説明

POS端末装置およびPOSシステム

【課題】顧客にとって興味のある情報および/またはそのアクセス先を顧客が清算後に容易に参照できるようにしたPOS端末装置あるいはPOSシステムを提供する。
【解決手段】顧客向け情報である見出しと、該見出しに対応する内容および/または該見出しに対応するアクセス先を取得する情報取得部と、前記見出しを少なくとも表示する顧客用表示部と、アクセス先の提供を求める顧客からの指示を受け付ける指示入力部と、所定の印刷媒体に印刷する印刷部と、各部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記顧客用表示部に前記見出しを少なくとも表示させ、顧客からの指示に応じた前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を前記印刷媒体に印刷するように前記印刷部を制御することを特徴とするPOS端末装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタル広告等の顧客向け情報を提供可能なPOS端末装置およびPOSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
POS端末の顧客側の側面を使用して顧客に広告を行うシステムが存在している。特に近年、POS端末装置の顧客側の側面に表示部を設け、顧客向け情報を提供するデジタル広告およびデジタルサイネージが普及している。また、それとは別に専用の広告およびデジタルサイネージ端末が存在している。
【0003】
この分野に関連するいくつかの従来技術について説明すると、まず、POS端末装置として、オペレータ側表示器と別にタッチパネル付きの顧客側表示器を備え、店頭にて顧客の要望する商品を顧客自身が表示を見ながら選択し購入することができるものが提案されている。即ち、コンビニエンスストアなどで扱われている商品のうち、顧客がオペレータに口頭注文する商品であって複数種類が存在する商品(例えば、おでん)が注文された場合、その複数種類の商品を検索し、検索結果の商品のメニューを顧客側表示器表示器とオペレータ側表示器に表示するものである。このとき、オペレータ側で行う売り上げ入力作業と並行して、顧客自らがタッチパネルを用いて商品を選択できる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、複数のPOS端末にそれぞれPOP表示装置が取り付けられ、あるPOS端末にオーダー情報が入力されると、そのPOS端末は入力されたオーダー情報を集中管理装置に送り、集中管理装置は受信したオーダー情報に応じたPOP画面の画像データをデータベースから読み出してオーダー情報を送信したPOS端末のPOP表示装置に転送するようにしたPOSシステムが提案されている。集中管理装置から画像データを受け取ったPOP表示装置は、その画像データをPOP画面として表示部に表示する。これによって、顧客のオーダーに関連したPOPがそのオーダー情報が入力されたPOS端末の表示装置に表示される(例えば、特許文献2参照)。換言すれば、顧客のリクエストに対応したPOP情報が表示される。
【0005】
さらに、ネットワークを介しPOS端末を使用してイメージ広告情報を顧客に提供するもの(例えば、特許文献3参照)や、POS端末を使用してイメージ広告情報を顧客に提供するシステムであって、表示期間中に対応する商品の売り上げがあった場合はそのカウントに基づいて広告報酬を得るシステム(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−338345号公報
【特許文献2】特開2004−13408号公報
【特許文献3】特開2006−171209号公報
【特許文献4】特開2006−146782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の技術は、顧客のリクエストに対応した情報であってもそのときに流すだけ、見せるだけの広告に留まり、顧客が清算を終えてその場から立ち去った後は、その広告を思い起こしあるいは活用する機会はない。また、その広告は顧客が能動的に情報の提供を求めたものでないため、広告を顧客が後日思い起こしあるいは活用する可能性が高いとはいえない。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、顧客にとって興味のある情報および/またはそのアクセス先を顧客が清算後に容易に参照できるようにしたPOS端末装置あるいはPOSシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、顧客向け情報である見出しと、該見出しに対応する内容および/または該見出しに対応するアクセス先を取得する情報取得部と、前記見出しを少なくとも表示する顧客用表示部と、前記見出しに対応する内容および/または該見出しに対応するアクセス先の提供を求める顧客からの指示を受け付ける指示入力部と、顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を所定の印刷媒体に印刷する印刷部と、各部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記顧客用表示部に前記見出しを少なくとも表示させ、前記指示入力部に顧客からの指示を受け付け、その指示に応じた前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を前記印刷媒体に印刷するように前記印刷部を制御することを特徴とするPOS端末装置を提供する。
換言すれば、この発明は、POS端末装置の顧客側の側面に設置された表示部を用いてデジタル広告およびデジタルサイネージ情報を提供するものであって、顧客の操作により提供すべき情報が変更でき、顧客側で見たいもの、知りたい情報が選択できるようにしたPOS端末装置およびそのPOS端末装置を含んでなるPOSシステムを提供する。ここで、顧客によって選択された情報あるいはその情報にアクセスするための情報が、その際の会計時に発行されるレシートや会員カードに転記される。
【発明の効果】
【0009】
