説明

RFタグ及びそれを用いた情報開示方法及び展示情報開示システム

【課題】展示会や講演会等に来場、参加した個々の来場者や参加者に対してRFタグと主催者側のデータサーバやインターネット等のネットワークを介して、その会に関する詳細な資料を個々の来場者や参加者の要望に応じて提供できるようにした。
【解決手段】RFタグ10と、リーダライタ11と、来場者要望展示資料リスト13を作成し、各展示ブース毎の詳細な展示資料データ14を前記要望展示資料リスト13にリンクさせて作成する要望展示資料データ処理装置12と、要望展示資料リスト13と展示資料データ14とを収容するデータベース20と、ネットワークNを介して来場者の端末25に展示資料リスト13及び展示資料データ14を供給するデータサーバ21と、来場者の端末25と、該端末25にRFタグ10の収録データを読み出すRFタグリーダ26とを備え、該端末25の展示会HP画面に個々の来場者が要望した展示資料を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介した情報開示等に用いるRFタグ、特に開示対象にのみ開示が可能なようにした情報開示用RFタグ及びそれを用いた情報開示方法及び展示情報開示システムに関するものであって、各種の業界や団体等の主催する展示会や講演会等に来場、参加した来場者や参加者に対して、個々の来場者や参加者の要望に応じた展示会や講演会等に関する詳細な資料を、手渡されたRFタグと主催者のデータサーバの連携により、インターネット等のネットワークを介して提供するためのRFタグ及び情報開示方法及び展示情報開示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種業界や団体等の主催する展示会や講演会等においては、主催者(又は出展者)側が、その展示情報や講演情報をCDやDVD等の記録媒体に資料として収録し、その会場にて、その会に来場参加した観客や視聴者であるユーザに対して、主催者側から手渡しにて配布したり販売したりしていた。
【0003】
しかし、会場にて配布したり販売したりする資料には、ユーザにとって必要とする情報の他に必要でない情報もあり、そのために、資料が開封されずに無駄が生じる場合があった。
【0004】
そこで、展示会や講演会等に来場参加する観客や視聴者に対して、情報やその情報を収録した資料等の要、不要や、希望、要望等について、予めアンケートを採ったりすることにより、本当に必要とする資料のみを配布することは可能ではある。
【0005】
しかしながら、その会場において、ユーザの一人一人の趣味、嗜好に応じて、必要とする情報を配布したり、販売したりすることは到底無理であり、そのため事前に主催者側にて、万人向けに用意した情報をCDやDVD等の記録媒体にして渡すに過ぎなかった。また、例えばソフトウエアデベロップメント等の業界では、取引先や提携先の候補となる来場者やその組織に対してのみ開示したい情報もあり、それらの情報は、慎重に扱う必要があるため、後日に連絡を取り合って個別に送付する等の方法が採られているが、取り扱い件数が多くなると労力と費用が掛かり過ぎる場合がある。
【0006】
以下に、先行技術文献を記載する。
【特許文献1】特開2002−279268号公報
【特許文献2】特開2007−122466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためのものであり、ネットワークを介した情報開示に用いるRFタグにおいて、任意のパスワードとタグ識別コードの組み合わせ、及び予めRFタグ内に印刷された固定パスワードとの2重のパスワードにより高いセキュリティを確保することにあり、また本発明は、個々の来場者や参加者の要望に応じて提供できる展示会等における情報開示システムにおいて、各種の業界や団体等の主催する展示会や講演会等に来場、参加した個々の来場者や参加者に対して、発行されたRFタグと主催者(又は出展者)側のデータサーバの連携により、インターネット等のネットワークを介して、展示会や講演会等に関する詳細な資料をセキュリティを確保しつつ、個々の来場者や参加者
の要望に応じて提供できる展示情報開示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも固有のタグ識別コードが電子的に記録されてなり、且つ、前記タグ識別コードに対応する固定パスワードが目視可能なように記録のうえ不可視状態とされてなり、前記固定パスワードを可視状態とした際には、内蔵のICチップが動作不能となる構成としたことを特徴とするRFタグである。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るRFタグにおいて、さらに任意のパスワードを電子的に記録可能であることを特徴とするRFタグである。
【0010】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項2に係るRFタグにおいて、前記タグ識別コードと前記任意のパスワードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを記録可能であることを特徴とするRFタグである。
【0011】
本発明の請求項4に係る発明は、任意のパスワードを電子的に記録した上記請求項2又は3に係るRFタグを用いて、少なくとも該任意のパスワードを前記RFタグから読み出し、パスワード入力とのマッチングを確認することにより認証した後、更に前記タグ識別コードを前記RFタグから読み出し、それに一意対応する前記固定パスワードの入力とのマッチングを確認することで認証することを特徴とする情報開示方法である。
【0012】
本発明の請求項5に係る発明は、任意のパスワードを設定後、該任意のパスワードと前記タグ識別コードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを記録した上記請求項3に係るRFタグを用いて、該URLにより認証されるネットサイトへの前記任意のパスワードの入力とのマッチングを確認することにより認証した後、更に前記タグ識別コードを前記RFタグから読み出し、それに一意対応する前記固定パスワードの入力とのマッチングを確認することで認証することを特徴とする情報開示方法である。
【0013】
本発明の請求項6に係る発明は、
展示会で来場者に発行される上記請求項3に係るRFタグと、展示会場の展示資料の傍に設置されて、前記RFタグからタグ識別コードを読み出す複数のRFタグリーダと、データ処理部およびデータベース部を有するサーバと、前記RFタグからタグ識別コードを読み出すとともに、前記URLを該RFタグに書き込む機能、および文字入力手段を有するRFタグリーダライタと、前記来場者の利用するネットワーク端末と、該ネットワーク端末に付随するRFタグリーダまたはRFタグリーダライタとから少なくとも構成され、
a)前記来場者が、入手を要望する特定の展示資料の傍に設置されたRFタグリーダに前記RFタグをかざす工程、
