説明

S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法

【課題】加硫ゴム組成物に対して引張特性に係る耐久性を付与する方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るゴム組成物への耐久性付与方法は、加硫ゴム組成物の原料であるゴム成分に添加されるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法であり、ゴム成分と、充填剤と、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩とを混錬する前混錬工程A;前混錬工程Aで得られた混錬物Aと、硫黄成分と、前記硫黄成分の重量を超える重量の加硫促進剤とを混錬する後混錬工程B;後混錬工程Bで得られた混錬物Bを熱処理して加硫ゴム組成物を得る熱処理工程C;を含み、加硫ゴム組成物へ耐久性を付与する使用方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム組成物は種々の分野にて使用されており、特に自動車のタイヤの原料として用いられている。タイヤの原料として、天然ゴム、合成ゴムなどのゴム成分以外にも種々の物質が配合されてゴム組成物が得られる。例えば、カーボンブラックなどの充填剤、加硫に必要な硫黄成分、加硫を促進させる加硫促進剤などである。また、その他にもゴム成分に所定の特性を付与するために種々の物質が配合される。例えば、ゴム・金属間の接着を促進させる物質が特許文献1に開示されている。具体的にはゴム/金属接着促進剤として、6−アミノヘキシルチオ硫酸S−エステルを用いることが開示されている(特許文献1の実施例24)。
【0003】
ところで、近年における製品開発では環境に対する技術が求められている。例えば、ゴム組成物を加硫した加硫ゴム組成物の物性改善による自動車タイヤの燃費向上(すなわち、低燃費化)、製品寿命の長期化などである。加硫ゴム組成物は大量に使用されるため、これらの技術により環境への負荷を大きく軽減することが可能である。
【0004】
上記製品寿命の長期化に着目すると、具体的な物性として、加硫ゴム組成物の耐久性が挙げられる。耐久性が付与された加硫ゴム組成物には亀裂が生じ難く、最終製品であるタイヤを長寿命化させることができる(非特許文献1参照)。このため、加硫ゴム組成物の耐久性を改善させる方法が求められている。加硫ゴム組成物の耐久性を向上させるために、例えば、混錬時に老化防止剤を配合する方法が挙げられる。老化防止剤は、通常分子内に芳香族環を有しており、日光、熱などによる老化を防止することができる。これにより、加硫ゴム組成物に耐久性を付与することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平5−15173号公報(1993年2月26日公開)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】発行者:小城武彦、編著者:日本ゴム協会、文献名:ゴム技術入門、発行所:丸善株式会社、発行日:平成16年3月10日、126〜128頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、老化防止剤は特に日光に対する耐久性を付与することが可能であるものの、加硫ゴム組成物に対して引張特性に係る耐久性を向上させる効果は乏しい。このように耐久性といっても多用な側面が存在する。加硫ゴム組成物の耐久性を一層改善するためには、新たな耐久性付与方法が要求されるが、上記特許文献1および非特許文献1には、要求されている引張特性を満たすほどの耐久性付与方法は開示されていない。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、加硫ゴム組成物に対して引張特性に係る耐久性を付与する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の使用方法は、上記課題を解決するために、加硫ゴム組成物の原料であるゴム成分に添加されるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法であり、
ゴム成分と、充填剤と、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩とを混錬する前混錬工程A;
前混錬工程Aで得られた混錬物Aと、硫黄成分と、前記硫黄成分の重量を超える重量の加硫促進剤とを混錬する後混錬工程B;
後混錬工程Bで得られた混錬物Bを熱処理して加硫ゴム組成物を得る熱処理工程C;
を含み、加硫ゴム組成物へ耐久性を付与することを特徴としている。
【0010】
上記の発明によれば、前混錬工程Aにおいて、加硫促進剤が硫黄成分の重量を超える重量である条件下にて、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩が耐久性付与剤として作用し、得られる加硫ゴム組成物の引張物性を高めることができる。その結果、加硫ゴム組成物へ耐久性を付与することができる。
【0011】
また、本発明の使用方法では、硫黄成分1重量部に対するS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の重量が、0.05重量部以上、2.5重量部以下であることが好ましい。
【0012】
これにより、加硫ゴム組成物へ耐久性をより一層付与することができる。
【0013】
また、本発明の使用方法では、硫黄成分1重量部に対する加硫促進剤の重量が、1重量部を超え、2重量部以下であることが好ましい。
【0014】
これにより、加硫ゴム組成物へ熱に対する耐久性を付与することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の使用方法は、以上のように、加硫ゴム組成物の原料であるゴム成分に添加されるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法であり、
ゴム成分と、充填剤と、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩とを混錬する前混錬工程A;
前混錬工程Aで得られた混錬物Aと、硫黄成分と、前記硫黄成分の重量を超える重量の加硫促進剤とを混錬する後混錬工程B;
後混錬工程Bで得られた混錬物Bを熱処理して加硫ゴム組成物を得る熱処理工程C;
を含み、加硫ゴム組成物へ耐久性を付与する方法である。
