RFIDタグシステム及び該RFIDタグシステム用の通信システム
【課題】金属材料を含むピロー包装体を収納するパッケージに取り付けられるRFIDタグの読み取りが可能なRFIDタグ取り付け方法を提供する。
【解決手段】金属性包装体と、所定の波長の電磁波により情報の送信又は送受信を行うRFIDタグ0104と、前記金属性包装体と前記RFIDタグ0104との間に介在するセパレータ0102と、該セパレータ0102と前記金属性包装体とを収納する非金属性パッケージ0101とを備えるRFIDタグシステムであって、前記セパレータ0102によって形成される前記RFIDタグ0104と前記金属性包装体との間隔を、前記所定の波長に係数(例えば、0.025〜0.04)を乗算して得られる値とする。
【解決手段】金属性包装体と、所定の波長の電磁波により情報の送信又は送受信を行うRFIDタグ0104と、前記金属性包装体と前記RFIDタグ0104との間に介在するセパレータ0102と、該セパレータ0102と前記金属性包装体とを収納する非金属性パッケージ0101とを備えるRFIDタグシステムであって、前記セパレータ0102によって形成される前記RFIDタグ0104と前記金属性包装体との間隔を、前記所定の波長に係数(例えば、0.025〜0.04)を乗算して得られる値とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤、カプセル剤等を、金属性包装体(金属材料を含む材料による包装体)に梱包し、更に該包装体を非金属性パッケージ(金属材料を含まない材料によるパッケージ)に収納した製品に対して、RFID(Radio Frequency IDentification、無線周波数の電磁波を用いた非接触個別識別技術)タグを付したRFIDタグシステム、及び該RFIDタグシステム用の通信システムに関し、特に前記RFIDタグからの情報を高精度で読み取り可能なRFIDタグシステム及び該RFIDタグシステム用の通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にRFIDタグは、集積回路にIDコードもしくはそれと同等な識別情報を内蔵し、外部の通信装置に対して、送信、又は送信と受信を行う(以下、送信のみを行う場合と、送信と受信を行う場合の両者を含め「送受信」と呼ぶ)ことで、前記識別情報を送出するものである。このRFIDタグの用途の一つとしては、製品のトレースシステムが知られており、このトレースシステムは、例えば製造工程又は流通過程の必要時にRFIDタグと通信装置が交信し、得られたIDコード/日時データ/交信場所等の情報からRFIDタグが添付されている製品の製造履歴や流通履歴を追跡し、管理するものである。
特に医薬品の分野においては、製造工程での品質管理、流通過程での真贋判定、薬局での誤販売防止、市場での不良発生時のフィードバック等、前記トレースシステムを用いた製品の履歴を個別に管理することが望まれている。
【0003】
前記RFIDタグを用いたトレースシステムの従来技術としては、例えば下記特許文献が挙げられ、特許文献1には、薬品に取り付けられたRFIDタグの情報を販売の際に読み取ってその薬品名を端末に表示し、また処方箋データと比較することで、誤った薬品がユーザーに渡るのを防止するシステムが記載され、特許文献2には、薬品ケースにシール部材に仕込んだRFIDタグシールを貼り付け、このRFIDタグシールからの情報を薬品棚から入出庫する際に読み取り、薬品棚の在庫管理を行うシステムが記載されている。
【0004】
また、これらのシステムを信頼性良く稼働させるためには、添付されたRFIDタグの情報を確実に読み取る必要があり、この読取手法に関する文献としては、建設資材であるコンクリート製のヒューム管に対し、添付するRFIDタグの読み取り精度向上のため、RFIDタグのアンテナを読み取りに適した方向性を持って埋め込む治具が記載されている特許文献3や、同じく読み取り精度向上のため、製品の姿勢に関わらずRFIDタグのアンテナの姿勢を読み取りに適した一定の方向に保つ機構が記載されている特許文献4や、箱の外側に表示を設けて箱の内側に貼られたRFIDタグの位置を示し、読み取り精度が高くなる読み取り箇所を指定する方式が記載された特許文献5〜7が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−233673号公報
【特許文献2】特開2003−292123号公報
【特許文献3】特開2000−91963号公報
【特許文献4】特開2003−58843号公報
【特許文献5】特開2001−122334号公報
【特許文献6】特開2004−115057号公報
【特許文献7】特開2004−191481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に医薬品の主要な形態としては錠剤及びカプセル剤があり、これら錠剤及びカプセル剤の個別梱包として代表的な例としてPTP(Press Through Package)包装体が知られている。このPTP包装体は、PVC(Polyvinyl Chloride、ポリ塩化ビニール)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)等の樹脂シートに形成された凸部の中にこれらの医薬品を入れ、背面をアルミ箔で封印し、使用者が凸部を指で押し出すことにより、アルミ箔を破って錠剤等を取り出すように構成されている。現在市販されている錠剤やカプセル剤の包装形態としては90%以上がPTP包装体である。また、前記PTP包装体は、樹脂シートの防湿性が金属箔と比較して劣るため、一定数量(例えば100錠)をアルミ箔又はアルミ薄膜を併用した樹脂シート(PP、PE[Polyehtylene、ポリエチレン]等)で更に二次包装体化され、この二次包装体はピロー包装体と呼ばれている。
【0007】
これらの包装で共通するのは、アルミ箔をはじめとする金属材料の存在である。金属材料の存在は、RFIDタグの通信に使われる電磁波に影響を及ぼし、データの読み取り精度を著しく悪化させる。その悪化の度合いは、金属材料の形状や方向、金属材料との間隔等により変化する。
【0008】
従って、前記特許文献1又は2記載された薬品管理システムを構築するためには、適切な位置にRFIDタグを取り付けることが重要であり、それを実現する考案が求められていた。また、読み取り精度は、金属材料とRFIDタグとの位置関係に影響を受けるため、RFIDタグからの電磁波を受信する通信装置との位置関係や方向関係に着目した特許文献3〜7記載の技術に加え、医薬品にRFIDタグを適用するためには、金属材料との位置関係並びに方向関係を適切に保つための技術が求められていた。
【0009】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を除去することであり、金属材料により梱包されたピロー包装体を収納するパッケージであっても、通信装置側と容易に交信を行うことができるRFIDタグシステム及び該RFIDタグシステム用の通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために本発明は、金属性包装体と、電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグと、前記金属性包装体と前記RFIDタグとの間に介在するセパレータと、該セパレータと前記金属性包装体とを収納する非金属性パッケージとを備えるRFIDタグシステムであって、前記セパレータによって形成される前記RFIDタグと前記金属性包装体との間隔を、前記電磁波の波長に係数を乗算して得られる値とすることを第1の特徴とする。
【0011】
また本発明は、金属性包装体と、電磁波を使用して情報の送受信を行うアンテナを含むRFIDタグと、前記金属性包装体と前記RFIDタグとの間に介在するセパレータと、該セパレータと前記金属性包装体とを収納する非金属性パッケージとを備えるRFIDタグシステムであって、前記電磁波の進行方向上において前記RFIDタグのアンテナと前記金属性包装体とが重複しない様に前記RFIDタグを保持するセパレータを備えることを第2の特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記係数が、0.025〜0.04であることを第3の特徴とし、前記何れかの特徴のRFIDシステムにおいて、前記金属性包装体が、アルミ系金属材料を含むことを第4の特徴とし、前記何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記金属性包装体が、ピロー包装体であることを第5特徴とし、前記何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記セパレータが、直方体形状であることを第6の特徴とし、前記何れかに記載のRFIDタグシステムにおいて、前記セパレータが、パイプ形状であることを第7の特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記第1〜7の特徴の何れかのRFIDタグシステムにおいて、前記非金属性パッケージが、概略直方体形状を成し、前記セパレータが、前記非金属性パッケージの端部において内部空間を区分するように前記非金属性パッケージの2平面を連結する板状であることを第8の特徴とし、該第8の特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の1面から連続している部材により成ることを第9の特徴とし、前記第8の特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の1面から連続している部材を複数回折曲して成ることを第10の特徴とし、前記第9又は第10の特徴によるRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の1面から連続している部材の面を他の面に接着して成ることを第11の特徴とする。
【0014】
更に本発明は、前記第8〜11何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の直交する2面を連結することにより、前記RFIDタグを、前記非金属性パッケージの水平方向面に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持することを第12の特徴とし、同第8〜11何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記非金属性パッケージの外形が、前記非金属性パッケージの水平方向面に対して所定のオフセット角度(角度θ)の傾斜部を備え、該傾斜部に前記RFIDタグを設置したことを第13の特徴とし、前記第12又は第13の特徴によるRFIDタグシステムにおいて、前記角度θが、45〜55度であることを第14の特徴とし、前記第8の特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の対面する2面を連結することにより、前記非金属性パッケージ内を区分する内部空間を形成し、一方の内部空間に前記金属性包装体を収納し、他方の内部空間において前記非金属性パッケージの直交する2面の何れか一方の面に前記RFIDタグを保持することを第15の特徴とする。
【0015】
更に本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを第16の特徴とする。
【0016】
また本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを第17の特徴とする。
【0017】
更に本発明は、前記第16又は第17の特徴の通信システムにおいて、前記角度θが、45〜55度であることを第18の特徴とする。
更に本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを第19の特徴とする。
【0018】
また本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを第20の特徴とし、前記特徴19又は20の通信システムにおいて前記角度θが、45〜55度であることを第21の特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるRFIDタグシステムは、例えば金属材料を含むピロー包装体とRFIDタグとの間隔を所定の間隔で保持するセパレータを設けることによってRFIDタグと通信装置間の情報の送受信を確保することができ、更に前記セパレータを紙製のパッケージの端部を延長した部材又は別部材により構成し、且つ前記セパレータによってRFIDタグのアンテナをパッケージの水平方向面に対して所定のオフセット角度(角度θ)を持つようにしたことにより、高速に移動するパッケージに添付されたRFIDタグとの交信を低廉なコストで精度良く行うことができる。
