説明

LXRアゴニストを用いる炎症性腸疾患の治療方法

本発明は、概して、炎症性腸疾患の予防および/または治療におけるLXRアゴニストの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して、炎症性腸疾患の予防および/または治療におけるLXRアゴニストの使用に関する。
【0002】
発明の背景
LXRαおよびLXRβ(総称してLXR)は、コレステロールをはじめ、いくつかの重要な脂質の代謝を調節する核内ホルモン受容体である(1)。LXRαのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を各々、図1および図2(配列番号1および2)に示す。LXRβのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を各々、図3および図4(配列番号3および4)に示す。LXRは、LXR応答エレメント(LXRE)と呼ばれるDNAの短鎖に、レチノイドX受容体(RXR)とのヘテロ二量体として結合することによって、標的遺伝子の発現を調節する(2−5)。LXREは、胆汁酸生合成における第1の律速段階を触媒するCYP7A1(6)、コレステロールエステル輸送蛋白質(7)、転写因子SREBP−1C(8、9)およびアポリポ蛋白質E(apoE)(10)を包含するコレステロール恒常性に関与する多くの遺伝子の調節領域において同定されている。LXREは、また、マクロファージ、腸細胞および他の細胞型からのリン脂質およびコレステロールの流出に介在するATP結合カセットトランスポーター(ABC)A1およびG1(11−15)をコードしている遺伝子においても同定されている。
【0003】
現在、コレステロール値の高い患者は、体の内生的なコレステロール合成を阻害する化合物を用いて治療されている。体内におけるコレステロール値を調節する複雑な系の重要な成分として、LXRもまた、高コレステロール血症(血漿コレステロール値が上昇している)およびその関連するアテローム性動脈硬化性疾患の予防および治療のための標的として提唱されてきた。
【0004】
炎症性腸疾患(IBD)は、小腸および大腸において炎症を引き起こす慢性障害の一群である。IBDは、クローン病および潰瘍性大腸炎を包含する。さらに、IBDは、また、細菌、虚血、放射、薬物または化学物質によって引き起こされる炎症性大腸炎も包含することができる。コレステロール輸送を逆転し、アテローム性動脈硬化性心血管疾患を治療するためのLXRのアゴニストおよびそれらの医薬処方の使用が報告されている。しかしながら、出願人の本発明以前に、IBDを治療または予防するためのLXRアゴニストの使用は報告されていなかった。
【0005】
発明の概要
一の態様において、本発明は、治療上有効量のLXRアゴニスト、またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学上機能的な誘導体を投与することを特徴とする、限定するものではないが、クローン病、潰瘍性大腸炎、および細菌、虚血、放射、薬物または化学物質によって引き起こされる炎症性大腸炎を包含する哺乳動物におけるIBDの治療または予防方法を提供する。
【0006】
さらなる態様において、本発明は、また、限定するものではないが、クローン病、潰瘍性大腸炎、および細菌、虚血、放射、薬物または化学物質によって引き起こされる炎症性大腸炎を包含する哺乳動物におけるIBDの治療または予防のための、治療上有効量のLXRアゴニスト、またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学上機能的な誘導体、および医薬上許容される担体を含んでなる医薬組成物に関する。
【0007】
またさらなる態様において、本発明は、限定するものではないが、クローン病、潰瘍性大腸炎、および細菌、虚血、放射、薬物または化学物質によって引き起こされる炎症性大腸炎を包含する哺乳動物におけるIBDの治療または予防のための医薬の製造における、LXRアゴニストの使用に関する。
【0008】
発明の詳細な記載
「LXRアゴニスト」なる語は、LXRαおよび/またはLXRβの生物学的活性を増強するいずれかの化合物を意味する。LXRアゴニストは、よく知られている。本発明の好ましいLXRアゴニストは、式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)で示される化合物から選択される。式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)で示される化合物は、下記により詳細に記載する。本発明の一部を構成するLXRアゴニストの他の例は:
2002年11月14日に公開されたWO2002090375;
2002年8月1日に公開されたWO2002058532;
2002年2月14日に公開されたWO200211708;
2001年8月23日に公開されたWO200160818;
2001年3月8日に公開されたWO200115676;
2001年1月18日に公開されたWO200103705;および
2000年11月9日に公開されたWO200066611
に記載されている。
【0009】
本明細書中で使用される場合、「有効量」なる語は、例えば研究者または臨床医によって探求されている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を顕在化するであろう薬物または医薬製剤の量を意味する。さらに、「治療上有効量」なる語は、かかる量を投与されていない対応する対象と比べて、疾患、障害または副作用の改善された治療、治癒、予防または緩和、あるいは疾患または障害の進行速度の減少をもたらすいずれかの量を意味する。かかる用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量を包含する。
【0010】
本明細書中で使用される場合、「生理学上機能的な誘導体」なる語は、哺乳動物に投与したとき、本発明の化合物またはその活性代謝物を(直接または間接的に)提供することができる本発明の化合物のいずれかの医薬上許容される誘導体、例えば、エステルまたはアミドをいう。かかる誘導体は、過度の実験をすることなく、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles and Practice(出典明示により、それが生理学上機能的な誘導体を教示する範囲まで、本発明の一部とされる)の教示を参考にして、当業者に明らかである。
【0011】
本明細書中で使用される場合、「溶媒和物」なる語は、溶質および溶媒によって形成された変化可能な化学量の複合体をいう。本発明の目的の場合、かかる溶媒は、溶質の生物学的活性を干渉しないものである。適当な溶媒の例は、限定するものではないが、水、メタノール、エタノールおよび酢酸を包含する。好ましくは、使用される溶媒は、医薬上許容される溶媒である。適当な医薬上許容される溶媒の例は、限定するものではないが、水、エタノールおよび酢酸を包含する。最も好ましくは、該溶媒は、水である。
【0012】
国際特許出願WO00/54759(Tularik Inc. US)は、LXRのアゴニストとして有用な式(I)
【化1】