【0016】
それゆえ、混錬に用いるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩が加硫ゴム組成物において耐久性付与剤として作用し、加硫ゴム組成物の引張物性を高めることができる。その結果、加硫ゴム組成物に耐久性を付与することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法(以下、「本発明の使用方法」と適宜略す)について詳細に説明する。本発明の使用方法は、加硫ゴム組成物の原料であるゴム成分に添加されるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法であり、
ゴム成分と、充填剤と、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩とを混錬する前混錬工程A;
前混錬工程Aで得られた混錬物Aと、硫黄成分と、前記硫黄成分の重量を超える重量の加硫促進剤とを混錬する後混錬工程B;
後混錬工程Bで得られた混錬物Bを熱処理して加硫ゴム組成物を得る熱処理工程C;
を含み、加硫ゴム組成物へ耐久性を付与する使用方法である。
【0018】
まず、前混錬工程A〜熱処理工程Cで用いる各成分について説明する。
【0019】
〔ゴム成分〕
ゴム成分としては、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴムおよびその他の変性天然ゴムのほか、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ハロゲン化ブチルゴム(HR)等の各種の合成ゴムが例示される。この中でも天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム等の高不飽和性ゴムが好ましく用いられる。特に好ましくは天然ゴムである。また、天然ゴムとスチレン・ブタジエン共重合ゴムの併用、天然ゴムとポリブタジエンゴムの併用等、数種のゴム成分を組み合わせることも有効である。
【0020】
天然ゴムの例としては、RSS#1、RSS#3、TSR20、SIR20、SMR20等のグレードの天然ゴムを挙げることができる。
【0021】
エポキシ化天然ゴムとしては、エポキシ化度10〜60モル%のものが好ましく、例えばクンプーラン_ガスリー社製のENR25やENR50を挙げることができる。脱蛋白天然ゴムとしては、総窒素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムが好ましい。変性天然ゴムとしては天然ゴムにあらかじめ4−ビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノエチルアクリレート(例えばN,N−ジエチルアミノエチルアクリレート)、2−ヒドロキシアクリレート等を反応させた極性基を含有する変性天然ゴムが好ましく用いられる。
【0022】
SBRの例としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の210〜211頁に記載されている乳化重合SBRおよび溶液重合SBRを挙げることができる。とりわけトレッド用ゴム組成物としては溶液重合SBRが好ましく用いられ、更には日本ゼオン社製「ニッポール(登録商標)NS116」等の4,4’−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンを用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、JSR社製「SL574」等のハロゲン化スズ化合物を用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、旭化成社製「E10」、「E15」等のシラン変性溶液重合SBRの市販品や、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、上述した互いに異なる複数の化合物を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる当該分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合SBRが、特に好ましく用いられる。また、乳化重合SBRおよび溶液重合SBRに重合後プロセスオイルやアロマオイル等のオイルを添加した油展SBRは、トレッド用ゴム組成物等として好ましく用いることができる。
【0023】
BRの例としては、シス1,4結合が90%以上の高シスBRやシス結合が35%前後の低シスBR等の溶液重合BRが例示され、高ビニル含量の低シスBRが好ましく用いられる。更には日本ゼオン製「Nipol(登録商標)BR_1250H」等スズ変性BRや、4,4’−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ハロゲン化スズ化合物、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、上述した互いに異なる複数の化合物を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる当該分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合BRが、特に好ましく用いられる。これらBRは、トレッド用ゴム組成物やサイドウォール用ゴム組成物として好ましく用いることができ、通常はSBRおよび/または天然ゴムとのブレンドで使用される。ブレンド比率は、トレッド用ゴム組成物においては、総ゴム重量に対して、SBRおよび/または天然ゴムが60〜100重量%、BRは0〜40重量%が好ましく、サイドウォール用ゴム組成物においては、総ゴム重量に対して、SBRおよび/または天然ゴムが10〜70重量%、BRは90〜30重量%が好ましく、更には総ゴム重量に対し、天然ゴム40〜60重量%、BR60〜40重量%のブレンドが特に好ましい。この場合、変性SBRと非変性SBRとのブレンドや、変性BRと非変性BRとのブレンドも好ましい。
【0024】
〔充填剤〕