また、本発明による通信システムは、通信装置に接続されたアンテナの開口面がRFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることによって、多数のRFIDタグシステムのRFIDタグとの交信可能領域を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態によるRFIDタグシステムを構成するパッケージの概略構成を示す図。
【図2】図1に示す実施形態によるパッケージの部分断面図。
【図3】PTP包装体の外観を示す斜視図。
【図4】PTP包装体の断面図。
【図5】ピロー包装体の外観を表す斜視図。
【図6】ピロー包装体により2組のPTP包装体が梱包されている状況の断面図。
【図7】図2に示す実施形態によるRFIDタグの一例を表す外観図。
【図8】パッケージの一側面にRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図。
【図9】図8のパッケージの断面図。
【図10】RFIDタグとピロー包装体との間隔と最大交信距離との関係を示す図。
【図11】第2の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図12】図11に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図13】第3の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図14】図13に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図15】第4の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図16】第5の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図17】第6の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図18】第7の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図19】第8の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図20】図19に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図21】第9の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図22】図21に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図23】第10の実施形態によるパッケージの部分断面図。
【図24】第11の実施形態によるパッケージの部分断面図。
【図25】図23のパッケージの展開図。
【図26】本発明によるパッケージを搬送手段により搬送する通信システムを示す図。
【図27】本発明によるパッケージを搬送手段により搬送する通信システムを示す図。
【図28】第12の実施形態によるパッケージへRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図。
【図29】図1に示す実施形態によるパッケージの展開図。
【図30】本発明に係る金属材料の影響を受けるRFIDタグの位置と受けない位置を示す概念図。
【図31】電磁波進行方向と、金属材料が影響を及ぼす方向の概念図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明によるRFIDタグシステム及びRFIDタグシステム用の通信システムの実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるRFIDタグシステムを構成するパッケージの概略構成を示す図、図2は本実施形態によるパッケージの部分断面図、図3はPTP包装体の外観を示す斜視図、図4はPTP包装体の断面図、図5はピロー包装体の外観を表す斜視図、図6はピロー包装体により2組のPTP包装体が梱包されている状況の断面図、図7は本実施形態によるRFIDタグの一例を表す外観図、図8はパッケージの一側面にRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図、図9は図8によるパッケージの断面図、図10はRFIDタグとピロー包装体との間隔と最大交信距離との関係を示す図、図11は第2の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図12は図11の実施形態によるパッケージの外観透視図、図13は第3の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図14は図13に示す実施形態によるパッケージの外観透視図、図15は第4の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図16は第5の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図17は第6の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図18は第7の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図19は第8の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図20は図19に示す実施形態によるパッケージの外観透視図、図21は第9の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図22は図21に示す実施形態によるパッケージの外観透視図、図23は第10の実施形態によるパッケージの部分断面図、図24は第11の実施形態によるパッケージの部分断面図、図25は図23に示したパッケージの展開図、図26は本発明によるパッケージが搬送手段により搬送される通信システムを示す図、図27は本発明によるパッケージが搬送手段により搬送される通信システムを示す図、図28は第12の実施形態によるパッケージへRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図、図29は図28に示した実施形態によるパッケージの展開図、図30は本発明に係る金属材料の影響を受けるRFIDタグの位置と、金属材料の影響を受けない位置を示す概念図、図31は電磁波進行方向と金属材料が影響を及ぼす方向の概念図である。
尚、一般には、RFIDチップと、該RFIDチップと接続されるアンテナと、該RFIDチップ及び該アンテナを一体的に搭載する基材とを組み合わせたものをインレットと呼び、このインレットに保護透明フィルムや取り付け用の接着剤等のユーティリティを付したものをRFIDタグと呼び、このRFIDタグが取り付けられた製品をRFIDタグシステムと呼ぶものであるが、本発明に関する限りは、インレットの状態でもRFIDタグと同等の効果を得られることから、RFIDタグとインレットを区別せず、RFIDタグと呼ぶこととする。
【0022】
<第1の実施形態>
本発明によるRFIDタグシステムの第1の実施形態の概略構成は、図1に示す如く、錠剤又はカプセル剤を包装したピロー包装体(図示せず)を収納する平坦四角箱形状(直方体形状)のパッケージ0101と、パッケージ0101に収納され、その一側面に傾斜して配置されたセパレータ0209と、該セパレータ0209にホルダー0103を介して取り付けられたRFIDタグ0104とから構成される。このセパレータ0209は、図示しないピロー包装体とRFIDタグ0104とを後述する理由により所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグを保持すると共に、パッケージ0101の図示した上下面に対してRFIDタグを図1上の水平方向から角度θだけオフセットされた方向に保持する様に構成されている。尚、本発明に好適なパッケージ0101は、紙やプラスチック等の非金属性の材料から製造されているものであれば良い。
【0023】
RFIDタグ0104を保持するパッケージ0101の断面は、図2に示す如く、パッケージ0101を構成するシート(面)の一側端を5回折曲して台形断面の空間を有する。この台形断面の空間は、セパレータ0209を構成するための折曲面である接着部0105〜0107をそれぞれの接着部が接する面と接着剤により接着又はコーティングされた樹脂を熱融着することにより保持される。この様に本実施形態によるセパレータ0209は、セパレータプレート0102と、RFIDタグ0104を保持するホルダー0103と、パッケージ0101と接着剤により接着するための接着部0105〜0107とから構成され、前記ホルダー0103にRFIDタグ0104を接着剤等を用いて貼り付けることによって、RFIDタグにオフセット角度を与え、且つパッケージ内部のピロー包装体とを分離して設置することができる。
【0024】
RFIDタグ0104は、ホルダー0103に配置されていれば、本発明の目的は達成されるので、接着剤又はテープ等による貼り付けだけではなく、ホルダー0103の材料が紙の場合には、板紙に漉き込むことで配置されるものであっても良い。
また、ホルダー0103の材料が樹脂やセラミックスの場合には、ホルダー部分を成型する際に内蔵することで配置されるものであっても良い。
更にセパレータ0209は、本実施形態の形態に限られるものではなく、後述の実施形態による形態や本発明の概念に基づく金属性包装体(ピロー包装体)とRFIDタグとの間に介在するものであれば良い。
【0025】
本実施形態によるパッケージの展開図は、図29に示す如く、通常のパッケージの展開図における接着部(のりしろ)0105を延長して、セパレータプレート0102/セパレータ用接着部0106/ホルダー0103/ホルダー部用接着部0107を設け、これらによりセパレータ0209を構成している。本実施形態によるRFIDタグシステムは、図23や図24の場合と同様に、ピロー包装体からの圧力を受けるため、セパレータ用接着部0106の接着を省略することもできる(セパレータ用接着部0106の面自体は省略できない)と共に、セパレータ用接着部0106からホルダー0103への折曲部分のスプリングバック力を調節し、ホルダー部用接着部0107の接着を省略(ホルダー部用接着部0107の面自体の省略も可能)したものでも良い。
【0026】
本実施形態の対象となるRFIDタグシステムに好適なパッケージ0101に収納されるPTP包装体は、図3に示す如く、PVCやPP等の樹脂シート0301に形成された凸部0302の中に錠剤又はカプセル剤を入れ、樹脂シート0301の背面をアルミ箔で封印したものである。このPTP包装体は、凸部を指で押し出すことによって、アルミ箔を破って錠剤等を取り出すことができる。
【0027】
このPTP包装体の断面は、図4に示す如く、樹脂シート0301の裏面にアルミ箔0402を融着し、PTPの凸部の内部に錠剤0401を格納している。このPTP包装体は、前述した様に、樹脂部の防湿性がアルミ箔と比較して劣るため、複数のPTP包装体をまとめて、アルミ箔又はアルミ薄膜を併用した樹脂シート(PP、PE等)で二次包装体化したピロー包装体0501が施される。このピロー包装体0501は、図5にその外観の斜視図を示す如く、両端の開放部が融着部0502により密閉され、例えば図6に断面を示す如く、PTP包装体0601が2組梱包される。
【0028】
さて、本実施形態によるRFIDタグ0701の一例は、図7に示す如く、ポリイミド樹脂フィルム等の基材上に搭載されたRFIDチップ0702と、該RFIDチップ0702と接続された金属薄膜のアンテナ0703と、これらを搭載する基材(図中、ハッチングにて示す)と、これらに保護透明フィルムや取り付け用の接着剤等のユーティリティを付して構成される。この構造のRFIDタグでは、金属薄膜のアンテナ0703の部分が略アンテナの開口面となり、図7紙面に対して垂直な方向に電磁波が進行することになる。アンテナ0703の有効長は、RFIDタグ0701が使用する電磁波の周波数によって変わり、一例として、医薬品パッケージへの貼り付けに有利な小型のタグが実現できる2.45GHz帯(波長約122mm)のものでは、全長が約60mm、幅が数mm程度、厚みが1mm以下となるが、このアンテナ構造に限られるものではなく、アンテナを複数回折曲又は巻成した構造であっても良い。
【0029】
