説明

PNAプローブを使用するヒトパピローマウイルスの検出およびタイピング

【課題】高危険度HPV型を検出するための経済的な方法を提供すること。
【解決手段】病原生物の改変体を検出および/またはタイピングする工程を包含する方法。これらの方法は、HPVに関連する核酸を検出するために使用され、これは次いで、医学的な診断および処置のための基礎を提供する。これらの方法は、2つのアプローチを通じて当該分野の問題を解決する:第1のアプローチは、関心がある全ての改変体(例えば、病原生物の全ての高危険度株)をスクリーニングするために必要とされるプローブの量を最少にする。第2のアプローチは、増幅ベース(例えば、PCRベース)の検出方法によって、増幅される株を限定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2000年4月3日に出願された米国仮特許出願番号第60/194,304号、および2000年8月15日に出願された同第60/225,524号に基づく。
【0002】
(政府の権利)
本明細書中に記載される研究は、国立癌研究所によって授与された、SBIR助成金番号1R43CA80401−01によって支援された。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
疫学研究は、長い間、ヒトパピローマウイルス(HPV)を、頸部の新形成および癌の主要な原因として関連づけてきた。それにも関わらず、頸部の新形成および癌の病因におけるHPVの原因的役割を裏づけるための証拠の大半が生じてきたのは、わずかここ10年に過ぎない。70種類を超える型のHPVが同定されている。しかしながら、全てのHPV型が子宮頸癌に関連しているわけではない。いくつかの型(16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、53型、52型、56型、58型、59型、66型、68型、および70型を含む)が頸部の疾患についての高危険度(high risk)に関係していた。HPVのこれらの高危険度型の検出は、HPV関連疾患の正確かつ時宜を得た診断に重要である。
【0004】
結果的に、HPVの高危険度型の検出のための種々の方法が考案されてきた。これらの多くは、HPVゲノムにおける固有の配列の検出に基づく。例えば、特定の高危険度HPV株の遺伝子の一部分に相補的なDNAまたはRNAプローブは、患者サンプル中の高危険度HPVの特定の株の存在をスクリーニングするのに有用であるとして、Lorinczの特許文献1(本明細書中において参考として援用される)中に報告されている。Manosの特許文献2(本明細書中において参考として援用される)は、縮重または混合されたコンセンサスプライマーを使用してHPV DNAを増幅および検出するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、その後の遺伝子型特異的DNAプローブの混合物を用いるタイピングの使用を報告する。PCR増幅は、HPV DNAを検出するさらに高感度な方法を提供する。しかし、既存のPCRコンセンサスプライマーは、HPVの高危険度型および低危険度型の両方にハイブリダイズするので、引き続きタイピングする必要がなお存在する。一方で、種々の高危険度遺伝子型に対して特異的なプローブのカクテルを使用する場合、コストが高く、時間を費やし、そして多くの量の試薬およびサンプルDNAを必要とする。それゆえ、関心がある全ての高危険度HPV型を検出するさらに経済的な方法についての必要性が存在する。
【特許文献1】米国特許第4,849,332号明細書
【特許文献2】米国特許第5,705,627号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明の方法は、病原生物の改変体を検出および/またはタイピングする工程を包含する。好ましい実施形態において、これらの方法は、HPVに関連する核酸を検出するために使用され、これは次いで、医学的な診断および処置のための基礎を提供する。本発明の方法は、2つのアプローチを通じて当該分野の問題を解決する:第1のアプローチは、関心がある全ての改変体(例えば、病原生物の全ての高危険度株)をスクリーニングするために必要とされるプローブの量を最少にする。第2のアプローチは、増幅ベース(例えば、PCRベース)の検出方法によって、増幅される株を限定する。
【0006】
本発明の1つの局面において、ペプチド−核酸(PNA)プローブを使用して生物学的サンプル中の特定のHPV標的核酸の存在を検出するための方法が提供される。好ましい方法は、溶液中にサンプル細胞を懸濁する工程;このサンプル細胞から、1つ以上のHPV標的核酸を単離する工程;この標的核酸を、少なくとも1つのPNAプローブ(これは、検出が所望される核酸の少なくとも一部分に実質的に相補的である)と接触させる工程;およびPNAプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程、を包含する。好ましくは、サンプル細胞を懸濁するための溶液は、アルコール(凝集することなくサンプル細胞を固定するために十分な量で)、抗集塊剤、および溶液を約4〜7の範囲内のpHで維持する緩衝剤を含む。
【0007】
好ましい実施形態において、サンプル細胞中の標的核酸の存在は、HPV感染を診断し、癌の危険(例えば、子宮頸管内の癌腫、子宮頸癌および新形成に関連する危険)を示し得る。
【0008】
別の実施形態において、この標的核酸配列の存在は、特定の型のHPVの存在を示す。より好ましい実施形態において、標的核酸配列は、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型、および70型より選択されるHPV株の存在を示す。
【0009】
他の好ましい実施形態において、本発明の方法はさらに、PNA−DNA相互作用を用いて、標的核酸を固体支持体上に捕捉する工程を包含する。
【0010】
本発明の代替的な実施形態は、サンプル中のHPVの標的核酸の存在を検出するための方法を含み、この方法は以下の工程を包含する:少なくとも1つのPNAプローブ(これは、1つ以上のHPV型の核酸の少なくとも一部分に実質的に相補的である)を使用して候補核酸を固体支持体上に捕捉する工程、次いでPNAプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程。他の実施形態は、懸濁されたサンプル細胞を均一に表面上に移すことによって、サンプル中のHPVの標的核酸をインサイチュで検出するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する;細胞中に含まれるHPVの標的核酸を、少なくとも1つのPNAプローブ(これは、1つ以上のHPV型の核酸の部分に実質的に相補的である)とインサイチュでハイブリダイズさせる工程;およびPNAプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程。
【0011】
本発明の他の局面は、標的核酸を増幅する工程、および検出が所望されない他の核酸の増幅をブロックする工程、を包含する標的核酸を検出する方法を提供する。このような方法は、一般的に、生物の少なくとも1つの選択された株由来の核酸、およびこの生物の少なくとも1つの選択されていない株由来の核酸を含み得るサンプルを提供する工程を包含する。この生物の選択された株および選択されていない株の両方に由来する核酸の部分に実質的に相補的である複数のプライマーもまた、提供される。このサンプルを、少なくとも1つの核酸アナログプローブ(これは、複数のプライマー間の全長増幅をブロックするに十分に少なくとも1つの選択されていない株由来の核酸の一部分に相補的である)に曝露する。少なくとも1つの選択された株由来の核酸は、この複数のプライマー間で増幅され、このような増幅産物の検出は、このサンプル中における少なくとも1つの選択された株の存在を示す。