充填剤としては、ゴム分野で通常使用されているカーボンブラック、シリカ、タルク、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示されるが、カーボンブラック及びシリカが好ましく用いられ、更にはカーボンブラックが特に好ましく使用される。カーボンブラックとしては、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の494頁に記載されたものが挙げられる。中でもHAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、FEF(Fast Extrusion Furnace)、MAF、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi-Reinforcing Furnace)等のカーボンブラックが好ましい。タイヤトレッド用ゴム組成物にはCTAB(Cetyl Tri-methyl Ammonium Bromide)表面積40〜250m/g、窒素吸着比表面積20〜200m/g、粒子径10〜50nmのカーボンブラックが好ましく用いられ、CTAB表面積70〜180m/gであるカーボンブラックが更に好ましく、その例としてはASTMの規格において、N110、N220、N234、N299、N326、N330、N330T、N339、N343、N351等である。またカーボンブラックの表面にシリカを0.1〜50重量%付着させた表面処理カーボンブラックも好ましい。更には、カーボンブラックとシリカとの併用等、数種の充填剤を組み合わせることも有効であり、タイヤトレッド用ゴム組成物においてはカーボンブラック単独またはカーボンブラックおよびシリカの両方を用いることが好ましい。カーカス、サイドウォール用ゴム組成物においてはCTAB表面積20〜60m/g、粒子径40〜100nmのカーボンブラックが好ましく用いられ、その例としてはASTMの規格において、N330、N339、N343、N351,N550、N568、N582、N630、N642、N660、N662、N754、N762等である。
【0025】
かかる充填剤の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり5〜100重量部の範囲が好ましい。特に好ましくはカーボンブラックのみを充填剤として使用する場合には30〜80重量部の範囲であり、トレッド部材用途においてシリカと併用して用いる場合には5〜50重量部の範囲である。
【0026】
シリカとしては、CTAB表面積50〜180m/gや、窒素吸着比表面積50〜300m/gのシリカが例示され、東ソー・シリカ(株)社製「AQ」、「AQ−N」、デグッサ社製「ウルトラジル(登録商標)VN3」、「ウルトラジル(登録商標)360」、「ウルトラジル(登録商標)7000」、ローディア社製「ゼオシル(登録商標)115GR」、「ゼオシル(登録商標)1115MP」、「ゼオシル(登録商標)1205MP」、「ゼオシル(登録商標)Z85MP」、日本シリカ社製「ニップシール(登録商標)AQ」等の市販品が好ましく用いられる。また、pHが6〜8であるシリカやナトリウムを0.2〜1.5重量%含むシリカ、真円度が1〜1.3の真球状シリカ、ジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイルやエトキシシリル基を含有する有機ケイ素化合物、エタノールやポリエチレングリコール等のアルコールで表面処理したシリカ、二種類以上の異なった窒素吸着比表面積を有するシリカを配合することも好ましく用いられる。
【0027】
かかる充填剤の使用量は特に限定されるものではないが、乗用車用トレッド用ゴム組成物にはシリカが好ましく用いられ、ゴム成分100重量部あたり10〜120重量部の範囲が好ましい。またシリカを配合する場合、カーボンブラックを5〜50重量部配合することが好ましく、シリカ/カーボンブラックの配合比率は0.7/1〜1/0.1が特に好ましい。また通常充填剤としてシリカを用いる場合にはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル(ジェネラルエレクトロニックシリコンズ社製「NXTシラン」)、オクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)エトキシシリル}プロピル]エステル及びオクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)メチルシリル}プロピル]エステルフェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシランおよび3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される1種以上のシランカップリング剤等、シリカと結合可能なケイ素等の元素またはアルコシキシラン等の官能基を有する化合物を添加することが好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(ジェネラルエレクトロニックシリコンズ社製「NXTシラン」)が特に好ましい。これらの化合物の添加時期は特に限定されないが、シリカと同時期にゴム成分に配合することが好ましく、配合量はシリカに対して、好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは7〜9重量%である。配合する場合の配合温度は80〜200℃が好ましく、更に好ましくは110〜180℃の範囲である。更には充填剤としてシリカを用いる場合には、シリカ、シリカと結合可能なケイ素等の元素またはアルコシキシラン等の官能基を有する化合物に加えて、エタノール、ブタノール、オクタノール等の1価アルコールやエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ポリエーテルポリオール等の2価以上のアルコール、N−アルキルアミン、アミノ酸、分子末端がカルボキシル変性またはアミン変性された液状ポリブタジエン、等を配合することも好ましい。
【0028】
水酸化アルミニウムとしては、窒素吸着比表面積5〜250m/g、DOP給油量50〜100ml/100gの水酸化アルミニウムが例示される。
【0029】
〔S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩〕
本発明に用いるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸は、下記式(1)
N−(CH−SSOH (1)
で示される化合物であり、その金属塩は、下記式(2)
(HN−(CH−SSO・Mn+ (2)
(式中、Mn+は金属イオンを表し、nはその価数を表す。)
で示される化合物である。
【0030】