[式中、
Arは、アリール基を示し;Rは、−OH、−O−(C−C)アルキル、−OC(O)−(C−C)アルキル、−O−(C−C)ヘテロアルキル、−OC(O)−(C−C)ヘテロアルキル、−COH、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)または−NH−S(O)−(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアルキル、アリールまたはアリール(C−C)アルキルであり;
、X、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアルキル、FまたはClであり、但し、X〜Xのうちの3個以下がH、(C−C)アルキルまたは(C−C)ヘテロアルキルであり;および
Yは、−N(R12)S(O)−、−N(R12)S(O)N(R13)−、−N(R12)C(O)−、−N(R12)C(O)N(R13)−、−N(R12)C(S)−または−N(R12)C(O)O−であり、ここに、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アリール、(C−C)ヘテロアルキル、アリールまたはアリール(C−C)アルキルであり、Yが−N(R12)S(O)−または−N(R12)S(O)N(R13)−である場合、R12は、ArまたはRに対する共有結合を介して、各々、ArまたはRに縮合した5、6または7員環を形成してもよく、上記Y基において、下付のmは、1〜2の整数である]
で示される化合物、およびコレステロール輸送を逆転させ、アテローム性動脈硬化性心血管疾患および関連疾患を治療するための医薬処方におけるその使用を開示する。
【0013】
式(I)の化合物に関し、「アルキル」なる語は、それ自体または別の置換基の一部として、別記しないかぎり、完全に飽和あるいはモノ−またはポリ不飽和であってもよく、二価および多価の基を包含しうる、示された炭素数(すなわち、C1−10は1〜10個の炭素を意味する)を有する直鎖または分枝鎖あるいは環状炭化水素基、またはその組み合わせを意味する。飽和炭化水素基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチルなどの基、その同族体および異性体、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどを包含する。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例は、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、ならびにより高級な同族体および異性体を包含する。「アルキル」なる語は、また、別記しないかぎり、より詳細に下記に示す「シクロアルキル」および「アルキレン」のようなアルキル誘導体を包含することも意味される。「アルキレン」なる語は、それ自体または別の置換基の一部として、アルカンから誘導された二価の基を意味し、例えば、−CHCHCHCH−がある。典型的には、アルキル基は、1〜24個の炭素原子を有するものであり、10個以下の炭素原子を有するものが好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、より短鎖アルキルまたはアルキレン基であり、一般に、8個、8個以下、4個またはそれ以下の炭素原子を有する。
【0014】
単独または他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ」なる語は、別記しないかぎり、酸素原子を介して分子の残部に連結した上記のアルキル基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシならびにより高級な同族体および異性体がある。
【0015】
「ヘテロアルキル」なる語は、それ自体または別の用語と組み合わせて、別記しないかぎり、示された数の炭素原子およびO、N、Si、Sからなる群から選択された1〜3個のヘテロ原子からなる安定な直鎖または分枝鎖あるいは環状炭化水素基、またはその組み合わせを意味し、ここに、窒素よび硫黄原子は酸化されていてもよく、また、窒素ヘテロ原子は、四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、NおよびSは、アルキル基が分子の残部に結合している位置を除き、ヘテロアルキル基のいずれの位置に配置されていてもよい。例えば、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)、−CH−S−CH−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCHおよび−CH=CH−N(CH)−CHが包含される。例えば、−CH−NH−OCHおよび−CH−O−Si(CHのように、2個までのヘテロ原子が連続していてもよい。また、「ヘテロアルキル」なる語には、下記により詳細に記載される「ヘテロアルキレン」および「ヘテロシクロアルキル」のような基が包含される。「ヘテロアルキレン」なる語は、それ自体または別の置換基の一部として、ヘテロアルキルから誘導される二価の基を意味し、例えば、−CH−CH−S−CH−CH−および−CH−S−CH−CH−NH−CH−がある。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子はまた、鎖末端のいずれか、または両端を占めていてもよい。またさらに、アルキレンおよびヘテロアルキレン結合基の場合、本明細書に記載の他の結合基と同様に、該結合基の方向は特に示されない。
【0016】
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」なる語は、それ自体または他の用語と組み合わせて、別記しないかぎり、各々、「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状バージョンを示す。「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」なる語は、また、その二環式、三環式、および多環式バージョンを包含することが意味される。さらに、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、ヘテロシクリルが分子の残部に結合している位置を占めていてもよい。シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキシル、3−シクロヘキシル、シクロペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチルなどを包含する。ヘテロシクロアルキルの例は、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどを包含する。
【0017】
「ハロ」または「ハロゲン」なる語は、それ自体または別の置換基の一部として、別記しないかぎり、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。さらに、「フルオロアルキル」のような語は、モノフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキルを包含することが意味される。
【0018】
単独または他の用語と組み合わせて(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)使用された「アリール」なる語は、別記しないかぎり、単環または一緒に縮合しているか、もしくは共有結合した多環(三環まで)であってもよい芳香族置換基を意味する。該環は、各々、N、OおよびSから選択される0〜4個のヘテロ原子を含有していてもよく、ここに、該窒素および硫黄原子は、酸化されていてもよく、窒素原子は、四級化されていてもよい。ヘテロ原子を含有するアリール基は、「ヘテロアリール」とも呼ばれ、炭素原子またはヘテロ原子を介して、分子の残部に結合していてもよい。アリール基の非限定的な例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンゾイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリニル、5−イソキノリニル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリニルおよび6−キノリニルを包含する。上記の各アリール環系のための置換基は、許容される下記の置換基の群から選択される。
【0019】
「アリールアルキル」および「アリールヘテロアルキル」なる語は、アリール基がアリール基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)またはヘテロアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、1−ナフチルオキシ−3−プロピルなど)に結合している基を包含することが意味される。アリールアルキルおよびアリールヘテロアルキル基は、典型的には、共有結合によって、または例えば、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基に環を縮合することによって、アルキルまたはヘテロアルキル部分に結合した1〜3個のアリール部分を含有していてもよい。アリールヘテロアルキル基の場合、ヘテロ原子は、該基が分子の残部に結合している位置を占めることができる。例えば、「アリールヘテロアルキル」なる語は、ベンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、フェネチルアミンなどを包含することが意味される。
【0020】
上記の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」など)の各々は、示された基の置換された形態および置換されていない形態の両方を包含することが意味される。各種類の基のための置換基の例を下記に挙げる。
【0021】
アルキルおよびヘテロアルキル基(しばしば、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を包含する)のための置換基は、0から(2N+1)の数の範囲において(ここに、Nは、かかる基の全炭素原子数である):
−OR、=O、=NR’、N−OR’、NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’C(O)NR’R’’’、−NR’’C(O)R’、NHC(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−、C(NH)=NR’、S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−CNおよび−NOから選択される種々の基であることができる。好ましくは、置換されたアルキル基は、1〜6個の独立して選択された置換基、より好ましくは、1〜4個の独立して選択された置換基、最も好ましくは、1〜3個の独立して選択された置換基を有するであろう。上記の置換基において、R’、R’’およびR’’’は各々、独立して、水素、非置換(C1−8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリール、1−3個のハロゲンで置換されたアリール、非置換アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基またはアリール−(C1−4)アルキル基を示す。R’およびR’’が同じ窒素原子に結合する場合、それらは、窒素原子と一緒になって、5−、6−または7−員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを包含することが意味される。
【0022】
同様に、アリール基のための置換基は、多様であり、0から該芳香環系における開環した場合の原子価の全数の範囲において:
−ハロゲン、−OR’、−OC(O)R’、−NR’R’’、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’C(O)R’、−NR’’C(O)NR’R’’’、−NH−C(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−SOR’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−N、−CH(Ph)、ペルフルオロ(C1−4)アルコキシ、およびペルフルオロ(C1−4)アルキルから選択され;ここに、R’およびR’’は、独立して、水素、(C1−8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリール、(非置換アリール)−(C1−4)アルキル、および(非置換アリール)オキシ−(C1−4)アルキルから選択される。好ましくは、置換されたアリール基は、1〜4個の独立して選択された置換基、より好ましくは、1〜3個の独立して選択された置換基、最も好ましくは、1〜2個の独立して選択された置換基を有するであろう。
【0023】
アリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、式−T−C(O)−(CH−U−(ここに、TおよびUは、独立して、−NH−、−O−、CHまたは単結合であり、qは、0〜2の整数である)の置換基で置き換わっていてもよい。別法として、アリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、式−A−(CH−B−(ここに、AおよびBは、独立して、−CH2−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−または単結合であり、rは、1〜3の整数である)の置換基で置き換わっていてもよい。このようにして形成された新しい環の単結合の1つは、二重結合で置き換わっていてもよい。別法では、アリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、式−(CH2)s−X−(CH2)t−(ここに、sおよびtは、0〜3の整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または−S(O)2NR’−である)の置換基で置き換わっていてもよい。−NR’−および−S(O)2NR’−における置換基R’は、水素または非置換(C1−6)アルキルから選択される。
【0024】
「ヘテロ原子」なる語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)およびケイ素(Si)を包含することが意味される。
【0025】
本発明の一の特に好ましいLXRアゴニストは、式(I)の化合物の範囲内にある化合物Iaである。
【化2】

化合物Iaは、WO 00/54759の実施例12に記載されるとおりである。
【0026】
式(I)の化合物は、容易に入手可能な出発物質または既知の中間体を用いて調製することができる。WO 00/54759は、スキーム1に記載するように、かかる化合物も製造のためのいくつかの可能な合成経路を記載する。
【0027】
【化3】

【0028】
スキーム1に示すように、アニリン(i)(置換アニリンおよび他のアリールアミンの代表として)をアルキル化、アシル化またはアリール化(R基の一般的付加)して(ii)を形成させることができる、または該芳香環を例えば、ヘキサフルオロアセトンで誘導体化して(iii)を形成させることができる。適当なアルキル化基、アシル化基またはアリール化基での(iii)の処理により(iv)を得、それを例えば、適当なハロゲン化スルホニルでスルホニル化して(vi)を形成させることができる。別法では、該アニリン誘導体をスルホニル化して(v)を形成させることができ、それを次いで、アルキル化またはアシル化して式(vi)の化合物を形成させることができる。
【0029】
式(I)の他の化合物は、置換されたアニリン(iv)(またはiii)を、アミド(vii)、カルバメート(viii)および尿素(ix)の形成に適当な試薬で処理することによって形成させることができる。上記のスキームにおいて、種々の試薬が有用であり、例えば、March, Advanced Organic Chemistry 4th ed. John Wiley & Sons, New York NY (1992)において見出すことができる。
【0030】
国際特許出願PCT/US01/27622(SmithKline Beecham plc)は、LXRのアゴニストとして有用な式(II):
【化4】

