説明

MRI用磁界発生装置およびMRI用磁界発生装置包装方法

発生装置本体と、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布のような非磁性材料で作られており、前記発生装置本体を全体的に覆う覆い部材と、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱であり、前記覆い部材を前記発生装置本体に固定する固定部材とを具備してなるMRI用磁界発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MRI用磁界発生装置およびMRI用磁界発生装置包装方法に関し、更に詳しくは、MRI用磁界発生装置を保管または輸送するための梱包または包装の時間と労力とを節減できるMRI用磁界発生装置およびMRI用磁界発生装置包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石を用いた磁界発生装置は、非常に強力な磁力を有している。磁界発生装置を保管したり輸送したりする間に、リグやレンチやジャッキやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置の内部に引きつけられ、それによって磁界発生装置が損傷を受けることがある。仮に発生装置が損傷を受けなくても、磁性物体が磁界発生装置の内部に引きつけられてそこに残ると、磁気共鳴撮像(MRI)において発生装置により発生する磁界の均一性が損なわれることになる。従って、磁界発生装置を確実に包装または梱包することが必要である。
【0003】
従来例としては、米国特許第6,313,632B1号がMRI用磁界発生装置梱包方法を開示している。しかしながら、米国特許第6,313,632B1号では、多数のスタッドおよび/または固定部材を用いて多量のシールド部材または梱包部材を磁界発生装置に装着するため、梱包に要する時間と労力を膨大に必要とする問題点がある。
【特許文献1】米国特許第6,313,632B1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、磁性物体が磁界発生装置の内部に入り込むことを確実に防止しつつ、MRI用磁界発生装置を保管または輸送するために梱包または包装するのに要する時間と労力を節減できるMRI用磁界発生装置およびMRI用磁界発生装置包装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向部分に設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体;および前記発生装置本体を全体的に覆う非磁性材料の部材を具備したことを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0006】
第2の観点では、本発明は、空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向部分に設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体;および前記発生装置本体の上面および側面を覆うか又は前記発生装置本体の側面を覆うか又は前記発生装置本体の底面および側面を覆う非磁性材料の部材を具備したことを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0007】
第3の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0008】
第4の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0009】
第5の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0010】
第6の観点では、本発明は、前記第5の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0011】
第7の観点では、本発明は、前記第5の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含み、前記覆い部材の他の部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0012】
第8の観点では、本発明は、前記第1から第7のいずれかの観点によるMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材を前記発生装置本体に固定するための部材をさらに具備することを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0013】
第9の観点では、本発明は、前記第8の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記固定部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0014】
第10の観点では、本発明は、前記第8または第9の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記固定部材が、前記一対のプレートヨークの一方側上に設けられていることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0015】
第11の観点では、本発明は、前記第8または第9の観点によるMRI用磁界発生装置において、前記固定部材が、前記覆い部材を取り巻くように設けられていることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0016】
第12の観点では、本発明は、前記第8から第11のいずれかの観点によるMRI用磁界発生装置において、該磁界発生装置を目的場所に輸送後に前記固定部材を除去可能であることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0017】
第13の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点によるMRI用磁界発生装置において、該磁界発生装置を目的場所に輸送後に前記覆い部材を除去可能であることを特徴とするMRI用磁界発生装置を提供する。
【0018】
第14の観点では、本発明は、空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向部分に設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体を有するMRI用磁界発生装置の包装方法であって、非磁性体材料の部材で前記発生装置本体の全体を覆うステップ;および前記部材を前記発生装置本体に固定するステップを有することを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【0019】