b)前記RFタグリーダが、前記RFタグからタグ識別コードを読み出し、読み出したRFタグリーダを示す展示資料識別コードとともに前記サーバへ送信する工程、
c)前記サーバの前記データ処理部が、受信したタグ識別コードと展示資料識別コードをもとに、前記データベース部の展示資料データと対応させ、来場者の要望展示資料リストを作成する工程、
d)前記来場者が、展示会場を出場するまでのいずれかのうちに、前記RFタグリーダライタに付随する文字入力手段に前記任意のパスワードを入力し、前記RFタグをかざす工程、
e)前記RFタグリーダライタが、前記RFタグからタグ識別コードを読み出す工程、
f)前記RFタグリーダライタが、入力された任意のパスワードと、読み出されたタグ識別コードを前記サーバへ送信する工程、
g)前記サーバのデータ処理部が、受信した任意のパスワードと、タグ識別コードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを生成し、前記RFタグリーダライタへ送信する工
程、
h)前記RFタグリーダライタが、該URLを前記RFタグに書き込む工程、
i)前記来場者が会場を退場後、前記RFタグを、前記来場者の利用するネットワーク端末に付随するRFタグリーダまたはRFタグリーダライタにかざす工程、
j)該RFタグリーダまたはRFタグリーダライタが、前記RFタグから前記タグ識別コードと前記URLを読み出すとともに、該URLにアクセスする工程、
k)前記サーバのデータ処理部が、前記URLに含まれる文字列から前記任意のパスワードと前記タグ識別コードを導き出し、前記ネットワーク端末に、認証のため任意のパスワードの入力を求める画面を送信する工程、
l)前記ネットワーク端末が、任意のパスワードの入力画面を受信し表示する工程、
m)前記来場者が、前記画面に任意のパスワードを入力する工程、
n)前記ネットワーク端末が、該任意のパスワードを前記サーバに送信する工程、
o)前記サーバが、任意のパスワードを認証後、前記来場者の要望展示資料リスト、および前記固定パスワードの入力を求める画面を送信する工程、
p)前記ネットワーク端末が、前記来場者の要望展示資料リスト、および固定パスワードの入力画面を受信し表示する工程、
q)前記来場者が、前記RFタグにおいて不可視状態とされている固定パスワードを可視状態とし、前記画面に固定パスワードを入力する工程、
r)前記ネットワーク端末が、該固定パスワードを前記サーバに送信する工程、
s)前記サーバが、固定パスワードを認証後、データベース部に蓄積されている展示資料データを前記来場者のネットワーク端末に送信する工程、
t)前記ネットワーク端末が、前記展示資料データを受信し表示する工程、
を少なくとも経ることを特徴とする情報開示システムである。
【0014】
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項6に係る情報開示システムにおいて、前記工程k)が、前記RFタグリーダまたはRFタグリーダライタが読み出した前記タグ識別コードと、前記URLに含まれる文字列から導き出した前記タグ識別コードとが一致することを確認する工程をさらに含むことを特徴とする情報開示システムである。
【0015】
本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項6又は7に係る情報開示システムにおいて前記サーバのデータベース部は、その一部または全部が展示会の出展者等の外部サーバ内にあることを特徴とする情報開示システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の情報開示用RFタグ及び情報開示方法によれば、任意のパスワードとタグ識別コードの組み合わせによる認証だけでなく、RFタグ内に視認可能な状態に印刷された固定パスワードを併用して2重の認証を行うことができ、しかもその際、前記固定パスワードを入力するために視認可能にする際に、RFタグのICチップは読み出し不可となるため、より高いセキュリティを確保することができる。
【0017】
また、本発明の展示情報開示システムによれば、展示会や講演会等に来場、参加した人の例えば、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報を使用せずに、インターネット等のネットワークを介して展示会サイトや講演会サイトなどの情報サイト(データサーバ)にアクセスできるため、展示会や講演会等の展示情報や講演情報等が掲載されたウエブサイトの情報や、それにリンクした詳細情報や、限定的に開示したい情報を、その来場者や参加者の個々の要望や必要性に対応して、豊富に提供することができるものである。
【0018】
また、本発明の展示情報開示システムによれば、展示会や講演会等の来場者や参加者に配付される非接触式のICモジュールを搭載したRFタグ(RFID(Radio Fr
equency Identification)タグ、ICタグ)に予め記録されているタグ識別コード等と、来場者自身が任意に指定する展示資料請求用の任意パスワードPW1 と、該RFタグに付帯した展示資料請求用の固定パスワードPW2 とにより、セキュリティを確保しつつ、インターネット等のネットワークNを介して、展示会サイトや講演会サイト等の情報サイト(データサーバ)にアクセスすることができる。
【0019】
前記タグ識別コードは、個々の来場者や参加者の所有する端末(パソコン、携帯電話等)に搭載又は接続したタグ読み出し用のタグリーダにより読み出すことができるが、前記任意パスワードPW1 は来場者自身が設定するもので、RFタグに直接記録されるものではない。また、前記固定パスワードPW2 は、該RFタグに記載されていて、個々の来場者や参加者にだけ確認できるように適宜な隠蔽手段により隠蔽されて不可視状態となっている。そのため、たとえRFタグの情報が第三者によって読み出されたとしても、来場者自身が任意に設定した任意パスワードPW1 は暗証番号や暗証記号であるため解読されることはない。また個々の来場者や参加者が展示会を見終えた後の任意パスワード入力後に、RFタグの隠蔽手段を除去して隠蔽を解除することにより、固定パスワードPW2 を可視状態として確認することができるが、隠蔽の解除と同時に、そのRFタグは破壊されて、該タグに記録されている情報の読み出し、書き込みは不能となるためセキュリティの度合いが高くなる。また、データサーバに不正アクセスされた場合でも、任意パスワード、固定パスワード共に、直接保存されてはいないので、情報漏洩のリスクが低減されるものである。
【0020】
また、本発明システムによれば、展示ブースの出展者は、詳細な展示資料の情報を紙カタログや光ディスクで作成し準備する労務費、製造費等を削減でき、また、無駄に展示情報を公開するリスクを低減でき、展示資料を要望する来場者のみに、高度で詳細な情報を的確に提供できるため、来場者からのコンタクトを得てビジネスに繋がる事業展開の増加が期待できる。
【0021】