【0012】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、診断上で最も関連性がある病原生物の株または種に対するスクリーニングアッセイにバイアスをかけるために使用される。従って、本発明の方法は、生物学的サンプルを病原生物の選択された株または改変体に由来する核酸の増幅のためのプライマー対に曝露する工程、およびその生物の選択されていない株または改変体に由来する核酸の増幅をブロックする工程、を包含する。好ましくは、本発明の方法において使用されるプライマー対は、病原生物の全ての株の核酸を普遍的(universally)に増幅する。増幅は、生物の選択されていない株または改変体においてのみ、ブロックされ、その結果選択された株または改変体由来の核酸のみが増幅される。
【0013】
非常に好ましい実施形態において、本発明の方法は、感染性生物の高危険度株を選択的に増幅するために使用される。このような方法において、感染性生物のゲノムの予め選択された領域の増幅のためのコンセンサスプライマーが使用される。単独で、これらのプライマーは、病原生物の株または改変体のほとんどまたは全てに由来する核酸を増幅し得る。しかしながら、本発明の方法において、選択されていない株または改変体の増幅はブロックされ、その結果、生成されるアンプリコンはいずれも、ブロックされなかった株または改変体のみを表す。
【0014】
例えば、本発明の方法を使用して、HPVの高危険度株を選択的に検出する。HPVコンセンサスプライマー、およびHPVの選択されていない低危険度株におけるプライマーの領域またはプライマー間の領域にのみハイブリダイズする、1つ以上のペプチド核酸(PNA)ブロッキングプローブ(blocking probe)の存在下で増幅反応を行う。PNAブロッキングプローブは、低危険度株由来の核酸の増幅を阻止し(すなわち、プライマー間の全長増幅を阻止し)、一方このPNAブロッキングプローブがハイブリダイズしない高危険度株由来の核酸は、増幅される。
【0015】
本発明の方法は、任意の核酸増幅方法(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ローリングサークル複製系、分枝鎖増幅、核酸に基づく配列増幅(NASBA)、Cleavase断片長多型(Cleavase Fragment Length Polymorphism)(例えば、本明細書中において参考として援用される米国特許第5,719,028号を参照のこと)および核酸のキメラプライマー開始型等温増幅(Isothermal and Chimeric Primer−initiated Amplification of Nucleic Acid)(ICAN)および分枝伸長増幅方法(Ramification−extension Amplification Method)(RAM)(例えば、本明細書中において参考として援用される米国特許第5,719,028号、同第5,942,391号を参照のこと)。本発明の方法は、生物学的サンプル中の任意の病原生物(ウイルスおよび細菌(例えば、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、淋菌、ストレプトバシラス属菌、HPV、HIVなどを含む)の存在を検出するのに有用である。
・本発明はまた、以下を提供する:
・(項目1) サンプル中の生物の少なくとも1つの選択された株の存在を検出するための方法であって、以下の工程:
生物の少なくとも1つの選択された株由来の核酸および上記生物の少なくとも1つの選択されていない株由来の核酸を含み得るサンプルを提供する工程;
上記生物の少なくとも1つの選択された株由来の上記核酸および上記生物の少なくとも1つの選択されていない上記株由来の核酸の両方の領域に対して実質的に相補的な複数のプライマーを提供する工程;
上記複数のプライマー間での少なくとも1つの選択されていない株由来の上記核酸の全長増幅をブロックするに十分な程少なくとも1つの選択されていない株由来の上記核酸の一部分に相補的である少なくとも1つのプローブに、上記サンプルを曝露する工程であって、上記少なくとも1つのプローブが核酸アナログを含む、工程;
上記複数のプライマー間で、少なくとも1つの選択された株由来の上記核酸を増幅する工程;ならびに
少なくとも1つの選択された株由来の核酸の増幅産物を検出する工程、
を包含する、方法。
・(項目2) 上記少なくとも1つの選択された株が病原性株を含む、項目1に記載の方法。
・(項目3) 上記サンプルが被験体由来であり、かつ上記病原性株が上記被験体における癌性増殖の危険を示す、項目2に記載の方法。
・(項目4) 上記生物が、ヒトパピローマウイルス(HPV)を含む、項目1に記載の方法。
・(項目5) 上記少なくとも1つのプローブがPNAを含む、項目1に記載の方法。
・(項目6) 上記少なくとも1つのプローブがさらに、PNAとは異なるヌクレオチドを含む、項目5に記載の方法。
・(項目7) 上記少なくとも1つのプローブの各々が、少なくとも8塩基を含む、項目1に記載の方法。
・(項目8) 項目1に記載の方法であって、上記複数のプライマー間で、少なくとも1つの選択された株の上記核酸を増幅させる工程が、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、ローリングサークル複製、分枝鎖増幅、核酸に基づく配列増幅(NASBA)、Cleavase断片長多型、ICANおよびRAMからなる群より選択される反応を行う工程を包含する、方法。
・(項目9) 上記核酸の両方の上記領域が、L1、L2、E1、E6およびE7領域からなる群より選択される領域の部分である、項目4に記載の方法。
・(項目10) 上記少なくとも1つの選択されていない株が、既知の低危険度HPV株のすべてに相当する、項目4に記載の方法。
・(項目11) 上記少なくとも1つの選択されていない株が、HPV株6、11、42、43、および44からなる群より選択される、項目4に記載の方法。
・(項目12) 上記少なくとも1つの選択された株が、複数の高危険度HPV株を含む、項目4に記載の方法。
・(項目13) 上記複数のプライマーが、MY09およびMY11(配列番号10および11)を含む、項目4に記載の方法。
・(項目14) 上記少なくとも1つのプローブが配列番号6および配列番号7からなる配列群より選択される、項目4に記載の方法。
・(項目15) 上記サンプルが頸部切屑である、項目1に記載の方法。
・(項目16) 上記増幅産物を検出する工程が、上記産物のゲル内電気泳動工程および上記産物をエチジウムブロマイドで染色する工程を包含する、項目1に記載の方法。
・(項目17) サンプル細胞中のヒトパピローマウイルス(HPV)の標的核酸の存在を検出する方法であって、以下の工程:
サンプル細胞を溶液中に懸濁する工程;
上記サンプル細胞からHPVの標的核酸を単離する工程;
上記標的核酸を、ペプチド核酸(PNA)を含む少なくとも1つのプローブと接触させる工程であって、上記少なくとも1つのプローブは、複数のHPV型の核酸の部分に実質的に相補的である、工程;および
上記少なくとも1つのプローブと上記標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程、
を包含する、方法。
・(項目18) 項目1に記載の方法であって、上記溶液が、凝集することなくサンプル細胞を固定するための十分な量のアルコール、抗集塊(anti−clumping)剤、および上記溶液を約4〜約7の範囲内のpHに維持する緩衝剤を含む、方法。
