説明

RFID用アンテナ装置およびRFIDタグ発行装置

【課題】RFID用アンテナ装置およびRFIDタグ発行装置に関し、リーダライタからの信号を供給する同軸ケーブルの配線レイアウトの都合により、同軸ケーブルの外部導体と金属とが接触した場合であっても、アンテナ利得の低下を抑えることを目的とする。
【解決手段】RFID用アンテナ装置7は、長方形状の基板14の一方面に放射導体となるアンテナ素子15、他方面に接地導体となるグランド部17を形成し、基板14の長手方向の端部に給電部16を設けたものであって、グランド部17の長手方向の寸法Lの1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリット18を形成した。このような構造により、グランド部17に設けたスリット18によりグランド部17に接続される同軸ケーブル19の外部導体19cに発生する漏れ電流をキャンセルする電流を生成して漏れ電流を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID用アンテナ装置およびRFIDタグ発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流、物品などの管理を効率化するために、RFID(Radio Frequency IDentification)タグが利用されている。例えば、RFIDタグ付きラベルを商品に貼付し、このRFIDタグ付きラベルのタグ情報を使って商品を管理し、配送先別に仕分けするなどしていた。このような中で、RFIDタグ付きラベルを量産するためのRFIDタグ発行装置が提案されている。
【0003】
従来のRFIDタグ発行装置では、搬送帯に複数のRFIDタグが所定間隔で配置されているものをロール状に巻き取って用意しておき、この搬送帯上のRFIDタグを搬送部により所定の位置にあるRFID用アンテナ装置まで搬送していた。そして、リーダライタによりRFID用アンテナ装置を介してRFIDタグの読み出しまたは書き込みの動作を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−338179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFIDタグ発行装置では、小型化の要望が強いため装置内のスペースも限られていた。そこで、RFID用アンテナ装置として、小型で厚みを薄くすることができるマイクロストリップアンテナを使用することが考えられる。このマイクロストリップアンテナは、放射導体であるアンテナ素子と接地導体であるグランド部とを基板を介して対向配置し、アンテナ素子を同軸ケーブルを介してリーダライタに電気的に接続している。
【0005】
しかしながら、十分に大きいグランド部を設けることができない場合、同軸ケーブルの外部導体にグランド部を接続すると外部導体に漏れ電流が流れる。この漏れ電流により、外部導体と金属との間で電磁界が発生し、外部導体と金属とが接触した場合には、アンテナ利得が劣化するという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、リーダライタからの信号を供給する同軸ケーブルの配線レイアウトの都合により、同軸ケーブルの外部導体と金属とが接触した場合であっても、アンテナ利得の劣化を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明のRFID用アンテナ装置は、長方形状の基板の一方面に放射導体となるアンテナ素子、他方面に接地導体となるグランド部を形成し、基板の長手方向の端部に給電部を設けたものであって、グランド部の長手方向の寸法の1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリットを形成したことを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【0008】
また、本発明のRFIDタグ発行装置は、上記したRFID用アンテナ装置と、複数のRFIDタグを所定の間隔ごとに配置した搬送帯と、搬送帯の搬送によりRFIDタグを所定の位置まで搬送する搬送部と、搬送帯からRFIDタグを分離する分離部と、RFID用アンテナ装置を介して所定の位置に移動されたRFIDタグの読み取り動作または書き込み動作を行うリーダライタとを備えたことを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明のRFID用アンテナ装置は、長方形状の基板の一方面に放射導体となるアンテナ素子、他方面に接地導体となるグランド部を形成し、基板の長手方向の端部に給電部を設けたものであって、グランド部の長手方向の寸法の1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリットを形成したので、グランド部に設けたスリットによりグランド部に接続される同軸ケーブルの外部導体に発生する漏れ電流をキャンセルする電流を生成して漏れ電流を抑え、外部導体と金属の間で発生する電磁界も低減させることができる。