説明

OHC型エンジンの潤滑装置

【課題】 OHC型エンジンにおける動弁カムの潤滑性能を向上させることである。
【解決手段】 吸気バルブと排気バルブを開閉するカム軸33はシリンダヘッドに設けられており、カム軸33にはクランク軸に固定される駆動側プーリとの間でタイミングベルト37が掛け渡される従動側プーリ36が固定されている。従動側プーリ36の外周部にはタイミングベルト37の歯37aが係合する複数の歯溝72が周方向に並んで形成され、これらの歯溝72は一対のフランジ部36cにより挟まれている。各歯溝72にはそれぞれ動弁カム34に向けて貫通する貫通孔74が形成されており、タイミングベルト37に付着した潤滑油Lは歯溝72から貫通孔74を介して動弁カム34に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸気弁と排気弁とを開閉するカム軸がシリンダヘッドに設けられるOHC型エンジンの潤滑装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OHC(Over Head Camshaft)型エンジンは吸気弁と排気弁とを開閉するカム軸がシリンダヘッドに設けられるタイプのエンジンであり、カム軸の駆動はクランク軸に固定される駆動側プーリとカム軸に固定される従動側プーリとに掛け渡されるタイミングプーリを介して行われる。
【0003】
このようなOHC型エンジンにおいては、クランク軸が装着されるクランクケースの下端部は潤滑油を収容するオイルパンとなっており、オイルパン内の潤滑油はクランク軸に取り付けられる撥上げ具等によりケース内に撥ね上げられて、クランク軸を回転自在に支持する軸受やクランク軸のジャーナル部等の摺動面に供給される。
【0004】
しかしながら、クランク軸に取り付けられる撥上げ具によっては、クランク軸から離れたシリンダヘッドに設けられる動弁カムにまで直接潤滑油を供給することは困難である。そこで、特許文献1に記載されるOHC型エンジンでは、クランクケース内に案内壁を設け、羽根車により撥ね上げられた潤滑油をこの案内壁によって動弁カムへ案内するようにしている。
【特許文献1】特開平10−141037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載のように、クランクケース内に撥ね上げられた潤滑油を案内壁によって動弁カムに導く構造では、動弁カムに十分な量の潤滑油を供給することは困難である。特に、クランク軸やカム軸が上下方向に向けて配置されるバーチカル型のエンジンの場合では、カム軸はオイルパンに対して水平方向にずれて配置されるため、撥上げ具により飛散させた潤滑油を動弁カムに充分に供給することは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、OHC型エンジンにおける動弁カムの潤滑性能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のOHC型エンジンの潤滑装置は、吸気弁と排気弁とを開閉するカム軸がシリンダヘッドに設けられるOHC型エンジンの潤滑装置であって、クランク軸に固定される駆動側プーリとの間でタイミングベルトが掛け渡される従動側プーリを前記カム軸に固定し、前記従動側プーリの前記タイミングベルトが係合する歯溝に前記カム軸の動弁カムに向けて貫通する貫通孔を形成し、前記タイミングベルトに付着した潤滑油を前記貫通孔を介して前記動弁カムに供給することを特徴とする。
【0008】
本発明のOHC型エンジンの潤滑装置は、前記クランク軸がクランクケースに上下方向を向いて装着されることを特徴とする。
【0009】
本発明のOHC型エンジンの潤滑装置は、前記歯溝を挟む一対のフランジ部を前記従動側プーリに設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タイミングベルトに付着した潤滑油を動弁カムに供給することができるので、OHC型エンジンにおける動弁カムや動弁機構の潤滑性能を向上させることができる。
【0011】
