説明

LTE_ACTIVEにおけるDRXタイミング非同期から回復する方法およびシステム

【課題】LTE_ACTIVE状態におけるUEとeNBとの間の不連続受信(DRX)タイミング非同期から回復する方法を提供すること。
【解決手段】LTE_ACTIVE状態におけるUEとeNBとの間の不連続受信(DRX)タイミング非同期から回復する方法であって、該方法は、eNBがDRXタイミング非同期を検出するステップと、連続受信を再開するためにユーザ装置(UE)にインディケータを送信するステップと、連続受信応答かまたは連続受信通知が受信されたかどうかの指示をUEから待つステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)に関し、特にLTE_ACTIVE状態におけるDRXタイミング非同期に関する。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(long−term evolution)インフラストラクチャにおいて、UEは2つの無線資源制御(RRC)状態のうちの1つであり得る。これらは、LTE_IDLEおよびLTE_ACTIVEである。
【0003】
UEは、LTE_IDLE状態およびLTE_ACTIVE状態の両方において不連続受信(DRX)するように構成され得る。LTE_IDLE状態において、DRXは、UEがその聴取期間をネットワークの公知のパージングサイクルに同期させることを可能にする。聴取期間を同期させることによって、UEは、スタンバイ期間中、その無線トランシーバの電源を切り、それによって電池資源を実質的に節約し得る。DRXパラメータは、モバイルがネットワークと同期すること、および所定の時間が経過するまでモバイルが別の信号を受信しないということを知ることを可能にする。
【0004】
UEがLTE_ACTIVE状態であるときもDRXが使用されるようにすべきということが3GPP TSG−RANワーキンググループにおいて提案される。LTE_ACTIVE状態のユーザ装置(UE)による不連続受信(DRX)であるとき、正規DRX構成は、無線資源制御(RRC)プロトコルメッセージによって信号を送られ、一時DRX(再)構成は、例えばMACプロトコルデータユニット(MAC−PDU)ヘッダまたはMAC制御PDUにおいて、媒体アクセス制御(MAC)信号によって信号を送られることがさらに提案される。
【0005】
LTEにおいて、ユーザデータがダウンリンク共用チャネルで送られる前に、eNBは、ダウンリンク共用制御チャネル(DLSCCH)でスケジューリング指示を送り、UEがデータを復調するために用いるパラメータを提供する。しかしながら、UEがDLSCCHスケジューリング指示を見のがした場合、UEはユーザデータを受信したことを知らず、従ってUEは、ユーザMAC−PDUを肯定応答(ACK)するかまたは否定的応答(NACK)することを知らない。eNBは、ACKまたはNACK、すなわちハイブリッドARQ(HARQ)応答を待つ。eNBがその応答を得ないとき、それは不連続送信(DTX)と見なされる。ダウンリンク共用制御チャネル(DLSCCH)でのデータ指示がUEによって見のがされ、HARQフィードバックチャネルでの後の不連続送信(DTX)が強化型ノードB(eNB)によってACKとして誤って解釈された場合、MAC−PDUが失われ得る。さらに、UEが、規則例えばある持続期間データ活動なし、に従って、DRX長を自動的に増加させた場合、UEがそれ自身のDRX値を増加させながら、eNBはその現在のDRX値を維持する。これは、DRXタイミング非同期という結果になり、すなわちeNBおよびUEは異なるDRX期間で動作している。
【0006】
理解されるように、このことは、ダウンリンクメッセージ送達の待ち時間を増加させ、ダウンリンク無線資源を浪費する。より長い送達待ち時間は、特に重大なダウンリンク制御メッセージに関して、回避されるべきである。一旦DRXタイミング非同期が起こると、eNBは、新しいデータをUEに送るためにUE DRXタイミングを決定しなければならない。UEがおそらくウェイクアップしているであろうことをeNBが知っているとき、それらの時間に様々なプロービングメッセージ(probing message)を送ることによって、eNBはこのUE DRXタイミングを決定する。いくつかの試みの後に、eNBはUE DRXタイミングを見つけ、同期を回復させるためにUEをウェイクアップさせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
UEがLTE_ACTIVEであり、DRXが活動化されている場合、ダウンリンクデータの到着時、eNBは、DLSCCH上のスケジューリング指示を送信し得、UEがウェイクアップしているときにDL−SCH上のMAC−PDUを送信する。eNBがUEからどのハイブリッドの自動繰り返し要求(HARQ)フィードバック信号も得ない場合、eNBは、UEがDRXタイミングにおいて同期がずれていると考え得る。そのような状態から回復するために、2つの方法が下記に説明される。
【0008】
第1の方法は、システム情報におけるDRXタイミング非同期化の指示であり得る。特に、DRXタイミングにおいてUEの同期がずれていることをeNBが検出したとき、所定のシステム情報ブロックにおいてUEの無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を同報通信し得る。UEがウェイクアップするとき、UEは、システム情報ブロックを読み取り得る。UEのRNTIが指示された場合、UEは、DRXモードを非活動化し得、eNBへのL1/L2の信号方式またはMAC信号方式を用いて連続受信通知メッセージを送信する。連続受信通知メッセージの受信次第、eNBはそのバッファ内で待つデータをUEに再送信する。データが肯定応答されるか、またはUEからのHARQフィードバックが受信されたとき、eNBはシステム情報からRNTIを除去し得る。
【0009】