この発明のPOS端末装置において、制御部は、前記顧客用表示部に前記見出しを少なくとも表示させ、前記指示入力部により顧客からの指示を受け付け、その指示に応じた前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を前記印刷媒体に印刷するように前記印刷部を制御するので、顧客はレジの待ち時間に興味のある情報を指定して、指定に係る情報を印刷媒体に印刷させ、印刷された情報を持ち帰ることができる。例えば、顧客の目にとまった広告表示に対応する情報がレシートに印刷され、そのレシートを持ち帰ってそこに印刷された情報を参照することができる。また、レシートに印刷された情報は顧客が能動的に提供を求めたものであるため、顧客の興味と無関係に提供される情報に比べて印刷情報を顧客が読み、活用する可能性が高いと考えられる。
【0010】
これまでも顧客の嗜好やリクエストによらない一方的な情報提供サービスあるいはレジ待ち時に限った情報提供サービスはあったが、レシート等の印刷媒体を用いて顧客がしたリクエストに応じた情報を提供する情報提供サービスはなかった。この発明によれば、レシート等顧客が持ち帰る印刷媒体への印刷等により購入物品、金額とリクエスト済み情報とをリンクした情報提供サービスが提供される。顧客が能動的に情報を得ようとする行動を促す仕組みと、文字情報やQRコードなどの後から見返すことが可能な形に残る情報を提供することにより、一方的なあるいはそのとき限りの情報提供サービスよりも広告効果を高めることができると考えられる。また、顧客の嗜好に応じた情報を的確に提供することにより、従来の情報提供サービスよりも高い効率、効果を得ることができると考えられる。
【0011】
この発明において、情報取得部は、顧客向け情報である見出し、その見出しに対応する内容および/またはその見出しに対応するアクセス先(以下、顧客向け情報等)を取得するものである。その具体的な態様は、例えば、顧客向け情報等が格納された記憶装置からその記憶装置に格納されたデータを読み出すものである。あるいは、顧客向け情報等が外部に存在する場合、外部に格納された顧客向け情報等を通信により取得するものである。後述する実施形態において、顧客向け情報記憶部のハードウェアとそれに記憶されたデータを読み出す端末制御部の処理によって情報取得部の機能が実現される。あるいは、顧客向け情報記憶部をPOS端末が持たない場合は、外部のサーバーの顧客向け情報記憶部に記憶されたデータを通信により取得する端末制御部の処理と通信部とが情報取得部の機能に相当する。
【0012】
また、顧客用表示部は、レジ待ちの顧客に対して顧客向け情報としての見出しを少なくとも表示するためのものであって、具体的なハードウェアとしては、例えば、液晶表示装置などが適用可能である。顧客用表示部に表示される見出しは、それを見る顧客が印刷の要否を判断し得る程度に情報の内容を示すものである。好ましくは、顧客に興味を持たせる内容であって、例えば、割引情報、クーポン券などの特典があることを示すものであってもよい。後述する実施形態においては、カスタマーディスプレイが顧客用表示部に相当する。
【0013】
指示入力部は、顧客が顧客用表示部に表示された見出しに基づき提供を求める顧客向け情報等を指定するためのものであり、具体的なハードウェアとしては、例えば、表示画面に顧客が触れたことおよび触れた位置を検出するタッチパネルが適用可能である。後述する実施形態においては、カスタマーモニターのタッチパネルが指示入力部に相当する。
【0014】
また、印刷部は、顧客が指示入力部を用いて選択した顧客向け情報等を印刷するものである。印刷媒体の一例は、レシートである。あるいは、その店舗の会員カードやポイントカードなどのカードであって、情報が印刷可能なものである。印刷部の具体的なハードウェアは、レシートやカードに印刷するためのプリンタである。好ましくは、カードへの印刷は消去および再書き込み可能なものである。レシートやカードに印刷される顧客向け情報等の一例は、チケット情報、広告情報であり、割引特典やクーポンなどが付加されていてもよい。また、アクセス先の一例は、広告の詳細な情報が存するウエブサイトのURLやそのURLをQRコード化したものである。後述する実施形態においては、レシート印刷部およびカード・リーダー/ライターが印刷部に相当する。
【0015】
さらにまた、制御部は、前述した各部の動作および/または処理を制御するものである。その具体的なハードウェアとしては、例えば、CPUやマイクロコンピュータ(以下、まとめてCPUとする)である。前記CPUに付随するハードウェアとしては、前記CPUが実行する制御プログラムを格納するROM、前記CPUが処理を実行する際にワークエリアを提供するRAMや信号の入出力を行う回路がある。後述する実施形態においては、端末制御部が制御部に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明のPOS端末装置およびこの発明に係るホストとしてのサーバーの電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明のPOS端末装置における顧客用表示部の表示例および印刷媒体としてのレシートに印刷される印刷の例を示す説明図である。
【図3】この発明に係るPOS端末装置の制御部が実行する処理の手順を示す第1のフローチャートである。
【図4】この発明に係るPOS端末装置の制御部が実行する処理の手順を示す第2のフローチャートである。
【図5】この発明に係るPOS端末装置の制御部が実行する処理の手順を示す第3のフローチャートである。
【図6】この発明に係るホストとしてのサーバーが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の好ましい態様について説明する。
前記印刷部は、顧客に渡されるレシートを印刷媒体とし、そのレシートに前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を印刷するよう制御してもよい。このようにすれば、顧客がレジの待ちの間に興味があると指定した情報に係る印刷がレシート上になされるので、顧客はその情報が印刷されたレシートを持ち帰り、そのレシートに印刷された情報を参照することができる。
【0018】
