説明

NC工作機械

【課題】
機械操作者の操作入力作業を簡略化すべく、機械操作者の使用方法に合わせた画面表示を設定することができるNC工作機械を提供する。
【解決手段】
機械操作者からの入力データを入力する入力データ処理部と、前記機械操作者の使用方法を予め分類し記憶する使用方法分類記憶部と、前記機械操作者の入力データに応じて前記使用方法分類記憶部に記憶された何れの使用方法であるかを判断する分類判断部と、前記使用方法の分類内容に応じて、前記機械操作者に対して操作入力を促す表示画面の表示項目のうち、入力不要項目はマスクするように予め設定された表示切替内容記憶部と、前記分類判断部の判断内容に応じて、前記表示切替内容記憶部から表示すべき表示項目を特定し、前記機械操作者の入力データに応じた表示画面となるように画面切替を行う表示切替部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、NC工作機械において、NC工作機械のユーザの使用方法に応じて、NC工作機械の機能を使用するための画面表示を変更する制御方法及び制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
NC工作機械は、加工性能や操作性等に関する多様なニーズに応えられるように様々な機能を有する。
そして、機能の多様性に伴い、それら機能を使用するための表示画面、また機能を有効にするためのスイッチや、パラメータの調整等の表示項目が用意されるために、NC工作機械の表示画面や表示項目は増大し、その操作方法も繁雑となっている。
そのため、画面や項目の内容や操作方法をユーザは容易に理解・習得できず、また不要な画面や操作を経由しなければ、必要な画面や操作にたどり着かない場合もあった。
また、機能の多様性に応じて、ユーザにより様々な使用方法(使用する機能や操作手順)がある一方、同一のユーザについてはほとんど同じ使用方法しか用いられていないため、ユーザが使用しない機能に関する表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目も多く、それらはNC工作機械の表示内容や操作方法を容易に理解・習得するための妨げとなる。
【0003】
このような状況に対して、従来のNC工作機械の制御装置においては、表示内容や操作方法をわかりやすくするために、スイッチの配置や大きさ等をユーザ自身が自由に変更(カスタマイズ)することができる制御装置を備えたNC工作機の制御装置があり、使用頻度にあわせてスイッチの大きさを変更したり、または、使用頻度の大きなものを集めて配置したりすることが容易にできるものが提案されている。(例えば特開平5−250025号公報)
また、カスタマイズ機能を設けた制御装置においても、ユーザごとにカスタマイズを設定するための作業が多いといった場合があり、例えば始動時にユーザを入力して設定することで、事前にユーザと関連付けたカスタマイズの設定をおこなうことにより、画面表示や操作方法の切替を容易にすることができるものが提案されている。(例えば特開2009−271771号公報)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−250025号公報
【特許文献2】特開2009−271771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら表示画面や表示項目をユーザ自身が変更する従来の制御装置では、ユーザがカスタマイズしたい表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目について、その内容や使用頻度等を、ユーザの使用方法に応じて、理解・習得してからでないとユーザがどのように画面表示を変更すればよいのか分からないという問題点があった。
また、カスタマイズ設定の切替を容易にする前記従来の制御装置においても、カスタマイズ設定のための表示画面、表示項目について、ユーザが理解・習得してからでないと、どのように表示画面、表示項目を変更すればよいのか分からないという問題点があった。
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、ユーザがNC工作機械の制御装置の表示画面、表示項目や使用方法を理解・習得する前に、ユーザの使用方法に合わせた画面表示を設定することができる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るNC工作機械は、機械操作者からの入力データを入力する入力データ処理部と、前記機械操作者の使用方法を予め分類し記憶する使用方法分類記憶部と、前記機械操作者の入力データに応じて前記使用方法分類記憶部に記憶された何れの使用方法であるかを判断する分類判断部と、前記使用方法の分類内容に応じて、前記機械操作者に対して操作入力を促す表示画面の表示項目のうち、入力不要項目はマスクするように予め設定された表示切替内容記憶部と、前記分類判断部の判断内容に応じて、前記表示切替内容記憶部から表示すべき表示項目を特定し、前記機械操作者の入力データに応じた表