この様に本実施形態によるRFIDタグシステムは、セパレータ0209が、ピロー包装体0501から所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグ0701(図1では符号0104)を保持すると共に、水平方向から角度θだけオフセット角度を設ける様に構成されている。次いでRFIDタグをピロー包装体0501から所定距離だけ間隔を保って保持する理由を説明する。
【0030】
<間隔を保ってRFIDタグを保持する理由>
図8にパッケージ0101へRFIDタグ0104を貼り付けた様子を示す。図8では、パッケージ0101の外部へRFIDタグ0104を貼り付けたが、タグの保護とパッケージ0101の外観のためには、内部に貼り付けるのが望ましい。そのときの断面図を図9に示す。まず、図8に示す如く、パッケージ0101の一側面外側(内側でも同様)にRFIDタグ0104を貼り付けた場合、パッケージ0101内には空間0902があり、ピロー包装体0901がパッケージ0101内を多少移動する。この移動によりRFIDタグ0104とピロー包装体0901との間隔dは変化し、金属材料を含むピロー包装体0901がRFIDタグに接近した(dが小さくなった)場合、RFIDタグの交信性能(正常な交信が可能なRFIDタグと通信装置のアンテナとの最大距離)に悪影響を及ぼす。
【0031】
この交信性能は、アルミ箔(アルミ薄膜)を用いたピロー包装体とRFIDタグとの間隔を変化させて交信可能な最大距離を測定した実験結果を示す図10の如く、ピロー包装体とRFIDタグとの間隔d、最大交信距離Lを、交信に用いた電磁波の波長λを用いて数式1[d'=d/λ]及び数式2[L'=L/λ]により各々d'、L'へ無次元化した場合、d'がゼロのときの交信は不可能となり、d'=0.015近辺から急激にL'が増加し、d'=0.025近辺からL'の増加が鈍化し、更にd'=0.04近傍では完全に鈍化している。その後、徐々にd'=0.1あたりまで徐々にL'が増加する特性をもち、本実験結果によれば、d'を広げることによる最大交信距離を拡大させる効果はd'=0.025あたりまでが顕著にでていることが判る。このときL'は2.2であるが、余裕を見てL'≒2.0が好ましい。これらの具体的数値は、周波数2.45GHzの電磁波の波長、λ=122mmのとき、d=3mm、L=244mmとなる。このときのd'をda'と呼ぶことにすると、使用条件によってda'は概略0.025から0.04の範囲で選択することができる。この値「0.025から0.04」は、ピロー包装体とRFIDタグとの間隔を決めるための係数とも呼ぶことができる。
【0032】
ここでは、RFIDタグシステムで使用する周波数として2.45GHzの例をあげたが、本発明に適用できる周波数はこれに限られない。RFIDタグシステムが使用出来る周波数は、無線周波数全域に渡っており、目的とする製品形態や交信の条件、周辺環境等の要素を考慮して、使用する周波数を決定するが、いずれの周波数においても、本発明を適用することが可能である。
【0033】
上記実験結果によれば、周波数2.45GHzの電磁波を交信に用いる場合、最大通信距離L=244mmを得るためには、ピロー包装体とRFIDタグ0104との間隔dを少なくとも3mm確保する必要がある。このため本実施形態においては、ピロー包装体0501から所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグ0104を保持するために台形断面の空間を構成するセパレータ0209が設けられている(図1及び図2)。
【0034】
尚、前述した実験に用いた通信装置は、株式会社日立超LSIシステムズ製RFIDリーダ/ライタ装置MS6502RWEA(定格出力300mW)及び同装置専用4パッチアンテナ(円偏波、利得14dBi)を使用した。また、今回の実験における通信プロトコルは、ISO18000−4ドラフト版準拠を用い、転送レート40kbpsにて測定を行った。尚、通信装置とは、RFIDタグと電磁波を使用して任意の情報の無線通信を行うものであって、電磁波の送受信を介在するアンテナに接続され該アンテナを介して情報を識別して受信する信号受信回路と、前記信号受信回路で受信した情報を入力とし、任意の処理を実行した対応情報を生成する制御回路と、該制御回路により生成した対応情報を前記アンテナを介して電磁波として発する送信回路等から構成される。また、前記通信装置と、該通信装置と接続されたアンテナと、RFIDタグを収納したパッケージを複数搭載する架台(移動機構を含んでも良い)とから成り、前記パッケージのRFIDタグと情報の送受信を行うシステムは、通信システムと呼ばれる。
【0035】
<オフセット角度を設定する理由>
次にRFIDタグのアンテナをオフセット角度を設定して配置する理由を図26及び図27を参照して説明する。
まず、RFIDタグを収納したパッケージ0101は、前述した様に製造工程の通信システムを含むトレースシステム等において、図26に示す如く、矢印2504方向に高速に移動する(ベルトコンベア等で搬送された)状態でアンテナ2501と情報の送受信が行われる。このアンテナ2501は、信号線2502から給電を受けて動作する。錠剤のパッケージ等の数十ミリメーター程度のサイズの厚みを持つパッケージに適しているRFIDタグはマイクロ波(例えば周波数2.45GHz)領域を使用するRFIDタグであり、この周波数帯においては、アンテナから放射された電磁波の直進性が高いという特徴がある。その結果として、波長の数倍程度の交信距離では、交信可能領域がほぼアンテナの開口面の面積と同じになる特性があり、これは、図26においては、交信可能領域がアンテナ2501の面積と略同じとなる特性をもつことになる。
【0036】
このため図26に示す如く、ベルトコンベア2503に水平に搭載されたパッケージ0101を矢印2504と平行にアンテナ2501を設置した場合のアンテナがカバーする交信範囲は、図中の符号Dで示すアンテナ寸法と略同じとなる。この寸法Dは、使用される波長とアンテナの構造によって異なるが、2.45GHz帯域における単一のアンテナ素子の場合では約120mm、4個のアンテナ素子を集積した4パッチアンテナと呼ばれる構造のもので約220mmとなる。
【0037】
錠剤、カプセル剤等の医薬品を対象としたトレースシステムでは、パッケージ0101のRFIDタグとアンテナ2501の間において、製造年月日/時刻/工場コード/ラインコード/製品コード/製造番号等の情報を含むデータを交信する。これらの情報を表現するためには、データ圧縮等の工夫を行っても20バイト程度が必要となり、それらのデータの読み出し/書き込み/ベリファイを行うためには約750msの交信時間を確保しなくてはならない。ベルトコンベアの搬送速度を毎分20m(秒速333mm)とした場合、上記750msの間にパッケージは250mm進んでしまうことになり、この寸法Dの範囲に収まらない。このため、搬送速度を遅くするか、又は読み出し/書き込みを複数のユニットに分割し、例えば10バイトずつ行う等の対策が必要となるものであった。
【0038】
これに対して本実施形態によるRFIDタグシステム用の通信システムは、図27に示す如く、アンテナ2501の開口面をベルトコンベア2503によるパッケージ0101の移動方向に対して角度θだけオフセットさせた角度に設置する。このとき、図中Pの寸法を、最大交信可能距離以下に設定することで、Dをベルトコンベア上に投影したD'が交信可能範囲となり、交信可能領域が拡大される。交信可能領域が最大となるのは、Pを最大交信可能距離としたときである。
さらに、パッケージ0101内RFIDタグのアンテナの開口面の角度とアンテナ2501の開口面の角度が異なると、最大交信可能距離が短くなるので、それらを概略一致させる。
【0039】
本実施形態により拡大された交信領域D'、そのときのオフセット角度をθ'とし、
D'=SQRT(D*D+L*L) (SQRTは引数内の平方根を意味する)
θ'=ATAN(L/D) (ATANは引数の逆正接を意味する)
D=200mm、L=244mm
としたとき、θ'=51度、例えば約45〜55度の範囲が利用可能となる。このときD'は316mmとなり、必要とする交信エリアを余裕を持ってカバーすることができる。
【0040】
この様に本実施形態による通信システムは、通信システムのアンテナを、オフセット角度を付けて配置することによって、高速に搬送させるRFIDタグと情報の送受信を行うことができる。また、本発明は、移動する製品に設置したRFIDタグへの適用だけには留まらない。交信可能領域が拡大することから、交信可能領域内に並べることの出来るRFIDタグを装着したパッケージ数を増やせ、それにより、より多数のRFIDタグとの同時交信が可能となる。すなわち、前述の実施形態においては、移動するRFIDタグシステム(製品)を対象として情報の送受信を行う通信システムを例にとって説明したが、例えば架台上に複数のRFIDタグシステム(製品)を静止した状態で並べ、これら複数のRFIDタグシステムを対象として情報の送受信を行う通信システムに対しても適用することができる。
【0041】
本実施形態においては、図1及び図2に示す台形断面の空隙を構成するセパレータ0102によってRFIDタグとピロー包装体とを所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグを保持する構成を説明したが、本発明によるセパレータは前述の実施形態に限られるものではなく、他の形状であっても良く、この他の実施形態を以下説明する。
【0042】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態によるRFIDタグシステムは、図11及び図12に示す如く、RFIDタグとピロー包装体とを所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグを保持する構成として、パッケージ0101内の端面に所定の厚みdaをもつ矩形(直方体形状)のセパレータ1101を設け、セパレータ1101側のパッケージ0101の内面側にRFIDタグ0104を貼り付けた例である。セパレータ1101は、発泡ウレタンの様な部材や、紙製の箱形のセパレータでも良い。このときRFIDタグ0104は、パッケージ0101に対して図12に示される位置に存在させ、RFIDタグ0104自体はパッケージの外に取り付けられても中に取り付けられても良い。
【0043】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態によるRFIDタグシステムは、図13及び図14に示す如く、RFIDタグとピロー包装体との間隔を確保するため、直方体形状のセパレータ1101の長手方向寸法(パッケージの厚さ方向寸法)をパッケージ0101の内寸法以下に設定し、セパレータ1101をパッケージ0101の端部に配置し、セパレータ1101とパッケージ0101との水平方向に生じる上側の間隙にRFIDタグ0104を挟持するように構成している。尚、本実施形態においては、図面中にて水平方向の平面をもつピロー包装体0901とRFIDダグ0104のアンテナ平面とが電磁波の進行方向上で重複しないようにRFIDタグ0104を配置したものである。この配置は、後述の図16/図18/図21に示す実施形態においても同様であり、その配置理由は後述する。
【0044】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態によるRFIDタグシステムは、図15に示す如く、中空形状の円筒形や楕円筒形のパイプ形状のセパレータ1501をパッケージ0101の端部に配置し、セパレータ1501とパッケージ0101との垂直方向に生じる右側の間隙にRFIDタグ0104を挟持するように構成している。前記セパレータ1501は、RFIDタグ0104とピロー包装体0901との間隔daを所定間隔に保ち、且つ中空状のセパレータ1501により弾性をもってRFIDタグ0104を挟持することができる。
【0045】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態によるRFIDタグシステムは、図16に示す如く、中空形状の円筒形や楕円筒形のパイプ形状のセパレータ1501をパッケージ0101の端部に配置し、セパレータ1501とパッケージ0101との水平方向に生じる上側の間隙にRFIDタグ0104を挟持するように構成している。前記セパレータ1501は、弾性をもってRFIDタグ0104を挟持することができる。
尚、本実施形態においては、図面中にてピロー包装体0901とRFIDダグ0104のアンテナ平面とが電磁波の進行方向上で重複しないようにRFIDタグ0104を配置したものであり、理由は後述する。また、セパレータ1501とRFIDタグ0104とは接着剤により接着しても良い。