n+で示される金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオンまたは亜鉛イオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンがより好ましい。nは金属イオンの価数を表し、当該金属において可能な範囲であれば、特に限定されない。例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンのようなアルカリ金属イオンの場合、nは通常1であり、コバルトイオンの場合、nは通常2または3であり、銅イオンの場合、nは通常1〜3の整数であり、亜鉛イオンの場合、nは通常2である。
【0031】
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用重量は、硫黄成分の1重量部に対して0.05重量部以上、2.5重量部以下であることが好ましい。上記の範囲であることにより、加硫ゴム組成物へ耐久性をより一層付与することができる。
【0032】
また、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩を前混錬工程Aで配合する場合の配合温度は80℃以上、200℃以下の範囲が好ましく、更に好ましくは110℃以上、180℃以下の範囲である。
【0033】
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸またはその金属塩のメディアン径は、好ましくは0.05〜100μm、より好ましくは1〜100μmの範囲である。かかるメディアン径は、レーザー回析法にて測定することができる。
【0034】
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸の金属塩は、例えば、3−ハロプロピルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法;フタルイミドカリウム塩と1,3−ジハロプロパンとを反応させ、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法;等の、任意の公知の方法により製造することができる。また、プロトン酸を用いてS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸の金属塩を中和することにより、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸を製造することができる。上記の製法によれば、通常、ナトリウム塩が得られるが、必要に応じてカチオン交換すればよい。
【0035】
また、本発明にはS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のみで用いることができ、その金属塩のみで用いることもできる。また、複数種類の金属塩を併用してもよく、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸およびその金属塩を、それらの混合物として用いてもよい。
【0036】
上記混合物は、例えば、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸およびその金属塩を混合する方法;金属アルカリ(上記Mで示される金属を含有する水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩、等)を用いてS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸の一部を金属塩化する方法;プロトン酸を用いてS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸の金属塩の一部を中和する方法;等の方法より製造することができる。このようにして製造したS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸またはその金属塩は、濃縮、晶析等の操作により単離することができ、単離されたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸またはその金属塩は、通常0.1%〜5%程度の水分を含む。
【0037】
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩は、予め担持剤と配合しておくことも可能である。かかる担持剤としては先に例示した充填剤および日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の510〜513頁に記載されている「無機充てん剤、補強剤」が挙げられる。カーボンブラック、シリカ、焼成クレイ、水酸化アルミニウムが好ましい。かかる担持剤の使用量は特に限定されるものではないが、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩100重量部あたり10重量部以上、1000重量部以下の範囲であることが好ましい。
【0038】
〔酸化亜鉛〕
前混錬工程Aでは、ゴム成分と共に酸化亜鉛を混錬することが好ましい。酸化亜鉛の使用重量は、ゴム成分100重量部あたり1重量部以上、15重量部以下の範囲内であることが好ましく、3重量部以上、8重量部以下の範囲内であることがより好ましい。
【0039】
〔粘弾性改善剤〕
従来からゴム分野で用いられている粘弾性特性を改善させる剤(粘弾性改善剤)を前混錬工程Aおよび/または後混錬工程Bにて配合し、混錬することが可能である。粘弾性改善剤は必要に応じて添加すればよい。
【0040】