また来場者側からも、従来のような個人登録情報と一体化したバーコード読み取りによって、各展示ブースの出展者から他業者に不用意に来場者の個人情報が渡ることを防ぐことができ、来場者は、興味ある展示ブースにおける資料の要望を安心して行うことができる。
【0022】
このように本発明の展示情報開示システムは、各種の業界や団体等の主催する展示会や講演会等に来場、参加した個々の来場者や参加者に配付されたRFタグと、主催者側の展示資料を提供できるデータサーバとインターネット等のネットワークを介して、個々の来場者や参加者に対して、その展示会や講演会等に関する詳細な資料を、セキュリティを確保しつつ、個々の来場者や参加者の要望に応じて提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のRFタグについて、以下に詳細に説明する。一般的にRFタグ10は、情報を電子データとして記録し、専用の読取手段によって非接触式にて読み出しできるICチップとアンテナなどからなるRF通信モジュールを小片状の支持シートに搭載したICタグである。
【0024】
本発明のRFタグ10には、予め、タグ識別コード(固有の識別データ)が記録されていて、一方、固定パスワードPW2 (後述する)が、視認可能な状態に記載された上で、所定の隠蔽手段にて視認不能状態に隠蔽されている。RFタグ10に記載された前記固定パスワードPW2 は、その隠蔽手段を取り除いて隠蔽状態を解除することにより、可視状態とすることができるようになっている。また、RFタグ10は、隠蔽手段を剥離した際には、例えばRFタグのアンテナ又は/及び回路が隠蔽手段と同時に剥離して破壊され、
読み出し又は/及び書き込みができないようになっている。
【0025】
本発明のRFタグ10の具体的な一例を、コイル状にアンテナ線を設けた図1(a)〜(d)、及び他の例としてストレート状にアンテナ線を設けた図2(a)〜(d)に基づいて説明する。本発明のRFタグ10は、後述する情報開示方法及び展示情報開示システムにおいて使用することができ、このようなRFタグ10のうち、MHz帯を使用するものの一例を図1(a)〜(d)に示し、GHz帯を使用するものの一例を図2(a)〜(d)に示す。図2では、アンテナがICチップから両側に直線状に伸びた形状である他は、図1と同様である。
【0026】
RFタグ10は、図1(a)の平面図及び(b)の側断面図(又は図2(a)の平面図及び(b)の側断面図)に示すように、基材シート15(紙、プラスチックシート等)の片面に、不透明な隠蔽性シート16(例えば不透明な紙、不透明なプラスチックシート等)が易剥離可能に貼着されているものである。
【0027】
図1(a)に示すように、基材シート15と剥離性シート16との間には、ICチップ17が取り付けられ、該ICチップ17の端部には、コイル状にアンテナ線18(導電性薄膜層)が、その端子部18a、18aにて接合されている。また、図2(a)においては、ストレート状にアンテナ線18(導電性薄膜層)が、その端子部18a、18aにて接合されている。
【0028】
図1(a)、(b)(又は図2(a)、(b))に示すように、基材シート15の貼着内面側の一部領域には、パスワード記載領域、例えば、図示するように、凹陥状のパスワード記載領域15aが設けられ、その領域15a内には、隠蔽性シート16を剥離除去した際に視認できる状態に、固定パスワードPW2 が数字、記号などで印字、記載されている。
【0029】
接着剤により易剥離可能に貼着されている基材シート15と隠蔽性シート16との間にある前記ICチップ17は、剥離可能領域15a内において、基材シート15の貼着内面側に対しては、容易に剥離できる程度の接着剤による接着力にて接着して取り付けられ、若しくは非接着状態で取り付けられ、隠蔽性シート16の貼着内面に対しては、剥離困難な程度の接着剤の接着力にて接着して取り付けられている。
【0030】
一方、前記コイル状のアンテナ線18は、基材シート15の貼着内面に対して隠蔽性シート16の貼着内面よりも強い接着力にて接着しているか、あるいは隠蔽性シート16の貼着内面に対して易剥離可能に接着している。又は隠蔽性シート16の貼着内面に対して非接着状態となっている。
【0031】
あるいは該アンテナ線18は、基材シート15と隠蔽性シート16との互いの貼着内面に対して、該アンテナ線18に沿って交互に、規則的若しくは不規則的な間隔にて、接着状態、易剥離接着状態(又は非接着状態)を繰り返して形成されている。
【0032】
図1(c)(又は図2(c))の剥離状態の側断面図に示すように、上記RFタグ10の基材シート15から隠蔽性シート16を剥離した際には、RFタグ10のICチップ17は、隠蔽性シート16側に接着した状態で、基材シート15の前記パスワード記載領域15a内から離脱して剥離される。一方、アンテナ線18は、基材シート15側に全て接着した状態で、隠蔽性シート16側には離脱しないか、あるいはアンテナ線18が、基材シート15側と隠蔽性シート16側とに部分的に接着した状態で剥離される。
【0033】
そのために、RFタグ10は、基材シート15と隠蔽性シート16とを剥離することに
より、導通状態のアンテナ線18が、ICチップ17から、そのアンテナ線端子部18a近辺を含んで分断され、破壊されて使用不能になり、端末(パソコン)等のRFタグリーダによる読み出しが不可能となるものである。
【0034】
そして隠蔽性シート16を剥離した後には、図1(d)(又は図2(d))の平面図に示すように、基材シート15のパスワード記載領域15aには、固定パスワードPW2 (例えば、TRWD127)が可視状態となるものである。
【0035】
ところで、本発明のRFタグには、図3に示すように、電子的記録データが記録可能であり、電子的記録データとしては、各RFタグ10に搭載する各チップ固有の記号(固定データ)であるタグ識別コード10Aと、任意のパスワードPW1 が記録される。
【0036】
また、本発明のRFタグの電子的記録データとしては、図3に示すように、さらに任意のパスワードのかわりに、タグ識別コード及び任意のパスワードに対応する文字列を含む特殊なURLを記録可能である。ここで、「対応する文字列」とは、任意パスワードやタグ識別コードを直接組み込む以外に、一定の規則により可逆変換した文字列も含むものである。また、この特殊URLは、ロケーションファイル(MacOS)、インターネットショートカット(Windows(登録商標))等の形式があるが、これに限らず、Webブラウザの規定するロケーションターゲットを開くファイル、Webブラウザでロケーションを開く指示を与えるスクリプトファイル等の任意の手段を採り得る。
【0037】
本発明のRFタグの可視的隠蔽データとしては、図3に示すように、視覚的に隠蔽されたデータである固定パスワードがあり、可視化の際には、前記電子的記録データの内容は読み出し不可となるものである。
【0038】