・(項目19) 上記サンプル細胞が被験体由来であり、そしてここで、上記標的核酸配列の存在が上記被験体における腫瘍増殖の危険を示す、項目1に記載の方法。
・(項目20) 上記腫瘍増殖が子宮頸癌または子宮頸管内癌腫のいずれかに関連する、項目4に記載の方法。
・(項目21) 上記標的核酸配列の存在がHPVの特定の型の存在を示す、項目3に記載の方法。
・(項目22) 上記HPVの特定の型が、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型、および70型からなる群より選択される、項目7に記載の方法。
・(項目23) 上記標的核酸配列の非存在が、HPVによる感染の非存在の診断となる、項目3に記載の方法。
・(項目24) 上記標的核酸配列の非存在が、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型、および70型からなる群より選択されるHPV型による感染の非存在の診断となる、項目3に記載の方法。
・(項目25) 上記標的核酸配列の非存在が、高危険度型のHPVによる感染の非存在の診断となる、項目1に記載の方法。
・(項目26) さらに、上記標的核酸の増幅を包含する、項目1に記載の方法。
・(項目27) 上記増幅工程が、ポリメラーゼ連鎖反応を行う工程を包含する、項目12に記載の方法。
・(項目28) さらに、上記標的核酸分子を、PNA−DNA相互作用を介して、固体支持体上へ捕捉させる工程を包含する、項目1に記載の方法。
・(項目29) 上記少なくとも1つのプローブの各々が少なくとも8塩基を含む、項目1に記載の方法。
・(項目30) 上記少なくとも1つのプローブがPNAとは異なるヌクレオチドを含む、項目1に記載の方法。
・(項目31) 上記少なくとも1つのプローブが配列番号1〜5からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
・(項目32) 上記少なくとも1つのプローブが検出可能マーカーで標識されている、項目1に記載の方法。
・(項目33) 上記少なくとも1つのプローブが分子標識(beacon)プローブを含む、項目17に記載の方法。
・(項目34) さらに、上記ハイブリダイゼーションを認識するための抗体を使用する工程を包含する、項目1に記載の方法。
・(項目35) サンプル中のヒトパピローマウイルス(HPV)の標的核酸の存在を検出するための方法であって、以下の工程:
固体支持体上で、標的核酸を含む候補核酸を捕捉する工程;
上記候補核酸をペプチド核酸(PNA)を含む少なくとも1つのプローブと接触させる工程であって、上記少なくとも1つのプローブが複数のHPV型の核酸の部分に実質的に相補的である、工程;および
上記少なくとも1つのプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程、
を包含する、方法。
・(項目36) 候補核酸を捕捉する工程がDNA−DNA相互作用を含む、項目35に記載の方法。
・(項目37) サンプル中におけるヒトパピローマウイルス(HPV)の標的核酸の存在に関するインサイチュでの検出のための方法であって、以下の工程:
懸濁されたサンプル細胞を均一に表面上へ移す工程;
上記細胞中に含まれるHPVの標的核酸を、ペプチド核酸(PNA)を含む少なくとも1つのプローブとインサイチュでハイブリダイズさせる工程であって、上記少なくとも1つのプローブが複数のHPV型の核酸の部分に実質的に相補的である、工程;および
上記少なくとも1つのプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程、
を包含する、方法。
【0016】
本発明のこれらおよび他の利点および局面は、以下の、これらの詳細な説明の考察に基づいて理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
1つの局面において、本発明の方法は、少なくとも1つのPNAプローブを使用して、高危険度HPV改変体の存在について、患者サンプルをスクリーニングする工程を包含する。好ましい実施形態において、複数のHPV型の核酸の部分にハイブリダイズするPNAプローブが使用される。従って、本発明はHPVの複数の株または型の同時検出を可能にする。
【0018】
いくつかのPNAプローブは、複数のHPA株由来の核酸と交差ハイブリダイズすることが示された。従って、いくつかの例において、単一のプローブまたはプローブ混合物が使用され、単一のサンプルにおける複数の株の存在がスクリーニングされ得る。また本発明に従って、単一のHPV株の核酸にのみハイブリダイズするPNAプローブが使用され、サンプル中の株を特異的に同定および/またはタイピングし得る。このように高い特異性のプローブは、例えばプローブに統合された識別可能なマーカーを利用することによって、連続してかまたは並行して使用され得る。このような高い特異性のプローブの混合物、またはこのような高い特異性のプローブおよび交差ハイブリダイズするプローブの混合物が使用され、HPVの複数の株(好ましくは、全ての高危険度な株であり、かつ高危険度な株のみ)が同定され得る。
【0019】
上記に記載されるようなハイブリダイゼーションスクリーニングはまた、保存溶液(例えば、PreservCyt(登録商標))の中で行われ、そうすることにより患者サンプル(例えば、パパニコラウスミア)の細胞学的スクリーニングとHPVスクリーニングとを組み合わせ得る。PreservCyt(登録商標)溶液は、本明細書中において参考として援用される、共有に係る米国特許第5,256,571号において記載される。
【0020】
本発明の方法に従って、PNAプローブは、1つ以上のHPV型の核酸の部分に実質的に相補的であるように設計される。HPV DNA配列は、多数の公的データベース(例えば、GENBANK)において見出され得る。本発明の使用のためのPNAプローブは、1つ以上のHPV株の相同領域にハイブリダイズするように設計された。好ましい実施形態において、高危険度HPV株の間では共通するが低危険度HPV株の間では共通しない株の相同性が選択され、HPV DNAの高危険度型のみに対するPNAプローブの特異性を確実にする。
【0021】
好ましい相同性領域は、HPV L1コンセンサス領域である。このL1領域は、HPVの主要なカプシドタンパク質をコードし、細胞内でウイルスの組み込みが起こる場合に常に、保持される。ウイルスゲノム内の他の領域(例えば、E6オープンリーディングフレーム、本明細書中において参考として援用されるSilversteinらの米国特許第5,888,724号に記載される)もまた、相同性を生じるよう使用され得る。
【0022】
種々のHPV型のL1領域のDNA配列を、GENBANKからダウンロードした。次いで、高危険度HPV型のL1領域を、Vector NTIソフトウェア(Informax Inc.,North Bethesda,MD)を用いて比較し、相同性領域を確立した。その後、既知の高危険度型のHPVの間で共通しているが、低危険度型のHPVの間では共通していない相同性領域を選択した。これは、このように構築されたPNAプローブはいずれも、高危険度型のHPVに対して最大の特異性を示すが、低危険度型のHPVに対しては最小の特異性を示すかまたは全く特異性を示さないことを裏付けた。次いで、選択された配列を、Vector NTIプログラムを用いて分析して、顕著な2次構造(例えば、ヘアピン)を形成する任意の配列を切り捨てた。
【0023】