これにより、例えば、リーダライタなどからRFID用アンテナ装置に信号を供給する同軸ケーブルが接続されたときに、同軸ケーブルの配線レイアウトの都合により、同軸ケーブルの外部導体と金属とが接触した場合であってもアンテナ利得の劣化を抑えることができる。
【0010】
また、本発明のRFIDタグ発行装置は、上記したRFID用アンテナ装置と、複数のRFIDタグを所定の間隔ごとに配置した搬送帯と、搬送帯の搬送によりRFIDタグを所定の位置まで搬送する搬送部と、搬送帯からRFIDタグを分離する分離部と、RFID用アンテナ装置を介して所定の位置に移動されたRFIDタグの読み取り動作または書き込み動作を行うリーダライタとを備えたので、リーダライタからRFID用アンテナ装置に信号を供給する同軸ケーブルの配線レイアウトの都合により、同軸ケーブルの外部導体と金属とが接触した場合であってもアンテナ利得の劣化を抑えることができる。これにより、リーダライタは、同軸ケーブルの引き回しに影響されることなく、RFID用アンテナ装置を介してRFIDタグの読み書きを安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態)
まず、図1〜図4を参照しながら、本発明の実施の形態におけるRFIDタグ発行装置について説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態におけるRFIDタグ発行装置1の正面断面図、図2は同RFIDタグ発行装置1で使用される搬送帯3の正面図、図3は本発明の実施の形態におけるRFID用アンテナ装置7の構造を示すものであり、図3(a)はRFID用アンテナ装置7の上面図、図3(b)は同RFID用アンテナ装置7の下面図、図3(c)は同RFID用アンテナ装置7の正面図、図4は同RFID用アンテナ装置7における漏れ電流を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように、RFIDタグ発行装置1は、本体ケース2内にリール13が回転自在に設けられている。このリール13には搬送帯3が巻きつけられており、この搬送帯3の先端はテンションローラ部9を介し、搬送部としてのプラテンローラ8により本体ケース2の側面側に設けた発行口12へと搬送される構造となっている。
【0015】
搬送帯3は、その上面側に所定間隔3aをおいて複数のRFIDタグ4が配置されているので、搬送帯3を介してプラテンローラ8とは反対側近傍(上方近傍)には、このプラテンローラ8に対向するように、例えば印字ヘッドよりなる印刷部10が配設されている。
【0016】
プラテンローラ8と印刷部10は対向位置で、しかも近傍に配置されている。例えば、印刷部10の搬送帯3に接触する部分は、プラテンローラ8が搬送帯3に接触する部分よりも、発行口12側になっている。発行口12の手前に設けた分離部11は、金属製の切断刃により構成されており、この切断刃により搬送帯3の所定間隔3aの部分を切断する。これにより、分離部11は搬送帯3からRFIDタグ4を分離する。
【0017】
また、リーダライタ6は、搬送帯3の送りによりRFIDタグ4が所定の位置、すなわち、RFID用アンテナ装置7が設置されている位置まで搬送されると、RFID用アンテナ装置7を介してRFIDタグ4の読み取り動作または書き込み動作を行う。
【0018】
搬送帯3には、図2に示すように、帯状のシート3cの上に複数のRFIDタグ4が所定間隔3aの隙間をあけて配置されている。そして、リール13に搬送帯3が巻きつけられている。RFIDタグ4にデータの読み書きおよび印刷がなされた後、分離部11は所定間隔3aの隙間の部分を切断する。
【0019】
RFIDタグ4としては、ラベル印刷可能なものを使用することができ、印刷部10により印刷面に視覚ID情報3bにバーコード、商品情報などが印刷される。
【0020】
以上のような構成により、RFIDタグ発行装置1は、管理する商品の形態に合わせたRFIDタグ4を発行することができる。
【0021】
ところで、RFIDタグ発行装置1は、小型化の要望が強いため装置内のスペースも限られる。そこで、RFID用アンテナ装置7として、図3(a)〜図3(c)に示すように、小型で厚みを薄くすることができるマイクロストリップ型のアンテナを使用した。