[式中、
Xは、OHまたはNHであり;
pは、0−6であり;
およびRが各々、同一または異なって、それぞれ独立して、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC1−8チオアルキルからなる群から選択され;
Zは、CHまたはNであり;
ZがCHである場合、kは0−4であり;
ZがNである場合、kは0−3であり;
各Rは、同一または異なって、ハロ、−OH、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルオキシ、−S(O)、−NR、−COR、COOR、R10COOR、OR10COOR、CONR、−OC(O)R、−R10NR、−OR10NR、5−6員の複素環、ニトロおよびシアノからなる群から独立して選択され;
aは、0、1または2であり;
は、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC2−8アルケニルからなる群から選択され;
およびRは各々、同一または異なって、それぞれ独立して、H、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C3−8アルキニルからなる群から選択され;
は、H、C1−8アルキルおよび−NRからなる群から選択され;
10は、C1−8アルキルであり;
nは、2−8であり;
qは、0または1であり;
は、H、C1−8アルキル、C1−8アルケニルおよびアルケニルオキシからなる群から選択され;
環Aは、C3−8シクロアルキル、アリール、4−8員の複素環および5−6員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各環Bは、同一または異なって、C3−8シクロアルキルおよびアリールからなる群から独立して選択される]
で示される化合物、およびコレステロール輸送を逆転させ、アテローム性動脈硬化性心血管疾患および関連疾患を治療するための医薬処方におけるその使用を開示する。
【0031】
式(II)の化合物に関し、「アルキル」なる語は、特定数の炭素原子を含有する脂肪族直鎖または分枝鎖飽和炭化水素鎖をいう。ここで使用される場合、「アルキル」基の例は、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルなどを包含する。「アルキル」なる語は、また、置換基が、−ハロ、−ORおよびSR(ここに、RはHまたはC1−8アルキルである)からなる群から選択される置換されたアルキルも示す。「アルキル」の該定義は、また、「アルキル」なる語を取り込んだ「チオアルキル」などの用語にも応用できる。かくして、ここで使用される場合、「チオアルキル」なる語は、基S−Ra(ここに、Raは定義されたとおりの「アルキル」である)をいう。
【0032】
「ハロ」なる語は、いずれかのハロゲン原子、すなわち、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
「アルケニル」なる語は、少なくとも1つ、多くとも3個の炭素−炭素二重結合を含有する脂肪族直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素鎖をいう。「アルケニル」基の例は、ここで使用される場合、限定するものではないが、エテニルおよびプロペニルを包含する。「アルケニル」なる語は、また、置換基がハロ、−ORおよび−SR(ここに、RはHまたはC1−8アルキルである)からなる群から選択される置換されたアルケニルも示す。
【0033】
「アルコキシ」なる語は、基O−Ra(ここに、Raは上記の「アルキル」である)をいう。
「アルケニルオキシ」なる語は、基O−Rb(ここに、Rbは、上記の「アルケニル」である)をいう。
【0034】
「シクロアルキル」なる語は、特定数の炭素原子および多くとも3個の炭素−炭素二重結合を有する非芳香族炭素環をいう。「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、および二環式シクロアルキル基、例えば、ビシクロヘプタンおよびビシクロ(2.2.1)ヘプテンを包含する。「シクロアルキル」なる語は、また、該環がハロ、−OH、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルオキシ、S(O)、−NR、−COR、−COOR、−R10COOR、−OR10COOR、−CONR、−OC(O)R、−R10NR、−OR10NR、ニトロ、およびシアノ(ここに、aは、0、1または2であり;Rは、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC2−8アルケニルからなる群から選択され;RおよびRは各々、同一または異なって、独立して、H、C1−8アルキル、C2−8アルケニルおよびC3−8アルキニルからなる群から選択され;Rは、H、C1−8アルキルおよび−NRからなる群から選択され;およびR10は、C1−8アルキルである)からなる群から選択される1以上の置換基を有する置換されたシクロアルキルも示す。当業者に明らかなように、該シクロアルキル環上の可能な置換基の数は、環の大きさに依存するであろう。一の具体例において、シクロアルキルは、上記のように置換されていてもよいシクロヘキシルである。
【0035】
「アリール」なる語は、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルからなる群から選択される芳香族基をいう。「アリール」なる語は、また、該フェニルまたはナフチル環がハロ、−OH、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルオキシ、S(O)、−NR、−COR、−COOR、−R10COOR、−OR10COOR、−CONR、−OC(O)R、−R10NR、−OR10NR、ニトロ、およびシアノ(ここに、aは、0、1または2であり;Rは、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC2−8アルケニルからなる群から選択され;RおよびRは各々、同一または異なって、独立して、H、C1−8アルキル、C2−8アルケニルおよびC3−8アルキニルからなる群から選択され;Rは、H、C1−8アルキルおよび−NRからなる群から選択され;およびR10は、C1−8アルキルである)からなる群から選択される1以上の置換基を有する置換されたアリールも示す。当業者に明らかなように、該アリール環上の可能な置換基の数は、環の大きさに依存するであろう。例えば、アリール環がフェニルである場合、該アリール環は、上記のリストから選択される5個までの置換基を有していてもよい。当業者は、容易に、1−ナフチルまたは2−ナフチル環に可能な置換基の最大数を決定することができるであろう。式(II)の好ましいアリール環は、上記のように置換されていてもよいフェニルである。
【0036】
「複素環」なる語は、特定数の環原子を有し、かつ、N、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する単環式飽和または不飽和非芳香族炭素環式環および二環式非芳香族炭素環式縮合環をいう。特定の複素環式基の例は、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、オキセタン、チエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキサラン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェンなどを包含する。「複素環」なる語は、また、該複素環式環がハロ、−OH、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルオキシ、S(O)、−NR、−COR、−COOR、−R10COOR、−OR10COOR、−CONR、−OC(O)R、−R10NR、−OR10NR、ニトロ、およびシアノ(ここに、aは、0、1または2であり;Rは、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC2−8アルケニルからなる群から選択され;RおよびRは各々、同一または異なって、独立して、H、C1−8アルキル、C2−8アルケニルおよびC3−8アルキニルからなる群から選択され;Rは、H、C1−8アルキルおよび−NRからなる群から選択され;およびR10は、C1−8アルキルである)からなる群から選択される1以上の置換基を有する置換された複素環も示す。当業者に明らかなように、該複素環上の可能な置換基の数は、環の大きさに依存するであろう。該複素環における任意の置換基の位置に制限はない。かくして、該用語は、ヘテロ原子を介して環に結合した置換基を有する環を包含する。当業者は、容易に、所定の複素環に可能な置換基の最大数および位置を決定することができるであろう。本発明の好ましい複素環は、上記のように置換されていてもよいピペリジンである。
【0037】
「ヘテロアリール」なる語は、特定数の環原子を有し、少なくとも1つの芳香環を有し、かつ、N、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する芳香族単環式複素環式環および芳香族二環式縮合環をいう。特定のヘテロアリール基の例は、限定するものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドールおよびインダゾールを包含する。「ヘテロアリール」なる語は、また、該ヘテロアリール環がハロ、−OH、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルオキシ、S(O)、−NR、−COR、−COOR、−R10COOR、−OR10COOR、−CONR、−OC(O)R、−R10NR、−OR10NR、ニトロ、およびシアノ(ここに、aは、0、1または2であり;Rは、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC2−8アルケニルからなる群から選択され;RおよびRは各々、同一または異なって、独立して、H、C1−8アルキル、C2−8アルケニルおよびC3−8アルキニルからなる群から選択され;Rは、H、C1−8アルキルおよび−NRからなる群から選択され;およびR10は、C1−8アルキルである)からなる群から選択される1以上の置換基を有する置換されたヘテロアリールも示す。当業者に明らかなように、該ヘテロアリール環上の可能な置換基の数は、環の大きさに依存するであろう。ヘテロアリールにおける任意の置換基の位置に制限はない。かくして、該用語は、ヘテロ原子を介して環に結合した置換基を有する環を包含する。当業者は、容易に、所定のヘテロアリールに可能な置換基の最大数および位置を決定することができるであろう。本発明の好ましいヘテロアリールは、上記のように置換されていてもよいピリジンである。
【0038】
「保護基」なる語は、式(I)(式中、XはOHである)の化合物の合成に有用な適当な保護基をいう。適当な保護基は、当業者に既知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, Greene, T. W.; Wuts, P. G. M. Eds.; John Wiley & Sons: NY, 1999に記載されている。好ましい保護基の例は、限定するものではないが、メチル、エチル、ベンジル、置換されたベンジルおよびtert−ブチルを包含する。一の具体例において、保護基はメチルである。
【0039】
PCT/US01/27622(Smith Kline Beecham plc)の実施例16は、式(IIa)の下記の構造:
【化5】

(以下、化合物IIという)を有する。
【0040】
式(II)の化合物は、いずれかの適当な有機化学の方法にしたがって製造することができる。明細書中に示される一の方法は、スキーム2に示すような固相合成法である。
【0041】
【化6】

[式中、Xは−O−または−NH−であり、SPは固相であり、R15はHまたは保護基であり、他の全ての変数は、式(II)の化合物の記載に関して上記で定義したとおりである。]
【0042】
一般に、a)固相結合型アミン(ここに、式(II)の化合物中のXはNHである)またはアルコール(ここに、式(II)の化合物中のXはOHである)と式(x)の化合物およびカップリング剤を反応させて、固相に結合した式(xi)の化合物を製造し;b)R15が保護基である具体例において、該固相結合型化合物を脱保護して、式(xi)の化合物を調製し;c)式(xi)の固相結合型化合物を式(xii)のアルコールでアルキル化して、式(xiii)の固相結合型化合物を製造し;d)式(xiii)の固相結合型化合物を式(xiv)の化合物と反応させて、式(xv)の固相結合型化合物を製造し;次いで、e)還元的アミノ化条件下、式(xv)の固相結合型化合物を式(xvi)の化合物と反応させて、式(II)の固相結合型化合物を製造することによって、反応が進行する。該工程は、所望により、さらに、弱酸での処理のような慣用的な技術を用いて、式(II)の固相結合型化合物を固相から解離する工程を含んでいてもよい。
【0043】
式(II)の化合物は、商業上入手可能であるか、または欧州特許第303,742号に記載のような慣用的な技術を用いて調製することができる。
一の好ましい具体例において、本発明のLXRアゴニストは、式(II)の化合物、より好ましくは、式(IIa)の化合物に関する。
【0044】
式(III):
【化7】

【0045】
[式中:
Xは、C−Cアルキル、ハロ、−OR10、−NR1415、ニトロ、シアノ、−COOR10、−COR13、−OCOR13、−CONR1415、−N(R17)COR13、−N(R17)CONR1415、−N(R17)COOR13、−SOH、−SONR1415、−C(=NR17)NR1415、−N(R17)SO16および5または6−員の複素環式基から選択されるか;または
Xおよび隣接するRは、それらが結合している原子と一緒になって、アルキレンジオキシ基を形成し;
Zは、CH、CRまたはNであり、ここに、ZがCHまたはCRである場合、kは0−4であって、tは0または1であり、ZがNである場合、kは0−3であって、tは0であり;
Yは、−O−、−S−、−N(R10)−および−C(R)(R)−から選択され;
【0046】
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールおよびHetから選択され、ここに、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ArおよびHetは、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)から独立して選択される1以上の基で置換されていてもよく;
【0047】
は、H、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OCONR1112、−C−Cアルキル−NR11CONR1112、−C−Cアルキル−NR11COR13、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され、ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよく、ここに、該−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−CシクロアルキルのC−Cシクロアルキル、ArおよびHet部分は、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)から独立して選択される1以上の基で置換されていてもよく;
【0048】
は、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OCONR1112、−C−Cアルキル−NR11CONR1112、−C−Cアルキル−NR11COR13、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)からなる群から選択され;
【0049】
Qは、C−Cシクロアルキル、ArおよびHetから選択され;ここに、該C−Cシクロアルキル、ArおよびHetは、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)から独立して選択される1以上の基で置換されていてもよく;
【0050】
pは、0−8であり;
nは、2−8であり;
mは、0または1であり;
qは、0または1であり;
tは、0または1であり;
【0051】
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、3−5員の炭素環式または複素環式環を形成し、ここに、該複素環式環は、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有し、ここに、該C−Cアルキルはいずれも、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよく;
【0052】
各Rは、同一または異なって、独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよい)から選択され;
【0053】
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
【0054】
10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
各R11および各R12は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択されるか、またはR11およびR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから選択される1以上の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい4−7員複素環を形成し;
13は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
【0055】
14およびR15は各々、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−O−Ar、−C−Cアルキル−O−Het、−C−Cアルキル−O−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−S(O)−C−Cアルキル、−C−Cアルキル−S(O)−Ar、−C−Cアルキル−S(O)−Het、−C−Cアルキル−S(O)−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−NH−Het、−C−Cアルキル−NH−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−N(C−Cアルキル)−Ar、−C−Cアルキル−N(C−Cアルキル)−Het、−C−Cアルキル−N(C−Cアルキル)−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル(ここに、xは、0、1または2である)から選択されるか、またはR14およびR15は、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから選択される1以上の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい4−7員複素環式環を形成し、ここに、該C−Cアルキルは、ハロ、−OH、−SH、−NH、−NH(非置換C−Cアルキル)、−N(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、非置換の−OC−Cアルキル、−COH、−CO(非置換C−Cアルキル)、−CONH、−CONH(非置換C−Cアルキル)、−CON(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、−SOH、−SONH、−SONH(非置換C−Cアルキル)および−SON(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)からなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよく;
【0056】
16は、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Arまたは−C−Cアルキル−Hetであり;および
17は、H、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Arまたは−C−Cアルキル−Hetである]
の化合物は、各々、2002年3月27日に出願された米国仮出願番号第09/368,427号、第60/368,425号および60/368,426号に記載されている。
【0057】
式(IV):
【化8】

