説明

RFIDタグ位置検出システム

【課題】アンテナ調整設計が簡略化でき且つRFICの使用数の削減が可能な極めて実用性に秀れたRFIDタグ位置検出システムの提供。
【解決手段】送受信アンテナ部1をX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して所定領域内のRFIDタグ2から応答信号を送信させる質問信号の送信若しくは前記応答信号の受信を行うRFICを含むX方向信号処理部3を前記送受信アンテナ部1の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して前記応答信号の受信若しくは前記質問信号の送信を行うRFICを含むY方向信号処理部4を前記送受信アンテナ部1の各X方向列に対応して夫々設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグ位置検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、物品にRFID(Radio Frequency IDentification)タグを取り付け、このRFIDタグの位置を、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)からなる送受信回路を含むリーダライタ制御部によって制御される複数のアンテナを用いて検出することで物品の位置検出を行う位置検出システムが提案されている。
【0003】
ところで、アンテナの制御は、全てのアンテナを1つのリーダライタ制御部に接続して該リーダライタ制御部に内蔵されたスイッチング機能によりアンテナとの接続を切り替えて使用したり(図1)、各アンテナ毎にリーダライタ制御部を設置したりして行っている。図1中、符号21はアンテナ、22はRFIDタグ、23はリーダライタ制御部、24はCPUである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−121014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的には、RFIDタグの位置検出は、アンテナからの質問信号を一定の送信電波強度としてRFIDタグからアンテナに届く応答信号の強さや、送信電波強度と送信可能距離の関係をもとに行っており、アンテナ個々の配置とRFIC(送受信回路)との関係が夫々異なるため、その経路に合わせてアンテナ特性を調整しなければならず、アンテナの個数が増えると1:nの調整が必要となり、それだけ設計工数が増加し厄介である。
【0006】
また、各アンテナ毎にリーダライタ制御部を設置する場合、各アンテナ毎に高価なRFICが必要となり、それだけコスト高となる。
【0007】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、アンテナ調整設計が簡略化でき且つRFICの使用数の削減が可能な極めて実用性に秀れたRFIDタグ位置検出システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
送受信アンテナ部1をX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して所定領域内のRFIDタグ2から応答信号を送信させる質問信号の送信若しくは前記応答信号の受信を行うRFICを含むX方向信号処理部3を前記送受信アンテナ部1の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して前記応答信号の受信若しくは前記質問信号の送信を行うRFICを含むY方向信号処理部4を前記送受信アンテナ部1の各X方向列に対応して夫々設け、前記X方向信号処理部3によりY方向列毎に送信若しくは受信を行わせると共に、Y方向信号処理部4によりX方向列毎に受信若しくは送信を行わせ、前記X方向信号処理部3若しくは前記Y方向信号処理部4で前記送受信アンテナ部1を介して前記応答信号を受信した際、前記質問信号を送信若しくは前記応答信号を受信した前記X方向信号処理部3と前記応答信号を受信若しくは前記質問信号を送信した前記Y方向信号処理部4とを特定してRFIDタグ2の位置を検出するRFIDタグ位置検出部を備えたことを特徴とするRFIDタグ位置検出システムに係るものである。
【0010】
また、前記各X方向信号処理部3に一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部単位で順次前記質問信号の送信を行わせ、前記Y方向信号処理部4で前記送受信アンテナ部1を介して前記応答信号を受信した際、前記質問信号を送信した前記X方向信号処理部3及び前記応答信号を受信した前記Y方向信号処理部4を特定してRFIDタグ2の位置を検出するように前記RFIDタグ位置検出部を構成したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ位置検出システムに係るものである。
