説明

N−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの調製方法

本発明は、GABA受容体への親和性を有する化合物の合成における中間体であるN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(I)の、高収率且つ高純度の新規な調製方法に関する。この方法において、N−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−メチル−アセトアミド(VI)を、過剰なN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(NNDMF−DMA)と反応させる。本発明は、GABA受容体への親和性を有する化合物、N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミド(II)の新規な調製方法も提供し、該方法は、以下のステップ:a)メチルスルホネートによるN−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−アセトアミド(IV)のメチル化、b)得られる化合物(VI)のNNDMF−DMAとの反応、並びにc)得られる化合物(I)の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)チオフェン−2−イル−メタノン(III)との氷酢酸中における反応を含む。本発明は、新規な中間体(VI)にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化合物の調製における中間体として有用であるN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの新規な調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)の化合物、N−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドは、欧州特許出願第1736475A1号に記載されているように、GABA受容体への高い親和性を有するハロゲン化ピラゾロ[1,5a]ピリミジンの調製における重要な中間体である。
【化1】

【0003】
化合物(II)、N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミドは、上記特許出願に最初に記載されたが、不安、てんかん、睡眠障害、及び不眠を治療又は予防するために、鎮静−催眠、知覚麻痺、及び筋弛緩を誘発するために、並びに睡眠を誘発するために必要な時間及びその期間を調節するために特に有用である。
【化2】

【0004】
上記特許出願において、最終化合物(II)は、(I)
【化3】


を、式(III)
【化4】


の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)チオフェン−2−イル−メタノンと氷酢酸中で反応させることによって調製される。同様に、中間体(I)は、過剰なN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(NNDMF−DMA)で処理される式(IV)
【化5】


のN−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−アセトアミド及び次いで得られる化合物、式(V)
【化6】


のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−アセトアミドの、0℃における不活性雰囲気下でのジメチルホルムアミド(DMF)中のヨウ化メチルを用いる、水素化ナトリウムの存在下でのN−メチル化から2ステップで調製される(調製例1)。
【0005】
ヨウ化メチル及び水素化ナトリウムなどの有害試薬の使用、特殊な実験条件、例えば、求められる低温(0℃)、ステップ(V)→(I)における不活性雰囲気下での操作の都合のために、欧州特許出願第1736475A1号の方法は、N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミド(II)の工業生産用に勧めることができない。さらに、この方法の他の不都合は、(IV)から(V)を介する重要中間体(I)は、40%の全収率で得られ、HPLC純度は94.9%であることである。
【0006】
したがって、有害材料の使用を回避し、工業的な見地から効率的であることを真に立証する中間体(I)のための新規な方法を提供する需要が存在する。
【0007】
本発明の発明者らは、現行の方法に比べてより環境に配慮しており、より容易に工業化することができ、高収率及び高純度で製品を提供する(I)の調製のための新規な方法を発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
良好な収率且つ十分な純度で得られるN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(I)の新規な容易に工業化可能で環境に配慮した調製方法を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0009】
N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミド(II)の新規な調製方法を提供することも、本発明の1つの目的である。
【0010】
本発明の別の目的は、新規な中間体N−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−メチル−アセトアミド(VI)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(I)の調製方法は、式(VI)
【化7】


の化合物を、化合物(VI)の1モル当たり1.5〜2.5モルのNNDMF−DMAの割合の過剰なNNDMF−DMAと還流下で反応させるステップ、次いで70から90℃の範囲の温度におけるトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、スチレン及びクメン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性芳香族溶媒の添加ステップ、並びに次いで同一温度におけるn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,5−ジメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性脂肪族溶媒の添加ステップを含む。
【0012】
1つの好ましい実施形態において、NNDMF−DMAの割合は、化合物(VI)の1モル当たり2モルである。
【0013】
他の好ましい実施形態において、トルエンが非極性芳香族溶媒として選択され、反応温度は80℃であり、非極性脂肪族溶媒はn−ヘプタンである。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態において、化合物(VI)は、式(IV)
【化8】


