説明

N,N−置換カルバモイルハライドの製造方法

本発明は、第2級アミン、二酸化炭素、トリアルキルシリルクロライドおよびハロゲン化剤からの、N,N−置換カルバモイルハライドの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N,N−置換カルバモイルハライドの製造方法に関する、特に、本発明は、第2級アミン、二酸化炭素、トリアルキルシリルクロライドおよびハロゲン化剤からのN,N−置換カルバモイルハライドの新規かつ有用な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カルバモイルハライド、特にカルバモイルクロライドは、非対称尿素およびN,N−ジアルキルカルバミン酸エステルの製造における有用な中間体である。カルバモイルクロライドは、芳香族の直接フリーデル−クラフトアシル化反応のアミドの調製において有用な中間体である。
【0003】
商業的には、アンモニアおよびアミノのホスゲン化は、カルバモイルクロライドの生産に最も広く用いられる方法である。N,N−置換カルバモイルクロライドの調製に関し、商業的な方法は、第2級アミンのホスゲン化を含む。しかしながら、ホスゲンの使用には、いくつかの不利な点がある。ホスゲン化ルートは、長く、エネルギーを大量に消費し、かつ腐食性の高い物質、例えば塩化水素および塩素ならびに毒性の高い試薬および中間体、例えばホスゲンおよび塩素を使用する必要がある。さらに、ホスゲン化ルートは、資本コストの増加をもたらす高温および腐食性の高い条件に耐えることができる処理装置の使用を必要とする。
【0004】
米国特許第5,380,855号は、第2級アミン、二酸化炭素および求電子化合物を含有するハロゲン化物からの、N,N−置換カルバモイルハライドの非ホスゲン製造法を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、N,N−置換カルバモイルハライドの特に優れた製法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かくして、本発明は、式(I)NH(R)(R)C(O)X:
[式中、Xは臭素または塩素である]
で示されるN,N−置換カルバモイルハライドの製造方法であって、下記工程:
(a)二酸化炭素と式(II)NH(R)(R):
[式中、RおよびRは、独立して:
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)Cアルコキシ、S(O)N(R)(R)、N(R)(R);C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC1−18アルキル;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、N(R)(R);C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC1−18アルケニル;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC1−18アルコキシ;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC3−7シクロアルキル;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいアリール;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよい二環式6,5または6,6芳香族またはヘテロ芳香族基;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、Cアルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよい5または6員のヘテロ環、
から選択されるか;あるいは
・RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、アザサイクル中に1個のさらなるO、NまたはS原子を含有していてもよい、4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基を形成し、ここに、該4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよく;
・RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、アリール、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、あるいはNと一緒になってNRであるか、またはアザサイクル中に1個のさらなるO、NまたはS原子を含有していてもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオにより置換されていてもよい4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基を形成し;
・Rは、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;
・Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C3−7シクロアルキルC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルまたはC1−6アルキルであり;
・Rは、水素、C1−6アルキルまたはハロC1−6アルキルである]
で示される第2級アミンを、有機溶媒および塩基の存在下、対応するカルバミン酸塩(II)(R)(R)NC(O)O−を生成するのに十分な時間および温度条件下で接触させること;
(b)カルバミン酸塩(III)を、トリアルキルシリルクロライドと、対応するトリアルキルシリルエステルカルバミン酸(III)(R)(R)NC(O)OSi(アルキル)を生成するのに十分な時間および温度の条件下で反応させること;および
(c)トリアルキルシリルエステルカルバミン酸(IV)を、ハロゲン化剤と、式(l)(R)(R)NC(O)X(式中、Xは臭素または塩素である)で示される対応するN,N−置換カルバモイルハライドを生成するのに十分な時間および温度の条件下で反応させること、
を含む方法を提供する。