次いで、相同性領域を用いて、スクリーニングアッセイに有用なPNAプローブを作製した。作製したこれらのプローブの例を、配列番号1〜5に示す。代表的に、これらのプローブは、溶液中にそのまま存在するために十分に短くあるべきである(すなわち、18塩基または19塩基未満)。これらのプローブを構築することにおいて、好ましくは、配列において10塩基の任意のストレッチについて、プリンが6つ以下で存在すべきである。また、列を成す4〜5つのプリン、特に列を成す3つのグアニンは、好ましくは避けられるべきである。PNAプローブの好ましい長さは、8以上のユニットである。本発明はまた、目的の複数の株を検出するためのプローブとして、PNAと他の核酸(例えば、DNAおよびRNA)との間のハイブリッドの使用を企図する。Uhlmannの“Peptide Nuclic Acids (PNA) and PNA−DNA Chimeras:From High Binding Affinity Towards Biological Function”,Biol.Chem.1998,379(8−9):1045−52(この開示を、本明細書中で参考として援用する)に記載されるように、PNA−DNAキメラは、本発明の方法において有用であり得る。
【0024】
一旦、PNAプローブの配列を完成させると、プローブを、当業者に公知の方法に従って、合成し、精製し、そして標識し得る。例えば、このような方法は、PCT公開WO92/20702、Neilsen等による米国特許第5,539,082号、およびGarnerによる米国特許第5,731,416号に開示されており、これらの全ては、本明細書中で参考として援用される。PNAプローブのこのような合成、標識化(例えば、ビオチンを用いて)および精製はまた、販売業者(例えば、PerSeptive Biosystems Inc.(Framingham,MA))から手配し得る。
【0025】
「分子標識(molecular beacon)」プローブはまた、本発明の方法において、プローブと標的テンプレートとの間のハイブリダイゼーションの直接的な可視化のために用いてもよい。分子標識プローブは、Tyagi等のPCT出願番号WO95/13399およびTyagi等のPCT出願番号WO97/39008に記載されており、これら両方ともが、本明細書中で参考として援用される。分子標識は、ステムループ(stem−and−loop)構造を保有する一本鎖の核酸プローブである。ここで、この分子のループの部分は、標的核酸配列に相補的なプローブ配列である。このステムは、このプローブの配列のいずれかの末端にそれぞれ位置する、2つの相補的なアーム配列のアニーリングによって生じる。これらのアーム配列は、標的配列に関連せず(すなわち、相補的でない)、そして、各アームは、その末端で標識される。一方のアームに対して、蛍光部分が結合し(すなわち、5’末端のリン酸塩にて)、そして、他方に対して、非蛍光性消光化分子(すなわち、3’末端のヒドロキシル基にて)が結合する。その発生期において、この分子標識は、蛍光を発しない。これは、蛍光団(fluorophore)によって得られたエネルギーが、その消光剤に移動し、そして熱として分散する(蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer)(FRET)という出来事)ように、蛍光消光剤の対が選択されるからである。Tをわずかに超える温度で、分子標識のステム部分が展開され、そして標的鎖に対するこの分子のプローブ部分を露出する。一旦露出されると、この標識と標的とがハイブリダイズする。
【0026】
ハイブリダイゼーションの際、分子標識は、標的と相互作用し、コンフォメーション変化を起こし、これによって、この標識のアーム配列が強制的に離れ、その結果、蛍光団と消光剤とが、お互いにかつそれぞれのもとの位置から物理的に離れる。蛍光団が消光化分子の近くにもはや存在しない限り、FRETは、もはや不可能であり、次いで、蛍光団は、励起された場合、適切な波長の検出可能な光を放つ。本発明に従うPNAプローブが、分子標識分子(標的核酸に相補的なPNAのループ部分を有する)として構築される場合、このプローブと標的テンプレートとの間のハイブリダイゼーションは、蛍光読み取り装置を用いて、「リアルタイム」または「終点」様式のいずれかにおいて、検出され得る。
【0027】
本発明のPNAプローブは、HPV遺伝物質の任意の検出アッセイにおいて有用であるよう企図される。1つの実施形態において、PreservCyt溶液中に先に懸濁された頸部標本から単離されたサンプルDNAは、コンセンサスプライマー(MY09およびMY11)の対を用いるPCRを用いて、最初にかつ必要に応じて、増幅される。これらのプライマーは、HPV DNAのL1領域の異なるセグメントに結合し、そして高危険度HPV株および低危険度HPV株の両方のDNAを増幅する。次いで、増幅産物を、高危険度HPV株のDNAに特異的なビオチン標識化PNAプローブと接触させ、そしてハイブリダイズさせる。次いで、ハイブリダイズさせたPNA:DNA二重鎖を含む溶液を、アビジンコートしたマイクロタイタープレートに適用する。適切なインキュベーションおよび洗浄の後、他の核酸複合体からPNA:DNA二重鎖を区別し得る標識化抗体を、任意のハイブリダイゼーションの可視化のために用いる。このような抗体は、当該分野で公知であり、以下に記載される:例えば、Hansen等:“Detection of PNA/DNA Hybrid Molecules by Antibody Fab Fragments Isolated
from a Phage Display Library”,J Immunol Methods,1997 203(2):199−207(本明細書中で参考として援用される)。この抗体は、以下が挙げられるがこれらに限定されない検出可能なマーカーを用いて標識され得る:放射性同位体、または熱量マーカー(例えば、ジゴキシゲニン)、発光マーカー、蛍光マーカーまたは酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)。このようなマーカーは、当該分野で公知である。さらに、一次抗体は、検出目的のために標識された二次抗体によって次に認識され得る。
【0028】
本発明の別の実施形態において、ビオチン標識DNAプローブ(例えば、ALUプローブ)を最初に用いて、アビジンコートしたマイクロタイタープレート上に全ての型のHPV DNAをハイブリッドさせて捕捉する(hybrid−capture)。適切なインキュベーションおよび洗浄後、PNAプローブを、ハイブリダイゼーションのためにプレートに添加する。ハイブリダイゼーションの検出を、先の段落で記載されるように、抗体を用いて実施し得る。
【0029】
本発明はまた、本発明に従って作製されるプローブまたは保存溶液あるいはその両方を備えるキットを含み、そして、検出アッセイに必要とされる他の試薬を含み得る。例えば、キットは、頸部サンプルを取得するため、サンプルを保存するため、ならびにサンプルから遺伝物質を単離および精製するために、材料、機器、およびデバイスを備え得る。インビトロハイブリダイゼーションキットは、複数のプローブ(例えば、本発明に従って作製されたPNAプローブおよびALUオリゴヌクレオチドプローブ、ならびにハイブリダイゼーション反応に必要な他の試薬)を含み得る。これらのプローブのいずれかは、例えば、ビオチンまたは蛍光団で標識され得る。本発明に従って作製されたキットは、ヌクレオチド増幅反応のための酵素、プライマー(例えば、MY09/MY11)、緩衝液および他の試薬をさらに備え得る。インサイチュハイブリダイゼーションキットは、インサイチュハイブリダイゼーションにおいて利用されるスライド調製、シグナル増幅および他の技術に必要とされる、酵素、固定化溶液、緩衝液および他の試薬を備え得る。キットはまた、標的分子の標識化、検出および可視化のために必要とされる酵素、抗体、基質および他の試薬を備え得る。このようなキットはまた、さらなるHPVのタイピングのために必要とされるプローブおよび試薬を備え得る。
【0030】