さらなる実施形態において、DRX非同期化から回復する方法は、絶対ウェイクアップ時間を事前に構成することであり得る。特に、会話形通信もしくは背景通信のための無線ベアラ(radio bearer)が設定されたときまたはそのベアラにおいてDRXが活動化されたとき、絶対ウェイクアップ時間がRRCによってUEに通知され得る。絶対ウェイクアップタイミングは、システム無線フレームタイミングに対する無線フレームオフセット(ARFoff)およびDRX間隔(AInt)によって定義され得る。現在のDRX設定に関わらず、UEはARFoff+NAIntの無線フレームにおいてウェイクアップしなければならない。ここで、N=0、1、・・・である。eNBが2.56秒内の回復を保証することを望む場合、AIntは2.56秒に設定され得る。
【0010】
DRXタイミングにおいてUEの同期がずれていることをeNBが検出したとき、eNBは、L1/L2信号方式またはMAC信号方式における連続受信コマンド(すなわち、DRX非同期化)を絶対ウェイクアップ時間にUEに送る。UEが絶対ウェイクアップ時間にウェイクアップしたとき、UEは連続受信コマンドが受信されたか否かをチェックし得る。受信された場合、UEはトランシーバの電源を入れ、連続受信に戻り、アップリンク同期化および必要に応じスケジューリング認可を得、連続受信応答をeNBに送る。連続受信応答を受領次第、eNBはそのバッファ内のデータをUEに送信し得る。
【0011】
UEがアップリンク同期を再調整することをeNBが望む場合、eNBはL1/L2信号方式チャネルを介して連続受信コマンドを送り得、該連続受信コマンドは、アップリンク同期が再調整されるべきであるという指示および連続受信応答に対して割り当てられた専用のアップリンク資源に関する情報を含む。そのような連続受信コマンドの受信次第、UEはアップリンクタイミングを再調整し得、連続受信コマンドにおいて指示された資源を用いて連続受信コマンドを送ることによって応答する。
【0012】
さらなる代替の実施形態において、絶対ウェイクアップ無線フレームオフセットは、3GPP TS25.304に説明されるUMTSにおいてページング機会が計算される方法と類似する方法で、IMSI(国際モバイルステーションアイデンティティ)などのUEアイデンティティから計算され得る。この場合において、DRX間隔は、専用のRRCメッセージを介して信号を送られるよりはむしろシステム情報に含まれ得る。
【0013】
従って本開示は、LTE_ACTIVE状態における不連続受信(DRX)タイミング非同期から回復する方法を提供し得、該方法は、DRXタイミング非同期を検出するステップと、ユーザ装置(UE)にインディケータを送信し、連続受信を再開するステップと、連続受信応答が受信されたかどうかの指示を待つステップとを包含する。
【0014】
本開示は、LTE_ACTIVE状態における不連続受信(DRX)タイミング非同期によるユーザ装置における連続受信に進む方法をさらに提供し得、該方法は、DRXからウェイクアップするステップと、連続受信に進むべきかどうかを決定するインディケータをチェックするステップと、連続受信に進むべきというインディケータが存在する場合、DRXを非活動化し、連続受信に進み、連続受信応答を送信するステップとを包含する。
【0015】
本開示は、LTE_ACTIVE状態における不連続受信(DRX)タイミング非同期から回復するように適合された強化型ノードB(eNB)をさらに提供し得、本開示は、DRXタイミング非同期を検出する手段と、連続受信を再開するインディケータをユーザ装置(UE)に送信する手段と、連続受信応答が受信されたかどうかの指示を待つ手段とを特徴とする。
【0016】
本開示は、LTE_ACTIVE状態における不連続受信(DRX)タイミング非同期による連続受信に進むように適合されたユーザ装置「UE」をさらに提供し得、DRXからウェイクアップする手段と、連続受信に進むべきかどうかを決定するインディケータをチェックする手段と、連続受信に進むべきというインディケータが存在する場合、DRXを非活動化し、連続受信に進み、連続受信応答を送信する手段とを特徴とする。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
LTE_ACTIVE状態における不連続受信「DRX」タイミング非同期から回復する、ワイヤレス通信システムにおける方法であって、
DRXタイミング非同期を検出する(414、514)ステップと、
連続受信を再開するために、ユーザ装置「UE」にインディケータを送信する(416、520)ステップと、
連続受信応答または連続受信通知が受信されたか否かの指示を待つ(418、522)ステップと
を包含する、方法。
(項目2)
上記送信するステップは、上記ユーザ装置に対する無線ネットワーク一時識別子「RNTI」を所定のシステム情報ブロックに追加することを包含する、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記検出するステップは、
媒体アクセス制御プロトコルデータユニット「MAC−PDU」を上記UEに送るかまたは再送信することと、
ハイブリッド自動繰り返し要求「HARQ」フィードバック信号を所定の時間内に受信しないことと
を包含する、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記連続受信通知の指示を受信する(418)ステップと、
上記MAC−PDUを再送信する(420)ステップと
をさらに包含する、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記MAC−PDUが受信されたことの確認次第、上記ユーザ装置に対する上記RNTIを上記所定のシステム情報ブロックから除去する(435)ステップをさらに包含する、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記送信するステップは、
絶対ウェイクアップ時間から待つことと、
連続受信コマンドを送る(520)ことと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記検出するステップは、
媒体アクセス制御プロトコルデータユニット「MAC−PDU」を上記UEに送るかまたは再送信することと、
ハイブリッド自動繰り返し要求「HARQ」フィードバック信号を所定の時間内に受信しないことと
