説明

PEC(pulsededdycurrent)を利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法

【解決手段】
本発明はPEC(pulsed eddy current)を利用した欠陥測定装置に関し、詳細にはPECを利用した欠陥検出装置において、欠陥か否かを判別するための対象物体と、上記対象物体の表面に近接させてPEC信号を上記対象物体に照射して返送される上記対象物体の欠陥と無欠陥信号の受信を受けるPEC照射装置と、上記PEC照射装置がケーブルで連結されて上記PEC照射装置で受信される返送PEC信号の入力を受けてPEC信号を時分割してグラフ上に表示するプログラムが保存され、結果値を表示装置に表示する測定装置と、上記測定装置と連結されて上記測定装置から出力される結果を表示する表示装置と、上記測定装置と連結されて測定される対象物体に照射されるPEC信号の位相(phase:測定されるPEC信号を時分割して任意の位置を選択した値)と周波数(frequency:入力されるPEC信号の周波数値)及びゲイン(gain:返送されるPEC信号の時間軸範囲)を設定する入力装置を含んで構成されることを特徴とするPECを利用した欠陥測定装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPEC(pulsed eddy current)を利用した欠陥測定装置に関し、詳細にはPECを利用した欠陥検出装置において、欠陥か否かを判別するための対象物体と、前記対象物体の表面に近接させてPEC信号を前記対象物体に照射して返送される前記対象物体の欠陥と無欠陥信号の受信を受けるPEC照射装置と、前記PEC照射装置がケーブルで連結されて前記PEC照射装置で受信される返送PEC信号の入力を受けてPEC信号を時分割してグラフ上に表示するプログラムが保存され、結果値を表示装置に表示する測定装置と、前記測定装置と連結されて前記測定装置から出力される結果を表示する表示装置と、前記測定装置と連結されて測定される対象物体に照射されるPEC信号の位相(phase:測定されるPEC信号を時分割して任意の位置を選択した値)と周波数(frequency:入力されるPEC信号の周波数値)及びゲイン(gain:返送されるPEC信号の時間軸範囲)を設定する入力装置を含んで構成されることを特徴とするPECを利用した欠陥測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、PEC信号を利用して対象物体の欠陥を検査する装置は、単純にPEC信号を対象物体に照射して欠陥部位の電圧と欠陥ではない部分の微細な電圧差を測定装置で測定して目で確認するようにし、前記電圧差によって欠陥か否かを判明することができる。
しかし、従来の検査装置は対象物体の厚さによる変化は感知することができず、単純に欠陥と判明するに至る問題点があり、対象物体と測定装置との間に空気層が形成されると、測定が不可能な問題点がある。
また、対象物体の表面から一定の深さまでのみ測定が可能であるため、一定の深さ以上で発生した欠陥は測定することができない問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の問題点を解決するために、PEC信号を照射するPEC照射装置を、測定しようとする測定装置に近接させて測定装置に返送されるPEC信号を測定して時分割方式で測定されたPEC信号を分割して、分割されたPEC信号のうち任意に2個の測定値を選択してグラフ上の座標として使用して示される結果値を見て正常と欠陥を測定するPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題を解決するために欠陥か否かを判別するための対象物体と、前記対象物体の表面に近接させてPEC信号を前記対象物体に照射して返送される前記対象物体の欠陥と無欠陥信号の受信を受けるPEC照射装置と、前記PEC照射装置がケーブルで連結されて前記PEC照射装置で受信される返送PEC信号の入力を受けてPEC信号を時分割してグラフ上に表示するプログラムが保存され、結果値を表示装置に表示する測定装置と、前記測定装置と連結されて前記測定装置から出力される結果を表示する表示装置と、前記測定装置と連結されて測定される対象物体に照射されるPEC信号の位相(phase:測定されるPEC信号を時分割して任意の位置を選択した値)と周波数(frequency:入力されるPEC信号の周波数値)及びゲイン(gain:返送されるPEC信号の時間軸範囲)を設定する入力装置を含んで構成される。
【発明の効果】
【0005】
PEC信号を照射するPEC照射装置を、測定しようとする測定装置に近接させて測定装置に返送されるPEC信号を測定して時分割方式で測定されたPEC信号を分割して、分割されたPEC信号のうち任意に2個の測定値を選択してグラフ上の座標として使用して示される結果値を見て正常と欠陥を測定するので、欠陥の正確な位置と欠陥が発生した位置を検出することができるという効果がある。
また、PEC照射装置と対象物体との間に空気層や他の物体があっても測定が可能な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置の全体構成図である。
【図2】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法の全体順序図である。
【図3】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法のPEC信号を時分割してグラフで作成することを示したグラフである。
【図4】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法の測定位置によってインピーダンスが変化することを示したグラフである。
