MEMSディスプレイ装置
【課題】静止摩擦の影響を低減し、ディスプレイ装置の光学的および電気機械的性能を改良する方法を提供する。
【解決手段】静止摩擦の影響を低減するとともにディスプレイ装置の光学的および電気機械的性能を改良する液体530に実質的に囲まれた構成要素を有する複数の光変調器を含むMEMSディスプレイ装置およびその組立方法。複数の光変調器503と、装置を通る光の透過を調節する複数のアパーチャとの対応関係を設定するためにMEMSディスプレイの構成要素をアライメントする方法。
【解決手段】静止摩擦の影響を低減するとともにディスプレイ装置の光学的および電気機械的性能を改良する液体530に実質的に囲まれた構成要素を有する複数の光変調器を含むMEMSディスプレイ装置およびその組立方法。複数の光変調器503と、装置を通る光の透過を調節する複数のアパーチャとの対応関係を設定するためにMEMSディスプレイの構成要素をアライメントする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年5月18日出願の米国仮特許出願第60/930,872号明細書、表題「MEMS Displays and Assembly Methods」の優先権と特典を主張するものであり、以下の各出願、2007年1月19日出願の米国特許出願第11/656,307号明細書、表題「Methods and Apparatus for Actuating Displays」、2007年3月30日出願の米国特許出願第11/731,628号明細書、表題「Methods and Apparatus for Actuating Displays」、2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,398号明細書、表題「MEMS Display Apparatus」、2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,397号明細書、表題「Alignment Methods in Fluid−Filled MEMS Displays」、2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,411号明細書、表題「Methods for Manufacturing Fluid−Filled MEMS Displays」、そして2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,622号明細書、表題「Spacers for Maintaining Display Apparatus Alignment」の一部継続出願である。これらの仮出願と非仮出願のそれぞれの全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は一般的には撮像ディスプレイの組立分野に関し、特に機械的に作動するディスプレイ装置の組立に関する。
【背景技術】
【0003】
機械的光変調器で構築されるディスプレイは、液晶技術に基づくディスプレイの魅力的な代案である。機械的光変調器は、映像コンテンツを良好な視角と広範囲のカラーおよびグレイスケールで表示するためには十分に速い。機械的光変調器は投写型ディスプレイアプリケーションでは成功してきた。機械的光変調器を利用するバックライトディスプレイは、まだ、魅力的な輝度と低電力との組み合わせを十分に実証していない。当該技術領域では、高速で明るく低電力な機械作動型ディスプレイに対する要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶ディスプレイとは異なり、MEMSベースのディスプレイは何百、何千あるいは場合によっては何百万もの可動要素を含む。いくつかの装置では、一要素のいかなる動きも、一つまたは複数の要素を不能にする静止摩擦(stiction)の機会を生じる。さらに、MEMSベースのディスプレイの効果的な動作は、光学的、電気的、および/または機械的構成部品の結合に依存する。このような構成部品のミスアラインメントは、画質劣化と、可能性としてディスプレイ全体としての動作不能にもつながる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明はディスプレイアセンブリの製造方法に関する。本方法は、複数のMEMS光変調器が作製された第1の基板を設ける工程を含む。第1の基板は不透明であってもよくあるいは透明であってもよい。各光変調器は明状態と暗状態とを有する。本方法はまた、複数のアパーチャが形成された層を含む第2の基板(好ましくは透明な基板)を設ける工程を含む。一実施態様では層は反射性である。他の実施態様では層は光吸収性である。第1と第2の基板は次にそれぞれの光変調器とアパーチャとの対応関係を設定するためにアライメントされる。
【0006】
MEMS光変調器は、変調素子、例えばシャッタ、光タップ、オイル、または少なくとも一つのエッジを有する干渉変調器を含む。各アパーチャもまたエッジを有する。一実施態様では、第1と第2の基板は、光変調器が暗状態の場合にそれぞれの光変調素子のエッジがその対応するアパーチャのエッジと、0ミクロンを越えかつ約20ミクロン未満だけ重なるようにアライメントされる。別の実施態様では、光変調器のエッジは、暗状態において、0ミクロンを越えかつ約5ミクロン未満だけアパーチャのエッジと重なる。
【0007】
アラインメントは多くのやり方で維持することができる。アラインメントは、接着剤または熱リフロー可能な材料により第1の基板を第2の基板にボンディングすることにより、あるいは第1と第2の基板上または基板内に形成されたインターロック形状部(interlocking features)同士を連結することにより維持することができる。
【0008】
組立工程は、個々のディスプレイアセンブリの製造または複数のディスプレイアセンブリの同時製造に対処することができる。後者の場合、第1の基板上の複数のMEMS変調器としては、パネル上に配置された複数のMEMS変調器アレイが挙げられる。同様に、第2の基板上の複数のアパーチャとしては、その対応する複数のアパーチャアレイが挙げられる。単一パネルから複数のディスプレイアセンブリを製造する場合、組立工程はディスプレイパネルを単一化(singulate)することを含む。基板の単一化(singulation)は、基板がアライメントおよび/または密封される前または後に行なうことができる。
【0009】
基板同士をアライメントするために、アライメントマークを第1と第2の基板のそれぞれの上に形成することができる。基板は、アライメントマーク間のミスアラインメントを監視する視覚システムを含むアライメント装置に装填することができる。アライメント装置はまた、2つの基板の相対位置を調整するためのモーターまたは駆動装置を含む。アライメント装置はまた、接着材を硬化するためのUVランプを含むことができる。
【0010】
一実施態様では、アライメント方法は、基板間に一定の距離間隔を設定するために2つの基板の一方にスペーサを貼り付ける工程を含む。スペーサは2つの基板間のギャップを埋める導電性材料で形成することができる。
【0011】
さらに、潤滑剤などの流体によりディスプレイ構成部品の表面(可動要素の前面と裏面を含む)を濡らすことにより静止摩擦を低減することができる。様々な流体と気体は、MEMS光変調器の可動構成部品を取り囲むと、静止摩擦を低減するだけでなくディスプレイの光学的および電気機械的性能も改善することができる。
【0012】
したがって別の態様によると、本発明は、潤滑剤などの液体により実質的に取り囲まれる(そして好適にはその中を移動する)素子を有する光変調器アレイを含むディスプレイアセンブリに関する。光変調器アレイは第1の基板上に形成される。MEMS光変調器を取り囲む液体を収容するために第1の基板と第2の透明基板は接着剤で密封される。密封はまた、2つの基板間の相対運動を制限するように作用する。一実施態様ではシール材は高分子材料で形成される。
【0013】
ディスプレイアセンブリ内に密封された液体は第1の屈折率を有し、アパーチャ層が配置される基板は第2の屈折率を有する。一実施態様では、第1の屈折率は第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい。液体はまた、非導電性であることが好ましく、2.0を越える誘電率を有する。
【0014】
別の態様では、本発明はMEMSベースのディスプレイの製造方法に関する。本方法は、流体がディスプレイ構成部品の表面(可動要素の前面と裏面を含む)を濡らし、静止摩擦を低減するとともにディスプレイの光学的および電気機械的性能を改良するように作用する、流体充填工程を含む。本方法は第1と第2の透明基板を設ける工程を含む。第1の基板はその上に形成された複数のMEMS光変調器を有する。第2の基板は透明である。一実施態様では、反射性アパーチャ層が第2の基板上に形成される。別の実施態様では、ブラックマトリクスが第2の基板上に形成される。第2の透明基板は、第1の基板が第2の基板から一定のギャップだけ離されるように第1の基板に隣接して配置される。ディスプレイアセンブリは潤滑剤などの液体により充填される。本方法は、液体がMEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲むように液体をディスプレイアセンブリ内に収容するディスプレイアセンブリ密封工程も含む。
【0015】
ディスプレイ密封工程は、ディスプレイアセンブリの周縁の少なくとも一部分に沿ってシール材を貼り付ける工程を含む。一実施態様では、シール材を貼り付ける工程はディスプレイを充填する工程に先立つ。一実施態様では、アセンブリを充填する前にシール材は硬化される。別の実施態様では、ディスプレイアセンブリが充填された後にシール材は硬化される。基板はシール材が硬化される前にアライメントされてよい。一実施態様では、アセンブリ上にシール材を貼り付ける工程は少なくとも一つの充填用穴を未密封のままにしておくことを含む。充填用穴は、ディスプレイアセンブリ内に流体を収容するためにアセンブリを流体で充填する工程の後で密封される。
【0016】
一実施態様では、単一のディスプレイアセンブリがパネルごとに作製される。他の実施態様では、各パネルから複数のディスプレイアセンブリが作製される。このような実施態様では、本方法は、パネル上に複数のMEMS光変調器アレイを作製した後それらを分離する工程を含む。アレイはシール材を貼り付ける前または後で分離することができる。
【0017】
一実施態様では、ディスプレイを充填するために、基板は減圧チャンバ内に置かれる。別の実施態様では、充填工程は、第1と第2の基板とをアライメントして接着することに先立って両基板の一方に液体を塗布することを含む。
【0018】
別の実施態様では、本方法は、基板間のギャップを維持するために基板の一方または両方にスペーサを作製する工程を含む。基板間のギャップを埋めるために導電性材料を塗布することができる。
【0019】
本発明は、ピクセルアレイ、基板、そして基板上に形成された制御マトリクスを有するディスプレイ装置に関連してよい。アレイは、それぞれがアレイ内のピクセルに対応する光変調器を含むことができる。基板は透明であってよい。制御マトリクスはアレイ内の各ピクセルに対応する少なくとも一つのスイッチまたはカスコードスイッチを有してよい。
【0020】
本発明の一側面によると、ディスプレイ装置は、アパーチャ層が形成された第1の基板と、アパーチャ層に向けて光を誘導する光導波路と、光導波路からアパーチャ層を通過する光を変調するための複数のMEMS光変調器と、光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、光導波路と第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより第1の基板と光導波路間にギャップを形成するためのスペーサとを含む。アパーチャ層は反射性アパーチャ層を含んでよい。
【0021】
一実施態様では、スペーサは、ディスプレイ装置の異なる構成部品間(第一の基板、光導波路に光を供給するためのランプ、複数のMEMS光変調器の一つを制御するための電気的接続、光導波路に向けて光を反射させるための反射層の少なくとも一つと、光導波路との間など)のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部(structural feature)を含む。別の実施態様では、スペーサは、光導波路と第1の基板のうちの少なくとも一つの並進移動を制限するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む。構造的特徴部は、光導波路と第1の基板のうちの一つが載る棚を含む。接着剤は、光導波路と第1の基板のうちの少なくとも一つに接着する構造的特徴部上に配置することができる。
【0022】
スペーサは光を光導波路内へ反射させるための反射面を含んでよい。スペーサは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、金属、または金属とプラスチックの複合材などの剛性材を含んでよい。複数のMEMS光変調器は、シャッタベースの光変調器またはエレクトロウェッティング光変調器を含んでもよく、また第1の基板または第2の基板上に形成することができる。
【0023】
本発明の別の態様によると、ディスプレイ装置は、制御マトリクスが形成された第1の基板と、制御マトリクスに向けて光を誘導する光導波路と、光導波路からの光を変調するための複数のMEMS光変調器と、光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、光導波路と第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより第1の基板と光導波路間にギャップを形成するためのスペーサとを含む。
【0024】
本発明の一側面によると、ディスプレイ装置は、第1の基板、反射性アパーチャ層、そして複数のMEMS光変調器を含む。第1の基板は前面向きの面と裏面向きの面を有する。反射性アパーチャ層は、第1の基板の前面向きの面上に配置された複数のアパーチャを含む。複数のMEMS光変調器は、画像を形成するために、複数のアパーチャに向けられた光を変調する。
【0025】
第1の基板は光導波路を含むことができる。あるいは、光導波路は第1の基板の後方に配置されてもよく、ここでは反射性アパーチャ層は、複数のアパーチャを通過しない光を反射して光導波路の方へ戻すことができる。この場合光導波路は第1の基板と密着してもよい。
【0026】
複数のMEMS光変調器はシャッタベースの光変調器および/またはエレクトロウェッティング光変調器を含むことができる。アクティブマトリクス制御マトリクスは複数のMEMS光変調器を制御することができ、アクティブマトリクスはそれぞれのMEMS光変調器に対応する少なくとも一つのスイッチを含むことができる。第1の基板は透明であってよい。反射性アパーチャ層は、ミラー、誘電体ミラー、そして金属膜のうちの一つで形成することができる。
【0027】
MEMS光変調器は、第1の基板上に配置することができる。第1の基板は、反射性アパーチャ層が複数の光変調器に近接するように配置されてよい。複数のアパーチャは複数の光変調器のそれぞれの光変調器に対応することができる。
【0028】
一実施態様では、第1の基板は、第1の基板と光導波路間にギャップを形成するように光導波路に対して位置決めされる。流体(空気でもよい)がギャップを充填することができる。流体は第1の屈折率を有し光導波路は第2の屈折率を有してよい。第1の屈折率は第2の屈折率未満である。
【0029】
別の実施態様では、第2の基板は第1の基板の前面向きの面の前に配置される。複数のMEMS光変調器は、第2の基板上または第2の基板の裏面向きの面上に形成することができる。制御マトリクスは、複数のMEMS光変調器を制御するために第2の基板上に形成されてよい。第2の基板は透明であってよい。機械的インターロック形状部(mechanically interlocking features)および/または接着剤は第1と第2の基板間の横方向のアラインメントを維持することができ、第1と第2の基板の相対的側方移動をどの方向へも5ミクロン未満に制限することができる。第1の基板は第2の基板と光導波路間に配置することができる。
【0030】
第1の基板は、第1の基板と第2の基板間のギャップを形成するように第2の基板に対し位置決めすることができる。ギャップはスペーサにより維持されてもよい、および/または潤滑剤などの液体または流体で充填されてもよい。流体は第1の屈折率を有し基板は第2の屈折率を有することができる。第1の屈折率は第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい。
【0031】
本発明の別の態様によると、ディスプレイ装置は第1の基板、第2の基板、MEMS光変調器アレイ、そしてスペーサを含む。MEMS光変調器アレイは第1と第2の基板の一方の上に形成される。スペーサはアレイ内に設置され、第1の端部において第一の基板と一体的に形成されるかまたは接続され、かつ第2の端部において第2の基板と一体的に形成されるかまたは接続される。スペーサの第1と第2の基板の一方への接続は、基板上に蒸着された少なくとも一つの薄膜の積層へ接続することを含んでよい。薄膜は、反射性アパーチャ層、光吸収層、そしてカラーフィルタのうちの一つを含んでよい。
【0032】
スペーサは、第1の基板からエッチングされてよく、および/または第1の基板上に蒸着された膜からエッチングされてよい。スペーサは、第1の基板上の電気部品と第2の基板上の電気部品間の電気的接続を形成することができる。スペーサは重合体、金属、および/または絶縁材料で形成することができる。スペーサは、第2の基板上に形成されたアライメント用素子と嵌合することができる。スペーサは約1ミクロンから約10ミクロンの間の高さであってよい。
【0033】
第1の基板と第2の基板は両方とも実質的に剛性であってよい。あるいは、第1と第2の基板は両方とも実質的に可撓性であってよい。または、第1の基板と第2の基板の一方は実質的に剛性であり、第1の基板と第2の基板の他方は実質的に可撓性である。第1の基板と第2の基板の少なくとも一つは実質的に透明である。
【0034】
第1の基板または第2の基板はディスプレイ装置の前面を含むことができる。光導波路は第1と第2の基板とは別個のものであってよい。スペーサと複数の追加のスペーサは、「4つの光変調器当たり一つのスペーサ」以下のスペーサ密度でアレイ内に配置されてよい。MEMS光変調器はそれぞれの表示ピクセルに対応することができ、それぞれの表示ピクセルは少なくとも一つのスペーサを含んでよい。第1と第2の基板間の空間はギャップを形成することができる。このギャップは潤滑剤などの流体で充填されてよい。
【0035】
MEMS光変調器は、光の通過を選択的に妨害するように構成することができ、シャッタベースの光変調器および/またはエレクトロウェッティングベースの光変調器を含むことができる。MEMS光変調器は光導波路から光を選択的に抽出することができる。スペーサはMEMS光変調器の一つにおける構成部品の移動範囲を制限することができる。
【0036】
別の態様によると、本発明は、ガラス、プラスチック、または金属材料などの熱リフロー可能な材料で形成されるスペース要素によりある程度アライメントされた2つの透明基板を含むディスプレイ装置に関する。スペース要素は、2つの透明基板を接合する接着剤としても機能することが好ましい。
【0037】
熱リフロー可能な材料は、摂氏約150度から約400度の温度範囲で実質的に液体状態を得ることが好ましい。熱リフロー可能な材料は、少なくとも摂氏約400度までの温度では液体状態のままであることが好ましい。さらに、液体状態では、熱リフロー可能な材料は、両方の基板のまたはそれら基板上の形状部(features)を濡らす。
【0038】
一実施態様では、2つの透明基板の一方は、その上に複数の光変調器好ましくはMEMS光変調器が形成される。一実施態様のスペース要素は光変調器アレイ内に形成される。別の実施態様では、スペース要素はアレイの周縁に形成される。反射性アパーチャ層は、同じ基板上または2つの透明基板の他方の上に形成される。
【0039】
一態様では、本発明は、材料層内に形成された複数のアパーチャと、材料層とディスプレイ装置の所望のビューアとの間に配置されたシャッタベースのMEMS光変調器アレイであって、材料層から一定のギャップだけ離されたアレイとを含むディスプレイ装置に関する。各アパーチャは少なくとも一つのエッジを有し、各光変調器は、対応する一つまたは複数のアパーチャを通る光の通過を選択的に妨害するための光遮断部分を有するシャッタを含む。シャッタは、閉位置ではシャッタの光遮断部分がその対応する一つまたは複数のアパーチャの少なくとも一つのエッジと重なるように、形作られる。この重なりはギャップの寸法に比例し、かつギャップの寸法以上である。
【0040】
重なりは約1ミクロン以上、約1ミクロンから約10ミクロンの間、および/または約10ミクロンより大きくてもよい。シャッタは光の通過を許容する一つまたは複数のシャッタアパーチャを含んでよく、各シャッタアパーチャは、シャッタに対応する一つまたは複数のアパーチャの一つに対応する。ディスプレイは、光変調器内のシャッタを約所定距離だけ材料層から離しておくために、材料層とアレイ間に配置されたスペーサを含むことができる。シャッタの材料層に面する側は反射材料および/または光吸収材料で覆われてもよい。シャッタの材料層から見て外方に向く側は光吸収材料で覆われてもよい。
【0041】
一実施態様では、材料層は実質的に反射性であり、金属および/または誘電体ミラーを含むことができる。ディスプレイは光導波路を有するバックライトを含むことができ、材料層はバックライトを脱出する光を反射して光導波路に向けて戻す。光吸収材料は、材料層のアレイに面する側に蒸着することができる。第2の反射層はバックライトの裏側に配置されてよい。アレイは材料層上に形成されてよく、材料層は光導波路上に蒸着されてよい。
【0042】
別の実施態様では、ディスプレイ装置は、潤滑剤であってよく光変調器と材料層間に少なくとも配置される液体を含む。液体は、光導波路の屈折率および/または材料層が形成された基板の屈折率より大きな屈折率を有してもよい。
【0043】
別の実施態様では、アレイは第1の基板上に形成され、材料層は第1の基板以外に第2の基板上に蒸着される。第2の基板は第1の基板と光導波路間に配置されてよい。特に、アレイは、第1の基板のビューアから離れて面する側に形成することができる。ディスプレイ装置は、第2の基板の屈折率より大きな屈折率を有する液体であって第2の基板と光変調器間に少なくとも配置された液体を含むことができる。
【0044】
別の態様では、ディスプレイ装置は、透過的に画像を表示するエレクトロウェッティングベースの光変調器アレイと、アレイに隣接して配置された反射性アパーチャ層であって、反射性アパーチャ層内のアパーチャを通過しない光を反射してアレイから離れさせるための反射性アパーチャ層とを含む。画像は、反射性アパーチャ層内のアパーチャを通過しアレイにより変調された光により形成される。反射性アパーチャ層は金属および/または誘電体ミラーを含むことができる。
【0045】
バックライトは、反射性アパーチャ層のアレイとは反対側に配置することができる。第2の反射層は、反射性アパーチャ層に向けて光を反射するために、反射性アパーチャ層のアレイとは反対側に配置することができる。低屈折率材料の層が、バックライトと反射性アパーチャ層間の光導波路に連結されてもよい。
【0046】
一実施態様では、エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層とエレクトロウェッティング制御ブラック層とを含む。第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層は、それぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御カラー変調セルを含むことができる。エレクトロウェッティング制御ブラック層は、カラー変調セルの一つまたは複数に対応するそれぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御光吸収セルを含むことができる。各光吸収セルの少なくとも一つのエッジは、対応する一つまたは複数のカラー変調セルの少なくとも一つのエッジと重なってよい。第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層は、エレクトロウェッティング制御カラー変調セル群を含むことができ、所与の群における各セルは異なる色の光を変調する。ディスプレイ装置はまた、第2と第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層を含むことができ、第1、第2、第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層のそれぞれは異なる色の光を変調する。
【0047】
別の実施態様では、ディスプレイ装置は光を光導波路内に放射するための光源を含む。光源は、白色光、および/または順次放射されてよい少なくとも3つの異なる色の光を放射することができる。光源は、それぞれが3つの異なる色の一つに対応する少なくとも3つの光源を含むことができる。
【0048】
別の実施態様では、エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セルを含む。各セルは反射性アパーチャ層内のアパーチャに対応する。アパーチャのそれぞれは少なくとも一つのエッジを有し、各セルは光変調用流体の層を含み、非作動状態のとき、セルの光変調用流体はその対応するアパーチャの少なくとも一つのエッジと重なる。
【0049】
別の実施態様では、エレクトロウェッティングベースの光変調器は電極層を含む。電極層は反射性アパーチャ層と光変調用流体間に配置することができる。反射性アパーチャ層は第1の基板上に配置され、電極層は第1の基板とは別の第2の基板上に配置される。光変調用流体は反射性アパーチャ層と電極層間に配置することができる。
【0050】
上記考察は、以下の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1A】本発明の例示的実施形態によるディスプレイ装置の等角投影図である。
【図1B】本発明の例示的実施形態による図1Aのディスプレイ装置のブロック線図である。
【図2A】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイへの組み込みに好適な例示的なシャッタベースの光変調器の透視図である。
【図2B】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイへの組み込みに好適なローラシェードベースの光変調器の断面図である。
【図2C】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイの別の実施形態への組み込みに好適な光タップベースの光変調器の断面図である。
【図3】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイに組込まれた光変調器を制御するのに好適な制御マトリクスの概略図である。
【図4】本発明の例示的実施形態による、図3の制御マトリックスに接続されたシャッタベースの光変調器アレイの透視図である。
【図5】本発明の例示的実施形態によるディスプレイ装置の断面図である。
【図6A】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおける図8のシャッタアセンブリの平面図である。
【図6B】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおける図8のシャッタアセンブリの平面図である。
【図7A】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図7B】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図7C】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図7D】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図8】本発明の例示的実施形態による第1のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイの断面図である。
【図9】本発明の例示的実施形態による第2のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイの断面図である。
【図10】本発明の例示的実施形態による第3のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイの断面図である。
【図11A】本発明の例示的実施形態によるアパーチャ板の断面図である。
【図11B】本発明の例示的実施形態によるアパーチャ板の断面図である。
【図12】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図13A】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図13B】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図14A】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおけるシャッタアセンブリの透視図である。
【図14B】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおけるシャッタアセンブリの透視図である。
【図15】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図16】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図17】本発明の例示的実施形態による高精度基板アライメント装置の概念図である。
【図18】本発明の例示的実施形態による、複数の変調器およびアパーチャアレイをそれぞれ含む変調器基板とアパーチャ板の平面図である。
【図19】本発明の例示的実施形態によるアラインメント後のパネルアセンブリの平面図である。
【図20】本発明の例示的実施形態によるセル組立方法のフローチャートである。
【図21】本発明の例示的実施形態による流体充填装置の概念図である。
【図22】本発明の例示的実施形態によるセル組立方法のフローチャートである。
【図23】本発明の例示的実施形態による液晶ディスプレイ装置の断面図である。
【図24A】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの断面図である。
【図24B】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの等角分解図である。
【図25】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの断面図である。
【図26】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の総合的な理解を助けるために、画像を表示するための装置および方法を含む特定の例示的実施形態について以下に説明する。しかしながら本明細書に記載のシステムと方法は、取り組むアプリケーションに適切となるように適応化され修正され得ること、本明細書に記載のシステムと方法は他の好適なアプリケーションにおいて利用され得ること、そして、このような他の追加と修正は本明細書の範囲から逸脱しないことは当業者により理解されるであろう。
【0053】
図1Aは本発明の例示的実施形態による直視型MEMSベースのディスプレイ装置100の概略図である。ディスプレイ装置100は行と列に配列された複数の光変調器102a〜102d(概して「光変調器102」と呼ぶ)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aと102dは光の通過を許容する開状態にある。光変調器102bと102cは光の通過を妨害する閉状態にある。光変調器102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、ディスプレイ装置100は、一つまたは複数のランプ105により照明された場合にバックライトディスプレイの画像104を形成するために利用することができる。別の実施形態では、装置100は、装置の前から来る周辺光の反射により画像を形成されてもよい。別の実施形態では、装置100は、ディスプレイの前に配置した一つまたは複数のランプからの光の反射により(すなわち、前面光を利用することにより)画像を形成することができる。閉状態または開状態においては、光変調器102は、例えばそして限定するものではないが光の遮断、反射、吸収、フィルタリング、分極、回折により、あるいは光の特性または経路を変更することにより光路内の光と干渉する。
【0054】
ディスプレイ装置100において、各光変調器102は画像104内のピクセル106に対応する。他の実施形態では、ディスプレイ装置100は、画像104内のピクセル106を形成するために複数の光変調器を利用することができる。例えばディスプレイ装置100は3つの特定色光変調器102を含むことができる。特定のピクセル106に対応する一つまたは複数の特定色光変調器102を選択的に開くことにより、ディスプレイ装置100は画像104内の色ピクセル106を生成することができる。別の実施例では、ディスプレイ装置100は、画像104内にグレイスケールを設けるためにピクセル106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関し、用語「ピクセル」は画像分解能により定義される最小のピクチャエレメントに対応する。ディスプレイ装置100の構造部品に関し、用語「ピクセル」は画像の単一ピクセルを形成する光を変調するために利用される機械的および電気的部品の組み合わせを指す。
【0055】
ディスプレイ装置100は、結像光学系を必要としないという点で直視型ディスプレイである。ユーザはディスプレイ装置100を直接見ることにより画像を見る。別の実施形態では、ディスプレイ装置100は投写型ディスプレイに組込まれる。このような実施形態では、ディスプレイはスクリーンまたは壁に光を投写することにより画像を形成する。投写型アプリケーションでは、ディスプレイ装置100は投写される画像104より実質的に小さい。
【0056】
直視型ディスプレイは透過モードまたは反射モードのいずれかで動作することができる。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後方に位置する一つまたは複数のランプから来る光をフィルタリングまたは選択的に遮断する。ランプからの光は、随意に光導波路内に注入される、すなわち「バックライト」される。透過直視型ディスプレイ実施形態は、光変調器を含む一つの基板がバックライト上に直接配置されるサンドイッチ組立構造配置を容易にするために、しばしば透明基板またはガラス基板上に構築される。いくつかの透過型ディスプレイ実施形態では、特定色光変調器はカラーフィルタ材料と各変調器102とを対応付けることにより作製される。他の透過型ディスプレイ実施形態では、色は、以下に説明するように、異なる原色を有するランプを交互に照明することによるフィールド順次カラー方式(field sequential color method)を利用することにより生成することができる。
【0057】
各光変調器102はシャッタ108とアパーチャ109を含む。画像104内のピクセル106を照明するために、シャッタ108は、光がアパーチャ109を通過してビューアに向かうことを許容するように配置される。ピクセル106を非点灯にしておくために、シャッタ108はアパーチャ109を通る光の通過を妨害するように配置される。アパーチャ109は反射材料または光吸収材料でパターン化された開口により画定される。
【0058】
ディスプレイ装置はまた、基板と光変調器とに接続されたシャッタの運動を制御するための制御マトリックスを含む。制御マトリックスは、一行のピクセルごとに少なくとも一つの書込み許可配線110(「走査ライン配線」とも称する)を含む一連の電気配線(例えば配線110、112、114)と、一列のピクセル毎に一つのデータ配線112と、すべてのピクセルに対しあるいは少なくともディスプレイ装置100内の複数列と複数行の両方からのピクセルに共通電圧を供給する共通の一つの配線114とを含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、Vwe」)の印加に応答して、所与の行のピクセルの書込み許可配線110は、新しいシャッタ移動命令を受けるために当該行にピクセルを用意する。データ配線112は新しい移動命令をデータ電圧パルスの形式で伝える。データ配線112に印加されたデータ電圧パルスは、いくつかの実施形態では、シャッタの静電運動に直接貢献する。他の実施形態では、データ電圧パルスは、光変調器102への別の作動電圧(通常はデータ電圧より大きい)の印加を制御するスイッチ例えばトランジスタまたは他の非線形回路素子を制御する。これらの作動電圧の印加は次にシャッタ108の静電駆動運動をもたらす。
【0059】
図1Bはディスプレイ装置100のブロック線図150である。図1A、1Bを参照すると、上述のディスプレイ装置100の要素に加え、ブロック線図150に示されるように、ディスプレイ装置100は複数のスキャンドライバ152(「書込み許可電源」とも称する)と複数のデータドライバ154(「データ電源」とも称する)を含む。スキャンドライバ152は走査ライン配線110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ154はデータ配線112にデータ電圧を印加する。ディスプレイ装置のいくつかの実施形態では、データドライバ154は、特に画像104のグレイスケールがアナログなやり方で発生される場合、光変調器にアナログデータ電圧を供給するように構成される。アナログ動作では、ある範囲の中間電圧がデータ配線112を介して印加されるとシャッタ108においてある範囲の中間的開状態したがって画像104内にある範囲の中間的照明状態(すなわちグレイスケール)が生じるように、光変調器102は設計される。
【0060】
他の場合では、データドライバ154は、制御マトリックスに2つ、3つまたは4つのディジタル電圧レベルの縮小セットのみを印加するように構成される。これらの電圧レベルは、ディジタル的なやり方で開状態または閉状態のいずれかの状態を各シャッタ108に設定するように設計される。
【0061】
スキャンドライバ152とデータドライバ154はディジタル制御回路156(「コントローラ156」とも称する)に接続される。コントローラ156は入力処理モジュール158を含む。入力処理モジュール158は、入力画像信号157を処理して、ディスプレイ装置100の空間アドレス指定とグレイスケール機能とに適切なディジタル画像フォーマットへ変換する。各画像のピクセル位置およびグレイスケールデータは、データが必要に応じてデータドライバ154に供給されるようにフレームバッファ159に格納される。データは、行と画像フレームとによりグループ化された所定のシーケンスで編成された主にシリアルなやり方でデータドライバ154に送られる。データドライバ154は、直並列データ変換器と、レベルシフタと、そしていくつかのアプリケーションに対してはディジタルアナログ電圧変換器を含む。
【0062】
ディスプレイ100は一組の共通ドライバ153(共通電源とも称する)を随意に含む。いくつかの実施形態では、共通ドライバ153は、例えば一連の共通配線114に電圧を供給することにより光変調器アレイ103内のすべての光変調器に直流共通電位を供給する。他の実施形態では、共通ドライバ153は、コントローラ156からの命令に従って、電圧パルスまたは信号(例えばアレイ103の複数の行と列内のすべての光変調器の同時作動を駆動および/または始動することができるグローバル作動パルス)を光変調器アレイ103に発する。
【0063】
異なる表示機能用のドライバ(例えばスキャンドライバ152、データドライバ154、共通ドライバ153)はすべてコントローラ156内のタイミング制御モジュール160により時間同期される。モジュール160からのタイミング命令は、ランプドライバ168を介した赤、緑、青、白ランプ(それぞれ162、164、166、167)の照明と、ピクセルアレイ103内の特定の行の書込み許可と順番と、データドライバ154からの電圧の出力と、光変調器の作動をもたらす電圧の出力とを調整する。
【0064】
コントローラ156は、アレイ103内の各シャッタ108が新しい画像104に適切な照明レベルに再設定され得るシーケンシングまたはアドレス方式を確定する。好適なアドレス指定、画像形成、グレイスケール技術の詳細は、米国特許出願第11/326,696号明細書と米国特許出願第11/643,042号明細書に見出すことができ、これらを参照により本明細書に援用する。周期的な間隔で新しい画像104を設定することができる。例えば、ビデオディスプレイでは、ビデオのカラー画像104またはフレームは10ヘルツから300ヘルツの範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実施形態では、アレイ103への画像フレームの設定は、交番する画像フレームが赤、緑、青色などの交番する一連の色で照明されるように、ランプ162、164、166の照明と同期される。それぞれの色の画像フレームはカラーサブフレームと称する。この方法(フィールド順次カラー方式と呼ぶ)では、カラーサブフレームが20Hzを超える周波数で交番されると、人間の脳は、交番するフレーム像を平均化して広い連続的な範囲の色を有する画像として認識する。別の実施形態では、赤、緑、青色以外の原色を利用することにより、赤、緑、青の三原色を含む4つ以上のランプをディスプレイ装置100で利用することができる。
【0065】
ディスプレイ装置100がシャッタ108の開状態と閉状態との間でディジタル的に切り替えられるように設計されるいくつかの実施形態では、コントローラ156は、適切なグレイスケールを有する画像104を形成するためにアドレス指定シーケンスおよび/または画像フレーム間の時間間隔を確定する。シャッタ108が特定のフレームにおいて開放される時間量を制御することによりグレイスケールの様々なレベルを生成する処理は、時分割グレイスケールと呼ばれる。時分割グレイスケールの一実施形態では、コントローラ156は、当該ピクセルの所望の照明レベルまたはグレイスケールに従って、シャッタ108が開状態のままでいられる各フレーム内の時間間隔またはその時間の一部を確定する。他の実施形態では、画像フレームごとに、コントローラ156はアレイ103の複数の行と列において複数のサブフレーム画像を設定し、そしてコントローラは、各サブフレーム画像がグレイスケールに対して符号化ワード内で利用されるグレイスケール値または重み値に比例して照明される継続期間を変更する。例えば、一連のサブフレーム画像の照明時間は、2進符号化系列1、2、4、8、...に比例して変化させることができる。アレイ103内の各ピクセルのシャッタ108は、グレイスケールレベルに対するピクセルの2進符号化ワード内の対応する位置の値に従って、サブフレーム画像内で開状態または閉状態のいずれかに設定される。
【0066】
他の実施形態では、コントローラは、特定のサブフレーム画像に望まれるグレイスケール値に比例してランプ162、164、166からの光の強度を変える。多くの複合化技術もまた、シャッタアレイ108からカラーとグレイスケールを形成するために利用可能である。例えば上述の時分割技術は、ピクセルごとに複数のシャッタ108を使用することと組み合わせることができ、あるいは特定のサブフレーム画像に対するグレイスケール値は、サブフレームタイミングとランプ強度の両方を組み合わせることにより設定することができる。これらおよび他の実施形態の詳細は、上に参照された米国特許出願第11/643,042号明細書に見出すことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、画像状態104のデータは、個々の行(走査ラインとも称する)を順次アドレス指定することによりコントローラ156により変調器アレイ103にロードされる。アドレス指定シーケンスの行または走査ラインごとに、スキャンドライバ152は書込み許可電圧をアレイ103の当該行の書込み許可配線110に印加し、その後データドライバ154は、選択された行内の列ごとに、所望のシャッタ状態に対応するデータ電圧を供給する。この処理は、データがアレイ内のすべての行にロードされるまで繰り返される。いくつかの実施形態では、データロードのために選択される行のシーケンスは線形であり、アレイ内の上から下へ進む。他の実施形態では、選択行のシーケンスは目に見える人為産物(artifacts)を最小限にするために疑似的にランダム化される。そして他の実施形態では、シーケンスはブロックで編成される。ここでは一ブロックに対し、画像状態104の特定な一部分のみのデータが、例えばアレイの5行目ごとのみを順にアドレス指定することによりアレイにロードされる。
【0068】
いくつかの実施形態では、アレイ103へ画像データをロードする処理は、シャッタ108を作動させる処理から時間的に分離される。これらの実施形態では、変調器アレイ103はアレイ103内のピクセルごとにデータ記憶素子を含むことができ、制御マトリックスは、記憶素子に格納されたデータに従ってシャッタ108の同時作動を開始する共通ドライバ153からのトリガー信号を搬送するためのグローバル作動配線を含むことができる。様々なアドレス指定シーケンス(それらの多くは米国特許出願第11/643,042号明細書に記載される)はタイミング制御モジュール160により調整することができる。
【0069】
別の実施形態では、ピクセルアレイ103とピクセルを制御する制御マトリックスは、矩形状の行と列以外の構成で配置することができる。例えば、ピクセルは六角形状アレイまたは曲線状の行と列で配置することができる。一般的には、本明細書で使用されるように、用語「走査ライン」は書込み許可配線を共有する任意の複数のピクセルを指すものとする。
【0070】
ディスプレイ装置100は、タイミング制御モジュール160、フレームバッファ159、スキャンドライバ152、データドライバ154、そしてドライバ153、168を含む複数の機能ブロックで構成される。各ブロックは、識別可能なハードウェア回路および/または実行可能なコードモジュールのいずれかを表すものと理解してよい。いくつかの実施形態では、機能ブロックは、個別チップとして、あるいは回路基板および/またはケーブルにより一緒に接続された回路として設けられる。あるいは、これらの回路の多くは、ガラスまたはプラスチックの同一基板上にピクセルアレイ103と共に作製することができる。他の実施形態では、複数の回路、ドライバ、プロセッサ、および/またはブロック線図150の制御機能は、単一のシリコンチップ内に一緒に集積化することができる。シリコンチップはピクセルアレイ103を保持する透明基板に直接ボンディングされる。
【0071】
コントローラ156はプログラムリンク180含み、このプログラムリンクにより、コントローラ156内で実施されるアドレス指定、カラー、および/またはグレイスケールアルゴリズムを特定のアプリケーションの必要性にしたがって変更することができる。いくつかの実施形態では、プログラムリンク180は、コントローラ156が環境条件に対応して撮像モードまたはバックライト電力を調整することができるように、周辺光センサーまたは温度センサーなどの環境センサーからの情報を伝達する。コントローラ156はまた、光変調器の作動だけでなくランプに必要な電力を供給する電源入力182を含む。必要ならば、ドライバ152、153、154、および/または168は、入力電圧182をシャッタ108の作動またはランプ162、164、166、167などのランプの照明に十分な様々な電圧に変換するDC−DCコンバータを含んでもよいし、あるいはDC−DCコンバータが付随されてもよい。
【0072】
図2Aは、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100への組み込みに好適な例示的なシャッタベースの光変調器200透視図である。シャッタベースの光変調器200(シャッタアセンブリ200とも称する)は、アクチュエータ204に連結されたシャッタ202を含む。2005年10月14日出願の米国特許出願第11/251,035号明細書に記載されるように、アクチュエータ204は、2つの別個の弾性電極ビームアクチュエータ205(以下「アクチュエータ205」と称する)で形成される。シャッタ202は片側でアクチュエータ205に連結する。アクチュエータ205は、表面203と実質的に平行な運動面において、シャッタ202を表面203の上方で横に移動させる。シャッタ202の反対側は、アクチュエータ204により加えられる力に対抗する復原力を与えるばね207に連結する。
【0073】
各アクチュエータ205は、シャッタ202をロードアンカー208に接続する弾性ロードビーム206を含む。弾性ロードビーム206と共にロードアンカー208は機械的支持体として機能し、表面203近傍にシャッタ202を吊るした状態に保つ。ロードアンカー208は、弾性ロードビーム206とシャッタ202とを表面203に物理的に接続し、ロードビーム206をバイアス電圧に(時にはグラウンドに)電気的に接続する。
【0074】
各アクチュエータ205はまた、各ロードビーム206に隣接して配置された弾性駆動ビーム216を含む。駆動ビーム216は、駆動ビーム216間で共有される駆動ビームアンカー218と一端で連結する。各駆動ビーム216の他端は自由に動くことができる。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端近くのロードビーム206とロードビーム206のアンカー端とに最接近するように湾曲する。
【0075】
表面203は光の通過を許容する一つまたは複数のアパーチャ211を含む。シャッタアセンブリ200が例えばシリコンから成る不透明な基板上に形成される場合、表面203は基板の表面であり、アパーチャ211は、穴アレイを、基板を貫通してエッチングすることにより形成される。シャッタアセンブリ200が、例えばガラスまたはプラスチックから成る透明基板上に形成される場合、表面203は基板上に蒸着された光遮断層の表面であり、アパーチャ211は、表面203を穴アレイにエッチングすることにより形成される。アパーチャ211の形状は、概して、円形、楕円、多角形、蛇行形状、または不規則形状であってよい。
【0076】
動作中、光変調器200を内蔵するディスプレイ装置は、駆動ビームアンカー218を介して駆動ビーム216に電位を印加する。ロードビーム206に第2の電位を印加することができる。駆動ビーム216とロードビーム206間に生じる電位差は、駆動ビーム216の自由端をロードビーム206のアンカー端の方に引っ張り、そしてロードビーム206のシャッタ端を駆動ビーム216のアンカー端の方に引っ張ることによりシャッタ202を駆動アンカー218の方に横に駆動する。弾性部材206はばねとして働き、ビーム206と216間の電圧が取り除かれるとロードビーム206はロードビーム206に蓄えられたストレスを解放することによりシャッタ202をその初期位置に押し戻す。
【0077】
シャッタアセンブリ200(弾性シャッタアセンブリとも称する)は、電圧が取り除かれた後シャッタをその静止位置または弛緩位置に戻すためのばねなどの受動的復元力を組み込む。多くの弾性復元機構と様々な静電結合器は、静電アクチュエータ(シャッタアセンブリ200内に例示される弾性ビームは単に一例である)となるように、あるいは静電アクチュエータと組み合わせて設計することができる。他の例は米国特許出願第11/251,035号明細書と米国特許出願第11/326,696号明細書に記載され、これらを参照により本明細書に援用する。例えば、動作の「開」状態と「閉」状態間の突然の遷移を支援し、そして多くの場合シャッタアセンブリに双安定またはヒステリシス動作特性を与える高度に非線形の電圧変位応答を設けることができる。アナロググレイスケール動作に好ましいであろう、より多くの増分電圧変位応答(incremental voltage−displacement response)と著しく低減されたヒステリシスとを有する他の静電アクチュエータを設計することができる。
【0078】
弾性シャッタアセンブリ内のアクチュエータ205は閉すなわち作動位置と弛緩位置との間で動作すると考えられる。しかしながら、設計者は、アクチュエータ205がその弛緩位置にあるときはいつでもシャッタアセンブリ200が「開」状態(すなわち光を通す)または「閉」状態(すなわち光を遮断する)のいずれかであるようにアパーチャ211の設置を選択できる。例示目的のために、以下では、本明細書に記載の弾性シャッタアセンブリは、その弛緩状態において開放となるように設計されると仮定する。
【0079】
多くの場合、制御電子回路がシャッタを開状態と閉状態のそれぞれに静電駆動することができるように、「開」アクチュエータと「閉」アクチュエータの2重化セットをシャッタアセンブリの一部として設けることが好ましい。
【0080】
別の実施形態では、ディスプレイ装置100は、上述のシャッタアセンブリ200などのトランスバースシャッタベースの光変調器以外の光変調器を含む。例えば、図2Bは、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100の別の実施形態への組み込みに好適なローリングアクチュエータシャッタベースの光変調器220の断面図である。その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第5,233,459号明細書、表題「Electric Display Device」と米国特許第5,784,189号明細書、表題「Spatial Light Modulator」においてさらに説明されるように、ローリングアクチュエータシャッタベースの光変調器は、固定電極の反対側に配置された可動電極であって電界が印加されると好ましい方向に移動しシャッタを生成するようにバイアスがかけられる可動電極を含む。一実施形態では、光変調器220は、基板228と絶縁層224間に配置された平面電極226と、絶縁層224に固定端230が取り付けられた可動電極222とを含む。いかなる印加電圧もない場合、可動電極222の可動端232は、巻かれた状態を形成するために固定端230の方に自由に回転することができる。電極222と226間に電圧を印加すると、可動電極222が展開され絶縁層224に対し平坦に置かれ、これにより可動電極222は基板228を貫通して伝播する光を遮断するシャッタとして働く。電圧が取り除かれた後、可動電極222は弾性復元力により巻かれた状態に戻る。巻かれた状態への付勢は、異方性応力状態を含むように可動電極222を作製することにより実現することができる。
【0081】
図2Cは、例示的な非シャッタベースのMEMS光変調器250の断面図である。光タップ変調器250は、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100の別の実施形態への組み込みに好適である。その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第5,771,321号明細書、表題「Micromechanical Optical Switch and Flat Panel Display」にさらに説明されるように、光タップは漏れ全内部反射(frustrated total internal reflection)の原理に従って機能する。すなわち光252は光導波路254内に導かれる。光導波路254内では干渉することなく、光252の大部分は全内部反射のためにその前面または裏面を通って光導波路254を脱出することができない。光タップ250は、タップ素子256が光導波路254に接触するのに応じてタップ素子256に隣接する光導波路254の表面に当たる光252が光導波路254からタップ素子256を通ってビューアの方に逃れることにより画像形成に寄与するのに十分な高い屈折率を有するタップ素子256を含む。
【0082】
一実施形態では、タップ素子256は可撓性透明材料のビーム258の一部として形成される。電極260はビーム258の片側の一部分を覆う。対向電極260は光導波路254の上に配置される。電極260の両端に電圧を印加することにより、タップ素子256の光導波路254に対する位置は、光導波路254から光252を選択的に抽出するように制御することができる。
【0083】
ローラーベースの光変調器220と光タップ変調器250は、本発明の様々な実施形態に含むのに好適なMEMS光変調器の唯一の例ではない。他のMEMS光変調器が存在しそれらを本発明に組み込むことができることは理解されるであろう。
【0084】
米国特許出願第11/251,035号明細書と米国特許出願第11/326,696号明細書は、適切なグレイスケールを有する画像(多くの場合は動画)を生成するために制御マトリックスを介しシャッタアレイを制御することができる様々な方法を説明している。ある場合には、制御は、ディスプレイの周縁の駆動回路に接続された行と列の配線の受動マトリクスアレイにより実現される。他の場合では、ディスプレイの速度、グレイスケール、および/または消費電力性能のいずれかを改良するために、アレイ(いわゆるアクティブマトリクス)の各ピクセル内にスイッチング素子および/またはデータ保存素子を含むことは適切である。
【0085】
図3は、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100に組込まれた光変調器を制御するのに好適な制御マトリクス300の概略図である。図4は、本発明の例示的実施形態による、図3の制御マトリックス300に接続されるシャッタベースの光変調器アレイ320の透視図である。制御マトリックス300はピクセルアレイ320(以下単に「アレイ320」と呼ぶ)をアドレス指定することができる。各ピクセル301は、アクチュエータ303により制御される図2Aのシャッタアセンブリ200などの弾性シャッタアセンブリ302含む。各ピクセルはまた、アパーチャ324を含むアパーチャ層322含む。シャッタアセンブリ302などのシャッタアセンブリのさらなる電気的および機械的な説明とその変形については、米国特許出願第11/251,035号明細書と米国特許出願第11/326,696号明細書に見出すことができる。別の制御マトリックスの記載も米国特許出願第11/607,715号明細書に見出すことができる。
【0086】
制御マトリックス300は、シャッタアセンブリ302が形成される基板304の表面上に拡散または薄膜蒸着された電気回路として作製される。制御マトリックス300は、制御マトリックス300内のピクセル301の行ごとに走査ライン配線306を、そして制御マトリックス300内のピクセル301の列ごとにデータ配線308を含む。各走査ライン配線306は、書込み許可電源307をピクセル301の対応する行内のピクセル301に電気的に接続する。各データ配線308はデータ電源(「Vd電源」)309を、ピクセル301の対応する列内のピクセル301に電気的に接続する。制御マトリックス300では、データ電圧Vdはシャッタアセンブリ302の作動に必要なエネルギーの大部分を供給する。したがって、データ電圧309はまた作動電源として機能する。
【0087】
図3と図4を参照すると、ピクセルアレイ320内のピクセル301またはシャッタアセンブリ302毎に、制御マトリックス300はトランジスタ310とキャパシタ312を含む。各トランジスタ310のゲートは、ピクセル301が配置されるアレイ320内の行の走査ライン配線306に電気的に接続される。各トランジスタ310のソースはその対応するデータ配線308に電気的に接続される。各シャッタアセンブリ302のアクチュエータ303は2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の一つの電極と、対応するアクチュエータ303の電極の一つとに並列に電気的に接続される。シャッタアセンブリ302内のキャパシタ312の他の電極とアクチュエータ303の他の電極は共通電位またはグランド電位に接続される。別の実施形態では、トランジスタ310は半導体ダイオードおよび/または金属−絶縁体−金属サンドイッチ型スイッチング素子で置換されてよい。
【0088】
動作中、画像を形成するために、制御マトリックス300は、各走査ライン配線306に順番にVweを印加することによりアレイ320内の各行を順番に書込み可能にする。書込み可能にされた行では、行内のピクセル301のトランジスタ310のゲートへVweを印加すると、データ配線308を通りそしてトランジスタ310を通る電流の流れがシャッタアセンブリ302のアクチュエータ303へ電位を印加できるようになる。行が書込み可能にされている間、データ電圧Vdはデータ配線308に選択的に印加される。アナロググレイスケールを設ける実施形態では、各データ配線308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされた走査ライン配線306とデータ配線308との交点に位置するピクセル301の所望の輝度に関係して変えられる。ディジタル制御方式を実現する実施形態では、データ電圧は、比較的小さい電圧(すなわちグラウンド電位近くの電圧)となるように、あるいはVat(作動閾値電圧)以上となるように選択される。データ配線308へのVatの印加に応答して、その対応するシャッタアセンブリ302内のアクチュエータ303が作動しシャッタアセンブリ302内のシャッタを開く。データ配線308に印加される電圧は、制御マトリックス300がVweを行に印加するのを停止した後でもピクセル301のキャパシタ312に蓄えられたままである。したがって、シャッタアセンブリ302が作動するのに十分に長い時間待って行上に電圧Vweを維持する必要はない。すなわち、書込み許可電圧が行から取り除かれた後もこのような作動を続けることができる。キャパシタ312はまたアレイ320内の記憶素子として機能し、画像フレームの照明が必要な期間の間、作動命令を保存する。