を包含する、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記連続受信応答の指示を受信する(522)ステップと、
上記MAC−PDUを再送信する(524)ステップと
をさらに包含する、項目7に記載の方法。
(項目9)
上記連続受信応答の指示が受信されない場合、または上記MAC−PDUの再送信が不成功である場合、ハンドオーバが起こったかどうかまたはRRC接続が解除されたかどうかをチェックし(540)、ハンドオーバが起こったかまたはRRC接続が解除された場合、プロセスを終了させる(530)ステップをさらに包含する、項目8に記載の方法。
(項目10)
ハンドオーバが起らず、RRC接続が解除されなかった場合、再試行期間が終了したかどうかをチェックし(542)、
再試行期間が終了した場合、該RRC接続を解除し(544)、
再試行期間が終了していない場合、上記待つステップおよび送るステップ(520)を繰り返す、項目9に記載の方法。
(項目11)
絶対ウェイクアップタイミングは、システム無線フレームタイミングに対する無線フレームオフセットおよびDRX間隔によって定義される、項目6〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
上記絶対ウェイクアップタイミングは、正の整数または0が掛けられた上記DRX間隔に加算された上記無線フレームオフセットによって定義される無線フレームである、項目11に記載の方法。
(項目13)
絶対ウェイクアップタイミングは、RRCによって上記UEに送信される、項目12に記載の方法。
(項目14)
上記無線フレームオフセットは、加入者識別またはUE識別から計算される、項目12または項目13に記載の方法。
(項目15)
上記識別は、国際モバイルステーション識別である、項目14に記載の方法。
(項目16)
LTE_ACTIVE状態における不連続受信「DRX」タイミング非同期によるユーザ装置における連続受信に進む方法であって、
DRXからウェイクアップする(452、552)ステップと、
連続受信に進むべきかどうかを決定するインディケータをチェックする(460、558)ステップと、
連続受信に進むべきというインディケータが存在する場合、DRXを非活動化(466、570)し、連続受信に進み、連続受信応答または連続受信通知を送信する(468、572)ステップと
を包含する、方法。
(項目17)
上記チェックするステップは、
所定のシステム情報ブロックを読み取る(456)ことと、
上記ユーザ装置に対する無線ネットワーク一時識別子「RNTI」が該所定のシステム情報ブロック内にあるかどうかを決定する(460)ことと
を包含し、該決定するステップが、該ユーザ装置の該RNTIが該所定のシステム情報ブロックにあることを見つけた場合、チェックするステップは上記インディケータが存在するということを見つける、項目16に記載の方法。
(項目18)
連続受信に進みかつアップリンク同期を得るインディケータが存在する場合、アップリンク同期を得ることと、連続受信応答を送る認可をスケジューリングすることとを行う、項目16または項目17に記載の方法。
(項目19)
上記チェックするステップは、
連続受信コマンドが絶対ウェイクアップ時間に受信されるかどうかを決定する(556、558)ことを包含し、
該連続受信コマンドが絶対ウェイクアップ時間に受信された場合、該チェックするステップは上記インディケータが存在するということを見つける、項目16に記載の方法。
(項目20)
LTE_ACTIVE状態における不連続受信「DRX」タイミング非同期から回復するように適合された強化型ノードB「eNB」であって、
DRXタイミング非同期を検出する手段と、
連続受信を再開するインディケータをユーザ装置「UE」に送信する手段と、
連続受信応答かまたは連続受信通知が受信されたかどうかの指示を待つ手段と
を備えている、強化型ノードB「eNB」。
(項目21)
インディケータを上記UEに送信する手段は、アップリンク同期および連続コマンド応答のために用いられる無線資源に対するニーズを該インディケータに含むように適合される、項目20に記載のeNB。
(項目22)
上記送信する手段は、上記ユーザ装置に対する無線ネットワーク一時識別子「RNTI」を所定のシステム情報ブロックに追加するように適合される、項目20または項目21に記載のeNB。
(項目23)
上記送信する手段は、
絶対ウェイクアップ時間から待つことと、
連続受信コマンドを送ることと
を行なうように適合される、項目20または項目21に記載のeNB。
(項目24)
LTE_ACTIVE状態における不連続受信「DRX」タイミング非同期による連続受信に進むように適合されたユーザ装置「UE」であって、
DRXからウェイクアップする手段と、
連続受信に進むべきかどうかを決定するインディケータをチェックする手段と、
連続受信に進むべきというインディケータが存在する場合、DRXを非活動化し、連続受信に進み、連続受信応答または連続受信通知を送信する手段と
を備えている、ユーザ装置。
(項目25)
上記チェックする手段は、
所定のシステム情報ブロックを読み取ることと、
上記ユーザ装置に対する無線ネットワーク一時識別子「RNTI」が該所定のシステム情報ブロック内にあるかどうかを決定することと
を行うように適合され、
該ユーザ装置の該RNTIが該所定のシステム情報ブロックにある場合、該チェックする手段は上記インディケータが存在するということを見つけるように適合される、項目24に記載のUE。
(項目26)
上記チェックする手段は、連続受信コマンドが絶対ウェイクアップ時間に受信されるかどうかを決定するように適合され、
該連続受信コマンドが絶対ウェイクアップ時間に受信された場合、該チェックする手段は上記インディケータが存在するということを見つけるように適合される、項目24に記載のUE。
(項目27)
項目20〜23のいずれか1項に記載の少なくとも1つの強化型ノードBと項目24〜26のいずれか1項に記載の複数のユーザ装置とを備えているワイヤレス通信システム。
【0017】
本開示は、図面を参照してより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、ロングタームエボリューションユーザ面プロトコルスタックを示すブロック図である。