また、図3に示すように、少なくとも前記任意パスワードをユーザー(来場者)が所持する前記RFタグから読み出し、それをユーザ(来場者等)のネットサイトへのパスワード入力とのマッチングを確認することで、第1の認証処理を行い、更に前記タグ識別コード10Aを前記RFタグから読み出し、それに一意対応する前記固定パスワードの入力とのマッチングを確認することで、第2の認証処理を行う。
【0039】
また、本発明の別の情報開示方法は、図3に示すように、前記任意のパスワードと前記タグ識別コードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを、前記RFタグから読み出し、該URLを開くことにより認証される、ネットサイトへのユーザ(来場者等)の前記任意のパスワード入力とのマッチングを確認することにより、第1の認証処理を行い、更に前記タグ識別コードを前記RFタグから読み出し、それに一意対応する前記固定パスワードの入力とのマッチングを確認することで、第2の認証処理を行う。
【0040】
なお、本発明の情報開示方法では、図3に示すように、ユーザー(来場者)が所持するRFタグに記録されているタグ識別コード10Aと特殊URLとを読み出し、該タグ識別コード10Aと、特殊URLに含まれるタグ識別コードに対応する文字列とのマッチングを行うことにより真正なRFタグであることを念のために確認するようにしてもよい。
【0041】
次に、本発明の情報開示方法及び展示情報開示システムを、本発明の方法及びシステムを説明する図4の平面図、及び図5の全体システムブロック図、図6の全体動作ブロック図を参照しながら、その実施の形態に沿って以下に詳細に説明する。
【0042】
図4は、本発明の情報開示方法及び展示情報開示システムを適用する各種業界や団体等の主催する展示会の会場の一例を示す平面図であり、会場には1乃至複数の展示ブースB(B1 、B2 、B3 、・・・Bn )が設置されていて、各展示ブースB1 、B2 、B3 、
・・・Bn には、RFタグ10に記録されている情報(タグ識別コード)を読み出すためのRFタグリーダ11(R1 、R2 、R3 、・・・Rn )が設置されている。また会場の入口又は/及び出口には、必要に応じて主催者(及び複数の出展者)共通のRFタグリーダライタ19(RW0 )及び来場者が任意のパスワードなどを入力可能な入力手段19aが設置されている。なお各展示ブースB1 、B2 、B3 、・・・Bn にも、前記RFタグリーダライタ11(R1 、R2 、R3 、・・・Rn )とは別に、又は付随する入力手段11aを設置するようにしてもよい。
【0043】
図5(a)は、本発明の情報開示方法及び展示情報開示システムを説明する全体システムブロック図であり、展示会の来場者には、展示会場の入口E等にてRFタグ10が手渡され、あるいは郵送等にて配付される。個々の来場者や参加者に配付するRFタグ10は、例えば、展示会入場券と引換えに配付されたり、入場券の半券(来場者の控え券)部分に取り付けられて配付される。RFタグに連設した隠蔽性シートの片面には展示資料請求用の固定パスワードPW2 が印刷等にて表示されていて、該隠蔽性シートの固定パスワードPW2 表示面には他の隠蔽性シート等の隠蔽手段が剥離可能に重ね合わせ貼着、被覆されて固定パスワードPW2 は隠蔽されている。隠蔽手段を隠蔽性シートから剥離することにより固定パスワードPW2 が顕現し確認できるものである。
【0044】
展示会場の各展示ブースB1 、B2 、B3 、・・・Bn には、前記RFタグ10からタグ識別コード(固有識別情報)の読み出しを行うRFタグリーダ11(R1 〜Rn )が設置されている。
【0045】
各展示ブース毎のRFタグリーダ11、展示会場の入口や出口に設置された主催者側のRFタグリーダライタ19は、展示会の主催者側のデータ処理部12に接続している。前記データ処理部12は、各展示ブースB(B1 、B2 、B3 、・・・Bn )毎に配置された各RFタグリーダ11によって、RFタグ10から読み出すタグ識別コードを、展示ブース識別情報等とともに、主催者側のデータベース20に記憶させる。
【0046】
また該データ処理部12は、展示会場入口や出口に設置された主催者側のRFタグリーダライタ19(及び来場者が任意のパスワードなどを入力可能な入力手段19a)によって、RFタグ10から読み出すタグ識別コード、書き込みをする来場者任意の任意パスワードPW1 、展示会の特殊URL(展示会URL)等のデータの処理を行い、その処理されたデータを主催者側のデータベース20に記憶させる。なお各展示ブース毎のRFタグリーダ11に主催者側のRFタグリーダライタ19の機能を持たせ、主催者側のRFタグリーダライタ19を省略するようにしてもよい。
【0047】
またデータ処理部12は、前記各展示ブースのRFタグリーダ11にてRFタグ10から読み出されるタグ識別コードと、展示ブース識別情報と、必要に応じて展示資料識別コードを集約処理して、前記タグ識別コード毎に展示ブース識別情報と、必要に応じて展示資料識別コードと、各展示ブース毎に予め用意された詳細な展示資料データ14又は展示資料識別コード14Aとをリンクさせて来場者毎の要望展示資料リスト13を作成する。
【0048】
またデータ処理部12は、展示会場の入口又は/及び出口に設置された主催者側のRFタグリーダライタ19(RW0 )にて、前記来場者のRFタグ10からタグ識別コードの読み出しを行い、該タグ識別コードと、来場者が任意に指定する英数字の任意パスワードPW1 とから一意に導き出される前記特殊URL(展示会URL)の書き込みを行う。なお、この前記特殊URL(展示会URL)は、RFタグ10のタグ識別コードと前記任意パスワードPW1 に対応して生成されたURLであり、来場者の任意パスワードPW1 の入力が必要となるので、他人がこのURLを知ってアクセスしても、要望展示資料リストを得られない。
【0049】
前記データ処理部12には、主催者側のデータベース20が接続されて、該データベース20には、前記RFタグ10のタグ識別コード、展示ブース識別情報、必要に応じて展示資料識別コード等のデータと、該データ処理部12により作成されたタグ識別コード毎の前記要望展示資料リスト13と、各展示ブース毎の詳細な前記展示資料データ14、又はその展示資料データ14の展示資料識別コード14Aと、タグ識別コードと、来場者が任意に指定する任意パスワードPW1 とに一意対応する、前記特殊URL等の情報が記憶保存される。図5(b)は、主催者側のデータベース20の記憶データ内容を示す図である。
【0050】
図6の全体動作ブロック図に示すように、主催者側のデータベース20は、展示会(あるいは講演会)などの情報サイトを形成する主催者側のデータサーバ21に接続していて、該データサーバ21は来場者の利用する端末25からの要求に応じて、前記任意パスワードPW1 と固定パスワードPW2 とを、主催者側のデータサーバ21のデータ処理部12にて真正な対応を認証して、データベース20に収容された展示資料リスト13、及びそれにリンクする展示資料データ14をインターネット等のネットワークNを介して直接来場者の利用する端末25に送信して、要望した展示ブースの展示資料を来場者の利用する端末25の画面に表示する。又は展示資料データ14の展示資料識別コード14Aを、資料供給許可信号に乗せてインターネット等のネットワークNを介して出展者側のサーバ31に送信した後、該サーバ31を介して来場者の利用する端末25に送信して、要望した展示ブースの展示資料を来場者の利用する端末25の画面に表示する。