【0058】
[式中:
Xは、CHまたはNであり;
Yは、N(R10)、OまたはSであり、ここに、YがN(R10)またはOである場合、tは0または1であり、YがSである場合、tは0であり;
Uは、ハロ、−OR10、−NR1415、ニトロ、シアノ、−COOR10、−COR13、−OCOR13、−CONR1415、−N(R14)COR13、−SOH、−SONR1415、−C(=NR17)NR1415、−N(R14)SO16および5または6−員複素環式基から選択され;
Aは、フェニル縮合環基またはピリジル縮合環基であり、ここに、Aがフェニル環基である場合、kは0−3であって、tは0または1であり、Aがピリジル環基である場合、kは0−2であって、tは0であり;
【0059】
は、C−Cシクロアルキル、アリールおよびHetから選択され、ここに、該C−Cシクロアルキル、ArおよびHetは、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)から独立して選択される1以上の基で置換されていてもよく;
【0060】
は、H、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OCONR1112、−C−Cアルキル−NR11CONR1112、−C−Cアルキル−NR11COR13、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され、ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよく、ここに、該−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−CシクロアルキルのC−Cシクロアルキル、ArおよびHet部分は、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)から独立して選択される1以上の基で置換されていてもよく;
【0061】
は、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OCONR1112、−C−Cアルキル−NR11CONR1112、−C−Cアルキル−NR11COR13、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルからなる群から選択され、ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよく;
【0062】
Qは、C−Cシクロアルキル、ArおよびHetから選択され;ここに、該C−Cシクロアルキル、ArおよびHetは、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13(ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基で置換されていてもよい)から独立して選択される1以上の基で置換されていてもよく;
【0063】
pは、0−8であり;
nは、2−8であり;
mは、0または1であり;
qは、0または1であり;
tは、0または1であり;
【0064】
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、3−5員の炭素環式または複素環式環を形成し、ここに、該複素環式環は、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有し、ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよく;
【0065】
各Rは、同一または異なって、独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−CO10、−C−Cアルキル−C(O)SR10、−C−Cアルキル−CONR1112、−C−Cアルキル−COR13、−C−Cアルキル−NR1112、−C−Cアルキル−SR10、−C−Cアルキル−OR10、−C−Cアルキル−SOH、−C−Cアルキル−SONR1112、−C−Cアルキル−SO10、−C−Cアルキル−SOR13、−C−Cアルキル−OCOR13、−C−Cアルキル−OC(O)NR1112、−C−Cアルキル−OC(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)OR13、−C−Cアルキル−NR11C(O)NR1112および−C−Cアルキル−NR11COR13から選択され、ここに、該C−Cアルキルは、非置換であってもよく、または1以上のハロ置換基によって置換されていてもよく;
【0066】
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
およびRは各々、独立して、H、ハロ、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−Arおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
【0067】
各R11および各R12は、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択されるか、またはR11およびR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから選択される1以上の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい4−7員複素環式環を形成し;
13は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキルから選択され;
【0068】
14およびR15は各々、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Het、−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−O−Ar、−C−Cアルキル−O−Het、−C−Cアルキル−O−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−S(O)−C−Cアルキル、−C−Cアルキル−S(O)−Ar、−C−Cアルキル−S(O)−Het、−C−Cアルキル−S(O)−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−NH−Ar、−C−Cアルキル−NH−Het、−C−Cアルキル−NH−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−N(C−Cアルキル)−Ar、−C−Cアルキル−N(C−Cアルキル)−Het、−C−Cアルキル−N(C−Cアルキル)−C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキル−Ar、−C−Cアルキル−Hetおよび−C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル(ここに、xは0、1または2である)から選択されるか、またはR14およびR15は、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから選択される1以上の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい4−7員複素環式環を形成し、ここに、該C−Cアルキルは、ハロ、−OH、−SH、−NH、−NH(非置換C−Cアルキル)、−N(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、非置換の−OC−Cアルキル、−COH、−CO(非置換C−Cアルキル)、−CONH、−CONH(非置換C−Cアルキル)、−CON(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、−SOH、−SONH、−SONH(非置換C−Cアルキル)および−SON(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
【0069】
16は、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Arまたは−C−Cアルキル−Hetであり;および
17は、H、C−Cアルキル、−C−Cアルキル−Arまたは−C−Cアルキル−Hetである]
の化合物は、2002年3月27日に出願された米国仮出願番号第60/368,415号に記載されている。
【0070】
別記しないかぎり、式(III)および(IV)の化合物において、各アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはHet(いずれの3−5−員、4−7−員または5−7−員炭素環式または複素環式環もしくは環基も包含する)は、独立して、非置換であるか、または下記の1以上の置換基で置換されている。
【0071】
式(IV)の化合物において、A基は、フェニルまたはピリジル縮合環基として定義され、下記:
基A縮合環基:
【化9】