【図2】図2は、ロングタームエボリューション制御面プロトコルスタックを示すブロック図である。
【図3a】図3aは、eNB側からMAC−PDUヘッダまたはMAC制御PDUを用いることによって、DRX期間を活動化、非活動化および再構成する方法を示すフローチャートである。
【図3b】図3bは、UE側からDRX期間の活動化、非活動化または再構成を応答する方法を示すフローチャートである。
【図4a】図4aは、eNB側からシステム情報内のDRXタイミング非同期化を指示する方法を示すフローチャートである。
【図4b】図4bは、UE側からシステム情報内のDRXタイミング非同期化を実現する方法を示すフローチャートである。
【図5a】図5aは、eNB観点から、起こり得るDRXタイミング非同期化からの事前構成されたウェイクアップ時間回復の方法を示すフローチャートである。
【図5b】図5bは、UE観点から、起こり得るDRXタイミング非同期化からの事前構成されたウェイクアップ時間回復の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(好ましい実施形態の説明)
図面がここで参照される。図1は、ロングタームエボリューション(LTE)ユーザ面プロトコルスタックを例示するブロック図を示す。
【0020】
UE110は、強化型ノードB(eNB)120およびアクセスゲートウェイ(aGW)130の両方と通信する。
【0021】
様々な層がプロトコルスタックに例示される。パケットデータ収束プロトコル(PDCP)層140が、UE110およびaGW130の両方に例示される。PDCP層140は、インターネットプロトコル(IP)ヘッダ圧縮および解凍と、ユーザデータの暗号化と、ユーザデータの転送と、無線ベアラに対するシリアルナンバー(SN)のメンテナンスとを実行する。
【0022】
PDCP層140の下には、eNB120上の無線リンク制御プロトコル層142と通信する無線リンク制御プロトコル層142がある。理解されるように、通信は、図1および図2に例示されるようなプロトコルスタックにおいて物理層を介して行われる。しかしながら、UEのRLC層142からのRLC−PDUは、eNB120上のRLC層142によって解釈される。
【0023】
RLC層142の下には、媒体アクセス制御(MAC)データ通信プロトコル層146がある。当業者によって理解されるように、RLCおよびMACプロトコルは、LTE無線インタフェースのデータリンク副層を形成し、LTEおよびユーザ装置におけるeNB上にある。
【0024】
層1(L1)LTE(物理層148)は、RLC/MAC層144および146の下にある。この層は、通信のための物理層である。
【0025】
図2を参照すると、図2は、LTE制御面プロトコルアーキテクチャを例示する。図1において用いられる参照数字に類似の参照数字が、図2において用いられる。特に、UE110は、eNB120およびaGW130と通信する。さらに、物理層148、MAC層146、RLC層142およびPDCP層140は、図2内に存在する。
【0026】
図2はまた、非アクセスストラタム(non−access stratum)(NAS)層210を示す。理解されるように、NAS層210は、移動管理およびセッション管理を含み得る。
【0027】
無線資源制御プロトコル層(RRC)220は、UEとE−UTRAN(進化型汎用地上無線アクセスネットワーク)との間の無線資源の割当てと、構成と、放出とに責任を負うプロトコルスタックの一部である。LTEのためのRRCプロトコルの基本機能は、3GPP TR25.813において説明される。
【0028】
当業者によって理解されるように、UMTSにおいて、自動繰り返し要求(ARQ)機能は、無線ネットワークコントローラ(RNC)にあるRLC層内で実行される。ロングタームエボリューション(LTE)は、ARQ機能をRNCからeNBに移動させ、eNBにおいて、ARQとHARQ(MAC層内にあり、これもeNBに位置を決められる)との間により緊密な相互作用が存在し得る。
【0029】
LTE_ACTIVE状態におけるDRXに関する様々な問題は、本明細書において考慮される。
【0030】
(DRX信号方式手順)
LTE_ACTIVE状態でDRXを用いているセルにおいて、UEの大母集団をサポートするためにDRXを活動化、非活動化し、そしてDRX期間の持続期間を指定するための非常に効率的な信号方式手順が必要とされる。
【0031】
当業者によって理解されるように、強化型ノードB(eNB)がDRX動作によりUEの受信器のオフの期間中にUEにデータを送信する場合、UEはデータを受信し得ない。従って、DRXが活動化されそして非活動化されるときに関してUEとeNBとが同期されることを確実にするために特別の努力が必要とされる。
【0032】
eNBとUEとの間の指示は、無線資源制御(RRC)または層1/層2(L1/L2)の信号方式によって明示的に信号が送られ得る。しかしながら、理解されるように、明示的な信号方式は、所望されるほど効率的ではない場合がある。
【0033】
より効率的な解決策は、DRX活動化および非活動化を指示する、MAC−PDU(MACプロトコルデータユニット)のMACヘッダまたはMAC制御PDU(MAC制御情報のみを含むMAC PDU)にオプションのフィールドを含めることである。フィールドは、好ましくは活動化および非活動化のためのDRX値およびタイミング余裕を示す。0値は、例えば、好ましい実施形態においてDRX値フィールドにおけるDRX非活動化を意味し得る。逆に、次のMAC−PDUにおいて送信されるべきデータがUEのためのバッファにおける最後のデータである場合、eNBはDRX長初期値を含むようにMACヘッダフィールドを広げ得る。例えば、これは320ミリ秒であり得る。
【0034】
MAC−PDUヘッダ内のDRX期間に信号を送るいくつかの異なる方法が、考えられ得る。例えば、DRX期間の8個の値を示すために3ビットがMACヘッダに追加され得る。従って特定の時間値が送られるよりはむしろ、000から111までのビット値は、8個の別個の値のうちの1つを示し得る。
【0035】