【0011】
また、前記X方向信号処理部3は前記質問信号の送信のみを行うように構成し、前記Y方向信号処理部4は前記応答信号の受信のみを行うように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のRFIDタグ位置検出システムに係るものである。
【0012】
また、前記X方向信号処理部3及び前記Y方向信号処理部4は、前記質問信号の送信及び前記応答信号の受信を行うように構成したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ位置検出システムに係るものである。
【0013】
また、送受信アンテナ部1をX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記アンテナ部を介して高周波信号を出力させて所定領域内のRFIDタグ2に電力を供給するRFICを含むX方向信号処理部3を前記送受信アンテナ部1の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して所定領域内のRFIDタグ2に応答信号を送信させる質問信号の変調及び前記応答信号の復調を行うRFICを含むY方向信号処理部4を前記送受信アンテナ部1の各X方向列に対応して夫々設け、前記各X方向信号処理部3に一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部単位で順次前記高周波信号の出力を行わせ、前記Y方向信号処理部4で前記送受信アンテナ部1を介して前記質問信号に対する前記応答信号を復調した際、前記高周波信号の出力を行わせて電力を供給した前記X方向信号処理部3及び前記応答信号を復調した前記Y方向信号処理部4を特定してRFIDタグ2の位置を検出するRFIDタグ位置検出部を備えたことを特徴とするRFIDタグ位置検出システムに係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のようにするから、アンテナ調整設計が簡略化でき且つRFICの使用数の削減が可能な極めて実用性に秀れたRFIDタグ位置検出システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来例の概略説明図である。
【図2】本実施例の概略説明図である。
【図3】別例1の概略説明図である。
【図4】別例2の概略説明図である。
【図5】RFICの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
送受信アンテナ部1を介して質問信号を送信し、この質問信号に対する応答信号を受信し、送受信アンテナ部1を介して送受信を行ったX方向信号処理部3及びY方向信号処理部4を特定することで、特定されたX方向信号処理部3のY方向延長線及びY方向信号処理部4のX方向延長線の交差部に位置する送受信アンテナ部1近傍にRFIDタグ2が存在することを検出する。
【0018】
この際、マトリックス状に設けた送受信アンテナ部1を、この送受信アンテナ部1のY方向列及びX方向列に夫々対応して設けたX方向信号処理部3及びY方向信号処理部4により各X方向列及び各Y方向列毎に制御するため、各信号処理部毎に送受信アンテナ部1とRFICとの関係をパターン化でき(各信号処理部と対応する各送受信アンテナ部1とは一直線状となり関係は極めて簡単なパターンとなる)、それだけアンテナの設計調整が容易となり、また、各送受信アンテナ部1にRFICを設ける場合に比し、RFICの使用数を削減でき、それだけコスト安となる(XY方向の並設数が増えるほど顕著となる)。
【0019】
また、X方向信号処理部3とY方向信号処理部4のいずれか一方に送受信アンテナ部1から質問信号を送信させるための機能(変調機能)だけを持たせ、他方に送受信アンテナから応答信号を受信するための機能(復調機能)だけを持たせても、順次各X方向信号処理部3と各Y方向信号処理部4により交差部にRFIDタグ2があるか否かを調べることで、RFIDタグ2の位置検出が可能であるから、それだけコストダウンを図ることが可能となる。
【0020】
例えば、X方向信号処理部3により、一のX座標上でY方向に並設される全ての送受信アンテナ部単位で順次質問信号の送信を行わせ、Y方向信号処理部4で送受信アンテナ部1を介して応答信号を受信した際、質問信号の送信を行わせたX方向信号処理部3及び応答信号を受信したY方向信号処理部4を特定してRFIDタグ2の位置を検出するように構成した場合には、X方向信号処理部3に変調機能だけを持たせ、Y方向信号処理部4に復調機能だけを持たせても効率的にRFIDタグ2の位置検出が可能となり、また、細かいアンテナ特性の調整が不要となり、一層コスト安となる。
【0021】