【0022】
すなわち、RFID用アンテナ装置7では、長方形状の基板14の一方面に放射導体となる同じく長形状のアンテナ素子15、他方面に接地導体となる長方形状のグランド部17を形成し、基板14の長手方向の端部に給電部16を設けている。
【0023】
そして、給電部16で、同軸ケーブル19の銅などでできた芯線よりなる内部導体19aをアンテナ素子15に半田16bなどにより電気的に接続している。同軸ケーブル19の内部導体19aは、アンテナ素子15、基板14およびグランド部17を貫通させた孔部16aを通してアンテナ素子15と半田16bなどにより電気的に接続されている。また、同様に、給電部16で、同軸ケーブル19の細い導線を編んだ網状の編組線と呼ばれるシールド層よりなる外部導体19cをグランド部17に半田16bなどにより電気的に接続している。
【0024】
同軸ケーブル19は、内部導体19aをポリエチレンなどの絶縁体19bで包み、さらにその外側を外部導体19cで包み、最後に外側をビニールなどの保護被覆19dで覆った構造になっている。リーダライタ6からの信号は内部導体19aを流れる。これにより、外部導体19cの編組線が外界からの電磁波を遮断するため、減衰やノイズを低く抑えることができる。また、同軸ケーブル19の内部からの電磁波の漏洩も少ない。RFID用アンテナ装置7は、この同軸ケーブル19を介してリーダライタ6に電気的に接続されている。
【0025】
このように、RFIDタグ発行装置1ではマイクロストリップ型のアンテナを使用して小型化しているが、さらにスペースの制約などから、グランド部17の寸法を十分に大きくできない場合もある。
【0026】
すなわち、電波長λの1/2よりもグランド部17の寸法Lを小さくせざるを得ない場合もある。このような場合、グランド部17に同軸ケーブル19の外部導体19cを電気的に接続すると、この外部導体19cに漏れ電流が発生して流れる。この漏れ電流により、本体ケース2の金属と外部導体19cとの間で電磁界が発生し、この状態で外部導体19cと金属とが接触すると、アンテナ利得が劣化する。本体ケース2の金属部分を避けて同軸ケーブル19を配線することも考えられるが、本体ケース2の内部は金属部分が多く、引き回しが制限され困難となる。
【0027】
そこで、本実施の形態のRFID用アンテナ装置7では、図3(b)に示すように、グランド部17の長手方向の寸法Lの1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリット18を形成した。漏れ電流を抑える効果が高くなるようにスリット18の幅を狭く形成する。例えば、スリット18の幅を3mm以下にするのが好ましく、例えば、0.5mmにする。
【0028】
このような構造により、グランド部17の長手方向の寸法Lが電波長λの1/2より小さくしても、漏れ電流を抑えることができる。すなわち、図4に示すように、グランド部17のスリット18の両側を流れる電流は互いに逆方向に流れるため、グランド部17の周辺部を流れる漏れ電流に対して逆らうキャンセル電流が発生する。スリット18により発生するキャンセル電流により同軸ケーブル19の外部導体19cを流れる漏れ電流を抑え、金属と外部導体19cとの間で発生する電磁界を低減させる。
【0029】
しかも、グランド部17の長手方向の寸法Lの1/2の位置では漏れ電流の分布も最大となるため、この位置にスリット18を設けることで漏れ電流をキャンセルする効果が大きい。また、スリット18をグランド部17の長辺から内方に向けて設けた。これは、表皮効果により漏れ電流がグランド部17の周辺部に沿って流れるためである。これによっても、漏れ電流を効果的に抑えることができる。また、グランド部17の周辺部を流れる漏れ電流はスリット18により迂回するため、電気的な電路長も長くすることができる。
【0030】
これにより、RFID用アンテナ装置7では、同軸ケーブル19の外部導体19cが金属と接触した場合であっても、アンテナ利得の劣化を抑えることができる。
【0031】
次に、図5を参照しながら、RFIDタグ発行装置1の動作について説明する。図5は本発明の実施の形態におけるRFIDタグ発行装置1のブロック図である。
【0032】
図5に示すように、RFIDタグ発行装置1は、RFID用アンテナ装置7とRFID用アンテナ装置7と電気的に接続されたリーダライタ6とを備えている。
【0033】
リーダライタ6は、インピーダンスを整合させる整合部20、サーキュレータ21、パワーアンプ22、RFフロントエンド部23、信号処理部24、無線制御部25を備えている。リーダライタ6は、RFID用アンテナ装置7を介してRFIDタグ4を読み書きする。また、リーダライタ6は制御部26に接続されている。