の化合物を、メチルp−トルエンスルホネート、メチルo−ニトロベンゼンスルホネート、メチルm−ニトロベンゼンスルホネート、メチルp−ニトロベンゼンスルホネート及びメチルメタンスルホネートからなる群から選択されるメチル化剤と、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピオニトリル及びテトラヒドロフラン及びこれらの混合物からなる群から選択される極性非プロトン性溶媒中において、反応させるステップ、並びに次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸カルシウムからなる群から選択される塩基性剤による中和ステップを含む方法によって得られる。
【0015】
メチル化反応を、塩基性剤を10〜50℃の温度において基質(IV)に関して1.0から1.5モルの割合で、基質(IV)に関して1.0から1.5モルの割合であるメチル化剤の存在下で添加することによって実施する。
【0016】
他の好ましい実施形態において、反応温度は30℃であり、選択されるメチル化剤は、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルの割合で使用されるメチルp−トルエンスルホネートであり、極性非プロトン性溶媒はアセトニトリルであり、塩基性剤は、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルの割合で使用され、メチル化剤の添加後に添加される水酸化ナトリウムである。
【0017】
本発明の第2の目的は、N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミド(II)
【化9】


の調製方法を提供することであり、該方法は、次のステップ:
a)式(IV)
【化10】


の化合物を、メチルp−トルエンスルホネート、メチルo−ニトロベンゼンスルホネート、メチルm−ニトロベンゼンスルホネート、メチルp−ニトロベンゼンスルホネート及びメチルメタンスルホネートからなる群から選択される、基質(IV)に関して1.0から1.5モルの割合のメチル化剤と、10〜50℃の温度において、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピオニトリル及びテトラヒドロフラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される極性非プロトン性溶媒中で反応させるステップ、次いで基質(IV)に関して1.0から1.5モルの割合の、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸カルシウムからなる群から選択される塩基性剤による中和ステップ、
b)得られる式(VI)
【化11】


の化合物を、化合物(VI)の1モル当たり1.5〜2.5モルのNNDMF−DMAの割合の過剰なNNDMF−DMAと、還流下で反応させるステップ、次いで70から90℃の範囲の温度における、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、スチレン及びクメン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性芳香族溶媒の添加ステップ、並びに次いで同じ温度における、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,5−ジメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性脂肪族溶媒の添加ステップ、並びに
c)得られる式(I)
【化12】


の化合物を、
式(III)
【化13】


の化合物と、氷酢酸中で、60から90℃の範囲の温度において、2〜6時間にわたって反応させるステップ、及びイソプロパノール、エタノール、n−プロパノール及びメタノールからなる群から選択される脂肪族アルコールの添加ステップ
を含む。
【0018】
本発明の第2の目的の1つの好ましい実施形態において、以下の選択肢が選択される。
(i)ステップa)において、最初に、メチル化剤としてメチルp−トルエンスルホネートを、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルの割合で、30℃の温度において、極性非プロトン溶媒としてのアセトニトリル媒体中で添加し、次いで、塩基性剤として水酸化ナトリウムを、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルの割合で添加し、
(ii)ステップb)において、化合物(VI)の1モル当たり2モルのNNDMF−DMAの割合、非極性芳香族溶媒としてのトルエン、80℃の温度、及び
非極性脂肪族溶媒としてのn−ヘプタン、並びに
(iii)ステップc)において、75℃の温度、4時間、及び脂肪族アルコールとしてのイソプロパノール。
【0019】
本発明者らは、欧州特許出願第1736475A1号の調製例1に記載された(IV)から(V)を介して(I)を得る代わりの、(IV)から(VI)を介して(I)をもたらす反応順序における単純な変更、前述の調製例1に記載されたヨウ化メチルの代わりの、メチル化剤としてのメチルスルホネート、好ましくはメチルp−トルエンスルホネートの次の使用、前述の調製例1に記載されたアルカリ水素化物の代わりの弱塩基(アルカリ又は土類アルカリ重炭酸塩、炭酸塩、又は水酸化物)の使用、及びメチル化剤の添加後の前記塩基の添加の組合せは連帯して、化合物(I)の高全収率(83%)及び高いHPLC純度(99.7%)の利点を示すことを驚くべきことに見出した。
【0020】
この新規な方法により得られる高純度は、メチル化が、欧州特許出願第1736475A1号の方法からのエナミン化合物(V)より安定であるケトン化合物(IV)に対して実施されるという事実は別として、メチル化条件は、アセトアミド基からの不安定な陰イオンの形成を防ぐことができ、化合物(IV)のフッ素原子の求核置換は最小化され得るという事実に基づく。
【0021】
さらに、これにより導入された変化は、人間及び環境に害を及ぼし得る有害な試薬、並びに特に温度及び不活性雰囲気に関する限りの特殊な操作条件の両方の使用を回避する。したがって、得られた方法は、より効率的且つ安全な生産が提供されるので著しく有利である。
【0022】
欧州特許出願第1736475A1号に対する本発明の利点が表1に示されている。
【表1】

