説明

LEDパッケージ

【課題】耐久性が高く、コストが低いLEDパッケージを提供する。
【解決手段】LEDパッケージ1は、相互に離隔した第1及び第2のリードフレーム11,12と、前記第1及び第2のリードフレームの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードフレームに接続され、他方の端子が前記第2のリードフレームに接続されたLEDチップ14と、前記一方の端子を前記第1のリードフレームに接続するワイヤ15と、前記第1及び第2のリードフレーム、前記LEDチップ、並びに前記ワイヤを覆う樹脂体17を備える。前記第1のリードフレームは、下面の一部、上面及び端面が前記樹脂体によって覆われ、前記下面の残部が前記樹脂体の下面に露出したベース部と、前記ベース部から延出し、下面及び上面が前記樹脂体によって覆われ、先端面が前記樹脂体の側面に露出した複数本の吊ピンを有する。樹脂体17の外形が前記LEDパッケージの外形をなしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LEDチップを搭載するLEDパッケージにおいては、配光性を制御し、LEDパッケージからの光の取出効率を高めることを目的として、白色樹脂からなる椀状の外囲器を設け、外囲器の底面上にLEDチップを搭載し、外囲器の内部に透明樹脂を封入してLEDチップを埋め込んでいた。そして、外囲器は、ポリアミド系の熱可塑性樹脂によって形成されることが多かった。
【0003】
しかしながら、近年、LEDパッケージの適用範囲の拡大に伴い、LEDパッケージに対して、より高い耐久性が要求されるようになってきている。一方、LEDチップの高出力化に伴い、LEDチップから放射される光及び熱が増加し、LEDチップを封止する樹脂部分の劣化が進みやすくなっている。また、LEDパッケージの適用範囲の拡大に伴い、より一層のコストの低減が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−274027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、耐久性が高く、コストが低いLEDパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るLEDパッケージは、相互に離隔した第1及び第2のリードフレームと、前記第1及び第2のリードフレームの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードフレームに接続され、他方の端子が前記第2のリードフレームに接続されたLEDチップと、前記一方の端子を前記第1のリードフレームに接続するワイヤと、前記第1及び第2のリードフレーム、前記LEDチップ、並びに前記ワイヤを覆う樹脂体と、を備える。前記第1のリードフレームは、下面の一部、上面及び端面が前記樹脂体によって覆われ、前記下面の残部が前記樹脂体の下面に露出したベース部と、前記ベース部から延出し、下面及び上面が前記樹脂体によって覆われ、先端面が前記樹脂体の側面に露出した複数本の吊ピンと、を有する。上方から見て、前記ワイヤの接合位置は、2本以上の前記吊ピンの根本を結ぶ多角形の領域の内部に位置している。そして、前記樹脂体の外形が前記LEDパッケージの外形をなしている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図2】(a)は図1に示すA−A’線による断面図であり、(b)は図1に示すB−B’線による断面図である。
【図3】第1の実施形態におけるリードフレームを例示する平面図である。
【図4】第1の実施形態のリードフレーム等を例示する平面図である。
【図5】第1の実施形態に係るLEDパッケージの製造方法を例示するフローチャート図である。
【図6】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係るLEDパッケージの製造方法を例示する工程断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、第1の実施形態に係るLEDパッケージの製造方法を例示する工程断面図である。
【図8】(a)及び(b)は、第1の実施形態に係るLEDパッケージの製造方法を例示する工程断面図である。
【図9】(a)は、第1の実施形態におけるリードフレームシートを例示する平面図であり、(b)は、このリードフレームシートの素子領域を例示する一部拡大平面図である。
【図10】横軸に比(W/t)の値をとり、縦軸にダイシング後のLEDパッケージの外観の判定結果をとって、リードフレームの板厚tに対する樹脂厚さWの比がLEDパッケージの外観に及ぼす影響を例示するグラフ図である。
【図11】(a)〜(h)は、第1の実施形態の変形例におけるリードフレームシートの形成方法を例示する工程断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図13】第2の実施形態に係るLEDパッケージを例示する側面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図15】第3の実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図17】第4の実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図19】第5の実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【図20】本発明の第6の実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図21】第6の実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【図22】本発明の第7の実施形態に係るLEDパッケージを例示する平面図である。
【図23】第7の実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【図24】(a)は、本発明の第8の実施形態に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
【図25】第8の実施形態の第1の変形例に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図26】(a)は第8の実施形態の第1の変形例に係るLEDパッケージのリードフレーム、LEDチップ及びワイヤを例示する平面図であり、(b)はLEDパッケージを例示する下面図であり、(c)はLEDパッケージを例示する断面図である。
【図27】第8の実施形態の第2の変形例に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
【図28】(a)は、第8の実施形態の第3の変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
【図29】(a)は、第8の実施形態の第4の変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
【図30】(a)は、第8の実施形態の第5の変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
【図31】(a)は、第8の実施形態の第6の変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
【図32】(a)〜(e)は、第8の実施形態の第7の変形例において使用するリードフレームシートの素子領域を例示する平面図である。
【図33】第9の実施形態に係るLEDパッケージを例示する上面斜視図である。
【図34】第9の実施形態に係るLEDパッケージを例示する下面斜視図である。
【図35】第9の実施形態に係るLEDパッケージを例示する上面図である。
【図36】第9の実施形態に係るLEDパッケージを例示する下面図である。
【図37】第9の実施形態に係るLEDパッケージを例示するY方向から見た側面図である。
【図38】第9の実施形態に係るLEDパッケージを例示するX方向から見た側面図である。
【図39】第9の本実施形態におけるリードフレームシートを例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図2(a)は図1に示すA−A’線による断面図であり、(b)は図1に示すB−B’線による断面図であり、
図3は、本実施形態におけるリードフレームを例示する平面図であり、
図4は、本実施形態のリードフレーム等を例示する平面図である。
【0009】
図1〜図4に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、一対のリードフレーム11及び12が設けられている。リードフレーム11及び12の形状は平板状であり、同一平面上に配置されており、相互に離隔している。リードフレーム11及び12は同じ導電性材料からなり、例えば、銅板の上面及び下面に銀めっき層が形成されて構成されている。なお、リードフレーム11及び12の端面上には銀めっき層は形成されておらず、銅板が露出している。
【0010】
以下、本明細書においては、説明の便宜上、XYZ直交座標系を導入する。リードフレーム11及び12の上面に対して平行な方向のうち、リードフレーム11からリードフレーム12に向かう方向を+X方向とし、リードフレーム11及び12の上面に対して垂直な方向のうち、上方、すなわち、リードフレームから見て後述するLEDチップ14が搭載されている方向を+Z方向とし、+X方向及び+Z方向の双方に対して直交する方向のうち一方を+Y方向とする。なお、+X方向、+Y方向及び+Z方向の反対方向を、それぞれ、−X方向、−Y方向及び−Z方向とする。また、例えば、「+X方向」及び「−X方向」を総称して、単に「X方向」ともいう。
【0011】
リードフレーム11においては、Z方向から見て矩形のベース部11aが1つ設けられており、このベース部11aから4本の吊ピン11b、11c、11d、11eが延出している。吊ピン11bは、ベース部11aの+Y方向に向いた端縁のX方向中央部から+Y方向に向けて延出している。吊ピン11cは、ベース部11aの−Y方向に向いた端縁のX方向中央部から−Y方向に向けて延出している。X方向における吊ピン11b及び11cの位置は相互に同一である。吊ピン11d及び11eは、ベース部11aの−X方向に向いた端縁の両端部から−X方向に向けて延出している。このように、吊ピン11b〜11eは、ベース部11aの相互に異なる3辺からそれぞれ延出している。
【0012】
リードフレーム12は、リードフレーム11と比較して、X方向の長さが短く、Y方向の長さは同じである。リードフレーム12においては、Z方向から見て矩形のベース部12aが1つ設けられており、このベース部12aから4本の吊ピン12b、12c、12d、12eが延出している。吊ピン12bは、ベース部12aの+Y方向に向いた端縁の−X方向側の端部から+Y方向に向けて延出している。吊ピン12cは、ベース部12aの−Y方向に向いた端縁の−X方向側の端部から−Y方向に向けて延出している。吊ピン12d及び12eは、ベース部12aの+X方向に向いた端縁の両端部から+X方向に向けて延出している。このように、吊ピン12b〜12eは、ベース部12aの相互に異なる3辺からそれぞれ延出している。リードフレーム11の吊ピン11d及び11eの幅は、リードフレーム12における吊ピン12d及び12eの幅と同一でもよく、異なっていてもよい。但し、吊ピン11d及び11eの幅と吊ピン12d及び12eの幅とを異ならせれば、アノードとカソードの判別が容易になる。
【0013】
リードフレーム11の下面11fにおけるX方向中央部には、凸部11gが形成されている。このため、リードフレーム11の厚さは2水準の値をとり、ベース部11aにおける+X方向側の端部を除く部分、すなわち、凸部11gが形成されている部分は相対的に厚い厚板部分となっている。また、ベース部11aの+X方向側の端部及び吊ピン11b〜11eは相対的に薄い薄板部分となっている。図3においては、ベース部11aにおける凸部11gが形成されていない部分を、薄板部11tとして示す。
【0014】
同様に、リードフレーム12の下面12fにおけるX方向中央部には、凸部12gが形成されている。これにより、リードフレーム12の厚さも2水準の値をとり、ベース部12aにおける−X方向側の端部を除く部分は凸部12gが形成されているため相対的に厚く、厚板部分となっている。また、ベース部12aの−X方向側の端部及び吊ピン12b〜12eは相対的に薄い薄板部分となっている。図3においては、ベース部12aにおける凸部12gが形成されていない部分を、薄板部12tとして示す。換言すれば、ベース部11a及び12aのX方向両端部の下面には、それぞれ、ベース部11a及び12aの端縁に沿ってY方向に延びる切欠が形成されている。なお、図3においては、リードフレーム11及び12における相対的に薄い部分、すなわち、各薄板部及び各吊りピンは、破線のハッチングを付して示している。
【0015】
凸部11g及び12gは、リードフレーム11及び12における相互に対向する端縁から離隔した領域に形成されており、これらの端縁を含む領域は、薄板部11t及び12tとなっている。リードフレーム11の上面11hとリードフレーム12の上面12hは同一平面上にあり、リードフレーム11の凸部11gの下面とリードフレーム12の凸部12gの下面は同一平面上にある。Z方向における各吊ピンの上面の位置は、リードフレーム11及び12の上面の位置と一致している。従って、各吊ピンは同一のXY平面上に配置されている。