また、前記印刷部は、顧客が所持する書き換え可能な表記部を有するカードを印刷媒体とし、そのカードに前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を印刷するよう制御してもよい。このようにすれば、顧客がレジの待ちの間に興味があると指定した情報に係る印刷が顧客の所持するカード上になされるので、顧客はその情報が印刷されたカードを持ち帰り、そのカードに印刷された情報を参照することができる。そのカードは、例えば、会員カードやポイントカードとして顧客が所持するものである。
【0019】
さらにまた、前記制御部は、機器で読み取り可能なコード情報の形態で前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を印刷するよう制御してもよい。このようにすれば、例えば、QRコードなど他の機器で読み取り可能なコード情報の形態で顧客向け情報等を印刷し顧客に提供することができる。
【0020】
ホストコンピュータへ出力する管理情報出力部をさらに備え、前記制御部は、前記指示入力部により顧客から指示を受け付けた前記顧客向け情報を前記管理情報出力部がホストコンピュータへ出力するように制御してもよい。このようにすれば店舗側は、前記管理情報出力部から出力された情報に基づいて、購入者が好む情報の種類を性別、年齢層などの項目別に分類した統計データ(セグメント情報)を得ることができる。セグメント情報に係るセグメントは、例えば、会員カードやポイントカードに予め登録されたデータから得られる。あるいは、清算時に店員が入力してもよい。セグメントとしては、性別、年齢層等が用いられる。
即ち、店舗側は、どのようなセグメントの顧客が、どのような情報に対してリクエストを行ったかといったデータを集計して顧客情報を得、店舗や情報提供サービスの運営に活用することができる。あるいは、顧客情報の集計結果を情報提供者にフィードバックすることができる。後述する実施形態において、管理情報出力部は、顧客が提供を求めた顧客向け情報をPOS端末からホストとしてのサーバーへ通信する通信部61およびその顧客向け情報をサーバーへ送信する前記CPUの処理によって実現される。
【0021】
また、前記指示入力部は、前記顧客用表示部の表示面に顧客が触れた位置を検出し、前記制御部は、顧客が触れた前記位置およびその位置に表示されていた見出しに基づいて顧客の指示を受け付けてもよい。このようにすれば、制御部は、顧客用表示部に顧客が触れたとき触れた位置に表示されていた内容に基づいて提供が求められた情報を決定することができる。
【0022】
前記指示入力部は、前記顧客用表示部の表示面に顧客が触れたことを検出し、前記制御部は、顧客向け情報を時間と共に切り換えて表示し、前記指示入力部により顧客が触れたことを検出したときに表示されていた内容に基づいて顧客の指示を受け付けてもよい。このようにすれば、制御部は、顧客が顧客用表示部に触れたときに表示されていた内容に基づいて提供が求められた情報を決定することができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記見出しに対するアクセス先としてインターネットのURL情報を前記印刷部が印刷するように制御してもよい。
【0024】
前記制御部は、前記指示入力部を用いて顧客が選択した顧客向け情報に対応する内容を顧客用表示部に表示させ、表示された顧客向け情報を印刷すべき旨の指示を前記指示入力部に受け付けさせてもよい。
【0025】
ここで示した種々の好ましい態様は、それら複数を組み合わせることもできる。
【0026】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
≪POS端末装置およびPOSシステムの構成≫
図1は、この発明のPOS端末装置およびこの発明に係るホストとしてのサーバーの電気的な構成を示すブロック図である。図1に基づき、この発明のPOS端末装置およびPOSシステムの構成を説明する。
【0027】
図1で、この発明のPOSシステムは、大別してPOS端末11とサーバー101からなる。POS端末11は、この発明のPOS端末装置に相当する。サーバー101は、この発明に係るホストに相当する。POS端末11とサーバー101とは、通信により情報のやり取りが可能である。図1は、簡単のため1台のPOS端末11について内部構成を示しているが、通常は店舗内に複数のPOS端末が配置され、それぞれのPOS端末がサーバー101と通信接続される。
【0028】
まず、POS端末11の構成を説明する。POS端末11は、POS端末本体13、カスタマーモニター15、バーコード・スキャナー部17およびドロアー19を含んでなる。
それらのうち、カスタマーモニター15は、この発明の顧客用表示部に相当し、レジ待ちの顧客に対してカスタマーディスプレイ65の表示画面に情報を表示する。顧客が表示画面に触れると、タッチパネル69がその位置を検出し、POS端末本体13内の端末制御部に検出信号を送る。バーコード・スキャナー部17は、商品の包装に印刷あるいは貼付されたバーコードを読み取り、読み取った信号をPOS端末本体13の端末制御部37に送る。ドロアー19は、現金を収容するための引き出しであり、開閉制御部により動作が制御されるソレノイドにより施錠および開錠される。開閉制御部は、POS端末本体13の端末制御部37と情報をやり取りして前記ソレノイドの動作を制御する。
【0029】
また、POS端末本体13は、メイン表示部21、タッチパネル23、キーボード25、カード・リーダー/ライター27、レシート印刷部29、表示駆動部31、入力駆動部33、表示インターフェイス部35、端末制御部37、プログラム記憶部45、情報記憶部47、顧客向け情報記憶部57、リクエスト済み情報格納部59および通信部61を備えてなる。
【0030】
そのうち、メイン表示部21は、オペレータ用の表示部である。表示駆動部31は、メイン表示部の駆動回路である。タッチパネル23は、メイン表示部21の表示画面にオペレータが触れた位置を検出する。タッチパネル23と別に、オペレータ用の入力部としてキーボード25が設けられている。入力駆動部33は、タッチパネル23およびキーボード25を駆動する回路である。カード・リーダー/ライター27は、顧客に会員カードあるいはポイントカードとして配布されているリライタブルカード201に対して読み書きを行う。リライタブルカード201は、電磁的な情報の読み出し/書き込みが可能であり、さらに、カードの表面に設けられた書き換え可能な印刷領域が設けられている。カード・リーダー/ライター27は、その印刷領域に印刷された文字および/またはコード情報の消去および印刷を行う。レシート印刷部29は、顧客に手渡すレシートに印刷を行う。