第15の観点では、本発明は、空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向部分に設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体を有するMRI用磁界発生装置の包装方法であって、非磁性体材料の部材で前記発生装置本体の上面および側面を覆うか又は前記発生装置本体の側面を覆うか又は前記発生装置本体の底面および側面を覆うステップ;および前記部材を前記発生装置本体に固定するステップを有することを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【0020】
第16の観点では、本発明は、前記第14または第15の観点によるMRI用磁界発生装置包装方法において、前記部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【0021】
第17の観点では、本発明は、前記第14または第15の観点によるMRI用磁界発生装置包装方法において、前記部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【0022】
第18の観点では、本発明は、前記第14または第15の観点によるMRI用磁界発生装置包装方法において、前記部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含み、前記部材の他の部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【0023】
第19の観点では、本発明は、前記第14から第18のいずれかの観点によるMRI用磁界発生装置包装方法において、前記固定ステップが、
ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱を用いて前記部材を前記発生装置本体に固定するステップを含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【0024】
第20の観点では、本発明は、前記第19の観点によるMRI用磁界発生装置包装方法において、前記発生装置本体を覆う部材および前記紐または綱が、前記磁界発生装置を目的場所に輸送後に除去可能であることを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明のMRI用磁界発生装置およびMRI用磁界発生装置包装方法によれば、磁界発生装置と覆い部材の間に、スタッドのような結合部材を必要としないから、磁性物体が磁界発生装置の内部に入り込むことを確実に防止しつつ、MRI用磁界発生装置を保管または輸送するために梱包または包装するのに要する時間と労力を節減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
図1は、覆い部材で覆われている本発明の実施例1に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
この図に示されているように、MRI用磁界発生装置100は、発生装置本体1および発生装置本体1を全体的に覆う覆い部材10を含んでいる。
覆い部材10は、天部10tと、網部10mを持つ側部10sと、底部10bとを有する大きな袋であり、発生装置本体1を上から全体的に覆うように作られている。網部10mは発生装置本体1の開口部1aを覆っており、網部10mを透して覆い部材10の内側にある発生装置本体1を見ることが出来る。
【0028】
天部10t、網部10mを除く側部10sおよび底部10bは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックを密に織った布のような非磁性材料で作られている。
網部10mは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網またはネットのような非磁性材料で作られている。
【0029】
天部10t、側部10sおよび底部10b、それから網部10mの材料は、上記材料に限定されるものではなく、リグやレンチやジャッキやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置100の中に入り込むのを防止できると共に磁界発生装置100の内部構造を保護できるような強さを持つ任意の材料を使ってもよい。
【0030】
天部10tは、発生装置本体1の4つのリング1cが飛び出る4つの穴10hを持っている。4つのリング1cは、図4に示す上部プレートヨーク1dに設けられている。これらのリング1cは、MRI用磁界発生装置100を吊り上げるのに用いられる。参照番号1bは、発生装置本体1の足を指している。
【0031】
図2は、覆い部材で覆われているMRI用磁界発生装置100を示す底面図である。
固定部材11は、覆い部材10の底部を底部10bで塞ぐことによって、覆い部材10を発生装置本体1に固定する。
固定部材11は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱である。
固定部材11の材料は上記材料に限定されるものではなく、覆い部材10を発生装置本体1に固定できると共に磁性物体が磁界発生装置100に引き込まれるのを防止できるような強さを持つ任意の材料を固定部材11として使ってもよい。
参照番号10rは、固定部材11を通すための貫通穴を指している。
【0032】
図3は、覆い部材10の斜視図である。
この図に示すように、底部10bは、覆い部材10の底を塞ぐ蓋としての機能を有している。
この図では覆い部材10は自己形状保持構造に見えるが、覆い部材10は、自己形状保持構造でなく、柔軟性を有する構造である。
【0033】
図4は、発生装置本体1の斜視図である。
この図は、発生装置本体1が覆い部材で覆われていない状態を示している。
発生装置本体1は、空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨーク1dと、プレートヨーク1dの対向部分に設置された一対のマグネット1eと、プレートヨーク1dに磁気的に結合した一対のコラムヨーク1fとを含んでいる。
【0034】
以上のように、実施例1のMRI用磁界発生装置100は、簡単な構成であり、これによりMRI用磁界発生装置100を保管または輸送するための梱包または包装の時間と労力とを節減できる。さらに、覆い部材10が発生装置本体1を全体的に覆うから、磁界発生装置を吊り上げたり目的場所へ輸送したりする場合でも、リグやレンチやジャッやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置の内部に引き込まれることを確実に防止できる。
【実施例2】
【0035】
図5は、覆い部材で覆われている本発明の実施例2に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