従って、本発明は、例えば多数の鍵を縦横に並設状態に収納する壁掛け用のキーボックスの、鍵を掛ける壁面に各鍵の収納位置に対応するように多数の送受信アンテナ部1をマトリックス状に設け、各鍵にRFIDタグ2を取り付け、RFIDタグ位置検出部を外部コンピュータと接続し、この外部コンピュータにおいてRFIDタグ位置検出結果を表示できるようにすることで、各鍵の収納状況を目視によらずとも遠隔地から把握可能となるなど、極めて実用性に秀れたRFIDタグ位置検出システムとなる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、13.56MHz帯の誘導式RFIDリーダライタシステムであって、送受信アンテナ部1をXY平面上にX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して所定領域内のRFIDタグ2から応答信号を送信させる質問信号の送信を行うRFICを含むX方向信号処理部3を前記送受信アンテナ部1の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して所定領域内のRFIDタグ2からの前記応答信号の受信を行うRFICを含むY方向信号処理部4を前記送受信アンテナ部1の各X方向列に対応して夫々設け、前記各X方向信号処理部3に一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部単位で順次前記質問信号の送信を行わせ、前記Y方向信号処理部4で前記送受信アンテナ部1を介して前記応答信号を受信した際、前記質問信号を送信した前記X方向信号処理部3及び前記応答信号を受信した前記Y方向信号処理部4を特定してRFIDタグ2の位置を検出するRFIDタグ位置検出部を備えたものである。
【0024】
送受信アンテナ部1は、X方向信号処理部3及びY方向信号処理部4の交差部(X方向信号処理部3からのY方向延長線とY方向信号処理部4からのX方向延長線との交差部)に夫々設けられる。具体的には、その両端部が夫々X方向信号処理部3(のRFIC)に接続される線材にして前記交差部位置にループ(ループアンテナ)を設けて形成される。尚、送受信アンテナ部1はY方向信号処理部4とは接続されていないが、(図中想像線内で)高周波結合により送受信が可能である。また、送受信アンテナ部1は、本実施例のように一若しくは複数のアンテナの一部にループを設けて構成しても良いし、夫々別体のアンテナから構成しても良い。また、送受信アンテナ部1はX方向信号処理部3及びY方向信号処理部4の双方と高周波結合により送受信するように設定することで、X方向信号処理部3及びY方向信号処理部4の双方と接続しない構成とすることもできる。
【0025】
X方向信号処理部3及びY方向信号処理部4は夫々、制御部5(CPUなどからなる)に接続されるRFICで構成される。具体的には、RFICは一般には図5に図示したように、CPUに接続されるホストインターフェース部を有し、このホストインターフェース部にフレーミング処理部を介して夫々変調部及び復調部が接続されるものである。変調部は変調器と発振器と増幅器とで構成され、復調部は復調器と整流器とで構成される。
【0026】
本実施例においては、X方向信号処理部3は質問信号の送信のみを行うように構成し、Y方向信号処理部4は応答信号の受信のみを行うように構成しているため、X方向信号処理部3は変調処理機能(Tx)のみを有するように図5における復調器と整流器とがない構成(変調部のみ有する構成)としている。また、Y方向信号処理部4は復調処理機能(Rx)のみを有するように図5における変調器と発振器と増幅器とがない構成(復調部のみ有する構成)としている。
【0027】
RFIDタグ位置検出部は、上記制御部5により構成される。制御部5は、X方向信号処理部3への送信制御とY方向信号処理部4からの受信制御とを行う。具体的には制御部5は、夫々のX方向信号処理部3への送信制御を時分割制御にて行い、夫々のX方向信号処理部3により質問信号が送信された直後に全てのY方向信号処理部4において受信開始制御を行う。この際、Y方向信号処理部4において応答信号を受信した時にのみ当該Y方向信号処理部4から制御部5に応答を受信した旨を伝える応答受信信号が送信され、この応答受信信号を受信した制御部5はY方向信号処理部4における受信内容(RFIDの固有の識別ID)を受け取る。制御部5は、送信制御設定により質問信号を送信したX方向信号処理部3とその時にRFIDタグ2からの応答信号を受信したY方向信号処理部4とを特定できるため、その交点に当該RFIDタグ2の存在を確認できる。尚、複数のY方向信号処理部4から応答受信信号の送信があった場合は、制御部5は夫々のY方向信号処理部4における受信内容を受け取り、各RFIDタグ2を識別する。
【0028】