【0031】
表示インターフェイス部35は、カスタマーモニター15との間で信号をやり取りするインターフェイス回路である。また、通信部61は、サーバー101との間で通信を行うためのインターフェイス回路である。
端末制御部37は、POS端末本体13の各部の動作を制御するCPUである。前記CPUは、ROMであるプログラム記憶部45に格納された制御プログラムに従って処理を実行する。CPUが行う処理のうち、商品の売り上げおよび清算に関する処理を行う機能が清算処理部43である。また、レシートに印刷する文字を生成する機能がレシート生成部39であり、レシートに印刷するコード情報を生成する機能が二次元コード生成部41である。
【0032】
顧客向け情報記憶部57は書き換え可能な不揮発性の記憶媒体、例えばフラッシュメモリからなり、サーバー101から通信部61を介して受信した顧客向け情報等のデータを記憶する。図1の例では、「顧客向け情報1」〜「顧客向け情報5」の5つの顧客向け情報等が顧客向け情報記憶部57に記憶されている。これらの情報は、例えば、サーバー101から予め受信してもよい。図1の構成例では、サーバー101は、POS端末11の顧客向け情報記憶部57に格納された顧客向け情報等と異なる顧客向け情報等を顧客向け情報記憶部115に格納している。即ち、POS端末11には、「顧客向け情報1」〜「顧客向け情報5」が格納され、サーバー101の顧客向け情報記憶部115には「顧客向け情報6」〜が格納されている。「顧客向け情報4」を例に、顧客向け情報記憶部57に格納される情報の詳細な構成を説明する。顧客向け情報記憶部57に格納される情報のうち「顧客向け情報1」は、カスタマーディスプレイ65のうち後述するアクティブエリア65aに表示すべき動画および/または静止画のデータである。「文字列4」は、カスタマーディスプレイ65のうち後述する選択ボタンに表示すべき見出し、および、レシート203もしくはリライタブルカード201に文字またはコード情報として印刷すべき文字列が格納される。「URL4」は、顧客向け情報に対応する詳細な情報が閲覧できるウェブページのURLが格納される。「URL4」は、「文字列4」と同様、レシート203もしくはリライタブルカード201に文字またはコード情報として印刷される。
【0033】
情報記憶部47およびリクエスト済み情報格納部59はRAMからなる。情報記憶部47には、所定のデータを格納する領域が確保されている。即ち、顧客が購入した商品に係るデータを保持する購入商品保持部49、カスタマーディスプレイ65に表示しおよび/またはレシートに印刷すべき「おしらせ」のデータを保持するおしらせデータ保持部51、顧客情報を保持する顧客情報保持部53、清算処理を行うレジに関する情報を記憶するレジ情報記憶部55として専用の格納領域が確保されている。リクエスト済み情報格納部59は、顧客がカスタマーディスプレイ65に表示された見出しのうち興味があるとしてレシート等への印刷を求めた顧客向け情報に対応した顧客向け情報等を保持する。図1の例では、顧客向け情報4と顧客向け情報7とが顧客により選択されているので、それらの見出し、前記見出しに対応する内容(実施形態では文字列データであるが画像データあるいは文字列と画像の組み合せからなるデータであってもよい)、前記見出しに対応するウェブページのURLが格納されている。
【0034】
また、カスタマーモニター15は、表示インターフェイス部63、カスタマーディスプレイ65、表示駆動部67、タッチパネル69および入力駆動部71を含んでなる。表示インターフェイス部63は、POS端末本体13との間で信号をやり取りするインターフェイス回路である。カスタマーディスプレイ65は、レジ待ちの顧客に対して会計情報や顧客向け情報を表示する。
【0035】
続いて、サーバー101の構成を説明する。サーバー101は、通信部103、商品情報格納部105、サーバー制御部107、情報集計部109、集計情報記憶部111、顧客情報記憶部113および顧客向け情報記憶部115を含んでなる。
それらのうち、通信部103は、POS端末11との間で通信を行うためのインターフェイス回路である。商品情報格納部105は、例えばハードディスク装置からなり、清算対象の商品、即ち、店舗で販売されるすべての商品に係るバーコードの種類、商品名、価格などのデータをデータベースとして格納する。情報集計部109は、売り上げた商品や顧客が提供を求めた情報の種類を、顧客の性別や年齢層などの項目に分類して集計する処理を行う。情報集計部109の機能は、CPUが図示しない記憶部に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。前記CPUは、後述するサーバー制御部107と同一のものであってよい。集計情報記憶部111は、情報集計部109により性別や年齢層別に集計されたデータを記憶する書き換え可能な記憶部であり、例えば、前述の商品情報格納部と同一のハードディスクを用いて構成されてもよい。顧客情報記憶部113は、清算を行った顧客の顧客情報、例えば、性別や年齢層の履歴を記憶する。顧客向け情報記憶部115は、POS端末がダウンロードすべき顧客向け情報等を顧客向け情報記憶部115に格納し、例えば、前述の商品情報格納部と同一のハードディスクを用いて構成されてもよいし、専用のリムーバブルディスクで構成されてもよい。
【0036】
≪顧客による情報選択および選択された情報の提供の態様≫
次に、カスタマーディスプレイ65に表示される表示画面の一例と、その表示画面を用いて顧客が選択した情報がレシート203に印刷され、あるいは、リライタブルカード201に印刷される様子について説明する。図2は、この発明のPOS端末装置における顧客用表示部の表示例および印刷媒体としてのレシートに印刷される印刷の例を示す説明図である。図2で、(a)はカスタマーディスプレイ65に表示される表示画面の一例である。(b)は、その表示画面を用いて顧客が選択した情報がレシート203に印刷されたものの一例である。(c)は、その表示画面を用いて顧客が選択した情報がリライタブルカード201に印刷されたものの一例である。
【0037】
図2(a)の表示画面は、いくつかの表示領域に分割され、各表示領域には異なる内容が表示される。図2(a)で、各表示領域には異なるアルファベットを符号の末尾に付している。