【0089】
アレイ320の制御マトリックス300だけでなくピクセル301も基板304上に形成される。アレイは基板304上に配置されたアパーチャ層322を含む。アパーチャ層322はアレイ320内のそれぞれのピクセル301用の一組のアパーチャ324含む。アパーチャ324は各ピクセル内のシャッタアセンブリ302にアライメントされる。一実施形態では、基板304はガラスまたはプラスチックなどの透明材料で作られる。別の実施形態では、基板304は不透明な材料で作られ、基板304内にはアパーチャ324を形成するための穴がエッチングされる。
【0090】
シャッタアセンブリ302の部品は制御マトリックス300と同時に処理されるかあるいは同じ基板上において後続の処理工程で処理される。制御マトリックス300内の電気部品は、液晶ディスプレイ用の薄膜トランジスタアレーの製造と共通な多くの薄膜技術を使用することにより作製される。利用可能な技術は、Den Boer,Active Matrix Liquid Crystal Displays(Elsevier,Amsterdam,2005)に記載されており参照により本明細書に援用する。シャッタアセンブリは、マイクロマシニングの技術と同様な技術あるいはマイクロメカニカル(すなわちMEMS)装置の製造技術を使用することにより作製される。多くの適用可能な薄膜MEMS技術は、Rai−Choudhury,ed.,Handbook of Microlithography,Micromachining & Microfabrication(SPIE Optical Engineering Press,Bellingham,Wash.1997)に記載され、これを参照により本明細書に援用する。ガラス基板上に形成されるMEMS光変調器に固有の製造技術は米国特許出願第11/361,785号明細書と米国特許出願第11/731,628号明細書に見出すことができ、参照により本明細書に援用する。例えば、これらの出願に記載されるように、シャッタアセンブリ302は、化学蒸着処理により蒸着されるアモルファスシリコンの薄膜で形成することができる。
【0091】
アクチュエータ303と共にシャッタアセンブリ302は双安定とすることができる。すなわち、シャッタは、シャッタをいずれかの位置に保持するのに電力はほとんど必要ないか全くない少なくとも2つの平衡位置(例えば開か閉の位置)に存在することができる。具体的には、シャッタアセンブリ302は機械的に双安定であってよい。一旦シャッタアセンブリ302のシャッタが適切な位置に設定されると、その位置を維持するのに電気エネルギーまたは保持電圧は必要ない。シャッタアセンブリ302の物理的要素上の機械的応力により、シャッタを所定位置に保持することができる。
【0092】
アクチュエータ303と共にシャッタアセンブリ302もまた電気的に双安定にすることができる。電気的に双安定なシャッタアセンブリにおいては、シャッタアセンブリの作動電圧より低い電圧の範囲が存在する。この電圧が閉じたアクチュエータ(シャッタは開いているかまたは閉じている)に印加されると、シャッタアセンブリは、反力がシャッタに加わってもアクチュエータを閉じた状態にし、シャッタを適切な位置に保持する。反力はシャッタベースの光変調器200内のばね207などのばねにより加えられてもよいし、あるいは「開いた」または「閉じた」アクチュエータなどの対向するアクチュエータにより加えられてもよい。
【0093】
光変調器アレイ320はピクセルごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして描写される。複数のMEMS光変調器を各ピクセル内に設けることにより各ピクセルの単なる2進の「オン」または「オフ」光学状態より多い状態の実現性を与える他の実施形態も可能である。ピクセル内の複数のMEMS光変調器が設けられ、これら光変調器のそれぞれに対応付けられたアパーチャ324が非均等なエリアを有する、特定の形式の符号化エリア分割グレイスケール(coded area division gray scale)が可能である。
【0094】
他の実施形態では、他のMEMSベースの光変調器だけでなくローラーベースの光変調器220または光タップ250もまた、光変調器アレイ320内のシャッタアセンブリ302と置換可能である。
【0095】
図5は、本発明の例示的実施形態による、シャッタベースの光変調器(シャッタアセンブリ)502を内蔵するディスプレイ装置500の断面図である。各シャッタアセンブリはシャッタ503とアンカー505を組み込む。アンカー505とシャッタ503間に接続されるとシャッタを基板表面の上方の短い距離の場所に吊るのを支援する弾性ビームアクチュエータは図示されない。シャッタアセンブリ502は、好ましくはプラスチックまたはガラスで作られる透明基板504上に配置される。基板504上に配置された裏面向きの反射層(反射膜506)は、シャッタアセンブリ502のシャッタ503の閉位置の下方に位置する複数の表面アパーチャ508を画定する。反射膜506は、表面アパーチャ508を通過しない光を反射してディスプレイ装置500の裏面に向けて戻す。反射性アパーチャ層506は、スパッタリング、蒸発、イオンメッキ、レーザー切断、または化学気相蒸着を含む多くの蒸着技術により薄膜状に形成された、介在物を含まない微粒子金属膜であってよい。別の実施形態では、裏面向きの反射層506は誘電体ミラーなどのミラーで形成することができる。誘電体ミラーは、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料を繰り返す誘電体薄膜の積層として作製される。シャッタ503を反射膜506から分離する垂直のギャップ(この中をシャッタは自由に移動できる)は0.5〜10ミクロンの範囲である。垂直のギャップの大きさは、閉状態におけるシャッタ503のエッジとアパーチャ508のエッジ間の横方向重なりより小さいことが好ましい。
【0096】
ディスプレイ装置500は、随意のディフューザ512、および/または基板504を平面状の光導波路516から分離する随意の輝度増強膜514を含む。光導波路は透明材料すなわちガラスまたはプラスチック材料で構成される。光導波路516はバックライトを形成する一つまたは複数の光源518により照明される。光源518は、例えばそして限定するものではないが、白熱灯、蛍光灯、レーザー、または発光ダイオード(LED)であってよい。反射器519は、ランプ518からの光を光導波路516に向けて導くのを助ける。前面向き反射膜520はバックライト516の背面に配置されて、光をシャッタアセンブリ502に向けて反射する。シャッタアセンブリ502の一つを通過しないバックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520で再び反射される。このようにして、最初に、画像を形成するためにディスプレイから離れることに失敗した光は再利用することができ、シャッタアセンブリ502のアレイ内の他の開いたアパーチャを透過するのに利用可能となる。このような光の再利用はディスプレイの照明効率を上げるということが示された。
【0097】
光導波路516は、ランプ518からの光をアパーチャ508の方に、したがってディスプレイの前面の方に再度導く一組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタは、その断面が三角形、台形、または曲線状であってよい、光導波路516のプラスチック本体内に成型されてよい。プリズム517の密度は一般的にはランプ518からの距離とともに増加する。
【0098】
別の実施形態ではアパーチャ層506は光吸収物質で作ることができ、別の実施形態ではシャッタ503の表面は光吸収または光反射材料で覆うことができる。別の実施形態では、アパーチャ層506は、光導波路516の表面に直接蒸着することができる。別の実施形態では、アパーチャ層506はシャッタ503およびアンカー505と同じ基板上に配置される必要はない(後述のMEMSダウン構成を参照)。ディスプレイ照明システムのためのこれらおよび他の実施形態については、米国特許出願第11/218,690号明細書と米国特許出願第11/528,191号明細書に詳細に記載され、これらを参照により本明細書に援用する。
【0099】
一実施形態では、光源518は、異なる色例えば赤、緑、青色のランプを含むことができる。カラー画像は、人間の脳が異なるカラー画像を単一のマルチカラー画像に平均化するのに十分な速度で、異なる色のランプにより画像を順次照明することにより形成することができる。様々な色特有画像(color−specific images)はシャッタアセンブリアレイ502を使用することにより形成される。別の実施形態では、光源518は4つ以上の異なる色を有するランプを含む。例えば、光源518は赤、緑、青、白色ランプ、または赤、緑、青、黄色ランプを有してよい。
【0100】
カバープレート522はディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の裏側は、コントラストを強化するためにブラックマトリクス524で覆うことができる。別の実施形態では、カバープレートはカラーフィルタ(例えば、シャッタアセンブリ502の異なる色に対応する個別の赤、緑、青色フィルタ)を含む。カバープレート522は、ギャップ526を形成するシャッタアセンブリ502から所定の距離だけ離れて支持される。ギャップ526は、機械的な支持体またはスペーサ527により、および/またはカバープレート522を基板504に貼り付ける接着シール528により維持される。
【0101】
シーリング材528は、エポキシ、アクリル酸塩、またはシリコン材料などの重合体接着剤で形成することができる。接着シール528は、好適には200°Cより低い硬化温度を有すべきであり、好適には約50ppm/℃未満の熱膨張率を有すべきであり、かつ耐湿性を有さなければならない。例示的なシーリング材528はEpoxy Technology,Inc.より販売されるEPO−TEK B9021−1である。別の実施形態では、接着剤は、半田金属またはガラスフリット化合物などの熱リフロー可能な材料で形成される。
【0102】
接着シール528は作動流体530を密封する。作動流体530は、好ましくは約10センチポイズ未満の粘度、好ましくは約2.0を超える比誘電率、そして約104V/cmを超える絶縁破壊強度で設計される。作動流体530はまた潤滑剤として機能することができる。別の実施形態では、作動流体530は基板504の屈折率より大きいかあるいは小さい屈折率を有する。一実施形態では、作動流体は2.0を超える屈折率を有する。好適な作動流体530としては、限定するものではないが、イオン除去水、メタノール、エタノール、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、そしてジエチルベンゼンが挙げられる。
【0103】
別の実施形態では、作動流体530は高い表面濡れ性能を有する疎水性液である。この濡れ性能はシャッタアセンブリ502の裏面だけでなく前面も濡らすのに十分であることが好ましい。疎水性液はシャッタアセンブリ502の表面から水を排除することができる。別の実施形態では、作動流体530は、0.5〜20ミクロンの範囲の直径を有する粒子の懸濁液を含む。このような粒子は光を散乱してディスプレイの視角を広げる。別の実施形態では、作動流体530は、ディスプレイのコントラストを増すために、可視光の周波数の一部またはすべてを吸収する色素分子を溶液中に含む。
【0104】
板金または成型プラスチックアセンブリブラケット532は、エッジのまわりにカバープレート522、基板504、バックライト516、そして他の構成部品を一緒に保持する。アセンブリブラケット532は、合体されたディスプレイ装置500の剛性を増すためにねじまたはインデントタブで固定される。いくつかの実施形態では、光源518はエポキシ埋込用樹脂により所定位置に成型される。反射器536は、光導波路516のエッジから漏れる光を光導波路内に戻すのを助ける。シャッタアセンブリ502とランプ518へ電力だけでなく制御信号も供給する電気配線は図5では図示されない。
【0105】
ディスプレイ装置500のさらなる詳細と別の構成(したがって製造方法を含む)については米国特許出願第11/361,785号明細書と米国特許出願第11/731,628号明細書に見出すことができ、これらを参照により本明細書に援用する。
【0106】
ディスプレイ装置500はMEMSアップ構成と呼ばれる。この構成では、MEMSベースの光変調器は基板504の前面(すなわちビューアの方に向いた面)上に形成される。シャッタアセンブリ502は、反射性アパーチャ層506の上に直接構築される。MEMSダウン構成と呼ばれる本発明の別の実施形態では、シャッタアセンブリは、反射性アパーチャ層が形成される基板とは別の基板上に配置される。反射性アパーチャ層が形成されるとともに複数のアパーチャを画定する基板は、本明細書ではアパーチャ板と呼ぶ。MEMSダウン構成では、MEMSベースの光変調器を載せる基板はディスプレイ装置500のカバープレート522の代わりをする。この基板は、MEMSベースの光変調器が上部基板の裏面(すなわちビューアから離れる方向でバックライト516に面した面)に配置されるように、配向される。これによりMEMSベースの光変調器は、反射性アパーチャ層の正反対側に、そして反射性アパーチャ層から一定のギャップを隔てて配置される。ギャップは、アパーチャ板と、MEMS変調器が形成される基板とを接続する一連のスペーサポストにより維持することができる。いくつかの実施形態では、スペーサはアレイ内の各ピクセル内あるいはピクセル間に配置される。MEMS光変調器をその対応するアパーチャから離すギャップすなわち距離は、10ミクロン未満あるいはシャッタとアパーチャ間の重なりより小さい距離であることが好ましい。
【0107】
MEMSダウンディスプレイ構成のさらなる詳細と別の実施形態については、上に参照された米国特許出願第11/361,785号明細書と米国特許出願第11/528,191号明細書に見出すことができる。
【0108】
他の実施形態では、他のMEMSベースの光変調器だけでなくローラーベースの光変調器220または光タップ250もまた、ディスプレイアセンブリ500内のシャッタアセンブリ502と置換可能である。
【0109】
図6Aと6Bには、本発明の様々な実施形態に含むのに好適な別のシャッタベースの光変調器(シャッタアセンブリ)2200を例示する。光変調器2200は2重化アクチュエータシャッタアセンブリの例であり、図6Aでは開状態で示される。図6Bは、閉状態における2重化アクチュエータシャッタアセンブリ2200の図である。シャッタアセンブリ2200については、上に参照された米国特許出願第11/251,035号明細書においてさらに詳細に説明される。シャッタアセンブリ200とは対照的に、シャッタアセンブリ2200は、シャッタ2202の片側にアクチュエータ2208と2210を含む。各アクチュエータ2210と2208は独立して制御される。第1のアクチュエータ(シャッタ開放アクチュエータ2210)はシャッタ2202を開くように機能する。第2の対向するアクチュエータ(シャッタ閉鎖アクチュエータ2208)はシャッタ2202を閉じるように機能する。アクチュエータ2210と2208の両方は弾性ビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ2210と2208は、その上にシャッタが吊るされるアパーチャ層2204と実質的に平行な平面においてシャッタ2202を駆動することによりシャッタ2202を開閉する。シャッタ2202は、アクチュエータ2210と2208に取り付けられたアンカー2206によりアパーチャ層2204の上から少し距離をおいて吊るされる。シャッタ2202の運動軸に沿ったシャッタの両端に取り付けられた支持体を含むことにより、シャッタ2202の面外方向の運動を減少させるとともにその運動を基板と平行な平面に実質的に制限する。図3の制御マトリックス300からの類推により、シャッタアセンブリ2200と共に使用するのに好適な制御マトリックスは、相対向するシャッタ開放およびシャッタ閉鎖アクチュエータ2210と2208のそれぞれに対し一つのトランジスタと一つのキャパシタを含んでよいであろう。
【0110】
シャッタ2202は光が通過することができる3つのシャッタアパーチャ2212を含む。シャッタ2202の残り部分は光の通過を妨害する。様々な実施形態では、シャッタ2202の反射性アパーチャ層2204に面する側は、通過を妨げられた光をそれぞれ吸収または反射するために光吸収物質または反射材料で覆われる。
【0111】
反射性アパーチャ層2204は、好ましくはプラスチックまたはガラスで形成される透明基板上に蒸着される。反射性アパーチャ層2204は、基板上に蒸着された金属の膜、誘電体ミラー、または他の高反射性材料または材料の組み合わせで形成することができる。反射性アパーチャ層2204には、透明基板からシャッタ2202に向かって光がアパーチャを通過すことを許容するための一組のアパーチャ2214が形成される。反射性アパーチャ層2204は各シャッタアパーチャ2212に対応する一つのアパーチャを有する。例えば、シャッタアセンブリ2200を含む光変調器アレイでは、反射性アパーチャ層はシャッタアセンブリ2200毎に3つのアパーチャ2214を含む。各アパーチャはその周縁に少なくとも一つのエッジを有する。例えば、矩形のアパーチャ2214は4つのエッジを有する。別の実施形態では、円形、楕円、卵形、または他の曲線状のアパーチャが反射性アパーチャ層2204内に形成される。各アパーチャは単一のエッジのみを有してもよい。他の実施形態では、アパーチャは分離されている、すなわち数学的な意味で非同一である必要はないが、アパーチャは互いに接続することができる。すなわち、アパーチャの一部分または成形部分は各シャッタとの対応関係を有することができ、これら部分のいくつかは、アパーチャの単一の連続的な周縁が複数のシャッタにより共有されるように接続されてよい。
【0112】
図6Aでは、シャッタアセンブリ2200は開状態にある。アクチュエータ2208は開放位置にあり、アクチュエータ2210は折畳み位置にある。シャッタアパーチャ2212を通してアパーチャ2214を見ることができる。見て明らかなように、シャッタアパーチャ2212は、反射性アパーチャ層2204内に形成されたアパーチャ2214より面積が大きい。この寸法差異により、光がシャッタアパーチャ2212を通過して所望のビューアに向かうことができる角度の範囲が増加する。
【0113】
様々な実施形態では、シャッタアセンブリに使用されるシャッタは、シャッタが閉位置にあるときに、対応するアパーチャと重なると有利である。
【0114】
図6Bでは、シャッタアセンブリは閉状態である。アクチュエータ2208は折畳み位置にあり、アクチュエータ2210は開放位置にある。シャッタ2202の光遮断部は反射性アパーチャ層2204のアパーチャ2214を覆う。シャッタ2202の光遮断部は反射性アパーチャ層2204のアパーチャ2214のエッジと所定の重なり2216だけ重なる。いくつかの実施形態では、シャッタが閉状態にあるときでも、一部の光はシャッタ2202に垂直な軸から離れた角度でアパーチャ2214を通って漏れることがある。シャッタアセンブリ2200に含まれる重なりは、この光の漏れを減少させるかあるいはなくす。シャッタ2202の光遮断部は図6Bに示されるようにアパーチャの4つのエッジすべてと重なるが、シャッタ2202の光遮断部をエッジの一つとでも重ならせることにより光漏れを低減する。
【0115】
図7A〜7Cは、反射性アパーチャ層2204が形成される透明基板に関した、シャッタアセンブリ2200の様々な構成の断面図である。断面図は、図6Aと6BのB−B’線に対応する。説明のため、図7A〜7Cではシャッタ2202は単一のシャッタアパーチャ2323と2つの光遮断部2324のみを有するものとして例示される。
【0116】
図7Aは、本発明の例示的実施形態による、B−B線に沿って取られた、閉状態における図6に示したものと同様なシャッタアセンブリ2301を含むディスプレイ装置2300の第1の構成の断面である。第1の構成では、シャッタアセンブリ2301は反射性アパーチャ層2302上に形成される。反射性アパーチャ層2302は透明基板2304上に蒸着される薄い金属膜で形成される。あるいは、反射性アパーチャ層2302は、誘電体ミラー、または他の高反射性材料または材料の組み合わせで形成することができる。反射性アパーチャ層2302はアパーチャ2306を形成するためにパターン化される。透明基板2304は光導波路2308に近接して配置される。透明基板2304と光導波路2308は空気などの流体で充填されたギャップ2309により分離される。流体の屈折率は光導波路2308より小さいことが好ましい。ディスプレイ装置2300に好適な光導波路2308は米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。ディスプレイ装置2300はまた光導波路2308の裏側に隣接して配置された前面向きの裏側反射層2310を含む。
【0117】
シャッタアセンブリ2301は、相対向するアクチュエータ2318と2320の一部分を介してアンカー2316により反射性アパーチャ層2302に近接して支持されたシャッタ2314を含む。アンカー2316とアクチュエータ2318と2320は、反射性アパーチャ層2302上から約一定距離H1(シャッタ2314の底部から測定される)をおいてシャッタ2314を吊す。さらに、ディスプレイ装置2300は、スペーサポスト2312により透明基板2304上に支持されたカバープレート2311を含む。スペーサポスト2312は、シャッタ2314の上部から約第2の距離H2だけ離れてカバープレートを保持する。基板2304と2311はガラスなどの実質的に剛性の材料で作ることができる。この場合、所望の間隔H2を維持するために比較的低密度のスペーサ2312を使用することができる。例えば、剛性基板により、ディスプレイ装置2300は一実施形態では4つのピクセルごとに一つのスペーサ2312を含む。但し、他のより高いまたはより低い密度もまた利用できる。別の実施形態では、基板2304または2311のいずれかは、プラスチックなどの可撓性材料で作ることができる。この場合、より高密度のスペーサ2312(例えばアレイ内の各ピクセル内またはピクセル間に一つのスペーサ2312)を有することが好ましい。
【0118】
カバープレート2311と透明基板2304間のギャップは上述の作動流体530などの作動流体2322で充填される。作動流体2322は透明基板2304より大きな屈折率を有することが好ましい。別の実施形態では、作動流体は2.0を超える屈折率を有する。別の実施形態では、作動流体2322は透明基板2304の屈折率より小さい屈折率を有する。
【0119】
上に示したように、シャッタアセンブリ2301は閉状態にある。シャッタ2314の光遮断部2324は、反射性アパーチャ層2302内に形成されたアパーチャ2306のエッジと重なる。シャッタとアパーチャ間のギャップ(すなわち距離H1)をできるだけ小さくすると、シャッタ2314の光遮断特性が改善される。一実施形態では、H1は約100μm未満である。別の実施形態では、H1は約10μm未満である。さらに別の実施形態では、H1は約1μmである。別の実施形態では、距離H1は0.5mmを超えるがディスプレイピッチより依然として小さい。ディスプレイピッチは、ピクセル間の距離(中心間で測定される)として定義され、多くの場合、裏面向きの反射層2302のアパーチャ2306などのアパーチャ間の距離(中心間で測定される)として設定される。
【0120】
重なりW1の寸法は距離H1に比例することが好ましい。重なりW1はさらに小さくてもよいが距離H1以上であることが好ましい。一実施形態では、重なりW1は1ミクロン以上である。別の実施形態では、重なりW1が約1ミクロンから10ミクロンの間にある。別の実施形態では、重なりW1は10ミクロンを超える。特定の一実施形態では、シャッタ2314は約4μm厚である。H1は約2μmであり、H2は約2μmであり、W1>=2μmである。重なりW1をH1以上にすることにより、シャッタアセンブリ2301が図7Aに示されるような閉状態にある場合、アパーチャ2306を通って光導波路2308を脱出するのに十分な角度を有するほとんどの光はシャッタ2314の光遮断部2324にぶつかるので、ディスプレイ装置2300のコントラスト比が改善される。
【0121】
H2はH1とほぼ同じ距離であることが好ましい。スペーサポスト2312は、リソグラフィでパターン化され、現像され、および/または筒状にエッチングされる高分子材料で形成されることが好ましい。スペーサの高さは硬化された高分子材料の厚さにより確定される。スペーサ2312の形成のための方法と材料は、2006年2月23日出願の共有の米国特許出願第11/361,785号明細書に開示され、これを参照により本明細書に援用する。別の実施形態では、スペーサ2312は、犠牲材料から成る鋳型内に電気化学的に蒸着される金属で形成することができる。
【0122】
図7Bは、本発明の例示的実施形態による、閉状態における図6に示されたものと同様なシャッタアセンブリ2341を含むディスプレイ装置2340の第2の構成の断面である。この第2の構成はMEMSダウン構成と称する。ここでは反射性アパーチャ層2344はアパーチャ板2346と称する透明基板(シャッタアセンブリ2341が係止される光変調器基板2342とは別個のものである)上に形成される。シャッタアセンブリは、その中に光遮断部2362とシャッタアパーチャ2363を形成したシャッタ2354を含む。アパーチャ板2346と同様に、光変調器基板2342もまた透明である。2つの基板2342と2346はギャップにより分離される。2つの基板2342と2346は、図6に示したようにシャッタが閉位置にあるときはアパーチャ2347のそれぞれとシャッタ2354の光遮断部2362のそれぞれとの間に、および/またはシャッタが開放位置にあるときはアパーチャ2347とシャッタアパーチャ2363間に1対1の対応が存在するように、組立中にアライメントされる。別の実施形態では、アパーチャと、光遮断部2362またはシャッタ2354のシャッタアパーチャ2363のいずれかとの間の対応は1対多または多対1である。
【0123】
MEMSダウンディスプレイ装置2340では、シャッタアセンブリ2341は光変調器基板2342の裏面向きの面上すなわち光導波路2348に面する側に形成される。ディスプレイ装置2340では、アパーチャ板2346は光変調器基板2342と光導波路2348間に配置される。反射性アパーチャ層2344は、透明なアパーチャ板2346の前面向きの面上に蒸着される薄い金属膜で形成される。反射性アパーチャ層2344はアパーチャ2347を形成するためにパターン化される。別の実施形態では、反射層2344は誘電体ミラーなどのミラーで形成することができる。誘電体ミラーは、異なる屈折率を有する誘電体薄膜の積層、あるいは金属層と誘電体層の組み合わせで作製される。
【0124】
アパーチャ板2346はバックライトまたは光導波路の2348に近接して配置される。アパーチャ板2346は、空気などの流体で充填されたギャップ2349により光導波路2348から分離される。流体の屈折率は光導波路2348より小さいことが好ましい。ディスプレイ装置2340に好適なバックライト2348については米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明され、その全体を参照により本明細書に援用する。ディスプレイ装置2340はまた、バックライト2348の裏側に隣接して配置された前面向きの裏側反射層2350を含む。裏面向きの反射層2344と組み合わせた前面向きの反射層2350は、アパーチャ2347を最初に通過しない光線の再利用を促進する光共振器を形成する。シャッタアセンブリ2341は、相対向するアクチュエータ2358と2360の一部分を介してアンカー2356により透明基板2342に近接して支持されたシャッタ2354を含む。アンカー2356とアクチュエータ2358と2360は、光変調器基板2342の下方、約一定距離H4(シャッタ2354の上部から測定される)のところにシャッタ2354を吊す。さらに、ディスプレイ装置は、アパーチャ板2346上に光変調器基板2342を支持するスペーサポスト2357を含む。スペーサポスト2357はアパーチャ板2346から約第2の一定距離H5離れたところに光変調器基板2342を保持し、これによりシャッタ2354の底面を反射性アパーチャ層2344の上方、約第3の一定距離H6のところに保持する。スペーサポスト2357はスペーサ2312と同様の方法で形成される。
【0125】
光変調器基板2342とアパーチャ板2346間のギャップは上述の作動流体530などの作動流体2352で充填される。作動流体2352は透明なアパーチャ板2346より大きな屈折率を有することが好ましい。別の実施形態では、作動流体は2.0を超える屈折率を有する。別の実施形態では、作動流体2352はアパーチャ板2346の屈折率以下の屈折率を有することが好ましい。
【0126】
上に示したように、シャッタアセンブリ2341は閉状態にある。シャッタ2354の光遮断部2362は、反射性アパーチャ層2344内に形成されるアパーチャ2347のエッジと重なる。重なりW2の寸法は距離H6に比例することが好ましい。重なりW2はさらに小さくてもよいが距離H6以上であることが好ましい。一実施形態では、H6は約100μm未満である。別の実施形態では、H6は約10μm未満である。さらに別の実施形態では、H6は約1μmである。別の実施形態では、距離H6は0.5mmを超えるが、ディスプレイピッチよりは依然として小さい。ディスプレイピッチはピクセル間の距離(中心間で測定される)として定義され、多くの場合、アパーチャ2347などの裏面向きの反射層のアパーチャのセンター間の距離として設定される。H4はH6とほぼ同じ距離であることが好ましい。特定の一実施形態では、シャッタ2354は約4μm厚であり、H6は約2μmであり、H4は約2μmであり、H5は約8μmであり、そしてW2>=2μmである。重なりW2をH6以上にすることにより、シャッタアセンブリ2341が図7Bに示されるような閉状態にある場合、アパーチャ2347を通ってバックライト2348を脱出するのに十分な角度を有するほとんどの光はシャッタ2354の光遮断部2362にぶつかるので、ディスプレイ装置2340のコントラスト比が改善される。
【0127】
図7Cは、本発明の例示的実施形態による、閉状態の図6に示されたものと同様なシャッタアセンブリ2371を含むディスプレイ装置2370の第3の構成の断面である。上述のディスプレイ装置2340の第2の構成との比較では、ディスプレイ装置2370は、シャッタアセンブリ2371が形成される光変調器基板2372(光変調器基板2342と同様な)と反射性アパーチャ層2376が蒸着されるアパーチャ板2374(アパーチャ板2346と同様な)とのアライメントとボンディングを行う間に発生し得る軽微なミスアラインメントを考慮して設計される。この潜在的な問題に対処するために、ディスプレイ装置2370は、光変調器基板2372上に蒸着される光吸収物質の追加層2377を含む。光吸収物質2377はブラックマスクの一部であってよいが、少なくとも光吸収物質2377の一部は、シャッタアセンブリ2371が対応するピクセルの内部に配置されることが好ましい。光吸収物質2377は、シャッタ2382が閉状態にある間は、そうでなければ光変調器基板2372を通過する光2378を吸収する。光(例えばシャッタ2382から偏向した光2380)を吸収するために、反射性アパーチャ層2376の前面側に追加の光吸収物質2377を蒸着することができる。
【0128】
図7Dは、本発明の例示的実施形態による、閉状態の図6に示されたものと同様なシャッタアセンブリ2385を含むディスプレイ装置2390の第4の構成の断面である。上述のシャッタアセンブリ2354の第2の構成との比較では、シャッタアセンブリ2385は異なる工程にしたがって作製され、その結果その部材の一部は異なる断面厚になる。生成されたシャッタ2393は本明細書では波形シャッタと呼ぶ。但し、ギャップ距離(例えばH8、H10)と重なりパラメーターW4の設計ガイドラインは、上述の対応するギャップ距離と重なりパラメーターから変えないことが好ましい。ディスプレイ装置2390はシャッタアセンブリ2385が取り付けられる透明な光変調器基板2386(MEMSダウン構成に基づく)を含む。ディスプレイ装置2390はまた、裏面向き反射性アパーチャ層2388が蒸着される透明なアパーチャ板2387を含む。ディスプレイ装置2390は基板2386と2387間のギャップを充填する流体2389を含む。流体2389は好適にはアパーチャ板2387より高い屈折率を有する。ディスプレイ装置はまた、前面向き反射層2350と共にバックライト2348を含む。
【0129】
シャッタアセンブリ2385は閉状態にある。波形シャッタ2393の光遮断部2391は反射性アパーチャ層2388に形成されたアパーチャ2394のエッジと重なる。波形シャッタ2393は接続された2つの平板部(すなわち水平に配向された部分2391と垂直に配向された部分2392)で構成される。各平板部2391と2392は0.2〜2.0μmの範囲の厚さを有する薄膜材料で構成される。特定の実施形態では、水平部分2391の厚さは0.5μmである。縦断面2392は、約2μmより厚いバルク材の蒸着を必要とすることなく、剛性と、アクチュエータ2358と整合する高さとを波形シャッタ2393に与える。波形および/または3次元構造を有するシャッタの形成のための方法と材料については、2006年2月23日出願の共有米国特許出願第11/361,785号明細書に開示され、これを参照により本明細書に援用する。
【0130】
ディスプレイ装置2340について説明された寸法と同様に、特定の実施例では、ディスプレイ装置2390のH8、H9、H10の寸法はそれぞれ2μm、8μm、2μmであってよい。重なりW4は距離H10以上であることが好ましい。別の実施例では、距離H10と重なりW4は1μm以上であってよい。しかしながら、波形シャッタ2393のための本材料と方法を使用することにより、部分2391の厚さは0.5μm程度に薄くすることができる。重なりW4をH10以上にすることにより、シャッタアセンブリ2385が図7Aに示されるような閉状態にある場合、アパーチャ2394を通ってバックライト2348を脱出するのに十分な角度を有するほとんどの光はシャッタ2393の光遮断部2391にぶつかるので、ディスプレイ装置2390のコントラスト比が改善される。
【0131】
図8は、本発明の例示的実施形態による、第1のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2400の断面図である。光変調アレイ2400は、光共振器2404上に形成された複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セル2402a〜2402d(概して「セル2402」と呼ぶ)を含む。光変調アレイ2400はまたセル2402に対応する一組のカラーフィルタ2406を含む。
【0132】
各セル2402は、水(または他の透明な導電性または極性流体)の層2408と、光吸収オイルの層2410と、透明電極2412(例えばインジウムスズ酸化物から成る)と、光吸収オイルの層2410と透明電極2412間に配置した絶縁層2414とを含む。このようなセルの例示的な実施形態については、2005年5月19日公開の米国特許第出願公開2005/0104804号明細書、表題「Display Device」においてさらに説明され、これを参照により本明細書に援用する。本明細書に記載の実施形態では、透明電極2412はセル2402の裏面の一部のみを占める。
【0133】
セル2402の裏面の残り部分は、光共振器2404の前面を形成する反射性アパーチャ層2416で形成される。裏面向き反射層2416はアパーチャを形成するためにパターン化される。アパーチャはセル2402の実施形態では透明電極2412と一致する。好適には、閉位置にあるとき、光吸収オイルの層2410は反射性アパーチャ層2416内のその対応するアパーチャの一つまたは複数のエッジの一部と重なる。反射性アパーチャ層2416は、反射金属または誘電体ミラーを形成する薄膜の積層などの反射材料で形成される。各セル2402では、アパーチャは、光が通過できるように反射性アパーチャ層2416内に形成される。別の実施形態では、セル用の電極2412はアパーチャ内にそして反射性アパーチャ層2416を形成する材料上に蒸着され、別の誘電体層により分離される。
【0134】
光共振器2404の残り部分は、反射性アパーチャ層2416に近接して配置された光導波路2418と、光導波路2418の反射性アパーチャ層2416とは反対側の第2の反射層2420とを含む。一連の光リダイレクタ2421は第2の反射層に近接した光導波路の裏面上に形成される。光リダイレクタ2421は拡散性または鏡面反射性の鏡であってよい。一つまたは複数の光源2422は光導波路2418内に光2424を注入する。
【0135】
別の実施形態では、光源2422は異なる色(例えば赤、緑、青色)のランプを含むことができる。カラー画像は、人間の脳が異なるカラー画像を単一のマルチカラー画像に平均化するのに十分な速度で、異なる色のランプで画像を順次照明することにより形成することができる。様々な色特有画像はエレクトロウェッティング変調セルアレイ2402を使用することにより形成される。別の実施形態では、光源2422は4つ以上の異なる色を有するランプを含む。例えば、光源2422は赤、緑、青、白色ランプ、または赤、緑、青色、黄色ランプを有してよい。
【0136】
別の実施形態では、セル2402と反射性アパーチャ層2416は光導波路2418とは別個のものであり、かつギャップにより分離された追加の光変調器基板上に形成される(例えば図9の光変調器基板2513を参照)。さらに別の実施形態では、光導波路2418より小さい屈折率を有する材料層が反射性アパーチャ層2416と光導波路2418間に挿入される。小さい屈折率を有する材料層は、光導波路2418から放射された光の均一性を改善するのに役立つ。
【0137】
動作中、セル(例えばセル2402bまたは2402c)の電極2412に電圧を印加することにより、セル内の光吸収オイル2410がセル2402の一部分に溜まる。その結果、光吸収オイル2410は、反射性アパーチャ層2416内に形成されたアパーチャを通る光の通過をもはや妨害しない(例えば、セル2402bと2402cを参照)。アパーチャにおいてバックライトを脱出した光は、次に、セルを通りそして一組のカラーフィルタ2406内の対応するカラー(例えば赤、緑、または青色)フィルタを通って脱出し画像内の色ピクセルを形成することができる。電極2412がアースされると、光吸収オイル2410は反射性アパーチャ層2416のアパーチャを覆い、それを通過しようとするいかなる光2424も吸収する(例えばセル2402aを参照)。
【0138】
電圧がセル2402に印加されるとオイル2410がその下に溜まる領域は、画像の形成に関して無駄なスペースを構成する。この領域は電圧が印加されようがされまいが光を通過させることができない。したがってこの領域は、反射性アパーチャ層2416の反射部を包含しなければ、そうでなければ画像の形成に寄与するために利用できたであろう光を吸収するであろう。しかしながら、反射性アパーチャ層2416を包含すると、そうでなければ吸収されていたであろうこの光は、異なるアパーチャを通る将来の脱出のために、反射されて光ガイド2420内に戻される。
【0139】
図9は、本発明の例示的実施形態による、第2のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2500の断面図である。第2のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2500は、互いに上下に配置されたカラーエレクトロウェッティングベースの光変調セル2502(概して「セル2502」と呼ぶ)の3つのサブアレイ2501a、2501b、2501cを含む。各セル2502は、透明電極2504と、絶縁体2508により分離されたカラーオイル2506とを含む。一実施形態では、サブアレイ2501aのセル2502内のオイル2506はシアン色が付けられ、サブアレイ2501bのセル2502内のオイル2506は黄色が付けられ、サブアレイ2501cのセル2502内のオイル2506はマゼンタ色が付けられる。サブアレイ2501a内のセル2502とサブアレイ2501bのセル2502は共通の水の層2520を共有する。サブアレイ2501cのセル2502は自身の水の層2520を含む。
【0140】
エレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2500は、3つのサブアレイ2501a〜2501cに連結された光再利用型光共振器2510を含む。光共振器2510は、光導波路2512と、ギャップ2515により光導波路2512から分離された光変調器基板2513とを含む。光変調器基板2513の前面は裏面向き反射性アパーチャ層2514を含む。反射性アパーチャ層2514は金属の層または誘電体ミラーを形成する薄膜の積層で形成される。アパーチャ2516は、サブアレイ2501a〜2501cのセル2502の下方の反射性アパーチャ層にパターン化され、光が光導波路を脱出してサブアレイ2501a〜2501cを通過し画像を形成することを許容する。セル2502の透明電極2504は反射性アパーチャ層2514の上方に形成される。
【0141】
基板同士(すなわち光導波路2512と変調器基板2513)は空気などの流体で充填されたギャップ2515により分離される。流体の屈折率は光導波路2512より小さい。前面向きの反射層2518は光導波路2512の反対側に、あるいはそれに近接して形成される。光変調アレイ2500は光を光導波路2512内に注入するための少なくとも一つの光源2522を含む。ディスプレイ装置2600に好適な光導波路2618は米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0142】
図10は、本発明の例示的実施形態による、第3のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2600の断面図である。光変調アレイ2600は、光共振器2604上に形成された複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セル2602a〜2602c(概して「セル2602」と呼ぶ)を含む。光変調アレイ2600はまた、セル2602に対応する一組のカラーフィルタ2606を含む。
【0143】
アレイ2400はMEMSアップ構成のアレイの例と考えられ、一方アレイ2600は、MEMSダウン構成で組み立てられたエレクトロウェッティングベースのアレイの一例である。各セル2602は、水の層(または他の透明な導電性または極性流体)2608と、光吸収オイルの層2610と、透明電極2612(例えばインジウムスズ酸化物から成る)と、光吸収オイルの層2610と透明電極2612間に配置された絶縁層2614とを含む。但し、光変調器アレイ2600のMEMSダウン構成では、絶縁層2614と透明電極2612の両方は、アパーチャ板2632とは別個の光変調器基板2630上に配置される。光変調器基板2630と同様に、アパーチャ板2632もまた透明基板である。光変調器基板2630は一番上の基板であり、透明電極2612などの制御電極が基板2630の裏面(すなわちビューアから離れる方向で光導波路に面した面)上に配置されるように配向される。透明電極2612に加えて、光変調器基板2630の裏面は、変調器アレイ用の切換えマトリックスまたは制御マトリックスの他の共通部品(限定するものではないが行電極、列電極、ピクセルごとのトランジスタ、ピクセルごととキャパシタを含む)を搭載することができる。アレイ内の光変調器の作動を管理する光変調器基板2630上に形成された電極と切換え部品は、アパーチャ板2632の前面向きの面上に配置された反射性アパーチャ層2616の反対側に、あるいはそれからギャップ2636を隔てて配置される。ギャップ2636は、エレクトロウェッティング流体成分である水2608とオイル2610で充填される。
【0144】
反射性アパーチャ層2616は、好ましくはプラスチックまたはガラスで形成される透明基板2632上に蒸着される。反射性アパーチャ層2616は、基板上に蒸着された金属の膜、誘電体ミラー、または他の高反射性材料または材料の組み合わせで形成することができる。反射性アパーチャ層2616は裏面向きの反射層であり、光共振器2604の前面を形成する。反射性アパーチャ層2616には、光がアパーチャを通ってエレクトロウェッティング流体成分2608と2610に向かうことを許容する一組のアパーチャ2617が形成される。随意に、アパーチャ板2632は、反射アパーチャ2616の上面に蒸着され、アパーチャ2617を充填する一組のカラーフィルタ2606を含む。
【0145】
アパーチャ板2632は光変調器基板2630と光導波路2618間に配置される。基板2632と2618は空気などの流体で充填されたギャップ2634により互いに分離される。流体の屈折率は光導波路2618より小さい。ディスプレイ装置2600に好適な光導波路2618は米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。光共振器2604はまた、基板2632、2618と、光導波路2618の裏側に隣接して配置された前面向きの裏側反射層2620とを含む。一つまたは複数の光源2622は光導波路2618内に光を注入する。
【0146】
反射性アパーチャ層2616はアレイ2600内の各光変調器セル2602に対応する一つのアパーチャ2617を有する。同様に、光変調器基板2630は、光変調器セル2602ごとに一つの透明電極2612または一組のピクセルトランジスタとキャパシタを有する。基板2630と2632は、セルが作動されたときあるいは開状態(例えばセル2602b)に保持されたとき、光がオイル2610により妨害されない場所にその対応するアパーチャ2617が確実に配置されるように、組立中にアライメントされる。
【0147】
アパーチャ板の製作
図11のアパーチャ板2700は、本発明の例示的実施形態による、アパーチャ板2346、2374、2387、または2632などのアパーチャ板の一実施形態の詳細な構造を例示する。アパーチャ板2700は、基板2702、誘電体強化金属ミラー(dielectrically enhanced metal mirror)2704、光吸収層2706、そしてスペーサポスト2708を含む。誘電体強化金属ミラーと光吸収層はアパーチャ2709にパターン化されている。
【0148】
基板2702は透明材料(例えばガラスまたはプラスチック)であることが好ましい。誘電体強化金属ミラー2704は、基板から上へ順番にSi3N4の薄膜2710と、SiO2の薄膜2712と、別のSi3N4の薄膜2710と、別のSiO2の薄膜2712と、アルミニウムの薄膜2714とを含む材料の5層の積層で構成される。これらの層の相対的な厚さと好ましい屈折率を表1に示す。
【0149】
【表1】
【0150】
光吸収層2706は、酸化膜、または窒化物マトリクス中に懸濁された金属クロム粒子の合成物である黒色クロムの薄膜で形成することができる。その例として、Cr2O3マトリクス中のCr粒子状物質またはSiO2マトリクス中のCr粒子状物質が挙げられる。他の実施形態では、黒色クロムは、その上にCrOx(亜酸化クロム)の薄膜が成長または蒸着されたクロムの薄い金属膜で形成することができる。黒色クロムの好ましい厚さは150nmである。
【0151】
アパーチャ窓2709は、フォトリソグラフィとエッチングなどの当該技術領域で公知の処理により、あるいはフォトリソグラフィとリフトオフにより、材料2704と2706の薄膜積層からパターン化することができる。エッチング工程では、フォトレジスト層が薄膜積層の上部に加えられ、次にマスクを介してUV光に晒される。露光されたフォトレジスト層内にアパーチャパターンを現像した後、積層全体はアパーチャ領域2709において基板2702までエッチングされる。このようなエッチングは、湿式薬物中の浸漬、ドライプラズマまたはイオンビームエッチング、あるいは上記の任意の組み合わせにより行うことができる。リフトオフ処理では、エッチングマスクパターンの反転パターンに現像されるフォトレジスト層が薄膜積層の蒸着前のガラスに加えられる。次に、薄膜積層は、薄膜積層がアパーチャ領域2709以外のすべての場所でガラスに接触するようにフォトレジスト上に蒸着される。薄膜積層の蒸着が完了した後、基板はフォトレジストの上に蒸着されたすべての薄膜材料だけでなくフォトレジストも溶解またはリフトオフする化学薬品の浴槽内に浸漬される。
【0152】
スペーサポスト2708は、感光性エポキシ(特にはノボラックエポキシ)または感光性ポリイミド材料などの感光性重合体で形成される。感光性の形で用意することができかつ本アプリケーションに有用な他の重合体族としては、ポリアリーレン、パリレン、ベンゾシクロブタン、過フルオロシクロブタン、シルセスキオキサン、シリコン重合体が挙げられる。スペーサアプリケーションに有用な特定の感光性レジストは、Newton,Massachusettsに本部を置くMicrochem Corporationから入手可能なNano SU−8材料である。
【0153】
重合体スペーサ材料は、アパーチャ2709がパターン化された後、最初は薄膜積層2704と2706の上に厚膜として蒸着される。次に、感光性重合体はマスクを介してUV光に晒される。アライメントマークは、生成されるスペーサ2708がアパーチャ2709に対し正しく配置されるのを保証するのに役立つ。例えば、アラインメント基準は、アパーチャ2709をエッチングする処理中にディスプレイの周縁に形成することができる。これらの基準は、スペーサ2708の正しい配置を保証するために露光マスク上の対応する一組の基準にアライメントされる。その結果、現像処理は、UV光に晒された場所以外の重合体をすべて取り除く際に効果的に行われる。代替方法では、露光マスク上の形状部は、アパーチャ2709などの基板2702上のディスプレイ形状部に直接アライメントすることができる。
【0154】
ディスプレイ装置2340に関して説明された特定の実施形態では、スペーサポストは高さ8ミクロンであってよい。他の実施形態では、スペーサ高さは約2ミクロン〜約50ミクロンの範囲であってよい。基板2702の平面において切断したとき、スペーサは2〜50ミクロンの範囲の幅を有する円柱または矩形などの一般的な形状をとってよい。あるいは、スペーサは、アパーチャ2709などの基板上の他の構造物間にぴったりはまり、かつスペーサの接触面積を最大にするように設計された複雑な不規則形状断面を有してよい。好ましい実施形態では、スペーサの寸法、形状、そして配置は、スペーサがシャッタ2354などのシャッタの運動あるいはディスプレイ装置2340のアクチュエータ2358などの他のMEMS部品の運動と干渉しないように決定される。
【0155】
別の実施形態では、スペーサポスト2708は高分子材料としては設けられなく、そのかわり半田合金などの熱リフロー可能な接着剤から成る。例示的な熱リフロー可能な材料については図13Bに関して後述される。半田合金は、半田合金が対向基板上の合わせ面を濡らすかあるいはそれに接合できるようにする溶融工程またはリフロー工程を通る。したがって、半田合金は、アパーチャ板2346などのアパーチャ板と基板2342などの変調器基板間の接着剤としての付加的な機能を行なう。リフロー工程のため、半田合金は通常は弛緩して偏球形状(半田バンプと称する)になる。基板間の所定の間隔は、半田バンプの材料の平均体積を制御することにより維持することができる。半田バンプは、薄膜蒸着、ステンシルマスクを介した厚膜蒸着、あるいは電気めっきによりアパーチャ板2700に塗布することができる。
【0156】
別の実施形態では、アパーチャ板2700は、光学層2704と2708を形成する工程後サンドブラスト処理することができる。サンドブラストはアパーチャ領域2709の基板表面を選択的に粗くする効果がある。アパーチャ2709における粗面は、ディスプレイに広い視角という利点を与えることができる光学ディフューザとして働く。別の実施形態では、アパーチャ2709における拡散面は、フォトマスクのフォトレジストの露光後にエッチングがアパーチャ領域2709内に選択的に施されるエッチング処理により設けられる。エッチピットまたはエッチトレンチはフォトマスクの適切な設計により形成することができ、ピットまたはトレンチの側壁角度または深さは湿式または乾式エッチング工程により制御することができる。このようにして、拡散広がりの程度を制御した光学的構造を形成することができる。このようにして、光を好ましい光学軸に沿って偏向し楕円および/または多方向円錐状の放射光を形成する異方性ディフューザを基板表面に形成することができる。
【0157】
別の実施形態では、エッチトレンチは、アパーチャアレイ2709の周縁(すなわちアクティブディスプレイ領域の周縁部)に沿ってディスプレイを実質的に取り囲む基板2702内に設けることができる。エッチトレンチは、アパーチャ板2700を対向基板に密封するために使用される接着剤528などの接着剤の移動または流れを制限するための機械的な位置決め構造体として動作する。
【0158】
上述の材料と処理に関するさらなる詳細については2006年2月23日出願の米国特許出願第11/361,785号明細書内に見出すことができ、これを参照により本明細書に援用する。例えば、この出願は、アパーチャを有する誘電体強化金属ミラー、光吸収層、そしてスペーサポストの形成に関する追加の材料と処理方法論を含む。誘電体ミラーとスペーサはこの出願では集積化された(例えばMEMSアップ構成の)ディスプレイ設計との関連で説明されているが、同様の処理は、アパーチャ板2700などのアパーチャ板の作製に適応させることができることが理解されるであろう。
【0159】
アパーチャ板2700のいくつかの実施形態では、基板2702には透明プラスチック材料を利用することが望ましい。適用可能なプラスチックとしては限定するものではないが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とポリカーボネートが挙げられる。プラスチック材料が使用されると、スペーサポスト2708の形成には射出成形またはスタンピング処理を利用することも可能になる。このような処理では、スペーサポストは、誘電体強化金属ミラー2704の塗布の前に最初に鋳型またはスタンパーで形成される。このとき、誘電体強化金属ミラー2704のすべての層は、スペーサポスト2708を予め含む基板の上に順に蒸着される。光吸収層2706は誘電体ミラー2704上に蒸着される。アパーチャ窓2709をパターニングするために、スペーサポスト2708の存在により妨害されることなく薄膜の表面を一様に覆う特別のフォトレジストが塗布される。好適なフォトレジストとしては、スプレーオンフォトレジストと電気めっきフォトレジストが挙げられる。あるいは、スピンオンレジストが塗布され、その後アパーチャ領域2709内の薄膜表面全体に均一なレジスト膜厚を設けるリフロー工程が続く。次に、レジストの露光、現像、薄膜層のエッチングが上述のように進められる。フォトレジストの除去後、処理は完了する。リフトオフ処理もまた、上述のように誘電体強化ミラーをパターニングするために利用することができる。アパーチャ板2700の作製に必要とされる材料コストを低減するためには、スペーサポスト2708の形成にモールド成形またはスタンピング処理を使用することが役立つ。
【0160】
いくつかのディスプレイ実施形態では、アパーチャ板2346は光導波路2348と合体されて一つの固形体(本明細書では単一バックライトまたは複合バックライトと呼ぶ)となるが、この詳細については米国特許出願第11/218,690号明細書と米国特許出願第11/528,191号明細書にそれぞれ説明されている。両出願を参照により本明細書に援用する。誘電体強化金属ミラー2704、光吸収層2706、および/またはスペーサポスト2708の形成についての上述のすべての処理は、接合する対象の基板に、あるいは光導波路と区別できない基板に同様に適用することができる。薄膜が付着される単一のバックライトの表面はガラスであってよく、あるいはプラスチック(スペーサポスト2357などのスペーサポストを形成するように成型されたプラスチックを含む)であってもよいであろう。
【0161】
一実施形態では、スペーサポスト2708は、アパーチャ板が変調器基板2342などの変調器基板にアライメントされる前にアパーチャ板2700に形成または取り付けられる。ディスプレイ装置2340の別の実施形態では、スペーサポスト2357は、変調器基板がアパーチャ板2346にアライメントされる前に変調器基板2342の一部の上にそしてその一部として作製される。このような実施形態は、前述の米国特許出願第11/361,785号明細書の図20に関して説明された。
【0162】
図12は、本発明の例示的実施形態によるディスプレイの断面図である。ディスプレイアセンブリ2800は変調器基板2802とアパーチャ板2804を含む。ディスプレイアセンブリ2800はまた、一組のシャッタアセンブリ2806と反射性アパーチャ層2808を含む。反射性アパーチャ層2805はアパーチャ2810を含む。基板2802と2804間の所定のギャップまたはセパレーションH12は、相対向する一組のスペーサ2812と2814により維持される。スペーサ2812は変調器基板2802上にまたはその一部として形成される。スペーサ2814はアパーチャ板2804上にまたはその一部として形成される。組立中、2つの基板2802と2804は、変調器基板2802上のスペーサ2812がそれぞれのスペーサ2814と接触するようにアライメントされる。
【0163】
この具体例のセパレーションまたは距離H12は8ミクロンである。このセパレーションを設定するため、スペーサ2812は高さ2ミクロンでありスペーサ2814は高さ6ミクロンである。あるいは、スペーサ2812と2814の両方は高さ4ミクロンであってよい。あるいはスペーサ2812は高さ6ミクロンであり一方スペーサ2814は高さ2ミクロンであってよい。実際、それらの全高が所望のセパレーションH12を設定する限り任意の組み合わせのスペーサ高さを採用することができる。
【0164】
基板2802と2804の両方の上のスペーサの設置は(それらは次に組立中にアライメントまたは嵌合される)、材料と加工費に関し利点を有する。感光性重合体の硬化、露光、現像には比較的長い時間を必要とするので、かなり高さのある(例えば8ミクロン)スペーサ(スペーサ2708など)の設置は高価となり得る。ディスプレイアセンブリ2800におけるように嵌め合いスペーサを使用することにより、より薄い重合体のコーティングを各基板に利用できるようになる。
【0165】
別の実施形態では、変調器基板2802上に形成されるスペーサ2812は、シャッタアセンブリ2806を形成するのに使用される同じ材料とパターニング工程で形成することができる。例えば、シャッタアセンブリ2806に使用されるアンカー(アンカー2356と同様なもの)はまた、スペーサ2812と同様な機能を行なうことができる。この実施形態では、スペーサを形成するための高分子材料の別個の塗布は必要なく、またスペーサ用の別個の露光マスクは必要ないであろう。
【0166】
図13Aのディスプレイアセンブリ2900は、本発明の例示的実施形態による、変調器基板とアパーチャ板のアライメントのための一つの方法を例示する。ディスプレイアセンブリ2900は変調器基板2902とアパーチャ板2904を含む。ディスプレイアセンブリ2900はまた、一組のシャッタアセンブリ2906と、アパーチャ2910を含む反射性アパーチャ層2908とを含む。基板2902と2904間の所定のギャップまたはセパレーションはスペーサ2912により維持される。スペーサ2912はアパーチャ板2904上にまたはその一部として形成される。ディスプレイアセンブリ2900はまた、一組のアラインメントガイド2914を含む。これらのアラインメントガイドは変調器基板2902上にまたはその一部として形成される。変調器基板2902とアパーチャ板2904を組み立てる際、アライメントガイド2914とスペーサ2912間のギャップは密接しており、ある場合には1ミクロン未満である。密集したアライメントガイド間にスペーサポストを取り込むことにより変調器基板2902とアパーチャ板2904間の側方運動は制限され、これによりシャッタ2906とアパーチャ2910間のアラインメントが維持される。
【0167】
様々な実施形態では、アライメントガイド2914はリング状またはドーナツ状である。他の実施形態では、アライメントガイド2914は、アパーチャ板2904から壁状の形状を取り込んだ単純なスロットである。アラインメントスロットは変調器基板2903の一方または両方のエッジと平行に配向されてよい。異なる(そして好適には垂直の)配向を有するアラインメントスロットを含むと、基板2902の平面と平行な任意の方向の運動を防ぐのに役立つ。ただし他の配向を採用してもよい。アライメントガイド2914は、ピクセル間に、ピクセル内に、あるいはディスプレイの周縁に沿ったピクセルアレイの外に設置されてよい。
【0168】