【0016】
リードフレーム11の上面11h及び下面11f、並びにリードフレーム12の上面12h及び下面12fの粗化度は1.20以上である。「粗化度」とは、評価対象となる表面の法線を含む断面に現れるこの表面に対応する曲線について、ボックスカウント法により算出したフラクタル次元をいう。例えば、完全に平坦な仮想的な表面の粗化度は「1」である。具体的には、上述の曲線は原子間力顕微鏡によって測定する。また、ボックスカウント法は、ボックスサイズを50nm〜5μmとし、ピクセルサイズをその(1/100)以下に設定して適用する。
【0017】
リードフレーム11の上面11hのうち、ベース部11aに相当する領域の一部には、ダイマウント材13が被着されている。本実施形態においては、ダイマウント材13は導電性であっても絶縁性であってもよい。ダイマウント材13が導電性である場合は、ダイマウント材13は例えば、銀ペースト、半田又は共晶半田等により形成されている。ダイマウント材13が絶縁性である場合は、ダイマウント材13は例えば、透明樹脂ペーストにより形成されている。
【0018】
ダイマウント材13上には、LEDチップ14が設けられている。すなわち、ダイマウント材がLEDチップ14をリードフレーム11に固着させることにより、LEDチップ14がリードフレーム11に搭載されている。LEDチップ14は、例えば、サファイア基板上に窒化ガリウム(GaN)等からなる半導体層が積層されたものであり、その形状は例えば直方体であり、その上面に端子14a及び14bが設けられている。LEDチップ14は、端子14aと端子14bとの間に電圧が供給されることによって、例えば青色の光を出射する。
【0019】
LEDチップ14の端子14aにはワイヤ15の一端が接合されている。ワイヤ15は端子14aから+Z方向(直上方向)に引き出され、−X方向と−Z方向との間の方向に向けて湾曲し、ワイヤ15の他端はリードフレーム11の上面11hに接合されている。これにより、端子14aはワイヤ15を介してリードフレーム11に接続されている。一方、端子14bにはワイヤ16の一端が接合されている。ワイヤ16は端子14bから+Z方向に引き出され、+X方向と−Z方向との間の方向に向けて湾曲し、ワイヤ16の他端はリードフレーム12の上面12hに接合されている。これにより、端子14bはワイヤ16を介してリードフレーム12に接続されている。ワイヤ15及び16は金属、例えば、金又はアルミニウムによって形成されている。
【0020】
図4に示すように、ワイヤ15の他端がリードフレーム11に接合されている接合位置X1は、吊ピン11bの根本と吊ピン11eの根本とを結ぶ多角形の領域R1の内部に位置している。また、接合位置X1は、吊ピン11b、11c、11dの根本を結ぶ多角形の領域R2の内部に位置している。一方、ワイヤ16の他端がリードフレーム12に接合されている接合位置X2は、吊ピン12b、12c、12eの根本を結ぶ多角形の領域R3の内部に位置している。また、接合位置X2は、吊ピン12b、12c、12dの根本を結ぶ多角形の領域R4の内部にも位置している。
【0021】
また、LEDパッケージ1には、透明樹脂体17が設けられている。透明樹脂体17は透明な樹脂、例えば、シリコーン樹脂によって形成されている。なお、「透明」には半透明も含まれる。透明樹脂体17の外形は直方体であり、リードフレーム11及び12、ダイマウント材13、LEDチップ14、ワイヤ15及び16を覆っており、透明樹脂体17の外形がLEDパッケージ1の外形となっている。リードフレーム11の一部及びリードフレーム12の一部は、透明樹脂体17の下面及び側面において露出している。
【0022】
より詳細には、リードフレーム11の下面11fのうち、凸部11gの下面は透明樹脂体17の下面において露出しており、吊ピン11b〜11eの先端面は透明樹脂体17の側面において露出している。一方、リードフレーム11の上面11hの全体、下面11fのうち凸部11g以外の領域、凸部11gの側面、ベース部11aの端面は、透明樹脂体17によって覆われている。同様に、リードフレーム12の凸部12gの下面は透明樹脂体17の下面において露出しており、吊ピン12b〜12eの先端面は透明樹脂体17の側面において露出しており、上面12hの全体、下面12fのうち凸部12g以外の領域、凸部12gの側面、ベース部12aの端面は、透明樹脂体17によって覆われている。LEDパッケージ1においては、透明樹脂体17の下面において露出した凸部11g及び12gの下面が、外部電極パッドとなる。このように、上方から見て、透明樹脂体17の形状は矩形であり、上述の複数本の吊ピンの先端面は透明樹脂体17の相互に異なる3つの側面に露出している。なお、本明細書において、「覆う」とは、覆うものが覆われるものに接触している場合と接触していない場合の双方を含む概念である。
【0023】
また、図2に示すように、ベース部11a及び12aの端面と透明樹脂体17の側面との間の最短距離Wは、リードフレーム11及び12の最大厚さ、すなわち、凸部11g及び12gが形成されている部分の板厚tの50%以上である。例えば、リードフレーム11及び12の板厚tは100μmであり、距離Wは50μm以上であり、例えば、距離Wは100μmである。
【0024】
透明樹脂体17の内部には、多数の蛍光体18が分散されている。各蛍光体18は粒状であり、LEDチップ14から出射された光を吸収して、より波長が長い光を発光する。例えば、蛍光体18は、LEDチップ14から出射された青色の光の一部を吸収し、黄色の光を発光する。これにより、LEDパッケージ1からは、LEDチップ14が出射し、蛍光体18に吸収されなかった青色の光と、蛍光体18から発光された黄色の光とが出射され、出射光は全体として白色となる。このような蛍光体18としては、例えば、YAG:Ceを使用することができる。なお、図示の便宜上、図1及び図3以降の図においては、蛍光体18を示していない。また、図2(a)及び(b)においては、蛍光体18を実際よりも大きく且つ少なく示している。
【0025】
このような蛍光体18としては、例えば、黄緑色、黄色又はオレンジ色の光を発光するシリケート系の蛍光体を使用することができる。シリケート系の蛍光体は、以下の一般式で表すことができる。
(2−x−y)SrO・x(Ba,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+
但し、0<x、0.005<y<0.5、x+y≦1.6、0≦a、b、c、d<0.5、0<u、0<v、u+v=1である。
【0026】
また、黄色蛍光体として、YAG系の蛍光体を使用することもできる。YAG系の蛍光体は、以下の一般式で表すことができる。
(RE1−xSm(AlGa1−y12:Ce
但し、0≦x<1、0≦y≦1、REはY及びGdから選択される少なくとも1種の元素である。
【0027】
又は、蛍光体18として、サイアロン系の赤色蛍光体及び緑色蛍光体を混合して使用することもできる。すなわち、蛍光体18は、LEDチップ14から出射された青色の光を吸収して緑色の光を発光する緑色蛍光体、及び青色の光を吸収して赤色の光を発光する赤色蛍光体とすることができる。
サイアロン系の赤色蛍光体は、例えば下記一般式で表すことができる。
(M1−x,Ra1AlSib1c1d1
但し、MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca及びSrの少なくとも一方であることが望ましい。Rは発光中心元素であり、特にEuが望ましい。x、a1、b1、c1、d1は、0<x≦1、0.6<a1<0.95、2<b1<3.9、0.25<c1<0.45、4<d1<5.7である。
このようなサイアロン系の赤色蛍光体の具体例を以下に示す。
SrSiAlON13:Eu2+
【0028】
サイアロン系の緑色蛍光体は、例えば下記一般式で表すことができる。
(M1−x,Ra2AlSib2c2d2
但し、MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特にCa及びSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特にEuが望ましい。x、a2、b2、c2、d2は、0<x≦1、0.93<a2<1.3、4.0<b2<5.8、0.6<c2<1、6<d2<11である。
このようなサイアロン系の緑色蛍光体の具体例を以下に示す。
SrSi13Al21:Eu2+
【0029】
次に、本実施形態に係るLEDパッケージの製造方法について説明する。
図5は、本実施形態に係るLEDパッケージの製造方法を例示するフローチャート図であり、
図6(a)〜(d)、図7(a)〜(c)、図8(a)及び(b)は、本実施形態に係るLEDパッケージの製造方法を例示する工程断面図であり、
図9(a)は、本実施形態におけるリードフレームシートを例示する平面図であり、(b)は、このリードフレームシートの素子領域を例示する一部拡大平面図である。
【0030】
先ず、図6(a)に示すように、導電性材料からなる導電シート21を用意する。この導電シート21は、例えば、短冊状の銅板21aの上下面に銀めっき層21bが施されたものである。導電シート21の上面及び下面、すなわち、銀めっき層21bの表面の粗化度は、1.20以上である。銀めっき層21bの表面の粗化度は、銀めっき層21bの形成条件を調整することによって制御することができる。例えば、銀めっき層21bを電気めっき法によって形成する場合には、一般に、電流密度を高くすれば粗化度が増加し、銅板21aがめっき槽内を通過する際の送り速度を遅くすれば粗化度が増加し、めっき液の濃度を高くすれば粗化度が増加する。
【0031】
次に、この導電シート21の上下面上に、マスク22a及び22bを形成する。マスク22a及び22bには、選択的に開口部22cが形成されている。マスク22a及び22bは、例えば印刷法によって形成することができる。
【0032】
次に、マスク22a及び22bが被着された導電シート21をエッチング液に浸漬することにより、導電シート21をウェットエッチングする。これにより、導電シート21のうち、開口部22c内に位置する部分がエッチングされて選択的に除去される。このとき、例えば浸漬時間を調整することによってエッチング量を制御し、導電シート21の上面側及び下面側からのエッチングがそれぞれ単独で導電シート21を貫通する前に、エッチングを停止させる。これにより、上下面側からハーフエッチングを施す。但し、上面側及び下面側の双方からエッチングされた部分は、導電シート21を貫通するようにする。その後、マスク22a及び22bを除去する。
【0033】
これにより、図5及び図6(b)に示すように、導電シート21から銅板21a及び銀めっき層21bが選択的に除去されて、リードフレームシート23が形成される。なお、図示の便宜上、図6(b)以降の図においては、銅板21a及び銀めっき層21bを区別せずに、リードフレームシート23として一体的に図示する。図9(a)に示すように、リードフレームシート23においては、例えば3つのブロックBが設定されており、各ブロックBには例えば1000個程度の素子領域Pが設定されている。図9(b)に示すように、素子領域Pはマトリクス状に配列されており、素子領域P間は格子状のダイシング領域Dとなっている。各素子領域Pにおいては、相互に離隔したリードフレーム11及び12を含む基本パターンが形成されている。ダイシング領域Dにおいては、導電シート21を形成していた導電性材料が、隣り合う素子領域P間をつなぐように残留している。
【0034】
すなわち、素子領域P内においては、リードフレーム11とリードフレーム12とは相互に離隔しているが、ある素子領域Pに属するリードフレーム11は、この素子領域Pから見て−X方向に位置する隣の素子領域Pに属するリードフレーム12に連結されており、両フレームの間には、+X方向に向いた凸字状の開口部23aが形成されている。また、Y方向において隣り合う素子領域Pに属するリードフレーム11同士は、ブリッジ23bを介して連結されている。同様に、Y方向において隣り合う素子領域Pに属するリードフレーム12同士は、ブリッジ23cを介して連結されている。これにより、リードフレーム11及び12のベース部11a及び12aから、3方向に向けて4本の連結部分が延出している。これらの連結部分は導電性材料からなり、ある素子領域Pに属するリードフレーム11又は12のベース部から、ダイシング領域Dを通過して隣の素子領域Pに属するリードフレーム11又は12のベース部まで延びている。更に、リードフレームシート23の下面側からのエッチングをハーフエッチングとすることにより、リードフレーム11及び12の下面にそれぞれ凸部11g及び12g(図2参照)が形成される。
【0035】
次に、図5及び図6(c)に示すように、リードフレームシート23の下面に、例えばポリイミドからなる補強テープ24を貼付する。そして、リードフレームシート23の各素子領域Pに属するリードフレーム11上に、ダイマウント材13を被着させる。例えば、ペースト状のダイマウント材13を、吐出器からリードフレーム11上に吐出させるか、機械的な手段によりリードフレーム11上に転写する。次に、ダイマウント材13上にLEDチップ14をマウントする。次に、ダイマウント材13を焼結するための熱処理(マウントキュア)を行う。これにより、リードフレームシート23の各素子領域Pにおいて、リードフレーム11上にダイマウント材13を介してLEDチップ14が搭載される。
【0036】