【0046】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態によるRFIDタグシステムは、図17に示す如く、板状のセパレータ1701をパッケージ0101の端部とに間隔を開けて隔壁として取り付け、板状のセパレータ1701とパッケージ0101の端部間に空間を形成し、該空間内のパッケージ0101の垂直壁にRFIDタグ0104を保持するように構成している。前記セパレータ1701は、RFIDタグ0104とピロー包装体0901との間隔daを所定間隔に保ち、接着剤により接着される。即ち本実施形態によるRFIDタグシステムは、板状のセパレータが、パッケージの直方体の対面する上下の2面を連結することにより、パッケージ内を区分する内部空間を形成し、一方の内部空間に金属材料を含むピロー包装体0901を収納し、他方の内部空間の垂直壁にRFIDタグ0104を保持するものである。
【0047】
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態によるRFIDタグシステムは、図18に示す如く、板状のセパレータ1701をパッケージ0101の端部とに間隔を開けて隔壁として取り付け、板状のセパレータ1701とパッケージ0101の端部間に空間を形成し、該空間内のパッケージ0101内の上側水平壁にRFIDタグ0104を保持するように構成している。前記セパレータ1701は、接着剤により接着される。即ち本実施形態によるRFIDタグシステムは、板状のセパレータ1701が、パッケージ0101の直方体の対面する上下の2面を連結することにより、パッケージ内を区分する内部空間を形成し、一方の内部空間に金属材料を含むピロー包装体0901を収納し、他方の内部空間の上側水平壁にRFIDタグ0104を保持するものである。
尚、本実施形態においても、図面中にてピロー包装体0901とRFIDダグ0104のアンテナ平面とが電磁波の進行方向上で重複しないようにRFIDタグ0104を配置したものであり、理由は後述する。
【0048】
<第8の実施形態>
一般にPTP包装体は、図3に示す如く、シート部0301の端部まで凸部0302が形成されることはない。このため、図6に示す如く、PTP包装体を2段に重ねて包んだピロー包装体では、図中の上段(上半部)は端部において下段(下半部)と比較してやや押しつぶせる状態になっている。
このことを利用し、本発明の第8の実施形態によるRFIDタグシステムは、図17で示した垂直型の隔壁ではなく、図19に断面を示す様な傾斜した板状のセパレータ1901により構成し、図20に示す如く、RFIDタグ0104をパッケージ0101の垂直な壁に対して取り付けたものである。
【0049】
このRFIDタグシステムは、傾斜した板状のセパレータ1901を設け、ピロー包装体の押しつぶせる上半部を大きく押し、その上半部に合わせた位置へRFIDタグ0104を上にシフトさせて貼り付けることにより、ピロー包装体0901とRFIDタグ0104との距離daを確保した。この構成では、下半部では距離daを確保する必要がないため、図17の如く全面で距離daを確保する構成と比較してパッケージ0101の寸法を小さくできる。
また、図6の如くPTP包装体を2段に重ねた場合だけでなく、例えば、5段、6段と重ねた場合であっても、最上部のピロー包装体が押しつぶせる状態であれば良く、その場合は、図24に示す如く、押しつぶせる部分にのみ傾斜したセパレータ1901を設け、それを接着部2301及び接着部2302で保持する構成にすれば良い。
【0050】
<第9の実施形態>
本発明の第9の実施形態によるRFIDタグシステムは、図21及び図22に示す如く、実施形態8同様に傾斜した板状のセパレータ1901を設け、セパレータ1901とパッケージ0101の端面に生じる三角形状の空間のパッケージ上面側に水平にRFIDタグ0104を貼り付けても良い。本実施形態においても実施形態8同様にパッケージ0101寸法を更に小さくすることができる。
【0051】
さて、前記図13、図16、図18、図21に示した実施形態は、図面の上方から電磁波がパッケージに向かって発せられ、電磁波の進行方向上にRFIDタグ平面(アンテナ平面)と金属性包装体とが略平行に重なって配置しない例を示したものであり、この配置理由を説明する。
発明者らによって行った実験によると、リーダ/ライタ(通信装置)から発せられる電磁波の進行方向上にRFIDタグ平面(アンテナ平面)と金属性包装体(ピロー包装体)とを重複する位置に配置した場合と重複しない位置に配置した場合とでは、RFIDタグが受ける影響が異なることが判明している。
【0052】
この配置の違いによる影響を具体的に説明すると、図30に示す如く、平面をもつピロー包装体0501とRFIDダグ3011平面とが電磁波の進行方向3001上で略平行に重複する位置に配置したRFIDタグ3011は、RFIDタグ3011とピロー包装体0501との間隔がda(前記「間隔を保ってRFIDタグを保持する理由」の項参照)を確保できない条件下では、RFIDタグ3011の交信性能が著しく低下し、他方、平面をもつピロー包装体0501とRFIDダグ3011平面とが電磁波の進行方向3001上で略平行に重複しない位置に配置したRFIDタグ3012は、RFIDタグ3012とピロー包装体0501との間隔がda以下であっても、RFIDタグの交信性能は低下しないことが判明している。
【0053】
これは、図31に示す如く、垂直下方向に進行する電磁波3101によって生ずる金属材料(ピロー包装体を構成する金属材料)の影響3111が垂直上方向のみに、また、水平左方向に進行する電磁波3102によって生ずる金属材料の影響3112は水平右方向のみに及ぶためであると考えられる。
このような理由により、前述の図13、図16、図18、図21に示した実施形態は、セパレータを用い、電磁波の進行方向上にRFIDタグ平面と金属材料とを重複しない位置に配置し、金属材料からの影響を受けずにRFIDタグを製品に適用した例を示したものである。
【0054】
<第10の実施形態>
傾斜型のセパレータ2309は、図23に示す如く、パッケージ0101と接着剤により接着するための接着部2301及び2302と、パッケージ0101の端部の接着部2301から延長した部分で構成し、その先端部に接着部2302を設けることもできる。この接着部2302は、接着剤により接着していない場合であっても、PTP包装体から受ける圧力のためにパッケージへ押しつけられ、結果として傾斜を維持することができる。
【0055】
パッケージ0101の展開図を図25に示す。図23に示される接着部2301は、図25の展開図上では接着部2401であり、そこから展開された傾斜セパレータ部2402と展開されたセパレータ用接着部2403が延長されている。
【0056】
<第11の実施形態>
更に傾斜型のセパレータ2409は、図24に示す如く、パッケージ0101の端部の接着部2301から延長した部分をパッケージの壁面(側面)に接する様に折曲し、その先端部の接着部2302をパッケージの壁面(側面)の途中に接着する。このため本実施形態によるセパレータ2409は、接着剤により接着するための接着部2301及び2302と、傾斜したホルダー1901とから構成され、前記接着部2302が、接着剤により接着していない場合であっても、実施形態第10同様にPTP包装体から受ける圧力のためにパッケージ壁面へ押しつけられ、結果として傾斜を維持することができる。
【0057】
<第12の実施形態>
本発明によるRFIDタグシステムは、前述した様に最大交信可能距離を確保するためにはRFIDタグのアンテナを、通信装置側のアンテナの角度と概略一致する様にオフセット角度(角度θ)を付けて配置することが好ましい。このため第12の実施形態によるRFIDタグシステムは、図28に示す如く、パッケージ2701の外形状として、概略直方体であるパッケージ2701の一つの角を角度θで切り落とした五角柱の外形にし、新たに形成された傾斜した面2702上にRFIDタグ0104を設置させることが望ましい。
【0058】
<パッケージの説明>
本発明の第1の実施形態によるパッケージの展開図は、図29に示す如く、通常のパッケージの展開図における接着部(のりしろ)0105を延長して、セパレータ0102/セパレータ用接着部0106/ホルダー0103/ホルダー部用接着部0107を設けて構成される。本実施形態によるRFIDタグシステムは、図23や図24の場合と同様に、ピロー包装体からの圧力を受けるため、セパレータ用接着部0106の接着剤による接着を省略することもできる(セパレータ用接着部0106の面自体は省略できない)と共に、セパレータ用接着部0106からホルダー0103への折曲部分のスプリングバック力を調節し、ホルダー部用接着部0107の接着剤による接着を省略(ホルダー部用接着部0107の面自体の省略も可能)することもできる。
【0059】
この様に本発明によるRFIDタグシステムは、金属性包装体を含む梱包体を収納するパッケージに対しても、安定な交信が可能となるRFIDタグシステムを提供することができ、更に交信領域を拡大して、高速に移動するRFIDタグとの交信が可能となる。
【0060】
また前記実施形態においては、例えば図1に示したパッケージ0101の長手方向の辺に沿ってRFIDタグ0104を配置した例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ピロー包装体とRFIDタグとの間隔をda以上に設定するか、或いはRFIDタグを電磁波の進行方向上においてRFIDタグのアンテナとピロー包装体とが重複しない位置に保持するセパレータを使用することにより、RFIDタグをパッケージの他の面に配置することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
前述の実施形態においては医薬品である錠剤、カプセル剤等を梱包するパッケージを例にとって説明したが、本発明によるRFIDタグシステムは医薬品用に限られるものではなく、PTP包装体とピロー包装体とを組み合わせた他のパッケージ、例えば菓子類等の食品にも広く適用することができる。また、PTP包装体に限らず、金属性包装体により梱包され、さらに非金属性包装体の外箱に格納されたパッケージ製品全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
0101……医薬品のパッケージ、0104……RFIDタグ、0102……セパレータ、0103……ホルダー、0105……平面を箱に閉じるための接着部、0106……セパレータとホルダーとの間隔を保持する接着部、0107……ホルダーのオフセット角度を保持する接着部、0301……樹脂シート、0402……アルミ箔、0401……錠剤、0501……ピロー包装体、0601……PTP包装体、0701……ポリイミド樹脂フィルム等の基材、0702……RFIDチップ、0703……アンテナ、0901……ピロー包装体、0902……パッケージとピロー包装体間の空間、1101……セパレータ、1501……セパレータ、1701……セパレータ、1901……セパレータ、2301……接着部、2302……傾斜を保持するためのセパレータ用接着部、2501……アンテナ、2502……信号線、2504……ベルトコンベア等の搬送手段の進行方向、2701……パッケージ、 2702……パッケージの面、3001……電磁波の進行方向を表す矢印、3011……金属材料の影響を受けるRFIDタグ、3012……金属材料の影響を受けないRFIDタグ、3101……図中の垂直方向に進行する電磁波の方向を示す矢印、3102……図中の水平方向に進行する電磁波の方向を示す矢印、3111……3101によって生じる金属材料による影響の方向を示す矢印、3112……3102によって生じる金属材料による影響の方向を示す矢印。
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤、カプセル剤等を、金属性包装体(金属材料を含む材料による包装体)に梱包し、更に該包装体を非金属性パッケージ(金属材料を含まない材料によるパッケージ)に収納した製品に対して、RFID(Radio Frequency IDentification、無線周波数の電磁波を用いた非接触個別識別技術)タグを付したRFIDタグシステム、及び該RFIDタグシステム用の通信システムに関し、特に前記RFIDタグからの情報を高精度で読み取り可能なRFIDタグシステム及び該RFIDタグシステム用の通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にRFIDタグは、集積回路にIDコードもしくはそれと同等な識別情報を内蔵し、外部の通信装置に対して、送信、又は送信と受信を行う(以下、送信のみを行う場合と、送信と受信を行う場合の両者を含め「送受信」と呼ぶ)ことで、前記識別情報を送出するものである。このRFIDタグの用途の一つとしては、製品のトレースシステムが知られており、このトレースシステムは、例えば製造工程又は流通過程の必要時にRFIDタグと通信装置が交信し、得られたIDコード/日時データ/交信場所等の情報からRFIDタグが添付されている製品の製造履歴や流通履歴を追跡し、管理するものである。
