説明

MASP−2依存性の補体活性化に関連する状態を処置するための方法

1つの態様において、本発明は、生存被験体においてMASP−2依存性の補体の活性化の作用を阻害する方法を提供する。この方法は、MASP−2依存性の補体の活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を、そのような必要がある被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、MASP−2阻害薬剤は、MASP−2媒介性の補体副経路の活性化に関連する細胞の損傷を阻害するが、免疫系の古典(C1q依存性)経路の成分は、損なわれないままである。別の態様において、本発明は、治療有効量のMASP−2阻害薬剤および薬学的に許容可能なキャリアを含む、レクチン依存性の補体の活性化の作用を阻害するための組成物を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
MASP−2依存性の補体活性化を阻害する必要のある被験体においてそのような阻害を行う方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を該被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6を含むポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MASP−2阻害薬剤は、該MASP−2阻害薬剤が補体系において異なる抗原に結合するよりも少なくとも10倍高い親和性で、配列番号6を含むポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6のアミノ酸残基1〜176内の位置において前記ポリペプチドに結合する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6の一部に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記抗体またはそのフラグメントが、モノクローナルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記抗体またはそのフラグメントが、ポリクローナルである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体またはそのフラグメントが、組換え抗体である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体が、低下したエフェクター機能を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が、MASP−2欠損トランスジェニック動物において産生される、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記MASP−2阻害薬剤が、ヒトMASP−2、MASP−2を阻害するヒトMBL、MASP−2を阻害するヒトH−フィコリン、MASP−2を阻害するヒトM−フィコリン、MASP−2を阻害するヒトL−フィコリンおよびMASP−2を阻害するヒトC4からなる群から選択されるポリペプチド由来のペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6を含むポリペプチドに特異的に結合する非ペプチド薬剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6のアミノ酸残基1〜176内の位置において前記ポリペプチドに結合する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
MASP−2依存性の補体活性化を阻害する必要のある被験体においてそのような阻害を行う方法であって、C1q依存性の補体活性化を実質的に阻害せずに、MASP−2依存性の補体活性化を選択的に阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を該被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項16】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6を含むポリペプチドに特異的に結合する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6のアミノ酸残基1〜176内の位置において前記ポリペプチドに結合する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6の一部に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体またはそのフラグメントが、モノクローナルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体が、MASP−2欠損トランスジェニック動物において産生される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記MASP−2阻害薬剤が、ヒトMASP−2、MASP−2を阻害するヒトMBL、MASP−2を阻害するヒトH−フィコリン、MASP−2を阻害するヒトL−フィコリンおよびMASP−2を阻害するヒトC4からなる群から選択されるポリペプチド由来のペプチドである、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記MASP−2阻害薬剤が、配列番号6を含むポリペプチドに特異的に結合する非ペプチド薬剤である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
治療有効量のMASP−2阻害薬剤および薬学的に許容可能なキャリアを含む、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するための組成物。
【請求項25】
MASP−2依存性の補体活性化の作用を阻害する必要のある生存被験体におけるそのような阻害において使用するための医薬を製造する方法であって、薬学的キャリア中に治療有効量のMASP−2阻害薬剤を組み合わせる工程を含む、方法。
【請求項26】
MASP−2依存性の補体媒介性血管状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項27】
前記血管状態が、心臓血管状態、脳血管状態、末梢の(例えば、筋骨格の)血管状態、腎血管状態、腸間膜/腸血管状態、移植片および/または再移植片への血管再生、血管炎、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病性腎炎、全身性エリテマトーデス関連血管炎、関節リウマチに関連する血管炎、免疫複合体血管炎、高安病、拡張型心筋症、糖尿病性血管障害、川崎病(動脈炎)、静脈ガス塞栓(VGE)ならびにステント留置後、回転性アテレクトミー後および経皮的経管的冠状動脈形成術(PTCA)後の再狭窄からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
虚血−再灌流損傷に関連するMASP−2依存性の補体媒介性状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項29】
前記虚血−再灌流損傷が、大動脈瘤修復術、心肺バイパス術、臓器移植片と接続する血管再吻合および/または端/指の再移植、脳卒中、心筋梗塞、ならびにショック後および/または外科的手技後の血流力学的蘇生に関連する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アテローム性動脈硬化症を処置および/または予防する必要のある被験体において、そのような処置および/または予防を行う方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項31】
炎症性胃腸障害に関連するMASP−2依存性の補体媒介性状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項32】
前記炎症性胃腸障害が、膵炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群および憩室炎からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