粘弾性改善剤としては、例えば、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、特開昭63−23942号公報に記載のジチオウラシル化合物、特開昭60−82406号公報に記載の5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)等のニトロソキノリン化合物、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」、ペンウォールト社製「バルタック2、3、4、5、7、710」等の特開2009−138148号公報に記載のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、およびビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル、オクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)エトキシシリル}プロピル]エステル及びオクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)メチルシリル}プロピル]エステルフェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、1,6−ヘキサメチレンジチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジド、1−又は3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、特開2004−91505号公報に記載の1−又は3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエン酸ヒドラジド、1−又は3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び1−又は3−ヒドロキシ−N’−(2−フリルメチレン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジド誘導体、特開2000−190704号公報に記載の3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、特開2006−328310号公報に記載のビスメルカプトオキサジアゾール化合物、特開2009−40898号公報に記載のピリチオン塩化合物、特開2006−249361号公報に記載の水酸化コバルト化合物が挙げられる。
【0041】
中でも、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物が好ましい。
【0042】
粘弾性改善剤の使用重量は、ゴム成分100重量部あたり0.1重量部以上、10重量部以下の範囲内であることが好ましい。上記の範囲であることにより、耐久性付与の効果を効率よく得ることができる。
【0043】
〔硫黄成分〕
次に、後混錬工程Bで用いる各物質について説明する。
【0044】
硫黄成分としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び高分散性硫黄等が挙げられる。通常は粉末硫黄が好ましく、ベルト用部材等の硫黄量が多いタイヤ部材に用いる場合には不溶性硫黄が好ましい。なお、上記硫黄成分にはS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸およびその金属塩並びに加硫促進剤は含まれないものとする。
【0045】
硫黄成分の使用重量は、ゴム成分100重量部あたり0.3重量部以上5.0重量部以下の範囲内であることが好ましく、0.5重量部以上、3.0重量部以下の範囲内であることがより好ましい。上記の範囲であることにより、耐久性付与の効果を効率よく得ることができる。
【0046】
〔加硫促進剤〕
加硫促進剤の例としては、ゴム工業便覧<第四版>(平成6年1月20日社団法人_日本ゴム協会発行)の412〜413頁に記載されているチアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が挙げられる。
【0047】
具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。また、公知の加硫剤であるモルフォリンジスルフィドを用いることもできる。
【0048】
充填剤としてカーボンブラックを用いる場合には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、またはジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)とジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましく、充填剤としてシリカとカーボンブラックとを併用する場合には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)のいずれかとジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましい。なお、加硫促進剤にはS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸およびその金属塩は含まれないものとする。
【0049】
加硫促進剤の重量は硫黄成分1重量部に対して1重量部を超える重量である。すなわち、硫黄/加硫促進剤の比が1未満である。この重量比で加硫することをEV加硫という。加硫促進剤の使用重量が上記の値であることによって、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩を用いた、加硫ゴム組成物への耐久性付与の効果を得ることができる。すなわち、加硫促進剤の使用重量が、硫黄成分1重量部に対して1重量部以下である場合には、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩を混錬に用いたとしても加硫ゴム組成物へ耐久性を付与することができない。本事項は本発明者らが鋭意検討の結果見出したものであり、注目すべき事実である。
【0050】
加硫促進剤の使用重量の上限値は特に限定されないが、加硫促進剤の使用重量は硫黄成分1重量部に対して1重量部を超え、2重量部以下であることが好ましい。上限値を2重量部とすることにより、加硫ゴム組成物へ熱に対する耐久性を付与することができる。また、得られる加硫ゴム組成物の疲労寿命が短くなるおそれを回避することもできる。
【0051】
また、加硫促進剤の使用重量の下限も特に限定されないが、好ましくは1.1重量部であり、より好ましくは1.2重量部、さらに好ましくは1.5重量部である。下限値を上記値とすることにより、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩を混錬に用いた場合の加硫ゴム組成物への耐久性付与の効果をより高めることができる。
【0052】
〔その他の配合剤〕