変調器基板とアパーチャ板間のアラインメントを維持する代替手段が可能である。一実施形態では、図5の接着剤528などの接着剤は横方向アラインメントの際に2つの基板を一緒に保持するために設けられる。この実施形態では、アライメント装置(例えば併進モーター駆動装置とアライメントカメラを装備した機械的なプラットホーム)は、接着剤528などの接着剤が所定の位置で乾燥または硬化される間、2つの基板を適切な配向で保持するために使用される。UV放射により部分的あるいは完全に硬化されるエポキシ樹脂は本実施形態における接着剤として特に有用である。接着剤がディスプレイアセンブリの周縁において付着される実施形態では、これをエッジシールまたはガスケットシールと呼ぶ。いくつかの実施形態では、エッジシール剤は、対向基板間の所定のギャップまたは間隔を維持するためのスペーサとして働くガラスまたは重合体のビードを含む。
【0169】
図13Bのディスプレイアセンブリ2950は、本発明の例示的実施形態による、変調器基板をアパーチャ板にアライメントするための別の手段を例示する。ディスプレイアセンブリ2950は変調器基板2952とアパーチャ板2954を含む。ディスプレイアセンブリ2950はまた、一組のシャッタアセンブリ2956と、アパーチャ2960を含む反射性アパーチャ層2958とを含む。基板2952と2954間の所定のギャップまたはセパレーションは、対向する一組のスペーサ2962と2964により維持される。スペーサ2962は変調器基板2952上にまたはその一部として形成される。スペーサ2964はアパーチャ板2954上にまたはその一部として形成される。
【0170】
スペーサ2962と2964は異なる材料で作られる。ディスプレイアセンブリ2950の実施形態では、スペーサ2962は半田などの熱リフロー可能な材料で作られ、一方スペーサ2964は実質的に固体であるかあるいはスペーサ2962よりかなり高い融点または軟化点を有する材料で作られる。実質的に固体のスペーサ2964に使用される材料は、スペーサポスト2708に関し述べられた材料(本明細書に援用する米国特許出願第11/361,785号明細書においてリストされた材料を含む)のいずれであってよい、あるいは、導電スペーサ3112に関し後述される材料のいずれかであってよい。
【0171】
スペーサ2962(半田バンプとも称する)は、電気的接続の半田付けに一般に使用される多様な金属または合金で作ることができる。例示的な合金としては、限定しないが、Pb−Sn合金、Pb−In合金、In−Sn合金、In−Cu−Sn合金、Au−Sn合金、Bi−Sn合金、あるいは実質的な純金属、In、Sn、Ga、またはBiが挙げられる。このような合金は、摂氏150〜400度の範囲の温度で液化またはリフローし、また2つの対向するコンタクト材料の表面を濡らすように設計される。冷却と固化後、半田材料は2つの対向するコンタクト材料を接合し(そして随意に電気的に接続し)、接着剤として働く。ディスプレイアセンブリ2950により例示されたアプリケーションでは、半田材料2962はスペーサポスト2964と変調器基板2952間の接着リンクとして働く。非金属のリフロー材料もまたスペーサ2962としての用途に適用可能である。これらの材料としては、バリウムケイ酸塩または珪酸鉛ガラス、またはポリエチレン、ポリスチレン、またはポリプロピレンなどの熱可塑性の重合体の混合物などのガラスフリット材料、および/またはカルナバワックス、パラフィンまたはオレフィンワックスなどの天然および合成ワックスが挙げられる。
【0172】
ディスプレイ2950の組立工程は以下のように進められるであろう。最初に、スペーサ材料2962と2964がそれぞれの基板上に作製されるだろう。次に、2つの基板2952と2954はほぼ適切な横方向のアラインメントでもって組み合わされるであろう。次に、2つの基板は半田材料2962を液化またはリフローするように加熱されるだろう。一旦溶融すると、材料2962は、実質的に固体であり、対向するスペーサポスト2964の表面を濡らすことになるであろう。同時に、現在液体の原料2962の表面張力はその表面積を最小限にするように働く。その結果生じる毛管力は、2つの基板2952と2954を横方向に引っ張るか摺動させてより完全なアラインメントとする効果がある。冷却および固化後、2つの基板は半田材料2962の接着性によりアラインメント状態にロックされる。
【0173】
別の実施形態では、実質的に固体の材料は変調器基板上に作製することができ、一方熱リフロー可能な材料はアパーチャ板上に作製される。別の実施形態では、固体材料およびリフロー材料の両方は、変調器基板またはアパーチャ板の一方または他方に順次形成される。この実施形態では、半田材料は、対向基板上に配置されたボンディングパッドを濡らしそれに接合するように設計される。
【0174】
相対向する基板間のアラインメントを保証するために熱リフロー可能な材料を使用することができる他の接着配置がある。一実施形態では、半田バンプは両方の基板上に作製され、半田材料のバンプまたはビードはリフロー工程中に結合または接合される。この実施形態では、スペーサ2964などの実質的に固体のスペーサ材料は使用されない。2つの基板間のギャップは固化後の平均の半田バンプ体積により確定される。平均の半田バンプ体積は組立の前に作製された半田バンプの寸法により制御することができる。別の実施形態では、スペーサポスト2964は、中央にへこみを有する2つの基板の一方の上に形成されたリングまたは正方形枠などの戻り止めまたは半田レセプタクル構造体で置換えられる。溶融半田はリングの中央でギャップを濡らし充填する傾向があり、これにより相対向する基板を引っ張ってアラインメントさせる。半導体パッケージのアラインメントに関する同様の処理については米国特許第5,477,086号明細書においてさらに詳細に説明され、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0175】
いくつかの実施形態では、熱リフロー可能な材料はアレイ内の各ピクセル内またはその間に配置される。他の実施形態では、リフロー材料と、対向基板上の対応するポスト、レセプタクル、または接続パッドとのペアは、ディスプレイの周縁またはディスプレイアセンブリの外側の角に配置することができる。リフロー材料がディスプレイの周縁に配置された場合、リフロー材料はいくつかの実施形態ではシーリング材またはガスケット材としてエポキシ528(図5参照)と同様な別の目的を果たすことができる。
【0176】
図14Aと14Bは、本発明の例示的実施形態による、開位置と閉位置それぞれにおける図6Aと6Bのシャッタアセンブリ2200と類似のディスプレイアセンブリ3000の平面図である。ディスプレイアセンブリ3000は、反射性アパーチャ層3004の上方に支持されたシャッタアセンブリ(シャッタ3002を含む)を含む。シャッタアセンブリはまた、相対向するアクチュエータ3008と3010の一部分を含む。ディスプレイアセンブリ3000では、シャッタは、アクチュエータ3008と3010とアンカー3006と3007を介して変調器基板2342などの変調器基板(図示せず)に接続される。反射性アパーチャ層3004はアパーチャ板2346などの個別の基板上に形成される。シャッタアセンブリ3001は、ディスプレイ装置に含まれる光変調器アレイ内に包含するのに好適である。
【0177】
シャッタ3002は、光が通過することができる3つのシャッタアパーチャ3012を含む。シャッタ3002の残り部分は光の通過を妨害する。反射性アパーチャ層3004はまた、光の通過を許容するアパーチャ3014を含む。シャッタが開放位置にある図14Aでは、アパーチャ3012と3014は光の通過を許容するようにアライメントされる。シャッタが閉位置にある図14Bでは、シャッタ3002はアパーチャ3014を通る光の通過を妨害する。
【0178】
ディスプレイ装置3000は、対向基板間の所定のギャップまたは間隔を維持するディスプレイ装置2340のスペーサポスト2357と同様に機能するスペーサポスト3020を含む。但し、スペーサポスト3020は、シャッタ3002の固体延長部である移動止め3022間にぴったりはまることによりシャッタ3002とアパーチャ3014間の適切なアラインメントを保証する付加機能を提供する。開位置にあるとき、シャッタ3002は一組の移動止めを介しスペーサポスト3020と堅固に接触する。閉位置にあるとき、シャッタ3002は別の一組の移動止め3022を介し再びスペーサポスト3020と接触する。各停止位置間でシャッタ3002に許容される運動量は様々な実施形態では約5ミクロンから約50ミクロンの範囲である。
【0179】
ディスプレイアセンブリ3000のアラインメント制御方法は、アパーチャ3014とスペーサポスト3020の両方が一つの基板(例えばアパーチャ板)に取り付けられ、シャッタ3002がアンカー3007により別の基板(例えば変調器基板)に取り付けられる場合に効果的である。このような実施形態では、2つの基板の組立中に5ミクロンまたは10ミクロンものミスアラインメントがあっても、シャッタ3002とアパーチャ3014間の適切なアラインメントを実現することができる。こうして、1ミクロン程度の狭いシャッタ/アパーチャ重なり(例えばディスプレイ装置2300内の重なりW1)を維持することができる。
【0180】
図15は、本発明の別の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリ3100の断面図である。ディスプレイアセンブリ3100は変調器基板3102とアパーチャ板3104を含む。ディスプレイアセンブリ3100はまた、一組のシャッタアセンブリ3106と反射性アパーチャ層3108を含む。さらに、アパーチャ板3104は誘電体絶縁層3114と導電性配線3116を含む。図15の断面図は、反射層3108内のアパーチャ穴が存在しない線に沿って取られたものである。基板3102と3104間の所定のギャップまたはセパレーションは一組のスペーサ3112により維持される。
【0181】
ディスプレイアセンブリ3100のスペーサ3112は導電性材料を含む。例えば、スペーサ3112は、電気めっき処理、エッチング処理、またはリフトオフ処理により形成される金属ポストで形成することができる。限定しないが、銅、ニッケル、アルミニウム、金、またはチタン金属はこのアプリケーションに有用である。あるいは、ポスト3112は複合材料、例えば導電性を与えるために金属粒子で含侵された重合体またはエポキシ材料で形成することができる。あるいはポスト3112は、表面が導電性となるように薄い金属膜で覆われた高分子材料で形成することができる。
【0182】
導電スペーサ3112は、シャッタアセンブリ3106の一つの電極と導電性配線3116間の電気的接続を与えるように配置される。例えば、図15に示されるように、配線3116は、ディスプレイ内の行または列の一つと平行な金属配線としてパターン化することができる。スペーサ3112と配線3116は、次に、所与の行または列のすべてのシャッタアセンブリ3106内の電極間の共通電気的接続を与える。このようにして、ディスプレイ装置2340などのディスプレイのアドレス指定マトリックスまたは制御マトリックスを形成するのに使用される金属層の一部は、変調器基板3102上にではなくアパーチャ板3104の上に作製することができる。スペーサ3112は、アレイ内の各ピクセル内の光変調器3106間の個別の電気的接続を対向基板上の電気回路に与えるように構成することができる。極端な場合、各シャッタアセンブリの各電極は、全制御回路(トランジスタとキャパシタを含む)が光変調器と別個の基板上に、すなわち光変調器から離れた基板上に形成されるように、導電スペーサポストにより対向する基板上の回路に接続されてよい。
【0183】
導電スペーサポスト3112は、組立工程の前に変調器基板3102またはアパーチャ板3104上に形成することができる。一実施形態では、導電性スペーサは、組立工程の一部として基板3102または3104の一方または他方上に機械により個々に配置され接着される金合金スタッドで形成される。別の実施形態では、スペーサは、組立工程の一部として、基板3102または3104の一方または他方または両方の上に電気めっき処理またはテンシル処理される半田バンプで形成される。半田バンプ2962に関する上記半田材料のいずれもスペーサポスト3112に利用することができる。
【0184】
スペーサポストと対向基板上のランド領域間の整合または電気的接続の処理は、2つの表面間で良好な電気的接続がなされるように、相互拡散または半田処理などのリフロー処理を含んでよい。
【0185】
ディスプレイアセンブリ3100はMEMSダウン構成の一部として例示されるが、導電スペーサポストの類似的用途は、例えばディスプレイ装置2300と同様にMEMSアップ構成にも見出すことができる。MEMSアップ構成では、光変調器と反射性アパーチャ層の両方は同じ基板上に形成され、配線3116などの導電性配線はカバープレートなどの対向基板上に形成される。このとき、スペーサ3112などの導電性スペーサは変調器基板とカバープレート間の電気的接続を形成するであろう。本発明は、カバープレートがタッチスクリーン入力装置としても働くアプリケーションに特に有用である。特に接続がアレイ内のピクセルごとに設けられる基板間の電気的接続は、タッチスクリーンセンサアレイと、ピクセルアレイ用の制御マトリックスを含む別の基板との間の電気的接続を設けるのに有用である。
【0186】
図16は、本発明の例示的実施形態による別のディスプレイアセンブリ3200の断面図である。ディスプレイアセンブリ3200は変調器基板3202とアパーチャ板3204を含む。ディスプレイアセンブリ3200はまた、変調器基板上に形成された一組の電気配線3210とアパーチャ板3204上に形成された一組の電気配線3212を含む。2つの基板は、異方性の導電接着剤3214により配線3210と3212間を電気的に接続する。アパーチャ板はまた、誘電体絶縁層3211と反射性アパーチャ層3208を含む。この断面図はピクセルアレイの外側のディスプレイの周縁に近い線に沿って取られるので、基板3202上に形成されたシャッタアセンブリまたは反射層3208内の任意のアパーチャ窓はこの図では図示されない。
【0187】
異方性の導電接着剤(すなわち「ACA」)3214は、固体導電球群3216で含浸された重合体接着剤である。2つの基板3202と3204を互いに押し付けると、導電球は配線3210と3212の接触面間にトラップされる。これにより対向基板上の配線3210と3212間の電気的接続が設定される。電気的接続は、ACAの重合体マトリクスが硬化または重合化された後、所定の位置でロックされる。導電球3216は直径5〜50ミクロンの範囲の大きさであってよい。導電球3216は、ニッケルなどの金属で、あるいはNi−Au、Ni−Ag、またはCr−Auなどの合金で作ることができる。ニッケルは、圧縮荷重下でその幾何学的形状を維持するのに十分な硬度を有する。導電球もまた、ガラスまたは重合体などの誘電体材料で作製することができ、金などの導電層で覆われる。別の実施形態では、ニッケルなどの金属球は、接触抵抗を低減するために金などのより高い導電率と耐酸化性を有する別の金属で覆うことができる。
【0188】
一様な直径となるように導電球が選択されると、コンタクト3210と3212を導電球3216に圧潰することによりコンタクト間に一定の間隔またはギャップが設定される。したがって、導電球3216はスペーサ2312または2357と同じ機能を果たすことができる。
【0189】
導電球は基板平面と平行な軸に沿って連続コンタクトを形成しない。その結果、電気的接続は通常、隣接する導体3210ペアまたは導体3212ペア間で設定されない。したがって、ACA3214の単独の塗布は、配線3210または3212の独立した組の間で複数の独立した電気的接続を行うためには十分と考えられる。この特定の配線媒体は異方性導電媒体と称する。
【0190】
ACA3214は、通常、テープまたはニードルディスペンサーによって複数の独立した電気的コンタクトにわたって付着される。ACA3214は、ディスプレイの周縁に沿って複数の接続を行うために特に有用である。例えば、ACA3214は、一つの基板上の一連の行配線を一緒に別の基板上の並列の行配線の組に接続することができる。これは、おそらく、ドライバチップがアパーチャ板3204上の並列の配線の組に取り付けられ制御マトリックスが変調器基板3202上に構築される場合に有用と考えられる。基板3202と3206の機能は、変調器基板がバックライトに最も近い底部上にありACA3214の反対側の基板がカバープレートとして機能するように、逆にしてもよい。
【0191】
ディスプレイアセンブリ3100における導電スペーサ3112はアレイ内のすべてのピクセル内で使用されることが好ましいが、アレイの周縁に取り付けてもよい。ディスプレイアセンブリ3200における導電球3216(これらもまたスペーサである)はピクセルアレイの周縁に沿って取り付けられることが好ましい。ディスプレイアセンブリ3100のスペーサ3020(移動止めとして機能する)はアレイ内のすべてのピクセルで使用されるのが好ましい。ディスプレイ装置2300と2340それぞれのスペーサ2312または2357は、アレイの各ピクセル内またはピクセル間に配置することができる。同様に、米国特許出願第11/361,785号明細書の図20と図21に示されたスペーサもまたアレイ内のすべてのピクセルに含まれてよい。
【0192】
しかしながら、基板間の所望のギャップを維持するためにはスペーサとすべてのピクセルとの対応付けは必要ではない。スペーサは例えば4つのピクセルの各グループまたは16個のピクセルの各グループと対応付けてよい。他の実施形態では、スペーサはディスプレイの周縁に制限されてよいであろう。あるいは、ディスプレイアセンブリ3000に示されるように、ディスプレイアセンブリはピクセルごとに複数のスペーサを含んでよい。
【0193】
ディスプレイ装置2340におけるスペーサ2357は例えばアパーチャをシャッタ間隔H6(1ミクロン程度であってよい)に維持する役割を担う。ディスプレイ解像度が行または列当たり200ピクセルを超える場合あるいはディスプレイの対角線が2インチを超える場合、高密度なスペーサ配置は特に有用となる。高密度なスペーサアレイはまた、ディスプレイ装置2300において例えば、ディスプレイの前面に塗布される潤滑流体2322上で一様圧力(そうでなければ指圧などの局所圧により乱され得る)を維持するのに役立つ。
【0194】
本発明に関して説明されたスペーサは、ディスプレイ装置2500または2600などのエレクトロウェッティングディスプレイにおける基板間のギャップを維持するのに有用に適用される。MEMSベースの光変調器を利用するいかなるディスプレイも、実際上、光変調器アレイの内部に適用されるスペーサの恩恵を受けることができる。代替のMEMSベースの光変調器の例として、ディジタルミラーデバイス(DMD:digital mirror device)、干渉変調ディスプレイ(IMOD:interference modulation display)、光タップディスプレイ(light tap display)または減衰全反射ディスプレイ(frustrated internal reflection display)が挙げられる。
【0195】
アライメント装置とアライメント技術
ディスプレイ装置2300と2340およびシャッタアセンブリ2200の考察において示したように、シャッタアセンブリとその対応するアパーチャとのアラインメントはMEMS光変調器の重要な設計特微である。重なり2216または重なりW1とW2として示された重なりは、MEMS光変調器が閉状態(光遮断状態または暗状態とも称する)にある間、光漏れを減少するかなくす。MEMSダウンディスプレイ装置2340では、重なりW2は、2つの基板2342と2346がアライメントされて互いに機械的に取り付けられるセル組立処理中に設定される。ディスプレイ装置2340では、アパーチャ2347はアパーチャ板2346上に形成され、シャッタアセンブリ2341は変調器基板2342上に形成されるかあるいは変調器基板2342で支持される。2つの基板2342と2346の正確なアラインメントのための手段を設けることができると、アパーチャ2347とシャッタアセンブリ2341間の適切な空間的関係を高精度に達成することができる。本発明の例示的実施形態による、2つの基板のアラインメントのための一方法は図17に例示されるようにアライメント装置3300により可能である。
【0196】
アライメント装置3300は、固定チャック3302、一組の併進駆動装置またはモーター3304、視覚システム3305、そして一組のUV露光ランプ3306を含む。変調器基板3308はチャック3302に堅固に取り付けられる。アパーチャ板3310は所定の位置に保持されてモーター3304により誘導される。モーター3304は、基板3310を3つの併進方向、例えば基板3310の平面内のxおよびy座標に沿って、さらにz座標に沿って平行移動して2つの基板3308と3310間の距離を設定し変更する能力を与える。さらに、図17に図示しないが、基板3308と3310の共平面性とx−y平面におけるそれらの適切な回転関係との両方を保証する追加および随意の3つの回転モーターの一組を設けることができる。すべての併進モーター3304はアパーチャ板3310に取り付けられて示されているが、他の実施形態ではモーターは2つの基板間に違ったやり方で配置されてよい。例えば、x−y併進モーターをアパーチャ板3310に取り付け、Z軸併進モーターとシータ回転モータ(Z軸を中心とする)をチャック3302に取り付けてもよい。
【0197】
モーター3304に関しては様々な形式のモーターが利用できる。これらのモーターは、いくつかの実施形態ではディジタル制御ステッピングモータであってよく、ある場合には線形ねじ駆動装置であってもよく、また他の場合では磁気駆動されるソレノイド駆動装置であってよい。モーターは、基板3310などの基板を直接移動させるように配置される必要はない。そのかわり、モーターは、その上に加工中の製品または基板3310が堅固に取り付けられたステージまたはプラッタを移動させるように設計されてよい。移動ステージを使用すると、1μm未満の高精度でその併進位置を連続的に測定できるステージに追加の光学的測定システム(ある場合にはレーザー干渉システム)を設けることができるので有利である。このとき、ステージ位置の精度と安定性の両方を改善するためにモーター3304と光学測定系間にフィードバック電子回路を利用することができる。
【0198】
装置3300のいくつかの実施形態では、チャック3302と随意の移動ステージの両方は基板3308と3310全体にわたって一様な温度を保証するためにヒーターおよび/または温度制御素子を備えてよい。特にその対角線が約20センチメートルを超える基板については、一様な温度は2つの基板上のパターン間の適切なアラインメントを保証するのに役立つ。
【0199】
アライメント装置3300は2つの基板3308と3310の相対位置を検知するための視覚システム3305を内蔵する。好ましい実施形態では、アライメントマークが基板3308と3310のそれぞれの上の薄膜にパターン化される(例えば、図18のアライメントマーク3408と3412を参照)。視覚システムは、マークが異なる表面上すなわちz軸上の異なる位置に配置されるにもかかわらず、2つの基板のそれぞれの上のアライメントマークを同時に撮像することができる。
【0200】
例示の実施形態では、視覚システム3305は2枚の撮像レンズ3312と3313と、スプリットフィールド撮像が可能な顕微鏡または2台のカメラ3314と3315のいずれかとを内蔵する。したがって、視覚システム3305は2組の別個のアライメントマークを実質的に同時に撮像することができる。2組のアライメントマークは変調器アレイまたはパネルの遠い側または角に配置されることが好ましい。
【0201】
動作中、オペレータは、マーク3408と3412などのアライメントマークの相対位置を見るために視覚システム3305を使用し、これにより2つの基板間のミスアライメントの方向と程度を判断する。このときオペレータは、2つの基板上のアライメントマークが許容できる程度の誤差以下のミスアライメントを示すまで、ドライブモータ3304を用いて基板3308と3310間のアラインメントを調整することができる。ミスアライメントを十分に低減した後、オペレータは、基板3308または3310上のスペーサ(スペーサ2357、2708、または2812と2814のいずれか)が対向基板3308または3310または対向スペーサと接触するまでZ軸モーターを駆動する。多くの場合、基板のミス配向または非平面性のためにオペレータは2つの基板間のZ軸距離が減少するにつれて基板間のx−yアラインメントを絶えず微調整する必要がある。いくつかの実施形態では、基板間で接続が設定された後でも最終的なx、yおよびシータ補正を行うことができる。接続された後、接着剤3318もまた2つの基板間の接続を行う。いくつかの実施形態では、方法3301の最後の工程として、接着剤は、アライメント装置3300が2つの基板を適切な位置に保持している間に少なくとも部分的に硬化される。接着剤の硬化を開始または加速させるためにUV露光ランプ3306を使用することができ、これにより2つの基板を相互に接着する。いくつかの実施形態では、基板ステージまたはチャック3302は接着剤3318の熱硬化を行うためのヒーターを備えている。アライメントマーク例えばマーク3408と3412は、通常、同時にパターニングされエッチングされ、そしてアパーチャ2347などのアパーチャとシャッタアセンブリ2341などのシャッタアセンブリとをそれぞれパターニングするために用いられるマスクと同じフォトマスクで印刷される。したがって、アライメントマークは基準機能用に設計されている。すなわちアライメントマーク間の十分なアラインメントを達成するオペレータは隣接アレイ内のシャッタとアパーチャもまた適切にアライメントされるという信頼性を持つ。
【0202】
ディスプレイ装置2340の考察によると、重なりW2は2μm以上であることが好ましい。実際上、製造中に確実に実現される重なりW2は、マスク内に設計された安全マージンにより、そしてアラインメント精度または公差により確定される。精度または実現可能な公差は、アライメント装置3300の設計、アライメントマークの設計、温度、圧力、シール材の粘度または可塑性などのプロセス変数に基づく。許容公差設計について2つの例を以下に示す。製造中のアラインメントの際に比較的広いバラツキに耐える第1の例では、シャッタおよびアパーチャのアレイは公称22μmの重なりで設計される、すなわち完全にアライメントされるとシャッタはアパーチャと22μmだけ重なるように設計される。このとき装置3300が+/−20μmのアラインメント再現性を可能にする場合、設計者はシャッタのすべて(または、どのように信頼性が規定されるかに依存するが99.99%)が少なくとも2μmの重なりを有するということを保証される。しかしながら、高密度なピクセルアレイすなわち高分解能ディスプレイについては、22μmの重なりのアレイ設計において得られる余裕は通常はない。したがって、より正確なアライメント能力が望まれる。
【0203】
第2の例では、名目上わずか1μmの重なりがマスクに設けられ、装置3300は第1と第2の基板上のパターン間に+/−1μm以内のアラインメント精度を与えるように設計さる。この精度を実現するために、a)視覚システム3305は1μm未満の分解能を有し、b)モーター3304(または関連する平行移動ステージ)は1μm未満の分解能で位置の相違を弁別するように安定して駆動し、c)アライメントマークは、1μm未満の分解能の精密なエッジ、寸法、および/または配置でもってパターン化されエッチングされる。サブミクロン精度を有する自動アライメント装置は、今日では、半導体マスクアラインメント、光電子部品アセンブリ、マイクロメディカル装置の目的のために利用可能である。これらのシステムの代表的な供給者として、Automation Tooling Systems Corp.of Cambridge,Ontario,Canada and the Physik Instrumente LP of Karlsruhe,Germanyが挙げられる。
【0204】
一般的には、視覚システムと駆動モーターの設計、そしてアライメントマークの設計に注意を払えば、シャッタ2341とアパーチャ2347間の0μmを超え20μm未満の重なりW2を保証することができるアライメント装置3300とアライメント方法を提供することは可能である。好ましい設計では、アライメント方法は0μmを超え2μm未満の重なりW2を保証することができる。
【0205】
上記アライメント方法は、モーター3304の能動的制御を人間のオペレータに割り当てるアライメント方法の一例として提供された。他の方法においては、アラインメントを実現するためにオペレータの介在は必要ない。2つの基板上の基準間のミスアライメント量だけでなく方向も測定することができ、かつ測定されたミスアライメントが予め規定された水準未満になるまで自動的にモーター3304を駆動することができる装置3300(すなわちディジタルカメラとコンピュータ画像処理を含むシステム)のためのインテリジェント視覚(マシンビジョン)システムは例えば上に挙げたベンダーから入手可能である。
【0206】
装置3300で利用されるアライメントマークまたは基準は、次の図18に関して示されるまたは考察されるもの以外に多くの形態をとることができる。いくつかの実施形態では、オペレータまたは機械視覚システムは、シャッタアセンブリ(例えばシャッタ2202)またはアパーチャ(例えばアパーチャ2214)の形状などの基板上の特定の機能パターンを認識することができる。これにより視覚システムはシャッタとアパーチャ間のミスアライメントを直接測定して最小化する。別の実施形態では、ディスプレイのエッジはシャッタとアパーチャの位置に対し正確な位置にカットまたはダイシングされる。これにより視覚システムは2つの基板のエッジ間のミスアライメントを測定して最小化する。
【0207】
人間オペレータまたは自動アライメント装置が基板同士をアラインメントして2つの基板間の接続を設定した後、少なくとも部分的に接着剤3318を硬化させるためにUV露光ランプ3306を使用することができる。接着材3318は、装置3300においてアラインメントが達成された後の基板3308と3310間の相対的移動を防ぐ。アラインメント後の2つの基板間のアラインメントを維持するための代替手段が利用可能である。これらの代替手段として、アライメントガイド2914などのアライメントガイド、スペーサ2962などの熱リフロー可能なスペーサ材料を使用することが挙げられる。
【0208】
アライメント装置3300の機能はMEMSダウン構成のディスプレイ2340の例に関するものであったが、同様のアラインメント技術は、ディスプレイ装置500により例示したようにMEMSアップ構成に適用される場合に有用である。ディスプレイアセンブリ500では、シャッタアセンブリ502は基板504上に形成され、ブラックマトリクスおよび関連するアパーチャ524は基板522上に形成される。シャッタ503の少なくとも一つのエッジとブラックマトリクス524内の対応するアパーチャのエッジとの間に重なりが存在するようにアライメント装置3300を使用することにより、2つの基板504および522をアライメントすることができる。アライメント装置3300は0〜20ミクロンのエッジ間の重なりを保証する。好ましい設計では、このアライメント方法は0ミクロンを超え5ミクロン未満あるいは、ある場合には2ミクロン未満である重なりを保証する。
【0209】
アライメント装置3300の機能はシャッタアセンブリ2341などのトランスバースシャッタベースの光変調器を内蔵するディスプレイに関し説明されたが、上記アライメント装置3300とアライメント方法は代替のMEMS光変調器技術に有用に適用され得ることは理解されるであろう。例えば、光遮断状態、フィルタリング状態、または暗状態において重なりがオイル2610のエッジとアパーチャ2617のエッジ間に設定されるようにアパーチャ板2632が変調器基板2630にアライメントされる場合、エレクトロウェッティング変調器アレイ2600は利点がある。同様に、光変調器220などのローリングアクチュエータ光変調器(第1の基板上のローラーアクチュエータ変調器の光遮断エッジと第2の基板上のパターン化された対応するアパーチャのエッジとの間に重なりが設けられる)は、同様の方法で作製しアライメントすることができる。
【0210】
他の非シャッタベースの変調器は上記アライメント装置3300および方法の恩恵を受けることができる。例えば、第1の基板上に作製された光変調器250などのMEMS干渉変調器またはMEMS光タップ変調器は、第2の基板上に作製されたブラックマトリクスのエッジに対しアライメントすることができる。これらの光変調器の詳細は米国特許第6,674,562号明細書と米国特許第5,771,321号明細書に見出すことができ、これらを参照により本明細書に援用する。
【0211】
パネル作製プロセス
複数のディスプレイ用の変調器アレイを同一のガラスあるいはプラスチック基板上に並列に構築することができれば常に製造生産性を向上できる。パネルと称する大きなガラス基板とその関連する製作装置は、今日、2メーター四方の寸法まで利用可能である。図18は、本発明の例示的実施形態による、複数のアパーチャ穴アレイを大きなアパーチャ板3404上に形成しつついかに複数のMEMS光変調器アレイを一つの大きな変調器基板3402上に形成することができるかを示す。パネル3402は6つの変調器アレイの一組3406に加え4つの変調器アライメントマークの一組3408を含む。パネル3404は4つのアパーチャアライメントマークの一組3412に加えて6つのアパーチャアレイの一組3410を含む。パネル3402と3404同士がアライメントされ密封されるとその対応する変調器アレイ−アパーチャアレイ対のそれぞれがディスプレイアセンブリ(セルアセンブリとも称する)を形成するように、変調器アレイ3406のそれぞれはアパーチャアレイ3410の一つに対応するように設計される。したがって基板3402と3404間の単一のアラインメントおよび密封作業は6つのセルアセンブリを同時にアライメントし密封するのに十分である。図18に示される例では、ガラスパネル3402と3704は対角線で30cmあり、セルアセンブリまたはディスプレイ領域のそれぞれは対角線で10cmであろう。他の実施形態では、パネル当たり25個までの10cm対角線ディスプレイを作製するために対角線50cm以上のパネルを利用することができる。
【0212】
また、エポキシ系接着剤3414線(シール材の一種)と、アパーチャ板3404上のアレイのそれぞれに加えられたスペーサポスト3416とが図示されている。上記ディスプレイアセンブリ2340、2700、2800、2900、3000、3100、3200に関して説明されたように、様々なスペーサがアパーチャ板3404上の各アレイの内部に適用される。接着剤を塗布する処理についてはセル組立工程3614に関して後述される。
【0213】
本発明の例示的実施形態による、パネル3402、3404のアラインメントと密封完了後のパネルアセンブリ3500を図19に例示する。成功した2つの基板のアラインメントは、アパーチャアライメントマーク3412内の変調器アライメントマーク3408のネスティングにより示される。アライメントマークは、名目上1μmのギャップがマーク3412の内側エッジとマーク3408の外側エッジ間で許容されるように設計されてよい(これらのギャップの大きさは説明のため図19では誇張される)。このアラインメント設計では、オペレータおよび/または自動アライメント装置は、適切なギャップが入れ子状のアライメントマークのx方向とy方向の両方において見えるまで(例えば、ラインのいずれも交差または接触しなくなるまで)基板の相対位置をツール3300で調整する。適切なギャップが見えると、アラインメントは成功した(すなわちミスアライメントは許容誤差内まで低減され、アレイ3406、3410のそれぞれにおける変調器とアパーチャ間の期待された重なりが達成された)と考えられる。アライメントマーク間の名目上のギャップは、アラインメント処理の期待される精度を満たすように設計することができる。例えばギャップは所望のアラインメント精度に依存して10ミクロン、2ミクロン、または1ミクロンである。代替の設計では、一つのアライメントマークは円形のドットであり、他のマークはリングとして形成される。ギャップは、所望のアラインメントの精度に対応するドットとリングの間で設計することができる。いくつかのアラインメントの機械設計では、アライメントマーク間のギャップは必要なく、その代りに、機械がディジタルカメラを用いてドットとリングの両方の中央点を推定する。このときアラインメントソフトウェアがドットとリングの中央点同士をアライメントしようとする。
【0214】
2つのパネル3402と3404は接着剤により所定位置に接着される。この接着剤の硬化はセル組立工程3620に関して後述される。
【0215】
図19はまた、パネルアセンブリ3500の上に重ねられた一組のダイシング線3502を例示する。個々のアレイ(ディスプレイまたはセルアセンブリとも称する)がパネルから切り離されるように、ダイシング線3502はパネルがそれに沿って切断される線をマークする。単一化とも称する分離工程は、スクライブ&ブレーク法により行うことができる。この処理では、線3502においてガラスパネルの表面に沿って線を引っ掻くためにダイヤモンドチップまたはカーバイドチップを用いる。このときスクライブ線に沿ってパネルを割るために、単純な折り曲げ処理を用いることができる。別の実施形態では、分離または単一化処理はダイシングソーにより行われる。基板3402と3408の両方が同じダイシング線に沿って切断される必要はない。変調器基板はアパーチャ基板に対し規定されたものより広い周縁幅にダイシングされると有利であることが多い。これにより、セルアセンブリが完了した後に変調器基板のエッジ上にドライバチップのボンディングのための空間が得られる。
【0216】
流体充填工程を含むセルの組立方法
図20には、本発明の例示的実施形態による、MEMS光変調器を内蔵するディスプレイ装置を組み立てるための第1の方法3600(セル組立方法3600とも称する)を例示する。方法3600は、その上にディスプレイ部品が作製される(工程3606、3608、3610)2つの基板を設けること(工程3602、3604)で始まる。この方法は、2つの基板の一方または両方にスペーサ(工程3612)とシーリング材(工程3614)を貼り付けることを続ける。このとき基板は互いにアライメントされ接着される。本方法は、大きなパネルアセンブリから個々のディスプレイを分離または単一化すること(工程3622)と、2つの基板間のギャップを流体または潤滑剤で充填すること(工程3624)を含む。最後に充填用穴が密封される(工程3626)。
【0217】
方法3600の第1の実施形態は、ディスプレイ装置2340または2600により例示されるようにMEMSダウンディスプレイアセンブリに関して説明される。MEMSアップ構成のディスプレイの組立てのための第2の実施形態は後で説明される。
【0218】
MEMダウンディスプレイのためのセル組立方法3600は工程3602と3604において2つの基板を設けることで始まる。これらの基板は両方とも透明でガラスまたはプラスチックから成る。本組立方法は、工程3606での制御マトリックスの作製と工程3608でのMEMS変調器アレイの作製を続ける。好ましい実施形態では、制御マトリックスと変調器アレイの両方は変調器基板と称する第1の基板上に作製される。この例としては、図7と図10の基板2342と2630がそれぞれ挙げられる。しかしながら、ディスプレイアセンブリ3100に関し考察したように、変調器基板とは別個の基板上に制御マトリックスを作製することができ、この制御マトリックスを導電スペーサにより変調器基板に接続することができる実施形態が存在する。この変調器基板の作製に関するさらなる詳細は上に参照した米国特許出願第11/361,785号明細書に見出すことができる。
【0219】
MEMSダウン組立方法3600は、アパーチャ層を作製することを含む工程3610に進む。アパーチャ層は好ましくは透明材料(例えばプラスチックまたはガラス)から成り、第2の基板上に作製される。MEMSダウン構成では、第2の基板はアパーチャ板と呼ばれる。例示的な有効なプレートとしては、図7と図10のアパーチャ板2346または2632が挙げられる。他のMEMSダウン実施形態では、アパーチャ層が作製される第2の基板は光導波路としても使用される。いくつかの実施形態では、アパーチャ層は、一連のアパーチャにパターン化される光吸収物質から成る。アパーチャ板2700に関して説明した好ましい実施形態では、アパーチャ層は、基板から入射した光を反射して基板に戻すように設計される。例示的な反射性アパーチャ層としては、図10と図11の反射性アパーチャ層2616または2704がそれぞれ挙げられる。
【0220】
方法3600はスペーサを塗布することを含む工程3612に続く。スペーサ2357、2708、2812、2814、2912、2914、2962、2964、3020、または3112により例示されたスペーサのすべて(したがって説明した作製方法を含む)を工程3612で取り入れることができる。スペーサは第1と第2の基板のいずれかまたは両方の上に形成されてよい。
【0221】
方法3600は、エポキシシール材528などのシール材を貼り付けることを含む工程3614に続く。シール材は、方法3600で使用される第1と第2の基板のいずれかまたは両方に塗布されてよい。シール材は、アラインメント工程後、第1と第2の基板の位置を維持する接着材である。シール材はまた2つの基板間のギャップ内に流体(工程3624で加えられる)を収容するために用いられる。適用可能なシール材は、エポキシ、アクリレートまたはシリコン材などの高分子材料であってよく、あるいはシール材は、半田バンプ2962などの熱リフロー可能な半田金属で形成することができる。いくつかの実施形態では、シール材は異方性の導電接着剤3214などの複合材料であってよい。シール材は、図18のディスプレイパネル3404に関し示したように、変調器またはアパーチャアレイのそれぞれの周縁に沿って移動するノズルから分配することができる。シール材3414は、ディスプレイパネル3404上の各ディスプレイ領域の周縁を完全には包囲しない。充填用穴と称するギャップ3418は、工程3624におけるセルの流体による充填に対処するために、周縁のシール内に意図的に残される。
【0222】
分配後、シール材は硬化工程を経て比較的強固なものになる。工程3614の一部として、シール材は部分的に硬化されてよいが、多くの実施形態では、後の工程3618または3620の一つまで最終的な硬化は行わない。脱水硬化、UVまたは紫外線硬化、熱的硬化、またはマイクロ波硬化を含む多くの他の形式の硬化を可能にするように、シール材を配合することができる。装置3300などのアライメントツールを利用する場合、UV硬化エポキシ樹脂は好ましいであろう。
【0223】
図18と図19で示したように、制御マトリックス3606の作製、MEMS変調器3608の作製、アパーチャ層3610の作製、スペーサ3612の塗布、シール材3614の塗布のための工程はすべて、複数のディスプレイが大きなガラスまたはプラスチックパネル上に同時に作製されるパネルレベルで行なうことができる。あるいは、これらの工程は小さな基板上で個々のディスプレイごとに行なわれてもよい。組立工程3606、3608、3610、3612のさらなる作製の詳細は、上に参照した米国特許出願第11/361,785号明細書に見出すことができる。
【0224】
方法3600は導電接着剤を随意に分配することを含む工程3616に続く。工程3612と3614で加えられるスペーサまたはシール材が導電特性を有しない場合、この特性を有する追加の接着剤を加えることは有利であることが多い。工程3616で加えられた導電接着剤は、第1の基板上の制御マトリックスと第2の基板上のアパーチャ層間の電気的接続を可能にする。工程3616で加えられた接着剤は、通常、ディスプレイ領域の周縁に沿ったいくつかの点に配置される。
【0225】
方法3600は、図17のアライメント装置3300に関し説明したように第1と第2の基板をアラインメントすることを含む工程3618に続く。アライメント装置3300は、アラインメントが許容誤差程度内まで正確であることを確認するためのカメラおよび/または顕微鏡システムを含む。第1と第2の基板はアラインメント工程3618の一部としてスペーサにより接続される。
【0226】
アラインメント工程3618の一部として、接着材は、2つの基板を接着するためにあるいはその相対位置を維持するために少なくとも部分的に硬化される。アライメント装置3300は、接着剤の硬化をもたらすヒーターおよび/またはUV露光ランプを含む。いくつかの実施形態では、シール3414などの周縁全体のシールは工程3618の一部として少なくとも部分的に硬化される。他の実施形態では、熱硬化可能なシール材3414に加えて複数のUV硬化可能な接着剤ドットがアラインメントに先立って基板上に設けられる。この実施形態では、エポキシドットのみがアラインメント工程3618の一部として硬化され、シール材の残りは後の工程3620で硬化される。
【0227】
方法3600は、シール材を硬化することを含む工程3620に続く。多くの実施形態では、シール材が比較的硬い接着剤として働く場合のみ、第1と第2の基板間の適切なアラインメントを維持することができる。工程3620での接着剤硬化によりシール材の剛性を保証する。工程3620での硬化は、熱硬化、UV硬化、またはマイクロ波硬化として実行することができる。いくつかの実施形態では、シール材は、アセンブリをオーブン内に入れることにより、あるいは加圧下あるいはプレス機のプレート間でUVまたはマイクロ波露光システムにより工程3620において硬化される。加圧は、接着剤が硬化される間の基板の曲げまたはそりを最小化するのに役立つ。加圧は、スペーサ(スペーサ2357など)に対する各基板の強固な接触を確実にすることによりギャップH5またはH9(ディスプレイアセンブリ2340、2390に関して示された)などのギャップを確実に維持するのに役立つ。
【0228】
方法3600は、複数のアレイを含む大きなパネルから個々のディスプレイアレイを随意に分離することを含む工程3622に続く。セル組立工程が、この時点までに、図18と図19において説明されたように大きなパネルの処理に従って進んできた場合のみに、このような分離が必要とされる。変調基板とアパーチャ板が工程3606〜3614で個々のディスプレイとして作製された場合、単一化または分離工程は必要ない。この分離は、スクライブ&ブレーク処理またはダイシングソーにより実現することができる。
【0229】
方法3600は、流体でディスプレイアセンブリを充填することを含む工程3624に続く。ディスプレイ装置500と2340の考察で示したように、ディスプレイ装置の2つの基板はギャップH5などのギャップにより分離されることが好ましく、ギャップは作動流体530または2352などの流体により充填される。多くのディスプレイでは、流体は、MEMS光変調器を実質的に取り囲む潤滑材として働く。この流体もまた上に考察したような電気的および光学的性質を規定している。
【0230】
多くのアプリケーションでは、2つの基板間に形成されるギャップ内に気泡が入るのを回避しながらディスプレイアセンブリを液体で充填することが望ましい。MEMS光変調器の表面上に形成される気泡はこれら変調器の作動を邪魔する。気泡なしの充填処理は、流体充填処理中のある時点で真空雰囲気を利用することにより行うことができる。
【0231】
流体充填処理(工程3624)の詳細は、本発明の例示的実施形態による図21に例示される流体充填装置3700に関して説明される。流体充填装置は、作動流体3704の貯蔵槽により部分的に充填される真空チャンバ3702で形成される。パネルアセンブリ3500などの、アライメントされかつ部分的に密封されるセルアセンブリまたはパネルアセンブリは、流体貯蔵槽の上にワンド3706によりまたは可動プラッタにより吊り下げられる。真空ポンプに通じるポート3708と真空チャンバ内を大気圧に換気するために用いられるポート3710が真空チャンバに取り付けられる。図21に図示しないが、ポート3708と3710のそれぞれにはバルブが結合される。
【0232】
動作中、アセンブリ3500などのパネルアセンブリ内の基板間のギャップを充填する処理は2段階の処理である。最初に、空気または他の気体が2つのプレートの間から除去され、次にギャップが流体で充填される。真空ポンプへのバルブが開かれると空気はプレートの間から除去され、チャンバ3702全体が実質的に1トール未満の圧力に低下される。次に真空バルブが閉じられ、そしてパネルアセンブリ3500を作動流体の貯蔵槽3704中に浸すためにワンド3706が用いられる。一旦浸されると、通気弁は大気に対し開放されるか、あるいはボトルから窒素またはアルゴンガスを取り除くために開放される。戻入された空気は、すべての流体上の圧力を大気圧(または600トールを超える圧力)にする。加圧下で、作動流体は次にセルアセンブリ3500の基板間のギャップ内に導入される。セルアセンブリをチャンバ3702から取り出すと、セルアセンブリは流体で充填されており、こうして組立工程3624を完了する。
【0233】
代替の設計では、パネルアセンブリ3500はワンド3706などの可動ワンドにより吊り下げられる必要はない。その代りに、パネルアセンブリを所定位置に固定することができ、また潤滑材3705を一連のバルブにより真空チャンバ3702内にまたは真空チャンバ3702から移動させることができる。流体がチャンバからほとんど無くなるまでの間、チャンバは排気される。排気後、チャンバ内の流体レベルはチャンバ内に追加の流体を流すことにより増加される。流体はアセンブリ3500が流体中に浸されるまで加えられる。パネルを流体中に浸した後、本システムは、ギャップを流体で充填するために大気圧まで換気される。
【0234】
別の実施形態では、チャンバ3702は液体3704などの液体で充填されないが、その代り、チャンバ3702は、排気された後に気体で再充填される(backfilled)。再充填する気体の例としては、不活性ガス(アルゴン、窒素)、気相潤滑材、特定の反応性ガス、または上記の任意の組み合わせが挙げられる。反応性ガスは、MEMS変調器の移動面と反応することができる気体であるか、あるいはその上に蒸着することができる気体である。反応性ガスは、界面エネルギーを低減することにより化学的に移動面の粘着性を和らげるか低減することができる。その例としては限定するものではないが、ジメチルジクロロシラン(DDM)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリクロロシラン(FDTS)が挙げられる。気相潤滑材は、装置の動作の間中実質的に気相状態のままであり、同様にして表面を和らげることができる気体である。その例としては限定するものではないが、六フッ化硫黄、そしてメタノール、エタノール、アセトン、エチレングリコール、グリセリン、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ジエチルベンゼンの気相形態、または上記の任意の混合物とが挙げられる。
【0235】
チャンバ3702内の流体充填処理は、セルレベルまたはパネルレベルで実行されてよい。組立工程3600では、単一化工程3622は流体充填工程3624に先行する。このことは、個々のディスプレイ用のセルアセンブリが流体充填のために真空チャンバ3702内に装填されるということを意味する。真空チャンバ3702は、複数のディスプレイが同時に流体で充填されるように、単一のポンプダウン作業で複数の個々のディスプレイを保持し浸すことができるプラッタを含むことができる。あるいは、これらの工程の順番を逆にしてアセンブリ3500などの完全なパネルアセンブリを真空チャンバ内に装填することも可能である。このとき、パネル上のディスプレイのそれぞれの中のギャップは同時に排気され充填される。次に、流体充填工程3624が完了した後、ダイシングまたは単一化処理3622が始まる。
【0236】
セルアセンブリは、充填用穴を密封することを含む方法3600の工程3626で完了する。流体は、工程3614で周縁シール内に残された充填用穴3418を通って、工程3624において基板間の空間内に入る、あるいは導入された。この穴は、ディスプレイアセンブリからの流体の漏れを防ぐために組立工程の終わりに接着剤で埋められる。工程3626の一部としてそして充填材穴を密封することに先立って、加圧機を介しセルに圧力を印加することができる。加圧は2つの基板を押し付け、一方の基板上に作製されたスペーサを他方の基板に密着させる。これにより、2つの基板間に一様なギャップまたは間隔を設定する。次に、充填用穴3418は、ディスプレイから圧力を取り除く前に接着剤で密封される。一旦密封されると、セル内の密封されかつ流体で充填されたチャンバは基板が周囲条件下で分離するのを防ぐ。工程3626で使用される接着剤は、熱的硬化、UV硬化、またはマイクロ波硬化を使用することにより硬化される重合体接着剤であってよい。方法3600の終了後にディスプレイを組み立てる最終工程は、総じてモジュール組立工程と称することが多い。モジュール組立は、制御および駆動回路を含む一つまたは複数のシリコンチップをガラス基板に直接取り付ける工程、ディスプレイと外部装置を相互接続するためのフレキシブル回路をボンディングする工程、コントラストフィルタなどの光学フィルムをボンディングする工程、バックライトを貼り付ける工程、そしてディスプレイを支持構造体または筐体内に実装する工程を含む。フレキシブル回路は単純な配線で構成されてもよいし、あるいは抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランジスタ、または集積回路などの追加の電気的素子を含んでもよい。
【0237】
MEMSアップディスプレイ構成に適用されるセル組立方法3600について以下に精査する。その実施例は図5と図8のディスプレイアセンブリ500と2400により与えられる。MEMSアップディスプレイ構成では、制御マトリックスとMEMS変調器アレイの両方は工程3606と3608で第1の基板上に作製される。この実施例は変調器基板504または2418として与えられる。アパーチャ層は工程3610で第2の基板上に蒸着される。
【0238】
ディスプレイアセンブリ3100に関して考察されたように、第2の基板上に制御マトリックスを作製することができる一方でMEMS変調器アレイが第1の基板上に作製される実施形態がある。2つの基板は導電スペーサにより電気的に連通する。
【0239】
MEMSアップディスプレイ構成では、第2の基板はカバープレート(カバープレート522など)と呼ばれる。工程3610で作製されるアパーチャ層はブラックマトリクス層(ブラックマトリクス524など)と呼ばれ、アパーチャアレイにパターン化される。ブラックマトリクス層は、ディスプレイの周囲コントラストを向上させるために光吸収物質で構成されることが好ましい。組立後、ブラックマトリクスアパーチャは変調器基板上に配置されるMEMS光変調器と重なることが好ましい。
【0240】
MEMSアップディスプレイ組立方法3600では、カバープレートすなわち工程3604で設けられる第2の基板は透明材料すなわちプラスチックまたはガラスから成ることが好ましい。しかしながら、MEMSアップ組立方法では、工程3602で設けられる変調器基板は、シリコンなどの不透明な材料で作ることができる。例えば、反射式MEMSアップディスプレイでは、第1の基板(例えばシリコン)は、工程3606または3608において反射層で覆うことができる。透過式MEMSアップディスプレイでは、第1の基板に使用される不透明な材料は、アパーチャ508などのアパーチャの位置のスルーホールアレイを用いてエッチングすることができる。
【0241】
MEMSアップディスプレイアセンブリ3600では、スペーサは工程3612で貼り付けられ、シール材は工程3614で第1または第2の基板(すなわち変調器基板またはカバープレート)に貼り付けられる。
【0242】
MEMSアップディスプレイ組立方法3600における後続の工程はMEMSダウンディスプレイ組立方法3600と同様であり、アラインメント工程3618、シール材の硬化工程3620、パネルから個々のディスプレイを分離する工程3622、そして流体充填工程3624を含む。
【0243】
アライメント装置3600に関して説明されたように、MEMSアップまたはMEMSダウン構成の組立方法3600は、エレクトロウェッティングディスプレイとローリングアクチュエータディスプレイを含む多くの代替MEMS光変調器技術に適用可能である。MEMSアップディスプレイ組立方法3600は、特に干渉変調器ディスプレイとMEMS光タップ変調器ディスプレイに適用可能である。
【0244】
図22には、MEMS光変調器を内蔵するディスプレイ装置を組み立てるための代替方法を例示する。方法3800は、方法3600に関して説明されたMEMSダウン構成またはMEMSアップ構成のいずれかの構成でディスプレイを組み立てるために採用することができる。方法3600と同様に、組立方法3800は、ディスプレイ部品が作製される(工程3806、3608、3810)2つの基板を設けること(工程3802と3804)で始まる。方法3800は、2つの基板の一方または両方にスペーサ(工程3812)とシーリング材(工程3814)を貼り付ける工程に続く。方法3800はまたディスプレイアセンブリ内のギャップを流体で充填する工程(工程3118)を含む。しかしながら、方法3600とは対照的に、流体充填(工程3818)とディスプレイ組立(工程3820、3822、3824)の順序は逆転される。組立方法3800は時に液晶滴下法(one−drop fill method)と呼ばれる。
【0245】
組立方法3800は、第1と第2の基板を設けること(工程3802と3804)で始まり、制御マトリックスの作製(工程3806)、MEMS変調器アレイの作製(工程3808)、アパーチャ層の作製(工程3810)、スペーサの作製(工程3812)と続く。これらの工程は組立方法3600における対応する工程に用いられたのと実質的に同じ組立工程を含む。
【0246】
方法3800はシール材の貼り付けを含む工程3814に続く。シール材貼り付け工程3612で用いられたように、同様のシール材と同様の分配方法を工程3814で適用することができる。しかしながら工程3814では、いかなるギャップまたは充填用穴も、ディスプレイのアクティブ領域の周縁部のシール材内に残されない。
【0247】
接着剤塗布工程3616と同様の随意の導電接着剤貼り付け工程3816が続く。
【0248】
方法3800は液体の貼り付けを含む工程3818に続く。潤滑性および他の電気的、機械的、光学的性質を含む適用可能な液体についてはディスプレイ装置500に関して既に述べた。液体充填工程(工程3800)では、装置3700などの真空充填装置は必要ない。適切な量の流体を、第1または第2の基板の一方の開放面上に直接分配することができる。この基板は、一般的には、気泡が溜まるかもしれない空洞または凹部面を含むMEMS部品を有さないので、流体はアパーチャ層が形成される第2の基板上に分配されることが好ましい。パネル3404のように、基板が複数のディスプレイを内蔵する大きなパネルである場合、適切な量の流体が各アレイのアクティブ領域内に分配される。一般的には、流体は、シール材3414の周縁により制限されるまで基板の表面全体に広がる。適切な量の流体は、周縁シールにより画成される空洞を完全に充填する。いくつかの実施形態では、パネル上の個々のアレイの実際の周縁寸法を測定することにより充填前に空洞ごとの正確な容積を確定するために、光学的測定ツールが用いられる。
【0249】
方法3800は2つの基板のアラインメントを含む工程3820に続く。潤滑流体は基板の一方に既に塗布されているので、工程3800に必要なアライメント装置は装置3300により示されたものと異なる。基本的な相違として、このアライメント動作は減圧または真空状態下で行なわれることが好ましい。このことは、アラインメント用に設けられた可動部品および視覚システムの部品の多くだけでなく第1と第2の基板は、今度は、真空チャンバ(アラインメントチャンバと呼ぶ)内で処理されることを意味する。
【0250】
動作中、2つの基板はアラインメントチャンバに導かれ、チャンバは排気されるであろう。流体(工程3818で既に分配された)の蒸発を防ぐために、チャンバは潤滑流体の平衡蒸気圧に再充填されてもよい。2つの基板がアライメントされ接着された後、潤滑流体は2つの基板のそれぞれの表面と接触してMEMS光変調器の可動部のそれぞれを実質的に取り囲む。基板同士が接触され流体がその全表面を濡らした後、アラインメントチャンバは換気され大気圧に戻される(工程3822)。部分的な硬化処理はまた、基板同士が接着された後に接着剤に適用されてよい。接着剤は、熱的手段または真空チャンバ内に設置されたUVランプにより硬化することができる。
【0251】
潤滑流体が高い蒸気圧を有する、すなわち潤滑流体が常温で直ちに蒸発するいくつかの実施形態では、パネルがアラインメントチャンバ内に導かれる前に、工程3818において流体を分配することは実用的ではないかもしれない。この実施形態では、アラインメントチャンバが排気され潤滑材の蒸気圧で再充填された後、ノズルを設け2つの基板のアライメント工程の直前に基板の一方の上に潤滑流体を分配することができる。
【0252】
工程3820でのアライメント動作中にシール材が完全には硬化されなかった場合、別の硬化工程が工程3824において適用される。工程3824の硬化は、熱硬化、UV硬化、またはマイクロ波硬化のいずれかとして実行されてよい。
【0253】
方法3800は、複数のアレイを含む大きなパネルから個々のディスプレイアレイを随意に分離することを含む工程3826で完了する。セル組立工程が、この時点まで、図18と図19において説明されたように大きなパネル処理に従って進んだ場合のみ、このような分離は必要とされる。工程3806〜3814で変調基板とアパーチャ板が個々のディスプレイの形態で作製される場合、最終分離工程は必要ない。この分離は、スクライブ&ブレーク処理により、またはダイシングソーを使用することにより実現することができる。
【0254】