代替案においてMACヘッダにおける、より小さいフィールド(例えば2ビット)が、インクリメントまたはディクリメントを示すために用いられ得る。RRCはディフォルト値を示し得、MACヘッダがインクリメントまたはディクリメントを示す場合、UEは受信した指示に従って所定の値に変化し得る。同様にRRCは、実際のDRXと、より小さいフィールドに含まれる値との間のマッピングを定義し得る。
【0036】
UEが一旦DRX値を受信すると、UEは、HARK ACKを送信することによってeNBにDRX値の肯定応答し、伝播遅延およびeNBにおける処理遅延を考慮して、適切なシステムフレームにおいてDRXを開始させる。eNBがUEからACKを受信したとき、eNBもまた適切なシステムフレーム時間においてDRXを開始させる。理解されるように、eNBはそのトランシーバをオフにしないで、単に個々のUEにメッセージを送信しないことを知っているだけである。
【0037】
DRX期間のウェイクアップサイクル中、新しいデータが送信のためにeNBに到着した場合、バッファにおけるデータ量またはサービス要求の質に従って、eNBは、ヘッダ延長がDRX非活動化またはより短いDRX長に設定されて、MAC−PDUを送り得る。UEは、従ってDRXを再構成し、MAC−PDUの肯定応答をする。eNBがACKを受信したとき、eNBはDRXを再構成する。上記のように、非活動化は単に長さ値を0に設定することによって達成され得る。
【0038】
図3aおよび図3bがここで参照される。図3aは、LTE_ACTIVE状態においてDRX活動化を制御する例示的方法を示す。プロセスは、ステップ300で開始し、ステップ310に進み、ステップ310においてデータはUEに送信される。当業者によって理解されるように、LTE_ACTIVE状態におけるデータ送信は、データリンク層においてMAC−PDUを用い、データを転送する。
【0039】
プロセスは次にステップ312に進み、ステップ312においてUEに送られるデータのバッファが次の送信後に空であるかどうかを調べるためにチェックが行われる。空でなければ、プロセスはステップ310に戻り、ステップ310においてデータはUEに送信される。あるいは、バッファが次の送信後に空であり、データ到着速度が閾値よりも低い場合、プロセスはステップ314に進む。
【0040】
ステップ314において、eNBは、MAC−PDUヘッダにおいてDRX活動化を設定する。上記のように、eNBは、DRX期間の長さ、および、必要な場合、例えばDRX活動化が実行されるときのシステム無線フレームナンバーなどのDRX活動時間を示すDRX活動化値を含む。別の実施形態において、eNBは、単にDRX間隔の増加を指示し得る。UEは、現在のDRX間隔を所定の減少した間隔に再構成する。所定の間隔は、eNBおよびUEの両方に既知であるかまたは、システム同報通信またはRRC信号方式による明白な信号方式によってeNBからUEに事前に信号を送られるかのいずれかであり得る。
【0041】
プロセスは次いでステップ316に進み、ステップ316において修正されたMAC−PDUヘッダを含むデータは、UEに送られる。
【0042】
図3bがここで参照される。ステップ318において、UEは、データを受信し、DRX活動化がMAC−PDUヘッダに指定されていることを調べる。プロセスはステップ320に進み、ステップ320においてUEは、肯定応答(ACK)をeNBに送り、伝播遅延およびeNBにおける処理遅延を考慮して、適切なシステムフレームにおいてDRXを開始させる。指定されたDRXの活動化時間が受信されたMAC−PDUヘッダにおいて指示される場合、UEおよびeNBの両方はその時間に新しいDRX値を適用する。
【0043】
図3aのステップ330において、eNBは、UEからACKを受信し、同じ適切なシステムフレームにおいてDRXを開始させる。
【0044】
理解されるように、DRXが調整されることを要求し得る様々なイベントが起るまで、DRXは継続し得る。1つのイベントは、UEのためのeNBによるaGWからのデータの受信である。受信されたデータ量に従って、DRXが非活動化されるかまたはDRXの期間が減少され得る。DRXの調整を必要とし得る他のイベントは、eNBとUEとの間の信号出力レベルの変化、または、とりわけ継続したデータの非活動性によるDRXにおけるゆるやかな増加を含む。
【0045】
ステップ332において、eNBは、DRXが調整される必要があるかどうかを調べるためにチェックする。上記のように、これは、UEに送られるデータが受信される状況であり得る。ここで、DRXが非活動化されるか、または期間が調整され得る。
【0046】
ステップ332から、DRXが調整される必要がない場合、プロセスはステップ332に戻り、DRXが調整される必要があるかないかをチェックし続ける。
【0047】
ステップ332におけるプロセスが一旦、DRXが調整される必要がないということを見つけると、プロセスは、ステップ334に進み、ステップ334において、DRXを調整する。このことは、DRXに対して0値を送信するか、または必要に応じ、より短いDRXかまたはより長いDRXを送信することによってDRXを非活動化し得る。
【0048】
修正されたヘッダ(修正されたDRX値および必要に応じ新しいDRX値に対する活動化時間を含む)を有するMAC−PDUは、ステップ336においてUEに送られる。ステップ336おけるMAC−PDUはまた、UEに送信される必要のある、eNBによって受信された任意のデータを含み得る。どのデータも含まれない場合、MAC−PDUは、MAC制御PDUであると考えられる。
【0049】
図3bを参照すると、プロセスは次いで、ステップ318に進み、ステップ318において、修正されたヘッダを有するMAC−PDUは、UEにおいて受信される。UEは、DRX期間が調整されることを認識し、ステップ320においてUEは、肯定応答をeNBに送り、伝播遅延およびeNBにおける処理遅延を考慮して、適切なシステムフレームにおいてUEのDRX期間を調整する。活動化時間がMAC−PDUヘッダにおいて指示される場合、UEおよびeNBの両方はその時間に新しいDRX値を適用する。
【0050】
図3aを参照すると、ステップ342において、eNBは、ACKを受信し、同じ適切なシステムフレームにおいて修正されたDRX期間を開始させる。プロセスは次いでステップ332に戻り、DRXが再び調整される必要があるかどうかを調べる。