次に、図5及び図6(d)に示すように、例えば超音波接合により、ワイヤ15の一端をLEDチップ14の端子14aに接合し、他端をリードフレーム11の上面に接合する。また、ワイヤ16の一端をLEDチップ14の端子14bに接合し、他端をリードフレーム12の上面12hに接合する。これにより、端子14aがワイヤ15を介してリードフレーム11に接続され、端子14bがワイヤ16を介してリードフレーム12に接続される。
【0037】
次に、図5及び図7(a)に示すように、下金型101を用意する。下金型101は後述する上金型102と共に一組の金型を構成するものであり、下金型101の上面には、直方体形状の凹部101aが形成されている。一方、シリコーン樹脂等の透明樹脂に蛍光体18(図2参照)を混合し、撹拌することにより、液状又は半液状の蛍光体含有樹脂材料26を調製する。そして、ディスペンサ103により、下金型101の凹部101a内に、蛍光体含有樹脂材料26を供給する。
【0038】
次に、図5及び図7(b)に示すように、上述のLEDチップ14を搭載したリードフレームシート23を、LEDチップ14が下方に向くように、上金型102の下面に装着する。そして、上金型102を下金型101に押し付け、金型を型締めする。これにより、リードフレームシート23が蛍光体含有樹脂材料26に押し付けられる。このとき、蛍光体含有樹脂材料26はLEDチップ14、ワイヤ15及び16を覆い、リードフレームシート23におけるエッチングによって除去された部分内にも侵入する。このようにして、蛍光体含有樹脂材料26がモールドされる。このモールド工程は真空雰囲気中で実施されることが好ましい。これにより、蛍光体含有樹脂材料26内で発生した気泡がリードフレームシート23におけるハーフエッチングされた部分に付着することを防止できる。
【0039】
次に、図5及び図7(c)に示すように、蛍光体含有樹脂材料26にリードフレームシート23の上面を押し付けた状態で熱処理(モールドキュア)を行い、蛍光体含有樹脂材料26を硬化させる。その後、図8(a)に示すように、上金型102を下金型101から引き離す。これにより、リードフレームシート23上に、リードフレームシート23の上面全体及び下面の一部を覆い、LEDチップ14等を埋め込む透明樹脂板29が形成される。透明樹脂板29には、蛍光体18(図2参照)が分散されている。その後、リードフレームシート23から補強テープ24を引き剥がす。これにより、透明樹脂板29の表面においてリードフレーム11及び12の凸部11g及び12g(図2参照)の下面が露出する。
【0040】
次に、図5及び図8(b)に示すように、ブレード104により、リードフレームシート23及び透明樹脂板29からなる結合体を、リードフレームシート23側からダイシングする。すなわち、−Z方向側から+Z方向に向けてダイシングする。これにより、リードフレームシート23及び透明樹脂板29におけるダイシング領域Dに配置された部分が除去される。なお、リードフレームシート23及び透明樹脂板29からなる結合体は、透明樹脂体29側からダイシングしてもよい。この結果、リードフレームシート23及び透明樹脂板29における素子領域Pに配置された部分が個片化され、図1及び図2に示すLEDパッケージ1が製造される。
【0041】
ダイシング後の各LEDパッケージ1においては、リードフレームシート23からリードフレーム11及び12が分離される。また、透明樹脂板29が分断されて、透明樹脂体17となる。そして、ダイシング領域DにおけるY方向に延びる部分が、リードフレームシート23の開口部23aを通過することにより、リードフレーム11及び12にそれぞれ吊ピン11d、11e、12d、12eが形成される。また、ブリッジ23bが分断されることにより、リードフレーム11に吊ピン11b及び11cが形成され、ブリッジ23cが分断されることにより、リードフレーム12に吊ピン12b及び12cが形成される。吊ピン11b〜11e及び12b〜12eの先端面は、透明樹脂体17の側面において露出する。
【0042】
次に、図5に示すように、LEDパッケージ1について、各種のテストを行う。このとき、吊ピン11b〜11e及び12b〜12eの先端面をテスト用の端子として使用することも可能である。
【0043】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、リードフレームシート23及び透明樹脂板29のダイシング面がそのままLEDパッケージ1の側面となり、この側面においてリードフレーム11及び12の一部が露出するため、この露出部分を起点としてリードフレームと透明樹脂体17とが剥離しないような対策を講じることが好ましい。リードフレームと透明樹脂体とが剥離して開口部が形成されると、LEDパッケージの特性が劣化してしまう。例えば、リードフレームと透明樹脂体との間に空気層が形成されることによって光の反射効率が低下したり、開口部から水分等が侵入することによってリードフレームの腐食が進行したり、開口部から侵入した水分等がワイヤに到達することによってワイヤが腐食したりする。例えば、開口部から侵入した酸素及び水分等によってリードフレームの銀めっき層が酸化又は硫化されると、リードフレームによる光の反射率が低下してしまう。このように、リードフレームと透明樹脂体とが剥離すると、LEDパッケージの特性及び信頼性が低下してしまう。
【0044】
そこで、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、透明樹脂体17がリードフレーム11及び12の下面の一部及び端面の大部分を覆うことにより、リードフレーム11及び12の周辺部を保持している。このため、リードフレーム11及び12の凸部11g及び12gの下面を透明樹脂体17から露出させて外部電極パッドを実現しつつ、リードフレーム11及び12の保持性を高めることができる。すなわち、ベース部11a及び12aに凸部11g及び12gを形成することによって、ベース部11a及び12aの下面のX方向の端部にY方向に延びる切欠を実現する。そして、この切欠内に透明樹脂体17が回り込むことによって、リードフレーム11及び12を強固に保持することができる。これにより、ダイシングの際に、リードフレーム11及び12が透明樹脂体17から剥離しにくくなる。また、製造されたLEDパッケージ1の使用時において、温度ストレスによりリードフレーム11及び12が透明樹脂体17から剥離することを防止できる。
【0045】
また、本実施形態においては、リードフレーム11及び12のベース部11a及び12aから、それぞれ吊ピンが延出している。これにより、ベース部自体が透明樹脂体17の側面において露出することを防止し、リードフレーム11及び12の露出面積を低減することができる。また、リードフレーム11及び12と透明樹脂体17との接触面積を増加させることができる。この結果、リードフレーム11及び12が透明樹脂体17から剥離することを防止できる。また、リードフレーム11及び12の腐食も抑制できる。
【0046】
この効果を製造方法の点から見ると、図9(b)に示すように、リードフレームシート23において、ダイシング領域Dに介在するように、開口部23a、ブリッジ23b及び23cを設けることにより、ダイシング領域Dに介在する金属部分を減らしている。これにより、ダイシングが容易になり、ダイシングブレードの磨耗を抑えることができる。また、本実施形態においては、リードフレーム11及び12のそれぞれから、3方向に4本の吊ピンが延出している。これにより、図6(c)に示すLEDチップ14のマウント工程において、リードフレーム11が隣の素子領域Pのリードフレーム11及び12によって3方向から確実に支持されるため、マウント性が高い。同様に、図6(d)に示すワイヤボンディング工程においても、ワイヤの接合位置が3方向から確実に支持されるため、例えば超音波接合の際に印加した超音波が逃げることが少なく、ワイヤをリードフレーム及びLEDチップに良好に接合することができる。
【0047】
特に、本実施形態においては、ワイヤの接合位置を2本の吊ピンの根本を結ぶ多角形の領域の内部、又は、3本の吊ピンの根本を結ぶ多角形の領域の内部に位置させているため、ワイヤの接合位置を強固に支持することができる。すなわち、ワイヤ15がリードフレーム11に接合されている接合位置X1を領域R1の内部及び領域R2の内部に位置させ、ワイヤ16がリードフレーム12に接合されている接合位置X2を領域R3の内部及び領域R4の内部に位置させているため、接合位置X1及びX2を安定して支持することができる。このため、接合位置X1及びX2におけるワイヤの接合性が良好である。
【0048】
この効果を一般的に表現すると以下のようになる。ワイヤの接合位置は、ベース部における相互に異なる辺に位置する複数本の吊ピンの根本を結ぶ少なくとも1つの多角形の領域の内部に位置することが好ましく、複数の領域が重なる部分の内部に位置することがより好ましい。一方で、ワイヤの接続位置は、ハーフエッチングされていない領域、すなわち、下面に凸部が形成された領域内に位置していることが好ましい。つまり、ワイヤの接合位置は、複数の多角形の領域が重なる領域であって、下面に凸部が形成された領域内に位置していることが特に好ましい。本実施形態においては、接合位置X1は、領域R1と領域R2とが重なる領域であって、下面に凸部11gが形成された領域の内部に位置しており、接合位置X2は、領域R3と領域R4とが重なる領域であって、下面に凸部12gが形成された領域の内部に位置しているため、ワイヤの接合性が特に良好である。
【0049】
更に、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、ベース部11a及び12aの端面と透明樹脂体17の側面との間の最短距離Wを、リードフレーム11及び12の最大厚さtの50%以上としている。これにより、透明樹脂体17のうち、ベース部11a及び12aの周囲に位置する部分が、X方向又はY方向においてある程度の厚みを持つことになり、この部分の強度が確保される。この結果、この部分がダイシングの際に脱落することを確実に防止できる。
【0050】
以下、この効果を、具体的な実験データを挙げて説明する。
図10は、横軸に比(W/t)の値をとり、縦軸にダイシング後のLEDパッケージの外観の判定結果をとって、リードフレームの板厚tに対する樹脂厚さWの比がLEDパッケージの外観に及ぼす影響を例示するグラフ図である。
図10の縦軸は、100個のLEDパッケージを製造し、その外観を評価したときの良品率を表している。
【0051】
図10に示すように、比(W/t)が20%のときは、100個中28個のLEDパッケージに透明樹脂体17の脱落が認められ、不良と判定された。これに対して、比(W/t)が40%、50%、70%及び100%のときは、全てのLEDパッケージが良品と判定された。このため、比(W/t)は40%以上とすることが好ましい。但し、ダイシング条件の変動等を考慮すると、比(W/t)を50%以上とすることがより好ましい。なお、透明樹脂体17を靱性が高い樹脂によって形成することにより、比(W/t)の値を低くしても、透明樹脂体17の脱落を防止することができる。
【0052】
更にまた、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、導電シート21の上下面の粗化度を1.20以上としている。従って、リードフレームシート23の上下面の粗化度が1.20以上となる。これにより、リードフレームシート23と透明樹脂板29との密着性が高くなり、ダイシングの際に、透明樹脂体17がリードフレーム11及び12から剥離することを防止できる。また、完成後のLEDパッケージ1においては、リードフレーム11の上面11h及び下面11f、並びにリードフレーム12の上面12h及び下面12fの粗化度が1.20以上となるため、リードフレーム11及び12と透明樹脂体17との間の密着性が良好になる。これらによって、LEDパッケージ1の信頼性が向上する。
【0053】
以下、この効果を、具体的な実験データを挙げて説明する。
複数枚の銅板21aを用意し、これらの銅板21aの上下面上に相互に異なる条件で銀めっき層21bを形成することにより、表面の粗化度が相互に異なる複数枚の導電シート21を作製した。次に、これらの導電シート21をそれぞれ使用して、上述の方法により、LEDパッケージ1を製造した。そして、加速試験を行い、これらのLEDパッケージ1の信頼性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1に示す粗化度が1.05のリードフレームは、通常のめっき条件により銀めっき層21bを形成して得られたものである。一方、粗化度が1.10以上のリードフレームは、粗化度を増加させるようなめっき条件で銀めっき層21bを形成して得られたものである。なお、上述の如く、完全に平坦な仮想的な表面の粗化度は1となる。
【0056】
表1に示すように、リードフレーム11及び12の上下面の粗化度が高いほど、リードフレームと透明樹脂体との密着性が高く、LEDパッケージの信頼性が高かった。具体的には、粗化度を1.05とした場合は、LEDパッケージの信頼性が劣っていた(×)が、粗化度を1.10又は1.15とすると、LEDパッケージの信頼性がほぼ良好(△)になり、粗化度を1.20又は1.25とすると、LEDパッケージの信頼性が良好(○)になった。従って、リードフレーム11及び12の上下面の粗化度、すなわち、導電シート21の上下面の粗化度は、1.20以上とすることが好ましい。なお、表1に示す信頼性の評価結果は加速試験の結果であるため、粗化度が1.20未満であっても、実用上問題のないレベルの信頼性を得ることができる。
【0057】