本発明の別の局面において、方法および材料は、選択されていない改変体の増幅をブロックすることによって選択された核酸改変体の1つ以上を同定する生物学的サンプルの臨床アッセイのために提供される。好ましい実施形態において、疾患生物体の選択された株または改変体(例えば、細菌、酵母、他の微生物、またはウイルスの、DNAまたはRNA)の1つ以上を検出するための方法が使用される。これらの方法は、疾患生物体の核酸を、その生物体のいくつかおよび好ましくは全ての株または改変体由来の核酸を増幅し得るコンセンサスプライマー(一方、このプライマーは、選択されていない株由来の核酸の増幅をブロックする)を用いて増幅する工程を包含する。増幅産物の存在は、選択された株の存在を示す。標識プローブは必要でない。目的の株に特徴的な配列とハイブリダイズするいかなるプローブも必要でない。好ましい実施形態において、PCRを用いて核酸を増幅し、そしてPNAから作製されたブロッキングプローブを用いる。
【0031】
好ましい実施形態において、婦人科学的細胞のサンプルを、子宮頸癌の高危険度を示すHPVの株についてスクリーニングするために女性被験体から得る。このようなサンプルは、例えば、PreservCyt(登録商標)保存溶液中に懸濁され得る。このサンプル由来のDNAを、当業者に周知のキットおよび方法を用いて単離および精製する。
【0032】
次いで、コンセンサスプライマーの対(MY09およびMY11)は、図1に例示されるようにPCR反応のためのプライマーとして選択される。プライマーMY09およびMY11(配列番号10および配列番号11)は、HPV LIコンセンサス領域の一部分に結合する。LIコンセンサス領域は、ウイルスの組込みが細胞内で生じる場合はいつでも保持されるので、好ましい。しかし、HPVウイルスゲノムにおける他の領域(例えば、L2、E1、E6およびE7オープンリーディングフレーム)はまた、増幅のための候補領域として有用である。HPV特異的PNAブロッキングプローブは、公開されたHPV DNA配列(例えば、GENBANK提供)に基づいて構築される。本発明に従って、PNAを含むブロッキングプローブは、低危険度HPV株のみのL1領域における一部(プライマーMY09およびMY11に対するハイブリダイゼーション部位間)に実質的に相補的であるよう設計される。次のPCRは、高危険度株由来のDNAのみを選択的に増幅する。なぜなら、低危険度株の指数関数的増幅は、PNAプローブによってブロックされるからである。低危険度株におけるブロックされる領域に至るまでのこれらのプライマーのハイブリダイゼーション部位間のセグメントは、指数関数様式よりもむしろ線形様式で複製され、このため、アンプリコンの検出可能な量を生じない。好ましい実施形態において、プローブは、プライマーハイブリダイゼーション部位に隣接する領域にハイブリダイズし、短縮された増幅産物さえ除去する。従って、本発明の方法において、増幅産物(すなわち、ベースラインレベルを超える多くの核酸)は、慣用的なDNA検出方法(例えば、エチジウムブロマイド染色、CYBR Green染色および他のDNA染色)によって検出可能である。アンプリコンの存在は、サンプル中に高危険度株が存在することを示す。このアンプリコンのサイズは、簡単なゲル電気泳動または他の方法によって決定され得、高危険度株の存在をさらに実証するために用いられる。逆に、増幅産物が存在しないことは、サンプル中に高危険度株を欠くことを示す。
【0033】
複数のブロッキングプローブは、選択されていない株の異なるサブセット由来の核酸に対する特異性を用いて構築され得る。これらの複数のブロッキングプローブが、増幅反応において「カクテル」として用いられる場合、これらのプローブは共に、全ての選択されていない株の増幅をブロックする。従って、特に好ましい実施形態において、プローブは、いかなる高危険度株の増幅もブロックせず、できるだけ多数の低危険度HPV株(例えば、11型、16型、および42〜44型)をブロックするよう構築される。さらに好ましい実施形態において、少なくとも1つのプローブは、増幅が企図される領域内で低危険度HPV DNAとのハイブリダイゼーションによって低危険度HPV株全ての増幅をブロックする。増幅産物(これは、プライマーセット間の全長である)の次の検出は、サンプル中に高危険度株の存在することを示すが、一方、増幅産物が存在しないことは、高危険度株を欠くことを示す。
【0034】
図2を参照すると、核酸アナログプローブは、少なくとも1つのプライマー対のハイブリダイゼーション部位と部分的にかまたは完全にハイブリダイズするよう構築される。好ましい実施形態において、プローブは、PNA分子またはPNAと別のヌクレオチド(例えば、DNA)との間のキメラから作製されている。配列特異的ハイブリダイゼーションを介した増幅をブロックするプローブの他の型もまた、用いられ得る。そして、このブロッキングプローブは、(図1または図2のいずれかに従って用いられる)は、先に記載されたように、分子標識となるよう構築され得る。分子標識ブロッキングプローブは、このブロッキングプローブと選択されていない株のテンプレートとの間のハイブリダイゼーションのリアルタイムの検出を可能にする。
【0035】
DNAまたはRNAと比較して、PNAは、実質的に相補的な核酸テンプレートに対してより高い親和性を有する。従って、PNAプローブが、DNAプライマーまたはRNAプライマーと、ハイブリダイゼーション部位の一部または全てに対して競合する状況において、PNAプローブと核酸テンプレートとの間のハイブリダイゼーションが支持される。結果として、このプライマーセットのハイブリダイゼーション部位間の全長増幅は、阻害される。Buchardtらによる米国特許第5,891,625号を参照のこと(この全体の開示は、本明細書中で参考として援用される)。
【0036】
図2に例示された実施形態において用いられるブロッキングプローブは、1つまたは複数(「カクテル」)ブロッキングプローブを含み得る。図1に関連した実施形態に記載されることに類似して、増幅産物の検出は、選択された株(例えば、HPVの高危険度株)の存在を示す。
【0037】
(頸部切屑中のHPVを検出するための例示的な方法)
(A.PNAプローブを用いたハイブリダイゼーションアッセイ)
本発明の方法を用いて、幾人かの女性患者由来の頸部切屑中のHPVの存在についてスクリーニングする。切屑を、綿棒で集めることによって得て、そして1mlあたり約2.0×10個の細胞の濃度でPreservCyt(登録商標)溶液を塗布してこの中に置く。細胞を含む溶液をボルテックスによって混合し、そして、Lapidus等による米国特許第5,143,627号(参考として本明細書中で援用される)に記載されるように、このサンプルのアリコートを取得して、細胞学的分析のために「ThinPrep」スライドを作製する。特に、このスライド(ここに、サンプル細胞を均一に移す)を、ThinPrep
Processor 2000(登録商標)(Cytyc Corporation,Boston MA)を用いて調製する。
【0038】
サンプル溶液の第2のアリコートを、HPV分析のために得る。Epicentre Technologies,Inc.(Madison,Wisconsin)のBuccal Swab DNAキットをDNA抽出のために用いる。MY09/MY11コンセンサスプライマー(Research Genetics,Inc,Huntsville,AL)を、PCR増幅のために用いる。
【0039】