【0051】
当業者によって理解されるように、上記に関する1つの問題は、ACKまたはNACKの誤った解釈の場合に起る。特に、ARQエラー制御方法の変形である、送信器のハイブリッド自動繰返し要求(HARQ)エンティティは、おそらく不良のチャネル状態によりACKまたはNACKを必ずしも常に正しく復調するとは限らない。従って、一部の状況において、一方がもう一方のものとして解釈され得る。DRX活動化および非活動化をMAC−PDUヘッダに起こすことによって、ACKからNACKまたはNACKからACKへの誤った解釈は、eNBとUEとの間で信号送信された制御情報の誤った解釈がデータまたはおそらくは無線接続の喪失に導き得るので、処理される必要がある。
【0052】
(DRX自動インクリメンテーション)
さらなる考慮は、DRXのインクリメントの拡張である。好ましい実施形態において、DRX期間がインクリメントまたはディクリメントされ得る仕方(例えば、2の因数によって)を指示する規則は、無線ベアラ(radio bearer)(RB)セットアップ中に信号が送られ得る。規則は、RRC RBセットアップ/再構成または測定制御メッセージでUEに運ばれる。この場合、Nの現在のDRXサイクル後にどのデータも受信されない場合、eNBおよびUEは、DRX長を次のより大きな値に自動的に増加させる。このことは、DRX長を増加させるためにeNBとUEとの間へ信号を送る必要性を除去し、従ってネットワーク資源および電池資源を節約する。
【0053】
(システム情報におけるDRXタイミング非同期化の指示)
UEがUEのDRXタイミング内において同期がずれているとeNBが決定したとき、eNBは所定のシステム情報ブロックにおいてUEのRNTIを示す。UEがウェイクアップすると、UEはシステム情報ブロックを読み取る。UEのRNTIが指示された場合、UEは、DRXモードを非活動化し、eNBへのL1/L2の信号方式またはMAC信号方式を用いて連続受信通知メッセージを送信する。連続受信通知メッセージの受信次第、eNBはバッファ内で待つデータをUEに再送信する。データが肯定応答されるか、またはUEからのHARQフィードバックが受信されたとき、eNBはシステム情報からRNTIを除去する。
【0054】
図4aがここで参照される。図4aは、システム情報においてRNTIに信号を送り、DRX非同期化から回復する方法のフローチャートを示す。プロセスはステップ410で開始する。
【0055】
プロセスはステップ412に進み、ステップ412においてeNBは次のMAC−PDUを送信する。
【0056】
プロセスは次いで、ステップ414に進み、ステップ414においてプロセスは、DRXタイミング非同期化が起こったかどうかをチェックする。上記のように、これは、eNBがどのHARQフィードバック信号もUEから入手しない場合であり得、この場合eNBはDRXタイミングにおいて同期がずれていることを考慮し得る。
【0057】
ステップ414において、どのDRXタイミング非同期化も検出されない場合、プロセスは、ステップ412に戻り、DRXタイミング非同期化が検出されるまで継続する。
【0058】
ステップ414においてDRXタイミング非同期化が検出された場合、プロセスはステップ416に進み、ステップ416においてUEのRNTIは、所定のシステム情報ブロックに追加される。理解されるように、UEは、DRXからウェイクアップしたとき、下記の図4bを参照して説明されるように、システム情報チェックし、UEのRNTIを検出する。
【0059】
図4aにおけるステップ416から、プロセスは次いで、連続受信通知メッセージを待つ。連続受信通知メッセージがステップ418において受信される場合、プロセスはステップ420に進み、ステップ420においてプロセスは、MAC−PDUを再送信する。理解されるように、これは、ステップ414においてDRXタイミング非同期化が検出される前に、eNBがステップ412において送信を試みたことと同じMAC−PDUであり得る。MAC−PDUの再送信はステップ420で行われる。
【0060】
プロセスは、次いでステップ422に進み、ステップ422においてプロセスは成功またはHARQフィードバックが受信されたかをチェックする。
【0061】
ステップ418において、連続受信通知メッセージが受信されないかまたはステップ422において、成功またはHARQフィードバックが受信されない場合、プロセスはステップ430に進み、ステップ430においてハンドオーバが起ったかまたはRRC接続が解除されたかどうかを調べるためにチェックがなされる。
【0062】
ステップ430において別のセルへのハンドオーバが検出されるかまたはRRC接続が解除されるのが見つかった場合、プロセスはステップ435に進み、ステップ435においてUEのRNTIは、所定のシステム情報ブロックから除去される。同様に、ステップ422から成功が達成されるかまたはHARQフィードバックが受信される場合、プロセスは、ステップ435に進み、ステップ435においてUEのRNTIが所定のシステム情報ブロックから除去される。
【0063】
プロセスは次いで、ステップ435からステップ440に進み、ステップ440においてプロセスは終了する。
【0064】
あるいは、ステップ430において別のセルへのハンドオーバまたはRRC接続解除が見つかった場合、プロセスは440に進み、ステップ440においてプロセスは終了する。
【0065】
図4bがここで参照される。UE側において、プロセスはステップ450において開始する。
【0066】
ステップ452において、UEはDRXからウェイクアップする。
【0067】
プロセスは次いでステップ454に進み、ステップ454においてUEは、データがダウンリンク共用制御チャネル(DLSCCH)に指示された場合データを受信し、測定または必要に応じて他の機能を実行する。
【0068】
プロセスは次いでステップ456に進み、ステップ456においてプロセスは、DRXタイミング非同期化においてUEのリストのために所定のシステム情報ブロックを読み取る。
【0069】