示画面となるように画面切替を行う表示切替部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ユーザの使用方法をあらかじめ用意された分類のどれに該当するのかを、制御装置が判断する、またはユーザがNC工作機械を使用する以前に知りえる情報によりユーザが設定することにより、表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目がユーザの使用方法に合わせて最適化されるので、NC工作機械の表示画面、表示項目の内容や使用方法を理解・習得しなくとも、ユーザの使用方法に合わせた画面表示を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係るNC工作機械の制御装置の説明図である。
【図2】実施の形態1に係るNC工作機械の制御装置とパーソナルコンピュータ等の外部機器が持つ機能を示した概念図である。
【図3】実施の形態1に係るNC制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】使用方法分類記憶部の分類例を示す説明図である。
【図5】表示切替内容記憶部の表示内容例を示す説明図である。
【図6】画面表示処理部が入力データに応じて画面表示を切替えた例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる使用方法選択画面の手段の例を示す説明図である。
【図8】実施の形態2に係るNC制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】使用方法の選択画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1にかかるNC工作機械の制御装置の説明図である。
図において、NC工作機械1の外部で機械操作者により作成された2次元或いは3次元のCADデータ、またはNCプログラム等の入力データ2は、入力データ処理部11にて、図示しない所定の記憶領域に記憶されると共に、データの解析(例えばNC工作機械で加工する対象が金型であれば、NC工作機械の機能に関わらず機械操作者が知りえる情報として、ダイ形状、パンチ形状やテーパの有無等その金型の形状の情報を、あらかじめNCプログラム等の入力データのヘッダ等に付加しておき、付加された情報から分類判断部で使用するためのデータ作成や、入力データから金型の形状を推定し、分類判断部で使用するためのデータ作成)を実施する。
ここで、NC工作機械1には、機械操作者によって入力される入力データ2の内容に応じて、画面表示装置17に表示される表示画面の分類(使用方法)が予め使用方法分類記憶部13に記憶されており、分類判断部12において、入力データ2または入力データ2に基づいて入力データ処理部が作成したデータがどの使用方法に分類されるかが判断され、表示切替部14に使用方法の分類データ(指令)を出力する。
表示切替部14では、予め使用方法の分類ごとに表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目をどのように切替るかを指定した表示切替内容記憶部15から、分類判断部12で判断された使用方法に対応する表示画面を決定し、画面表示処理部16に出力する。
画面表示処理部16は、画面表示装置17に表示画面を表示するための処理部であり、決定された表示方法に対応するように、図示しない所定の記憶領域に記憶されている画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目について表示の有無を設定して、画面表示を行う。
【0011】
図2はNC工作機械の制御装置とパーソナルコンピュータ等の外部機器が持つ機能を示した概念図である。
NC工作機械はNCプログラムに記されたコードを実行することにより加工を実施するが、これらNCプログラムの作成は、NCプログラムのコードをテキストエディタ等で直接記入する場合や、加工図面をCAD(Computer Aided Design)で作成し、CAM(Computer Aided Manufacturing)を使用してソフトウェア処理される場合がある。
NC工作機械で加工する形状は複雑であり、また加工軌跡やNC工作機械の機能や動作を指令するためのコードは複雑であるため、一般的には2次元CADまたは3次元CAD、2次元CAMまたは3次元CAM等のソフトウェア処理が通常使用されている。
また、CAD/CAMを使用してNCプログラムを作成する際は、NC工作機械の制御装置内蔵されている2次元CAD、3次元CAD、2次元CAM、3次元CAM機能を用いる場合や、パーソナルコンピュータ等の外部機器で構築されたCAD/CAMを用いる場合など、機械操作者によって異なるNCプログラム作成がなされている。
ここで、機械操作者によるNCプログラムの作成方法の一例は、外部機器で2次元CAD図面を作成し、この2次元CADデータをNC工作機械に入力し、該NC工作機械の内蔵2次元CAMを使用してNCプログラムを作成する作成方法等が有り、これらNCプログラムの作成方法は、機械操作者はその作業手順の平準化の点から作成方法は固定されている場合が多い。