によって例示される。
【0072】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、「アルキル」なる語は、別記しないかぎり、非置換または1以上の下記の置換基で置換されていてもよい、1〜10個の炭素原子を含有している直鎖または分枝鎖飽和炭化水素を示す。例示的アルキルは、限定するものではないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチルおよびヘキシルならびにその構造異性体を包含する。ここで、いずれの「アルキル」も、ハロ、−OH、−SH、−NH、−NH(非置換C−Cアルキル)、−N(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、非置換−OC−Cアルキルおよび−COHからなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0073】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される別の置換基の用語と組み合わせる場合(例えば、−アルキル−Arまたは−アルキル−シクロアルキルにおけるようなアリールまたはシクロアルキル)、その「アルキル」なる語は、アルキレン基、すなわち、別記しないかぎり、1〜10個の炭素原子を含有している非置換の二価の直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を示す。例えば、「−C−Cアルキル−Ar」なる語は、Cが1〜6個である場合、−アルキル−アリール基(例えば、−CH−アリールまたは−CH(CH)−アリール)を意味することが意図され、ベンジル基に存在する結合配置によって示される。−C−Cアルキル−Arまたは−O−(C−Cアルキル)−Arのような基における「Cアルキル」なる語は、該基においてアルキル/アルキレン基が存在しない場合を規定する。かくして、Cが0の場合、−C−Cアルキル−Arは、−Arと等しく、−O−(C−Cアルキル)−Arは、−O−Arと等しい。
【0074】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、「アルケニル」なる語は、別記しないかぎり、2〜10個の炭素原子を含有し、1以上の炭素−炭素二重結合を含有している直鎖または分枝鎖炭化水素を示す。アルケニル基は、非置換であってもよく、または1以上の下記の置換基によって置換されていてもよい。例示的アルケニルは、限定するものではないが、エテニル、1―プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブテニル、ブタジエニル、ペンテニルおよびヘキセニルならびにその構造異性体を包含する。式(III)または(IV)の化合物に存在しうる各二重結合のシス(Z)およびトランス(E)異性体の両方が、該定義の範囲内に包含される。ここに、いずれの「アルケニル」も、ハロ、−OH、−SH、−NH、−NH(非置換C−Cアルキル)、−N(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、非置換の−OC−Cアルキルおよび−COHからなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0075】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、「アルキニル」なる語は、別記しないかぎり、2〜10個の炭素原子を含有し、1以上の炭素−炭素三重結合を含有し、所望により、1以上の炭素−炭素二重結合を含有している直鎖または分枝鎖炭化水素を示す。式(III)または(IV)の化合物に存在しうる各二重結合のシス(Z)およびトランス(E)異性体の両方が、該定義の範囲内に包含される。例示的アルキニルは、限定するものではないが、エチニル、プロピニル(プロパルギル、イソプロピニル)、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルならびにその構造異性体を包含する。ここに、いずれの「アルキニル」も、ハロ、−OH、−SH、−NH、−NH(非置換C−Cアルキル)、−N(非置換C−Cアルキル)(非置換C−Cアルキル)、非置換の−OC−Cアルキル、および−COHからなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0076】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、アルケニルまたはアルキニル基が酸素、窒素または硫黄原子上の置換基(例えば、オキシ(−OR)、チオ(−SR)、エステル(−CORまたは−C(O)SR)、アミノ(−NRR)またはアミド(−CONRR)基などにおけるような置換基)である場合、該アルケニルまたはアルキニル基の二重または三重結合は、酸素、窒素または硫黄原子に対してα、βに位置する炭素上に配置されることはない。エン−アミノまたはエノール−型基(−NR−CR=CR−または−O−CR=CR−)を含有する化合物は、式(III)または(IV)の化合物の定義の範囲内に包含されることが意図されていない。
【0077】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、「シクロアルキル」なる語は、非置換または下記の1以上の置換基によって置換されていてもよく、かつ、飽和または部分的不飽和であってもよい、3〜10個の炭素原子を含有している非芳香族単環式、二環式または三環式炭化水素を示す。例示的シクロアルキルは、3−7個、好ましくは、3−6個の炭素原子を有する単環式環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルを包含する。ここに、いずれの「シクロアルキル」も、ハロ、シアノ、C−Cアルキル(特に、C−Cハロアルキル、−C−Cアルキル−OH、−C−Cアルキル−SHおよび−C−Cアルキル−NR’R’’を包含する)、C−Cアルケニル、オキソ、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−CONR’R’’、−OC−Cアルキル−COH、−OC−Cアルキル−NR’R’’および−C−Cアルキル−SONR’R’’(ここに、R’およびR’’は各々、独立して、Hまたは非置換C−Cアルキルから選択される)からなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0078】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、「Ar」または「アリール」なる語は、全ての場合において交換可能に使用され、置換または非置換であってもよい別の炭素環式芳香族基またはシクロアルキル基部分に縮合していてもよい、置換または非置換の炭素環式芳香族記を意味する。適当なArまたはアリール基の例は、フェニル、ナフチル、インデニル、1−オキソ−1H−インデニルおよびテトラヒドロナフチルを包含する。ここで、いずれの「Ar」、「アリール」または「フェニル」も、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、C−Cアルキル(特に、C−Cハロアルキル、−C−Cアルキル−OH、−C−Cアルキル−SHおよび−C−Cアルキル−NR’R’’を包含する)、C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−CONR’R’’、−OC−Cアルキル−COH、−OC−Cアルキル−NR’R’’、−C−Cアルキル−C(=NR’)NR’R’’、および−C−Cアルキル−SONR’R’’(ここに、R’およびR’’は各々、独立して、Hまたは非置換C−Cアルキルから選択される)からなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0079】
式(III)または(IV)の化合物を定義するために使用される場合、「Het」なる語は、安定な5−ないし7−員単環式、安定な7−ないし10−員二環式、または安定な11−ないし18−員三環式複素環式基であって、その全てが、飽和、不飽和または芳香族性であってもよく、炭素原子ならびにN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子からなる基を意味し、それは、1以上の縮合したシクロアルキル、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール(芳香族Het)環基を含有する二環式および三環式環を包含する。ここで使用される場合、「Het」なる語は、また、窒素および/または硫黄を含有する複素環式基であって、該窒素または硫黄ヘテロ原子が酸化されていてもよく、または該窒素ヘテロ原子が四級化されていてもよい基を包含することが意図される。該複素環式基は、安定な構造の形成をもたらすいずれのヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよい。ここで、いずれの「Het」も、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、C−Cアルキル(特に、C−Cハロアルキル、−C−Cアルキル−OH、−C−Cアルキル−SHおよび−C−Cアルキル−NR’R’’を包含する)、C−Cアルケニル、オキソ、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−CONR’R’’、−OC−Cアルキル−COH、−OC−Cアルキル−NR’R’’、−C−Cアルキル−C(=NR’)NR’R’’および−C−Cアルキル−SONR’R’’(ここに、R’およびR’’は各々、独立して、Hまたは非置換C−Cアルキルから選択される)からなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0080】
かかる複素環式基の例は、限定するものではないが、ルーチンな化学合成によって入手可能であり、かつ、安定であるピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼパニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル(例えば、メチレンジオキシ−置換フェニル)、1,4−ベンゾジオキソリル、キヌクリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾキサゾリル、フリル、ピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロインドリル、テトラゾリル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、およびオキサジアゾリル、ならびにトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびトリアジニルを包含する。
【0081】
式(III)または(IV)の化合物において有用な4−7員の複素環式環の例は、限定するものではないが、ルーチンな化学合成によって入手可能であり、かつ、安定であるアゼチジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、アゼパニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリル、フリル、ピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、テトラゾリル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、およびオキサジアゾリル、ならびにトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびトリアジニルを包含する。該4−7員の複素環式基は、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、C−Cアルキル(特に、C−Cハロアルキル、−C−Cアルキル−OH、−C−Cアルキル−SHおよび−C−Cアルキル−NR’R’’を包含する)、C−Cアルケニル、オキソ、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−CONR’R’’、−OC−Cアルキル−COH、−OC−Cアルキル−NR’R’’、−C−Cアルキル−C(=NR’)NR’R’’および−C−Cアルキル−SONR’R’’(ここに、R’およびR’’は各々、独立して、Hまたは非置換C−Cアルキルから選択される)からなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0082】
5または6員の複素環式基の例は、限定するものではないが、ルーチンな化学合成によって入手可能であり、かつ、安定であるピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリル、フリル、ピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、テトラゾリル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、およびオキサジアゾリル、ならびにトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびトリアジニルを包含する。該5−6員複素環式基は、安定な構造の形成をもたらすいずれのヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよい。該5−6員複素環式基は、非置換であってもよく、またはハロ、シアノ、C−Cアルキル(特に、C−Cハロアルキル、−C−Cアルキル−OH、−C−Cアルキル−SHおよび−C−Cアルキル−NR’R’’を包含する)、C−Cアルケニル、オキソ、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−COR’、−C−Cアルキル−CONR’R’’、−OC−Cアルキル−COH、−OC−Cアルキル−NR’R’’、−C−Cアルキル−C(=NR’)NR’R’’および−C−Cアルキル−SONR’R’’(ここに、R’およびR’’は各々、独立して、Hまたは非置換C−Cアルキルから選択される)からなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0083】
式(III)および(IV)の化合物において、「ハロゲン」および「ハロ」なる語は、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨード置換基を示し、「アルコキシ」なる語は、−ORa基(ここに、Raはアルキル基であり、ここに、アルキルは上記のとおりである)を意味することが意図され、但し、−O−Cアルキルは、ハロおよび−COHからなる群から独立して選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい(例えば、アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等を包含する)。「フェノキシ」なる語は、−ORar基(ここに、Rarはフェニル基である)を意味することが意図され;「アセトキシ」なる語は、−O−C(=O)−メチル基を意味することが意図され;「ベンゾイルオキシ」なる語は、−O−C(=O)−フェニル基を意味することが意図され;および「オキソ」なる語は、ケト二端遊離基=O、例えば、ピロリジン−2−オン環上に存在するような基を意味することが意図される。
【0084】
式(III)の化合物の調製法は:
(a)式:HY’−(CR−L[式中、Y’は−O−、−S−、−NHまたは保護された−NHであり、Lは脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)であるか、または脱離基に変換する基(例えば、アルコール)である]を有するアルコールを式:
【化10】

[式中、Xは、保護されたカルボン酸基である]
を有するアルコールと反応させて、式:
【化11】

を有する化合物を形成させ;
(b)工程(a)で形成させた化合物を式
【化12】

を有する第2級アミンと反応させて、式:
【化13】

を有する化合物を形成させ;
(c)該保護されたカルボン酸基を所望のアミド基に変換させ;次いで
(d)所望により、工程(b)で形成させた化合物をそのN−オキシドに酸化させてもよい工程を含む。
【0085】
式(III)の化合物の別の調製法は:
(a)式:R’O−(CRn−1−CC−H(式中、R’はヒドロキシル保護基である)を有するアセチレンを式
【化14】

[式中、Xは、保護されたカルボン酸基であり、Haloは、ブロモまたはヨードである]
を有するハロゲン含有芳香族化合物と、触媒の存在下で反応させて、式:
【化15】

を有する化合物を形成させ;
(b)工程(a)で形成させた化合物を還元し、該保護されたヒドロキシル基を脱離基L、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)に変換させて、式:
【化16】

を有する化合物を形成させ;
(c)工程(b)で形成させた化合物を式:
【化17】

を有するアミンと反応させて、式:
【化18】

を有する化合物を形成させ;
(d)該保護されたカルボン酸基を所望のアミド基に変換させ;次いで、
(e)所望により、工程(b)で形成させた化合物をそのN−オキシドに酸化させてもよい工程を含む。
【0086】
式(III)の化合物の別の調製法は:
(a)式:L’−(CR−L[式中、L’およびLは、同一または異なっていてもよい脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)である]
を有するアルコールを式:
【化19】

[式中、Y’は、−O−、−S−または−NH−であり、Xは、上記のとおりであるか、またはその保護形態である]
を有する化合物と反応させて、式:
【化20】

を有する化合物を形成させ;
(b)工程(a)で形成させた化合物を式
【化21】

を有する第二級アミンと反応させて、式:
【化22】

を有する化合物を形成させ;
(c)いずれかの保護基を除去し;次いで
(d)所望により、工程(b)または(c)で形成させた化合物をそのN−オキシドに酸化してもよい工程を含む。
【0087】
式(III)の化合物の別の調製法は:
(a)式:
【化23】

[式中、Y’は、−O−、−S−または−NH−であり、R’は、−OH、−SHまたは−NHに適当な保護基である]
を有する化合物をヒドラジドまたはアジドと反応させて、式:
【化24】

を有する複素環含有化合物を形成させ;
(b)所望により、該複素環式基のNH部分を保護基で保護し、次いで、R’保護基を除去し;
(c)工程(b)で形成させた化合物を式:L’−(CR−L[式中、L’およびLは、同一または異なっていてもよい脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)である]を有する化合物と反応させて、式:
【化25】

[式中、Pは、任意の保護基またはHである]
を有する化合物を形成させ;
(d)工程(c)で形成させた化合物を式:
【化26】

を有するアミンと反応させて、構造式:
【化27】

を有する化合物を形成させ;次いで
(e)いずれの保護基も除去する工程を含む。
【0088】
式(III)の化合物の別の調製法は:
(a)式:R’O−(CRn−1−CC−H(式中、R’は、ヒドロキシル保護基である)を有するアセチレンを式
【化28】