プロセスは次いでステップ460に進み、ステップ460においてプロセスは、UEのRNTIがシステム情報ブロックにおけるUEのリストに含まれるかどうかをチェックする。含まれない場合、UEはステップ462におけるDRXに戻り、次いでステップ452においてDRXのウェイクアップを待つ。
【0070】
あるいは、ステップ460から、UEのRNTIがシステム情報ブロックに含まれる場合、プロセスはステップ466に進み、ステップ466においてDRXは非活動化され、連続受信が開始される。
【0071】
プロセスは次いで、ステップ468に進み、ステップ468において連続受信通知は送信され、ステップ470においてプロセスが終了する。
【0072】
上記から理解されるように、非同期化は従って、所定のシステム情報ブロックにおいてUEがそのRNTIを検出することによって次のDRXサイクルにおいて回復される。
【0073】
(起こり得るDRXタイミング非同期からの回復のための事前構成されたウェイクアップ時間)
さらなる実施形態において、会話形通信もしくは背景通信のための無線ベアラが設定されたときまたはそのベアラにおいてDRXが活動化されたとき、絶対ウェイクアップ時間がRRCによってUEに通知され得る。絶対ウェイクアップタイミングは、システム無線フレームタイミングに対する無線フレームオフセット(ARFoff)およびDRX間隔(AINT)によって定義される。現在のDRX設定に関わらず、UEはARFoff+NAIntの無線フレームにおいてウェイクアップしなければならない。ここでNは整数である。
【0074】
プロセスはステップ510において開始し、ステップ512に進み、ステップ512において次のMAC−PDUが送信される。
【0075】
プロセスは、次いでステップ514に進み、ステップ514においてeNBは、DRXに対するタイミング非同期化が起こったかどうかを調べるためにチェックする。上記のように、これはUEからのHARQフィードバックの受信の不足に基づき起こり得る。
【0076】
DRXタイミング非同期化がステップ514において検出されない場合、プロセスはステップ512に戻り、次のMAC−PDUを送信し続ける。
【0077】
ステップ514から、DRXタイミング非同期化が検出された場合、プロセスはステップ520に進み、ステップ520において連続受信コマンドが、無線資源制御によって構成される絶対ウェイクアップ時間に送信される。
【0078】
プロセスは次いで、ステップ522に進み、ステップ522においてプロセスは、連続受信応答がUEから受信されたかどうかをチェックする。受信された場合、プロセスはステップ524に進み、ステップ524において、どのHARQフィードバックも受信されないステップ512からのMAC−PDUが、ステップ524において再送信される。
【0079】
プロセスは次いで526に進み、ステップ526においてプロセスは、成功があるかどうかまたはHARQフィードバックが受信されたかどうかをチェックする。そうである場合、プロセスはステップ530において終了する。
【0080】
ステップ522から、連続受信応答が受信されなかった場合、またはステップ526から、HARQフィードバックが受信されないかもしくはどの成功も決定されなかった場合、プロセスはステップ540に進み、ステップ540においてハンドオーバが起ったかまたはRRC接続が解除されたかどうかを調べるためにチェックがなされる。ハンドオーバが起ったかまたはRRC接続が解除されたということがステップ540において決定された場合、プロセスはステップ530に進み、終了する。
【0081】
ステップ540において、どのハンドオーバも起らなかったかまたはRRC接続が解除されたということが決定された場合、プロセスはステップ542に進み、ステップ542においてプロセスは再試行期間が終了するかどうかをチェックする。終了しない場合、プロセスはステップ520に戻る。終了する場合、プロセスはステップ544に進み、ステップ544においてRRC接続が解除され、プロセスは次いでステップ530において終了する。
【0082】
図5bがここで参照される。UEの観点から、プロセスはステップ550において開始し、ステップ552に進み、ステップ552においてUEはDRXからウェイクアップする。プロセスは次いでステップ554に進み、ステップ554においてUEは、データがダウンリンク共用制御チャネル(DLSCCH)に指示された場合データを受信し、測定または必要に応じて他の機能を実行する。
【0083】
プロセスは次いでステップ556に進み、ステップ556においてプロセスは、時間が絶対ウェイクアップ時間であるかどうかをチェックする。絶対ウェイクアップ時間である場合、プロセスはステップ558に進み、ステップ558においてUEは、連続受信コマンドが受信されたかどうかをチェックする。
【0084】
ステップ556から、時間が絶対ウェイクアップ時間でない場合、またはステップ558において連続受信コマンドが受信されなかった場合、プロセスはステップ560に進み、ステップ560においてUEはDRXに戻る。ステップ560からプロセスは、ステップ552においてDRXからウェイクアップすることによって継続する。
【0085】
あるいは、連続受信コマンドがステップ558において受信される場合、プロセスはステップ570に進み、ステップ570においてDRXが非活動化され、連続受信が開始される。プロセスは次いで、ステップ572に進み、ステップ572において連続受信応答が送信され、プロセスはステップ574において終了する。
【0086】
上記に基づき、DRXタイミングにおいてUEの同期がずれていることをeNBが検出したとき、eNBは、L1/L2信号方式またはMAC信号方式における連続受信コマンドを絶対ウェイクアップ時間にUEに送る。UEは、絶対ウェイクアップ時間にウェイクアップし、連続受信コマンドが受信されたか否かをチェックし、受信された場合、UEはそのトランシーバの電源を入れ、連続受信に戻る。
【0087】
さらなる代替案において、絶対ウェイクアップ無線フレームオフセットARFoffは、3GPP TS25.304に説明されるUMTSにおいてページング機会が計算される方法と類似する方法で、IMSIなどのUEアイデンティティから計算され得る。そのような場合において、DRX間隔は、専用のRRCメッセージを介してセーブされるよりはむしろシステム情報に含まれ得る。