なお、NC工作機械は前述したような多様なNCプログラムの作成方法に全て対応して表示され、かつ操作することができるように構成されているため、例えばNCプログラムを直接NC工作機械に入力する機械操作者からみれば、使用することのない内蔵2次元CADやそれに関連する機能の表示画面や表示項目が存在していた。
【0012】
次に、本発明の実施の形態1の動作について図3に示すフローチャートを用いて説明する。
NCプログラムの作成に際しては、入力データ処理部11にて、機械操作者が作成した入力データ2の読込みがあるのか判断され(ST1))、入力データ2の読込みがなければNC工作機械にてNCプログラムを作成する必要があることから、従来と同様に全ての項目が表示された基準画面が表示され、機械操作者にNCプログラムを作成する作業を促す。(ST2)
ここで、機械操作者が予めパーソナルコンピュータ等の外部機器で作成した入力データ2は、LANケーブルやUSBフラッシュメモリ等の媒体を通じて、NC工作機械のデータ入力処理部11で処理されてNC工作機械へ取り込まれる。
なお、データ入力処理を実施するための表示画面をシステムの起動時に表示することで機械操作者がNC工作機械の操作で迷うことなく、まずデータ入力を実施させることも可能である。
【0013】
次に入力データ2の読込みが存在する場合には、それらデータには、一例として2次元CADデータ、3次元CADデータ、NCプログラムが存在し、各データのファイルの拡張子が異なる点を利用することで入力データ2の分類を判断できるため、分類判断部12が入力データ2より拡張子を取得する。(ST3)
そして、分類判断部12は、入力データ2の拡張子とそれぞれに拡張子を関連付けた使用方法分類記憶部13の内容(図4参照)を比較することによって、どの使用方法分類に該当するか判断される。(ST4)
なお、分類判断部12における判断手法は、入力データ2のファイル拡張子に限らず、入力されたデータに基づいて入力データ処理部で作成されたデータ(例えば分類判断部で金型形状のテーパの有無を判断するのであれば、NCプログラムを入力データ処理部で解析して、テーパ加工を実施するためのNCプログラムコードの有無から金型形状のテーパの有無を示すように作成したデータ)とすることも可能である。
【0014】
分類判断部12で使用方法分類が決まると、表示切替内容記憶部15に記憶された図5に示す入力データに応じた表示項目リストに基づき、使用方法分類ごとに表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目をどのように切替えるかを、表示切替部14が実施する。なお、具体的には、表示切替部14が画面表示内容を切替るべく、画面表示処理部16に画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目について表示の有無を設定して、表示を更新する指令を出力する。
なお、切替える画面表示内容は例に挙げたような表示画面や表示項目の有無に限らず、表示画面、表示項目の順序、位置、大きさ、色、形状等全てを指定しておくことも可能である。
【0015】
表示切替部14の処理により決定された表示内容にしたがって、画面表示処理部16が図6に示すように画面表示装置に表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目が最適化された画面表示を行う。(ST5,6,7)
例えば図6において、メニュー表示欄に表示される内蔵3次元CAM、内蔵2次元CAD/CAM、NCプログラム編集、NCプログラム運転のそれぞれの機能は、内蔵3次元CAMは3次元CADデータの3次元形状から輪郭を抽出することにより2次元のCADデータを作成する機能、内蔵2次元CAD/CAMは2次元形状を作画して2次元CADデータを作成する、また2次元CADデータからNCプログラムの作成する機能、NCプログラム編集はテキスト編集によりNCプログラムを作成、編集する機能、NCプログラム運転はNCプログラムを運転することによりNC工作機械で加工を実行するための機能である。
またスイッチ表示欄には内蔵2次元CAD/CAM、NCプログラム編集、NCプログラム運転のそれぞれの機能を使用するためのスイッチやパラメータ調整等を表示する。
【0016】
使用方法分類が3次元CADである場合、機械操作者は入力した3次元CADデータを、まず内蔵3次元CAMで2次元CADデータを作成し、次に内蔵2次元CAD/CAMを使用して、NCプログラムを作成し、最後にNCプログラムを運転して加工を実行する。この作業手順において、NCプログラムをテキスト編集する作業は不要である。
使用方法分類が2次元CADである場合、機械操作者は入力した2次元CADデータを、まず内蔵2次元CAD/DCMを使用して、NCプログラムを作成し、NCプログラムを運転して加工を実行する。この作業手順において、内蔵3次元CAMとNCプログラム編集作業は不要である。