なお、本実施形態においては、リードフレームの上面及び下面の双方の粗化度を1.20以上とする例を示したが、どちらか一方の面、例えば、上面の粗化度のみを1.20以上としても、一定の効果が得られる。この場合は、例えば、銅板21aの上面と下面に対して相互に異なる条件で銀めっき層21bを形成することにより、導電シート21の上面と下面とで粗化度を異ならせることができる。
【0058】
更にまた、本実施形態においては、1枚の導電性シート21から、多数、例えば、数千個程度のLEDパッケージ1を一括して製造することができる。これにより、LEDパッケージ1個当たりの製造コストを低減することができる。また、外囲器が設けられていないため、部品点数及び工程数が少なく、コストが低い。
【0059】
更にまた、本実施形態においては、リードフレームシート23をウェットエッチングによって形成している。このため、新たなレイアウトのLEDパッケージを製造する際には、マスクの原版のみを用意すればよく、金型によるプレス等の方法によってリードフレームシート23を形成する場合と比較して、初期コストを低く抑えることができる。
【0060】
更にまた、本実施形態においては、図8(b)に示すダイシング工程において、リードフレームシート23側からダイシングを行っている。これにより、リードフレーム11及び12の切断端部を形成する金属材料が、透明樹脂体17の側面上を+Z方向に延伸する。このため、この金属材料が透明樹脂体17の側面上を−Z方向に延伸してLEDパッケージ1の下面から突出し、バリが発生することがない。従って、LEDパッケージ1を実装する際に、バリに起因して実装不良となることがない。
【0061】
更にまた、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、白色樹脂からなる外囲器が設けられていないため、外囲器がLEDチップ14から生じる光及び熱を吸収して劣化することがない。特に、外囲器がポリアミド系の熱可塑性樹脂によって形成されている場合は劣化が進行しやすいが、本実施形態においてはその虞がない。このため、本実施形態に係るLEDパッケージ1は、耐久性が高い。従って、本実施形態に係るLEDパッケージ1は寿命が長く、信頼性が高く、幅広い用途に適用可能である。
【0062】
更にまた、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、透明樹脂体17の側面を覆う外囲器が設けられていないため、広い角度に向けて光が出射される。このため、本実施形態に係るLEDパッケージ1は、広い角度で光を出射する必要がある用途、例えば、照明及び液晶テレビのバックライトとして使用する際に有利である。
【0063】
更にまた、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、透明樹脂体17をシリコーン樹脂によって形成している。シリコーン樹脂は光及び熱に対する耐久性が高いため、これによっても、LEDパッケージ1の耐久性が向上する。
【0064】
更にまた、本実施形態に係るLEDパッケージ1においては、リードフレーム11及び12の上面及び下面に銀めっき層が形成されている。銀めっき層は光の反射率が高いため、本実施形態に係るLEDパッケージ1は光の取出効率が高い。
【0065】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、リードフレームシートの形成方法の変形例である。
すなわち、本変形例においては、図6(a)に示すリードフレームシートの形成方法が、前述の第1の実施形態と異なっている。
図11(a)〜(h)は、本変形例におけるリードフレームシートの形成方法を例示する工程断面図である。
【0066】
先ず、図11(a)に示すように、銅板21aを用意し、これを洗浄する。次に、図11(b)に示すように、銅板21aの両面に対してレジストコーティングを施し、その後乾燥させて、レジスト膜111を形成する。次に、図11(c)に示すように、レジスト膜111上にマスクパターン112を配置し、紫外線を照射して露光する。これにより、レジスト膜111の露光部分が硬化し、レジストマスク111aが形成される。次に、図11(d)に示すように、現像を行い、レジスト膜111における硬化していない部分を洗い流す。これにより、銅板21aの上下面上にレジストパターン111aが残留する。次に、図11(e)に示すように、レジストパターン111aをマスクとしてエッチングを施し、銅板21aにおける露出部分を両面から除去する。このとき、エッチング深さは、銅板21aの板厚の半分程度とする。これにより、片面側からのみエッチングされた領域はハーフエッチングされ、両面側からエッチングされた領域は貫通する。次に、図11(f)に示すように、レジストパターン111aを除去する。次に、図11(g)に示すように、銅板21aの端部をマスク113によって覆い、めっきを施す。これにより、銅板21aの端部以外の部分の表面上に、銀めっき層21bが形成される。次に、図11(h)に示すように、洗浄してマスク113を除去する。その後、検査を行う。このようにして、リードフレームシート23が作製される。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0067】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図12は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図13は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する側面図である。
【0068】
図12及び図13に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ2においては、前述の第1の実施形態に係るLEDパッケージ1(図1参照)と比較して、リードフレーム11(図1参照)がX方向において2枚のリードフレーム31及び32に分割されている点が異なっている。リードフレーム32はリードフレーム31とリードフレーム12との間に配置されている。そして、リードフレーム31には、リードフレーム11の吊ピン11d及び11e(図1参照)に相当する吊ピン31d及び31eが形成されており、また、ベース部31aから+Y方向及び−Y方向にそれぞれ延出した吊ピン31b及び31cが形成されている。吊ピン31b及び31cのX方向における位置は、相互に同一である。更に、リードフレーム31にはワイヤ15が接合されている。一方、リードフレーム32には、リードフレーム11の吊ピン11b及び11c(図1参照)に相当する吊ピン32b及び32cが形成されており、ダイマウント材13を介してLEDチップ14が搭載されている。また、リードフレーム11の凸部11gに相当する凸部は、凸部31g及び32gとしてリードフレーム31及び32に分割して形成されている。
【0069】
本実施形態においては、リードフレーム31及び12は外部から電位が印加されることにより、外部電極として機能する。一方、リードフレーム32には電位を印加する必要はなく、ヒートシンク専用のリードフレームとして使用することができる。これにより、1つのモジュールに複数個のLEDパッケージ2を搭載する場合に、リードフレーム32を共通のヒートシンクに接続することができる。なお、リードフレーム32には、接地電位を印加してもよく、浮遊状態としてもよい。また、LEDパッケージ2をマザーボードに実装する際に、リードフレーム31、32及び12にそれぞれ半田ボールを接合することにより、所謂マンハッタン現象を抑制することができる。マンハッタン現象とは、複数個の半田ボール等を介して基板にデバイス等を実装するときに、リフロー炉における半田ボールの融解のタイミングのずれ及び半田の表面張力に起因して、デバイスが起立してしまう現象をいい、実装不良の原因となる現象である。本実施形態によれば、リードフレームのレイアウトをX方向において対称とし、半田ボールをX方向において密に配置することにより、マンハッタン現象が生じにくくなる。
【0070】
また、本実施形態においては、リードフレーム31が吊ピン31b〜31eによって3方向から支持されているため、ワイヤ15のボンディング性が良好である。同様に、リードフレーム12が吊ピン12b〜12eによって3方向から支持されているため、ワイヤ16のボンディング性が良好である。
【0071】
このようなLEDパッケージ2は、前述の図6(a)に示す工程において、リードフレームシート23の各素子領域Pの基本パターンを変更することにより、前述の第1の実施形態と同様な方法で製造することができる。すなわち、前述の第1の実施形態において説明した製造方法によれば、マスク22a及び22bのパターンを変更するだけで、種々のレイアウトのLEDパッケージを製造することができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図15は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【0073】
図14及び図15に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ3においては、前述の第1の実施形態に係るLEDパッケージ1(図1参照)の構成に加えて、ツェナーダイオードチップ36等が設けられており、リードフレーム11とリードフレーム12との間に接続されている。すなわち、リードフレーム12の上面上に半田又は銀ペースト等の導電性材料からなるダイマウント材37が被着されており、その上にツェナーダイオードチップ36が設けられている。これにより、ツェナーダイオードチップ36がダイマウント材37を介してリードフレーム12上に搭載されると共に、ツェナーダイオードチップ36の下面端子(図示せず)が、ダイマウント材37を介してリードフレーム12に接続されている。また、ツェナーダイオードチップ36の上面端子36aは、ワイヤ38を介してリードフレーム11に接続されている。すなわち、ワイヤ38の一端はツェナーダイオードチップ36の上面端子36aに接続されており、ワイヤ38は上面端子36aから+Z方向に引き出され、−Z方向と−X方向との間の方向に向けて湾曲し、ワイヤ38の他端はリードフレーム11の上面に接合されている。
【0074】
これにより、本実施形態においては、ツェナーダイオードチップ36をLEDチップ14に対して並列に接続することができる。この結果、ESD(Electrostatic Discharge:静電気放電)に対する耐性が向上する。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0075】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図17は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【0076】
図16及び図17に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ4は、前述の第3の実施形態に係るLEDパッケージ3(図14参照)と比較して、ツェナーダイオードチップ36がリードフレーム11に搭載されている点が異なっている。この場合、ツェナーダイオードチップ36の下面端子はダイマウント材37を介してリードフレーム11に接続されており、上面端子はワイヤ38を介してリードフレーム12に接続されている。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0077】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図18は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図19は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【0078】
図18及び図19に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ5は、前述の第1の実施形態に係るLEDパッケージ1(図1参照)と比較して、上面端子型のLEDチップ14の代わりに、上下導通タイプのLEDチップ41が設けられている点が異なっている。すなわち、本実施形態に係るLEDパッケージ5においては、リードフレーム11の上面上に、半田又は銀ペースト等の導電性材料からなるダイマウント材42が形成されており、ダイマウント材42を介してLEDチップ41が搭載されている。そして、LEDチップ41の下面端子(図示せず)はダイマウント材42を介してリードフレーム11に接続されている。一方、LEDチップ41の上面端子41aは、ワイヤ43を介してリードフレーム12に接続されている。
【0079】
本実施形態においては、上下導通タイプのLEDチップ41を採用し、ワイヤの本数を1本とすることにより、ワイヤ同士の接触を確実に防止すると共に、ワイヤボンディング工程を簡略化することができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0080】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図20は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図21は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【0081】