この図に示されているように、MRI用磁界発生装置200は、発生装置本体1および発生装置本体1の上面および側面を覆う覆い部材20を含んでいる。
覆い部材20は、天部20tと、網部20mを持つ側部20sとを有し、底の開いた大きな袋であり、発生装置本体1を上から覆うように作られている。網部20mは発生装置本体1の開口部1aを覆っており、網部20mを透して覆い部材20の内側にある発生装置本体1を見ることが出来る。
【0036】
天部20tおよび網部20mを除く側部20sは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックを密に織った布のような非磁性材料で作られている。
網部20mは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網またはネットのような非磁性材料で作られている。
【0037】
天部20tおよび側部20s、それから網部20mの材料は、上記材料に限定されるものではなく、リグやレンチやジャッキやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置200の中に入り込むのを防止できると共に磁界発生装置200の内部構造を保護できるような強さを持つ任意の材料を使ってもよい。
【0038】
天部20tは、発生装置本体1の4つのリング1cが飛び出る4つの穴20hを持っている。4つのリング1cは、上部プレートヨーク1dに設けられている。これらのリング1cは、MRI用磁界発生装置200を吊り上げるのに用いられる。参照番号1bは、発生装置本体1の足を指している。
【0039】
図6は、覆い部材で覆われているMRI用磁界発生装置200を示す底面図である。
固定部材21、22、23および24は、側部20sの底側部分を結ぶことによって、覆い部材20を発生装置本体1に固定する。
固定部材21、22、23および24は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱である。
固定部材21、22、23および24の材料は上記材料に限定されるものではなく、覆い部材20を発生装置本体1に固定できると共に磁性物体が磁界発生装置200に引き込まれるのを防止できるような強さを持つ任意の材料を固定部材21、22、23および24として使ってもよい。
参照番号20rは、固定部材21、22、23および24を通すための貫通穴を指している。
【0040】
図7は、覆い部材20の斜視図である。
この図に示すように、覆い部材20の底は開いている。この図では覆い部材20は自己形状保持構造に見えるが、覆い部材20は、自己形状保持構造でなく、柔軟性を有する構造である。
【0041】
以上のように、実施例2のMRI用磁界発生装置200は、簡単な構成であり、これによりMRI用磁界発生装置200を保管または輸送するための梱包または包装の時間と労力とを節減できる。さらに、覆い部材20が発生装置本体1の底面を覆わないから、構造がより簡単で済む。なお、覆い部材20の天地を逆にして使ってもよい。
【実施例3】
【0042】
図8は、覆い部材で覆われている本発明の実施例3に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
この図に示されているように、MRI用磁界発生装置300は、発生装置本体1および発生装置本体1の側面を覆う覆い部材30を含んでいる。
覆い部材30は、網部30mを持つ側部30sを有し、天と底の開いた大きな筒である。網部30mは発生装置本体1の開口部1aを覆っており、網部30mを透して覆い部材30の内側にある発生装置本体1を見ることが出来る。
【0043】
網部30mを除く側部30sは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックを密に織った布のような非磁性材料で作られている。
網部30mは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網またはネットのような非磁性材料で作られている。
【0044】
側部30sそれから網部30mの材料は、上記材料に限定されるものではなく、リグやレンチやジャッキやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置300の中に入り込むのを防止できると共に磁界発生装置300の内部構造を保護できるような強さを持つ任意の材料を使ってもよい。
【0045】
発生装置本体1の4つのリング1cは、上部プレートヨークに設けられており、天の開いた部分から露出している。これらのリング1cは、MRI用磁界発生装置300を吊り上げるのに用いられる。参照番号1bは、発生装置本体1の足を指している。
【0046】
固定部材31、32、33および34(および図6に示す21、22、23および24)は、側部30sの天側部分(および図6に示す底側部分)を結ぶことによって、覆い部材30を発生装置本体1に固定する。固定部材31、32、33および34は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱である。
固定部材31、32、33および34の材料は上記材料に限定されるものではなく、覆い部材30を発生装置本体1に固定できると共に磁性物体が磁界発生装置300に引き込まれるのを防止できるような強さを持つ任意の材料を固定部材31、32、33および34として使ってもよい。
参照番号30rは、固定部材31、32、33および34(および図6に示す21、22、23および24)を通すための貫通穴を指している。
【0047】
図9は、覆い部材30の斜視図である。
この図に示すように、覆い部材30の天および底は開いている。この図では覆い部材30は自己形状保持構造に見えるが、覆い部材30は、自己形状保持構造でなく、柔軟性を有する構造である。
【0048】
以上のように、実施例3のMRI用磁界発生装置300は、簡単な構成であり、これによりMRI用磁界発生装置300を保管または輸送するための梱包または包装の時間と労力とを節減できる。さらに、覆い部材30が発生装置本体1の上面および底面を覆わないから、構造がより簡単で済む。なお、覆い部材30の天地を逆にして使ってもよい。
【実施例4】
【0049】
図10は、覆い部材で覆われている本発明の実施例4に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
この図に示されているように、MRI用磁界発生装置400は、発生装置本体1および発生装置本体1の側面を覆う覆い部材40を含んでいる。
覆い部材40は、非網部40sと網部40mとを有する大きな帯である。網部40mは発生装置本体1の開口部1aを覆っており、網部40mを透して覆い部材40の内側にある発生装置本体1を見ることが出来る。
【0050】
非網部40sは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックを密に織った布のような非磁性材料で作られている。