従って、例えば図2に図示したように、送受信アンテナ部1を、X方向並設数を2、Y方向並設数を3として計6つマトリックス状にならべ、その長方形状の外縁に沿うようにX方向信号処理部3を送受信アンテナ部1のX方向並設数と同数の2つ、Y方向信号処理部4をY方向並設数と同数の3つ、夫々X方向及びY方向に並設した構成の場合、例えばX方向信号処理部3においてはB→Aの順に同一X座標上のY方向に並設される全ての送受信アンテナ部1から所定領域内に質問信号を送信していくと共に、Y方向信号処理部4においてはC〜E全てにおいて各X方向列毎に受信可能な状態とすると、Bにおいて質問信号を送信した後、続いてAにおいて質問信号を送信する。ここで、DにおいてRFIDタグ2(Tag)からの応答信号を受信すると、制御部5において、現在送信していたX方向信号処理部3がAであり、応答信号を受信したY方向信号処理部4がDであることが特定され、このAとDの交差部にはRFIDタグ2(を設けた物品)が存在することを検出できることになる。この検出結果は適宜な表示部に表示するようにしても良いし外部コンピュータ等に送信しても良い。また、各交差部には適宜番地を付けて番地ごとに結果を記録する構成としても良い。
【0029】
本実施例においては上述のようにしているが、図3に図示した別例1のように、X方向信号処理部3及びY方向信号処理部4は、質問信号の送信及び応答信号の受信を行うように構成しても良い。この場合、X方向信号処理部3から上記時分割処理により順次質問信号を送信させY方向信号処理部4で応答信号を受信し、更に、Y方向信号処理部4から同様に時分割処理により順次質問信号を送信させX方向信号処理部3で応答信号を受信することが可能となり、RFIDタグ2の検出を一層確実に行えることになる。また、X方向信号処理部3で送受信制御してRFIDタグを検出し、Y方向信号処理部4で送受信制御してRFIDタグを再度検出することにより、RFIDタグの位置を検出することもできる。
【0030】
また、この際、制御部5は、検出結果を記録する記録手段と、X方向信号処理部3及びY方向信号処理部4からの質問信号の送信強度及び信号送信間隔を制御する信号処理部制御手段と、X方向信号処理部3及びY方向信号処理部4において応答信号を受信した際に、当該受信した信号処理部を特定すると共にいずれの信号処理部からの質問信号かを判別してRFIDタグ位置を特定する位置特定手段とを備えている。
【0031】
また、図4に図示した別例2のように、送受信アンテナ部1をX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記アンテナ部を介して高周波信号を出力させて所定領域内のRFIDタグ2に電力を供給するRFICを含むX方向信号処理部3を前記送受信アンテナ部1の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部1を介して所定領域内のRFIDタグ2に前記応答信号を送信させる質問信号の変調及び前記応答信号の復調を行うRFICを含むY方向信号処理部4を前記送受信アンテナ部1の各X方向列に対応して夫々設け、前記各X方向信号処理部3に一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部単位で順次前記高周波信号の出力を行わせ、前記Y方向信号処理部4で前記送受信アンテナ部1を介して前記質問信号に対する前記応答信号を復調した際、前記高周波信号の出力を行わせて電力を供給した前記X方向信号処理部3及び前記応答信号を復調した前記Y方向信号処理部4を特定してRFIDタグ2の位置を検出するRFIDタグ位置検出部を備えた構成としても良い。尚、本実施例においては、上記変調はRFIDタグ2に電力を供給することなく、前記X方向信号処理部3が出力している高周波信号の振幅を前記Y方向信号処理部4のアンテナ負荷をオン/オフすることで負荷変調し、RFIDタグに質問信号を送信する意味であり、具体的に本実施例において変調+電力の供給を意味する送信とは、電力供給用の高周波信号を送信しない点で異なる。
【0032】
この場合には、Y方向信号処理部4にのみ変復調機能(TxRx)を持たせれば良く、X方向信号処理部3には単に電力供給用の高周波信号送信機能(Pow)を持たせれば良く、図5における復調器及び整流器と変調器、発振器及び増幅器とは不要となり、それだけコスト安となる。
【0033】
また、この際、制御部5は、検出結果を記録する記録手段と、X方向信号処理部3からの高周波信号出力時間(一のX方向信号処理部3における出力時間)を制御するX方向信号処理部制御手段と、Y方向信号処理部4において応答信号を復調した際に、当該復調したY方向信号処理部4を特定すると共にいずれのX方向信号処理部3から高周波信号が出力されているかを判別してRFIDタグ位置を特定する位置特定手段とを備えている。尚、Y方向信号処理部4においてはX方向信号処理部3から順次出力を始めてから変復調可能状態とするように設定される。X方向信号処理部制御手段において、一のX方向信号処理部3における出力を設定することで、どのX方向信号処理部3から高周波信号を出力していたかを特定することができる。また、Y方向信号処理部4はどのY方向信号処理部4からの質問信号の変調に対して、応答信号を復調(受信)したかを知ることで特定することができる。