方法3600の終了後にディスプレイを組み立てる最終工程は、総じてモジュール組立工程と称することが多い。モジュール組立は、制御および駆動回路を含む一つまたは複数のシリコンチップをガラス基板に直接取り付ける工程、ディスプレイと外部装置を相互接続するためのフレキシブル回路をボンディングする工程、コントラストフィルタなどの光学フィルムをボンディングする工程、バックライトを貼り付ける工程、そしてディスプレイを支持構造体または筐体内に実装する工程を含む。フレキシブル回路は単純な配線で構成されてもよいし、あるいは抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランジスタ、または集積回路などの追加の電気的素子を含んでもよい。
【0255】
図23は、本発明の例示的実施形態による、液晶光変調器602を内蔵するディスプレイ装置600の断面図である。ディスプレイ装置は、2つの透明基板606と608の間に挟まれた液晶材料604を含む。液晶材料の両端に印加される電圧を調整するための電極アレイ610と612が2つの基板のそれぞれの上に形成される。ディスプレイ装置600は、電極610と612において選択された電圧に依存して、液晶材料604を通過する光の分極特性を変えることにより光を変調する。
【0256】
基板606上に配置された裏面向きの反射層(反射膜614)は、液晶光変調器602の下方に位置する複数の表面アパーチャ616を画定する。反射膜614は、表面アパーチャ616を通過しない光を反射してディスプレイ装置600の裏面に向けて戻す。反射性アパーチャ層614は、スパッタリング、蒸発、イオンメッキ、レーザー切断、または化学蒸着法を含む多くの蒸着技術により薄膜状に形成された、介在物を含まない微粒子金属膜であってよい。別の実施形態では、裏面向きの反射層614は、誘電体ミラーなどのミラーで形成することができる。誘電体ミラーは、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料を繰り返す誘電体薄膜の積層として作製される。
【0257】
液晶ディスプレイ装置600は、随意のディフューザ622、および/または基板606を平面状の光導波路616から分離する随意の輝度増強膜624を含む。光導波路は透明材料すなわちガラスまたはプラスチック材料で構成される。光導波路616はバックライトを形成する一つまたは複数の光源618により照明される。反射器619はランプ618からの光を光導波路616に向けて導くのを助ける。前面向きの反射膜620は光導波路616の背面に配置され、光を液晶変調器602の方に反射する。シャッタ液晶変調器602の一つを通過しないバックライトからの光線は、バックライトに戻され膜620により再び反射される。このようにして、画像を形成するためにディスプレイを離れることに最初に失敗した光を再利用することができ、液晶変調器602のアレイ内の他の開いたアパーチャを透過するのに利用できるようになる。
【0258】
光導波路616は、ランプ618からの光をアパーチャ616に向かって、したがってディスプレイの前面に向かって再度導く一組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム617を含む。光リダイレクタは、その断面が三角形、台形、または曲線状であってよい光導波路616のプラスチック本体内に成型されてよい。プリズム617の密度は通常、ランプ618からの距離とともに増加する。
【0259】
板金または成型プラスチックアセンブリブラケット632は、カバープレート608、基板606、バックライト616、および他の構成部分をエッジのまわりに一緒に保持する。アセンブリブラケット632は、合体されたディスプレイ装置600の剛性を増すために、ねじまたはインデントタブで固定される。反射器636は、光導波路616のエッジから漏れる光を光導波路内に戻すのを助ける。
【0260】
図24Aは、本発明の例示的実施形態によるMEMSアップ構成のディスプレイモジュールアセンブリ700の断面図を与える。図24Bは、ディスプレイアセンブリ700の分解等角投影図を与える。モジュールアセンブリは一つまたは複数のランプ702、光導波路704、MEMS変調器基板706、カバープレート708、駆動回路710、モジュールスペーサ712、アセンブリブラケット713と714、およびフレキシブル電気配線716と718を含む。ディスプレイ装置500に関し例示されたものと同様に、モジュールアッセンブリ700はまた、作動流体720、セルスペーサ(図23に図示せず)、およびシール材722を含む。モジュールアッセンブリはまた、基板706と708間の電気的接続724を含む。アセンブリは前面向きの反射器膜728を含む。
【0261】
MEMS変調器基板706、カバープレート708、セルスペーサ、作動流体720、そしてシール722の組み合わせは、しばしばセルアセンブリ705と呼ばれる。セルアセンブリのアラインメント、流体充填、そして密封のための技術は、すでに米国特許出願第11/731,628号明細書と米国仮特許出願第60/930,872号明細書で説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0262】
セルアセンブリの部品を合体した後、モジュール700組立工程は次のように進む。最初に、駆動回路710がセルアセンブリ705に取り付けられる。駆動回路710はブロック線図150の一部として例示された機能ブロック(タイミング調整回路、バッファメモリー、スキャンドライバ、データドライバ、そして共通ドライバを含む)のいずれかまたはすべてを含むシリコンチップであってよい。電気的接続は、異方性導電接着剤726により駆動回路710と基板706上の配線との間でなされる。モジュール組立の第2の工程では、フレキシブル電気配線716はまた、異方性導電接着剤によりセルアセンブリ705に貼り付けられる。モジュール組立の随意の第3の工程では、一つまたは複数のランプ702が光導波路704に取り付けられる。ランプはまたフレキシブル電気配線718に取り付けられる。組立の随意の第4の工程では、前面向きの反射器728がモジュールスペーサ712の底面に取り付けられる。組立の第5の工程では、モジュールスペーサ712がアセンブリブラケット714内に挿入される。そして組立の第6の工程では、光導波路を始めとする残りの部品はすべてモジュールスペーサ712上またはその中の所定の位置に取り付けられる。組立の最終工程では、アセンブリブラケット713はセルアセンブリ705の上方の所定の位置に取り付けられる。
【0263】
アセンブリブラケット713は、ブラケット713をブラケット714に強固に接続することによりディスプレイモジュールの筐体を完成させるインデントタブを含む。モジュールスペーサ712は、モジュールの部品間の機械的なアラインメントを容易にしかつ維持するためのいくつかの形状部を含む。例えば、位置決め面730と732は、組立後のランプ702の動きを制限するのに役立つ。スペーサ712内のこのような面は、ランプ702と光導波路704間の適切なx−yアラインメントを維持するのに役立つ。モジュールスペーサ712内にこのような位置決め面(時には収納ポケットと呼ばれる)を適切に設計することにより、部品が手で組み立てられることになった場合でも部品間で高度のアラインメントを維持することができる。同様に、光導波路704とMEMS変調器基板706間のx−yアラインメントは、位置決め面734と736によりそれぞれある程度保証される。
【0264】
アセンブリ700の部品間の縦方向アライメントもまたモジュールスペーサ712内に設計された位置決め面により維持される。MEMS変調器基板706は例えば位置決め面740により形成される棚の上に載る。基板706は基板706の周縁部のいくつかの点で位置決め面740により支持される。同様に、光導波路704は位置決め面742上に載る。エアギャップ744が光導波路704とMEMS変調器基板706間に設定された。位置決め面740と742間の垂直距離が光導波路704の厚さより意図的に大きくなっているため、このエアギャップは維持される。エアギャップ744は、光導波路内で光を分散する光導波路704の上面で全内部反射を利用できるようにするので、有用な機能を果たす。加えて、エアギャップは、ディスプレイ500内の光線521などの光線がディスプレイの光共振器(例えば反射膜506と前面向きの反射器膜520との間に形成された)の2つの反射面間ではね返るのを邪魔しない。
【0265】
モジュールアセンブリ700では、位置決め面742は光導波路の周縁に沿ってのみ光導波路704を支持する。ディスプレイの表示エリア内の光導波路704の下のモジュールスペーサ712内には開放エリアが残される。モジュールスペーサ712はまた、面742の反対側の面の周縁に沿って位置決め面746を含む。前面向きの反射器728は接着剤で位置決め面746に貼り付けられる。このようにして、エアギャップもまた前面向きの反射器728と光導波路704間に設けられる。代替の実施形態では、前面向きの反射器728はアセンブリブラケット714に直接接着される。
【0266】
モジュールスペーサ712はプラスチックまたは金属材料で作製することができる。磨き上げた金属材料は、その表面が光導波路704から脱出する光を反射して光共振器内に戻すので有用である。モジュール700の特定の実施形態では、スペーサ712はポリカーボネートの射出成形により作製される。ポリカーボネートは白色に染められ、そのエッジは光共振器内に戻る光の反射を増強するために滑らかである。この部品に適用可能な他のプラスチック材料としては限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、またはエポキシ材料が挙げられる。これら材料は、熱可塑性か熱硬化性のいずれかを使用することにより成型することができる。いくつかの実施形態では、モジュールスペーサは、電磁障害から保護するために導電性高分子または高分子複合材料で形成することができる。
【0267】
モジュールスペーサ712は、通常、光導波路704とMEMS変調器基板706をその基板の周縁に沿ってのみ支持する。但し、アセンブリブラケット713と714はモジュールを、底部、側面、そしてまた上面の非可視部分に沿って完全に取り囲むように設計される。アセンブリブラケットの側面には、フレキシブル電気配線716と718を収容するためのギャップが残される。インデントタブにより接続されると、アセンブリブラケット713と714はディスプレイモジュールに機械剛性を与える。板金で形成された場合、アセンブリブラケットはまた、ディスプレイの電子遮蔽化と電磁障害からの保護とを実現する。いくつかの実施形態では、モジュールスペーサ712とアセンブリブラケット714の機能は、複合構造で合成することができる。このような複合構造では、プラスチック部品は、板金から成る基部の上またはその周囲に成型され、そして永続的に基部に接着される。プラスチック成形が完了した後、すべての板金突出部はさらに曲げられるかあるいは折り返されてインターロック筐体の一部を形成することができる。
【0268】
いくつかの実施形態では、モジュールスペーサ712上のそれぞれの位置決め面に沿った部品の移動を防ぐために、接着剤がセルアセンブリおよび/または光導波路704の周縁に沿って塗布される。他の実施形態では、弾性材(合成スポンジまたはゴム材料)が、部品間、例えば光導波路704と変調器基板706間および/またはカバープレート708とアセンブリブラケット714間に挿入される。弾性材は、アセンブリブラケット713と714を取り囲んだ後で圧縮することができ、これにより部品のさらなる移動を防ぐ。弾性材はまた機械的衝撃からディスプレイ部品を保護する。いくつかの実施形態では、アセンブリブラケット713または714内のインデントまたはタブとアライメントする突出部がスペーサ712内に設けられる。これらの位置検知用突出部はアセンブリブラケット714内のスペーサ712の移動を防ぐ。
【0269】
好ましい実施形態では、MEMS変調器基板706は光変調器200と220などのシャッタベースのMEMS変調器アレイを含むが、非シャッタベースのMEMS光変調器を含む基板を本発明では有効に利用することができる。基板706上に配列することができる適用可能な非シャッタベースの変調器としては、光タップ250とエレクトロウェッティングベースの光変調器2400が挙げられる。
【0270】
代替の実施形態では、ディスプレイ装置600のセル部品は、ディスプレイ装置700におけるMEMS光変調器と置換可能である。例えば、基板606はMEMS変調器基板706と置換可能であり、基板608はカバープレート708と置換可能である。本発明の液晶実施形態では、流体720は液晶材料604で置き換えることができる。モジュールスペーサ712の設計により得られる同様な利点は、モジュールスペーサ712が液晶ディスプレイ装置600に使用される場合にも適用される。
【0271】
図25は、本発明の例示的実施形態による、MEMSアップ構成におけるディスプレイモジュールアセンブリ800の詳細な図を与える。モジュールアッセンブリは、一つまたは複数のランプ802、光導波路804、変調器基板806、カバープレート808、駆動回路810、モジュールスペーサ812、前面向きの反射器828、アセンブリブラケット813と814、そしてフレキシブル電気配線816と818を含む。
【0272】
アセンブリ800の部品間の縦方向アライメントもまた、モジュールスペーサ812内に設計された位置決め面により維持される。MEMS変調器基板806は例えば、位置決め面836により形成される棚の上に載る。基板806は基板806の周縁部のいくつかの点で位置決め面836により支持される。同様に、光導波路804は、モジュールスペーサ812上の位置決め面836の正反対側に位置する位置決め面840上に載る。エアギャップ844は、ディスプレイの周縁に沿った基板間にモジュールスペーサ812を挿入することにより光導波路804とMEMS変調器基板806間に設定された。モジュールスペーサ812の形状は、基板804と806の周縁に沿ったいくつかの点でスペーサ材料が2つの基板間に配置されるように設計された。
【0273】
モジュールアセンブリ800はまた弾性挿入物850と852を含む。弾性挿入物850はカバープレートとアセンブリブラケット813間に配置される。弾性挿入物852は光導波路804とアセンブリブラケット814間に配置される。弾性挿入物はブラケット813と814の封入中に圧縮でされ得るように弾性材(合成スポンジまたはゴム材料)で構成される。弾性挿入物は、光導波路804と変調器基板806が位置決め面840と836に対しそれぞれ確実に直接押しつけられるようにする。弾性材はまた機械的衝撃からディスプレイ部品を保護する。いくつかの実施形態では、前面向きの反射器828は、弾性挿入物852がアセンブリブラケット814と反射器828間に位置決めされるように光導波路804に直接接着される。
【0274】
図26は、本発明の例示的実施形態による、MEMSダウン構成におけるディスプレイモジュールアセンブリ900の詳細な図を与える。モジュールアッセンブリは、一つまたは複数のランプ902、光導波路904、アパーチャ板906、変調器基板908、駆動回路910、モジュールスペーサ912、前面向きの反射器928、アセンブリブラケット913と914、そしてフレキシブル電気配線916と918を含む。
【0275】
MEMS変調器基板908、アパーチャ板906、セルスペーサ、作動流体920、そしてシール922の組み合わせはセルアセンブリ905と呼ばれる。しかしながら、MEMSダウン構成では、MEMSシャッタアセンブリアレイは、基板908の光導波路904に向けられかつビューアから離れる側に作製される。その結果、駆動回路910もまた変調器基板908の底面に搭載される。
【0276】
モジュールスペーサ912は、モジュールの部品間の機械的なアラインメントを容易にしかつ維持するためのいくつかの形状部を含む。例えば、スペーサ912は、ランプ902の適切な位置決めを保証するのに役立つ位置決め面930と932を含む。同様な形状部では、光導波路904とMEMSアパーチャ板906間のx−yアラインメントは位置決め面934と936によりそれぞれある程度保証される。
【0277】
アセンブリ900の部品間の縦方向アライメントもまた、モジュールスペーサ912内に設計された位置決め面により維持される。アパーチャ板906は例えば、位置決め面940により形成された棚の上に載る。基板906は、基板906の周縁部のいくつかの点で位置決め面940により支持される。同様に、光導波路904は位置決め面942上に載る。エアギャップ944は光導波路904とアパーチャ板906間に設定された。位置決め面940と942間の垂直距離が光導波路904の厚さより意図的に大きくなっているため、このエアギャップは維持される。エアギャップ944は、光導波路内で光を分散する光導波路904の上面で全内部反射を利用できるようにするので、有用な機能を果たす。加えて、エアギャップは、ディスプレイ500内の光線521などの光線がディスプレイの光共振器(例えば反射膜506と前面向きの反射器膜520との間に形成された)の2つの反射面間ではね返るのを邪魔しない。
【0278】
モジュールアセンブリ900では、位置決め面942は光導波路の周縁に沿ってのみ光導波路904を支持する。ディスプレイの表示エリア内の光導波路904の下のモジュールスペーサ912内には開放エリアが残される。モジュールスペーサ912はまた、面942と反対側の面の周縁に沿って位置決め面946を含む。前面向きの反射器928は接着剤で位置決め面946に貼り付けられる。このようにして、エアギャップもまた前面向きの反射器928と光導波路904間に設けられる。代替の実施形態では、前面向きの反射器928はアセンブリブラケット914に直接接着される。
【0279】
本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施することができる。したがって、前述の実施形態はすべての点で例示的であり、本発明を限定するものではないと考えるべきである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年5月18日出願の米国仮特許出願第60/930,872号明細書、表題「MEMS Displays and Assembly Methods」の優先権と特典を主張するものであり、以下の各出願、2007年1月19日出願の米国特許出願第11/656,307号明細書、表題「Methods and Apparatus for Actuating Displays」、2007年3月30日出願の米国特許出願第11/731,628号明細書、表題「Methods and Apparatus for Actuating Displays」、2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,398号明細書、表題「MEMS Display Apparatus」、2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,397号明細書、表題「Alignment Methods in Fluid−Filled MEMS Displays」、2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,411号明細書、表題「Methods for Manufacturing Fluid−Filled MEMS Displays」、そして2007年10月19日出願の米国特許出願第11/975,622号明細書、表題「Spacers for Maintaining Display Apparatus Alignment」の一部継続出願である。これらの仮出願と非仮出願のそれぞれの全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は一般的には撮像ディスプレイの組立分野に関し、特に機械的に作動するディスプレイ装置の組立に関する。
【背景技術】
【0003】
機械的光変調器で構築されるディスプレイは、液晶技術に基づくディスプレイの魅力的な代案である。機械的光変調器は、映像コンテンツを良好な視角と広範囲のカラーおよびグレイスケールで表示するためには十分に速い。機械的光変調器は投写型ディスプレイアプリケーションでは成功してきた。機械的光変調器を利用するバックライトディスプレイは、まだ、魅力的な輝度と低電力との組み合わせを十分に実証していない。当該技術領域では、高速で明るく低電力な機械作動型ディスプレイに対する要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶ディスプレイとは異なり、MEMSベースのディスプレイは何百、何千あるいは場合によっては何百万もの可動要素を含む。いくつかの装置では、一要素のいかなる動きも、一つまたは複数の要素を不能にする静止摩擦(stiction)の機会を生じる。さらに、MEMSベースのディスプレイの効果的な動作は、光学的、電気的、および/または機械的構成部品の結合に依存する。このような構成部品のミスアラインメントは、画質劣化と、可能性としてディスプレイ全体としての動作不能にもつながる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明はディスプレイアセンブリの製造方法に関する。本方法は、複数のMEMS光変調器が作製された第1の基板を設ける工程を含む。第1の基板は不透明であってもよくあるいは透明であってもよい。各光変調器は明状態と暗状態とを有する。本方法はまた、複数のアパーチャが形成された層を含む第2の基板(好ましくは透明な基板)を設ける工程を含む。一実施態様では層は反射性である。他の実施態様では層は光吸収性である。第1と第2の基板は次にそれぞれの光変調器とアパーチャとの対応関係を設定するためにアライメントされる。
【0006】
MEMS光変調器は、変調素子、例えばシャッタ、光タップ、オイル、または少なくとも一つのエッジを有する干渉変調器を含む。各アパーチャもまたエッジを有する。一実施態様では、第1と第2の基板は、光変調器が暗状態の場合にそれぞれの光変調素子のエッジがその対応するアパーチャのエッジと、0ミクロンを越えかつ約20ミクロン未満だけ重なるようにアライメントされる。別の実施態様では、光変調器のエッジは、暗状態において、0ミクロンを越えかつ約5ミクロン未満だけアパーチャのエッジと重なる。
【0007】
アラインメントは多くのやり方で維持することができる。アラインメントは、接着剤または熱リフロー可能な材料により第1の基板を第2の基板にボンディングすることにより、あるいは第1と第2の基板上または基板内に形成されたインターロック形状部(interlocking features)同士を連結することにより維持することができる。
【0008】
組立工程は、個々のディスプレイアセンブリの製造または複数のディスプレイアセンブリの同時製造に対処することができる。後者の場合、第1の基板上の複数のMEMS変調器としては、パネル上に配置された複数のMEMS変調器アレイが挙げられる。同様に、第2の基板上の複数のアパーチャとしては、その対応する複数のアパーチャアレイが挙げられる。単一パネルから複数のディスプレイアセンブリを製造する場合、組立工程はディスプレイパネルを単一化(singulate)することを含む。基板の単一化(singulation)は、基板がアライメントおよび/または密封される前または後に行なうことができる。
【0009】
基板同士をアライメントするために、アライメントマークを第1と第2の基板のそれぞれの上に形成することができる。基板は、アライメントマーク間のミスアラインメントを監視する視覚システムを含むアライメント装置に装填することができる。アライメント装置はまた、2つの基板の相対位置を調整するためのモーターまたは駆動装置を含む。アライメント装置はまた、接着材を硬化するためのUVランプを含むことができる。
【0010】
一実施態様では、アライメント方法は、基板間に一定の距離間隔を設定するために2つの基板の一方にスペーサを貼り付ける工程を含む。スペーサは2つの基板間のギャップを埋める導電性材料で形成することができる。
【0011】
さらに、潤滑剤などの流体によりディスプレイ構成部品の表面(可動要素の前面と裏面を含む)を濡らすことにより静止摩擦を低減することができる。様々な流体と気体は、MEMS光変調器の可動構成部品を取り囲むと、静止摩擦を低減するだけでなくディスプレイの光学的および電気機械的性能も改善することができる。
【0012】
したがって別の態様によると、本発明は、潤滑剤などの液体により実質的に取り囲まれる(そして好適にはその中を移動する)素子を有する光変調器アレイを含むディスプレイアセンブリに関する。光変調器アレイは第1の基板上に形成される。MEMS光変調器を取り囲む液体を収容するために第1の基板と第2の透明基板は接着剤で密封される。密封はまた、2つの基板間の相対運動を制限するように作用する。一実施態様ではシール材は高分子材料で形成される。
【0013】
ディスプレイアセンブリ内に密封された液体は第1の屈折率を有し、アパーチャ層が配置される基板は第2の屈折率を有する。一実施態様では、第1の屈折率は第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい。液体はまた、非導電性であることが好ましく、2.0を越える誘電率を有する。
【0014】
別の態様では、本発明はMEMSベースのディスプレイの製造方法に関する。本方法は、流体がディスプレイ構成部品の表面(可動要素の前面と裏面を含む)を濡らし、静止摩擦を低減するとともにディスプレイの光学的および電気機械的性能を改良するように作用する、流体充填工程を含む。本方法は第1と第2の透明基板を設ける工程を含む。第1の基板はその上に形成された複数のMEMS光変調器を有する。第2の基板は透明である。一実施態様では、反射性アパーチャ層が第2の基板上に形成される。別の実施態様では、ブラックマトリクスが第2の基板上に形成される。第2の透明基板は、第1の基板が第2の基板から一定のギャップだけ離されるように第1の基板に隣接して配置される。ディスプレイアセンブリは潤滑剤などの液体により充填される。本方法は、液体がMEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲むように液体をディスプレイアセンブリ内に収容するディスプレイアセンブリ密封工程も含む。
【0015】
ディスプレイ密封工程は、ディスプレイアセンブリの周縁の少なくとも一部分に沿ってシール材を貼り付ける工程を含む。一実施態様では、シール材を貼り付ける工程はディスプレイを充填する工程に先立つ。一実施態様では、アセンブリを充填する前にシール材は硬化される。別の実施態様では、ディスプレイアセンブリが充填された後にシール材は硬化される。基板はシール材が硬化される前にアライメントされてよい。一実施態様では、アセンブリ上にシール材を貼り付ける工程は少なくとも一つの充填用穴を未密封のままにしておくことを含む。充填用穴は、ディスプレイアセンブリ内に流体を収容するためにアセンブリを流体で充填する工程の後で密封される。
【0016】
一実施態様では、単一のディスプレイアセンブリがパネルごとに作製される。他の実施態様では、各パネルから複数のディスプレイアセンブリが作製される。このような実施態様では、本方法は、パネル上に複数のMEMS光変調器アレイを作製した後それらを分離する工程を含む。アレイはシール材を貼り付ける前または後で分離することができる。
【0017】
一実施態様では、ディスプレイを充填するために、基板は減圧チャンバ内に置かれる。別の実施態様では、充填工程は、第1と第2の基板とをアライメントして接着することに先立って両基板の一方に液体を塗布することを含む。
【0018】
別の実施態様では、本方法は、基板間のギャップを維持するために基板の一方または両方にスペーサを作製する工程を含む。基板間のギャップを埋めるために導電性材料を塗布することができる。
【0019】
本発明は、ピクセルアレイ、基板、そして基板上に形成された制御マトリクスを有するディスプレイ装置に関連してよい。アレイは、それぞれがアレイ内のピクセルに対応する光変調器を含むことができる。基板は透明であってよい。制御マトリクスはアレイ内の各ピクセルに対応する少なくとも一つのスイッチまたはカスコードスイッチを有してよい。
【0020】
本発明の一側面によると、ディスプレイ装置は、アパーチャ層が形成された第1の基板と、アパーチャ層に向けて光を誘導する光導波路と、光導波路からアパーチャ層を通過する光を変調するための複数のMEMS光変調器と、光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、光導波路と第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより第1の基板と光導波路間にギャップを形成するためのスペーサとを含む。アパーチャ層は反射性アパーチャ層を含んでよい。
【0021】
一実施態様では、スペーサは、ディスプレイ装置の異なる構成部品間(第一の基板、光導波路に光を供給するためのランプ、複数のMEMS光変調器の一つを制御するための電気的接続、光導波路に向けて光を反射させるための反射層の少なくとも一つと、光導波路との間など)のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部(structural feature)を含む。別の実施態様では、スペーサは、光導波路と第1の基板のうちの少なくとも一つの並進移動を制限するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む。構造的特徴部は、光導波路と第1の基板のうちの一つが載る棚を含む。接着剤は、光導波路と第1の基板のうちの少なくとも一つに接着する構造的特徴部上に配置することができる。
【0022】
スペーサは光を光導波路内へ反射させるための反射面を含んでよい。スペーサは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、金属、または金属とプラスチックの複合材などの剛性材を含んでよい。複数のMEMS光変調器は、シャッタベースの光変調器またはエレクトロウェッティング光変調器を含んでもよく、また第1の基板または第2の基板上に形成することができる。
【0023】
本発明の別の態様によると、ディスプレイ装置は、制御マトリクスが形成された第1の基板と、制御マトリクスに向けて光を誘導する光導波路と、光導波路からの光を変調するための複数のMEMS光変調器と、光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、光導波路と第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより第1の基板と光導波路間にギャップを形成するためのスペーサとを含む。
【0024】
本発明の一側面によると、ディスプレイ装置は、第1の基板、反射性アパーチャ層、そして複数のMEMS光変調器を含む。第1の基板は前面向きの面と裏面向きの面を有する。反射性アパーチャ層は、第1の基板の前面向きの面上に配置された複数のアパーチャを含む。複数のMEMS光変調器は、画像を形成するために、複数のアパーチャに向けられた光を変調する。
【0025】
第1の基板は光導波路を含むことができる。あるいは、光導波路は第1の基板の後方に配置されてもよく、ここでは反射性アパーチャ層は、複数のアパーチャを通過しない光を反射して光導波路の方へ戻すことができる。この場合光導波路は第1の基板と密着してもよい。
【0026】
複数のMEMS光変調器はシャッタベースの光変調器および/またはエレクトロウェッティング光変調器を含むことができる。アクティブマトリクス制御マトリクスは複数のMEMS光変調器を制御することができ、アクティブマトリクスはそれぞれのMEMS光変調器に対応する少なくとも一つのスイッチを含むことができる。第1の基板は透明であってよい。反射性アパーチャ層は、ミラー、誘電体ミラー、そして金属膜のうちの一つで形成することができる。
【0027】
MEMS光変調器は、第1の基板上に配置することができる。第1の基板は、反射性アパーチャ層が複数の光変調器に近接するように配置されてよい。複数のアパーチャは複数の光変調器のそれぞれの光変調器に対応することができる。
【0028】
一実施態様では、第1の基板は、第1の基板と光導波路間にギャップを形成するように光導波路に対して位置決めされる。流体(空気でもよい)がギャップを充填することができる。流体は第1の屈折率を有し光導波路は第2の屈折率を有してよい。第1の屈折率は第2の屈折率未満である。
【0029】
別の実施態様では、第2の基板は第1の基板の前面向きの面の前に配置される。複数のMEMS光変調器は、第2の基板上または第2の基板の裏面向きの面上に形成することができる。制御マトリクスは、複数のMEMS光変調器を制御するために第2の基板上に形成されてよい。第2の基板は透明であってよい。機械的インターロック形状部(mechanically interlocking features)および/または接着剤は第1と第2の基板間の横方向のアラインメントを維持することができ、第1と第2の基板の相対的側方移動をどの方向へも5ミクロン未満に制限することができる。第1の基板は第2の基板と光導波路間に配置することができる。
【0030】
第1の基板は、第1の基板と第2の基板間のギャップを形成するように第2の基板に対し位置決めすることができる。ギャップはスペーサにより維持されてもよい、および/または潤滑剤などの液体または流体で充填されてもよい。流体は第1の屈折率を有し基板は第2の屈折率を有することができる。第1の屈折率は第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい。
【0031】
本発明の別の態様によると、ディスプレイ装置は第1の基板、第2の基板、MEMS光変調器アレイ、そしてスペーサを含む。MEMS光変調器アレイは第1と第2の基板の一方の上に形成される。スペーサはアレイ内に設置され、第1の端部において第一の基板と一体的に形成されるかまたは接続され、かつ第2の端部において第2の基板と一体的に形成されるかまたは接続される。スペーサの第1と第2の基板の一方への接続は、基板上に蒸着された少なくとも一つの薄膜の積層へ接続することを含んでよい。薄膜は、反射性アパーチャ層、光吸収層、そしてカラーフィルタのうちの一つを含んでよい。
【0032】
スペーサは、第1の基板からエッチングされてよく、および/または第1の基板上に蒸着された膜からエッチングされてよい。スペーサは、第1の基板上の電気部品と第2の基板上の電気部品間の電気的接続を形成することができる。スペーサは重合体、金属、および/または絶縁材料で形成することができる。スペーサは、第2の基板上に形成されたアライメント用素子と嵌合することができる。スペーサは約1ミクロンから約10ミクロンの間の高さであってよい。
【0033】
第1の基板と第2の基板は両方とも実質的に剛性であってよい。あるいは、第1と第2の基板は両方とも実質的に可撓性であってよい。または、第1の基板と第2の基板の一方は実質的に剛性であり、第1の基板と第2の基板の他方は実質的に可撓性である。第1の基板と第2の基板の少なくとも一つは実質的に透明である。
【0034】
第1の基板または第2の基板はディスプレイ装置の前面を含むことができる。光導波路は第1と第2の基板とは別個のものであってよい。スペーサと複数の追加のスペーサは、「4つの光変調器当たり一つのスペーサ」以下のスペーサ密度でアレイ内に配置されてよい。MEMS光変調器はそれぞれの表示ピクセルに対応することができ、それぞれの表示ピクセルは少なくとも一つのスペーサを含んでよい。第1と第2の基板間の空間はギャップを形成することができる。このギャップは潤滑剤などの流体で充填されてよい。
【0035】
MEMS光変調器は、光の通過を選択的に妨害するように構成することができ、シャッタベースの光変調器および/またはエレクトロウェッティングベースの光変調器を含むことができる。MEMS光変調器は光導波路から光を選択的に抽出することができる。スペーサはMEMS光変調器の一つにおける構成部品の移動範囲を制限することができる。
【0036】
別の態様によると、本発明は、ガラス、プラスチック、または金属材料などの熱リフロー可能な材料で形成されるスペース要素によりある程度アライメントされた2つの透明基板を含むディスプレイ装置に関する。スペース要素は、2つの透明基板を接合する接着剤としても機能することが好ましい。
【0037】
熱リフロー可能な材料は、摂氏約150度から約400度の温度範囲で実質的に液体状態を得ることが好ましい。熱リフロー可能な材料は、少なくとも摂氏約400度までの温度では液体状態のままであることが好ましい。さらに、液体状態では、熱リフロー可能な材料は、両方の基板のまたはそれら基板上の形状部(features)を濡らす。
【0038】
一実施態様では、2つの透明基板の一方は、その上に複数の光変調器好ましくはMEMS光変調器が形成される。一実施態様のスペース要素は光変調器アレイ内に形成される。別の実施態様では、スペース要素はアレイの周縁に形成される。反射性アパーチャ層は、同じ基板上または2つの透明基板の他方の上に形成される。
【0039】
一態様では、本発明は、材料層内に形成された複数のアパーチャと、材料層とディスプレイ装置の所望のビューアとの間に配置されたシャッタベースのMEMS光変調器アレイであって、材料層から一定のギャップだけ離されたアレイとを含むディスプレイ装置に関する。各アパーチャは少なくとも一つのエッジを有し、各光変調器は、対応する一つまたは複数のアパーチャを通る光の通過を選択的に妨害するための光遮断部分を有するシャッタを含む。シャッタは、閉位置ではシャッタの光遮断部分がその対応する一つまたは複数のアパーチャの少なくとも一つのエッジと重なるように、形作られる。この重なりはギャップの寸法に比例し、かつギャップの寸法以上である。
【0040】
重なりは約1ミクロン以上、約1ミクロンから約10ミクロンの間、および/または約10ミクロンより大きくてもよい。シャッタは光の通過を許容する一つまたは複数のシャッタアパーチャを含んでよく、各シャッタアパーチャは、シャッタに対応する一つまたは複数のアパーチャの一つに対応する。ディスプレイは、光変調器内のシャッタを約所定距離だけ材料層から離しておくために、材料層とアレイ間に配置されたスペーサを含むことができる。シャッタの材料層に面する側は反射材料および/または光吸収材料で覆われてもよい。シャッタの材料層から見て外方に向く側は光吸収材料で覆われてもよい。
【0041】
一実施態様では、材料層は実質的に反射性であり、金属および/または誘電体ミラーを含むことができる。ディスプレイは光導波路を有するバックライトを含むことができ、材料層はバックライトを脱出する光を反射して光導波路に向けて戻す。光吸収材料は、材料層のアレイに面する側に蒸着することができる。第2の反射層はバックライトの裏側に配置されてよい。アレイは材料層上に形成されてよく、材料層は光導波路上に蒸着されてよい。
【0042】
別の実施態様では、ディスプレイ装置は、潤滑剤であってよく光変調器と材料層間に少なくとも配置される液体を含む。液体は、光導波路の屈折率および/または材料層が形成された基板の屈折率より大きな屈折率を有してもよい。
【0043】
別の実施態様では、アレイは第1の基板上に形成され、材料層は第1の基板以外に第2の基板上に蒸着される。第2の基板は第1の基板と光導波路間に配置されてよい。特に、アレイは、第1の基板のビューアから離れて面する側に形成することができる。ディスプレイ装置は、第2の基板の屈折率より大きな屈折率を有する液体であって第2の基板と光変調器間に少なくとも配置された液体を含むことができる。
【0044】
別の態様では、ディスプレイ装置は、透過的に画像を表示するエレクトロウェッティングベースの光変調器アレイと、アレイに隣接して配置された反射性アパーチャ層であって、反射性アパーチャ層内のアパーチャを通過しない光を反射してアレイから離れさせるための反射性アパーチャ層とを含む。画像は、反射性アパーチャ層内のアパーチャを通過しアレイにより変調された光により形成される。反射性アパーチャ層は金属および/または誘電体ミラーを含むことができる。
【0045】
バックライトは、反射性アパーチャ層のアレイとは反対側に配置することができる。第2の反射層は、反射性アパーチャ層に向けて光を反射するために、反射性アパーチャ層のアレイとは反対側に配置することができる。低屈折率材料の層が、バックライトと反射性アパーチャ層間の光導波路に連結されてもよい。
【0046】
一実施態様では、エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層とエレクトロウェッティング制御ブラック層とを含む。第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層は、それぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御カラー変調セルを含むことができる。エレクトロウェッティング制御ブラック層は、カラー変調セルの一つまたは複数に対応するそれぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御光吸収セルを含むことができる。各光吸収セルの少なくとも一つのエッジは、対応する一つまたは複数のカラー変調セルの少なくとも一つのエッジと重なってよい。第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層は、エレクトロウェッティング制御カラー変調セル群を含むことができ、所与の群における各セルは異なる色の光を変調する。ディスプレイ装置はまた、第2と第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層を含むことができ、第1、第2、第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層のそれぞれは異なる色の光を変調する。
【0047】
別の実施態様では、ディスプレイ装置は光を光導波路内に放射するための光源を含む。光源は、白色光、および/または順次放射されてよい少なくとも3つの異なる色の光を放射することができる。光源は、それぞれが3つの異なる色の一つに対応する少なくとも3つの光源を含むことができる。
【0048】
別の実施態様では、エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セルを含む。各セルは反射性アパーチャ層内のアパーチャに対応する。アパーチャのそれぞれは少なくとも一つのエッジを有し、各セルは光変調用流体の層を含み、非作動状態のとき、セルの光変調用流体はその対応するアパーチャの少なくとも一つのエッジと重なる。
【0049】
別の実施態様では、エレクトロウェッティングベースの光変調器は電極層を含む。電極層は反射性アパーチャ層と光変調用流体間に配置することができる。反射性アパーチャ層は第1の基板上に配置され、電極層は第1の基板とは別の第2の基板上に配置される。光変調用流体は反射性アパーチャ層と電極層間に配置することができる。
【0050】
上記考察は、以下の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1A】本発明の例示的実施形態によるディスプレイ装置の等角投影図である。
【図1B】本発明の例示的実施形態による図1Aのディスプレイ装置のブロック線図である。
【図2A】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイへの組み込みに好適な例示的なシャッタベースの光変調器の透視図である。
【図2B】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイへの組み込みに好適なローラシェードベースの光変調器の断面図である。
【図2C】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイの別の実施形態への組み込みに好適な光タップベースの光変調器の断面図である。
【図3】本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイに組込まれた光変調器を制御するのに好適な制御マトリクスの概略図である。
【図4】本発明の例示的実施形態による、図3の制御マトリックスに接続されたシャッタベースの光変調器アレイの透視図である。
【図5】本発明の例示的実施形態によるディスプレイ装置の断面図である。
【図6A】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおける図8のシャッタアセンブリの平面図である。
【図6B】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおける図8のシャッタアセンブリの平面図である。
【図7A】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図7B】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図7C】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図7D】本発明の例示的実施形態による、隣接する反射面に形成されたアパーチャと閉位置のときに重なるシャッタを有するシャッタアセンブリの断面図である。
【図8】本発明の例示的実施形態による第1のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイの断面図である。
【図9】本発明の例示的実施形態による第2のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイの断面図である。
【図10】本発明の例示的実施形態による第3のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイの断面図である。
【図11A】本発明の例示的実施形態によるアパーチャ板の断面図である。
【図11B】本発明の例示的実施形態によるアパーチャ板の断面図である。
【図12】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図13A】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図13B】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図14A】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおけるシャッタアセンブリの透視図である。
【図14B】本発明の例示的実施形態による、開状態と閉状態それぞれにおけるシャッタアセンブリの透視図である。
【図15】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図16】本発明の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリの断面図である。
【図17】本発明の例示的実施形態による高精度基板アライメント装置の概念図である。
【図18】本発明の例示的実施形態による、複数の変調器およびアパーチャアレイをそれぞれ含む変調器基板とアパーチャ板の平面図である。
【図19】本発明の例示的実施形態によるアラインメント後のパネルアセンブリの平面図である。
【図20】本発明の例示的実施形態によるセル組立方法のフローチャートである。
【図21】本発明の例示的実施形態による流体充填装置の概念図である。
【図22】本発明の例示的実施形態によるセル組立方法のフローチャートである。
【図23】本発明の例示的実施形態による液晶ディスプレイ装置の断面図である。
【図24A】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの断面図である。
【図24B】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの等角分解図である。
【図25】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの断面図である。
【図26】本発明の例示的実施形態によるディスプレイモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の総合的な理解を助けるために、画像を表示するための装置および方法を含む特定の例示的実施形態について以下に説明する。しかしながら本明細書に記載のシステムと方法は、取り組むアプリケーションに適切となるように適応化され修正され得ること、本明細書に記載のシステムと方法は他の好適なアプリケーションにおいて利用され得ること、そして、このような他の追加と修正は本明細書の範囲から逸脱しないことは当業者により理解されるであろう。
【0053】
図1Aは本発明の例示的実施形態による直視型MEMSベースのディスプレイ装置100の概略図である。ディスプレイ装置100は行と列に配列された複数の光変調器102a〜102d(概して「光変調器102」と呼ぶ)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aと102dは光の通過を許容する開状態にある。光変調器102bと102cは光の通過を妨害する閉状態にある。光変調器102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、ディスプレイ装置100は、一つまたは複数のランプ105により照明された場合にバックライトディスプレイの画像104を形成するために利用することができる。別の実施形態では、装置100は、装置の前から来る周辺光の反射により画像を形成されてもよい。別の実施形態では、装置100は、ディスプレイの前に配置した一つまたは複数のランプからの光の反射により(すなわち、前面光を利用することにより)画像を形成することができる。閉状態または開状態においては、光変調器102は、例えばそして限定するものではないが光の遮断、反射、吸収、フィルタリング、分極、回折により、あるいは光の特性または経路を変更することにより光路内の光と干渉する。
【0054】
ディスプレイ装置100において、各光変調器102は画像104内のピクセル106に対応する。他の実施形態では、ディスプレイ装置100は、画像104内のピクセル106を形成するために複数の光変調器を利用することができる。例えばディスプレイ装置100は3つの特定色光変調器102を含むことができる。特定のピクセル106に対応する一つまたは複数の特定色光変調器102を選択的に開くことにより、ディスプレイ装置100は画像104内の色ピクセル106を生成することができる。別の実施例では、ディスプレイ装置100は、画像104内にグレイスケールを設けるためにピクセル106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関し、用語「ピクセル」は画像分解能により定義される最小のピクチャエレメントに対応する。ディスプレイ装置100の構造部品に関し、用語「ピクセル」は画像の単一ピクセルを形成する光を変調するために利用される機械的および電気的部品の組み合わせを指す。
【0055】
ディスプレイ装置100は、結像光学系を必要としないという点で直視型ディスプレイである。ユーザはディスプレイ装置100を直接見ることにより画像を見る。別の実施形態では、ディスプレイ装置100は投写型ディスプレイに組込まれる。このような実施形態では、ディスプレイはスクリーンまたは壁に光を投写することにより画像を形成する。投写型アプリケーションでは、ディスプレイ装置100は投写される画像104より実質的に小さい。
【0056】
直視型ディスプレイは透過モードまたは反射モードのいずれかで動作することができる。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後方に位置する一つまたは複数のランプから来る光をフィルタリングまたは選択的に遮断する。ランプからの光は、随意に光導波路内に注入される、すなわち「バックライト」される。透過直視型ディスプレイ実施形態は、光変調器を含む一つの基板がバックライト上に直接配置されるサンドイッチ組立構造配置を容易にするために、しばしば透明基板またはガラス基板上に構築される。いくつかの透過型ディスプレイ実施形態では、特定色光変調器はカラーフィルタ材料と各変調器102とを対応付けることにより作製される。他の透過型ディスプレイ実施形態では、色は、以下に説明するように、異なる原色を有するランプを交互に照明することによるフィールド順次カラー方式(field sequential color method)を利用することにより生成することができる。
【0057】
各光変調器102はシャッタ108とアパーチャ109を含む。画像104内のピクセル106を照明するために、シャッタ108は、光がアパーチャ109を通過してビューアに向かうことを許容するように配置される。ピクセル106を非点灯にしておくために、シャッタ108はアパーチャ109を通る光の通過を妨害するように配置される。アパーチャ109は反射材料または光吸収材料でパターン化された開口により画定される。
【0058】
ディスプレイ装置はまた、基板と光変調器とに接続されたシャッタの運動を制御するための制御マトリックスを含む。制御マトリックスは、一行のピクセルごとに少なくとも一つの書込み許可配線110(「走査ライン配線」とも称する)を含む一連の電気配線(例えば配線110、112、114)と、一列のピクセル毎に一つのデータ配線112と、すべてのピクセルに対しあるいは少なくともディスプレイ装置100内の複数列と複数行の両方からのピクセルに共通電圧を供給する共通の一つの配線114とを含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、Vwe」)の印加に応答して、所与の行のピクセルの書込み許可配線110は、新しいシャッタ移動命令を受けるために当該行にピクセルを用意する。データ配線112は新しい移動命令をデータ電圧パルスの形式で伝える。データ配線112に印加されたデータ電圧パルスは、いくつかの実施形態では、シャッタの静電運動に直接貢献する。他の実施形態では、データ電圧パルスは、光変調器102への別の作動電圧(通常はデータ電圧より大きい)の印加を制御するスイッチ例えばトランジスタまたは他の非線形回路素子を制御する。これらの作動電圧の印加は次にシャッタ108の静電駆動運動をもたらす。
【0059】
図1Bはディスプレイ装置100のブロック線図150である。図1A、1Bを参照すると、上述のディスプレイ装置100の要素に加え、ブロック線図150に示されるように、ディスプレイ装置100は複数のスキャンドライバ152(「書込み許可電源」とも称する)と複数のデータドライバ154(「データ電源」とも称する)を含む。スキャンドライバ152は走査ライン配線110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ154はデータ配線112にデータ電圧を印加する。ディスプレイ装置のいくつかの実施形態では、データドライバ154は、特に画像104のグレイスケールがアナログなやり方で発生される場合、光変調器にアナログデータ電圧を供給するように構成される。アナログ動作では、ある範囲の中間電圧がデータ配線112を介して印加されるとシャッタ108においてある範囲の中間的開状態したがって画像104内にある範囲の中間的照明状態(すなわちグレイスケール)が生じるように、光変調器102は設計される。
【0060】
他の場合では、データドライバ154は、制御マトリックスに2つ、3つまたは4つのディジタル電圧レベルの縮小セットのみを印加するように構成される。これらの電圧レベルは、ディジタル的なやり方で開状態または閉状態のいずれかの状態を各シャッタ108に設定するように設計される。
【0061】
スキャンドライバ152とデータドライバ154はディジタル制御回路156(「コントローラ156」とも称する)に接続される。コントローラ156は入力処理モジュール158を含む。入力処理モジュール158は、入力画像信号157を処理して、ディスプレイ装置100の空間アドレス指定とグレイスケール機能とに適切なディジタル画像フォーマットへ変換する。各画像のピクセル位置およびグレイスケールデータは、データが必要に応じてデータドライバ154に供給されるようにフレームバッファ159に格納される。データは、行と画像フレームとによりグループ化された所定のシーケンスで編成された主にシリアルなやり方でデータドライバ154に送られる。データドライバ154は、直並列データ変換器と、レベルシフタと、そしていくつかのアプリケーションに対してはディジタルアナログ電圧変換器を含む。
【0062】
ディスプレイ100は一組の共通ドライバ153(共通電源とも称する)を随意に含む。いくつかの実施形態では、共通ドライバ153は、例えば一連の共通配線114に電圧を供給することにより光変調器アレイ103内のすべての光変調器に直流共通電位を供給する。他の実施形態では、共通ドライバ153は、コントローラ156からの命令に従って、電圧パルスまたは信号(例えばアレイ103の複数の行と列内のすべての光変調器の同時作動を駆動および/または始動することができるグローバル作動パルス)を光変調器アレイ103に発する。
【0063】
異なる表示機能用のドライバ(例えばスキャンドライバ152、データドライバ154、共通ドライバ153)はすべてコントローラ156内のタイミング制御モジュール160により時間同期される。モジュール160からのタイミング命令は、ランプドライバ168を介した赤、緑、青、白ランプ(それぞれ162、164、166、167)の照明と、ピクセルアレイ103内の特定の行の書込み許可と順番と、データドライバ154からの電圧の出力と、光変調器の作動をもたらす電圧の出力とを調整する。
【0064】
コントローラ156は、アレイ103内の各シャッタ108が新しい画像104に適切な照明レベルに再設定され得るシーケンシングまたはアドレス方式を確定する。好適なアドレス指定、画像形成、グレイスケール技術の詳細は、米国特許出願第11/326,696号明細書と米国特許出願第11/643,042号明細書に見出すことができ、これらを参照により本明細書に援用する。周期的な間隔で新しい画像104を設定することができる。例えば、ビデオディスプレイでは、ビデオのカラー画像104またはフレームは10ヘルツから300ヘルツの範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実施形態では、アレイ103への画像フレームの設定は、交番する画像フレームが赤、緑、青色などの交番する一連の色で照明されるように、ランプ162、164、166の照明と同期される。それぞれの色の画像フレームはカラーサブフレームと称する。この方法(フィールド順次カラー方式と呼ぶ)では、カラーサブフレームが20Hzを超える周波数で交番されると、人間の脳は、交番するフレーム像を平均化して広い連続的な範囲の色を有する画像として認識する。別の実施形態では、赤、緑、青色以外の原色を利用することにより、赤、緑、青の三原色を含む4つ以上のランプをディスプレイ装置100で利用することができる。
【0065】
ディスプレイ装置100がシャッタ108の開状態と閉状態との間でディジタル的に切り替えられるように設計されるいくつかの実施形態では、コントローラ156は、適切なグレイスケールを有する画像104を形成するためにアドレス指定シーケンスおよび/または画像フレーム間の時間間隔を確定する。シャッタ108が特定のフレームにおいて開放される時間量を制御することによりグレイスケールの様々なレベルを生成する処理は、時分割グレイスケールと呼ばれる。時分割グレイスケールの一実施形態では、コントローラ156は、当該ピクセルの所望の照明レベルまたはグレイスケールに従って、シャッタ108が開状態のままでいられる各フレーム内の時間間隔またはその時間の一部を確定する。他の実施形態では、画像フレームごとに、コントローラ156はアレイ103の複数の行と列において複数のサブフレーム画像を設定し、そしてコントローラは、各サブフレーム画像がグレイスケールに対して符号化ワード内で利用されるグレイスケール値または重み値に比例して照明される継続期間を変更する。例えば、一連のサブフレーム画像の照明時間は、2進符号化系列1、2、4、8、...に比例して変化させることができる。アレイ103内の各ピクセルのシャッタ108は、グレイスケールレベルに対するピクセルの2進符号化ワード内の対応する位置の値に従って、サブフレーム画像内で開状態または閉状態のいずれかに設定される。
【0066】
他の実施形態では、コントローラは、特定のサブフレーム画像に望まれるグレイスケール値に比例してランプ162、164、166からの光の強度を変える。多くの複合化技術もまた、シャッタアレイ108からカラーとグレイスケールを形成するために利用可能である。例えば上述の時分割技術は、ピクセルごとに複数のシャッタ108を使用することと組み合わせることができ、あるいは特定のサブフレーム画像に対するグレイスケール値は、サブフレームタイミングとランプ強度の両方を組み合わせることにより設定することができる。これらおよび他の実施形態の詳細は、上に参照された米国特許出願第11/643,042号明細書に見出すことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、画像状態104のデータは、個々の行(走査ラインとも称する)を順次アドレス指定することによりコントローラ156により変調器アレイ103にロードされる。アドレス指定シーケンスの行または走査ラインごとに、スキャンドライバ152は書込み許可電圧をアレイ103の当該行の書込み許可配線110に印加し、その後データドライバ154は、選択された行内の列ごとに、所望のシャッタ状態に対応するデータ電圧を供給する。この処理は、データがアレイ内のすべての行にロードされるまで繰り返される。いくつかの実施形態では、データロードのために選択される行のシーケンスは線形であり、アレイ内の上から下へ進む。他の実施形態では、選択行のシーケンスは目に見える人為産物(artifacts)を最小限にするために疑似的にランダム化される。そして他の実施形態では、シーケンスはブロックで編成される。ここでは一ブロックに対し、画像状態104の特定な一部分のみのデータが、例えばアレイの5行目ごとのみを順にアドレス指定することによりアレイにロードされる。