また、本発明によれば、動弁カムを潤滑するための専用の部品を用いることなく、タイミングベルトが掛け渡される従動側プーリの歯溝に貫通孔を設けるだけの簡単な構造で動弁カムに効率的に潤滑油を供給することができるので、OHC型エンジンの製造コストを低減することができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、クランク軸に取り付けられた撥上げ具等によっては動弁カムにまで潤滑油を直接飛散させることが困難なバーチカル型のエンジンにおいても、動弁カムに効率的に潤滑油を供給することができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、歯溝を挟む一対のフランジ部を従動側プーリに設けるようにしたので、タイミングベルトに付着した潤滑油を効率良く貫通孔に導いて、OHC型エンジンにおける動弁カムの潤滑性能をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である潤滑装置を備えたOHC型エンジンを示す縦断面図であり、図2は図1におけるA−A線に沿う断面図であり、図3は図1および図2に示したOHC型エンジンの吸排気系を示す断面図であり、図4は図2におけるB−B線に沿う断面図である。
【0015】
このOHC型エンジン10のクランクケース11は、図2に示すようにほぼ筒形となった側壁部12a、および図1に示すように側壁部12aの上部に一体に設けられた天壁部12bを有するケース本体12と、側壁部12aの下部に取り付けられるオイルパン13とを備えており、内部にはクランク室11aが形成されている。クランクケース11内にはクランク軸14が上下方向つまり垂直方向を向いて装着されており、クランク軸14の上端部は天壁部12bにボール軸受15を介して回転自在に支持され、下端部はオイルパン13に設けられた円筒部16に回転自在に支持されている。このオイルパン13内には、エンジンを構成する各部材の摺動部つまり潤滑油要求部に供給される潤滑油Lが収容され、潤滑油Lがクランク軸14とオイルパン13との間から漏れるのを防止するためにオイルパン13にはオイルシール17が装着されている。このように、このOHC型エンジン10はクランク軸14が上下方向を向いて配置されるバーチカル型となっており、このOHC型エンジン10が草刈り(芝刈り)機や刈払機の動力源として使用される場合には、クランク軸14の下端部には草刈り用の切刃が直接、或いは、図示しないシャフトを介して連結される。
【0016】
ケース本体12にはシリンダ18が一体に設けられており、このシリンダ18に水平方向を向いて形成されたシリンダボア19内にはピストン20が水平方向に往復動自在に装着され、ピストン20はコネクティングロッド21によりクランク軸14に連結され、ピストン20の往復動によりクランク軸14は回転駆動される。シリンダ18にはシリンダヘッド22が取り付けられており、シリンダヘッド22とシリンダ18とピストン20により燃焼室23が形成される。シリンダヘッド22には、図3に示すように、燃焼室23に混合気を供給する吸気ポート24と、燃焼排ガスを排出する排気ポート25とが形成され、吸気ポート24に連通する吸気管26と排気ポート25に連通する排気管27とがシリンダヘッド22に装着されている。シリンダヘッド22には燃焼室23内の混合気を点火するための点火プラグ30が図1に示すように取り付けられている。
【0017】
図3に示すように、シリンダヘッド22には吸気ポート24を開閉する吸気弁つまり吸気バルブ31と排気ポート25を開閉する排気弁つまり排気バルブ32が装着されるとともに、カム軸33がその軸方向を上下方向に向けて回転自在に組み付けられている。カム軸33には動弁カム34が設けられており、この動弁カム34はカム軸33と一体に形成され、カム軸33とともに回転する。図2に示すように、クランク軸14に固定される駆動側プーリ35とカム軸33に固定される従動側プーリ36との間にはタイミングベルト37が掛け渡され、カム軸33はクランク軸14により回転駆動され、クランク軸14が2回転するとカム軸33は1回転する。図3に示すように、シリンダヘッド22に設けられたロッカーシャフト38には、動弁カム34の回転により所定のタイミングで吸気バルブ31を開閉駆動するロッカーアーム39aと、排気バルブ32を開閉駆動するロッカーアーム39bとが揺動自在に装着されている。このように、このOHC型エンジン10では、吸気バルブ31と排気バルブ32とを開閉するカム軸33がシリンダヘッド22に設けられ、カム軸33に設けられる動弁カム34は潤滑油Lを収容するオイルパン13に対して水平方向にずれて配置されている。