【0038】
表示画面の左上隅にある表示領域は、広告等の顧客向け情報に対応する内容が動画あるいは静止画として表示される領域(アクティブエリア65a)である。アクティブエリア65aの右側の表示領域65bには、顧客向け情報選択用の選択ボタンが表示されている。各選択ボタンには、選択可能な顧客向け情報としての見出しが表示される。左側の列に配置された5個の選択ボタンは、上から下への順に顧客向け情報1〜5に対応し、これらの顧客向け情報等は顧客向け情報記憶部57に格納されている。例えば、左列の上から4番目の選択ボタンは、「$シネマ上映情報」というものであるが、これは、顧客向け情報記憶部57に格納された顧客向け情報4に対応する。また、右側の列に配置された5個のボタンは、上から下への順に顧客向け情報6〜10に対応し、これらの顧客向け情報等はサーバー101の顧客向け情報記憶部115に格納されている。例えば、右列の上から2番目の選択ボタンは、「%食品アンケート 抽選で・が当たる!」というものであるが、これは、顧客向け情報記憶部115に格納された顧客向け情報7に対応する。
【0039】
ここで、POS端末11の顧客向け情報記憶部57には、どのような顧客に対しても選択肢となるべき顧客向け情報等が格納されている。しかし、表示可能な選択ボタンの数には限りがあるため、端末制御部37は、顧客情報保持部53のデータをサーバー101へ送信し、その顧客情報に応じた情報であって、顧客向け情報記憶部115に格納された顧客向け情報等をサーバー制御部107に検索させ、検索された顧客向け情報等をサーバー101から取得する。
【0040】
勿論、すべての選択ボタンに対応する顧客向け情報等を顧客向け情報記憶部57から取得し、あるいは顧客向け情報記憶部115から取得するようにしてもよい。
顧客が表示領域65bのいずれかの選択ボタンに触れると、そのボタンに対応する顧客向け情報等が選択される。顧客によって選択された顧客向け情報等の見出しが、アクティブエリア65aの下方にある表示領域65cに表示される。表示領域65cは、選択された顧客向け情報(リクエスト済み情報)の表示領域である。
【0041】
また、選択された顧客向け情報に対応する内容が前述のアクティブエリア65aに表示される。図2(a)の例では、「$シネマ上映情報」と「$%食品アンケート 抽選で・が当たる!」の2つが顧客により選択されている。選択された顧客向け情報に対応する内容が順次、アクティブエリア65aに表示され、それらの表示が繰り返される。
さらに、表示画面の右下隅には、情報リクエストボタン65eが表示される。「選んだ情報をレシートに印刷」と表示されたボタンである。顧客が、アクティブエリア65aの表示を確認し、この情報を後から参照したいと思った場合、情報リクエストボタン65eに触れるとよい。そうすると、表示領域65cに表示されているリクエスト済み情報の文字列および/またはURLが、レシート203に印刷され、あるいは、リライタブルカード201に印刷される。情報リクエストボタン65eの左側の表示領域65dには、清算に係る会計情報が表示される(会計情報表示領域)。
【0042】
図2(b)は、レシート203の一例である。レシートの最初の部分は、店舗情報および顧客が購入した商品に係る会計情報が印刷されている。それに続く、鎖線の円で囲まれた部分203aが、顧客が情報リクエストボタン65eを用いて提供を求めた情報に係る文字列および/またはURLが印刷される領域である。レシートに印刷されるのは、顧客が選択した広告/情報の一部であったり、二次元コード化されたテキスト情報やURL情報であったりする。URL情報の場合は、顧客がそのURLにアクセスすることより詳細な情報が入手できる。
印刷された顧客向け情報等の一例を挙げる。例えば、シネマ上映情報のテキストデータが二次元コード化されており、読み込むとテキスト情報を表示できるものである。異なる例としては、ウェブページにアクセスするためのURLが二次元コード化されており、食品のアンケート回答ページにアクセスできる。
【0043】
ここで、二次元コードの情報の例としては、顧客向け情報等に係るテキスト情報、CSV形式のデータあるいはインターネット上のウエブサイトを示すURLが埋め込まれたハイパーリンク情報が挙げられる。
【0044】
図2(c)は、リライタブルカード201の一例である。鎖線の円で囲まれた部分201aが、顧客が情報リクエストボタン65eを用いて提供を求めたリクエスト済み情報が印刷される領域である。図2(c)は、顧客はシネマ上映情報をリクエストした場合の例である。シネマ上映情報としてリライタブルカード201に印刷される情報は、レシート203への印刷と同様である。なお、リライタブルカード201はレシート203と異なり、顧客向け情報等を印刷する領域の大きさが決まっている。この場合は、図2(a)の情報リクエストボタン65eを用いて顧客が選択を行う際に、選択できる情報の数を制限すればよい。
【0045】
≪端末制御部が実行する処理≫
次に、POS端末11の端末制御部37が実行する処理の手順を説明する。図3〜図5は、この発明に係るPOS端末装置の制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。以下、フローチャートに沿って処理の手順を説明する。
【0046】
図3は、POS端末11の端末制御部37が、一人の顧客の清算処理を開始してから終了するまでの処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、端末制御部37は、清算処理を開始する前に、その顧客の所持する会員カード(リライタブルカード201)がカード・リーダー/ライター27にセットされたか否かを確認する(ステップS11)。会員カードが装着されている場合(ステップS11の判定がYes)、会員カードに予め記録された会員カードのID等の顧客情報を読み取って(ステップS13)、顧客情報保持部53に読み取った情報を格納する。その情報は、会員カードのID番号、顧客の性別および年齢層からなる。これらの情報は、会員カードを発行する際に顧客が申告した内容が記録されている。その後、ルーチンはステップS21へ進む。