【0023】
本発明の第3の目的は、新規な中間体化合物、式(VI)
【化14】


のN−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−メチル−アセトアミドを提供することである。
【実施例】
【0024】
(例1)
N−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−メチル−アセトアミド(VI)の合成
【化15】


800mLのアセトニトリル中に、80g(0.41モル)のN−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−アセトアミド(IV)(US2005070555)及び83.77g(0.45モル)のメチルp−トルエンスルホネートを溶解した。得られた混合物を15〜20℃に冷却し、18.00g(0.45モル)の水酸化ナトリウムを添加した。次いで、この混合物を30℃に加熱し、撹拌下に15時間維持した。薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘプタン 70:30)により反応の完了が明らかにされた。この混合物を15〜20℃に冷却し、400mLの水を添加した。アセトニトリルを減圧下で大部分蒸留し、得られる水溶液を塩化メチレン(2×400mL)で抽出した。有機抽出物を集め、最初に400mLの5%重炭酸ナトリウム水溶液及び次いで2×400mLの水で洗浄した。この混合物を、減圧下でほぼ乾燥状態に濃縮し、得られた粗生成物を、48mLのトルエン及び282mLのn−ヘプタンの混合物で50℃において溶解し、ゆっくりと15℃に冷却することによって結晶化した。形成された固体を濾別し、40mLのトルエン及び248mLのn−ヘプタンの冷混合物(10〜15℃)で洗浄し、次いで真空下で30℃において乾燥した。融点=75.5〜76.5℃である白色固体(78g、収率91%)が得られた。
【化16】

【0025】
(例2)
N−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(I)の合成
【化17】


75.0g(0.36モル)のN−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−メチル−アセトアミド(VI)を、96.3mL(86.4g、0.72モル)のNNDMF−DMA中に溶解した。得られた溶液を8時間還流した。80℃の温度において、400mLのトルエンを添加し、次いで、同じ温度において、400mLのn−ヘプタンをゆっくりと添加した。得られた溶液を15〜20℃にゆっくりと冷却した。再結晶化で得られた黄白色の固体を濾別し、263mLのトルエン:n−ヘプタン(1:1)で洗浄し、次いで真空下で40℃において乾燥した。融点=131〜132℃である黄白色の固体(84.1g、収率91.7%)が得られた。
【化18】

【0026】
(例3)
N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミド(II)の合成
【化19】


30mLの氷酢酸中の10g(0.038モル)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミド(I)及び9.6g(0.038モル)の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)チオフェン−2−イル−メタノン(III)の混合物を、75℃で4時間加熱した。次いで、30mLのイソプロパノールを添加し、沈殿した固体を濾別し、90mLのイソプロパノールで洗浄し、真空下で40℃において乾燥した。融点=158〜159℃である黄白色の固体(12.9g、収率86.5%)が得られた。
【化20】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの調製方法であって、式(VI)
【化2】


の化合物を、化合物(VI)の1モル当たり1.5〜2.5モルのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(NNDMF−DMA)の割合で過剰なNNDMF−DMAと還流下で反応させるステップ、次いで70から90℃の範囲の温度におけるトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、スチレン及びクメン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性芳香族溶媒の添加のステップ、並びに次いで同一温度におけるn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,5−ジメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性脂肪族溶媒の添加のステップを含む上記方法。
【請求項2】
前記NNDMF−DMAの割合が、化合物(VI)の1モル当たり2モルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非極性芳香族溶媒がトルエンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記温度が80℃である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非極性脂肪族溶媒が、n−ヘプタンである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
式(VI)の化合物が、式(IV)
【化3】