【0007】
本発明の方法は、高収率であり、ホスゲン化ルート利用しない、N,N−置換カルバモイルハライドのより効率的な合成法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
「二環式6,5または6,6芳香族またはヘテロ芳香族基」なる用語は、合計で9または10個の炭素原子を有する安定な二環式芳香族基、ならびに、合計で9または10個の原子を有し、酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する安定な二環式ヘテロ芳香族基を意味する。二環式6,5または6,6芳香族基の例としては、ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルおよび2,3−ジヒドロインデンが挙げられる。二環式6,5または6,6ヘテロ芳香族基の例としては、インドリル、キノリル、キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾジオキシニル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、4−、5−、6−または7−アザインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、キノキサリニルおよびシノリニルが挙げられる。
【0009】
本明細書で用いる場合、ナフチルなる用語は、単独または他の基の一部として用いる場合、特記しない限り、1−ナフチルおよび2−ナフチル基の両方を意味する。
【0010】
「5または6員のヘテロ環」なる用語は、部分的または完全に飽和した5または6−員のヘテロサイクリック基を意味する。少なくとも1個の窒素を含有し、酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい、完全に飽和した5または6員のヘテロ環の例としては、ピロリジニル、4−オキソ−ピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニルおよびチオモルホリニルが挙げられる。少なくとも1個の窒素を含有し、酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい、部分的に飽和した5または6員のヘテロ環の例としては、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニルおよびピラゾリニルが挙げられる。
【0011】
「アリール」なる用語は、単独または他の基の一部として用いる場合、特記しない限り、芳香族炭素環またはヘテロ環、例えば1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい、フェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジニル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、アゼピニルまたはナフチルを意味する。
【0012】
「C1−18アルキル」なる用語は、単独または他の基の一部として用いる場合、すべての異性体を含む1〜18個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、sec−ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチルおよびヘキシル等を含む。
【0013】
「C1−18アルケニル」なる用語は、単独または他の基の一部として用いる場合、1個またはそれ以上の二重結合を有し、2〜18個の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。
【0014】
「C1−18アルコキシ」なる用語は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ(または「アルキルオキシ」)基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ネオペントキシ、sec−ペントキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、tert−ペントキシ、ヘキソキシ等を意味する。
【0015】
「C3−7シクロアルキル」なる用語は、炭素−炭素二重結合を有しない、3〜7個の炭素原子(異なる炭素原子数を特記しない限り)を有する非芳香族単環式炭素環を意味する。「シクロアルキル」なる用語は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルを含む。
【0016】
およびRが、それらが結合している窒素と一緒になって、アザサイクル中に1個のさらなるO、NまたはS原子を含有していてもよい、4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基を形成する場合、かかるアザサイクリック基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアゾリジニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピペリジニル、4−オキソ−ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアジナニル、アゼピニルおよびアゼパニルが挙げられる。
【0017】
一の具体例において、RおよびRは、独立して、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよい4−オキソ−ピペリジニルまたはピペラジニルを形成する。
【0018】
一の具体例において、RおよびRは、独立して、フェニル(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、フェニル(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよい4−オキソ−ピペリジニルまたはピペラジニルを形成する。
【0019】
さらなる具体例において、第2級アミンは[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミンまたはそのエナンチオマーである。
さらなる具体例において、第2級アミンは[1−(R)3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミンである。
さらなる具体例において、第2級アミンは2−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)ピペリジン−4−オンまたはそのエナンチオマーである。
さらなる具体例において、第2級アミンは2−R−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピペリジン−4−オンである。
【0020】
本発明の方法により製造されるN,N−置換カルバモイルハライドの例としては:
N−3,5トリフルオロメチルフェニル,Nメチルカルバモイルクロライド、
2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1−ピペリジンカルボニルクロライドまたはそのエナンチオマーが挙げられる。
【0021】
本発明の方法により製造されるN,N−置換カルバモイルハライドのさらなる例としては:
N,N−ジブチルカルバモイルブロマイド、
ピペリジンカルバモイルクロライド、
ピペリジンカルバモイルブロマイド、
N,N−ジプロピルカルバモイルクロライド、
N,N−ジプロピルカルバモイルブロマイド、
N−フェニル,N−エチルカルバモイルクロライドまたは
N−フェニル,N−エチルカルバモイルブロマイドが挙げられる。
カルバミン酸塩は、塩基の存在下、溶液中で調製される。
【0022】
反応に用いることができる有機塩基の例としては、トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、2,6ルチジンジエチル、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピペリジン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、フェニルエチルアミン、エチルブチルアミン、エチルブチルアミン、テトラメチルグアニジン(TMG)、シクロヘキシル−テトラメチルグアニジン(CyTMG)、ブチルテトラエチルグアニジン(n−BTEG)、シクロヘキシル−テトラエチルグアニジン(CyTEG)、テトラエチルグアニジン(TEG)、t−ブチル−テトラエチルグアニジン(t−BTEG)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(MTBD)、t−ブチル−ジメチルホルムアミジン(t−BDMF)、t−ブチリデンメチルアセトアミジン(t−BMA)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)等、および2個またはそれ以上の混合物が挙げられる。
【0023】
本発明の一の具体例において、塩基は、1:1〜3:1の範囲の体積比の、リエチルアミンおよびピリジンの混合物である。
無機塩基の例としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等、あるいは2個またはそれ以上のその混合物が挙げられる。
【0024】
本発明の方法において用いるための有機溶媒の例としては、非プロトン性溶媒が挙げられる。極性および非極性有機溶媒の両方およびそれらの混合物を、本発明の方法に用いることができる。本明細書で用いられる場合、「極性非プロトン性溶媒」なるフレーズは、Reichardt, C., 「Solvents and solvent effects inorganic chemistry」2nd ed., VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim, (1988), TableA-1に報告されているように、約10よりも大きい25℃で測定した誘電率を有する非プロトン性有機溶媒を意味する。他の誘電率を測定する方法が知られており、適当な極性非プロトン性有機溶媒は、かかる方法を用いて測定してテトラヒドロフランよりも大きい誘電率を有する溶媒である。
【0025】
本発明の方法に用いることができる非極性非プロトン性溶媒の例としては、ジクロロメタン、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、o−ジクロロベンゼン、トリエチルアミン等およびその混合物が挙げられる。
一般的に、好ましい非極性非プロトン性溶媒は、酢酸エチル、ジクロロメタンおよびトルエンを含む。
【0026】
本発明の方法に用いることができる極性非プロトン性溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、スルホラン、ピリジン等およびその混合物が挙げられる。
一般的に、好ましい極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルおよびN,N−ジメチルホルムアミドを含む。
【0027】
必ずではないが、さらなる溶媒を回収するためのさらなる処理装置の使用を避けるために、本発明のすべての反応を行うのに同じ溶媒を用いるのが好ましい。
【0028】
本発明の工程に利用される溶媒の量は、好ましくは、少なくとも存在するカルバミン酸を溶解するのに必要な量である。
【0029】
一の具体例において、本発明の方法の溶媒は、0.25%vol/volまでのエタノールを含有していてもよい酢酸エチルである。
本方法において用いるのに有用なトリアルキルシリルクロライド化合物は、トリメチルシリルクロライド、トリエチルシリル、tert−ブチルメチルシリルを含む。
本発明の一の具体例において、トリアルキルシリルクロライドはトリメチルシリルクロライドが好ましい。
【0030】
本発明の方法に利用可能なハロゲン化剤は、POX、PX、PX、SOX、SO、COおよびそれらの混合物(Xは臭素または塩素である)を含む。
適当なハロゲン化剤の例としては、POCl、POBr、PCl、PBr、PCl、PBr、SOCl、COCl、SOBr、SOClおよびSOBrが挙げられる。
本発明の一の具体例において、ハロゲン化剤は、SOClまたはCOClである。
【0031】
第2級アミンと二酸化炭素間の反応は、CO雰囲気下で行われる。反応中のCOの圧力は、1〜1.5Bar(大気圧)である。COを、第2級アミンを含有する反応容器の液面下に、に充填することが好ましい。