【0051】
前記来場者の利用する端末25には、これに一体的に搭載又は接続した、RFタグ10の収録データを読み出すRFタグリーダ又は読み出し書き込むRFタグリーダライタ26を備えるものである。
【0052】
主催者側の前記データ処理部12による要望展示資料リスト13の作成や、各々出展者側が用意した各展示ブース毎の詳細な展示資料データ14、又はその展示資料データ14の展示資料識別コード14Aの要望展示資料リスト13へのリンク操作は、該データ処理部12に搭載するアプリケーションプログラム(ソフトウエア)などにより実現することができる。
【0053】
各出展者の各展示ブース毎の詳細な展示資料データ14を、予め前記データ処理部12に接続する主催者側のデータベース20に収容して使用する場合は、前記要望展示資料リスト13からのリンク動作に、展示資料データ14への直接リンクを使用することができる。また、各展示ブース毎の詳細な展示資料データ14を出展者側のサーバ31に接続する出展者側のデータベース30に収容して使用する場合は、予め、出展者側のデータベース30に収容した詳細な展示資料データ14に展示資料識別コード14Aを付与しておき、主催者側のデータ処理部12に接続する主催者側のデータベース20には、参照する出展者側のサーバ31に接続する出展者側のデータベース30内の展示資料データ14を参照する上記展示資料識別コード14Aを、資料供給許可信号とともに、各出展者のサーバ31への問い合わせを送信するためのHTTPコマンドの形式で収容しておく。図5(c)は、出展者側のデータベース30の記憶データ内容を示す図である。
【0054】
さらに、本発明の展示情報開示システムにおいては、前記データ処理部12により受信し取得された集約処理用データのうち、各来場者の資料請求件数(資料請求の要望のあった展示資料識別コード14Aの件数)と各展示ブース識別情報とを用いて統計処理することにより、展示ブースB毎の来場者数や来場者の要望資料請求件数、あるいは来場者のパソコン等の端末25から資料請求をしてきた展示ブースB毎の来場者の要望資料請求件数を算出して、その来場者数や要望資料請求件数の多い順に、各展示ブースB(B1 、B2
、B3 、・・・Bn )の人気度合いを順位付けするようにしてもよい。
【0055】
本発明の展示情報開示システムにおいては、主催者により、図4に示すような展示会場(1乃至複数の展示ブースB1 、B2 、B3 、・・・Bn )にて展示会が開催される。そして展示会場では、まず、主催者側からそれぞれ来場者に対して、タグ識別コードが記録されたRFタグ10が、会場の入口にて直接、手渡しなど又は予め配送などにより配付されるものである。
【0056】
来場者に配付されたRFタグ10には、会場入口又は出口のRFタグリーダライタ19(RW0 )により展示会の特殊URLが記録される。この特殊URLは、来場者がRFタグ10を会場入口又は出口のRFタグリーダライタ19(RW0 )、又は各展示ブースのRFタグリーダ11(R1 〜Rn がリーダライタの場合)のいずれかにかざし、そのリーダライタにより、該RFタグ10の固有のタグ識別コードを読み出すとともに、付帯する入力手段(例えばキーボード・キーパット等)にて、来場者自身が希望する任意の展示資料請求用任意パスワードPW1を指定入力することにより、データ処理部12にて読み出されたタグ識別コードと、その識別コードに対して設定された任意パスワードPW1 から一意対応する特殊URLを導き出し、主催者側のデータサーバ21に登録され、同時に来場者のRFタグ10に送信されて記録される。
【0057】
なお、本発明における任意パスワードPW1 及び固定パスワードPW2 に関しては、主催者側のデータベース20に直接保存される必要がないものである。即ち、前記特殊URL(展示会URL)が任意パスワードから導出されるものであれば、特殊URLから認証の都度、任意パスワードを導けるため、任意パスワードPW1 はデータベース20に保管する必要がない。任意パスワードから変換して特殊URLに埋め込む変換文字列の生成方法は、通常では解読困難な程度の変換テーブルを用いてもよいし、その他、種々の暗号方式を用いてもよい。また固定パスワードPW2 も同様に各種変換方式を利用できる。あるいは、ここでは、例えば、ハッシュ値を固定パスワードPW2 として、予め生成して規定することにより、認証機能を確保しつつ入力する文字(固定パスワード)の桁数を少なくすることができる。このような各種の変換方式の選択は任意であり、変換方式は、変換スキーマとしてデータ処理部12内のアプリケーションプログラムに任意に採用して実行することができる。
【0058】
これらの仕組みにより、以下のようなセキュリティ上の利点が得られる。
(1)特殊URLを他人が知っても、来場者が決めた任意パスワードPW1 が無ければ要望展示資料リスト13を得ることができない。
(2)要望展示資料リスト13の画面は、主催者側のデータサーバ20、データベース21(ホストコンピュータ)への問い合わせへの応答であり、動的URLとすることができるので、この要望展示資料リスト13の画面で表示されるURLをコピーしても、他人が再度同じ結果を得ることができない。
(3)たとえ、RFタグ10を紛失した場合でも、誰か他人が、そのタグからアクセスしようとしても、任意パスワードPW1 がわからないのでアクセスできず、要望展示資料リスト13の画面に到達しない。そのため固定パスワードPW2 を入力することができないため、詳細データにもアクセス不能となる。
【0059】
次に、本発明の展示情報開示システムの一例を、図7〜図9に示すフローチャート図に基づいて以下に説明する。
【0060】
なお、ここでは、本願請求項5に係る発明の情報開示方法の具体例として、請求項6に係る発明の情報開示システムを以下に説明するものであるが、本発明においては、これに限らず、本願請求項4に係る発明の情報開示方法等の実施形態についても採用し得るもの
である。
【0061】
即ち、本願請求項4に係る情報開示方法のように、本願請求項6に係る発明の工程g)〜工程h)において、サーバのデータ処理部12が、任意のパスワードをそのままRFリーダライタへ送信し、RFタグに書き込み、同工程i)〜m)において、来場者は、その来場者が利用するネットワーク端末(自宅のパソコン等)を用いて、まず展示会等のサイトにアクセスし、前記任意のパスワードを求められた時点で、RFタグをRFタグリーダライタに、かざすこととしてもよい。但し、この場合には、来場者の任意のパスワードが直接サーバに保存されるので、セキュリティの保護強度はやや低下するものの、サーバのアプリケーション実装が簡略化できるメリットがある。