【0034】
RFIDタグ4はタグアンテナ部4aとタグICチップ4bとを備え、タグICチップ4b内には、タグ情報である識別情報を記憶するIDメモリ4cが設けられている。
【0035】
RFフロントエンド部23は、コマンドやデータを搬送する搬送波として、UHF帯(例えば、952MHz〜955MHz)、マイクロ波帯(例えば、2.45GHz)、HF帯(例えば、13.56MHz)の周波数などを利用する。
【0036】
制御部26は、中央処理装置(CPU)、各種プログラムや制御プログラムを記憶するリードオンリメモリ(ROM)、データなどを一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)を備え、各部の回路を制御する。そして、制御部26には、入力部27、表示部28、電源部29、パーソナルコンピュータなどと接続するためのI/F30、既述の印刷部10、分離部11、プラテンローラ8を駆動する駆動モータ31が接続されている。
【0037】
このような構成により、RFIDタグ発行装置1は、図2に示す搬送帯3上のRFIDタグ4を密封したシート3cの表面に視覚ID情報3bの印刷と、タグICチップ4bへの電子ID情報の記録を行う。すなわち、プラテンローラ8により搬送帯3の先端を発行口12の方向へと搬送し、図1に示すRFID用アンテナ装置7の上側(所定の位置)にRFIDタグ4が搬送された状態で、リーダライタ6がRFID用アンテナ装置7を介してRFIDタグ4と無線通信(問い合わせ信号の送信および応答信号の受信)し、これによりタグICチップ4bのIDメモリ4c内に電子ID情報を記録する。
【0038】
そして、図1の状態からプラテンローラ8を正転させながら、そこよりもわずかに下流にある印刷部10により視覚ID情報3bを図2のようにRFIDタグ4が配置されているシート3cの表面に印刷する。その後、これら電子ID情報の記録と、視覚ID情報3bの印刷が終了した状態で、RFIDタグ4の切断部分(例えば、図1、図2の所定間隔3a)が分離部11の真上に来るまでプラテンローラ8で搬送帯3を搬送し、次に分離部11を上昇させて電子ID情報の記録と、視覚ID情報3bの印刷が終了したRFIDタグ4を切断して分離する。
【0039】
搬送帯3に設けた複数のRFIDタグ4に、連続的に電子ID情報の記録と、視覚ID情報3bの印刷を行う場合には、上記動作を連続的に行う。
【0040】
以上のように本実施の形態によれば、RFID用アンテナ装置7は、長方形状の基板14の一方面に放射導体となるアンテナ素子15、他方面に接地導体となるグランド部17を形成し、基板14の長手方向の端部に給電部16を設けている。そして、グランド部17の長手方向の寸法Lの1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリット18を形成している。
【0041】
このような構造により、グランド部17に設けたスリット18によりグランド部17に接続される同軸ケーブル19の外部導体19cに発生する漏れ電流をキャンセルする電流を生成して漏れ電流を抑え、本体ケース2の金属と外部導体19cとの間で発生する電磁界も低減させることができる。これにより、RFID用アンテナ装置7にリーダライタ6からの信号を供給する同軸ケーブル19の配線レイアウトの都合により、外部導体19cと本体ケース2の金属とが接触した場合であっても、アンテナ利得の劣化を抑えることができる。
【0042】
また、RFIDタグ発行装置1は、RFID用アンテナ装置7と、複数のRFIDタグ4を所定の間隔ごとに配置した搬送帯3と、搬送帯3の搬送によりRFIDタグ4を所定の位置まで搬送する搬送部としてのプラテンローラ8およびテンションローラ部9と、搬送帯3からRFIDタグ4を分離する分離部11と、RFID用アンテナ装置7を介して所定の位置に移動されたRFIDタグ4の読み取り動作または書き込み動作を行うリーダライタ6とを備えているので、信号を供給する同軸ケーブル19の配線レイアウトの都合により、外部導体19cと金属とが接触した場合であっても、アンテナ利得の劣化を抑えることができる。これにより、リーダライタ6は、本体ケース2内での同軸ケーブル19の引き回しに影響されることなく、RFID用アンテナ装置7を介してRFIDタグ4の読み書きを安定して行うことができる。
【0043】
なお、RFID用アンテナ装置7の取り付け位置近傍に設置スペースを確保できる場合には、給電部16の近傍に同軸ケーブル19をループ状に巻いた巻部(図示せず)を設けてもよい。すなわち、同軸ケーブル19の外部導体19cに流れる漏れ電流を巻部で互いにキャンセルさせる向きに流す構造にしていることで、外部導体19cに流れる漏れ電流をさらに抑制することができる。