【0032】
一の具体例において、カルバミン酸塩とトリアルキルシリルクロライドと、ついでハロゲン化剤との反応は、CO雰囲気下で行われる。
さらなる具体例において、カルバミン酸塩、ついで、ハロゲン化剤との反応は、不活性雰囲気下、例えば実質的に乾燥した窒素、アルゴンまたは空気下で行われる。水は、ハロゲン化剤と反応するので、実質的に乾燥した雰囲気下が望ましい。
【0033】
本発明の方法に用いられる温度および時間は、関与する特定の反応に依存するだろう。第2級アミンとCOの反応に関しては、温度は、約−78℃〜約50℃、好ましくは約−20℃〜約30℃、および最も好ましくは約20℃〜約30℃である。時間は、概ね反応物の完全な混合に必要な時間、約6時間、好ましくは約5分〜約2時間、最も好ましくは約15分〜約60分であるだろう。カルバミン酸塩とトリアルキルシリルクロライド化合物の反応に関して、温度は、約−78℃〜約25℃、好ましくは約−40℃〜25℃、最も好ましくは約−20℃〜約25℃である。
【0034】
カルバミン酸のトリアルキルシリルエステルとハロゲン化剤との反応に関しては、温度は、約−78℃〜約40℃、好ましくは約−40℃〜25℃、最も好ましくは約0℃〜約25℃である。
時間は、概ね反応物の完全な混合に必要な時間、約4時間、好ましくは約1分〜約2時間、最も好ましくは約5分〜約60分である。
【0035】
本発明の一の具体例において、アミンは[1−(R)3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミンであり、溶媒は0.25%vol/volまでのエタノールを含有する酢酸エチルであり、ハロゲン化剤はSOClであり、トリアルキルシリルクロライドはトリメチルシリルクロライドであり、塩基は、1:1〜3:1の範囲の体積比のトリエチルアミンおよびピリジンの混合物であり、反応温度は20〜25℃の範囲である。
【0036】
本発明の一の具体例において、アミンは2−R−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)ピペリジン−4−オンであり、溶媒は0.25%vol/volまでのエタノールを含有する酢酸エチルであり、ハロゲン化剤はSOClであり、トリアルキルシリルクロライドはトリメチルシリルクロライドであり、塩基は、1:1〜3:1の範囲の体積比のトリエチルアミンおよびピリジンの混合物であり、反応温度は0〜25℃の範囲である。
【0037】
本発明の方法により製造される望ましいN,N−置換カルバモイルハライドは、当該分野で公知の慣用的な方法、例えば本明細書に開示する方法により回収することができる。別法として、本発明の方法により得られるN,N置換カルバモイルハライドは、単離することなくさらなる反応に付すことができる。
【0038】
上記した化学反応は、一般的に、本発明の化合物の製造に広く適用できるという観点で開示する。反応は、開示した範囲内に含まれる個々の化合物に、開示したように適用できない場合もあり得る。このようなことが起こる化合物は、当業者であれば明らかだろう。すべての場合において、反応が、当業者に公知の慣用的修飾法、例えば干渉する基を適当に保護する、別の慣用的な試薬に変更する、反応条件を適宜変更する等により首尾よく行うことができ、あるいは本明細書に開示した他の反応または別の慣用的な方法は、対応する本発明の化合物の調製に適用できるだろう。すべての分取方法において、すべての出発物質は公知であるか、公知の出発物質から容易に調製することができる。
【0039】
以下の実施例は、本発明を単に説明するためのものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲により定義される。
【0040】
実施例において、プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian装置を用い、300、400または500MHzで、Bruker装置を用い300MHzで記録し、化学シフトは、内部標準として残留溶媒のラインを用いてのppm(δ)で記録した。スプリットパターンは、s=シングレット;d=ダブレット;t=トリプレット;q=カルテット;m=マルチプレット;b=ブロードとして記録した。NMRスペクトルは、25〜90℃の温度範囲で記録し;1種以上の配座異性体が検出された場合、最も多いものについての化学シフトを記録する。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)スペクトルは、カラムとしてLuna(50×2mm、3μ)を備えたAgilent Technology HP 1200 LCシステムで記録した;DAD UVクロマトグラフトレースは、典型的には、PDA検出器で行った;該方法は、勾配:8分間0〜95%B、移動相A:水+0.05%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.05%TFAのおよび流速1.0ml/分および温度40℃;λ=220nmで行った。液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)データは、HPLC装置Agilent 1100 シリーズ(上記)と組み合わせてES(+)およびES(−)エレクトロスプレーイオン化法モードで稼働するAgilent LC/MSD 1100 質量分析計で得た。
【0041】
実施例1
N−[1−(R)3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]−N−メチルカルバモイルクロライド