特に医薬品の分野においては、製造工程での品質管理、流通過程での真贋判定、薬局での誤販売防止、市場での不良発生時のフィードバック等、前記トレースシステムを用いた製品の履歴を個別に管理することが望まれている。
【0003】
前記RFIDタグを用いたトレースシステムの従来技術としては、例えば下記特許文献が挙げられ、特許文献1には、薬品に取り付けられたRFIDタグの情報を販売の際に読み取ってその薬品名を端末に表示し、また処方箋データと比較することで、誤った薬品がユーザーに渡るのを防止するシステムが記載され、特許文献2には、薬品ケースにシール部材に仕込んだRFIDタグシールを貼り付け、このRFIDタグシールからの情報を薬品棚から入出庫する際に読み取り、薬品棚の在庫管理を行うシステムが記載されている。
【0004】
また、これらのシステムを信頼性良く稼働させるためには、添付されたRFIDタグの情報を確実に読み取る必要があり、この読取手法に関する文献としては、建設資材であるコンクリート製のヒューム管に対し、添付するRFIDタグの読み取り精度向上のため、RFIDタグのアンテナを読み取りに適した方向性を持って埋め込む治具が記載されている特許文献3や、同じく読み取り精度向上のため、製品の姿勢に関わらずRFIDタグのアンテナの姿勢を読み取りに適した一定の方向に保つ機構が記載されている特許文献4や、箱の外側に表示を設けて箱の内側に貼られたRFIDタグの位置を示し、読み取り精度が高くなる読み取り箇所を指定する方式が記載された特許文献5〜7が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−233673号公報
【特許文献2】特開2003−292123号公報
【特許文献3】特開2000−91963号公報
【特許文献4】特開2003−58843号公報
【特許文献5】特開2001−122334号公報
【特許文献6】特開2004−115057号公報
【特許文献7】特開2004−191481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に医薬品の主要な形態としては錠剤及びカプセル剤があり、これら錠剤及びカプセル剤の個別梱包として代表的な例としてPTP(Press Through Package)包装体が知られている。このPTP包装体は、PVC(Polyvinyl Chloride、ポリ塩化ビニール)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)等の樹脂シートに形成された凸部の中にこれらの医薬品を入れ、背面をアルミ箔で封印し、使用者が凸部を指で押し出すことにより、アルミ箔を破って錠剤等を取り出すように構成されている。現在市販されている錠剤やカプセル剤の包装形態としては90%以上がPTP包装体である。また、前記PTP包装体は、樹脂シートの防湿性が金属箔と比較して劣るため、一定数量(例えば100錠)をアルミ箔又はアルミ薄膜を併用した樹脂シート(PP、PE[Polyehtylene、ポリエチレン]等)で更に二次包装体化され、この二次包装体はピロー包装体と呼ばれている。
【0007】
これらの包装で共通するのは、アルミ箔をはじめとする金属材料の存在である。金属材料の存在は、RFIDタグの通信に使われる電磁波に影響を及ぼし、データの読み取り精度を著しく悪化させる。その悪化の度合いは、金属材料の形状や方向、金属材料との間隔等により変化する。
【0008】
従って、前記特許文献1又は2記載された薬品管理システムを構築するためには、適切な位置にRFIDタグを取り付けることが重要であり、それを実現する考案が求められていた。また、読み取り精度は、金属材料とRFIDタグとの位置関係に影響を受けるため、RFIDタグからの電磁波を受信する通信装置との位置関係や方向関係に着目した特許文献3〜7記載の技術に加え、医薬品にRFIDタグを適用するためには、金属材料との位置関係並びに方向関係を適切に保つための技術が求められていた。
【0009】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を除去することであり、金属材料により梱包されたピロー包装体を収納するパッケージであっても、通信装置側と容易に交信を行うことができるRFIDタグシステム及び該RFIDタグシステム用の通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために本発明は、金属性包装体と、電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグと、前記金属性包装体と前記RFIDタグとの間に介在するセパレータと、該セパレータと前記金属性包装体とを収納する非金属性パッケージとを備えるRFIDタグシステムであって、前記セパレータによって形成される前記RFIDタグと前記金属性包装体との間隔を、前記電磁波の波長に係数を乗算して得られる値とすることを第1の特徴とする。
【0011】
また本発明は、金属性包装体と、電磁波を使用して情報の送受信を行うアンテナを含むRFIDタグと、前記金属性包装体と前記RFIDタグとの間に介在するセパレータと、該セパレータと前記金属性包装体とを収納する非金属性パッケージとを備えるRFIDタグシステムであって、前記電磁波の進行方向上において前記RFIDタグのアンテナと前記金属性包装体とが重複しない様に前記RFIDタグを保持するセパレータを備えることを第2の特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記係数が、0.025〜0.04であることを第3の特徴とし、前記何れかの特徴のRFIDシステムにおいて、前記金属性包装体が、アルミ系金属材料を含むことを第4の特徴とし、前記何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記金属性包装体が、ピロー包装体であることを第5特徴とし、前記何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記セパレータが、直方体形状であることを第6の特徴とし、前記何れかに記載のRFIDタグシステムにおいて、前記セパレータが、パイプ形状であることを第7の特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記第1〜7の特徴の何れかのRFIDタグシステムにおいて、前記非金属性パッケージが、概略直方体形状を成し、前記セパレータが、前記非金属性パッケージの端部において内部空間を区分するように前記非金属性パッケージの2平面を連結する板状であることを第8の特徴とし、該第8の特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の1面から連続している部材により成ることを第9の特徴とし、前記第8の特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の1面から連続している部材を複数回折曲して成ることを第10の特徴とし、前記第9又は第10の特徴によるRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の1面から連続している部材の面を他の面に接着して成ることを第11の特徴とする。
【0014】
更に本発明は、前記第8〜11何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の直交する2面を連結することにより、前記RFIDタグを、前記非金属性パッケージの水平方向面に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持することを第12の特徴とし、同第8〜11何れかの特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記非金属性パッケージの外形が、前記非金属性パッケージの水平方向面に対して所定のオフセット角度(角度θ)の傾斜部を備え、該傾斜部に前記RFIDタグを設置したことを第13の特徴とし、前記第12又は第13の特徴によるRFIDタグシステムにおいて、前記角度θが、45〜55度であることを第14の特徴とし、前記第8の特徴のRFIDタグシステムにおいて、前記板状のセパレータが、前記非金属性パッケージの直方体の対面する2面を連結することにより、前記非金属性パッケージ内を区分する内部空間を形成し、一方の内部空間に前記金属性包装体を収納し、他方の内部空間において前記非金属性パッケージの直交する2面の何れか一方の面に前記RFIDタグを保持することを第15の特徴とする。
【0015】
更に本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを第16の特徴とする。
【0016】
また本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを第17の特徴とする。
【0017】
更に本発明は、前記第16又は第17の特徴の通信システムにおいて、前記角度θが、45〜55度であることを第18の特徴とする。
更に本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを第19の特徴とする。
【0018】
また本発明は、電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを第20の特徴とし、前記特徴19又は20の通信システムにおいて前記角度θが、45〜55度であることを第21の特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるRFIDタグシステムは、例えば金属材料を含むピロー包装体とRFIDタグとの間隔を所定の間隔で保持するセパレータを設けることによってRFIDタグと通信装置間の情報の送受信を確保することができ、更に前記セパレータを紙製のパッケージの端部を延長した部材又は別部材により構成し、且つ前記セパレータによってRFIDタグのアンテナをパッケージの水平方向面に対して所定のオフセット角度(角度θ)を持つようにしたことにより、高速に移動するパッケージに添付されたRFIDタグとの交信を低廉なコストで精度良く行うことができる。
また、本発明による通信システムは、通信装置に接続されたアンテナの開口面がRFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることによって、多数のRFIDタグシステムのRFIDタグとの交信可能領域を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態によるRFIDタグシステムを構成するパッケージの概略構成を示す図。
【図2】図1に示す実施形態によるパッケージの部分断面図。
【図3】PTP包装体の外観を示す斜視図。
【図4】PTP包装体の断面図。
【図5】ピロー包装体の外観を表す斜視図。
【図6】ピロー包装体により2組のPTP包装体が梱包されている状況の断面図。
【図7】図2に示す実施形態によるRFIDタグの一例を表す外観図。
【図8】パッケージの一側面にRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図。
【図9】図8のパッケージの断面図。
【図10】RFIDタグとピロー包装体との間隔と最大交信距離との関係を示す図。
【図11】第2の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図12】図11に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図13】第3の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図14】図13に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図15】第4の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図16】第5の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図17】第6の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図18】第7の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図19】第8の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図20】図19に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図21】第9の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図。