網部40mは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網またはネットのような非磁性材料で作られている。
【0051】
非網部40sそれから網部40mの材料は、上記材料に限定されるものではなく、リグやレンチやジャッキやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置400の中に入り込むのを防止できると共に磁界発生装置400の内部構造を保護できるような強さを持つ任意の材料を使ってもよい。
【0052】
発生装置本体1の4つのリング1cは、上部プレートヨークに設けられており、MRI用磁界発生装置400の上面に露出している。これらのリング1cは、MRI用磁界発生装置400を吊り上げるのに用いられる。参照番号1bは、発生装置本体1の足を指している。
【0053】
固定部材41および42は、覆い部材40を1周することによって、覆い部材40を発生装置本体1に固定する。
固定部材41および42は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱である。
固定部材41および42の材料は上記材料に限定されるものではなく、覆い部材40を発生装置本体1に固定できると共に磁性物体が磁界発生装置400に引き込まれるのを防止できるような強さを持つ任意の材料を固定部材41および42として使ってもよい。
【0054】
図11は、覆い部材40の斜視図である。
この図に示すように、覆い部材40は、発生装置本体1の側面に巻き付けられる。この図では覆い部材40は自己形状保持構造に見えるが、覆い部材40は、自己形状保持構造でなく、柔軟性を有する構造である。
【0055】
以上のように、実施例4のMRI用磁界発生装置400は、簡単な構成であり、これによりMRI用磁界発生装置400を保管または輸送するための梱包または包装の時間と労力とを節減できる。さらに、覆い部材40が巻き付けタイプであるから、覆い部材40を発生装置本体1に装着する際に発生装置本体1を吊り上げなくても済む。
【実施例5】
【0056】
図12は、覆い部材で覆われている本発明の実施例5に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
この図に示されているように、MRI用磁界発生装置500は、発生装置本体1および発生装置本体1の側面を覆う覆い部材50を含んでいる。
覆い部材50は、非網部50sと、網部50mと、複数の固定部材51、52および53とを有する大きな帯である。網部50mは発生装置本体1の開口部1aを覆っており、網部50mを透して覆い部材50の内側にある発生装置本体1を見ることが出来る。
【0057】
非網部50sは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックを密に織った布のような非磁性材料で作られている。
網部50mは、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網またはネットのような非磁性材料で作られている。
【0058】
非網部50sそれから網部50mの材料は、上記材料に限定されるものではなく、リグやレンチやジャッキやハンマーのような磁性物体が磁界発生装置500の中に入り込むのを防止できると共に磁界発生装置500の内部構造を保護できるような強さを持つ任意の材料を使ってもよい。
【0059】
固定部材51、52および53は、ファスニングテープまたはバックルである。
【0060】
発生装置本体1の4つのリング1cは、上部プレートヨークに設けられており、MRI用磁界発生装置500の上面に露出している。これらのリング1cは、MRI用磁界発生装置500を吊り上げるのに用いられる。参照番号1bは、発生装置本体1の足を指している。
【0061】
図13は、覆い部材50の斜視図である。
この図に示すように、覆い部材50が発生装置本体1の側面に巻き付けられ、固定部材51、52および53が対応する固定部材54、55および56に固定される。
固定部材51と対応する固定部材54の対、固定部材52と対応する固定部材55の対および固定部材53と対応する固定部材56の対は、それぞれ通常の又は従来のベルクロファスナーまたはベルクロストラップである。
しかしながら、これらは通常の又は従来のベルクロファスナーまたはベルクロストラップに限定されず、覆い部材50を発生装置本体1に固定できると共に磁性物体が磁界発生装置500に引き込まれるのを防止できるような強さを持つ任意の構造であってもよい。
【0062】
以上のように、実施例5のMRI用磁界発生装置500は、簡単な構成であり、これによりMRI用磁界発生装置500を保管または輸送するための梱包または包装の時間と労力とを節減できる。さらに、覆い部材50が巻き付けタイプであるから、覆い部材50を発生装置本体1に装着する際に発生装置本体1を吊り上げなくても済む。さらにまた、
固定部材51、52および53が覆い部材50と一体に設けられているから、取り扱いが便利になる。
【実施例6】
【0063】
以上の実施例では、網部が覆い部材に設けられている。網部のサイズに関して言うと、発生装置本体1の全体または開口部を覆い、網部を透して覆い部材の内側にある発生装置本体を見ることが出来るならば、サイズは自由である。
【実施例7】
【0064】
また、覆い部材は、網部なしに又は非網部だけで構成してもよい。
【実施例8】
【0065】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術思想内での変更、改造または代替は、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】覆い部材で覆われている本発明の実施例1に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
【図2】覆い部材で覆われている本発明の実施例1に係るMRI用磁界発生装置を示す底面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る覆い部材を示す斜視図である。
【図4】発生装置本体を示す斜視図である。
【図5】覆い部材で覆われている本発明の実施例2に係るMRI用磁界発生装置を示す斜視図である。
【図6】覆い部材で覆われている本発明の実施例2に係るMRI用磁界発生装置を示す底面図である。
【図7】本発明の実施例2に係る覆い部材を示す斜視図である。
【図8】覆い部材で覆われている本発明の実施例3に係るMRI用磁界発生装置を示す底面図である。
【図9】本発明の実施例3に係る覆い部材を示す斜視図である。
【図10】覆い部材で覆われている本発明の実施例4に係るMRI用磁界発生装置を示す底面図である。
【図11】本発明の実施例4に係る覆い部材を示す斜視図である。
【図12】覆い部材で覆われている本発明の実施例5に係るMRI用磁界発生装置を示す底面図である。