【0068】
いくつかの実施形態では、アレイ103へ画像データをロードする処理は、シャッタ108を作動させる処理から時間的に分離される。これらの実施形態では、変調器アレイ103はアレイ103内のピクセルごとにデータ記憶素子を含むことができ、制御マトリックスは、記憶素子に格納されたデータに従ってシャッタ108の同時作動を開始する共通ドライバ153からのトリガー信号を搬送するためのグローバル作動配線を含むことができる。様々なアドレス指定シーケンス(それらの多くは米国特許出願第11/643,042号明細書に記載される)はタイミング制御モジュール160により調整することができる。
【0069】
別の実施形態では、ピクセルアレイ103とピクセルを制御する制御マトリックスは、矩形状の行と列以外の構成で配置することができる。例えば、ピクセルは六角形状アレイまたは曲線状の行と列で配置することができる。一般的には、本明細書で使用されるように、用語「走査ライン」は書込み許可配線を共有する任意の複数のピクセルを指すものとする。
【0070】
ディスプレイ装置100は、タイミング制御モジュール160、フレームバッファ159、スキャンドライバ152、データドライバ154、そしてドライバ153、168を含む複数の機能ブロックで構成される。各ブロックは、識別可能なハードウェア回路および/または実行可能なコードモジュールのいずれかを表すものと理解してよい。いくつかの実施形態では、機能ブロックは、個別チップとして、あるいは回路基板および/またはケーブルにより一緒に接続された回路として設けられる。あるいは、これらの回路の多くは、ガラスまたはプラスチックの同一基板上にピクセルアレイ103と共に作製することができる。他の実施形態では、複数の回路、ドライバ、プロセッサ、および/またはブロック線図150の制御機能は、単一のシリコンチップ内に一緒に集積化することができる。シリコンチップはピクセルアレイ103を保持する透明基板に直接ボンディングされる。
【0071】
コントローラ156はプログラムリンク180含み、このプログラムリンクにより、コントローラ156内で実施されるアドレス指定、カラー、および/またはグレイスケールアルゴリズムを特定のアプリケーションの必要性にしたがって変更することができる。いくつかの実施形態では、プログラムリンク180は、コントローラ156が環境条件に対応して撮像モードまたはバックライト電力を調整することができるように、周辺光センサーまたは温度センサーなどの環境センサーからの情報を伝達する。コントローラ156はまた、光変調器の作動だけでなくランプに必要な電力を供給する電源入力182を含む。必要ならば、ドライバ152、153、154、および/または168は、入力電圧182をシャッタ108の作動またはランプ162、164、166、167などのランプの照明に十分な様々な電圧に変換するDC−DCコンバータを含んでもよいし、あるいはDC−DCコンバータが付随されてもよい。
【0072】
図2Aは、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100への組み込みに好適な例示的なシャッタベースの光変調器200透視図である。シャッタベースの光変調器200(シャッタアセンブリ200とも称する)は、アクチュエータ204に連結されたシャッタ202を含む。2005年10月14日出願の米国特許出願第11/251,035号明細書に記載されるように、アクチュエータ204は、2つの別個の弾性電極ビームアクチュエータ205(以下「アクチュエータ205」と称する)で形成される。シャッタ202は片側でアクチュエータ205に連結する。アクチュエータ205は、表面203と実質的に平行な運動面において、シャッタ202を表面203の上方で横に移動させる。シャッタ202の反対側は、アクチュエータ204により加えられる力に対抗する復原力を与えるばね207に連結する。
【0073】
各アクチュエータ205は、シャッタ202をロードアンカー208に接続する弾性ロードビーム206を含む。弾性ロードビーム206と共にロードアンカー208は機械的支持体として機能し、表面203近傍にシャッタ202を吊るした状態に保つ。ロードアンカー208は、弾性ロードビーム206とシャッタ202とを表面203に物理的に接続し、ロードビーム206をバイアス電圧に(時にはグラウンドに)電気的に接続する。
【0074】
各アクチュエータ205はまた、各ロードビーム206に隣接して配置された弾性駆動ビーム216を含む。駆動ビーム216は、駆動ビーム216間で共有される駆動ビームアンカー218と一端で連結する。各駆動ビーム216の他端は自由に動くことができる。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端近くのロードビーム206とロードビーム206のアンカー端とに最接近するように湾曲する。
【0075】
表面203は光の通過を許容する一つまたは複数のアパーチャ211を含む。シャッタアセンブリ200が例えばシリコンから成る不透明な基板上に形成される場合、表面203は基板の表面であり、アパーチャ211は、穴アレイを、基板を貫通してエッチングすることにより形成される。シャッタアセンブリ200が、例えばガラスまたはプラスチックから成る透明基板上に形成される場合、表面203は基板上に蒸着された光遮断層の表面であり、アパーチャ211は、表面203を穴アレイにエッチングすることにより形成される。アパーチャ211の形状は、概して、円形、楕円、多角形、蛇行形状、または不規則形状であってよい。
【0076】
動作中、光変調器200を内蔵するディスプレイ装置は、駆動ビームアンカー218を介して駆動ビーム216に電位を印加する。ロードビーム206に第2の電位を印加することができる。駆動ビーム216とロードビーム206間に生じる電位差は、駆動ビーム216の自由端をロードビーム206のアンカー端の方に引っ張り、そしてロードビーム206のシャッタ端を駆動ビーム216のアンカー端の方に引っ張ることによりシャッタ202を駆動アンカー218の方に横に駆動する。弾性部材206はばねとして働き、ビーム206と216間の電圧が取り除かれるとロードビーム206はロードビーム206に蓄えられたストレスを解放することによりシャッタ202をその初期位置に押し戻す。
【0077】
シャッタアセンブリ200(弾性シャッタアセンブリとも称する)は、電圧が取り除かれた後シャッタをその静止位置または弛緩位置に戻すためのばねなどの受動的復元力を組み込む。多くの弾性復元機構と様々な静電結合器は、静電アクチュエータ(シャッタアセンブリ200内に例示される弾性ビームは単に一例である)となるように、あるいは静電アクチュエータと組み合わせて設計することができる。他の例は米国特許出願第11/251,035号明細書と米国特許出願第11/326,696号明細書に記載され、これらを参照により本明細書に援用する。例えば、動作の「開」状態と「閉」状態間の突然の遷移を支援し、そして多くの場合シャッタアセンブリに双安定またはヒステリシス動作特性を与える高度に非線形の電圧変位応答を設けることができる。アナロググレイスケール動作に好ましいであろう、より多くの増分電圧変位応答(incremental voltage−displacement response)と著しく低減されたヒステリシスとを有する他の静電アクチュエータを設計することができる。
【0078】
弾性シャッタアセンブリ内のアクチュエータ205は閉すなわち作動位置と弛緩位置との間で動作すると考えられる。しかしながら、設計者は、アクチュエータ205がその弛緩位置にあるときはいつでもシャッタアセンブリ200が「開」状態(すなわち光を通す)または「閉」状態(すなわち光を遮断する)のいずれかであるようにアパーチャ211の設置を選択できる。例示目的のために、以下では、本明細書に記載の弾性シャッタアセンブリは、その弛緩状態において開放となるように設計されると仮定する。
【0079】
多くの場合、制御電子回路がシャッタを開状態と閉状態のそれぞれに静電駆動することができるように、「開」アクチュエータと「閉」アクチュエータの2重化セットをシャッタアセンブリの一部として設けることが好ましい。
【0080】
別の実施形態では、ディスプレイ装置100は、上述のシャッタアセンブリ200などのトランスバースシャッタベースの光変調器以外の光変調器を含む。例えば、図2Bは、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100の別の実施形態への組み込みに好適なローリングアクチュエータシャッタベースの光変調器220の断面図である。その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第5,233,459号明細書、表題「Electric Display Device」と米国特許第5,784,189号明細書、表題「Spatial Light Modulator」においてさらに説明されるように、ローリングアクチュエータシャッタベースの光変調器は、固定電極の反対側に配置された可動電極であって電界が印加されると好ましい方向に移動しシャッタを生成するようにバイアスがかけられる可動電極を含む。一実施形態では、光変調器220は、基板228と絶縁層224間に配置された平面電極226と、絶縁層224に固定端230が取り付けられた可動電極222とを含む。いかなる印加電圧もない場合、可動電極222の可動端232は、巻かれた状態を形成するために固定端230の方に自由に回転することができる。電極222と226間に電圧を印加すると、可動電極222が展開され絶縁層224に対し平坦に置かれ、これにより可動電極222は基板228を貫通して伝播する光を遮断するシャッタとして働く。電圧が取り除かれた後、可動電極222は弾性復元力により巻かれた状態に戻る。巻かれた状態への付勢は、異方性応力状態を含むように可動電極222を作製することにより実現することができる。
【0081】
図2Cは、例示的な非シャッタベースのMEMS光変調器250の断面図である。光タップ変調器250は、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100の別の実施形態への組み込みに好適である。その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第5,771,321号明細書、表題「Micromechanical Optical Switch and Flat Panel Display」にさらに説明されるように、光タップは漏れ全内部反射(frustrated total internal reflection)の原理に従って機能する。すなわち光252は光導波路254内に導かれる。光導波路254内では干渉することなく、光252の大部分は全内部反射のためにその前面または裏面を通って光導波路254を脱出することができない。光タップ250は、タップ素子256が光導波路254に接触するのに応じてタップ素子256に隣接する光導波路254の表面に当たる光252が光導波路254からタップ素子256を通ってビューアの方に逃れることにより画像形成に寄与するのに十分な高い屈折率を有するタップ素子256を含む。
【0082】
一実施形態では、タップ素子256は可撓性透明材料のビーム258の一部として形成される。電極260はビーム258の片側の一部分を覆う。対向電極260は光導波路254の上に配置される。電極260の両端に電圧を印加することにより、タップ素子256の光導波路254に対する位置は、光導波路254から光252を選択的に抽出するように制御することができる。
【0083】
ローラーベースの光変調器220と光タップ変調器250は、本発明の様々な実施形態に含むのに好適なMEMS光変調器の唯一の例ではない。他のMEMS光変調器が存在しそれらを本発明に組み込むことができることは理解されるであろう。
【0084】
米国特許出願第11/251,035号明細書と米国特許出願第11/326,696号明細書は、適切なグレイスケールを有する画像(多くの場合は動画)を生成するために制御マトリックスを介しシャッタアレイを制御することができる様々な方法を説明している。ある場合には、制御は、ディスプレイの周縁の駆動回路に接続された行と列の配線の受動マトリクスアレイにより実現される。他の場合では、ディスプレイの速度、グレイスケール、および/または消費電力性能のいずれかを改良するために、アレイ(いわゆるアクティブマトリクス)の各ピクセル内にスイッチング素子および/またはデータ保存素子を含むことは適切である。
【0085】
図3は、本発明の例示的実施形態による、図1AのMEMSベースのディスプレイ装置100に組込まれた光変調器を制御するのに好適な制御マトリクス300の概略図である。図4は、本発明の例示的実施形態による、図3の制御マトリックス300に接続されるシャッタベースの光変調器アレイ320の透視図である。制御マトリックス300はピクセルアレイ320(以下単に「アレイ320」と呼ぶ)をアドレス指定することができる。各ピクセル301は、アクチュエータ303により制御される図2Aのシャッタアセンブリ200などの弾性シャッタアセンブリ302含む。各ピクセルはまた、アパーチャ324を含むアパーチャ層322含む。シャッタアセンブリ302などのシャッタアセンブリのさらなる電気的および機械的な説明とその変形については、米国特許出願第11/251,035号明細書と米国特許出願第11/326,696号明細書に見出すことができる。別の制御マトリックスの記載も米国特許出願第11/607,715号明細書に見出すことができる。
【0086】
制御マトリックス300は、シャッタアセンブリ302が形成される基板304の表面上に拡散または薄膜蒸着された電気回路として作製される。制御マトリックス300は、制御マトリックス300内のピクセル301の行ごとに走査ライン配線306を、そして制御マトリックス300内のピクセル301の列ごとにデータ配線308を含む。各走査ライン配線306は、書込み許可電源307をピクセル301の対応する行内のピクセル301に電気的に接続する。各データ配線308はデータ電源(「Vd電源」)309を、ピクセル301の対応する列内のピクセル301に電気的に接続する。制御マトリックス300では、データ電圧Vdはシャッタアセンブリ302の作動に必要なエネルギーの大部分を供給する。したがって、データ電圧309はまた作動電源として機能する。
【0087】
図3と図4を参照すると、ピクセルアレイ320内のピクセル301またはシャッタアセンブリ302毎に、制御マトリックス300はトランジスタ310とキャパシタ312を含む。各トランジスタ310のゲートは、ピクセル301が配置されるアレイ320内の行の走査ライン配線306に電気的に接続される。各トランジスタ310のソースはその対応するデータ配線308に電気的に接続される。各シャッタアセンブリ302のアクチュエータ303は2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の一つの電極と、対応するアクチュエータ303の電極の一つとに並列に電気的に接続される。シャッタアセンブリ302内のキャパシタ312の他の電極とアクチュエータ303の他の電極は共通電位またはグランド電位に接続される。別の実施形態では、トランジスタ310は半導体ダイオードおよび/または金属−絶縁体−金属サンドイッチ型スイッチング素子で置換されてよい。
【0088】
動作中、画像を形成するために、制御マトリックス300は、各走査ライン配線306に順番にVweを印加することによりアレイ320内の各行を順番に書込み可能にする。書込み可能にされた行では、行内のピクセル301のトランジスタ310のゲートへVweを印加すると、データ配線308を通りそしてトランジスタ310を通る電流の流れがシャッタアセンブリ302のアクチュエータ303へ電位を印加できるようになる。行が書込み可能にされている間、データ電圧Vdはデータ配線308に選択的に印加される。アナロググレイスケールを設ける実施形態では、各データ配線308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされた走査ライン配線306とデータ配線308との交点に位置するピクセル301の所望の輝度に関係して変えられる。ディジタル制御方式を実現する実施形態では、データ電圧は、比較的小さい電圧(すなわちグラウンド電位近くの電圧)となるように、あるいはVat(作動閾値電圧)以上となるように選択される。データ配線308へのVatの印加に応答して、その対応するシャッタアセンブリ302内のアクチュエータ303が作動しシャッタアセンブリ302内のシャッタを開く。データ配線308に印加される電圧は、制御マトリックス300がVweを行に印加するのを停止した後でもピクセル301のキャパシタ312に蓄えられたままである。したがって、シャッタアセンブリ302が作動するのに十分に長い時間待って行上に電圧Vweを維持する必要はない。すなわち、書込み許可電圧が行から取り除かれた後もこのような作動を続けることができる。キャパシタ312はまたアレイ320内の記憶素子として機能し、画像フレームの照明が必要な期間の間、作動命令を保存する。
【0089】
アレイ320の制御マトリックス300だけでなくピクセル301も基板304上に形成される。アレイは基板304上に配置されたアパーチャ層322を含む。アパーチャ層322はアレイ320内のそれぞれのピクセル301用の一組のアパーチャ324含む。アパーチャ324は各ピクセル内のシャッタアセンブリ302にアライメントされる。一実施形態では、基板304はガラスまたはプラスチックなどの透明材料で作られる。別の実施形態では、基板304は不透明な材料で作られ、基板304内にはアパーチャ324を形成するための穴がエッチングされる。
【0090】
シャッタアセンブリ302の部品は制御マトリックス300と同時に処理されるかあるいは同じ基板上において後続の処理工程で処理される。制御マトリックス300内の電気部品は、液晶ディスプレイ用の薄膜トランジスタアレーの製造と共通な多くの薄膜技術を使用することにより作製される。利用可能な技術は、Den Boer,Active Matrix Liquid Crystal Displays(Elsevier,Amsterdam,2005)に記載されており参照により本明細書に援用する。シャッタアセンブリは、マイクロマシニングの技術と同様な技術あるいはマイクロメカニカル(すなわちMEMS)装置の製造技術を使用することにより作製される。多くの適用可能な薄膜MEMS技術は、Rai−Choudhury,ed.,Handbook of Microlithography,Micromachining & Microfabrication(SPIE Optical Engineering Press,Bellingham,Wash.1997)に記載され、これを参照により本明細書に援用する。ガラス基板上に形成されるMEMS光変調器に固有の製造技術は米国特許出願第11/361,785号明細書と米国特許出願第11/731,628号明細書に見出すことができ、参照により本明細書に援用する。例えば、これらの出願に記載されるように、シャッタアセンブリ302は、化学蒸着処理により蒸着されるアモルファスシリコンの薄膜で形成することができる。
【0091】
アクチュエータ303と共にシャッタアセンブリ302は双安定とすることができる。すなわち、シャッタは、シャッタをいずれかの位置に保持するのに電力はほとんど必要ないか全くない少なくとも2つの平衡位置(例えば開か閉の位置)に存在することができる。具体的には、シャッタアセンブリ302は機械的に双安定であってよい。一旦シャッタアセンブリ302のシャッタが適切な位置に設定されると、その位置を維持するのに電気エネルギーまたは保持電圧は必要ない。シャッタアセンブリ302の物理的要素上の機械的応力により、シャッタを所定位置に保持することができる。
【0092】
アクチュエータ303と共にシャッタアセンブリ302もまた電気的に双安定にすることができる。電気的に双安定なシャッタアセンブリにおいては、シャッタアセンブリの作動電圧より低い電圧の範囲が存在する。この電圧が閉じたアクチュエータ(シャッタは開いているかまたは閉じている)に印加されると、シャッタアセンブリは、反力がシャッタに加わってもアクチュエータを閉じた状態にし、シャッタを適切な位置に保持する。反力はシャッタベースの光変調器200内のばね207などのばねにより加えられてもよいし、あるいは「開いた」または「閉じた」アクチュエータなどの対向するアクチュエータにより加えられてもよい。
【0093】
光変調器アレイ320はピクセルごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして描写される。複数のMEMS光変調器を各ピクセル内に設けることにより各ピクセルの単なる2進の「オン」または「オフ」光学状態より多い状態の実現性を与える他の実施形態も可能である。ピクセル内の複数のMEMS光変調器が設けられ、これら光変調器のそれぞれに対応付けられたアパーチャ324が非均等なエリアを有する、特定の形式の符号化エリア分割グレイスケール(coded area division gray scale)が可能である。
【0094】
他の実施形態では、他のMEMSベースの光変調器だけでなくローラーベースの光変調器220または光タップ250もまた、光変調器アレイ320内のシャッタアセンブリ302と置換可能である。
【0095】
図5は、本発明の例示的実施形態による、シャッタベースの光変調器(シャッタアセンブリ)502を内蔵するディスプレイ装置500の断面図である。各シャッタアセンブリはシャッタ503とアンカー505を組み込む。アンカー505とシャッタ503間に接続されるとシャッタを基板表面の上方の短い距離の場所に吊るのを支援する弾性ビームアクチュエータは図示されない。シャッタアセンブリ502は、好ましくはプラスチックまたはガラスで作られる透明基板504上に配置される。基板504上に配置された裏面向きの反射層(反射膜506)は、シャッタアセンブリ502のシャッタ503の閉位置の下方に位置する複数の表面アパーチャ508を画定する。反射膜506は、表面アパーチャ508を通過しない光を反射してディスプレイ装置500の裏面に向けて戻す。反射性アパーチャ層506は、スパッタリング、蒸発、イオンメッキ、レーザー切断、または化学気相蒸着を含む多くの蒸着技術により薄膜状に形成された、介在物を含まない微粒子金属膜であってよい。別の実施形態では、裏面向きの反射層506は誘電体ミラーなどのミラーで形成することができる。誘電体ミラーは、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料を繰り返す誘電体薄膜の積層として作製される。シャッタ503を反射膜506から分離する垂直のギャップ(この中をシャッタは自由に移動できる)は0.5〜10ミクロンの範囲である。垂直のギャップの大きさは、閉状態におけるシャッタ503のエッジとアパーチャ508のエッジ間の横方向重なりより小さいことが好ましい。
【0096】
ディスプレイ装置500は、随意のディフューザ512、および/または基板504を平面状の光導波路516から分離する随意の輝度増強膜514を含む。光導波路は透明材料すなわちガラスまたはプラスチック材料で構成される。光導波路516はバックライトを形成する一つまたは複数の光源518により照明される。光源518は、例えばそして限定するものではないが、白熱灯、蛍光灯、レーザー、または発光ダイオード(LED)であってよい。反射器519は、ランプ518からの光を光導波路516に向けて導くのを助ける。前面向き反射膜520はバックライト516の背面に配置されて、光をシャッタアセンブリ502に向けて反射する。シャッタアセンブリ502の一つを通過しないバックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520で再び反射される。このようにして、最初に、画像を形成するためにディスプレイから離れることに失敗した光は再利用することができ、シャッタアセンブリ502のアレイ内の他の開いたアパーチャを透過するのに利用可能となる。このような光の再利用はディスプレイの照明効率を上げるということが示された。
【0097】
光導波路516は、ランプ518からの光をアパーチャ508の方に、したがってディスプレイの前面の方に再度導く一組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタは、その断面が三角形、台形、または曲線状であってよい、光導波路516のプラスチック本体内に成型されてよい。プリズム517の密度は一般的にはランプ518からの距離とともに増加する。
【0098】
別の実施形態ではアパーチャ層506は光吸収物質で作ることができ、別の実施形態ではシャッタ503の表面は光吸収または光反射材料で覆うことができる。別の実施形態では、アパーチャ層506は、光導波路516の表面に直接蒸着することができる。別の実施形態では、アパーチャ層506はシャッタ503およびアンカー505と同じ基板上に配置される必要はない(後述のMEMSダウン構成を参照)。ディスプレイ照明システムのためのこれらおよび他の実施形態については、米国特許出願第11/218,690号明細書と米国特許出願第11/528,191号明細書に詳細に記載され、これらを参照により本明細書に援用する。
【0099】
一実施形態では、光源518は、異なる色例えば赤、緑、青色のランプを含むことができる。カラー画像は、人間の脳が異なるカラー画像を単一のマルチカラー画像に平均化するのに十分な速度で、異なる色のランプにより画像を順次照明することにより形成することができる。様々な色特有画像(color−specific images)はシャッタアセンブリアレイ502を使用することにより形成される。別の実施形態では、光源518は4つ以上の異なる色を有するランプを含む。例えば、光源518は赤、緑、青、白色ランプ、または赤、緑、青、黄色ランプを有してよい。
【0100】
カバープレート522はディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の裏側は、コントラストを強化するためにブラックマトリクス524で覆うことができる。別の実施形態では、カバープレートはカラーフィルタ(例えば、シャッタアセンブリ502の異なる色に対応する個別の赤、緑、青色フィルタ)を含む。カバープレート522は、ギャップ526を形成するシャッタアセンブリ502から所定の距離だけ離れて支持される。ギャップ526は、機械的な支持体またはスペーサ527により、および/またはカバープレート522を基板504に貼り付ける接着シール528により維持される。
【0101】
シーリング材528は、エポキシ、アクリル酸塩、またはシリコン材料などの重合体接着剤で形成することができる。接着シール528は、好適には200°Cより低い硬化温度を有すべきであり、好適には約50ppm/℃未満の熱膨張率を有すべきであり、かつ耐湿性を有さなければならない。例示的なシーリング材528はEpoxy Technology,Inc.より販売されるEPO−TEK B9021−1である。別の実施形態では、接着剤は、半田金属またはガラスフリット化合物などの熱リフロー可能な材料で形成される。
【0102】
接着シール528は作動流体530を密封する。作動流体530は、好ましくは約10センチポイズ未満の粘度、好ましくは約2.0を超える比誘電率、そして約104V/cmを超える絶縁破壊強度で設計される。作動流体530はまた潤滑剤として機能することができる。別の実施形態では、作動流体530は基板504の屈折率より大きいかあるいは小さい屈折率を有する。一実施形態では、作動流体は2.0を超える屈折率を有する。好適な作動流体530としては、限定するものではないが、イオン除去水、メタノール、エタノール、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、そしてジエチルベンゼンが挙げられる。
【0103】
別の実施形態では、作動流体530は高い表面濡れ性能を有する疎水性液である。この濡れ性能はシャッタアセンブリ502の裏面だけでなく前面も濡らすのに十分であることが好ましい。疎水性液はシャッタアセンブリ502の表面から水を排除することができる。別の実施形態では、作動流体530は、0.5〜20ミクロンの範囲の直径を有する粒子の懸濁液を含む。このような粒子は光を散乱してディスプレイの視角を広げる。別の実施形態では、作動流体530は、ディスプレイのコントラストを増すために、可視光の周波数の一部またはすべてを吸収する色素分子を溶液中に含む。
【0104】
板金または成型プラスチックアセンブリブラケット532は、エッジのまわりにカバープレート522、基板504、バックライト516、そして他の構成部品を一緒に保持する。アセンブリブラケット532は、合体されたディスプレイ装置500の剛性を増すためにねじまたはインデントタブで固定される。いくつかの実施形態では、光源518はエポキシ埋込用樹脂により所定位置に成型される。反射器536は、光導波路516のエッジから漏れる光を光導波路内に戻すのを助ける。シャッタアセンブリ502とランプ518へ電力だけでなく制御信号も供給する電気配線は図5では図示されない。
【0105】
ディスプレイ装置500のさらなる詳細と別の構成(したがって製造方法を含む)については米国特許出願第11/361,785号明細書と米国特許出願第11/731,628号明細書に見出すことができ、これらを参照により本明細書に援用する。
【0106】
ディスプレイ装置500はMEMSアップ構成と呼ばれる。この構成では、MEMSベースの光変調器は基板504の前面(すなわちビューアの方に向いた面)上に形成される。シャッタアセンブリ502は、反射性アパーチャ層506の上に直接構築される。MEMSダウン構成と呼ばれる本発明の別の実施形態では、シャッタアセンブリは、反射性アパーチャ層が形成される基板とは別の基板上に配置される。反射性アパーチャ層が形成されるとともに複数のアパーチャを画定する基板は、本明細書ではアパーチャ板と呼ぶ。MEMSダウン構成では、MEMSベースの光変調器を載せる基板はディスプレイ装置500のカバープレート522の代わりをする。この基板は、MEMSベースの光変調器が上部基板の裏面(すなわちビューアから離れる方向でバックライト516に面した面)に配置されるように、配向される。これによりMEMSベースの光変調器は、反射性アパーチャ層の正反対側に、そして反射性アパーチャ層から一定のギャップを隔てて配置される。ギャップは、アパーチャ板と、MEMS変調器が形成される基板とを接続する一連のスペーサポストにより維持することができる。いくつかの実施形態では、スペーサはアレイ内の各ピクセル内あるいはピクセル間に配置される。MEMS光変調器をその対応するアパーチャから離すギャップすなわち距離は、10ミクロン未満あるいはシャッタとアパーチャ間の重なりより小さい距離であることが好ましい。
【0107】
MEMSダウンディスプレイ構成のさらなる詳細と別の実施形態については、上に参照された米国特許出願第11/361,785号明細書と米国特許出願第11/528,191号明細書に見出すことができる。
【0108】
他の実施形態では、他のMEMSベースの光変調器だけでなくローラーベースの光変調器220または光タップ250もまた、ディスプレイアセンブリ500内のシャッタアセンブリ502と置換可能である。
【0109】
図6Aと6Bには、本発明の様々な実施形態に含むのに好適な別のシャッタベースの光変調器(シャッタアセンブリ)2200を例示する。光変調器2200は2重化アクチュエータシャッタアセンブリの例であり、図6Aでは開状態で示される。図6Bは、閉状態における2重化アクチュエータシャッタアセンブリ2200の図である。シャッタアセンブリ2200については、上に参照された米国特許出願第11/251,035号明細書においてさらに詳細に説明される。シャッタアセンブリ200とは対照的に、シャッタアセンブリ2200は、シャッタ2202の片側にアクチュエータ2208と2210を含む。各アクチュエータ2210と2208は独立して制御される。第1のアクチュエータ(シャッタ開放アクチュエータ2210)はシャッタ2202を開くように機能する。第2の対向するアクチュエータ(シャッタ閉鎖アクチュエータ2208)はシャッタ2202を閉じるように機能する。アクチュエータ2210と2208の両方は弾性ビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ2210と2208は、その上にシャッタが吊るされるアパーチャ層2204と実質的に平行な平面においてシャッタ2202を駆動することによりシャッタ2202を開閉する。シャッタ2202は、アクチュエータ2210と2208に取り付けられたアンカー2206によりアパーチャ層2204の上から少し距離をおいて吊るされる。シャッタ2202の運動軸に沿ったシャッタの両端に取り付けられた支持体を含むことにより、シャッタ2202の面外方向の運動を減少させるとともにその運動を基板と平行な平面に実質的に制限する。図3の制御マトリックス300からの類推により、シャッタアセンブリ2200と共に使用するのに好適な制御マトリックスは、相対向するシャッタ開放およびシャッタ閉鎖アクチュエータ2210と2208のそれぞれに対し一つのトランジスタと一つのキャパシタを含んでよいであろう。
【0110】
シャッタ2202は光が通過することができる3つのシャッタアパーチャ2212を含む。シャッタ2202の残り部分は光の通過を妨害する。様々な実施形態では、シャッタ2202の反射性アパーチャ層2204に面する側は、通過を妨げられた光をそれぞれ吸収または反射するために光吸収物質または反射材料で覆われる。
【0111】
反射性アパーチャ層2204は、好ましくはプラスチックまたはガラスで形成される透明基板上に蒸着される。反射性アパーチャ層2204は、基板上に蒸着された金属の膜、誘電体ミラー、または他の高反射性材料または材料の組み合わせで形成することができる。反射性アパーチャ層2204には、透明基板からシャッタ2202に向かって光がアパーチャを通過すことを許容するための一組のアパーチャ2214が形成される。反射性アパーチャ層2204は各シャッタアパーチャ2212に対応する一つのアパーチャを有する。例えば、シャッタアセンブリ2200を含む光変調器アレイでは、反射性アパーチャ層はシャッタアセンブリ2200毎に3つのアパーチャ2214を含む。各アパーチャはその周縁に少なくとも一つのエッジを有する。例えば、矩形のアパーチャ2214は4つのエッジを有する。別の実施形態では、円形、楕円、卵形、または他の曲線状のアパーチャが反射性アパーチャ層2204内に形成される。各アパーチャは単一のエッジのみを有してもよい。他の実施形態では、アパーチャは分離されている、すなわち数学的な意味で非同一である必要はないが、アパーチャは互いに接続することができる。すなわち、アパーチャの一部分または成形部分は各シャッタとの対応関係を有することができ、これら部分のいくつかは、アパーチャの単一の連続的な周縁が複数のシャッタにより共有されるように接続されてよい。
【0112】
図6Aでは、シャッタアセンブリ2200は開状態にある。アクチュエータ2208は開放位置にあり、アクチュエータ2210は折畳み位置にある。シャッタアパーチャ2212を通してアパーチャ2214を見ることができる。見て明らかなように、シャッタアパーチャ2212は、反射性アパーチャ層2204内に形成されたアパーチャ2214より面積が大きい。この寸法差異により、光がシャッタアパーチャ2212を通過して所望のビューアに向かうことができる角度の範囲が増加する。
【0113】
様々な実施形態では、シャッタアセンブリに使用されるシャッタは、シャッタが閉位置にあるときに、対応するアパーチャと重なると有利である。
【0114】
図6Bでは、シャッタアセンブリは閉状態である。アクチュエータ2208は折畳み位置にあり、アクチュエータ2210は開放位置にある。シャッタ2202の光遮断部は反射性アパーチャ層2204のアパーチャ2214を覆う。シャッタ2202の光遮断部は反射性アパーチャ層2204のアパーチャ2214のエッジと所定の重なり2216だけ重なる。いくつかの実施形態では、シャッタが閉状態にあるときでも、一部の光はシャッタ2202に垂直な軸から離れた角度でアパーチャ2214を通って漏れることがある。シャッタアセンブリ2200に含まれる重なりは、この光の漏れを減少させるかあるいはなくす。シャッタ2202の光遮断部は図6Bに示されるようにアパーチャの4つのエッジすべてと重なるが、シャッタ2202の光遮断部をエッジの一つとでも重ならせることにより光漏れを低減する。
【0115】
図7A〜7Cは、反射性アパーチャ層2204が形成される透明基板に関した、シャッタアセンブリ2200の様々な構成の断面図である。断面図は、図6Aと6BのB−B’線に対応する。説明のため、図7A〜7Cではシャッタ2202は単一のシャッタアパーチャ2323と2つの光遮断部2324のみを有するものとして例示される。
【0116】
図7Aは、本発明の例示的実施形態による、B−B線に沿って取られた、閉状態における図6に示したものと同様なシャッタアセンブリ2301を含むディスプレイ装置2300の第1の構成の断面である。第1の構成では、シャッタアセンブリ2301は反射性アパーチャ層2302上に形成される。反射性アパーチャ層2302は透明基板2304上に蒸着される薄い金属膜で形成される。あるいは、反射性アパーチャ層2302は、誘電体ミラー、または他の高反射性材料または材料の組み合わせで形成することができる。反射性アパーチャ層2302はアパーチャ2306を形成するためにパターン化される。透明基板2304は光導波路2308に近接して配置される。透明基板2304と光導波路2308は空気などの流体で充填されたギャップ2309により分離される。流体の屈折率は光導波路2308より小さいことが好ましい。ディスプレイ装置2300に好適な光導波路2308は米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。ディスプレイ装置2300はまた光導波路2308の裏側に隣接して配置された前面向きの裏側反射層2310を含む。
【0117】
シャッタアセンブリ2301は、相対向するアクチュエータ2318と2320の一部分を介してアンカー2316により反射性アパーチャ層2302に近接して支持されたシャッタ2314を含む。アンカー2316とアクチュエータ2318と2320は、反射性アパーチャ層2302上から約一定距離H1(シャッタ2314の底部から測定される)をおいてシャッタ2314を吊す。さらに、ディスプレイ装置2300は、スペーサポスト2312により透明基板2304上に支持されたカバープレート2311を含む。スペーサポスト2312は、シャッタ2314の上部から約第2の距離H2だけ離れてカバープレートを保持する。基板2304と2311はガラスなどの実質的に剛性の材料で作ることができる。この場合、所望の間隔H2を維持するために比較的低密度のスペーサ2312を使用することができる。例えば、剛性基板により、ディスプレイ装置2300は一実施形態では4つのピクセルごとに一つのスペーサ2312を含む。但し、他のより高いまたはより低い密度もまた利用できる。別の実施形態では、基板2304または2311のいずれかは、プラスチックなどの可撓性材料で作ることができる。この場合、より高密度のスペーサ2312(例えばアレイ内の各ピクセル内またはピクセル間に一つのスペーサ2312)を有することが好ましい。
【0118】
カバープレート2311と透明基板2304間のギャップは上述の作動流体530などの作動流体2322で充填される。作動流体2322は透明基板2304より大きな屈折率を有することが好ましい。別の実施形態では、作動流体は2.0を超える屈折率を有する。別の実施形態では、作動流体2322は透明基板2304の屈折率より小さい屈折率を有する。
【0119】
上に示したように、シャッタアセンブリ2301は閉状態にある。シャッタ2314の光遮断部2324は、反射性アパーチャ層2302内に形成されたアパーチャ2306のエッジと重なる。シャッタとアパーチャ間のギャップ(すなわち距離H1)をできるだけ小さくすると、シャッタ2314の光遮断特性が改善される。一実施形態では、H1は約100μm未満である。別の実施形態では、H1は約10μm未満である。さらに別の実施形態では、H1は約1μmである。別の実施形態では、距離H1は0.5mmを超えるがディスプレイピッチより依然として小さい。ディスプレイピッチは、ピクセル間の距離(中心間で測定される)として定義され、多くの場合、裏面向きの反射層2302のアパーチャ2306などのアパーチャ間の距離(中心間で測定される)として設定される。
【0120】
重なりW1の寸法は距離H1に比例することが好ましい。重なりW1はさらに小さくてもよいが距離H1以上であることが好ましい。一実施形態では、重なりW1は1ミクロン以上である。別の実施形態では、重なりW1が約1ミクロンから10ミクロンの間にある。別の実施形態では、重なりW1は10ミクロンを超える。特定の一実施形態では、シャッタ2314は約4μm厚である。H1は約2μmであり、H2は約2μmであり、W1>=2μmである。重なりW1をH1以上にすることにより、シャッタアセンブリ2301が図7Aに示されるような閉状態にある場合、アパーチャ2306を通って光導波路2308を脱出するのに十分な角度を有するほとんどの光はシャッタ2314の光遮断部2324にぶつかるので、ディスプレイ装置2300のコントラスト比が改善される。
【0121】
H2はH1とほぼ同じ距離であることが好ましい。スペーサポスト2312は、リソグラフィでパターン化され、現像され、および/または筒状にエッチングされる高分子材料で形成されることが好ましい。スペーサの高さは硬化された高分子材料の厚さにより確定される。スペーサ2312の形成のための方法と材料は、2006年2月23日出願の共有の米国特許出願第11/361,785号明細書に開示され、これを参照により本明細書に援用する。別の実施形態では、スペーサ2312は、犠牲材料から成る鋳型内に電気化学的に蒸着される金属で形成することができる。
【0122】
図7Bは、本発明の例示的実施形態による、閉状態における図6に示されたものと同様なシャッタアセンブリ2341を含むディスプレイ装置2340の第2の構成の断面である。この第2の構成はMEMSダウン構成と称する。ここでは反射性アパーチャ層2344はアパーチャ板2346と称する透明基板(シャッタアセンブリ2341が係止される光変調器基板2342とは別個のものである)上に形成される。シャッタアセンブリは、その中に光遮断部2362とシャッタアパーチャ2363を形成したシャッタ2354を含む。アパーチャ板2346と同様に、光変調器基板2342もまた透明である。2つの基板2342と2346はギャップにより分離される。2つの基板2342と2346は、図6に示したようにシャッタが閉位置にあるときはアパーチャ2347のそれぞれとシャッタ2354の光遮断部2362のそれぞれとの間に、および/またはシャッタが開放位置にあるときはアパーチャ2347とシャッタアパーチャ2363間に1対1の対応が存在するように、組立中にアライメントされる。別の実施形態では、アパーチャと、光遮断部2362またはシャッタ2354のシャッタアパーチャ2363のいずれかとの間の対応は1対多または多対1である。
【0123】
MEMSダウンディスプレイ装置2340では、シャッタアセンブリ2341は光変調器基板2342の裏面向きの面上すなわち光導波路2348に面する側に形成される。ディスプレイ装置2340では、アパーチャ板2346は光変調器基板2342と光導波路2348間に配置される。反射性アパーチャ層2344は、透明なアパーチャ板2346の前面向きの面上に蒸着される薄い金属膜で形成される。反射性アパーチャ層2344はアパーチャ2347を形成するためにパターン化される。別の実施形態では、反射層2344は誘電体ミラーなどのミラーで形成することができる。誘電体ミラーは、異なる屈折率を有する誘電体薄膜の積層、あるいは金属層と誘電体層の組み合わせで作製される。
【0124】
アパーチャ板2346はバックライトまたは光導波路の2348に近接して配置される。アパーチャ板2346は、空気などの流体で充填されたギャップ2349により光導波路2348から分離される。流体の屈折率は光導波路2348より小さいことが好ましい。ディスプレイ装置2340に好適なバックライト2348については米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明され、その全体を参照により本明細書に援用する。ディスプレイ装置2340はまた、バックライト2348の裏側に隣接して配置された前面向きの裏側反射層2350を含む。裏面向きの反射層2344と組み合わせた前面向きの反射層2350は、アパーチャ2347を最初に通過しない光線の再利用を促進する光共振器を形成する。シャッタアセンブリ2341は、相対向するアクチュエータ2358と2360の一部分を介してアンカー2356により透明基板2342に近接して支持されたシャッタ2354を含む。アンカー2356とアクチュエータ2358と2360は、光変調器基板2342の下方、約一定距離H4(シャッタ2354の上部から測定される)のところにシャッタ2354を吊す。さらに、ディスプレイ装置は、アパーチャ板2346上に光変調器基板2342を支持するスペーサポスト2357を含む。スペーサポスト2357はアパーチャ板2346から約第2の一定距離H5離れたところに光変調器基板2342を保持し、これによりシャッタ2354の底面を反射性アパーチャ層2344の上方、約第3の一定距離H6のところに保持する。スペーサポスト2357はスペーサ2312と同様の方法で形成される。
【0125】
光変調器基板2342とアパーチャ板2346間のギャップは上述の作動流体530などの作動流体2352で充填される。作動流体2352は透明なアパーチャ板2346より大きな屈折率を有することが好ましい。別の実施形態では、作動流体は2.0を超える屈折率を有する。別の実施形態では、作動流体2352はアパーチャ板2346の屈折率以下の屈折率を有することが好ましい。
【0126】
上に示したように、シャッタアセンブリ2341は閉状態にある。シャッタ2354の光遮断部2362は、反射性アパーチャ層2344内に形成されるアパーチャ2347のエッジと重なる。重なりW2の寸法は距離H6に比例することが好ましい。重なりW2はさらに小さくてもよいが距離H6以上であることが好ましい。一実施形態では、H6は約100μm未満である。別の実施形態では、H6は約10μm未満である。さらに別の実施形態では、H6は約1μmである。別の実施形態では、距離H6は0.5mmを超えるが、ディスプレイピッチよりは依然として小さい。ディスプレイピッチはピクセル間の距離(中心間で測定される)として定義され、多くの場合、アパーチャ2347などの裏面向きの反射層のアパーチャのセンター間の距離として設定される。H4はH6とほぼ同じ距離であることが好ましい。特定の一実施形態では、シャッタ2354は約4μm厚であり、H6は約2μmであり、H4は約2μmであり、H5は約8μmであり、そしてW2>=2μmである。重なりW2をH6以上にすることにより、シャッタアセンブリ2341が図7Bに示されるような閉状態にある場合、アパーチャ2347を通ってバックライト2348を脱出するのに十分な角度を有するほとんどの光はシャッタ2354の光遮断部2362にぶつかるので、ディスプレイ装置2340のコントラスト比が改善される。
【0127】
図7Cは、本発明の例示的実施形態による、閉状態の図6に示されたものと同様なシャッタアセンブリ2371を含むディスプレイ装置2370の第3の構成の断面である。上述のディスプレイ装置2340の第2の構成との比較では、ディスプレイ装置2370は、シャッタアセンブリ2371が形成される光変調器基板2372(光変調器基板2342と同様な)と反射性アパーチャ層2376が蒸着されるアパーチャ板2374(アパーチャ板2346と同様な)とのアライメントとボンディングを行う間に発生し得る軽微なミスアラインメントを考慮して設計される。この潜在的な問題に対処するために、ディスプレイ装置2370は、光変調器基板2372上に蒸着される光吸収物質の追加層2377を含む。光吸収物質2377はブラックマスクの一部であってよいが、少なくとも光吸収物質2377の一部は、シャッタアセンブリ2371が対応するピクセルの内部に配置されることが好ましい。光吸収物質2377は、シャッタ2382が閉状態にある間は、そうでなければ光変調器基板2372を通過する光2378を吸収する。光(例えばシャッタ2382から偏向した光2380)を吸収するために、反射性アパーチャ層2376の前面側に追加の光吸収物質2377を蒸着することができる。
【0128】
図7Dは、本発明の例示的実施形態による、閉状態の図6に示されたものと同様なシャッタアセンブリ2385を含むディスプレイ装置2390の第4の構成の断面である。上述のシャッタアセンブリ2354の第2の構成との比較では、シャッタアセンブリ2385は異なる工程にしたがって作製され、その結果その部材の一部は異なる断面厚になる。生成されたシャッタ2393は本明細書では波形シャッタと呼ぶ。但し、ギャップ距離(例えばH8、H10)と重なりパラメーターW4の設計ガイドラインは、上述の対応するギャップ距離と重なりパラメーターから変えないことが好ましい。ディスプレイ装置2390はシャッタアセンブリ2385が取り付けられる透明な光変調器基板2386(MEMSダウン構成に基づく)を含む。ディスプレイ装置2390はまた、裏面向き反射性アパーチャ層2388が蒸着される透明なアパーチャ板2387を含む。ディスプレイ装置2390は基板2386と2387間のギャップを充填する流体2389を含む。流体2389は好適にはアパーチャ板2387より高い屈折率を有する。ディスプレイ装置はまた、前面向き反射層2350と共にバックライト2348を含む。
【0129】
シャッタアセンブリ2385は閉状態にある。波形シャッタ2393の光遮断部2391は反射性アパーチャ層2388に形成されたアパーチャ2394のエッジと重なる。波形シャッタ2393は接続された2つの平板部(すなわち水平に配向された部分2391と垂直に配向された部分2392)で構成される。各平板部2391と2392は0.2〜2.0μmの範囲の厚さを有する薄膜材料で構成される。特定の実施形態では、水平部分2391の厚さは0.5μmである。縦断面2392は、約2μmより厚いバルク材の蒸着を必要とすることなく、剛性と、アクチュエータ2358と整合する高さとを波形シャッタ2393に与える。波形および/または3次元構造を有するシャッタの形成のための方法と材料については、2006年2月23日出願の共有米国特許出願第11/361,785号明細書に開示され、これを参照により本明細書に援用する。
【0130】
ディスプレイ装置2340について説明された寸法と同様に、特定の実施例では、ディスプレイ装置2390のH8、H9、H10の寸法はそれぞれ2μm、8μm、2μmであってよい。重なりW4は距離H10以上であることが好ましい。別の実施例では、距離H10と重なりW4は1μm以上であってよい。しかしながら、波形シャッタ2393のための本材料と方法を使用することにより、部分2391の厚さは0.5μm程度に薄くすることができる。重なりW4をH10以上にすることにより、シャッタアセンブリ2385が図7Aに示されるような閉状態にある場合、アパーチャ2394を通ってバックライト2348を脱出するのに十分な角度を有するほとんどの光はシャッタ2393の光遮断部2391にぶつかるので、ディスプレイ装置2390のコントラスト比が改善される。
【0131】
図8は、本発明の例示的実施形態による、第1のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2400の断面図である。光変調アレイ2400は、光共振器2404上に形成された複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セル2402a〜2402d(概して「セル2402」と呼ぶ)を含む。光変調アレイ2400はまたセル2402に対応する一組のカラーフィルタ2406を含む。
【0132】
各セル2402は、水(または他の透明な導電性または極性流体)の層2408と、光吸収オイルの層2410と、透明電極2412(例えばインジウムスズ酸化物から成る)と、光吸収オイルの層2410と透明電極2412間に配置した絶縁層2414とを含む。このようなセルの例示的な実施形態については、2005年5月19日公開の米国特許第出願公開2005/0104804号明細書、表題「Display Device」においてさらに説明され、これを参照により本明細書に援用する。本明細書に記載の実施形態では、透明電極2412はセル2402の裏面の一部のみを占める。
【0133】
セル2402の裏面の残り部分は、光共振器2404の前面を形成する反射性アパーチャ層2416で形成される。裏面向き反射層2416はアパーチャを形成するためにパターン化される。アパーチャはセル2402の実施形態では透明電極2412と一致する。好適には、閉位置にあるとき、光吸収オイルの層2410は反射性アパーチャ層2416内のその対応するアパーチャの一つまたは複数のエッジの一部と重なる。反射性アパーチャ層2416は、反射金属または誘電体ミラーを形成する薄膜の積層などの反射材料で形成される。各セル2402では、アパーチャは、光が通過できるように反射性アパーチャ層2416内に形成される。別の実施形態では、セル用の電極2412はアパーチャ内にそして反射性アパーチャ層2416を形成する材料上に蒸着され、別の誘電体層により分離される。
【0134】
光共振器2404の残り部分は、反射性アパーチャ層2416に近接して配置された光導波路2418と、光導波路2418の反射性アパーチャ層2416とは反対側の第2の反射層2420とを含む。一連の光リダイレクタ2421は第2の反射層に近接した光導波路の裏面上に形成される。光リダイレクタ2421は拡散性または鏡面反射性の鏡であってよい。一つまたは複数の光源2422は光導波路2418内に光2424を注入する。
【0135】
別の実施形態では、光源2422は異なる色(例えば赤、緑、青色)のランプを含むことができる。カラー画像は、人間の脳が異なるカラー画像を単一のマルチカラー画像に平均化するのに十分な速度で、異なる色のランプで画像を順次照明することにより形成することができる。様々な色特有画像はエレクトロウェッティング変調セルアレイ2402を使用することにより形成される。別の実施形態では、光源2422は4つ以上の異なる色を有するランプを含む。例えば、光源2422は赤、緑、青、白色ランプ、または赤、緑、青色、黄色ランプを有してよい。
【0136】
別の実施形態では、セル2402と反射性アパーチャ層2416は光導波路2418とは別個のものであり、かつギャップにより分離された追加の光変調器基板上に形成される(例えば図9の光変調器基板2513を参照)。さらに別の実施形態では、光導波路2418より小さい屈折率を有する材料層が反射性アパーチャ層2416と光導波路2418間に挿入される。小さい屈折率を有する材料層は、光導波路2418から放射された光の均一性を改善するのに役立つ。
【0137】
動作中、セル(例えばセル2402bまたは2402c)の電極2412に電圧を印加することにより、セル内の光吸収オイル2410がセル2402の一部分に溜まる。その結果、光吸収オイル2410は、反射性アパーチャ層2416内に形成されたアパーチャを通る光の通過をもはや妨害しない(例えば、セル2402bと2402cを参照)。アパーチャにおいてバックライトを脱出した光は、次に、セルを通りそして一組のカラーフィルタ2406内の対応するカラー(例えば赤、緑、または青色)フィルタを通って脱出し画像内の色ピクセルを形成することができる。電極2412がアースされると、光吸収オイル2410は反射性アパーチャ層2416のアパーチャを覆い、それを通過しようとするいかなる光2424も吸収する(例えばセル2402aを参照)。
【0138】
電圧がセル2402に印加されるとオイル2410がその下に溜まる領域は、画像の形成に関して無駄なスペースを構成する。この領域は電圧が印加されようがされまいが光を通過させることができない。したがってこの領域は、反射性アパーチャ層2416の反射部を包含しなければ、そうでなければ画像の形成に寄与するために利用できたであろう光を吸収するであろう。しかしながら、反射性アパーチャ層2416を包含すると、そうでなければ吸収されていたであろうこの光は、異なるアパーチャを通る将来の脱出のために、反射されて光ガイド2420内に戻される。
【0139】
図9は、本発明の例示的実施形態による、第2のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2500の断面図である。第2のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2500は、互いに上下に配置されたカラーエレクトロウェッティングベースの光変調セル2502(概して「セル2502」と呼ぶ)の3つのサブアレイ2501a、2501b、2501cを含む。各セル2502は、透明電極2504と、絶縁体2508により分離されたカラーオイル2506とを含む。一実施形態では、サブアレイ2501aのセル2502内のオイル2506はシアン色が付けられ、サブアレイ2501bのセル2502内のオイル2506は黄色が付けられ、サブアレイ2501cのセル2502内のオイル2506はマゼンタ色が付けられる。サブアレイ2501a内のセル2502とサブアレイ2501bのセル2502は共通の水の層2520を共有する。サブアレイ2501cのセル2502は自身の水の層2520を含む。
【0140】
エレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2500は、3つのサブアレイ2501a〜2501cに連結された光再利用型光共振器2510を含む。光共振器2510は、光導波路2512と、ギャップ2515により光導波路2512から分離された光変調器基板2513とを含む。光変調器基板2513の前面は裏面向き反射性アパーチャ層2514を含む。反射性アパーチャ層2514は金属の層または誘電体ミラーを形成する薄膜の積層で形成される。アパーチャ2516は、サブアレイ2501a〜2501cのセル2502の下方の反射性アパーチャ層にパターン化され、光が光導波路を脱出してサブアレイ2501a〜2501cを通過し画像を形成することを許容する。セル2502の透明電極2504は反射性アパーチャ層2514の上方に形成される。
【0141】
基板同士(すなわち光導波路2512と変調器基板2513)は空気などの流体で充填されたギャップ2515により分離される。流体の屈折率は光導波路2512より小さい。前面向きの反射層2518は光導波路2512の反対側に、あるいはそれに近接して形成される。光変調アレイ2500は光を光導波路2512内に注入するための少なくとも一つの光源2522を含む。ディスプレイ装置2600に好適な光導波路2618は米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0142】
図10は、本発明の例示的実施形態による、第3のエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ2600の断面図である。光変調アレイ2600は、光共振器2604上に形成された複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セル2602a〜2602c(概して「セル2602」と呼ぶ)を含む。光変調アレイ2600はまた、セル2602に対応する一組のカラーフィルタ2606を含む。
【0143】
アレイ2400はMEMSアップ構成のアレイの例と考えられ、一方アレイ2600は、MEMSダウン構成で組み立てられたエレクトロウェッティングベースのアレイの一例である。各セル2602は、水の層(または他の透明な導電性または極性流体)2608と、光吸収オイルの層2610と、透明電極2612(例えばインジウムスズ酸化物から成る)と、光吸収オイルの層2610と透明電極2612間に配置された絶縁層2614とを含む。但し、光変調器アレイ2600のMEMSダウン構成では、絶縁層2614と透明電極2612の両方は、アパーチャ板2632とは別個の光変調器基板2630上に配置される。光変調器基板2630と同様に、アパーチャ板2632もまた透明基板である。光変調器基板2630は一番上の基板であり、透明電極2612などの制御電極が基板2630の裏面(すなわちビューアから離れる方向で光導波路に面した面)上に配置されるように配向される。透明電極2612に加えて、光変調器基板2630の裏面は、変調器アレイ用の切換えマトリックスまたは制御マトリックスの他の共通部品(限定するものではないが行電極、列電極、ピクセルごとのトランジスタ、ピクセルごととキャパシタを含む)を搭載することができる。アレイ内の光変調器の作動を管理する光変調器基板2630上に形成された電極と切換え部品は、アパーチャ板2632の前面向きの面上に配置された反射性アパーチャ層2616の反対側に、あるいはそれからギャップ2636を隔てて配置される。ギャップ2636は、エレクトロウェッティング流体成分である水2608とオイル2610で充填される。
【0144】
反射性アパーチャ層2616は、好ましくはプラスチックまたはガラスで形成される透明基板2632上に蒸着される。反射性アパーチャ層2616は、基板上に蒸着された金属の膜、誘電体ミラー、または他の高反射性材料または材料の組み合わせで形成することができる。反射性アパーチャ層2616は裏面向きの反射層であり、光共振器2604の前面を形成する。反射性アパーチャ層2616には、光がアパーチャを通ってエレクトロウェッティング流体成分2608と2610に向かうことを許容する一組のアパーチャ2617が形成される。随意に、アパーチャ板2632は、反射アパーチャ2616の上面に蒸着され、アパーチャ2617を充填する一組のカラーフィルタ2606を含む。