[式中、Haloは、ブロモまたはヨードを示す]
を有するハロゲン含有芳香族化合物と、触媒の存在下で反応させて、式:
【化29】

を有する化合物を形成させ;
(b)工程(a)で形成させた化合物を還元し、該保護されたヒドロキシル基を脱離基L、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)に変換させて、式:
【化30】

を有する化合物を形成させ;
(c)工程(b)で形成させた化合物を式:
【化31】

を有するアミンと反応させて、式:
【化32】

を有する化合物を形成させ;
(d)いずれの保護基も除去し;次いで
(e)所望により、工程(c)または(d)で形成させた化合物をそのN−オキシドに酸化してもよい工程を含む。
【0089】
式(III)の別の調製法は:
(a)式:HO−(CR−L[式中、Lは、脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)である]を有するアルコールを式:
【化33】

を有するフェノールと反応させて、式:
【化34】

を有するアリールエーテルを形成させ;
(b)式
【化35】

を有するアミンを式Q−CHOを有するアルデヒドまたはケトンと反応させて、式:
【化36】

を有する第二級アミンを形成させ;
(c)工程(a)で形成させたエーテルを工程(b)で形成させた第二級アミンと反応させて、式:
【化37】

を有する本発明の化合物を形成させ;
(d)R10がH以外の場合、所望により、工程(c)で形成させた化合物をR10がHである本発明の化合物に変換させてもよい工程を含む。
【0090】
式(III)の化合物の別の調製法は:
(a)式:HO−(CR−L[式中、Lは、脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)である]を有するアルコールを式:
【化38】

を有するアミンと反応させて、式:
【化39】

を有する第三級アミンを形成させ;
(b)工程(a)で形成させた第三級アミンを式:
【化40】

を有するフェノールと反応させて、式:
【化41】

を有する本発明の化合物を形成させ;
(c)R10がH以外の場合、所望により、工程(b)で形成させた化合物をR10がHである本発明の化合物に変換させてもよい工程を含む。
【0091】
式(III)の化合物の別の調製法は:
(a)式:HO−(CR−L[式中、Lは、脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)またはスルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)である]を有するアルコールを式:
【化42】

を有するフェノールと反応させて、式:
【化43】

を有するエーテル−アルコールを形成させ;
(b)工程(a)で形成させたエーテル−アルコールのアルコール部分をL’[ここに、L’は、脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)である]に変換させ、次いで、得られた化合物を式:
【化44】

を有するアミンで処理して、式:
【化45】

を有する本発明の化合物を形成させ;
(c)R10がH以外の場合、所望により、工程(b)で形成させた化合物をR10がHである本発明の化合物に変換させてもよい工程を含む。
【0092】
式(IV)の化合物の調製法は:
(a)式:を有するアセチレンを式:
【化46】

[式中、Haloは、ヨードまたはブロモから選択されるハロゲンである]
を有するフェノールと、金属触媒の存在下でカップリングさせて、式:
【化47】

を有するアリール−アルコールを形成させ;
(b)工程(a)で形成させたアリール−アルコールのアルコール部分をL’[ここに、L’は、脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)、または脱離基に変換される基(例えば、アルコール)である]に変換させ、次いで、得られた化合物を式:
【化48】

を有するアミンで処理して、式(IV)の化合物を形成させ;
(c)所望により、工程(b)由来の式(IV)の化合物を式(IV)の別の化合物に変換してもよく;次いで
(d)所望により、工程(c)で形成させた化合物をそのN−オキシドに酸化してもよい工程を含む。
【0093】
別法では、式(IV)の化合物は、
(a)式:を有するアセチレンを式:
【化49】

[式中、Haloは、ヨードまたはブロモから選択されるハロゲンである]
を有するフェノールと、金属触媒の存在下でカップリングさせて、式:
【化50】

を有するアリール−アルコールを形成させ;
(b)工程(a)で形成させたアリール−アルコールのアルコール部分をL’[ここに、L’は、脱離基、例えば、ハロゲン(ヨウ化物、臭化物または塩化物)またはスルホネート(トシラート、メシラート、トリフラートなど)である]に変換させ、次いで、得られた化合物をアジ化ナトリウムで処理し、次いで、パラジウム触媒の存在下で水素化して、式:
【化51】

を有する第一級アミンを形成させ;
(c)該第一級アミンを還元剤の存在下、第一アルデヒドで処理して、第二級アミンを形成させ、該第二級アミンを還元剤の存在下、第二アルデヒドで処理して、式(IV):
【化52】

の化合物を形成させ;
(d)所望により、工程(b)由来の式(IV)の化合物を式(IV)の別の化合物に変換し;次いで
(e)所望により、工程(b)または(c)で形成させた化合物をそのN−オキシドに酸化させてもよい工程によって調製されうる。
【0094】
国際特許出願第WO 01/41704号(Merck & Co., Inc.)は、LXRのアゴニストであるとして、式(V)
【化53】

の化合物を、およびアテローム性動脈硬化症および関連疾患を予防および治療するための医薬処方におけるその使用を開示する。
【0095】
他のLXRアゴニストは、上記の特許出願において記載されたようなアッセイ、例えば、PCT/US01/27622の実施例1および2に記載のアッセイによって同定されうる。ビオチン化LXRβ蛋白質をアッセイバッファー(50mM KCl,50mM Tris−pH8,0.1mg/ml FAF−BSA,10mM DTT)中、25nM濃度で、等モル量のストレプトアビジン−AlloPhycoCyanin(APC, Molecular Probes)と共に20−25分間インキュベートした。同時に、SRC−1のアミノ酸675−699(CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS−CONH2)(配列番号5)を含むビオチン化ペプチドを25nM濃度で、アッセイバッファー中、1/2モル量のストレプトアビジン標識したユーロピウム(Wallac)と共に20−25分間インキュベートした。最初のインキュベーション完了後、10モル過剰(250nM)の冷ビオチンを各溶液に加えて、非結合ストレプトアビジン試薬をブロックした。室温で20分後、溶液を混合して、色素標識化LXRβ蛋白質およびSRC−1ペプチドについて12.5nMの濃度を得た。80μLの蛋白質/ペプチド混合物を、20μLの試験化合物を含有しているアッセイプレートの各ウェルに加えた。各ウェルの最終容量は0.1mLであり、各ウェルにおける色素標識化蛋白質およびペプチドについての濃度は10nMであった。最終的な試験化合物濃度は、56pM〜10μMであった。該プレートを暗所において、室温で4−12時間インキュベートし、次いで、Wallac Victor蛍光プレートリーダー上でカウントした。該アッセイにおいて、1μMの24(S),25−エポキシコレステロールは、10000蛍光単位の背景測定値を越える20000蛍光単位の測定値を与えた。LXRαについてのアッセイは、his−タグ付加LXRαリガンド結合ドメイン(Genbank受入番号U22662のアミノ酸183−447,14番目のアミノ酸のRからAへの修正を伴う)を用いる上記の手法にしたがって行った。
【0096】
適当な医薬上許容される塩は、適当な酸由来の塩、例えば、酸付加塩、または塩基由来の塩を包含する。
適当な医薬上許容される塩は、金属塩、例えば、アルミニウム、アルカリ金属塩、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウムおよびアンモニウムまたは置換アンモニウム塩、例えば、トリエチルアミンのような低級アルキルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミンのようなヒドロキアルキルアミン、ビシクロヘキシルアミンのようなシクロアルキルアミンとの塩、またはプロカイン、ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−b−フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミンまたはピリジン、コリジン、キニンもしくはキノリンのようなピリジン型の塩基との塩を包含する。
【0097】
適当な酸付加塩は、医薬上許容される無機塩、例えば、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ホウ酸塩、塩酸塩および臭化水素酸塩、および医薬上許容される有機酸付加塩、例えば、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、メタン−スルホン酸塩、a−ケトグルタル酸塩およびa−グリセロ燐酸塩を包含する。
【0098】
本明細書で言及するLXRアゴニストは、好都合には、それらが開示されている上記の特許公報において開示された方法にしたがって調製される。
LXRアゴニストの塩および/または溶媒和物は、慣用的な方法、例えば、上記の特許公報に開示される方法にしたがって、調製および単離されうる。
上記の方法において、LXRアゴニストは、それ自体を投与してもよく、または好ましくは、医薬上許容される担体を含む医薬組成物/処方として投与してもよい。
本発明の治療において、本明細書に記載のLXRアゴニストは、上記の特許出願および特許に開示される方法にしたがって、処方および投与される。
【0099】
本明細書中で使用される場合、「医薬上許容される」なる語は、ヒトおよび獣医学の両方の使用のための化合物、組成物および成分を包含し、例えば、「医薬上許容される塩」なる語は、獣医学的に許容される塩を包含する。
本発明の好ましい「哺乳動物」は、ヒトである。
該組成物は、所望により、手書きまたは印刷された使用指示書を伴うパックの形態であってもよい。
【0100】
通常、本発明の医薬組成物は、経口投与に適応させるが、他の経路、例えば、注射、浣腸、結腸鏡注入、内視鏡または挿管による小腸への注入、および経皮吸収によって投与されるための組成物も考えられる。
経口投与に特に適当な組成物は、錠剤およびカプセルなどの単位投与形態である。他の固定された単位投与形態、例えば、サッシェ中で提供される粉末もまた、使用されうる。
【0101】
慣用的な製薬実施にしたがって、担体は、希釈剤、増量剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、着色料、風味剤または他の慣用的な佐剤を含んでいてもよい。
典型的な担体は、例えば、微結晶セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムまたはシュークロースを包含する。
【0102】
固形経口組成物は、慣用的な混合、充填または錠剤成形方法によって調製されうる。反復混合操作を用いて、大量の増量剤を用いて活性成分を該組成物中に分布させてもよい。かかる操作は、もちろん、当該分野で慣用である。錠剤は、通常の製薬実施においてよく知られた方法にしたがって、特に腸溶性コーティングを用いて、被覆してもよい。
【0103】
経口液体製剤は、例えば、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、または使用前に、水または他の適当なビヒクルで復元するための乾燥品として提供されてもよい。かかる液体製剤は、慣用的な添加剤、例えば、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素添加食用油脂;乳化剤、例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアラビアゴム;非水性ビヒクル(食用油を包含しうる)、例えば、アーモンド油、分別ヤシ油、油性エステル、例えば、グリセリンのエステル、プロピレングリコール、またはエチルアルコール;保存料、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸;および所望により、慣用的な風味剤または着色料を含有していてもよい。
【0104】
IBDを治療または予防するためには、薬物を大腸に送達する医薬組成物(処方)が特に好ましい。例えば、該経口処方は、腸溶性コーティングを有するプロドラッグを包含する。該プロドラッグ処方は、薬物を放出するために、生物学的環境内で、自発的または酵素的な形質転換を必要としていてもよい。プロドラッグからの薬物の放出は、腸溶性ポリマー、微生物によって分解可能なポリマー(アゾポリマー)または多糖類と一緒に、pH感受性ポリマー、親水性または疎水性ポリマーで被覆された処方によって達成されることができる。大腸を標的としたドラッグデリバリー系に対する種々の医薬的アプローチは、M.K. ChourasiaおよびS.K. Jainによって、J Pharm Pharmaceut Sci 6(1): 33-66, 2003においてよく記載されている。
【0105】
非経口投与の場合、流体単位投与形態は、化合物および滅菌ビヒクルを用いて調製され、使用される濃度にもよるが、ビヒクル中に懸濁または溶解することができる。溶液を調製する場合、化合物を注射用水に溶解し、適当なバイアルまたはアンプル中に充填および密封する前に、フィルター滅菌することができる。有利には、局所麻酔剤、保存料および緩衝化剤などの佐剤を該ビヒクル中に溶解することができる。安定性を増加するために、該組成物をバイアル中に充填後に冷凍し、真空下で水を除去することができる。非経口懸濁液は、化合物をビヒクル中に溶解する代わりに懸濁させ、次いで、滅菌がろ過によって達成できないことを除き、実質的に同じ方法で調製される。化合物は、滅菌ビヒクル中に懸濁する前に、エチレンオキシドに曝露することによって滅菌することができる。有利には、化合物の一様な分布を容易にするために、界面活性剤または湿潤剤を組成物中に含ませる。
【0106】
組成物は、投与方法にもよるが、0.1重量%〜99重量%、好ましくは、10〜60重量%の活性成分を含有していればよい。
組成物は、慣用的な方法、例えば、標準的な参考テキスト、例えばthe British and US Pharmacopoeias, Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.),Martindale The Extra Pharmacopoeia(London,The Pharmaceutical Press)およびHarry’s Cosmeticology(Leonard Hill Books)に開示される方法にしたがって処方される。
【0107】
IBDの予防または治療のための本発明のLXRアゴニストの治療上有効量は、典型的に、哺乳動物の年齢および体重、治療を必要としている正確な状態、疾患の重症度、処方の性質および投与経路を包含する多くの因子に依存しうる。最終的には、治療上有効量は、担当の内科医または獣医の裁量によるであろう。
【0108】
典型的には、LXRアゴニスト剤は、1日につき、レシピエント(哺乳動物)の体重1kgあたり0.1〜100mgの範囲、より普通には、1日につき体重1kgあたり1〜30mgの範囲で与えられる。IBDの予防/治療のための許容されるLXRアゴニストの1日の投与量は、約0.1〜約1000mg/日、好ましくは、約0.2〜約100mg/日でありうる。
【0109】
下記の実施例は、単に例示のためにあり、いかなる方法においても、本発明の範囲を限定しようとするものではない。本発明は、添付の請求の範囲によって定義されている。
【実施例】
【0110】
実施例1:2−(3−{3−[[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル](2,2−ジフェニルエチル)アミノ]プロポキシ}−フェニル)酢酸(式IIa)
【化54】