[1−(R)3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミンL(−)マレアート(13.5g;33.33mmol)を酢酸エチル(39.9ml)およびエタノール(0.1ml)中に懸濁させ;水性炭酸ナトリウム13%(40ml)を加え、混合物を20〜25℃の温度で、透明な溶液が形成されるまで撹拌した。水相を破棄し、有機相を水(40ml)で洗浄した。さらに酢酸エチル(49.87ml)およびエタノール(0.13ml)を加え、溶液を40mlまで濃縮し、さらに酢酸エチル(49.87ml)およびエタノール(0.13ml)を加え、溶液を40mlまで濃縮した。さらに酢酸エチル(109.7ml)およびエタノール(0.3ml)を、CO流雰囲気下で加えた。容器において減圧とCOのサイクルを適用し、ついで、COを10分間維持した。ついで、ニートEtN(6.1ml;46.34mmol)を加え、反応混合物を20〜25℃で30分間撹拌した。トリメチルシリルクロライド(6.4ml;40.42mmol)を30分加え(発熱工程)、反応混合物を、さらに30分間室温にて撹拌した。ピリジン(5.4ml;66.66mmol)を加え、ついで、SOCl(3.6ml;40.42mmol)を10分で加えた。反応混合物を室温にて10時間CO雰囲気下で撹拌した。13%w/wのラセミ体リンゴ酸水溶液(60ml)を加え、混合物を15分間撹拌し;水相を破棄し、ついで、有機相を水(60ml)で洗浄し;水相をはきし、ついで、有機相を炭酸ナトリウム13%w/w(60ml)で洗浄した。最後に、水相を破棄し、酢酸エチル(49.87ml)およびエタノール(0.13ml)を加え、溶液を50mlまで濃縮し;さらに酢酸エチル(49.87ml)およびエタノール(0.13ml)を加え、溶液を濃縮して乾燥し、淡黄色の標題化合物を得た(10.41gr;31.33mmol,94%収率)。
NMR−(d−DMSO)δ(ppm)
8.04δ(br s,1H),7.97δ(br s,2H),5.52δ(q,1H),2.97δ(s,3H),1.66δ(d,3H)
【0042】
実施例2
(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1−ピペリジニルカルボニルクロライド
(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1−ピペリジンL(−)マンデレート(2g;5.57mmol)を酢酸エチル(8ml)中に懸濁し;水性炭酸ナトリウム13%w/w(10ml)を加え、混合物を20〜25℃で、透明な溶液が形成されるまで撹拌した。水相を破棄し、有機相を水性塩化ナトリウム10%w/w(4ml)で洗浄した。さらなる酢酸エチル(8ml)を加え、溶液を6mlまで濃縮し、第2のさらなる酢酸エチル(8ml)を加え、溶液を6mlまで濃縮した。
さらなる酢酸エチル(2ml)およびニートEtN(1.94ml;13.92mmol)を、CO流雰囲気下0℃で加えた。混合物を10分間撹拌し、ついで、トリメチルメチルシリルクロライド(1.42ml;11.14mmol)を5分で加え(発熱工程)、反応混合物をさらに30分間0℃で撹拌した。ピリジン(0.58ml;7.24mmol)を加え、ついで、SOCl(0.53ml;7.24mmol)を5分で加えた。反応混合物を0℃で1時間、ついで、20〜25℃、CO雰囲気下で5時間撹拌した。水(20ml)を加え;水相を破棄し、ついで、有機相を炭酸ナトリウム13%w/w(20ml)で洗浄し;水相を破棄し、ついで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濾過し、濃縮し、乾燥させて、標題化合物を淡黄色として得た(1.5gr;5.57mmol、100%収率)。
HPLC Rt:2.33分;MS:[H+]270

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)NH(R)(R)C(O)X:
[式中、Xは臭素または塩素である]
で示されるN,N−置換カルバモイルハライドの製造方法であって、下記工程:
(a)二酸化炭素と式(II)NH(R)(R):
[式中、RおよびRは、独立して:
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)Cアルコキシ、S(O)N(R)(R)、N(R)(R);C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC1−18アルキル;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、N(R)(R);C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC1−18アルケニル;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC1−18アルコキシ;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいC3−7シクロアルキル;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよいアリール;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよい二環式6,5または6,6芳香族またはヘテロ芳香族基;
・ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキル、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシにより置換されていてもよい)、C1−6アルカノイル、Cアルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよい5または6員のヘテロ環、
から選択されるか;あるいは
・RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、アザサイクル中に1個のさらなるO、NまたはS原子を含有していてもよい、4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基を形成し、ここに、該4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオ、C(O)N(R)(R)、C(O)N(R)C1−6アルコキシ、S(O)N(R)(R)、C(NOR)R、N(R)C(O)(R)、N(R)S(O)(R)、C(O)R、C(O)ORにより置換されていてもよく;
・RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、アリール、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、あるいはNと一緒になってNRであるか、またはアザサイクル中に1個のさらなるO、NまたはS原子を含有していてもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)、CF、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルカノイル、またはC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルチオにより置換されていてもよい4−、5−、6−または7員のアザサイクリック基を形成し;
・Rは、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;
・Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C3−7シクロアルキルC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルまたはC1−6アルキルであり;
・Rは、水素、C1−6アルキルまたはハロC1−6アルキルである]
で示される第2級アミンを、有機溶媒および塩基の存在下、対応するカルバミン酸塩(II)(R)(R)NC(O)O−を生成するのに十分な時間および温度条件下で接触させること;
(b)カルバミン酸塩(III)を、トリアルキルシリルクロライドと、対応するトリアルキルシリルエステルカルバミン酸(III)(R)(R)NC(O)OSi(アルキル)を生成するのに十分な時間および温度の条件下で反応させること;および
(c)トリアルキルシリルエステルカルバミン酸(IV)を、ハロゲン化剤と、式(l)(R)(R)NC(O)X(式中、Xは臭素または塩素である)で示される対応するN,N−置換カルバモイルハライドを生成するのに十分な時間および温度の条件下で反応させること、
を含む方法。
【請求項2】
第2級アミンが、式(II)NH(R)(R):
[式中、RおよびRは、独立して、フェニル(1個またはそれ以上のハロゲン、CアルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、またはRおよびRが、それらが結合している窒素と一緒になって、フェニル(1個またはそれ以上のハロゲン、C1−6アルキルまたはCFにより置換されていてもよい)により置換されていてもよい4−オキソ−ピペリジニルまたはピペラジニルを形成する]
で示される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第2級アミンが、[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミン;
2−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)ピペリジン−4−オン
またはそのエナンチオマーから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
第2級アミンが、[1−(R)3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミンまたは2−R−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピペリジン−4−オンである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
有機溶媒が非極性非プロトン性溶媒である、請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
有機溶媒が、0.25%vol/volまでのエタノールを含有していてもよい酢酸エチルである、請求項1〜5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
塩基が有機塩基である、請求項1〜6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
有機塩基が、1:1〜3:1の範囲の体積比の、トリエチルアミンおよびピリジンの混合物である、請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
トリアルキルシリルクロライドが、トリメチルシリルクロライドである、請求項1〜8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
ハロゲン化剤が、SOClまたはCOClである、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
アミンが2−R−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)ピペリジン−4−オンであり、
溶媒が0.25%vol/volまでのエタノールを含有していてもよい酢酸エチルであり、
ハロゲン化剤がSOClであり、
トリアルキルシリルクロライドがトリメチルシリルクロライドであり、
塩基が、1:1〜3:1の範囲の体積比の、トリエチルアミンおよびピリジンの混合物であり、
反応温度が0℃〜25℃の範囲である、
請求項1〜10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
アミンが[1−(R)3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]メチルアミンであり、
溶媒が0.25%vol/volまでのエタノールを含有していてもよい酢酸エチルであり、
ハロゲン化剤がSOClであり、
トリアルキルシリルクロライドがトリメチルシリルクロライドであり、
塩基が、1:1〜3:1の範囲の体積比の、トリエチルアミンおよびピリジンの混合物であり、
反応温度が20℃〜25℃の範囲である、
請求項1〜11いずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2009−513592(P2009−513592A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537018(P2008−537018)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010437
【国際公開番号】WO2007/048642
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】