一方、会員カードがカード・リーダー/ライター27にセットされていない場合、POS端末のオペレータがキーボード25を用いて顧客の性別、年齢層を入力する(ステップS17)。端末制御部37は、入力された性別、年齢層を顧客情報保持部53に格納する(ステップS19)。
【0047】
その後、ルーチンはステップS21へ進み、端末制御部37は、カスタマーディスプレイ65の表示領域65bに、顧客向け情報の一覧を選択ボタンの形態で表示させる(図2(a)参照)。この一覧は、POS端末11の顧客向け情報記憶部57に格納されている顧客向け情報等の見出しを表示する。さらに、POS端末11の顧客向け情報記憶部57に格納されている顧客向け情報等に加え、サーバー101の顧客向け情報記憶部115に記憶されている顧客向け情報等を取得し、見出しを一覧として表示する。どの顧客向け情報を表示するかは、サーバー制御部107が、サーバー101の集計情報記憶部111に記憶されている集計内容に基づいて決定する。このようにすれば、顧客情報に応じて、よりその顧客の嗜好に適合すると考えられる情報を一覧表示することが可能である。
なお、変形例として、顧客向け情報の一覧表示に代え、顧客向け情報等の表示を順次切り替えて行い、顧客が指示を行ったタイミングで表示されている顧客向け情報等を特定して選択するようにしてもよい。
【0048】
続いて、端末制御部37は、レジ待ちの顧客がカスタマーディスプレイ65の表示領域65bに一覧表示されたいずれかの選択ボタンに触れたか否かを判断する(ステップS23)。いずれの選択ボタンにも触れていない場合(ステップS23の判定がNo)、ルーチンはステップS35へ進む。一方、顧客がいずれかの選択ボタンに触れた場合(ステップS23の判定がYes)、端末制御部37は、その選択ボタンに対応する顧客向け情報等を顧客が選択したと判断して対応する顧客向け情報等の取得先を特定する(ステップS25)。その顧客向け情報等がPOS端末の顧客向け情報記憶部57に格納されている場合(ステップS25の判定がYes)、端末制御部37は、顧客向け情報記憶部57に格納された顧客向け情報等を読み出した後、ルーチンはステップS31へ進み、読み出した顧客向け情報に対応する内容をカスタマーディスプレイ65のアクティブエリア65aに表示させ(ステップS31)、選択された顧客向け情報等の見出しを、リクエスト済み情報の表示領域65cに表示させる(ステップS33)。
【0049】
顧客向け情報等の所在がサーバー101の顧客向け情報記憶部115である場合は、通信部61を介してサーバー101と通信し、サーバー101の顧客向け情報記憶部115に格納された顧客向け情報等を送信するように要求する(ステップS27)。サーバー101がその要求に応じて顧客向け情報等を送信したら、その顧客向け情報等を受信して(ステップS29)リクエスト済み情報格納部59に一時的に格納し、カスタマーディスプレイ65の表示領域65bに表示させる(ステップS31)。また、選択された顧客向け情報等の見出しを、リクエスト済み情報の表示領域65cに表示させる(ステップS33)。
その後、端末制御部37は、レジ待ちの顧客がカスタマーディスプレイ65の情報リクエストボタン65eに触れたか否かを判断する(ステップS35)。情報リクエストボタンに触れていない場合(ステップS35の判定がNo)、ルーチンはステップS39へ進む。一方、顧客が情報リクエストボタンに触れた場合(ステップS35の判定がYes)、端末制御部37は、リクエスト済み情報をリクエスト済み情報格納部59に格納する(ステップS37)。
【0050】
続いて端末制御部37は、商品の清算処理を行う。即ち、顧客が購入した商品のバーコードがバーコード・スキャナー部で読み取られたか否かを調べる(ステップS39)。読取がなかった場合(ステップS39の判定がNo)、ルーチンはステップS47へ進む。一方、商品のバーコードがバーコード・スキャナー部で読み取られた場合(ステップS39の判定がYes)、端末制御部37は、読み取られたバーコード情報をサーバー101に送信する(ステップS41)。そして、サーバー101からそのバーコードに対応する商品の商品名、価格等の情報を受信する(ステップS43)。これら、サーバーから受信する情報は、サーバー101の商品情報格納部105に格納されている情報である。端末制御部37は、サーバー101から受信した情報を購入商品保持部49に格納する。
【0051】
その後、端末制御部37は、すべての商品のバーコード読み取りが終了した旨の指示がオペレータからあったか否かを確認する(ステップS47)。この指示は、キーボード25を用いてPOS端末11のオペレータにより入力される。指示が未だされていない場合(ステップS47の判定がNo)、清算が完了していないので、次の商品のバーコードが読み取られるのを待つため、ルーチンは前述のステップS23へ戻る。
【0052】
一方、すべての商品のバーコード読み取りが終了した旨の指示がオペレータからあった場合(ステップS47の判定がYes)、端末制御部37は、商品の清算処理を行う。さらに、清算結果をレシートに印刷するため、印刷データを生成する処理を行う(ステップS49)。この処理の詳細は後述する。さらに、カード・リーダー/ライター27に会員カードが装着されている場合は、仕様年月日やポイント等のカード情報を更新すべく、カードに書き込み、印刷すべき情報を生成する。さらに、清算および顧客に係る情報をサーバー101に送信する(ステップS51)。サーバー101に送信する情報には、顧客がどの顧客向け情報等を選択したかについての情報が含まれる。
以上で、一人の顧客に対する清算処理が終了する。次の顧客の清算は、フローチャートの最初に戻る。
【0053】
≪レシート印刷処理の詳細≫
図3のステップS49のレシート印刷処理について説明する。図4は、レシート印刷処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図4に沿って処理の手順を説明する。
まず、端末制御部37は、所定の店舗名、連絡先、URL等の店舗情報を図示しない記憶部から読み取り(ステップS61)、レシート印刷部29がその店舗情報をレシートに印刷するように制御する(ステップS63)。続いて、おしらせデータ保持部51から「おしらせ」を読み取り(ステップS65)、レシート印刷部29がその「おしらせ」をレシートに印刷するように制御する(ステップS67)。店舗情報および「おしらせ」は、顧客のリクエストの有無によらず一律にレシートに印刷される。