図20及び図21に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ6は、前述の第1の実施形態に係るLEDパッケージ1(図1参照)と比較して、上面端子型のLEDチップ14の代わりに、フリップタイプのLEDチップ46が設けられている点が異なっている。すなわち、本実施形態に係るLEDパッケージ6においては、LEDチップ46の下面に2つの端子が設けられている。また、LEDチップ46はリードフレーム11とリードフレーム12とを跨ぐようにブリッジ状に配置されている。LEDチップ46の一方の下面端子はリードフレーム11に接続されており、他方の下面端子はリードフレーム12に接続されている。
【0082】
本実施形態においては、フリップタイプのLEDチップ46を採用してワイヤをなくすことにより、上方への光の取出効率を高めると共に、ワイヤボンディング工程を省略することができる。また、透明樹脂体17の熱応力に起因してワイヤが破断することも防止できる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0083】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図22は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、
図23は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する断面図である。
【0084】
図22及び図23に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ7においては、リードフレーム51及び52が設けられている。リードフレーム51においては、+Z方向から見て矩形状のベース部51aが設けられており、ベース部51aの+Y方向に向いた端縁における+X方向側及び−X方向側の端部からそれぞれ+Y方向に向けて吊ピン51b及び51cが延出しており、−X方向に向いた端縁のY方向中央部から−X方向に向けて吊ピン51dが延出しており、−Y方向に向いた端縁における−X方向側及び+X方向側の端部からそれぞれ−Y方向に向けて吊ピン51e及び51fが延出している。また、リードフレーム52においては、+Z方向から見て矩形状のベース部52aが設けられており、ベース部52aの+Y方向に向いた端縁全体から+Y方向に向けて吊ピン52bが延出しており、−Y方向に向いた端縁全体から−Y方向に向けて吊ピン52cが延出しており、+X方向に向いた端縁全体から+X方向に向けて吊ピン52dが延出している。また、リードフレーム51の本体部51a上に、ダイマウント材13を介してLEDチップ14が搭載されている。
【0085】
そして、+Z方向から見て、ワイヤ15及び16がLEDチップ14に接合されている接合位置、すなわち、端子14a及び14bの位置は、吊ピン51bと吊ピン51fの根本を結んだ多角形の領域R5の内部に位置している。また、ワイヤ15がリードフレーム51に接合される接合位置X3は、吊ピン51cと吊ピン51eの根本を結んだ多角形の領域R6の内部に位置している。更に、ワイヤ16がリードフレーム52に接合される接合位置X4は、吊ピン52bと吊ピン52cの根本を結んだ多角形の領域R7の内部に位置している。
【0086】
本実施形態によれば、+Z方向から見て、端子14a及び14bが領域R5の内部に位置し、接合位置X3が領域R6の内部に位置し、接合位置X4が領域R7の内部に位置しているため、これらの位置におけるワイヤの接合性が良好である。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0087】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図24(a)は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
図24(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ8は、前述の第1の実施形態に係るLEDパッケージ1(図1参照)と比較して、LEDチップ14が複数個、例えば8個設けられている点が異なっている。これらの8個のLEDチップ14は、同じ色の光を出射する同じ規格のチップである。
【0088】
8個のLEDチップ14は全てリードフレーム11上に搭載されており、各LEDチップ14の端子14a(図1参照)はワイヤ15を介してリードフレーム11に接続され、各LEDチップ14の端子14b(図1参照)はワイヤ16を介してリードフレーム12に接続されている。これにより、リードフレーム11とリードフレーム12との間に、8個のLEDチップ14が相互に並列に接続されている。また、8個のLEDチップ14は、X方向に沿って2個、Y方向に沿って4個配列されているが、マトリクス状ではなく、互い違いに配列されている。すなわち、+X方向側に配置されY方向に沿って配列された4個のLEDチップ14からなる列における配列の位相は、−X方向側に配置されY方向に沿って配列された4個のLEDチップ14からなる列における配列の位相に対して、半周期分ずれている。
【0089】
本実施形態によれば、1つのLEDパッケージ8に複数個のLEDチップ14を搭載することにより、より大きな光量を得ることができる。また、LEDチップ14を互い違いに配列することにより、LEDチップ14間の最短距離を一定値以上としながら、LEDパッケージ8を小型化することができる。LEDチップ14間の最短距離を一定値以上とすることにより、あるLEDチップ14から出射された光が、隣のLEDチップ14に到達する前に、蛍光体に吸収される確率が高くなり、光の取出効率が向上する。また、あるLEDチップ14から放射された熱が、隣のLEDチップ14に吸収されにくくなり、LEDチップ14の温度上昇に起因する発光効率の低下を抑制できる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0090】
次に、第8の実施形態の第1の変形例について説明する。
図25は、本変形例に係るLEDパッケージを例示する斜視図であり、
図26(a)は本変形例に係るLEDパッケージのリードフレーム、LEDチップ及びワイヤを例示する平面図であり、(b)はLEDパッケージを例示する下面図であり、(c)はLEDパッケージを例示する断面図である。
なお、図25においては、ワイヤは図示を省略されている。
【0091】
図25及び図26(a)〜(c)に示すように、本変形例は、前述の第2の実施形態と第8の実施形態を組み合わせた例である。すなわち、本変形例に係るLEDパッケージ8aにおいては、3枚のリードフレーム61、62及び63が相互に離隔して設けられている。リードフレーム61においては、長手方向をY方向とする短冊状のベース部61aから、+Y方向に吊ピン61bが延出し、−Y方向に吊ピン61cが延出し、−X方向に2本の吊ピン61d及び61eが延出している。リードフレーム62においては、長手方向をY方向とする短冊状のベース部62aから、+Y方向に2本の吊ピン62b及び62cが延出し、−Y方向に2本の吊ピン62d及び62eが延出している。リードフレーム63の形状は、ほぼリードフレーム61をX方向において反転させた形状であるが、吊ピン63d及び63eは吊ピン61d及び61eよりも細い。
【0092】
また、LEDパッケージ8aにおいては、LEDチップ14が複数個、例えば8個設けられている。本変形例におけるLEDチップ14の配列状態は、前述の第8の実施形態と同様である。すなわち、LEDチップ14は、Y方向に沿って4個配列された列が2列設けられており、+X方向側の列と−X方向側の列とでは配列の位相が半周期分ずれており、互い違いになっている。各LEDチップ14はダイマウント材(図示せず)を介してリードフレーム62に搭載されており、端子14a(図1参照)はワイヤ65を介してリードフレーム61に接続されており、端子14b(図1参照)はワイヤ66を介してリードフレーム63に接続されている。更に、透明樹脂体17の下面においては、リードフレーム61、62及び63の各凸部61g、62g及び63gの下面が露出している。これに対して、リードフレーム61、62及び63の各薄板部61t、62t及び63tの下面は、透明樹脂体17によって覆われている。なお、図26(a)においては、リードフレーム61、62及び63における相対的に薄い部分、すなわち、各薄板部及び各吊りピンは、破線のハッチングを付して示している。
【0093】
本変形例によっても、前述の第8の実施形態と同様に、8個のLEDチップ14を設けることにより、大きな光量を得ることができる。また、前述の第2の実施形態と同様に、3枚のリードフレームを設けることにより、電気的に独立したヒートシンクが得られると共に、マンハッタン現象を抑制できる。更に、LEDチップ14を互い違いに配列することにより、光の発光効率及び取出効率を確保しつつ、LEDパッケージ8aの小型化を図ることができる。
【0094】
以下、具体的な数値例を挙げて、この効果を説明する。例えば、LEDチップ14のX方向における長さを0.60mm、Y方向における長さを0.24mmとし、8個のLEDチップ14をXZ平面に投影した場合のX方向におけるLEDチップ14間の距離を0.20mm、YZ平面に投影した場合のY方向におけるLEDチップ14間の距離を0.10mmとした場合、LEDチップ14を互い違いに配置すれば、8個のLEDチップ14を、X方向における長さが1.6mm、Y方向における長さが3.0mmの矩形状のベース部42a上に配置することができる。この場合、LEDチップ14間の最短距離は、√(0.10+0.20)≒0.22mmとなる。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
【0095】
次に、第8の実施形態の第2の変形例について説明する。
図27は、本変形例に係るLEDパッケージを例示する斜視図である。
図27に示すように、本変形例に係るLEDパッケージ8bは、前述の第8の実施形態の第1の変形例に係るLEDパッケージ8a(図25参照)と比較して、+X方向側の列に属する各LEDチップ14の端子14aが、各ワイヤ67を介して、−X方向側の列に属する各LEDチップ14の端子14bに接続されている点が異なっている。これにより、リードフレーム11とリードフレーム12との間に、2個のLEDチップ14が直列に接続された回路が、4本並列に接続されている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第8の実施形態の第1の変形例と同様である。
【0096】
次に、第8の実施形態の第3の変形例について説明する。
図28(a)は、本変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
図28(a)及び(b)に示すように、本変形例に係るLEDパッケージ8cにおいては、前述の第8の実施形態に係るLEDパッケージ8(図24参照)の構成に加えて、1個のツェナーダイオードチップ36が設けられている。ツェナーダイオードチップ36は、導電性のダイマウント材37を介して、リードフレーム11上に搭載されている。ツェナーダイオードチップ36の下面端子(図示せず)はダイマウント材37を介してリードフレーム11に接続されており、上面端子はワイヤ38を介してリードフレーム12に接続されている。これにより、ツェナーダイオードチップ36は、リードフレーム11とリードフレーム12との間に、8個のLEDチップ14に対して並列に接続されている。本変形例によれば、ツェナーダイオードチップ36を設けることにより、ESDに対する耐性を向上させることができる。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第8の実施形態と同様である。
【0097】
次に、第8の実施形態の第4の変形例について説明する。
図29(a)は、本変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
図29(a)及び(b)に示すように、本変形例に係るLEDパッケージ8dは、前述の第8の実施形態の第3の変形例に係るLEDパッケージ8c(図28参照)と比較して、ツェナーダイオードチップ36がリードフレーム12に搭載されている点が異なっている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第8の実施形態の第3の変形例と同様である。
【0098】
次に、第8の実施形態の第5の変形例について説明する。
図30(a)は、本変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
図30(a)及び(b)に示すように、本変形例は、前述の第5の実施形態と第8の実施形態とを組み合わせた例である。すなわち、本変形例に係るLEDパッケージ8eは、前述の第8の実施形態に係るLEDパッケージ8(図24参照)と比較して、8個の上面端子型のLEDチップ14の代わりに、8個の上下導通タイプのLEDチップ41が設けられている点が異なっている。そして、第5の実施形態と同様に、各LEDチップ41の下面端子(図示せず)は導電性のダイマウント材42を介してリードフレーム11に接続されており、各LEDチップ41の上面端子41aはワイヤ16を介してリードフレーム12に接続されている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第5及び第8の実施形態と同様である。
【0099】
次に、第8の実施形態の第6の変形例について説明する。