前混錬工程Aおよび/または後混錬工程Bでの混錬に配合可能な各種の配合剤を以下に示す。かかる配合剤としては、例えば、老化防止剤;オイル;ステアリン酸等の脂肪酸類;日鉄化学(株)のクマロン樹脂NG4(軟化点81〜100℃)、神戸油化学工業(株)のプロセスレジンAC5(軟化点75℃)等のクマロン・インデン樹脂;テルペン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;三菱瓦斯化学(株)「ニカノール(登録商標)A70」(軟化点70〜90℃)等のロジン誘導体;水素添加ロジン誘導体;ノボラック型アルキルフェノール系樹脂;レゾール型アルキルフェノール系樹脂;C5系石油樹脂;液状ポリブタジエン;が挙げられる。
【0053】
上記のオイルとしては、プロセスオイル、植物油脂等が挙げられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。
【0054】
上記の老化防止剤としては、例えば日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の436〜443頁に記載されたものが挙げられる。中でもN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、アニリンとアセトンとの反応生成物(TMDQ)、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−)ジヒドロキノリン(松原産業社製「アンチオキシダントFR」)、合成ワックス(パラフィンワックス等)、植物性ワックスが好ましく用いられる。
【0055】
また、しゃっ解剤やリターダーを配合し、混練してもよく、さらには、一般の各種ゴム薬品や軟化剤等を必要に応じて配合し、混練してもよい。
【0056】
リターダーとしては、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が例示され、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)が好ましく用いられる。
【0057】
リターダーは、後述する前混練工程Aで配合し、混錬してもよいが、後述する後混練工程Bで配合し、混錬することが好ましい。かかるリターダーの使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部あたり0.01〜1重量部の範囲内であることが好ましい。特に好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲内である。
【0058】
〔各成分の組み合わせ〕
本発明の使用方法によれば、上記ゴム成分等を前混錬工程Aおよび後混錬工程Bにて混錬し、熱処理工程Cにて後混錬工程Bで得られた混錬物Bを熱処理することによって、種々の用途に用いることのできる加硫ゴム組成物を得ることができる。
【0059】
トラックやバス、ライトトラック、建設用大型タイヤに適したトレッド部材に好適なゴム配合のうち、ゴム成分としては、天然ゴム単独または天然ゴムを主成分としSBRおよび/またはBRとのブレンドが好ましい。また、充填剤としては、カーボンブラック単独またはシリカを主成分とするカーボンブラックとのブレンドが好ましく用いられる。更に、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
【0060】
乗用車タイヤに適したトレッド部材に好適なゴム配合のうち、ゴム成分としては、ケイ素化合物で分子末端を変性した溶液重合SBR単独または前記末端変性の溶液重合SBRを主成分とし、非変性の溶液重合SBR、乳化重合SBR、天然ゴムおよびBRからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムとのブレンドが好ましい。また、充填剤としては、シリカを主成分とするカーボンブラックとのブレンドが好ましく用いられる。更に、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
【0061】
サイドウォール部材に好適なゴム配合のうち、ゴム成分としては、BRを主成分とし、非変性の溶液重合SBR、乳化重合SBRおよび天然ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムとのブレンドが好ましい。また、充填剤としては、カーボンブラック単独またはカーボンブラックを主成分とするシリカとのブレンドが好ましく用いられる。更に、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
【0062】
カーカス、ベルト部材に好適なゴム配合のうち、ゴム成分としては、天然ゴム単独または天然ゴムを主成分とするBRとのブレンドが好ましい。また、充填剤としては、カーボンブラック単独またはカーボンブラックを主成分とするシリカとのブレンドが好ましく用いられる。更に、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
【0063】
〔前混錬工程A〕
以下に、本発明の使用方法に係る各工程について説明する。前混錬工程Aは、ゴム成分と、充填剤と、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩とを混錬する工程である。
【0064】
各成分を混錬する装置としては、バンバリーミキサーを挙げることができる。
【0065】
混錬時のミキサーの回転数は、用いるゴム成分の種類、所望の分子量によって異なるが、概して10rpm以上、100rpm以下とすることができる。また、混錬時間も適宜設定すればよく、概して1分以上、20分以下とすることができる。前混錬工程Aにてゴム成分等を混錬することにより、混錬物Aを得ることができる。前混錬工程Aでは、ミキサーを加熱することにより、各成分を加熱しながら混錬することが好ましい。ゴム成分等の各成分は、混練による発熱によって昇温する(もしくは所定の温度に維持される)。混錬物Aの排出温度は200℃以下が好ましく、より好ましくは120℃以上、180℃以下である。
【0066】
なお、ゴム成分として天然ゴムを用いる場合、前混錬工程Aには混錬の前段階としてゴム成分を素練りする工程が含まれていてもよい。素練りにより天然ゴムの分子鎖が切断され、天然ゴムの加工が容易となる。
【0067】
〔後混錬工程B〕
後混錬工程Bでは、前混錬工程Aで得られた混錬物Aと、硫黄成分と、加硫促進剤とを混錬して混錬物Bを得る。後混錬工程Bは前混錬工程Aにおける混錬が終了した後、速やかに行うことが好ましい。
【0068】
各成分を混錬する装置としては、オープンロール、バンバリーミキサーなどを挙げることができる。
【0069】