【0062】
<ステップS1a>・・・工程a)
来場者は予め受け取っているRFタグ10(非接触式)を持参して展示会場内に入り、各展示ブースB1 、B2 、B3 、・・・Bn の展示を見学しながら、その見学中に特定の展示ブースBk の展示資料の入手を要望するために、その展示ブースBk に設置された非接触式のRFタグリーダ11(RK )のタグ読み出し部にRFタグ10をかざすか、又はタグ読み出し装填部に前記RFタグ10を載置する。
【0063】
<ステップS2a>・・・工程b)
前記展示ブースBk のRFタグリーダ11(RK )とRFタグ10とが信号接続して、そのRFタグリーダ11は、該RFタグ10に記録されているタグ識別コード読み出し、必要に応じて、来場者がそのRFタグリーダ11に付帯する入力手段11aにより展示ブースBk における展示資料識別コード14A(資料カテゴリ)等の固有識別情報を指定入力(選択肢入力)することにより、その来場者がその展示ブースBk の展示内容に関する資料(展示ブースBk に対応する展示資料データ14と、その中の資料カテゴリ)を要望していることを受け付ける。
【0064】
なお、その際に、RFタグリーダライタ11に付帯する入力手段11aのディスプレイ画面上には、必要に応じて、その展示ブースBk の展示内容に関する資料のうち、いずれの資料を要望するかを選択するための要望資料選択肢(資料名、資料カテゴリなど)が出力表示されて、来場者はその選択肢の中から要望する資料を、ディスプレイ画面上のクリックボタン又はキーボードボタン操作などにて選択指示することにより、各展示ブース毎の展示ブースに対応する展示資料データ14、又はその展示資料データ14の展示資料識別コード14Aが特定される。
【0065】
また、この際に、来場者自身が希望する任意の展示資料請求用任意パスワードPW1 を予め入力しておいてもよく、ここで入力された任意パスワードPW1 は、後のステップS4b[工程g)]にて、データ処理部12において、前記タグ識別コードに対応する任意パスワードとして、これを変換処理して、URLの一部として埋め込んだ特殊URLを生成する。
【0066】
<ステップS3a>・・・工程b)
該展示ブースBk のRFタグリーダ11は、読み出した前記タグ識別コードと、そのRFタグリーダライタ11が所属する展示ブースBk の展示ブース識別情報BA、必要に応じて、その他の固有識別情報(上記展示資料識別コード14A)とを、サーバ21に送信する。
【0067】
<ステップS4a>・・・工程c)
データ処理部12は、タグ識別コード10Aと展示ブース識別情報BAを受信して、それを基に来場者の要望展示資料リストを作成して、主催者側のデータベース20に、記憶
、登録する。
【0068】
ここでは、前記データ処理部12により、集約処理された前記要望展示資料リスト作成用データのタグ識別コード毎の展示ブース識別情報と、各展示ブース毎に予め用意された詳細な展示資料データ14又はその展示資料データ14の展示資料識別コード14Aとをリンクさせて来場者毎の要望展示資料リスト13が作成される。(これは通常Web画面表示用のHTML又はXMLデータである。)
<ステップS1b>・・・工程d)
一方、来場者は、展示会場を出場するまでのうちいずれかの時点で、会場入口又は出口のRFタグリーダライタ19(RWO )、又は各展示ブースのRFタグリーダライタ11(R1 〜Rn )及びそれらに付随するそれぞれ入力手段19a、11aにて、任意のパスワードPW1 を入力し、RFタグ10をかざす。
【0069】
<ステップS2b>・・・工程e)
RFタグリーダライタ11は、かざしたRFタグ10からタグ識別コード10Aを読み出す。
【0070】
<ステップS3b>・・・工程f)
RFタグリーダライタ11は、入力された任意パスワードPW1 と、読み出されたタグ識別コード10Aをサーバ21へ送信する。
【0071】
<ステップS4b>・・・工程g)
サーバ21のデータ処理部12は、受信した任意パスワードPW1 とタグ識別コード10Aとにそれぞれ対応する文字列を含むURL(特殊URL)を生成する。
【0072】
<ステップS5b>・・・工程g)
データ処理部12は、生成したURLをデータベース20に記憶させ、登録する。
【0073】
<ステップS6b>・・・工程g)
データ処理部12は、生成したURLを、RFリーダライタ11へ送信する。
【0074】
<ステップS7b>・・・工程h)
RFリーダライタ11は、受信したURLを、前記来場者がかざしたRFタグ10に書き込む。このようにして、来場者は展示会場を退場し、展示会の特殊URLが記録されたRFタグ10は返却せずに持ち帰る。
【0075】
<ステップS8b>・・・工程i)
来場者は、展示会場を退場後、前記RFタグを、その来場者が事務所、自宅等にて使用しているネットワーク端末25(例えばパソコン)に付随するRFタグリーダ又はRFタグリーダライタ26にかざす。
【0076】
このように展示会場を退場した来場者は、持ち帰ったRFタグ10を、該来場者の端末25(例えば自宅、会社等のパソコン、携帯電話等)に搭載又は接続する非接触式のRFタグ専用のリーダ又はリーダライタ26の専用アプリケーションプログラムを立ち上げ、そのタグ読み出し部にかざして、RFタグ10に記録されている展示会の特殊URL(必要に応じてタグ識別コード)を読み出す。
【0077】
<ステップS9b>・・・工程j)
来場者のネットワーク端末25に付随する前記RFタグリーダ又はRFタグリーダライタ26は、前記RFタグ10から前記タグ識別コード10Aと前記URLを読み出す。
【0078】
<ステップS10b>・・・工程j)
前記来場者は、ネットワーク端末25から、前記URLに基づいてサーバ21にアクセスする。(通常、自動的にWebブラウザから、該特殊URLを指定して開くアプレットが用意される。)
<ステップS11a>・・・工程k)
来場者のネットワーク端末25からのアクセスを受けたサーバ21のデータ処理部12は、前記URLに含まれる文字列に基づいて前記任意パスワードPW1 と前記タグ識別コード10Aを導き出して、ステップS12aに進む。
【0079】
<ステップS11b>・・・工程k’)
一方、前記データ処理部12は、RFタグ10から読み出したタグ識別コード10Aとデータ処理部12にて導き出したタグ識別コード10Aとを照合し、その一致、不一致の確認を行う。
【0080】
<ステップS12b>・・・工程k’)
照合の結果、一致している場合は、来場者の前記ネットワーク端末25は「認証」されてステップS13bに進み、不一致の場合は来場者の前記ネットワーク端末25は、その画面に、「認証されない」旨のメッセージを表示し、展示資料の開示操作は終了(ログアウト)される。
【0081】
<ステップS13b>・・・工程k’)
タグ識別コード10Aの一致が確認されて、来場者の前記ネットワーク端末25の画面に「認証された」旨のメッセージが表示され、ステップS17aに進む。
【0082】
<ステップS12a>・・・工程k)