Argogel−MB−OH(6.0g,2.40mmol, Argonaut Technologies)を、50mLの無水ジクロロメタン中における(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)酢酸(5.40g,19.2mmol,欧州特許出願(1987)第EP 87−303742 19870428号)の溶液で処理し、次いで、ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.16g,19.2mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(2.50g,19.2mmol)で処理した。室温で15時間回転後、樹脂をろ過し、ジクロロメタン(2x25mL)、ジメチルホルムアミド(2x25mL)、ジクロロメタン(3x25mL)、メタノール(3x25mL)、ジクロロメタン(3x25mL)およびジエチルエーテル(2x25mL)で連続的に洗浄した。真空(ハウスバキューム(house vacuum))下、40℃にて一晩乾燥後、樹脂をテトラヒドロフラン中における1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(24mL,23.4mmol)で処理し、該混合物を4時間回転させた。樹脂をろ過し、ジクロロメタン(2x25mL)、ジメチルホルムアミド(2x25mL)、ジクロロメタン(3x25mL)、メタノール(3x25mL)およびジクロロメタン(3x25mL)で連続的に洗浄して、脱保護フェノールを得た。該乾燥樹脂を90mLの無水トルエン、次いで、トリフェニルホスフィン(15.8g,60.0mmol)および3−ブロモ−1−プロパノール(8.4g,60.0mmol)で処理した。0℃に冷却時、20mLの無水トルエン中におけるアゾジカルボン酸ジイソプロピル(12.1g,60.0mmol)を滴下した。反応物を室温に温め、15時間攪拌した。樹脂をろ過し、ジクロロメタン(2x50mL)、ジメチルホルムアミド(2x50mL)、ジクロロメタン(3x50mL)、メタノール(2x50mL)およびジクロロメタン(3x50mL)で連続洗浄し、ハウスバキューム下で乾燥させた。該ブロミド官能化樹脂を60mLの無水ジメチルスルホキシド中におけるジフェネチルアミン(25.0g,127mmol)の溶液で処理し、反応物を15時間回転させた。樹脂をろ過し、ジクロロメタン(2x50mL)、ジメチルホルムアミド(2x50mL)、ジクロロメタン(3x50mL)、メタノール(3x50mL)およびジクロロメタン(3x50mL)で連続的に洗浄し、ハウスバキューム下、40℃で乾燥させた。該第二級アミン樹脂(5.75g,2.0mmol)をジメチルホルムアミド中における8%酢酸80mL中における2−クロロ−3−トリフルオロメチルベンズアルデヒド(8.32g,40.0mmol)の溶液で処理した。固形トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.5g,40.0mmol)を加え、反応物を15時間回転させた。樹脂をろ過し、ジクロロメタン(2x50mL)、ジメチルホルムアミド(2x50mL)、ジクロロメタン(3x50mL)、メタノール(3x50mL)およびジクロロメタン(3x50mL)で連続的に洗浄し、ハウスバキューム下、50℃で一晩乾燥させた。樹脂結合型生産物を30mLのトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(15/85)で15分間処理し、ろ液を収集した。該切断手法を再び繰り返し、合わせたろ液を減圧下で濃縮した。粗生産物を、メタノール:ジクロロメタン(3:97)で溶出する分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,1mmプレート, Merck20x20cmシリカゲル60 F254)によって精製して、7.0mgの標題化合物(第二級アミン樹脂の理論上の負荷量に基づいて収率5%)の粘性油を得た。
H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 7.42 (d, 1 H, J = 7.6), 7.23-7.10 (m, 12 H), 6.85 (t, 2 H, J = 8.1), 6.63 (s, 1 H), 6.61 (s, 1 H), 4.11 (t, 1 H, J = 7.8), 3.75 (s, 2 H), 3.63 (t, 2 H, J = 6.0), 3.59 (s, 2 H), 2.12 (d, 2 H, J = 7.8), 2.67 (t, 2 H, J 6.6), 1.81 (tt, 2 H, J=6.2); MS (ESP+) m/e 582 (MH+); TLC (EtOAc:ヘキサン/1:1) Rf =0.58.
【0111】
実施例2
大腸炎の誘導
雌の10週齢BALB/cマウス(Charles River Japan)を該研究に用いた。大腸炎は、3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS、ICN Biomedicals Inc., M.W.=36,000-50,000)を含有する飲料水を5日間与えることによって誘導された。DSSの投与は、5日目に停止され、マウスは水道水のみを12日目まで7日間与えられた。
【0112】
大腸炎の評価
疾患活動性指標(DAI)は、全動物において、Murthy, S.N.S. (Digestive Diseases and Sciences, 38(9) p.1722-1734 (1993))によって記載されるように、体重、便のかたさ、および直腸出血を採点することによって決定された。採点方法を表1に示す。大腸炎の重症度は、3日〜7日(AUC(3−7日))、7日〜10日(AUC(7−10日))、10日〜12日(AUC(10−12日))および0日〜12日(AUC(0−12日))の範囲でのDAI曲線に基づいて計算された曲線下の面積(AUC)によって評価された。
【表1】