PCRについて、100ng(または、5μl)の標的DNAを混合し、10mMのTris−HCl(pH8.3)、5−mMのKCl、6mMのMgCl、22μMのdNTP、50pmoleのプライマー、5pmoleのβ−グロビンプライマーPC04およびGH20、ならびに2.5ユニットのAmplitaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Getus,P.W.Roche Molecular Systems,Inc.,Branchburg,NJ)有する総容積50μlにする。β−グロビン遺伝子の増幅を、コントロールとして実施して、このサンプルがPCRによるHPV検出にふさわしいかどうかを決定する。PCRパラメーターを、35サイクル(95℃−60秒/55℃−60秒/72℃−60秒)に設定する。増幅産物を、エチジウムブロマイドで染色される1%のアガロースゲルでの反応混合物の5分の1の容積の電気泳動によって検出する。次いで、サンプルDNAをゲルから抽出し、そしてインサイチュハイブリダイゼーションアッセイ(以下に記載されるように)を用いてHPV状態を評価する。
【実施例】
【0040】
(実施例)
(実施例1:PNAプローブの構築および試験)
いくつかの高危険度型のHPV DNAに相補的なビオチン標識化PNAプローブを、作製した。PNAプローブ配列は、GENBANKデータベースからの情報を用いて設定したMY09/MY11縮重プライマーによって増幅されたL1コンセンサス領域中に見出される相同性領域に基づいた。5つのPNA配列を、以下の配列番号1〜5として同定する。ビオチン標識化PNA(14〜15塩基長)を、PerSeptive BioSystems(Framingham,MA)による使用説明書に従って合成した。
【0041】
HPVに感染した婦人科学的サンプルを、メタノールベースのPreservCyt(登録商標)溶液(Cytyc Corporation,Boxborough,MA)中で保存した。これらのサンプル由来のDNAを、以下の工程をともなうEpicenterのBuccal swab DNA抽出キット(Madison,WI)を用いて単離して精製した:2mlのPreservCyt(登録商標)懸濁液を、8,000×gにて5分間、遠心分離することによってペレット化した。この上清を除去し、このペレットをEpicenterのDNA抽出液中に再懸濁し、そして60℃にて30分間、98℃にて10分間インキュベートし、そして氷上で5分間、冷却した。抽出されたDNAを含む得られた上清を、8,000×gにて5分間の遠心分離によって回収した。
【0042】
残りのPreservCyt(登録商標)細胞懸濁液のHPV DNA遺伝子型を、まず、2つの別々の方法によって決定した。第1のタイピング方法は、HPVコンセンサスプライマー(MY09/MY11)−HPVの増幅されたL1コンセンサス領域の、ポリメラーゼ連鎖反応−制限断片長多型(Polymerase Chain Reaction−Restriction Fragment Length Polymorphism)(PCR−RFLP)分析であった。PCR−RFLPを、Lungo等,”Typing of HPV
by PCR Amplification with L1 Consensus Primers and RFLP Analysis”,Mol.&Cell Probes,第10巻,l45〜52頁,1992(本明細書中で参考として援用される)によって記載された方法に従った標本で実施した。特に、精製したDNAをP−32標識化CTP(および他の適切なNTP)の存在下で増幅し、次いで、このアンプリコンを、Pst I、Rsa I、およびHae IIIを用いて同時に消化した。制限消化産物をポリアクリルアミドゲルで分析し、そしてHPV型サイズをHPV DNA標準物に基づいて割り当てた。検出を、X線フィルムに露光することによって達成した。PCR−RFLPに加えて、各ポジティブ標本を、市販のハイブリダイゼーションHPV DNAタイピングキット(Alphagenics Diaco Biotech,Trieste,Italy)を製造業者の指示書に従って用いる第2の方法によってタイピングした。精製したサンプルDNAを、まず、DIG標識化MY09/MY11プライマーを用いて増幅した。このアンプリコンを、各型のHPV DNAに対して特異的なビオチン標識化DNAプローブを用いて、続けてハイブリダイズさせた。ハイブリダイズされた二重鎖を、アビジンコートしたマイクロタイタープレートに捕捉し、そしてDIG標識化核酸を認識する酵素結合抗体を用いて検出した。
【0043】
サンプルDNAの特定のアリコートを、これらの2つの方法によって独立してタイピングした後、このDNAをMY09/MY11プライマーを用いて増幅し、その後、構築したPNAプローブとハイブリダイズさせた。種々の型のHPVのPCR増幅したDNAサンプルを、0.8%アガロースゲルの異なる列にロードし、そしてPAGEを行った。HPV L1コンセンサスアンプリコンのサイズおよび存在を、PAGEサンプルのエチジウムブロマイド染色によって決定した。このゲル中のアンプリコンを、脱プリン化し、洗浄し、次いで室温にて変性させた。次いで、このゲルを、室温にて中和(0.5MのTris−HCl/1.5MのNaCl)させ、そしてこのDNAを、毛細管拡散(capillary diffusion)を介してアガロースゲルからナイロン膜(Biodyne B membrane,PALL)に一晩転写した。好首尾の転写を、処理したゲル上にエチジウムブロマイドのバンドが存在しないことから決定した。その後、このDNAを80℃にて30分間加熱することによって膜に固定した。この膜を、2×SSC中で再水和させ、そしてブロッキング溶液(100mg/mlのサケ精子DNA/5×SSC/5×Denhardt溶液/0.1%のSDS)を用いて68℃にて30分間、予めハイブリダイズさせた。続いてこの膜を、20nMの変性ビオチン標識化PNAプローブを用いて、65℃にて一晩、ハイブリダイズさせた。
【0044】
この膜をハイブリダイゼーション溶液から取り出して洗浄した後、ビオチン標識したPNA:DNAハイブリッドの存在を、触媒としてホスファターゼ酵素に依存する化学発光基質アッセイによって確証した(New England BioLabs提供のPhototope Star検出キット)。最終的な検出を、X線フィルム(Kodak)に対するサザンブロットの露光によって得た。
【0045】
表1は、PNAプローブのいくつかについての試験結果を示す。+の表示は、顕著なハイブリダイゼーションが、特定の配列番号(行)に従って構築したPNAプローブと特定の型のHPV(列)との間で認められたことを示す。−の表示は、このような知見が認められなかったことを示す。この表中の空白の欄は、ハイブリダイゼーション反応を、規定のようにまだ行っていないことを示す。
【0046】
【表1】

ゲル電気泳動前の、標識化PNAプローブを用いたハイブリダイゼーションを通して、HPVの標的核酸の検出もまた試験した。PCR増幅したDNA(1μl)を、変化させた希釈のハイブリダイゼーション緩衝液中にビオチン標識したPNAプローブI(配列番号1)(20pM)と混合した。アンプリコンをPNAプローブ存在下で95℃にて10分間変性させ、迅速にアニーリングさせ、そしてPNA:DNA二重鎖を3%のアガロースゲル上で単離した。DNAの存在を、エチジウムブロマイド染色することによって決定し得る。この後、このDNAを、変性させずに、毛細管拡散を介してナイロン膜に転写した。ナイロンへの定着を、先に記載したように実施した。DNA:PNA二重鎖を、先に記載したように、化学発光基質およびX線フィルムを用いて検出して可視化した。ハイブリダイゼーション緩衝液の1:1〜1:1000の範囲の希釈において、顕著なハイブリダイゼーションは、プローブIとCaski細胞由来の16型HPV DNAとの間で認められたが、同じプローブとHela細胞由来の18型HPV
DNAとの間では認められなかった。前もったゲルハイブリダイゼーションは、ゲル中での変性および緩慢なハイブリダイゼーションならびにストリンジェンシー洗浄の必要性を排除し、検出アッセイのための作業時間を短縮化し、相対的に少量のPNAプローブを必要とし、そしてPCR産物に対して良好に作用する。