使用方法分類がNCプログラムである場合、機械操作者は入力したNCプログラムを、必要な場合のみNCプログラムを編集して、NCプログラムを運転して加工を実行する。この作業手順において、内蔵3次元CAMと内蔵2次元CAD/CAMでの作業は不要である。
【0017】
このように使用方法分類により、作業が不要な画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目を非表示にすることにより、機械操作者は自身の作業手順に不要な画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目を見ることもなく、NC工作機械の画面表示は最適化される。
なお、使用方法分類を機械操作者が選択するための画面を、全ての使用方法分類において表示することにより、使用方法の分類が完了している場合でも、機械操作者は任意に分類の選択を変更することも可能である。
【0018】
本実施の形態によれば、予め用意された使用方法の分類を、入力されるデータを使用してNC工作機械により判断、または機械操作者に選択させることにより、機械操作者がNC工作機械の使用方法を理解・習得しなくとも、画面、スイッチやパラメータ調整等の画面表示が機械操作者の使用方法に合わせて表示不要項目はマスクされることで最適化される。
そして、最適化されることにより、例えば3次元CAMは3次元CADデータから3次元形状の輪郭を抽出することで、3次元形状を2次元の形状に置換えて2次元CADデータを作成することに用いられるが、入力データに2次元CADデータを選択した機械操作者は、不必要な機能である3次元CAMに関する画面、スイッチやパラメータ調整等の画面表示も見ることが無くなる。
これにより3次元CAMを使用する場合のスイッチの設定やパラメータ調整の必要の有無を判断することすら不要となり、3次元CAMに関連する画面、スイッチやパラメータ調整が表示されている場合と比較して、NC工作機械の画面表示や操作方法の理解・習得が容易にできる。
さらに機械操作者の使用方法において必要とするNC工作機械の画面表示や操作方法の理解・習得が容易になることにより、NC工作機械の導入後に生産設備としてのNC工作機械を早く立ち上げることができ、また不要な画面、スイッチが表示され、それらを操作することによる、無駄な操作や誤操作が無くなることにより、NC工作機械の稼働率の上昇も期待することができる。
【0019】
実施の形態2.
実施の形態1では、機械操作者が入力した入力データに応じて使用方法を特定することで、画面表示装置に表示される表示内容が切替えるようになる点を説明したが、本実施の形態では、NC工作機械へ入力されるデータを分類判断部によりNC工作機械が判断しなくても、これらの分類は、機械操作者が外部機器で作成するデータ等のNC工作機械の機能に関わらず予め機械操作者自身が認識していることであるため、システム起動時等に機械操作者が選択可能とする場合について説明する。
【0020】
図7は、発明の実施の形態2にかかるNC工作機械の制御装置の説明図であり、図1に示した実施の形態1に対し、使用方法分類の判断を機械操作者が実施することから、分類判断部は分類設定画面として画面表示装置に表示される点、機械操作者が実施した使用方法分類の設定を記憶する使用方法選択記憶部が必要な点、入力データ処理により画面表示を切替えないことから、画面表示処理に関しては入力データと入力データ処理部が不要となる点が変更となっている。
図7において、分類(使用方法)は予め使用方法分類記憶部13Aに記憶されており、NC工作機械の画面表示装置17は、その使用方法分類を分類設定画面に表示する。
機械操作者は表示された分類設定画面において使用分類をボタンやリスト等から選択する。
分類設定画面において設定した内容と使用方法の選択が完了した情報は使用方法選択記憶部18に記憶される。
表示切替部14では、予め使用方法の分類ごとに表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目をどのように切替るかを指定した表示切替内容記憶部15から、分類設定画面で選択された使用方法分類に対応する表示画面を決定し、画面表示処理部16に出力する。
画面表示処理部16は、画面表示装置17に表示画面を表示するための処理部であり、決定された表示方法に対応するように、図示しない所定の記憶領域に記憶されている画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目について表示の有無を設定して、画面表示を行う。
【0021】
次に、本発明の実施の形態2の動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
本実施の形態では、機械操作者自身がNC工作機械へ入力されるデータを予め認識しているため、システム起動時に、使用方法の分類を選択する画面を表示することにより、機械操作者による使用方法の選択が行われる。
まずシステムの起動後にシステムは、使用方法選択記憶部18から使用方法の選択が完了しているかを判断する。(ST11)