一方、前記ステップS11aにて、任意パスワードPW1 とタグ識別コード10Aが導き出された後は、サーバ21は、来場者のネットワーク端末25に、認証のための任意パスワードPW1 の入力を求める画面を送信する。
【0083】
<ステップS13a>・・・工程l)
前記来場者のネットワーク端末25は、サーバ21から任意パスワードの入力画面を受信して、その画面を端末25の画面に表示する。
【0084】
<ステップS14a>・・・工程m)
来場者は、該ネットワーク端末25の画面にて任意のパスワードPW1 を入力する。
【0085】
<ステップS15a>・・・工程n)
前記ネットワーク端末25は、入力された任意のパスワードPW1 を前記サーバ21に送信する。
【0086】
<ステップS16a>・・・工程n)
前記サーバ21は、ネットワーク端末25から送信された来場者の任意パスワードPW1 を受信する。
【0087】
<ステップS17a>・・・工程o)
前記サーバ21のデータ処理部12は、受信した任意パスワードPW1 と、データ処理部12にて導き出した任意パスワードとを照合し、その一致、不一致の確認を行う。
【0088】
<ステップS18a>・・・工程o)
照合の結果、一致している場合は、来場者の前記ネットワーク端末25から送信された任意パスワードPW1 は「認証」されて、ステップS19aに進み、不一致の場合は、前記ネットワーク端末25の画面に、「認証されない」旨のメッセージを表示し、展示資料の開示操作は終了(ログアウト)される。
【0089】
<ステップS19a>・・・工程o)
来場者の任意パスワードPW1 が認証されて、前記ネットワーク端末25の画面に「認証された」旨のメッセージが表示され、ステップS20aに進む。
【0090】
<ステップS20a>・・・工程o)
前記サーバ21は、データベース20から、前記ステップS4aにて作成登録されている来場者が来場時に要望した展示資料に対応する要望展示資料リスト13を検索するとともに、固定パスワードPW2 を入力するための画面を、来場者の前記ネットワーク端末25に送信する。
【0091】
<ステップS21a>・・・工程p)
前記来場者の前記ネットワーク端末25は、固定パスワードPW2 を入力するための画面、及び必要に応じて来場者の要望した要望展示資料リストを受信し、表示する。
【0092】
<ステップS22a>・・・工程q)
その来場者は、前記RFタグ10において不可視状態とされている固定パスワードPW2 を可視状態にする。
【0093】
このように、来場者は、ネットワーク端末25の入力画面の展示資料請求用パスワード記入欄に入力するための固定パスワードを得るため、前記RFタグ10に連設している半券に隠蔽された展示資料請求用のRFタグ固定パスワードPW2 を、隠蔽手段を解除して可視状態にして確認する。
【0094】
<ステップS23a>・・・工程q)
その来場者は、可視状態となった固定パスワードPW2 を、前記ネットワーク端末25の画面に入力する。
【0095】
<ステップS24a>・・・工程r)
前記ネットワーク端末25は、固定パスワードPW2 を前記サーバ21に送信する。
【0096】
<ステップS25a>・・・工程s)
前記サーバ21は、受信した固定パスワードPW2 を、予め定義付けされているタグ識別コード10Aと固定パスワードPW2 との変換スキームに基づいて、データ処理部12にて認証する。ここで利用する変換スキームは、データ処理部12のアプリケーションプログラム内で定義されているか、又は定義を変更可能なようにデータベース20内に定義ファイルとして保存され、その定義ファイルを呼び出してアプリケーションプログラム内に保持するようにしてもよい。
【0097】
このように、任意パスワードPW1 と固定パスワードPW2 が真の展示資料請求用パスワードであることを認証した主催者側のサーバ21は、来場者の端末25の画面に開いている展示会ウエブサイト(ホームページ)に、展示ブース識別情報に基づく出展者名等と、必要に応じて、展示資料識別コードに基づく展示資料名(タイトル等)をメッセージにて表示し、来場者は、このステップにて「展示資料請求する・請求しない」のいずれかを選択入力することができる。
【0098】
<ステップS26a>・・・工程s)
前記サーバ21は、受信した前記固定パスワードPW2 を認証すると、データベース20に蓄積されている展示資料データ14が、データ処理部12にて読み出され、展示資料データ14が、展示資料請求をした前記来場者のネットワーク端末25に送信される。
【0099】
また、場合により、データ処理部12にて供給許可信号が生成され、主催者側の前記サーバ21を介して、該供給許可信号が出展者側のサーバ31に発信されて、出展者側のデータベース30に蓄積されている展示資料データ14(一層詳細な内容を含む資料など)も、前記来場者のネットワーク端末25に送信される。
【0100】
<ステップS27a>・・・工程t)
前記来場者のネットワーク端末25は、主催者側の開示する前記展示資料データ14、及び/又は、出展者側の開示する前記展示資料データ14を受信して表示する。
【0101】
このように、本発明システムにおいては、固定パスワードPW2 を用いて請求する詳細な展示資料が、展示会の主催者側のサーバ21に直結した主催者側のデータベース20に用意されている場合だけでなく、展示会の出展者側のサーバ31に直結した出展者側のデータベース30に用意されていてもよい。
【0102】
なお、タグ識別コード、及び、場合により、任意パスワードPW1 については、主催者側のデータサーバ21から来場者の端末25にcookieファイルを残し、以降のセッションに利用するための情報として作用させることができる。これにより以降の来場者の端末25からの送信入力は、展示会のホームページから入場すれば、固定パスワードPW2 だけ、又は任意パスワードPW1 と固定パスワードPW2 だけでよくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】(a)は本発明の情報開示方法及び展示情報開示システムに適用するRFタグの一例を説明する平面図、(b)はその側断面図、(c)はそのRFタグの隠蔽手段を解除した状態の側断面図、(d)はその平面図。
【図2】(a)は本発明の情報開示方法及び展示情報開示システムに適用するRFタグの他の例を説明する平面図、(b)はその側断面図、(c)はそのRFタグの隠蔽手段を解除した状態の側断面図、(d)はその平面図。
【図3】本発明の情報開示方法及び展示情報開示システムに適用するRFタグの記録データ構造の説明図。
【図4】本発明の展示情報開示システムを適用する展示会場の一例を説明する平面図。
【図5】(a)は本発明の展示情報開示システムのシステムブロック図、(b)は主催者側のデータベースのデータ内容を示すブロック図、(c)は出展者側のデータベースのデータ内容を示すブロック図。
【図6】本発明の展示情報開示システムの一例を説明する全体システム動作ブロック図。