【0088】
理解されるように、ARFoffの信号をUEに送る利益は、eNBが絶対ウェイクアップ時間を現在のDRX設定に整合させ得、その結果、さらなる電池節約が達成され得ることである。
【0089】
本明細書において説明される実施形態は、本開示の技術の要素に対応する要素を有する構造、システムまたは方法の例である。この説明は、当業者が本開示の要素または技術に同様に対応する代替の要素を有する実施形態を用いることを可能にし得る。従って本開示の技術の意図された範囲は、本明細書において説明される本開示の技術とは異ならない構造、システムまたは方法を含み、本明細書において説明される本開示の技術とは実質的でない相違を有する他の構造、システムまたは方法をさらに含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークにおいてユーザ装置(UE)を動作させる方法であって、前記方法は、前記UEによって実行され、
前記方法は、
前記UEが不連続受信(DRX)動作にある間に、オフセットにN倍されたDRX間隔を加えた値に基づいて、ウェイクアップ時間において、前記UEの受信器をウェイクアップすることであって、Nは、ゼロ以上の整数である、ことと、
前記UEがウェイクアップしている間に、前記UEに対してアドレス指定されたデータがネットワーク要素から入手可能であるかどうかをチェックすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記オフセットまたは前記DRX間隔のうちの少なくとも1つを含む無線資源制御(RRC)プロトコルメッセージを受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UEは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークと関連付けられるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作するユーザ装置(UE)であって、
前記UEは、
ワイヤレス受信器と、
プロセッサと
を含み、
前記UEが不連続受信(DRX)動作にある間に、前記UEは、オフセットにN倍されたDRX間隔を加えた値に基づいて、ウェイクアップ時間において、前記受信器をウェイクアップするように構成されており、Nは、ゼロ以上の整数であり、
前記UEは、前記UEがウェイクアップしている間に、前記UEに対してアドレス指定されたデータがネットワーク要素から入手可能であるかどうかをチェックするようにさらに構成されている、ユーザ装置。
【請求項5】
前記UEは、前記オフセットまたは前記DRX間隔のうちの少なくとも1つを含む無線資源制御(RRC)プロトコルメッセージを受信するようにさらに構成されている、請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記UEは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークと関連付けられるように構成されている、請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項7】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作する強化型ノードB(eNB)であって、
前記eNBは、
ユーザ装置(UE)と通信することにより、前記UEを構成するように構成された通信サブシステムであって、前記UEが不連続受信(DRX)動作にある間に、オフセットにN倍されたDRX間隔を加えた値に基づいて、ウェイクアップ時間において、前記UEがウェイクアップすることであって、Nは、ゼロ以上の整数である、通信サブシステム
を含み、
前記eNBは、前記UEがウェイクアップしている間に、前記UEに対してデータを送るように構成されている、eNB。
【請求項8】
前記eNBは、前記オフセットまたは前記DRX間隔のうちの少なくとも1つを含む無線資源制御(RRC)プロトコルメッセージを送信するように構成されている、請求項7に記載のeNB。
【請求項9】
前記eNBは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークの一部分である、請求項7に記載のeNB。
【請求項10】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて強化型ノードB(eNB)を動作させる方法であって、前記方法は、前記eNBによって実行され、
前記方法は、
ユーザ装置(UE)と通信することにより、前記UEを構成することであって、前記UEが不連続受信(DRX)動作にある間に、オフセットにN倍されたDRX間隔を加えた値に基づいて、ウェイクアップ時間において、前記UEがウェイクアップすることであって、Nは、ゼロ以上の整数である、ことと、
前記UEがウェイクアップしている間に、前記UEに対してデータを送信することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記ユーザ装置と通信することは、前記オフセットまたは前記DRX間隔のうちの少なくとも1つを含む無線資源制御(RRC)プロトコルメッセージを送ることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記eNBは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークの一部分である、請求項10に記載の方法。

【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−135058(P2012−135058A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−89466(P2012−89466)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【分割の表示】特願2009−549345(P2009−549345)の分割
【原出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】