【0018】
なお、符号40はタイミングベルト37に所定の張力を付与するためのテンショナーである。
【0019】
図1に示すように、クランクケース11の上方にはこれを覆うようにエンジンカバー41が取り付けられており、このエンジンカバー41内にはクランク軸14の上端に固定された冷却ファン42が配置され、クランク軸14の回転によって冷却ファン42によりクランクケース11の外面に沿って流れる冷却風が生成される。エンジンカバー41にはエンジンを始動させるリコイルスタータのリコイルプーリ43が回転自在に装着され、このリコイルプーリ43にはリコイルロープ44が巻き付けられている。一方、クランク軸14には回転筒体45が取り付けられており、リコイルプーリ43には、これを回転させると回転筒体45に係合してリコイルプーリ43の回転をクランク軸14に伝達する係合機構46が設けられている。したがって、作業者がリコイルロープ44を引っ張ってクランク軸14を回転させると、クランク軸14が回転されてエンジンを始動させることができる。
【0020】
ガバナー機構を構成するため、図4に示すように、オイルパン13にはガバナーホルダ51がクランク軸14に平行となって回転自在に装着され、ガバナーホルダ51の外周面には、クランク軸14に固定された駆動歯車52に噛み合う従動歯車53が設けられており、クランク軸14の回転によりガバナーホルダ51は回転駆動される。ガバナーホルダ51には、図4に示すように、2つのガバナーウエイトつまり重り54がそれぞれピン55により揺動自在に取り付けられるとともに、両方の重り54に当接するガバナー軸56が組み込まれており、ガバナー軸56はオイルパン13に設けられた軸部57に軸方向に摺動自在に嵌合している。エンジン回転数が規定回転数よりも高くなると遠心力により重り54は図4に示すように上端部が相互に広がるように揺動してガバナー軸56を押し上げる。クランクケース11には、図2に示されるように、L字形状に折り曲げられたガバナーレバー58が回動自在に装着され図示しないスロットル弁に連接されており、ガバナーレバー58の作動端部はガバナー軸56に対向している。これにより、エンジン回転数が規定回転数よりも高くなると、ガバナー機構により図示しないスロットル弁が閉弁し、エンジン回転数が規定回転数に維持される。
【0021】
図1および図4に示すように、エンジンの各潤滑油要求部に対して潤滑油Lを供給するために、クランク軸14にはスクレーパ60が取り付けられている。スクレーパ60は金属製の板材を折り曲げることにより形成されており、嵌合部61と嵌合部61に対して下向きに折り曲げられて形成される傾斜壁62とを有し、嵌合部61がクランク軸14に圧入嵌合されることによりクランク軸14に取り付けられている。傾斜壁62はクランク軸14の回転方向前方側に向けて下向きに傾斜するとともに回転軌跡の接線方向を向いており、スクレーパ60がクランク軸14に取り付けられた状態のもとでは上端部を除いてオイルパン13内の潤滑油Lに浸漬されている。クランク軸14とともにスクレーパ60が回転すると、傾斜壁62によりオイルパン13の潤滑油Lが上方に撥ね上げられ、所望量の潤滑油Lがエンジンの各潤滑油要求部に向けて供給される。
【0022】
図5は図1および図2に示した従動側プーリの詳細を示す斜視図であり、図6は従動側プーリとタイミングベルトの噛み合い部分を拡大して示す拡大断面図であり、図7は図6におけるA−A線に沿う断面図である。
【0023】
図5に示すように、従動側プーリ36はカム軸33に固定されてカム軸33とともに回転する円盤状の円盤部36aと円盤部36aの外周部に一体に形成される円筒状の円筒部36bとを有しており、円盤部36aの側面には動弁カム34が隣接して配置され、円筒部36bは動弁カム34のカム面に対向している。図6に示すように、円筒部36aの外周部には複数の歯71が所定のピッチで周方向に並べて形成され、これらの歯71の間は歯溝72となっている。一方、タイミングベルト37は、従動側プーリ36の歯溝72のピッチに対応した所定のピッチで並ぶ半円柱形状の多数の歯37aを備えた歯付きベルトとなっており、これらの歯37aを従動側プーリ36の歯溝72に係合させた状態つまり噛み合わせた状態でタイミングベルト37は従動側プーリ36に掛け渡されている。また、図7に示すように、従動側プーリ36の円筒部36aの軸方向両側部には歯溝72を挟む一対のフランジ部36cが設けられ、これらのフランジ部36cによりタイミングベルト37の歯溝72に対する軸方向へのずれが規制されている。つまり、円筒部36bとこれらのフランジ部36cにより従動側プーリ36にはプーリ溝73が形成され、タイミングベルト37はプーリ溝73に収容された状態で従動側プーリ36に掛け渡されて従動側プーリ36からの離脱が抑制されている。