【図7】本発明の展示情報開示システムの一例を説明するシステムフローチャート図。
【図8】本発明の展示情報開示システムの一例を説明するシステムフローチャート図。
【図9】本発明の展示情報開示システムの一例を説明するシステムフローチャート図。
【符号の説明】
【0104】
PW1 …任意パスワード
PW2 …固定パスワード
10…RFタグ
11…RFタグリーダ(又はリーダライタ)
11a…データ入力手段
12…データ処理部
13…要望展示資料リスト
14…展示資料データ
15…基材シート
16…隠蔽性シート
17…ICチップ
18…アンテナ線
19…主催者のリーダライタ
19a…主催者のデータ入力手段
20…データベース
21…サーバ
22…資料請求認証部
25…来場者側の端末
26…来場者(利用者)のRFタグリーダ(又はRFタグリーダライタ)
30…データベース
31…サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも固有のタグ識別コードが電子的に記録されてなり、且つ、前記タグ識別コードに対応する固定パスワードが目視可能なように記録のうえ不可視状態とされてなり、前記固定パスワードを可視状態とした際には、内蔵のICチップが動作不能となる構成としたことを特徴とするRFタグ。
【請求項2】
さらに任意のパスワードを電子的に記録可能であることを特徴とする請求項1記載のRFタグ。
【請求項3】
前記タグ識別コードと前記任意のパスワードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを記録可能であることを特徴とする請求項2記載のRFタグ。
【請求項4】
任意のパスワードを電子的に記録した請求項2又は3記載のRFタグを用いて、少なくとも該任意のパスワードを前記RFタグから読み出し、パスワード入力とのマッチングを確認することにより認証した後、更に前記タグ識別コードを前記RFタグから読み出し、それに一意対応する前記固定パスワードの入力とのマッチングを確認することで認証することを特徴とする情報開示方法。
【請求項5】
任意のパスワードを設定後、該任意のパスワードと前記タグ識別コードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを記録した請求項3記載のRFタグを用いて、該URLにより認証されるネットサイトへの前記任意のパスワードの入力とのマッチングを確認することにより認証した後、更に前記タグ識別コードを前記RFタグから読み出し、それに一意対応する前記固定パスワードの入力とのマッチングを確認することで認証することを特徴とする情報開示方法。
【請求項6】
展示会で来場者に発行される請求項3記載のRFタグと、
展示会場の展示資料の傍に設置されて、前記RFタグからタグ識別コードを読み出す複数のRFタグリーダと、
データ処理部およびデータベース部を有するサーバと、
前記RFタグからタグ識別コードを読み出すとともに、前記URLを該RFタグに書き込む機能、および文字入力手段を有するRFタグリーダライタと、
前記来場者の利用するネットワーク端末と、
該ネットワーク端末に付随するRFタグリーダまたはRFタグリーダライタと、
から少なくとも構成され、
a)前記来場者が、入手を要望する特定の展示資料の傍に設置されたRFタグリーダに前記RFタグをかざす工程、
b)前記RFタグリーダが、前記RFタグからタグ識別コードを読み出し、読み出したRFタグリーダを示す展示資料識別コードとともに前記サーバへ送信する工程、
c)前記サーバの前記データ処理部が、受信したタグ識別コードと展示資料識別コードをもとに、前記データベース部の展示資料データと対応させ、来場者の要望展示資料リストを作成する工程、
d)前記来場者が、展示会場を出場するまでのいずれかのうちに、前記RFタグリーダライタに付随する文字入力手段に前記任意のパスワードを入力し、前記RFタグをかざす工程、
e)前記RFタグリーダライタが、前記RFタグからタグ識別コードを読み出す工程、
f)前記RFタグリーダライタが、入力された任意のパスワードと、読み出されたタグ識別コードを前記サーバへ送信する工程、
g)前記サーバのデータ処理部が、受信した任意のパスワードと、タグ識別コードとにそれぞれ対応する文字列を含むURLを生成し、前記RFタグリーダライタへ送信する工
程、
h)前記RFタグリーダライタが、該URLを前記RFタグに書き込む工程、
i)前記来場者が会場を退場後、前記RFタグを、前記来場者の利用するネットワーク端末に付随するRFタグリーダまたはRFタグリーダライタにかざす工程、
j)該RFタグリーダまたはRFタグリーダライタが、前記RFタグから前記タグ識別コードと前記URLを読み出すとともに、該URLにアクセスする工程、
k)前記サーバのデータ処理部が、前記URLに含まれる文字列から前記任意のパスワードと前記タグ識別コードを導き出し、前記ネットワーク端末に、認証のため任意のパスワードの入力を求める画面を送信する工程、
l)前記ネットワーク端末が、任意のパスワードの入力画面を受信し表示する工程、
m)前記来場者が、前記画面に任意のパスワードを入力する工程、
n)前記ネットワーク端末が、該任意のパスワードを前記サーバに送信する工程、
o)前記サーバが、任意のパスワードを認証後、前記来場者の要望展示資料リスト、および前記固定パスワードの入力を求める画面を送信する工程、
p)前記ネットワーク端末が、前記来場者の要望展示資料リスト、および固定パスワードの入力画面を受信し表示する工程、
q)前記来場者が、前記RFタグにおいて不可視状態とされている固定パスワードを可視状態とし、前記画面に固定パスワードを入力する工程、
r)前記ネットワーク端末が、該固定パスワードを前記サーバに送信する工程、
s)前記サーバが、固定パスワードを認証後、データベース部に蓄積されている展示資料データを前記来場者のネットワーク端末に送信する工程、
t)前記ネットワーク端末が、前記展示資料データを受信し表示する工程、
を少なくとも経ることを特徴とする情報開示システム。
【請求項7】
前記工程k)が、前記RFタグリーダまたはRFタグリーダライタが読み出した前記タグ識別コードと、前記URLに含まれる文字列から導き出した前記タグ識別コードとが一致することを確認する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の情報開示システム。
【請求項8】
前記サーバのデータベース部は、その一部または全部が展示会の出展者等の外部サーバ内にあることを特徴とする請求項6又は7記載の情報開示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−86253(P2010−86253A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254145(P2008−254145)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】