の化合物を、メチルp−トルエンスルホネート、メチルo−ニトロベンゼンスルホネート、メチルm−ニトロベンゼンスルホネート、メチルp−ニトロベンゼンスルホネート及びメチルメタンスルホネートからなる群から選択されるメチル化剤と、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピオニトリル及びテトラヒドロフラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される極性非プロトン性溶媒中において、化合物(IV)の1モル当たり1.0から1.5モルのメチル化剤の割合で、15〜50℃の温度において反応させるステップ、次いで化合物(IV)の1モル当たり1.0から1.5モルの塩基性剤の割合での、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸カルシウムからなる群から選択される塩基性剤による、同一温度における中和ステップを含む方法によって得られる、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記メチル化剤が、メチルp−トルエンスルホネートである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記メチルp−トルエンスルホネートの割合が、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルである、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記極性非プロトン性溶媒がアセトニトリルである、請求項6から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記塩基性剤が水酸化ナトリウムである、請求項6から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記水酸化ナトリウムの割合が、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルである、請求項6から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記温度が30℃である、請求項6から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
N−{2−フルオロ−5−[3−(チオフェン)−2−カルボニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]フェニル}−N−メチル−アセトアミド(II)
【化4】


の調製方法であって、以下のステップ:
a)式(IV)
【化5】


の化合物を、メチルp−トルエンスルホネート、メチルo−ニトロベンゼンスルホネート、メチルm−ニトロベンゼンスルホネート、メチルp−ニトロベンゼンスルホネート及びメチルメタンスルホネートからなる群から選択されるメチル化剤と、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピオニトリル及びテトラヒドロフラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される極性非プロトン性溶媒中において、化合物(IV)の1モル当たり1.0から1.5モルのメチル化剤の割合で、10〜50℃の温度で反応させるステップ、次いで化合物(IV)の1モル当たり1.0から1.5モルの塩基性剤の割合における、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸カルシウムからなる群から選択される塩基性剤による、同一温度における中和ステップ、
b)得られる式(VI)
【化6】


の化合物を、還流下で化合物(VI)の1モル当たり1.5〜2.5モルのNNDMF−DMAの割合の過剰なNNDMF−DMAと反応させるステップ、次いで70から90℃の範囲の温度における、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、スチレン及びクメン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性芳香族溶媒の添加ステップ、並びに次いで同一温度における、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,5−ジメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群から選択される非極性脂肪族溶媒の添加ステップ、並びに
c)得られる式(I)
【化7】


の化合物を、式(III)
【化8】


の化合物と、氷酢酸中において、60から90℃の範囲の温度で、2〜6時間にわたり反応させるステップ、並びにイソプロパノール、エタノール、n−プロパノール及びメタノールからなる群から選択される脂肪族アルコールの添加ステップ
を含む上記方法。
【請求項14】
(i)ステップa)において、前記メチル化剤が、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルの割合のメチルp−トルエンスルホネートであり、前記極性非プロトン性溶媒がアセトニトリルであり、前記温度が30℃であり、前記塩基性剤が、化合物(IV)の1モル当たり1.1モルの割合の水酸化ナトリウムであり、
(ii)ステップb)において、NNDMF−DMAの割合が、化合物(VI)の1モル当たり2モルであり、前記非極性芳香族溶媒がトルエンであり、前記温度が80℃であり、前記非極性脂肪族溶媒がn−ヘプタンであり、
(iii)ステップc)において、前記温度が75℃であり、前記時間が4時間であり、前記脂肪族アルコールがイソプロパノールである、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
式(VI)
【化9】


の化合物N−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−N−メチル−アセトアミド。


【公表番号】特表2012−515149(P2012−515149A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544885(P2011−544885)
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050235
【国際公開番号】WO2010/081788
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(508036488)インテルキム、ソシエダッド アノニマ (6)
【Fターム(参考)】