【図22】図21に示す実施形態によるパッケージの外観透視図。
【図23】第10の実施形態によるパッケージの部分断面図。
【図24】第11の実施形態によるパッケージの部分断面図。
【図25】図23のパッケージの展開図。
【図26】本発明によるパッケージを搬送手段により搬送する通信システムを示す図。
【図27】本発明によるパッケージを搬送手段により搬送する通信システムを示す図。
【図28】第12の実施形態によるパッケージへRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図。
【図29】図1に示す実施形態によるパッケージの展開図。
【図30】本発明に係る金属材料の影響を受けるRFIDタグの位置と受けない位置を示す概念図。
【図31】電磁波進行方向と、金属材料が影響を及ぼす方向の概念図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明によるRFIDタグシステム及びRFIDタグシステム用の通信システムの実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるRFIDタグシステムを構成するパッケージの概略構成を示す図、図2は本実施形態によるパッケージの部分断面図、図3はPTP包装体の外観を示す斜視図、図4はPTP包装体の断面図、図5はピロー包装体の外観を表す斜視図、図6はピロー包装体により2組のPTP包装体が梱包されている状況の断面図、図7は本実施形態によるRFIDタグの一例を表す外観図、図8はパッケージの一側面にRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図、図9は図8によるパッケージの断面図、図10はRFIDタグとピロー包装体との間隔と最大交信距離との関係を示す図、図11は第2の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図12は図11の実施形態によるパッケージの外観透視図、図13は第3の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図14は図13に示す実施形態によるパッケージの外観透視図、図15は第4の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図16は第5の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図17は第6の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図18は第7の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図19は第8の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図20は図19に示す実施形態によるパッケージの外観透視図、図21は第9の実施形態によるパッケージ内にセパレータを設けた例の断面図、図22は図21に示す実施形態によるパッケージの外観透視図、図23は第10の実施形態によるパッケージの部分断面図、図24は第11の実施形態によるパッケージの部分断面図、図25は図23に示したパッケージの展開図、図26は本発明によるパッケージが搬送手段により搬送される通信システムを示す図、図27は本発明によるパッケージが搬送手段により搬送される通信システムを示す図、図28は第12の実施形態によるパッケージへRFIDタグを貼り付けた様子を示す外観図、図29は図28に示した実施形態によるパッケージの展開図、図30は本発明に係る金属材料の影響を受けるRFIDタグの位置と、金属材料の影響を受けない位置を示す概念図、図31は電磁波進行方向と金属材料が影響を及ぼす方向の概念図である。
尚、一般には、RFIDチップと、該RFIDチップと接続されるアンテナと、該RFIDチップ及び該アンテナを一体的に搭載する基材とを組み合わせたものをインレットと呼び、このインレットに保護透明フィルムや取り付け用の接着剤等のユーティリティを付したものをRFIDタグと呼び、このRFIDタグが取り付けられた製品をRFIDタグシステムと呼ぶものであるが、本発明に関する限りは、インレットの状態でもRFIDタグと同等の効果を得られることから、RFIDタグとインレットを区別せず、RFIDタグと呼ぶこととする。
【0022】
<第1の実施形態>
本発明によるRFIDタグシステムの第1の実施形態の概略構成は、図1に示す如く、錠剤又はカプセル剤を包装したピロー包装体(図示せず)を収納する平坦四角箱形状(直方体形状)のパッケージ0101と、パッケージ0101に収納され、その一側面に傾斜して配置されたセパレータ0209と、該セパレータ0209にホルダー0103を介して取り付けられたRFIDタグ0104とから構成される。このセパレータ0209は、図示しないピロー包装体とRFIDタグ0104とを後述する理由により所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグを保持すると共に、パッケージ0101の図示した上下面に対してRFIDタグを図1上の水平方向から角度θだけオフセットされた方向に保持する様に構成されている。尚、本発明に好適なパッケージ0101は、紙やプラスチック等の非金属性の材料から製造されているものであれば良い。
【0023】
RFIDタグ0104を保持するパッケージ0101の断面は、図2に示す如く、パッケージ0101を構成するシート(面)の一側端を5回折曲して台形断面の空間を有する。この台形断面の空間は、セパレータ0209を構成するための折曲面である接着部0105〜0107をそれぞれの接着部が接する面と接着剤により接着又はコーティングされた樹脂を熱融着することにより保持される。この様に本実施形態によるセパレータ0209は、セパレータプレート0102と、RFIDタグ0104を保持するホルダー0103と、パッケージ0101と接着剤により接着するための接着部0105〜0107とから構成され、前記ホルダー0103にRFIDタグ0104を接着剤等を用いて貼り付けることによって、RFIDタグにオフセット角度を与え、且つパッケージ内部のピロー包装体とを分離して設置することができる。
【0024】
RFIDタグ0104は、ホルダー0103に配置されていれば、本発明の目的は達成されるので、接着剤又はテープ等による貼り付けだけではなく、ホルダー0103の材料が紙の場合には、板紙に漉き込むことで配置されるものであっても良い。
また、ホルダー0103の材料が樹脂やセラミックスの場合には、ホルダー部分を成型する際に内蔵することで配置されるものであっても良い。
更にセパレータ0209は、本実施形態の形態に限られるものではなく、後述の実施形態による形態や本発明の概念に基づく金属性包装体(ピロー包装体)とRFIDタグとの間に介在するものであれば良い。
【0025】
本実施形態によるパッケージの展開図は、図29に示す如く、通常のパッケージの展開図における接着部(のりしろ)0105を延長して、セパレータプレート0102/セパレータ用接着部0106/ホルダー0103/ホルダー部用接着部0107を設け、これらによりセパレータ0209を構成している。本実施形態によるRFIDタグシステムは、図23や図24の場合と同様に、ピロー包装体からの圧力を受けるため、セパレータ用接着部0106の接着を省略することもできる(セパレータ用接着部0106の面自体は省略できない)と共に、セパレータ用接着部0106からホルダー0103への折曲部分のスプリングバック力を調節し、ホルダー部用接着部0107の接着を省略(ホルダー部用接着部0107の面自体の省略も可能)したものでも良い。
【0026】
本実施形態の対象となるRFIDタグシステムに好適なパッケージ0101に収納されるPTP包装体は、図3に示す如く、PVCやPP等の樹脂シート0301に形成された凸部0302の中に錠剤又はカプセル剤を入れ、樹脂シート0301の背面をアルミ箔で封印したものである。このPTP包装体は、凸部を指で押し出すことによって、アルミ箔を破って錠剤等を取り出すことができる。
【0027】
このPTP包装体の断面は、図4に示す如く、樹脂シート0301の裏面にアルミ箔0402を融着し、PTPの凸部の内部に錠剤0401を格納している。このPTP包装体は、前述した様に、樹脂部の防湿性がアルミ箔と比較して劣るため、複数のPTP包装体をまとめて、アルミ箔又はアルミ薄膜を併用した樹脂シート(PP、PE等)で二次包装体化したピロー包装体0501が施される。このピロー包装体0501は、図5にその外観の斜視図を示す如く、両端の開放部が融着部0502により密閉され、例えば図6に断面を示す如く、PTP包装体0601が2組梱包される。
【0028】
さて、本実施形態によるRFIDタグ0701の一例は、図7に示す如く、ポリイミド樹脂フィルム等の基材上に搭載されたRFIDチップ0702と、該RFIDチップ0702と接続された金属薄膜のアンテナ0703と、これらを搭載する基材(図中、ハッチングにて示す)と、これらに保護透明フィルムや取り付け用の接着剤等のユーティリティを付して構成される。この構造のRFIDタグでは、金属薄膜のアンテナ0703の部分が略アンテナの開口面となり、図7紙面に対して垂直な方向に電磁波が進行することになる。アンテナ0703の有効長は、RFIDタグ0701が使用する電磁波の周波数によって変わり、一例として、医薬品パッケージへの貼り付けに有利な小型のタグが実現できる2.45GHz帯(波長約122mm)のものでは、全長が約60mm、幅が数mm程度、厚みが1mm以下となるが、このアンテナ構造に限られるものではなく、アンテナを複数回折曲又は巻成した構造であっても良い。
【0029】
この様に本実施形態によるRFIDタグシステムは、セパレータ0209が、ピロー包装体0501から所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグ0701(図1では符号0104)を保持すると共に、水平方向から角度θだけオフセット角度を設ける様に構成されている。次いでRFIDタグをピロー包装体0501から所定距離だけ間隔を保って保持する理由を説明する。
【0030】
<間隔を保ってRFIDタグを保持する理由>
図8にパッケージ0101へRFIDタグ0104を貼り付けた様子を示す。図8では、パッケージ0101の外部へRFIDタグ0104を貼り付けたが、タグの保護とパッケージ0101の外観のためには、内部に貼り付けるのが望ましい。そのときの断面図を図9に示す。まず、図8に示す如く、パッケージ0101の一側面外側(内側でも同様)にRFIDタグ0104を貼り付けた場合、パッケージ0101内には空間0902があり、ピロー包装体0901がパッケージ0101内を多少移動する。この移動によりRFIDタグ0104とピロー包装体0901との間隔dは変化し、金属材料を含むピロー包装体0901がRFIDタグに接近した(dが小さくなった)場合、RFIDタグの交信性能(正常な交信が可能なRFIDタグと通信装置のアンテナとの最大距離)に悪影響を及ぼす。
【0031】
この交信性能は、アルミ箔(アルミ薄膜)を用いたピロー包装体とRFIDタグとの間隔を変化させて交信可能な最大距離を測定した実験結果を示す図10の如く、ピロー包装体とRFIDタグとの間隔d、最大交信距離Lを、交信に用いた電磁波の波長λを用いて数式1[d'=d/λ]及び数式2[L'=L/λ]により各々d'、L'へ無次元化した場合、d'がゼロのときの交信は不可能となり、d'=0.015近辺から急激にL'が増加し、d'=0.025近辺からL'の増加が鈍化し、更にd'=0.04近傍では完全に鈍化している。その後、徐々にd'=0.1あたりまで徐々にL'が増加する特性をもち、本実験結果によれば、d'を広げることによる最大交信距離を拡大させる効果はd'=0.025あたりまでが顕著にでていることが判る。このときL'は2.2であるが、余裕を見てL'≒2.0が好ましい。これらの具体的数値は、周波数2.45GHzの電磁波の波長、λ=122mmのとき、d=3mm、L=244mmとなる。このときのd'をda'と呼ぶことにすると、使用条件によってda'は概略0.025から0.04の範囲で選択することができる。この値「0.025から0.04」は、ピロー包装体とRFIDタグとの間隔を決めるための係数とも呼ぶことができる。
【0032】