図31(a)は、本変形例に係るLEDパッケージを例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
図31(a)及び(b)に示すように、本変形例は、前述の第6の実施形態と第8の実施形態とを組み合わせた例である。すなわち、本変形例に係るLEDパッケージ8fは、前述の第8の実施形態に係るLEDパッケージ8(図24参照)と比較して、8個の上面端子型のLEDチップ14の代わりに、5個のフリップタイプのLEDチップ46が設けられている点が異なっている。そして、第6の実施形態と同様に、各LEDチップ46はリードフレーム11とリードフレーム12とを跨ぐようにブリッジ状に設けられており、一方の下面端子はリードフレーム11に接続されており、他方の下面端子はリードフレーム12に接続されている。これにより、リードフレーム11とリードフレーム12との間に、5個のLEDチップ46が相互に並列に接続されている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第6及び第8の実施形態と同様である。
【0100】
次に、第8の実施形態の第7の変形例について説明する。
本変形例は、前述の第8の実施形態及びその変形例の製造方法の例である。
図32(a)〜(e)は、本変形例において使用するリードフレームシートの素子領域を例示する平面図であり、(a)は1つのLEDパッケージに1個のLEDチップを搭載する場合を示し、(b)は2個のLEDチップを搭載する場合を示し、(c)は4個のLEDチップを搭載する場合を示し、(d)は6個のLEDチップを搭載する場合を示し、(e)は8個のLEDチップを搭載する場合を示す。
なお、図32(a)〜(e)は、同じ縮尺で描かれている。また、各図において、素子領域Pは1つのみ示されているが、実際には多数の素子領域Pがマトリクス状に配列されている。更に、ダイシング領域Dは図示を省略されている。
【0101】
図32(a)〜(e)に示すように、1つのLEDパッケージに搭載されるLEDチップの数が多くなるほど、1つの素子領域Pの面積が大きくなり、1つのブロックBに含まれる素子領域Pの数が減少する。しかしながら、LEDチップの数が変わっても、リードフレームシート23の基本的構造、すなわち、リードフレームシート23のサイズ及びブロックBの配置等は同一であり、リードフレームシート23の形成方法も同じであり、リードフレームシート23を使用したLEDパッケージの製造方法も同じであり、単にブロックB内のレイアウトが変わるだけである。
【0102】
このように、本変形例によれば、前述の第8の実施形態及びその変形例に係るLEDパッケージを、リードフレームシート23における各ブロックB内のレイアウトを変更するだけで、作り分けることができる。なお、1つのLEDパッケージに搭載されるLEDチップの数は任意であり、例えば、7個又は9個以上としてもよい。
【0103】
次に、第9の実施形態について説明する。
図33は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する上面斜視図であり、
図34は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する下面斜視図であり、
図35は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する上面図であり、
図36は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示する下面図であり、
図37は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示するY方向から見た側面図であり、
図38は、本実施形態に係るLEDパッケージを例示するX方向から見た側面図である。
【0104】
図33〜図38に示すように、本実施形態に係るLEDパッケージ9においては、一対のリードフレーム71及び72が設けられている。リードフレーム71及び72の形状は平板状であり、同一平面上に配置されており、相互に離隔している。リードフレーム72は、リードフレーム71と比較して、X方向の長さが短く、Y方向の長さは同じである。
【0105】
リードフレーム71においては、ベース部71aが1つ設けられている。Z方向から見て、ベース部71aの形状は略矩形であるが、−X+Y方向側の端部及び−X−Y方向側の角部は斜めに切り落とされた形状となっている。また、ベース部71aからは6本の吊ピン71b、71c、71d、71e、71f、71gが延出している。+Z方向から見て、吊ピン71b、71c、71d、71e、71f、71gは、ベース部71aを中心として反時計回りにこの順に配列されており、ベース部71aの相互に異なる3辺から延出している。より具体的には、吊ピン71b及び71cは、ベース部71aの+Y方向に向いた端縁におけるX方向の両端部付近から+Y方向に向けて延出している。吊ピン71d及び71eは、ベース部71aの−X方向に向いた端縁におけるY方向の両端部付近から−X方向に向けて延出している。吊ピン71f及び71gは、ベース部71aの−Y方向に向いた端縁におけるX方向の両端部付近から−Y方向に向けて延出している。
【0106】
リードフレーム71のベース部71aの下面のうち、+X方向側の端部を除く領域には、凸部71iが形成されている。これにより、ベース部71aの下面における凸部71iが形成されていない領域、すなわち、+X方向側の端部は、薄板部71tとなっている。この結果、リードフレーム71の厚さは2水準の値をとり、ベース部71aにおける凸部71iが形成されている部分は相対的に厚い厚板部分となっている。一方、ベース部71aにおける薄板部71t及び吊ピン71b〜71gは、相対的に薄い薄板部分となっている。すなわち、リードフレーム71は、Z方向から見れば、ベース部71a及び吊ピン71b〜71gによって構成されていると言え、X方向から見れば、厚板部分及び薄板部分によって構成されていると言える。
【0107】
リードフレーム72においては、ベース部72aが1つ設けられている。Z方向から見て、ベース部72aの形状は略矩形であるが、+X+Y方向側の端部及び+X−Y方向側の角部は斜めに切り落とされている。また、ベース部72aからは4本の吊ピン72b、72c、72d、72eが延出している。+Z方向から見て、吊ピン72b、72c、72d、72eは、ベース部72aを中心として時計回りにこの順に配列されており、ベース部72aの相互に異なる3辺から延出している。より具体的には、吊ピン72bは、ベース部72aの+Y方向に向いた端縁の−X方向側の端部から+Y方向に向けて延出している。吊ピン72c及び72dは、ベース部72aの+X方向に向いた端縁のY方向の両端部付近から+X方向に向けて延出している。吊ピン72eは、ベース部72aの−Y方向に向いた端縁の−X方向側の端部から−Y方向に向けて延出している。
【0108】
リードフレーム72のベース部72aの下面のうち、−X方向側の端部を除く領域には、凸部72iが形成されている。これにより、ベース部72aの下面における凸部72iが形成されていない領域、すなわち、−X方向側の端部は、薄板部72tとなっている。この結果、リードフレーム71と同様に、リードフレーム72の厚さも2水準の値をとり、ベース部72aにおける凸部72iが形成されている部分は相対的に厚い厚板部分となっている。一方、ベース部72aにおける薄板部72t及び吊ピン72b〜72eは、相対的に薄い薄板部分となっている。すなわち、リードフレーム72は、Z方向から見れば、ベース部72a及び吊ピン72b〜72eによって構成されていると言え、X方向から見れば、厚板部分及び薄板部分によって構成されていると言える。
【0109】
このように、凸部71i及び72iは、リードフレーム71及び72における相互に対向する端縁から離隔した領域に形成されている。リードフレーム71の上面71hとリードフレーム72の上面72hは同一平面上にあり、凸部71iの下面と凸部72iの下面は同一平面上にある。Z方向における各吊ピンの上面の位置は、リードフレーム71及び72の上面の位置と一致している。従って、各吊ピンは同一のXY平面上に配置されている。X方向について、吊ピン71bと吊ピン71g、吊ピン71cと吊ピン71f、吊ピン72bと吊ピン72eの位置は、それぞれ同一である。また、Y方向について、吊ピン71dと吊ピン72c、吊ピン71eと吊ピン72dの位置は、それぞれ同一である。
【0110】
リードフレーム71の上面71hのうち、ベース部71aに相当する領域であって、−X方向側の領域には、Y方向に延びるライン状の溝74が形成されている。溝74は吊ピン71cと吊ピン71fとの間の領域に形成されている。また、ベース部71aに相当する領域であって、+X方向−Y方向側の領域には、L字形の溝75が形成されている。溝75はX方向に延びる部分75aとY方向に延びる部分75bとから構成されており、部分75aの−X方向側の端部が部分75bの+Y方向側の端部と連結されている。部分75bは吊ピン71bと吊ピン71gとの間の領域に形成されている。溝74及び75は、リードフレーム71を貫通していない。
【0111】
リードフレーム71の上面71hにおける溝74と溝75に挟まれた領域の一部には、ダイマウント材76a及び76bが被着されている。ダイマウント材76a及び76bはそれぞれ矩形の領域に被着されており、ダイマウント材76aはダイマウント材76bよりも、−X方向側で且つ+Y方向側に配置されている。本実施形態においては、ダイマウント材76a及び76bは導電性であっても絶縁性であってもよい。また、リードフレーム72の上面72hにおける−Y方向側の端部には、ダイマウント材77が被着されている。ダイマウント材77は矩形の領域に被着されているが、その面積はダイマウント材76a及び76bよりも小さい。ダイマウント材77は導電性である。
【0112】
ダイマウント材76a及び76b上には、それぞれ、LEDチップ81及び82が設けられている。すなわち、ダイマウント材76a及び76bがLEDチップ81及び82をそれぞれリードフレーム71に固着させることにより、LEDチップ81及び82がリードフレーム71に搭載されている。LEDチップ81及び82は相互に同じ規格のチップであり、その形状は例えば直方体であり、Z方向から見た形状は例えば正方形である。LEDチップ81及び82は、それぞれの側面がXZ平面又はYZ平面と平行になるような向きに配置されている。また、LEDチップ81から見て、LEDチップ82は+X−Y方向側に配置されている。このため、LEDチップ81の側面とLEDチップ82の側面とは対向していない。
【0113】
LEDチップ81の上面には、端子81a及び81bが設けられている。端子81aはLEDチップ81の上面における−X+Y方向側の領域に配置されており、端子81bはLEDチップ81の上面における+X−Y方向側の領域に配置されている。また、LEDチップ82の上面には、端子82a及び82bが設けられている。端子82aはLEDチップ82の上面における−X+Y方向側の領域に配置されており、端子82bはLEDチップ82の上面における+X−Y方向側の領域に配置されている。
【0114】
一方、ダイマウント材77上には、ツェナーダイオードチップ83が設けられている。ツェナーダイオードチップ83の上面には上面端子83aが設けられており、下面には下面端子(図示せず)が設けられている。すなわち、ダイマウント材77がツェナーダイオードチップ83をリードフレーム72に固着させることにより、ツェナーダイオードチップ83がリードフレーム72に搭載されると共に、ツェナーダイオードチップ83の下面端子がリードフレーム72に接続されている。
【0115】
LEDチップ81の端子81aにはワイヤ85aの一端が接合されている。ワイヤ85aは端子81aから略−X方向に引き出され、−Z方向に向けて湾曲し、ワイヤ85aの他端はリードフレーム71の上面71hに略+Z方向から接合されている。これにより、LEDチップ81の端子81aはワイヤ85aを介してリードフレーム71に接続されている。但し、ワイヤ85aはY方向にも迂回しており、ワイヤ85aの中間部分は、ワイヤ85aの両端を結ぶ直線L1の直上域に対して+Y方向にずれている。
【0116】
LEDチップ81の端子81bにはワイヤ85bの一端が接合されている。ワイヤ85bは端子81bから略+X方向に引き出され、−Z方向に向けて湾曲し、ワイヤ85bの他端はリードフレーム72の上面72hに略+Z方向から接合されている。これにより、LEDチップ81の端子81bはワイヤ85bを介してリードフレーム72に接続されている。但し、ワイヤ85bはY方向にも迂回しており、ワイヤ85bの中間部分は、ワイヤ85bの両端を結ぶ直線L2の直上域に対して−Y方向にずれている。
【0117】
LEDチップ82の端子82aにはワイヤ86aの一端が接合されている。ワイヤ86aは端子82aから略−X方向に引き出され、−Z方向に向けて湾曲し、ワイヤ86aの他端はリードフレーム71の上面71hに略+Z方向から接合されている。これにより、LEDチップ82の端子82aはワイヤ86aを介してリードフレーム71に接続されている。但し、ワイヤ86aはY方向にも迂回しており、ワイヤ86aの中間部分は、ワイヤ86aの両端を結ぶ直線L3の直上域に対して+Y方向にずれている。
【0118】
LEDチップ82の端子82bにはワイヤ86bの一端が接合されている。ワイヤ86bは端子82bから略+X方向に引き出され、−Z方向に向けて湾曲し、ワイヤ86bの他端はリードフレーム72の上面72hに略+Z方向から接合されている。これにより、LEDチップ82の端子82bはワイヤ86bを介してリードフレーム72に接続されている。但し、ワイヤ86bはY方向にも迂回しており、ワイヤ86bの中間部分は、ワイヤ86bの両端を結ぶ直線L4の直上域に対して−Y方向にずれている。