【0047】
(実施例2:インサイチュハイブリダイゼーション)
(工程1:スライド調製)
ThinPrepスライドに固定した細胞を、タンパク質分解酵素(すなわち、2×SSC中の10μg/mlのプロテイナーゼK 500μl、または0.05%〜0.15%のペプシンを含有する0.2Nの塩酸溶液 500μl)を用いて、37℃にて30分間、消化する。次いで、これらのスライドを、2分間、2×SSCで洗浄し、エタノールで脱水し、そして風乾させた。1〜20nMのPNAプローブを含有したハイブリダイゼーション混合物の15〜20μlを各スライドに適用する。次いで、スライドを、ガラス製のカバーガラスでカバーし、封着する。
【0048】
(工程2:ハイブリダイゼーション)
PNAプローブおよび標的DNAを、サーモサイクラー(MJ Research,Inc.Watertown,MA)内にスライドを置き、そして素早く移動してサーモサイクラーの温度を3分間80℃に維持することによって、同時に変性させる。その後、内部の温度を37℃まで急速に低下させ、そして15分から2時間、このインキュベーションを続行させる。次に、これらのスライドをサーモサイクラーから取り出し、このカバーガラスをピンセットで取り外し、そしてスライドを、75℃にて5分間、2×SSCで洗浄する。次いで、スライドを、0.05%のTween20を含有するリン酸緩衝生理食塩水 40mlを含むCoplin瓶に2分間、移す。
【0049】
(工程3:ハイブリダイゼーション後の洗浄およびTSA増幅)
インサイチュアッセイにおける増幅を、NENの市販のTSA−Indirectキット(Life Science Product at Boston,MA)を用いることによって実施し得る。Tyramide Signal Amplificationシステムは、“In situ hybridization with biotinylated tryamide amplification:Detection of human papillomavirus DNA in cervical neoplasia”,Modern Pathol 1998;11:19−23においてSano等によって記載される(本明細書中で参考として援用される)。基本工程を、以下の通り実施し得る:先の工程からの各スライドを、100μlのTNBブロッキング緩衝液(0.15MのNaClを含有する0.1MのTris−HCl(pH7.5)、および0.5%のブロッキング試薬)とともに、湿潤チャンバー(humid chamber)中で30分間室温にてインキュベートする。プラスチック製のカバーガラスを、蒸発を減ずるためにスライドの上に使用する。各スライドは、100μlのストレプトアビジン−西洋わさびペルオキシダーゼ試薬(TNBブロッキング緩衝液中での1:100の希釈)を受け、そして、その後、カバーガラスによってカバーしたまま、室温にて30分間、インキュベートする。次に、スライドを、TNT緩衝液(0.15MのNaClおよび0.05%のTweenを含有する0.1MのTris−HCl(pH7.5))中で撹拌しながら、室温にて洗浄し、そして、各スライドに対して300μlのビオチン標識したチラミド(biotinyl−tyramide)を添加する。室温にて3〜10分間インキュベーション後、これらのスライドをTNT緩衝液でもう1回洗浄する。
【0050】
(工程4:色素産生性検出)
約100μlのストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ(TNB緩衝液中で1:100の希釈)を、各スライドに添加する。スライドを、5〜10分間室温にてカバーしたまま、湿潤チャンバー中でインキュベートし、次いで、各スライドをTNT緩衝液で洗浄する。ハイブリダイズしたPNAプローブを、製造業者の指示書に従って、BCIP−NBT検出システムによって検出する。
【0051】
(工程5:対比染色およびマウンティング(Mounting))
スライドを、蒸留水で洗浄し、次いで、エオシンを用いて対比染色し、カバーガラスをつけて、マウントした。
【0052】
(B.HPV DNAの選択的増幅におけるPNAの使用)
「ThinPrep」スライドおよびサンプルDNAを、Aの部分に記載されるように、懸濁した頸部切屑標本から調製した。
【0053】
GENBANKより利用可能なHPV株のL1コンセンサス領域のDNA配列を用いて、第2のアリコートから抽出したDNAテンプレートの増幅の選択的ブロッキングにおいて有用なPNAプローブを作製する。用いたPNAプローブを、配列番号6〜8に示す。代表的に、これらのプローブは、溶液中に存在するために十分に短くあるべきである(すなわち、19塩基未満)。これらのプローブを構築することにおいて、配列における10塩基の任意のストレッチについて、プリンが約7つ未満で存在することが理想的である。
【0054】
次いで、PCR増幅反応を、MY−09/MY−11プライマーセット(配列番号10および配列番号11)またはその改変を用いてプローブの存在下または非存在下で、以下の条件下で実施する:95℃にて5分間の開始変性工程、次いで、35サイクルの95℃−30秒/54℃−30秒/72℃−60秒、72℃にて2分間の最終伸長工程。他の熱サイクリング条件もまた、本願のために使用し得た(例えば、95℃にて5分間の開始変性工程、次いで35サイクルの95℃−30秒/4℃−60秒/55℃−30秒/72−60秒、72℃にて2分間の最終伸長)。さらなる代替工程は、4℃の工程に代わる25℃のPNAアニーリング温度、ならび4℃の工程を60秒から30秒に短縮することを含み得る。HPV LI領域を増幅しかつ配列決定するためのMY09およびMY11プライマーの使用は、Bauer等の“Genital Human Papillomavirus Infection In Female University Students As Determined By A PCR−Based Method”,JAMA 1991;265:472−477により詳細に記載される(本明細書中で参考として援用される)。
【0055】
PCRマスター混合物は、20μlの最終容積であり、そしてこれは、10mMのTris−HCl(pH8.3)、25mMのKCl、5mMのMgCl、200μMのdNTP、100nmoleの各HPV L1コンセンサスプライマー、1.0ユニットのPlatinum Taq DNAポリメラーゼ(Gibco)および100〜750ngの精製した細胞のDNAから構成される。DNA濃度を、260nmと280nmとの読み取り値の間の比を算出することによるUV分光光度法によって決定する。OD260/OD280は、核酸の純度の評価を提供する。最終PNA濃度を、通常、10μMに定める。増幅産物を、エチジウムブロマイドで染色される2%のアガロースゲル上での反応混合物の4分の3の電気泳動によって検出し得る。
【0056】
(実施例)
(実施例3:図1に図示される実施形態に従って構築されたPNAプローブの試験)
2つのPNAプローブ(VIおよびVII)(配列番号6〜7)を、図1に図示される実施形態に従って構築した。両方のPNAプローブ(VIおよびVII)の配列は、低危険度HPV株6および11の相同的な部分に対して実質的に相補的である。両方のプローブは、プライマーセットMY09/MY11に対する結合部位の間の部分に結合する。
【0057】