ここでは、RFIDタグシステムで使用する周波数として2.45GHzの例をあげたが、本発明に適用できる周波数はこれに限られない。RFIDタグシステムが使用出来る周波数は、無線周波数全域に渡っており、目的とする製品形態や交信の条件、周辺環境等の要素を考慮して、使用する周波数を決定するが、いずれの周波数においても、本発明を適用することが可能である。
【0033】
上記実験結果によれば、周波数2.45GHzの電磁波を交信に用いる場合、最大通信距離L=244mmを得るためには、ピロー包装体とRFIDタグ0104との間隔dを少なくとも3mm確保する必要がある。このため本実施形態においては、ピロー包装体0501から所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグ0104を保持するために台形断面の空間を構成するセパレータ0209が設けられている(図1及び図2)。
【0034】
尚、前述した実験に用いた通信装置は、株式会社日立超LSIシステムズ製RFIDリーダ/ライタ装置MS6502RWEA(定格出力300mW)及び同装置専用4パッチアンテナ(円偏波、利得14dBi)を使用した。また、今回の実験における通信プロトコルは、ISO18000−4ドラフト版準拠を用い、転送レート40kbpsにて測定を行った。尚、通信装置とは、RFIDタグと電磁波を使用して任意の情報の無線通信を行うものであって、電磁波の送受信を介在するアンテナに接続され該アンテナを介して情報を識別して受信する信号受信回路と、前記信号受信回路で受信した情報を入力とし、任意の処理を実行した対応情報を生成する制御回路と、該制御回路により生成した対応情報を前記アンテナを介して電磁波として発する送信回路等から構成される。また、前記通信装置と、該通信装置と接続されたアンテナと、RFIDタグを収納したパッケージを複数搭載する架台(移動機構を含んでも良い)とから成り、前記パッケージのRFIDタグと情報の送受信を行うシステムは、通信システムと呼ばれる。
【0035】
<オフセット角度を設定する理由>
次にRFIDタグのアンテナをオフセット角度を設定して配置する理由を図26及び図27を参照して説明する。
まず、RFIDタグを収納したパッケージ0101は、前述した様に製造工程の通信システムを含むトレースシステム等において、図26に示す如く、矢印2504方向に高速に移動する(ベルトコンベア等で搬送された)状態でアンテナ2501と情報の送受信が行われる。このアンテナ2501は、信号線2502から給電を受けて動作する。錠剤のパッケージ等の数十ミリメーター程度のサイズの厚みを持つパッケージに適しているRFIDタグはマイクロ波(例えば周波数2.45GHz)領域を使用するRFIDタグであり、この周波数帯においては、アンテナから放射された電磁波の直進性が高いという特徴がある。その結果として、波長の数倍程度の交信距離では、交信可能領域がほぼアンテナの開口面の面積と同じになる特性があり、これは、図26においては、交信可能領域がアンテナ2501の面積と略同じとなる特性をもつことになる。
【0036】
このため図26に示す如く、ベルトコンベア2503に水平に搭載されたパッケージ0101を矢印2504と平行にアンテナ2501を設置した場合のアンテナがカバーする交信範囲は、図中の符号Dで示すアンテナ寸法と略同じとなる。この寸法Dは、使用される波長とアンテナの構造によって異なるが、2.45GHz帯域における単一のアンテナ素子の場合では約120mm、4個のアンテナ素子を集積した4パッチアンテナと呼ばれる構造のもので約220mmとなる。
【0037】
錠剤、カプセル剤等の医薬品を対象としたトレースシステムでは、パッケージ0101のRFIDタグとアンテナ2501の間において、製造年月日/時刻/工場コード/ラインコード/製品コード/製造番号等の情報を含むデータを交信する。これらの情報を表現するためには、データ圧縮等の工夫を行っても20バイト程度が必要となり、それらのデータの読み出し/書き込み/ベリファイを行うためには約750msの交信時間を確保しなくてはならない。ベルトコンベアの搬送速度を毎分20m(秒速333mm)とした場合、上記750msの間にパッケージは250mm進んでしまうことになり、この寸法Dの範囲に収まらない。このため、搬送速度を遅くするか、又は読み出し/書き込みを複数のユニットに分割し、例えば10バイトずつ行う等の対策が必要となるものであった。
【0038】
これに対して本実施形態によるRFIDタグシステム用の通信システムは、図27に示す如く、アンテナ2501の開口面をベルトコンベア2503によるパッケージ0101の移動方向に対して角度θだけオフセットさせた角度に設置する。このとき、図中Pの寸法を、最大交信可能距離以下に設定することで、Dをベルトコンベア上に投影したD'が交信可能範囲となり、交信可能領域が拡大される。交信可能領域が最大となるのは、Pを最大交信可能距離としたときである。
さらに、パッケージ0101内RFIDタグのアンテナの開口面の角度とアンテナ2501の開口面の角度が異なると、最大交信可能距離が短くなるので、それらを概略一致させる。
【0039】
本実施形態により拡大された交信領域D'、そのときのオフセット角度をθ'とし、
D'=SQRT(D*D+L*L) (SQRTは引数内の平方根を意味する)
θ'=ATAN(L/D) (ATANは引数の逆正接を意味する)
D=200mm、L=244mm
としたとき、θ'=51度、例えば約45〜55度の範囲が利用可能となる。このときD'は316mmとなり、必要とする交信エリアを余裕を持ってカバーすることができる。
【0040】
この様に本実施形態による通信システムは、通信システムのアンテナを、オフセット角度を付けて配置することによって、高速に搬送させるRFIDタグと情報の送受信を行うことができる。また、本発明は、移動する製品に設置したRFIDタグへの適用だけには留まらない。交信可能領域が拡大することから、交信可能領域内に並べることの出来るRFIDタグを装着したパッケージ数を増やせ、それにより、より多数のRFIDタグとの同時交信が可能となる。すなわち、前述の実施形態においては、移動するRFIDタグシステム(製品)を対象として情報の送受信を行う通信システムを例にとって説明したが、例えば架台上に複数のRFIDタグシステム(製品)を静止した状態で並べ、これら複数のRFIDタグシステムを対象として情報の送受信を行う通信システムに対しても適用することができる。
【0041】
本実施形態においては、図1及び図2に示す台形断面の空隙を構成するセパレータ0102によってRFIDタグとピロー包装体とを所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグを保持する構成を説明したが、本発明によるセパレータは前述の実施形態に限られるものではなく、他の形状であっても良く、この他の実施形態を以下説明する。
【0042】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態によるRFIDタグシステムは、図11及び図12に示す如く、RFIDタグとピロー包装体とを所定距離だけ間隔を保ってRFIDタグを保持する構成として、パッケージ0101内の端面に所定の厚みdaをもつ矩形(直方体形状)のセパレータ1101を設け、セパレータ1101側のパッケージ0101の内面側にRFIDタグ0104を貼り付けた例である。セパレータ1101は、発泡ウレタンの様な部材や、紙製の箱形のセパレータでも良い。このときRFIDタグ0104は、パッケージ0101に対して図12に示される位置に存在させ、RFIDタグ0104自体はパッケージの外に取り付けられても中に取り付けられても良い。
【0043】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態によるRFIDタグシステムは、図13及び図14に示す如く、RFIDタグとピロー包装体との間隔を確保するため、直方体形状のセパレータ1101の長手方向寸法(パッケージの厚さ方向寸法)をパッケージ0101の内寸法以下に設定し、セパレータ1101をパッケージ0101の端部に配置し、セパレータ1101とパッケージ0101との水平方向に生じる上側の間隙にRFIDタグ0104を挟持するように構成している。尚、本実施形態においては、図面中にて水平方向の平面をもつピロー包装体0901とRFIDダグ0104のアンテナ平面とが電磁波の進行方向上で重複しないようにRFIDタグ0104を配置したものである。この配置は、後述の図16/図18/図21に示す実施形態においても同様であり、その配置理由は後述する。
【0044】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態によるRFIDタグシステムは、図15に示す如く、中空形状の円筒形や楕円筒形のパイプ形状のセパレータ1501をパッケージ0101の端部に配置し、セパレータ1501とパッケージ0101との垂直方向に生じる右側の間隙にRFIDタグ0104を挟持するように構成している。前記セパレータ1501は、RFIDタグ0104とピロー包装体0901との間隔daを所定間隔に保ち、且つ中空状のセパレータ1501により弾性をもってRFIDタグ0104を挟持することができる。
【0045】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態によるRFIDタグシステムは、図16に示す如く、中空形状の円筒形や楕円筒形のパイプ形状のセパレータ1501をパッケージ0101の端部に配置し、セパレータ1501とパッケージ0101との水平方向に生じる上側の間隙にRFIDタグ0104を挟持するように構成している。前記セパレータ1501は、弾性をもってRFIDタグ0104を挟持することができる。
尚、本実施形態においては、図面中にてピロー包装体0901とRFIDダグ0104のアンテナ平面とが電磁波の進行方向上で重複しないようにRFIDタグ0104を配置したものであり、理由は後述する。また、セパレータ1501とRFIDタグ0104とは接着剤により接着しても良い。
【0046】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態によるRFIDタグシステムは、図17に示す如く、板状のセパレータ1701をパッケージ0101の端部とに間隔を開けて隔壁として取り付け、板状のセパレータ1701とパッケージ0101の端部間に空間を形成し、該空間内のパッケージ0101の垂直壁にRFIDタグ0104を保持するように構成している。前記セパレータ1701は、RFIDタグ0104とピロー包装体0901との間隔daを所定間隔に保ち、接着剤により接着される。即ち本実施形態によるRFIDタグシステムは、板状のセパレータが、パッケージの直方体の対面する上下の2面を連結することにより、パッケージ内を区分する内部空間を形成し、一方の内部空間に金属材料を含むピロー包装体0901を収納し、他方の内部空間の垂直壁にRFIDタグ0104を保持するものである。
【0047】
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態によるRFIDタグシステムは、図18に示す如く、板状のセパレータ1701をパッケージ0101の端部とに間隔を開けて隔壁として取り付け、板状のセパレータ1701とパッケージ0101の端部間に空間を形成し、該空間内のパッケージ0101内の上側水平壁にRFIDタグ0104を保持するように構成している。前記セパレータ1701は、接着剤により接着される。即ち本実施形態によるRFIDタグシステムは、板状のセパレータ1701が、パッケージ0101の直方体の対面する上下の2面を連結することにより、パッケージ内を区分する内部空間を形成し、一方の内部空間に金属材料を含むピロー包装体0901を収納し、他方の内部空間の上側水平壁にRFIDタグ0104を保持するものである。
尚、本実施形態においても、図面中にてピロー包装体0901とRFIDダグ0104のアンテナ平面とが電磁波の進行方向上で重複しないようにRFIDタグ0104を配置したものであり、理由は後述する。
【0048】
<第8の実施形態>
一般にPTP包装体は、図3に示す如く、シート部0301の端部まで凸部0302が形成されることはない。このため、図6に示す如く、PTP包装体を2段に重ねて包んだピロー包装体では、図中の上段(上半部)は端部において下段(下半部)と比較してやや押しつぶせる状態になっている。
このことを利用し、本発明の第8の実施形態によるRFIDタグシステムは、図17で示した垂直型の隔壁ではなく、図19に断面を示す様な傾斜した板状のセパレータ1901により構成し、図20に示す如く、RFIDタグ0104をパッケージ0101の垂直な壁に対して取り付けたものである。
【0049】