【図5】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法の対象物体の厚さによってインピーダンスが変化することを示したグラフである。
【図6】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法のノッチとステップブロック(block)のインピーダンスの差を示したグラフである。
【図7】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法を利用して対象物体がある場所を測定する際に変化することを示したグラフである。
【図8】本発明によるPECを利用した欠陥測定装置とこれを利用した測定方法の溶接部位検出に対するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明はPECを利用した欠陥検出装置において、欠陥か否かを判別するための対象物体10と、前記対象物体10の表面に近接させてPEC信号を前記対象物体10に照射して返送される前記対象物体10の欠陥と無欠陥信号の受信を受けるPEC照射装置20と、前記PEC照射装置20がケーブルで連結されて前記PEC照射装置20で受信される返送PEC信号の入力を受けてPEC信号を時分割してグラフ上に表示するプログラムが保存され、結果値を表示装置に表示する測定装置30と、前記測定装置30と連結されて前記測定装置30から出力される結果を表示する表示装置40と、前記測定装置30と連結されて測定される対象物体10に照射されるPEC信号の位相(phase:測定されるPEC信号を時分割して任意の位置を選択した値)と周波数(frequency:入力されるPEC信号の周波数値)及びゲイン(gain:返送されるPEC信号の時間軸範囲)を設定する入力装置50を含んで構成される。
この時、前記測定装置は対象物体10の厚さと欠陥によるインピーダンスの差を前記表示装置40上に示される一つのグラフに全て表示される。
そして、前記装置を利用した方法は、PECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法において、対象物体10にPEC照射装置20を利用してPEC信号を照射する照射段階S10と、前記PEC照射装置20で測定したPEC信号を前記PEC照射装置20と連結された測定装置30に保存されたプログラムで、時分割方式で分割する時分割段階S20と、前記測定装置30で時分割されたPEC信号のうち高い出力値を有する測定値を前記測定装置30に保存されたプログラムで自動で2個を選択する選択段階S30と、前記選択段階S30で選択された2個の測定値をグラフのX軸値とY軸値に代入して2つの値が交じり合う点の結果値を導出する結果導出段階S40と、前記結果導出段階S40で導出された結果値を表示装置に表示する表示段階S50と、前記PEC照射装置20を移動させながら測定して、前記測定装置30で測定される多数の地点の測定値を照射段階S10と時分割段階S20、選択段階S30、結果導出段階S40及び表示段階S50を反復して前記表示装置40に表示されるグラフ画面にそれぞれの点を表示してグラフの‘0’点を中心に変化するグラフの結果値を比較して前記対象物体の欠陥に該当する位置を検出して、欠陥か否かを判別する欠陥判別段階S60を含んでなる。
この時、前記選択段階S30では3個の測定値を選択して前記結果導出段階S40で3次元グラフ上に結果値を導出して、前記表示段階S50で3次元グラフを表示することができる。
そして、前記PEC照射装置20で照射されるPEC信号はPEC照射装置20と対象物体10との間に空気層または他の物体が挿入されても前記対象物体10から返送されるPEC信号で欠陥か否かを測定することができる。
また、前記欠陥判別段階で表示される測定値は前記PEC照射装置20が移動することによって水平方向に測定値が変化して多数の点で表示され、欠陥部位の信号は正常部位よりも電圧が大きく示されるようになる。
すなわち、本発明の一実施を挙げてさらに詳細に説明すると、次のとおりである。
欠陥を検出しようとする対象物体10の表面にPEC信号を照射するPEC照射装置20を近接させて前記PEC照射装置20でPEC信号を照射して、前記PEC照射装置20で照射されたPEC信号が前記対象物体10から返送されて前記PEC照射装置20で受信されると、前記PEC照射装置20と連結された測定装置30で処理して前記測定装置30と連結された表示装置40を通じて結果値を表示して、前記測定装置30と連結された入力装置50で対象物体10に照射されるPEC信号の位相(phase:測定されるPEC信号を時分割して任意の位置を選択した値)と周波数(frequency:入力されるPEC信号の周波数値)及びゲイン(gain:返送されるPEC信号の時間軸範囲)値を設定することができる。
そして、これを利用して測定する方法は、対象物体10にPEC照射装置20を利用してPEC信号を照射して、前記PEC照射装置20で測定したPEC信号を前記PEC照射装置20と連結された測定装置30に保存されたプログラムで時分割方式で分割して時分割されたPEC信号のうち高い出力値を有する測定値を前記測定装置に保存されたプログラムで自動で2個を選択して、選択された2個の測定値をグラフのX軸値とY軸値に代入して2つの値が交じり合う点の結果値を導出して、導出された結果値を表示装置40に表示する。
そして、前記PEC照射装置20を移動させながら測定して、前記測定装置30で測定される多数の地点の測定値を前記の過程を反復して前記表示装置40に表示されるグラフ画面にそれぞれの点を表示してグラフの‘0’点を中心に変化するグラフの結果値を比較して前記対象物体10の欠陥に該当する位置を検出して、欠陥か否かを判別される。