【図13】本発明の実施例5に係る覆い部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 発生装置本体
1a 開口部
1b 足
1c リング
1d プレートヨーク
1e マグネット
1f コラムヨーク
10 覆い部材
10h 穴
10b 底部
10m 網部
10r 貫通穴
10s 側部
10t 天部
11 固定部材
100 MRI用磁界発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向面にそれぞれ設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体;および前記発生装置本体を全体的に覆う非磁性材料の部材を具備したことを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項2】
空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向面にそれぞれ設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体;および前記発生装置本体の上面および側面を覆うか又は前記発生装置本体の側面を覆うか又は前記発生装置本体の底面および側面を覆う非磁性材料の部材を具備したことを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載のMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項7】
請求項5に記載のMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含み、前記覆い部材の他の部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のMRI用磁界発生装置において、前記覆い部材を前記発生装置本体に固定するための部材をさらに具備することを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項9】
請求項8に記載のMRI用磁界発生装置において、前記固定部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載のMRI用磁界発生装置において、前記固定部材が、前記一対のプレートヨークの一方側上に設けられていることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載のMRI用磁界発生装置において、前記固定部材が、前記覆い部材を取り巻くように設けられていることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項12】
請求項8から11のいずれかに記載のMRI用磁界発生装置において、該磁界発生装置を目的場所に輸送後に前記固定部材を除去可能であることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項13】
請求項1または2に記載のMRI用磁界発生装置において、該磁界発生装置を目的場所に輸送後に前記覆い部材を除去可能であることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
【請求項14】
空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向面にそれぞれ設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体を有するMRI用磁界発生装置の包装方法であって、非磁性体材料の部材で前記発生装置本体の全体を覆うステップ;および前記部材を前記発生装置本体に固定するステップを有することを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。
【請求項15】
空間を挟んで互いに対向する一対のプレートヨークと、前記一対のプレートヨークの対向面にそれぞれ設置された一対のマグネットと、前記プレートヨークに磁気的に結合したコラムヨークとを含む発生装置本体を有するMRI用磁界発生装置の包装方法であって、非磁性体材料の部材で前記発生装置本体の上面および側面を覆うか又は前記発生装置本体の側面を覆うか又は前記発生装置本体の底面および側面を覆うステップ;および前記部材を前記発生装置本体に固定するステップを有することを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載のMRI用磁界発生装置包装方法において、前記部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。
【請求項17】
請求項14または15に記載のMRI用磁界発生装置包装方法において、前記部材が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。
【請求項18】
請求項14または15に記載のMRI用磁界発生装置包装方法において、前記部材の少なくとも前記発生装置本体の開口部分を覆う部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの網を含み、前記部材の他の部分が、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの密に織った布で作られていることを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。
【請求項19】
請求項14から18のいずれかに記載のMRI用磁界発生装置包装方法において、前記固定ステップが、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ナイロン、木綿、麻、リンネル、ゴムまたはプラスチックの紐または綱を用いて前記部材を前記発生装置本体に固定するステップを含むことを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。
【請求項20】
請求項19に記載のMRI用磁界発生装置包装方法において、前記発生装置本体を覆う部材および前記紐または綱が、前記磁界発生装置を目的場所に輸送後に除去可能であることを特徴とするMRI用磁界発生装置包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−513789(P2006−513789A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570016(P2004−570016)
【出願日】平成15年4月4日(2003.4.4)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000244
【国際公開番号】WO2004/088344
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】