【0119】
ツェナーダイオードチップ83の上面端子83aにはワイヤ87の一端が接合されている。ワイヤ87は上面端子83aから略−X方向に引き出され、−Z方向に向けて湾曲し、ワイヤ87の他端はリードフレーム71の上面71hに略+Z方向から接合されている。これにより、ツェナーダイオードチップ83の上面端子83aはワイヤ87を介してリードフレーム71に接続されている。但し、ワイヤ87はY方向にも迂回しており、ワイヤ87の中間部分は、ワイヤ87の両端を結ぶ直線L5の直上域に対して+Y方向にずれている。ワイヤ85a、85b、86a、86b及び87は金属、例えば、金又はアルミニウムによって形成されている。
【0120】
このように、各ワイヤがLEDチップの端子から引き出されるチップ側引出角度θ1、すなわち、リードフレーム71の上面(XY平面)に対して、ワイヤの端子に接合された部分が延びる方向がなす角度は、リードフレームの上面から引き出されるフレーム側引出角度θ2、すなわち、XY平面に対して、ワイヤのリードフレームに接合された部分が延びる方向がなす角度よりも、小さい。また、各ワイヤの中間部分は、両端部を結ぶ直線の直上域からは外れた位置に位置している。
【0121】
図35に示すように、ワイヤ85aの他端がリードフレーム71に接合されている接合位置X11は、溝74から見て−X方向側に位置している。同様に、ワイヤ86aの他端がリードフレーム71に接合されている接合位置X12も、溝74から見て−X方向側に位置している。一方、ダイマウント材76a及び76bは溝74から見て+X方向側に配置されている。すなわち、リードフレーム71の上面71hにおけるLEDチップ81及び82が搭載された領域と、ワイヤ85a及び86aが接合された位置X11及びX12との間には、溝74が形成されている。これにより、ワイヤ85a及び86aがリードフレーム71に接合される位置X11及びX12は、溝74によってダイマウント材76a及び76bから区画されている。
【0122】
また、ワイヤ87の他端がリードフレーム71に接続されている接続位置X13は、溝75の部分75aから見て−Y方向側に位置している。一方、ダイマウント材76a及び76bは部分75aから見て+Y方向側に配置されている。すなわち、リードフレーム71の上面71hにおけるLEDチップ81及び82が搭載された領域と、ワイヤ87が接合された位置X13との間には、溝75が形成されている。これにより、ワイヤ87が接合される位置X13は、溝75によってダイマウント材76a及び76bから区画されている。
【0123】
また、ワイヤ85aの一端が接合されているLEDチップ81の端子81a、他端が接合されている位置X11、ワイヤ85bの一端が接合されている端子81b、ワイヤ86aの一端が接合されているLEDチップ82の端子82a、他端が接合されている位置X12は、吊ピン71b、71c、71d、71e、71f、71gの各根本を結ぶ多角形の領域R11の内部に位置している。特に、位置X11は、吊ピン71cの根本と吊ピン71dの根本を結ぶ四角形の領域の内部にも位置しており、位置X12は、吊ピン71cの根本と吊ピン71eの根本を結ぶ四角形の領域の内部にも位置している。すなわち、位置X11及びX12は、複数の上記領域が重なる領域の内部に位置している。更に、上述の位置X11〜X13、端子81a、81b、82a、82bは、凸部11iの直上域に配置されている。
【0124】
一方、ワイヤ85bの他端がリードフレーム72に接合されている位置X14、ワイヤ86bの他端がリードフレーム72に接合されている位置X15、ワイヤ87の一端が接合されているツェナーダイオードチップ83の上面端子83aは、吊ピン72b、72c、72d、72eの各根本を結ぶ多角形の領域R12の内部に位置している。また、位置X14、X15、上面端子83aは、凸部72iの直上域に配置されている。
【0125】
また、LEDパッケージ9には、透明樹脂体17が設けられている。透明樹脂体17の形状及び他の構成部材との関係は、前述の第1の実施形態と同様である。すなわち、透明樹脂体17の外形は直方体であり、LEDパッケージ9の外形となっている。各吊ピンの先端面は、透明樹脂体17の側面において露出しており、凸部71i及び72iの下面は、透明樹脂体17の下面において露出している。リードフレーム71及び71における上記以外の部分は、透明樹脂体17によって覆われている。すなわち、各吊ピンの下面及び側面、薄板部71t及び72tの下面、ベース部71a及び72aの端面、リードフレーム71及び72の上面全体は、透明樹脂体17によって覆われている。また、LEDチップ81及び82、ツェナーダイオードチップ83、ワイヤ85a、85b、86a、86b及び87も、透明樹脂体17によって覆われている。透明樹脂体17の内部には、多数の蛍光体18(図2参照)が分散されている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0126】
次に、本実施形態に係るLEDパッケージの製造方法について説明する。
図39は、本実施形態におけるリードフレームシートを例示する平面図である。
本実施形態に係るLEDパッケージの製造方法は、概ね、前述の第1の実施形態又はその変形例と同様である。但し、前述の第1の実施形態又はその変形例と比較して、リードフレームシートを作製する際に、上面側からのハーフエッチングによって溝74及び75を形成する点が異なっている。
【0127】
すなわち、図9(a)に示すように、ハーフエッチングによってリードフレームシート23を作製する。リードフレームシート23においては、例えば3つのブロックBが設定されており、各ブロックBには例えば200個程度の素子領域Pが設定されている。また、図39に示すように、素子領域Pはマトリクス状に配列されており、素子領域P間は格子状のダイシング領域Dとなっている。各素子領域Pにおいては、相互に離隔したリードフレーム71及び72を含む基本パターンが形成されている。そして、リードフレーム71の上面には、上面側からのハーフエッチングによって、溝74及び75が形成されている。また、リードフレーム71及び72の下面には、下面側からのハーフエッチングによって、薄板部71t及び72t並びにブリッジ91〜95が形成されており、薄板部及びブリッジが形成されていない領域が、凸部71i及び72iとなっている。
【0128】
具体的には、Y方向において隣り合う素子領域Pに属するリードフレーム71の本体部71aの間には、ダイシング領域Dを通過してY方向に延びるブリッジ91及び92が設けられている。ブリッジ91は本体部71aの+X方向側の部分同士を連結しており、ブリッジ92は本体部71aの−X方向側の部分同士を連結している。同様に、Y方向において隣り合う素子領域Pに属するリードフレーム72の本体部72aの間には、ダイシング領域Dを通過してY方向に延びるブリッジ93が設けられている。また、X方向において隣り合う素子領域Pに属するリードフレーム71の本体部71aとリードフレーム72の本体部72aとの間には、ダイシング領域Dを通過してX方向に延びるブリッジ94及び95が設けられている。ブリッジ94は本体部71aの+Y方向側の部分と本体部72aの+Y方向側の部分とを連結しており、ブリッジ95は本体部71aの−Y方向側の部分と本体部72aの−Y方向側の部分とを連結している。このように、リードフレーム71の本体部71aからは、3方向に向けて合計6本のブリッジ(連結部分)が延びており、リードフレーム72の本体部72bからは、3方向に向けて合計4本のブリッジが延びている。
【0129】
そして、図8(b)に示すダイシング工程において、ブリッジ91〜95におけるダイシング領域Dに配置された部分が除去されると、ブリッジ91の両端部は吊ピン71b及び71gとなり、ブリッジ92の両端部は吊ピン71c及び71fとなり、ブリッジ93の両端部は吊ピン72b及び72eとなり、ブリッジ94の両端部は吊ピン71d及び72cとなり、ブリッジ95の両端部は吊ピン71e及び72dとなる。このように、リードフレームシート23及び透明樹脂板29における素子領域Pに配置された部分が個片化され、図33〜図38に示すLEDパッケージ9が製造される。本実施形態における上記以外の製造方法は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0130】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、リードフレーム71とリードフレーム72との間に、2個のLEDチップ81及び82が並列に接続されているため、LEDチップを1個のみ設けた場合と比較して、大きな光量を得ることができる。また、本実施形態においては、LEDチップ81及び82が相互に斜めの位置に配置されており、LEDチップ81の側面とLEDチップ82の側面とが対向していない。このため、一方のLEDチップから出射した光が他方のLEDチップに入射することが少なく、LEDパッケージ9全体の光の取出効率が高い。また、一方のLEDチップから出射した熱が他方のLEDチップに入射することが少なく、他方のLEDチップの温度が上昇して発光効率が低下することを抑制できる。
また、本実施形態においては、ツェナーダイオードチップ83が設けられているため、ESD耐性が高い。
【0131】
更に、本実施形態においては、LEDチップ81の端子81a、端子81b、LEDチップ82の端子82a、位置X11、位置X12が、吊ピン71b、71c、71d、71e、71f、71gの各根本を結ぶ多角形の領域R11の内部に位置している。また、ツェナーダイオードチップ83の上面端子83a、位置X14、位置X15が、吊ピン72b、72c、72d、72eの各根本を結ぶ多角形の領域R12の内部に位置している。これにより、前述の第1の実施形態と同様に、ワイヤの接合位置を安定して支持することができるため、ワイヤの接合性が良好である。
【0132】
更にまた、本実施形態においては、リードフレーム71の上面に溝74が形成されているため、ワイヤ85aが接合される位置X11及びワイヤ86aが接合される位置X12が、ダイマウント材76a及び76bが被着される領域から区画されている。また、溝75によって、ワイヤ87が接合される位置X13が、ダイマウント材76a及び76bが被着される領域から区画されている。これにより、ダイマウント材76a及び76bの被着位置及び被着量がばらついても、ダイマウント材が位置X11、X12、X13まで流出することを防止でき、ワイヤが接合される予定の領域を汚染することを防止できる。この結果、本実施形態においては、ワイヤの接合信頼性が高い。
【0133】
更にまた、本実施形態においては、各ワイヤのチップ側引出角度θ1がフレーム側引出角度θ2よりも小さい。すなわち、相対的に高い位置にあるLEDチップの上面からワイヤが引き出される角度θ1が、相対的に低い位置にあるリードフレームの上面からワイヤが引き出される角度θ2よりも小さい。これにより、ワイヤのループ高さを低減することができる。この結果、透明樹脂体17の熱応力に起因してワイヤ及びその接合部分が損傷を受けることを抑制できると共に、透明樹脂体17の高さを低減することができる。
【0134】
更にまた、本実施形態においては、各ワイヤの中間部分を、ワイヤの両端部を結ぶ直線の直上域から外れた位置に配置している。これにより、ワイヤに水平方向のたるみをもたせ、透明樹脂体から受ける熱応力を緩和することができる。この結果、ワイヤの接続信頼性が向上する。
【0135】
更にまた、本実施形態においては、ベース部の形状が、角部が落とされた矩形となっている。これにより、LEDパッケージの角部近傍において、直角又は鋭角の角部が除去されるため、これらの角部が樹脂剥がれやクラックの基点となることがない。この結果、LEDパッケージ全体として、樹脂剥がれ及びクラックの発生を抑制することができる。本実施形態における上記以外の作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0136】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。
【0137】
例えば、前述の第1の実施形態においては、リードフレームシート23をウェットエッチングによって形成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えばプレス等の機械的な手段によって形成してもよい。また、リードフレームの上面におけるダイマウント材を形成する予定の領域とワイヤを接合する予定の領域との間に、溝を形成してもよい。又は、リードフレームの上面におけるダイマウント材を形成する予定の領域に凹部を形成してもよい。これにより、ダイマウント材の供給量又は供給位置がばらついても、ダイマウント材がワイヤの接合予定領域まで流出することを防止でき、ワイヤの接合が阻害されることを防止できる。
【0138】
更に、前述の第1の実施形態においては、リードフレームにおいて、銅板の上下面上に銀めっき層が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、銅板の上下面上に銀めっき層が形成され、少なくとも一方の銀めっき層上にロジウム(Rh)めっき層が形成されていてもよい。また、銅板と銀めっき層との間に銅(Cu)めっき層が形成されていてもよい。更に、銅板の上下面上にニッケル(Ni)めっき層が形成されており、ニッケルめっき層上に金と銀との合金(Au−Ag合金)めっき層が形成されていてもよい。