後混錬工程Bにおける混錬時間は、ゴム成分等の各成分の種類に応じて適宜変更すればよい。ゴム成分等の種類にもよるが、ミキサー設定の温度条件は該して60℃以上、120℃以下であることが好ましい。
【0070】
〔混錬物Bを特定の状態に加工する工程〕
本発明の使用方法には、後混錬工程Bおよび熱処理工程Cの間に、後混錬工程Bで得られた混錬物Bを特定の状態に加工する加工工程(b)が含まれていてもよい。
【0071】
ここで、該混練物Bを「特定の状態に加工する工程」とは、例えばタイヤの分野においては、該混練物を、「スチールコードに被覆する工程」、「カーカス繊維コードに被覆する工程」、「トレッド用部材の形状に加工する工程」等が挙げられる。なお、加工には混錬物Bを成形する工程を含むものとする。
【0072】
また、これらの工程によりそれぞれ得られるベルト、カーカス、インナーライナー、サイドウォール、トレッド(キャップトレッド又はアンダートレッド)等の各部材は、通常、その他の部材とともに、タイヤの分野で通常行われる方法により、さらにタイヤの形状に成形され、すなわち該混練物Bをタイヤに組み込む工程を経て、該混練物Bを含む生タイヤの状態となる。
【0073】
〔熱処理工程C〕
熱処理工程Cは、後混錬工程Bまたは加工工程(b)の後に行われる。上記後混錬工程Bで得られた混錬物Bまたは加工工程(b)で得られた成形体は、熱処理工程Cでの熱処理に供される。かかる熱処理は、通常、常圧または加圧下で行われる。
【0074】
熱処理工程Cの熱処理における温度条件は、120℃以上、180℃以下であることが好ましい。120℃未満であると加硫速度が遅くなり、加硫の進行度合いを判断し難くなるおそれがあり、180℃を超えると加硫速度が速くなり、加硫の進行速度を制御し難くなるおそれがある。また、熱処理における好適な加熱時間(加硫時間)は、ゴム組成物の具体的な組成により異なる。
【0075】
上記熱処理によって、後混錬工程Bで得られた混錬物Bから加硫ゴム組成物を得ることができる。一方、熱処理が加工工程(b)の後に行われる場合、成形体から成形物が得られることとなる。
【0076】
なお、熱処理工程Cでの熱処理に用いる装置としては、例えば、加硫機、加硫プレス、加圧プレスなどを用いることができる。
【0077】
かくして得られる加硫ゴム組成物を用いて、通常の方法によって空気入りタイヤを製造することができる。すなわち、上記加硫処理前の段階のゴム組成物をトレッド用部材に押出し加工し、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形し、生タイヤが成形され、この生タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤが得られる。このようにして得られるタイヤは引張特性に優れており、耐久性が付与されている。したがって、上記タイヤの製品寿命は長く、結果として廃棄またはリサイクルされるタイヤの量を軽減することができる。すなわち、本発明の使用方法によって、環境への負荷が軽減される。
【0078】
〔加硫ゴム組成物の物性〕
加硫ゴム組成物の各物性を以下に示す。
【0079】
<引張物性(耐久性試験)>
加硫ゴム組成物の引張物性として、TSおよびEBが挙げられる。
【0080】
TSはJISの定義に基づく引張強さを示し、試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を当該試験片の初期断面積で除することによって得られる。そして、本明細書ではΔTSを、{(老化試験後の試験片のTS)−(初期の試験片のTS)}/(初期の試験片のTS)}×100(%)で表わすものとする。
【0081】
EBはJISの定義に基づく切断時伸びを示し、試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される伸びの、当該試験片の初期長さに対する比率(%)で表される。そして、本明細書ではΔEBを、{(老化試験後の試験片のEB)−(初期の試験片のEB)}/(初期の試験片のEB)}×100(%)で表わすものとする。
【0082】
但し、上記「老化試験後の試験片」とは、JIS K 6257 A−2法に準拠し、ダンベル状3号形の試験片を用いて、100℃×72h放置した後の当該試験片を指す。また、上記「初期の試験片」とは、常温(25℃)、常圧(1気圧)状態のダンベル状3号形の試験片を指す。
【0083】
ΔTSが0%に近いほど、加硫ゴム組成物は引張強さに関して温度変化による影響を受け難いといえる。ΔTSは−40%以上、0%以下であることが好ましく、−30%以上、0%以下であることがより好ましい。
【0084】
ΔEBが0%に近いほど、加硫ゴム組成物は引張力に対する耐久性があるといえる。ΔEBは−50%以上、0%以下であることが好ましく、−40%以上、0%以下であることがより好ましい。
【0085】
<発熱性>
ゴム組成物をタイヤの原料として用いる場合、タイヤの発熱性がより低いことが望ましい。タイヤの発熱性が高いと自動車の走行エネルギーがタイヤの昇温に消費されるからである。本発明の使用方法によれば、ゴム組成物への耐久性付与だけでなく、発熱性を抑制する効果も付与することが可能である。
【0086】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0087】
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例および比較例におけるゴム組成物の引張物性は次のようにして評価した。
【0088】
〔引張物性(耐久性試験)〕
JIS K 6251に準拠し、ダンベル状3号形の試験片を用いてゴム組成物の引張物性(TS、EB)を測定した。
【0089】
〔製造例1〕
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩の製造:
反応容器を窒素置換し、反応容器中に、3−ブロモプロピルアミン臭素酸塩25g(0.11mol)、チオ硫酸ナトリウム・5水和物28.42g(0.11mol)、メタノール125mlおよび水125mlを仕込み、得られた混合物を70℃で4.5時間還流した。反応混合物を放冷し、減圧下でメタノールを除去した。メタノールを除去した反応混合物に、水酸化ナトリウム4.56gを加え、室温で30分間攪拌した。減圧下で溶媒を完全に除去した後、エタノール200mlを加えて1時間還流した。その後、熱ろ過により副生成物である臭化ナトリウムを除去した。ろ液を減圧下で、結晶が析出するまで濃縮し、その後、静置した。結晶をろ取し、エタノール、ヘキサンで洗浄することにより得られた結晶を真空乾燥して、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を得た。H−NMRの測定結果を以下に示す。