DAI=(体重減少、便のかたさおよび出血の合わせたスコア)/3
【0113】
実験計画
10匹のマウスを各群において使用した。化合物IIaおよび化合物Iaを0.5%メチルセルロース(MC)溶液中に懸濁した。化合物IIa3または10または30mg/kgあるいはそのビヒクル(0.5%MC溶液)を1日2回、0日目から12日間経口投与した。50mg/kgの化合物Iaを1日1回、0日目から12日間経口投与した。実験群は、下記のように設定した。
対照
3%DSS+ビヒクル(0.5%MC溶液)
3%DSS+化合物IIa(3mg/kg)
3%DSS+化合物IIa(10mg/kg)
3%DSS+化合物IIa(30mg/kg)
3%DSS+化合物Ia(50mg/kg)
* DSSを含有しない水道水を投与したマウス
【0114】
結果
化合物IIaおよび化合物IaのDSS−誘導性大腸炎に対する影響
化合物IIaおよび化合物IaのDSS−大腸炎に対する影響を表2に示した。化合物IIa(3、10および30mg/kg、p.o.、b.i.d.)は、ビヒクルで処理したDSS−摂取マウスと比べて有意に低いAUC(3mg/kg:AUC(3−7日)、10mg/kg:AUC(3−7日)、AUC(7−10日)およびAUC(0−12日)、30mg/kg:AUC(3−7日)およびAUC(0−12日))によって表されるように、DSS−誘導性大腸炎の重症度を抑制した。化合物Ia(50mg/kg、p.o.、p.d.)は、ビヒクルで処理したDSS−摂取マウスと比べて有意に低いAUC(3−7日)およびAUC(0−12日)によって表されるように、DSS−誘導性大腸炎の重症度を阻害した。
【0115】
【表2】

データは、+/−SEとして表された。n=9−10
3%DSS+ビヒクルと比較して、* p<0.05、** p<0.01、Dunnett試験
【0116】
参考文献

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5. Willy PJ, Umesono K, Ong ES, Evans RM, Heyman RA, Mangelsdorf DJ. 「LXR、別個のレチノイド応答経路を明らかにする核受容体(LXR, a nuclear receptor that defines a distinct retinoid response pathway)」, Genes Dev 1995;9(9):1033-45

6. Peet DJ, Turley SD, Ma W, Janowski BA, Lobaccaro JM, Hammer RE, et al. 「コレステロールおよび胆汁酸代謝は、核オキシステロール受容体LXRアルファを欠くマウスにおいて損なわれる(Cholesterol and bile acid metabolism are impaired in mice lacking the nuclear oxysterol receptor LXR alpha)」、Cell 1998;93(5):693-704

7. Luo Y, Tall AR. 「LXRエレメントによるイン・ビトロおよびトランスジェニックマウスにおけるヒトCETP発現のステロール・アップレギュレーション(Sterol upregulation of human CETP expression in vitro and in transgenic mice by an LXR element)」、 J Clin Invest 2000;105(4):513-20
22

8. Repa JJ, Liang G, Ou J, Bashmakov Y, Lobaccaro JM, Shimomura I, et al. 「オキシステロール受容体、LXRアルファおよびLXRベータによるマウスステロール調節エレメント−結合性蛋白質1c遺伝子(SREBP−1c)の調節(Regulation of mouse sterol regulatory element-binding protein-1c gene (SREBP-1c) by oxysterol receptors, LXRalpha and LXRbeta)」,Genes Dev 2000;14(22):2819-30

9. Schultz JR, Tu H, Luk A, Repa JJ, Medina JC, Li L, et al. 「脂質生成の調節におけるLXRの役割(Role of LXRs in control of lipogenesis)」,Genes Dev 2000;14(22):2831-8

10. Laffitte BA, Repa JJ, Joseph SB, Wilpitz DC, Kast HR, Mangelsdorf DJ, et al. 「LXRは、マクロファージおよび含脂肪細胞におけるアポリポタンパク質E遺伝子の脂質誘導発現を調節する(LXRs control lipid-inducible expression of the apolipoprotein E gene in macrophages and adipocytes)」,Proc Natl Acad Sci U S A 2001;98(2):507-12

11. Costet P, Luo Y, Wang N, Tall AR. 「肝臓X受容体/レチノイドX受容体によるABC1プロモーターのステロール−依存性転写促進(Sterol-dependent transactivation of the ABC1 promoter by the liver X receptor/retinoid X receptor)」,J Biol Chem 2000;275(36):28240-5

12. Repa JJ, Turley SD, Lobaccaro JA, Medina J, Li L, Lustig K, et al. 「RXRヘテロダイマーによるコレステロールの吸収およびABC1−媒介性流出の調節(Regulation of absorption and ABC1-mediated efflux of cholesterol by RXR heterodimers)」, Science 2000;289(5484):1524-9

13. Venkateswaran A, Repa JJ, Lobaccaro JM, Bronson A, Mangelsdorf DJ, Edwards PA. 「ヒト・ホワイト/ネズミABC8 mRNAレベルは、脂質−負荷マクロファージにおいて大いに誘導される(Human white/murine ABC8 mRNA levels are highly induced in lipid-loaded macrophages)」, A transcriptional role for specific oxysterols. J Biol Chem 2000;275(19):14700-7

14 Venkateswaran A, Laffitte BA, Joseph SB, Mak PA, Wilpitz DC, Edwards PA, et al. 「核オキシステロール受容体LXRアルファによる細胞性コレステロール流出の調節(Control of cellular cholesterol efflux by the nuclear oxysterol receptor LXR alpha)」,Proc Natl Acad Sci U S A 2000;97(22):12097-102

15. Schwartz K, Lawn RM, Wade DP. 「ABC1遺伝子発現およびアポA−I−媒介性コレステロール流出は、LXRによって調節される(ABC1 gene expression and ApoA-I-mediated cholesterol efflux are regulated by LXR)」, Biochem Biophys Res Commun
2000;274(3):794-802

16. Repa JJ, Mangelsdrof DJ 2000,「コレステロール恒常性の調節におけるオーファン核受容体の役割(The role of orphan nuclear receptors in the regulation of cholesterol homeostasis)」, Annu Rev Cell Dev Biol 16:459-481
【0117】
上記の記載は、本発明をどのように実施し、用いるかを十分に開示するものである。しかしながら、本発明は、上記の特定の具体例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲の範囲およびそれらの同等物の範囲内におけるその全ての修飾を包含するものである。当業者は、ルーチンな実験によって、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更および修飾を行いうることを理解するであろう。本明細書中に引用される定期刊行物、特許および他の特許出願への種々の言及は、出典明示により、あたかも完全に示されるかの如く本明細書の一部とされる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】図1は、ジーンバンク(Genebank)受入番号NM 005693由来のヒトLXRαのヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。
【図2】図2は、ジーンバンク(Genebank)受入番号NP 005684由来のヒトLXRαの推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3】図3は、ジーンバンク(Genebank)受入番号XM 046419由来のヒトLXRβのヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。
【図4】図4は、ジーンバンク(Genebank)受入番号XP 046419由来のヒトLXRβの推定アミノ酸配列(配列番号4)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療上有効量のLXRアゴニスト、またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理学上機能的な誘導体を投与することを特徴とする、哺乳動物におけるIBDの治療または予防方法。
【請求項2】
IBDがクローン病、潰瘍性大腸炎、および細菌、虚血、放射、薬物または化学物質によって引き起こされる炎症性大腸炎からなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項3】
LXRアゴニストが式(II):
【化1】

[式中、
Xは、OHまたはNHであり;
pは、0−6であり;
およびRが各々、同一または異なって、それぞれ独立して、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC1−8チオアルキルからなる群から選択され;
Zは、CHまたはNであり;
ZがCHである場合、kは0−4であり;
ZがNである場合、kは0−3であり;
各Rは、同一または異なって、ハロ、−OH、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルオキシ、−S(O)、−NR、−COR、COOR、R10COOR、OR10COOR、CONR、−OC(O)R、−R10NR、−OR10NR、5−6員の複素環、ニトロおよびシアノからなる群から独立して選択され;
aは、0、1または2であり;
は、H、C1−8アルキル、C1−8アルコキシおよびC2−8アルケニルからなる群から選択され;
およびRは各々、同一または異なって、それぞれ独立して、H、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C3−8アルキニルからなる群から選択され;
は、H、C1−8アルキルおよび−NRからなる群から選択され;
10は、C1−8アルキルであり;
nは、2−8であり;
qは、0または1であり;
は、H、C1−8アルキル、C1−8アルケニルおよびアルケニルオキシからなる群から選択され;
環Aは、C3−8シクロアルキル、アリール、4−8員の複素環および5−6員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各環Bは、同一または異なって、C3−8シクロアルキルおよびアリールからなる群から独立して選択される]
で示される化合物である請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
LXRアゴニストが式(IIa)
【化2】

で示される化合物である請求項3記載の方法。
【請求項5】
LXRアゴニストが式(I):
【化3】

[式中、
Arは、アリール基を示し;Rは、−OH、−O−(C−C)アルキル、−OC(O)−(C−C)アルキル、−O−(C−C)ヘテロアルキル、−OC(O)−(C−C)ヘテロアルキル、−COH、−NH、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)または−NH−S(O)−(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアルキル、アリールまたはアリール(C−C)アルキルであり;
、X、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアルキル、FまたはClであり、但し、X〜Xのうちの3個以下がH、(C−C)アルキルまたは(C−C)ヘテロアルキルであり;および
Yは、−N(R12)S(O)−、−N(R12)S(O)N(R13)−、−N(R12)C(O)−、−N(R12)C(O)N(R13)−、−N(R12)C(S)−または−N(R12)C(O)O−であり、ここに、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アリール、(C−C)ヘテロアルキル、アリールまたはアリール(C−C)アルキルであり、Yが−N(R12)S(O)−または−N(R12)S(O)N(R13)−である場合、R12は、ArまたはRに対する共有結合を介して、各々、ArまたはRに縮合した5、6または7員環を形成してもよく、上記Y基において、下付のmは、1〜2の整数である]
で示される化合物である請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
LXRアゴニストが式(Ia):
【化4】

で示される化合物である請求項5記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−500158(P2007−500158A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521514(P2006−521514)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008426
【国際公開番号】WO2005/013946
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】