使用方法の選択が完了している場合は、表示切替部14は、使用方法記憶部18に基づいて、表示切替内容記憶部15から、表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目をどのように切替るかを設定して、画面表示処理部16に指令を出力する。(ST14)
【0022】
使用方法の選択が完了していない場合は、表示切替部14が図9に示すような使用方法の選択画面を表示するよう画面表示処理部16に指令を出力し、画面表示装置17に使用方法の選択画面を表示する。(ST12)
機械操作者が使用方法を選択した場合は、設定した内容と使用方法の選択が完了した情報を使用方法選択記憶部に記憶し、システム起動時に使用方法の選択が完了していた場合と同様に、表示画面、スイッチやパラメータ調整等の表示項目を最適化して、画面表示処理部16に指令を出力する。(ST14)
機械操作者が使用方法を選択しない場合は、表示切替内容記憶部15に記憶された使用方法分類による表示切替を行うことなく、表示切替部において、全ての機能・画面表示をするように設定して画面表示処理部16に指令を出力する。(ST15)
最後に画面表示処理部16が画面表示装置に最適化された画面表示を行う。
なお、使用方法の分類が完了している場合でも、設定されている使用方法分類関わらず、使用方法の選択画面を表示する手段を設けておくことにより、機械操作者は任意に使用方法の分類を選択する画面を表示して、分類の選択を変更することも可能である。
機械操作者による使用方法の分類の選択を完了した以降は実施形態1と同様に表示切替内容記憶部と表示切替部の処理にしたがって、画面表示処理部により最適化された画面表示を行うことができる。
【0023】
本実施の形態によれば、システム起動時の初期画面で機械操作者がNCプログラムを作成するために必要な画面表示を選択させることにより、最初から機械操作者の使用方法に合わせて画面、スイッチやパラメータ調整等の画面表示が最適化される。
そのため、最初から不必要な機能に関する画面表示を見ることもなく、不必要な機能の画面表示が存在する場合と比較して、NC工作機械の画面表示や操作方法の理解・習得が容易にできる効果を奏する。
【符号の説明】
【0024】
1 NC工作機械、2 入力データ、11 入力データ処理部、12 分類判断部、13 使用方法分類記憶部、14 表示切替部、15 表示切替内容記憶部、16 画面表示処理部、17 画面表示装置、18 使用方法選択記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械操作者からの入力データを入力する入力データ処理部と、
前記機械操作者の使用方法を予め分類し記憶する使用方法分類記憶部と、
前記機械操作者の入力データに応じて前記使用方法分類記憶部に記憶された何れの使用方法であるかを判断する分類判断部と、
前記使用方法の分類内容に応じて、前記機械操作者に対して操作入力を促す表示画面の表示項目のうち、入力不要項目はマスクするように予め設定された表示切替内容記憶部と、
前記分類判断部の判断内容に応じて、前記表示切替内容記憶部から表示すべき表示項目を特定し、前記機械操作者の入力データに応じた表示画面となるように画面切替を行う表示切替部と、
を備えたことを特徴とするNC工作機械。
【請求項2】
使用方法分類記憶部には、入力データに対応するファイル拡張子に対応して使用方法が分類分けされ、分類判断部が、入力データのファイル拡張子を参照することで使用方法を特定することを特徴とする請求項1に記載のNC工作機械。
【請求項3】
NC工作機械への入力データが、3次元CADデータ、2次元CADデータ、外部機器で作成されたNCプログラムを示すデータとし、分類判断部が、該入力データに応じて入力画面における、画面、メニュー表示欄、スイッチ表示欄を最適化したNCプログラム作成画面を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のNC工作機械。
【請求項4】
機械操作者からの入力データを入力する入力データ処理部と、
前記機械操作者の使用方法を予め分類し記憶する使用方法分類記憶部と、
前記使用方法分類記憶部に記憶された使用方法を前記機械操作者に選択させ、該選択結果を記憶する使用方法選択記憶部と、
前記使用方法の分類内容に応じて、前記機械操作者に対して操作入力を促す表示画面の表示項目のうち、入力不要項目はマスクするように予め設定された表示切替内容記憶部と、
前記使用方法選択記憶部に記憶された使用方法を取得し、該使用方法に応じて、前記表示切替内容記憶部から表示すべき表示項目を特定し、前記機械操作者の選択内容に応じた表示画面となるように画面切替を行う表示切替部と、
を備えたことを特徴とするNC工作機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−221843(P2011−221843A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91284(P2010−91284)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】