【0024】
タイミングベルト37に付着した潤滑油Lを動弁カム34に供給するために、従動側プーリ36のそれぞれの歯溝72には貫通孔74が形成されている。図6に示すように、これらの貫通孔74は、それぞれカム軸33の径方向に沿うとともに円筒部36bの外周面と内周面とに開口し、且つ、図7に示すように、円盤部36aに対して動弁カム34と同一側(上側)に配置されており、つまり、各貫通孔74は歯溝72から動弁カム34に向けて貫通するように円筒部36bに形成されている。
【0025】
図8は貫通孔を介して動弁カムへ潤滑油が供給される状態を示す一部切り欠き断面図であり、以下に、動弁カム34に対する潤滑油Lの供給について図8に基づいて説明する。
【0026】
エンジンが始動してクランク軸14が回転すると、その回転が駆動側プーリ35とタイミングベルト37および従動側プーリ36を介してカム軸33に伝達され、カム軸33の回転により吸気バルブ31や排気バルブ32が開閉される。また、クランク軸14が回転すると、これに取り付けられたスクレーパ60によりオイルパン13内の潤滑油Lが撥ね上げられ、クランク軸14の摺動部等の潤滑油要求部に潤滑油Lが供給される。
【0027】
一方、スクレーパ60により撥ね上げられた潤滑油Lの一部は、駆動側プーリ35から従動側プーリ36に向けて移動するタイミングベルト37の歯間の部分に付着し、タイミングベルト37とともに従動側プーリ36に向けて移動する。潤滑油Lが付着したタイミングベルト37が従動側プーリ36にまで達すると、タイミングベルト37の歯間に付着している潤滑油Lは従動側プーリ36の歯溝72内に取り込まれ、タイミングベルト37がさらに移動してタイミングベルト37の歯37aが従動側プーリ36の歯溝72に噛み合うと、歯溝72のスペースがタイミングベルト37の歯37aにより徐々に狭められて歯溝72内の潤滑油Lは貫通孔74を介して動弁カム34に向けて(図8中に矢印で示す方向に)噴射される。このとき、歯溝72の軸方向の両端部は一対のフランジ部36cにより閉塞されているので、歯溝72に取り込まれた潤滑油Lは歯溝72の軸方向両側部から漏れ出ることなく、貫通孔74を介して動弁カム34に向けて効率良く噴射される。タイミングベルト37が連続して移動するに伴って、タイミングベルト37の各歯間に付着した潤滑油Lは順次従動側プーリ36の各貫通孔74を介して動弁カム34に向けて供給され、これにより動弁カム34やロッカーアーム39a,39b等の動弁機構が潤滑される。
【0028】
このように、このOHC型エンジン10では、カム軸33に固定される従動側プーリ36の歯溝72に動弁カム34に向けて貫通する貫通孔74を形成し、タイミングベルト37に付着した潤滑油Lを貫通孔74を介して動弁カム34に供給するようにしたので、OHC型エンジン10における動弁カム34の潤滑性能を向上させることができる。特に、動弁カム34がオイルパン13に対して水平方向にずれて配置され、クランク軸14に取り付けられたスクレーパ60によっては動弁カム34に対して潤滑油Lを直接飛散させることが困難なバーチカル型のエンジンに本発明の潤滑装置を適用すると、動弁カム34に潤滑油Lを効率的に供給することができる。
【0029】
また、このOHC型エンジン10では、動弁カム34を潤滑するための専用の部品を用いることなく、タイミングベルト37が掛け渡される従動側プーリ36の歯溝72に貫通孔74を設けるだけの簡単な構造で動弁カム34に効率的に潤滑油Lを供給することができるので、OHC型エンジン10の製造コストを低減することができる。
【0030】
さらに、このOHC型エンジン10では、歯溝72を挟む一対のフランジ部36cを従動側プーリ36に設けて、タイミングベルト37から歯溝72に取り込まれた潤滑油Lを歯溝72から漏れ出し難くしたので、歯溝72に取り込まれた潤滑油Lを効率良く貫通孔74に案内して、OHC型エンジン10における動弁カム34の潤滑性能をさらに向上させることができる。