【0054】
次に端末制御部37は、購入商品保持部49に格納された購入商品のデータを読み取り(ステップS69)、そのデータに基づいてレシート印刷部29が購入商品の商品名や価格をレシートに印刷するように制御する(ステップS71)。さらに、購入商品の合計金額を計算し(ステップS73)、レシートに印字し(ステップS75)、税金、支払方法、顧客からの預かり金額、お釣り、レジのID等の清算情報をレシートに印字するように制御する(ステップS77)。
【0055】
続いて、顧客がレシートへの印刷を指示した顧客向け情報等、即ち、リクエスト済み情報の有無を調べる(ステップS79)。リクエスト済み情報がなければ(ステップS79の判定がNo)、ルーチンはステップS87へ進み、レシートをカットして印刷処理を終了する。一方、リクエスト済み情報がある場合(ステップS79の判定がYes)、端末制御部37は、リクエスト済み情報格納部59に格納されている文字列、URLを読み取る(ステップS81)。URLなど所定の情報は、二次元のコード情報であるQRコードに変換する(ステップS83)。そして、文字列およびQRコードをレシートに印刷するようにレシート印刷部29を制御する(ステップS85)。
リクエスト済み情報の印刷を終えたら、レシートをカットし(ステップS87)、処理を終了する。
【0056】
上記の説明は、図2(b)のレシートの印刷例に対応している。なお、店舗情報を最後に印刷するようにしてもよい。この場合、次のレシートの店舗情報を、前倒しで印刷しておくことになる。このように、店舗情報を最後に印刷する場合は、その印字箇所はカッターの手前になる。レシートのカット位置が印刷位置からかなり離れている場合は、次のレシートの店舗情報を、前倒しで印刷しておくことで、無駄な余白をなくして用紙を節約することができる。
【0057】
≪サーバーへの顧客情報の送信処理≫
さらに、図3のステップS51の顧客情報送信処理について説明する。図5は、顧客情報送信処理の内容を示すフローチャートである。図5に沿って、端末制御部37の処理を説明する。
まず、端末制御部37は、リクエスト済み情報の有無を調べる(ステップS91)。リクエスト済み情報がなければ、処理を終了する(ステップS91の判定がNo)。一方、リクエスト済み情報がある場合は、リクエスト済み情報格納部59に格納されているデータに基づいてどの顧客向け情報等が顧客に選択されたかを調べる(ステップS92)。そして、調べた結果をサーバー101に送信するが、送信に先立ち、付与すべき顧客情報を取得する。
そのために、端末制御部37は、顧客情報保持部53に顧客の会員カードであるリライタブルカード201に記録されたID番号が格納されているか否かを調べる(ステップS93)。
【0058】
ID番号が格納されていれば(ステップS93の判定がYes)、その顧客が会員カードを提示していることを示している。会員カードには顧客情報として、ID番号の他に顧客の性別、年齢情報が記録されており、その顧客情報はカード・リーダー/ライター27によって読み出され、顧客情報保持部53に格納されている。端末制御部37は、顧客情報保持部53に格納された顧客情報を前記ステップS92で調べた結果に付加してサーバー101に送信する(ステップS94、S97)。
一方、顧客情報保持部53にID番号が格納されていなければ(ステップS93の判定がNo)、その顧客は会員カードを提示していないことを示している。この場合、POS端末11のオペレータが清算時に顧客の性別と年齢層をキーボード25を用いて入力することになっている。入力された性別と年齢層のデータは顧客情報保持部53に格納されるので、端末制御部37は、顧客情報保持部53に格納された性別と年齢層のデータを前記ステップS92で調べた結果に付加してサーバー101に送信する(ステップS95、S97)。
【0059】
≪サーバー制御部が実行する処理≫
ここでは、サーバー101がPOS端末11との関係で行う処理について説明する。図6は、サーバー制御部107が実行する処理を示すフローチャートである。図6に沿ってサーバー制御部107の処理を説明する。
POS端末11との関係でサーバー制御部107が行う処理は、顧客向け情報等の送信、商品情報の送信および情報の集計に大別される。まず、サーバー制御部107は、POS端末11から顧客向け情報等の要求があったか否かを調べる(ステップS101)。要求がなければ(ステップS101の判定がNo)、ルーチンはステップS109へ進み、商品情報に係る処理を行う。一方、POS端末11から顧客向け情報等の要求があった場合(ステップS101の判定がYes)、その要求と共に送られてくる顧客情報、即ち、顧客の性別、年齢層に応じて、顧客向け情報記憶部115に格納された顧客向け情報等のうちいずれを提供すべきかを決定する。そして、決定した顧客向け情報等のデータをPOS端末11に送信する(ステップS103)。また、その顧客向け情報等を送信する(ステップS105、S107)。
【0060】
次に、サーバー制御部107は、POS端末11から商品情報の要求があったか否かを判断する(ステップS109)。要求がなければ、ルーチンはステップS117へ進み、情報の集計処理を行う。一方、商品情報の要求があった場合は、POS端末11からバーコード情報を受信し(ステップS111)、受信したバーコード情報を用いて商品情報格納部105に格納された情報を検索する(ステップS113)。そして、そのバーコード情報に対応する商品名、価格をPOS端末11へ送信する(ステップS115)。
【0061】
続いて、サーバー制御部107は、情報の集計処理を行う。まず、POS端末11から顧客情報を受信したか否かを調べる(ステップS117、S119)。顧客情報として顧客のID番号を受信した場合(ステップS117の判定結果がYes)、そのID番号に関連付けて顧客情報記憶部113に記憶されている性別、年齢層の情報を読み出す(ステップS121)。顧客情報記憶部113には、会員カード作成時に登録された顧客の性別、年齢層の情報が一括して記憶されている。さらに、サーバー制御部107は、その顧客がどの顧客向け情報等を選択したかの情報をPOS端末11から受信する(ステップS123)。そして、選択された顧客向け情報、ID番号、性別、年齢層を情報集計部109に渡して集計情報記憶部111に記憶された集計データを更新させる(ステップS125、S127)。集計データとしては、性別の集計データや年齢層別の集計データがある。
