの一辺に並んで配置されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 LEDモジュール
11 発光部
2 LEDコネクタ
21 ハウジング
211 収容凹部
212 露出窓
215,216 視認開口部(視認窓)
22,23 コンタクト
221c,231c 視認開口部
230a,230b 電線挿入部
231a,231b 電線挿入口
223,233 接触アーム
234,235 抜止片
3 ヒートシンク(台)
41,42 負極用電線
44,45 正極用電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を有するとともに、該発光部に電力を供給するための一対の接触パッドを有するLEDモジュールを台の上に固定するLEDコネクタであって、
前記発光部が露出する穴が形成された、前記台との間に前記LEDモジュールを収容するハウジングと、
前記ハウジングに収容された、前記一対の接触パッドの各一方に接触する接触アームを有する一対のコンタクトとを有し、
前記一対のコンタクトそれぞれは、該一対のコンタクトが並ぶ方向とは交わる方向の両端に、2本の電線が互いに反対向きに挿入される一対の電線挿入口を有するとともに、該一対の電線挿入口から挿入された2本の電線それぞれと接続する一対の接続部を前記接触アームと一体に有することを特徴とするLEDコネクタ。
【請求項2】
前記一対の接触パッドは、前記発光部を中心とした対称の位置に配置されたものであり、
前記一対のコンタクトは、互いに同一形状を有し、前記発光部を中心とした対称の位置に配置されたものであることを特徴とする請求項1記載のLEDコネクタ。
【請求項3】
前記一対のコンタクトそれぞれは、前記一対の電線挿入口からそれぞれ挿入された2本の電線をそれぞれ抜け止めする一対の抜止片を有するものであることを特徴とする請求項1または2記載のLEDコネクタ。
【請求項4】
前記一対のコンタクトそれぞれは、前記一対の電線挿入口のうちの一方の電線挿入口近傍に該コンタクトを前記ハウジングに圧入するための圧入部を有し、前記接触アームが、該圧入部から前記一対のコンタクトのうちの相手側コンタクトに向かって延び、さらに前記一対の電線挿入口どうしを結ぶ方向かつ前記LEDモジュールに近づく方向に延びた形状を有し、先端部が前記接触パッドに弾性的に接触するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1記載のLEDコネクタ。
【請求項5】
前記一対のコンタクトそれぞれは、前記一対の電線挿入口どうしの中央部分に該一対の電線挿入口からそれぞれ挿入された2本の電線の先端を露出させる開口部を有し、
前記ハウジングは、前記一対のコンタクトそれぞれの前記開口部に連通する、該一対のコンタクトそれぞれに挿入された電線の先端部を視認する視認窓を有するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のLEDコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−164613(P2012−164613A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26205(P2011−26205)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】