MASP−2依存性の補体媒介性の肺の状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項34】
前記肺の状態が、急性呼吸窮迫症候群、輸血関連急性肺損傷、虚血/再灌流急性肺損傷、慢性閉塞性肺疾患、喘息、ウェゲナー肉芽腫症、抗糸球体基底膜疾患(グッドパスチャー病)、胎便吸引症候群、閉塞性細気管支炎症候群、特発性肺線維症、熱傷に続発する急性肺損傷、非心原性肺浮腫、輸血関連呼吸抑制および気腫からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
体外再灌流手技を受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている被験体において、MASP−2依存性の補体活性化を阻害する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項36】
前記体外再灌流手技が、血液透析、プラスマフェレーシス、白血球フェレーシス、体外膜型肺(ECMO)、ヘパリン誘導性体外膜型酸素付加LDL沈降法(HELP)および心肺バイパス術(CPB)からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
MASP−2依存性の補体媒介性筋骨格状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項38】
前記筋骨格状態が、変形性関節症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、痛風、神経障害性関節症、乾癬性関節炎、脊椎関節症、結晶性関節症、筋ジストロフィおよび全身性エリテマトーデス(SLE)からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
MASP−2依存性の補体媒介性腎臓状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項40】
前記腎臓状態は、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎(メサンギウム毛細血管性糸球体腎炎)、急性感染後糸球体腎炎(レンサ球菌感染後糸球体腎炎)、クリオグロブリン血症性糸球体腎炎、ループス腎炎、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病性腎炎およびIgA腎症からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
MASP−2依存性の補体媒介性皮膚状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項42】
前記皮膚状態が、乾癬、自己免疫性水疱性皮膚疾患、好酸球性海綿状態、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、妊娠性疱疹、熱傷損傷および化学的熱傷損傷からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
臓器または組織の移植手技を受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている被験体において、MASP−2依存性の補体活性化を阻害する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項44】
前記移植手技が、臓器同種移植、臓器異種移植臓器および組織移植片からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
神経系の障害または損傷に関連するMASP−2依存性の補体媒介性状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項46】
前記神経系の障害または損傷が、多発性硬化症、重症筋無力症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ギランバレー症候群、脳卒中後の再灌流、変性円板、大脳外傷、パーキンソン病、アルツハイマー病、ミラー−フィッシャー症候群、大脳外傷および/または大脳出血、脱髄ならびに髄膜炎からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
血液障害に関連するMASP−2依存性の補体媒介性状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項48】
前記血液障害が、敗血症、重篤な敗血症、敗血症性ショック、敗血症から生じる急性呼吸窮迫症候群、全身性炎症反応症候群、出血性ショック、溶血性貧血、自己免疫性の血栓性血小板減少性紫斑病および溶血性尿毒症症候群からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
尿生殖器状態に関連するMASP−2依存性の補体媒介性状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項50】
前記尿生殖器状態が、有痛性膀胱疾患、感覚性膀胱疾患、非細菌性慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、不妊症、胎盤機能不全ならびに流産および子癇前症からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
非肥満糖尿病(1型糖尿病またはインスリン依存性真性糖尿病)および/または1型糖尿病もしくは2型(成人発症型)糖尿病に関連する合併症に関連するMASP−2依存性の補体媒介性状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項52】
1型糖尿病または2型糖尿病に関連する前記合併症が、血管障害、ニューロパシーおよび網膜症からなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
化学療法処置および/または放射線治療を受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている被験体において、MASP−2依存性の補体活性化を阻害する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項54】
悪性腫瘍に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項55】
内分泌障害に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項56】
前記内分泌障害が、橋本甲状腺炎、ストレス、不安、下垂体からのプロラクチン、成長因子または他のインスリン様成長因子およびアドレノコルチコトロピンの制御された放出に関与するホルモン障害からなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
補体媒介性の眼科学的状態に罹患している被験体を処置する方法であって、MASP−2依存性の補体活性化を阻害するのに有効な、ある量のMASP−2阻害薬剤を投与する工程を含む、方法。
【請求項58】
前記眼科学的状態が、加齢性黄斑変性症である、請求項57に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【公表番号】特表2009−532493(P2009−532493A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504382(P2009−504382)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/065274
【国際公開番号】WO2007/117996
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(506410121)ユニバーシティ オブ レスター (4)
【出願人】(501472607)オメロス コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】