【0145】
アパーチャ板2632は光変調器基板2630と光導波路2618間に配置される。基板2632と2618は空気などの流体で充填されたギャップ2634により互いに分離される。流体の屈折率は光導波路2618より小さい。ディスプレイ装置2600に好適な光導波路2618は米国特許出願第11/528,191号明細書においてさらに説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。光共振器2604はまた、基板2632、2618と、光導波路2618の裏側に隣接して配置された前面向きの裏側反射層2620とを含む。一つまたは複数の光源2622は光導波路2618内に光を注入する。
【0146】
反射性アパーチャ層2616はアレイ2600内の各光変調器セル2602に対応する一つのアパーチャ2617を有する。同様に、光変調器基板2630は、光変調器セル2602ごとに一つの透明電極2612または一組のピクセルトランジスタとキャパシタを有する。基板2630と2632は、セルが作動されたときあるいは開状態(例えばセル2602b)に保持されたとき、光がオイル2610により妨害されない場所にその対応するアパーチャ2617が確実に配置されるように、組立中にアライメントされる。
【0147】
アパーチャ板の製作
図11のアパーチャ板2700は、本発明の例示的実施形態による、アパーチャ板2346、2374、2387、または2632などのアパーチャ板の一実施形態の詳細な構造を例示する。アパーチャ板2700は、基板2702、誘電体強化金属ミラー(dielectrically enhanced metal mirror)2704、光吸収層2706、そしてスペーサポスト2708を含む。誘電体強化金属ミラーと光吸収層はアパーチャ2709にパターン化されている。
【0148】
基板2702は透明材料(例えばガラスまたはプラスチック)であることが好ましい。誘電体強化金属ミラー2704は、基板から上へ順番にSi3N4の薄膜2710と、SiO2の薄膜2712と、別のSi3N4の薄膜2710と、別のSiO2の薄膜2712と、アルミニウムの薄膜2714とを含む材料の5層の積層で構成される。これらの層の相対的な厚さと好ましい屈折率を表1に示す。
【0149】
【表1】
【0150】
光吸収層2706は、酸化膜、または窒化物マトリクス中に懸濁された金属クロム粒子の合成物である黒色クロムの薄膜で形成することができる。その例として、Cr2O3マトリクス中のCr粒子状物質またはSiO2マトリクス中のCr粒子状物質が挙げられる。他の実施形態では、黒色クロムは、その上にCrOx(亜酸化クロム)の薄膜が成長または蒸着されたクロムの薄い金属膜で形成することができる。黒色クロムの好ましい厚さは150nmである。
【0151】
アパーチャ窓2709は、フォトリソグラフィとエッチングなどの当該技術領域で公知の処理により、あるいはフォトリソグラフィとリフトオフにより、材料2704と2706の薄膜積層からパターン化することができる。エッチング工程では、フォトレジスト層が薄膜積層の上部に加えられ、次にマスクを介してUV光に晒される。露光されたフォトレジスト層内にアパーチャパターンを現像した後、積層全体はアパーチャ領域2709において基板2702までエッチングされる。このようなエッチングは、湿式薬物中の浸漬、ドライプラズマまたはイオンビームエッチング、あるいは上記の任意の組み合わせにより行うことができる。リフトオフ処理では、エッチングマスクパターンの反転パターンに現像されるフォトレジスト層が薄膜積層の蒸着前のガラスに加えられる。次に、薄膜積層は、薄膜積層がアパーチャ領域2709以外のすべての場所でガラスに接触するようにフォトレジスト上に蒸着される。薄膜積層の蒸着が完了した後、基板はフォトレジストの上に蒸着されたすべての薄膜材料だけでなくフォトレジストも溶解またはリフトオフする化学薬品の浴槽内に浸漬される。
【0152】
スペーサポスト2708は、感光性エポキシ(特にはノボラックエポキシ)または感光性ポリイミド材料などの感光性重合体で形成される。感光性の形で用意することができかつ本アプリケーションに有用な他の重合体族としては、ポリアリーレン、パリレン、ベンゾシクロブタン、過フルオロシクロブタン、シルセスキオキサン、シリコン重合体が挙げられる。スペーサアプリケーションに有用な特定の感光性レジストは、Newton,Massachusettsに本部を置くMicrochem Corporationから入手可能なNano SU−8材料である。
【0153】
重合体スペーサ材料は、アパーチャ2709がパターン化された後、最初は薄膜積層2704と2706の上に厚膜として蒸着される。次に、感光性重合体はマスクを介してUV光に晒される。アライメントマークは、生成されるスペーサ2708がアパーチャ2709に対し正しく配置されるのを保証するのに役立つ。例えば、アラインメント基準は、アパーチャ2709をエッチングする処理中にディスプレイの周縁に形成することができる。これらの基準は、スペーサ2708の正しい配置を保証するために露光マスク上の対応する一組の基準にアライメントされる。その結果、現像処理は、UV光に晒された場所以外の重合体をすべて取り除く際に効果的に行われる。代替方法では、露光マスク上の形状部は、アパーチャ2709などの基板2702上のディスプレイ形状部に直接アライメントすることができる。
【0154】
ディスプレイ装置2340に関して説明された特定の実施形態では、スペーサポストは高さ8ミクロンであってよい。他の実施形態では、スペーサ高さは約2ミクロン〜約50ミクロンの範囲であってよい。基板2702の平面において切断したとき、スペーサは2〜50ミクロンの範囲の幅を有する円柱または矩形などの一般的な形状をとってよい。あるいは、スペーサは、アパーチャ2709などの基板上の他の構造物間にぴったりはまり、かつスペーサの接触面積を最大にするように設計された複雑な不規則形状断面を有してよい。好ましい実施形態では、スペーサの寸法、形状、そして配置は、スペーサがシャッタ2354などのシャッタの運動あるいはディスプレイ装置2340のアクチュエータ2358などの他のMEMS部品の運動と干渉しないように決定される。
【0155】
別の実施形態では、スペーサポスト2708は高分子材料としては設けられなく、そのかわり半田合金などの熱リフロー可能な接着剤から成る。例示的な熱リフロー可能な材料については図13Bに関して後述される。半田合金は、半田合金が対向基板上の合わせ面を濡らすかあるいはそれに接合できるようにする溶融工程またはリフロー工程を通る。したがって、半田合金は、アパーチャ板2346などのアパーチャ板と基板2342などの変調器基板間の接着剤としての付加的な機能を行なう。リフロー工程のため、半田合金は通常は弛緩して偏球形状(半田バンプと称する)になる。基板間の所定の間隔は、半田バンプの材料の平均体積を制御することにより維持することができる。半田バンプは、薄膜蒸着、ステンシルマスクを介した厚膜蒸着、あるいは電気めっきによりアパーチャ板2700に塗布することができる。
【0156】
別の実施形態では、アパーチャ板2700は、光学層2704と2708を形成する工程後サンドブラスト処理することができる。サンドブラストはアパーチャ領域2709の基板表面を選択的に粗くする効果がある。アパーチャ2709における粗面は、ディスプレイに広い視角という利点を与えることができる光学ディフューザとして働く。別の実施形態では、アパーチャ2709における拡散面は、フォトマスクのフォトレジストの露光後にエッチングがアパーチャ領域2709内に選択的に施されるエッチング処理により設けられる。エッチピットまたはエッチトレンチはフォトマスクの適切な設計により形成することができ、ピットまたはトレンチの側壁角度または深さは湿式または乾式エッチング工程により制御することができる。このようにして、拡散広がりの程度を制御した光学的構造を形成することができる。このようにして、光を好ましい光学軸に沿って偏向し楕円および/または多方向円錐状の放射光を形成する異方性ディフューザを基板表面に形成することができる。
【0157】
別の実施形態では、エッチトレンチは、アパーチャアレイ2709の周縁(すなわちアクティブディスプレイ領域の周縁部)に沿ってディスプレイを実質的に取り囲む基板2702内に設けることができる。エッチトレンチは、アパーチャ板2700を対向基板に密封するために使用される接着剤528などの接着剤の移動または流れを制限するための機械的な位置決め構造体として動作する。
【0158】
上述の材料と処理に関するさらなる詳細については2006年2月23日出願の米国特許出願第11/361,785号明細書内に見出すことができ、これを参照により本明細書に援用する。例えば、この出願は、アパーチャを有する誘電体強化金属ミラー、光吸収層、そしてスペーサポストの形成に関する追加の材料と処理方法論を含む。誘電体ミラーとスペーサはこの出願では集積化された(例えばMEMSアップ構成の)ディスプレイ設計との関連で説明されているが、同様の処理は、アパーチャ板2700などのアパーチャ板の作製に適応させることができることが理解されるであろう。
【0159】
アパーチャ板2700のいくつかの実施形態では、基板2702には透明プラスチック材料を利用することが望ましい。適用可能なプラスチックとしては限定するものではないが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とポリカーボネートが挙げられる。プラスチック材料が使用されると、スペーサポスト2708の形成には射出成形またはスタンピング処理を利用することも可能になる。このような処理では、スペーサポストは、誘電体強化金属ミラー2704の塗布の前に最初に鋳型またはスタンパーで形成される。このとき、誘電体強化金属ミラー2704のすべての層は、スペーサポスト2708を予め含む基板の上に順に蒸着される。光吸収層2706は誘電体ミラー2704上に蒸着される。アパーチャ窓2709をパターニングするために、スペーサポスト2708の存在により妨害されることなく薄膜の表面を一様に覆う特別のフォトレジストが塗布される。好適なフォトレジストとしては、スプレーオンフォトレジストと電気めっきフォトレジストが挙げられる。あるいは、スピンオンレジストが塗布され、その後アパーチャ領域2709内の薄膜表面全体に均一なレジスト膜厚を設けるリフロー工程が続く。次に、レジストの露光、現像、薄膜層のエッチングが上述のように進められる。フォトレジストの除去後、処理は完了する。リフトオフ処理もまた、上述のように誘電体強化ミラーをパターニングするために利用することができる。アパーチャ板2700の作製に必要とされる材料コストを低減するためには、スペーサポスト2708の形成にモールド成形またはスタンピング処理を使用することが役立つ。
【0160】
いくつかのディスプレイ実施形態では、アパーチャ板2346は光導波路2348と合体されて一つの固形体(本明細書では単一バックライトまたは複合バックライトと呼ぶ)となるが、この詳細については米国特許出願第11/218,690号明細書と米国特許出願第11/528,191号明細書にそれぞれ説明されている。両出願を参照により本明細書に援用する。誘電体強化金属ミラー2704、光吸収層2706、および/またはスペーサポスト2708の形成についての上述のすべての処理は、接合する対象の基板に、あるいは光導波路と区別できない基板に同様に適用することができる。薄膜が付着される単一のバックライトの表面はガラスであってよく、あるいはプラスチック(スペーサポスト2357などのスペーサポストを形成するように成型されたプラスチックを含む)であってもよいであろう。
【0161】
一実施形態では、スペーサポスト2708は、アパーチャ板が変調器基板2342などの変調器基板にアライメントされる前にアパーチャ板2700に形成または取り付けられる。ディスプレイ装置2340の別の実施形態では、スペーサポスト2357は、変調器基板がアパーチャ板2346にアライメントされる前に変調器基板2342の一部の上にそしてその一部として作製される。このような実施形態は、前述の米国特許出願第11/361,785号明細書の図20に関して説明された。
【0162】
図12は、本発明の例示的実施形態によるディスプレイの断面図である。ディスプレイアセンブリ2800は変調器基板2802とアパーチャ板2804を含む。ディスプレイアセンブリ2800はまた、一組のシャッタアセンブリ2806と反射性アパーチャ層2808を含む。反射性アパーチャ層2805はアパーチャ2810を含む。基板2802と2804間の所定のギャップまたはセパレーションH12は、相対向する一組のスペーサ2812と2814により維持される。スペーサ2812は変調器基板2802上にまたはその一部として形成される。スペーサ2814はアパーチャ板2804上にまたはその一部として形成される。組立中、2つの基板2802と2804は、変調器基板2802上のスペーサ2812がそれぞれのスペーサ2814と接触するようにアライメントされる。
【0163】
この具体例のセパレーションまたは距離H12は8ミクロンである。このセパレーションを設定するため、スペーサ2812は高さ2ミクロンでありスペーサ2814は高さ6ミクロンである。あるいは、スペーサ2812と2814の両方は高さ4ミクロンであってよい。あるいはスペーサ2812は高さ6ミクロンであり一方スペーサ2814は高さ2ミクロンであってよい。実際、それらの全高が所望のセパレーションH12を設定する限り任意の組み合わせのスペーサ高さを採用することができる。
【0164】
基板2802と2804の両方の上のスペーサの設置は(それらは次に組立中にアライメントまたは嵌合される)、材料と加工費に関し利点を有する。感光性重合体の硬化、露光、現像には比較的長い時間を必要とするので、かなり高さのある(例えば8ミクロン)スペーサ(スペーサ2708など)の設置は高価となり得る。ディスプレイアセンブリ2800におけるように嵌め合いスペーサを使用することにより、より薄い重合体のコーティングを各基板に利用できるようになる。
【0165】
別の実施形態では、変調器基板2802上に形成されるスペーサ2812は、シャッタアセンブリ2806を形成するのに使用される同じ材料とパターニング工程で形成することができる。例えば、シャッタアセンブリ2806に使用されるアンカー(アンカー2356と同様なもの)はまた、スペーサ2812と同様な機能を行なうことができる。この実施形態では、スペーサを形成するための高分子材料の別個の塗布は必要なく、またスペーサ用の別個の露光マスクは必要ないであろう。
【0166】
図13Aのディスプレイアセンブリ2900は、本発明の例示的実施形態による、変調器基板とアパーチャ板のアライメントのための一つの方法を例示する。ディスプレイアセンブリ2900は変調器基板2902とアパーチャ板2904を含む。ディスプレイアセンブリ2900はまた、一組のシャッタアセンブリ2906と、アパーチャ2910を含む反射性アパーチャ層2908とを含む。基板2902と2904間の所定のギャップまたはセパレーションはスペーサ2912により維持される。スペーサ2912はアパーチャ板2904上にまたはその一部として形成される。ディスプレイアセンブリ2900はまた、一組のアラインメントガイド2914を含む。これらのアラインメントガイドは変調器基板2902上にまたはその一部として形成される。変調器基板2902とアパーチャ板2904を組み立てる際、アライメントガイド2914とスペーサ2912間のギャップは密接しており、ある場合には1ミクロン未満である。密集したアライメントガイド間にスペーサポストを取り込むことにより変調器基板2902とアパーチャ板2904間の側方運動は制限され、これによりシャッタ2906とアパーチャ2910間のアラインメントが維持される。
【0167】
様々な実施形態では、アライメントガイド2914はリング状またはドーナツ状である。他の実施形態では、アライメントガイド2914は、アパーチャ板2904から壁状の形状を取り込んだ単純なスロットである。アラインメントスロットは変調器基板2903の一方または両方のエッジと平行に配向されてよい。異なる(そして好適には垂直の)配向を有するアラインメントスロットを含むと、基板2902の平面と平行な任意の方向の運動を防ぐのに役立つ。ただし他の配向を採用してもよい。アライメントガイド2914は、ピクセル間に、ピクセル内に、あるいはディスプレイの周縁に沿ったピクセルアレイの外に設置されてよい。
【0168】
変調器基板とアパーチャ板間のアラインメントを維持する代替手段が可能である。一実施形態では、図5の接着剤528などの接着剤は横方向アラインメントの際に2つの基板を一緒に保持するために設けられる。この実施形態では、アライメント装置(例えば併進モーター駆動装置とアライメントカメラを装備した機械的なプラットホーム)は、接着剤528などの接着剤が所定の位置で乾燥または硬化される間、2つの基板を適切な配向で保持するために使用される。UV放射により部分的あるいは完全に硬化されるエポキシ樹脂は本実施形態における接着剤として特に有用である。接着剤がディスプレイアセンブリの周縁において付着される実施形態では、これをエッジシールまたはガスケットシールと呼ぶ。いくつかの実施形態では、エッジシール剤は、対向基板間の所定のギャップまたは間隔を維持するためのスペーサとして働くガラスまたは重合体のビードを含む。
【0169】
図13Bのディスプレイアセンブリ2950は、本発明の例示的実施形態による、変調器基板をアパーチャ板にアライメントするための別の手段を例示する。ディスプレイアセンブリ2950は変調器基板2952とアパーチャ板2954を含む。ディスプレイアセンブリ2950はまた、一組のシャッタアセンブリ2956と、アパーチャ2960を含む反射性アパーチャ層2958とを含む。基板2952と2954間の所定のギャップまたはセパレーションは、対向する一組のスペーサ2962と2964により維持される。スペーサ2962は変調器基板2952上にまたはその一部として形成される。スペーサ2964はアパーチャ板2954上にまたはその一部として形成される。
【0170】
スペーサ2962と2964は異なる材料で作られる。ディスプレイアセンブリ2950の実施形態では、スペーサ2962は半田などの熱リフロー可能な材料で作られ、一方スペーサ2964は実質的に固体であるかあるいはスペーサ2962よりかなり高い融点または軟化点を有する材料で作られる。実質的に固体のスペーサ2964に使用される材料は、スペーサポスト2708に関し述べられた材料(本明細書に援用する米国特許出願第11/361,785号明細書においてリストされた材料を含む)のいずれであってよい、あるいは、導電スペーサ3112に関し後述される材料のいずれかであってよい。
【0171】
スペーサ2962(半田バンプとも称する)は、電気的接続の半田付けに一般に使用される多様な金属または合金で作ることができる。例示的な合金としては、限定しないが、Pb−Sn合金、Pb−In合金、In−Sn合金、In−Cu−Sn合金、Au−Sn合金、Bi−Sn合金、あるいは実質的な純金属、In、Sn、Ga、またはBiが挙げられる。このような合金は、摂氏150〜400度の範囲の温度で液化またはリフローし、また2つの対向するコンタクト材料の表面を濡らすように設計される。冷却と固化後、半田材料は2つの対向するコンタクト材料を接合し(そして随意に電気的に接続し)、接着剤として働く。ディスプレイアセンブリ2950により例示されたアプリケーションでは、半田材料2962はスペーサポスト2964と変調器基板2952間の接着リンクとして働く。非金属のリフロー材料もまたスペーサ2962としての用途に適用可能である。これらの材料としては、バリウムケイ酸塩または珪酸鉛ガラス、またはポリエチレン、ポリスチレン、またはポリプロピレンなどの熱可塑性の重合体の混合物などのガラスフリット材料、および/またはカルナバワックス、パラフィンまたはオレフィンワックスなどの天然および合成ワックスが挙げられる。
【0172】
ディスプレイ2950の組立工程は以下のように進められるであろう。最初に、スペーサ材料2962と2964がそれぞれの基板上に作製されるだろう。次に、2つの基板2952と2954はほぼ適切な横方向のアラインメントでもって組み合わされるであろう。次に、2つの基板は半田材料2962を液化またはリフローするように加熱されるだろう。一旦溶融すると、材料2962は、実質的に固体であり、対向するスペーサポスト2964の表面を濡らすことになるであろう。同時に、現在液体の原料2962の表面張力はその表面積を最小限にするように働く。その結果生じる毛管力は、2つの基板2952と2954を横方向に引っ張るか摺動させてより完全なアラインメントとする効果がある。冷却および固化後、2つの基板は半田材料2962の接着性によりアラインメント状態にロックされる。
【0173】
別の実施形態では、実質的に固体の材料は変調器基板上に作製することができ、一方熱リフロー可能な材料はアパーチャ板上に作製される。別の実施形態では、固体材料およびリフロー材料の両方は、変調器基板またはアパーチャ板の一方または他方に順次形成される。この実施形態では、半田材料は、対向基板上に配置されたボンディングパッドを濡らしそれに接合するように設計される。
【0174】
相対向する基板間のアラインメントを保証するために熱リフロー可能な材料を使用することができる他の接着配置がある。一実施形態では、半田バンプは両方の基板上に作製され、半田材料のバンプまたはビードはリフロー工程中に結合または接合される。この実施形態では、スペーサ2964などの実質的に固体のスペーサ材料は使用されない。2つの基板間のギャップは固化後の平均の半田バンプ体積により確定される。平均の半田バンプ体積は組立の前に作製された半田バンプの寸法により制御することができる。別の実施形態では、スペーサポスト2964は、中央にへこみを有する2つの基板の一方の上に形成されたリングまたは正方形枠などの戻り止めまたは半田レセプタクル構造体で置換えられる。溶融半田はリングの中央でギャップを濡らし充填する傾向があり、これにより相対向する基板を引っ張ってアラインメントさせる。半導体パッケージのアラインメントに関する同様の処理については米国特許第5,477,086号明細書においてさらに詳細に説明され、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0175】
いくつかの実施形態では、熱リフロー可能な材料はアレイ内の各ピクセル内またはその間に配置される。他の実施形態では、リフロー材料と、対向基板上の対応するポスト、レセプタクル、または接続パッドとのペアは、ディスプレイの周縁またはディスプレイアセンブリの外側の角に配置することができる。リフロー材料がディスプレイの周縁に配置された場合、リフロー材料はいくつかの実施形態ではシーリング材またはガスケット材としてエポキシ528(図5参照)と同様な別の目的を果たすことができる。
【0176】
図14Aと14Bは、本発明の例示的実施形態による、開位置と閉位置それぞれにおける図6Aと6Bのシャッタアセンブリ2200と類似のディスプレイアセンブリ3000の平面図である。ディスプレイアセンブリ3000は、反射性アパーチャ層3004の上方に支持されたシャッタアセンブリ(シャッタ3002を含む)を含む。シャッタアセンブリはまた、相対向するアクチュエータ3008と3010の一部分を含む。ディスプレイアセンブリ3000では、シャッタは、アクチュエータ3008と3010とアンカー3006と3007を介して変調器基板2342などの変調器基板(図示せず)に接続される。反射性アパーチャ層3004はアパーチャ板2346などの個別の基板上に形成される。シャッタアセンブリ3001は、ディスプレイ装置に含まれる光変調器アレイ内に包含するのに好適である。
【0177】
シャッタ3002は、光が通過することができる3つのシャッタアパーチャ3012を含む。シャッタ3002の残り部分は光の通過を妨害する。反射性アパーチャ層3004はまた、光の通過を許容するアパーチャ3014を含む。シャッタが開放位置にある図14Aでは、アパーチャ3012と3014は光の通過を許容するようにアライメントされる。シャッタが閉位置にある図14Bでは、シャッタ3002はアパーチャ3014を通る光の通過を妨害する。
【0178】
ディスプレイ装置3000は、対向基板間の所定のギャップまたは間隔を維持するディスプレイ装置2340のスペーサポスト2357と同様に機能するスペーサポスト3020を含む。但し、スペーサポスト3020は、シャッタ3002の固体延長部である移動止め3022間にぴったりはまることによりシャッタ3002とアパーチャ3014間の適切なアラインメントを保証する付加機能を提供する。開位置にあるとき、シャッタ3002は一組の移動止めを介しスペーサポスト3020と堅固に接触する。閉位置にあるとき、シャッタ3002は別の一組の移動止め3022を介し再びスペーサポスト3020と接触する。各停止位置間でシャッタ3002に許容される運動量は様々な実施形態では約5ミクロンから約50ミクロンの範囲である。
【0179】
ディスプレイアセンブリ3000のアラインメント制御方法は、アパーチャ3014とスペーサポスト3020の両方が一つの基板(例えばアパーチャ板)に取り付けられ、シャッタ3002がアンカー3007により別の基板(例えば変調器基板)に取り付けられる場合に効果的である。このような実施形態では、2つの基板の組立中に5ミクロンまたは10ミクロンものミスアラインメントがあっても、シャッタ3002とアパーチャ3014間の適切なアラインメントを実現することができる。こうして、1ミクロン程度の狭いシャッタ/アパーチャ重なり(例えばディスプレイ装置2300内の重なりW1)を維持することができる。
【0180】
図15は、本発明の別の例示的実施形態によるディスプレイアセンブリ3100の断面図である。ディスプレイアセンブリ3100は変調器基板3102とアパーチャ板3104を含む。ディスプレイアセンブリ3100はまた、一組のシャッタアセンブリ3106と反射性アパーチャ層3108を含む。さらに、アパーチャ板3104は誘電体絶縁層3114と導電性配線3116を含む。図15の断面図は、反射層3108内のアパーチャ穴が存在しない線に沿って取られたものである。基板3102と3104間の所定のギャップまたはセパレーションは一組のスペーサ3112により維持される。
【0181】
ディスプレイアセンブリ3100のスペーサ3112は導電性材料を含む。例えば、スペーサ3112は、電気めっき処理、エッチング処理、またはリフトオフ処理により形成される金属ポストで形成することができる。限定しないが、銅、ニッケル、アルミニウム、金、またはチタン金属はこのアプリケーションに有用である。あるいは、ポスト3112は複合材料、例えば導電性を与えるために金属粒子で含侵された重合体またはエポキシ材料で形成することができる。あるいはポスト3112は、表面が導電性となるように薄い金属膜で覆われた高分子材料で形成することができる。
【0182】
導電スペーサ3112は、シャッタアセンブリ3106の一つの電極と導電性配線3116間の電気的接続を与えるように配置される。例えば、図15に示されるように、配線3116は、ディスプレイ内の行または列の一つと平行な金属配線としてパターン化することができる。スペーサ3112と配線3116は、次に、所与の行または列のすべてのシャッタアセンブリ3106内の電極間の共通電気的接続を与える。このようにして、ディスプレイ装置2340などのディスプレイのアドレス指定マトリックスまたは制御マトリックスを形成するのに使用される金属層の一部は、変調器基板3102上にではなくアパーチャ板3104の上に作製することができる。スペーサ3112は、アレイ内の各ピクセル内の光変調器3106間の個別の電気的接続を対向基板上の電気回路に与えるように構成することができる。極端な場合、各シャッタアセンブリの各電極は、全制御回路(トランジスタとキャパシタを含む)が光変調器と別個の基板上に、すなわち光変調器から離れた基板上に形成されるように、導電スペーサポストにより対向する基板上の回路に接続されてよい。
【0183】
導電スペーサポスト3112は、組立工程の前に変調器基板3102またはアパーチャ板3104上に形成することができる。一実施形態では、導電性スペーサは、組立工程の一部として基板3102または3104の一方または他方上に機械により個々に配置され接着される金合金スタッドで形成される。別の実施形態では、スペーサは、組立工程の一部として、基板3102または3104の一方または他方または両方の上に電気めっき処理またはテンシル処理される半田バンプで形成される。半田バンプ2962に関する上記半田材料のいずれもスペーサポスト3112に利用することができる。
【0184】
スペーサポストと対向基板上のランド領域間の整合または電気的接続の処理は、2つの表面間で良好な電気的接続がなされるように、相互拡散または半田処理などのリフロー処理を含んでよい。
【0185】
ディスプレイアセンブリ3100はMEMSダウン構成の一部として例示されるが、導電スペーサポストの類似的用途は、例えばディスプレイ装置2300と同様にMEMSアップ構成にも見出すことができる。MEMSアップ構成では、光変調器と反射性アパーチャ層の両方は同じ基板上に形成され、配線3116などの導電性配線はカバープレートなどの対向基板上に形成される。このとき、スペーサ3112などの導電性スペーサは変調器基板とカバープレート間の電気的接続を形成するであろう。本発明は、カバープレートがタッチスクリーン入力装置としても働くアプリケーションに特に有用である。特に接続がアレイ内のピクセルごとに設けられる基板間の電気的接続は、タッチスクリーンセンサアレイと、ピクセルアレイ用の制御マトリックスを含む別の基板との間の電気的接続を設けるのに有用である。
【0186】
図16は、本発明の例示的実施形態による別のディスプレイアセンブリ3200の断面図である。ディスプレイアセンブリ3200は変調器基板3202とアパーチャ板3204を含む。ディスプレイアセンブリ3200はまた、変調器基板上に形成された一組の電気配線3210とアパーチャ板3204上に形成された一組の電気配線3212を含む。2つの基板は、異方性の導電接着剤3214により配線3210と3212間を電気的に接続する。アパーチャ板はまた、誘電体絶縁層3211と反射性アパーチャ層3208を含む。この断面図はピクセルアレイの外側のディスプレイの周縁に近い線に沿って取られるので、基板3202上に形成されたシャッタアセンブリまたは反射層3208内の任意のアパーチャ窓はこの図では図示されない。
【0187】
異方性の導電接着剤(すなわち「ACA」)3214は、固体導電球群3216で含浸された重合体接着剤である。2つの基板3202と3204を互いに押し付けると、導電球は配線3210と3212の接触面間にトラップされる。これにより対向基板上の配線3210と3212間の電気的接続が設定される。電気的接続は、ACAの重合体マトリクスが硬化または重合化された後、所定の位置でロックされる。導電球3216は直径5〜50ミクロンの範囲の大きさであってよい。導電球3216は、ニッケルなどの金属で、あるいはNi−Au、Ni−Ag、またはCr−Auなどの合金で作ることができる。ニッケルは、圧縮荷重下でその幾何学的形状を維持するのに十分な硬度を有する。導電球もまた、ガラスまたは重合体などの誘電体材料で作製することができ、金などの導電層で覆われる。別の実施形態では、ニッケルなどの金属球は、接触抵抗を低減するために金などのより高い導電率と耐酸化性を有する別の金属で覆うことができる。
【0188】
一様な直径となるように導電球が選択されると、コンタクト3210と3212を導電球3216に圧潰することによりコンタクト間に一定の間隔またはギャップが設定される。したがって、導電球3216はスペーサ2312または2357と同じ機能を果たすことができる。
【0189】
導電球は基板平面と平行な軸に沿って連続コンタクトを形成しない。その結果、電気的接続は通常、隣接する導体3210ペアまたは導体3212ペア間で設定されない。したがって、ACA3214の単独の塗布は、配線3210または3212の独立した組の間で複数の独立した電気的接続を行うためには十分と考えられる。この特定の配線媒体は異方性導電媒体と称する。
【0190】
ACA3214は、通常、テープまたはニードルディスペンサーによって複数の独立した電気的コンタクトにわたって付着される。ACA3214は、ディスプレイの周縁に沿って複数の接続を行うために特に有用である。例えば、ACA3214は、一つの基板上の一連の行配線を一緒に別の基板上の並列の行配線の組に接続することができる。これは、おそらく、ドライバチップがアパーチャ板3204上の並列の配線の組に取り付けられ制御マトリックスが変調器基板3202上に構築される場合に有用と考えられる。基板3202と3206の機能は、変調器基板がバックライトに最も近い底部上にありACA3214の反対側の基板がカバープレートとして機能するように、逆にしてもよい。
【0191】
ディスプレイアセンブリ3100における導電スペーサ3112はアレイ内のすべてのピクセル内で使用されることが好ましいが、アレイの周縁に取り付けてもよい。ディスプレイアセンブリ3200における導電球3216(これらもまたスペーサである)はピクセルアレイの周縁に沿って取り付けられることが好ましい。ディスプレイアセンブリ3100のスペーサ3020(移動止めとして機能する)はアレイ内のすべてのピクセルで使用されるのが好ましい。ディスプレイ装置2300と2340それぞれのスペーサ2312または2357は、アレイの各ピクセル内またはピクセル間に配置することができる。同様に、米国特許出願第11/361,785号明細書の図20と図21に示されたスペーサもまたアレイ内のすべてのピクセルに含まれてよい。
【0192】
しかしながら、基板間の所望のギャップを維持するためにはスペーサとすべてのピクセルとの対応付けは必要ではない。スペーサは例えば4つのピクセルの各グループまたは16個のピクセルの各グループと対応付けてよい。他の実施形態では、スペーサはディスプレイの周縁に制限されてよいであろう。あるいは、ディスプレイアセンブリ3000に示されるように、ディスプレイアセンブリはピクセルごとに複数のスペーサを含んでよい。
【0193】
ディスプレイ装置2340におけるスペーサ2357は例えばアパーチャをシャッタ間隔H6(1ミクロン程度であってよい)に維持する役割を担う。ディスプレイ解像度が行または列当たり200ピクセルを超える場合あるいはディスプレイの対角線が2インチを超える場合、高密度なスペーサ配置は特に有用となる。高密度なスペーサアレイはまた、ディスプレイ装置2300において例えば、ディスプレイの前面に塗布される潤滑流体2322上で一様圧力(そうでなければ指圧などの局所圧により乱され得る)を維持するのに役立つ。
【0194】
本発明に関して説明されたスペーサは、ディスプレイ装置2500または2600などのエレクトロウェッティングディスプレイにおける基板間のギャップを維持するのに有用に適用される。MEMSベースの光変調器を利用するいかなるディスプレイも、実際上、光変調器アレイの内部に適用されるスペーサの恩恵を受けることができる。代替のMEMSベースの光変調器の例として、ディジタルミラーデバイス(DMD:digital mirror device)、干渉変調ディスプレイ(IMOD:interference modulation display)、光タップディスプレイ(light tap display)または減衰全反射ディスプレイ(frustrated internal reflection display)が挙げられる。
【0195】
アライメント装置とアライメント技術
ディスプレイ装置2300と2340およびシャッタアセンブリ2200の考察において示したように、シャッタアセンブリとその対応するアパーチャとのアラインメントはMEMS光変調器の重要な設計特微である。重なり2216または重なりW1とW2として示された重なりは、MEMS光変調器が閉状態(光遮断状態または暗状態とも称する)にある間、光漏れを減少するかなくす。MEMSダウンディスプレイ装置2340では、重なりW2は、2つの基板2342と2346がアライメントされて互いに機械的に取り付けられるセル組立処理中に設定される。ディスプレイ装置2340では、アパーチャ2347はアパーチャ板2346上に形成され、シャッタアセンブリ2341は変調器基板2342上に形成されるかあるいは変調器基板2342で支持される。2つの基板2342と2346の正確なアラインメントのための手段を設けることができると、アパーチャ2347とシャッタアセンブリ2341間の適切な空間的関係を高精度に達成することができる。本発明の例示的実施形態による、2つの基板のアラインメントのための一方法は図17に例示されるようにアライメント装置3300により可能である。
【0196】
アライメント装置3300は、固定チャック3302、一組の併進駆動装置またはモーター3304、視覚システム3305、そして一組のUV露光ランプ3306を含む。変調器基板3308はチャック3302に堅固に取り付けられる。アパーチャ板3310は所定の位置に保持されてモーター3304により誘導される。モーター3304は、基板3310を3つの併進方向、例えば基板3310の平面内のxおよびy座標に沿って、さらにz座標に沿って平行移動して2つの基板3308と3310間の距離を設定し変更する能力を与える。さらに、図17に図示しないが、基板3308と3310の共平面性とx−y平面におけるそれらの適切な回転関係との両方を保証する追加および随意の3つの回転モーターの一組を設けることができる。すべての併進モーター3304はアパーチャ板3310に取り付けられて示されているが、他の実施形態ではモーターは2つの基板間に違ったやり方で配置されてよい。例えば、x−y併進モーターをアパーチャ板3310に取り付け、Z軸併進モーターとシータ回転モータ(Z軸を中心とする)をチャック3302に取り付けてもよい。
【0197】
モーター3304に関しては様々な形式のモーターが利用できる。これらのモーターは、いくつかの実施形態ではディジタル制御ステッピングモータであってよく、ある場合には線形ねじ駆動装置であってもよく、また他の場合では磁気駆動されるソレノイド駆動装置であってよい。モーターは、基板3310などの基板を直接移動させるように配置される必要はない。そのかわり、モーターは、その上に加工中の製品または基板3310が堅固に取り付けられたステージまたはプラッタを移動させるように設計されてよい。移動ステージを使用すると、1μm未満の高精度でその併進位置を連続的に測定できるステージに追加の光学的測定システム(ある場合にはレーザー干渉システム)を設けることができるので有利である。このとき、ステージ位置の精度と安定性の両方を改善するためにモーター3304と光学測定系間にフィードバック電子回路を利用することができる。
【0198】
装置3300のいくつかの実施形態では、チャック3302と随意の移動ステージの両方は基板3308と3310全体にわたって一様な温度を保証するためにヒーターおよび/または温度制御素子を備えてよい。特にその対角線が約20センチメートルを超える基板については、一様な温度は2つの基板上のパターン間の適切なアラインメントを保証するのに役立つ。
【0199】
アライメント装置3300は2つの基板3308と3310の相対位置を検知するための視覚システム3305を内蔵する。好ましい実施形態では、アライメントマークが基板3308と3310のそれぞれの上の薄膜にパターン化される(例えば、図18のアライメントマーク3408と3412を参照)。視覚システムは、マークが異なる表面上すなわちz軸上の異なる位置に配置されるにもかかわらず、2つの基板のそれぞれの上のアライメントマークを同時に撮像することができる。
【0200】
例示の実施形態では、視覚システム3305は2枚の撮像レンズ3312と3313と、スプリットフィールド撮像が可能な顕微鏡または2台のカメラ3314と3315のいずれかとを内蔵する。したがって、視覚システム3305は2組の別個のアライメントマークを実質的に同時に撮像することができる。2組のアライメントマークは変調器アレイまたはパネルの遠い側または角に配置されることが好ましい。
【0201】
動作中、オペレータは、マーク3408と3412などのアライメントマークの相対位置を見るために視覚システム3305を使用し、これにより2つの基板間のミスアライメントの方向と程度を判断する。このときオペレータは、2つの基板上のアライメントマークが許容できる程度の誤差以下のミスアライメントを示すまで、ドライブモータ3304を用いて基板3308と3310間のアラインメントを調整することができる。ミスアライメントを十分に低減した後、オペレータは、基板3308または3310上のスペーサ(スペーサ2357、2708、または2812と2814のいずれか)が対向基板3308または3310または対向スペーサと接触するまでZ軸モーターを駆動する。多くの場合、基板のミス配向または非平面性のためにオペレータは2つの基板間のZ軸距離が減少するにつれて基板間のx−yアラインメントを絶えず微調整する必要がある。いくつかの実施形態では、基板間で接続が設定された後でも最終的なx、yおよびシータ補正を行うことができる。接続された後、接着剤3318もまた2つの基板間の接続を行う。いくつかの実施形態では、方法3301の最後の工程として、接着剤は、アライメント装置3300が2つの基板を適切な位置に保持している間に少なくとも部分的に硬化される。接着剤の硬化を開始または加速させるためにUV露光ランプ3306を使用することができ、これにより2つの基板を相互に接着する。いくつかの実施形態では、基板ステージまたはチャック3302は接着剤3318の熱硬化を行うためのヒーターを備えている。アライメントマーク例えばマーク3408と3412は、通常、同時にパターニングされエッチングされ、そしてアパーチャ2347などのアパーチャとシャッタアセンブリ2341などのシャッタアセンブリとをそれぞれパターニングするために用いられるマスクと同じフォトマスクで印刷される。したがって、アライメントマークは基準機能用に設計されている。すなわちアライメントマーク間の十分なアラインメントを達成するオペレータは隣接アレイ内のシャッタとアパーチャもまた適切にアライメントされるという信頼性を持つ。
【0202】
ディスプレイ装置2340の考察によると、重なりW2は2μm以上であることが好ましい。実際上、製造中に確実に実現される重なりW2は、マスク内に設計された安全マージンにより、そしてアラインメント精度または公差により確定される。精度または実現可能な公差は、アライメント装置3300の設計、アライメントマークの設計、温度、圧力、シール材の粘度または可塑性などのプロセス変数に基づく。許容公差設計について2つの例を以下に示す。製造中のアラインメントの際に比較的広いバラツキに耐える第1の例では、シャッタおよびアパーチャのアレイは公称22μmの重なりで設計される、すなわち完全にアライメントされるとシャッタはアパーチャと22μmだけ重なるように設計される。このとき装置3300が+/−20μmのアラインメント再現性を可能にする場合、設計者はシャッタのすべて(または、どのように信頼性が規定されるかに依存するが99.99%)が少なくとも2μmの重なりを有するということを保証される。しかしながら、高密度なピクセルアレイすなわち高分解能ディスプレイについては、22μmの重なりのアレイ設計において得られる余裕は通常はない。したがって、より正確なアライメント能力が望まれる。
【0203】
第2の例では、名目上わずか1μmの重なりがマスクに設けられ、装置3300は第1と第2の基板上のパターン間に+/−1μm以内のアラインメント精度を与えるように設計さる。この精度を実現するために、a)視覚システム3305は1μm未満の分解能を有し、b)モーター3304(または関連する平行移動ステージ)は1μm未満の分解能で位置の相違を弁別するように安定して駆動し、c)アライメントマークは、1μm未満の分解能の精密なエッジ、寸法、および/または配置でもってパターン化されエッチングされる。サブミクロン精度を有する自動アライメント装置は、今日では、半導体マスクアラインメント、光電子部品アセンブリ、マイクロメディカル装置の目的のために利用可能である。これらのシステムの代表的な供給者として、Automation Tooling Systems Corp.of Cambridge,Ontario,Canada and the Physik Instrumente LP of Karlsruhe,Germanyが挙げられる。
【0204】
一般的には、視覚システムと駆動モーターの設計、そしてアライメントマークの設計に注意を払えば、シャッタ2341とアパーチャ2347間の0μmを超え20μm未満の重なりW2を保証することができるアライメント装置3300とアライメント方法を提供することは可能である。好ましい設計では、アライメント方法は0μmを超え2μm未満の重なりW2を保証することができる。
【0205】
上記アライメント方法は、モーター3304の能動的制御を人間のオペレータに割り当てるアライメント方法の一例として提供された。他の方法においては、アラインメントを実現するためにオペレータの介在は必要ない。2つの基板上の基準間のミスアライメント量だけでなく方向も測定することができ、かつ測定されたミスアライメントが予め規定された水準未満になるまで自動的にモーター3304を駆動することができる装置3300(すなわちディジタルカメラとコンピュータ画像処理を含むシステム)のためのインテリジェント視覚(マシンビジョン)システムは例えば上に挙げたベンダーから入手可能である。
【0206】
装置3300で利用されるアライメントマークまたは基準は、次の図18に関して示されるまたは考察されるもの以外に多くの形態をとることができる。いくつかの実施形態では、オペレータまたは機械視覚システムは、シャッタアセンブリ(例えばシャッタ2202)またはアパーチャ(例えばアパーチャ2214)の形状などの基板上の特定の機能パターンを認識することができる。これにより視覚システムはシャッタとアパーチャ間のミスアライメントを直接測定して最小化する。別の実施形態では、ディスプレイのエッジはシャッタとアパーチャの位置に対し正確な位置にカットまたはダイシングされる。これにより視覚システムは2つの基板のエッジ間のミスアライメントを測定して最小化する。
【0207】
人間オペレータまたは自動アライメント装置が基板同士をアラインメントして2つの基板間の接続を設定した後、少なくとも部分的に接着剤3318を硬化させるためにUV露光ランプ3306を使用することができる。接着材3318は、装置3300においてアラインメントが達成された後の基板3308と3310間の相対的移動を防ぐ。アラインメント後の2つの基板間のアラインメントを維持するための代替手段が利用可能である。これらの代替手段として、アライメントガイド2914などのアライメントガイド、スペーサ2962などの熱リフロー可能なスペーサ材料を使用することが挙げられる。
【0208】
アライメント装置3300の機能はMEMSダウン構成のディスプレイ2340の例に関するものであったが、同様のアラインメント技術は、ディスプレイ装置500により例示したようにMEMSアップ構成に適用される場合に有用である。ディスプレイアセンブリ500では、シャッタアセンブリ502は基板504上に形成され、ブラックマトリクスおよび関連するアパーチャ524は基板522上に形成される。シャッタ503の少なくとも一つのエッジとブラックマトリクス524内の対応するアパーチャのエッジとの間に重なりが存在するようにアライメント装置3300を使用することにより、2つの基板504および522をアライメントすることができる。アライメント装置3300は0〜20ミクロンのエッジ間の重なりを保証する。好ましい設計では、このアライメント方法は0ミクロンを超え5ミクロン未満あるいは、ある場合には2ミクロン未満である重なりを保証する。
【0209】
アライメント装置3300の機能はシャッタアセンブリ2341などのトランスバースシャッタベースの光変調器を内蔵するディスプレイに関し説明されたが、上記アライメント装置3300とアライメント方法は代替のMEMS光変調器技術に有用に適用され得ることは理解されるであろう。例えば、光遮断状態、フィルタリング状態、または暗状態において重なりがオイル2610のエッジとアパーチャ2617のエッジ間に設定されるようにアパーチャ板2632が変調器基板2630にアライメントされる場合、エレクトロウェッティング変調器アレイ2600は利点がある。同様に、光変調器220などのローリングアクチュエータ光変調器(第1の基板上のローラーアクチュエータ変調器の光遮断エッジと第2の基板上のパターン化された対応するアパーチャのエッジとの間に重なりが設けられる)は、同様の方法で作製しアライメントすることができる。
【0210】
他の非シャッタベースの変調器は上記アライメント装置3300および方法の恩恵を受けることができる。例えば、第1の基板上に作製された光変調器250などのMEMS干渉変調器またはMEMS光タップ変調器は、第2の基板上に作製されたブラックマトリクスのエッジに対しアライメントすることができる。これらの光変調器の詳細は米国特許第6,674,562号明細書と米国特許第5,771,321号明細書に見出すことができ、これらを参照により本明細書に援用する。
【0211】
パネル作製プロセス
複数のディスプレイ用の変調器アレイを同一のガラスあるいはプラスチック基板上に並列に構築することができれば常に製造生産性を向上できる。パネルと称する大きなガラス基板とその関連する製作装置は、今日、2メーター四方の寸法まで利用可能である。図18は、本発明の例示的実施形態による、複数のアパーチャ穴アレイを大きなアパーチャ板3404上に形成しつついかに複数のMEMS光変調器アレイを一つの大きな変調器基板3402上に形成することができるかを示す。パネル3402は6つの変調器アレイの一組3406に加え4つの変調器アライメントマークの一組3408を含む。パネル3404は4つのアパーチャアライメントマークの一組3412に加えて6つのアパーチャアレイの一組3410を含む。パネル3402と3404同士がアライメントされ密封されるとその対応する変調器アレイ−アパーチャアレイ対のそれぞれがディスプレイアセンブリ(セルアセンブリとも称する)を形成するように、変調器アレイ3406のそれぞれはアパーチャアレイ3410の一つに対応するように設計される。したがって基板3402と3404間の単一のアラインメントおよび密封作業は6つのセルアセンブリを同時にアライメントし密封するのに十分である。図18に示される例では、ガラスパネル3402と3704は対角線で30cmあり、セルアセンブリまたはディスプレイ領域のそれぞれは対角線で10cmであろう。他の実施形態では、パネル当たり25個までの10cm対角線ディスプレイを作製するために対角線50cm以上のパネルを利用することができる。
【0212】
また、エポキシ系接着剤3414線(シール材の一種)と、アパーチャ板3404上のアレイのそれぞれに加えられたスペーサポスト3416とが図示されている。上記ディスプレイアセンブリ2340、2700、2800、2900、3000、3100、3200に関して説明されたように、様々なスペーサがアパーチャ板3404上の各アレイの内部に適用される。接着剤を塗布する処理についてはセル組立工程3614に関して後述される。
【0213】
本発明の例示的実施形態による、パネル3402、3404のアラインメントと密封完了後のパネルアセンブリ3500を図19に例示する。成功した2つの基板のアラインメントは、アパーチャアライメントマーク3412内の変調器アライメントマーク3408のネスティングにより示される。アライメントマークは、名目上1μmのギャップがマーク3412の内側エッジとマーク3408の外側エッジ間で許容されるように設計されてよい(これらのギャップの大きさは説明のため図19では誇張される)。このアラインメント設計では、オペレータおよび/または自動アライメント装置は、適切なギャップが入れ子状のアライメントマークのx方向とy方向の両方において見えるまで(例えば、ラインのいずれも交差または接触しなくなるまで)基板の相対位置をツール3300で調整する。適切なギャップが見えると、アラインメントは成功した(すなわちミスアライメントは許容誤差内まで低減され、アレイ3406、3410のそれぞれにおける変調器とアパーチャ間の期待された重なりが達成された)と考えられる。アライメントマーク間の名目上のギャップは、アラインメント処理の期待される精度を満たすように設計することができる。例えばギャップは所望のアラインメント精度に依存して10ミクロン、2ミクロン、または1ミクロンである。代替の設計では、一つのアライメントマークは円形のドットであり、他のマークはリングとして形成される。ギャップは、所望のアラインメントの精度に対応するドットとリングの間で設計することができる。いくつかのアラインメントの機械設計では、アライメントマーク間のギャップは必要なく、その代りに、機械がディジタルカメラを用いてドットとリングの両方の中央点を推定する。このときアラインメントソフトウェアがドットとリングの中央点同士をアライメントしようとする。
【0214】
2つのパネル3402と3404は接着剤により所定位置に接着される。この接着剤の硬化はセル組立工程3620に関して後述される。
【0215】
図19はまた、パネルアセンブリ3500の上に重ねられた一組のダイシング線3502を例示する。個々のアレイ(ディスプレイまたはセルアセンブリとも称する)がパネルから切り離されるように、ダイシング線3502はパネルがそれに沿って切断される線をマークする。単一化とも称する分離工程は、スクライブ&ブレーク法により行うことができる。この処理では、線3502においてガラスパネルの表面に沿って線を引っ掻くためにダイヤモンドチップまたはカーバイドチップを用いる。このときスクライブ線に沿ってパネルを割るために、単純な折り曲げ処理を用いることができる。別の実施形態では、分離または単一化処理はダイシングソーにより行われる。基板3402と3408の両方が同じダイシング線に沿って切断される必要はない。変調器基板はアパーチャ基板に対し規定されたものより広い周縁幅にダイシングされると有利であることが多い。これにより、セルアセンブリが完了した後に変調器基板のエッジ上にドライバチップのボンディングのための空間が得られる。
【0216】
流体充填工程を含むセルの組立方法
図20には、本発明の例示的実施形態による、MEMS光変調器を内蔵するディスプレイ装置を組み立てるための第1の方法3600(セル組立方法3600とも称する)を例示する。方法3600は、その上にディスプレイ部品が作製される(工程3606、3608、3610)2つの基板を設けること(工程3602、3604)で始まる。この方法は、2つの基板の一方または両方にスペーサ(工程3612)とシーリング材(工程3614)を貼り付けることを続ける。このとき基板は互いにアライメントされ接着される。本方法は、大きなパネルアセンブリから個々のディスプレイを分離または単一化すること(工程3622)と、2つの基板間のギャップを流体または潤滑剤で充填すること(工程3624)を含む。最後に充填用穴が密封される(工程3626)。
【0217】
方法3600の第1の実施形態は、ディスプレイ装置2340または2600により例示されるようにMEMSダウンディスプレイアセンブリに関して説明される。MEMSアップ構成のディスプレイの組立てのための第2の実施形態は後で説明される。
【0218】
MEMダウンディスプレイのためのセル組立方法3600は工程3602と3604において2つの基板を設けることで始まる。これらの基板は両方とも透明でガラスまたはプラスチックから成る。本組立方法は、工程3606での制御マトリックスの作製と工程3608でのMEMS変調器アレイの作製を続ける。好ましい実施形態では、制御マトリックスと変調器アレイの両方は変調器基板と称する第1の基板上に作製される。この例としては、図7と図10の基板2342と2630がそれぞれ挙げられる。しかしながら、ディスプレイアセンブリ3100に関し考察したように、変調器基板とは別個の基板上に制御マトリックスを作製することができ、この制御マトリックスを導電スペーサにより変調器基板に接続することができる実施形態が存在する。この変調器基板の作製に関するさらなる詳細は上に参照した米国特許出願第11/361,785号明細書に見出すことができる。
【0219】
MEMSダウン組立方法3600は、アパーチャ層を作製することを含む工程3610に進む。アパーチャ層は好ましくは透明材料(例えばプラスチックまたはガラス)から成り、第2の基板上に作製される。MEMSダウン構成では、第2の基板はアパーチャ板と呼ばれる。例示的な有効なプレートとしては、図7と図10のアパーチャ板2346または2632が挙げられる。他のMEMSダウン実施形態では、アパーチャ層が作製される第2の基板は光導波路としても使用される。いくつかの実施形態では、アパーチャ層は、一連のアパーチャにパターン化される光吸収物質から成る。アパーチャ板2700に関して説明した好ましい実施形態では、アパーチャ層は、基板から入射した光を反射して基板に戻すように設計される。例示的な反射性アパーチャ層としては、図10と図11の反射性アパーチャ層2616または2704がそれぞれ挙げられる。
【0220】
方法3600はスペーサを塗布することを含む工程3612に続く。スペーサ2357、2708、2812、2814、2912、2914、2962、2964、3020、または3112により例示されたスペーサのすべて(したがって説明した作製方法を含む)を工程3612で取り入れることができる。スペーサは第1と第2の基板のいずれかまたは両方の上に形成されてよい。
【0221】
方法3600は、エポキシシール材528などのシール材を貼り付けることを含む工程3614に続く。シール材は、方法3600で使用される第1と第2の基板のいずれかまたは両方に塗布されてよい。シール材は、アラインメント工程後、第1と第2の基板の位置を維持する接着材である。シール材はまた2つの基板間のギャップ内に流体(工程3624で加えられる)を収容するために用いられる。適用可能なシール材は、エポキシ、アクリレートまたはシリコン材などの高分子材料であってよく、あるいはシール材は、半田バンプ2962などの熱リフロー可能な半田金属で形成することができる。いくつかの実施形態では、シール材は異方性の導電接着剤3214などの複合材料であってよい。シール材は、図18のディスプレイパネル3404に関し示したように、変調器またはアパーチャアレイのそれぞれの周縁に沿って移動するノズルから分配することができる。シール材3414は、ディスプレイパネル3404上の各ディスプレイ領域の周縁を完全には包囲しない。充填用穴と称するギャップ3418は、工程3624におけるセルの流体による充填に対処するために、周縁のシール内に意図的に残される。
【0222】
分配後、シール材は硬化工程を経て比較的強固なものになる。工程3614の一部として、シール材は部分的に硬化されてよいが、多くの実施形態では、後の工程3618または3620の一つまで最終的な硬化は行わない。脱水硬化、UVまたは紫外線硬化、熱的硬化、またはマイクロ波硬化を含む多くの他の形式の硬化を可能にするように、シール材を配合することができる。装置3300などのアライメントツールを利用する場合、UV硬化エポキシ樹脂は好ましいであろう。
【0223】
図18と図19で示したように、制御マトリックス3606の作製、MEMS変調器3608の作製、アパーチャ層3610の作製、スペーサ3612の塗布、シール材3614の塗布のための工程はすべて、複数のディスプレイが大きなガラスまたはプラスチックパネル上に同時に作製されるパネルレベルで行なうことができる。あるいは、これらの工程は小さな基板上で個々のディスプレイごとに行なわれてもよい。組立工程3606、3608、3610、3612のさらなる作製の詳細は、上に参照した米国特許出願第11/361,785号明細書に見出すことができる。
【0224】
方法3600は導電接着剤を随意に分配することを含む工程3616に続く。工程3612と3614で加えられるスペーサまたはシール材が導電特性を有しない場合、この特性を有する追加の接着剤を加えることは有利であることが多い。工程3616で加えられた導電接着剤は、第1の基板上の制御マトリックスと第2の基板上のアパーチャ層間の電気的接続を可能にする。工程3616で加えられた接着剤は、通常、ディスプレイ領域の周縁に沿ったいくつかの点に配置される。
【0225】
方法3600は、図17のアライメント装置3300に関し説明したように第1と第2の基板をアラインメントすることを含む工程3618に続く。アライメント装置3300は、アラインメントが許容誤差程度内まで正確であることを確認するためのカメラおよび/または顕微鏡システムを含む。第1と第2の基板はアラインメント工程3618の一部としてスペーサにより接続される。
【0226】
アラインメント工程3618の一部として、接着材は、2つの基板を接着するためにあるいはその相対位置を維持するために少なくとも部分的に硬化される。アライメント装置3300は、接着剤の硬化をもたらすヒーターおよび/またはUV露光ランプを含む。いくつかの実施形態では、シール3414などの周縁全体のシールは工程3618の一部として少なくとも部分的に硬化される。他の実施形態では、熱硬化可能なシール材3414に加えて複数のUV硬化可能な接着剤ドットがアラインメントに先立って基板上に設けられる。この実施形態では、エポキシドットのみがアラインメント工程3618の一部として硬化され、シール材の残りは後の工程3620で硬化される。
【0227】