【0090】
H−NMR(270.05MHz,MeOD)δppm:3.1(2H,t,J=6.3Hz),2.8(2H,t,J=6.2Hz),1.9−2.0(2H,m)
島津製作所製SALD−2000J型を用い、レーザー回折法により測定したところ、得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩のメディアン径(50%D)は66.7μmであった。かかるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩をメディアン径(50%D)が14.6μmになるように粉砕し、実施例1にて使用した。
【0091】
<測定操作>
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を下記の分散溶媒(トルエン)と分散剤(10重量%スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間攪拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した(屈折率:1.70−0.20i)。
【0092】
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩10.0gを水30mlに溶解させて得られる水溶液のpHは11〜12であった。
【0093】
〔実施例1〕
<前混錬工程A>
バンバリーミキサー(東洋精機製600mlラボプラストミル)に対して、天然ゴム(RSS#1)100重量部を1分間かけて25rpmのミキサーの回転数にて投入した。バンバリーミキサーの温度は120℃とした。
次に、投入した天然ゴムを3分間、50rpmのミキサーの回転数にて素練りを行った。その後、上記天然ゴムを10rpmのミキサーの回転数にて混錬しながら、カーボンブラック(旭カーボン社製、商品名「HAFブラックN330」)45重量部、ステアリン酸3重量部、亜鉛華(酸化亜鉛)5重量部および上記製造例1で得たS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩0.4重量部を天然ゴムに投入した。
【0094】
上記カーボンブラック等を投入した後、3分間混錬し、その後、ミキサーの回転数を50rpmに増加させて5分間混錬して混錬物Aを得た。混錬時の混錬物Aの温度は170℃であった。さらに、混錬物Aをオープンロールに通過させ、シート状に加工した。
【0095】
<後混錬工程B>
オープンロール機で60〜80℃の温度にて、前混錬工程Aにより得られた混錬物Aと、硫黄2重量部、加硫促進剤(N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)3重量部および老化防止剤(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン:商品名「アンチゲン(登録商標)6C」住友化学株式会社製)1重量部とを混練配合し、混錬物Bを得た。さらに、混錬物Bを2.0mmのシート状に加工した。
【0096】
<熱処理工程C>
加圧プレスを用いて、12.5分の加硫時間、145℃で混錬物Bに対して加硫処理を行い、加硫ゴム組成物を得た。
【0097】
得られた加硫ゴム組成物に対して引張物性および発熱性を測定した。試験結果を表1に示す。
【0098】
〔比較例1〕
前混錬工程Aで、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を配合せず、熱処理工程Cにて、加硫時間を13.0分にした以外は実施例1と同様に混錬を行い、加硫ゴム組成物を得た。得られたゴム組成物に対して引張物性および発熱性を表1に示す。
【0099】
【表1】

【0100】
実施例1,2と比較すると、表1からΔTSが実施例1の方が約1/2小さいことがわかる。すなわち、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を添加することによって、引張強さが非常に改善されていることが明白である。また、ΔEBに関しても、実施例1では−45.0%と、比較例1の−60.0%に比して小さい値となっている。さらに、発熱性においても実施例1の方が小さな値であり、好ましい結果が示されている。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明により、ゴム組成物への耐久性付与方法が提供可能となる。したがって、本発明は、ゴム組成物を用いる分野、特にタイヤの分野において利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加硫ゴム組成物の原料であるゴム成分に添加されるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の使用方法であり、
ゴム成分と、充填剤と、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩とを混錬する前混錬工程A;
前混錬工程Aで得られた混錬物Aと、硫黄成分と、前記硫黄成分の重量を超える重量の加硫促進剤とを混錬する後混錬工程B;
後混錬工程Bで得られた混錬物Bを熱処理して加硫ゴム組成物を得る熱処理工程C;
を含み、加硫ゴム組成物へ耐久性を付与することを特徴とする使用方法。
【請求項2】
硫黄成分1重量部に対するS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはその金属塩の重量が、0.05重量部以上、2.5重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の使用方法。
【請求項3】
硫黄成分1重量部に対する加硫促進剤の重量が、1重量部を超え、2重量部以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の使用方法。

【公開番号】特開2012−12456(P2012−12456A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149034(P2010−149034)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】