【0044】
また、RFID用アンテナ装置7の取り付け位置において、基板14の厚み方向にスペースを確保できる場合には、基板14を高誘電率材料で形成するのが好ましい。例えば、基板14をセラミックで形成する。これにより、グランド部17の電気的な電路長が長くなるので、グランド部17の寸法が電波長λの1/2よりも小さくなった場合であっても、外部導体19cに流れる漏れ電流をさらに抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように本発明は、長方形状の基板の一方面に放射導体となるアンテナ素子、他方面に接地導体となるグランド部を形成し、基板の長手方向の端部に給電部を設けたものであって、グランド部の長手方向の寸法の1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリットを形成したので、グランド部に設けたスリットによりグランド部に接続される同軸ケーブルの外部導体に発生する漏れ電流を抑え、外部導体と金属との間で発生する電磁界を抑制することができる。これにより、信号を供給する同軸ケーブルの配線レイアウトの都合により、同軸ケーブルの外部導体と金属とが接触した場合であっても、アンテナ利得の劣化を抑えることを可能とするRFID用アンテナ装置、RFIDタグ発行装置に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態におけるRFIDタグ発行装置の正面断面図
【図2】同RFIDタグ発行装置で使用される搬送帯の正面図
【図3】(a)は本発明の実施の形態におけるRFID用アンテナ装置の上面図、(b)は同RFID用アンテナ装置の下面図、(c)は同RFID用アンテナ装置の正面図
【図4】同RFID用アンテナ装置における漏れ電流を説明するための図
【図5】本発明の実施の形態におけるRFIDタグ発行装置のブロック図
【符号の説明】
【0047】
1 RFIDタグ発行装置
2 本体ケース
3 搬送帯
3a 所定間隔
3b 視覚ID情報
3c シート
4 RFIDタグ
4a タグアンテナ部
4b タグICチップ
4c IDメモリ
6 リーダライタ
7 RFID用アンテナ装置
8 プラテンローラ
9 テンションローラ部
10 印刷部
11 分離部
12 発行口
13 リール
14 基板
15 アンテナ素子
16 給電部
16a 孔部
16b 半田
17 グランド部
18 スリット
19 同軸ケーブル
19a 内部導体
19b 絶縁体
19c 外部導体
19d 保護被覆
20 整合部
21 サーキュレータ
22 パワーアンプ
23 RFフロントエンド部
24 信号処理部
25 無線制御部
26 制御部
27 入力部
28 表示部
29 電源部
30 I/F
31 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の基板の一方面に放射導体となるアンテナ素子、他方面に接地導体となるグランド部を形成し、前記基板の長手方向の端部に給電部を設けたRFID用アンテナ装置であって、
前記グランド部の長手方向の寸法の1/2の位置に、この長手方向と直交する方向にスリットを形成したことを特徴とするRFID用アンテナ装置。
【請求項2】
前記スリットを前記グランド部の長辺から内方に向けて設けたことを特徴とする請求項1に記載のRFID用アンテナ装置。
【請求項3】
前記グランド部の長手方向の寸法は、電波長λの1/2より短く形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のRFID用アンテナ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のRFID用アンテナ装置と、
複数のRFIDタグを所定の間隔ごとに配置した搬送帯と、
前記搬送帯の搬送により前記RFIDタグを所定の位置まで搬送する搬送部と、
前記搬送帯から前記RFIDタグを分離する分離部と、
前記RFID用アンテナ装置を介して所定の位置に移動された前記RFIDタグの読み取り動作または書き込み動作を行うリーダライタとを備えたことを特徴とするRFIDタグ発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−114700(P2010−114700A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286087(P2008−286087)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】