【0034】
尚、本実施例は、受信した信号から電力が供給される所謂パッシブRFIDに対して用いる13.56MHz帯の誘導式RFIDリーダライタシステムに本発明を適用した例であるが、例えば電力供給用のバッテリーを有する所謂セミパッシブRFIDとの間で無線通信を行う2.4GHz帯の電波式RFIDリーダライタシステムに適用するなど、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0035】
1 送受信アンテナ部
2 RFIDタグ
3 X方向信号処理部
4 Y方向信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信アンテナ部をX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部を介して、所定領域内のRFIDタグから応答信号を送信させる質問信号の送信若しくは前記応答信号の受信を行うRFICを含むX方向信号処理部を前記送受信アンテナ部の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部を介して、前記応答信号の受信若しくは前記質問信号の送信を行うRFICを含むY方向信号処理部を前記送受信アンテナ部の各X方向列に対応して夫々設け、前記X方向信号処理部によりY方向列毎に送信若しくは受信を行わせると共に、Y方向信号処理部によりX方向列毎に受信若しくは送信を行わせ、前記X方向信号処理部若しくは前記Y方向信号処理部で前記送受信アンテナ部を介して前記応答信号を受信した際、前記質問信号を送信若しくは前記応答信号を受信した前記X方向信号処理部と前記応答信号を受信若しくは前記質問信号を送信した前記Y方向信号処理部とを特定してRFIDタグの位置を検出するRFIDタグ位置検出部を備えたことを特徴とするRFIDタグ位置検出システム。
【請求項2】
前記各X方向信号処理部に一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部単位で順次前記質問信号の送信を行わせ、前記Y方向信号処理部で前記送受信アンテナ部を介して前記応答信号を受信した際、前記質問信号を送信した前記X方向信号処理部及び前記応答信号を受信した前記Y方向信号処理部を特定してRFIDタグの位置を検出するように前記RFIDタグ位置検出部を構成したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ位置検出システム。
【請求項3】
前記X方向信号処理部は前記質問信号の送信のみを行うように構成し、前記Y方向信号処理部は前記応答信号の受信のみを行うように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のRFIDタグ位置検出システム。
【請求項4】
前記X方向信号処理部及び前記Y方向信号処理部は、前記質問信号の送信及び前記応答信号の受信を行うように構成したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ位置検出システム。
【請求項5】
送受信アンテナ部をX座標軸及びY座標軸に沿ってマトリックス状に設け、一のX座標上でY方向に並設される全ての前記アンテナ部を介して、高周波信号を出力させて所定領域内のRFIDタグに電力を供給するRFICを含むX方向信号処理部を前記送受信アンテナ部の各Y方向列に対応して夫々設け、一のY座標上でX方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部を介して、所定領域内のRFIDタグに応答信号を送信させる質問信号の変調及び前記応答信号の復調を行うRFICを含むY方向信号処理部を前記送受信アンテナ部の各X方向列に対応して夫々設け、前記各X方向信号処理部に一のX座標上でY方向に並設される全ての前記送受信アンテナ部単位で順次前記高周波信号の出力を行わせ、前記Y方向信号処理部で前記送受信アンテナ部を介して前記質問信号に対する前記応答信号を復調した際、前記高周波信号の出力を行わせて電力を供給した前記X方向信号処理部及び前記応答信号を復調した前記Y方向信号処理部を特定してRFIDタグの位置を検出するRFIDタグ位置検出部を備えたことを特徴とするRFIDタグ位置検出システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−266227(P2010−266227A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115554(P2009−115554)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(509132657)株式会社 パインテック (2)
【出願人】(509132668)KYBトロンデュール 株式会社 (2)
【Fターム(参考)】