【0139】
更にまた、前述の各実施形態及びその変形例においては、LEDチップを青色の光を出射するチップとし、蛍光体を青色に光を吸収して黄色の光を発光する蛍光体とし、LEDパッケージから出射される光の色を白色とする例を示したが、本発明はこれに限定されない。LEDチップは青色以外の色の可視光を出射するものであってもよく、紫外線又は赤外線を出射するものであってもよい。蛍光体も、黄色光を発光する蛍光体には限定されず、例えば、青色光、緑色光又は赤色光を発光する蛍光体であってもよい。
【0140】
青色光を発光する蛍光体としては、例えば以下のものを挙げることができる。
(RE1−xSm(AlGa1−y12:Ce
但し、0≦x<1、0≦y≦1であり、REは、Y及びGdから選択される少なくとも1種である。
ZnS:Ag
ZnS:Ag+pigment
ZnS:Ag,Al
ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl
ZnS:Ag+In
ZnS:Zn+In
(Ba,Eu)MgAl1017
(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu
Sr10(POCl:Eu
(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al1017
10(Sr,Ca,Ba,Eu)・6PO・Cl
BaMgAl1625:Eu
【0141】
緑色光を発光する蛍光体としては、前述のサイアロン系の緑色蛍光体の他に、例えば以下のものを挙げることができる。
ZnS:Cu,Al
ZnS:Cu,Al+pigment
(Zn,Cd)S:Cu,Al
ZnS:Cu,Au,Al+pigment
Al12:Tb
(Al,Ga)12:Tb
SiO:Tb
ZnSiO:Mn
(Zn,Cd)S:Cu
ZnS:Cu
ZnS:Cu+ZnSiO:Mn
GdS:Tb
(Zn,Cd)S:Ag
S:Tb
ZnS:Cu,Al+In
(Zn,Cd)S:Ag+In
(Zn,Mn)SiO
BaAl1219:Mn
(Ba,Sr,Mg)O・aAl:Mn
LaPO:Ce,Tb
3(Ba,Mg,Eu,Mn)O・8Al
La・0.2SiO・0.9P:Ce,Tb
CeMgAl1119:Tb
【0142】
赤色光を発光する蛍光体としては、前述のサイアロン系の赤色蛍光体の他に、例えば次のものを用いることができる。
CaAlSiN:Eu2+
S:Eu
S:Eu+pigment
:Eu
Zn(PO:Mn
(Zn,Cd)S:Ag+In
(Y,Gd,Eu)BO
(Y,Gd,Eu)
YVO:Eu
LaS:Eu,Sm
【0143】
黄色光を発光する蛍光体としては、前述のシリケート系の蛍光体の他に、例えば、一般式:MeSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Re1Re2(但し、式中のx,y,z,m及びnは係数である)で表され、アルファサイアロンに固溶する金属Me(MeはCa及びYのうち1種又は2種)の一部又は全てが、発光の中心となるランタニド金属Re1(Re1は、Pr、Eu、Tb、Yb及びErのうち1種以上)又は2種類のランタニド金属Re1及び共付活剤としてのRe2(Re2はDy)で置換された蛍光体を使用することができる。
【0144】
また、LEDパッケージ全体が出射する光の色も、白色には限定されない。上述のような赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体について、それらの重量比R:G:Bを調節することにより、任意の色調を実現できる。例えば、白色電球色から白色蛍光灯色までの白色発光は、R:G:B重量比が、1:1:1〜7:1:1及び1:1:1〜1:3:1及び1:1:1〜1:1:3のいずれかとすることで実現できる。
更に、LEDパッケージには、蛍光体が設けられていなくてもよい。この場合は、LEDチップから出射された光が、LEDパッケージから出射される。
【0145】
また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。例えば、前述の第9の実施形態において、リードフレームの板厚tに対する樹脂厚さWの比(W/t)を50%以上としてもよい。また、リードフレームの表面の粗化度を1.20以上としてもよい。
【0146】
以上説明した実施形態によれば、耐久性が高く、コストが低いLEDパッケージを実現することができる。
【符号の説明】
【0147】
1、2、3、4、5、6、7、8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、9 LEDパッケージ、11 リードフレーム、11a ベース部、11b〜11e 吊ピン、11f 下面、11g 凸部、11h 上面、11t 薄板部、12 リードフレーム、12a ベース部、12b〜12e 吊ピン、12f 下面、12g 凸部、12h 上面、12t 薄板部、13 ダイマウント材、14 LEDチップ、14a、14b 端子、15、16 ワイヤ、17 透明樹脂体、17a〜17d 側面、18 蛍光体、21 導電シート、21a 銅板、21b 銀めっき層、22a、22b マスク、22c 開口部、23 リードフレームシート、23a 開口部、23b、23c ブリッジ、24 補強テープ、26 蛍光体含有樹脂材料、29 透明樹脂板、31 リードフレーム、31d、31e 吊ピン、31g 凸部、32 リードフレーム、32b、32c 吊ピン、32g 凸部、36 ツェナーダイオードチップ、36a 上面端子、37 ダイマウント材、38 ワイヤ、41 LEDチップ、41a 上面端子、42 ダイマウント材、43 ワイヤ、46 LEDチップ、51 リードフレーム、51a ベース部、51b〜51f 吊ピン、52 リードフレーム、52a ベース部、52b〜52d 吊ピン、61 リードフレーム、61a ベース部、61b、61c、61d、61e 吊ピン、61g 凸部、61t 薄板部、62 リードフレーム、62a ベース部、62b、62c、62d、62e 吊ピン、62g 凸部、62t 薄板部、63a ベース部、63b、63c、63d、63e 吊ピン、63g 凸部、63t 薄板部、65、66、67 ワイヤ、71 リードフレーム、71a ベース部、71b、71c、71d、71e、71f、71g 吊ピン、71h 上面、71i 凸部、71t 薄板部、72 リードフレーム、72a ベース部、72b、72c、72d、72e 吊ピン、72h 上面、72i 凸部、72t 薄板部、74、75 溝、75a、75b 部分、76a、76b、77 ダイマウント材、81 LEDチップ、81a、81b 端子、82 LEDチップ、82a、82b 端子、83 ツェナーダイオードチップ、83a 上面端子、85a、85b、86a、86b、87 ワイヤ、91〜95 ブリッジ、101 下金型、101a 凹部、102 上金型、103 ディスペンサ、104 ブレード、111 レジスト膜、111a レジストマスク、112 マスクパターン、113 マスク、B ブロック、D ダイシング領域、L1〜L5 直線、P 素子領域、R1〜R7、R11、R12 領域、t 板厚、W 距離、X1〜X4、X11〜X15 接合位置、θ1 チップ側引出角度、θ2 フレーム側引出角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離隔した第1及び第2のリードフレームと、
前記第1及び第2のリードフレームの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードフレームに接続され、他方の端子が前記第2のリードフレームに接続されたLEDチップと、
前記一方の端子を前記第1のリードフレームに接続するワイヤと、
前記第1及び第2のリードフレーム、前記LEDチップ、並びに前記ワイヤを覆う樹脂体と、
を備え、
前記第1のリードフレームは、
下面の一部、上面及び端面が前記樹脂体によって覆われ、前記下面の残部が前記樹脂体の下面に露出したベース部と、
前記ベース部から延出し、下面及び上面が前記樹脂体によって覆われ、先端面が前記樹脂体の側面に露出した複数本の吊ピンと、
を有し、
上方から見て、前記ワイヤの接合位置は、2本以上の前記吊ピンの根本を結ぶ多角形の領域の内部に位置しており、
前記樹脂体の外形がその外形をなしていることを特徴とするLEDパッケージ。
【請求項2】
前記第1のリードフレームには、相互に異なる3つの方向に延出する3本以上の前記吊ピンが設けられており、
上方から見て、前記ワイヤの接合位置は、3本の前記吊ピンの根本を結ぶ多角形の領域の内部に位置していることを特徴とする請求項1記載のLEDパッケージ。
【請求項3】
上方から見て、前記ワイヤの接合位置は、複数の前記多角形の領域が重なる領域であって、前記第1のリードフレームの下面における前記樹脂体の下面に露出した領域の内部に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載のLEDパッケージ。
【請求項4】
前記他方の端子を前記第2のリードフレームに接続する他のワイヤをさらに備え、
前記第2のリードフレームは、
下面の一部、上面及び端面が前記樹脂体によって覆われ、前記下面の残部が前記樹脂体の下面に露出したベース部と、
前記ベース部から延出し、下面及び上面が前記樹脂体によって覆われ、先端面が前記樹脂体の側面に露出した複数本の吊ピンと、
を有し、
上方から見て、前記他のワイヤの接合位置は、前記第2のリードフレームの2本以上の前記吊ピンの根本を結ぶ多角形の領域の内部に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項5】
相互に離隔した第1及び第2のリードフレームと、
前記第1及び第2のリードフレームの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードフレームに接続され、他方の端子が前記第2のリードフレームに接続されたLEDチップと、
前記第1及び第2のリードフレーム並びに前記LEDチップを覆う樹脂体と、
を備え、
前記第1のリードフレームは、
下面の一部、上面及び端面が前記樹脂体によって覆われ、前記下面の残部が前記樹脂体の下面に露出したベース部と、
前記ベース部から延出し、下面及び上面が前記樹脂体によって覆われ、先端面が前記樹脂体の側面に露出した吊ピンと、
を有し、
前記ベース部の端面と前記樹脂体の側面との間の最短距離は、前記第1のリードフレームの最大厚さの50%以上であり、
前記樹脂体の外形がその外形をなしていることを特徴とするLEDパッケージ。
【請求項6】
前記第1及び第2のリードフレームの上面及び下面のうち少なくとも一方の面の粗化度は1.20以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項7】
前記第1のリードフレームの下面及び前記第2のリードフレームの下面における相互に対向する端縁から離隔した領域にはそれぞれ凸部が形成されており、
前記凸部の下面は前記樹脂体の下面において露出し、前記凸部の側面は前記樹脂体によって覆われていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項8】
前記樹脂体内に配置された蛍光体をさらに備え、
前記LEDチップは青色の光を出射し、前記蛍光体は前記青色の光を吸収して緑色の光を発光する蛍光体、及び前記青色の光を吸収して赤色の光を発光する蛍光体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項9】
前記LEDチップは複数個設けられており、互い違いに配列されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項10】
前記LEDチップは2個設けられており、前記LEDチップの側面同士が対向しないように配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項11】
前記第1及び第2のリードフレームの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードフレームに接続され、他方の端子が前記第2のリードフレームに接続されたツェナーダイオードチップをさらに備え、
前記LEDチップは前記第1のリードフレームに搭載されており、
前記第1のリードフレームの上面における前記LEDチップが搭載された領域と前記ワイヤが接合された位置との間には、溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項12】
前記一方の端子は前記LEDチップの上面に設けられており、
前記第1のリードフレームの上面に対して、前記ワイヤにおける前記一方の端子に接合された部分が延びる方向がなす角度は、前記第1のリードフレームの上面に対して、前記ワイヤにおける前記第1のリードフレームに接合された部分が延びる方向がなす角度よりも小さいことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。
【請求項13】
前記ベース部の形状は、角部が落とされた矩形であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載のLEDパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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