この時、そして、前記PEC照射装置20で照射されるPEC信号はPEC照射装置20と対象物体10との間に空気層または他の物体が挿入されても前記対象物体10から返送されるPEC信号で欠陥か否かを測定することができ、前記表示装置40で表示される測定値は前記PEC照射装置20が移動することによって水平方向に測定値が変化して多数の点で表示され、欠陥部位の信号は正常部位よりも電圧が大きく示されるようになる。
そして、前記測定装置30で時分割されたPEC信号のうち3個の測定値を選択して3次元グラフ上に結果値を導出して、前記表示装置40で3次元グラフで表示することができる。
【符号の説明】
【0008】
10:対象物体 20:PEC照射装置
30:測定装置 40:表示装置
50:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PEC(pulsed eddy current)を利用した欠陥検出装置において、
欠陥か否かを判別するための対象物体(10)と、
前記対象物体(10)の表面に近接させてPEC信号を前記対象物体(10)に照射して返送される前記対象物体(10)の欠陥と無欠陥信号の受信を受けるPEC照射装置(20)と、
前記PEC照射装置(20)がケーブルで連結されて前記 PEC照射装置(20)で受信される返送PEC信号の入力を受けてPEC信号を時分割してグラフ上に表示するプログラムが保存され、結果値を表示装置に表示する測定装置(30)と、
前記測定装置(30)と連結されて前記測定装置(30)から出力される結果を表示する表示装置(40)と、
前記測定装置(30)と連結されて測定される対象物体(10)に照射される PEC信号の位相(phase:測定されるPEC信号を時分割して任意の位置を選択した値)と周波数(frequency:入力されるPEC信号の周波数値)及びゲイン(gain:返送されるPEC信号の時間軸範囲)を設定する入力装置(50)を含んで構成されることを特徴とするPECを利用した欠陥測定装置。
【請求項2】
前記測定装置は対象物体(10)の厚さと欠陥によるインピーダンスの差を前記表示装置(40)上に示される一つのグラフに全て表示することを特徴とする第1項に記載のPECを利用した欠陥測定装置。
【請求項3】
PECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法において、
対象物体(10)にPEC照射装置(20)を利用してPEC信号を照射する照射段階(S10)と、
前記PEC照射装置(20)で測定したPEC信号を前記PEC照射装置(20)と連結された測定装置(30)に保存されたプログラムで時分割方式で分割する時分割段階(S20)と、
前記測定装置(30)で時分割されたPEC信号のうち高い出力値を有する測定値を前記測定装置(30)に保存されたプログラムで自動で2個を選択する選択段階(S30)と、
前記選択段階(S30)で選択された2個の測定値をグラフのX軸値とY軸値に代入して2つの値が交じり合う点の結果値を導出する結果導出段階(S40)と、
前記結果導出段階(S40)で導出された結果値を表示装置に表示する表示段階(S50)と、
前記PEC照射装置(20)を移動させながら測定して、前記測定装置(30)で測定される多数の地点の測定値を照射段階(S10)と時分割段階(S20)、選択段階(S30)、結果導出段階(S40)及び表示段階(S50)を反復して前記表示装置(40)に表示されるグラフ画面にそれぞれの点を表示してグラフの‘0’点を中心に変化するグラフの結果値を比較して前記対象物体の欠陥に該当する位置を検出して、欠陥か否かを判別する欠陥判別段階(S60)を含んでなるPECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法。
【請求項4】
前記選択段階(S30)では3個の測定値を選択して前記結果導出段階(S40)で3次元グラフ上に結果値を導出して、前記表示段階(S50)で3次元グラフで表示することができることを特徴とする第3項に記載のPECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法。
【請求項5】
前記PEC照射装置(20)で照射されるPEC信号はPEC照射装置(20)と対象物体(10)との間に空気層または他の物体が挿入されても前記対象物体(10)から返送されるPEC信号で欠陥か否かを測定することができることを特徴とする第3項に記載のPECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法。
【請求項6】
前記欠陥判別段階(S60)で表示される測定値は前記PEC照射装置(20)が移動することによって水平方向に測定値が変化して多数の点で表示され、欠陥部位の信号は正常部位よりも電圧が大きく示されることを特徴とする第3項に記載のPECを利用した欠陥測定装置を利用した測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−537220(P2010−537220A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533018(P2010−533018)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001084
【国際公開番号】WO2010/041800
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(509285377)レイナル カンパニー,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】