【0031】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図示するOHC型エンジン10は、クランク軸14やカム軸33が上下方向に向けて配置されたバーチカル型とされているが、これに限らず、クランク軸14やカム軸33を水平に配置したタイプとしてもよい。
【0032】
また、OHC型エンジン10を草刈り(芝刈り)機や刈払機の動力源に限らず、発電機等の他の機器の動力源としても使用するようにしてもよい。発電機の動力源として使用する場合には、クランク軸14の下端部に発電体が取り付けられることになる。
【0033】
さらに、本実施の形態においては、1本のカム軸33を有するOHC型(SOHC型)エンジン10に本発明を適用しているが、これに限らず、吸気バルブ31を開閉させる吸気側と排気バルブ32を開閉させる排気側の2本のカム軸33を有するOHC型(DOHC型)エンジンに本発明を適用してもよい。
【0034】
さらに、本実施の形態においては、オイルパン13に収容された潤滑油Lを飛散させるスクレーパ60としては傾斜壁62を有するものが用いられているが、これに限らず、潤滑油Lを撥ね上げることができれば他の形状のスクレーパを用いてもよく、また、スクレーパに代えて、たとえば羽根車等の他の撥上げ具を用いるようにしてもよい。
【0035】
さらに、本実施の形態においては、動弁カム34が一体に形成されたカム軸33に従動側プーリ36を固定するようにしているが、これに限らず、動弁カム34をカム軸33に回転自在に設けるとともに従動側プーリ36に動弁カム34を固定あるいは一体に形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態である潤滑装置を備えたOHC型エンジンを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1および図2に示したOHC型エンジンの吸排気系を示す断面図である。
【図4】図2におけるB−B線に沿う断面図である。
【図5】図1および図2に示した従動側プーリの詳細を示す斜視図である。
【図6】従動側プーリとタイミングベルトの噛み合い部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】図6におけるA−A線に沿う断面図である。
【図8】貫通孔を介して動弁カムへ潤滑油が供給される状態を示す一部切り欠き断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 OHC型エンジン
11 クランクケース
14 クランク軸
22 シリンダヘッド
31 吸気バルブ(吸気弁)
32 排気バルブ(排気弁)
33 カム軸
34 動弁カム
35 駆動側プーリ
36 従動側プーリ
36c フランジ部
37 タイミングベルト
72 歯溝
74 貫通孔
L 潤滑油

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気弁と排気弁とを開閉するカム軸がシリンダヘッドに設けられるOHC型エンジンの潤滑装置であって、
クランク軸に固定される駆動側プーリとの間でタイミングベルトが掛け渡される従動側プーリを前記カム軸に固定し、
前記従動側プーリの前記タイミングベルトが係合する歯溝に前記カム軸の動弁カムに向けて貫通する貫通孔を形成し、
前記タイミングベルトに付着した潤滑油を前記貫通孔を介して前記動弁カムに供給することを特徴とするOHC型エンジンの潤滑装置。
【請求項2】
請求項1記載のOHC型エンジンの潤滑装置において、前記クランク軸がクランクケースに上下方向を向いて装着されることを特徴とするOHC型エンジンの潤滑装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のOHC型エンジンの潤滑装置において、前記歯溝を挟む一対のフランジ部を前記従動側プーリに設けることを特徴とするOHC型エンジンの潤滑装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−226215(P2006−226215A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42186(P2005−42186)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】