【0062】
一方、前記ステップS117でID番号は受信していない場合(ステップS117の判定がNo)、サーバー制御部107は、顧客の性別や年齢層の情報を受信したか否かを調べる。顧客の性別や年齢層を受信した場合(ステップS119の判定がYes)、会員カードを提示しなかった顧客定員の性別や年齢層の情報を店員が入力したことを示している。この場合、ルーチンは前記ステップS123へ進み、受信した性別や年齢層の情報を用いて前記ステップS123、S125、S127の集計処理を行う。
【0063】
また、S119で顧客の性別、年齢層の情報を受信していない場合は(ステップS119の判定がNo)、情報の集計処理は行わない。
その後、ルーチンはステップS101に戻り、最初から処理を繰り返す。以上が、サーバー制御部107が実行する処理である。
【0064】
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味およびその範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0065】
11:POS端末
13:POS端末本体
15:カスタマーモニター
17:バーコード・スキャナー部
19:ドロアー
21:メイン表示部
23:タッチパネル
25:キーボード
27:カード・リーダー/ライター
29:レシート印刷部
31:表示駆動部
33:入力駆動部
35、63:表示インターフェイス部
37:端末制御部
39:レシート生成部
41:二次元コード生成部
43:清算処理部
45:プログラム記憶部
47:情報記憶部
49:購入商品保持部
51:おしらせデータ保持部
53:顧客情報保持部
55:レジ情報記憶部
57:顧客向け情報記憶部
59:リクエスト済み情報格納部
61、103:通信部
65:カスタマーディスプレイ
65a:アクティブエリア
65b、65c、65d:表示領域
65e:情報リクエストボタン
67:表示駆動部
69:タッチパネル
71:入力駆動部
101:サーバー
105:商品情報格納部
107:サーバー制御部
109:情報集計部
111:集計情報記憶部
113:顧客情報記憶部
115:顧客向け情報記憶部
201:リライタブルカード
203:レシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客向け情報である見出しと、該見出しに対応する内容および/または該見出しに対応するアクセス先を取得する情報取得部と、
前記見出しを少なくとも表示する顧客用表示部と、
前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先の提供を求める顧客からの指示を受け付ける指示入力部と、
顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を所定の印刷媒体に印刷する印刷部と、
各部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記顧客用表示部に前記見出しを少なくとも表示させ、前記指示入力部により顧客からの指示を受け付け、その指示に応じた前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を前記印刷媒体に印刷するように前記印刷部を制御することを特徴とするPOS端末装置。
【請求項2】
前記印刷部は、顧客に渡されるレシートを印刷媒体とし、そのレシートに前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を印刷するよう制御する請求項1に記載のPOS端末装置。
【請求項3】
前記印刷部は、顧客が所持する書き換え可能な表記部を有するカードを印刷媒体とし、そのカードに前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を印刷するよう制御する請求項1に記載のPOS端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、機器で読み取り可能なコード情報の形態で前記顧客向け情報の前記見出しに対応する内容および/または前記見出しに対応するアクセス先を印刷するよう制御する請求項1〜3のいずれか一つに記載のPOS端末装置。
【請求項5】
ホストコンピュータへ出力する管理情報出力部をさらに備え、
前記制御部は、前記指示入力部により顧客から指示を受け付けた前記顧客向け情報を前記管理情報出力部がホストコンピュータへ出力するように制御する請求項1〜4のいずれか一つに記載のPOS端末装置。
【請求項6】
前記指示入力部は、前記顧客用表示部の表示面に顧客が触れた位置を検出し、
前記制御部は、顧客が触れた前記位置およびその位置に表示されていた見出しに基づいて顧客の指示を受け付ける請求項1〜5のいずれか一つに記載のPOS端末装置。
【請求項7】
前記指示入力部は、前記顧客用表示部の表示面に顧客が触れたことを検出し、
前記制御部は、顧客向け情報を時間と共に切り換えて表示し、前記指示入力部により顧客が触れたことを検出したときに表示されていた内容に基づいて顧客の指示を受け付ける請求項1〜6のいずれか一つに記載のPOS端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記見出しに対するアクセス先としてインターネットのURL情報を前記印刷部が印刷するように制御する請求項1〜7のいずれか一つに記載のPOS端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記指示入力部を用いて顧客が選択した顧客向け情報に対応する内容を顧客用表示部に表示させ、表示された顧客向け情報を印刷すべき旨の指示を前記指示入力部に受け付けさせる請求項1〜8のいずれか一つに記載のPOS端末装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−108097(P2011−108097A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264079(P2009−264079)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】