方法3600は、シール材を硬化することを含む工程3620に続く。多くの実施形態では、シール材が比較的硬い接着剤として働く場合のみ、第1と第2の基板間の適切なアラインメントを維持することができる。工程3620での接着剤硬化によりシール材の剛性を保証する。工程3620での硬化は、熱硬化、UV硬化、またはマイクロ波硬化として実行することができる。いくつかの実施形態では、シール材は、アセンブリをオーブン内に入れることにより、あるいは加圧下あるいはプレス機のプレート間でUVまたはマイクロ波露光システムにより工程3620において硬化される。加圧は、接着剤が硬化される間の基板の曲げまたはそりを最小化するのに役立つ。加圧は、スペーサ(スペーサ2357など)に対する各基板の強固な接触を確実にすることによりギャップH5またはH9(ディスプレイアセンブリ2340、2390に関して示された)などのギャップを確実に維持するのに役立つ。
【0228】
方法3600は、複数のアレイを含む大きなパネルから個々のディスプレイアレイを随意に分離することを含む工程3622に続く。セル組立工程が、この時点までに、図18と図19において説明されたように大きなパネルの処理に従って進んできた場合のみに、このような分離が必要とされる。変調基板とアパーチャ板が工程3606〜3614で個々のディスプレイとして作製された場合、単一化または分離工程は必要ない。この分離は、スクライブ&ブレーク処理またはダイシングソーにより実現することができる。
【0229】
方法3600は、流体でディスプレイアセンブリを充填することを含む工程3624に続く。ディスプレイ装置500と2340の考察で示したように、ディスプレイ装置の2つの基板はギャップH5などのギャップにより分離されることが好ましく、ギャップは作動流体530または2352などの流体により充填される。多くのディスプレイでは、流体は、MEMS光変調器を実質的に取り囲む潤滑材として働く。この流体もまた上に考察したような電気的および光学的性質を規定している。
【0230】
多くのアプリケーションでは、2つの基板間に形成されるギャップ内に気泡が入るのを回避しながらディスプレイアセンブリを液体で充填することが望ましい。MEMS光変調器の表面上に形成される気泡はこれら変調器の作動を邪魔する。気泡なしの充填処理は、流体充填処理中のある時点で真空雰囲気を利用することにより行うことができる。
【0231】
流体充填処理(工程3624)の詳細は、本発明の例示的実施形態による図21に例示される流体充填装置3700に関して説明される。流体充填装置は、作動流体3704の貯蔵槽により部分的に充填される真空チャンバ3702で形成される。パネルアセンブリ3500などの、アライメントされかつ部分的に密封されるセルアセンブリまたはパネルアセンブリは、流体貯蔵槽の上にワンド3706によりまたは可動プラッタにより吊り下げられる。真空ポンプに通じるポート3708と真空チャンバ内を大気圧に換気するために用いられるポート3710が真空チャンバに取り付けられる。図21に図示しないが、ポート3708と3710のそれぞれにはバルブが結合される。
【0232】
動作中、アセンブリ3500などのパネルアセンブリ内の基板間のギャップを充填する処理は2段階の処理である。最初に、空気または他の気体が2つのプレートの間から除去され、次にギャップが流体で充填される。真空ポンプへのバルブが開かれると空気はプレートの間から除去され、チャンバ3702全体が実質的に1トール未満の圧力に低下される。次に真空バルブが閉じられ、そしてパネルアセンブリ3500を作動流体の貯蔵槽3704中に浸すためにワンド3706が用いられる。一旦浸されると、通気弁は大気に対し開放されるか、あるいはボトルから窒素またはアルゴンガスを取り除くために開放される。戻入された空気は、すべての流体上の圧力を大気圧(または600トールを超える圧力)にする。加圧下で、作動流体は次にセルアセンブリ3500の基板間のギャップ内に導入される。セルアセンブリをチャンバ3702から取り出すと、セルアセンブリは流体で充填されており、こうして組立工程3624を完了する。
【0233】
代替の設計では、パネルアセンブリ3500はワンド3706などの可動ワンドにより吊り下げられる必要はない。その代りに、パネルアセンブリを所定位置に固定することができ、また潤滑材3705を一連のバルブにより真空チャンバ3702内にまたは真空チャンバ3702から移動させることができる。流体がチャンバからほとんど無くなるまでの間、チャンバは排気される。排気後、チャンバ内の流体レベルはチャンバ内に追加の流体を流すことにより増加される。流体はアセンブリ3500が流体中に浸されるまで加えられる。パネルを流体中に浸した後、本システムは、ギャップを流体で充填するために大気圧まで換気される。
【0234】
別の実施形態では、チャンバ3702は液体3704などの液体で充填されないが、その代り、チャンバ3702は、排気された後に気体で再充填される(backfilled)。再充填する気体の例としては、不活性ガス(アルゴン、窒素)、気相潤滑材、特定の反応性ガス、または上記の任意の組み合わせが挙げられる。反応性ガスは、MEMS変調器の移動面と反応することができる気体であるか、あるいはその上に蒸着することができる気体である。反応性ガスは、界面エネルギーを低減することにより化学的に移動面の粘着性を和らげるか低減することができる。その例としては限定するものではないが、ジメチルジクロロシラン(DDM)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリクロロシラン(FDTS)が挙げられる。気相潤滑材は、装置の動作の間中実質的に気相状態のままであり、同様にして表面を和らげることができる気体である。その例としては限定するものではないが、六フッ化硫黄、そしてメタノール、エタノール、アセトン、エチレングリコール、グリセリン、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ジエチルベンゼンの気相形態、または上記の任意の混合物とが挙げられる。
【0235】
チャンバ3702内の流体充填処理は、セルレベルまたはパネルレベルで実行されてよい。組立工程3600では、単一化工程3622は流体充填工程3624に先行する。このことは、個々のディスプレイ用のセルアセンブリが流体充填のために真空チャンバ3702内に装填されるということを意味する。真空チャンバ3702は、複数のディスプレイが同時に流体で充填されるように、単一のポンプダウン作業で複数の個々のディスプレイを保持し浸すことができるプラッタを含むことができる。あるいは、これらの工程の順番を逆にしてアセンブリ3500などの完全なパネルアセンブリを真空チャンバ内に装填することも可能である。このとき、パネル上のディスプレイのそれぞれの中のギャップは同時に排気され充填される。次に、流体充填工程3624が完了した後、ダイシングまたは単一化処理3622が始まる。
【0236】
セルアセンブリは、充填用穴を密封することを含む方法3600の工程3626で完了する。流体は、工程3614で周縁シール内に残された充填用穴3418を通って、工程3624において基板間の空間内に入る、あるいは導入された。この穴は、ディスプレイアセンブリからの流体の漏れを防ぐために組立工程の終わりに接着剤で埋められる。工程3626の一部としてそして充填材穴を密封することに先立って、加圧機を介しセルに圧力を印加することができる。加圧は2つの基板を押し付け、一方の基板上に作製されたスペーサを他方の基板に密着させる。これにより、2つの基板間に一様なギャップまたは間隔を設定する。次に、充填用穴3418は、ディスプレイから圧力を取り除く前に接着剤で密封される。一旦密封されると、セル内の密封されかつ流体で充填されたチャンバは基板が周囲条件下で分離するのを防ぐ。工程3626で使用される接着剤は、熱的硬化、UV硬化、またはマイクロ波硬化を使用することにより硬化される重合体接着剤であってよい。方法3600の終了後にディスプレイを組み立てる最終工程は、総じてモジュール組立工程と称することが多い。モジュール組立は、制御および駆動回路を含む一つまたは複数のシリコンチップをガラス基板に直接取り付ける工程、ディスプレイと外部装置を相互接続するためのフレキシブル回路をボンディングする工程、コントラストフィルタなどの光学フィルムをボンディングする工程、バックライトを貼り付ける工程、そしてディスプレイを支持構造体または筐体内に実装する工程を含む。フレキシブル回路は単純な配線で構成されてもよいし、あるいは抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランジスタ、または集積回路などの追加の電気的素子を含んでもよい。
【0237】
MEMSアップディスプレイ構成に適用されるセル組立方法3600について以下に精査する。その実施例は図5と図8のディスプレイアセンブリ500と2400により与えられる。MEMSアップディスプレイ構成では、制御マトリックスとMEMS変調器アレイの両方は工程3606と3608で第1の基板上に作製される。この実施例は変調器基板504または2418として与えられる。アパーチャ層は工程3610で第2の基板上に蒸着される。
【0238】
ディスプレイアセンブリ3100に関して考察されたように、第2の基板上に制御マトリックスを作製することができる一方でMEMS変調器アレイが第1の基板上に作製される実施形態がある。2つの基板は導電スペーサにより電気的に連通する。
【0239】
MEMSアップディスプレイ構成では、第2の基板はカバープレート(カバープレート522など)と呼ばれる。工程3610で作製されるアパーチャ層はブラックマトリクス層(ブラックマトリクス524など)と呼ばれ、アパーチャアレイにパターン化される。ブラックマトリクス層は、ディスプレイの周囲コントラストを向上させるために光吸収物質で構成されることが好ましい。組立後、ブラックマトリクスアパーチャは変調器基板上に配置されるMEMS光変調器と重なることが好ましい。
【0240】
MEMSアップディスプレイ組立方法3600では、カバープレートすなわち工程3604で設けられる第2の基板は透明材料すなわちプラスチックまたはガラスから成ることが好ましい。しかしながら、MEMSアップ組立方法では、工程3602で設けられる変調器基板は、シリコンなどの不透明な材料で作ることができる。例えば、反射式MEMSアップディスプレイでは、第1の基板(例えばシリコン)は、工程3606または3608において反射層で覆うことができる。透過式MEMSアップディスプレイでは、第1の基板に使用される不透明な材料は、アパーチャ508などのアパーチャの位置のスルーホールアレイを用いてエッチングすることができる。
【0241】
MEMSアップディスプレイアセンブリ3600では、スペーサは工程3612で貼り付けられ、シール材は工程3614で第1または第2の基板(すなわち変調器基板またはカバープレート)に貼り付けられる。
【0242】
MEMSアップディスプレイ組立方法3600における後続の工程はMEMSダウンディスプレイ組立方法3600と同様であり、アラインメント工程3618、シール材の硬化工程3620、パネルから個々のディスプレイを分離する工程3622、そして流体充填工程3624を含む。
【0243】
アライメント装置3600に関して説明されたように、MEMSアップまたはMEMSダウン構成の組立方法3600は、エレクトロウェッティングディスプレイとローリングアクチュエータディスプレイを含む多くの代替MEMS光変調器技術に適用可能である。MEMSアップディスプレイ組立方法3600は、特に干渉変調器ディスプレイとMEMS光タップ変調器ディスプレイに適用可能である。
【0244】
図22には、MEMS光変調器を内蔵するディスプレイ装置を組み立てるための代替方法を例示する。方法3800は、方法3600に関して説明されたMEMSダウン構成またはMEMSアップ構成のいずれかの構成でディスプレイを組み立てるために採用することができる。方法3600と同様に、組立方法3800は、ディスプレイ部品が作製される(工程3806、3608、3810)2つの基板を設けること(工程3802と3804)で始まる。方法3800は、2つの基板の一方または両方にスペーサ(工程3812)とシーリング材(工程3814)を貼り付ける工程に続く。方法3800はまたディスプレイアセンブリ内のギャップを流体で充填する工程(工程3118)を含む。しかしながら、方法3600とは対照的に、流体充填(工程3818)とディスプレイ組立(工程3820、3822、3824)の順序は逆転される。組立方法3800は時に液晶滴下法(one−drop fill method)と呼ばれる。
【0245】
組立方法3800は、第1と第2の基板を設けること(工程3802と3804)で始まり、制御マトリックスの作製(工程3806)、MEMS変調器アレイの作製(工程3808)、アパーチャ層の作製(工程3810)、スペーサの作製(工程3812)と続く。これらの工程は組立方法3600における対応する工程に用いられたのと実質的に同じ組立工程を含む。
【0246】
方法3800はシール材の貼り付けを含む工程3814に続く。シール材貼り付け工程3612で用いられたように、同様のシール材と同様の分配方法を工程3814で適用することができる。しかしながら工程3814では、いかなるギャップまたは充填用穴も、ディスプレイのアクティブ領域の周縁部のシール材内に残されない。
【0247】
接着剤塗布工程3616と同様の随意の導電接着剤貼り付け工程3816が続く。
【0248】
方法3800は液体の貼り付けを含む工程3818に続く。潤滑性および他の電気的、機械的、光学的性質を含む適用可能な液体についてはディスプレイ装置500に関して既に述べた。液体充填工程(工程3800)では、装置3700などの真空充填装置は必要ない。適切な量の流体を、第1または第2の基板の一方の開放面上に直接分配することができる。この基板は、一般的には、気泡が溜まるかもしれない空洞または凹部面を含むMEMS部品を有さないので、流体はアパーチャ層が形成される第2の基板上に分配されることが好ましい。パネル3404のように、基板が複数のディスプレイを内蔵する大きなパネルである場合、適切な量の流体が各アレイのアクティブ領域内に分配される。一般的には、流体は、シール材3414の周縁により制限されるまで基板の表面全体に広がる。適切な量の流体は、周縁シールにより画成される空洞を完全に充填する。いくつかの実施形態では、パネル上の個々のアレイの実際の周縁寸法を測定することにより充填前に空洞ごとの正確な容積を確定するために、光学的測定ツールが用いられる。
【0249】
方法3800は2つの基板のアラインメントを含む工程3820に続く。潤滑流体は基板の一方に既に塗布されているので、工程3800に必要なアライメント装置は装置3300により示されたものと異なる。基本的な相違として、このアライメント動作は減圧または真空状態下で行なわれることが好ましい。このことは、アラインメント用に設けられた可動部品および視覚システムの部品の多くだけでなく第1と第2の基板は、今度は、真空チャンバ(アラインメントチャンバと呼ぶ)内で処理されることを意味する。
【0250】
動作中、2つの基板はアラインメントチャンバに導かれ、チャンバは排気されるであろう。流体(工程3818で既に分配された)の蒸発を防ぐために、チャンバは潤滑流体の平衡蒸気圧に再充填されてもよい。2つの基板がアライメントされ接着された後、潤滑流体は2つの基板のそれぞれの表面と接触してMEMS光変調器の可動部のそれぞれを実質的に取り囲む。基板同士が接触され流体がその全表面を濡らした後、アラインメントチャンバは換気され大気圧に戻される(工程3822)。部分的な硬化処理はまた、基板同士が接着された後に接着剤に適用されてよい。接着剤は、熱的手段または真空チャンバ内に設置されたUVランプにより硬化することができる。
【0251】
潤滑流体が高い蒸気圧を有する、すなわち潤滑流体が常温で直ちに蒸発するいくつかの実施形態では、パネルがアラインメントチャンバ内に導かれる前に、工程3818において流体を分配することは実用的ではないかもしれない。この実施形態では、アラインメントチャンバが排気され潤滑材の蒸気圧で再充填された後、ノズルを設け2つの基板のアライメント工程の直前に基板の一方の上に潤滑流体を分配することができる。
【0252】
工程3820でのアライメント動作中にシール材が完全には硬化されなかった場合、別の硬化工程が工程3824において適用される。工程3824の硬化は、熱硬化、UV硬化、またはマイクロ波硬化のいずれかとして実行されてよい。
【0253】
方法3800は、複数のアレイを含む大きなパネルから個々のディスプレイアレイを随意に分離することを含む工程3826で完了する。セル組立工程が、この時点まで、図18と図19において説明されたように大きなパネル処理に従って進んだ場合のみ、このような分離は必要とされる。工程3806〜3814で変調基板とアパーチャ板が個々のディスプレイの形態で作製される場合、最終分離工程は必要ない。この分離は、スクライブ&ブレーク処理により、またはダイシングソーを使用することにより実現することができる。
【0254】
方法3600の終了後にディスプレイを組み立てる最終工程は、総じてモジュール組立工程と称することが多い。モジュール組立は、制御および駆動回路を含む一つまたは複数のシリコンチップをガラス基板に直接取り付ける工程、ディスプレイと外部装置を相互接続するためのフレキシブル回路をボンディングする工程、コントラストフィルタなどの光学フィルムをボンディングする工程、バックライトを貼り付ける工程、そしてディスプレイを支持構造体または筐体内に実装する工程を含む。フレキシブル回路は単純な配線で構成されてもよいし、あるいは抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランジスタ、または集積回路などの追加の電気的素子を含んでもよい。
【0255】
図23は、本発明の例示的実施形態による、液晶光変調器602を内蔵するディスプレイ装置600の断面図である。ディスプレイ装置は、2つの透明基板606と608の間に挟まれた液晶材料604を含む。液晶材料の両端に印加される電圧を調整するための電極アレイ610と612が2つの基板のそれぞれの上に形成される。ディスプレイ装置600は、電極610と612において選択された電圧に依存して、液晶材料604を通過する光の分極特性を変えることにより光を変調する。
【0256】
基板606上に配置された裏面向きの反射層(反射膜614)は、液晶光変調器602の下方に位置する複数の表面アパーチャ616を画定する。反射膜614は、表面アパーチャ616を通過しない光を反射してディスプレイ装置600の裏面に向けて戻す。反射性アパーチャ層614は、スパッタリング、蒸発、イオンメッキ、レーザー切断、または化学蒸着法を含む多くの蒸着技術により薄膜状に形成された、介在物を含まない微粒子金属膜であってよい。別の実施形態では、裏面向きの反射層614は、誘電体ミラーなどのミラーで形成することができる。誘電体ミラーは、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料を繰り返す誘電体薄膜の積層として作製される。
【0257】
液晶ディスプレイ装置600は、随意のディフューザ622、および/または基板606を平面状の光導波路616から分離する随意の輝度増強膜624を含む。光導波路は透明材料すなわちガラスまたはプラスチック材料で構成される。光導波路616はバックライトを形成する一つまたは複数の光源618により照明される。反射器619はランプ618からの光を光導波路616に向けて導くのを助ける。前面向きの反射膜620は光導波路616の背面に配置され、光を液晶変調器602の方に反射する。シャッタ液晶変調器602の一つを通過しないバックライトからの光線は、バックライトに戻され膜620により再び反射される。このようにして、画像を形成するためにディスプレイを離れることに最初に失敗した光を再利用することができ、液晶変調器602のアレイ内の他の開いたアパーチャを透過するのに利用できるようになる。
【0258】
光導波路616は、ランプ618からの光をアパーチャ616に向かって、したがってディスプレイの前面に向かって再度導く一組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム617を含む。光リダイレクタは、その断面が三角形、台形、または曲線状であってよい光導波路616のプラスチック本体内に成型されてよい。プリズム617の密度は通常、ランプ618からの距離とともに増加する。
【0259】
板金または成型プラスチックアセンブリブラケット632は、カバープレート608、基板606、バックライト616、および他の構成部分をエッジのまわりに一緒に保持する。アセンブリブラケット632は、合体されたディスプレイ装置600の剛性を増すために、ねじまたはインデントタブで固定される。反射器636は、光導波路616のエッジから漏れる光を光導波路内に戻すのを助ける。
【0260】
図24Aは、本発明の例示的実施形態によるMEMSアップ構成のディスプレイモジュールアセンブリ700の断面図を与える。図24Bは、ディスプレイアセンブリ700の分解等角投影図を与える。モジュールアセンブリは一つまたは複数のランプ702、光導波路704、MEMS変調器基板706、カバープレート708、駆動回路710、モジュールスペーサ712、アセンブリブラケット713と714、およびフレキシブル電気配線716と718を含む。ディスプレイ装置500に関し例示されたものと同様に、モジュールアッセンブリ700はまた、作動流体720、セルスペーサ(図23に図示せず)、およびシール材722を含む。モジュールアッセンブリはまた、基板706と708間の電気的接続724を含む。アセンブリは前面向きの反射器膜728を含む。
【0261】
MEMS変調器基板706、カバープレート708、セルスペーサ、作動流体720、そしてシール722の組み合わせは、しばしばセルアセンブリ705と呼ばれる。セルアセンブリのアラインメント、流体充填、そして密封のための技術は、すでに米国特許出願第11/731,628号明細書と米国仮特許出願第60/930,872号明細書で説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0262】
セルアセンブリの部品を合体した後、モジュール700組立工程は次のように進む。最初に、駆動回路710がセルアセンブリ705に取り付けられる。駆動回路710はブロック線図150の一部として例示された機能ブロック(タイミング調整回路、バッファメモリー、スキャンドライバ、データドライバ、そして共通ドライバを含む)のいずれかまたはすべてを含むシリコンチップであってよい。電気的接続は、異方性導電接着剤726により駆動回路710と基板706上の配線との間でなされる。モジュール組立の第2の工程では、フレキシブル電気配線716はまた、異方性導電接着剤によりセルアセンブリ705に貼り付けられる。モジュール組立の随意の第3の工程では、一つまたは複数のランプ702が光導波路704に取り付けられる。ランプはまたフレキシブル電気配線718に取り付けられる。組立の随意の第4の工程では、前面向きの反射器728がモジュールスペーサ712の底面に取り付けられる。組立の第5の工程では、モジュールスペーサ712がアセンブリブラケット714内に挿入される。そして組立の第6の工程では、光導波路を始めとする残りの部品はすべてモジュールスペーサ712上またはその中の所定の位置に取り付けられる。組立の最終工程では、アセンブリブラケット713はセルアセンブリ705の上方の所定の位置に取り付けられる。
【0263】
アセンブリブラケット713は、ブラケット713をブラケット714に強固に接続することによりディスプレイモジュールの筐体を完成させるインデントタブを含む。モジュールスペーサ712は、モジュールの部品間の機械的なアラインメントを容易にしかつ維持するためのいくつかの形状部を含む。例えば、位置決め面730と732は、組立後のランプ702の動きを制限するのに役立つ。スペーサ712内のこのような面は、ランプ702と光導波路704間の適切なx−yアラインメントを維持するのに役立つ。モジュールスペーサ712内にこのような位置決め面(時には収納ポケットと呼ばれる)を適切に設計することにより、部品が手で組み立てられることになった場合でも部品間で高度のアラインメントを維持することができる。同様に、光導波路704とMEMS変調器基板706間のx−yアラインメントは、位置決め面734と736によりそれぞれある程度保証される。
【0264】
アセンブリ700の部品間の縦方向アライメントもまたモジュールスペーサ712内に設計された位置決め面により維持される。MEMS変調器基板706は例えば位置決め面740により形成される棚の上に載る。基板706は基板706の周縁部のいくつかの点で位置決め面740により支持される。同様に、光導波路704は位置決め面742上に載る。エアギャップ744が光導波路704とMEMS変調器基板706間に設定された。位置決め面740と742間の垂直距離が光導波路704の厚さより意図的に大きくなっているため、このエアギャップは維持される。エアギャップ744は、光導波路内で光を分散する光導波路704の上面で全内部反射を利用できるようにするので、有用な機能を果たす。加えて、エアギャップは、ディスプレイ500内の光線521などの光線がディスプレイの光共振器(例えば反射膜506と前面向きの反射器膜520との間に形成された)の2つの反射面間ではね返るのを邪魔しない。
【0265】
モジュールアセンブリ700では、位置決め面742は光導波路の周縁に沿ってのみ光導波路704を支持する。ディスプレイの表示エリア内の光導波路704の下のモジュールスペーサ712内には開放エリアが残される。モジュールスペーサ712はまた、面742の反対側の面の周縁に沿って位置決め面746を含む。前面向きの反射器728は接着剤で位置決め面746に貼り付けられる。このようにして、エアギャップもまた前面向きの反射器728と光導波路704間に設けられる。代替の実施形態では、前面向きの反射器728はアセンブリブラケット714に直接接着される。
【0266】
モジュールスペーサ712はプラスチックまたは金属材料で作製することができる。磨き上げた金属材料は、その表面が光導波路704から脱出する光を反射して光共振器内に戻すので有用である。モジュール700の特定の実施形態では、スペーサ712はポリカーボネートの射出成形により作製される。ポリカーボネートは白色に染められ、そのエッジは光共振器内に戻る光の反射を増強するために滑らかである。この部品に適用可能な他のプラスチック材料としては限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、またはエポキシ材料が挙げられる。これら材料は、熱可塑性か熱硬化性のいずれかを使用することにより成型することができる。いくつかの実施形態では、モジュールスペーサは、電磁障害から保護するために導電性高分子または高分子複合材料で形成することができる。
【0267】
モジュールスペーサ712は、通常、光導波路704とMEMS変調器基板706をその基板の周縁に沿ってのみ支持する。但し、アセンブリブラケット713と714はモジュールを、底部、側面、そしてまた上面の非可視部分に沿って完全に取り囲むように設計される。アセンブリブラケットの側面には、フレキシブル電気配線716と718を収容するためのギャップが残される。インデントタブにより接続されると、アセンブリブラケット713と714はディスプレイモジュールに機械剛性を与える。板金で形成された場合、アセンブリブラケットはまた、ディスプレイの電子遮蔽化と電磁障害からの保護とを実現する。いくつかの実施形態では、モジュールスペーサ712とアセンブリブラケット714の機能は、複合構造で合成することができる。このような複合構造では、プラスチック部品は、板金から成る基部の上またはその周囲に成型され、そして永続的に基部に接着される。プラスチック成形が完了した後、すべての板金突出部はさらに曲げられるかあるいは折り返されてインターロック筐体の一部を形成することができる。
【0268】
いくつかの実施形態では、モジュールスペーサ712上のそれぞれの位置決め面に沿った部品の移動を防ぐために、接着剤がセルアセンブリおよび/または光導波路704の周縁に沿って塗布される。他の実施形態では、弾性材(合成スポンジまたはゴム材料)が、部品間、例えば光導波路704と変調器基板706間および/またはカバープレート708とアセンブリブラケット714間に挿入される。弾性材は、アセンブリブラケット713と714を取り囲んだ後で圧縮することができ、これにより部品のさらなる移動を防ぐ。弾性材はまた機械的衝撃からディスプレイ部品を保護する。いくつかの実施形態では、アセンブリブラケット713または714内のインデントまたはタブとアライメントする突出部がスペーサ712内に設けられる。これらの位置検知用突出部はアセンブリブラケット714内のスペーサ712の移動を防ぐ。
【0269】
好ましい実施形態では、MEMS変調器基板706は光変調器200と220などのシャッタベースのMEMS変調器アレイを含むが、非シャッタベースのMEMS光変調器を含む基板を本発明では有効に利用することができる。基板706上に配列することができる適用可能な非シャッタベースの変調器としては、光タップ250とエレクトロウェッティングベースの光変調器2400が挙げられる。
【0270】
代替の実施形態では、ディスプレイ装置600のセル部品は、ディスプレイ装置700におけるMEMS光変調器と置換可能である。例えば、基板606はMEMS変調器基板706と置換可能であり、基板608はカバープレート708と置換可能である。本発明の液晶実施形態では、流体720は液晶材料604で置き換えることができる。モジュールスペーサ712の設計により得られる同様な利点は、モジュールスペーサ712が液晶ディスプレイ装置600に使用される場合にも適用される。
【0271】
図25は、本発明の例示的実施形態による、MEMSアップ構成におけるディスプレイモジュールアセンブリ800の詳細な図を与える。モジュールアッセンブリは、一つまたは複数のランプ802、光導波路804、変調器基板806、カバープレート808、駆動回路810、モジュールスペーサ812、前面向きの反射器828、アセンブリブラケット813と814、そしてフレキシブル電気配線816と818を含む。
【0272】
アセンブリ800の部品間の縦方向アライメントもまた、モジュールスペーサ812内に設計された位置決め面により維持される。MEMS変調器基板806は例えば、位置決め面836により形成される棚の上に載る。基板806は基板806の周縁部のいくつかの点で位置決め面836により支持される。同様に、光導波路804は、モジュールスペーサ812上の位置決め面836の正反対側に位置する位置決め面840上に載る。エアギャップ844は、ディスプレイの周縁に沿った基板間にモジュールスペーサ812を挿入することにより光導波路804とMEMS変調器基板806間に設定された。モジュールスペーサ812の形状は、基板804と806の周縁に沿ったいくつかの点でスペーサ材料が2つの基板間に配置されるように設計された。
【0273】
モジュールアセンブリ800はまた弾性挿入物850と852を含む。弾性挿入物850はカバープレートとアセンブリブラケット813間に配置される。弾性挿入物852は光導波路804とアセンブリブラケット814間に配置される。弾性挿入物はブラケット813と814の封入中に圧縮でされ得るように弾性材(合成スポンジまたはゴム材料)で構成される。弾性挿入物は、光導波路804と変調器基板806が位置決め面840と836に対しそれぞれ確実に直接押しつけられるようにする。弾性材はまた機械的衝撃からディスプレイ部品を保護する。いくつかの実施形態では、前面向きの反射器828は、弾性挿入物852がアセンブリブラケット814と反射器828間に位置決めされるように光導波路804に直接接着される。
【0274】
図26は、本発明の例示的実施形態による、MEMSダウン構成におけるディスプレイモジュールアセンブリ900の詳細な図を与える。モジュールアッセンブリは、一つまたは複数のランプ902、光導波路904、アパーチャ板906、変調器基板908、駆動回路910、モジュールスペーサ912、前面向きの反射器928、アセンブリブラケット913と914、そしてフレキシブル電気配線916と918を含む。
【0275】
MEMS変調器基板908、アパーチャ板906、セルスペーサ、作動流体920、そしてシール922の組み合わせはセルアセンブリ905と呼ばれる。しかしながら、MEMSダウン構成では、MEMSシャッタアセンブリアレイは、基板908の光導波路904に向けられかつビューアから離れる側に作製される。その結果、駆動回路910もまた変調器基板908の底面に搭載される。
【0276】
モジュールスペーサ912は、モジュールの部品間の機械的なアラインメントを容易にしかつ維持するためのいくつかの形状部を含む。例えば、スペーサ912は、ランプ902の適切な位置決めを保証するのに役立つ位置決め面930と932を含む。同様な形状部では、光導波路904とMEMSアパーチャ板906間のx−yアラインメントは位置決め面934と936によりそれぞれある程度保証される。
【0277】
アセンブリ900の部品間の縦方向アライメントもまた、モジュールスペーサ912内に設計された位置決め面により維持される。アパーチャ板906は例えば、位置決め面940により形成された棚の上に載る。基板906は、基板906の周縁部のいくつかの点で位置決め面940により支持される。同様に、光導波路904は位置決め面942上に載る。エアギャップ944は光導波路904とアパーチャ板906間に設定された。位置決め面940と942間の垂直距離が光導波路904の厚さより意図的に大きくなっているため、このエアギャップは維持される。エアギャップ944は、光導波路内で光を分散する光導波路904の上面で全内部反射を利用できるようにするので、有用な機能を果たす。加えて、エアギャップは、ディスプレイ500内の光線521などの光線がディスプレイの光共振器(例えば反射膜506と前面向きの反射器膜520との間に形成された)の2つの反射面間ではね返るのを邪魔しない。
【0278】
モジュールアセンブリ900では、位置決め面942は光導波路の周縁に沿ってのみ光導波路904を支持する。ディスプレイの表示エリア内の光導波路904の下のモジュールスペーサ912内には開放エリアが残される。モジュールスペーサ912はまた、面942と反対側の面の周縁に沿って位置決め面946を含む。前面向きの反射器928は接着剤で位置決め面946に貼り付けられる。このようにして、エアギャップもまた前面向きの反射器928と光導波路904間に設けられる。代替の実施形態では、前面向きの反射器928はアセンブリブラケット914に直接接着される。
【0279】
本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施することができる。したがって、前述の実施形態はすべての点で例示的であり、本発明を限定するものではないと考えるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイアセンブリの製造方法であって、
それぞれが明状態と暗状態とを有する複数のMEMS光変調器が作製された第1の基板を設ける工程と、
複数のアパーチャを含む層が形成された第2の透明基板を設ける工程と、
それぞれのMEMS光変調器とアパーチャとの対応関係を設定するために前記第1の基板と前記第2の透明基板とをアライメントする工程と
を含む方法。
【請求項2】
各MEMS光変調器はエッジを有する変調素子を含み、各アパーチャは少なくとも一つのエッジを含む、請求項1に記載の方法であって、
前記第1と第2の基板をアライメントする工程は、暗状態において、前記MEMS光変調器の変調素子のエッジがその対応するアパーチャのエッジと0ミクロンを越えかつ約20ミクロン未満だけ重なるように前記第1の基板と前記第2の基板とをアライメントすることを含む方法。
【請求項3】
前記第1の基板は実質的に透明である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
接着剤により前記第1の基板を前記第2の基板に接着することにより前記アラインメントを維持する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
機械的インターロック形状部により前記第1の基板を前記第2の基板に連結することによりアラインメントを維持する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
熱リフロー可能な材料によって前記第1の基板を前記第2の基板に連結することによりアラインメントを維持する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の基板上の前記複数のMEMS光変調器は複数の光変調器アレイを含み、前記第2の基板上の前記複数のアパーチャは複数のアパーチャアレイを含む、請求項2に記載の方法であって、前記第1と第2の基板を単一化する工程を含む方法。
【請求項8】
前記第1と第2の基板はそのアラインメントに先立って単一化される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1と第2の基板はそのアラインメント後に単一化される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1と第2の基板上にアライメントマークを形成する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1と第2の基板をアライメントする工程は、アライメントマーク間のミスアラインメントの程度を監視するための視覚システムを含むアライメント装置に前記第1と第2の基板を装填することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アライメント装置は前記2つの基板の相対位置を調整するためのモーターを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アライメント装置は接着材を硬化するためのUVランプを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1と第2の基板間に一定の分離距離を設定するためのスペーサを貼り付ける工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記明状態では、光変調器は、前記第1と第2の基板の一方において反射する光の全内部反射を局所的に妨害する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記光変調器はエレクトロウェッティング変調器である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の基板上に形成される前記層は反射材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の基板上に形成される前記層は光吸収物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記暗状態では、前記MEMS光変調器の変調素子のエッジはその対応する前記アパーチャのエッジと0ミクロンを越えかつ約5ミクロン未満だけ重なる、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記第1と第2の透明基板間のギャップを埋める導電性材料を貼り付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
第1の基板上に形成されたMEMS光変調器アレイと、
前記第1の基板から一定のギャップだけ離された第2の透明基板と、
前記MEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲む、前記第1と第2の基板間に配置された液体と、
前記液体を前記2つの基板間に収容するとともに前記2つの基板間の相対運動を制限するための、前記MEMS変調器アレイを取り囲む接着シールと
を含むディスプレイアセンブリ。
【請求項22】
前記液体は潤滑剤を含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項23】
前記第1と第2の基板の一方の上に配置される反射性アパーチャ層をさらに含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項24】
前記液体は第1の屈折率を有し、前記反射性アパーチャ層が配置される前記基板は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい、請求項23に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項25】
前記液体は非導電性である、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項26】
前記液体は2.0を越える誘電率を有する、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項27】
前記液体は前記MEMS変調器アレイ内の前記MEMS変調器の表面を濡らす、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項28】
前記MEMS光変調器のそれぞれは前面と裏面を含み、前記液体は前記MEMS光変調器の前面と裏面の両方を濡らす、請求項27に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項29】
前記接着シールは高分子材料を含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項30】
前記MEMS光変調器のそれぞれは前記液体の中を制御可能に移動する構成部品を含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項31】
前記液体は単一の液体から成る、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項32】
第1と第2の透明基板を含むディスプレイアセンブリの製造方法であって、
前記第1の透明基板上にMEMS光変調器アレイを設ける工程と、
前記第1の透明基板が前記第2の透明基板から一定ギャップだけ離されるように、前記第2の透明基板を前記第1の基板に隣接して配置する工程と、
前記ディスプレイアセンブリの周縁の少なくとも一部分に沿ってシール材を貼り付ける工程と、
前記流体が前記MEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲むように、前記ディスプレイアセンブリを流体で充填する工程と、
前記ディスプレイアセンブリを流体で充填する工程後に前記シール材を硬化する工程と
を含む方法。
【請求項33】
前記流体は液体である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記流体は気体である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記流体は潤滑剤である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記シール材を貼り付ける工程は前記ディスプレイを充填する工程に先立つ、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記シール材を硬化する工程に先立って前記第1と第2の透明基板をアライメントする工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記ディスプレイアセンブリを流体で充填する工程は、前記第1と第2の透明基板をアライメントする工程に先立って前記第1と第2の透明基板の一方に前記液体を塗布することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記ディスプレイアセンブリを前記流体で充填する工程は、前記ディスプレイアセンブリを取り囲む気圧を大気圧より低い気圧まで下げることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記MEMS光変調器アレイを作製する一方で、前記第1の透明基板上に少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイを作製する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記シール材を貼り付ける工程の後に、前記MEMS光変調器アレイを前記少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイから離す工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記2つの基板間のギャップを維持するために前記第1と第2の透明基板の少なくとも一方の上にスペーサを作製する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記第1と第2の透明基板間の前記ギャップを埋める導電性材料を設ける工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
第1と第2の透明基板を含むディスプレイアセンブリの製造方法であって、
前記第1の透明基板上にMEMS光変調器アレイを設ける工程と、
前記第1の透明基板が前記第2の透明基板から一定ギャップだけ離されるように、前記第2の透明基板を前記第1の基板に隣接して配置する工程と、
前記ディスプレイアセンブリの周縁の少なくとも一部分に沿ってシール材を貼り付ける工程と、
前記第1と第2の透明基板とを連結するために前記シール材を硬化する工程と、
流体が前記MEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲むように前記シール材を硬化する工程後に前記ディスプレイアセンブリを前記流体で充填する工程と
を含む方法。
【請求項45】
前記流体は液体である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記流体は気体である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記流体は潤滑剤である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記シール材を硬化する工程に先立って前記第1と第2の透明基板をアライメントする工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記MEMS光変調器アレイを作製する一方で、前記第1の透明基板上に少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイを作製する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記シール材を貼り付ける工程の後に、前記MEMS光変調器アレイを前記少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイから離す工程をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記2つの基板間のギャップを維持するために前記第1と第2の透明基板の少なくとも一つの上にスペーサを作製する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記第1と第2の透明基板間の前記ギャップを埋める導電性材料を設ける工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記ディスプレイアセンブリに前記シール材を貼り付ける工程は、少なくとも一つの充填用穴を未密封のままにしておくことを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記ディスプレイアセンブリを充填する工程は、前記ディスプレイアセンブリを取り囲む気圧を大気圧より低い気圧まで下げることを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
前記ディスプレイアセンブリ内に前記流体を収容するために前記ディスプレイアセンブリを充填する工程の後に、前記少なくとも一つの充填用穴を密封する工程をさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
アパーチャ層が形成された第1の基板と、
前記アパーチャ層に向けて光を誘導する光導波路と、
前記光導波路から前記アパーチャ層を通過する光を変調するための複数のMEMS光変調器と、
前記光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、前記光導波路と前記第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより前記第1の基板と前記光導波路間にギャップを形成するためのスペーサと
を含むディスプレイ装置。
【請求項57】
前記スペーサは光を前記光導波路内に反射させるための反射面を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項58】
前記スペーサは、前記光導波路と前記光導波路に光を供給するためのランプ間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項59】
前記スペーサは、前記複数のMEMS光変調器の一つを制御するための、前記光導波路と電気的接続間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項60】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項61】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの一方がその上に載る棚を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項62】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの少なくとも一つの並進移動を制限するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項63】
前記光導波路と前記第1の基板のうちの少なくとも一つに接着するための、前記スペーサ上に配置された接着剤をさらに含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項64】
前記スペーサは前記光導波路と前記第1の基板間に配置される、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項65】
前記スペーサは剛性材を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項66】
前記スペーサは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリアクリレートのうちの少なくとも一つを含む、請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項67】
前記スペーサは金属を含む、請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項68】
前記スペーサは金属とプラスチックの複合材を含む、請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項69】
前記MEMS光変調器はシャッタベースの光変調器を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項70】
前記MEMS光変調器はエレクトロウェッティング光変調器を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項71】
前記スペーサは、前記光導波路と、前記光導波路に向けて光を反射させるための反射層との間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項72】
前記アパーチャ層は反射性アパーチャ層を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項73】
前記複数のMEMS光変調器は前記第1の基板上に配置される、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項74】
前記複数のMEMS光変調器は第2の基板上に配置される、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項75】
複数のMEMS光変調器と、
前記複数のMEMS光変調器を制御するための制御マトリクスが形成された第1の基板と、
前記第1の基板に向けて光を誘導する光導波路と、
前記光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、前記光導波路と前記第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより前記第1の基板と前記光導波路間にギャップを形成するためのスペーサと
を含むディスプレイ装置。
【請求項76】
前記スペーサは、前記光導波路と、前記光導波路に光を供給するためのランプとの間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項77】
前記スペーサは光を前記光導波路内に反射させるための反射面を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項78】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項79】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの少なくとも一つの並進移動を制限するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項80】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの一方がその上に載る棚を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項81】
前面向きの面と裏面向きの面を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記前面向きの面上に配置された複数のアパーチャを含む反射性アパーチャ層と、
画像を形成するために前記複数のアパーチャに向けられた光を変調する複数のMEMS光変調器と
を含むディスプレイ装置。
【請求項82】
前記第1の基板は光導波路を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項83】
前記複数のMEMS光変調器はシャッタベースの光変調器を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項84】
前記複数のMEMS光変調器はエレクトロウェッティング光変調器を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項85】
前記MEMS光変調器は前記第1の基板上に配置される、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項86】
前記第1の基板は透明である、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項87】
前記第1の基板の後方に位置する光導波路を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置であって、
前記反射性アパーチャ層は、前記反射性アパーチャ層に含まれる前記複数のアパーチャを通過しない光を反射して前記光導波路の方へ戻す、ディスプレイ装置。
【請求項88】
前記第1の基板は前記光導波路に密着する、請求項87に記載のディスプレイ装置。
【請求項89】
前記反射性アパーチャ層は、ミラー、誘電体ミラー、金属膜のうちの一つで形成される、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項90】
前記複数のアパーチャは前記複数の光変調器のそれぞれの光変調器に対応する、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項91】
前記第1の基板は、前記反射性アパーチャ層が前記複数の光変調器に近接するように配置される、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項92】
前記第1の基板は、前記第1の基板と前記光導波路間にギャップを形成するように光導波路に対して位置決めされる、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項93】
前記ギャップを充填する流体を含む、請求項92に記載のディスプレイ装置。
【請求項94】
前記流体は空気である、請求項93に記載のディスプレイ装置。
【請求項95】
前記流体は第1の屈折率を有し、前記光導波路は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率より小さい、請求項93に記載のディスプレイ装置。
【請求項96】
前記複数のMEMS光変調器を制御するためのアクティブマトリクス制御マトリクスを含む、請求項81に記載のディスプレイ装置であって、
前記アクティブマトリクスはそれぞれのMEMS光変調器に対応する少なくとも一つのスイッチを含む、ディスプレイ装置。
【請求項97】
前記第1の基板の前記前面向きの面の前に配置された第2の基板を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項98】
前記複数のMEMS光変調器は前記第2の基板上に形成される、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項99】
前記複数のMEMS光変調器は前記第2の基板の裏面向きの面上に形成される、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項100】
前記複数のMEMS光変調器を制御するための、前記第2の基板上に形成された制御マトリクスを含む、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項101】
前記第2の基板は透明である、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項102】
前記第1と第2の基板間の横方向のアラインメントを維持するための機械的インターロック形状部をさらに含む、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項103】
前記機械的インターロック形状部は、前記第1と第2の基板の相対的側方移動をどの方向にも5ミクロン未満に制限する、請求項102に記載のディスプレイ装置。
【請求項104】
前記第1と第2の基板間の横方向のアラインメントを維持するための接着剤を含む、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項105】
前記接着剤は、前記第1と第2の基板の相対的側方移動をどの方向にも5ミクロン未満に制限する、請求項104に記載のディスプレイ装置。
【請求項106】
前記第1の基板は光導波路と前記第2の基板間に配置される、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項107】
前記第1の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板間のギャップを形成するように前記第2の基板に対して位置決めされる、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項108】
前記ギャップを維持するためのスペーサを含む、請求項107に記載のディスプレイ装置。
【請求項109】
前記ギャップを充填する流体を含む、請求項108に記載のディスプレイ装置。
【請求項110】
前記ギャップを充填する液体を含む、請求項109に記載のディスプレイ装置。
【請求項111】
前記流体は潤滑剤である、請求項109に記載のディスプレイ装置。
【請求項112】
前記流体は第1の屈折率を有し、前記基板は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい、請求項109に記載のディスプレイ装置。
【請求項113】
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1と第2の基板の一方の上に形成されたMEMS光変調器アレイと、
前記アレイ内に設置されるスペーサであって、第1の端部において前記第1の基板と一体的に形成されるかまたは接続され、かつ第2の端部において前記第2の基板と接続されるスペーサと
を含むディスプレイ装置。
【請求項114】
前記第1と第2の基板の一方への前記スペーサの接続は、この基板上に蒸着された少なくとも一つの薄膜の積層への接続を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項115】
前記薄膜は、反射性アパーチャ層、光吸収層、およびカラーフィルタのうちの一つを含む、請求項114に記載のディスプレイ装置。
【請求項116】
前記スペーサは前記第1の基板からエッチングされる、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項117】