このRFIDタグシステムは、傾斜した板状のセパレータ1901を設け、ピロー包装体の押しつぶせる上半部を大きく押し、その上半部に合わせた位置へRFIDタグ0104を上にシフトさせて貼り付けることにより、ピロー包装体0901とRFIDタグ0104との距離daを確保した。この構成では、下半部では距離daを確保する必要がないため、図17の如く全面で距離daを確保する構成と比較してパッケージ0101の寸法を小さくできる。
また、図6の如くPTP包装体を2段に重ねた場合だけでなく、例えば、5段、6段と重ねた場合であっても、最上部のピロー包装体が押しつぶせる状態であれば良く、その場合は、図24に示す如く、押しつぶせる部分にのみ傾斜したセパレータ1901を設け、それを接着部2301及び接着部2302で保持する構成にすれば良い。
【0050】
<第9の実施形態>
本発明の第9の実施形態によるRFIDタグシステムは、図21及び図22に示す如く、実施形態8同様に傾斜した板状のセパレータ1901を設け、セパレータ1901とパッケージ0101の端面に生じる三角形状の空間のパッケージ上面側に水平にRFIDタグ0104を貼り付けても良い。本実施形態においても実施形態8同様にパッケージ0101寸法を更に小さくすることができる。
【0051】
さて、前記図13、図16、図18、図21に示した実施形態は、図面の上方から電磁波がパッケージに向かって発せられ、電磁波の進行方向上にRFIDタグ平面(アンテナ平面)と金属性包装体とが略平行に重なって配置しない例を示したものであり、この配置理由を説明する。
発明者らによって行った実験によると、リーダ/ライタ(通信装置)から発せられる電磁波の進行方向上にRFIDタグ平面(アンテナ平面)と金属性包装体(ピロー包装体)とを重複する位置に配置した場合と重複しない位置に配置した場合とでは、RFIDタグが受ける影響が異なることが判明している。
【0052】
この配置の違いによる影響を具体的に説明すると、図30に示す如く、平面をもつピロー包装体0501とRFIDダグ3011平面とが電磁波の進行方向3001上で略平行に重複する位置に配置したRFIDタグ3011は、RFIDタグ3011とピロー包装体0501との間隔がda(前記「間隔を保ってRFIDタグを保持する理由」の項参照)を確保できない条件下では、RFIDタグ3011の交信性能が著しく低下し、他方、平面をもつピロー包装体0501とRFIDダグ3011平面とが電磁波の進行方向3001上で略平行に重複しない位置に配置したRFIDタグ3012は、RFIDタグ3012とピロー包装体0501との間隔がda以下であっても、RFIDタグの交信性能は低下しないことが判明している。
【0053】
これは、図31に示す如く、垂直下方向に進行する電磁波3101によって生ずる金属材料(ピロー包装体を構成する金属材料)の影響3111が垂直上方向のみに、また、水平左方向に進行する電磁波3102によって生ずる金属材料の影響3112は水平右方向のみに及ぶためであると考えられる。
このような理由により、前述の図13、図16、図18、図21に示した実施形態は、セパレータを用い、電磁波の進行方向上にRFIDタグ平面と金属材料とを重複しない位置に配置し、金属材料からの影響を受けずにRFIDタグを製品に適用した例を示したものである。
【0054】
<第10の実施形態>
傾斜型のセパレータ2309は、図23に示す如く、パッケージ0101と接着剤により接着するための接着部2301及び2302と、パッケージ0101の端部の接着部2301から延長した部分で構成し、その先端部に接着部2302を設けることもできる。この接着部2302は、接着剤により接着していない場合であっても、PTP包装体から受ける圧力のためにパッケージへ押しつけられ、結果として傾斜を維持することができる。
【0055】
パッケージ0101の展開図を図25に示す。図23に示される接着部2301は、図25の展開図上では接着部2401であり、そこから展開された傾斜セパレータ部2402と展開されたセパレータ用接着部2403が延長されている。
【0056】
<第11の実施形態>
更に傾斜型のセパレータ2409は、図24に示す如く、パッケージ0101の端部の接着部2301から延長した部分をパッケージの壁面(側面)に接する様に折曲し、その先端部の接着部2302をパッケージの壁面(側面)の途中に接着する。このため本実施形態によるセパレータ2409は、接着剤により接着するための接着部2301及び2302と、傾斜したホルダー1901とから構成され、前記接着部2302が、接着剤により接着していない場合であっても、実施形態第10同様にPTP包装体から受ける圧力のためにパッケージ壁面へ押しつけられ、結果として傾斜を維持することができる。
【0057】
<第12の実施形態>
本発明によるRFIDタグシステムは、前述した様に最大交信可能距離を確保するためにはRFIDタグのアンテナを、通信装置側のアンテナの角度と概略一致する様にオフセット角度(角度θ)を付けて配置することが好ましい。このため第12の実施形態によるRFIDタグシステムは、図28に示す如く、パッケージ2701の外形状として、概略直方体であるパッケージ2701の一つの角を角度θで切り落とした五角柱の外形にし、新たに形成された傾斜した面2702上にRFIDタグ0104を設置させることが望ましい。
【0058】
<パッケージの説明>
本発明の第1の実施形態によるパッケージの展開図は、図29に示す如く、通常のパッケージの展開図における接着部(のりしろ)0105を延長して、セパレータ0102/セパレータ用接着部0106/ホルダー0103/ホルダー部用接着部0107を設けて構成される。本実施形態によるRFIDタグシステムは、図23や図24の場合と同様に、ピロー包装体からの圧力を受けるため、セパレータ用接着部0106の接着剤による接着を省略することもできる(セパレータ用接着部0106の面自体は省略できない)と共に、セパレータ用接着部0106からホルダー0103への折曲部分のスプリングバック力を調節し、ホルダー部用接着部0107の接着剤による接着を省略(ホルダー部用接着部0107の面自体の省略も可能)することもできる。
【0059】
この様に本発明によるRFIDタグシステムは、金属性包装体を含む梱包体を収納するパッケージに対しても、安定な交信が可能となるRFIDタグシステムを提供することができ、更に交信領域を拡大して、高速に移動するRFIDタグとの交信が可能となる。
【0060】
また前記実施形態においては、例えば図1に示したパッケージ0101の長手方向の辺に沿ってRFIDタグ0104を配置した例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ピロー包装体とRFIDタグとの間隔をda以上に設定するか、或いはRFIDタグを電磁波の進行方向上においてRFIDタグのアンテナとピロー包装体とが重複しない位置に保持するセパレータを使用することにより、RFIDタグをパッケージの他の面に配置することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
前述の実施形態においては医薬品である錠剤、カプセル剤等を梱包するパッケージを例にとって説明したが、本発明によるRFIDタグシステムは医薬品用に限られるものではなく、PTP包装体とピロー包装体とを組み合わせた他のパッケージ、例えば菓子類等の食品にも広く適用することができる。また、PTP包装体に限らず、金属性包装体により梱包され、さらに非金属性包装体の外箱に格納されたパッケージ製品全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
0101……医薬品のパッケージ、0104……RFIDタグ、0102……セパレータ、0103……ホルダー、0105……平面を箱に閉じるための接着部、0106……セパレータとホルダーとの間隔を保持する接着部、0107……ホルダーのオフセット角度を保持する接着部、0301……樹脂シート、0402……アルミ箔、0401……錠剤、0501……ピロー包装体、0601……PTP包装体、0701……ポリイミド樹脂フィルム等の基材、0702……RFIDチップ、0703……アンテナ、0901……ピロー包装体、0902……パッケージとピロー包装体間の空間、1101……セパレータ、1501……セパレータ、1701……セパレータ、1901……セパレータ、2301……接着部、2302……傾斜を保持するためのセパレータ用接着部、2501……アンテナ、2502……信号線、2504……ベルトコンベア等の搬送手段の進行方向、2701……パッケージ、 2702……パッケージの面、3001……電磁波の進行方向を表す矢印、3011……金属材料の影響を受けるRFIDタグ、3012……金属材料の影響を受けないRFIDタグ、3101……図中の垂直方向に進行する電磁波の方向を示す矢印、3102……図中の水平方向に進行する電磁波の方向を示す矢印、3111……3101によって生じる金属材料による影響の方向を示す矢印、3112……3102によって生じる金属材料による影響の方向を示す矢印。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、
前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、
前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記角度θが、45〜55度であることを特徴とする請求項2又は3記載の通信システム。
【請求項4】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、
前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、
前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記角度θが、45〜55度であることを特徴とする請求項4又は5記載の通信システム。
【請求項1】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、
前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、
前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記角度θが、45〜55度であることを特徴とする請求項2又は3記載の通信システム。
【請求項4】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含むRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを移動させる移動機構とを備える通信システムであって、
前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの移動方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
電磁波を使用して情報の送受信を行う通信装置と、該通信装置に接続されたアンテナと、平面上に並んで配置され、前記通信装置と前記電磁波を使用して情報の送受信を行うRFIDタグを含む複数のRFIDタグシステムと、該RFIDタグシステムを搭載する搭載機構とを備える通信システムであって、
前記RFIDタグシステムのRFIDタグが前記RFIDタグシステムの配置方向に対して所定のオフセット角度(角度θ)をもって保持されると共に、前記通信装置に接続されたアンテナの開口面が前記RFIDタグシステムのRFIDタグの前記オフセット角度(角度θ)と略同一の角度に保持されることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記角度θが、45〜55度であることを特徴とする請求項4又は5記載の通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2011−187075(P2011−187075A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105920(P2011−105920)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【分割の表示】特願2006−82161(P2006−82161)の分割
【原出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【分割の表示】特願2006−82161(P2006−82161)の分割
【原出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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