既知のHPV株のDNA溶液を用いて、本発明に従って両方のプローブの選択的ブロッキング能を試験する。図3に示されるように、PCRアンプリコンは、HPVプローブのVIおよびVIIのいずれを用いた場合でも、HPV株11のDNAサンプル中で全く認められなかった。予測した長さのPCRアンプリコンを、プローブVIまたはVIIのいずれかの存在下で、HPV株16または18のDNAのエチジウムブロマイド染色によって検出した。これらの結果は、プローブVIおよびVIIが、(それらが設計されたように)HPV株11(16でも18でもなく)の増幅をブロックし得たことを示した。
【0058】
(実施例4:図2に図示された実施形態に従って構築されたPNAプローブの試験)
改変されたコンセンサスプライマーMC01(配列番号9)を、MY09との結合に用いられるように構築し、そして株18を含む複数のHPV株を増幅し得た。PNAプローブVIII(配列番号8)を、2塩基対の改変を有するプライマーMC01の一部を含むよう設計した。このプローブは、HPV株18のDNAに対して100%相補的なプローブであり、かついかなる他の株に対しても相補的ではないプローブとなる。PNAプローブVIIIは、HPV株18のDNAに結合するために改変されたコンセンサスプライマーMC01と競合すると予測された。
【0059】
図4に示されるように、HPV株18のDNA溶液を用いて、HPVプローブVIIIを試験した。種々の濃度のHPVプローブVIIIを用いた場合、PCRアンプリコンは全く認められなかった。予測された長さのPCRアンプリコンを、PNAプローブVIIIの非存在下で、DNAサンプルのエチジウムブロマイド染色によって検出した。これらの結果は、プローブIIIがHPV株18の増幅と競合し、かつブロックし得たことを示した。
【図面の簡単な説明】
【0060】
これらの図面は、必ずしも縮尺を意図するものではなく、本発明の原理を図示することに重点をおき、代わりに概して位置付けられる。
【図1】図1は、本発明の特定の方法の概略図を提供する。
【図2】図2は、本発明のさらなる方法の概略図を提供する。
【図3】図3は、図1によって図示される本発明の方法に従ってPNAプローブを使用する選択的増幅を示す、エチジウムブロマイド染色ゲルである。
【図4】図4は、図2によって図示される本発明の方法に従って、PNAプローブによってブロックされるDNA増幅を示す、別のエチジウムブロマイド染色ゲルである。(配列表)
【表2】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル細胞中のヒトパピローマウイルス(HPV)の標的核酸の存在を検出するための方法であって、
HPVの標的核酸を含み得るサンプル細胞を細胞保存溶液中に懸濁する工程;
該サンプル細胞から該標的核酸を分離する工程であって、該分離された標的核酸は、該細胞保存溶液中に残り、該細胞保存溶液は、該サンプル細胞を凝集させることなく保存するために充分な量のアルコールを含む、工程;
該細胞保存溶液中にある該標的核酸を、少なくとも1つのペプチド核酸(PNA)を含む少なくとも1つのプローブと接触させる工程であって、該少なくとも1つのプローブは、複数のHPV型の核酸の部分と実質的に相補的である、工程;
該細胞保存溶液中に該標的核酸が存在する場合に、該少なくとも1つのプローブが該標的核酸とハイブリダイズするのを可能にする工程;および
該少なくとも1つのプローブと、該溶液中の該標的核酸との間のハイブリダイゼーションを検出する工程;
を包含し、
該ハイブリダイゼーションの検出は、サンプル細胞におけるHPVの標的核酸の存在を示す、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記サンプル細胞は、被験体に由来し、
前記標的核酸配列の存在は、該被験体における腫瘍増殖の危険を示す、
方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記腫瘍増殖は、子宮頸癌または子宮頸管内癌腫のうちのいずれかに関連する、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記標的核酸配列の存在は、HPVの特定の型の存在を示す、
方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記HPVの特定の型は、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型、および70型からなる群より選択される、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記標的核酸配列が存在しないことが、HPVによる感染が存在しないことの診断特徴である、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記標的核酸配列が存在しないことが、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型、および70型からなる群より選択されるHPV型による感染が存在しないことの診断特徴である、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記標的核酸配列が存在しないことが、高危険度型のHPVによる感染が存在しないことの診断特徴である、
方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記標的核酸の増幅
をさらに包含する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記増幅工程は、ポリメラーゼ連鎖反応を行うことを包含する、
方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記標的核酸を、PNA−DNA相互作用を介して固体支持体上へ捕捉させる工程;
をさらに包含する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプローブの各々は、少なくとも8塩基を含む、
方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプローブは、PNAとは異なるヌクレオチドを含む、
方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプローブは、配列番号1〜配列番号5からなる群より選択される、
方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプローブは、検出可能マーカーで標識されている、
方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプローブは、分子標識プローブを含む、
方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記ハイブリダイゼーションを認識するために抗体を使用する工程;
をさらに包含する、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、
前記細胞保存溶液は、抗集塊剤と、該溶液を約4〜約7の範囲内のpHに維持する緩衝剤とをさらに含む、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−188019(P2008−188019A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84592(P2008−84592)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【分割の表示】特願2001−573046(P2001−573046)の分割
【原出願日】平成13年4月3日(2001.4.3)
【出願人】(502153961)サイティック コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】