前記スペーサは前記第1の基板上に蒸着された膜からエッチングされる、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項118】
前記第1の基板と前記第2の基板は実質的に剛性である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項119】
前記第1の基板と前記第2の基板は実質的に可撓性である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項120】
前記第1の基板と前記第2の基板の一方は実質的に剛性であり、前記第1の基板と前記第2の基板の他方は実質的に可撓性である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項121】
前記スペーサは絶縁材料で形成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項122】
前記第1の基板はディスプレイ装置の前面を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項123】
前記第2の基板はディスプレイ装置の前面を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項124】
前記第1と第2の基板とは別個の光導波路を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項125】
複数の追加のスペーサを含む、請求項113に記載のディスプレイ装置であって、
前記スペーサと前記複数の追加のスペーサは、「4つの光変調器当たり一つのスペーサ」以下のスペーサ密度で前記アレイ内に配置される、ディスプレイ装置。
【請求項126】
複数の追加のスペーサを含む、請求項113に記載のディスプレイ装置であって、
前記MEMS光変調器はそれぞれの表示ピクセルに対応し、前記それぞれの表示ピクセルのそれぞれは少なくとも一つのスペーサを含む、ディスプレイ装置。
【請求項127】
前記スペーサは、前記第1の基板上の電気部品と前記第2の基板上の電気部品との間の電気的接続を形成する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項128】
前記スペーサは重合体で形成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項129】
前記スペーサは金属で形成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項130】
前記MEMS光変調器は光の通過を選択的に妨害するように構成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項131】
前記MEMS光変調器はシャッタベースの光変調器を含む、請求項130に記載のディスプレイ装置。
【請求項132】
前記MEMS光変調器はエレクトロウェッティングベースの光変調器を含む、請求項130に記載のディスプレイ装置。
【請求項133】
前記MEMS光変調器は光導波路から光を選択的に抽出する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項134】
前記スペーサは前記MEMS光変調器の一つにおける構成部品の移動範囲を制限する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項135】
前記スペーサは前記第2の基板上に形成されたアライメント用素子と嵌合する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項136】
前記第1の基板と前記第2の基板間のギャップを充填する流体を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項137】
前記流体は潤滑剤を含む、請求項136に記載のディスプレイ装置。
【請求項138】
前記第1の基板と前記第2の基板のうちの少なくとも一つは実質的に透明である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項139】
前記スペーサは約1ミクロンから約10ミクロンの間の高さである、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項140】
第1の透明基板と、
アレイ光変調器が形成された第2の透明基板と、
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とをアライメントする、熱リフロー可能な材料で形成されたスペース要素と
を含むディスプレイ装置。
【請求項141】
前記熱リフロー可能な材料は摂氏約150度と約400度の間で実質的な液体状態を得る、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項142】
前記スペース要素は、前記第1の透明基板を前記第2の透明基板に接合する接着剤として機能する、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項143】
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板の一方の上に形成された反射性アパーチャ層を含む、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項144】
前記光変調器はMEMS光変調器を含む、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項145】
前記スペース要素は前記光変調器アレイの周縁に配置される、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項146】
前記スペース要素は前記光変調器アレイ内に配置される、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項147】
前記熱リフロー可能な材料は、金属、プラスチック、およびガラスのうちの一つを含む、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項148】
前記熱リフロー可能な材料は、実質的に液体状態のとき、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板の両方の上の形状部の表面を濡らす、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項149】
前記接着剤は熱リフロー可能な材料を含む、請求項104に記載のディスプレイ装置。
【請求項150】
材料層内に形成された、それぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のアパーチャと、
前記材料層とディスプレイ装置の所望のビューアとの間に配置されたシャッタベースのMEMS光変調器アレイと、
対応する一つまたは複数のアパーチャを通る光の通過を選択的に妨害するための光遮断部分を有するシャッタを含む各光変調器と
を含むディスプレイ装置であって、
前記シャッタは、閉位置では、前記シャッタの前記光遮断部分がその対応する一つまたは複数のアパーチャの少なくとも一つのエッジと重なるように形作られ、
前記アレイは前記材料層から一定ギャップだけ離され、
前記重なりは前記ギャップの寸法に比例し、かつ前記ギャップの寸法以上である、ディスプレイ装置。
【請求項151】
前記重なりは約1ミクロン以上である、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項152】
前記重なりは約1ミクロンから約10ミクロンの間である、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項153】
前記重なりは約10ミクロンより大きい、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項154】
前記シャッタは光の通過を許容する一つまたは複数のシャッタアパーチャを含み、各シャッタアパーチャは、前記シャッタに対応する前記一つまたは複数のアパーチャの一つに対応する、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項155】
前記材料層は実質的に反射性である、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項156】
前記材料層は金属を含む、請求項155に記載のディスプレイ装置。
【請求項157】
前記材料層は誘電体ミラーを含む、請求項155に記載のディスプレイ装置。
【請求項158】
光導波路を含む、請求項155に記載のディスプレイ装置であって、
前記材料層は、バックライトを脱出する光を反射して前記光導波路に向けて戻す、ディスプレイ装置。
【請求項159】
前記材料層の前記アレイに面した側に蒸着される光吸収材料を含む、請求項155に記載のディスプレイ装置。
【請求項160】
前記バックライトの裏側に配置された第2の反射層を含む、請求項159に記載のディスプレイ装置。
【請求項161】
前記アレイは前記材料層上に形成される、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項162】
前記材料層は光導波路上に蒸着される、請求項161に記載のディスプレイ装置。
【請求項163】
前記アレイは前記第1の基板上に形成され、前記材料層は前記第1の基板以外の第2の基板上に蒸着される、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項164】
前記アレイは、前記第1の基板の前記ビューアから離れて面する側に形成される、請求項163に記載のディスプレイ装置。
【請求項165】
光導波路を含む、請求項163に記載のディスプレイ装置であって、
前記第2の基板は前記第1の基板と前記光導波路間に配置される、ディスプレイ装置。
【請求項166】
前記光変調器内のシャッタを前記材料層から約所定距離だけ離しておくための、前記材料層と前記アレイ間に配置されたスペーサを含む、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項167】
前記光変調器と前記材料層間に少なくとも配置された液体を含む、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項168】
前記液体は潤滑剤である、請求項167に記載のディスプレイ装置。
【請求項169】
前記液体は前記材料層が形成される基板の屈折率より大きい屈折率を有する、請求項167に記載のディスプレイ装置。
【請求項170】
光導波路を含む、請求項167に記載のディスプレイ装置であって、
前記液体は前記光導波路の屈折率より大きい屈折率を有する、ディスプレイ装置。
【請求項171】
前記第2の基板の屈折率より大きい屈折率を有する光導波路と液体を含む、請求項163に記載のディスプレイ装置であって、
前記第2の基板は前記第1の基板と前記光導波路間に配置され、前記液体は少なくとも前記第2の基板と前記光変調器間に配置される、ディスプレイ装置。
【請求項172】
前記シャッタの前記材料層に面した側は反射材料で覆われる、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項173】
前記シャッタの前記材料層に面した側は光吸収材料で覆われる、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項174】
前記シャッタの前記材料層から見て外方に向く側は光吸収材料で覆われる、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項175】
透過的に画像を表示するエレクトロウェッティングベースの光変調器アレイと、
前記アレイに隣接して配置された反射性アパーチャ層であって、前記反射性アパーチャ層内のアパーチャを通過しない光を反射して前記アレイから離れさせるための反射性アパーチャ層と
を含むディスプレイ装置であって、
前記画像は、前記反射性アパーチャ層内の前記アパーチャを通過し前記アレイにより変調された光で形成される、ディスプレイ装置。
【請求項176】
前記反射性アパーチャ層の前記アレイとは反対側に配置されたバックライトを含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項177】
前記反射性アパーチャ層に向けて光を反射するために、前記反射性アパーチャ層の前記アレイとは反対側に配置された第2の反射層を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項178】
前記バックライトと前記反射性アパーチャ層との間の前記光導波路に連結された低屈折率材料の層を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項179】
前記エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは、第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層とエレクトロウェッティング制御ブラック層とを含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項180】
前記第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層は、それぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御カラー変調セルを含み、
前記エレクトロウェッティング制御ブラック層は、前記カラー変調セルの一つまたは複数に対応するそれぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御光吸収セルを含み、
前記各光吸収セルの少なくとも一つのエッジは、対応する一つまたは複数のカラー変調セルの少なくとも一つのエッジと重なる、請求項179に記載のディスプレイ装置。
【請求項181】
前記第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層はエレクトロウェッティング制御カラー変調セル群を含み、所与の群内の各セルは異なる色の光を変調する、請求項179に記載のディスプレイ装置。
【請求項182】
第2と第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層を含む、請求項179に記載のディスプレイ装置であって、
前記第1、第2、第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層のそれぞれは異なる色の光を変調する、ディスプレイ装置。
【請求項183】
前記バックライトに光を放射するための光源を含む、請求項176に記載のディスプレイ装置。
【請求項184】
前記光源は白色光を放射する、請求項183に記載のディスプレイ装置。
【請求項185】
前記光源は少なくとも3つの異なる色の光を順次放射する、請求項183に記載のディスプレイ装置。
【請求項186】
前記光源は、それぞれが前記3つの異なる色の一つに対応する少なくとも3つの光源を含む、請求項185に記載のディスプレイ装置。
【請求項187】
前記反射性アパーチャ層は金属を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項188】
前記反射性アパーチャ層は誘電体ミラーを含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項189】
前記エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは複数のエレクトロウェッティング光変調セルを含み、前記セルのそれぞれは前記反射性アパーチャ層内のアパーチャに対応する、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項190】
前記アパーチャのそれぞれは少なくとも一つのエッジを有し、各セルは光変調用流体の層を含み、非作動状態のとき、前記セルの光変調用流体はその対応するアパーチャの前記少なくとも一つのエッジの一部と重なる、請求項189に記載のディスプレイ装置。
【請求項191】
前記エレクトロウェッティングベースの光変調器は電極層を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項192】
前記電極層は前記反射性アパーチャ層と前記光変調用流体間に配置される、請求項191に記載のディスプレイ装置。
【請求項193】
前記反射性アパーチャ層は第1の基板上に配置され、前記電極層は前記第1の基板とは別の第2の基板上に配置される、請求項191に記載のディスプレイ装置。
【請求項194】
光変調用流体が前記反射性アパーチャ層と前記電極層間に配置される、請求項191に記載のディスプレイ装置。
【請求項1】
ディスプレイアセンブリの製造方法であって、
それぞれが明状態と暗状態とを有する複数のMEMS光変調器が作製された第1の基板を設ける工程と、
複数のアパーチャを含む層が形成された第2の透明基板を設ける工程と、
それぞれのMEMS光変調器とアパーチャとの対応関係を設定するために前記第1の基板と前記第2の透明基板とをアライメントする工程と
を含む方法。
【請求項2】
各MEMS光変調器はエッジを有する変調素子を含み、各アパーチャは少なくとも一つのエッジを含む、請求項1に記載の方法であって、
前記第1と第2の基板をアライメントする工程は、暗状態において、前記MEMS光変調器の変調素子のエッジがその対応するアパーチャのエッジと0ミクロンを越えかつ約20ミクロン未満だけ重なるように前記第1の基板と前記第2の基板とをアライメントすることを含む方法。
【請求項3】
前記第1の基板は実質的に透明である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
接着剤により前記第1の基板を前記第2の基板に接着することにより前記アラインメントを維持する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
機械的インターロック形状部により前記第1の基板を前記第2の基板に連結することによりアラインメントを維持する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
熱リフロー可能な材料によって前記第1の基板を前記第2の基板に連結することによりアラインメントを維持する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の基板上の前記複数のMEMS光変調器は複数の光変調器アレイを含み、前記第2の基板上の前記複数のアパーチャは複数のアパーチャアレイを含む、請求項2に記載の方法であって、前記第1と第2の基板を単一化する工程を含む方法。
【請求項8】
前記第1と第2の基板はそのアラインメントに先立って単一化される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1と第2の基板はそのアラインメント後に単一化される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1と第2の基板上にアライメントマークを形成する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1と第2の基板をアライメントする工程は、アライメントマーク間のミスアラインメントの程度を監視するための視覚システムを含むアライメント装置に前記第1と第2の基板を装填することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アライメント装置は前記2つの基板の相対位置を調整するためのモーターを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アライメント装置は接着材を硬化するためのUVランプを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1と第2の基板間に一定の分離距離を設定するためのスペーサを貼り付ける工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記明状態では、光変調器は、前記第1と第2の基板の一方において反射する光の全内部反射を局所的に妨害する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記光変調器はエレクトロウェッティング変調器である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の基板上に形成される前記層は反射材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の基板上に形成される前記層は光吸収物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記暗状態では、前記MEMS光変調器の変調素子のエッジはその対応する前記アパーチャのエッジと0ミクロンを越えかつ約5ミクロン未満だけ重なる、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記第1と第2の透明基板間のギャップを埋める導電性材料を貼り付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
第1の基板上に形成されたMEMS光変調器アレイと、
前記第1の基板から一定のギャップだけ離された第2の透明基板と、
前記MEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲む、前記第1と第2の基板間に配置された液体と、
前記液体を前記2つの基板間に収容するとともに前記2つの基板間の相対運動を制限するための、前記MEMS変調器アレイを取り囲む接着シールと
を含むディスプレイアセンブリ。
【請求項22】
前記液体は潤滑剤を含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項23】
前記第1と第2の基板の一方の上に配置される反射性アパーチャ層をさらに含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項24】
前記液体は第1の屈折率を有し、前記反射性アパーチャ層が配置される前記基板は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい、請求項23に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項25】
前記液体は非導電性である、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項26】
前記液体は2.0を越える誘電率を有する、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項27】
前記液体は前記MEMS変調器アレイ内の前記MEMS変調器の表面を濡らす、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項28】
前記MEMS光変調器のそれぞれは前面と裏面を含み、前記液体は前記MEMS光変調器の前面と裏面の両方を濡らす、請求項27に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項29】
前記接着シールは高分子材料を含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項30】
前記MEMS光変調器のそれぞれは前記液体の中を制御可能に移動する構成部品を含む、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項31】
前記液体は単一の液体から成る、請求項21に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項32】
第1と第2の透明基板を含むディスプレイアセンブリの製造方法であって、
前記第1の透明基板上にMEMS光変調器アレイを設ける工程と、
前記第1の透明基板が前記第2の透明基板から一定ギャップだけ離されるように、前記第2の透明基板を前記第1の基板に隣接して配置する工程と、
前記ディスプレイアセンブリの周縁の少なくとも一部分に沿ってシール材を貼り付ける工程と、
前記流体が前記MEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲むように、前記ディスプレイアセンブリを流体で充填する工程と、
前記ディスプレイアセンブリを流体で充填する工程後に前記シール材を硬化する工程と
を含む方法。
【請求項33】
前記流体は液体である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記流体は気体である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記流体は潤滑剤である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記シール材を貼り付ける工程は前記ディスプレイを充填する工程に先立つ、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記シール材を硬化する工程に先立って前記第1と第2の透明基板をアライメントする工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記ディスプレイアセンブリを流体で充填する工程は、前記第1と第2の透明基板をアライメントする工程に先立って前記第1と第2の透明基板の一方に前記液体を塗布することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記ディスプレイアセンブリを前記流体で充填する工程は、前記ディスプレイアセンブリを取り囲む気圧を大気圧より低い気圧まで下げることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記MEMS光変調器アレイを作製する一方で、前記第1の透明基板上に少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイを作製する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記シール材を貼り付ける工程の後に、前記MEMS光変調器アレイを前記少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイから離す工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記2つの基板間のギャップを維持するために前記第1と第2の透明基板の少なくとも一方の上にスペーサを作製する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記第1と第2の透明基板間の前記ギャップを埋める導電性材料を設ける工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
第1と第2の透明基板を含むディスプレイアセンブリの製造方法であって、
前記第1の透明基板上にMEMS光変調器アレイを設ける工程と、
前記第1の透明基板が前記第2の透明基板から一定ギャップだけ離されるように、前記第2の透明基板を前記第1の基板に隣接して配置する工程と、
前記ディスプレイアセンブリの周縁の少なくとも一部分に沿ってシール材を貼り付ける工程と、
前記第1と第2の透明基板とを連結するために前記シール材を硬化する工程と、
流体が前記MEMS光変調器の可動部を実質的に取り囲むように前記シール材を硬化する工程後に前記ディスプレイアセンブリを前記流体で充填する工程と
を含む方法。
【請求項45】
前記流体は液体である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記流体は気体である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記流体は潤滑剤である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記シール材を硬化する工程に先立って前記第1と第2の透明基板をアライメントする工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記MEMS光変調器アレイを作製する一方で、前記第1の透明基板上に少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイを作製する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記シール材を貼り付ける工程の後に、前記MEMS光変調器アレイを前記少なくとも一つの追加のMEMS光変調器アレイから離す工程をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記2つの基板間のギャップを維持するために前記第1と第2の透明基板の少なくとも一つの上にスペーサを作製する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記第1と第2の透明基板間の前記ギャップを埋める導電性材料を設ける工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記ディスプレイアセンブリに前記シール材を貼り付ける工程は、少なくとも一つの充填用穴を未密封のままにしておくことを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記ディスプレイアセンブリを充填する工程は、前記ディスプレイアセンブリを取り囲む気圧を大気圧より低い気圧まで下げることを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
前記ディスプレイアセンブリ内に前記流体を収容するために前記ディスプレイアセンブリを充填する工程の後に、前記少なくとも一つの充填用穴を密封する工程をさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
アパーチャ層が形成された第1の基板と、
前記アパーチャ層に向けて光を誘導する光導波路と、
前記光導波路から前記アパーチャ層を通過する光を変調するための複数のMEMS光変調器と、
前記光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、前記光導波路と前記第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより前記第1の基板と前記光導波路間にギャップを形成するためのスペーサと
を含むディスプレイ装置。
【請求項57】
前記スペーサは光を前記光導波路内に反射させるための反射面を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項58】
前記スペーサは、前記光導波路と前記光導波路に光を供給するためのランプ間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項59】
前記スペーサは、前記複数のMEMS光変調器の一つを制御するための、前記光導波路と電気的接続間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項60】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項61】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの一方がその上に載る棚を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項62】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの少なくとも一つの並進移動を制限するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項63】
前記光導波路と前記第1の基板のうちの少なくとも一つに接着するための、前記スペーサ上に配置された接着剤をさらに含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項64】
前記スペーサは前記光導波路と前記第1の基板間に配置される、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項65】
前記スペーサは剛性材を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項66】
前記スペーサは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリアクリレートのうちの少なくとも一つを含む、請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項67】
前記スペーサは金属を含む、請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項68】
前記スペーサは金属とプラスチックの複合材を含む、請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項69】
前記MEMS光変調器はシャッタベースの光変調器を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項70】
前記MEMS光変調器はエレクトロウェッティング光変調器を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項71】
前記スペーサは、前記光導波路と、前記光導波路に向けて光を反射させるための反射層との間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項72】
前記アパーチャ層は反射性アパーチャ層を含む、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項73】
前記複数のMEMS光変調器は前記第1の基板上に配置される、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項74】
前記複数のMEMS光変調器は第2の基板上に配置される、請求項56に記載のディスプレイ装置。
【請求項75】
複数のMEMS光変調器と、
前記複数のMEMS光変調器を制御するための制御マトリクスが形成された第1の基板と、
前記第1の基板に向けて光を誘導する光導波路と、
前記光導波路の周縁を実質的に取り囲むスペーサであって、前記光導波路と前記第1の基板を所定距離だけ互いに離しておくことにより前記第1の基板と前記光導波路間にギャップを形成するためのスペーサと
を含むディスプレイ装置。
【請求項76】
前記スペーサは、前記光導波路と、前記光導波路に光を供給するためのランプとの間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項77】
前記スペーサは光を前記光導波路内に反射させるための反射面を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項78】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板間のアラインメントを維持するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項79】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの少なくとも一つの並進移動を制限するように選択された幾何形状を有する構造的特徴部を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項80】
前記スペーサは、前記光導波路と前記第1の基板のうちの一方がその上に載る棚を含む、請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項81】
前面向きの面と裏面向きの面を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記前面向きの面上に配置された複数のアパーチャを含む反射性アパーチャ層と、
画像を形成するために前記複数のアパーチャに向けられた光を変調する複数のMEMS光変調器と
を含むディスプレイ装置。
【請求項82】
前記第1の基板は光導波路を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項83】
前記複数のMEMS光変調器はシャッタベースの光変調器を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項84】
前記複数のMEMS光変調器はエレクトロウェッティング光変調器を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項85】
前記MEMS光変調器は前記第1の基板上に配置される、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項86】
前記第1の基板は透明である、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項87】
前記第1の基板の後方に位置する光導波路を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置であって、
前記反射性アパーチャ層は、前記反射性アパーチャ層に含まれる前記複数のアパーチャを通過しない光を反射して前記光導波路の方へ戻す、ディスプレイ装置。
【請求項88】
前記第1の基板は前記光導波路に密着する、請求項87に記載のディスプレイ装置。
【請求項89】
前記反射性アパーチャ層は、ミラー、誘電体ミラー、金属膜のうちの一つで形成される、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項90】
前記複数のアパーチャは前記複数の光変調器のそれぞれの光変調器に対応する、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項91】
前記第1の基板は、前記反射性アパーチャ層が前記複数の光変調器に近接するように配置される、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項92】
前記第1の基板は、前記第1の基板と前記光導波路間にギャップを形成するように光導波路に対して位置決めされる、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項93】
前記ギャップを充填する流体を含む、請求項92に記載のディスプレイ装置。
【請求項94】
前記流体は空気である、請求項93に記載のディスプレイ装置。
【請求項95】
前記流体は第1の屈折率を有し、前記光導波路は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率より小さい、請求項93に記載のディスプレイ装置。
【請求項96】
前記複数のMEMS光変調器を制御するためのアクティブマトリクス制御マトリクスを含む、請求項81に記載のディスプレイ装置であって、
前記アクティブマトリクスはそれぞれのMEMS光変調器に対応する少なくとも一つのスイッチを含む、ディスプレイ装置。
【請求項97】
前記第1の基板の前記前面向きの面の前に配置された第2の基板を含む、請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項98】
前記複数のMEMS光変調器は前記第2の基板上に形成される、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項99】
前記複数のMEMS光変調器は前記第2の基板の裏面向きの面上に形成される、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項100】
前記複数のMEMS光変調器を制御するための、前記第2の基板上に形成された制御マトリクスを含む、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項101】
前記第2の基板は透明である、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項102】
前記第1と第2の基板間の横方向のアラインメントを維持するための機械的インターロック形状部をさらに含む、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項103】
前記機械的インターロック形状部は、前記第1と第2の基板の相対的側方移動をどの方向にも5ミクロン未満に制限する、請求項102に記載のディスプレイ装置。
【請求項104】
前記第1と第2の基板間の横方向のアラインメントを維持するための接着剤を含む、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項105】
前記接着剤は、前記第1と第2の基板の相対的側方移動をどの方向にも5ミクロン未満に制限する、請求項104に記載のディスプレイ装置。
【請求項106】
前記第1の基板は光導波路と前記第2の基板間に配置される、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項107】
前記第1の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板間のギャップを形成するように前記第2の基板に対して位置決めされる、請求項97に記載のディスプレイ装置。
【請求項108】
前記ギャップを維持するためのスペーサを含む、請求項107に記載のディスプレイ装置。
【請求項109】
前記ギャップを充填する流体を含む、請求項108に記載のディスプレイ装置。
【請求項110】
前記ギャップを充填する液体を含む、請求項109に記載のディスプレイ装置。
【請求項111】
前記流体は潤滑剤である、請求項109に記載のディスプレイ装置。
【請求項112】
前記流体は第1の屈折率を有し、前記基板は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率より大きいかあるいは実質的に等しい、請求項109に記載のディスプレイ装置。
【請求項113】
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1と第2の基板の一方の上に形成されたMEMS光変調器アレイと、
前記アレイ内に設置されるスペーサであって、第1の端部において前記第1の基板と一体的に形成されるかまたは接続され、かつ第2の端部において前記第2の基板と接続されるスペーサと
を含むディスプレイ装置。
【請求項114】
前記第1と第2の基板の一方への前記スペーサの接続は、この基板上に蒸着された少なくとも一つの薄膜の積層への接続を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項115】
前記薄膜は、反射性アパーチャ層、光吸収層、およびカラーフィルタのうちの一つを含む、請求項114に記載のディスプレイ装置。
【請求項116】
前記スペーサは前記第1の基板からエッチングされる、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項117】
前記スペーサは前記第1の基板上に蒸着された膜からエッチングされる、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項118】
前記第1の基板と前記第2の基板は実質的に剛性である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項119】
前記第1の基板と前記第2の基板は実質的に可撓性である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項120】
前記第1の基板と前記第2の基板の一方は実質的に剛性であり、前記第1の基板と前記第2の基板の他方は実質的に可撓性である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項121】
前記スペーサは絶縁材料で形成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項122】
前記第1の基板はディスプレイ装置の前面を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項123】
前記第2の基板はディスプレイ装置の前面を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項124】
前記第1と第2の基板とは別個の光導波路を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項125】
複数の追加のスペーサを含む、請求項113に記載のディスプレイ装置であって、
前記スペーサと前記複数の追加のスペーサは、「4つの光変調器当たり一つのスペーサ」以下のスペーサ密度で前記アレイ内に配置される、ディスプレイ装置。
【請求項126】
複数の追加のスペーサを含む、請求項113に記載のディスプレイ装置であって、
前記MEMS光変調器はそれぞれの表示ピクセルに対応し、前記それぞれの表示ピクセルのそれぞれは少なくとも一つのスペーサを含む、ディスプレイ装置。
【請求項127】
前記スペーサは、前記第1の基板上の電気部品と前記第2の基板上の電気部品との間の電気的接続を形成する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項128】
前記スペーサは重合体で形成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項129】
前記スペーサは金属で形成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項130】
前記MEMS光変調器は光の通過を選択的に妨害するように構成される、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項131】
前記MEMS光変調器はシャッタベースの光変調器を含む、請求項130に記載のディスプレイ装置。
【請求項132】
前記MEMS光変調器はエレクトロウェッティングベースの光変調器を含む、請求項130に記載のディスプレイ装置。
【請求項133】
前記MEMS光変調器は光導波路から光を選択的に抽出する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項134】
前記スペーサは前記MEMS光変調器の一つにおける構成部品の移動範囲を制限する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項135】
前記スペーサは前記第2の基板上に形成されたアライメント用素子と嵌合する、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項136】
前記第1の基板と前記第2の基板間のギャップを充填する流体を含む、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項137】
前記流体は潤滑剤を含む、請求項136に記載のディスプレイ装置。
【請求項138】
前記第1の基板と前記第2の基板のうちの少なくとも一つは実質的に透明である、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項139】
前記スペーサは約1ミクロンから約10ミクロンの間の高さである、請求項113に記載のディスプレイ装置。
【請求項140】
第1の透明基板と、
アレイ光変調器が形成された第2の透明基板と、
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とをアライメントする、熱リフロー可能な材料で形成されたスペース要素と
を含むディスプレイ装置。
【請求項141】
前記熱リフロー可能な材料は摂氏約150度と約400度の間で実質的な液体状態を得る、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項142】
前記スペース要素は、前記第1の透明基板を前記第2の透明基板に接合する接着剤として機能する、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項143】
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板の一方の上に形成された反射性アパーチャ層を含む、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項144】
前記光変調器はMEMS光変調器を含む、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項145】
前記スペース要素は前記光変調器アレイの周縁に配置される、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項146】
前記スペース要素は前記光変調器アレイ内に配置される、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項147】
前記熱リフロー可能な材料は、金属、プラスチック、およびガラスのうちの一つを含む、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項148】
前記熱リフロー可能な材料は、実質的に液体状態のとき、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板の両方の上の形状部の表面を濡らす、請求項140に記載のディスプレイ装置。
【請求項149】
前記接着剤は熱リフロー可能な材料を含む、請求項104に記載のディスプレイ装置。
【請求項150】
材料層内に形成された、それぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のアパーチャと、
前記材料層とディスプレイ装置の所望のビューアとの間に配置されたシャッタベースのMEMS光変調器アレイと、
対応する一つまたは複数のアパーチャを通る光の通過を選択的に妨害するための光遮断部分を有するシャッタを含む各光変調器と
を含むディスプレイ装置であって、
前記シャッタは、閉位置では、前記シャッタの前記光遮断部分がその対応する一つまたは複数のアパーチャの少なくとも一つのエッジと重なるように形作られ、
前記アレイは前記材料層から一定ギャップだけ離され、
前記重なりは前記ギャップの寸法に比例し、かつ前記ギャップの寸法以上である、ディスプレイ装置。
【請求項151】
前記重なりは約1ミクロン以上である、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項152】
前記重なりは約1ミクロンから約10ミクロンの間である、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項153】
前記重なりは約10ミクロンより大きい、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項154】
前記シャッタは光の通過を許容する一つまたは複数のシャッタアパーチャを含み、各シャッタアパーチャは、前記シャッタに対応する前記一つまたは複数のアパーチャの一つに対応する、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項155】
前記材料層は実質的に反射性である、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項156】
前記材料層は金属を含む、請求項155に記載のディスプレイ装置。
【請求項157】
前記材料層は誘電体ミラーを含む、請求項155に記載のディスプレイ装置。
【請求項158】
光導波路を含む、請求項155に記載のディスプレイ装置であって、
前記材料層は、バックライトを脱出する光を反射して前記光導波路に向けて戻す、ディスプレイ装置。
【請求項159】
前記材料層の前記アレイに面した側に蒸着される光吸収材料を含む、請求項155に記載のディスプレイ装置。
【請求項160】
前記バックライトの裏側に配置された第2の反射層を含む、請求項159に記載のディスプレイ装置。
【請求項161】
前記アレイは前記材料層上に形成される、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項162】
前記材料層は光導波路上に蒸着される、請求項161に記載のディスプレイ装置。
【請求項163】
前記アレイは前記第1の基板上に形成され、前記材料層は前記第1の基板以外の第2の基板上に蒸着される、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項164】
前記アレイは、前記第1の基板の前記ビューアから離れて面する側に形成される、請求項163に記載のディスプレイ装置。
【請求項165】
光導波路を含む、請求項163に記載のディスプレイ装置であって、
前記第2の基板は前記第1の基板と前記光導波路間に配置される、ディスプレイ装置。
【請求項166】
前記光変調器内のシャッタを前記材料層から約所定距離だけ離しておくための、前記材料層と前記アレイ間に配置されたスペーサを含む、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項167】
前記光変調器と前記材料層間に少なくとも配置された液体を含む、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項168】
前記液体は潤滑剤である、請求項167に記載のディスプレイ装置。
【請求項169】
前記液体は前記材料層が形成される基板の屈折率より大きい屈折率を有する、請求項167に記載のディスプレイ装置。
【請求項170】
光導波路を含む、請求項167に記載のディスプレイ装置であって、
前記液体は前記光導波路の屈折率より大きい屈折率を有する、ディスプレイ装置。
【請求項171】
前記第2の基板の屈折率より大きい屈折率を有する光導波路と液体を含む、請求項163に記載のディスプレイ装置であって、
前記第2の基板は前記第1の基板と前記光導波路間に配置され、前記液体は少なくとも前記第2の基板と前記光変調器間に配置される、ディスプレイ装置。
【請求項172】
前記シャッタの前記材料層に面した側は反射材料で覆われる、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項173】
前記シャッタの前記材料層に面した側は光吸収材料で覆われる、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項174】
前記シャッタの前記材料層から見て外方に向く側は光吸収材料で覆われる、請求項150に記載のディスプレイ装置。
【請求項175】
透過的に画像を表示するエレクトロウェッティングベースの光変調器アレイと、
前記アレイに隣接して配置された反射性アパーチャ層であって、前記反射性アパーチャ層内のアパーチャを通過しない光を反射して前記アレイから離れさせるための反射性アパーチャ層と
を含むディスプレイ装置であって、
前記画像は、前記反射性アパーチャ層内の前記アパーチャを通過し前記アレイにより変調された光で形成される、ディスプレイ装置。
【請求項176】
前記反射性アパーチャ層の前記アレイとは反対側に配置されたバックライトを含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項177】
前記反射性アパーチャ層に向けて光を反射するために、前記反射性アパーチャ層の前記アレイとは反対側に配置された第2の反射層を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項178】
前記バックライトと前記反射性アパーチャ層との間の前記光導波路に連結された低屈折率材料の層を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項179】
前記エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは、第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層とエレクトロウェッティング制御ブラック層とを含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項180】
前記第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層は、それぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御カラー変調セルを含み、
前記エレクトロウェッティング制御ブラック層は、前記カラー変調セルの一つまたは複数に対応するそれぞれが少なくとも一つのエッジを有する複数のエレクトロウェッティング制御光吸収セルを含み、
前記各光吸収セルの少なくとも一つのエッジは、対応する一つまたは複数のカラー変調セルの少なくとも一つのエッジと重なる、請求項179に記載のディスプレイ装置。
【請求項181】
前記第1のエレクトロウェッティング制御カラー変調層はエレクトロウェッティング制御カラー変調セル群を含み、所与の群内の各セルは異なる色の光を変調する、請求項179に記載のディスプレイ装置。
【請求項182】
第2と第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層を含む、請求項179に記載のディスプレイ装置であって、
前記第1、第2、第3のエレクトロウェッティング制御カラー変調層のそれぞれは異なる色の光を変調する、ディスプレイ装置。
【請求項183】
前記バックライトに光を放射するための光源を含む、請求項176に記載のディスプレイ装置。
【請求項184】
前記光源は白色光を放射する、請求項183に記載のディスプレイ装置。
【請求項185】
前記光源は少なくとも3つの異なる色の光を順次放射する、請求項183に記載のディスプレイ装置。
【請求項186】
前記光源は、それぞれが前記3つの異なる色の一つに対応する少なくとも3つの光源を含む、請求項185に記載のディスプレイ装置。
【請求項187】
前記反射性アパーチャ層は金属を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項188】
前記反射性アパーチャ層は誘電体ミラーを含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項189】
前記エレクトロウェッティングベースの光変調器アレイは複数のエレクトロウェッティング光変調セルを含み、前記セルのそれぞれは前記反射性アパーチャ層内のアパーチャに対応する、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項190】
前記アパーチャのそれぞれは少なくとも一つのエッジを有し、各セルは光変調用流体の層を含み、非作動状態のとき、前記セルの光変調用流体はその対応するアパーチャの前記少なくとも一つのエッジの一部と重なる、請求項189に記載のディスプレイ装置。
【請求項191】
前記エレクトロウェッティングベースの光変調器は電極層を含む、請求項175に記載のディスプレイ装置。
【請求項192】
前記電極層は前記反射性アパーチャ層と前記光変調用流体間に配置される、請求項191に記載のディスプレイ装置。
【請求項193】
前記反射性アパーチャ層は第1の基板上に配置され、前記電極層は前記第1の基板とは別の第2の基板上に配置される、請求項191に記載のディスプレイ装置。
【請求項194】
光変調用流体が前記反射性アパーチャ層と前記電極層間に配置される、請求項191に記載のディスプレイ装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−61658(P2013−61658A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−230079(P2012−230079)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2009−546368(P2009−546368)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(507276092)ピクストロニクス,インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230079(P2012−230079)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2009−546368(P2009−546368)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(507276092)ピクストロニクス,インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]